JPH1190633A - アルミニウム合金のアーク溶接用シールドガス - Google Patents
アルミニウム合金のアーク溶接用シールドガスInfo
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Abstract
のアーク溶接の際に使用するシールドガスに関して、不
活性シールドガス中の少量のO2 混合により、ブローホ
ール及び介在物の双方を低減し、さらに、ビード表面酸
化と着色を防止することができるようなアルミニウム合
金溶接用シールドガスを提供する。 【解決手段】 O2 0.05〜1.0%と、He20〜
50%と、残部実質的にArとを混合した混合ガスをア
ルミニウム合金溶接用シールドガスとする。
Description
その合金をMIG溶接などのアーク溶接する際に使用す
るシールドガスに関する。
下、単に、アルミニウム合金と言う)をMIG溶接など
のアーク溶接する場合には、アルミニウム合金母材の溶
接部位には、Arガスのシールドガスを吹きつけて、ア
ークによる溶融金属とその後の冷却過程で外気の侵入を
遮断しており、これにより、空気の侵入による溶接部の
酸化やブローホールやピンホールの発生を防止するよう
にされてきた。
ピンホールは、多くは水素ガスによるもので、その起源
の1つは、母材ないし溶接ワイヤに付着ないし吸着した
水分と、他のものは、空気中の水蒸気であると考えられ
るが、Arシールドガスを利用しても、溶着部のブロー
ホールの発生を完全に防止することは困難であった。こ
の対策として、溶接作業現場においては、空調設備によ
り作業室内の空気を除湿したり、シールドガスを溶接部
位に供給する給気管自体を非透水性・非吸着性の材料を
使用する等がなされている。
O2 を混合したシールドガスを利用して、アーク溶接中
の雰囲気を制御してブローホールの発生防止し得ること
が報告されている(福井ら「軽金属」;vol.18、 No.
12(1968)pp609〜616、他)。
的としたものではないが、アルミニウム合金アーク溶接
用のシールドガス技術に関しては、かって、Arシール
ドガスに数%以上のO2 を混合して、薄肉アルミニウム
板の溶接の際のビードの融合不良を防止して、ビード部
の形状改善と裏当てなしでのルート部の余盛の濡れ性の
良いビードを得る方法が知られている(特公昭57−5
9790号公報)。
ミニウム酸化皮膜の生成によるビードの溶融不良を防止
するものであるが、シールドガス中のArの一部ないし
殆ど全部をHeガスに置換してアークを安定化して入熱
を高くする技術が公知であり、(例えば、特開昭52−
126646号、公報)、狭開先厚板のTIG溶接にお
いて溶け込み幅に対する溶け込み深さを確保するため
に、正極性通電比率の調整など給電方法の採用と共に、
HeとArをほぼ等量配合するガスを利用する技術も知
られている(特開平5−131272号)。
r中にO2 を混合したシールドガスは、溶接金属中のブ
ローホールを効果的に防止するためには、O2 を1%以
上、特に数%以上の添加が必要であった。このためにシ
ールドガス中のO2 含有量を増加させることは、、溶接
金属中のブローホールの減少にも拘わらず、溶接過程で
ガス中のO2 により溶融金属中に酸化物が生成し、これ
が溶接金属内部に巻き込まれて非金属介在物として分散
し、機械的強度が低下する惧れがあった。特に、構造用
アルミニウム合金による溶接構造物においては、O2 ガ
ス混合による非金属介在物は、繰り返し荷重による疲労
強度に悪影響すると言う問題があった。さらにまた、溶
融金属の酸化物は、溶接金属表面を褐色ないし黒色の酸
化皮膜として覆うので、溶接部表面の外観が悪化する。
ドガス中の少量のO2 混合により、ブローホール及び介
在物の双方を低減し、さらに、ビード表面酸化と着色を
防止することができるようなアルミニウム合金溶接用シ
ールドガスを提供しようとするものである。
合金のアーク溶接用シールドガスを、Heの共存下の不
活性ガスに、極く少量のO2 を含有させることにより、
溶接時に溶着金属中に発生するブローホール及びピンホ
ールと介在物とを低減し、且つビード表面酸化と着色と
を防止して、健全な溶接金属を形成するものである。
O2 0.05〜1.0%(容積%、以下同じ)と、He
20%以上と、Ar80%以下を含む混合ガスとするも
のである。
合に比較して、アーク間の電位傾度が大きくなり、同一
アーク長さ(溶接作業性を良好に保ためのアーク長さを
一定に保つ)では、電圧が上昇し、入熱量が増加するの
で、溶融池の冷却と凝固が遅延するため、溶着金属内に
