JPH1186322A - 光学素子及びその製造方法 - Google Patents

光学素子及びその製造方法

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JPH1186322A
JPH1186322A JP9237021A JP23702197A JPH1186322A JP H1186322 A JPH1186322 A JP H1186322A JP 9237021 A JP9237021 A JP 9237021A JP 23702197 A JP23702197 A JP 23702197A JP H1186322 A JPH1186322 A JP H1186322A
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film
refractive index
optical element
high refractive
manufacturing
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JP9237021A
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English (en)
Inventor
Shogo Nasu
昌吾 那須
Hiroyasu Tsuji
弘恭 辻
Toshio Fukazawa
利雄 深澤
Kidai Nochi
紀台 能智
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過率、反射率、P−S位相差等の光学特性
を、光の入射角度依存性の少ないものにすること。 【解決手段】 断面が略平行四辺形である硝材の一方の
斜面上にSi の高屈折率膜Si1-a−Xa (Xは酸素、窒
素、炭素の内少なくとも一種からなり、組成が0.05
≦a≦0.35である膜)と、誘電体膜とを交互に積層
した多層膜からなる偏光ビームスプリット膜を形成す
る。また、硝材の他方の斜面に、Si の高屈折率膜Si
1-b−Xb (Xは酸素、窒素、炭素の内少なくとも一種
からなり、組成が0.05≦b≦0.35である膜)
と、低屈折率の誘電体膜とを交互に積層した反射膜を形
成する。こうすると光磁気記録媒体からの反射光が拡散
していても、P偏光とS偏光の位相差が変化せず、読み
出し信号のSN比が高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光ビームスプリ
ット膜と反射膜とを有する光学モジュールを集積化を図
り、レーザー光の拡散によるP−S位相差をより少なく
した光学素子と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザー光の照射により情報の記
録又は再生を行う光ディスクとしては、光磁気ディス
ク、追記型光ディスク、コンパクトディスク(CD)、
レーザーディスクがあり、それらは既に実用化されてい
る。そして今日、次世代の記録メディアとしてディジタ
ルビデオディスク(DVD)に期待が集まっている。
【0003】以上のディスク記録再生装置の重要な光学
素子である光ピックアップは、光ディスクで記録・再生
の特性に大きな影響力を持つ。時代の趨勢として、光ピ
ックアップの集積化に伴い、ディスク記録再生装置の更
なる小型化に向けた技術開発が続けられている。
【0004】このような趣旨の光ピックアップの一例と
して、特願平7−136462号に示されるものがあ
る。この引例では光磁気ディスク(光磁気記録媒体)を
対象とした小型の光ピックアップが提案されている。図
8は上記従来の光ピックアップの概略断面図であり、図
9は光ピックアップを構成する受光素子、発光素子及び
検光子の上面図である。
【0005】図8、図9において、光学モジュール81
の内部には基板82が設けられている。基板82上には
発光素子としてのレーザーダイオード83と受光素子と
しての光検出素子84、85、86がある。レーザーダ
イオード83は、基板82の一部に略45°の斜面を有
する凹部を設け、その中に発光チップを搭載して、発光
チップからの放射光が45°の斜面にあたり、ここで反
射して上方にレーザー光を放射させるようにしたもので
ある。
【0006】図9に示すように、光検出素子84は、6
個に分割されたフォトダイオード84a〜84fから構
成されている。光検出素子85も6個に分割されたフォ
トダイオード85a〜85fから構成されている。光検
出素子84、85はフォーカス信号及びトラッキング信
号を得るための素子である。光検出素子86は、光磁気
記録媒体92のトラックに記録された情報を読み取る素
子であり、光検出素子84、85の配列方向に対して略
45°傾いた方向に分割された2個のフォトダイオード
86a、86bから構成されている。
【0007】ガラス又は樹脂で構成された透明基板87
が基板82の上部に設けられ、光学モジュール81の内
部を密封している。レーザーダイオード83に対向する
透明基板87の下面には、ホログラム回折素子88が形
成されている。このホログラム回折素子88は、略5°
〜20°で回折される±1次回折光の焦点位置が異なる
よう作用させるもので、この回折格子を設けることによ
りレンズ機能を持たせている。
【0008】図8に示すように、透明基板87の上部に
偏光プリズム89が一体に構成されている。この偏光プ
リズム89は、断面が略直角三角形の三角形プリズム
と、左右の面が略45°に傾斜した略平行四辺形のプリ
ズムとを接合したもので、光軸を含む面と直角方向から
見て、断面が略台形となった偏光プリズムである。その
接合部89aに、レーザーダイオード83から放射され
る光が照射されると、P偏光のときに透過率が略70%
となり、反射率が略30%となり、またS偏光のときに
は反射率が略100%となる偏光ビームスプリット膜B
