JPH1186731A - ガス放電パネル用評価装置及びガス放電パネル用評価方法 - Google Patents

ガス放電パネル用評価装置及びガス放電パネル用評価方法

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JPH1186731A
JPH1186731A JP10059713A JP5971398A JPH1186731A JP H1186731 A JPH1186731 A JP H1186731A JP 10059713 A JP10059713 A JP 10059713A JP 5971398 A JP5971398 A JP 5971398A JP H1186731 A JPH1186731 A JP H1186731A
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gas
gas discharge
discharge panel
charge
electrode
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JP10059713A
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English (en)
Inventor
Akira Shiokawa
塩川  晃
Ryuichi Murai
隆一 村井
Hiroyoshi Tanaka
博由 田中
Yoshiki Sasaki
良樹 佐々木
Hideaki Yasui
秀明 安井
Masatoshi Kudo
眞壽 工藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電開始電圧や放電維持電圧といった評価項
目についての測定を、自動的に高速に行うことのできる
ガス放電パネル用評価装置及び評価方法を提供する。 【解決手段】 放電開始電圧の測定は、電圧測定器11
及び電流電圧変換器12から出力される信号11a,1
2aをバンドパスフィルタ14を通過させてロックイン
アンプ15に送る。ロックインアンプ15及びコンパレ
ータ16で、信号11aの振動と信号12aの振動との
位相差が変化する時点を検出する。その検出タイミング
で、電圧記録器13は、電圧信号11aをサンプリング
し、放電開始電圧として記録する。放電維持電圧の測定
は、ピークホールド回路18,コンパレータ19,信号
発生器20において、電流信号11aが最大値に達した
後に初めて0になる時点を検出する。その検出タイミン
グで、電圧記録器13は、電圧信号11aをサンプリン
グし、放電維持電圧として記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、AC型プラズマデ
ィスプレイパネルをはじめガス放電パネルの性能を評価
するため、放電開始電圧,放電維持電圧或は誘電体層表
面の二次電子放出係数等の評価項目について測定するガ
ス放電パネル用評価装置及び評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハイビジョンをはじめとする高品
位で大画面のテレビに対する期待が高まっている中で、
CRT,液晶ディスプレイ(LCD),プラズマディス
プレイパネル(Plasma Display Panel,以下PDPと記
載する)といった各ディスプレイの分野において、これ
に適したディスプレイの開発が進められている。
【0003】従来からテレビのディスプレイとして広く
用いられているCRTは、解像度・画質の点で優れてい
るが、画面の大きさに伴って奥行き及び重量が大きくな
る点で40インチ以上の大画面には不向きである。ま
た、LCDは、消費電力が少なく、駆動電圧も低いとい
う優れた性能を有しているが、大画面を作製するのに技
術上の困難性があり、視野角にも限界がある。
【0004】これに対して、PDPは、小さい奥行きで
大画面を実現することが可能であって、既に40インチ
クラスの製品も開発されている。PDPは、大別して直
流型(DC型)と交流型(AC型)とに分けられるが、
現在では大型化に適したAC型が主流となっている。A
C型のPDPの一般的な構成は、図2に示されるよう
に、フロントカバープレート1上に表示電極2a,2b
と誘電体ガラス層3が配され、一方、バックプレート5
上に、アドレス電極6と隔壁7と、赤,緑,青の紫外線
励起蛍光体からなる蛍光体層8とが配設され、放電空間
内に放電ガスが封入されている。
【0005】また、誘電体ガラス層3の劣化を防止する
ため、その表面には保護層4が形成されている。保護層
4は、耐スパッタ性が良好で2次電子の放出量が大きい
ことが要求され、一般的にはMgO膜で形成される。と
ころで、一般的な機器においてそうであるように、PD
Pにおいても、製造時やメインテナンス時などにパネル
の性能を評価する必要がしばしば生じる。
【0006】AC型のPDPの性能並びに寿命は、保護
層4の成膜状態や劣化の状態によって大きく左右される
ので、保護層4の劣化状態でPDPの性能を評価するこ
とも考えられるが、保護層の状態を直接モニターするこ
とは難しい。また、AC型のPDPでは、放電開始電圧
と放電維持電圧の間の電圧を駆動時に印加する必要があ
るので、放電開始電圧や放電維持電圧の値からPDPの
性能を評価することができるので、従来から、放電開始
電圧や放電維持電圧の測定結果に基づいてPDPの性能
を評価する方法が広く用いられている。
【0007】放電開始電圧や放電維持電圧の測定方法と
しては、測定者が目でPDPの点灯状態を観察しなが
ら、PDPに印加する放電パルスの電圧を徐々に変化さ
せて、観測者が点灯或は消灯を認識した時点での電圧値
を記録するという方法が多く用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに人の目を用いて測定する方法の場合、測定者の違い
に基づく測定結果のばらつきが生じやすいという問題が
ある。また、放電開始電圧や放電維持電圧を放電セルご
とに測定する場合、測定する時間と観測者の負担が大き
く、コストもかかるという問題もある。
【0009】ところで、このような課題に対して、保護
層の表面の二次電子放出係数(以下、「γ係数」と記載
する)を測定することによって、保護層の成膜状態や劣
化状態を調べる方法も考えられる。しかし、従来の一般
的なγ係数の測定方法は、測定対象の表面にイオンビー
ムを照射しながら、当該表面から放出される電荷量をフ
ァラデーカップ等で計測するという方法であって、この
場合、ガス雰囲気下では測定ができず真空中で測定する
必要があるので、γ係数の測定値がPDPの放電ガス中
での値と異なったものとなる。そのため、この測定値に
基づいてPDPの評価をするのは困難なことである。
【0010】なお、このような課題は、AC型のPDP
のみならず、一般的にガス放電パネルの性能を評価する
場合に共通する課題ということができる。本発明は上記
の課題に鑑み、放電開始電圧や放電維持電圧といった評
価項目についての測定を、自動的に高速に行うことので
きるガス放電パネル用評価装置及び評価方法を提供する
ことによって、ガス放電パネルの性能評価におけるばら
つきを少なくし、測定者に対する負担が少なく短時間で
評価できるようにすることを第1の目的とする。
【0011】また、PDPの誘電体層の表面をはじめと
して、試料の表面のγ係数を、所望のガス雰囲気下でで
測定できる測定装置及び測定方法を提供することを第2
の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明のガス放電パネル用評価装置並びに評
価方法においては、ガス放電パネルに放電パルスを供給
するときに、評価項目に応じて定められている特性が所
定の条件を満たすか否かを経時的に判定し、条件を満た
すと判定した時点での評価項目に関連する特性を記録す
るようにした。
【0013】これによって、所定の評価項目についての
測定を自動的に高速で行うことができ、その測定結果か
らガス放電パネルの性能を評価することができるので、
ガス放電パネルの評価を短時間で行うことができ、且
つ、測定者に対する負担が少なく、測定者による評価の
ばらつきも少なくすることができる。ガス放電パネルの
性能を評価するための所定の評価項目としては、放電開
始電圧や放電維持電圧がある。
【0014】放電開始電圧を測定する場合は、ガス放電
パネルに供給する放電パルスに伴って生じる電圧及び電
流の波形の特徴が、所定の条件を満たすか否かを経時的
に判定し、条件を満たすと判定した時点でのガス放電パ
ネルへの供給電圧を記録すればよく、記録された電圧が
放電開始電圧に相当する。ここで、上記の電圧及び電流
の波形の特徴の具体例としては、電圧及び電流の振動の
位相差を挙げることができ、この位相差が所定の基準以
上に変化したか否かを経時的に判定するようにすればよ
い。
【0015】一方、放電維持電圧を測定する場合は、ガ
ス放電パネルに供給する電流が、1つの放電パルスが供
給されている期間内で最大値に到達した後に初めて0と
なったか否かを経時的に判定し、その条件を満たしたと
判定した時点でのガス放電パネルへの供給電圧を記録す
ればよく、記録された電圧が放電維持電圧に相当する。
【0016】また、評価しようとするガス放電パネルが
複数の放電セルを備える場合、評価項目の測定を行うに
際して、各放電セルに1つ以上の放電パルスを順次供給
しながら行えば、放電セルごとに性能の評価を行うこと
ができる。また、上記第1の目的を達成するために、本
発明では、プレート基板上に電極及び当該電極を覆う誘
電体層が配設されたガス放電パネル用プレートを、誘電
体層の表面にガスを接触させた状態で、当該誘電体層の
表面の二次電子放出係数を計測するようにした。
【0017】ここで、二次電子放出係数の計測は、ガス
封入容器に、ガス放電パネル用プレートを収納すると共
にガスを封入し、ガス封入容器内でイオンを発生させて
誘電体層の表面に照射し、誘電体層表面にイオンが照射
されるときに、電荷供給源から電極に供給される電荷量
を測定することによって行うことができる。なお、ここ
でいう「誘電体層の表面」は、誘電体層の表面に保護層
