JPH117649A - 変形可能ミラー及びその製造方法 - Google Patents

変形可能ミラー及びその製造方法

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JPH117649A
JPH117649A JP9157147A JP15714797A JPH117649A JP H117649 A JPH117649 A JP H117649A JP 9157147 A JP9157147 A JP 9157147A JP 15714797 A JP15714797 A JP 15714797A JP H117649 A JPH117649 A JP H117649A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制御が容易であって、環境温度の影響を受け難
く、高精度にミラー面を変形させ保持することが可能で
あると共に、小型で簡単な構造で、安価に製造可能な変
形可能ミラーを提供する。 【解決手段】入射光を反射する反射面を有する可撓性部
材2と、可撓性部材の裏面に対向して配置され、可撓性
部材2の外周縁部に密着して、これを支持し、可撓性部
材2の弾性変形を許容する空間を形成する凹凸面3を持
つ参照面基板6と、この参照面基板6との間に、可撓性
部材2を挟み込むシリコン基板50とを備え、可撓性部
材2を凹凸面3に吸い寄せて、この可撓性部材2を変形
させる変形可能ミラーにおいて、参照面基板6の開口部
53を八角形に形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、反射面の変形が
可能な変形可能ミラーに関し、詳しくは、異なる厚さの
光ディスクに対する正確な記録再生動作を可能とする変
形可能ミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクは多量の情報信号を高
密度で記録することができるため、オーディオ、ビテ
オ、コンピュータ等の多くの分野において利用が進めら
れている。図17は、これらの装置に用いられる光ピッ
クアップの一例を示す構成図である。
【0003】この図17に示す光ピックアップ100に
おいて、半導体レーザー101から出射した光はコリメ
ーターレンズ102により平行光103になる。平行光
103はビームスプリッター104に入射して直進し、
4分の1波長板105を通り、反射ミラー106で反射
されて、対物レンズ107に入射する。対物レンズ10
7に入射した光は集光され、回転モーター113の駆動
軸によって支持された光ディスク108の情報記憶媒体
面上に光スポット109を形成する。
【0004】次に、光ディスク108で反射した反射光
110は、再び、対物レンズ107と反射ミラー106
及び4分の1波長板105を通って、ビームスプリッタ
ー104に入射する。この反射光110は4分の1波長
板105の作用により、偏光ビームスプリッター104
で反射して、絞りレンズ111を通り、光検出器112
に受光される。光検出器112は、反射光線の光強度を
検出することによって再生信号を検出する。
【0005】このような構成の光ピックアップに用いら
れる対物レンズ107は光ディスク108の厚みを考慮
して設計されている。しかしながら、この設計値と異な
る厚みの光ディスクに対しては、球面収差が生じて結像
性能が劣化し記録や再生が不可能となる。
【0006】従来、コンパクトディスクやビデオディス
ク、あるいはデータ用のISO規格の光磁気ディスク装
置等に用いられる光ディスクの厚みは、ほぼ同(約1.
2mm)であった。このため、一つの光ピックアップで
種類の異なる光ディスク(コンパクトディスク、ビデオ
ディスク、光磁気ディスク等)を記録再生することが可
能であった。
【0007】ところで、近年、光ディスクのより高密度
化を図るために、(1)対物レンズの開口数(NA)を
大きくして光学的な分解能を向上させる方法や、(2)
記録層を多層に設ける方法が検討されている。
【0008】上記の(1)のように、対物レンズのNA
を大きくすると、集光ビーム径は反比例して小さくなる
が、ディスクの傾きの許容誤差を通常のNAを有する対
物レンズと同程度に収めるためには、ディスクの厚さを
薄くする必要がある。例えば対物レンズのNAを0.5
から0.6にすると、ディスクの厚さを1.2mmから
0.6mmに減少させなければ、ディスクの傾きの許容誤
差を同程度に収めることができない。
【0009】しかしながら、このようにディスクを薄く
した場合、その薄い光ディスクに対応する対物レンズを
使用して、厚い光ディスクを記録再生すると、球面収差
が増大して結像点が広がってしまい、記録再生が困難と
なる。したがって、厚い光ディスクとの間で互換性を保
つことができなくなり、光ピックアップを2個使い薄い
光ディスクと厚い光ディスクを別々の光ピックアップで
記録再生せざるを得なくなる、また、上記(2)のよう
に、複数の記録層をある程度の厚さの透明層を介して設
けた多層ディスクを用いる場合も、1枚のディスクで記
録容量が大幅に増加する。しかしながら、対物レンズか
ら見た各記録層の位置が異なるため、1つの光ピックア
ップでは正確な情報の記録再生ができない。
【0010】このような問題点を解決する手段として、
変形可能ミラーにより基板厚さを補正する方法が知られ
ている。(特開平5−151591号公報)。
【0011】図18は、この変形可能ミラーを用いた光
学装置の光学系を示している。この図18において、ビ
ーム103は、半導体レーザー101から出射され、コ
リメータレンズ102、ビームスプリッター101、4
分の1波長板105を透過し、ビームスプリッター20
2に到達する。更に、このビーム103は、ビームスプ
リッター202及び4分の1波長板201を透過して変
形可能ミラー200に達する。
【0012】変形可能ミラー200は、そのミラー表面
を変形可能に構成されており、厚いディスクのときに
は、変形可能ミラー駆動回路203によって、ミラー表
面を変形し、ビーム103に対して、ディスクが厚くな
ったことによって発生する球面収差を打ち消すような球
面収差を与える。このビーム103は、4分の1波長板
201を通って戻り、ビームスプリッター202で反射
されて対物レンズ107に達する。対物レンズ107に
入射した光は、集光され、光ディスク108の情報記録
媒体面上に光スポット109を形成する。
【0013】次に、光ディスク108で反射した反射光
は、再び対物レンズ107とビームスプリッター20
2、4分の1波長板201、変形可能ミラー200及
び、4分の1波長板105を通って、ビームスプリッタ
ー104に入射する。この反射光110は、ビームスプ
リッター104で反射して、絞りレンズ111を通り、
光検出器112で受光される。光検出器112は、反射
光線の光強度を検出することによって再生信号を検出す
る。
【0014】図19は、特開平5−151591号公報
に記載の変形可能ミラー200の具体的な構成を示す図
であり、これは「“Adaptive optics for optimization
ofimage resolution”(“Applide Optics”,vol.26,p
p.3772-3777,(1987),J.P.Gaffarel等)」に記載された
ものである。
【0015】この変形可能ミラー200は、表面にミラ
ー面300を形成した変形プレート301と、変形プレ
ート301の裏側の数箇所を加圧する各圧電アクチュエ
ータ302と、変形プレート301、各圧電アクチュエ
ータ302、変形プレート301を固定するベース基板
等から構成され、各圧電アクチュエータ302に印加す
る電圧を変えることにより、変形プレート301上を所
望の量だけ変位させ、そのミラー面300を所望の形状
に変形させる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図19
に示す各圧電アクチュエータ302を用いた変形可能ミ
ラーでは、圧電アクチュエータ302の駆動電圧に誤差
が発生すると、その変位にも誤差が生じる。特に、各圧
電アクチュエータ302の駆動電圧にそれぞれの誤差が
あると、変形ミラー300が所望の面から大きく外れて
しまう。
【0017】また、環境温度が変化すると、熱膨張の影
響を受け、各圧電アクチュエータ302の変位に誤差を
生じ、ミラー面300が所望のミラー面からずれてしま
うという問題がある。
【0018】更に、収差補正を行う光ビームの直径は4
mm程度であって、変形可能ミラーの正確な変形を実現す
るには、多数の圧電アクチュエータ302を直径4mmの
範囲に設けねばならず、構成が複雑化し、かつ組み立て
が煩雑になり、また変形可能ミラー本体が大型化し、光
ピックアップも大きくなってしまう。
【0019】そこで、この発明は、上記課題を解決する