Sが形成されている。この偏光ビームスプリット膜BS
は、表1で示すような各種の誘電体薄膜を多層化して構
成したものである。
【表1】
【0009】偏光プリズム89の斜面89bは、光学モ
ジュール81の内部に向かって傾斜した面であって、こ
の斜面89b上には、表2で示すような各種の誘電体薄
膜を多層化した反射膜Rが設けられている。
【表2】
【0010】受光素子86の上部にプリズム型検光子9
0が取り付けられている。このプリズム型検光子90
は、断面が三角形のプリズムと、断面が平行四辺形のプ
リズムとを接合し、断面が台形状となった検光子であ
る。その接合面は、P偏光の透過率が略100%、S偏
光の反射率が略100%に設定された偏光分離面90a
となっている。
【0011】プリズム型検光子90において、偏光分離
面90aが光検出素子86のフォトダイオード86aの
上部に配置され、斜面90bが光検出素子86のフォト
ダイオード86bの上方に配置されている。図8に示す
対物レンズ91は、偏光プリズム89の上方に設けら
れ、レーザーダイオード83のレーザー光を光磁気記録
媒体92に集束すると共に、その反射光を集光する対物
レンズである。
【0012】上記のように構成された光ピックアップに
おいて、レーザーダイオード83から放射されたP偏光
の光は、ホログラム回折素子88の部分を透過し、偏光
プリズム89の接合部89aに入射する。接合部89a
に形成された偏光スプリット面89aでは、P偏光の透
過率が略70%、反射率が略30%であり、S偏光の反
射率が略100%であるので、入射光の略70%が透過
し、その透過光が対物レンズ91によって集光され、光
磁気記録媒体92に照射される。
【0013】光磁気記録媒体92上で反射したレーザー
光は、記録されている信号によって偏光面が略0.5°
程度回転する。このため再生時の光磁気信号成分として
若干のS偏光成分を有する反射光が、対物レンズ91を
介して偏光プリズム89の接合部89aに戻る。この接
合部89aは偏光分離面の働きをする。即ち。この偏光
分離面は、P偏光の透過率が略70%、反射率が略30
%であり、S偏光の反射率が略100%であるので、P
偏光成分の略70%は透過し、P偏光成分の略30%と
光磁気信号成分であるS偏光成分の略100%は図8の
右側に反射する。
【0014】次に接合部89aで反射した光は、斜面8
9bで下側に反射され、透明基板87を透過する。そし
て光学モジュール81内に設けたプリズム型検光子90
の偏光分離面90aに入射する。偏光分離面90aで
は、P偏光の透過率が略100%、S偏光の反射率が略
100%に設定されているので、P偏光成分は偏光分離
面90aを透過して光検出素子86のフォトダイオード
86aに入射する。また入射光の内S偏光成分は偏光分
離面90aで右方向に反射し、斜面90bで下方向に反
射され、光検出素子86のフォトダイオード86bに入
射する。
【0015】上記のような構成による光ピックアップで
は、光学モジュール81と一体にP偏光とS偏光とで反
射率及び透過率が夫々異なる偏光プリズム89を設けた
こと、及び光学モジュール81の内部にレーザーダイオ
ード83と光検出素子84〜86を設け、基板82上に
プリズム型検光子90を一体に設けたことにより、小型
に集積化された光ピックアップを得ていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】光ピックアップにおけ
る構成要素の集積化は、一般に半導体レーザーと光検出
素子とを用いて行われる。半導体レーザーは、他の方式
のレーザーと異なり、光源として本質的にある広がりを
持った拡散光を出力する。このために、光ピックアップ
の光学特性は、半導体レーザー光の入射角、特に光磁気
記録媒体からの反射光に強く影響を受ける。
【0017】図8、図9で示した光磁気ディスク用の光
ピックアップでは、多くの場合、偏光プリズム89にお
いて、接合部89aに形成した偏光ビームスプリット膜
BS、及び斜面89bに形成した反射膜Rは、夫々複数
の誘電体膜で構成されているために、半導体レーザー光
の幅広い入射角に伴って、P偏光とS偏光間の位相差が
発生する。
【0018】P偏光とS偏光間の位相差をP−S位相差
と呼ぶと、反射膜Rでの反射光のP−S位相差、及び偏
光ビームスプリット膜BSの反射光のP−S位相差の合
計、即ち、光磁気記録媒体92で反射した光が光検出素
子に入射する際のP−S位相差は、図10の一点鎖線の
ようになる。このようにP−S位相差の入射角度依存性
は、設計入射角である45°を中心にその前後で大きく
変化する。
【0019】例えば光の入射角度が45゜±5゜の範囲
で変化すると、偏光ビームスプリット膜BSのP−S位
相差は実線で示すように−30゜〜+40゜と大きく変
化する。また反射膜RのP−S位相差は二点鎖線で示す
ように−50゜〜+50゜以上となる。このため光検出
素子に入射する際の光のP−S位相差(総合のP−S位
相差)は−50゜〜+50゜以上となる。
【0020】しかしながら、光磁気記録媒体の再生動作
を良好に行うためには、光検出素子に入射する際の光の
P−S位相差は少なくとも−20゜〜+20゜程度に抑
える必要がある。しかし上記従来の偏光ビームスプリッ
ト膜BSと反射膜Rでは、半導体レーザーのような拡散
光に対応した性能を有する光ピックアップを実現するこ
とが困難であった。
【0021】このような問題点を解決するために、本願
の発明者らは、光磁気ディスク用の光ピックアップとし
て、断面が略平行四辺形である硝材の斜面上に、メタル
Siと酸化物Si−O2-x (但しx<0.5)の混合か
らなる複合膜と、誘電体膜とを交互に積層して多層膜を
形成し、これを偏光ビームスプリット膜BSとした。さ
らに同一の硝材内であって、偏光ビームスプリット膜を
配した斜面と略平行の関係にある斜面上に、高屈折率膜
としてメタルSiと酸化物Si−O2-x (但しX<0.
