JPH1173436A - 論理回路の遅延計算方法、その遅延計算装置及び遅延ライブラリの遅延データ計算方法 - Google Patents

論理回路の遅延計算方法、その遅延計算装置及び遅延ライブラリの遅延データ計算方法

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JPH1173436A
JPH1173436A JP9223274A JP22327497A JPH1173436A JP H1173436 A JPH1173436 A JP H1173436A JP 9223274 A JP9223274 A JP 9223274A JP 22327497 A JP22327497 A JP 22327497A JP H1173436 A JPH1173436 A JP H1173436A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 論理回路の遅延時間の電源電圧依存性を容易
に且つ解析的に計算し、遅延時間を確実に求めることが
できるようにする。 【解決手段】 遅延電源係数決定工程S03において、
所定の動作電源電圧データ15と該動作電源電圧データ
15に基づくキャリアの移動度や酸化膜厚等の飽和電流
パラメータ16を基にして、PチャネルMOSFETの
ドレイン飽和電流Idspiを計算した後、基準電源電圧V
dd0 が印加されたときのPチャネルMOSFETのドレ
イン飽和電流Idsp0との比の値を計算して動作電源電圧
Vddiが印加されたときの遅延電源係数Kv を決定す
る。次に、実効遅延計算工程S04において、実効遅延
計算手段は、遅延計算手段により算出された基準電源電
圧Vdd0 が印加されたときの遅延時間と、遅延電源係数
決定手段により算出された遅延電源係数Kv とを乗じる
ことにより動作電源電圧Vddi における遅延時間を決定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、論理回路の遅延時
間を高精度に計算する遅延計算方法、遅延計算装置及び
遅延ライブラリの遅延データ計算方法に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の内部の電源電圧は、外部の電
源端子に印加される電源電圧の電圧値と内部回路に印加
される電源電圧の電圧値とが異なる場合がある。それ
は、集積回路の特性向上のために意図的に異なる電圧値
に設定する場合と、集積回路の高速化及び製造プロセス
の微細化から生ずる寄生素子によりもたらされる場合と
である。
【0003】以下、それぞれの場合を説明する。
【0004】(第1の従来例)集積回路の低消費電力化
又は回路速度の高速化を図るために、内部の回路ブロッ
クに印加する電源電圧を選択的に設定する場合がある。
例えば、低消費電力化が必要とされる回路ブロックに電
源端子の印加電圧よりも低い電圧を設定し、高速化が必
要とされる回路ブロックに外部の電源電圧と同一の電源
電圧を設定する。
【0005】このように集積回路の設計を行なう場合
に、該集積回路の信号伝搬の遅延検証と動作検証とを行
なうためには、ゲートレベルの遅延ライブラリを電源電
圧ごとに作成し、所望の遅延ライブラリを選択して使用
する必要がある。
【0006】(第2の従来例)集積回路の回路ブロック
に電源電位を供給する電源線(以下、VDD線と略記す
る。)と、グランド電位を供給するグランド線(以下、
VSS線と略記する。)に消費電流が流れ、VDD線及
びVSS線に現われる抵抗(R)、容量(C)又はイン
ダクタンス(L)よりなる配線寄生素子によって電圧変
動が発生する。例えば、簡単のため、電源配線の配線寄
生素子は抵抗のみとする。回路ブロックに実効的に印加
される電源電圧がこの配線抵抗に起因する電圧変動によ
って小さくなるため遅延時間が増大する。しかしなが
ら、従来の遅延計算方法においては、印加される電源電
圧が変化しない理想的なVDD線及びVSS線を前提に
しているため、得られた解析結果と実測結果との誤差が
大きくなるという問題を有している。
【0007】これを解決する方法として、例えば特開平
6−124318に示されたシミュレーション方法があ
る。本シミュレーション方法によると、データ抽出部、
プロセスパラメータ格納部及び電源電圧格納部により電
源配線の抵抗を算出すると共に、利得係数算出部及びド
レイン電流算出部においてゲート素子であるMOSFE
Tのドレイン電流を算出する。電源配線の抵抗及びドレ
イン電流を用いて電源線の電圧降下量を計算した後、伝
搬遅延算出部においてドレイン電流の利得係数βと付随
容量とから遅延時間を計算している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
(第1の従来例)前記第1の従来例に示したように、セ
ルライブラリから所望の遅延データを求める遅延データ
抽出処理は電源電圧を所定の値に設定することを前提に
しているため、異なる電源電圧の設定値の回数分だけ遅
延データを抽出する必要があるので、多ビットの加算セ
ルなどの多入力ゲートの場合は抽出時間が長くかかるこ
とになり、その結果、セルライブラリの設計期間が長く
なるという問題を有している。また、遅延時間を考慮し
た電源電圧による消費電力と遅延時間との双方の最適化
を図るための電源電圧の最適解を求めるということに対
応できなかった。
【0009】(第2の従来例)前記第2の従来例に示し
た特開平6−124318においては、遅延時間の電源
電圧依存性の計算の重要なポイントである伝搬遅延算出
部での利得係数βと遅延時間との関係が開示されておら
ず、具体的な遅延時間の計算方法が示されていないとい
う問題を有している。
【0010】また、利得係数βの電源電圧依存性から遅
延時間を解析する方法として、トランジスタレベルやス
イッチレベルの回路シミュレーションによってMOSF
ETのドレイン電流の電圧依存性をもとにして負荷容量
若しくは負荷抵抗を充電又は放電する時間を求める方法
がある。しかしながら、この方法は、回路シミュレーシ
ョンの対象にトランジスタレベルに展開したネットリス
トを用いることから、回路素子数が多くなり、大規模回
路では解析時間がかかりすぎるため、実用的でないとい
う問題を有している。
【0011】また、遅延時間の電源電圧依存性を計算す
る方法として、あらかじめ算出しておいた遅延時間の電
源電圧依存係数を遅延時間に乗ずる方法があり、第1の
従来例のように、あらかじめ動作条件ごとにVDD線及
びVSS線の電源電圧変動量分の電位を差し引いた実効
的な複数の電源電圧を求めておき、その電源電圧ごとに
抽出しておいた遅延値を用いる方法が考えられる。しか
しながら、これらの方法は、実効的な電源電圧があらか
じめ決められている必要があり、異なる電源電圧の配線
に接続された複数の回路ブロックや、異なる周波数又は
異なる頻度で動作する回路ブロックなど、実際の集積回
路内で個々の回路ブロックごとに発生する異なる電源線
の電圧変動の影響を正確に解析できないという問題を有
している。
【0012】さらに、第1の従来例に示すように、複数
の異なる電源電圧で動作する回路ブロックを内蔵する集
積回路の場合は、遅延時間の電源電圧依存係数を一律に
乗ずる方法では集積回路全体の遅延計算を行なうことが
できない。
【0013】本発明は、前記従来の問題を一挙に解決
し、論理回路の遅延時間の電源電圧依存性を容易に且つ
解析的に計算して遅延時間を確実に求めることができる
ようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、第1の電源電圧が印加される論理回路の
遅延時間に、第1の電源電圧に対する第2の電源電圧の
比の値である電源電圧係数と、第2の電源電圧が印加さ
れたときの前記FETのドレイン飽和電流に対する第1
の電源電圧が印加されたときのFETのドレイン飽和電
流の比の値である電流係数とを乗ずることにより、第2
の電源電圧が印加される論理回路の遅延時間を算出する
ものである。
【0015】本発明に係る第1の論理回路の遅延計算方
法は、FETを含む複数の論理素子からなる論理回路の
シミュレーションを行なう際に、論理回路の電源電圧に
よる信号伝搬時間の遅延を算出する論理回路の遅延計算
方法であって、第1の電源電圧に対する第2の電源電圧
の比の値を電源電圧係数とし、第2の電源電圧が印加さ
れたときのFETのドレイン飽和電流に対する第1の電
源電圧が印加されたときのFETのドレイン飽和電流の
比の値を電流係数とし、第1の電源電圧が印加されたと
きの論理回路の遅延時間である第1の遅延時間と電源電
圧係数と電流係数との積を算出し、該算出結果を、第2
の電源電圧が印加されたときの論理回路の遅延時間であ
る第2の遅延時間とする。
【0016】本発明に係る第2の論理回路の遅延計算方
法は、一の論理回路を構成しており、それぞれがFET
を含む複数の論理素子からなり、互いに異なる実効電源
電圧によって動作する複数の回路ブロックの各実効電源
電圧による信号伝搬時間の遅延を算出する論理回路の遅
延計算方法であって、基準電源電圧に対する各回路ブロ
ックの電源電圧の比の値である電源電圧係数を算出し、
各回路ブロックの実効電源電圧が印加されたときのFE
Tのドレイン飽和電流に対する基準電源電圧が印加され
たときのFETのドレイン飽和電流の比の値である電流
係数を算出し、基準電源電圧が印加されたときの各回路
ブロックの遅延時間である基準遅延時間と各回路ブロッ
クごとの電源電圧係数と電流係数との積を算出し、該算
出結果を、各回路ブロックの遅延時間である実効遅延時
間とする。
【0017】本発明に係る第3の論理回路の遅延計算方
法は、FETを含む複数の論理素子からなる論理回路の
シミュレーションを行なう際に、論理回路の電源電圧の
電圧変動による信号伝搬時間の遅延を算出する論理回路
の遅延計算方法であって、論理回路の消費電流及び電源
線の配線寄生素子によって生ずる電圧変動による変動電
圧を算出した後、電源端子に印加される基準電源電圧と
変動電圧との差を求めることにより、論理回路に印加さ
れる実効的な電源電圧である実効電源電圧を求め、基準
電源電圧に対する実効電源電圧の比の値である電源電圧
係数を算出すると共に、実効電源電圧が印加されたとき
のFETのドレイン飽和電流に対する基準電源電圧が印
加されたときのFETのドレイン飽和電流の比の値であ
る電流係数を算出し、基準電源電圧に基づいて算出され
た論理回路の基準となる遅延時間と電源電圧係数と電流
係数との積を算出し、該算出結果を、実効電源電圧が印
加されたときの論理回路の遅延時間である実効的な遅延
時間とする。
【0018】第3の論理回路の遅延計算方法において、
論理回路の消費電流を、複数の論理素子のうち、一の動
作時刻に合わせて共に動作する特定の論理素子ごとの消
費電流の和とし、消費電流の和に基づいて特定の論理素
子が接続される電源線の電圧変動量を算出し、電源線の
電圧変動量を変動電圧とすることが好ましい。
【0019】第1〜3の論理回路の遅延計算方法におい
て、FETはPチャネルMOSFETであることが好ま
しい。
【0020】第1〜3の論理回路の遅延計算方法におい
て、FETのドレイン飽和電流を、電源電圧とFETの
しきい値電圧との差を所定の係数で累乗し、累乗して得
られた値に電流の利得係数を乗じることによって求める
ことが好ましい。
【0021】本発明に係る第1の論理回路の遅延計算装
置は、FETを含む複数の論理素子からなる論理回路の
シミュレーションを行なう際に、論理回路の電源電圧に
よる信号伝搬時間の遅延を算出する論理回路の遅延計算
装置であって、論理素子の論理回路における配置を決定
するレイアウトデータを付与するレイアウトデータ付与
手段と、論理回路の接続情報を付与する接続情報付与手
段と、論理回路の配線及び論理素子の電気特性を決定す
るプロセス情報を付与するプロセスパラメータ付与手段
と、論理素子の遅延データを付与するライブラリデータ
付与手段と、第1の電源電圧に対する第2の電源電圧の
比の値である電源電圧係数を決定すると共に、第2の電
源電圧が印加されたときのFETのドレイン飽和電流に
対する第1の電源電圧が印加されたときのFETのドレ
イン飽和電流の比の値である電流係数を決定する遅延電
源係数決定手段と、遅延データ、レイアウトデータ、プ
ロセス情報及び接続情報に基づいて、第1の電源電圧が
印加されたときの論理回路の遅延時間を算出する遅延計
算手段と、遅延計算手段が算出した遅延時間と電源電圧
係数と電流係数との積を算出し、該算出結果を、第2の
電源電圧が印加されたときの論理回路の実効的な遅延時
間とする実効遅延計算手段とを備えている。
【0022】第1の論理回路の遅延計算装置において、
論理回路は、互いに異なる電源電圧によって動作し、一
の論理回路を構成する複数の回路ブロックからなり、論
理回路及び回路ブロックの各電源電圧情報を付与する電
源電圧情報付与手段をさらに備え、遅延電源係数決定手
段は、基準電源電圧に対する各回路ブロックの電源電圧
の比の値を定義するブロック別電源電圧係数を決定する
手段と、各回路ブロックの電源電圧が印加されたときの
FETのドレイン飽和電流に対する基準電源電圧が印加
されたときのFETのドレイン飽和電流の比の値を定義
するブロック別電流係数を決定する手段とを有している
ことが好ましい。
【0023】本発明に係る第2の論理回路の遅延計算装
置は、FETを含む複数の論理素子からなる論理回路の
シミュレーションを行なう際に、論理回路の電源電圧の
電圧変動による信号伝搬時間の遅延を算出する論理回路
の遅延計算装置であって、論理素子の論理回路における