ためになされたものであって、制御が容易であって、環
境温度の影響を受け難く、高精度にミラー面を変形させ
保持することが可能であると共に、小型で簡単な構造
で、安価に製造可能な変形可能ミラー及びその製造方法
を提供することを目的とする。
【0020】また、この発明の他の目的は、変形性を向
上でき、結果的に局部的に大きな応力が発生することが
なく、その寿命を向上できる変形可能ミラー及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、入射光を反射する反射面
を表面に有する可撓性部材と、可撓性部材の外周縁部を
縁取る支持枠と、この支持枠の内側で、この可撓性部材
の弾性変形を許容する空間を形成する曲面部とを備え、
支持枠内側の開口部を八角形に形成し、この開口部の領
域で、可撓性部材の反射面を平面に保持し、この開口部
の領域で、可撓性部材を曲面部に吸い寄せて、この可撓
性部材を弾性変形させ、このときに該可撓性部材の反射
面への入射光に予め定められた収差を与えている。
【0022】この様な構成によれば、曲面部の断面形状
に倣って可撓性部材の反射面が変形する。このため、曲
面部の形状精度を高く維持しておけば、反射面の変形形
状を精度よく決定することができ、収差補正を精度よく
行うことができる。
【0023】また、可撓性部材の外周縁部を縁取る支持
枠内側の開口部を八角形に形成しているので、変形時に
は、この可撓性部材に加わる応力を該可撓性部材の全体
に略均等に分布させることができ、この可撓性部材の変
形性が向上し、かつ、その寿命が向上する。また、無変
形時に、この可撓性部材の反射面を平面に保持し易く、
この状態を安定に持続することができる。この支持枠内
側の開口部の形状としては、正八角形が最も望ましい。
【0024】一方、曲面部の形状は、予め指定された収
差を補正できるものであれば良い。この変形可能ミラー
を搭載した光学装置においては、可撓性部材の反射面を
平面に保持し、この可撓性部材の反射面への入射光に収
差を与えない状態と、可撓性部材を参照面基板の曲面部
に吸い寄せて、この可撓性部材を弾性変形させ、この可
撓性部材の反射面への入射光に予め定められた収差を与
える状態を選択的に設定することができ、これによって
光学的に異なる複数の光を生成することができる。
【0025】請求項2に記載の様に、支持枠は、{10
0}面、及び〔110〕方位のオリエンテーションフラ
ットを有する単結晶Si基板から形成されるものが良
い。これによって、各請求項3、8及び12に記載の変
形ミラーの製造方法が可能となる。
【0026】請求項3に記載の製造方法においては、支
持枠の開口部は、単結晶Si基板をエッチングマスクに
よって被覆してから、この単結晶Si基板をエッチング
することによって形成され、このエッチングマスクが八
角形であり、このエッチングマスクによって被覆された
単結晶Si基板の表面とは垂直な{110}面に沿っ
て、この八角形の4つの辺が存在し、このエッチングマ
スクによって被覆された単結晶Si基板の表面とは垂直
な{100}面に沿って、この八角形の他の4つの辺が
存在している。
【0027】この様な条件のもとに、単結晶Si基板を
エッチングすると、支持枠の開口部として、八角形のも
のを得ることができる。
【0028】請求項4に記載の様に、単結晶Si基板を
エッチングする以前に、この単結晶Si基板に可撓性部
材を積層しておき、この後に、可撓性部材をエッチング
せずに、単結晶Si基板をエッチングして、支持枠の開
口部を形成しても良い。
【0029】これによって、支持枠と可撓性部材を同時
に形成することができる。また、単結晶Si基板の表面
を平らにしておけば、ここに積層される可撓性部材を平
面状に形成することができ、エッチングを終了した後に
は、支持枠の開口部で、可撓性部材の反射面を平面に保
持することができる。
【0030】請求項5に記載の様に、エッチングマスク
を形作る八角形の{110}面に沿う4つの辺が相互に
等しく、かつ該八角形の{100}面に沿う他の4つの
辺が相互に等しいのが良い。
【0031】これによって、支持枠の開口部を形作る八
角形の{110}面上の4つの辺が相互に等しく、かつ
該八角形の{100}面上の他の4つの辺が相互に等し
くなり、この八角形の形状が整う。
【0032】請求項6に記載の様に、エッチングマスク
を形作る八角形の{110}面に沿う4つの辺の長さを
Aとし、かつ該八角形の{100}面に沿う他の4つの
辺の長さをBとすると、A<Bであるのが良い。
【0033】これによって、支持枠の開口部を形作る八
角形を良好に再現することができる。
【0034】より好ましくは、請求項7に記載の様に、
支持枠の厚みをTとし、この支持枠の開口部を形作る八
角形の各辺の長さの平均値をLとし、L>2*T*(1
/tan(54.7°)+√(2))とすると、エッチン
グマスクを形作る八角形の各辺の長さA及びBを次式
(1)及び(2)で表す。 A=L−2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) )±6% …(1) B=L+2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) )±6% …(2) この場合は、支持枠の開口部を形作る八角形が正八角形
となる。
【0035】また、請求項8に記載の製造方法において
は、支持枠の開口部は、単結晶Si基板をエッチングマ
スクによって被覆してから、この単結晶Si基板をエッ
チングすることによって形成され、このエッチングマス
クが四角形であり、このエッチングマスクによって被覆
された単結晶Si基板の表面とは垂直な{100}面に
沿って、この四角形の4つの辺が存在している。
【0036】ここでは、支持枠の開口部がやや小さく、
上記エッチングマスクを形作る八角形の{110}面に
沿う4つの辺の長さAが0(A=0)であることを前提
としており、この請求項8に記載の条件のもとに、単結
晶Si基板をエッチングすると、支持枠の開口部とし
て、八角形のものを得ることができる。
【0037】請求項9に記載の様に、単結晶Si基板を
エッチングする以前に、この単結晶Si基板に可撓性部
材を積層しておき、この後に、可撓性部材をエッチング
せずに、単結晶Si基板をエッチングして、支持枠の開
口部を形成しても良い。
【0038】これによって、支持枠と可撓性部材を同時
に形成することができる。また、単結晶Si基板に積層
される可撓性部材を平面状に形成することができ、エッ
チングを終了した後には、支持枠の開口部で、可撓性部
材の反射面を平面に保持することができる。
【0039】請求項10に記載の様に、エッチングマス
クを形作る四角形は、正方形であるのが良い。
【0040】より好ましくは、請求項11に記載の様
に、支持枠の厚みをTとし、この支持枠の開口部を形作
る八角形の各辺の長さの平均値をLとし、L=2*T*
(1/tan(54.7°)+√(2))とすると、エッ
チングマスクを形作る正方形の一辺の長さCを次式
(3)で表す。 C=4*T*(1/tan(54.7°)+√(2))±6% …(3) この場合は、支持枠の開口部を形作る八角形が正八角形
となる。
【0041】更に、請求項12に記載の製造方法におい
ては、支持枠の開口部は、単結晶Si基板をエッチング
マスクによって被覆してから、この単結晶Si基板をエ
ッチングすることによって形成され、このエッチングマ
スクは、四角形の領域と、この四角形の領域の各角から
放射状に延びるそれぞれのくさび形領域からなる形状を
有し、相互に対向する各くさび形領域の頂点を結ぶ一対
の線が該エッチングマスクによって被覆された単結晶S
i基板の表面とは垂直な{110}面に沿って存在し、
四角形の領域の各辺が該エッチングマスクによって被覆
された単結晶Si基板の表面とは垂直な{100}面に
沿って存在する。
【0042】ここでは、支持枠の開口部が非常に小さい
ことを前提としており、この請求項10に記載の条件の
もとに、単結晶Si基板をエッチングすると、支持枠の
開口部として、八角形のものを得ることができる。
【0043】請求項13に記載の様に、単結晶Si基板
をエッチングする以前に、この単結晶Si基板に可撓性
部材を積層しておき、この後に、可撓性部材をエッチン
グせずに、単結晶Si基板をエッチングして、支持枠の
開口部を形成しても良い。
【0044】これによって、支持枠と可撓性部材を同時
に形成することができる。また、単結晶Si基板に積層
される可撓性部材を平面状に形成することができ、支持
枠の開口部で、可撓性部材の反射面を平面に保持するこ
とができる。
【0045】好ましくは、請求項14に記載の様に、支
持枠の厚みをTとし、この支持枠の開口部を形作る八角
形の各辺の長さの平均値をLとし、L<2*T*(1/
tan(54.7°)+√(2))とすると、エッチング