が形成されている場合も含むものである。
【0018】この測定結果に基づいて、ガス雰囲気下で
の誘電体層表面のγ係数を自動的に高速で測定すること
が可能で、測定したγ係数からガス放電パネルの性能を
評価することができる。イオンを照射する方法として
は、ガス中で火花放電を起こしたりガスに光束を照射し
てイオンを発生させる方法、更にそれを加速して照射す
る方法が考えられる。
【0019】ここで、ガス封入容器に、ガス放電パネル
用プレートと共にその比較プレートを収納して、誘電体
層の表面と共に比較プレートの表面にイオンを照射しな
がら、電極に電荷供給源から供給される電荷及び比較プ
レートに電荷供給源から供給される電荷量を測定するよ
うにすれば、イオンを照射する量のバラツキにより電極
に供給される電荷の測定値が変動したとしても、比較プ
レートに供給される電荷の測定値によって変動分を補正
することができる。あるいは、イオン計測装置で誘電体
層の表面に照射されるイオン量を測定しても、同様の補
正を行うことができる。従って、これらによって、より
正確なγ係数の測定が可能となる。
【0020】また、ガス放電パネル用プレートの電極
が、ストライプ状に配設された複数のライン電極部から
なる場合、電荷供給源から電荷供給するライン電極部を
選択し、選択されたライン電極部に供給される電荷量を
測定すれば、誘電体層表面の中で、選択されたライン電
極部に対向する領域についてのγ係数を測定することが
できる。そして、各ライン電極部に対向する領域ごとの
γ係数の分布を測定することができる。
【0021】また、誘電体層の表面の一部の領域にイオ
ンを照射するようにすれば、誘電体層表面の中で、照射
領域についてのγ係数を測定することができる。更に、
誘電体層の表面におけるイオンの照射領域を変更しなが
ら行えば、各照射領域ごとのγ係数の分布を測定するこ
とができる。また、第2の目的を達成するために、本発
明では、試料の表面のγ係数を測定するのに、試料をガ
ス封入容器の内部に収納すると共に、試料に電荷供給源
から電荷供給が可能な状態とし、ガス封入容器内でイオ
ンを発生させて試料の表面に照射し、イオンが試料に照
射されるときに、試料に電荷供給源から供給される電荷
量を測定するようにした。この電荷の測定値から、ガス
雰囲気下における試料表面のγ係数を求めることができ
る。
【0022】更に、上記の評価方法をガス放電パネルの
製造方法に応用して、電極及び当該電極を覆う誘電体層
が設けられた第1プレートを作製し、ガス封入容器の内
部に第1プレートを収納すると共に、電荷供給源から電
極に電荷供給を可能な状態とし、ガス封入容器内でイオ
ンを発生させて誘電体層の表面に照射し、イオンが照射
されるときに、電極に電荷供給源から供給される電荷量
を測定する。そして、その測定結果に基づいて、第1プ
レートの良否判定を行い、判定結果が良好な第1プレー
トと、第2プレートとを積層させると共に放電ガスを封
入するようにすれば、ガス放電パネルの製造を歩留りよ
く行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕図1は、本発明の一実施の形態に係る
パネル評価装置の構成、並びにその使用状態を示す図で
ある。本図に示すように、放電パルス供給装置100か
らガス放電パネル200に放電パルスを供給し点灯でき
るようになっている。
【0024】パネル評価装置10は、放電パルスが供給
されるときに、その電圧及び電流の変動の特徴を経時的
に測定し、その特徴が所定の条件を満たしたときの電圧
を記録することによって、ガス放電パネル200につい
ての放電開始電圧及び放電維持電圧を計測する装置であ
る。ガス放電パネル200は、AC型面放電型のPDP
であって、図2はその要部組み立て図である。
【0025】本図に示されるように、フロントカバープ
レート1上には、表示電極2a,2bがストライプ状に
配設され、その上から鉛ガラス[PbO−B2O3−Si
O2ガラス]からなる誘電体ガラス層3が覆っている。
そして、誘電体ガラス層3の表面には、酸化マグネシウ
ム[MgO]からなる保護層4が形成されている。一
方、バックプレート5上には、アドレス電極6と隔壁7
が配され、更に隔壁7の間には、赤または緑または青の
紫外線励起蛍光体からなる蛍光体層8が配設されてい
る。
【0026】ガス放電パネル200は、このようなフロ
ントカバープレート1とバックプレート5とが平行に配
設され放電ガスが封入されてなり、放電セルが行列状に
形成されている。放電パルス供給装置100は、通常P
DPを駆動するのに用いられている放電パルス発生回路
と同様のものであって、以下に示すように、通常のPD
Pの駆動と同様にアドレッシング及び放電パルスの印加
を行うことによって、ガス放電パネル200の任意の第
m行,第n列(ただし、m,nは自然数)の放電セルを
放電発光させることができるようになっている。
【0027】図3は、ガス放電パネル200における、
表示電極2a,2b及びアドレス電極6のラインパター
ンの配線を示す図であり、図4は、放電パルス供給装置
100から表示電極2a,2bに対して印加される放電
パルスの電圧波形を示すグラフである。m行,第n列の
放電セルを発光させる場合、放電パルス供給装置100
は、第m行の表示電極2aと第n列のアドレス電極6と
の間にアドレッシングのためのパルスを印加して、第m
行,第n列の放電セルに壁電荷を蓄積し、続いて、第m
行の表示電極2a及び表示電極2bに対して、図4に示
されるように、一定の長さ(例えば5〜10μsec)
の放電パルスを交互に印加する。これによって、m行,
第n列の放電セルにおいて放電発光が生じる。
【0028】そして、このように放電パルス供給装置1
00によって指定した放電セルで放電発光させるのと並
行して、パネル評価装置10は、放電パルス供給装置1
00からガス放電パネル200に供給される電圧及び電
流の波形の特徴を経時的に解析し、所定の条件を満たし
た時点での電圧をサンプリングすることによって、当該
放電セルの放電開始電圧並びに放電維持電圧の測定を行
う。
【0029】〔パネル評価装置による測定についての原
理的な説明〕図5(a)は、図4に示される放電パルス
の1つの電圧波形を、時間t方向に引き伸ばしたもので
あって、図5(b)は、1つの放電パルスが供給されて
いる期間において、ガス放電パネル200に供給される
電流の波形を示すものである。
【0030】本図に示されるように、1つの放電パルス
が印加されている期間の中で、電流は初期に偏って流れ
ている。図5(a)の放電パルスの長さが5〜10μs
ecであるとすると、図5(b)の電流の山形波形の幅
は、通常1〜2μsec程度である。図6(a)及び図
6(b)は、この電圧及び電流をより高感度で測定した
ときの波形を示しており、図5(a)の電圧波形及び図
5(b)の電流波形のグラフが更に時間方向に引き伸ば
され、その初期に相当する部分だけを表示している。
【0031】一般的に、1つの放電パルスの期間内にお
ける電圧及び電流の波形は、図6に示されるように共に
振動し、電圧の振動と電流の振動との間には位相差が存
在する。本発明者等は、この位相差と放電開始電圧との
関係に着目して調べた結果、位相差に急な変化が生じる
時点(図6中のT1)が存在し、その時点T1における電
圧V1が放電開始電圧と略一致することを見つけた。
【0032】このような関係が成立する理由について以
下のように考察される。放電パルス供給装置100が能
動的に印加しようとする放電パルスは矩形波であるけれ
ども、実際の駆動回路系には,等価的に抵抗,キャパシ
タ,インダクタが含まれているため、実際の電圧や電流
の波形は、過渡現象的に取り扱うことができる。
【0033】一般的に、過渡現象的な取り扱いが可能な
場合、抵抗,キャパシタ,インダクタのないときに生じ
る理想的な波形の上に、一定の周期で振動しながらその
振幅が減衰していく波形、若しくは急峻に立ち上がって
急峻に立ち下がるパルス的な波形が加わった波形となる
ことが多いが、PDPのようなガス放電パネルに加えら
れるパルスの場合、前者の波形が加わって、電圧及び電
流に振動が生じるものと考えられる。また、放電セルに
おいて放電が起こる場合、放電パルスが印加され始めた
時点ではまだ放電は開始されておらず、ある程度時間が
たってから放電が開始されるが、放電が開始されると、
放電空間内の気体部分の抵抗,キャパシタ,インダクタ
が放電開始前と比べて変化して、電圧と電流の振動の位
相差に変化を引き起こすものと考えられる。
【0034】従って、電圧と電流の振動の位相差に急な
変化が生ずる時点は、放電が開始される時点に相当し、
その時点における電圧が放電開始電圧とほぼ一致するも
のと考えられる。一方、電流が0になる時点と放電維持
電圧との関係にも着目して調べた結果、1つの放電パル
スの期間内で、電流が最大値に達した後に初めて0とな
る時点T2での電圧V2が、放電維持電圧と略一致するこ
ともわかった。
【0035】なお、このような関係の存在は、後述する
ように実験によっても確認した。よって、この関係を利
用すれば、放電開始電圧の測定については、電圧の振動
と電流の振動の位相差が変化する時点で電圧を測定すれ
ばよく、放電維持電圧の測定については、電流が最大値
に達した後に初めて0となる時点での電圧を測定すれば
よいことがわかる。
【0036】パネル評価装置10では、上記の原理に基
づいて放電開始電圧並びに放電維持電圧の測定を行う。 〔装置の構成及び動作についての説明〕図1に示すよう
に、パネル評価装置10には、放電パルス供給装置10
0がガス放電パネル200に印加する電圧を経時的に測
定する電圧測定器11、放電パルス供給装置100が供
給する電流値を電圧に変換する電流電圧変換器12、指
示されたタイミングで電圧測定器11の測定電圧をメモ
リ(不図示)に記録する電圧記録器13が備えられ、そ
の他に、放電開始電圧を測定するためのバンドパスフィ
ルタ14,ロックインアンプ15,コンパレータ16,
信号発生器17、並びに放電維持電圧を測定するための
ピークホールド回路18,コンパレータ19,信号発生
器20が備えられている。また、放電パルス供給装置1
00が放電パルスを印加するタイミングに合わせてこれ
