JPH1176265A

JPH1176265A - 歯科治療用ラチェットレンチ

Info

Publication number: JPH1176265A
Application number: JP9257981A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Toho; 正章東方
Original assignee: Advance Co Ltd
Current assignee: Advance Co Ltd
Priority date: 1997-09-08
Filing date: 1997-09-08
Publication date: 1999-03-23

Abstract

(57)【要約】【課題】歯科治療時に使用されるラチェットレンチにお
いて、顎骨へ過剰な力が加わるのを抑え、安全な人工歯
根植設作業を行うことのできるものを提供する。【解決手段】人工歯根の上部を保持し、当該歯根を植設
する際、前記保持部を回動させて植設する歯科治療用ラ
チェットレンチの、回動時における回転力が所定の力を
越える時に前記回動が停止する回動調整部を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、歯科治療時に使用
されるラチェットレンチに関する。

【０００２】

【従来の技術】円筒型の人工歯根を顎骨に設けられた孔
へ挿入する場合、人工歯根に一方向の回転運動を多分の
力をかけて行なう必要がある。そこで、約１／２回転以
下の回転運動を反復させるだけで人工歯根に一方向の回
転運動を行なわせしめるラチェットレンチ工具が使用さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この様なレンチ工具
は、予め顎骨に孔を開け、その孔に人工歯根を回動させ
ながら、植設する為の治具であるが、顎骨へ人工歯根を
回動させる力の大きさによっては、顎骨へ過剰な力が加
わり、顎骨に損傷を与えかねない事から、植設時の人工
歯根の回動は、慎重に行わなければならないものであっ
た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記に鑑み本発明は、人
工歯根の上部を保持し、当該歯根を植設する際、前記保
持部を回動させて植設する歯科治療用ラチェットレンチ
において、回動時における回転力が所定の力を越える
時、前記回動が停止する回動調整部を設ける事により、
過剰な力が加えられることがなく、安全に人工歯根の植
設を実現するものである。

【０００５】

【実施例】図１、図４に於いて、(11)は円筒歯車用孔で
あり、人工歯根の上部を保持する為の保持部材の上部に
形成された円筒歯車部を挿入する為の部分である。(12)
は柄であり、把持部を形成している。(13)は孔部であ
り、円筒歯車用孔の側面に内外を貫通する様に設けられ
ている。(14)は回転用部材であり、長軸方向へ摺動可能
であって、一端は、孔部(13)を通して円筒歯車用孔(11)
に突出し、他端部(15)方向には、バネ(412)の一端を一
様に押圧し得る様に接触するための押圧部(411)が形成
され、バネ(412)の他端には、ネジ部(413)が接触接続し
ている。ネジ部(413)は、回転つまみ(414)と一体的な構
成を有し、回転つまみ(414)を回転させる事により、ネ
ジ部(413)も連動して回転し、ネジ部(413)は、摺動運動
する。回転用部材(14)に於ける円筒歯車用孔(11)に突出
した一端部には、長手方向に斜め或いは水平にカット面
(16)が形成されている。図１で示した実施例全体を本体
(01)とする。(415)は、固定部材であり、回転用部材(1
4)が、柄(12)から離れないように、固定するためのもの
であり、離れる恐れが無い場合は、不用となる。具体的
には、ゴム、樹脂の帯状物程度で足り、その他様々な構
成が取り得る。

【０００６】次に上記で説明した実施例の動作を図２、
図３、図４及び図５を参照して説明する。図２は、人工
歯根(21)と保持部材(22)とが接続した状態を示したもの
である。保持部材(22)は、人工歯根(21)の上部から被
せ、リング状の弾性部材(25)で、人工歯根(21)の側面を
押圧し、人工歯根(21)を保持する。保持部材(22)の上部
には、円筒歯車(23)が形成されている。保持部材(22)に
よって、保持された人工歯根(21)は、予じめ穿設された
顎骨に、軽く、挿入される。次に本体(01)の円筒歯車用
孔(11)を保持部材(22)の円筒歯車(23)に挿入する。回転
用部材(14)の一端部（カット面(16)付近）は、円筒歯車
(23)の中腹に位置する。次に図３で示す様に、本体(01)
の柄(12)をＢ方向に１／２回転以下分だけ回転させる。
回転用部材(14)は、円筒歯車(23)の歯側面と接触し、歯
側面を押す様に、保持部材(23)をＢ方向に回転させる。