マスクの形状における相互に対向する各くさび形領域の
頂点を結ぶの線の長さD、四角形の領域の各辺の離間距
離E、及び四角形の領域の各辺上での各くさび形領域間
の距離Fを次式(4)、(5)及び(6)で表す。 D=L*(1+√(2))+2*T/tan(54.7°)±6% …(4) E=L*(1+√(2))−2*T±6% …(5) F=L …(6) この場合は、支持枠の開口部を形作る八角形が正八角形
となる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付
図面を参照して説明する。図1乃至図4は、この発明の
変形可能ミラーの第1実施形態を示している。図1は、
この第1実施形態の変形可能ミラーを示す平面図、図2
は、図1のX−X線に沿って破断した変形可能ミラーを
示す断面図、図3は、図1の変形可能ミラーを示す底面
図、図4は、図1の変形可能ミラーを分解して示す分解
斜視図である。
【0047】この変形可能ミラー1は、シリコン基板5
0、このシリコン基板50の裏面側に取り付けられた可
撓性部材2、及びその下方に配置された参照面基板6を
有している。シリコン基板50は、その内側が八角形に
開口された開口部53を有しており、この開口部53の
中心は、図1上でシリコン基板50の形状中心から左側
に少し偏位している。
【0048】可撓性部材2は、図4に示すように、開口
部53よりも少し大きな正方形をなし、その外周縁部が
シリコン基板50の平坦な支持面に固着されている。よ
り具体的には、この可撓性部材2の外周縁部をシリコン
熱酸化膜51aを介してシリコン基板50の支持面に固
着している。また、この可撓性部材2は、引張応力を加
えられ、平坦となった状態で、シリコン基板50に固着
されている。
【0049】この可撓性部材2は、開口部53の内側で
変形可能であるため、この可撓性部材2の変形可能な領
域が開口部53と同じく八角形となる。
【0050】ここで、図2に示すように、可撓性部材2
は上部電極層8とその上に積層された反射膜10で構成
されている。上部電極層8は、例えば8μm程度の厚み
を有するNi膜で作製されている。また、反射膜10
は、例えば1μm程度の厚みを有するAu、Al等の薄
膜で作製されている。
【0051】なお、反射膜10を無くして上部電極層8
の表面をそのまま反射面として利用することも可能であ
る。この場合は、部品点数を削減でき、製造コストの低
減に寄与できる利点がある。
【0052】参照面基板6は、図4に示すように円筒状
をなし、例えばガラスモールド法で作製されている。参
照面基板6では、可撓性部材2と対向する側に、下部電
極層12、配線部55、配線パッド56及びスペーサ層
54を形成し、これらの上に絶縁層9を形成している
(図2を参照)。下部電極層12、配線部55及び配線
パッド56は連続している。
【0053】図2に示すように、参照面基板6の表側外
周の支持面は平坦になっており、その内側に凹凸面(曲
面部)3を形成し、ここに下部電極層12を形成してい
る。また、平坦になった支持面の外周端には面取り部5
9を設け、支持面に配線部55を形成し、面取り部59
に配線パッド56を形成している。この面取り部59に
は絶縁層9を設けていない。従って、面取り部59上の
配線パッド56には絶縁層9が付着していない(図2参
照)。
【0054】下部電極層12とスペーサ層54は、例え
ば0.1μm程度の厚みを有するAlで作製され、絶縁
層9は、例えば0.5μm程度の厚みを有する酸化シリ
コンで作製されている。
【0055】ここで、配線パッド56は、下部電極層1
2へ電圧を印加するための配線部55と後述する下部電
極用パッド58とを電気的に接続するために設けられて
いる。なお、配線部55及び配線パッド56は下部電極
層12と同じ厚み・材料で形成されている。
【0056】シリコン基板50と参照面基板6は、シリ
コン基板50側の上部電極層8と参照面基板6側の下部
電極層12が互いに対向するように接着剤で接着されて
いる(図2参照)。より具体的には、平坦な支持面同士
を密着して接着している。可撓性部材2は、スペーサ5
4上の絶縁層9の上面と、配線部55上の絶縁層9の上
面で同じ高さで接触し、平面性を維持する。
【0057】前記接着剤には、例えば導電性のエポキシ
系接着剤が用いられ、図2に示すように接着剤57aと
接着剤57bによって、シリコン基板50と参照面基板
6が相互に固定される。また、図2に示すように、接着
剤57aは、参照面基板6の面取り部59上の配線パッ
ド56と、シリコン基板50の裏面上に熱酸化膜51a
を介して設けられた下部電極用パッド58とを電気的に
接続する機能も兼ねている。
【0058】参照面基板6の面取り部59は、シリコン
基板50と参照面基板6が接着された時に配線パッド5
6を外部に露出させるとともに、接着剤57a、57b
がこの面取り部59に入り込むことにより、接着の信頼
性を向上させ、かつ配線パッド56と下部電極用パッド
58との電気的な接続を確実にする機能を有する。
【0059】可撓性部材2の露出部分2b(図3参照)
と下部電極用パッド58は、例えば半田等により駆動回
路7に接続されている。この駆動回路7は、可撓性部材
2の露出部分2bと下部電極層12との間に電圧を印加
したり、印加を中止したりする。
【0060】具体的には、可撓性部材2の反射膜10に
入射する光ビームに収差を与えることなく反射させる場
合には、駆動回路7は電圧を印加しない。この結果、可
撓性部材2は、その反射膜10を平坦のまま維持し、入
射してくる光ビームに収差を与えず、そのまま反射す
る。これに対して、入射する光ビームに収差を与えると
きは、駆動回路7は、上部電極層8と下部電極層12の
間に電圧を印加する。これにより、上部電極層8と下部
電極層12間には、静電応力が作用し、可撓性部材2
は、凹凸面3に吸着して、その反射膜10を変形させ、
入射してくる光ビームに所定の収差を与える。
【0061】図5は、図1の変形可能ミラーを適用した
光学装置の一例を示している。この光学装置は、相互に
異なる厚みの2種類の光ディスクに対して記録及び再生
を行うものである。
【0062】なお、ここではディスク厚みが0.6mm
(例えば、DVD)とl.2mm(例えば、CD)の2
種類の光ディスクに対応できる光学装置を例にとって説
明する。
【0063】光ピックアップの光源である光源(半導体
レーザー)500は、光ビーム504を出射する。この
光ビーム504は、コリメータレンズ502、ビームス
プリッター503、4分の1波長板505を通過して、
ビームスプリッター506に到達する。続いて、このビ
ーム504は直進してビームスプリッター506及び4
分の1波長板507を通過し、変形可能ミラー1に達す
る。
【0064】そして、この変形可能ミラー1で反射され
た光が、4分の1波長板507を通過し、ビームスプリ
ッター506で反射され、この反射光が対物レンズ50
8に入射する。そして、この光ビームは、光ディスク5
09に集光する。この対物レンズ508は、ディスクの
厚みが0.6mmの光ディスクに対応するようにその焦
点距離、開口数(NA)等が設定されている。
【0065】この光学装置では、厚みが1.2mmの光
ディスクと、厚みが0.6mmの2種類の光ディスクの
いずれに対しても、正確な記録再生動作が可能になって
いる。これは、装着された光ディスク509の厚みに応
じて、変形可能ミラー1の状態を変化させることにより
実現される。即ち、変形可能ミラー1の可撓性部材2の
形状を変化させ、これにより対物レンズ508から出射
された光ビームの集光スポットを変位させ、この集光ス
ポットを駆動用モータ517に支持された光ディスク5
09に合致させている。
【0066】より具体的には、ディスクの厚みが1.2
mmのときに、変形可能ミラー1の可撓性部材2を変形
させて、対物レンズ508の入射光に収差を与え、これ
によって対物レンズ508からの光ビームの集光スポッ
トを光ディスク509に合致させ、この状態で光ディス
ク509の記録再生動作を行うている。
【0067】また、ディスク厚みが0.6mmのとき
に、変形可能ミラー1の可撓性部材2を変形させず、平
面ミラ一を形成し、対物レンズ508の入射光に収差を
与えず、これによって対物レンズ508からの光ビーム
の集光スポットを光ディスク509に合致させ、この状
態で光ディスク509の記録再生動作を行っている。
【0068】従って、変形可能ミラー1の可撓性部材2
を変形させる前提として、光ディスク509の厚みを検
知する必要がある。この厚み検知は、光ディスク509
の上側に設けられた厚み検知装置(基板厚み検知装置)
515により行われる。
【0069】この厚み検知装置515は、例えば図6に
示すように構成されており、光源600の光ビーム60
2を光ディスク509に向けて出射する。光ディスク5