らを作動させるための制御部(不図示)も備えられてい
る。
【0037】電圧測定器11は、例えばA/D変換器で
あって、放電パルス供給装置100が放電パルスを印加
する際に生じる電圧の振動を感知する感度を持つもので
あり、測定結果を電圧信号11aとして出力する。電流
電圧変換器12は、例えばカレントグローブであって、
放電パルスの印加に伴って発生する電流の振動を感知す
る感度を持つものであり、測定結果を電圧に換算した電
流信号12aとして出力する。
【0038】電圧記録器13は、例えばデジタイザであ
って、信号発生器17,20からのトリガ信号が入力さ
れるタイミングで電圧測定器11からの電圧信号11a
をサンプリングして上記メモリに記録する。パネル評価
装置10の各部は、放電開始電圧を測定するために、制
御部の制御のもとで、1つの放電パルスが印加される期
間に次のように動作する。
【0039】バンドパスフィルタ14では、ロックイン
アンプ15での位相差測定を容易にするために、電圧信
号11aの振動と電流信号12aの中の必要な周波数成
分だけを通過させ、低い周波数成分(例えば図4に示さ
れるもとの放電パルスの周波数成分)や高い周波数の成
分(位相差を測定する対象の周波数よりも高い周波数成
分)を除去する。
【0040】ロックインアンプ15は、バンドパスフィ
ルタ14を通過して送られてくる電圧信号11a及び電
流信号12aを参照信号探査信号として逐次入力し、こ
の2つの信号の位相差を検出し、位相差信号14aとし
て逐次出力する。コンパレータ16には、位相差に変化
が発生する時点を判定するための基準値を予め設定して
おく。そして、コンパレータ16は、ロックインアンプ
15から逐次送られてくる位相差信号14aを受け取
り、設定されている基準値と逐次比較する。そして、位
相差信号14aが基準値以上になった時点で信号16a
を発生して位相差に変化が生じたことを信号発生器17
に知らせる。
【0041】上記の基準値としては、例えば、ガス放電
パネル200においてパルス放電期間の初期(位相差の
変化が発生する前)における位相差の平均値を予め測定
し、それに45度を加えた値を設定する。このように4
5度程度を加えた値を設定すれば、放電開始前でも位相
差信号14aはノイズによって上記平均値からある程度
ずれるものの45度の変化が生じることはないので、ノ
イズによる誤った判定をすることはない。また、位相差
の変化は急激であって、ごく短時間でこの基準値に到達
するので、位相差に変化が生じる時点を正確に検出する
ことができる。
【0042】信号発生器17は、コンパレータ16から
の信号16aを受け取ったときには、トリガ信号17a
を電圧記録器13に送る。電圧記録器13は、トリガ信
号17aを受け取ったタイミングで、電圧測定器11か
らの電圧信号11aをサンプリングし、この値を放電開
始電圧として上記メモリに記録する。
【0043】なお、本実施形態の放電パルス供給装置1
00では、上記のようにロックインアンプで位相差を経
時的に検出し、その位相差に変化が生じる時点T1を検
出するようにしたが、この時点T1を検出する方法とし
ては、位相差に変化が生じる時点の前後における電圧信
号11a及び電流信号12aの波形の特徴を予め記憶し
ておき、逐次入力されてくる電圧信号11a及び電流信
号12aの波形の特徴を逐次これと比較することによっ
ても検出することが可能と考えられる。
【0044】一方、パネル評価装置10の各部は、放電
維持電圧を測定するために、制御部のもとで、1つの放
電パルスが印加される期間に次のように動作する。電流
電圧変換器12からの電圧に変換された電流信号12a
は、ピークホールド回路18及び信号発生器20にも送
られる。ピークホールド回路18は、逐次入力される電
流信号12aの最大値を保持し、その値を信号18aと
してコンパレータ19に送る。
【0045】コンパレータ19は、初期において、まず
ピークホールド回路18からの信号18aの値を比較対
照数値の初期値として保存する。続いて、ピークホール
ド回路18から逐次入力される信号18aの値を、保存
されている比較対照数値と比較する。そして、信号18
aの値が保存されている比較対照数値より大きい場合に
は、信号18aの値を比較対照数値の値として更新する
と共に、信号発生器20へリセット信号19aを送る。
一方、信号18aの値が保存されている比較対照数値よ
り小さいか同等の場合には、このような処理は行わな
い。
【0046】信号発生器20は、リセット信号19aを
受け取ったときには、それ自体をリセット状態にする。
そして、信号発生器20は、リセット状態のときには、
電流電圧変換器12からの電流信号12aの値が0であ
るか否かを監視し、0であれば電圧記録器13に対して
トリガ信号20aを送ると共にリセット状態を解除す
る。
【0047】電圧記録器13は、トリガ信号20aを受
け取るタイミングで、電圧測定器11からの電圧信号1
1aをサンプリングし、放電維持電圧として記録する。
なお、電圧記録器13が、1つの放電パルスの期間内に
おいてトリガ信号20aを2度以上受け取った場合に
は、前に記録した値の上に、後でサンプリングした電圧
信号11aの値を上書きする。従って、最後にサンプリ
ングされた電圧信号11aの値が放電維持電圧として記
録されることになる。
【0048】以上説明した動作によって、電圧記録器1
3のメモリには、指定された放電セル(第m行,第n
列)の放電開始電圧及び放電維持電圧が記録される。従
って、順次これと同様の動作を放電セルごとに繰り返し
て行えば(例えば、第1列の第1行〜最終行の放電セ
ル、続いて第2列の第1行〜最終行の放電セル、……、
最終列の第1行〜最終行の放電セルといった順序で、各
放電セルごとに上記の測定を行う)、電圧記録器13に
は、ガス放電パネル200のすべての放電セルについ
て、放電開始電圧及び放電維持電圧が記録されることに
なる。
【0049】そして、測定者は、電圧記録器13に記録
された各放電セルの放電開始電圧や放電維持電圧を、例
えばモニタに表示させることによって、放電セルごとの
性能評価を行ったり、更に、パネル面における放電セル
の性能の分布を調べることもできる。また、最も性能の
悪い放電セルの性能を評価し、それによってパネルの寿
命を予測することもできる。
【0050】なお、上記の説明では、指定した放電セル
に対して1つの放電パルスが供給される間に、パネル評
価装置10で放電開始電圧及び放電維持電圧を求める例
を示したが、パネル評価装置10に重畳積分器(不図
示)を設け、指定した放電セルに対して複数個の放電パ
ルスを供給し、重畳積分器でコンボリューション処理を
行いながら放電開始電圧及び放電維持電圧を求めるよう
にすることもでき、この場合、放電パルスごとのばらつ
きを抑えてより正確な放電開始電圧及び放電維持電圧の
測定を行うことができる。
【0051】また、上記の説明では、パネル評価装置1
0で、放電セルを1つづつ発光させながら各放電セルに
対する放電開始電圧及び放電維持電圧を求める例を示し
たが、同様にして、ガス放電パネル200の画面全体を
発光させながら、パネル全体についての放電開始電圧及
び放電維持電圧を求めることもできる。また、同様にし
て、画面をいくつかの領域に分割して、各領域ごとに発
光させながら、当該領域についての放電開始電圧及び放
電維持電圧を求めることもできる。
【0052】また、本実施の形態では、AC型のPDP
の性能を評価する場合について述べたが、本発明はガス
放電パネルの性能評価に広く適用することができる。 [従来の評価方法との比較]従来のガス放電パネルの評
価方法においては、一般的に、ガス放電パネルにパネル
駆動回路を接続し、以下のように各評価項目の測定を行
っていた。
【0053】*放電開始電圧:ガス放電パネルを目で観
察しながら、パネル駆回路からガス放電パネルに印加す
る電圧をわずかづつ増加させる。そして、ガス放電パネ
ルの放電セルの一つ或は規定個数(例えば3個)以上が
点灯し始めたときの印加電圧を読み取ってこれを放電開
始電圧として記録する。 *全放電開始電圧:更に、ガス放電パネルに印加する電
圧をわずかづつ増加させ、ガス放電パネルの放電セルの
全数(或は全数から規定個数を引いた数)が点灯し始め
たときの印加電圧を読み取ってこれを全放電開始電圧と
して記録する。
【0054】*全放電維持電圧:全てのセル以上が点灯
している状態から、ガス放電パネルに印加する電圧をわ
ずかづつ減少させる。そして、放電セルの一個或は規定
個数(例えば3個)以上が消灯し始めたときの印加電圧
を読み取って、これを全放電維持電圧として記録する。 *放電維持電圧:更に、ガス放電パネルに印加する電圧
をわずかづつ減少させ、ガス放電パネルの放電セルの全
数(或は全数から規定個数を引いた数)が消灯したとき
の印加電圧を読み取ってこれを放電維持電圧として記録
する。
【0055】そして、このように測定した放電開始電
圧,全放電開始電圧,放電維持電圧,全放電維持電圧
が、所定の規格に適合するか否かで、パネルの性能を評
価したり、ガス放電パネルに印加する電圧を増減すると
きに生じる点灯面積の変化の状態を観察することによっ
てもパネルの性能評価がなされていた。このような従来
の評価方法の場合、目で点灯状態を観察しながら測定を
行うため、測定に時間がかかると共に、測定者の負担も
大きく、また、測定者によるばらつきも大きい。特に、
放電セルごとに性能を評価する場合は、その測定作業が
大変なものとなる。
【0056】これに対して、上記実施の形態で説明した
パネル評価装置を用いた場合は、各放電セル及びパネル
全体の放電開始電圧や放電維持電圧を、高速で自動測定
することができるので、短時間で簡単にガス放電パネル
の評価を行うことができ、測定者によるばらつきも小さ
い。なお、実験によって以下の内容を確認した。
【0057】上記実施の形態の方法で放電セルごとに求
めた放電開始電圧の中の最小値は、上記従来の方法で求
めた放電開始電圧とほぼ一致していた。また、上記実施
の形態の方法で放電セルごとに求めた放電維持電圧の中
の最小値は、上記従来の方法で求めた放電維持電圧とほ
ぼ一致していた。 〔実施の形態2〕図7は、本実施の形態に係るフロント