配置を決定するレイアウトデータを付与するレイアウト
データ付与手段と、論理回路の接続情報を付与する接続
情報付与手段と、論理回路の配線及び論理素子の電気特
性を決定するプロセス情報を付与するプロセスパラメー
タ付与手段と、論理素子の遅延データ及び消費電流デー
タを付与するライブラリデータ付与手段と、レイアウト
データ及びプロセスパラメータを用いて信号配線の寄生
素子を抽出する信号配線抽出手段と、レイアウトデータ
及びプロセスパラメータを用いて電源端子と論理回路と
が接続されている電源配線の配線寄生素子を抽出する電
源配線寄生素子抽出手段と、信号配線の寄生素子及び消
費電流データを用いて論理回路の消費電流を算出する消
費電流計算手段と、消費電流と電源配線の配線寄生素子
とを用いて電源配線の電圧変動量を算出し、電源端子に
印加される電源電圧と電圧変動量分の電圧との差を求め
て実効的な電源電圧である実効電源電圧を算出する実効
電源電圧計算手段と、電源電圧に対する実効電源電圧の
比の値である電源電圧係数を決定すると共に、実効電源
電圧が印加されたときのFETのドレイン飽和電流に対
する電源電圧が印加されたときのFETのドレイン飽和
電流の比の値である電流係数を決定する遅延電源係数決
定手段と、信号配線の寄生素子と論理素子の遅延データ
とを用いて電源電圧が印加されたときの遅延時間を算出
する遅延計算手段と、遅延計算手段が算出した遅延時間
と電源電圧係数と電流係数との積を算出し、該算出結果
を、論理回路の実効遅延時間とする実効遅延計算手段と
を備えている。
【0024】第2の論理回路の遅延計算装置において、
消費電流計算手段は、複数の論理素子のうち、一の動作
時刻に合わせて共に動作する特定の論理素子ごとの消費
電流の和を算出し、実効電源電圧計算手段は、消費電流
の和と電源配線の配線寄生素子とを用いて特定の論理素
子が接続される電源配線の電圧変動量を算出し、遅延電
源係数決定手段は、複数の論理素子のうち動作時刻の早
い論理素子から順に、該論理素子に印加される実効電源
電圧を用いて論理素子ごとに電源電圧係数と電流係数と
を算出することが好ましい。
【0025】第2の論理回路の遅延計算装置において、
論理回路は、それぞれが少なくとも1つのスタンダード
セルを有する少なくとも1つの回路ブロックからなる集
積回路であって、集積回路には電源電圧が印加される外
部電源端子が設けられ、少なくとも1つの回路ブロック
には、外部電源端子に接続され、回路ブロックを駆動す
る電圧が印加されるブロック用電源端子が設けられ、少
なくとも1つのスタンダードセルには、ブロック用電源
端子に接続され、スタンダードセルを駆動する電圧が印
加されるセル用電源端子が設けられており、消費電流計
算手段は、信号配線の寄生素子及びスタンダードセルの
消費電流データを用いて回路ブロックの消費電流を算出
するブロックレベル消費電流計算手段と、回路ブロック
の消費電流を用いて集積回路の消費電流を算出するチッ
プレベル消費電流計算手段とを有し、実効電源電圧計算
手段は、回路ブロックの消費電流を用いて外部電源端子
からブロック用電源端子までの電源配線の電圧変動量で
あるチップレベルの変動電圧を算出するチップレベル変
動電圧計算手段と、外部電源端子に印加される電源電圧
とチップレベルの変動電圧との差を求めることにより、
チップレベルの実効電源電圧を算出するチップレベル実
効電源電圧計算手段と、スタンダードセルの消費電流デ
ータに基づいてブロック用電源端子からセル用電源端子
までの電圧変動量であるブロックレベルの変動電圧を算
出するブロックレベル変動電圧計算手段と、チップレベ
ルの実効電源電圧とブロックレベルの変動電圧との差を
求めることにより、ブロックレベルの実効電源電圧を算
出するブロックレベル実効電源電圧計算手段とを有し、
ブロックレベルの実効電源電圧に基づいて集積回路の実
効遅延時間を算出することが好ましい。
【0026】第2の論理回路の遅延計算装置において、
消費電流計算手段は、複数のスタンダードセルのうち、
一の動作時刻に合わせて共に動作する特定のスタンダー
ドセルごとの消費電流の和を算出して、スタンダードセ
ルの消費電流とし、該スタンダードセルの消費電流と電
源配線の配線寄生容量とを用いて特定のスタンダードセ
ルが接続される電源配線の電圧変動量を算出し、遅延電
源係数決定手段は、複数のスタンダードセルのうち動作
時刻の早いスタンダードセルから順に、該スタンダード
セルに印加される実効電源電圧を用いてスタンダードセ
ルごとに電源電圧係数と電流係数とを算出することが好
ましい。
【0027】第2の論理回路の遅延計算装置において、
消費電流計算手段は、接続情報のノードごとのスイッチ
ング頻度を付与するスイッチング頻度データ付与手段を
有し、スイッチング頻度、信号配線の寄生素子及びスタ
ンダードセルの消費電流データを用いて集積回路の消費
電流を算出することが好ましい。
【0028】第2の論理回路の遅延計算装置において、
消費電流計算手段は、接続情報に含まれる論理関数を用
いて一の論理値から他の論理値に遷移する確率である遷
移確率を算出し、遷移確率、信号配線の寄生素子及びス
タンダードセルの消費電流データを用いて集積回路の消
費電流を算出することが好ましい。
【0029】第1又は第2の論理回路の遅延計算装置に
おいて、実効電源電圧計算手段が出力する計算結果を記
憶しておき、実効電源電圧計算手段の今回の計算結果と
記憶された計算結果との差が所定範囲に収まるか否かを
判定し、所定範囲に収まらない場合は、所定範囲に収ま
るまで消費電流計算手段と実効電源電圧計算手段とを繰
り返す収束条件判定手段をさらに備えていることが好ま
しい。
【0030】第1又は第2の論理回路の遅延計算装置に
おいて、FETはPチャネルMOSFETであることが
好ましい。
【0031】第1又は第2の論理回路の遅延計算装置に
おいて、FETのドレイン飽和電流は、電源電圧とFE
Tのしきい値電圧との差を所定の係数で累乗し、累乗し
て得られた値に電流の利得係数を乗じることにより求め
られることが好ましい。
【0032】本発明に係る第1の遅延ライブラリの遅延
データ計算方法は、FETを含む論理素子からなる論理
回路のシミュレーションに用いる遅延ライブラリの信号
伝搬時間の遅延データ計算方法であって、第1の電源電
圧に対する第2の電源電圧の比の値である電源電圧係数
を定義する電源電圧係数定義工程と、第2の電源電圧が
印加されたときのFETのドレイン飽和電流に対する第
1の電源電圧が印加されたときのFETのドレイン飽和
電流の比の値である電流係数を定義する電流係数定義工
程と、第1の電源電圧が印加されたときの論理回路の遅
延時間である第1の遅延時間を定義する第1の遅延時間
定義工程と、第1の遅延時間と電源電圧係数と電流係数
との積を算出することにより、第2の電源電圧が印加さ
れたときの論理回路の遅延時間である第2の遅延時間を
決定し、該第2の遅延時間を遅延データとする遅延デー
タ決定工程とを備えている。
【0033】本発明に係る第1の遅延ライブラリの遅延
データ計算方法において、FETはPチャネルMOSF
ETであることが好ましい。
【0034】本発明に係る第1の遅延ライブラリの遅延
データ計算方法において、FETのドレイン飽和電流
を、電源電圧とFETのしきい値電圧との差を所定の係
数で累乗し、累乗して得られた値に電流の利得係数を乗
じることによって求めることが好ましい。
【0035】本発明に係る第2の遅延ライブラリの遅延
データ計算方法は、PチャネルMOSFETとNチャネ
ルMOSFETとを含む論理素子からなる論理回路のシ
ミュレーションに用いる遅延ライブラリの信号伝搬時間
の遅延データ計算方法であって、第1の電源電圧に対す
る第2の電源電圧の比の値である電源電圧係数を定義す
る電源電圧係数定義工程と、第2の電源電圧が印加され
たときのPチャネルMOSFETのドレイン飽和電流に
対する第1の電源電圧が印加されたときのPチャネルM
OSFETのドレイン飽和電流の比の値である第1の電
流係数を定義する第1の電流係数定義工程と、第2の電
源電圧が印加されたときのNチャネルMOSFETのド
レイン飽和電流に対する第1の電源電圧が印加されたと
きのNチャネルMOSFETのドレイン飽和電流の比の
値である第2の電流係数を定義する第2の電流係数定義
工程と、第1の電源電圧が印加されたときの論理回路の
第1の立ち上がり遅延時間及び第1の立ち下がり遅延時
間を定義する第1の遅延時間定義工程と、第1の立ち上
がり遅延時間と電源電圧係数と第1の電流係数との積を
算出することにより、第2の電源電圧が印加されたとき
の論理回路の立ち上がり遅延時間である第2の立ち上が
り遅延時間を決定し、該第2の立ち上がり遅延時間を立
ち上がり遅延データとする立ち上がり遅延データ決定工
程と、第1の立ち下がり遅延時間と電源電圧係数と第2
の電流係数との積を算出することにより、第2の電源電
圧が印加されたときの論理回路の立ち下がり遅延時間で
ある第2の立ち下がり遅延時間を決定し、該第2の立ち
下がり遅延時間を立ち下がり遅延データとする立ち下が
り遅延データ決定工程とを備えている。
【0036】本発明に係る第2の遅延ライブラリの遅延
データ計算方法において、PチャネルMOSFET及び
NチャネルMOSFETの各ドレイン飽和電流を、電源
電圧と各MOSFETのしきい値電圧との差を所定の係
数でそれぞれ累乗し、累乗して得られた値に電流の利得
係数をそれぞれ乗じることによって求めることが好まし
い。
【0037】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る、論理回路に
おける遅延時間の電源電圧依存性の計算方法を説明す
る。
【0038】図1は論理回路に用いる2入力NANDゲ
ート、2入力NORゲート、4入力NANDゲート及び
4入力NORゲートの各基本CMOSゲートの遅延時間
の電源電圧依存性を示すグラフである。図1において、
1は2入力NANDゲートを示し、2は2入力NORゲ
ートを示し、3は4入力NANDゲートを示し、4は4
入力NORゲートを示している。5はPチャネルMOS
FETのドレイン飽和電流Idsp に対する電源電圧Vdd
の比(Vdd/Idsp )であり、6はNチャネルMOSF
ETのドレイン飽和電流Idsn に対する電源電圧Vddの
比(Vdd/Idsn )である。
【0039】図2はスタンダードセルを用いたビルディ
ングブロック方式によりレイアウトを行なった約300
0ゲート相当の回路ブロック、及び4KBのスタテイッ
クRAM回路の遅延時間の電源電圧依存性を示すグラフ
である。図2において、7は論理ブロックを示し、8は
スタテイックRAMを示している。9は各回路のPチャ
ネルMOSFETのドレイン飽和電流Idsp に対する電
源電圧Vddの比(Vdd/Idsp )であり、10は各回路
のNチャネルMOSFETのドレイン飽和電流Idsn に
対する電源電圧Vddの比(Vdd/Idsn )である。
【0040】ここで、ドレイン飽和電流は、ゲート・ソ
ース間電圧及びドレイン・ソース間電圧を電源電圧Vdd
に設定した場合の電流である。
【0041】以下、論理回路の信号伝搬時間の遅延を解
析的に求める方法を説明する。
【0042】一般に、論理回路の遅延時間は負荷容量に
蓄積された電荷QをMOSFETのドレイン電流で放電
する時間であるため、以下に示す[数1]の関係があ
る。
【0043】
【数1】
【0044】[数1]を変形して[数2]を得る。
【0045】
【数2】
【0046】ここで、Cl は負荷容量、Id はドレイン
電流、ΔVは負荷容量の充放電による電位変化、Td は
遅延時間を示す。
【0047】さらに、Id 及びΔVは電源電圧Vddに応
じて変化することから、さらに以下に示す関係式[数
3]が導かれる。
【0048】
【数3】
【0049】ここで、Idsは電源電圧Vddにおけるドレ
イン飽和電流である。
【0050】ドレイン飽和電流Idsには電源電圧依存性
が存在する。ドレイン飽和電流Idsの電源電圧依存性
は、主としてチャネル表面の分散散乱、フォノン散乱、
表面起伏による散乱などに起因したゲート・ソース間の
電界Vgs/Tox(但し、Vgsはゲート・ソース間電圧と
し、Toxは酸化膜の膜厚とする。)によるキャリアの移
動度の減少効果と、ドレイン・ソース間の電界Vds/L
eff (但し、Vdsはドレイン・ソース間電圧とし、Lef
f は実効チャネル長とする。)による速度飽和と、ドレ
イン電界に起因した短チャネル効果によるしきい値電圧
の減少とによって説明される。
【0051】これらの効果を合わせたドレイン電流Id
の表現式がIEEE Jounal of Solid-State Circuits, vo
l.25, N0.2, April 1990 pp.584-594に記載されてお
り、その形式を用いたドレイン飽和電流Idsの表現式を
以下の計算式[数4]に示す。
【0052】
【数4】
【0053】ここで、βは、β=μ・Cox・W/Lで表
わされるMOSFETの利得係数であって、各変数は、 μ :キャリアの移動度 Cox:ゲート酸化膜の単位面積あたりの容量 W :ゲート幅 L :ゲート長 Vt :MOSFETのしきい値電圧 をそれぞれ表わしている。指数αの値は、長チャネルM
OSFETではよく知られているように2である。
【0054】また、例えば、0.5μmCMOSプロセ
ス等によるゲート長が微細なCMOSデバイスにおいて
は、ゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電
圧Vds及び電源電圧Vddを共に3.3Vに設定する場合
は、NチャネルMOSFETの指数αが1.1から1.