09の表面で反射された反射光は、光ディスク509の
厚みが0.6mmの場合は光路604を経て光位置検出
器601に入射する。同様に、光ディスク509の厚み
が1.2mmの場合は、光路603を経て光位置検出器
601に入射する。この反射光の位置を光位置検出器6
01で検出すれば、光ディスク509の厚みを検知でき
る。この検知結果、つまり光ディスクの厚み情報は、シ
ステム制御装置516に報じられ、これを受けたシステ
ム制御装置516は以下のようにして変形可能ミラー1
を変形させる。
【0070】システム制御装置516は、光ディスク5
09のディスク厚みが0.6mmのときには、収差補償
を行う必要がないので、駆動回路7を駆動しない。この
場合には、変形可能ミラー1の可撓性部材2は変形せ
ず、その反射膜10が平面ミラーとして機能する。
【0071】また、ディスク厚みが1.2mmのときに
は、システム制御装置516は、駆動回路7を駆動し
て、変形可能ミラー1の可撓性部材2を参照面基板6の
凹凸面3に吸着させ、この可撓性部材2を変形させる。
これにより、変形可能ミラー1によって反射されてた光
ビームには所定の収差が与えられ、対物レンズ508か
らの光ビームの集光スポットが厚み1.2mmの光ディ
スク509に合致する。
【0072】なお、ここでは、厚みが1.2mmの光デ
ィスクの場合に変形可能ミラー1を変形させて収差補償
しているが、逆に厚みが0.6mmの光ディスク509
の場合に変形可能ミラー1を変形させることも可能であ
る。
【0073】但し、厚みが0.6mmの光ディスク50
9は記録容量が大きいため、厚みがl.2mmのCD等
の光ディスクを再生する場合よりも、使用する光学部品
に高い精度が要求される。発明者等のシミュレーション
の結果によれば、厚みが1.2mmのディスクを記録再
生するときに、光ビームに収差を与えた方が光学部品の
精度が緩くて済むことが確認された。従って、変形可能
ミラー1の反射膜10が平面ミラーとなっているとき
に、厚みが0.6mmの光ディスク509を記録再生
し、変形可能ミラー1の可撓性部材2を変形させたとき
に、厚みが1.2mmの光ディスク509を記録再生す
る方が実施する上で好ましいものになる。
【0074】次に、図7を参照して、変形可能ミラー1
の反射面(可撓性部材2の反射膜10)を所定形状に変
形させるための参照面基板6の凹凸面3の具体的な断面
形状(曲面形状)について説明する。
【0075】この凹凸面3の断面形状は、この凹凸面3
の断面形状に倣って変形する可撓性部材2の反射面が上
述した所定の収差を発生するものであれば良い。
【0076】図7は、所定の収差を発生する凹凸面3の
断面形状をシミュレーションで求めた結果を示す。変形
可能ミラー1の反射膜10が平面ミラーとして作用する
ときには、深さd=0(μm)の位置に沿った伏態であ
り、収差を補償するミラーとして作用するときには、反
射膜10が各曲線で示すような凹凸面3に沿った断面形
状に沿う。この凹凸面3の断面形状は、その中心を通る
軸に対して軸対称となる。
【0077】ここで、本来は、変形可能ミラーの反射面
が軸対称に変形し得る様に、この反射面を円形にするこ
とが望ましい。一方、上記光学装置に適用される変形可
能ミラーとして、全体の直径が10mm以下、望ましく
は5mm程度のものが適当であり、これに伴いシリコン
基板50の開口部53としては、その直径が8mm、望
ましくは4〜3mm程度が適当である。この様にシリコ
ン基板50の開口部53を小さく良好な精度で円形に加
工するならば、次の様な3つの加工方法がある。
【0078】(1)放電加工等による精密機械加工 (2)ウェットエッチング (3)ドライエッチング しかしながら、これらの加工方法には、次の様な各問題
点がある。
【0079】上記(1)の場合、大量生産に向かない。
また、変形可能ミラーが平面ミラーとして働くときに、
安定性を向上させるため、可撓性部材2に一定のテンシ
ョンを加えておく必要があるものの、テンションを加え
つつ、この可撓性部材2を保持して固着することが困難
である。
【0080】上記(2)の場合、円形の開口部を形成す
ることができない。すなわち、シリコン基板50は、可
撓性部材2を支持するという目的のため、ある程度の強
度を要する。開口部53周辺の寸法を大きくすれば良い
が、変形可能ミラーの直径が前述のように制限される。
このため、シリコン基板50にある程度の厚みを持たせ
ることにより、強度を確保する必要がある。その厚み
は、通常0.3〜1mm程度である。この場合、ウェッ
トエッチングではサイドエッチングが入るため基本的に
前述の寸法の開口部50を得ることは不可能である。
【0081】上記(3)の場合、単結晶Si基板をシリ
コン基板50に用いて、トレンチエッチングを行えば不
可能ではない。しかしながら、量産技術として現時点で
未確立であるうえ、装置が高価で生産性もよくない。即
ち、生産コストが高くついてしまう。
【0082】そこで、後に述べるこの発明の製造方法の
一実施形態では、バルクマイクロマシニングと呼ばれる
結晶方位依存性を利用した異方性ウェットエッチングを
適用して、シリコン基板50の開口部53を形成する。
【0083】この異方性ウェットエッチングには、例え
ば(100)面、(110)面の単結晶Si基板や、水
晶基板等を用いる。ただし、結晶面に応じて異なるエッ
チング速度でエッチングを行う異方性ウェットエッチン
グであるため、円形の貫通口は得られず、通常、単結晶
Si基板401には、図8(a)に示す様な四角形の開
口部402が形成される。なお、図8(b)のハッチン
グ領域は、四角形の開口部402を形成するためのエッ
チングマスクの平面視形状を示し、図8(c)のハッチ
ング領域は、四角形の開口部402を形成したときの変
形可能ミラーの平面視形状を示す。
【0084】仮に、シリコン基板50の開口部が四角形
の場合は、可撓性部材2が接触する参照面基板6の凹凸
面3が円形であるので、この可撓性部材2の変形時、応
カ分布や変位量の分布が発生してしまう。また、シリコ
ン基板50の強度の観点からも問題がある。さらには、
開口部の面積が大きくなり、可撓性部材2の変形分部の
面積が大きくなるので、この可撓性部材2の反射面を平
面ミラーとして使用するときに、この反射面の安定性に
問題がある。
【0085】したがって、異方性ウェットエッチングを
適用するにしても、シリコン基板50の開口部の形状と
して、四角形を採用することはできず、この発明の変形
可能ミラーの様に、シリコン基板50の開口部53の形
状として、八角形を実現せねばならない。
【0086】図9(a)は、単結晶Si基板からなるシ
リコン基板50を示す。このシリコン基板50は、前述
の四角形の開口部を有するものと同様に、結晶方位依存
性を利用した異方性ウェットエッチングを適用して製造
したものである。前述の四角形の開口部を有するものの
場合、エッチングによって、エッチングレートの最も遅
い面を出現させているのに対し、シリコン基板50の開
口部53が八角形の場合は、エッチングレートの最も遅
い面と2番目に遅い面を出現させて多角形化を図り、平
面形状をより円形に近づけており、これによって四角形
の開口部について発生した問題点を解決している。
【0087】また、シリコン基板50の開口部53を八
角形にすることにより、可撓性部材2を支持するシリコ
ン基板50の支持部分が大きくなり、このシリコン基板
50の強度が増す。更に、可撓性部材2の変形分部の面
積が小さくなるので、この可撓性部材2の反射面を平面
ミラーとして使用するときには、この反射面の安定性が
増す。
【0088】図10(a)は、開口部が四角形の場合
に、可撓性部材2を同図(c)に示す様な深さ5μm程
度の参照面基板6の凹凸面3に強制的に接触させたとき
の該可撓性部材2の変位の状態を示し、また図10
(b)は、開口部が八角形の場合に、可撓性部材2を同
図(c)に示す様な参照面基板6の凹凸面3に強制的に
接触させたときの該可撓性部材2の変位の状態を示す。
【0089】これらの図10(a),(b)を比較すれ
ば明らかな様に、開口部が四角形の場合は、可撓性部材
2が円状に変形しないものの、開口部が八角形の場合
は、可撓性部材2が円状に変形する。
【0090】なお、可撓性部材2の変位の状態は、FE
M(Finit ElementMethod)のシミ
ュレーションで求めたものである。また、図示はされて
いないが、可撓性部材2に作用する応カの分布も同様の
傾向を示す。
【0091】次に、この発明の製造方法の一実施形態で
あって、図1のシリコン基板50を製造するための方法
を図11を参照しつつ説明する。このシリコン基板50
は、図11(a)に示す様な{100}面(通常(10
0)面)、及び[100]方位(通常<011>方位)
のオリエンテーションフラットを有する単結晶Si基板
71を用いる。この単結晶Si基板71の厚みは、0.