パネル表面のγ係数装置の概略斜視図である。
【0058】このγ係数測定装置300は、減圧下でガ
スを封入することのできる真空容器310の内部におい
て、γ係数を測定する試料(フロントパネル301)を
支持する支持台320が底面上に設けられ、その上方に
イオンを発生させるための放電電極330、更にその上
方に発生したイオンを誘導する電界を形成するための導
電板340が設けられて構成されている。なお、図7で
は、真空容器310の蓋311が開放された状態で示さ
れている。
【0059】真空容器310には、その内部を減圧する
真空ポンプ312及びガス導入管313が連結されてい
る。ガス導入管313からは、PDPの作製に用いる放
電ガスと同様の組成のガスが供給され、PDPの放電空
間と同様の環境を形成できるようになっている(例え
ば、Ne−Xe混合ガスやHe−Xe混合ガスで、圧力
300〜600Torr)。
【0060】図8は、図7の要部組立図、図9は、図7
の装置構成を示す摸式図である。図8,図9に示される
ように、測定試料であるフロントパネル301は、ガラ
ス基板302上に複数のライン状の電極303がストラ
イプ状に配設され、その上から誘電体層304が被覆さ
れ、更に誘電体層304の表面をMgOからなる保護層
305で被覆したものである。なお、このフロントパネ
ル301は、上記図2に示したものと同様の構成であっ
て、PDPを作製するためのものである。フロントパネ
ル301の各電極303は、指定された電極303だけ
に負電位を印加するための選択回路321に接続され、
更にケーブル322を経由して、真空容器310の外の
電圧印加部323に接続されている。
【0061】図9に示すように、電圧印加部323に
は、各電極303に負電位を印加するための電源324
と、電源324から電極303に供給される電荷量を測
定する電荷量測定器325とが設けられている。電源3
24の電圧〔−V0(V)〕は、任意に設定できるよう
になっているが、ここでは、実際にPDPを駆動すると
きに維持電圧としてパネルに印加する電圧と同程度に設
定するものとする。
【0062】電荷量測定器325は、ケーブル322を
流れる電荷量を測定すつものであって、図9に示す具体
例では電流グローブが用いられている。これは、ケーブ
ル322を流れる電流変化に伴ってその周りに生じる磁
場の変化を測定することによって電流を測定し、更にこ
の電流値を時間積分することによって所定時間内にケー
ブル322を流れる電荷量を算出する。
【0063】選択回路321は、コントロール部350
の指示に従って、フロントパネル301の複数の電極3
03の中から選択されたものを電源324と接続する。
図8に示すように、フロントパネル301は、その両側
部で電極303が露出しているが、その部分は、電極3
03が直接ガスに触れるのを防止する一対の絶縁カバー
326(例えばセラミックからなる)で覆われている。
【0064】なお、図示はしないが、支持台320に
は、フロントパネル301を加熱できるようにヒータが
設けられている。放電電極330は、一対の金属製の針
(例えば、ステンレス,タングステン,モリブデン製の
針)の両先端を対向させて配設したものであって、支持
台320の上方に距離を置いて設けられている。そし
て、他の系からは絶縁され、ケーブル331を経由して
真空容器310の外部の放電回路部332に連結されて
いる。
【0065】この放電回路部332は、電源333と、
電気を貯めるコンデンサ334と、コンデンサ334の
蓄電・放電を切換えるための切換スイッチ335と、コ
ンデンサ334から放電された電気を高圧に変換するト
ランス336とからなり、放電電極330に瞬間的に高
電圧を印加して火花放電を発生する。そして、この火花
放電によってガスが電離し、イオン(正イオン)が生成
されるようになっている。
【0066】導電板340は、支持台320の上面と平
行に設けられ、アース線で接地されている。このような
構成によって、図9に示すように、導電板340とフロ
ントパネル301の電極303との間の空間には、上下
方向に電位の勾配が形成される。従って、放電電極33
0での火花放電に伴ってイオンが発生すると、そのイオ
ンは、図9の白抜矢印のように下方向に導かれて、保護
層305の表面に衝突する。なお、上記のように絶縁カ
バー326で電極303の露出部が覆われているので、
電極303にイオンが直接照射されることはない。
【0067】(γ係数の測定方法について)このγ係数
測定装置300を用いて、以下のように測定を行う。測
定試料であるフロントパネル301を支持台320上に
セットして、真空容器310内の真空度を上げて不純物
ガスを取り去った後、PDP作製時に封入するガスと同
じ条件(混合比、圧力など)で真空容器310内を満た
す。
【0068】ここで、上記ヒータを駆動してフロントパ
ネル301を加熱してもよい。なお、加熱する際は、P
DPの作製時にガス封入前に加熱処理する温度時間プロ
ファイルと同じまたは類似の条件で行うことが好まし
く、通常は300℃以上の温度に加熱する。そして、コ
ントロール部350の制御のもとに、フロントパネル3
01の電極303に対して電圧印加部323で負電位を
印加しながら、放電回路部332を駆動させて放電電極
330で火花放電を起こしてイオンを発生し、その時に
電極303に供給される電荷量を測定する。そして、コ
ントロール部350は、この電荷量をもとに保護層30
5表面のγ係数の測定を行う。
【0069】ここで、電極303に供給される電荷の量
に基づいて、保護層305表面のγ係数を算出できる原
理について説明する。上記のように電極303に対して
負電位を印加しながら、放電電極330で火花放電を起
こしてイオンを発生させると、発生したイオンは、導電
板340と印加された電極303の間に形成される電界
により加速されて保護層305の表面に衝突する。そし
て、それに伴って保護層305からは二次電子(γ電
子)が放出される。
【0070】このとき、負電位を印加されている電極3
03に対しては、この電極303と対向する保護層30
5の表面に衝突するイオンの電荷Iiと、放出された二
次電子の電荷Ieとの和(Ii+Ie)に相当する電荷
が、電圧印加部323の電源324から供給される。図
10は、電源324で負電位を印加されている電極30
3と対向する保護層305の表面にイオンが衝突すると
きに生じるパネル301における電荷の出入りを摸式的
に表わす図である。
【0071】(A)は、イオン(I+)が保護層305
に衝突することにより、そのイオン(I+)が保護層表
面に付着するのに伴って、その電荷量(Ii)に相当す
る電荷が電源324から供給される様子を示している。
(B)は、二次電子(e-)が保護層305から放出さ
れるのに伴って、その電荷に相当する電荷Ieが電源3
24から供給される様子を示している。
【0072】実際には、この(A),(B)2つの課程
が同時に起こるため、電荷量測定器325では、上記の
ように(Ii+Ie)が測定されることになる。従っ
て、このとき電荷量測定器325で測定される電荷量I
は、上記の電荷の和に相当する(I=Ii+Ie)。こ
れ式において、保護層305の表面に衝突するイオンの
電荷Iiは、標準試料を用いて予め以下のようにして測
定することができるので、電荷量測定器325での測定
電荷量Iから、二次電子の電荷Ieを求めることができ
る。
【0073】標準試料として、上記のパネル301と同
様であるが、誘電体層304の表面に、保護層305の
代わりに、γ係数の極めて小さい材料(例えば鉄やガラ
ス)を配設したものを作製し、この標準試料を用いて、
上記と同様の条件で、電圧印加部323で電極に負電位
を印加しながら、放電電極330で火花放電を起こして
イオンを発生して、その時に電極303に供給される電
荷量を測定する。
【0074】この標準試料においては、二次電子の放出
がほとんど0である以外は、上記のパネル301を用い
て測定した場合と同様の電荷の移動がなされるので、電
荷量測定器325における電荷量測定値は、標準試料表
面に衝突するイオンの電荷に相当する。従って、放電電
極330での放電ごとに発生するイオンが一定であるな
らば、標準試料についての電荷量測定器325における
電荷の測定値を、測定試料であるフロントパネル301
の保護層305の表面に衝突するイオンの電荷Iiとし
て用いることができる。
【0075】このような原理に基づき、コントロール部
350では、予め測定した電荷Iiを記憶しておき、こ
の値Iiと測定電荷量Iとから、I=Ii(1+γ)の
式に基づいてγ係数を算出する。 (保護層のγ係数の測定形態について)以上のような方
法を用いれば、保護層305全体についてのγ係数を測
定することもできるし、各電極303と対向する領域ご
とに保護層305のγ係数を測定することもできる。
【0076】即ち、保護層305全体についてのγ係数
を測定する場合は、コントロール部350は、選択回路
321に指示してフロントパネル301の総ての電極3
03に対して同時に負電位を印加しながら、放電回路部
332を駆動して火花放電を起こす。そのときの電荷量
測定器325の測定値に基づいて、保護層305の表面
全体についてγ係数を算出する。
【0077】一方、各電極303と対向する帯状領域ご
とに保護層305のγ係数を測定する場合は、コントロ
ール部350は、選択回路321に指示してフロントパ
ネル301の複数の電極303に対して1本づつ順に負
電位を印加しながら、それに合わせて放電回路部332
を駆動して火花放電を繰返し起こす。そのときの電荷量
測定器325の各測定値に基づいて、各電極303と対
向する領域ごとに保護層305のγ係数を算出する。
【0078】これによって、保護層305の全体を電極
303に対向する帯状領域に分割した各帯状領域ごとの
γ係数を測定し、保護層305の表面全体について帯状
領域ごとのγ係数の分布を測定することができる。 (PDPの製造工程への応用について)保護層を形成す
る条件を様々に変えて試験用のフロントパネルを作製
し、作製した各フロントパネルについて上述した方法で
保護層表面全体についてのγ係数を測定し、更にその各
フロントパネルを用い、共通のバックパネルを貼り合わ
