JPH1183414A - R溝測定用の測定子、及びクランクシャフトのr溝測定装置 - Google Patents

R溝測定用の測定子、及びクランクシャフトのr溝測定装置

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JPH1183414A
JPH1183414A JP25260497A JP25260497A JPH1183414A JP H1183414 A JPH1183414 A JP H1183414A JP 25260497 A JP25260497 A JP 25260497A JP 25260497 A JP25260497 A JP 25260497A JP H1183414 A JPH1183414 A JP H1183414A
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crankshaft
pin
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網三 亀田
Keitaro Iwaguro
敬太郎 岩黒
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KOMATSU KOKI KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ワークの外周面、特にはクランクシャフトの
ピン部又はジャーナル部に加工されたR溝の測定の精度
向上や測定時間短縮等の性能向上を図る。 【解決手段】 ワークの外周面(クランクシャフトのピ
ン部61又はジャーナル部62の円筒面)のR溝63に
直交する方向の軸心を中心に回転する前記ワークのR溝
63の面に当接され、かつ、ワークの回転に伴ってR溝
63に追従するように軸心に垂直方向に移動自在に設け
られ、この移動量に基づいてR溝63の変位量を測定す
るR溝測定用の測定子は、移動の方向の前端部に設けら
れ、移動方向に直交し、この移動方向と軸心方向とに直
交する長手方向に細長い前面32bと、軸心方向に移動
自在に前面32bに接して設けられ、ワークの回転に伴
ってR溝63の面から離脱しないような長手方向の長
さ、及びR溝63のR寸法よりも小さい半径を有する細
長い円柱状のピン81と、前端部の長手方向の両端部に
取り付けられ、ピン81の両端部を前記軸心方向に移動
自在に保持するホルダとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク(例えばク
ランクシャフト)の外周面に機械加工されたR溝の偏心
量、真円度又は直径等を精度良く測定できるR溝測定用
の測定子、及びクランクシャフトのR溝測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関に用いられるクランクシ
ャフトは、機械加工された後に各寸法が許容範囲以内に
入っているかをチェックするために、必要な測定項目を
各項目毎の専用測定装置により測定している。このよう
な測定項目の内、クランクシャフトのピン部又はジャー
ナル部の真円度又は直径を測定する専用測定装置に関し
ては、従来から様々な技術が提案されている。
【0003】例えば、実開平6−53913号公報で
は、回転するワーク(例えば、クランクシャフト等)の
所定の測定位置における加工された軸の外周面に電気マ
イクロメータの測定子を当接させてこの軸の直径方向の
変位量をワークが1°回転する毎に測定し、測定したデ
ータに基づいて半円法によって軸の真円度を算出し、ワ
ークの良否を検査する自動真円度検査装置が開示されて
いる。
【0004】また、実開昭55−6825号公報には、
測定すべきクランクシャフトの両端を回転自在に支持す
る支持台と、これら支持台の少なくとも一方に設けら
れ、上記クランクシャフトの回転角度を測定するエンコ
ーダと、上記クランクシャフトの長手方向及び接離方向
に移動でき、かつ移動量をマグネスケールなどの測定手
段により測定可能な測定台と、この測定台上に設けら
れ、クランクシャフトの測定部に当接自在な基準円板
と、上記測定部の上方及び基準円板の反対側において測
定部へ当接し、測定部の寸法を測定する複数個の測定具
とを具備してなるクランクシャフト測定装置が開示され
ている。この測定装置によって、クランクシャフトの曲
がり(ここでは、ジャーナル部の振れ)、ジャーナル部
とピン部との各軸間距離のピン半ストローク、各ピン部
の基準ピンに対するピン位相、各ピン部及び各ジャーナ
ル部の径、及びその真円度を測定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、図11に示すよ
うに、クランクシャフトAの中には、ピン部61又はジ
ャーナル部62にR溝63を有するものがある。図12
はこのR溝部の詳細図を示しており、同図においてピン
部61又はジャーナル部62の円筒面64の左右端面近
傍にR溝63が加工されている。このR溝63を有する
ものに対しては、ピン部61又はジャーナル部62の直
径、真円度又は真直度等の測定と同様に、このR溝63
の偏心量、真円度又は直径等を精度良く、しかも短時間
で測定することが要求されている。
【0006】しかしながら、上記の実開平6−5391
3号公報及び実開昭55−6825号公報には、このR
溝63の偏心量、真円度又は直径等を測定する技術が開
示されていない。また、これらの公報に開示されている
ような、ピン部61又はジャーナル部62の円筒面64
の真円度又は直径等を測定する専用測定装置を流用する
ことによって、このR溝63の真円度や直径等を測定す
る場合もあるが、R溝63が端面近傍に加工されてお
り、かつ、そのR寸法が小さいので、特殊な専用の測定
子を使用しなければならない。このために、測定子の交
換作業を必要とし、段取時間がかかるという問題が生じ
ている。さらに、R溝63の複数の測定項目に対応し
て、それぞれ個別に、例えば特殊マイクロメータ等を使
用して手作業により測定したり、あるいは上記従来のよ
うな他の専用測定装置を流用したりしなければならない
