JPH1189897A - 関節駆動装置 - Google Patents

関節駆動装置

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JPH1189897A
JPH1189897A JP9258785A JP25878597A JPH1189897A JP H1189897 A JPH1189897 A JP H1189897A JP 9258785 A JP9258785 A JP 9258785A JP 25878597 A JP25878597 A JP 25878597A JP H1189897 A JPH1189897 A JP H1189897A
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joint
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maximum
gripper
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JP9258785A
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English (en)
Inventor
Taisuke Sakaki
泰輔 榊
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Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 距腿関節の距骨周りの運動を適正に行い、距
腿関節の他動運動を効果的に行うこと。 【解決手段】 把持部21に設けられたしょう骨把持部
22が、足部拘束ベルト25によって把持部21に拘束
された足部11のしょう骨を、足部11後方より足部1
1の幅方向両側から挟む。これにより把持部21は、把
持部駆動機構23によって揺動された際、しょう骨と足
裏を距腿関節に沿う仮想延長線26周りに屈曲・伸展運
動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば整形外科手
術後やリハビリテーションにおいて、足関節の関節可動
域訓練、筋力増強訓練、持続力増強訓練その他の訓練を
行うため、関節の他動運動又は自動運動を行う関節駆動
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、整形外科手術後やリハビリテー
ションにおいて、足関節の関節可動域訓練、筋力増強訓
練、持続力増強訓練その他の訓練を行う際には、下腿部
と足部との間の足関節、すなわち距腿関節の柔軟性を保
つため、足裏を押す運動と、しょう骨(かかと)を身体
下方に引き下げる運動が、理学療法士によって実施され
る。これにより、距腿関節周りの運動及び背屈が行われ
る。足裏を押す運動と、しょう骨を身体下方に引き下げ
る運動が、同時に実施される理由は、足裏のみを押す
と、距腿関節周りの運動が起こらず、足指のみの曲げが
起こるためである。また上記距腿関節周りの運動と同時
に、距腿関節の身体前方への引き上げ運動や、距腿関節
の身体後方への引き下げ運動が行われる。距腿関節の身
体前方への引き上げ運動や、距腿関節の身体後方への引
き下げ運動が、上記距腿関節周りの運動と同時に行われ
る理由は、距腿関節の骨間の滑りを良くするためであ
る。従来、整形外科で用いられる運動装置、あるいは理
学療法科で用いられる運動療法装置には、以下のような
ものがある。すなわち、膝や肘など足関節以外に適用さ
れる従来装置として、例えば特開昭60−179062
号公報には、1軸の回転軸を有する手首関節に適用する
装置(オルトペディック社)が記載されている。また特
開昭60−232158号公報にも、1軸の回転軸を有
する手首関節に適用する装置(サッター社)が記載され
ている。更に特開昭61−170464号公報には、ベ
ッド取付機構を有し、膝と股関節を屈曲伸展させる装置
(インバケア社)が記載されている。特公平4−140
28号公報には、直線部材上の往復運動によって、肩と
肘関節を屈曲伸展させる装置(トロントメディカル社)
が記載されている。特開昭60−203963号公報に
は、股と膝を屈曲伸展させるとともに、股の外転を可能
とした装置(オルトペディック社)が記載されている。
上述した従来装置ではそれぞれ、肢体の可動角度を数値
で設定すると、その設定角度にしたがって一定速度で肢
体を運動せしめる、いわゆる連続他動運動を行うことが
できる。また、関節を曲げる最大角度から最大関節可動
域を設定し、設定範囲内において一定速度で動作させる
こともできる。更に、予め設定された負荷の値を越える
値を検出すると、すなわち過負荷を検出すると、一時停
止あるいは動作方向の反転を行う。また、特公昭57−
44337号公報、特公平3−54587号公報には、
装置によって肢体を動かす他動運動の他に、肢体が能動
的に力を発揮して運動する自動運動、すなわち筋力増強
等を目的とした等尺運動、等張運動、等速運動等の自動
運動を行うことができる装置が記載されている。これら
の従来装置においては、肢体の可動角度を数値で設定す
ると、その設定角度にしたがって一定速度で肢体を他動
運動させることができる。また、肢体を直接動かして可
動角度を時系列データとして設定する(直接教示)と、
その時系列データにしたがって肢体を他動運動させるこ
とができる。更に、関節角度や関節にかかる負荷を計測
し、関節にかかる最大負荷を可変に設定できる。一方、
足関節に適用される従来装置として、特開平5−146
476号公報には、足首の底屈背屈、回旋、内外転の可
能な多軸の回転軸を有する装置(オルトペディック社)
が記載されている。また、足首の底屈背屈運動を実施す
るアンクルストレッチャ(Ankle Stretch
er)なる製品が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来装置のう
ち、特開昭60−179062号公報、特開昭60−2
32158号公報、特開昭61−170464号公報、
特公平4−14028号公報、及び特開昭60−203
963号公報に記載の膝や肘など足関節以外に適用され
る装置では、足関節と膝や肘など足関節以外の関節と
で、関節周りの肢体構造が異なるため、足関節にそのま
ま適用することはできないという問題があった。また特
公昭57−44337号公報、特公平3−54587号
公報に記載の装置では、最大関節負荷の設定値と、関節
負荷の計測値から、最大関節可動域を自動的に調整する
ことができないという問題があった。すなわち例えば、
関節負荷の計測値が、最大関節負荷の設定値を下回る際
には、手動操作にて最大関節可動域を広げる必要があっ
た。一方、特開平5−146476号公報に記載の足関
節に適用される従来装置では、連続他動運動に際して、
足裏のみを押す構造となっており、しょう骨を押す構造
にはなっていない。したがって、足指のみが曲がる傾向
にあり、距腿関節周りの運動を実施することが極めて困
難であるという問題があった。更に、距腿関節における
距腿関節の身体前方への引き上げ運動や、身体後方への
引き下げ運動を、距腿関節周りの運動とともに実施する
ことができないという問題もあった。本発明は、距腿関
節周りの運動を適正に行うことができ、これにより距腿
関節の他動運動を効果的に行うことができる関節駆動装
置を提供することを目的としている。また本発明は、最
大関節負荷設定値及び関節負荷計測値に基づいて、最大
関節可動域を自動的に調整することができる関節駆動装
置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る関節駆動装置は、距腿関節の他動運動又は自動運動を
行う関節駆動装置において、装置基部と、前記装置基部
に下腿部を拘束する下腿部拘束手段と、前記下腿部拘束
手段によって前記装置基部に拘束された前記下腿部の距
腿関節に沿う仮想延長線周りに、揺動可能に支持された
把持部と、前記把持部に足部を拘束する足部拘束手段
と、前記把持部の揺動中心と所定の位置関係を以て前記
把持部に設けられ、前記足部拘束手段によって前記把持
部に拘束された前記足部のしょう骨を、前記足部後方よ
り前記足部の幅方向両側から挟むしょう骨把持部と、前
記把持部を揺動させることにより、距腿関節に沿う仮想
延長線周りに前記しょう骨及び足裏を変位させ、前記距
腿関節を屈曲・伸展運動させる把持部駆動手段とを具備
したものである。なお、前記把持部駆動手段が、距腿関
節に沿う仮想延長線上に位置して把持部に連結された軸
を回転させることにより、把持部を揺動させることが好
ましい。また、前記把持部駆動手段が、把持部における
しょう骨把持部近傍を、下腿部の長手方向に沿って直線
的に移動させることにより、把持部を揺動させることが
好ましい。また、前記把持部駆動手段が、距腿関節に沿