5)の混合からなる複合膜と、相対的に低屈折率膜とし
て複数の誘電体膜とを交互に積層した多層膜Rを形成
し、これを反射膜とした。このような偏光ビームスプリ
ット膜BSと反射膜Rを有する略平行プリズムを考案し
た。(出願済)
【0022】また略平行プリズムにおいて、偏光ビーム
スプリット膜BSを構成している複合膜の屈折率n、吸
収係数kは、夫々n≧2.8、k≦0.3であること、
反射膜Rを構成している複合膜の屈折率n、吸収係数k
が、夫々n≧2.8、k≦0.3であることが好ましい
ことを考案した。(出願済)
【0023】しかしながら、Si などの高屈折率膜は、
成膜時の雰囲気や環境や装置によって屈折率や吸収係数
などが大きく影響を受けて変化する。例えば、真空中で
多層膜を成膜する際に、層を重ねる毎にチャンバ内の真
空度が変化すること、製造時にバッチ間でチャンバ内の
雰囲気が微妙に異なることなどがあげられる。表3に反
射膜R用の積層膜の構成内容と、高屈折率層Si の屈折
率n及び吸収係数kとを示す。
【表3】
【0024】ここで分光特性より屈折率と吸収係数を求
めるために、Si の膜厚を30nmとした。第2層のS
i 膜はnが3.0、kが0.02であるが、4層、6層
・・・と層数を重ねていくとn、kの値は共に大きくな
り、20層からはnが3.6、kが0.04となってい
る。従って、層数が増加するに従い、吸収係数が大きな
り、n,kの値がばらつくため、反射率が大きくて入射
角度依存性の小さな反射膜が得られないなどの問題点が
あった。
【0025】これらの原因は、層数を重ねる内にチャン
バ内の雰囲気が変化するため、n、kの値に変化が生じ
るものと考えられる。更に製造時のバッチ間でチャンバ
内の雰囲気に微小の変化が生じ、Si のn、kが変化す
る。このため、安定した特性の光ピックアップを製造す
ることが困難であった。
【0026】以上の様な高屈折率膜の吸収係数のばらつ
きなどが原因で、光学デバイスとしての安定な特性が得
られないことなどの課題があった。
【0027】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、吸収係数がより小さく、かつ
高屈折率膜層の特性のばらつきを抑え、P偏光とS偏光
の位相差を低減した光学素子(偏光プリズム)とその製
造方法を実現することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本願の請求項1の発明によれば、基板面に前記
基板より高屈折率の高屈折率膜と誘電体膜とを交互に積
層した偏光ビームスプリット膜を有する光学素子であっ
て、前記高屈折率膜は、Xを酸素O、窒素N、炭素Cの
内少なくとも1つの物質とするとき、前記Xの珪素Si
に対する組成aが0.05≦a≦0.35の物質Si1-a
−Xa で成膜されることを特徴とするものである。
【0029】このような構成によれば、光の入射角が変
化しても光学特性は変化しない。即ち、偏光ビームスプ
リット膜の屈折率nが高く、吸収係数が小さくなるた
め、入射角の角度依存性がより少なくなる。
【0030】また本願の請求項2記載の発明によれば、
基板面に前記基板より高屈折率の高屈折率膜と前記高屈
折率膜より低屈折率の誘電体膜とを交互に積層した反射
膜を有する光学素子であって、前記高屈折率膜は、Xを
酸素O、窒素N、炭素Cの内いずれか1つの物質とする
とき、前記Xの珪素Siに対する組成bが0.05≦b
≦0.35の物質Si1-b−Xb で成膜されることを特徴
とするものである。
【0031】このような構成の反射膜では、酸素、窒
素、炭素を含むため、屈折率nを高く保持したまま、吸
収係数kを小さくできる。その結果、入射光の吸収を低
減でき、反射率を増大でき、角度依存性を改善できる。
【0032】また本願の請求項3記載の発明によれば、
請求項1の光学素子において、前記誘電体膜は、Al2
3 、SiO2 、Y2 3 、TiO2 のうち、少なくと
も1つの物質を含むことを特徴とするものである。
【0033】また本願の請求項4記載の発明によれば、
請求項2の光学素子において、前記誘電体膜は、Al2
3 、TiO2 のうち、少なくとも1つの物質を含むこ
とを特徴とするものである。
【0034】また本願の請求項5記載の発明によれば、