巻き込まれた気泡の分離放出が促進される。このような
挙動は、He20%以上の含有により有効に生じ、さら
に、シールドガス中少量のO2 の混合により、溶融金属
の表面張力が低下して、気泡が浮上放出しやすく、更
に、溶融金属中で水素と結合して気泡の発生を抑制する
ものと考えられる。
ルドガスが、約20%以上のHeの混合と0.05〜
1.0%の範囲のO2 の混合とにより、ブローホールを
低減する。しかも、シールドガス中O2 量を軽減するの
で、従来過剰O2 によりアルミニウム合金の酸化して生
じるようなAl2 O3 やMgO、SiO2 、MnO等を
含む介在物が低減でき、さらに、ビード表面の酸化物皮
膜層とこれに伴う着色を有効に防止する。
ンバータ制御等の通常電源やパルス電源、或いは極性を
周期的に変える交流電源などを用いたアルミニウム合金
のMIG溶接やその他のアーク溶接に広く使用され、さ
らにブローホールの発生し易い大電流高溶着量のTIG
溶接などにも適用することができる。さらに、本発明の
上記のシールドガスは、構造用アルミニウム合金、例え
ば、A5000系やA6000系合金の溶接に利用し
て、溶接構造物のために広く適用することができる。
は、O2 0.05〜1.0%と、Ar80%以下と、残
部実質的にHe20%以上とから成る混合ガスである
が、通常は、O2 0.05〜1.0%と、Ar0〜80
%と、残部実質的にHeとから成る混合ガスに調製され
る。
とによって、O2 0.05〜1.0%の少量のO2 で、
ブローホールの発生を防止することができる。シールド
ガス中O2 0.05%未満では、ブローホールやピンホ
ールを抑制する効果が少なく、O2 1.0%を越える
と、介在物を生じやすく、また、表面酸化による着色が
目立ってくる。
05〜1.0%の範囲において、He20〜50%と、
残部実質的にArとから成る三成分系混合ガスであるの
が好ましい。本発明においては、さらに好ましくは、シ
ールドガス中のO2 を0.05〜0.25%と、Heを
20〜30%とし、残部をArとするのが良い。20〜
30%の範囲のHeであっても、Heの上記の効果によ
り、溶融池からの気泡の浮上放出を促進するので、O2
量を低めに設定して、ブローホールを防止しながら、ア
ルミニウムの合金の酸化を抑制して介在物の内部残留や
表面酸化による着色を防止することができる。
に例示すると、図1に模式的に溶接装置の概要を示すよ
うに、シールドガスは、普通は、ボンベ10中に予めA
r、He、及びO2 から混合して上記範囲の組成に調整
充填して供給されるが、使用に際しては、ボンベ10中
のシールドガス1を、減圧器2を介して、ホース3によ
り密閉式ワイヤー供給装置4に導き、ワイヤー供給装置
4から、溶加材ワイヤー5を内包して案内するホース6
を溶接トーチ7に接続し、シールドガス1は、ワイヤー
供給装置4からホース6内を通じてトーチ7に導き、ト
ーチ先側のカバー内から溶接母材8の溶接部位に放出す
るようにして、アーク雰囲気を保護遮蔽する。
ホース3及びホース6には水分吸着の少ない材料、例え
ば、テフロン樹脂製のホースを使用し、或いは、ワイヤ
ー供給装置4等の内部部材をステンレス鋼等で形成する
などの水分吸着防止対策が好ましい。また、溶接作業の
始めには、上記ホースやワイヤー供給装置内部に、シー
ルドガスを予め充分流通させて、その内部を充分に置換
しておくのが好ましい。
金のMIG溶接の試験を、以下の要領で、行った。溶接
母材にはA5083PのO質別の厚み8mmの板材を、
また溶加材にはA5356−WYの径1.2のワイヤー
を使用して、以下の溶接条件で、MIG溶接を行った。
試験は、図1に示すような溶接装置を使用したが、但し
ブローホールの発生し易い横向姿勢で、自動溶接により
行った。
突合せの溶接母材の板材81、82の溶接部位に裏当金
83を仮付けし、溶接母材を立てた状態で3パス(図中
I、II、III の順で)の横向き溶接をした。
JIS Z3105に準拠したX線透過写真による溶接
部のきず点数を求めた。
〜7がビード表面が僅かに黄色みがかる程度に着色され
ているだけで、特に、問題はない。X線透過撮影による
きず点数についての試験結果を表1に示すが、この表か
ら、Ar−20〜30%He混合ガスに0.05%以上
のO2 を含むとき、きず点数で見た欠陥が有効に低減す
ることがわかる。JISに規定するきず点数は、ブロー
ホールと介在物の両方を評価しているので、本発明のシ
ールドガスは、ブローホールと介在物とを全体的に低減
させるものと理解できる。
用のシールドガスは、Heを20%以上と0.05〜
1.0%の範囲の少量のO2 を含む混合ガスとしたの