ので、これらの段取作業に非常に多くの時間がかかって
いる。この結果、全項目の測定に非常に多くの時間がか
かり、測定作業の能率が良くないと言う問題がある。
【0007】また、R溝63の機械加工時の誤差(加工
精度のばらつき等)や、測定時のクランクシャフトAの
固定位置のずれ(例えば、端面のセンタ穴にセンタを挿
入して固定する場合のセンタ穴深さのばらつきによるず
れ)等が通常発生するので、R溝63の軸心方向、すな
わちクランクシャフトAの長手方向の位置ずれが生じ
る。この位置ずれに対応せずに従来のようなR溝63の
底面の輪郭測定が行われた場合には、測定結果の精度が
良くないので、この軸心方向の位置ずれを吸収して精度
良く測定することが非常に重要な課題となっている。
【0008】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、ワークの外周面、特にはクランクシャフ
トのピン部又はジャーナル部に加工されたR溝の測定の
精度向上や測定時間短縮等の性能向上が図れるR溝測定
用の測定子、及びクランクシャフトのR溝測定装置を提
供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、測定対
象のワークの外周面に加工されたR溝63に直交する方
向の軸心を中心に回転する前記ワークの前記R溝63の
面に当接され、かつ、このワークの回転に伴ってこのR
溝63の面に追従するように前記軸心に直交する方向に
移動自在に設けられ、前記回転に伴うこの移動の方向の
移動量に基づいてこの回転の軸心に直交する方向の前記
R溝63の変位量を測定するR溝測定用の測定子におい
て、前記移動の方向の前端部に設けられ、この移動方向
に直交し、この移動方向と前記回転の軸心方向とに直交
する長手方向に細長い前面32bと、この前面32bの
長手方向に沿い、かつ、前記回転の軸心方向に移動自在
に前記前面32bに接して設けられ、前記ワークの回転
に伴って前記R溝63の面から離脱しないような前記長
手方向の長さ、及び前記R溝63のR寸法よりも小さい
半径を有する細長い円柱状のピン81と、前記前端部の
長手方向の両端部に取り付けられ、前記ピン81の両端
部を前記回転の軸心方向に移動自在に保持するホルダ8
2,83とを備えた構成としている。
【0010】請求項1に記載の発明によると、測定子の
前面は、その移動方向に直交しており、またこの移動方
向とワークの回転の軸心方向とに直交する長手方向に細
長く形成されている。さらに、この前面には、前記長手
方向に細長い円柱状のピンがこの長手方向に沿い、か
つ、この前面に接触するように設けられている。このピ
ンは、ワークの回転に伴ってワーク外周面のR溝の面か
ら離脱しないような前記長手方向の長さ、及びこのR溝
のR寸法よりも小さい半径を有している。このとき、こ
のピンは、ワークの回転に伴ってR溝の面に当接するよ
うに回転の軸心方向に直交する方向に測定子の前面を介
して追従駆動されているので、ワークの外周形状が非円
形で、R溝の面とこのピンとの当接位置が前記回転の軸
心から前記長手方向にずれたときでも、このずれが吸収
される。そして、半径がR溝のR寸法よりも小さい前記
ピンは、常時R溝の真の底面(つまり最も深い面)に当
接する。さらに、このピンは前記回転の軸心方向にも移
動自在となっているので、R溝の位置がこの軸心方向に
ずれているときでも、このずれを吸収して常時R溝の真
の底面に当接する。この結果、R溝の輪郭測定を精度良
く行うことできる。また、これにより、R溝の各測定項
目毎に専用の測定子を交換しなくても、ワーク外周面の
R溝の全輪郭測定を共通の測定子で測定することが可能
となるので、1回の段取換えにより全項目を測定でき
る。したがって、R溝の輪郭測定に関して、測定時間の
短縮化及び測定精度の向上等の性能向上が図れる。
【0011】請求項2に記載の発明は、クランクシャフ
トAのワークの両端面に設けられたセンタ穴にセンタ1
2a,13aを挿入して回転自在に支持する支持ユニッ
ト10と、支持ユニット10に支持されたワークをセン
タ12a,13aの軸心を中心に回転させる回転駆動手
段14と、このワークの回転角度を検出する回転角度セ
ンサ15と、ワークの回転の軸心方向に対して垂直に移
動自在な測定子32を有し、回転駆動手段14によるワ
ークの回転に伴って、前記ワークのピン部61又はジャ
ーナル部62の円筒面に加工されたR溝63の面にこの
測定子32の前端部を当接させながら追従駆動して動作
し、前記回転の軸心方向に直交する方向の変位量を測定
する輪郭測定ユニット30と、前記回転角度センサ15
が検出したワークの回転角度、及びこの輪郭測定ユニッ
ト30が測定した前記変位量を入力し、所定の回転角度
毎の変位量に基づいてR溝63の輪郭を演算により求め
る制御器50とを備えたクランクシャフトのR溝測定装
置において、前記輪郭測定ユニット30の測定子32
は、前記移動の方向の前端部に設けられ、この移動方向
に直交し、この移動方向と前記回転の軸心方向とに直交
する長手方向に細長い前面32bと、この前面32bの
長手方向に沿い、かつ、前記回転の軸心方向に移動自在
に前記前面32bに接して設けられ、前記ワークの回転
に伴って前記R溝63の面から離脱しないような前記長
手方向の長さ、及び前記R溝63のR寸法よりも小さい
半径を有する細長い円柱状のピン81と、前記前端部の
長手方向の両端部に取り付けられ、前記ピン81の両端
部を前記回転の軸心方向に移動自在に保持するホルダ8
2,83とを備えた構成としている。
【0012】請求項2に記載の発明によると、測定子の
前面は、その移動方向に直交しており、またこの移動方
向とクランクシャフトの回転の軸心方向とに直交する長
手方向に細長く形成されている。さらに、この前面に
は、前記長手方向に細長い円柱状のピンがこの長手方向
に沿い、かつ、この前面に接触するように設けられてい
る。このピンは、クランクシャフトの回転に伴ってクラ
ンクシャフトのピン部又はジャーナル部に設けられたR
溝の面から離脱しないような前記長手方向の長さ、及び