3〜1mm程度がよい。
【0092】図11(b)に示す様に、この単結晶Si
基板71を酸化して、エッチングマスクとなる各SiO
2層51a、51bを形成する。
【0093】なお、後述する異方性ウェットエッチング
の精度を向上させるため、エッチャントによる選択性の
良いSi34層を減圧CVDによって形成し、これをエ
ッチングマスクとして使用するとより好ましい。
【0094】次に、図11(c)に示す様に、フォトリ
ソグラフィーとRIEによって、単結晶Si基板71の
裏面、つまり可撓性部材2を形成する表面とは反対側の
裏面に形成されたSiO2層51bをパターニングし、
開口部53を形成するためのエッチングマスク60を形
成する。
【0095】次に、図11(d)に示す様に、単結晶S
i基板71の表面に、例えばTa,Cr,Nb等の密着
層61をスパッタ法やEB蒸着法で形成し、この後に、
可撓性部材2を後述する電気メッキ法で形成するための
シード層62を形成する。通常、密着層61とシード層
62は連続的に成膜される。
【0096】次に、図11(e)に示す様に、電気メッ
キ法によって、可撓性部材2の基材となる例えば8μm
厚のNi層63を形成する。
【0097】次に、図11(f)に示す様に、静電力に
よって駆動される可撓性部材2に電圧を印加するための
上部電極58等をパターニングする。
【0098】なお、この実施形態では、電気メッキ法を
用いているが、無電界メッキ法を用いても良いし、また
単結晶Si基板71の表面にP型不純物のドーピングを
行い、エッチストップとなる層を形成して、後に形成さ
れる可撓性部材2のエッチングを阻止しても良い。
【0099】次に、図11(g)に示す様に、例えは4
0wt%、60℃のKOH水溶液を用いて、単結晶Si
基板71に対して異方性ウェットエッチングを行った
後、SiO251aの不要な部分を例えばRIE等で除
去してシリコン基板50並びに開口部53を形成する。
これに伴い、密着層61、シード層62及びNi層63
の一部分が可撓性部材2となって、この可撓性部材2が
開口部53で平面状に保持される。
【0100】この際、図9(a)に示す様に、エッチン
グによって{111}面が第1番目に出現して、この
{111}面が単結晶Si基板71の(100)面に対
して54.7°の角度をなす。また、(010)面及び
(001)面が第2番目に出現して、これらの(01
0)面及び(001)面が(100)面に対して直角と
なる。
【0101】{111}面のエッチングレートは、非常
に小さくエッチングマスク60に略忠実に現れる。ま
た、(010)面及び(001)面は、エッチングマス
ク60によって被覆されている単結晶Si基板71の
(100)面と同一方位であるから、この(100)面
と同一のエッチングレートでエッチングされる。
【0102】エッチングマスク60の寸法並びに形状を
適宜に設定すれば、開口部53が貫通した時点での、
(010)面及び(001)面の寸法をコントロールす
ることが可能となる。また、{111}面と、(01
0)面及び(001)面は、(100)面に射影して平
面的に見ると、相互に45°(135°)の角度をな
す。このことを利用すれば、{111}、{100}両
面によって、八角形の開口部53を形成することがで
き、さらに精度をあげれば正八角形の開口部53が得ら
れる。
【0103】なお、以上で変形可能ミラーのシリコン基
板50及び可撓性部材2は完成するが、必要に応じて、
図11(h)に示す様に、可撓性部材2の表面ににA
l,Au等の反射膜10を成膜すると良い。
【0104】次に、八角形の開口部53を良好に再現す
るための、エッチングマスクの具体的な形状を述べる。
【0105】まず、仮に、先に述べた図8(a)の四角
形の開口部402の場合は、(100)面、<011>
方位のオリエンテーションフラットを有する単結晶Si
基板401を適用し、オリエンテーションフラットに対
して水平及び垂直な各辺からなる四角形のエッチングマ
スクによって該単結晶Si基板401をマスクしてか
ら、この単結晶Si基板401をパターニングする。こ
のエッチングマスクによって、(111)面及び(1−
1−1)面がオリエンテーションフラットの(011)
面に対して水平に現れ、また(1−11)面及び(11
−1)面が(011)面に対して垂直に現れる。{11
1}面は、単結晶Si基板401の(100)面に対し
て54.7°でそれぞれ交わるが、(100)面に射影
して平面的に見た形状は、表面から見ても、裏面から見
ても、 図8(b)及び(c)から明らかな様に、四角
形となる。
【0106】一方、この発明の八角形の開口部53の場
合は、先にも述べた様に単結晶Si基板71の<011
>方位のオリエンテーションフラットに対しては45°
をなし、単結晶Si基板51の表面である(100)面
に対しては垂直な4つの{100}面と、先の{11
1}面を出現させて組み合わせる。
【0107】上記実施形態の製造方法においては、エッ
チングマスクのSiO2層51a(又はSi34層)及び
単結晶Si基板71の{111}面のエッチングレート
は、開口部53が貫通する(100)面のエッチングレ
ートの200〜400分の1以下である。八角形の開口
部53を形成するには、{111}面と共に、(01
0)面及び(001)面を出現させる。これらの(01
0)面及び(001)面は、(100)面と同じく、約
20μm/時間のエッチングレートでエッチングされる
が、それでも他の高次の面、例えば{110}面や{2
10}面等よりはエッチングレートが遅い。
【0108】そこで、図12(a)に示す様なハッチン
グ領域を覆うエッチングマスク60を形成してからエッ
チングを行う。このエッチングマスク60の形状によっ
て、{111}面が出現するまでは、(010)面及び
(001)面が優先して出現され、オーバーエッチング
がかなり進み、この結果として開口部53が八角形とな
る。
【0109】以上の原理で八角形の開口部53を形成す
るので、八角形を構成する{111}面、(010)面
及び(001)面がエッチングマスク60の形状や寸法
をそのまま反映するわけでなく、このためエッチングマ
スク60の形状や寸法を適宜調整する必要がある。
【0110】次に、エッチングマスク60に対するシリ
コン基板50の開口部53の形状並びに寸法を図9
(b)及び(c)を参照して説明する。図9(b)は、
図9(a)のX1−X1’に沿う断面を示し、図9(c)
は、図9(a)のX2−X2’に沿う断面を示す。
【0111】図9(b)に示す様に、(010)面及び
(001)面については、シリコン基板50の厚さを
T、エッチングによるサイドエッチ(アンダーカット)
量をWとすると、サイドエッチ量Wはシリコン基板50
の厚さTに略相当する。よって、W=Tとなり、開口部
53を形作る八角形の対向する各辺間の離間距離がエッ
チングマスク60を形作る各辺間の離間距離よりも2*
T分だけ大きくなる。
【0112】また、図9(c)に示す様に、{111}
面については、面がエッチングマスク60の内側に出て
しまう。その量をVとすると、V=T/tan(54.7
°)となる。開口部53を形作る八角形の対向する各辺
間の離間距離は、エッチングマスク60を形作る各辺間
の離間距離よりも2*T/tan(54.7°)だけ小さ
くなる。
【0113】図12は、開口部53を形作る八角形とエ
ッチングマスク60を判り易く示すものであり、シリコ
ン基板50を裏面側から見て示す概略斜視図である。図
12(a)のハッチング領域は、エッチングマスク60
の形状を示し、図12(b)のハッチング領域は、変形
可能ミラーの平面形状を示し、図12(c)のハッチン
グ領域は、開口部53の裏面側の形状を示す。この開口
部53の形状を単結晶Si基板51の(100)面に射
影して平面的に見ると、図12(b)に示す様な八角形
となる。
【0114】次に、エッチングマスク60と、シリコン
基板50の開口部53を平面的にみたときの形状並びに
寸法の関係について、図13を参照して説明する。
【0115】これまでに述べてきた様に、シリコン基板
50の開口部53を八角形にするためには、エッチング
マスク60を八角形とし、このエッチングマスク60の
4つの辺をシリコン基板50(単結晶Si基板71)の
{110}に沿わせ、残りの他の4つの辺をシリコン基
板50の{100}面に沿わせれば良い。
【0116】また、開口部53を正八角形に近づけるた
めには、エッチングマスク60の各辺のうちの対向する
もの同士の長さを等しくする。つまり、<011>方位
のオリエンテーションフラットに対して水平あるいは垂
直なエッチングマスク60の各辺の長さを等しくし、<
011>方位のオリエンテーションフラットに対して4
5°をなす各辺も長さを等しくする。
【0117】ここで、<011>方位のオリエンテーシ
ョンフラットに対して水平あるいは垂直なエッチングマ
スク60の各辺の長さをAとし、<011>方位のオリ
エンテーションフラットに対して45°をなす各辺の長
さをBとする。また、開口部53を(100)面に射影
して平面的にみたときの八角形の各辺については、<0
11>方位のオリエンテーションフラットに対して水平
あるいは垂直な各辺の長さをL1とし、<011>方位
のオリエンテーションフラットに対して45°をなす各
辺の長さをL2とする。更に、先に述べたことから明ら
かな様に、長さL1の各辺の離間距離が長さAの各辺間
の離間距離よりも2*T/tan(54.7°)だけ小さ