う仮想延長線上に位置して把持部に連結された軸を回転
させるとともに、把持部におけるしょう骨把持部近傍
を、下腿部の長手方向に沿って直線的に移動させること
により、把持部を揺動させることが好ましい。請求項5
に係わる関節駆動装置は、距腿関節の他動運動又は自動
運動を行う関節駆動装置において、装置基部と、前記装
置基部に下腿部を拘束する下腿部拘束手段と、前記下腿
部拘束手段によって前記装置基部に拘束された前記下腿
部の距腿関節に沿う仮想延長線周りに揺動可能に、か
つ、前記装置基部に対して相対変位可能に支持された把
持部と、前記把持部に足部を拘束する足部拘束手段と、
前記把持部の揺動中心と所定の位置関係を以て前記把持
部に設けられ、前記足部拘束手段によって前記把持部に
拘束された前記足部のしょう骨を、前記足部後方より前
記足部の幅方向両側から挟むしょう骨把持部と、前記把
持部を揺動させるとともに、距腿関節に沿う仮想延長線
と交差する面内で、前記装置基部に対して直線的に変位
させることにより、距腿関節に沿う仮想延長線周りに前
記しょう骨及び足裏を変位させ、前記距腿関節を屈曲・
伸展運動させるとともに、前記下腿部の前方、後方、上
方又は下方に直線運動させる把持部駆動手段とを具備し
たものである。請求項6に係わる関節駆動装置は、関節
の他動運動又は自動運動を行う関節駆動装置において、
肢体を把持する把持部と、前記把持部を駆動することに
より、前記把持部によって把持された肢体の関節を屈曲
・伸展運動させる把持部駆動手段と、関節可動域の最大
値を設定する最大関節可動域設定手段と、関節にかける
ことのできる負荷の最大値を設定する最大関節負荷設定
手段と、前記把持部駆動手段によって屈曲・伸展運動さ
れる関節の曲げ角度を計測する関節角度計測手段と、前
記把持部駆動手段によって屈曲・伸展運動される関節に
かかる負荷を計測する関節負荷計測手段と、前記最大関
節可動域設定手段、前記最大関節負荷設定手段、前記関
節角度計測手段及び前記関節負荷計測手段からの信号に
基づいて、関節の曲げ角度の目標値を設定し、前記把持
部駆動手段を制御する関節角度目標値設定手段とを具備
したものである。なお、前記最大関節可動域設定手段
が、把持部に把持された肢体による直接教示によって、
最大限に動かされた関節の曲げ角度を関節可動域の最大
値として設定することが好ましい。また、前記最大関節
負荷設定手段が、把持部に把持された肢体の直接教示に
よって、曲げ角度の最大値に達した関節にかかる負荷を
計測し、当該計測値を、関節にかけることのできる負荷
の最大値として設定することが好ましい。また、前記最
大関節負荷設定手段が、把持部に把持された肢体の直接
教示による把持部駆動手段の稼働中に、関節にかかる負
荷を計測し、当該計測値の最大値を、関節にかけること
のできる負荷の最大値として設定することが好ましい。
また、前記関節角度計測手段が、把持部駆動手段の駆動
軸の回転角度、又は把持部駆動手段によって揺動される
把持部の軸の回転角度に基づいて、関節の曲げ角度を計
測することが好ましい。また、前記関節負荷計測手段
が、把持部に設けられた歪みセンサからの信号、把持部
駆動手段の駆動源に設けられたトルクセンサからの信
号、又は把持部駆動手段への指令電流値に基づいて、関
節にかかる負荷を計測することが好ましい。また、前記
関節負荷計測手段が、把持部と把持部駆動手段とを連結
するベルトの歪みを、ベルトが巻回される軸間の角度偏
差から推定し、推定したベルトの歪みに基づいて、関節
にかかる負荷を計測することが好ましい。また、前記関
節角度目標値設定手段は、前記最大関節負荷設定手段に
よって設定された最大関節負荷設定値又は前記最大関節
可動域設定手段によって設定された最大関節可動域設定
値より、前記関節負荷計測手段によって計測された関節
負荷計測値及び前記関節角度計測手段によって計測され
た関節角度計測値の少なくとも一方が大きい場合には、
計測された関節角度計測値を関節角度目標値とし、前記
関節角度計測値及び前記関節負荷計測値のいずれもが、
それぞれ前記最大関節可動域設定値及び前記最大関節負
荷設定値より小さい場合には、関節角度目標値を予め設
定した微分量だけ大きくすることが好ましい。また、前
記関節角度目標値設定手段は、前記最大関節負荷設定手
段によって設定された最大関節負荷設定値より、前記関
節負荷計測手段によって計測された関節負荷計測値が大
きくなった場合には、前記把持部駆動手段によって関節
の運動方向を反転させ、前記関節負荷計測値が最大関節
負荷設定値より等しいか又は小さくなるまで、関節角度
目標値を小さくすることが好ましい。請求項15に係わ
る関節駆動装置は、関節の他動運動又は自動運動を行う
関節駆動装置において、肢体を把持する把持部と、前記
把持部を駆動することにより、前記把持部によって把持
された肢体の関節を屈曲・伸展運動させる把持部駆動手
段と、関節にかけることのできる負荷の最大値を設定す
る最大関節負荷設定手段と、前記把持部駆動手段によっ
て屈曲・伸展運動される関節にかかる負荷を計測する関
節負荷計測手段と、前記最大関節負荷設定手段及び前記
関節負荷計測手段からの信号に基づいて、関節にかかる
負荷の目標値を設定し、前記把持部駆動手段を制御する
関節負荷目標値設定手段とを具備したものである。な
お、前記関節負荷計測手段が、把持部に設けられた歪み
センサからの信号、把持部駆動手段の駆動源に設けられ
たトルクセンサからの信号、又は把持部駆動手段への指
令電流値に基づいて、関節にかかる負荷を計測すること
が好ましい。また、前記関節負荷目標値設定手段におい
て、予め関節負荷計測手段によって計測した関節負荷計
測値と、把持部駆動機構への指令電流値又は指令トルク
値とを対応させ、それらを対応表又は対応関数にして記
憶装置に保持させておくことが好ましい。請求項1に係
わる関節駆動装置においては、把持部駆動手段が、下腿
部拘束手段によって装置基部に拘束された下腿部の距腿
関節に沿う仮想延長線周りに、把持部を揺動させる。こ
の際、把持部に設けられたしょう骨把持部は、足部拘束
手段によって把持部に拘束された足部のしょう骨を、足
部後方より足部の幅方向両側から挟む。これにより把持
部は、距腿関節に沿う仮想延長線周りにしょう骨及び足
裏を変位させ、距腿関節を屈曲・伸展運動させる。請求
項2に係わる関節駆動装置においては、把持部駆動手段
が、下腿部拘束手段によって装置基部に拘束された下腿
部の距腿関節に沿う仮想延長線上に位置して把持部に連
結された軸を回転させることにより、距腿関節に沿う仮
想延長線周りに、把持部を揺動させる。この際、把持部
に設けられたしょう骨把持部は、足部拘束手段によって
把持部に拘束された足部のしょう骨を、足部後方より足
部の幅方向両側から挟む。これにより把持部は、距腿関
節に沿う仮想延長線周りにしょう骨及び足裏を変位さ
せ、距腿関節を屈曲・伸展運動させる。請求項3に係る
関節駆動装置においては、把持部駆動手段が、把持部に
おけるしょう骨把持部近傍を、下腿部の長手方向に沿っ
て直線的に移動させることにより、下腿部拘束手段によ
って装置基部に拘束された下腿部の距腿関節に沿う仮想
延長線周りに、把持部を揺動させる。この際、把持部に
設けられたしょう骨把持部は、足部拘束手段によって把
持部に拘束された足部のしょう骨を、足部後方より足部
の幅方向両側から挟む。これにより把持部は、距腿関節
に沿う仮想延長線周りにしょう骨及び足裏を変位させ、
距腿関節を屈曲・伸展運動させる。請求項4に係る関節
駆動装置においては、把持部駆動手段が、距腿関節に沿
う仮想延長線上に位置して把持部に連結された軸を回転
させるとともに、把持部におけるしょう骨把持部近傍
を、下腿部の長手方向に沿って直線的に移動させること
により、下腿部拘束手段によって装置基部に拘束された
下腿部の距腿関節に沿う仮想延長線周りに、把持部を揺
動させる。この際、把持部に設けられたしょう骨把持部
は、足部拘束手段によって把持部に拘束された足部のし
ょう骨を、足部後方より足部の幅方向両側から挟む。こ
れにより把持部は、距腿関節に沿う仮想延長線周りにし
ょう骨及び足裏を変位させ、距腿関節を屈曲・伸展運動
させる。請求項5に係る関節駆動装置においては、把持
部駆動手段が、下腿部拘束手段によって装置基部に拘束
された下腿部の距腿関節に沿う仮想延長線周りに、把持
部を揺動させるとともに、距腿関節に沿う仮想延長線と
交差する面内で、装置基部に対して直線的に変位させ
る。この際、把持部に設けられたしょう骨把持部は、足
部拘束手段によって把持部に拘束された足部のしょう骨
を、足部後方より足部の幅方向両側から挟む。これによ
り把持部は、距腿関節に沿う仮想延長線周りにしょう骨
及び足裏を変位させ、距腿関節を屈曲・伸展運動させる
とともに、下腿部の前方、後方、上方又は下方に直線運
動させる。請求項6に係る関節駆動装置においては、把
持部駆動手段は、把持部を駆動することにより、把持部
によって把持された肢体の関節を屈曲・伸展運動させ