2となり、PチャネルMOSFETの指数αが1.5か
ら1.6となる。電源電圧Vddが低くなると、指数αは
長チャネルMOSFETモデルの2に近づく。
【0055】ドレイン飽和電流Idsの電源電圧依存性を
PチャネルMOSFETとNチャネルMOSFETとで
比較すると、前記の指数αの値から、電源電圧の減少に
伴うドレイン飽和電流の減少比率はPチャネルMOSF
ETの方が大きいことが分かる。従って、図1及び図2
に示したように、遅延時間の電源電圧依存性がドレイン
飽和電流Idsp に対する電源電圧Vddの比(Vdd/Ids
p )にほぼ一致することを説明できる。
【0056】関係式[数3]及び計算式[数4]を用
い、遅延時間Td をドレイン飽和電流Ids、MOSFE
Tのしきい値電圧Vt 及び指数αの関数として表現する
ことにより、遅延時間の電源電圧依存性を以下の[数
5]に示す簡単な形式で求めることができる。
【0057】
【数5】
【0058】ここで、Vdd0 は遅延時間の計算の基準と
なる基準電源電圧を表わし、例えばセルライブラリの遅
延データの抽出時に設定する基準となる電源電圧を表わ
す。Idsp0は基準電源電圧Vdd0 のときのPチャネルM
OSFETのドレイン飽和電流を表わし、Td0は基準電
源電圧Vdd0 として求めた論理回路の基準遅延値を表わ
し、α0 は基準電源電圧Vdd0 のときのドレイン飽和電
流の指数αを表わす。Idspiは電源電圧Vddi のときの
PチャネルMOSFETのドレイン飽和電流を表わし、
αi は電源電圧Vddi のときのドレイン飽和電流Idsi
の指数αを表わす。
【0059】この計算式[数5]が示すように、遅延計
算で求めた基準遅延値Td0に、電源電圧Vddi と指数α
i との関係を示す遅延電源係数Kv (Vddi )を乗ずる
ことにより、基準電源電圧Vdd0 と異なる電源電圧Vdd
i における遅延時間Td を容易に且つ確実に算出するこ
とができる。
【0060】(第1の実施形態)以下、本発明の第1の
実施形態を図面に基づいて説明する。
【0061】図3は本発明の第1の実施形態に係る論理
回路の遅延計算装置の動作フローを示している。本発明
に係る論理回路の遅延計算装置は外部記憶装置を備えた
コンピュータを想定しており、該外部記憶装置及びコン
ピュータの形態や機種等を問わない。
【0062】まず、図3に示すように、論理回路の信号
伝搬時間の遅延計算に必要な各種データをあらかじめ用
意する。11はレイアウトデータ付与手段に保持され、
遅延解析の対象となる回路及びスタンダードセルのレイ
アウトデータ、12はプロセスパラメータ付与手段に保
持され、単位形状当たりの配線抵抗、配線容量及び配線
透磁率よりなる配線パラメータ、13は接続情報付与手
段に保持され、解析対象の回路のゲートレベルの接続記
述である回路接続情報、14はライブラリデータ付与手
段に保持され、基準電源電圧Vdd0 で抽出されたセル遅
延データ、15は動作電源電圧付与手段に保持された所
定の動作電源電圧データ、16はプロセスパラメータ付
与手段に保持され、キャリアの移動度や酸化膜厚等のド
レイン飽和電流を決める飽和電流パラメータである。
【0063】次に、信号配線抽出工程S01において、
信号配線抽出手段は、レイアウトデータ11、配線パラ
メータ12及び回路接続情報13から、信号ノードごと
に所望の配線抵抗、配線容量及び配線インダクタンスを
抽出する。なお、論理回路の動作周波数が1GHz以下
であれば、配線インダクタンスの計算を省略してもよ
い。
【0064】次に、遅延計算工程S02において、遅延
計算手段は、基準となるセル遅延データ14と、信号配
線抽出工程S01において抽出された配線抵抗及び配線
容量とを用いて解析対象となる論理回路の基準電源電圧
Vdd0 における遅延時間を計算する。
【0065】次に、遅延電源係数決定工程S03におい
て、遅延電源係数決定手段は、所定の動作電源電圧デー
タ15(=Vddi )と該所定の動作電源電圧データ15
に基づくキャリアの移動度や酸化膜厚等の飽和電流パラ
メータ16をもとにして、PチャネルMOSFETのド
レイン飽和電流Idspiを計算した後、基準電源電圧Vdd
0 のときのPチャネルMOSFETのドレイン飽和電流
Idsp0との比の値を計算して動作電源電圧Vddi におけ
る遅延電源係数Kv (Vddi )を決定する。
【0066】次に、実効遅延計算工程S04において、
実効遅延計算手段は、計算式[数5]に示すように、遅
延計算手段により算出された基準電源電圧Vdd0 におけ
る遅延時間と、遅延電源係数決定手段により算出された
遅延電源係数Kv (Vddi )とを乗じることにより動作
電源電圧Vddi における遅延時間を決定する。
【0067】図4は遅延電源係数決定工程S03を詳述
した計算フローである。図4において、PチャネルMO
SFETのドレイン飽和電流Idspiを算出するのに前記
の計算式[数4]を用い、動作電源電圧Vddi に応じた
指数αi が選択されてドレイン飽和電流Idspiが決定さ
れる。
【0068】まず、動作電源電圧決定工程S31におい
て、図3に示す動作電源電圧データ15から所定の動作
電源電圧Vddi を抽出した後、指数決定工程S32にお
いて、動作電源電圧Vddi が、あらかじめ設定された電
源電圧Vdd0 ,Vdd1 ,Vdd2 ,…,Vddn-1 ,Vddn
(但し、n は2以上の整数とする。)のどの範囲に属す
るかを判定して、動作電源電圧Vddi における指数αi
を決定する。
【0069】次に、ドレイン飽和電流決定工程S33A
において、飽和電流パラメータ16と計算式[数4]と
を用いて、動作電源電圧Vddi におけるドレイン飽和電
流Idspiを決定する。
【0070】次に、遅延電源係数決定工程S34におい
て、基準電源電圧Vdd0 に対するVddi の比の値である
電源電圧係数(=Vddi /Vdd0 )と、動作電源電圧V
ddiにおけるドレイン飽和電流Idspiに対する基準電源
電圧Vdd0 におけるドレイン飽和電流Idsp0との比の値
である電流係数(=Idsp0/Idspi)を計算した後、電
源電圧係数と電流係数との積を計算して動作電源電圧V
ddi における遅延電源係数Kv (Vddi )を算出する。
【0071】なお、動作電源電圧Vddi と指数αi との
関係の具体的な付与方法としては、例えば、表形式のテ
ーブルモデルを用いる方法等が考えられる。
【0072】このように、動作電源電圧Vddi と動作電
源電圧Vddi における指数αi との関係を求めることの
みにより、遅延時間の電源電圧依存性を容易に且つ確実
に算出することができる。
【0073】また、動作電源電圧Vddi に対するドレイ
ン飽和電流Idspiとの関係を指数αi で定義する利点
は、ドレイン飽和電流Idspiを変化させる要素が動作電
源電圧Vddi と指数αi との2つのみになるため、直接
ドレイン飽和電流Idspiを定義するよりも少ないデータ
数で滑らかな電流特性の変化を表現できることである。
【0074】図5は動作電源電圧Vddi とドレイン飽和
電流Idspiの関係式から遅延電源係数Kv (Vddi )を
決定する計算フローを示している。この例は、以下の計
算式[数6]及び[数7]に示すように、米国カリフォ
ルニア大学バークレー校により提案されたSPICEト
ランジスタモデルBSIM3ver2の電流式に基づい
てドレイン飽和電流Idspiを表現している。
【0075】
【数6】
【0076】
【数7】
【0077】以下に、各変数を示す。
【0078】vsat :キャリアの飽和速度 W :MOSFETのゲート幅 L :MOSFETのゲート長 Cox :ゲート酸化膜の単位面積当たりの容量 Vdsat:ドレイン電流が飽和するドレイン・ソース間の
電圧 Abulk:基板電荷効果係数(SPICEパラメータを基
に算出された係数) Esat :キャリア速度が飽和する臨界電界(SPICE
パラメータを基に算出された値)
【0079】図5に示すように、遅延電源係数の決定手
順は、まず、動作電源電圧決定工程S31において、図
3に示す動作電源電圧データ15から所定の動作電源電
圧Vddi を決定した後、ドレイン飽和電流決定工程S3
3Bにおいて、飽和電流パラメータ16と計算式[数
6]及び[数7]に従って、動作電源電圧Vddi におけ
るドレイン飽和電流Idspiを算出する。
【0080】以降の工程は図4に示した遅延電源係数決
定工程S34と同様である。
【0081】以上説明したように、本実施形態による
と、動作電源電圧Vddi とPチャネルMOSFETのド
レイン飽和電流Idspiとの関係を決めることのみによ
り、基準とする1つの条件の電源電圧で求めたセルライ
ブラリの遅延データを使って論理回路の遅延時間の電源
電圧依存性を容易に算出することができる。
【0082】なお、本実施形態は、スタンダードセルを
用いたビルディングブロック方式の集積回路の回路ブロ
ックを例にしたが、ゲートアレイやカスタム設計の回路
ブロックであってもよい。
【0083】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態を図面に基づいて説明する。
【0084】図6は本発明の第2の実施形態に係る論理
回路の遅延計算装置が遅延計算の対象とし、異なる複数
の電源電圧で動作する回路ブロックを内蔵した集積回路
を示している。図6において、50は本遅延計算装置の
計算の対象とする集積回路であり、第1の動作電源電圧
Vdd1 で動作する回路ブロック50aと、高速動作が要
求されるため第1の動作電源電圧Vdd1 よりも高い第2
の動作電源電圧Vdd2で動作する高速動作回路ブロック
50bと、低消費電力が要求されるため第1の動作電源
電圧Vdd1 よりも低い第3の動作電源電圧Vdd3 で動作
する低消費電力回路ブロック50cと、集積回路50の
外部周辺装置で決まる第4の動作電源電圧Vdd4 で動作
する入出力回路ブロック50dとにより構成されてい
る。
【0085】図7は本発明の第2の実施形態に係る論理
回路の遅延計算装置の動作フローを示している。図7に
おいて、図3に示した構成要素には同一の符号を付すこ
とにより説明を省略する。17は、動作電源電圧情報付
与手段に保持され、例えば図6に示す回路ブロック50
a,50b,50c,50dに対して該ブロックごとに
付与される回路ブロック動作電源電圧データである。
【0086】ここで、前記第1の実施形態と異なる工程
を説明すると、遅延電源係数決定工程S03Aにおい
て、遅延電源係数決定手段は、回路ブロック動作電源電
圧データ17と、該回路ブロック動作電源電圧データ1
7に基づくキャリアの移動度や酸化膜厚等の飽和電流パ
ラメータ16と、回路接続情報13とをもとにして回路
ブロックごとの遅延電源係数Kv を決定する。
【0087】次に、前記第1の実施形態と同様に、実効
遅延計算工程S04において、実効遅延計算手段は、計
算式[数5]を用いて決定された各遅延電源係数Kv を
用いて、集積回路50の回路ブロックごとの遅延時間を
決定する。
【0088】このように、集積回路50に異なる複数の
動作電源電圧を用いるにも関わらず、遅延計算工程S0
2までは基準電源電圧Vdd0 により作成された遅延デー
タ14を用い、最終段の実効遅延計算工程S04におい
て各動作電源電圧に応じた遅延時間の補正ができるた
め、従来のように電源電圧ごとに遅延データを有するセ
ルライブラリを使う必要がないので、ライブラリ作成に
要する時間を短縮化することができる。
【0089】このように、本実施形態によると、動作の
高速化や低消費電力化等を目的とした異なる動作電源電
圧の回路ブロックからなる集積回路50の遅延計算を、
標準的な電源電圧条件により作成されたセル遅延データ
14を用いて容易に且つ確実に算出することができる。
【0090】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態を図面に基づいて説明する。
【0091】本実施形態において、集積回路における電
源線に電圧変動が生じ、該集積回路の電源端子に印加さ
れる電源電圧と内部の回路に実効的に印加される電源電
圧とが異なる場合の遅延計算方法及び遅延計算装置を説
明する。
【0092】まず、図8を用いてVDD線及びVSS線
の配線寄生素子の電圧変動による信号伝搬時間の遅延の
影響について説明する。
【0093】一般に、n(但し、nは1以上の整数とす
る。)対からなるVDD線及びVSS線のそれぞれにm
個(但し、mは1以上の整数とする。)の回路ブロック
が接続されている集積回路を考える。図8に示すよう
に、m個の回路ブロックがn対(ここではn=2とす
る。)のVDD線及びVSS線に接続されているとす
る。基準電位Vdd0 の電源電圧が集積回路の電源端子に
印加されており、m個の回路ブロックが該電源端子にそ
れぞれ接続されている。回路ブロック1,…,mの各平
均消費電流はIi (但し、i =1,2,…,m-1 ,m の
整数とする。)であり、簡単のため、各回路間に敷設さ
れているVDD線及びVSS線は同一の配線長で且つ同
一の配線幅とする。また、各配線抵抗、各配線容量及び
各インダクタンスはそれぞれ等しく、順にR,C,Lと
する。
【0094】図9は図8に示す集積回路の第1の等価回
路を表わしており、例えば、ブロック1の平均消費電流
I1 はI1 /2の電流源が2つ並列に接続されてなると
する。電源配線の配線寄生素子は、配線の抵抗、インダ
クタンス及び容量からなる。また、第1の等価回路に
は、MOSFETのソース・基板間のダイオード接合に
よる容量が接続され、図9のような電源配線の等価回路
になる。
【0095】図10は図8に示す集積回路を最も簡略化
し、電源線を1対とした第2の等価回路である。電源配
線の配線寄生素子を簡略化し、本実施形態においては、
第2の等価回路をVDD線及びVSS線の配線抵抗によ
る電圧降下量を計算する解析モデルとする。図10に示
す第2の等価回路を用いて、電源から最も遠いVDD線
の第mのノードの電位Vm とVSS線の第mのノードの
電位Um とを計算する。
【0096】図8に示す回路ブロック1,…,mにおけ
るVDD線の各ノードの電位V1 ,V2 ,…,Vm に対
してキルヒホッフの電流則を適用すると、以下に示す
[数8]の関係式が導かれる。
【0097】
【数8】
【0098】式(1)、式(2)、…、式(m−1)、
式(m)の左辺同士及び右辺同士をそれぞれ加えた後、
VDD線の第mのノードの電位Vm について解くと、以
下に示す計算式[数9]を得る。
【0099】
【数9】
【0100】前記のVDD線の第mのノードの電位Vm
と同様の方法を用いてVSS線の第mのノードの電位U
mを求めると、以下に示す計算式[数10]を得る。
【0101】
【数10】
【0102】VDD線の電圧降下量は、基準電源電圧V
dd0 とVDD線の第mのノードの電位Vm との差(Vdd
0 −Vm )で表わされる。一方、VSS線の電圧降下
(上昇)量はVSSの第mのノードの電位Um で表わさ
れる。この2つの和がVDD線及びVSS線の電圧降下
量になる。さらに、配線抵抗Rを配線のシート抵抗ρ
s、配線幅W及び配線長L0 で表すと、電圧降下量Vdr
opは以下に示す計算式[数11]となる。
【0103】
【数11】
【0104】各回路ブロック1,…,mに実際に印加さ
れる実効電源電圧Vddeff は、電源端子に印加された基
準電源電圧Vdd0 と電圧降下量Vdropとの差から生じる
電圧であり、以下に示す計算式[数12]のように表わ
される。
【0105】
【数12】
【0106】次に、具体的な集積回路を例に挙げ、実効
電源電圧Vddeff の数値計算例を示す。
【0107】図11(a)は実効電源電圧Vddeff の解
析対象とする集積回路のレイアウト図である。ここで
は、図10に示した場合と同様に、電源配線の配線寄生
素子として抵抗のみを考慮している。図11(a)に示
すように、第1のVDD端子51は第1のVDD線55
に接続され、第2のVDD端子52は第2のVDD線5
6に接続され、第1のVSS端子53は第1のVSS線
57に接続され、第2のVSS端子54は第2のVSS
線58に接続されている。第1の回路ブロック61、第
2の回路ブロック62、第3の回路ブロック63及び第
4の回路ブロック64は第1のVDD線55、第2のV
DD線56、第1のVSS線57及び第2のVSS線5
8にそれぞれ接続されている。
【0108】図11(a)に示す集積回路は、図8に示
す集積回路において、第1の回路ブロック61、第2の
回路ブロック62、第3の回路ブロック63及び第4の
回路ブロック64の4つの回路ブロックと、2対のVD
D線及びVSS線とが設けられており、VDD線及びV
SS線の各配線長が5mmで、各VDD線及びVSS線
のブロック当たりの配線長L0 が1.25mmとする条
件に等しい。また、図11(a)に示す集積回路は、第
1のVDD線55及び第2のVDD線56並びに第1の
VSS線57及び第2のVSS線58の各シート抵抗ρ
sをそれぞれ50mΩ/□とする。
【0109】図11(b)に示す集積回路は、図11
(a)に示す集積回路の等価回路を表わしており、第1