せてPDPを組み立て放電開始電圧を測定する実験を行
った。
【0079】図11は、その実験結果を示す特性図であ
って、各フロントパネルについて測定したγ係数と放電
開始電圧との関係をプロットしたものである。本図か
ら、PDPにおける保護層のγ係数と放電開始電圧との
間には強い相関関係があって、γ係数が大きいほど放電
開始電圧が低いことがわかる。このことから、PDPを
作製する上で、フロントパネルに形成する保護層のγ係
数によって、最終的に作製されるPDPの放電開始電圧
が大きく影響されるこということ、並びに、保護層のγ
係数が適当な範囲にあるフロントパネルを用いてPDP
を作製すれば、作製されるPDPの放電開始電圧を適当
な範囲に納められるということができる。
【0080】従って、これをPDPの製造工程に適用し
て、フロントパネルを作製した後に、上記のγ係数測定
装置300を用いて、そのフロントパネルの保護層のγ
係数を測定し、その測定結果に基づいてフロントパネル
の良否判定を行い(例えば、保護層全体のγ係数の測定
値が所定の範囲にある場合にのみ良好と判定する)、判
定結果が良好なフロントパネルを用いて、これとバック
パネルとを積層させると共に放電ガスを封入するように
すれば、作製されるPDPの放電開始電圧を適当な範囲
に納めることができる。即ち、PDPの製造工程におい
て、このようにフロントパネルの保護層表面のγ係数を
測定し、その良否を判定する工程を加えることによっ
て、PDP製造時における歩留りの向上を図ることがで
きる。
【0081】また、フロントパネルの保護層のγ係数の
領域ごとに測定すれば、フロントパネルの良否判定をよ
り細かく行うことができる。なお、フロントパネルの保
護層のγ係数が所定の範囲外にあって不良と判定された
場合、そのフロントパネルに対して保護層の形成を再度
行い、再試験してγ係数が所定の範囲内に入った場合は
良好と判定するようにしてもよい。
【0082】(電荷量測定器325の変形例)なお、電
荷量測定器325として、図9に示したような電流グロ
ーブを用いるもの以外に、図12(A)に示すように単
純に抵抗を直列に挟んで、両端の電圧の時間変化を測
定、これを電流値に変換後、時間積分することによっ
て、電極303に供給される電荷量を測定してもよい。
【0083】あるいは、図12(B)に示すようにコン
デンサ等のキャパシタを直列に接続し、両端の電圧の時
間変化を測定し、同様に電流値に変換後、時間積分する
ことによって測定してもよい。 〔実施の形態3〕図13は、本実施の形態にかかるγ係
数測定装置400の構成を摸式的に示した構成図であっ
て、図9と共通の構成要素には同一の番号を付してあ
る。
【0084】このγ係数測定装置400は、上記実施の
形態2のγ係数測定装置300と同様の構成であるが、
支持台320の上に、測定試料であるフロントパネル3
01と並べて比較プレート401を置き、両者を比較測
定することによって、フロントパネル301のγ係数を
測定する点が異なっている。この比較プレート401と
しては、パネル301において、誘電体層304の表面
に、保護層305の代わりに、γ係数が既知の材料40
5を配設したものを用いればよい。ここでは、実施の形
態2で説明した標準試料と同様の、パネル301におい
て保護層305の代わりにγ係数の極めて小さい材料4
05を配設したものを用いることとす。。
【0085】そして、この装置400においては、フロ
ントパネル301の各電極に対しては、実施の形態2と
同様に負電位を印加でき、比較プレート401の電極に
対しても、電源324からケーブル422及び選択回路
421を介して負電位〔−V0(V)〕を印加できるよ
うになっている。なお、フロントパネル301と比較プ
レート401の間には、絶縁カバー326と同様の絶縁
カバー426が介挿されている。
【0086】測定方法も、基本的に実施の形態2の場合
と同様であって、フロントパネル301の電極及び比較
プレート401の電極に対して、電圧印加部423で並
行して負電位を印加しながら、放電電極330で火花放
電を起こしてイオンを発生して、その時に、フロントパ
ネル301の電極に供給される電荷量を電荷量測定器3
25で測定すると共に、比較プレート401の電極に供
給される電荷量を電荷量測定器425で測定する。
【0087】このとき、電荷量測定器325での測定値
laは、保護層305に衝突するイオンの電荷と保護層
305から放出される電荷の和(Ii+Ie)に相当
し、電荷量測定器425での測定値Ibは、材料405
の表面に衝突したイオンの電荷に相当するが、これは、
保護層305の表面に衝突するイオンの電荷Iiと同等
である。
【0088】従って、電荷量測定器325での測定値と
電荷量測定器425での測定値との差(la−lb)
が、保護層305から放出される二次電子の電荷Ieに
相当する。よって、コントロール部450では、電荷量
測定器325での測定値Ia及び電荷量測定器425で
の測定値Ibから、保護層305のγ係数を算出するこ
とができる。γ=(la−lb)/Ib。
【0089】図14は、1回の火花放電で照射されるイ
オンによって、測定試料(フロントパネル301)の電
極及びリファレンス(比較プレート401)の電極に流
れる電流の時間的変化を示すグラフであって、各々の電
流の積分値(各グラフの示す面積)が、測定試料に供給
される電荷量Ia及びリファレンスに供給される電荷量
Ibに相当する。
【0090】本実施の形態においても、実施の形態2と
同様、各電極303と対向する領域ごとに保護層305
のγ係数を測定することもできるし、保護層305全体
についてのγ係数を測定することもできる。また、本実
施の形態の測定方法では、火花放電によってイオンを発
生し照射するごとに、比較プレートと比較を行いながら
測定しているため、仮に火花放電ごとに発生するイオン
量にバラツキが生じたとしても、測定結果がそれに左右
されにくい。従って、実施の形態2と比べてより正確な
測定が可能である。
【0091】〔実施の形態4〕図15は、本実施の形態
にかかるγ係数測定装置の構成を示す摸式図であって、
図9と共通の構成要素には同一の番号を付してある。こ
のγ係数測定装置500は、上記実施の形態2のγ係数
測定装置300と同様の構成であるが、真空容器310
の中には、放電電極330の火花放電で発生しフロント
パネル301の方に流れてくるイオン量を測定するため
のイオン計測器501が設けられている。
【0092】イオン計測器501の具体例としては、フ
ァラデーカップを挙げることができる。本実施の形態に
おいても、火花放電ごとに発生するイオン量にバラツキ
が生じたとしても、コントロール部550は、イオン計
測器501からの出力信号(イオン量)に基づいて火花
放電ごとのイオン発生量を測定できるので、バラツキを
抑える補正を行うことができる。
【0093】具体的には、コントロール部550は、実
施の形態2で説明したように、予め標準試料を用いてイ
オンの電荷Iiを測定し記憶しておくが、その測定時の
イオン計測器501の出力Saも記憶しておく。そし
て、フロントパネル301についてイオンの電荷Iを測
定するときに、イオン計測器501の出力Sbを読み取
り、Sa・I=Sb・Ii(1+γ)の式に基づいてγ
を算出する。
【0094】〔実施の形態5〕図16は、本実施の形態
にかかるγ係数測定装置の構成を示す概略斜視図であっ
て、図7と共通の構成要素には同一の番号を付してあ
る。このγ係数測定装置600は、実施の形態4のγ係
数測定装置500と同様の構成であるが、γ係数測定装
置500では放電電極330が支持台320の上方に固
定されていたのに対して、γ係数測定装置600では、
放電電極630が支持台320の表面近くにあって、図
示しない走査手段によって、フロントパネル301の表
面に沿って平行移動可能な状態で支持されている(図1
6の太線矢印の方向に移動可能)。
【0095】この放電電極630は、放電電極330と
同様のものであるが、絶縁性の材料(例えばセラミッ
ク)からなる遮蔽枠板631で周囲が覆われており、当
該遮蔽枠板631は放電電極630と一体で移動するよ
うになっている。遮蔽枠板631には、放電電極630
の直下に小さな矩形の窓632が開設されている。この
窓632は、フロントパネル301の保護層305に近
接しており、放電電極630における火花放電によって
イオンが発生すると、保護層305の窓632と対向す
る領域にのみイオンが垂直に照射される。
【0096】また、遮蔽枠板631内の窓632の横に
は、イオン計測器601が設けられ、イオン計測器60
1からの信号によってコントロール部では、火花放電ご
とのイオン発生量を測定できるようになっている。この
イオン計測器601としては、実施の形態4で述べたイ
オン計測器501と同様のものを用いてもよいし、或は
実施の形態2で説明した標準試料の小型のものを作製
し、その電極に電圧印加部323で負電位を印加しなが
らこれに供給される電荷量を測定するようにしてもよ
い。
【0097】このようなγ係数測定装置600によれ
ば、保護層305の任意の小さな矩形領域について、γ
係数を測定することが可能である。即ち、選択回路32
1と同様の選択回路に指示して、測定しようとする矩形
領域を通る電極に対してだけ負電位の印加を行うと共
に、上記走査手段に指示して、窓632が当該矩形領域
と対向するように、放電電極630及び遮蔽枠板631
を移動させる。そして、実施の形態4で説明したよう
に、放電回路部332を駆動して火花放電を起こし、こ
の矩形領域にイオンを照射しながら、電圧印加部323
から供給される電荷量を測定すれば、この矩形領域につ
いての保護層305のγ係数を測定することができる。
【0098】また、放電電極630からイオンが照射さ
れる矩形領域までの距離は、ほぼ一定に保たれるので、
各矩形領域ごとに略同様のイオンの照射形態を保つこと
ができる。即ち、火花放電ごとのイオン発生量が一定で
あるなら、各矩形領域ごとに略同条件条件でイオンの照
射がなされることになる。また、火花放電ごとのイオン
発生量のバラツキについては、上記実施の形態4と同様
にして、イオン計測器601の出力を用いて補正するこ
とができる。
