JPH1172566A - ガンマカメラシステム - Google Patents

ガンマカメラシステム

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JPH1172566A
JPH1172566A JP23487397A JP23487397A JPH1172566A JP H1172566 A JPH1172566 A JP H1172566A JP 23487397 A JP23487397 A JP 23487397A JP 23487397 A JP23487397 A JP 23487397A JP H1172566 A JPH1172566 A JP H1172566A
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energy
nuclide
detectors
gamma
counting
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JP23487397A
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Tsutomu Yamakawa
勉 山河
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】SPECTとPETとの同時撮影を良好に行う
こと。 【解決手段】本発明は、ガンマ線を検出し、Z信号とX
Y信号とを出力する2つの検出器1,2と、Z信号に基
づいてシングルフォトン核種からの第1のガンマ線とポ
ジトロン核種からの第2のガンマ線とを選別する波高分
析器3,4と、選別された第1のガンマ線を入射位置ご
とに計数する計数器5と、この計数結果に基づいてシン
グルフォトン核種の濃度分布を再構成するプロセッサ7
と、2つの検出器に時間窓以内の時間差で選別された第
2のガンマ線が入射した事象を検出するコインシデンス
検出回路10と、この出力に従って事象を計数する計数
器6と、この計数結果に基づいてポジトロン核種の濃度
分布を再構成するプロセッサ8と、2つの検出器それぞ
れに装着される低エネルギー用のコリメータ11,21
とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体に投与され
た放射性同位元素(RI)から放射されるガンマ線を検
出し、RIの体内の濃度分布を画像化するガンマカメラ
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、RIの濃度分布を一方向へ投影し
たようなプレーナ画像だけでなく、X線コンピュータ断
層撮影装置のようなRIの断層面内の濃度分布を撮影で
きるガンマカメラシステムが多く市販されている。この
RIの断層面内の濃度分布の撮影技法は、使用する核種
の違いで、SPECT(single photon emission comput
ed tomography)とPET(positron emission computed
tomography) とに大別されている。
【0003】SPECTは、シングルフォトン核種を被
検体に投与し、それから崩壊時に放出されるガンマ線を
体外から1個1個のフォトン(光子)として計数し、そ
の核種の断層面内の濃度分布を再構成するという技法で
ある。また、PETは、ポジトロン核種を被検体に投与
し、それから放出されるポジトロンが近傍の陰電子と結
合して消滅する際に互いに反対方向に発生する2個のフ
ォトンを同時計数して、その核種の断層面内の濃度分布
を再構成するという技法である。
【0004】最近、これら2種類の撮影技法を兼用でき
るものが登場してきた。兼用機は、対向2検出器タイプ
のSPECT機に、2つの検出器にフォトンが同時に入
射した事象だけを計数する同時計数機能が追加されてい
ることを基本としている。
【0005】ところで、PET撮影では、同時に正反対
に飛び出す一対のフォトンを計数対象にしているので、
2つの検出器それぞれの入射点が分かれば、その2つの
入射点を結ぶ線上にフォトン発生点があることを認識で
きる。従って、SPECTでは不可欠とされているコリ
メータは、PET撮影では基本的には不要であるし、計
数効率の観点から見てもコリメータはない方がよい。
【0006】しかし、対向2検出器でPET撮影を行う
場合には、コリメータがなければ、図5に示すように、
対向2検出器で一対のフォトンを拾える範囲(視野角)
は、検出器の中央付近(P)よりも、周縁付近(Q)で
著しく狭くなってしまう、つまり計数効率が場所に依存
して相違するという不具合が生じてしまう。このため、
PET撮影は、ある程度以上の視野角が確保できる中央
寄りの範囲に視野を限定して行うか、又は検出器にコリ
メータを装着して中央付近の視野角を意図的に狭めるこ
とが行われている。
【0007】一方、PET収集を、あたかもシングルフ
ォトンのように扱い検出する方法として、コリメータを
使う方法がある。このコリメータは、SPECT用のコ
リメータとは仕様が異なっている。つまり、一般的に
は、ポジトロン核種に起因するフォトンのピークエネル