の回路ブロック61、第2の回路ブロック62、第3の
回路ブロック63及び第4の回路ブロック64にそれぞ
れ流れる平均消費電流をI61、I62、I63及びI64とす
る。
【0110】図12はVDD線及びVSS線の配線幅W
と実効電源電圧Vddeff との関係を表わすグラフであっ
て、図11(b)に示す各回路ブロック61,62,6
3,64のそれぞれの平均消費電流I61、I62、I63及
びI64が共に等しいと仮定した場合における、計算式
[数12]を用いて実効電源電圧Vddeff を計算した計
算結果である。図12において、171Aは消費電流が
5mAの場合を、172Aは消費電流が10mAの場合
を、173Aは消費電流が15mAの場合を、及び17
4Aは消費電流が20mAの場合をそれぞれ表わしてい
る。
【0111】また、図13はVDD線及びVSS線の配
線幅Wと遅延時間の相対値との関係を表わすグラフであ
って、図11(b)に示す各回路ブロック61,62,
63,64の4つの回路の平均消費電流I61、I62、I
63及びI64が共に等しいと仮定した場合における計算結
果である。図13において、171Bは消費電流が5m
Aの場合を、172Bは消費電流が10mAの場合を、
173Bは消費電流が15mAの場合を、及び174B
は消費電流が20mAの場合をそれぞれ表わしている。
【0112】具体的な計算方法は、計算式[数12]を
用いて実効電源電圧Vddeff を求めた後、PチャネルM
OSFETのドレイン飽和電流を算出する計算式[数
4]のゲート・ソース間電圧Vgsに該実効電源電圧Vdd
eff を代入し、その後、遅延時間を算出する計算式[数
5]を用いて、遅延時間の相対値(=Kv (Vdd))を
算出する。
【0113】従来の集積回路の回路設計においては、集
積回路の電源電圧VDD及び接地電圧VSSは理想電源
と仮定し、該集積回路のVDD端子及びVSS端子に印
加される電源電圧はそれぞれ電源電圧VDD及び接地電
圧VSSに等しいとされてきた。
【0114】しかしながら、例えば、配線幅30μmの
VDD線及びVSS線に平均消費電流10mAの回路が
4つ接続される場合には、図12における曲線172A
に示すように、VDD線及びVSS線の電圧変動量の和
は電源電圧VDDを3.3Vとして約0.2Vの降下と
なる。また、図13における曲線172Bに示すよう
に、遅延時間の増加は5%以上となる。従って、周波数
が100MHz以上の高速動作を実現させようとする場
合は、消費電流が大きくなるため、VDD線及びVSS
線の電圧変動による遅延変動を無視できなくなる。
【0115】さらに、0.5μmCMOSプロセス等の
微細加工を必要とするプロセスでは、高集積化を図るた
めメタル配線層の層数が増加することになるが、配線層
間の絶縁膜の平坦化を容易にするため、配線層の各膜厚
を薄くする傾向にある。この結果、配線層のシート抵抗
が増加するため、VDD線及びVSS線の電圧変動が大
きくなる傾向にある。
【0116】図14は本発明の第3の実施形態に係る、
論理回路におけるVDD線及びVSS線の電圧変動を考
慮した遅延計算装置の動作フローを示している。図14
において、図3に示した構成要素には同一の符号を付す
ことにより説明を省略する。
【0117】図14に示すように、レイアウトデータ1
8は、遅延時間の解析対象となる集積回路のレイアウト
データであって、配線やスタンダードセルのレイアウト
データに加えてVDD線及びVSS線の配置配線情報を
有している。回路活性化率データ19は、回路接続情報
13の各ノードの電流が切り替わるスイッチング率の情
報を有している。セル消費電流データ20は、論理回路
に用いるスタンダードセルの消費電流データである。
【0118】以下、前記のように構成された遅延計算装
置の動作を説明する。
【0119】まず、電源(VDD・VSS)配線寄生素
子抽出工程S10において、電源配線抽出手段は、レイ
アウトデータ18、配線パラメータ12及び回路接続情
報13を用いて、解析対象となる集積回路に接続され、
VDD線及びVSS線よりなる電源配線の配線寄生素子
を抽出すると共に、VDD線及びVSS線に接続される
論理素子の接続情報を抽出する。また、信号配線抽出工
程S01において配線抵抗及び配線容量を抽出する。
【0120】その後、消費電流計算工程S11におい
て、消費電流計算手段は、信号配線抽出工程S01にお
いて抽出された配線抵抗及び配線容量並びに回路活性化
率データ19、セル消費電流データ20及び電源電圧初
期値21を用いて、集積回路の消費電流を算出する。
【0121】例えば、各ゲートの消費電流Idgate を算
出するには、以下に示す計算式[数13]が用いられ
る。
【0122】
【数13】
【0123】ここで、第1項のIclはセルが負荷容量の
充電又は放電を行なうときに必要な電流であり、Ks は
回路活性化率、fは動作周波数、Cl は負荷容量、Vdd
は電源電圧である。第2項のIpen はセルのスイッチン
グ時にVDD線とVSS線との間に流れる貫通電流を表
わしている。貫通電流Ipen は、セルの入力電圧がVS
SからVDD又はVDDからVSSにスイッチングする
スイッチング期間Ts に、PMOSにより構成されたプ
ルアップ回路とNMOSにより構成されたプルダウン回
路とに流れる電流が等しく且つ最大になるときの値が最
大貫通電流Ippとなると仮定して三角波近似を行なって
いる。スイッチング期間Ts はセルの駆動能力、配線容
量及び配線抵抗によって決定される。
【0124】回路活性化率Ks は、例えば、集積回路の
回路設計における機能設計段階の機能記述から、論理合
成によってゲートレベルのネットリストを作成する段階
でシミュレーションを行ない、各ノードのスイッチング
頻度を求めることによって算出できる。回路活性化率K
s は配線容量やセルライブラリの電流データに依存しな
いため、実配線の負荷容量や抵抗容量の情報がなくても
該ネットリストにテストパターンを与えることにより、
各ノードの回路活性化率Ks を算出することができる。
いったん、回路活性化率Ks が求まると、製造プロセス
を変更した場合や、動作周波数、電源電圧などの動作条
件を変更した場合、さらには、ソフトマクロライブラリ
のようにレイアウトの形状を適宜変更する場合などで
も、ネットリストにテストパターンを与え直して消費電
流Idgate をシミュレーションしなおさなくてもよい。
【0125】このように、計算式[数13]を用いるこ
とにより、あらかじめ求めておいた回路活性化率、配線
容量、配線抵抗及びセルの消費電流データから、消費電
流Idgate を静的に計算できるという利点がある。
【0126】また、回路活性化率Ks として、ネットリ
ストが有する論理関数に基づいた論理値の遷移確率を用
いる方法がある。この例を、図15(a)に示す全加算
器の回路図と図15(b)及び(c)に示す真理値表と
を用いて説明する。図15(a)に示すように、本実施
形態に係る全加算器は、中間和sを出力する中間和生成
回路Aと中間桁上げcoを出力する中間桁上げ生成回路
Bとからなる。
【0127】中間和生成回路Aは、一方の入力端子がノ
ードbに接続され、他方の入力端子がノードciに接続
され、出力端子がノードuに接続された第1のNAND
ゲートG1と、一方の入力端子がノードbに接続され、
他方の入力端子がノードciに接続され、残りの入力端
子がノードuに接続され、出力端子がノードvに接続さ
れた第1のNAND−OR複合ゲートG2と、一方の入
力端子がノードaに接続され、他方の入力端子がノード
vに接続され、出力端子がノードsに接続されたEX−
NORゲートG3とからなっており、図15(b)に該
中間和生成回路Aの真理値表を示す。
【0128】中間桁上げ生成回路Bは、一方の入力端子
がノードbに接続され、他方の入力端子がノードciに
接続され、残りの入力端子がノードaに接続され、出力
端子がノードwに接続された第2のNAND−OR複合
ゲートG4と、一方の入力端子がノードbに接続され、
他方の入力端子がノードciに接続され、出力端子がノ
ードxに接続された第2のNANDゲートG5と、一方
の入力端子がノードwに接続され、他方の入力端子がノ
ードxに接続され、出力端子がノードcoに接続された
第3のNANDゲートG6とからなっており、図15
(c)に該中間桁上げ生成回路Bの真理値表を示す。
【0129】図15(b)に示すように、ノードuの論
理値は“1”である確率が3/4であり、論理値“0”
である確率が1/4である。この結果に基づいてノード
uの論理値が遷移する確率を求めると、論理値“1”か
ら論理値“0”に遷移する確率は3/4×1/4=3/
16である。また、論理値“0”から論理値“1”に遷
移する確率は1/4×3/4=3/16である。他のノ
ードv,w,xについても、同様に、論理値“0”から
“1”、又は論理値“1”から“0”にそれぞれ遷移す
る確率を求めることができる。
【0130】論理値“0”から“1”への遷移は、論理
素子内のPチャネルMOSFETのスイッチングによる
VDD線からの充電を意味し、この充電時にVDD線に
電圧降下が発生する。また、論理値“1”から“0”へ
の遷移は、論理素子内のNチャネルMOSFETのスイ
ッチングによるVSS線への放電を意味し、VSS線に
電圧降下(実際には電圧上昇)が発生する。このよう
に、ネットリストに含まれる論理関数を用いて論理値の
遷移確率を求め、該遷移確率に従ってVDD線又はVS
S線に流れる電流を算出することができる。
【0131】なお、当然ながら、テストパターンを用い
て消費電流Idgate を動的に算出する方法を用いてもよ
い。
【0132】次に、消費電流計算工程S11における消
費電流計算手段により算出された消費電流と、電源配線
寄生素子抽出工程S10における電源配線抽出手段によ
り抽出された配線寄生素子を用い、電源(VDD・VS
S)配線電圧変動計算工程S12においてVDD線及び
VSS線の電圧変動量が算出された後、実効電源電圧計
算工程S13における実効電源電圧計算手段により該回
路に印加される実効的な電源電圧である実効電源電圧V
ddeff が算出される。
【0133】以降、第1の実施形態において説明したの
と同様に、遅延計算工程S02、遅延電源係数決定工程
S03及び実効遅延計算工程S04の順に処理を行なっ
て、解析対象となる集積回路の実効的な遅延時間を算出
することができる。
【0134】このように、本実施形態によると、製造プ
ロセスの微細化に伴って発生するVDD線及びVSS線
の電圧変動による遅延時間の増大を論理レベルの遅延計
算を行なうときに、確実に見積もることができる。
【0135】なお、回路活性化率Ks として、遷移確率
の代わりに直接スイッチング頻度を用いてもよい。
【0136】また、本実施形態では、レイアウト設計終
了後の設計データを対象に遅延計算を行なったが、レイ
アウト設計前でもフロアプランからの推定データをもと
に配線抵抗を計算することにより、遅延時間の増加を見
積もることができる。
【0137】また、スタンダードセルを用いたビルディ
ングブロック方式の回路を想定したが、ゲートアレイな
どの回路であってもよい。
【0138】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態を図面に基づいて説明する。
【0139】第3の実施形態においては、消費電流を直
流的に扱っている。実際には、回路の動作時刻に応じて
消費電流が動的に変化するため、直流的に仮定した消費
電流を用いると、VDD線・VSS線の電圧変動量を過
小に見積もる場合や過大に見積もる場合が生じ得る。
【0140】本実施形態は、実際の回路動作で動的に変
化する消費電流を扱えるように、静的な方法を用いて回
路の動作時刻に応じた消費電流及び電源線の電圧変動量
を計算する方法及び手段を導入することにより、実効電
源電圧の精度向上を図っている。
【0141】図16は本実施形態に係る、論理回路にお
けるVDD線及びVSS線の電圧変動に論理素子の動作
時刻を考慮した遅延計算装置の動作フローを示してい
る。ここで、図16において、図14と同一の構成要素
には同一の符号を付すことにより説明を省略する。第3
の実施形態との違いは、動的消費電流計算工程S200
において、遅延計算工程S02の計算結果と電源(VD
D・VSS)配線寄生素子抽出工程S10の抽出結果と
に基づいて消費電流の動的な変化を考慮することにあ
る。
【0142】図17は図16における動的消費電流計算
工程S200の詳細フローを示し、図17に示すよう
に、遅延計算工程S02の計算結果を受ける回路遅延判
定工程S201は、回路遅延が最大となる遅延パス内の
ゲート出力と他のゲート出力とが立ち上がり遅延となる
か又は立ち下がり遅延となるかをそれぞれ判定する工程
である。立ち上がり遅延となる場合はVDD線に電流が
流れ、立ち下がり遅延となる場合はVSS線に電流が流
れると仮定する。従って、立ち上がり遅延の場合には、
VDD線消費電流波形計算工程S202において一のV
DD線に流れる消費電流を該VDD線に接続される論理
素子の動作時刻に合わせて計算し、一方、立ち下がり遅
延の場合には、VSS線消費電流波形計算工程S203
において一のVSS線に流れる消費電流を該VSS線に
接続される論理素子の動作時刻に合わせて計算する。
【0143】通常、遅延計算結果は静的タイミング解析
手法を用いて求めている。これと同様の静的な手法を用
いて全論理素子の消費電流の和を求めると、この消費電
流の和に、同一時刻に動作しない論理素子の消費電流を
含んでしまう。これを回避するため、実効消費電力計算
工程S204において、回路活性化率データ19を用い
て一の動作時刻に動作する論理素子のみを対象とする、
より現実的な消費電流を求める。
【0144】図17に示すVDD線消費電流波形計算工
程S202及びVSS線消費電流波形計算工程S203
における各処理を図18を用いて説明する。図18は図
15に示した第3の実施形態に係る全加算器を用いて、
スイッチングを行なう各論理ゲートに対するVSS線又
はVDD線の関係を示している。図15において、第1
のNANDゲートG1、第1のNAND−OR複合ゲー
トG2、第2のNAND−OR複合ゲートG4及び第2
のNANDゲートG5は一のVDD線・VSS線対に接
続されており、EX−NORゲートG3及び第3のNA
NDゲートG6は他のVDD線・VSS線対に接続され
ているとする。ここで、最大遅延パスは、ノードb,
u,v,sを通るパスであって、ノードb,u,v,s
の各電位、すなわち、各論理値が{b,u,v,s}=
{0,1,0,1}から{b,u,v,s}={1,
0,1,0}に遷移すると仮定する。このときの他のノ
ードの論理値は、静的タイミング解析の結果等から判別
できる。
【0145】最大遅延パスの各ノードb,u,v,s
を、上記の電位変化のように活性化可能なテストパター
ンが見つけられる場合には、論理回路内の各ノードが
“0”から“1”に遷移するときにはVDD線に電流が
流れ、また、論理値が“1”から“0”に遷移するとき
にはVSS線に電流が流れると仮定する。この仮定を簡
略化するときには、最大遅延パスには上記ノードの論理
値遷移に設定し、他のノードについては第3の実施形態
において示した論理関数から決まる遷移確率に基づいて
VDD線及びVSS線のうちいずれに電流が流れるかを
決定する。
【0146】また、図19(a)は図17に示すライブ
ラリのうち、消費電流の計算に用いるセル消費電流デー
タ20の構成要素の一例を示しており、図19(b)に
示すように、該ライブラリには消費電流Iを三角波近似
しており、負荷容量及び配線抵抗(時定数RC)と該負
荷容量及び配線抵抗に応じたピーク電流Ipeakと遷移時
刻の半値幅ΔTとが記述されている。
【0147】まず、図18(a)に示すように、ノード
b及びvは論理値が0から1に遷移するためノードの電
圧値Vが上昇し、ノードu及びsは論理値が1から0に
遷移するためノードの電圧値Vが下降していることが分
かる。これらの各論理素子のスイッチング時刻にそれぞ
れ対応するように、図18(b)に示す三角波近似され
たピーク電流Ipeakの時刻を一致させ、各論理素子の電
流波形を重ね合わせることによりVDD線又はVSS線
に流れる消費電流をそれぞれ算出する。このとき、VD
D・VSS線配線寄生素子抽出工程S10の抽出結果を
参照しながら、一のVDD線・VSS線対に接続される
論理素子の消費電流波形を重ね合わせる。図15に示す
全加算器の場合には、第1のNANDゲートG1、第1
のNAND−OR複合ゲートG2、第2のNAND−O
R複合ゲートG4及び第2のNANDゲートG5に流れ
る消費電流波形を互いに重ね合わせることになる。
【0148】次に、図18(c)に示すように、全加算
器に流れる実効的な消費電流を計算する。前述したよう
に、通常の静的タイミング解析と同様に静的な手法を用
いて求めると、全論理素子の消費電流の和として、同一
時刻に動作しない論理素子の消費電流を含めて計算して
しまうことになる。これを解決するため、最大遅延パス
(解析対象となるパス)内の論理素子においては、最大