る。最大関節可動域設定手段は、関節可動域の最大値を
設定する。最大関節負荷設定手段は、関節にかけること
のできる負荷の最大値を設定する。関節角度計測手段
は、把持部駆動手段によって屈曲・伸展運動される関節
の曲げ角度を計測する。関節負荷計測手段は、把持部駆
動手段によって屈曲・伸展運動される関節にかかる負荷
を計測する。関節角度目標値設定手段は、最大関節可動
域設定手段、最大関節負荷設定手段、関節角度計測手
段、及び関節負荷計測手段からの信号に基づいて、関節
の曲げ角度の目標値を設定し、把持部駆動手段を制御す
る。請求項7に係る関節駆動装置において、把持部駆動
手段は、把持部を駆動することにより、把持部によって
把持された肢体の関節を屈曲・伸展運動させる。最大関
節可動域設定手段は、関節可動域の最大値を設定する。
すなわち最大関節可動域設定手段は、把持部に把持され
た肢体による直接教示によって、最大限に動かされた関
節の曲げ角度を関節可動域の最大値として設定する。最
大関節負荷設定手段は、関節にかけることのできる負荷
の最大値を設定する。関節角度計測手段は、把持部駆動
手段によって屈曲・伸展運動される関節の曲げ角度を計
測する。関節負荷計測手段は、把持部駆動手段によって
屈曲・伸展運動される関節にかかる負荷を計測する。関
節角度目標値設定手段は、最大関節可動域設定手段、最
大関節負荷設定手段、関節角度計測手段、及び関節負荷
計測手段からの信号に基づいて、関節の曲げ角度の目標
値を設定し、把持部駆動手段を制御する。請求項8に係
る関節駆動装置において、把持部駆動手段は、把持部を
駆動することにより、把持部によって把持された肢体の
関節を屈曲・伸展運動させる。最大関節可動域設定手段
は、関節可動域の最大値を設定する。最大関節負荷設定
手段は、関節にかけることのできる負荷の最大値を設定
する。すなわち最大関節負荷設定手段は、把持部に把持
された肢体の直接教示によって、曲げ角度の最大値に達
した関節の負荷を計測し、当該計測値を、関節にかける
ことのできる負荷の最大値として設定する。関節角度計
測手段は、把持部駆動手段によって屈曲・伸展運動され
る関節の曲げ角度を計測する。関節負荷計測手段は、把
持部駆動手段によって屈曲・伸展運動される関節にかか
る負荷を計測する。関節角度目標値設定手段は、最大関
節可動域設定手段、最大関節負荷設定手段、関節角度計
測手段、及び関節負荷計測手段からの信号に基づいて、
関節の曲げ角度の目標値を設定し、把持部駆動手段を制
御する。請求項9に係る関節駆動装置において、把持部
駆動手段は、把持部を駆動することにより、把持部によ
って把持された肢体の関節を屈曲・伸展運動させる。最
大関節可動域設定手段は、関節可動域の最大値を設定す
る。最大関節負荷設定手段は、関節にかけることのでき
る負荷の最大値を設定する。すなわち最大関節負荷設定
手段は、把持部に把持された肢体の直接教示による把持
部駆動手段の稼働中に、関節負荷を計測し、当該計測値
の最大値を、関節にかけることのできる負荷の最大値と
して設定する。関節角度計測手段は、把持部駆動手段に
よって屈曲・伸展運動される関節の曲げ角度を計測す
る。関節負荷計測手段は、把持部駆動手段によって屈曲
・伸展運動される関節にかかる負荷を計測する。関節角
度目標値設定手段は、最大関節可動域設定手段、最大関
節負荷設定手段、関節角度計測手段、及び関節負荷計測
手段からの信号に基づいて、関節の曲げ角度の目標値を
設定し、把持部駆動手段を制御する。請求項10に係る
関節駆動装置において、把持部駆動手段は、把持部を駆
動することにより、把持部によって把持された肢体の関
節を屈曲・伸展運動させる。最大関節可動域設定手段
は、関節可動域の最大値を設定する。最大関節負荷設定
手段は、関節にかけることのできる負荷の最大値を設定
する。関節角度計測手段は、把持部駆動手段によって屈
曲・伸展運動される関節の曲げ角度を計測する。すなわ
ち関節角度計測手段は、把持部駆動手段の駆動軸の回転
角度、又は把持部駆動手段によって揺動される把持部の
軸の回転角度に基づいて、関節の曲げ角度を計測する。
関節負荷計測手段は、把持部駆動手段によって屈曲・伸
展運動される関節にかかる負荷を計測する。関節角度目
標値設定手段は、最大関節可動域設定手段、最大関節負
荷設定手段、関節角度計測手段、及び関節負荷計測手段
からの信号に基づいて、関節の曲げ角度の目標値を設定
し、把持部駆動手段を制御する。請求項11に係る関節
駆動装置において、把持部駆動手段は、把持部を駆動す
ることにより、把持部によって把持された肢体の関節を
屈曲・伸展運動させる。最大関節可動域設定手段は、関
節可動域の最大値を設定する。最大関節負荷設定手段
は、関節にかけることのできる負荷の最大値を設定す
る。関節角度計測手段は、把持部駆動手段によって屈曲
・伸展運動される関節の曲げ角度を計測する。関節負荷
計測手段は、把持部駆動手段によって屈曲・伸展運動さ
れる関節にかかる負荷を計測する。すなわち関節負荷計
測手段は、把持部に設けられた歪みセンサからの信号、
把持部駆動手段の駆動源に設けられたトルクセンサから
の信号、又は把持部駆動手段への指令電流値に基づい
て、関節にかかる負荷を計測する。関節角度目標値設定
手段は、最大関節可動域設定手段、最大関節負荷設定手
段、関節角度計測手段、及び関節負荷計測手段からの信
号に基づいて、関節の曲げ角度の目標値を設定し、把持
部駆動手段を制御する。請求項12に係る関節駆動装置
において、把持部駆動手段は、把持部を駆動することに
より、把持部によって把持された肢体の関節を屈曲・伸
展運動させる。最大関節可動域設定手段は、関節可動域
の最大値を設定する。最大関節負荷設定手段は、関節に
かけることのできる負荷の最大値を設定する。関節角度
計測手段は、把持部駆動手段によって屈曲・伸展運動さ
れる関節の曲げ角度を計測する。関節負荷計測手段は、
把持部駆動手段によって屈曲・伸展運動される関節にか
かる負荷を計測する。すなわち関節負荷計測手段は、把
持部と把持部駆動手段とを連結するベルトの歪みを、ベ
ルトが巻回される軸間の角度偏差から推定し、推定した
ベルトの歪みに基づいて、関節にかかる負荷を計測す
る。関節角度目標値設定手段は、最大関節可動域設定手
段、最大関節負荷設定手段、関節角度計測手段、及び関
節負荷計測手段からの信号に基づいて、関節の曲げ角度
の目標値を設定し、把持部駆動手段を制御する。請求項
13に係る関節駆動装置において、把持部駆動手段は、
把持部を駆動することにより、把持部によって把持され
た肢体の関節を屈曲・伸展運動させる。最大関節可動域
設定手段は、関節可動域の最大値を設定する。最大関節
負荷設定手段は、関節にかけることのできる負荷の最大
値を設定する。関節角度計測手段は、把持部駆動手段に
よって屈曲・伸展運動される関節の曲げ角度を計測す
る。関節負荷計測手段は、把持部駆動手段によって屈曲
・伸展運動される関節にかかる負荷を計測する。関節角
度目標値設定手段は、最大関節可動域設定手段、最大関
節負荷設定手段、関節角度計測手段、及び関節負荷計測
手段からの信号に基づいて、関節の曲げ角度の目標値を
設定し、把持部駆動手段を制御する。関節角度目標値設
定手段は、最大関節負荷設定値又は最大関節可動域設定
値より、関節負荷計測値及び関節角度計測値の少なくと
も一方が大きい場合には、計測された関節角度計測値を
関節角度目標値とし、関節角度計測値及び関節負荷計測
値のいずれもが、それぞれ最大関節可動域設定値及び最
大関節負荷設定値より小さい場合には、関節角度目標値
を予め設定した微分量だけ大きくする。また、関節角度
目標値設定手段は、最大関節負荷設定手段によって設定
された最大関節負荷設定値より、関節負荷計測手段によ
って計測された関節負荷計測値が大きくなった場合に
は、把持部駆動手段によって関節の運動方向を反転さ
せ、関節負荷計測値が設定値より等しいか又は小さくな
るまで、関節角度目標値を小さくする。請求項15に係
る関節駆動装置において、把持部駆動手段は、把持部を
駆動することにより、把持部によって把持された肢体の
関節を屈曲・伸展運動させる。最大関節負荷設定手段
は、関節にかけることのできる負荷の最大値を設定す
る。関節負荷計測手段は、把持部駆動手段によって屈曲
・伸展運動される関節にかかる負荷を計測する。関節負
荷目標値設定手段は、最大関節負荷設定手段及び関節負
荷計測手段からの信号に基づいて、関節にかかる負荷の
目標値を設定し、把持部駆動手段を制御する。請求項1
6に係る関節駆動装置において、把持部駆動手段は、把
持部を駆動することにより、把持部によって把持された
肢体の関節を屈曲・伸展運動させる。最大関節負荷設定
手段は、関節にかけることのできる負荷の最大値を設定
する。関節負荷計測手段は、把持部駆動手段によって屈
曲・伸展運動される関節にかかる負荷を計測する。すな
わち関節負荷計測手段は、把持部に設けられた歪みセン
サからの信号、把持部駆動手段の駆動源に設けられたト