ギーは、“511keV”であり、シングルフォトン核
種に使われる例えば 99mTc の“140keV”よりも
著しく高い。このためPET撮影時のコリメータは高エ
ネルギー用であって、SPECT撮影時に使う低エネル
ギー用のコリメータよりも、隔壁が厚く、孔の口径が大
きく、その分、孔数が少なくなっている。
【0008】このように高エネルギー用のコリメータ
は、システム分解能を著しく低下させてしまい、SPE
CT撮影を行った場合には、孔の口径が大き過ぎて、十
分な空間分解能が得られず、SPECT画像は完全にぼ
けてしまう。
【0009】このためPET撮影時と、SPECT撮影
時とで、コリメータを適宜付け替える必要があり、従っ
て兼用機といえども、被検体にポジトロン核種とシング
ルフォトン核種とを同時に投与して、PET撮影とSP
ECT撮影とを同時に行うことはできず、別々に行う必
要があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、SP
ECTとPETとの同時撮影が可能で、十分な空間分解
能でSPECT画像を取得でき、しかもPET撮影で十
分広い視野を確保でき、且つPET撮影で十分高い計数
効率と空間分解能を確保できるガンマカメラシステムを
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によるガンマカメ
ラシステムは、ガンマ線を検出し、エネルギー信号と位
置信号とを出力する2つの検出器と、前記エネルギー信
号に基づいて、被検体に投与されたシングルフォトン核
種から放出される第1のガンマ線と、前記被検体に投与
されたポジトロン核種からのポジトロンの消滅時に発生
する第2のガンマ線とを選別する手段と、前記選別され
た第1のガンマ線を前記位置信号に従って入射位置ごと
に計数する第1の計数手段と、前記第1の計数手段の計
数結果に基づいて、前記シングルフォトン核種に関する
断層面内の第1の濃度分布を再構成する手段と、前記2
つの検出器に時間窓以内の時間差で前記選別された第2
のガンマ線が入射した事象を検出する同時性検出手段
と、前記同時性検出手段の出力に従って、前記事象を前
記位置信号に従って計数する第2の計数手段と、前記第
2の計数手段の計数結果に基づいて、前記ポジトロン核
種に関する断層面内の第2の濃度分布を再構成する第2
の再構成手段と、前記2つの検出器それぞれに装着さ
れ、前記シングルフォトン核種から放出されるガンマ線
のエネルギーに対応するコリメータとを具備することを
特徴とする。
【0012】本発明によると、2つの検出器それぞれに
は、シングルフォトン核種から放出される低エネルギー
のガンマ線をコリメートするコリメータが設けられてい
るので、SPECT撮影は通常通りの良好な空間分解能
で行い得る。また、PET撮影では、そのポジトロン核
種に起因して発生する高エネルギーのガンマ線のうち、
極端に入射角の大きなものは、SPECT撮影に応じた
低エネルギー用の比較的薄い隔壁を何層も通過すること
になるので、低エネルギー用といえどもコリメータを透
過できない。このため、検出器の中央付近と辺縁付近と
で視野角の差異はそれほど大きくならず、許容範囲に収
まるので、検出器のほぼ全幅を使ってPET撮影を行う
ことができる。従って、SPECTの空間分解能の低下
を防ぎ、PET撮影の視野の縮小を抑えながらSPEC
TとPETとの同時撮影を実現できるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明を
実施形態により説明する。図1に本実施形態に係るガン
マカメラシステムの構成を示している。このガンマカメ
ラシステムは、2つの検出器1,2を装備している。こ
れら2つの検出器1,2は、図示しない支持機構に支持
されて、被検体を挟んで互いに対向しあう状態にセッテ
ィングでき、さらにこの対向状態を保ったままで被検体
の周囲を断続的又は定速で連続的に周回できるようにな
っている。
【0014】この検出器1には、図2に断面図で、図3
に斜視図で示すように、入射ガンマ線をそのエネルギー
に応じた波高の電気信号に変換するCZT(Cadmium Zi
nc Telluride)あるいはCdTe(Cadmium Telluride
)の半導体検出素子12が2次元状に配列されている
素子アレイ15が装備されている。
【0015】半導体検出素子12,22は例えば3mm
×3mmの面積を有し厚みは7mmのCZTがちょう密
に配置されており、有効視野が50cm×40cmの大
視野検出器を想定した場合、約20000素子(500
×400/9=22222)が必要になる。
【0016】この素子アレイ15のガンマ線入射側に
は、シングルフォトン核種から放出される比較的低エネ
ルギーのガンマ線(フォトン)に対して好適なSPEC
T撮影用の平行多孔型、パラレルホール型、ファンビー
ム型など任意のタイプのコリメータ11が装着されてい
る。ここで、シングルフォトン核種から放出されるガン
マ線のエネルギーは、例えば 99mTc の“140ke
V”であり、ポジトロン核種から放出されるポジトロン
(陽電子)が陰電子と結合して消滅する際に発生する一