請求項1又は2記載の高屈折率膜を含む光学素子の製造
方法であって、前記高屈折率膜の作製時に、酸素、窒素
の内1種又は2種のガスを含むイオンビームを基板面に
照射してイオンを注入することを特徴とするものであ
る。
【0035】このような製造方法によれば、Si 膜中に
効率よく酸素や窒素が入り込み、高屈折率、低吸収係数
の膜を得ることができる。
【0036】また本願の請求項6記載の発明によれば、
請求項1又は2記載の高屈折率膜を含む光学素子の製造
方法であって、前記高屈折率膜の作製時に、CH3 、N
3、H2 O、アルコールの少なくとも1種のプラズマ
を用いることを特徴とするものである。
【0037】このような製造方法によれば、プラズマを
利用するため、Si 膜中に効率よく窒素や炭素が入り込
み、高屈折率、低吸収係数の膜を得ることができる。
【0038】また本願の請求項7記載の発明によれば、
請求項1又は2記載の高屈折率膜を含む光学素子の製造
方法であって、前記高屈折率膜の作製時に、オゾンを用
いることを特徴とするものである。
【0039】このような製造方法によれば、オゾンを用
いることにより、酸素を含んだSi膜が高真空で作製す
ることができる。
【0040】また本願の請求項8記載の発明によれば、
請求項1又は2記載の高屈折率膜を含む光学素子の製造
方法であって、前記高屈折率膜の作製を、H2 O、アル
コールの内少なくとも1種のガス雰囲気中で行うことを
特徴とするものである。
【0041】このような製造方法によれば、高い屈折率
nを保持したまま、吸収係数kを小さくすることができ
る。
【0042】また本願の請求項9記載の発明によれば、
請求項1記載の偏光ビームスプリット膜を含む光学素子
の製造方法であって、前記偏光ビームスプリット膜の成
膜後、真空中で熱処理するに際し、熱処理温度Tが25
0℃≦T≦450℃の範囲で行うことを特徴とするもの
である。
【0043】また本願の請求項10記載の発明によれ
ば、請求項2記載の反射膜を含む光学素子の製造方法で
あって、前記反射膜の成膜後、真空中で熱処理するに際
し、熱処理温度Tが250℃≦T≦450℃の範囲で行
うことを特徴とするものである。
【0044】請求項9、10の製造方法によれば、多層
膜を成膜後に前記温度範囲で熱処理することで、高屈折
率膜の吸収率を低減できる。
【0045】また本願の請求項11記載の発明によれ
ば、断面が略平行四辺形である硝材と、前記硝材の第1
の傾斜面に、前記硝材より高屈折率の高屈折率膜と誘電
体膜とを交互に積層して成膜した偏光ビームスプリット
膜と、前記硝材の第1の傾斜面と平行な第2の傾斜面
に、前記高屈折率膜と前記高屈折率膜より低屈折率の誘
電体膜とを交互に積層した反射膜と、を具備することを
特徴とするものである。
【0046】また本願の請求項12記載の発明によれ
ば、請求項11記載の偏光ビームスプリット膜と反射膜
とを含む光学素子の製造方法であって、前記高屈折率膜
の作製時に、酸素、窒素の内1種又は2種のガスを含む
イオンビームを基板面に照射してイオンを注入すること
を特徴とするものである。
【0047】また本願の請求項13記載の発明によれ
ば、請求項11記載の偏光ビームスプリット膜と反射膜
とを含む光学素子の製造方法であって、前記高屈折率膜
の作製時に、CH3 、NH3 、H2 O、アルコールの少
なくとも1種のプラズマを用いることを特徴とするもの
である。
【0048】また本願の請求項14記載の発明によれ
ば、請求項11記載の偏光ビームスプリット膜と反射膜
とを含む光学素子の製造方法であって、前記高屈折率膜
の作製時に、オゾンを用いることを特徴とするものであ
る。
【0049】また本願の請求項15記載の発明によれ
ば、請求項11記載の偏光ビームスプリット膜と反射膜
とを含む光学素子の製造方法であって、前記高屈折率膜
の作製を、H2 O、アルコールの内少なくとも1種のガ
ス雰囲気中で行うことを特徴とするものである。
【0050】また本願の請求項16記載の発明によれ
ば、請求項11の光学素子において、前記偏光ビームス
プリット膜における高屈折率膜の屈折率n及び吸収係数
kが、n≧2.8、k≦0.2であり、前記反射膜にお
ける高屈折率膜の屈折率n及び吸収係数kが、n≧2.