このR溝のR寸法よりも小さい半径を有している。一
方、クランクシャフトの両端面のセンタ穴深さのばらつ
きにより、又はR溝の機械加工時の誤差等により、ピン
部又はジャーナル部のR溝の位置が所定位置よりも軸心
方向にずれている場合がある。このとき、前記測定子の
ピンは、クランクシャフトの回転に伴ってR溝の面に当
接するように回転の軸心方向に直交する方向に測定子の
前面を介して追従駆動されているので、R溝の面とこの
ピンとの当接位置が前記回転の軸心から前記長手方向に
ずれたときでも、このずれが吸収される。そして、半径
がR溝のR寸法よりも小さい前記ピンは、常時R溝の真
の底面に当接する。さらに、このピンは前記回転の軸心
方向にも移動自在となっているので、R溝の位置がこの
軸心方向にずれているときでも、このずれも吸収して常
時R溝の真の底面に当接する。この結果、R溝の輪郭測
定を精度良く行うことできる。また、これにより、R溝
の各測定項目毎に専用の測定子を交換しなくても、クラ
ンクシャフトのピン部及びジャーナル部のR溝の全輪郭
測定を共通の測定子で測定することが可能となるので、
1回の段取換えにより全項目を測定できる。したがっ
て、クランクシャフトのR溝の輪郭測定に関して、測定
時間の短縮化及び測定精度の向上等の性能向上を図るこ
とができる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
記載のクランクシャフトのR溝測定装置において、前記
輪郭測定ユニット30は、前記測定子32を前記回転の
軸心方向に直交する方向に前進又は後退させる測定子駆
動手段36を備えた構成としている。
【0014】請求項3に記載の発明によると、輪郭測定
ユニットは測定子を前記回転の軸心方向に直交する方向
に前進又は後退させる測定子駆動手段を有しているの
で、測定子をこの軸心方向に移動させて測定位置を変更
する前に後退させ、測定位置変更後に再び前進させてR
溝の輪郭測定を行うようにする。これにより、測定子を
軸心方向に移動させるときに、測定子がワーク(例え
ば、クランクシャフト)に干渉するのが確実に防止され
る。したがって、異なる種類の複数のワークに対して
も、段取換えをしなくても、ワークとの干渉が発生する
こと無く、確実に精度良くR溝の輪郭測定を行うことが
できる。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1又は2
記載のクランクシャフトのR溝測定装置において、前記
輪郭測定ユニット30の測定子32の追従駆動は、バラ
ンスウェート35の押しつけ力により行ってもよい。
【0016】請求項4に記載の発明によると、測定子を
バランスウェートの荷重によってワークの測定対象の外
周面(ここでは、R溝の底面)に押しつけることができ
る。したがって、簡単な機構で、かつ、確実に測定子の
追従駆動が可能となり、よってR溝の輪郭測定が精度良
く行われる。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項1又は2
記載のクランクシャフトのR溝測定装置において、前記
輪郭測定ユニット30の測定子32の追従駆動は、空圧
のバランスシリンダ76の押しつけ力により行ってもよ
い。
【0018】請求項5に記載の発明によると、測定子を
空圧のバランスシリンダによって所定圧でワークの測定
対象の外周面(ここでは、R溝の底面)に押しつけるこ
とができる。したがって、簡単な機構で、かつ、確実に
測定子の追従駆動が可能となり、よってR溝の輪郭測定
が精度良く行われる。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項2記載の
クランクシャフトのR溝測定装置において、前記制御器
50は、R溝63の輪郭として、少なくとも、ピン部6
1又はジャーナル部62のR溝63の底面の平均直径、
真円度、真直度、あるいは、ピン部61のR溝63のピ
ン1/2 ストローク、偏心量、位相角度等のいずれかを求
めるようにしている。
【0020】請求項6に記載の発明によると、請求項2
に記載のように、測定子の前面に設けられた細長い円柱
状のピンの作用によって、クランクシャフトのピン部又
はジャーナル部のR溝底面の回転軸心方向に直交する方
向の変位量が精度良く測定される。したがって、R溝の
輪郭として、少なくとも、ピン部又はジャーナル部のR
溝の底面の平均直径、真円度、真直度、あるいは、ピン
部のR溝のピン1/2 ストローク、偏心量、位相角度等の
いずれかを精度良く求めることが可能となる。この結
果、R溝の輪郭測定の精度向上及び測定時間短縮化が図
れる。
【0021】請求項7に記載の発明は、請求項1又は2
記載のクランクシャフトのR溝測定装置において、測定
結果を記憶する記憶装置58と、測定結果を表示する表
示器57と、測定結果をプリントアウトするプリンタ5
9との内、少なくともいずれか1つを付設すると共に、
前記制御器50は、前記求めた各測定データが予め設定
された許容範囲内か否かを判断し、この測定データ及び
判断結果等の測定結果を、前記記憶装置58に記憶し、
又は前記表示器57に表示し、又は前記プリンタ59に
出力するようにしている。
【0022】請求項7に記載の発明によると、測定デー
タが予め設定された許容範囲内か否か判断され、この測
定データ及び判断結果の測定結果が記憶装置に記憶され
て保存される。これによって、この測定結果に基づくデ
ータ解析が可能となり、解析結果を用いてメンテナンス
管理、次ワークの加工条件の向上、及び故障診断等を行
うことができるようになる。また、上記測定結果を表示
器に表示することにより、あるいはプリントアウトする
ことにより、作業者が結果を容易に知ることができ、作
業者によるデータ解析が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に好適な実施形態の
一例を図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発
明に係わるクランクシャフトのR溝測定装置の側面図及
び平面図をそれぞれ示しており、同図に基づいて全体構