遅延パスとなるときの論理変化の消費電流を設定し、そ
れ以外の論理素子においては回路活性化率データ19に
おける回路活性化率Ks を消費電流に乗じることによっ
て、実効的な消費電流を算出する。
【0149】なお、回路活性化率データ19は、最大遅
延パスとなるテストパターンが得られる場合には、その
ときの各論理素子の出力の状態変化に基づいて設定す
る。また、より簡略化する場合には、第3の実施形態で
示したように、論理関数によって決定される遷移確率を
用いて算出すればよい。
【0150】次に、図18(d)に示すように、VDD
線・VSS線対に流れる消費電流からその電圧降下量を
計算した後、第3の実施形態と同様に各論理素子ごとに
実効電源電圧を計算し、遅延時間Δtを補正した実効的
な遅延時間を算出する。遅延時間Δtは、[数11]に
おける電圧降下量Vdrop、[数12]における実効電源
電圧Vddeff 、及び[数13]における実効的な消費電
流Idgate を用いて求めることができる。なお、[数1
3]に示すように、消費電流Idgate の時間依存性は、
論理素子のスイッチング期間Ts に依存している。従っ
て、遅延時間Δtの補正を、動作時刻の早い論理素子か
ら順次行ない、補正後の遅延時間を用いて再度消費電流
の時間依存性を算出することによって、この消費電流I
dgate の時間依存性に対応することができる。なお、図
18(d)において、第1のNANDゲートG1の出力
であるノードuの遅延のみを記しているが、他の論理素
子の出力についても同様の補正を行なう。
【0151】このように、本実施形態によると、製造プ
ロセスの微細化に伴って発生するVDD線及びVSS線
の電圧変動による遅延時間の増大を、論理レベルの遅延
計算を行なうときに消費電流の動的な変化を考慮するこ
とにより確実に見積もることができる。
【0152】また、VDD線及びVSS線に接続された
容量(C)成分又はインダクタンス(L)成分による周
波数依存性を有する電源線のインピーダンス変化も同様
に、消費電流の時間依存性から求めることができる。
【0153】なお、本実施形態では、レイアウト設計終
了後の設計データを対象に遅延計算を行なったが、レイ
アウト設計前でもフロアプランからの推定データをもと
に配線抵抗を算出することにより、遅延時間の増加を見
積もることができる。
【0154】また、スタンダードセルを用いたビルディ
ングブロック方式の回路を想定したが、ゲートアレイな
どの回路であってもよい。
【0155】(第5の実施形態)以下、本発明の第5の
実施形態を図面に基づいて説明する。
【0156】図20は本発明の第5の実施形態に係る、
論理回路におけるVDD線及びVSS線の電圧変動を考
慮した遅延計算装置の動作フローを示している。
【0157】本実施形態の特徴として、消費電流と実効
電源電圧とは相互に依存するため、前記第3の実施形態
に示した遅延計算装置における消費電流の計算及び電源
線の電圧変動の計算に再帰的に計算を行なう計算ループ
手段L14と収束条件判定手段S14とを導入すること
により、実効電源電圧の精度向上を図っている。
【0158】以下、前記のように構成された遅延計算装
置の動作を説明する。
【0159】前記第3の実施形態との差異のみを説明す
ると、消費電流計算工程S11において、消費電流計算
手段は、電源電圧初期値21に基づいて、解析対象とす
る集積回路の消費電流Idd(0)の計算を行なった後、
実効電源電圧計算工程S13において、実効電源電圧計
算手段は、まず、消費電流Idd(0)をもとにVDD線
及びVSS線の電圧変動を考慮した実効電源電圧Vdd
(0)を計算する。該実効電源電圧Vdd(0)をもとに
再度消費電流Idd(1)を計算し、さらに実効電源電圧
Vdd(1)を計算する。このように再帰的な消費電流I
dd(i)(但し、i=1,2,…の整数とする。)と実
効電源電圧Vdd(i)(但し、i=1,2,…の整数と
する。)との計算を繰り返し、収束条件判定工程S14
において、収束条件判定手段は、以下に示す判定式[数
14]に示す収束条件を満足するか否かの判定を行な
う。
【0160】
【数14】
【0161】ここで、Vdd(i)がi回目の計算ループ
L14により決定された実効電源電圧、Vdd(i−1)
は(i−1)回目の計算ループL14により決定された
実効電源電圧、δは実効電源電圧の収束範囲の上限であ
って、例えば電源電圧の1%程度の値とすればよい。判
定式[数14]を満たせば計算ループL14から抜け、
最後に計算した電源電圧Vdd(i)を実効電源電圧Vdd
eff とする。
【0162】以降、前記第3の実施形態において説明し
たのと同様に、遅延計算工程S02、遅延電源係数決定
工程S03及び実効遅延計算工程S04の順に処理を行
なって、解析対象となる集積回路の実効的な遅延時間を
算出することができる。
【0163】このように、本実施形態によると、相互に
依存関係の強い回路の消費電流と実効電源電圧とを再帰
的なループを形成して計算するため、遅延時間の計算精
度をさらに向上させることができる。
【0164】(第6の実施形態)以下、本発明の第6の
実施形態を図面に基づいて説明する。
【0165】図21は本発明の第6の実施形態に係る論
理回路における遅延計算方法及び遅延計算装置が解析の
対象とする集積回路のレイアウト図である。
【0166】本実施形態の特徴として、集積回路の外部
電源端子から該集積回路の内部に配置されている回路ブ
ロックの電源端子まで、及び該回路ブロックから該ブロ
ックの内部に配置されているスタンダードセルの電源端
子までの各電源線の電圧変動を階層的に求めることによ
り、スタンダードセルの遅延時間を算出する。
【0167】図21において、外部電源端子としての第
1のVDD端子71は第1のVDD線75に接続され、
第2のVDD端子72は第2のVDD線76に接続さ
れ、第1のVSS端子73は第1のVSS線77に接続
され、第2のVSS端子74は第2のVSS線78に接
続されている。第1の回路ブロック91A、第2の回路
ブロック92A、第3の回路ブロック93A及び第4の
回路ブロック94Aは第1のVDD線75、第2のVD
D線76、第1のVSS線77及び第2のVSS線78
にそれぞれ接続されている。
【0168】第1のVDD線75には、第1のブロック
用VDD電源端子711、第2のブロック用VDD電源
端子712、第3のブロック用VDD電源端子713及
び第4のブロック用VDD電源端子714が設けられ、
第1のVSS線77には、第1のブロック用VSS電源
端子731、第2のブロック用VSS電源端子732、
第3のブロック用VSS電源端子733及び第4のブロ
ック用VSS電源端子734が設けられている。
【0169】同様に、第2のVDD線76には、第5の
ブロック用VDD電源端子721、第6のブロック用V
DD電源端子722、第7のブロック用VDD電源端子
723及び第8のブロック用VDD電源端子724が設
けられ、第2のVSS線78には、第5のブロック用V
SS電源端子741、第6のブロック用VSS電源端子
742、第7のブロック用VSS電源端子743及び第
8のブロック用VSS電源端子744が設けられてい
る。
【0170】第1の回路ブロック91Aには、第1のブ
ロック内VDD線79、第2のブロック内VDD線8
0、第1のブロック内VSS線81及び第2のブロック
内VSS線82が設けられている。第1のVDD線7
9、第2のVDD線80、第1のVSS線81及び第2
のVSS線82にそれぞれセル用電源端子(図示せず)
を介して接続されている第1のスタンダードセル91
1、第2のスタンダードセル912、第3のスタンダー
ドセル913、第4のスタンダードセル914等が配置
されている。
【0171】なお、第1の回路ブロック91Aと同様
に、第2の回路ブロック92A及び第3の回路ブロック
93A等にもその内部には複数のスタンダードセルが配
置されている。
【0172】図22(a)は図21に示す集積回路の第
1の等価回路図である。図22(a)において、91B
は第1の回路ブロック91Aの第1の等価回路、92B
は第2の回路ブロック92Aの等価回路、93Bは第3
の回路ブロック93Aの等価回路及び94Bは第4の回
路ブロック94Aの等価回路をそれぞれ表わしており、
I91は第1の回路ブロックの第1の等価回路91Bの平
均消費電流、I92は第2の回路ブロックの等価回路92
Bの平均消費電流、I93は第3の回路ブロックの等価回
路93Bの平均消費電流、I94は第4の回路ブロックの
等価回路94Bの平均消費電流をそれぞれ表わしてい
る。
【0173】また、図22(b)は図22(a)に示す
第1の回路ブロックの第2の等価回路図である。図22
(b)において、91Cは第1の回路ブロックの第2の
等価回路を表わし、I911 は図21に示す第1のスタン
ダードセル911の平均消費電流、I912 は第2のスタ
ンダードセル912の平均消費電流、I913 は第3のス
タンダードセル913の平均消費電流及びI914 は第4
のスタンダードセル914の平均消費電流をそれぞれ表
わしている。
【0174】前記のように構成された集積回路におけ
る、VDD線及びVSS線の電圧変動を考慮して信号伝
搬時間の遅延を算出するには、消費電流の計算と電源電
圧の計算とを順次階層的に行なう必要がある。
【0175】図23は本発明の第6の実施形態に係る論
理回路における階層構造を考慮した遅延計算装置の動作
フローを示している。図23において、図20に示した
構成要素には同一の符号を付すことにより説明を省略す
る。
【0176】本実施形態の特徴として、図23に示すよ
うに、消費電流及び実効電源電圧を算出する各工程にお
いて、回路ブロック単位に計算を行なうブロックレベル
消費電流計算手段と、該ブロックレベル消費電流計算手
段により回路ブロックごとに算出された消費電流の総和
を求め、解析対象である集積回路全体の消費電流を算出
するチップレベル消費電流計算手段と、チップレベルの
消費電流に基づいてチップレベルの電源配線の電圧変動
量を算出するチップレベルVDD・VSS配線電圧変動
計算手段と、チップレベルの電源配線の電圧変動量を用
いてブロックレベルの電源配線の電圧変動量を算出する
ブロックレベルのVDD・VSS配線電圧変動計算手段
とを備えている。
【0177】以下、前記のように構成された遅延計算装
置における消費電流の計算及び実効電源電圧の計算手順
を説明する。
【0178】図23に示すように、まず、ブロックレベ
ル消費電流計算工程S111において、ブロックレベル
消費電流計算手段は、解析対象とする集積回路の動作基
準となる電源電圧である電源電圧初期値21に基づい
て、回路ブロック内の各スタンダードセル(又は論理ゲ
ート)ごとの消費電流を算出する。例えば、ブロックレ
ベルの消費電流計算とは、図22(b)に示す等価回路
において、第1の回路ブロック91Cにおける第1のス
タンダードセル911の平均消費電流I911 や第2のス
タンダードセル912の平均消費電流I912 等を算出す
ることに対応する。
【0179】次に、チップレベル消費電流計算工程S1
12において、チップレベル消費電流計算手段は、ブロ
ックレベル消費電流計算手段により算出された消費電流
データを用いて、集積回路における各回路ブロックの消
費電流を算出する。例えば、チップレベルの消費電流計
算とは、図22(a)に示す等価回路において、第1の
回路ブロック91Bの平均消費電流I91や第2の回路ブ
ロック92Bの平均消費電流I92等を算出することに対
応する。
【0180】次に、チップレベルVDD・VSS配線電
圧変動計算工程S121において、チップレベル変動電
圧計算手段は、チップレベルの消費電流データをもと
に、チップの電源端子から各回路ブロックの電源端子ま
でのVDD線及びVSS線のチップレベルの変動電圧と
しての電圧変動量を算出する。例えば、チップレベルの
変動電圧計算とは、図22(a)に示す等価回路におい
て、第1の回路ブロック91Bの平均消費電流I91や第
2の回路ブロック92Bの平均消費電流I92等を用い
て、第1のVDD線75及び第1のVSS線77等の電
圧変動量を算出することに対応する。
【0181】次に、ブロックレベルVDD・VSS配線
電圧変動計算工程S122において、ブロックレベル変
動電圧計算手段は、ブロックレベルの消費電流データを
もとに、回路ブロックの各電源端子からスタンダードセ
ルの各電源端子までのVDD線及びVSS線のブロック
レベルの変動電圧としての電圧変動量を算出する。例え
ば、ブロックレベルの変動電圧計算とは、図22(b)
に示す等価回路において、第1の回路ブロック91Cに
おける第1のスタンダードセル911の平均消費電流I
911 や第2のスタンダードセル912の平均消費電流I
912 等から、第1のブロック内VDD線79、第1のブ
ロック内VSS線81等の電圧変動量を算出することに
対応する。
【0182】次に、実効電源電圧計算工程S13におい
て、実効電源電圧計算手段は、ブロックレベルの電圧変
動量であるブロックレベルの変動電圧と、チップレベル
の電圧変動量であるチップレベルの変動電圧との和を求
め、第1のVDD線75、第1のVSS線77等に印加
される電源電圧から該変動電圧の和を差し引くことによ
り、各スタンダードセル911,912,913,91
4等に印加される実効電源電圧を決定する。
【0183】また、収束条件判定工程S14は、前記第
5の実施形態と同様に、消費電流と実効電源電圧との計
算を再帰的に行なうことにより、実効電源電圧の精度の
向上を図っている。
【0184】以降、遅延計算工程S02、遅延電源係数
決定工程S03及び実効遅延計算工程S04の順に処理
を行なって、解析対象となる集積回路の実効的な遅延時
間を算出することができる。
【0185】このように、消費電流の計算と実効電源電
圧の計算とを階層的に行なうことにより、ビルディング
ブロック方式等により設計された大規模な集積回路にお
いても、回路全体(=1チップ)の遅延検証を確実に実
現することができる。
【0186】なお、本実施形態においても、第4の実施
形態において説明したように、ブロックレベル消費電流
計算工程S111に、遅延計算工程S02の計算結果と
電源(VDD・VSS)配線寄生素子抽出工程S10の
抽出結果とに基づいて消費電流の動的な変化を計算する
動的消費電流計算工程を含めると、電源配線の電圧変動
による遅延時間の変化量の見積もりを一層確実に行なえ
るようになる。
【0187】(第7の実施形態)以下、本発明の第7の
実施形態を図面に基づいて説明する。
【0188】本実施形態においては、論理回路における
遅延時間の電源電圧による変化の影響を遅延データとし
て論理ライブラリに組み込むための計算方法を説明す
る。
【0189】図24は本発明の第7の実施形態に係る遅
延ライブラリの遅延データを求める計算方法の処理フロ
ーである。
【0190】ここで、遅延時間の計算を簡単にするため
に、遅延時間が、負荷容量に依存しないセル固有遅延と
負荷容量に依存して増加する依存遅延との2つの成分か
らなるとする。基準電源電圧Vdd0 で抽出したセル遅延
データを以下の計算式[数15]に示す。
【0191】
【数15】
【0192】ここで、Td0は基準電源電圧Vdd0 におけ
る信号の遅延時間、t0_0 は負荷容量に依存しない遅延
時間、Δt_0は負荷容量Cl に比例する遅延時間であ
る。
【0193】以下、計算式[数15]に示す遅延データ
t0_0 及びΔt_0の電源電圧依存性の計算手順を説明す
る。図24に示すように、基準電源電圧Vdd0 における
遅延データt0_0 及びΔt_0は基準電源電圧遅延データ
D001として、また、キャリアの移動度や酸化膜厚等
のドレイン飽和電流Idspiを決める飽和電流パラメータ
D002はあらかじめ用意されている。なお、Pチャネ
ルMOSFETのドレイン飽和電流Idsは計算式[数
4]で表わされるものとする。
【0194】まず、図24に示すように、動作電源電圧
設定工程S001において、論理回路の動作電源電圧V
ddi が所望のセルに与えられると、指数決定工程S00
2において動作電源電圧Vddi に与えられた電圧値に従
って指数αi を決定する。
【0195】次に、ドレイン飽和電流決定工程S003
において、計算式[数4]に従ってIdspiを決定した
後、遅延電源係数計算工程S004において、基準とな
るVdd0 に対するVddi の比の値である電源電圧係数
(=Vddi /Vdd0 )と、Idspiに対する基準となる電
流Idsp0との比の値である電流係数(=Idsp0/Idsp
i)を計算し、電源電圧係数と電流係数との積を計算し
て遅延電源係数Kv を算出する。
【0196】次に、遅延データ決定工程S005におい
て、基準電源電圧遅延データD0001と遅延電源係数
Kv との積を求めて、遅延データD003(=t0 ,Δ
t)を決定する。この2つの遅延データと計算式[数1
5]との計算結果を用いると、遅延時間Td は以下に示
す計算式[数16]のように表わされる。
【0197】
【数16】
【0198】なお、動作電源電圧Vddi と指数αi との
相関関係の具体的な付与方法として、例えば、表形式の