8、k≦0.2であることを特徴とするものである。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る光学素子及びその製造方法ついて、図1〜図7を用い
て説明する。
【0052】(実施の形態1)本実施の形態の光学素子
(偏光プリズム)を形成する高屈折率膜や誘電体膜は、
電子ビーム蒸着法(EB蒸着法)で成膜した。基板温度
は300℃、到達真空度5×10-6Torr 以下とした。
Si の高屈折率膜は、Cu ハースの中に入ったSi に、
電子ビームを照射してSi を溶融及び蒸発させて基板上
に成膜した。そこで酸素ガスを導入することで、酸素を
含んだ膜が得られた。誘電体膜としては、Al2 3
SiO2 、Y2 3 及びTiO2 膜を用いるが、上記と
同様な方法で成膜した。
【0053】高屈折率膜の作製時のイオンアシストは、
照射用カフマン型イオンガンを用いて行った。Si はE
B蒸着法により蒸発させ、基板にイオンを照射しながら
成膜する。イオンは、アルゴンと酸素、窒素イオンの内
少なくとも一種を用いた。到達真空度は3×10-6Tor
r で、イオン電流密度0.5mA/cm2 、加速電圧2
00eVの条件で行った。基板は治具に固定し、治具ホ
ルダーは水冷した。
【0054】高屈折率膜の成膜は、作製時にCH3 、N
3 、H2 O、アルコールの少なくとも1種のガスをチ
ャンバ内に導入し、プラズマ発生用コイルに高周波電力
を印加して行った。まずSi はEB蒸着法により蒸発さ
せ、次にCH3 、NH3 、H2 O、アルコールの少なく
とも1種のガスを5×10-4Torr の圧力までチャンバ
内に導入した。H2 Oは水蒸気にガス化してチャンバ内
に導入し、アルコールは特級試薬エチルアルコールを気
化して使用した。そしてコイルに200Wの高周波電力
を印加してプラズマを発生させた後、シャッタを開いて
成膜した。
【0055】オゾンを用いた成膜とは、酸素ガスにオゾ
ンを10wt%混合したガスを用いたものである。オゾ
ンは酸素より反応性の高い活性種であるため、高真空下
での成膜が可能である。到達真空度は1×10-6Torr
、成膜時の真空度は5×10-6Torr で行った。まず
オゾンを含んだ酸素ガスをチャンバ内に導入し、次にS
i をEB蒸着法により蒸発させ成膜した。
【0056】膜の組成は光電子分光法、オージェ電子分
光法などで調べた。また屈折率、吸収係数の測定は、分
光器、エリプソメトリー測定機を使用して行った。P−
S位相差の入射角度依存性や反射率の測定は、プリズム
に本実施の形態の偏光ビームスプリット膜BSと反射膜
Rとを成膜し、分光器で測定した。
【0057】表4は、本実施の形態の偏光ビームスプリ
ット膜BSの一部を構成する高屈折率膜の組成と光学特
性を示す表である。この表では、本実施の形態の各種製
造方法で得られた高屈折率膜Si 1-a −Xa の組成1−
a、aと、波長80nmでの屈折率、吸収係数が示され
ている。但し、Xは酸素、窒素、炭素の内少なくとも一
種からなる物質である。
【表4】
【0058】表4に示すように本実施の形態の製造方法
で作製した高屈折率膜は、いずれもnが2.8以上の高
屈折率であり、かつ吸収係数kも0.02以下である。
尚、酸素を導入しない場合は、nは3.5、kは0.0
4以上となる。Si に酸素、窒素、炭素を含ませること
で、屈折率は低下させないで吸収係数を小さくできる。
Si にドープされる元素Xの組成aは、0.05≦a≦
0.35の範囲内にあることを特徴とする。組成aが
0.05より小さいと、膜の性質はより金属的になり、
吸収係数は急激に増大する。一方、aが0.35より大
きくなると、吸収係数は低下するが、屈折率も2.8よ
り小さくなり、この場合は偏光ビームスプリット膜BS
としての性能を満足させることが困難になる。
【0059】ここで、Si 1-a −Oa はアモルファス半
導体Si の中に酸素Oがドープされたことを表してい
る。Si とOとの結合状態は厳密には不明である。従っ
て、イオン結合から共有結合性、格子間原子までSi が
Oを含有するものは、すべて本発明の膜の範疇に入るも
のとする。尚、組成は光電子分光法、オージェ電子分光
法などの検出データを参考にして求めた。以下Si 1-a
−Na 、Si 1-a −Ca、Si 1-a −(O・N)a につ
いても同様である。
【0060】表5は、本実施の形態の反射膜Rの主要部
を構成する高屈折率膜の組成と、光学特性とを示す表で
ある。この表では、本実施の形態の各種製造方法で得ら
れた高屈折率膜Si1-b−Xb の組成1−b、bと、波長
80nmでの屈折率、吸収係数が示されている。但し、
Xは酸素、窒素、炭素の内少なくとも一種からなる物質
である。
【表5】 表5に示すように、いずれの高屈折率膜は2.8以上の
屈折率であり、しかも吸収係数が小さい。ここでは組成
比は、0.05≦b≦0.35の範囲内にあることを特
徴とする。bが0.05より小さいと、膜の性質はより
金属的になり、吸収係数は急激に増大する。一方、bが
0.35より大きくなると、吸収係数は低下するが、屈
折率は2.8より小さくなり、反射膜としての性能を満
足させることが困難になる。
【0061】表6は、真空中の熱処理前後の高屈折率膜
の屈折率nと吸収係数kとを示す表である。
【表6】 熱処理温度が250℃から500℃までは、屈折率の低
下は無いか小さく、一方吸収係数の低下は大きい。比較
例として表中に熱処理温度200℃の例を示すが、20
0℃では吸収係数を小さくすることはできない。500
℃より大きくなると屈折率、吸収係数の両方とも低下が
大きい。
【0062】以上の様な方法で得られる高屈折率膜と、
Al2 3 、SiO2 、Y2 3 及びTiO2 膜のよう
な誘電体膜を交互に積層したものを偏光ビームスプリッ
ト膜BSと反射膜Rとし、それらを偏光プリズムに設け
た。表7に本実施の形態の反射膜Rにおける積層膜の構
成と、高屈折率層の屈折率nと吸収係数kとを示す。
【表7】 ここで高屈折率膜としてイオンビーム照射で作製したS
i −OとしてSi 1-a−Oa =Si0.95 0.05を用い、
分光特性より屈折率と吸収係数を求めるために、Si −
Oの膜厚を30nmとした。表より2層目から22層目
まで、屈折率nが3.4〜3.5であり、従来例の表8
では、nが3.0〜3.6であるのに対して安定してい
ることが判る。また従来例の表3では吸収係数kが0.