く、長さL2の各辺の離間距離が長さBの各辺間の離間
距離よりも2*T分だけ大きくなる。
【0118】これらの関係から、エッチングマスク60
の各辺の長さA及びBは、次の各式(7)及び(8)に
よって表される。 A=L1−2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) ) …(7) B=L2+2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) ) …(8) 開口部53を略正八角形に近づけるためには、A<Bで
あって、かつL1=L2=L、L=(L1+L2)/2Lで
ある。したがって、上記各式(7)及び(8)から次の
各(9)及び(10)が導かれる。
【0119】 A=L−2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) ) …(9) B=L+2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) ) …(10) これらの式(9)及び(10)から、各辺の長さA及び
Bを求めて、これらの辺からなるエッチングマスク60
を採用して、シリコン基板50の開口部53を形成すれ
ば、この開口部53を略正八角形にすることができる。
【0120】ただし、シリコン基板50の開口部53を
正八角形に成形することが極めて困難なため、略正八角
形と表現せざるを得ない。その理由としては、シリコン
基板50の{111}面はほとんど後退しないが、{1
00}面はオーバーエッチング等で、約20μm/時間
の割合で後退するので、シリコン基板50の開口部53
の各辺の長さの誤差を避け難いと言うこと、またエッチ
ングマスク60を高精度で単結晶Si基板71上にアラ
イメントするのは困難であって、若干のずれが生ずると
言うこと、更には単結晶Si基板71の厚みも規格に対
して多少のばらつきを有すると言うこと等がある。
【0121】実際に試作すると、前者の2つの理由によ
るばらつきが約3%、後者の1つの理由によるばらつき
が3%で、計6%のばらつきがあることが判明した。し
たがって、シリコン基板50の開口部53の形状とし
て、完全な正八角形を実現するには、これらのばらつき
を考慮したうえで、逆算を行い、次の各式(1)及び
(2)に基づいて、エッチングマスク60の各辺の長さ
A及びBを設定する必要がある。 A=L−2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) )±6% …(1) B=L+2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) )±6% …(2) 図14は、この発明の製造方法の第2実施形態における
エッチングマスクの概略形状を示している。
【0122】この第2実施形態では、変形可能ミラーの
小型化に伴って、シリコン基板50及び開口部53を小
型化する場合を想定している。
【0123】これに対して、第1実施形態の変形可能ミ
ラーにおいては、変形可能ミラーが比較的大きく、単結
晶Si基板71のエッチングに用いられるエッチングマ
スク60が八角形であって、長さAの4つの辺と、長さ
Bの4つの辺が存在し、A>0と言う条件を満たしてい
る。このA>0と言う条件を上記式(1)に代入すれ
ば、次の式(11)を求めることができ、エッチングマ
スク60が八角形である限り、この式(11)を満たさ
なければ、シリコン基板50の開口部53を八角形に形
成することはできない。 L>2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) ) …(11) ところが、シリコン基板50の開口部53が小さくな
り、これに伴ってエッチングマスクも小さくなると、A
=0となるので、エッチングマスクの形状は、八角形で
なく、図14に示す様な四角形のエッチングマスク81
となる。
【0124】このエッチングマスク81によって単結晶
Si基板71を被覆し、この単結晶Si基板71をエッ
チングした場合、エッチングマスク81を形作る四角形
の頂点から、{111}面が出現し、この四角形の各辺
から{100}面が出現する。
【0125】したがって、エッチングマスク81形作る
四角形の各辺は、単結晶Si基板71の表面である(1
00)面に対して垂直な{100}面上に沿って存在す
る必要がある。
【0126】この様にエッチングマスク81の四角形の
各辺の方向を決めた場合、エッチングマスク81の四角
形は長方形となる。但し、この長方形の隣り合う辺の長
さが異なると、図14に示す開口部53を形作る八角形
の各辺91,95と93,97、及び90,94と9
2,96の長さが異なってしまう。より正八角形に近づ
けるには、この長方形の各辺の長さが等しい、つまり正
方形であらねばならない。
【0127】ここで、上記式(1)にA=0を代入する
と、次の式(12)が導かれる。 L=2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) ) …(12) 更に、この式(12)を上記式(2)に代入し、B=C
と置き換えると、次の式(13)が導かれる。
【0128】 C=4*T*(1/tan(54.7°)+√(2)) …(13) この式(13)によって求められるCは、エッチングマ
スク81の正方形の一辺の長さであり、この正方形のエ
ッチングマスク81によって単結晶Si基板71を被覆
し、この単結晶Si基板71をエッチングすると、シリ
コン基板50の開口部53が略正八角形となり、この略
正八角形の各辺の長さがLとなる。
【0129】ここで、第1実施形態のエッチングマスク
60と同様に、6%のばらつきを考慮して、シリコン基
板50の開口部53を完全に正八角形とするには、これ
らのばらつきを考慮したうえで、逆算を行い、次の
(3)に基づいて、エッチングマスク81の各辺の長さ
A及びBを設定する必要がある。 C=4*T*(1/tan(54.7°)+√(2))±6% …(3) 図15は、この発明の製造方法の第3実施形態における
エッチングマスクの概略形状を示している。
【0130】この第3実施形態では、変形可能ミラーの
更なる小型化に伴って、シリコン基板50及び開口部5
3を更に小型化する場合を想定している。
【0131】これに対して、第2実施形態の変形可能ミ
ラーにおいては、上記式(12)の条件を満たすことを
前提としており、この条件が満たされず、次の式(1
4)が成立するとき、つまり単結晶Si基板71の厚さ
Tと比較して、シリコン基板50の開口部53形作る八
角形の一辺の長さLが短く、小さな八角形のときには、
八角形を作成することができても、図16(a),
(b)に示す様にエッチングマスク81形作る四角形の
頂点から開口部53形作る八角形の一辺までの距離V、
及びエッチングマスク81を形作る四角形の一辺から開
口部53を形作る八角形の一辺までの距離Wを別々に調
整することができず、どうしても開口部53を形作る八
角形の各辺の長さL1,L2の関係がL1>L2となってし
まうため、正八角形を形作ることはできない。
【0132】 L<2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) ) …(14) ところで、図9(b),(c)の先の説明からも明らか
な様に、シリコン基板50の{111}面はエッチング
マスクパターンより小さくなり、{100}面はエッチ
ングマスクパターンより大きくなる(サイドエッチング
が入る)。そこで、エッチング完了後の八角形の形状よ
り逆算し、{111}面が小さくなる分だけ、この{1
11}面にサイドエッチングが入る様に、四角形のエッ
チングマスクを予め変形させると、この結果として、図
15に示す形状のエッチングマスク82が得られる。こ
のエッチングマスク82を用いれば、シリコン基板50
の開口部53を略正八角形に形成することができる。
【0133】このエッチングマスク82の形状は、四角
形の領域83と、この四角形の領域83の各角から放射
状に延びるそれぞれのくさび形領域84からなる形状を
有している。相互に対向する各くさび形領域84の頂点
を結ぶ一対の線が単結晶Si基板71の表面とは垂直な
{110}面に沿って存在し、四角形の領域83の各辺
が単結晶Si基板の表面とは垂直な{100}面に沿っ
て存在する様に、このエッチングマスク82によって単
結晶Si基板71を被覆し、この単結晶Si基板71を
エッチングする。これによって、単結晶Si基板71の
厚さTと比較して、シリコン基板50の開口部53を形
作る八角形の一辺の長さLが短く、小さな八角形のとき
でも、この八角形を略正八角形に近づけることができ
る。
【0134】さらに、シリコン基板50の開口部53を
より正八角形に近づけるには、エッチングマスク82の
相互に対向する各くさび形領域84の頂点を結ぶ一対の
線の長さをD、四角形の領域83の各辺の離間距離を
E、及び四角形の領域83の各辺上での各くさび形領域
84間の距離をFとすると、次の各式(15)、(1
6)及び(17)を満たせば良い。
【0135】 D=L*(1+√(2))+2*T/tan(54.7°) …(15) E=L*(1+√(2))−2*T …(16) F=L …(17) ここで、第1実施形態のエッチングマスク60と同様
に、6%のばらつきを考慮して、シリコン基板50の開