ルクセンサからの信号、又は把持部駆動手段への指令電
流値に基づいて、関節にかかる負荷を計測する。関節負
荷目標値設定手段は、最大関節負荷設定手段及び関節負
荷計測手段からの信号に基づいて、関節にかかる負荷の
目標値を設定し、把持部駆動手段を制御する。請求項1
7に係る関節駆動装置において、把持部駆動手段は、把
持部を駆動することにより、把持部によって把持された
肢体の関節を屈曲・伸展運動させる。最大関節負荷設定
手段は、関節にかけることのできる負荷の最大値を設定
する。関節負荷計測手段は、把持部駆動手段によって屈
曲・伸展運動される関節にかかる負荷を計測する。関節
負荷目標値設定手段は、最大関節負荷設定手段及び関節
負荷計測手段からの信号に基づいて、関節にかかる負荷
の目標値を設定し、把持部駆動手段を制御する。関節負
荷目標値設定部においては、予め関節負荷計測部によっ
て計測した関節負荷計測値と、把持部駆動機構への指令
電流値又は指令トルク値とを対応させ、それらを対応表
又は対応関数にして記憶装置に保持させておく。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態で
ある関節駆動装置を示す斜視図であり、図2は、図1の
関節駆動装置の右側面図である。また図3は、図1の関
節駆動装置の把持部駆動機構を示す分解斜視図であり、
図4は、図1の関節駆動装置のしょう骨把持部を示す図
である。これらの図において、装置基部20には、下腿
部10が当接・拘束され、把持部21には、足部11が
当接・拘束される。把持部21は、しょう骨把持部22
とともに把持部駆動機構23によって駆動されることに
より、下腿部10と足部11との間の足関節、すなわち
距腿関節12の他動運動又は自動運動を行う。装置基部
20の上面には、下腿部拘束ベルト24が設けられる。
下腿部拘束ベルト24は、装置基部20の上面に当接さ
れた下腿部10を拘束する。また把持部21の図1中左
側面には、足部拘束ベルト25が設けられる。足部拘束
ベルト25は、把持部21に当接された足部11を拘束
する。把持部21は、下腿部拘束ベルト24によって装
置基部20に拘束された下腿部10の距腿関節に沿う仮
想延長線26周りに、装置基部20に揺動可能に支持さ
れる。把持部21は、把持部駆動機構23によって装置
基部20に対して図中矢印方向に揺動される。しょう骨
把持部22は、把持部21の揺動中心(前記仮想延長線
26)と所定の位置関係を以て把持部21に設けられ
る。しょう骨把持部22は、足部拘束ベルト25によっ
て把持部21に拘束された足部11のしょう骨13(か
かと)を、足部11後方より足部11の幅方向両側から
挟む。これによりしょう骨把持部22は、把持部21が
把持部駆動機構23によって揺動された際、距腿関節を
中心に距腿関節12を屈曲・伸展運動、すなわちしょう
骨13と足裏を距腿関節に沿う仮想延長線26周りに屈
曲・伸展運動させる。把持部駆動機構23は、距腿関節
に沿う仮想延長線26上に位置する回転軸27を、正逆
方向に回転させることにより、回転軸27に連結された
把持部21を、距腿関節に沿う仮想延長線26を中心と
して反復して揺動させる。これにより把持部21は、距
腿関節に沿う仮想延長線26周りにしょう骨13及び足
裏を変位させ、距腿関節12を屈曲・伸展運動させる。
すなわち把持部駆動機構23においては、モータ28が
正逆方向に回転されることにより、減速ギヤ29、駆動
プーリ30、駆動ベルト31及び従動プーリ32を介し
て、回転軸27が正逆方向に回転される。これにより回
転軸27に連結された把持部21は、装置基部20に対
して図中矢印方向に反復して揺動される。前記回転軸2
7は、一端部を把持部21の貫通孔33に嵌合されると
ともに、他端部を従動プーリ32の軸34に固定されて
おり、従動プーリ32の軸34とともにベアリング35
を介してベルトカバー36に相対回転可能に支持されて
いる。ベルトカバー36は、装置基部20の上面に立設
される。把持部21の貫通孔33は、把持部21におけ
る前記仮想延長線26上となる位置に形成される。モー
タ28は、モータアンプ37によって回転量、回転速度
及び回転方向を制御される。以下、本実施の形態の作用
を説明する。把持部駆動機構23は、下腿部拘束ベルト
24によって装置基部20に拘束された下腿部10の距
腿関節に沿う仮想延長線26周りに、把持部21を揺動
させる。この際、把持部21に設けられたしょう骨把持
部22は、足部11のしょう骨13を、足部11後方よ
り足部11の幅方向両側から挟む。これにより把持部2
1は、距腿関節に沿う仮想延長線26周りにしょう骨1
3及び足裏を変位させ、距腿関節12を屈曲・伸展運動
させる。図5は、本発明の第2実施形態である関節駆動
装置を示す斜視図であり、図6は、図5の関節駆動装置
の右側面図である。本実施形態において、把持部駆動機
構40は、把持部21におけるしょう骨把持部22の下
部を、下腿部10の長手方向(図5中矢印A方向)に沿
って直線的に移動させることにより、把持部21を図5
中矢印B方向に沿って揺動させる。すなわち把持部駆動
機構40において、ボールネジ(図示しない)を内蔵す
る直動モータ41は、装置基部20(図1参照)に固定
されており、水平リンク42、フリー回転軸部43及び
垂直リンク44を介して、把持部21におけるしょう骨
把持部22下方の下端部に連結されている。水平リンク
42には、伸縮を許容する機構(図示しない)が設けら
れる。直動モータ41は、水平リンク42を図5中矢印
A方向に沿って直線的に移動させることにより、フリー
回転軸部43を介して、垂直リンク44の図5中下端部
を図5中矢印A方向に押す又は引張り、把持部21を図
5中矢印B方向に揺動させる。その他の構成及び作用
は、上記第1実施形態と同様である。なお、本実施形態
においては、水平リンク42に設けた伸縮を許容する機
構に代えて、直動モータ41と装置基部20との固定部
分(図示しない)に、装置基部20に対する直動モータ
41の回転を許容する機構(図示しない)を設けてもよ
い。また、本実施形態の直動モータ41及びリンク4
2,44を用いた把持部駆動機構40の構成に、上記第
1実施形態のベルト駆動による把持部駆動機構23の構
成を組み合わせ、各把持部駆動機構23,40の作動を
同期させるように構成してもよい。これによると、把持
部21の揺動をより円滑かつ確実に行うことができる。
図7は、本発明の第3実施形態である関節駆動装置を示
す斜視図である。本実施形態において、把持部50は、
回転軸51を介して相対変位可能に連結された第1リン
ク52及び第2リンク53を介して、装置基部20に支
持されており、距腿関節に沿う仮想延長線26と直交す
る垂直面内で、装置基部20に対して相対変位可能であ
る。すなわち把持部50は、第1リンク52の上端部に
回転軸54を介して相対変位可能に連結されている。第
2リンク53の下端部は、回転軸55を介して装置基部
20に相対変位可能に連結されている。これにより把持
部50は、第1リンク52及び第2リンク53の変位に
伴って、距腿関節に沿う仮想延長線26と直交する垂直
面内で、装置基部20に対して直線的に変位可能であ
る。また把持部50は、回転軸51が距腿関節に沿う仮
想延長線26上に位置するように、前記垂直面内で変位
された状態で、距腿関節に沿う仮想延長線26周りに揺
動可能である。把持部駆動機構56は、前記各回転軸5
1,54,55にそれぞれ直結された3個のモータ(図
示しない)からなる。各モータはそれぞれ、モータアン
プ(図示しない)の制御に従って、各回転軸51,5
4,55を所定の方向に所定の速度で所定量回転させ
る。これにより各モータはそれぞれ、対応するリンク5
2,53をそれぞれ変位させ、把持部50を揺動させる
とともに、距腿関節を下腿部10の前方、後方、上方又
は下方に押す方向に、把持部50を距腿関節に沿う仮想
延長線26と直交する垂直面内で直線的に変位させる。
これにより把持部駆動機構56は、しょう骨13及び足
裏を把持部50の揺動中心周りに変位させ、距腿関節1
2を屈曲・伸展運動させつつ、下腿部10の前方、後
方、上方又は下方に直線運動させる。その他の構成は、
上記第1実施形態と同様である。以下、本実施形態の作
用を説明する。把持部駆動機構56は、下腿部拘束ベル
ト24によって装置基部20に拘束された下腿部10の
距腿関節に沿う仮想延長線26周りに、把持部50を揺
動させるとともに、下腿部10の前方、後方、上方又は
下方に直線的に変位させる。この際、把持部50に設け
られたしょう骨把持部22は、足部11のしょう骨13
を、足部11後方より足部11の幅方向両側から挟む。
これにより把持部50は、距腿関節に沿う仮想延長線2
6周りにしょう骨13及び足裏を変位させ、距腿関節1
2を屈曲・伸展運動させるとともに、下腿部10の前
方、後方、上方又は下方に直線運動させる。なお上記第