成を説明する。ベース1は本測定装置の各部材が載置さ
れ、かつ固定される基台を成しており、本実施形態にお
いては、上面が滑らかに研磨された石からなる定盤で構
成されている。ベース1の上面前部には、クランクシャ
フトを長手方向(つまり、軸心方向)の両端側からクラ
ンプして支持する支持ユニット10が載置されている。
この支持ユニット10は、ベース1の上面前部の左右の
いずれか一側(図示では右側)に固定された回転ストッ
ク11と、他側にこの回転ストック11に対向して図示
で左右方向に移動自在に配設されたテールストック13
とを備えている。この回転ストック11のテールストッ
ク13と対向する面には円テーブル12が回転自在に設
けられており、円テーブル12の回転中心には、テール
ストック13の方に突出し、かつ、その軸心が前記回転
中心と一致したセンタ12aが設けられている。また、
テールストック13の回転ストック11と対向する面に
は、同じくその軸心が前記回転中心と略一致するように
センタ13aが回転自在に設けられている。さらに、回
転ストック11には例えばパルスモータからなる回転駆
動手段14が配設されており、この回転駆動手段14の
出力回転軸は図示しない動力伝達手段(例えば、ギア列
等)を介して前記円テーブル12の回転軸に連結されて
いる。また、この円テーブル12の回転軸には例えばエ
ンコーダからなる回転角度センサ15が取り付けられて
おり、回転角度センサ15により円テーブル12の回転
角度、すなわちクランクシャフトの回転角度が検出され
る。
【0024】なお、回転ストック11とテールストック
13との間のベース1の表面には、両者を結ぶ直線に沿
ってT溝16が設けられており、このT溝16の長手方
向に垂直な断面形状はベース1の表面近傍に両側面から
突出した突出部(図示せず)を有していて、この突出部
より下方のT溝16の内部にはナット(図示せず)が設
けられている。そして、前記テールストック13はT溝
16に沿って移動自在に設けられていると共に、図示し
ないボルトとT溝16の前記ナットによって前記突出部
を介して固定されるようになっている。
【0025】また、ベース1の上面の後部には、図示し
ないガイドレールが円テーブル12の前記回転中心線の
方向と平行に布設されており、このガイドレール上に水
平テーブル20が移動自在に設けられている。この水平
テーブル20の下部には図示しないボールネジが配設さ
れており、このボールネジのナット部材は水平テーブル
20の下面に取着されており、またボールネジのネジは
前記ガイドレールと同一の方向に配設されていて、この
ネジの一端部に例えばパルスモータからなる水平テーブ
ル駆動手段21の出力回転軸が連結されている。そし
て、この水平テーブル駆動手段21の本体はベース1の
上面に取り付けられており、水平テーブル駆動手段21
の回転によってこのボールネジを介して水平テーブル2
0は前記ガイドレールに沿って移動するようになってい
る。また、水平テーブル20とベース1との間には、例
えばマグネスケール等のリニアセンサからなる第1位置
センサ22が設けられており、この第1位置センサ22
によって水平テーブル20の移動位置が検出される。
【0026】水平テーブル20の上面には、クランクシ
ャフトのジャーナル部及びピン部の外周面に加工された
R溝の直径方向の変位量を測定する輪郭測定ユニット3
0が、クランクシャフトの軸心に直交する方向に移動自
在に配設されている。輪郭測定ユニット30はこの軸心
に直交する方向に移動自在な輪郭測定テーブル31を有
しており、この輪郭測定テーブル31にはクランクシャ
フトへ向かって突出した測定子32が取着されている。
測定子32の先端部においては、平面視での前記軸心方
向の厚さは、前記ジャーナル部及びピン部のR溝の面に
当接可能なような所定寸法となっている。
【0027】図3及び図4は輪郭測定ユニット30の詳
細な側面図を示しており、以下同図に基づいて説明す
る。輪郭測定ユニット30のフレーム39は水平テーブ
ル20の上面に取り付けられており、このフレーム39
の上部には図示しないガイドレールが布設されていて、
このガイドレールによって前記輪郭測定テーブル31が
移動自在に支持されている。前述のように、輪郭測定テ
ーブル31はクランクシャフトAの軸心に直交する方向
(図示で、左右方向)に移動自在となっている。そし
て、この輪郭測定テーブル31とフレーム39との間に
は、この輪郭測定テーブル31の移動方向の位置を検出
する、例えばリニアセンサからなる第2位置センサ38
が配設されている。
【0028】フレーム39の上部のクランクシャフトA
に近い端部には、ローラ33aがその回転軸を輪郭測定
テーブル31の移動方向に対して垂直にして回動自在に
設けられており、また、フレーム39の上部の前記ロー
ラ33aと反対側の端部には、ローラ33bが同様にそ
の回転軸を輪郭測定テーブル31の移動方向に垂直にし
て回動自在に設けられている。そして、ローラ33aに
面した輪郭測定テーブル31の端部にはロープ34の一
端側が取り付けられており、このロープ34の他端側は
前記ローラ33a及びローラ33bを順次経由してバラ
ンスウェート35に取り付けられている。このバランス
ウェート35の荷重は、ロープ34を介して輪郭測定テ
ーブル31に作用することにより、この輪郭測定テーブ
ル31を所定の力でクランクシャフトAに向かって駆動
する。これにより、輪郭測定テーブル31に取着された
測定子32がクランクシャフトAに当接した後は、この
測定子32は前記所定の力でクランクシャフトAの円筒
面又はR溝に当接するように追従駆動されるようになっ
ている。
【0029】また、フレーム39の下部には、例えばパ
ルスモータからなる測定子駆動手段36が配設されてお
り、この測定子駆動手段36の出力回転軸は、この移動
方向に平行にその軸心が設けられた図示しないボールネ
ジの端部に取り付けられている。このボールネジのナッ
ト部は、図示しないガイドレール上に移動自在に載置さ
れた爪部材37に取着されている。この爪部材37の前
進方向の端部、すなわちクランクシャフトAに近い側の