【0099】本実施形態の測定方法によれば、保護層3
05の表面全体を多数の矩形領域に分割して、このよう
な操作を各矩形領域ごとに順に行って各矩形領域ごとの
γ係数を測定すれば、保護層305全体についての矩形
領域ごとのγ係数の分布を測定することができるので、
保護層についてのより精密な評価を行うことができる。
【0100】また、窓632を、PDPの画素に相当す
るように小さく設定すれば、画素ごとのγ係数の分布を
測定することも可能である。 (実施の形態2〜5についての変形例など)なお、上記
実施の形態2〜5では、真空容器内を減圧にした状態で
放電ガスを封入して測定する例を示したが、必ずしも減
圧状態で測定するものとは限られず、常圧或は加圧の状
態で放電ガスを封入して測定することも可能である。
【0101】また、上記実施の形態2〜5では、ガス中
で火花放電を起こすことによりイオンを発生させたが、
イオンを発生させる手段としては、この他にガスに光束
を照射することによってイオンを発生させても良い。こ
の光束としては、ガスの原子の特性波長の光束、特に紫
外側に比較的断面積の大きいラインを有する光(レーザ
光)を照射することが好ましい。例えば、レーザ光発振
装置で発生させたレーザ光を、光ファイバでイオンを発
生しようとする位置に導き、ガスに照射すればよい。こ
こで、レンズで集光してガスに照射すれば、小さな領域
内で集中的にイオンを発生できるので、測定精度を上げ
ることができる。
【0102】また、上記実施の形態2〜5では、PDP
の誘電体層の表面に保護層が配されたフロントパネルに
ついて、当該保護層表面のγ係数を測定する例を示した
が、誘電体層に保護層が配されていない場合において
も、同様にして誘電体層表面のγ係数を測定することが
できる。例えば、保護層が形成される前のフロントパネ
ルについて、或は電極上にMgOからなる誘電体層が形
成されているフロントパネルについて、同様に誘電体層
表面のγ係数を測定することができる。
【0103】更に、本発明は、PDP用のパネルのみな
らず、以下のようにして、一般的な材料についてγ係数
を測定するのに適用することができる。図17(a)に
示すように、電極(例えば金属板、導電性材料の板、金
属の薄膜電極)の上に誘電体層を設け、γ係数測定対象
の材料からなる試料層をその誘電体層の上に配設して、
電極に負電位を印加しながら試料層の表面にイオンを照
射し、そのときに、電極に供給される電荷量を測定す
る。
【0104】一方、電極の上に誘電体層を設け、γ係数
が既知の材料からなる比較材料層を誘電体層の上に配設
して、上記と同じ条件で電極に負電位を印加しながら比
較材料層の表面にイオンを照射し、そのときに、電極に
供給される電荷量を測定する。そして、試料層を配設し
たときに電極に供給される電荷量と、比較材料層を配設
したときに電極に供給される電荷量とからγ係数を算出
する。
【0105】ここで、γ係数測定対象の材料自体が誘電
体としての性質を持つものである場合は、図17(b)
のように、電極の上に、γ係数測定対象の材料からなる
試料層を形成して、同様に測定すればよい。このような
一般的な材料についてのγ係数の測定においても、上述
したようにファラデーカップなどの粒子測定器を設けて
イオンの照射量を測定したり、あるいはγ係数が既知の
標準試料を並べて測定する方法を用いれば、より正確な
測定を行うことができる。
【0106】また、真空容器の中に封入するガスの種類
は、PDP用の放電ガスに用いられるもの限られず、例
えば、酸素、水素、窒素などを用いてもよい。
【0107】
【発明の効果】以上のように、本発明は、放電開始電圧
や放電維持電圧といったガス放電パネルの評価項目を測
定する評価装置並びに評価方法において、ガス放電パネ
ルに放電パルスを供給するときに、評価項目に応じて定
められている特性が所定の条件を満たすか否かを経時的
に判定し、条件を満たすと判定した時点での評価項目に
関連する特性を記録するようにしたことによって、ガス
放電パネルの評価を短時間で行うことができ、且つ、測
定者に対する負担が少なく、測定者による評価のばらつ
きも少なくすることができる。
【0108】そして、評価しようとするガス放電パネル
が複数の放電セルを備える場合、各放電セルに1つ以上
の放電パルスを順次供給しながら測定を行えば、放電セ
ルごとに性能の評価を行うことができる。この場合、パ
ネル内における放電セルの性能の分布を調べることがで
き、それにより、パネルにとって最適な駆動電圧を得る
こともできる。更に、最も性能の悪い放電セルの特性か
ら、最低必要な駆動電圧も求めることができるので、そ
れによってパネルの寿命を予測することも可能である。
【0109】また、このような本発明によるパネル評価
方法に基づいて、ガス放電パネルの評価基準の統一化を
図ることも可能と考えられる。また、本発明では、プレ
ート基板上に電極及び当該電極を覆う誘電体層が配設さ
れたガス放電パネル用プレートを、誘電体層の表面にガ
スを接触させた状態で、当該誘電体層の表面の二次電子
放出係数を計測するようにすることによって、測定した
γ係数からガス放電パネルの性能を従来の方法より正確
に評価することを可能とした。
【0110】ここで、二次電子放出係数の計測は、ガス
封入容器に、ガス放電パネル用プレートを収納すると共
にガスを封入し、ガス封入容器内でイオンを発生させて
誘電体層の表面に照射し、誘電体層表面にイオンが照射
されるときに、電荷供給源から電極に供給される電荷量
を測定することによって、自動的に高速で測定すること
が可能である。
【0111】ここで、ガス放電パネル用プレートと共に
その比較プレートを用いれば、あるいは、イオン計測装
置で誘電体層の表面に照射されるイオン量を測定すれ
ば、より正確なγ係数の測定が可能となる。また、ガス
放電パネル用プレートの電極が、ストライプ状に配設さ
れた複数のライン電極部からなる場合、電荷供給源から
電荷供給するライン電極部を選択し、選択されたライン
電極部に供給される電荷量を測定すれば、各ライン電極
部に対向する領域ごとのγ係数の分布を測定することが
できる。
【0112】また、誘電体層の表面の一部の領域にイオ
ンを照射するようにすれば、誘電体層表面の中で、照射
領域についてのγ係数を測定することができる。更に、
誘電体層の表面におけるイオンの照射領域を変更しなが
ら行えば、照射領域ごとのγ係数の分布を測定すること
ができる。また、本発明では、試料の表面のγ係数を測
定するのに、試料をガス封入容器の内部に収納すると共
に、試料に電荷供給源から電荷供給が可能な状態とし、
ガス封入容器内でイオンを発生させて試料の表面に照射
し、イオンが試料に照射されるときに、試料に電荷供給
源から供給される電荷量を測定するようにし、これによ
って、ガス雰囲気下における試料表面のγ係数を求める
ことを可能とした。
【0113】このような評価方法をガス放電パネルの製
造方法に応用して、電極及び当該電極を覆う誘電体層が
設けられた第1プレートを作製し、ガス封入容器の内部
に第1プレートを収納すると共に、電荷供給源から電極
に電荷供給を可能な状態とし、ガス封入容器内でイオン
を発生させて誘電体層の表面に照射し、イオンが照射さ
れるときに、電極に電荷供給源から供給される電荷量を
測定する。そして、その測定結果に基づいて、第1プレ
ートの良否判定を行い、判定結果が良好な第1プレート
と、第2プレートとを積層させると共に放電ガスを封入
するようにすれば、歩留りのよいガス放電パネルの製造
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るパネル評価装置の構
成、並びにその使用状態を示す図である。
【図2】上記実施の形態で用いるガス放電パネルの要部
組み立て図である。
【図3】上記ガス放電パネルにおける、表示電極2a,
2b及びアドレス電極6のラインパターンの配線を示す
図である。
【図4】放電パルス供給装置から表示電極に対して印加
される放電パルスの電圧波形を示すグラフである。
【図5】図4に示される放電パルスの1つの電圧波形
を、時間t方向に引き伸ばしたグラフ、並びに、1つの
放電パルスが印加されている期間における電流の波形を
示すグラフである。
【図6】図5の電圧及び電流を高感度で測定したときの
波形を示すグラフである。
【図7】実施の形態2に係るγ係数測定装置の概略斜視
図である。
【図8】図7の要部組立図である。
【図9】図7の装置構成を示す摸式図である。
【図10】γ係数測定装置のパネルにおける電荷の出入
りを摸式的に示す図である。
【図11】実施の形態2における実験結果を示す特性図
である。
【図12】実施の形態2にかかる変形例を示す図であ
る。
【図13】実施の形態3にかかるγ係数測定装置の構成
を示す摸式図である。
【図14】1回の火花放電で照射されるイオンによっ
て、測定試料の電極及びリファレンスの電極に流れる電
流の時間的変化を示すグラフである。
【図15】実施の形態4にかかるγ係数測定装置の構成
を示す摸式図である。
【図16】実施の形態5にかかるγ係数測定装置の構成
を示す概略斜視図である。
【図17】実施の形態に基づき一般的な材料についてγ
係数を測定する場合の説明図である。
【符号の説明】
2a,2b 表示電極 3 誘電体ガラス層 4 保護層 6 アドレス電極 10 パネル評価装置 11 電圧測定器 12 電流電圧変換器 13 電圧記録器 14 バンドパスフィルタ 15 ロックインアンプ 16 コンパレータ 17 信号発生器 18 ピークホールド回路 19 コンパレータ 20 信号発生器 100 放電パルス供給装置 200 ガス放電パネル 300 γ係数測定装置 301 フロントパネル 303 電極 304 誘電体層 305 保護層 310 真空容器 320 支持台 321 選択回路 323 電圧印加部 324 電源 325 電荷量測定器 330 放電電極 340 導電板 400 γ係数測定装置 401 比較プレート 500 γ係数測定装置 501 イオン計測器 600 γ係数測定装置 601 イオン計測器 630 放電電極 631 遮蔽枠板 632 窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 良樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 安井 秀明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 工藤 眞壽 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス放電パネルの性能を評価するため所