3実施形態では、3個のモータをそれぞれ各回転軸5
1,54,55に直結させる構成としたが、これに限ら
ない。すなわち例えば、第1実施形態の場合と同様に、
各回転軸51,54,55をベルト(図示しない)及び
プーリ(図示しない)を介してモータ(図示しない)に
連結する構成とすることもできる。図8は、本発明の第
4実施形態である関節駆動装置の把持部駆動機構を制御
するための数値設定部及び数値計測部の関係を示すブロ
ック図である。図8において、最大関節可動域設定部6
0は、距腿関節12(図1)の関節可動域の最大値を予
め設定し、当該最大関節可動域設定値61を関節角度目
標値設定部62に向けて出力する。すなわち最大関節可
動域設定部60は、例えば把持部21に把持された肢体
による直接教示によって、把持部21の動かされた角度
範囲の両端、すなわち最大限に動かされた関節の曲げ角
度を、関節角度計測部63によって計測し、当該関節角
度計測値64を関節可動域の最大値として設定する。上
記直接教示による関節可動域の設定は、例えば把持部2
1の機械的インピーダンス(慣性・粘性・剛性)を、い
わゆるロボット工学におけるインピーダンス制御で仮想
的に調整することによって行うことが考えられる。また
例えば、把持部駆動機構23への電源を遮断することに
よって行うこともできる。更に例えば、把持部駆動機構
23から把持部21への駆動力伝達を機構的に遮断する
ことによって行うこともできる。関節可動域の設定を上
記直接教示に依らないで行うには、角度の目標値を表示
したレバー又はダイヤル(図示しない)を設け、当該レ
バー又はダイヤルの指す値を、関節可動域の最大値とし
て設定する。最大関節負荷設定部65は、関節にかける
ことのできる負荷の最大値を、装置の動作開始前に予め
設定し、当該最大関節負荷設定値66を関節角度目標値
設定部62に向けて出力する。すなわち最大関節負荷設
定部65は、把持部21に把持された肢体の直接教示に
よって、曲げ角度の最大値に達した関節にかかる負荷
を、関節負荷計測部67によって計測し、当該関節負荷
計測値68を関節にかけることのできる負荷の最大値と
して設定する。なお、最大関節負荷設定部65は、把持
部21に把持された肢体の直接教示による把持部21の
稼働中に、関節にかかる負荷を関節負荷計測部67によ
って計測し、当該関節負荷計測値68の最大値を、関節
にかけることのできる負荷の最大値として設定すること
もできる。また、最大関節負荷の設定を上記直接教示に
依らないで行うには、例えば関節負荷の目標値を表示し
たレバー又はダイヤル(図示しない)を設け、当該レバ
ー又はダイヤルの指す値を、関節にかけることのできる
負荷の最大値として設定する。関節角度計測部63は、
把持部駆動機構23によって屈曲・伸展運動される関節
の曲げ角度を、動作中常時計測し、当該計測値を関節角
度目標値設定部62に向けて出力する。すなわち関節角
度計測部63は、把持部駆動機構23の駆動軸の回転角
度、すなわち把持部駆動機構23のモータ28に取り付
けた角度センサ(図示しない)からの信号に基づいて、
関節の曲げ角度を算出する。なお関節角度計測部63
は、把持部駆動機構23によって回転される把持部21
の回転軸27の回転角度に基づいて、すなわち把持部2
1の回転軸27に取り付けた角度センサ(図示しない)
からの信号に基づいて、関節の曲げ角度を算出すること
もできる。また関節角度計測部63は、関節に装着した
ゴニオメータ又はポテンショメータ(図示しない)から
の信号に基づいて、関節の曲げ角度を直接計測すること
もできる。関節負荷計測部67は、把持部駆動機構23
によって屈曲・伸展運動される関節にかかる負荷を、把
持部21に設けられた歪みセンサ(図示しない)からの
信号に基づいて、動作中常時計測し、当該関節負荷計測
値68を関節角度目標値設定部62に向けて出力する。
なお関節負荷計測部67は、把持部駆動機構23のモー
タ28(図3)に設けられたトルクセンサ(図示しな
い)からの信号、又は把持部駆動機構23のモータアン
プ37への指令電流値に基づいて、関節にかかる負荷を
計測してもよい。また関節負荷計測部67は、把持部2
1と把持部駆動機構23とを連結する駆動ベルト31
(図3)の歪みを、駆動ベルト31が巻回される回転軸
間の角度偏差から推定し、推定した駆動ベルト31の歪
みに基づいて、関節にかかる負荷を計測してもよい。こ
の場合、歪みと駆動ベルト31の剛性の積を負荷トルク
とする。回転軸間の角度偏差は、各回転軸に取り付けた
角度センサ(図示しない)により検出する。関節角度目
標値設定部62は、最大関節可動域設定部60、最大関
節負荷設定部65、関節角度計測部63、及び関節負荷
計測部67から入力される最大関節可動域設定値61、
最大関節負荷設定値66、関節角度計測値64、及び関
節負荷計測値68に基づいて、その時点での関節の曲げ
角度の目標値69を、実時間で設定あるいは更新し、関
節角度目標値69を把持部駆動機構23に向けて出力す
る。すなわち関節角度目標値設定部62は、関節角度計
測値64及び関節負荷計測値68の少なくとも一方が、
最大関節可動域設定値61又は最大関節負荷設定値66
より大きい場合には、関節角度計測値64を関節角度目
標値69とする。また関節角度目標値設定部62は、関
節角度計測値64及び関節負荷計測値68のいずれも
が、最大関節可動域設定値61又は最大関節負荷設定値
66より小さい場合には、関節角度目標値69を予め設
定した微小量分だけ大きくする。更に関節角度目標値設
定部62は、関節角度目標値69が最大関節可動域設定
値61より大きい場合には、最大関節可動域設定値61
を関節角度目標値69と修正する。関節角度目標値設定
部62は、設定した関節角度目標値69に基づく把持部
駆動機構23による関節曲げ動作の途中で、最大関節負
荷設定値66より関節負荷計測値68が大きくなった場
合には、把持部駆動機構23による関節の運動を一旦停
止させた後、運動方向を反転させる。又は、関節角度目
標値設定部62は、設定した関節角度目標値69に基づ
く把持部駆動機構23による関節曲げ動作の途中で、最
大関節負荷設定値66より関節負荷計測値68が大きく
なった場合には、把持部駆動機構23による関節の運動
方向を反転させる。そして関節角度目標値設定部62
は、関節負荷計測値68が最大関節負荷設定値66より
等しいか又は小さくなるまで、関節角度目標値69を予
め設定した微小量分だけ小さくする。把持部駆動機構2
3は、関節角度目標値設定部62から入力する関節角度
目標値69に基づいて、把持部21を駆動し、距腿関節
12を屈曲・伸展運動させる。第4実施形態は、足関節
以外に、指1軸、手首2軸、肘1軸、肩2軸、股1軸、
膝1軸、腰2軸、首2軸の回転(捻じり方向を除く)運
動に対して適用することができる。各関節と把持部駆動
機構とは、機構の回転軸を関節の回転軸に合わせて構成
される。機構の回転軸は足関節と同様にモータとベルト
と回転軸、軸受けで構成する。関節を挟む各骨を含む2
つの肢体部分をそれぞれスプリントで固定する。このよ
うに構成された機構の回転軸は2つのスプリントの相対
的な回転運動を生じさせる。なお、機構の回転軸を関節
の回転軸に合わせることは困難であり、実際には軸のず
れが生じる。そこで、スライドのフリー運動方向に生じ
る負荷を逃がすために、機構の回転軸と垂直な方向で、
関節を構成する2つの骨の相対位置を伸展または圧縮す
る方向に、スライドのフリー運動機構を与える。また、
肘1軸、肩1軸、膝1軸、腰1軸、首1軸の捻じり方向
の運動に対して適用することができる。各関節と把持部
駆動機構とは、機構の回転軸を関節の捻じりの軸に合わ
せて構成される。機構の回転軸は足関節と同様にモータ
とベルトと回転軸、軸受けで構成する。関節を挟む各骨
を含む2つの肢体部分をそれぞれスプリントで固定す
る。このように構成された機構の回転軸は2つのスプリ
ントの相対的な捻じり運動を生じさせる。なお、機構の
回転軸を関節の捻じりの軸に合わせることは困難であ
り、実際には軸のずれが生じる。そこで、スライドのフ
リー運動方向に生じる負荷を逃がすために、機構の回転
軸と垂直な方向で、関節を構成する2つの骨の相対位置
を伸展または圧縮する方向に、スライドのフリー運動機
構を与える。また、フリー運動とは別の、機構の回転軸
と垂直な方向で、関節の回転を許容する方向に、フリー
回転運動機構を与える。なお、関節の回転を自由にして
装着を容易にするために、フリー回転運動機構として、
ユニバーサルジョイントを設ける。図9は、本発明の第
5実施形態である関節駆動装置の把持部駆動機構を制御
するための数値設定部及び数値計測部の関係を示すブロ
ック図である。図9において、最大関節負荷設定部70
は、関節にかけることのできる負荷の最大値を、装置の
動作開始前に予め設定し、当該最大関節負荷設定値71
を関節負荷目標値設定部72に向けて出力する。すなわ
ち最大関節負荷設定部70は、関節負荷の目標値を表示