端部には上方に突出した爪37aが設けられていて、こ
の爪37aに輪郭測定テーブル31の前進方向の下端部
が掛かるようになっている。そして、測定子駆動手段3
6によって爪37aを前進又は後退させることにより、
輪郭測定テーブル31は所定位置に移動することができ
る。
【0030】ここで、図4に図示したように、爪部材3
7をクランクシャフトAに向けて前進させると、爪部材
37の爪37aの移動に伴って輪郭測定テーブル31が
バランスウェート35の押しつけ力によって前進し、位
置Bにおいて測定子32の前端部32aがクランクシャ
フトAに当接する。この後、さらに爪部材37を前進さ
せると、測定子32は前記押しつけ力によって当接した
ままで停止しているので、輪郭測定テーブル31はこの
ときの位置を保持し、一方、爪部材37は前進端位置C
まで前進することができるようになっている。また、爪
部材37を後退させると、爪部材37の爪37aが輪郭
測定テーブル31の前端部に係合し、これによって輪郭
測定テーブル31が後退するので測定子32が後退す
る。
【0031】また、前記測定子32の前端部32aは、
測定子32の移動方向の前端側、すなわちクランクシャ
フトAに対向する側に、クランクシャフトAの軸心方
向、及び測定子32の移動方向に対して共に垂直な方向
に細長い直線状の前面32bを備えており、この前面3
2bは測定子32の移動方向に直交している。この前端
部32aは、前述のように、クランクシャフトAの軸心
方向に所定寸法以下の厚さを有している。さらに、前面
32bには、細長い円柱状のピン81が、この前面32
bの長手方向に沿い、かつ、クランクシャフトAの回転
の軸心方向に移動自在に前面32bに接して設けられて
いる。このピン81は、クランクシャフトAの回転に伴
って前記ピン部61及びジャーナル部62のR溝63
(前述の図12を参照)の面から当接位置が離脱しない
ような前面32bの長手方向の長さを有すると共に、R
溝63のR寸法よりも小さい半径を有している。また、
ピン81の両端部は前記前端部32aにそれぞれホルダ
82,83により前記回転の軸心方向に移動自在に保持
されている。
【0032】なお、ピン81の外周形状は上記のような
円柱に限定されるものではなく、R溝63に当接する側
のピン81の外周面は曲率半径がR溝63のR寸法より
小さいような凸曲面で、かつ、この凸曲面の当接側の稜
線が前記前面32bの長手方向に平行な直線であればよ
い。したがって、ピン81は例えば円筒状でもよいし、
あるいは、細長い円柱又は円筒をその軸心に平行な平面
で2分割し、分割された平面を前記前面32bとの間で
摺動可能としたようなものであってもよい。
【0033】図5及び図6は、ピン81の取付部の詳細
な側面図及び平面図をそれぞれ示している。測定子32
の前端部32aの前面32bには、前面32bに接触す
るように細長い円柱状のピン81が設けられている。ホ
ルダ82,83は側面視でL型形状を成しており、この
L型の突出した一方の部材は前端部32aの両端面(図
示で上下端面)にそれぞれネジ84等の締結手段で取り
付けられている。また、ホルダ82の突出した他方の部
材82aはこの前端部32aの上端面から中央部へ向か
うように、ホルダ83の突出した他方の部材83aはこ
の前端部32aの下端面から中央部へ向かうように設け
られている。前記部材82aには、測定子32の移動方
向とクランクシャフトの軸心方向とに直交する方向(す
なわち前面32bの長手方向)へ貫通する円筒状の貫通
孔85が設けられ、また、前記部材83aには貫通孔8
5と同一方向に軸心を有し、貫通孔85の方に開口した
円筒状の穴86が設けられている。貫通孔85と穴86
の直径は略等しく、かつ、前記ピン81の直径よりも所
定長さだけ大きくなっている。そして、ピン81の両端
部は、貫通孔85と穴86とに挿入された状態でホルダ
82,83により保持されている。これによって、ピン
81は貫通孔85及び穴86の中で所定の移動可能範囲
D以内に前記軸心方向に移動自在となっている。
【0034】図7には本実施形態に係わる制御構成ブロ
ック図を示しており、同図に基づいて各制御構成を説明
する。ドライブユニット51,52,53はそれぞれ回
転駆動手段14、水平テーブル駆動手段21、測定子駆
動手段36を駆動するためのアンプであり、制御器50
から入力する各駆動手段に対応した駆動指令に基づい
て、各駆動手段の回転を制御する。シーケンサ55は本
R溝測定装置と外部装置(例えば、ワークの搬入、搬出
機)とのインタロックをとるためのインタフェース機器
であり、例えば通常のプログラマブルロジックコントロ
ーラ(いわゆる、PLC)から構成することができる。
シーケンサ55は、そのI/Oユニットの入出力信号
や、シリアル通信ユニットの入出力信号によって制御器
50とインタロックをとることができる。このシーケン
サ55のシーケンス記憶部には、本R溝測定装置の運転
時の外部装置とのタイミング信号やインタロック信号等
を送受信し、判断するためのシーケンスプログラムが記
憶されている。なお、このシーケンサ55は本発明にお
いては必須ではなく、このシーケンサ55により実施さ
れる上記のようなシーケンスプログラムと等しい機能の
プログラムを後述の制御器50の制御プログラム内に有
する場合には、このシーケンサ55は不要となる。
【0035】設定スイッチ56は測定対象となるワーク
毎の測定条件に係わる測定仕様データを設定するスイッ
チであり、各設定項目の選択、設定データの入力等を行
うためのスイッチを有している。ここで、設定項目とし
ては、例えば、測定対象ワークの品番(識別番号)、ピ
ン数、ジャーナル数、ピン部の位相角度の基準位置、各
測定項目の許容範囲等があり、自動測定を開始する前
に、この設定スイッチ56によりワーク毎に予め設定さ
れる。また、各測定項目の測定位置、すなわちR溝の輪
郭測定を行うときの水平テーブル20の位置、あるい
は、輪郭測定ユニット30の測定子32の当接位置等を
ティーチングするときの対象位置を設定し、ティーチン
グされた位置を記憶させることもできる。この設定スイ