テーブルモデルを用いる方法等が考えられる。
【0199】このように、本実施形態によると、論理回
路におけるセルに動作電源電圧Vddi を与え、且つ、該
動作電源電圧Vddi と指数αi の関係を求めることのみ
によって、スタンダードセルにおける遅延データの電源
電圧依存性を容易に且つ確実に算出することができる。
【0200】また、本実施形態の特徴として、多ビット
の加算セルなどの多入力ゲートの場合に、ある1つの電
圧条件で求めた遅延値が使えるため、遅延データの抽出
時間が短くなるので、従って、セルライブラリの開発期
間の短縮化を図ることができる。
【0201】(第8の実施形態)以下、本発明の第8の
実施形態を図面に基づいて説明する。
【0202】本実施形態においては、論理回路における
遅延時間の電源電圧による変化の影響を論理ライブラリ
に遅延データとして組み込むための計算方法であって、
立ち上がり遅延時間と立ち下がり遅延時間とのそれぞれ
について電源電圧依存性を求める方法を説明する。
【0203】論理回路において、出力負荷インピーダン
スが大きな場合には、セルの内部ノードを駆動する遅延
に対して出力ノードを駆動する遅延の比率が大きくな
る。論理回路におけるセル遅延には、出力ノードがPチ
ャネルMOSFETによって駆動され、出力電位が接地
電圧Vssから電源電圧Vddに上昇する立ち上がり遅延
と、出力ノードがNチャネルMOSFETによって駆動
され、出力電位が電源電圧Vddから接地電圧Vssに下降
する立ち下がり遅延とがある。
【0204】本実施形態においては、PチャネルMOS
FETとNチャネルMOSFETとはそれぞれドレイン
電流の電源電圧依存性が異なるため、立ち上がり遅延に
対する遅延電源係数と立ち下がり遅延に対する遅延電源
係数とをそれぞれ個別に持つこととしている。
【0205】図25は本発明の第8の実施形態に係る遅
延ライブラリの遅延データを求める計算方法の処理フロ
ーである。
【0206】ここで、遅延時間の計算を簡単にするため
に、計算式[数15]に示したのと同様の形式を用い
て、遅延時間が、負荷容量に依存しない立ち上がりセル
固有遅延及び立ち下がり固有遅延、並びに負荷容量に依
存して増加する立ち上がり依存遅延及びの立ち下がり依
存遅延の4つの成分からなるとする。基準電源電圧Vdd
0 で抽出した、立ち上がりセル遅延データを計算式[数
17]に示し、立ち下がりセル遅延データを計算式[数
18]に示す。
【0207】
【数17】
【0208】
【数18】
【0209】ここで、Tdr0 は基準電源電圧Vdd0 にお
ける信号の立ち上がり遅延時間、tr0_0は負荷容量Cl
に依存しない立ち上がり遅延時間、Δtr_0 は負荷容量
Clに比例する立ち上がり遅延時間、Tdf0 は基準電源
電圧Vdd0 における信号の立ち下がり遅延時間、tf0_0
は負荷容量Cl に依存しない立ち下がり遅延時間、Δt
f_0 は負荷容量Cl に比例する立ち下がり遅延時間であ
る。
【0210】以下、計算式[数17]に示す立ち上がり
遅延データtr0_0,Δtr_0 と、計算式[数18]に示
す立ち下がり遅延データtf0_0,Δtf_0 との電源電圧
依存性の計算手順を説明する。簡単のため、図24と異
なる構成要素のみを説明することとし、図25におい
て、図24に示す構成要素と同一の構成要素には同一の
符号を付すことにより説明を省略する。基準電源電圧V
dd0 における立ち上がり遅延データtr0_0,Δtr_0 及
び立ち下がり遅延データtf0_0,Δtf_0 は基準電源電
圧遅延データD011としてあらかじめ用意されてい
る。なお、PチャネルMOSFET及びNチャネルMO
SFETのドレイン飽和電流Idsは計算式[数4]で表
わされるものとする。
【0211】まず、図25に示すように、動作電源電圧
設定工程S001において、論理回路の動作電源電圧V
ddi が所望のセルに与えられると、指数決定工程S01
2において動作電源電圧Vddi に与えられた電圧値に従
って、NチャネルMOSFETの指数αniとPチャネル
MOSFETの指数αpiとをそれぞれ決定する。
【0212】次に、ドレイン飽和電流決定工程S013
において、計算式[数4]に従って、NチャネルMOS
FETのドレイン飽和電流IdsniとPチャネルMOSF
ETのドレイン飽和電流Idspiとを決定する。
【0213】次に、遅延電源係数計算工程S014にお
いて、基準となるVdd0 に対するVddi の比の値である
電源電圧係数(=Vddi /Vdd0 )と、PチャネルMO
SFETのドレイン飽和電流Idspiに対する基準となる
電流Idsp0との比の値である第1の電流係数(=Idsp0
/Idspi)を計算し、電源電圧係数と第1の電流係数と
の積を計算して立ち上がり遅延電源係数Kvpを算出す
る。同様に、NチャネルMOSFETのドレイン飽和電
流Idsniに対する基準となる電流Idsn0との比の値であ
る第2の電流係数(=Idsn0/Idsni)を計算し、電源
電圧係数と第2の電流係数との積を計算して立ち下がり
遅延電源係数Kvnを算出する。
【0214】次に、遅延データ決定工程S015におい
て、基準電源電圧遅延データD011におけるtr0_0,
Δtr_0 と立ち上がり遅延電源係数Kvpとの各積を求め
て立ち上がり遅延データD013(=tr0,Δtr )を
決定する。同様に、基準電源電圧遅延データD011に
おけるtf0_0,Δtf_0 と立ち下がり遅延電源係数Kvn
との各積を求めて立ち下がり遅延データD014(=t
f0,Δtf )を決定する。計算式[数19]に示すよう
に、立ち上がり遅延時間Tdrは、これら2つの立ち上が
り遅延データと計算式[数17]の計算結果とを用いて
表わされ、また、計算式[数20]に示すように、立ち
下がり遅延時間Tdfは、2つの立ち下がり遅延データと
計算式[数18]の計算結果とを用いて表わされる。
【0215】
【数19】
【0216】
【数20】
【0217】なお、動作電源電圧Vddi と各指数αpi,
αniとの相関関係の具体的な付与方法として、例えば、
表形式のテーブルモデルを用いる方法等が考えられる。
【0218】このように、本実施形態によると、論理回
路におけるセルに動作電源電圧Vddi を与え、且つ、該
動作電源電圧Vddi と各指数αpi,αniの関係を求める
ことのみによって、スタンダードセルにおける遅延デー
タの電源電圧依存性を容易に且つ確実に算出することが
できる。
【0219】さらに、スタンダードセルにおける遅延デ
ータとして、立ち上がり遅延データと立ち下がり遅延デ
ータとを個別に算出するため、遅延データの電源電圧依
存性をより詳細に表現できるので、該遅延データの精度
を一層向上させることができる。
【0220】また、本実施形態の特徴として、多ビット
の加算セルなどの多入力ゲートの場合に、ある1つの電
圧条件で求めた遅延値が使えるため、遅延データの抽出
時間が短くなるので、従って、セルライブラリの開発期
間の短縮化を図ることができる。
【0221】
【発明の効果】本発明に係る第1の論理回路の遅延計算
方法によると、第1の電源電圧に対する第2の電源電圧
の比の値からなる電源電圧係数を求め、第2の電源電圧
が印加されたときのFETのドレイン飽和電流に対する
第1の電源電圧が印加されたときのFETのドレイン飽
和電流の比の値からなる電流係数を求め、第1の電源電
圧が印加されたときの論理回路の遅延時間と電源電圧係
数と電流係数との積を算出し、該算出結果を第2の電源
電圧が印加されたときの論理回路の遅延時間である第2
の遅延時間とするため、電源電圧とFETのドレイン飽
和電流との関係を決めると、セルライブラリから第1の
電源電圧で抽出された遅延データを用いて、論理回路の
遅延時間の電源電圧依存性を容易に且つ解析的に求める
ことができる。
【0222】本発明に係る第2の論理回路の遅延計算方
法によると、基準電源電圧に対する回路ブロックごとの
電源電圧の比の値からなる電源電圧係数をそれぞれ求
め、回路ブロックごとの電源電圧が印加されたときのF
ETのドレイン飽和電流に対する基準電源電圧が印加さ
れたときのFETのドレイン飽和電流の比の値からなる
電流係数をそれぞれ求め、基準電源電圧が印加されたと
きの回路ブロックの各遅延時間に、該回路ブロックに対
応する電源電圧係数及び電流係数をそれぞれ乗ずること
により、回路ブロックごとの電源電圧が印加されたとき
の遅延時間を算出するため、回路ブロックごとの電源電
圧とFETのドレイン飽和電流との関係を決めると、セ
ルライブラリから基準となる電源電圧で抽出された遅延
データを用いて、論理回路の複数設けられた回路ブロッ
クごとの遅延時間の電源電圧依存性を容易に且つ解析的
に求めることができる。
【0223】本発明に係る第3の論理回路の遅延計算方
法によると、基準電源電圧に対し電圧変動を反映させた
実効電源電圧の比の値からなる電源電圧係数を求め、実
効電源電圧が印加されたときのFETのドレイン飽和電
流に対する基準電源電圧が印加されたときのFETのド
レイン飽和電流の比の値からなる電流係数を求め、基準
電源電圧が印加されたときの回路ブロックの遅延時間
に、実効電源電圧が印加されたときの電源電圧係数及び
電流係数を乗ずることにより、実効電源電圧が印加され
たときの遅延時間を算出するため、電圧変動量が反映さ
れた実効的な電源電圧とFETのドレイン飽和電流との
関係を決めると、セルライブラリから基準となる電源電
圧で抽出された遅延データを用いて、論理回路の実効的
な電源電圧が印加されたときの遅延時間の電源電圧依存
性を容易に且つ解析的に求めることができる。
【0224】第3の論理回路の遅延計算方法において、
論理回路の消費電流を、複数の論理素子のうち、一の動
作時刻に合わせて共に動作する特定の論理素子ごとの消
費電流の和とし、消費電流の和に基づいて特定の論理素
子が接続される電源線の電圧変動量を算出し、電源線の
電圧変動量を変動電圧とすると、消費電流の時間変化に
よる動的な電源線の電圧変動量を考慮した遅延時間を容
易に且つ解析的に求めることができる。
【0225】第1〜3の論理回路の遅延計算方法におい
て、FETがPチャネルMOSFETであると、ドレイ
ン飽和電流の電源電圧依存性はPチャネルMOSFET
の方がNチャネルMOSFETよりも大きいため、遅延
時間の電源電圧依存性がドレイン飽和電流に対する電源
電圧の比の値にほぼ一致するので、電源電圧が印加され
たときの遅延時間の電源電圧依存性を確実に求めること
ができる。
【0226】第1〜3の論理回路の遅延計算方法におい
て、FETのドレイン飽和電流を、電源電圧とFETの
しきい値電圧との差を所定の係数で累乗し、累乗して得
られた値に電流の利得係数を乗じることにより求める
と、FETのドレイン飽和電流を確実に求めることがで
きる。
【0227】本発明に係る第1の論理回路の遅延計算装
置によると、第1の電源電圧に対する第2の電源電圧の
比の値からなる電源電圧係数を求めると共に、第2の電
源電圧が印加されたときのFETのドレイン飽和電流に
対する第1の電源電圧が印加されたときのFETのドレ
イン飽和電流の比の値からなる電流係数を求める遅延電
源係数決定手段と、第1の電源電圧が印加されたときの
論理回路の遅延時間を算出する遅延計算手段と、該遅延
計算手段が算出した遅延時間と電源電圧係数と電流係数
との積を算出し、該算出結果を第2の電源電圧が印加さ
れたときの論理回路の実効遅延時間とする実効遅延計算
手段とを備えているため、電源電圧とFETのドレイン
飽和電流との関係を決めると、セルライブラリから第1
の電源電圧で抽出された遅延データを用いて、論理回路
の遅延時間の電源電圧依存性を容易に且つ解析的に求め
ることができる。
【0228】第1の論理回路の遅延計算装置において、
基準電源電圧に対する各回路ブロックの電源電圧の比の
値を定義するブロック別電源電圧係数を決定する手段
と、各回路ブロックの電源電圧が印加されたときのFE
Tのドレイン飽和電流に対する基準電源電圧が印加され
たときのFETのドレイン飽和電流の比の値を定義する
ブロック別電流係数を決定する手段とを有していると、
回路ブロックごとの電源電圧とFETのドレイン飽和電
流との関係を決めれば、セルライブラリから基準となる
電源電圧で抽出された遅延データを用いて、論理回路の
複数設けられた回路ブロックごとの遅延時間の電源電圧
依存性を容易に且つ解析的に求めることができる。
【0229】本発明に係る第2の論理回路の遅延計算装
置によると、消費電流と電源配線の配線寄生素子とから
電源配線の電圧変動を算出し、電源端子に印加される電
源電圧と電圧変動分の電位との差を求めて実効的な電源
電圧である実効電源電圧を算出する実効電源電圧計算手
段と、電源電圧に対する実効電源電圧の比の値である電
源電圧係数を決定すると共に、該実効電源電圧が印加さ
れたときのFETのドレイン飽和電流に対する電源電圧
が印加されたときのFETのドレイン飽和電流の比の値
である電流係数を決定する遅延電源係数決定手段と、信
号配線の寄生素子と論理素子の遅延データとから電源電
圧が印加されたときの遅延時間を算出する遅延計算手段
と、該遅延計算手段が算出した遅延時間と電源電圧係数
と電流係数との積を算出し、該算出結果を論理回路の実
効遅延時間とする実効遅延計算手段とを備えているた
め、電圧変動量が反映された実効的な電源電圧とFET
のドレイン飽和電流との関係を決めると、セルライブラ
リから基準となる電源電圧で抽出された遅延データを用
いて、論理回路の実効的な電源電圧が印加されたときの
遅延時間の電源電圧依存性を容易に且つ解析的に求める
ことができる。
【0230】第2の論理回路の遅延計算装置において、
消費電流計算手段が、複数の論理素子のうち、一の動作
時刻に合わせて共に動作する特定の論理素子ごとの消費
電流の和を算出し、実効電源電圧計算手段が、消費電流
の和と電源配線の配線寄生素子とを用いて特定の論理素
子が接続される電源配線の電圧変動量を算出し、遅延電
源係数決定手段が、複数の論理素子のうち動作時刻の早
い論理素子から順に、該論理素子に印加される実効電源
電圧を用いて論理素子ごとに電源電圧係数と電流係数と
を算出すると、消費電流の時間変化による動的な電源配
線の電圧変動量を考慮した遅延時間を容易に且つ解析的
に求めることができる。
【0231】第2の論理回路の遅延計算装置において、
消費電流計算手段が、回路ブロックの消費電流を算出す
るブロックレベル消費電流計算手段と、回路ブロックの
消費電流から集積回路の消費電流を算出するチップレベ
ル消費電流計算手段とを有しており、実効電源電圧計算
手段が、チップレベルの実効電源電圧を算出するチップ
レベル実効電源電圧計算手段とブロックレベルの実効電
源電圧を算出するブロックレベル実効電源電圧計算手段
とを有しており、ブロックレベルの実効電源電圧に基づ
いて集積回路の実効遅延時間を算出すると、消費電流の
計算と実効電源電圧の計算とをチップレベル、ブロック
レベル、セルレベルというように階層的に順次行なうこ
とにより、大規模な集積回路においても、確実に遅延時
間を求めることができる。
【0232】第2の論理回路の遅延計算装置において、
消費電流計算手段が、複数のスタンダードセルのうち、
一の動作時刻に合わせて共に動作する特定のスタンダー
ドセルごとの消費電流の和を算出して、スタンダードセ
ルの消費電流とし、該スタンダードセルの消費電流と電
源配線の配線寄生容量とを用いて特定のスタンダードセ
ルが接続される電源配線の電圧変動量を算出し、遅延電
源係数決定手段が、複数の論理素子のうち動作時刻の早
い論理素子から順に、該論理素子に印加される実効電源
電圧を用いてスタンダードセルごとに電源電圧係数と電
流係数とを算出すると、消費電流の時間変化による動的
な電源配線の電圧変動量を考慮した遅延時間を容易に且
つ解析的に求めることができる。
【0233】第2の論理回路の遅延計算装置において、
消費電流計算手段が、接続情報のノードごとのスイッチ
ング頻度を付与するスイッチング頻度データ付与手段を
有し、スイッチング頻度、信号配線の寄生素子及びスタ
ンダードセルの消費電流データから集積回路の消費電流
を算出すると、スイッチング頻度は配線の寄生素子やセ
ルライブラリの電流データに依存しないため、実配線の
負荷容量や実配線の抵抗容量等の情報がなくても算出す
ることができる。このため、製造プロセスを変更した場
合や、動作周波数、電源電圧などの動作条件を変更した
場合、さらにソフトマクロライブラリのようにレイアウ
トの形状を変更する場合があっても、テストパターンを
与え直して消費電流をシミュレーションしなおす必要が
ないので、集積回路の開発工数が削減される。
【0234】第2の論理回路の遅延計算装置において、
消費電流計算手段が、接続情報に含まれる論理関数を用
いて一の論理値から他の論理値に遷移する論理値の遷移
確率を算出し、遷移確率、信号配線の寄生素子及びスタ
ンダードセルの消費電流データを用いて集積回路の消費
電流を算出すると、製造プロセスを変更した場合や、動
作周波数、電源電圧などの動作条件を変更した場合、さ
らにソフトマクロライブラリのようにレイアウトの形状
を変更する場合があっても、テストパターンを与え直し
て消費電流をシミュレーションしなおす必要がないの