したレバー又はダイヤル(図示しない)を設け、当該レ
バー又はダイヤルの指す値を、関節負荷の最大値として
設定する。関節負荷計測部73は、把持部駆動機構23
によって屈曲・伸展運動される関節にかかる負荷を、動
作中常時計測し、当該関節負荷計測値74を関節負荷目
標値設定部72に向けて出力する。すなわち関節負荷計
測部73は、把持部21に設けられた歪みセンサ(図示
しない)からの信号、把持部駆動機構23に設けられた
トルクセンサ(図示しない)からの信号、又は把持部駆
動機構23への指令電流値に基づいて、関節にかかる負
荷を計測する。関節負荷目標値設定部72は、最大関節
負荷設定部70及び関節負荷計測部73から入力される
最大関節負荷設定値71及び関節負荷計測値74に基づ
いて、その時点での関節負荷目標値75を、実時間で設
定あるいは更新し、関節負荷目標値75を把持部駆動機
構23に向けて出力する。関節負荷目標値設定部72
は、例えばサイン波、台形波又は三角波等の周期関数を
用いて、最大関節負荷設定値71の範囲内において、関
節負荷目標値75を時々刻々変化させる。上記周期関数
の振幅は、小さい値、例えば振幅0から始め、次第に最
大関節負荷設定値71まで大きくすることができる。ま
た周期関数の周波数を変動させてもよい。関節負荷目標
値設定部72によって設定される関節負荷目標値75
と、関節負荷計測部73によって計測される関節負荷計
測値74とは常に比較され、関節負荷計測値74が関節
負荷目標値75に等しくなるように、フィードバック制
御が行われる。これにより、把持部駆動機構23のモー
タ28(図1)への指令電流値又は指令トルク値が微調
整される。なお、関節負荷目標値設定部72において
は、予め関節負荷計測部73によって計測した関節負荷
計測値74と、把持部駆動機構23のモータ28への指
令電流値又は指令トルク値とを対応させ、それらを対応
表又は対応関数にして記憶装置(図示しない)に保持さ
せておくこともできる。これによると、実際の治療動作
時には、関節負荷計測部73を省略して装置を構成する
ことができる。関節負荷計測部73を省略した場合、関
節負荷目標値設定部72は、最大関節負荷設定部70か
ら入力する最大関節負荷設定値71と、記憶装置内の対
応表又は対応関数とに基づいて、関節負荷目標値75を
設定し、把持部駆動機構23のモータ28への指令電流
値又は指令トルク値を出力する。以上のように上記各実
施形態によれば、把持部21,50に設けられたしょう
骨把持部22が、足部拘束ベルト25によって把持部2
1,50に拘束された足部11のしょう骨13を、足部
11後方より足部11の幅方向両側から挟む。これによ
り把持部21,50は、把持部駆動機構23,40,5
6によって揺動された際、しょう骨13と足裏を距腿関
節に沿う仮想延長線26周りに屈曲・伸展運動させる。
したがって、距腿関節周りの運動を適正に行うことがで
きる。また第3実施形態によれば、距腿関節12におけ
る距腿関節の身体前方への引き上げ運動や、身体後方へ
の引き下げ運動を、距腿関節周りの運動とともに実施す
ることができる。これにより、距腿関節の骨間の滑りを
良くすることができ、距腿関節12の他動運動を連続し
て効果的に行うことができる。更に第4実施形態によれ
ば、関節角度目標値設定部62が、最大関節可動域設定
部60、最大関節負荷設定部65、関節角度計測部6
3、及び関節負荷計測部67からの信号に基づいて、関
節の曲げ角度の目標値69を設定し、把持部駆動機構2
3を制御する。したがって、最大関節負荷設定値66及
び関節負荷計測値68に基づいて、最大関節可動域を自
動的に調整することができる。第5実施形態によれば、
関節負荷目標値設定部72は、最大関節負荷設定部70
及び関節負荷計測部73からの信号に基づいて、関節に
かかる負荷の目標値75を設定し、把持部駆動機構23
を制御する。したがって、最大関節負荷設定値71及び
関節負荷計測値74に基づいて、最大関節可動域を自動
的に調整することができる。また関節負荷目標値設定部
72において、予め関節負荷計測部73によって計測し
た関節負荷計測値74と、把持部駆動機構23のモータ
28への指令電流値又は指令トルク値とを対応させ、そ
れらを対応表又は対応関数にして記憶装置に保持させて
おくことにより、実際の治療動作時には、関節負荷計測
部73を省略して装置を構成することができる。なお上
記各実施形態では、把持部駆動機構23,40,56の
駆動源として、電気式モータを想定したが、これに限ら
ない。すなわち例えば、油圧式サーボ(図示しない)を
駆動源とすることもでき、又は空気圧式サーボ(図示し
ない)を駆動源とすることもできる。これらいずれの駆
動源を用いても、同様の効果が得られる。
【0006】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、把持部駆動手段が、把持部を距腿関節に沿う仮想
延長線周りに揺動させる。この際、把持部に設けられた
しょう骨把持部は、足部拘束手段によって把持部に拘束
された足部のしょう骨を、足部後方より足部の幅方向両
側から挟む。これにより把持部は、距腿関節に沿う仮想
延長線周りにしょう骨及び足裏を変位させ、距腿関節を
屈曲・伸展運動させる。したがって、距腿関節周りの運
動を適正に行うことができ、距腿関節の他動運動を効果
的に行うことができる。請求項2記載の発明によれば、
把持部駆動手段が、距腿関節に沿う仮想延長線上に位置
して把持部に連結された軸を回転させることにより、把
持部を距腿関節に沿う仮想延長線周りに揺動させる。こ
の際、把持部に設けられたしょう骨把持部は、足部拘束
手段によって把持部に拘束された足部のしょう骨を、足
部後方より足部の幅方向両側から挟む。これにより把持
部は、距腿関節に沿う仮想延長線周りにしょう骨及び足
裏を変位させ、距腿関節を屈曲・伸展運動させる。した
がって、距腿関節周りの運動を適正に行うことができ、
距腿関節の他動運動を効果的に行うことができる。請求
項3記載の発明によれば、把持部駆動手段が、把持部に
おけるしょう骨把持部近傍を、下腿部の長手方向に沿っ
て直線的に移動させることにより、把持部を距腿関節に
沿う仮想延長線周りに揺動させる。この際、把持部に設
けられたしょう骨把持部は、足部拘束手段によって把持
部に拘束された足部のしょう骨を、足部後方より足部の
幅方向両側から挟む。これにより把持部は、距腿関節に
沿う仮想延長線周りにしょう骨及び足裏を変位させ、距
腿関節を屈曲・伸展運動させる。したがって、距腿関節
周りの運動を適正に行うことができ、距腿関節の他動運
動を効果的に行うことができる。請求項4記載の発明に
よれば、把持部駆動手段が、距腿関節に沿う仮想延長線
上に位置して把持部に連結された軸を回転させるととも
に、把持部におけるしょう骨把持部近傍を、下腿部の長
手方向に沿って直線的に移動させることにより、把持部
を距腿関節に沿う仮想延長線周りに揺動させる。この
際、把持部に設けられたしょう骨把持部は、足部拘束手
段によって把持部に拘束された足部のしょう骨を、足部
後方より足部の幅方向両側から挟む。これにより把持部
は、距腿関節に沿う仮想延長線周りにしょう骨及び足裏
を変位させ、距腿関節を屈曲・伸展運動させる。したが
って、距腿関節周りの運動を適正に行うことができ、距
腿関節の他動運動を効果的に行うことができる。請求項
5記載の発明によれば、把持部駆動手段が、把持部を距
腿関節に沿う仮想延長線周りに揺動させるとともに、距
腿関節に沿う仮想延長線と交差する面内で、装置基部に
対して直線的に変位させる。この際、把持部に設けられ
たしょう骨把持部は、足部拘束手段によって把持部に拘
束された足部のしょう骨を、足部後方より足部の幅方向
両側から挟む。これにより把持部は、距腿関節に沿う仮
想延長線周りにしょう骨及び足裏を変位させ、距腿関節
を屈曲・伸展運動させるとともに、下腿部の前方、後
方、上方又は下方に直線運動させる。したがって、距腿
関節周りの運動を適正に行うことができ、距腿関節の他
動運動を効果的に行うことができる。請求項6記載の発
明によれば、関節角度目標値設定手段は、最大関節可動
域設定手段、最大関節負荷設定手段、関節角度計測手
段、及び関節負荷計測手段からの信号に基づいて、関節
の曲げ角度の目標値を設定し、把持部駆動手段を制御す
る。したがって、最大関節負荷設定値及び関節負荷計測
値に基づいて、最大関節可動域を自動的に調整すること
ができる。請求項7記載の発明によれば、関節角度目標
値設定手段は、最大関節可動域設定手段、最大関節負荷
設定手段、関節角度計測手段、及び関節負荷計測手段か
らの信号に基づいて、関節の曲げ角度の目標値を設定
し、把持部駆動手段を制御する。最大関節可動域設定手
段は、把持部に把持された肢体による直接教示によっ
て、最大限に動かされた関節の曲げ角度を関節可動域の
最大値として設定する。したがって、最大関節負荷設定
値及び関節負荷計測値に基づいて、最大関節可動域を自