ッチ56は、例えば通常のキーボード等により構成して
もよい。なお、ティーチング時の水平テーブル20や輪
郭測定テーブル31の移動は、図示しない操作スイッチ
により行うことができる。
【0036】表示器57は、前記設定スイッチ56によ
り各種のデータを入力する際に、データ入力が容易に、
かつ、ミスが少なく行えるように、設定項目や設定デー
タを表示したり、あるいは、自動測定中に測定結果を作
業者に表示したり、また、各種の制御メッセージを表示
したりすることができる。この表示器57は、例えば、
CRT装置、液晶表示器又はプラズマ表示器等からなる
グラフィック表示器や、蛍光表示管やLED表示器等か
らなるキャラクタ表示器により構成することができる。
【0037】記憶装置58は、各ワーク毎の測定仕様デ
ータ、自動測定時の測定データ、及び測定データに基づ
く合否結果等を記憶することができる。この記憶装置5
8は書換え可能なメモリから構成されており、例えばハ
ードディスク装置、フロッピーディスク装置、光磁気デ
ィスク装置、又はICメモリカード装置等によって構成
することができる。また、プリンタ59は前記ワーク毎
の測定仕様データ、自動測定時の測定データ、又は測定
結果の合否判定データ等をプリントアウトするものであ
る。
【0038】制御器50はマイクロコンピュータ等を主
体にしたコンピュータ装置により構成されており、例え
ばパーソナルコンピュータ(いわゆる、パソコン)によ
り構成することができる。制御器50はメモリ50aを
有しており、このメモリ50aに、本発明に係わるR溝
測定装置の測定のための制御シーケンスプログラム、及
び測定制御に必要な制御データ等を記憶するようにして
いる。
【0039】前述した回転角度センサ15、第1位置セ
ンサ22及び第2位置センサ38のそれぞれの出力信号
は、制御器50に入力される。そして、自動測定時に
は、これらの入力した角度データ及び位置データに基づ
いて、制御器50は後述するような所定の処理を行い、
この処理に従って各ドライブユニット51,52,53
を介して対応する回転駆動手段14、水平テーブル駆動
手段21、測定子駆動手段36の回転角度を制御する。
そして、このときの各回転角度データや位置データを所
定のタイミングで取り込んでメモリ50aに記憶し、こ
れらのデータに基づいてクランクシャフトの各測定項目
データを演算して求め、求めた測定項目データを記憶装
置58に記憶する。また、制御器50は表示器57に表
示指令及び表示データを出力して、設定スイッチ56に
より設定された各データを表示して作業者に確認させた
り、前記測定項目データを表示したりする。
【0040】以上のような構成のクランクシャフトのR
溝測定装置において、各測定項目を測定する手順を以下
に説明する。制御器50は、シーケンサ55を介して搬
入装置とインタロックをとり、機械加工済のクランクシ
ャフトを本R溝測定装置内に搬入させる。搬入されたク
ランクシャフトは、回転ストック11の円テーブル12
のセンタ12aとテールストック13のセンタ13aと
の間に取り付けられる。このとき、クランクシャフトの
両端面にそれぞれ設けられたセンタ穴に各センタ12
a,13aが挿入され、この後、テールストック13が
その位置で前述のようにT溝16に挿入されたボルト等
で固定される。これにより、クランクシャフトはセンタ
12a,13aの軸心を中心に回転自在に支持される。
【0041】次に、R溝63の輪郭測定を行う。この輪
郭測定の項目としては、例えばピン部61のR溝63の
ピン1/2 ストローク、位相、平均直径、真円度及び真直
度や、ジャーナル部62のR溝63の振れ(以後、ジャ
ーナル振れと呼ぶ)、平均直径、真円度、真直度及び偏
心量等がある。ここで、各測定項目を簡単に説明する。
【0042】図8は前述の従来技術の説明で示した図1
1のクランクシャフトAの側面断面図(X−X断面図)
を示している。同図において、ピン1/2 ストロークは各
ピン部61のR溝63の軸心O2 とクランクシャフトA
の軸心O1 との距離eであり、ピン部の位相は、各ピン
部61の前記軸心O2 とクランクシャフトAの軸心O1
とを結ぶ線の、軸心O1 を中心としたクランクシャフト
Aの回転の基準角度からの回転角度θである。またジャ
ーナル振れは、ジャーナル部62のR溝63の軸心のク
ランクシャフトAの軸心O1 からの偏心量、すなわち両
軸心間距離を表す。さらに、平均直径は各ピン部61又
はジャーナル部62のR溝63毎に測定された複数の直
径データの平均値であり、真円度は測定された複数の半
径データに基づいて算出される各ピン部61又はジャー
ナル部62のR溝63毎の真円度であり、また真直度は
各ピン部61又はジャーナル部62のR溝63の軸心線
とクランクシャフトAの軸心線との成す角度(いわゆ
る、テーパ)で表される。
【0043】輪郭測定は、次のような手順で行われる。
まず、制御器50は、水平テーブル駆動手段21を制御
して水平テーブル20を測定対象のピン部61又はジャ
ーナル部62、あるいはこれらのR溝63の所定の測定
位置に移動させて位置決めし、この次に測定子駆動手段
36を制御して測定子32を所定の当接位置より所定距
離手前の位置まで所定の早送りで前進させた後に所定の
低速度でピン部61又はジャーナル部62のR溝63の
面に当接するまで前進させる。ここで、水平テーブル2
0の各測定位置、及び測定子32の当接位置は測定前に
予めティーチング等により設定して記憶させておく。
【0044】R溝63の測定のとき、測定子32はバラ
ンスウェート35の押しつけ力によって常時クランクシ
ャフトAに向かって押しつけられ、これに伴って、ピン
81は測定子32の前面32bによりR溝63の面に押
しつけられた状態で当接する。そして、例えば図9に示
すように、R溝63の機械加工時のずれや、前記センタ
穴の深さのずれにより、R溝63の位置がクランクシャ
フトAの軸心方向にずれていた場合には、ピン81はR
溝63の面に沿ってこの軸心方向に(同図では矢印E方
向に)移動し、R溝63の最も深い底面の位置まで移動
する。これにより、ピン81は常時R溝63の底面に沿