で、集積回路の開発工数が削減される。
【0235】第2の論理回路の遅延計算装置において、
実効電源電圧計算手段の今回の計算結果と記憶した計算
結果との差が所定範囲に収まるか否かを判定し、所定範
囲に収まらない場合は、該所定範囲に収まるまで消費電
流計算手段と実効電源電圧計算手段とを繰り返す収束条
件判定手段を備えていると、相互に依存関係の強い回路
の消費電流と実効電源電圧とを再帰的なループを形成し
て計算するため、遅延時間の計算精度をさらに向上させ
ることができる。
【0236】第1又は第2の論理回路の遅延計算装置に
おいて、FETがPチャネルMOSFETであると、ド
レイン飽和電流の電源電圧依存性はPチャネルMOSF
ETの方がNチャネルMOSFETよりも大きいので、
遅延時間の電源電圧依存性がドレイン飽和電流に対する
電源電圧の比の値にほぼ一致する。これにより、電源電
圧が印加されたときの遅延時間の電源電圧依存性を確実
に求めることができる。
【0237】第1又は第2の論理回路の遅延計算装置に
おいて、FETのドレイン飽和電流が、電源電圧とFE
Tのしきい値電圧との差を所定の係数で累乗し、累乗し
て得られた値に電流の利得係数を乗じることにより求め
られると、FETのドレイン飽和電流が確実に算出され
る。
【0238】本発明に係る第1の遅延ライブラリの遅延
データ計算方法によると、第1の電源電圧に対する第2
の電源電圧の比の値である電源電圧係数を定義する電源
電圧係数定義工程と、第2の電源電圧が印加されたとき
のFETのドレイン飽和電流に対する第1の電源電圧が
印加されたときのFETのドレイン飽和電流の比の値で
ある電流係数を定義する電流係数定義工程と、第1の電
源電圧が印加されたときの論理回路の遅延時間である第
1の遅延時間を定義する第1の遅延時間定義工程と、第
1の遅延時間と電源電圧係数と電流係数との積を算出す
ることにより、第2の電源電圧が印加されたときの論理
回路の遅延時間である第2の遅延時間を決定し、該第2
の遅延時間を遅延データとする遅延データ決定工程とを
備えているため、電源電圧とFETのドレイン飽和電流
との関係を決めると、セルライブラリから第1の電源電
圧で抽出された遅延データを用いて、論理回路の遅延時
間の電源電圧依存性を容易に且つ解析的に求めることが
できる。このため、遅延データの抽出時間を短縮するこ
とができるので、セルライブラリを短期間で開発するこ
とができる。
【0239】第1の遅延ライブラリの遅延データ計算方
法において、FETがPチャネルMOSFETである
と、ドレイン飽和電流の電源電圧依存性はPチャネルM
OSFETの方がNチャネルMOSFETよりも大きい
ので、遅延時間の電源電圧依存性がドレイン飽和電流に
対する電源電圧の比の値にほぼ一致する。これにより、
電源電圧が印加されたときの遅延時間の電源電圧依存性
を確実に求めることができる。
【0240】第1の遅延ライブラリの遅延データ計算方
法において、FETのドレイン飽和電流を、電源電圧と
FETのしきい値電圧との差を所定の係数で累乗し、累
乗して得られた値に電流の利得係数を乗じることにより
求めると、FETのドレイン飽和電流を確実に求めるこ
とができる。
【0241】本発明に係る第2の遅延ライブラリの遅延
データ計算方法によると、第1の遅延ライブラリの遅延
データ計算方法の効果が得られる上に、PチャネルMO
SFETの駆動時に発生する立ち上がり遅延に関して、
第1の電源電圧に起因する第1の立ち上がり遅延時間と
電源電圧係数と第1の電流係数との積を算出することに
より、第2の電源電圧が印加されたときの論理回路の立
ち上がり遅延時間である第2の立ち上がり遅延時間を決
定し、該第2の立ち上がり遅延時間を立ち上がり遅延デ
ータとして求める一方、NチャネルMOSFETの駆動
時に発生する立ち下がり遅延に関して、第1の電源電圧
に起因する第1の立ち下がり遅延時間と電源電圧係数と
第2の電流係数との積を算出することにより、第2の電
源電圧が印加されたときの論理回路の立ち下がり遅延時
間である第2の立ち下がり遅延時間を決定し、該第2の
立ち下がり遅延時間を立ち下がり遅延データとして求め
る。その結果、遅延データを立ち上がり遅延データと立
ち下がり遅延データとして個別に求めることができるた
め、より詳細な遅延ライブラリを作成できるので、遅延
ライブラリとしての精度が向上することになる。
【0242】第2の遅延ライブラリの遅延データ計算方
法において、PチャネルMOSFET及びNチャネルM
OSFETの各ドレイン飽和電流を、電源電圧と各MO
SFETのしきい値電圧との差を所定の係数でそれぞれ
累乗し、累乗して得られた値に電流の利得係数をそれぞ
れ乗じることによって求めると、各MOSFETのドレ
イン飽和電流をそれぞれ確実に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基本CMOSゲートの遅延時間の
電源電圧依存性を示すグラフ図である。
【図2】本発明に係る3000ゲート相当の回路ブロッ
ク及び4KBのスタテイックRAM回路の遅延時間の電
源電圧依存性を示すグラフ図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る論理回路の遅延
計算装置の動作フローを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る論理回路の遅延
計算装置における遅延電源係数を決定する動作フロー図
である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る論理回路の遅延
計算装置における遅延電源係数を決定する動作フロー図
である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る論理回路の遅延
計算装置が遅延計算の対象とする集積回路の構成図であ
る。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る論理回路の遅延
計算装置の動作フローを示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る論理回路の遅延
計算装置が遅延計算の対象とする集積回路の回路図であ
る。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る論理回路の遅延
計算装置が遅延計算の対象とする集積回路の第1の等価
回路図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る論理回路の遅
延計算装置が遅延計算の対象とする集積回路の第2の等
価回路図である。
【図11】(a)は本発明の第3の実施形態に係る論理
回路の遅延計算装置が遅延計算の対象とする集積回路の
レイアウト図である。(b)は本発明の第3の実施形態
に係る論理回路の遅延計算装置が遅延計算の対象とする
集積回路の等価回路図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係るVDD線及び
VSS線の配線幅と実効電源電圧との関係を表わすグラ
フ図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係るVDD線及び
VSS線の配線幅と遅延時間の相対値との関係を表わす
グラフ図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る論理回路の遅
延計算装置の動作フローを示す図である。
【図15】(a)は本発明の第3の実施形態に係る論理
回路の一例である全加算器を示す回路図である。(b)
及び(c)は本発明の第3の実施形態に係る論理回路の
一例である全加算器の真理値表を示す図である。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る論理回路の遅
延計算装置の動作フローを示す図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る論理回路の遅
延計算装置における動的な消費電流を算出する詳細フロ
ーを示す図である。
【図18】本発明の第4の実施形態に係る論理回路の遅
延計算装置における論理素子の消費電流の計算方法と遅
延時間の補正方法とを説明する図である。
【図19】(a)は本発明の第4の実施形態に係る論理
回路の遅延計算装置におけるセル消費電流データの一例
を示す図である。(b)は本発明の第4の実施形態に係
る論理回路の遅延計算装置におけるセル消費電流波形を
示す図である。
【図20】本発明の第5の実施形態に係る論理回路の遅
延計算装置の動作フローを示す図である。
【図21】本発明の第6の実施形態に係る論理回路の遅
延計算装置が遅延計算の対象とする集積回路のレイアウ
ト図である。
【図22】本発明の第6の実施形態に係る論理回路の遅
延計算装置が遅延計算の対象とする集積回路の等価回路
図である。
【図23】本発明の第6の実施形態に係る論理回路の遅
延計算装置の動作フローを示す図である。
【図24】本発明の第7の実施形態に係る遅延ライブラ
リの遅延データの計算方法を示すフロー図である。
【図25】本発明の第8の実施形態に係る遅延ライブラ
リの遅延データの計算方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 2入力NANDゲート 2 2入力NORゲート 3 4入力NANDゲート 4 4入力NORゲート 5 PチャネルMOSFETのドレイン飽和電流
に対する電源電圧の比 6 NチャネルMOSFETのドレイン飽和電流
に対する電源電圧の比 7 論理ブロック 8 スタテイックRAM 9 PチャネルMOSFETのドレイン飽和電流
に対する電源電圧の比 10 NチャネルMOSFETのドレイン飽和電流
に対する電源電圧の比 11 レイアウトデータ 12 配線パラメータ 13 回路接続情報 14 セル遅延データ 15 動作電源電圧データ 16 飽和電流パラメータ 17 回路ブロック動作電源電圧データ 18 レイアウトデータ 19 回路活性化率データ 20 セル消費電流データ 21 電源電圧初期値 S01 信号配線抽出工程 S10 電源(VDD・VSS)配線寄生素子抽出工
程 S11 消費電流計算工程 S200 動的消費電流計算工程 S201 回路遅延判定工程 S202 VDD線消費電流波形計算工程 S203 VSS線消費電流波形計算工程 S204 実効消費電流計算工程 S111 ブロックレベル消費電流計算工程 S112 チップレベル消費電流計算工程 S12 電源(VDD・VSS)配線電圧変動計算工
程 S121 チップレベルVDD・VSS配線電圧変動計
算工程 S122 ブロックレベルVDD・VSS配線電圧変動
計算工程 S13 実効電源電圧計算工程 S14 収束条件判定工程 L14 計算ループ手段 S02 遅延計算工程 S03 遅延電源係数決定工程 S03A 遅延電源係数決定工程 S31 動作電源電圧決定工程 S32 指数決定工程 S33A ドレイン飽和電流決定工程 S33B ドレイン飽和電流決定工程 S34 遅延電源係数決定工程 S04 実効遅延計算工程 50 集積回路 50a 回路ブロック 50b 高速動作回路ブロック 50c 低消費電力回路ブロック 50d 入出力回路ブロック 51 第1のVDD端子 52 第2のVDD端子 53 第1のVSS端子 54 第2のVSS端子 55 第1のVDD線 56 第2のVDD線 57 第1のVSS線 58 第2のVSS線 61 第1の回路ブロック 62 第2の回路ブロック 63 第3の回路ブロック 64 第4の回路ブロック I61 第1の回路ブロックの平均消費電流 I62 第2の回路ブロックの平均消費電流 I63 第3の回路ブロックの平均消費電流 I64 第4の回路ブロックの平均消費電流 G1 第1のNANDゲート G2 第1のNAND−OR複合ゲート G3 EX−NORゲート G4 第2のNAND−OR複合ゲート G5 第2のNANDゲート G6 第3のNANDゲート a ノード b ノード ci ノード co ノード(中間桁上げ) s ノード(中間和) u ノード v ノード w ノード x ノード 71 第1のVDD端子 711 第1のブロック用VDD端子 712 第2のブロック用VDD端子 713 第3のブロック用VDD端子 714 第4のブロック用VDD端子 72 第2のVDD端子 721 第5のブロック用VDD端子 722 第6のブロック用VDD端子 723 第7のブロック用VDD端子 724 第8のブロック用VDD端子 73 第1のVSS端子 731 第1のブロック用VDD端子 732 第2のブロック用VDD端子 733 第3のブロック用VDD端子 734 第4のブロック用VDD端子 74 第2のVSS端子 741 第5のブロック用VDD端子 742 第6のブロック用VDD端子 743 第7のブロック用VDD端子 744 第8のブロック用VDD端子 75 第1のVDD線 76 第2のVDD線 77 第1のVSS線 78 第2のVSS線 79 第1のブロック内VDD線 80 第2のブロック内VDD線 81 第1のブロック内VDD線 82 第2のブロック内VDD線 91A 第1の回路ブロック 911 第1のスタンダードセル 912 第2のスタンダードセル 913 第3のスタンダードセル 914 第4のスタンダードセル 91B 第1の回路ブロックの第1の等価回路 91C 第1の回路ブロックの第2の等価回路 92A 第2の回路ブロック 92B 第2の回路ブロックの等価回路 93A 第3の回路ブロック 93B 第3の回路ブロックの等価回路 94A 第4の回路ブロック 94B 第4の回路ブロックの等価回路 I91 第1の回路ブロックの第1の等価回路の平均
消費電流 I92 第2の回路ブロックの等価回路の平均消費電
流 I93 第3の回路ブロックの等価回路の平均消費電
流 I94 第4の回路ブロックの等価回路の平均消費電
流 I911 第1のスタンダードセルの平均消費電流 I912 第2のスタンダードセルの平均消費電流 I913 第3のスタンダードセルの平均消費電流 I914 第4のスタンダードセルの平均消費電流 171A 5mAの曲線 172A 10mAの曲線 173A 15mAの曲線 174A 20mAの曲線 171B 5mAの曲線 172B 10mAの曲線 173B 15mAの曲線 174B 20mAの曲線 D001 基準電源電圧遅延データ D011 基準電源電圧遅延データ D002 飽和電流パラメータ D003 遅延データ D013 立ち上がり遅延データ D014 立ち下がり遅延データ S001 動作電源電圧設定工程 S002 指数決定工程 S012 指数決定工程 S003 ドレイン飽和電流決定工程 S013 ドレイン飽和電流決定工程 S004 遅延電源係数計算工程 S014 遅延電源係数計算工程 S005 遅延データ決定工程 S015 遅延データ決定工程

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FETを含む複数の論理素子からなる論
    理回路のシミュレーションを行なう際に、前記論理回路
    の電源電圧による信号伝搬時間の遅延を算出する論理回
    路の遅延計算方法であって、 第1の電源電圧に対する第2の電源電圧の比の値を電源
    電圧係数とし、 前記第2の電源電圧が印加されたときの前記FETのド
    レイン飽和電流に対する前記第1の電源電圧が印加され
    たときの前記FETのドレイン飽和電流の比の値を電流
    係数とし、 前記第1の電源電圧が印加されたときの前記論理回路の
    遅延時間である第1の遅延時間と前記電源電圧係数と前
    記電流係数との積を算出し、該算出結果を、前記第2の
    電源電圧が印加されたときの前記論理回路の遅延時間で
    ある第2の遅延時間とすることを特徴とする論理回路の
    遅延計算方法。
  2. 【請求項2】 一の論理回路を構成しており、それぞれ
    がFETを含む複数の論理素子からなり、互いに異なる
    実効電源電圧によって動作する複数の回路ブロックの各
    実効電源電圧による信号伝搬時間の遅延を算出する論理
    回路の遅延計算方法であって、 基準電源電圧に対する前記各回路ブロックの電源電圧の
    比の値である電源電圧係数を算出し、 前記各回路ブロックの実効電源電圧が印加されたときの
    前記FETのドレイン飽和電流に対する前記基準電源電
    圧が印加されたときの前記FETのドレイン飽和電流の
    比の値である電流係数を算出し、 前記基準電源電圧が印加されたときの前記各回路ブロッ
    クの遅延時間である基準遅延時間と前記各回路ブロック
    ごとの前記電源電圧係数と前記電流係数との積を算出
    し、該算出結果を、前記各回路ブロックの遅延時間であ
    る実効遅延時間とすることを特徴とする論理回路の遅延
    計算方法。
  3. 【請求項3】 FETを含む複数の論理素子からなる論
    理回路のシミュレーションを行なう際に、前記論理回路
    の電源電圧の電圧変動による信号伝搬時間の遅延を算出