    定の評価項目について測定を行う評価装置であって、 放電パルス供給手段がガス放電パネルに放電パルスを供
    給するときに、上記評価項目に応じて定められている特
    性が所定の条件を満たすか否かを経時的に判定する経時
    判定手段と、 前記経時判定手段が条件を満たすと判定した時点での上
    記評価項目に関連する特性を記録する特性記録手段とを
    備えることを特徴とするガス放電パネル用評価装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の評価項目は、放電開始電圧で
    あって、 前記経時判定手段は、 前記放電パルス供給手段がガス放電パネルに供給する放
    電パルスに伴って生じる電圧及び電流の波形の特徴が、
    所定の条件を満たすか否かを経時的に判定し、 前記特性記録手段は、 前記前記経時判定手段が条件を満たすと判定した時点で
    前記放電パルス供給手段が供給する電圧を記録すること
    を特徴とする請求項1記載のガス放電パネル用評価装
    置。
  3. 【請求項3】 前記経時判定手段は、 前記放電パルス供給手段がガス放電パネルに供給する放
    電パルスに伴って生じる電圧及び電流の振動の位相差
    が、所定の基準以上に変化したか否かを経時的に判定す
    ることを特徴とする請求項2記載のガス放電パネル用評
    価装置。
  4. 【請求項4】 前記所定の評価項目は、放電維持電圧で
    あって、 前記経時判定手段は、 前記放電パルス供給手段がガス放電パネルに供給する電
    流が、1つの放電パルスが供給されている期間内で最大
    値に到達した後に初めて0となったか否かを経時的に判
    定し、 前記特性記録手段は、 前記経時判定手段が条件を満たすと判定した時点で前記
    放電パルス供給手段が供給する電圧を記録することを特
    徴とする請求項1記載のガス放電パネル用評価装置。
  5. 【請求項5】 前記ガス放電パネルは、複数の放電セル
    を備えるものであって、 前記放電パルス供給手段は、 各放電セルに1つ以上の放電パルスを順次供給すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガス放電
    パネル用評価装置。
  6. 【請求項6】 ガス放電パネルの性能を評価するため所
    定の項目についての測定を行う評価方法であって、 ガス放電パネルに放電パルスを供給する放電パルス供給
    ステップと、 放電パルス供給ステップで放電パルスを供給するとき
    に、上記評価項目に応じて定められている特性が所定の
    条件を満たすか否かを経時的に判定する経時判定ステッ
    プと、 前記経時判定ステップで条件を満たすと判定した時点で
    の上記評価項目に関連する特性を記録する特性記録ステ
    ップとを備えることを特徴とするガス放電パネル用評価
    方法。
  7. 【請求項7】 前記所定の評価項目は、放電開始電圧で
    あって、 前記経時判定ステップでは、 ガス放電パネルに供給する放電パルスに伴って生じる電
    圧及び電流の波形の特徴が、所定の条件を満たすか否か
    を経時的に判定し前記特性記録ステップでは、 前記経時判定サブステップで条件を満たすと判定した時
    点でのガス放電パルスへの供給電圧を記録することを特
    徴とする請求項6記載のガス放電パネル用評価方法。
  8. 【請求項8】 前記経時判定サブステップでは、 ガス放電パネルに供給する放電パルスに伴って生じる電
    圧及び電流の振動の位相差が、所定の基準以上に変化し
    たか否かを経時的に判定することを特徴とする請求項7
    記載のガス放電パネル用評価装置。
  9. 【請求項9】 前記所定の評価項目は、放電維持電圧で
    あって、 前記経時判定ステップでは、 前記放電パルス供給ステップにおいてガス放電パネルに
    供給する電流が、1つの放電パルスが供給されている期
    間内で最大値に到達した後に初めて0となったか否かを
    経時的に判定し、 前記特性記録ステップでは、 前記経時判定手段が条件を満たすと判定した時点でのガ
    ス放電パネルへの供給電圧を記録することを特徴とする
    請求項6記載のガス放電パネル用評価方法。
  10. 【請求項10】 前記ガス放電パネルは、複数の放電セ
    ルを備えるものであって、 前記放電パルス供給ステップでは、 各放電セルに1つ以上の放電パルスを順次供給すること
    を特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のガス
    放電パネル用評価方法。
  11. 【請求項11】 プレート基板上に電極及び当該電極を
    覆う誘電体層が配設されたガス放電パネル用プレートを
    評価するためのガス放電パネル用評価装置であって、 内部に前記ガス放電パネル用プレートを収納すると共
    に、ガスを封入することのできるガス封入容器と、 前記ガス封入容器内でイオンを発生させて前記誘電体層
    の表面に照射するイオン照射手段と、 前記電極に電荷を供給する電荷供給源と、 前記イオン照射手段により誘電体層表面にイオンが照射
    されるときに、前記電極に電荷供給源から供給される電
    荷量を測定する電荷測定手段とを備えることを特徴とす
    るガス放電パネル用評価装置。
  12. 【請求項12】 前記イオン照射手段は、 前記ガス封入容器内のガスを電離させることによりイオ
    ンを発生させるイオン発生部を備えることを特徴とする
    請求項11記載のガス放電パネル用評価装置。
  13. 【請求項13】 前記イオン発生部は、 前記ガス封入容器内で火花放電を発生させてガスを電離
    させることによりイオンを発生させることを特徴とする
    請求項12記載のガス放電パネル用評価装置。
  14. 【請求項14】 前記イオン発生部は、 前記ガス封入容器内でガスに光束を照射して電離させる
    ことによりイオンを発生させることを特徴とする請求項
    12記載のガス放電パネル用評価装置。
  15. 【請求項15】 前記イオン照射手段は、 発生するイオンを加速して前記誘電体層表面に衝突させ
    る加速機構を備えることを特徴とする請求項11〜14
    のいずれかに記載のガス放電パネル用評価装置。
  16. 【請求項16】 前記加速機構は、 イオン照射手段で発生するイオンを引きつけるよう前記
    電極に負電位を印加する印加部を備え、 当該印加部は、 前記電荷供給源を兼ねることを特徴とする請求項15記
    載のガス放電パネル用評価装置。
  17. 【請求項17】 前記加速機構は、 前記ガス放電パネル用プレート側から見て前記イオン発
    生部の後方に、当該ガス放電パネル用プレートと平行に
    設けられた導電板を備えることを特徴とする請求項16
    記載のガス放電パネル用評価装置。
  18. 【請求項18】 前記ガス封入容器内に、 前記イオン照射手段が前記誘電体層表面に照射するイオ
    ンの量を測定するイオン計測装置を備えることを特徴と
    する請求項15〜17のいずれかに記載のガス放電パネ
    ル用評価装置。
  19. 【請求項19】 前記ガス封入容器は、 その内部に前記ガス放電パネル用プレートと共に比較試
    料を収納し、 前記イオン照射手段は、 前記ガス封入容器内でイオンを発生させて前記誘電体層
    の表面と共に前記比較試料の表面に照射し、 前記電荷供給源は、 前記電極と共に前記比較試料に電荷を供給することがで
    き、 前記電荷測定手段は、 前記イオン照射手段により誘電体層表面にイオンが照射
    されるときに、前記電極に電荷供給源から供給される電
    荷及び前記比較試料に電荷供給源から供給される電荷量
    を測定することを特徴とする請求項11〜18のいずれ
    かに記載のガス放電パネル用評価装置。
  20. 【請求項20】 前記イオン照射手段で発生するイオン
    を引きつけるよう前記電極と比較試料とに負電位を印加
    する印加部を備え、 当該印加部は、 前記電荷供給源を兼ねることを特徴とする請求項19記
    載のガス放電パネル用評価装置。
  21. 【請求項21】 前記ガス放電パネル用プレートの電極
    は、 プレート基板上にストライプ状に配設された複数のライ
    ン電極部からなり、 前記電荷測定手段は、 前記電荷供給源から電荷供給するライン電極部を選択す
    る選択部を備え、選択されたライン電極部に供給される
    電荷量を測定することを特徴とする請求項11〜20の
    いずれかに記載のガス放電パネル用評価装置。
  22. 【請求項22】 前記イオン照射手段は、 前記誘電体層の表面の一部の領域にイオンを照射するこ
    とを特徴とする請求項11〜21のいずれかに記載のガ
    ス放電パネル用評価装置。
  23. 【請求項23】 前記イオン照射手段は、 前記ガス封入容器内のガスを電離させることによりイオ
    ンを発生させるイオン発生部と、 前記イオン発生部で発生したイオンが、前記領域以外の
    前記誘電体層表面に照射されるのを防止する遮蔽部とを
    備えることを特徴とする請求項22記載のガス放電パネ
    ル用評価装置。
  24. 【請求項24】 前記イオン照射手段は、 前記誘電体層の表面におけるイオンの照射領域を変更す
    る照射領域変更機構を備えていることを特徴とする請求
    項22または23記載のガス放電パネル用評価装置。
  25. 【請求項25】 前記照射領域変更機構は、 前記イオン発生部及び前記遮蔽部を、前記誘電体層の表