020〜0.040であるのに対し、本実施の形態の吸
収係数kは0.012〜0.014と小さく、しかも安
定している。
【0063】(実施の形態2)次に本発明の実施の形態
2における光学素子の一部を構成する反射膜Rと、P−
S位相差の入射角度依存性を中心に説明する。光ピック
アップ全体の構成は図8及び図9に示すものと同一であ
る。図1は本実施の形態の光ピックアップの一部である
偏光プリズムの断面図である。また図2〜5に偏光プリ
ズムのP−S位相差の入射角度依存性を示す。図6、図
7に偏光プリズムの反射率の入射角度依存性を示す。
【0064】図1に示すように、偏光プリズムは、レー
ザー光の光軸を含む面と直角な方向から見て、断面が平
行四辺形のプリズム1と、三角プリズム7、8とにより
構成される。プリズム1はレーザー光の光軸に対して4
5°にカットされた2つの斜面を有し、このプリズム1
を構成する硝材2の屈折率nは1.635である。三角
プリズム7と当接する斜面3上には、表4又は表5に示
したような高屈折率膜が形成されている。この高屈折率
膜と誘電体膜との多層膜を偏光プリズム膜又は偏光ビー
ムプリズム膜4と呼ぶ。即ち酸素、窒素、炭素の内1種
又は2種以上の元素を含んだSiからなる膜と、Al2
3 、SiO2 、Y2 3 及びTiO2膜のような複数
の誘電体膜とを積層したものである。なお偏光ビームス
プリット膜4は表8に示されるように10層の積層膜で
ある。
【表8】 表8においてSi−OはSi0.95 0.05を示し、その屈
折率nは3.6、吸収係数kは0.02とする。
【0065】同一の硝材2内であって斜面3と平行な斜
面5上には反射膜6が形成されている。この反射膜6は
表5に示すような高屈折率膜としてSi1-b−Xb (Xは
酸素、窒素、炭素の内少なくとも一種からなる物質)、
組成が0.05≦b≦0.35である膜と、相対的に低
屈折率であるAl2 3 及びTiO2 膜のような誘電体
膜とを交互に積層したものである。なお反射膜6は表
7,表9,表10に示されるように23層の積層膜であ
る。
【表9】 表9においてSi−NはSi0.91 0.09を示し、その屈
折率nは3.4、吸収係数kは0.02とする。
【表10】 表10においてSi−CはSi0.88 0.12を示し、その
屈折率nは3.3、吸収係数kは0.02とする。
【0066】硝材2の一方の片側には偏光ビームスプリ
ット膜4を介して三角プリズム7が接合され、他方の片
側には反射膜6を介して三角プリズム8が接合されてい
る。図2は前述した多層膜で構成される偏光ビームスプ
リット膜4において、その反射光のP−S位相差の入射
角依存性を示すグラフである。また図3は反射膜6での
反射率の入射角依存性を示すグラフである。また図4は
偏光ビームスプリット膜4と反射膜6の反射光のP−S
位相差の合計、即ち光磁気記録媒体で反射した光が光検
出素子に入射する際のP−S位相差の入射角依存性を示
すグラフである。なお,図2において横軸は光の入射角
度を示し、偏光ビームスプリット膜4が形成された斜面
3の法線と入射光とのなす角度を示す。図3において横
軸は反射膜6が形成された斜面5の法線と入射角とのな
す角度を示す。
【0067】図2、図3、図4で明らかなように、表1
の構成を有する従来例の偏光ビームスプリット膜、及び
表2の構成を有する従来例の反射膜、即ち誘電体膜のみ
で構成した多層膜と比べると、従来例ではP−S位相差
が−30゜〜+40゜であるのに対し、本実施の形態の
偏光ビームスプリット膜4のP−S位相差は、図2に示
すように+2゜〜+10゜である。また反射膜6のP−
S位相差は、従来例では−50゜〜+50゜であるのに
対し、本実施の形態では図3に示すように−4゜〜+5
゜である。従って、光検出素子に入射する際の光のP−
S位相差は、従来例では−50゜〜+50゜以上であっ
たが、本実施の形態では図4に示すように+2゜〜+1
6゜となり、P−S位相差を大幅に低減できた。なお、
図示していないが、透過、反射率の入射角度依存性も小
さく、高効率であることはいうまでもない。
【0068】このように良好な位相特性が得られるの
は、基本的には誘電体膜及び金属膜のもつ特徴を補完し
あった多層膜であることに起因する。つまり、誘電体膜
は膜の吸収損失がなく、複数の材料を適当に組み合わせ
ることで、透過率や反射率を任意に設定できる。この反
面、誘電体膜は光の入射角度によって位相差などの光学
特性が大きく変化するのに対し、金属膜は屈折率が大き
いため、光の入射角が変化しても、光学特性は比較的変
化しない。しかし金属膜は吸収率が大きいため、高効率
な透過率を実現することが困難である。このように個々
の持つ特性を生かすべく、誘電体膜及び金属膜を積層す
ることにより、透過率や反射率を任意に設定して光の入
射角度依存性を小さくできる。
【0069】以上の実施の形態では、単なる金属膜では
なく、酸素、窒素、炭素の内少なくとも一つの物質を含
むSi 膜を配しているために、高屈折率と低吸収係数が
得られる。従って高効率な偏光ビームスプリット膜及び
反射膜を実現できる。
【0070】図5は表8に示す多層膜で構成した偏光ビ
ームスプリット膜4において、反射光のP−S位相差の
入射角依存性を実線で示す。ここでは高屈折率層のnが
3.5、kが0.04の場合を従来例として二点鎖線で
示す。従来例では入射角度40〜50゜で位相差が−2
〜6゜であったのに対し、本実施の形態では、表8の多
層膜を用い、実線で示すように入射角度40〜50゜で
位相差が+2〜+9゜と改善されている。
【0071】一方、図6、図7は表9、表10の多層膜
で構成した反射膜6単独での反射率の入射角依存性を示
すグラフである。図6において、従来例を二点鎖線及び
一点鎖線で示し、本実施の形態を実線及び破線で示す。
実線で表される高屈折率層はSi0.91 0.09(n=3.