動的に調整することができる。請求項8記載の発明によ
れば、関節角度目標値設定手段は、最大関節可動域設定
手段、最大関節負荷設定手段、関節角度計測手段、及び
関節負荷計測手段からの信号に基づいて、関節の曲げ角
度の目標値を設定し、把持部駆動手段を制御する。最大
関節負荷設定手段は、把持部に把持された肢体の直接教
示によって、曲げ角度の最大値に達した関節の負荷を計
測し、当該計測値を、関節にかけることのできる負荷の
最大値として設定する。したがって、最大関節負荷設定
値及び関節負荷計測値に基づいて、最大関節可動域を自
動的に調整することができる。請求項9記載の発明によ
れば、関節角度目標値設定手段は、最大関節可動域設定
手段、最大関節負荷設定手段、関節角度計測手段、及び
関節負荷計測手段からの信号に基づいて、関節の曲げ角
度の目標値を設定し、把持部駆動手段を制御する。最大
関節負荷設定手段は、把持部に把持された肢体の直接教
示による把持部駆動手段の稼働中に、関節負荷を計測
し、当該計測値の最大値を、関節にかけることのできる
負荷の最大値として設定する。したがって、最大関節負
荷設定値及び関節負荷計測値に基づいて、最大関節可動
域を自動的に調整することができる。請求項10記載の
発明によれば、関節角度目標値設定手段は、最大関節可
動域設定手段、最大関節負荷設定手段、関節角度計測手
段、及び関節負荷計測手段からの信号に基づいて、関節
の曲げ角度の目標値を設定し、把持部駆動手段を制御す
る。関節角度計測手段は、把持部駆動手段の駆動軸の回
転角度、又は把持部駆動手段によって揺動される把持部
の軸の回転角度に基づいて、関節の曲げ角度を計測す
る。したがって、最大関節負荷設定値及び関節負荷計測
値に基づいて、最大関節可動域を自動的に調整すること
ができる。請求項11記載の発明によれば、関節角度目
標値設定手段は、最大関節可動域設定手段、最大関節負
荷設定手段、関節角度計測手段、及び関節負荷計測手段
からの信号に基づいて、関節の曲げ角度の目標値を設定
し、把持部駆動手段を制御する。関節負荷計測手段は、
把持部に設けられた歪みセンサからの信号、把持部駆動
手段の駆動源に設けられたトルクセンサからの信号、又
は把持部駆動手段への指令電流値に基づいて、関節にか
かる負荷を計測する。したがって、最大関節負荷設定値
及び関節負荷計測値に基づいて、最大関節可動域を自動
的に調整することができる。請求項12記載の発明によ
れば、関節角度目標値設定手段は、最大関節可動域設定
手段、最大関節負荷設定手段、関節角度計測手段、及び
関節負荷計測手段からの信号に基づいて、関節の曲げ角
度の目標値を設定し、把持部駆動手段を制御する。関節
負荷計測手段は、把持部と把持部駆動手段とを連結する
ベルトの歪みを、ベルトが巻回される軸間の角度偏差か
ら推定し、推定したベルトの歪みに基づいて、関節にか
かる負荷を計測する。したがって、最大関節負荷設定値
及び関節負荷計測値に基づいて、最大関節可動域を自動
的に調整することができる。請求項13記載の発明によ
れば、関節角度目標値設定手段は、最大関節可動域設定
手段、最大関節負荷設定手段、関節角度計測手段、及び
関節負荷計測手段からの信号に基づいて、関節の曲げ角
度の目標値を設定し、把持部駆動手段を制御する。関節
角度目標値設定手段は、最大関節負荷設定値又は最大関
節可動域設定値より、関節負荷計測値及び関節角度計測
値の少なくとも一方が大きい場合には、計測された関節
角度計測値を関節角度目標値とし、関節角度計測値及び
関節負荷計測値のいずれもが、それぞれ最大関節可動域
設定値及び最大関節負荷設定値より小さい場合には、関
節角度目標値を予め設定した微分量だけ大きくする。し
たがって、関節角度目標値を自動的に拡大することがで
きる。請求項14記載の発明によれば、関節角度目標値
設定手段は、最大関節可動域設定手段、最大関節負荷設
定手段、関節角度計測手段、及び関節負荷計測手段から
の信号に基づいて、関節の曲げ角度の目標値を設定し、
把持部駆動手段を制御する。関節角度目標値設定手段
は、最大関節負荷設定手段によって設定された最大関節
負荷設定値より、関節負荷計測手段によって計測された
関節負荷計測値が大きくなった場合には、把持部駆動手
段によって関節の運動方向を反転させ、関節負荷計測値
が設定値より等しいか又は小さくなるまで、関節角度目
標値を小さくする。したがって、最大関節負荷設定値及
び関節負荷計測値に基づいて、最大関節可動域を自動的
に調整することができる。請求項15記載の発明によれ
ば、関節負荷目標値設定手段は、最大関節負荷設定手段
及び関節負荷計測手段からの信号に基づいて、関節にか
かる負荷の目標値を設定し、把持部駆動手段を制御す
る。したがって、最大関節負荷設定値及び関節負荷計測
値に基づいて、最大関節可動域を自動的に調整すること
ができる。請求項16記載の発明によれば、関節負荷目
標値設定手段は、最大関節負荷設定手段及び関節負荷計
測手段からの信号に基づいて、関節にかかる負荷の目標
値を設定し、把持部駆動手段を制御する。関節負荷計測
手段は、把持部に設けられた歪みセンサからの信号、把
持部駆動手段の駆動源に設けられたトルクセンサからの
信号、又は把持部駆動手段への指令電流値に基づいて、
関節にかかる負荷を計測する。したがって、最大関節負
荷設定値及び関節負荷計測値に基づいて、最大関節可動
域を自動的に調整することができる。請求項17記載の
発明によれば、関節負荷目標値設定手段は、最大関節負
荷設定手段及び関節負荷計測手段からの信号に基づい
て、関節にかかる負荷の目標値を設定し、把持部駆動手
段を制御する。したがって、最大関節負荷設定値及び関
節負荷計測値に基づいて、最大関節可動域を自動的に調
整することができる。また関節負荷目標値設定部におい
ては、予め関節負荷計測部によって計測した関節負荷計
測値と、把持部駆動手段への指令電流値又は指令トルク
値とを対応させ、それらを対応表又は対応関数にして記
憶装置に保持させておく。これにより、実際の治療動作
時には、関節負荷計測部を省略して装置を構成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である関節駆動装置を示
す斜視図である。
【図2】図1の関節駆動装置の右側面図である。
【図3】図1の関節駆動装置の把持部駆動機構を示す分
解斜視図である。
【図4】図1の関節駆動装置のしょう骨把持部を示す図
である。
【図5】本発明の第2実施形態である関節駆動装置を示
す斜視図である。
【図6】図5の関節駆動装置の右側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態である関節駆動装置を示
す斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態である関節駆動装置の把
持部駆動機構を制御するための数値設定部及び数値計測
部の関係を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5実施形態である関節駆動装置の把
持部駆動機構を制御するための数値設定部及び数値計測
部の関係を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 下腿部 11 足部 12 距腿関節 13 しょう骨 20 装置基部 21、50 把持部 22 しょう骨把持部 23、56、40 把持部駆動手段(把持部駆動機構) 24 下腿部拘束手段(下腿部拘束ベルト) 25 足部拘束手段(足部拘束ベルト) 27 軸(回転軸) 28 駆動源(モータ) 31 ベルト(駆動ベルト) 41 直動モータ 42 水平リンク 43 フリー回転軸部 44 垂直リンク 51、54、55 回転軸 60 最大関節可動域設定手段(最大関節可動域設定
部) 62 関節角度目標値設定手段(関節角度目標値設定
部) 63 関節角度計測手段(関節角度計測部) 65、70 最大関節負荷設定手段(最大関節負荷設定
部) 67、73 関節負荷計測手段(関節負荷計測部) 72 関節負荷目標値設定手段(関節負荷目標値設定
部)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 距腿関節の他動運動又は自動運動を行う
    関節駆動装置において、 装置基部と、 前記装置基部に下腿部を拘束する下腿部拘束手段と、 前記下腿部拘束手段によって前記装置基部に拘束された
    前記下腿部の距腿関節に沿う仮想延長線周りに、揺動可
    能に支持された把持部と、 前記把持部に足部を拘束する足部拘束手段と、 前記把持部の揺動中心と所定の位置関係を以て前記把持
    部に設けられ、前記足部拘束手段によって前記把持部に
    拘束された前記足部のしょう骨を、前記足部後方より前
    記足部の幅方向両側から挟むしょう骨把持部と、 前記把持部を揺動させることにより、距腿関節に沿う仮