口部53を完全に正八角形とするには、これらのばらつ
きを考慮したうえで、逆算を行い、次の各式(4)、
(5)及び(6)に基づいて、D,E,Fを設定する必
要がある。 D=L*(1+√(2))+2*T/tan(54.7°)±6% …(4) E=L*(1+√(2))−2*T±6% …(5) F=L …(6)
【0136】
【発明の効果】以上説明した様に、この発明によれば、
曲面部の断面形状に倣って可撓性部材の反射面が変形す
る。このため、曲面部の形状精度を高く維持しておけ
ば、反射面の変形形状を精度よく決定することができ、
収差補正を精度よく行うことができる。
【0137】また、可撓性部材の外周縁部を縁取る支持
枠内側の開口部を八角形に形成しているので、変形時に
は、この可撓性部材に加わる応力を該可撓性部材の全体
に略均等に分布させることができ、この可撓性部材の変
形性が向上し、かつ、その寿命が向上する。また、無変
形時に、この可撓性部材の反射面を平面に保持し易く、
この状態を安定に持続することができる。この支持枠内
側の開口部の形状としては、正八角形が最も望ましい。
【0138】一方、曲面部の形状は、予め指定された収
差を補正できるものであれば良い。この変形可能ミラー
を搭載した光学装置においては、可撓性部材の反射面を
平面に保持し、この可撓性部材の反射面への入射光に収
差を与えない状態と、可撓性部材を参照面基板の曲面部
に吸い寄せて、この可撓性部材を弾性変形させ、この可
撓性部材の反射面への入射光に予め定められた収差を与
える状態を選択的に設定することができ、これによって
光学的に異なる複数の光を生成することができる。
【0139】請求項2に記載の様に、支持枠は、{10
0}面、及び〔110〕方位のオリエンテーションフラ
ットを有する単結晶Si基板から形成されるものが良
く、これによって、各請求項3、8及び12に記載の変
形ミラーの製造方法が可能となる。
【0140】請求項3に記載の製造方法によれば、支持
枠の開口部は、単結晶Si基板をエッチングマスクによ
って被覆してから、この単結晶Si基板をエッチングす
ることによって形成され、このエッチングマスクが八角
形であり、このエッチングマスクによって被覆された単
結晶Si基板の表面とは垂直な{110}面に沿って、
この八角形の4つの辺が存在し、このエッチングマスク
によって被覆された単結晶Si基板の表面とは垂直な
{100}面に沿って、この八角形の他の4つの辺が存
在している。
【0141】この様な条件のもとに、単結晶Si基板を
エッチングすると、支持枠の開口部として、八角形のも
のを得ることができる。
【0142】請求項4に記載の様に、単結晶Si基板を
エッチングする以前に、この単結晶Si基板に可撓性部
材を積層しておき、この後に、可撓性部材をエッチング
せずに、単結晶Si基板をエッチングして、支持枠の開
口部を形成しても良い。
【0143】これによって、支持枠と可撓性部材を同時
に形成することができる。また、単結晶Si基板の表面
を平らにしておけば、ここに積層される可撓性部材を平
面状に形成することができ、エッチングを終了した後に
は、支持枠の開口部で、可撓性部材の反射面を平面に保
持することができる。
【0144】請求項5に記載の様に、エッチングマスク
を形作る八角形の{110}面に沿う4つの辺が相互に
等しく、かつ該八角形の{100}面に沿う他の4つの
辺が相互に等しいのが良い。
【0145】これによって、支持枠の開口部を形作る八
角形の{110}面上の4つの辺が相互に等しく、かつ
該八角形の{100}面上の他の4つの辺が相互に等し
くなり、この八角形の形状が整う。
【0146】請求項6に記載の様に、エッチングマスク
を形作る八角形の{110}面に沿う4つの辺の長さを
Aとし、かつ該八角形の{100}面に沿う他の4つの
辺の長さをBとすると、A<Bであるのが良い。
【0147】これによって、支持枠の開口部を形作る八
角形を良好に再現することができる。
【0148】より好ましくは、請求項7に記載の様に、
支持枠の厚みをTとし、この支持枠の開口部を形作る八
角形の各辺の長さの平均値をLとし、L>2*T*(1
/tan(54.7°)+√(2))とすると、エッチン
グマスクを形作る八角形の各辺の長さA及びBを次式
(1)及び(2)で表す。 A=L−2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) )±6% …(1) B=L+2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) )±6% …(2) この場合は、支持枠の開口部を形作る八角形が正八角形
となる。
【0149】また、請求項8に記載の製造方法によれ
ば、支持枠の開口部は、単結晶Si基板をエッチングマ
スクによって被覆してから、この単結晶Si基板をエッ
チングすることによって形成され、このエッチングマス
クが四角形であり、このエッチングマスクによって被覆
された単結晶Si基板の表面とは垂直な{100}面に
沿って、この四角形の4つの辺が存在している。
【0150】ここでは、支持枠の開口部がやや小さく、
上記エッチングマスクを形作る八角形の{110}面に
沿う4つの辺の長さAが0(A=0)であることを前提
としており、この請求項8に記載の条件のもとに、単結
晶Si基板をエッチングすると、支持枠の開口部とし
て、八角形のものを得ることができる。
【0151】請求項9に記載の様に、単結晶Si基板を
エッチングする以前に、この単結晶Si基板に可撓性部
材を積層しておき、この後に、可撓性部材をエッチング
せずに、単結晶Si基板をエッチングして、支持枠の開
口部を形成しても良い。
【0152】これによって、支持枠と可撓性部材を同時
に形成することができる。また、単結晶Si基板に積層
される可撓性部材を平面状に形成することができ、エッ
チングを終了した後には、支持枠の開口部で、可撓性部
材の反射面を平面に保持することができる。
【0153】請求項10に記載の様に、エッチングマス
クを形作る四角形は、正方形であるのが良い。
【0154】より好ましくは、請求項11に記載の様
に、支持枠の厚みをTとし、この支持枠の開口部を形作
る八角形の各辺の長さの平均値をLとし、L=2*T*
(1/tan(54.7°)+√(2))とすると、エッ
チングマスクを形作る正方形の一辺の長さCを次式
(3)で表す。 C=4*T*(1/tan(54.7°)+√(2))±6% …(3) この場合は、支持枠の開口部を形作る八角形が正八角形
となる。
【0155】更に、請求項12に記載の製造方法によれ
ば、支持枠の開口部は、単結晶Si基板をエッチングマ
スクによって被覆してから、この単結晶Si基板をエッ
チングすることによって形成され、このエッチングマス
クは、四角形の領域と、この四角形の領域の各角から放
射状に延びるそれぞれのくさび形領域からなる形状を有
し、相互に対向する各くさび形領域の頂点を結ぶ一対の
線が該エッチングマスクによって被覆された単結晶Si
基板の表面とは垂直な{110}面に沿って存在し、四
角形の領域の各辺が該エッチングマスクによって被覆さ
れた単結晶Si基板の表面とは垂直な{100}面に沿
って存在する。
【0156】ここでは、支持枠の開口部が非常に小さい
ことを前提としており、この請求項10に記載の条件の
もとに、単結晶Si基板をエッチングすると、支持枠の
開口部として、八角形のものを得ることができる。
【0157】請求項13に記載の様に、単結晶Si基板
をエッチングする以前に、この単結晶Si基板に可撓性
部材を積層しておき、この後に、可撓性部材をエッチン
グせずに、単結晶Si基板をエッチングして、支持枠の
開口部を形成しても良い。
【0158】これによって、支持枠と可撓性部材を同時
に形成することができる。また、単結晶Si基板に積層
される可撓性部材を平面状に形成することができ、支持
枠の開口部で、可撓性部材の反射面を平面に保持するこ
とができる。
【0159】好ましくは、請求項14に記載の様に、支
持枠の厚みをTとし、この支持枠の開口部を形作る八角
形の各辺の長さの平均値をLとし、L<2*T*(1/
tan(54.7°)+√(2))とすると、エッチング
マスクの形状における相互に対向する各くさび形領域の
頂点を結ぶの線の長さをD、四角形の領域の各辺の離間
距離をE、及び四角形の領域の各辺上での各くさび形領
域間の距離をFを次式(4)、(5)及び(6)で表
す。 D=L*(1+√(2))+2*T/tan(54.7°)±6% …(4) E=L*(1+√(2))−2*T±6% …(5) F=L …(6) この場合は、支持枠の開口部を形作る八角形が正八角形
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の変形可能ミラーの第1実施形態を示
す平面図
【図2】図1のX−X線に沿って破断した変形可能ミラ
ーを示す断面図
【図3】図1の変形可能ミラーを示す底面図
【図4】図1の変形可能ミラーを分解して示す分解斜視
【図5】図1の変形可能ミラーを適用した光学装置の一
例を示すブロック図
【図6】図5における厚み検知装置を示す概略構成図
【図7】図1の変形可能ミラーの凹凸面の断面形状を示
すグラフ
【図8】(a)は四角形の開口部を形成し単結晶Si基
板を示す斜視図、(b)は該単結晶Si基板上にエッチ
ングマスクの平面視形状を示し、(c)は該単結晶Si
基板を用いて形成した変形可能ミラーの平面視形状を示
す図