4,k=0.020)である。図7においても、従来例
を二点鎖線及び一点鎖線で示し、本実施の形態を実線及
び破線で示す。実線で表される高屈折率層はSi0.88
0.12(n=3.3,k=0.02)である。
【0072】図6よりP波の反射Rp が、従来例では二
点鎖線で示すように87〜92%であったのに対し、本
実施の形態では実線で示すようにP波の反射Rp が93
〜96%となっている。またS波の反射Rs は、従来例
では一点鎖線で示すように96%程度であったが、本実
施の形態のS波の反射Rs は破線で示すように98%と
なっている。また図7においても、Rp が96%、Rs
が95%と大幅に向上している。このように酸素、窒
素、炭素の内少なくとも一種を含むSi 膜を配している
ために、高屈折率nと低吸収係数kが得られ、その結果
高効率の反射膜を実現できる。
【0073】また、偏光ビームスプリット膜を構成して
いる多層膜中の酸素、窒素、炭素の内、少なくとも一種
を含むSi 膜の屈折率n及び吸収係数kは、図2〜4で
示すように、反射光のP−S位相差の入射角度依存性に
影響を与える。前述したように高屈折率膜の屈折率nは
大きく、吸収係数kは小さいことが好ましいが、更に望
むならば、n≧2.8、k≦0.2であることが好まし
い。
【0074】以上の実施の形態においては、硝材2の傾
斜角度を略45°としたが、傾斜角度が35°〜55°
の範囲においても、斜面3及び斜面5に上記の多層膜を
配すると、入射角に伴う反射光のP−S位相差特性と反
射膜の反射率を改善できる。
【0075】なお、本発明の実施の形態のプリズムを、
図8、図9で示した光ピックアップ内に装填し、PーS
位相差の低減により、良好な信号の再生を行うことがで
きた。
【0076】
【発明の効果】以上のように本発明の製造方法で成膜し
た光学素子によれば、偏光ビームスプリット膜及び反射
膜を構成する高屈折率膜の屈折率nを高くし、且つ吸収
係数kを小さくすることができる。このため、これらの
膜への入射角が変化しても、光学特性は変化しにくくな
る。即ち、光学素子(偏光プリズム)に入射するレーザ
ー光の入射角がビームの拡散によりばらついても、P偏
光及びS偏光の位相差が、より少なくなるという効果が
得られる。このため、光磁気ディスクの情報を偏光プリ
ズムを用いて読み出すとき、良好な再生特性が得られ
る。
【0077】更に、高屈折率膜の吸収係数がより小さく
なるため、レーザー光が透過する偏光ビームスプリット
膜の絶対吸収を大幅に低減でき、レーザー光が反射する
反射膜の反射率が高くすることができる。このため光検
出素子に入射する光量が増加し、再生信号のSN比が向
上するという効果が得られる。
【0078】また本発明の製造方法では、高屈折率膜の
成膜において、その屈折率や吸収係数などが成膜時の雰
囲気、環境、装置によって大きく影響を受けず、安定し
て高屈折率膜を基板面に形成することができる。即ち、
高屈折率膜の吸収係数にばらつきが無くなるので、光学
ピックアップとして安定な特性が得られる。
【0079】さらに、平行プリズムの角度を略45゜、
屈折率を1.6以上とすることにより、硝材・空気の反
射で良好な反射率特性を得られるという特有の効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における光学素子を構成す
るプリズムの断面図である。
【図2】本実施の形態1の偏向ビームスプリット膜にお
いて、P−S位相差の入射角度依存性を示す特性図であ
る。
【図3】本実施の形態1の反射膜において、P−S位相
差の入射角度依存性を示す特性図である。
【図4】本実施の形態の偏向ビームスプリット膜と反射
膜とを経由した場合の光のP−S位相差の入射角度依存
性を示す特性図である。
【図5】本実施の形態2の偏向ビームスプリット膜にお
いて、P−S位相差の入射角度依存性を示す特性図であ
る。
【図6】本実施の形態2の反射膜において、P−S位相
差の入射角度依存性を示す特性図である。
【図7】本実施の形態2の反射膜において、反射率の入
射角依存性を示す特性図である。
【図8】従来例及び本発明の光学素子を含む光ピックア
ップの構成を示す概略断面図である。
【図9】従来例及び本発明の光学素子を含む光ピックア
ップの構成を示す平面図である。
【図10】従来例の光学素子において、P−S位相差の
入射角度依存性を示す特性図である。
【符号の説明】
1 プリズム 2 硝材 3,4 斜面 4 偏光ビームスプリット膜 6 反射膜 7,8 三角プリズム 81 光学モジュール 82 基板 83 レーザーダイオード 84〜86 光検出素子 84a〜84f,85a〜85f、86a,86b フ
ォトダイオード 87 透明基板 88 ホログラム回折格子 89 偏光プリズム 90 プリズム型検光子 91 対物レンズ 92 光磁気記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 能智 紀台 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板面に前記基板より高屈折率の高屈折
    率膜と誘電体膜とを交互に積層した偏光ビームスプリッ
    ト膜を有する光学素子であって、 前記高屈折率膜は、 Xを酸素O、窒素N、炭素Cの内少なくとも1つの物質
    とするとき、前記Xの珪素Siに対する組成aが0.0
    5≦a≦0.35の物質Si1-a−Xa で成膜されること