で、溶接部でのブローホールとともに非金属介在物等の
溶接欠陥の低減に有効であり、表面における酸化皮膜層
とそれに伴う着色を防止することができる。
20〜30%と、残部実質的にArとから成る混合ガス
とすることにより、溶接欠陥の低減と共に、表面の着色
を防止することができ、しかも、Heの配合が比較的少
ないので、シールドガスとして安価で量産的供給可能で
あり、従って、溶接時の多量使用が可能となり、広範囲
のアルミニウム合金の溶接構造に適用できる実用的なア
ーク溶接用シールドガスを提供することができる。
MIG溶接装置の概念図を示す。
アルミニウム合金試験板の形状・配置を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 アルミニウム合金のアーク溶接に使用さ
れるシールドガスにおいて、 該シールドガスが、O2 0.05〜1.0%と、He2
0%以上と、Ar80%以下とを含む混合ガスであるこ
とを特徴とするアルミニウム合金アーク溶接用シールド
ガス。 - 【請求項2】 上記シールドガス中のO2 が0.05〜
0.25%である請求項1記載のシールドガス。 - 【請求項3】 アルミニウム合金のアーク溶接に使用さ
れるシールドガスであって、 上記シールドガスが、O2 0.05〜1.0%と、He
20〜50%と、残部実質的にArとから成る混合ガス
であることを特徴とするアルミニウム溶接用シールドガ
ス。 - 【請求項4】 上記シールドガスが、O2 0.05〜
0.25%と、He20〜30%と含む請求項3記載の
アルミニウム溶接用シールドガス。 - 【請求項5】 上記のアーク溶接が、MIG溶接である
請求項1ないし4何れかに記載のアルミニウム溶接用シ
ールドガス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25657697A JP2954551B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | アルミニウム合金のアーク溶接用シールドガス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25657697A JP2954551B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | アルミニウム合金のアーク溶接用シールドガス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1190633A true JPH1190633A (ja) | 1999-04-06 |
JP2954551B2 JP2954551B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=17294560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25657697A Expired - Lifetime JP2954551B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | アルミニウム合金のアーク溶接用シールドガス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2954551B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1603701A4 (en) * | 2003-03-07 | 2008-09-03 | Praxair Technology Inc | GAS COMPOSITION FOR ELECTRIC ARC WELDING |
-
1997
- 1997-09-22 JP JP25657697A patent/JP2954551B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1603701A4 (en) * | 2003-03-07 | 2008-09-03 | Praxair Technology Inc | GAS COMPOSITION FOR ELECTRIC ARC WELDING |
Also Published As
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JP2954551B2 (ja) | 1999-09-27 |
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