【図9】(a)は図1の変形可能ミラーのシリコン基板
を示す斜視図、(b)は(a)のX1−X1’に沿う断面
を示し、(c)は(a)のX2−X2’に沿う断面を示す
【図10】(a)はシリコン基板の開口部が四角形の場
合に、可撓性部材を凹凸面に強制的に接触させたときの
該可撓性部材の変位の状態を示すグラフ、(b)は開口
部が八角形の場合に、可撓性部材を凹凸面に強制的に接
触させたときの該可撓性部材の変位の状態を示すグラ
フ、(c)は可撓性部材を凹凸面に強制的に接触させて
いる状態を示す図
【図11】図2の変形ミラーのシリコン基板を製造する
手順を示しており、(a)は単結晶Si基板を示し、
(b)はSiO2層の形成工程を示し、(c)はエッチ
ングマスクの形成工程を示し、(d)は密着層とシード
層の形成工程を示し、(e)はNi層の形成工程を示
し、(f)は上部電極等のパターニング工程を示し、
(g)は異方性ウェットエッチング工程を示し、(h)
は反射膜の成膜工程を示す図
【図12】(a)は図1の変形可能ミラーのシリコン基
板を覆うエッチングマスクの形状を示し、(b)は変形
可能ミラーの平面形状を示し、(c)はシリコン基板の
開口部の裏面側の形状を示す図
【図13】図1の変形可能ミラーのシリコン基板の開口
部とエッチングマスクの形状を示す平面図
【図14】この発明の製造方法の第2実施形態における
エッチングマスクの概略形状を示す平面図
【図15】この発明の製造方法の第3実施形態における
エッチングマスクの概略形状を示す平面図
【図16】(a)及び(b)は、エッチングマスクと開
口部の形状及び寸法の関係を示す図
【図17】従来の光ピックアップの構成を示すブロック
【図18】従来の変形可能ミラーを使用した光ピックア
ップの構成を示す図
【図19】従来の変形可能ミラーの構成を示す図
【符号の説明】
1 変形可能ミラー 2 可撓性部材 3 凹凸面 7 駆動回路 8 上部電極層 9 絶縁層 10 反射膜 12 下部電極層 50 シリコン基板 53 開口部 54 スペーサ層 55 配線部 56 配線パッド 59 面取り部 60,81,82 エッチングマスク 71 単結晶Si基板 500 光源 502 コリメータレンズ 503,506 ビームスプリッター 505,507 4分の1波長板 508 対物レンズ 509 光ディスク 515 厚み検知装置 517 駆動用モータ 601 光位置検出装置

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を反射する反射面を表面に有する
    可撓性部材と、可撓性部材の外周部を縁取る支持枠と、
    この支持枠の内側で、この可撓性部材の弾性変形を許容
    する空間を形成する曲面部とを備え、 支持枠内側の開口部を八角形に形成し、この開口部の領
    域で、可撓性部材の反射面を平面に保持し、この開口部
    の領域で、可撓性部材を曲面部に吸い寄せて、この可撓
    性部材を弾性変形させ、このときに該可撓性部材の反射
    面への入射光に予め定められた収差を与える変形可能ミ
    ラー。
  2. 【請求項2】 支持枠は、{100}面、及び〔11
    0〕方位のオリエンテーションフラットを有する単結晶
    Si基板から形成された請求項1に記載の変形可能ミラ
    ー。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の変形可能ミラーを製造
    するための変形ミラーの製造方法において、 支持枠の開口部は、単結晶Si基板をエッチングマスク
    によって被覆してから、この単結晶Si基板をエッチン
    グすることによって形成され、 このエッチングマスクが八角形であり、このエッチング
    マスクによって被覆された単結晶Si基板の表面とは垂
    直な{110}面に沿って、この八角形の4つの辺が存
    在し、このエッチングマスクによって被覆された単結晶
    Si基板の表面とは垂直な{100}面に沿って、この
    八角形の他の4つの辺が存在する変形可能ミラーの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 単結晶Si基板をエッチングする以前
    に、この単結晶Si基板に可撓性部材を積層しておき、
    この後に、可撓性部材をエッチングせずに、単結晶Si
    基板をエッチングして、支持枠の開口部を形成する請求
    項3に記載の変形可能ミラーの製造方法。
  5. 【請求項5】 エッチングマスクを形作る八角形の{1
    10}面に沿う4つの辺が相互に等しく、かつ該八角形
    の{100}面に沿う他の4つの辺が相互に等しい請求
    項4に記載の変形可能ミラーの製造方法。
  6. 【請求項6】 エッチングマスクを形作る八角形の{1
    10}面に沿う4つの辺の長さをAとし、かつ該八角形
    の{100}面に沿う他の4つの辺の長さをBとする
    と、A<Bである請求項4に記載の変形可能ミラーの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 支持枠の厚みをTとし、この支持枠の開
    口部を形作る八角形の各辺の長さの平均値をLとし、L
    >2*T*(1/tan(54.7°)+√(2))とす
    ると、 エッチングマスクを形作る八角形の各辺の長さA及びB
    は、次式(1)及び(2)で表される請求項5に記載の
    変形可能ミラーの製造方法。 A=L−2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) )±6% …(1) B=L+2*T*(1/tan(54.7°)+√(2) )±6% …(2)
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の変形可能ミラーを製造
    するための変形ミラーの製造方法において、 支持枠の開口部は、単結晶Si基板をエッチングマスク
    によって被覆してから、この単結晶Si基板をエッチン
    グすることによって形成され、 このエッチングマスクが四角形であり、このエッチング
    マスクによって被覆された単結晶Si基板の表面とは垂
    直な{100}面に沿って、この四角形の4つの辺が存
    在する変形可能ミラーの製造方法。
  9. 【請求項9】 単結晶Si基板をエッチングする以前
    に、この単結晶Si基板に可撓性部材を積層しておき、
    この後に、可撓性部材をエッチングせずに、単結晶Si
    基板をエッチングして、支持枠の開口部を形成する請求
    項8に記載の変形可能ミラーの製造方法。
  10. 【請求項10】 エッチングマスクを形作る四角形は、
    正方形である請求項8に記載の変形可能ミラーの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 支持枠の厚みをTとし、この支持枠の
    開口部を形作る八角形の各辺の長さの平均値をLとし、
    L=2*T*(1/tan(54.7°)+√(2))と
    すると、 エッチングマスクを形作る正方形の一辺の長さCは、次
    式(3)で表される請求項10に記載の変形可能ミラー
    の製造方法。 C=4*T*(1/tan(54.7°)+√(2))±6% …(3)
  12. 【請求項12】 請求項2に記載の変形可能ミラーを製
    造するための変形ミラーの製造方法において、 支持枠の開口部は、単結晶Si基板をエッチングマスク
    によって被覆してから、この単結晶Si基板をエッチン
    グすることによって形成され、 このエッチングマスクは、四角形の領域と、この四角形
    の領域の各角から放射状に延びるそれぞれのくさび形領
    域からなる形状を有し、 相互に対向する各くさび形領域の頂点を結ぶ一対の線が
    該エッチングマスクによって被覆された単結晶Si基板
    の表面とは垂直な{110}面に沿って存在し、四角形
    の領域の各辺が該エッチングマスクによって被覆された
    単結晶Si基板の表面とは垂直な{100}面に沿って
    存在する変形ミラーの製造方法。
  13. 【請求項13】 単結晶Si基板をエッチングする以前
    に、この単結晶Si基板に可撓性部材を積層しておき、
    この後に、可撓性部材をエッチングせずに、単結晶Si
    基板をエッチングして、支持枠の開口部を形成する請求
    項12に記載の変形可能ミラーの製造方法。
  14. 【請求項14】 支持枠の厚みをTとし、この支持枠の
    開口部を形作る八角形の各辺の長さの平均値をLとし、
    L<2*T*(1/tan(54.7°)+√(2))と
    すると、 エッチングマスクの形状における相互に対向する各くさ
    び形領域の頂点を結ぶ一対の線の長さD、四角形の領域
    の各辺の離間距離E、及び四角形の領域の各辺上での各
    くさび形領域間の距離Fは、次式(4)、(5)及び
    (6)で表される請求項12に記載の変形可能ミラーの
    製造方法。 D=L*(1+√(2))+2*T/tan(54.7°)±6% …(4) E=L*(1+√(2))−2*T±6% …(5) F=L …(6)
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