    する論理回路の遅延計算方法であって、 前記論理回路の消費電流及び電源線の配線寄生素子によ
    って生ずる電圧変動による変動電圧を算出した後、電源
    端子に印加される基準電源電圧と前記変動電圧との差を
    求めることにより、前記論理回路に印加される実効的な
    電源電圧である実効電源電圧を求め、 前記基準電源電圧に対する前記実効電源電圧の比の値で
    ある電源電圧係数を算出すると共に、前記実効電源電圧
    が印加されたときの前記FETのドレイン飽和電流に対
    する前記基準電源電圧が印加されたときの前記FETの
    ドレイン飽和電流の比の値である電流係数を算出し、 前記基準電源電圧に基づいて算出された前記論理回路の
    基準となる遅延時間と前記電源電圧係数と前記電流係数
    との積を算出し、該算出結果を、前記実効電源電圧が印
    加されたときの前記論理回路の遅延時間である実効的な
    遅延時間とすることを特徴とする論理回路の遅延計算方
    法。
  4. 【請求項4】 前記論理回路の消費電流を、前記複数の
    論理素子のうち、一の動作時刻に合わせて共に動作する
    特定の論理素子ごとの消費電流の和とし、 前記消費電流の和に基づいて前記特定の論理素子が接続
    される電源線の電圧変動量を算出し、 前記電源線の電圧変動量を前記変動電圧とすることを特
    徴とする請求項3に記載の遅延時間計算方法。
  5. 【請求項5】 前記FETはPチャネルMOSFETで
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の論理回路の遅延計算方法。
  6. 【請求項6】 前記FETのドレイン飽和電流を、電源
    電圧と前記FETのしきい値電圧との差を所定の係数で
    累乗し、累乗して得られた値に電流の利得係数を乗じる
    ことによって求めることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の論理回路の遅延計算方法。
  7. 【請求項7】 FETを含む複数の論理素子からなる論
    理回路のシミュレーションを行なう際に、前記論理回路
    の電源電圧による信号伝搬時間の遅延を算出する論理回
    路の遅延計算装置であって、 前記論理素子の前記論理回路における配置を決定するレ
    イアウトデータを付与するレイアウトデータ付与手段
    と、 前記論理回路の接続情報を付与する接続情報付与手段
    と、 前記論理回路の配線及び前記論理素子の電気特性を決定
    するプロセス情報を付与するプロセスパラメータ付与手
    段と、 前記論理素子の遅延データを付与するライブラリデータ
    付与手段と、 第1の電源電圧に対する第2の電源電圧の比の値である
    電源電圧係数を決定すると共に、前記第2の電源電圧が
    印加されたときの前記FETのドレイン飽和電流に対す
    る前記第1の電源電圧が印加されたときの前記FETの
    ドレイン飽和電流の比の値である電流係数を決定する遅
    延電源係数決定手段と、 前記遅延データ、前記レイアウトデータ、前記プロセス
    情報及び前記接続情報に基づいて、前記第1の電源電圧
    が印加されたときの前記論理回路の遅延時間を算出する
    遅延計算手段と、 前記遅延計算手段が算出した遅延時間と前記電源電圧係
    数と前記電流係数との積を算出し、該算出結果を、前記
    第2の電源電圧が印加されたときの前記論理回路の実効
    的な遅延時間とする実効遅延計算手段とを備えているこ
    とを特徴とする論理回路の遅延計算装置。
  8. 【請求項8】 前記論理回路は、互いに異なる電源電圧
    によって動作し、一の論理回路を構成する複数の回路ブ
    ロックからなり、 前記論理回路及び前記回路ブロックの各電源電圧情報を
    付与する電源電圧情報付与手段をさらに備え、 前記遅延電源係数決定手段は、 基準電源電圧に対する前記各回路ブロックの電源電圧の
    比の値を定義するブロック別電源電圧係数を決定する手
    段と、 前記各回路ブロックの電源電圧が印加されたときの前記
    FETのドレイン飽和電流に対する前記基準電源電圧が
    印加されたときの前記FETのドレイン飽和電流の比の
    値を定義するブロック別電流係数を決定する手段とを有
    していることを特徴とする請求項7に記載の論理回路の
    遅延計算装置。
  9. 【請求項9】 FETを含む複数の論理素子からなる論
    理回路のシミュレーションを行なう際に、前記論理回路
    の電源電圧の電圧変動による信号伝搬時間の遅延を算出
    する論理回路の遅延計算装置であって、 前記論理素子の前記論理回路における配置を決定するレ
    イアウトデータを付与するレイアウトデータ付与手段
    と、 前記論理回路の接続情報を付与する接続情報付与手段
    と、 前記論理回路の配線及び前記論理素子の電気特性を決定
    するプロセス情報を付与するプロセスパラメータ付与手
    段と、 前記論理素子の遅延データ及び消費電流データを付与す
    るライブラリデータ付与手段と、 前記レイアウトデータ及びプロセスパラメータを用いて
    信号配線の寄生素子を抽出する信号配線抽出手段と、 前記レイアウトデータ及びプロセスパラメータを用いて
    電源端子と前記論理回路とが接続されている電源配線の
    配線寄生素子を抽出する電源配線寄生素子抽出手段と、 前記信号配線の寄生素子及び消費電流データを用いて前
    記論理回路の消費電流を算出する消費電流計算手段と、 前記消費電流と前記電源配線の配線寄生素子とを用いて
    前記電源配線の電圧変動量を算出し、前記電源端子に印
    加される電源電圧と前記電圧変動量分の電圧との差を求
    めて実効的な電源電圧である実効電源電圧を算出する実
    効電源電圧計算手段と、 前記電源電圧に対する前記実効電源電圧の比の値である
    電源電圧係数を決定すると共に、前記実効電源電圧が印
    加されたときの前記FETのドレイン飽和電流に対する
    前記電源電圧が印加されたときの前記FETのドレイン
    飽和電流の比の値である電流係数を決定する遅延電源係
    数決定手段と、 前記信号配線の寄生素子と前記論理素子の前記遅延デー
    タとを用いて前記電源電圧が印加されたときの遅延時間
    を算出する遅延計算手段と、 前記遅延計算手段が算出した遅延時間と前記電源電圧係
    数と前記電流係数との積を算出し、該算出結果を、前記
    論理回路の実効遅延時間とする実効遅延計算手段とを備
    えていることを特徴とする論理回路の遅延計算装置。
  10. 【請求項10】 前記消費電流計算手段は、 前記複数の論理素子のうち、一の動作時刻に合わせて共
    に動作する特定の論理素子ごとの消費電流の和を算出
    し、 前記実効電源電圧計算手段は、 前記消費電流の和と前記電源配線の配線寄生素子とを用
    いて前記特定の論理素子が接続される電源配線の電圧変
    動量を算出し、 前記遅延電源係数決定手段は、 前記複数の論理素子のうち動作時刻の早い論理素子から
    順に、該論理素子に印加される実効電源電圧を用いて論
    理素子ごとに前記電源電圧係数と前記電流係数とを算出
    することを特徴とする請求項9に記載の遅延時間計算装
    置。
  11. 【請求項11】 前記論理回路は、それぞれが少なくと
    も1つのスタンダードセルを有する少なくとも1つの回
    路ブロックからなる集積回路であって、 前記集積回路には電源電圧が印加される外部電源端子が
    設けられ、 前記少なくとも1つの回路ブロックには、前記外部電源
    端子に接続され、前記回路ブロックを駆動する電圧が印
    加されるブロック用電源端子が設けられ、 前記少なくとも1つのスタンダードセルには、前記ブロ
    ック用電源端子に接続され、前記スタンダードセルを駆
    動する電圧が印加されるセル用電源端子が設けられてお
    り、 前記消費電流計算手段は、 前記信号配線の寄生素子及び前記スタンダードセルの消
    費電流データを用いて前記回路ブロックの消費電流を算
    出するブロックレベル消費電流計算手段と、 前記回路ブロックの消費電流を用いて前記集積回路の消
    費電流を算出するチップレベル消費電流計算手段とを有
    し、 前記実効電源電圧計算手段は、 前記回路ブロックの消費電流を用いて前記外部電源端子
    から前記ブロック用電源端子までの電源配線の電圧変動
    量であるチップレベルの変動電圧を算出するチップレベ
    ル変動電圧計算手段と、 前記外部電源端子に印加される電源電圧と前記チップレ
    ベルの変動電圧との差を求めることにより、チップレベ
    ルの実効電源電圧を算出するチップレベル実効電源電圧
    計算手段と、 前記スタンダードセルの前記消費電流データに基づいて
    前記ブロック用電源端子から前記セル用電源端子までの
    電圧変動量であるブロックレベルの変動電圧を算出する
    ブロックレベル変動電圧計算手段と、 前記チップレベルの実効電源電圧と前記ブロックレベル
    の変動電圧との差を求めることにより、ブロックレベル
    の実効電源電圧を算出するブロックレベル実効電源電圧
    計算手段とを有し、 前記ブロックレベルの実効電源電圧に基づいて前記集積
    回路の実効遅延時間を算出することを特徴とする請求項
    9に記載の論理回路の遅延計算装置。
  12. 【請求項12】 前記消費電流計算手段は、 複数のスタンダードセルのうち、一の動作時刻に合わせ
    て共に動作する特定のスタンダードセルごとの消費電流
    の和を算出して、前記スタンダードセルの消費電流と
    し、 前記スタンダードセルの消費電流と前記電源配線の配線
    寄生容量とを用いて前記特定のスタンダードセルが接続
    される電源配線の電圧変動量を算出し、 前記遅延電源係数決定手段は、 前記複数のスタンダードセルのうち動作時刻の早いスタ
    ンダードセルから順に、該スタンダードセルに印加され
    る実効電源電圧を用いてスタンダードセルごとに前記電
    源電圧係数と前記電流係数とを算出することを特徴とす
    る請求項11に記載の遅延時間計算装置。
  13. 【請求項13】 前記消費電流計算手段は、 前記接続情報のノードごとのスイッチング頻度を付与す
    るスイッチング頻度データ付与手段を有し、 前記スイッチング頻度、前記信号配線の寄生素子及び前
    記スタンダードセルの消費電流データを用いて前記集積
    回路の消費電流を算出することを特徴とする請求項9又
    は11に記載の論理回路の遅延計算装置。
  14. 【請求項14】 前記消費電流計算手段は、 前記接続情報に含まれる論理関数を用いて一の論理値か
    ら他の論理値に遷移する確率である遷移確率を算出し、 前記遷移確率、前記信号配線の寄生素子及び前記スタン
    ダードセルの消費電流データを用いて前記集積回路の消
    費電流を算出することを特徴とする請求項9又は11に
    記載の論理回路の遅延計算装置。
  15. 【請求項15】 前記実効電源電圧計算手段が出力する
    計算結果を記憶しておき、前記実効電源電圧計算手段の
    今回の計算結果と記憶された計算結果との差が所定範囲
    に収まるか否かを判定し、前記所定範囲に収まらない場
    合は、前記所定範囲に収まるまで前記消費電流計算手段
    と前記実効電源電圧計算手段とを繰り返す収束条件判定
    手段をさらに備えていることを特徴とする請求項9〜1
    2のいずれか1項に記載の論理回路の遅延計算装置。
  16. 【請求項16】 前記FETはPチャネルMOSFET
    であることを特徴とする請求項7〜15のいずれか1項
    に記載の論理回路の遅延計算装置。
  17. 【請求項17】 前記FETのドレイン飽和電流は、電
    源電圧と前記FETのしきい値電圧との差を所定の係数
    で累乗し、累乗して得られた値に電流の利得係数を乗じ
    ることにより求められることを特徴とする請求項7〜1
    5のいずれか1項に記載の論理回路の遅延計算装置。
  18. 【請求項18】 FETを含む論理素子からなる論理回
    路のシミュレーションに用いる遅延ライブラリの信号伝
    搬時間の遅延データ計算方法であって、 第1の電源電圧に対する第2の電源電圧の比の値である
    電源電圧係数を定義する電源電圧係数定義工程と、 前記第2の電源電圧が印加されたときの前記FETのド
    レイン飽和電流に対する前記第1の電源電圧が印加され
    たときの前記FETのドレイン飽和電流の比の値である
    電流係数を定義する電流係数定義工程と、 前記第1の電源電圧が印加されたときの前記論理回路の
    遅延時間である第1の遅延時間を定義する第1の遅延時
    間定義工程と、 前記第1の遅延時間と前記電源電圧係数と前記電流係数
    との積を算出することにより、前記第2の電源電圧が印
    加されたときの前記論理回路の遅延時間である第2の遅
    延時間を決定し、該第2の遅延時間を遅延データとする
    遅延データ決定工程とを備えていることを特徴とする遅
    延ライブラリの遅延データ計算方法。
  19. 【請求項19】 前記FETはPチャネルMOSFET
    であることを特徴とする請求項18に記載の遅延ライブ
    ラリの遅延データ計算方法。
  20. 【請求項20】 前記FETのドレイン飽和電流を、電
    源電圧と前記FETのしきい値電圧との差を所定の係数
    で累乗し、累乗して得られた値に電流の利得係数を乗じ
    ることによって求めることを特徴とする請求項18又は
    19に記載の遅延ライブラリの遅延データ計算方法。
  21. 【請求項21】 PチャネルMOSFETとNチャネル
    MOSFETとを含む論理素子からなる論理回路のシミ
    ュレーションに用いる遅延ライブラリの信号伝搬時間の
    遅延データ計算方法であって、 第1の電源電圧に対する第2の電源電圧の比の値である
    電源電圧係数を定義する電源電圧係数定義工程と、 前記第2の電源電圧が印加されたときの前記Pチャネル
    MOSFETのドレイン飽和電流に対する前記第1の電
    源電圧が印加されたときの前記PチャネルMOSFET
    のドレイン飽和電流の比の値である第1の電流係数を定
    義する第1の電流係数定義工程と、 前記第2の電源電圧が印加されたときの前記Nチャネル
    MOSFETのドレイン飽和電流に対する前記第1の電
    源電圧が印加されたときの前記NチャネルMOSFET
    のドレイン飽和電流の比の値である第2の電流係数を定
    義する第2の電流係数定義工程と、 前記第1の電源電圧が印加されたときの前記論理回路の
    第1の立ち上がり遅延時間及び第1の立ち下がり遅延時
    間を定義する第1の遅延時間定義工程と、 前記第1の立ち上がり遅延時間と前記電源電圧係数と前
    記第1の電流係数との積を算出することにより、前記第
    2の電源電圧が印加されたときの前記論理回路の立ち上
    がり遅延時間である第2の立ち上がり遅延時間を決定
    し、該第2の立ち上がり遅延時間を立ち上がり遅延デー
    タとする立ち上がり遅延データ決定工程と、 前記第1の立ち下がり遅延時間と前記電源電圧係数と前
    記第2の電流係数との積を算出することにより、前記第
    2の電源電圧が印加されたときの前記論理回路の立ち下
    がり遅延時間である第2の立ち下がり遅延時間を決定
    し、該第2の立ち下がり遅延時間を立ち下がり遅延デー
    タとする立ち下がり遅延データ決定工程とを備えている
    ことを特徴とする遅延ライブラリの遅延データ計算方
    法。
  22. 【請求項22】 前記PチャネルMOSFET及びNチ
    ャネルMOSFETの各ドレイン飽和電流を、電源電圧
    と前記各MOSFETのしきい値電圧との差を所定の係
    数でそれぞれ累乗し、累乗して得られた値に電流の利得
    係数をそれぞれ乗じることによって求めることを特徴と
    する請求項21に記載の遅延ライブラリの遅延データ計
    算方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004501438A (ja) * 2000-05-12 2004-01-15 シンプレックス ソリューションズ、インコーポレイテッド 集積回路検証用の高精度タイミングモデル
JP2013190937A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Ricoh Co Ltd 半導体集積回路の電源ノイズ解析装置及び電源ノイズ解析方法

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