って移動することになる。
【0045】次に、制御器50は、第2位置センサ38
からの位置データが所定時間(例えば1秒間)変化しな
くなったときピン81がR溝63の底面に当接したと判
断し、回転駆動手段14により円テーブル12を回転さ
せ、回転角度センサ15からの角度データを監視しなが
ら所定の単位角度(例えば1°)毎に位置決めする。こ
のとき、測定子32はバランスウェート35によって当
接する方向に追従駆動されているので、上記円テーブル
12の回転に伴って常時ピン81がピン部61又はジャ
ーナル部62のR溝63の底面に押し付けられた状態が
保持される。
【0046】そして、制御器50は、この各単位回転角
度毎の位置決め後、このときの第2位置センサ38から
位置データを取り込み、この各位置データを円テーブル
12の角度データ(すなわち、回転角度センサ15によ
る回転角度データ)に対応させてメモリ50aの所定エ
リアに記憶しておく。これらの位置データ及び回転角度
データは各測定位置毎に取り込まれ、各測定位置に対応
してメモリ50aに記憶される。
【0047】次に、各測定位置毎に、前記取り込まれた
位置データ及び回転角度データに基づいて、前記単位回
転角度毎の前記R溝63の底面の前記回転の軸心方向に
直交する方向の各変位量を求め、この変位量に基づい
て、前記ピン部61又はジャーナル部62のR溝63の
中心位置が求められる。さらに、求めた中心位置に基づ
いて、ピン部61のR溝63のピン1/2 ストローク、位
相角度、平均直径、真円度、偏心量及びテーパ、またジ
ャーナル部62のR溝63の偏心方向、ジャーナル振
れ、平均直径、真円度、偏心量及びテーパ等が算出され
る。そして、この測定結果に基づいて、各測定データが
予め設定された許容範囲内であるか否かを判断し、その
判断結果を表示器57に表示するとともに、前記測定結
果及び判断結果を記憶装置58に各ワーク毎に対応させ
て記憶させる。なお、これらの測定結果及び判断結果を
プリンタ59に出力して保存することも可能である。
【0048】以上説明したように、本発明によると、測
定子32の前面32bに回転の軸心方向に移動自在に設
けられたピン81がR溝63の底面の位置ずれに対応し
てこの軸心方向に移動することができ、またピン81は
常時バランスウェート35の押しつけ力により前面32
bを介してR溝63の面に向かって押しつけられている
ので、ピン81はワークの外周面(例えばピン部61又
はジャーナル部62の円筒面)に加工されたR溝63の
底面に常時当接することができる。したがって、測定時
にR溝63の底面の位置がずれていても、この位置ずれ
に追従してピン81が移動して真の底面(最も深い面)
に当接するので、R溝63の変位量を精度良く測定する
ことができる。この結果、R溝63の真円度、偏心量又
は直径等測定精度を向上させることができる。そして、
測定項目毎に測定子32を交換する必要が無くなり、R
溝の輪郭測定の全項目を段取換え無しに同一の測定子3
2で測定できるので、全測定に要する時間が短縮化され
る。この結果、R溝輪郭測定の性能向上を図ることがで
きる。
【0049】なお、上記の実施形態においては、測定子
32のピン81が測定対象の外周面に常時当接するよう
に追従駆動させる手段をバランスウェート35の押しつ
け力を利用した構成によって実現しているが、本発明は
これに限定されるものでは無い。すなわち、例えば空圧
シリンダ等からなる空圧回路により構成することもで
き、一例として図10にその空圧回路を示す。同図にお
いて、空圧源71からレギュレータ72及びチェック弁
73を介してバランスシリンダ76のボトム室76aに
エアが供給され、チェック弁73とのバランスシリンダ
76のボトム室76aとの間の管路にアキュムレータ7
4及び圧力計75が接続されている。また、バランスシ
リンダ76のヘッド室76bには大気と連通するための
連通路が設けられている。そして、ピストン77の先端
部には測定子32が取着される。なお、バランスシリン
ダ76はピストン77の摺動抵抗が非常に小さいものが
使用される。このような構成において、バランスシリン
ダ76のボトム室76aにレギュレータ72により所定
圧力のエアを供給すると、測定子32はこの圧力で前記
外周面に押しつけられ、また測定子32が前進又は後退
するときには圧力の変動がアキュムレータ74により抑
えられ、よって、測定子32は前記外周面に追従駆動さ
れる。
【0050】また、本実施形態においては、各測定位置
での水平テーブル20の位置、及び測定子32の当接位
置を予めティーチングにより記憶させるようにしている
が、本発明はこの方法に限定されず、例えば、クランク
シャフトの設計データに基づいて位置データとして直接
数値データを入力して設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるクランクシャフトのR溝測定装
置の側面図を示す。
【図2】本発明に係わるクランクシャフトのR溝測定装
置の平面図を示す。
【図3】輪郭測定ユニットの詳細側面図を示す。
【図4】輪郭測定ユニットの詳細側面図を示す。
【図5】測定子の前面のピン取付部の詳細側面図を示
す。
【図6】測定子の前面のピン取付部の詳細平面図を示
す。
【図7】R溝測定装置の制御構成ブロック図を示す。
【図8】クランクシャフトの断面図(図11のX−X断
面図)を示す。
【図9】測定子のピンの作用の説明図を示す。
【図10】測定子の追従駆動の他の実施形態を示す。
【図11】クランクシャフトの側面図を示す。
【図12】R溝の詳細図を示す。
【符号の説明】
10…支持ユニット、12a,13a…センタ、14…
回転駆動手段、15…回転角度センサ、21…水平テー
ブル駆動手段、22…第1位置センサ、30…輪郭測定
ユニット、32…測定子、32b…前面、35…バラン
スウェート、36…測定子駆動手段、38…第2位置セ
ンサ、57…表示器、58…記憶装置、59…プリン
タ、61…ピン部、62…ジャーナル部、63…R溝、
76…バランスシリンダ、81…ピン、82,83…ホ