    面に沿って移動させることによってイオンの照射領域を
    変更することを特徴とする請求項24記載のガス放電パ
    ネル用評価装置。
  26. 【請求項26】 前記ガス封入容器には、 当該ガス封入容器を減圧にする減圧手段が設けられてい
    ることを特徴とする請求項11〜25のいずれかに記載
    のガス放電パネル用評価装置。
  27. 【請求項27】 前記ガス放電パネル用プレートは、 誘電体層の表面に保護層が配設されていることを特徴と
    する請求項11〜26のいずれかに記載のガス放電パネ
    ル用評価装置。
  28. 【請求項28】 プレート基板上に電極及び当該電極を
    覆う誘電体層が配設されたガス放電パネル用プレートを
    評価するためのガス放電パネル用評価方法であって、 ガス封入容器の内部に前記ガス放電パネル用プレートを
    収納すると共に、前記電極に電荷供給源から電荷供給が
    可能な状態にする収納ステップと、 前記ガス封入容器内でイオンを発生させて前記誘電体層
    の表面に照射するイオン照射ステップと、 前記イオン照射ステップでイオンが誘電体層表面に照射
    されるときに、前記電極に電荷供給源から供給される電
    荷量を測定する電荷測定ステップとを備えることを特徴
    とするガス放電パネル用評価方法。
  29. 【請求項29】 前記イオン照射ステップでは、 前記ガス封入容器内のガスを電離させることによりイオ
    ンを発生させることを特徴とする請求項28記載のガス
    放電パネル用評価方法。
  30. 【請求項30】 前記イオン照射ステップでは、 前記ガス封入容器内で火花放電を発生させてガスを電離
    させることによりイオンを発生させることを特徴とする
    請求項29記載のガス放電パネル用評価方法。
  31. 【請求項31】 前記イオン照射ステップでは、 前記ガス封入容器内でガスに光束を照射して電離させる
    ことによりイオンを発生させることを特徴とする請求項
    29記載のガス放電パネル用評価方法。
  32. 【請求項32】 前記イオン照射ステップは、 発生するイオンを加速して前記誘電体層表面に衝突させ
    ることを有することを特徴とする請求項28〜31のい
    ずれかに記載のガス放電パネル用評価方法。
  33. 【請求項33】 前記イオン照射ステップ及び電荷測定
    ステップでは、 発生するイオンを引きつけるよう前記電極に負電位を印
    加することを特徴とする請求項32記載のガス放電パネ
    ル用評価方法。
  34. 【請求項34】 前記ガス放電パネル用プレートと同様
    の構造の比較試料について、前記収納ステップ、イオン
    照射ステップ及び電荷測定ステップと同様のステップを
    行うことにより電荷供給源から供給される電荷量を測定
    する比較試料測定ステップと、 前記ガス放電パネル用プレートについて電荷測定ステッ
    プで測定した結果と、 前記比較試料について比較試料測定ステップで測定した
    結果とを比較することによって、前記誘電体層の表面の
    二次電子放出係数を算出する係数算出ステップとを備え
    ることを特徴とする請求項28〜33のいずれかに記載
    のガス放電パネル用評価方法。
  35. 【請求項35】 前記イオン照射ステップにおいて前記
    誘電体層表面に照射されるイオンの量を測定するイオン
    計測ステップを備えることを特徴とする請求項28〜3
    3のいずれかに記載のガス放電パネル用評価方法。
  36. 【請求項36】 前記収納ステップでは、 前記ガス封入容器の内部に前記ガス放電パネル用プレー
    トと共に比較プレートを収納し、 前記電極と共に前記比較プレートに電荷供給源から電荷
    供給が可能な状態にし、 前記イオン照射ステップでは、 前記ガス封入容器内でイオンを発生させて前記誘電体層
    の表面と共に前記比較試料の表面に照射し、 前記電荷測定ステップでは、 前記イオン照射ステップでイオンが誘電体層表面に照射
    されるときに、前記電極に供給される電荷及び前記比較
    プレートに供給される電荷量を測定することを特徴とす
    る請求項28〜33のいずれかに記載のガス放電パネル
    用評価方法。
  37. 【請求項37】 前記イオン照射ステップ及び電荷測定
    ステップでは、 発生するイオンを引きつけるよう前記電極と比較プレー
    トとに負電位を印加することを特徴とする請求項36記
    載のガス放電パネル用評価方法。
  38. 【請求項38】 前記ガス放電パネル用プレートの電極
    は、 プレート基板上にストライプ状に配設された複数のライ
    ン電極部からなり、 前記電荷測定ステップでは、 電荷供給源から電荷供給するライン電極部を選択し、選
    択されたライン電極部に供給される電荷量を測定するこ
    とを特徴とする請求項28〜37のいずれかに記載のガ
    ス放電パネル用評価方法。
  39. 【請求項39】 前記イオン照射ステップでは、 前記誘電体層の表面の一部の領域にイオンを照射するこ
    とを特徴とする請求項28〜38のいずれかに記載のガ
    ス放電パネル用評価方法。
  40. 【請求項40】 前記イオン照射ステップでの前記誘電
    体層の表面に対するイオンの照射領域を変更する照射領
    域変更ステップを備えることを特徴とする請求項39記
    載のガス放電パネル用評価方法。
  41. 【請求項41】 前記収納ステップでは、 ガス封入容器内にガスを封入するガス封入サブステップ
    を備えることを特徴とする請求項28〜40のいずれか
    に記載のガス放電パネル用評価方法。
  42. 【請求項42】 前記収納ステップでは、 ガス封入容器内を減圧にする減圧サブステップを備える
    ことを特徴とする請求項41記載のガス放電パネル用評
    価方法。
  43. 【請求項43】 プレート基板上に電極及び当該電極を
    覆う誘電体層が配設されたガス放電パネル用プレートを
    評価するためのガス放電パネル用評価方法であって、 前記ガス放電パネル用プレートの誘電体層の表面にガス
    を接触させた状態で、当該誘電体層の表面の二次電子放
    出係数を計測する二次電子放出係数計測ステップを備
    え、 前記二次電子放出係数計測ステップでの計測結果に基づ
    いて前記ガス放電パネル用プレートを評価することを特
    徴とするガス放電パネル用評価方法。
  44. 【請求項44】 前記二次電子放出係数計測ステップで
    は、 前記ガス放電パネル用プレートの誘電体層の表面にガス
    を接触させた状態で、当該誘電体層の表面を分割した領
    域毎に二次電子放出係数を計測することを特徴とする請
    求項43記載のガス放電パネル用評価方法。
  45. 【請求項45】 前記ガス放電パネル用プレートは、 誘電体層の表面に保護層が配設されていることを特徴と
    する請求項28〜44のいずれかに記載のガス放電パネ
    ル用評価方法。
  46. 【請求項46】 測定試料の表面の二次電子放出率を測
    定する方法であって、 電極上に前記測定試料の層を配設した状態でガス封入容
    器の内部に収納すると共に、前記電極に電荷供給源から
    電荷供給が可能な状態とする収納ステップと、 前記ガス封入容器内でイオンを発生させて前記試料の層
    表面に照射するイオン照射ステップと、 前記イオン照射ステップでイオンが測定試料表面に照射
    されるときに、前記電極に電荷供給源から供給される電
    荷量を測定する電荷測定ステップとを備えることを特徴
    とする二次電子放出率測定方法。
  47. 【請求項47】 前記収納ステップは、 前記測定試料を誘電体層を介して前記電極上に配設した
    状態でガス封入容器の内部に収納することを特徴とする
    請求項46記載の二次電子放出率測定方法。
  48. 【請求項48】 比較試料について、前記収納ステッ
    プ、イオン照射ステップ及び電荷測定ステップと同様の
    ステップを行うことにより電荷供給源から供給される電
    荷量を測定する比較試料測定ステップと、 前記測定試料について電荷測定ステップで測定した結果
    と、前記比較試料について比較試料測定ステップで測定
    した結果とを比較することによって、前記測定試料の表
    面の二次電子放出係数を算出する係数算出ステップとを
    備えることを特徴とする請求項46または47記載の二
    次電子放出率測定方法。
  49. 【請求項49】 前記イオン照射ステップにおいて前記
    測定試料表面に照射されるイオンの量を測定するイオン
    計測ステップを備えることを特徴とする請求項46また
    は47記載の二次電子放出率測定方法。
  50. 【請求項50】 電極及び当該電極を覆う誘電体層が設
    けられた第1プレートを作製する第1プレート作製ステ
    ップと、 ガス封入容器の内部に前記第1プレートを収納すると共
    に、前記電荷供給源から電極に電荷供給を可能な状態と
    する収納ステップと、 前記ガス封入容器内でイオンを発生させて前記誘電体層
    の表面に照射するイオン照射ステップと、 前記イオン照射ステップでイオンが照射されるときに、
    前記電極に電荷供給源から供給される電荷量を測定する
    電荷測定ステップと、 前記電荷測定ステップでの測定結果に基づいて、第1プ
    レートの良否判定を行う判定ステップと、 前記判定ステップでの判定結果が良好な第1プレート
    と、第2プレートとを積層させると共に放電ガスを封入
    するパネル組立ステップとからなることを特徴とするガ
    ス放電パネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101846721A (zh) * 2010-06-12 2010-09-29 西安交通大学 气体放电管直流击穿电压测量装置及方法

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