【０００７】その際、回転用部材(14)の押圧部(411)
は、バネ部(412)を押圧する。バネ部(412)は、回転つま
み(414)の回転により得られる所定の力で押圧部(411)を
押圧することから、その所定の力を上回らない範囲での
押圧に対しては、回転用部材(14)は、ほぼ固定状態を維
持し、回転用部材(14)にかかる力が、上述した所定の力
を越えた時、回転用部材(14)は、バネ部(412)方向へ、
摺動する（図５）。この所定の力の具体例として、１０
〜３０Ｎ・ｃｍ（１〜３Ｋｇｆ・ｃｍ）が好適である
が、使用態様等によっては、特に限定されるものではな
く、適宜調整される。この摺動により、回転用部材(14)
は、人工歯根を回転させる力を一時的に無くすと共に、
この摺動によるバネ部(412)の押圧に対する反発力によ
り、回転用部材(14)は、元の位置に戻る。本体(01)の柄
(12)をＢ方向に１／２回転以下分だけ回転させた後、逆
方向であるＡ方向に同じ分だけ回転させる。回転用部材
(14)は、円筒歯車(23)の表面を滑るため、保持部材(22)
は、回転しない。この時、カット面(16)は、滑りを促進
させる。このカット面(16)は、特に必要とするものでは
なく、滑りを促進する必要がない場合は、カット面(16)
が不用になる場合もある。以上の動作を繰り返すことに
より、保持部材(22)並びに人工歯根(21)は、Ｂ方向にだ
け、回転する。

【０００８】次に本体(01)を裏返して上述と同じ動作を
行なう。この時、保持部材(22)並びに人工歯根(21)はＡ
方向にだけ回転する。この様に本体(01)を裏返すだけ
で、人工歯根(21)の回転方向を変えることができ、顎骨
孔への結合、離脱が自在となる。

【０００９】その他の実施例を図６に示す。図６は、図
４の押圧部(411)がバネ部(412)との結合効率を上げた形
状を有する押圧部(415)とした以外は、同一の構成を有
するものであり、その説明を省略する。本実施例におい
ては、使用時、摺動する頻度が高い場合が多い回転用部
材(14)とこの摺動により頻繁に収縮するバネ部(412)と
の結合を強くする事により、”外れ”がない安定した使
用が可能となる。

【００１０】その他の実施例を図７に示す。図７は、ネ
ジ部(413)及び回転つまみ(414)を除いた構成を示すもの
である。本実施例は、ネジ部(413)等を有しない分簡単
な構成となり、しかも図４で示すような調整部を有する
構成で生ずるバネの緩みがない。又、人工歯根が顎骨に
累合する際に避けられるべき過剰な力が一定であるとみ
なされる場合は、好適である。以上の説明のように、所
定の回転力が歯根に加わったとき、回転用部材が、摺動
することにより、過剰な回転力が人工歯根に加わらない
ような構造を示したものであるが、本願発明の構成は上
述した実施例に限らず、ある一定の回転力が人工歯根に
加わったとき、この回転力を解除できる構成を有するも
のであれば、如何なる構成でもよいのである。

【００１１】

【発明の効果】以上詳述の通り、本発明は、人工歯根の
植設時、顎骨等に過剰な力を加えることなく、安定した
人工歯根の植設が行える等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す図。

【図２】

【図３】本発明の動作を説明する為の図。

【図４】本発明の具体的実施例を示す図。

【図５】図４で示す実施例を説明するための図。

【図６】本発明の他の具体的実施例を示す図。

【図７】本発明の他の具体的実施例を示す図。

【符号の説明】

01 本体 11 円筒歯車用孔 12 柄 13 孔部 14 回転用部材 15 他端部 16 一端部 411 押圧部 412 バネ部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】人工歯根の上部を保持し、当該歯根を植
設する際、前記保持部を回動させて植設する歯科治療用
ラチェットレンチにおいて、回動時における回転力が所
定の力を越える時、前記回動を停止させる回動調整部を
有する歯科治療用ラチェットレンチ。