ルダ、A…クランクシャフト。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象のワークの外周面に加工された
    R溝(63)に直交する方向の軸心を中心に回転する前記ワ
    ークの前記R溝(63)の面に当接され、かつ、このワーク
    の回転に伴ってこのR溝(63)の面に追従するように前記
    軸心に直交する方向に移動自在に設けられ、前記回転に
    伴うこの移動の方向の移動量に基づいてこの回転の軸心
    に直交する方向の前記R溝(63)の変位量を測定するR溝
    測定用の測定子において、 前記移動の方向の前端部に設けられ、この移動方向に直
    交し、この移動方向と前記回転の軸心方向とに直交する
    長手方向に細長い前面(32b) と、 この前面(32b) の長手方向に沿い、かつ、前記回転の軸
    心方向に移動自在に前記前面(32b) に接して設けられ、
    前記ワークの回転に伴って前記R溝(63)の面から離脱し
    ないような前記長手方向の長さ、及び前記R溝(63)のR
    寸法よりも小さい半径を有する細長い円柱状のピン(81)
    と、 前記前端部の長手方向の両端部に取り付けられ、前記ピ
    ン(81)の両端部を前記回転の軸心方向に移動自在に保持
    するホルダ(82,83) とを備えたことを特徴とするR溝測
    定用の測定子。
  2. 【請求項2】 クランクシャフト(A) のワークの両端面
    に設けられたセンタ穴にセンタ(12a,13a) を挿入して回
    転自在に支持する支持ユニット(10)と、 支持ユニット(10)に支持されたワークをセンタ(12a,13
    a) の軸心を中心に回転させる回転駆動手段(14)と、 このワークの回転角度を検出する回転角度センサ(15)
    と、 ワークの回転の軸心方向に対して垂直に移動自在な測定
    子(32)を有し、回転駆動手段(14)によるワークの回転に
    伴って、前記ワークのピン部(61)又はジャーナル部(62)
    の円筒面に加工されたR溝(63)の面にこの測定子(32)の
    前端部を当接させながら追従駆動して動作し、前記回転
    の軸心方向に直交する方向の変位量を測定する輪郭測定
    ユニット(30)と、 前記回転角度センサ(15)が検出したワークの回転角度、
    及びこの輪郭測定ユニット(30)が測定した前記変位量を
    入力し、所定の回転角度毎の変位量に基づいてR溝(63)
    の輪郭を演算により求める制御器(50)とを備えたクラン
    クシャフトのR溝測定装置において、 前記輪郭測定ユニット(30)の測定子(32)は、 前記移動の方向の前端部に設けられ、この移動方向に直
    交し、この移動方向と前記回転の軸心方向とに直交する
    長手方向に細長い前面(32b) と、 この前面(32b) の長手方向に沿い、かつ、前記回転の軸
    心方向に移動自在に前記前面(32b) に接して設けられ、
    前記ワークの回転に伴って前記R溝(63)の面から離脱し
    ないような前記長手方向の長さ、及び前記R溝(63)のR
    寸法よりも小さい半径を有する細長い円柱状のピン(81)
    と、 前記前端部の長手方向の両端部に取り付けられ、前記ピ
    ン(81)の両端部を前記回転の軸心方向に移動自在に保持
    するホルダ(82,83) とを備えたことを特徴とするクラン
    クシャフトのR溝測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のクランクシャフト
    のR溝測定装置において、 前記輪郭測定ユニット(30)は、前記測定子(32)を前記回
    転の軸心方向に直交する方向に前進又は後退させる測定
    子駆動手段(36)を備えたことを特徴とするクランクシャ
    フトのR溝測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のクランクシャフト
    のR溝測定装置において、 前記輪郭測定ユニット(30)の測定子(32)の追従駆動は、
    バランスウェート(35)の押しつけ力によることを特徴と
    するクランクシャフトのR溝測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載のクランクシャフト
    のR溝測定装置において、 前記輪郭測定ユニット(30)の測定子(32)の追従駆動は、
    空圧のバランスシリンダ(76)の押しつけ力によることを
    特徴とするクランクシャフトのR溝測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のクランクシャフトのR溝
    測定装置において、前記制御器(50)は、R溝(63)の輪郭
    として、少なくとも、ピン部(61)又はジャーナル部(62)
    のR溝(63)の底面の平均直径、真円度、真直度、あるい
    は、ピン部(61)のR溝(63)のピン1/2 ストローク、偏心
    量、位相角度等のいずれかを求めることを特徴とするク
    ランクシャフトのR溝測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載のクランクシャフト
    のR溝測定装置において、 測定結果を記憶する記憶装置(58)と、 測定結果を表示する表示器(57)と、 測定結果をプリントアウトするプリンタ(59)との内、少
    なくともいずれか1つを付設すると共に、 前記制御器(50)は、前記求めた各測定データが予め設定
    された許容範囲内か否かを判断し、この測定データ及び
    判断結果等の測定結果を、前記記憶装置(58)に記憶し、
    又は前記表示器(57)に表示し、又は前記プリンタ(59)に
    出力することを特徴とするクランクシャフトのR溝測定
    装置。
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