    を特徴とする光学素子。
  2. 【請求項2】 基板面に前記基板より高屈折率の高屈折
    率膜と前記高屈折率膜より低屈折率の誘電体膜とを交互
    に積層した反射膜を有する光学素子であって、 前記高屈折率膜は、 Xを酸素O、窒素N、炭素Cの内いずれか1つの物質と
    するとき、前記Xの珪素Siに対する組成bが0.05
    ≦b≦0.35の物質Si1-b−Xb で成膜されることを
    特徴とする光学素子。
  3. 【請求項3】 前記誘電体膜は、 Al2 3 、SiO2 、Y2 3 、TiO2 のうち、少
    なくとも1つの物質を含むことを特徴とする請求項1記
    載の光学素子。
  4. 【請求項4】 前記誘電体膜は、 Al2 3 、TiO2 のうち、少なくとも1つの物質を
    含むことを特徴とする請求項2記載の光学素子。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の高屈折率膜を含む
    光学素子の製造方法であって、 前記高屈折率膜の作製時に、酸素、窒素の内1種又は2
    種のガスを含むイオンビームを基板面に照射してイオン
    を注入することを特徴とする光学素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の高屈折率膜を含む
    光学素子の製造方法であって、 前記高屈折率膜の作製時に、CH3 、NH3 、H2 O、
    アルコールの少なくとも1種のプラズマを用いることを
    特徴とする光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の高屈折率膜を含む
    光学素子の製造方法であって、 前記高屈折率膜の作製時に、オゾンを用いることを特徴
    とする光学素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2記載の高屈折率膜を含む
    光学素子の製造方法であって、 前記高屈折率膜の作製を、H2 O、アルコールの内少な
    くとも1種のガス雰囲気中で行うことを特徴とする光学
    素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の偏光ビームスプリット膜
    を含む光学素子の製造方法であって、 前記偏光ビームスプリット膜の成膜後、真空中で熱処理
    するに際し、熱処理温度Tが250℃≦T≦450℃の
    範囲で行うことを特徴とする光学素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の反射膜を含む光学素子
    の製造方法であって、 前記反射膜の成膜後、真空中で熱処理するに際し、熱処
    理温度Tが250℃≦T≦450℃の範囲で行うことを
    特徴とする光学素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 断面が略平行四辺形である硝材と、 前記硝材の第1の傾斜面に、前記硝材より高屈折率の高
    屈折率膜と誘電体膜とを交互に積層して成膜した偏光ビ
    ームスプリット膜と、 前記硝材の第1の傾斜面と平行な第2の傾斜面に、前記
    高屈折率膜と前記高屈折率膜より低屈折率の誘電体膜と
    を交互に積層した反射膜と、を具備することを特徴とす
    る光学素子。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の偏光ビームスプリッ
    ト膜と反射膜とを含む光学素子の製造方法であって、 前記高屈折率膜の作製時に、酸素、窒素の内1種又は2
    種のガスを含むイオンビームを基板面に照射してイオン
    を注入することを特徴とする光学素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の偏光ビームスプリッ
    ト膜と反射膜とを含む光学素子の製造方法であって、 前記高屈折率膜の作製時に、CH3 、NH3 、H2 O、
    アルコールの少なくとも1種のプラズマを用いることを
    特徴とする光学素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項11記載の偏光ビームスプリッ
    ト膜と反射膜とを含む光学素子の製造方法であって、 前記高屈折率膜の作製時に、オゾンを用いることを特徴
    とする光学素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項11記載の偏光ビームスプリッ
    ト膜と反射膜とを含む光学素子の製造方法であって、 前記高屈折率膜の作製を、H2 O、アルコールの内少な
    くとも1種のガス雰囲気中で行うことを特徴とする光学
    素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記偏光ビームスプリット膜における
    高屈折率膜の屈折率n及び吸収係数kが、n≧2.8、
    k≦0.2であり、 前記反射膜における高屈折率膜の屈折率n及び吸収係数
    kが、n≧2.8、k≦0.2であることを特徴とする
    請求項11記載の光学素子。
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