    想延長線周りに前記しょう骨及び足裏を変位させ、前記
    距腿関節を屈曲・伸展運動させる把持部駆動手段とを具
    備したことを特徴とする関節駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記把持部駆動手段が、距腿関節に沿う
    仮想延長線上に位置して前記把持部に連結された軸を回
    転させることにより、前記把持部を揺動させることを特
    徴とする請求項1記載の関節駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記把持部駆動手段が、前記把持部にお
    ける前記しょう骨把持部近傍を、前記下腿部の長手方向
    に沿って直線的に移動させることにより、前記把持部を
    揺動させることを特徴とする請求項1記載の関節駆動装
    置。
  4. 【請求項4】 前記把持部駆動手段が、距腿関節に沿う
    仮想延長線上に位置して前記把持部に連結された前記軸
    を回転させるとともに、前記把持部における前記しょう
    骨把持部近傍を、前記下腿部の長手方向に沿って直線的
    に移動させることにより、前記把持部を揺動させること
    を特徴とする請求項1記載の関節駆動装置。
  5. 【請求項5】 距腿関節の他動運動又は自動運動を行う
    関節駆動装置において、 装置基部と、 前記装置基部に下腿部を拘束する下腿部拘束手段と、 前記下腿部拘束手段によって前記装置基部に拘束された
    前記下腿部の距腿関節に沿う仮想延長線周りに揺動可能
    に、かつ、前記装置基部に対して相対変位可能に支持さ
    れた把持部と、 前記把持部に足部を拘束する足部拘束手段と、 前記把持部の揺動中心と所定の位置関係を以て前記把持
    部に設けられ、前記足部拘束手段によって前記把持部に
    拘束された前記足部のしょう骨を、前記足部後方より前
    記足部の幅方向両側から挟むしょう骨把持部と、 前記把持部を揺動させるとともに、距腿関節に沿う仮想
    延長線と交差する面内で、前記装置基部に対して直線的
    に変位させることにより、距腿関節に沿う仮想延長線周
    りに前記しょう骨及び足裏を変位させ、前記距腿関節を
    屈曲・伸展運動させるとともに、前記下腿部の前方、後
    方、上方又は下方に直線運動させる把持部駆動手段とを
    具備したことを特徴とする関節駆動装置。
  6. 【請求項6】 関節の他動運動又は自動運動を行う関節
    駆動装置において、 肢体を把持する把持部と、 前記把持部を駆動することにより、前記把持部によって
    把持された肢体の関節を屈曲・伸展運動させる把持部駆
    動手段と、 関節可動域の最大値を設定する最大関節可動域設定手段
    と、 関節にかけることのできる負荷の最大値を設定する最大
    関節負荷設定手段と、 前記把持部駆動手段によって屈曲・伸展運動される関節
    の曲げ角度を計測する関節角度計測手段と、 前記把持部駆動手段によって屈曲・伸展運動される関節
    にかかる負荷を計測する関節負荷計測手段と、 前記最大関節可動域設定手段、前記最大関節負荷設定手
    段、前記関節角度計測手段及び前記関節負荷計測手段か
    らの信号に基づいて、関節の曲げ角度の目標値を設定
    し、前記把持部駆動手段を制御する関節角度目標値設定
    手段とを具備したことを特徴とする関節駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記最大関節可動域設定手段が、前記把
    持部に把持された肢体による直接教示によって、最大限
    に動かされた関節の曲げ角度を関節可動域の最大値とし
    て設定することを特徴とする請求項6記載の関節駆動装
    置。
  8. 【請求項8】 前記最大関節負荷設定手段が、前記把持
    部に把持された肢体の直接教示によって、曲げ角度の最
    大値に達した関節にかかる負荷を計測し、当該計測値
    を、関節にかけることのできる負荷の最大値として設定
    することを特徴とする請求項6又は7記載の関節駆動装
    置。
  9. 【請求項9】 前記最大関節負荷設定手段が、前記把持
    部に把持された肢体の直接教示による前記把持部駆動手
    段の稼働中に、関節にかかる負荷を計測し、当該計測値
    の最大値を、関節にかけることのできる負荷の最大値と
    して設定することを特徴とする請求項6又は7記載の関
    節駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記関節角度計測手段が、前記把持部
    駆動手段の駆動軸の回転角度、又は前記把持部駆動手段
    によって揺動される前記把持部の軸の回転角度に基づい
    て、関節の曲げ角度を計測することを特徴とする請求項
    6乃至9の何れか1項に記載の関節駆動装置。
  11. 【請求項11】 前記関節負荷計測手段が、前記把持部
    に設けられた歪みセンサからの信号、前記把持部駆動手
    段の駆動源に設けられたトルクセンサからの信号、又は
    前記把持部駆動手段への指令電流値に基づいて、関節に
    かかる負荷を計測することを特徴とする請求項6乃至1
    0の何れか1項に記載の関節駆動装置。
  12. 【請求項12】 前記関節負荷計測手段が、前記把持部
    と前記把持部駆動手段とを連結するベルトの歪みを、該
    ベルトが巻回される軸間の角度偏差から推定し、推定し
    たベルトの歪みに基づいて、関節にかかる負荷を計測す
    ることを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記
    載の関節駆動装置。
  13. 【請求項13】 前記関節角度目標値設定手段は、前記
    最大関節負荷設定手段によって設定された最大関節負荷
    設定値又は前記最大関節可動域設定手段によって設定さ
    れた最大関節可動域設定値より、前記関節負荷計測手段
    によって計測された関節負荷計測値及び前記関節角度計
    測手段によって計測された関節角度計測値の少なくとも
    一方が大きい場合には、計測された関節角度計測値を関
    節角度目標値とし、前記関節角度計測値及び前記関節負
    荷計測値のいずれもが、それぞれ前記最大関節可動域設
    定値及び前記最大関節負荷設定値より小さい場合には、
    関節角度目標値を予め設定した微分量だけ大きくするこ
    とを特徴とする請求項6乃至12の何れか1項に記載の
    関節駆動装置。
  14. 【請求項14】 前記関節角度目標値設定手段は、前記
    最大関節負荷設定手段によって設定された最大関節負荷
    設定値より、前記関節負荷計測手段によって計測された
    関節負荷計測値が大きくなった場合には、前記把持部駆
    動手段によって関節の運動方向を反転させ、前記関節負
    荷計測値が最大関節負荷設定値より等しいか又は小さく
    なるまで、関節角度目標値を小さくすることを特徴とす
    る請求項6乃至13の何れか1項に記載の関節駆動装
    置。
  15. 【請求項15】 関節の他動運動又は自動運動を行う関
    節駆動装置において、 肢体を把持する把持部と、 前記把持部を駆動することにより、前記把持部によって
    把持された肢体の関節を屈曲・伸展運動させる把持部駆
    動手段と、 関節にかけることのできる負荷の最大値を設定する最大
    関節負荷設定手段と、 前記把持部駆動手段によって屈曲・伸展運動される関節
    にかかる負荷を計測する関節負荷計測手段と、 前記最大関節負荷設定手段及び前記関節負荷計測手段か
    らの信号に基づいて、関節にかかる負荷の目標値を設定
    し、前記把持部駆動手段を制御する関節負荷目標値設定
    手段とを具備したことを特徴とする関節駆動装置。
  16. 【請求項16】 前記関節負荷計測手段が、前記把持部
    に設けられた歪みセンサからの信号、前記把持部駆動手
    段の駆動源に設けられたトルクセンサからの信号、又は
    前記把持部駆動手段への指令電流値に基づいて、関節に
    かかる負荷を計測することを特徴とする請求項15記載
    の関節駆動装置。
  17. 【請求項17】 前記関節負荷目標値設定手段におい
    て、予め前記関節負荷計測手段によって計測した関節負
    荷計測値と、前記把持部駆動機構への指令電流値又は指
    令トルク値とを対応させ、それらを対応表又は対応関数
    にして記憶装置に保持させておくことを特徴とする請求
    項15又は16記載の関節駆動装置。
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