対のフォトンのエネルギー“511keV”よりも、著
しく低いものである。上述した低エネルギー用のコリメ
ータ11は、ポジトロン核種を使ったPET撮影用の高
エネルギー対応のコリメータと比較して、構造的な相違
点がある。その1つは、低エネルギー用のコリメータ1
1は、高エネルギー用のコリメータよりも、孔の隔壁の
厚さが薄く、孔の口径が小さく、そして孔数が多いとい
うものである。
【0017】素子アレイ15の背面側には、複数の半導
体検出素子12に対して1つずつ設けられている複数の
プリアンプ13やリードアウト回路14、さらにコイン
シデンス検出/除去回路18が形成された基板16が重
ねられている。これら素子アレイ15や基板16は、背
面や側面からの外乱線の誤検出を防止するためにシール
ドケース17に収納されている。
【0018】なお、もう一方の検出器2も、低エネルギ
ー用のコリメータ21と、半導体検出素子22の素子ア
レイと、プリアンプ23と、リードアウト回路24と、
コインシデンス検出/除去回路28とを有し、これらが
検出器1と同一構造にアセンブルされている。
【0019】このような検出器1,2に、ガンマ線がコ
リメータ11,21を通過して半導体検出素子12,2
2に入射すると、その都度、そのガンマ線のエネルギー
に応じた信号(Z信号)と、当該アレイ上での当該ガン
マ線を検出した半導体検出素子12,22の位置、つま
りガンマ線の入射位置を表す信号(XY信号)とを出力
する。
【0020】上記検出器1,2から出力されるZ信号
は、波高分析器3,4にそれぞれ供給される。波高分析
器3,4では、Z信号で表されているエネルギーが、シ
ングルフォトン核種からのガンマ線の既知のエネルギー
ピーク、例えば 99mTc であれば140keVを中心と
した20パーセント程度の幅のエネルギーウインドウの
範囲内に入っているとき、出力端子WS にパルスを発生
し、一方、ポジトロン核種からのガンマ線の既知のエネ
ルギーピーク511keVを中心とした20パーセント
程度の幅のエネルギーウインドウの範囲内に入っている
とき、他方の出力端子WP にパルスを発生する。
【0021】波高分析器3,4の出力端子WS のパルス
は、計数器5に送られる。計数器5は、このパルスをX
Y信号に従って入射位置ごとに計数する。一方、波高分
析器3,4の出力端子WP のパルスは、コインシデンス
検出回路10に送られる。コインシデンス検出回路10
は、波高分析器3,4それぞれからのパルスが略同時、
具体的には2つの検出器1,2に10nsec〜20n
secという時間窓以内の時間差でガンマ線が入射した
という事象を検出する。ただし、このような事象は、検
出器1,2それぞれに、上記時間窓以内の時間差で2つ
のガンマ線が入射した場合には振り分けできないので、
このような事象を計数対象から除去するためにコインシ
デンス検出/除去回路18,28が検出器1,2それぞ
れに設けられている。
【0022】コインシデンス検出回路10の検出結果に
従って、計数器6では、検出器1,2の入射位置(XY
信号)の組み合わせごとに計数する(同時計数)。この
ような計数及び同時計数を、被検体に対する方向を変え
ながら繰り返し行ない、これにより得られた計数データ
(投影データセット)に基づいて、再構成プロセッサ
7,8ではシングルフォトン核種の断層面内の濃度分布
(SPECT画像)とポジトロン核種の断層面内の濃度
分布(PET画像)をそれぞれ再構成する。これら画像
は、ディスプレイ9に送られ表示される。
【0023】なお、上述した半導体検出素子の素子アレ
イ構造は、現在主流を占めているアンガー型の検出器に
比較して、大幅に計数能力を位置分解能の劣化なく向上
させられるのが特徴である。また、本検出器1,2の構
造ではピクセル数、つまり半導体検出素子の数を増やし
て行くことにより、検出器1,2の有効視野を拡大して
いくことが容易に可能になる。
【0024】このようにSPECT用の低エネルギー対
応のコリメータ11,21を検出器1,2それぞれ装着
して、シングルフォトン核種とポジトロン核種とを被検
体に同時投与して、SPECT撮影と同時に、このSP
ECT用コリメータ11,21を通して検出器1,2に
略同時に入るガンマ線を拾い出してその事象を計数する
ことにより、SPECT撮影とPET撮影とを同時に行
い得る。
【0025】通常、低エネルギー用のコリメータ11、
21に、ポジトロン核種からの高エネルギーのガンマ線
が入射すると、多くのガンマ線がコリメータ11,21
を通過してしまうが、コリメータ11,21の孔軸に対
して極端な角度で斜めに入射してくるガンマ線は、隔壁
を何層も通過するうちに、吸収されてしまい、コリメー
タ11,21を通過できず、コリメータ11,21を装
着しないでPET撮影を行う場合に比べると、計数効率
が若干低下する。
【0026】そのため、異なる場所から発生したガンマ
線があたかも同一点で発生したペアであるかのように同
時に検出器1,2に入射してしまうというランダムコイ
ンシデンスカウント(偶発同時計測)の中に埋もれる真
のコインシデンスを捕える関係上、通常のガンマカメラ
システムの10倍以上のガンマ線計数能力がないと臨床
に耐えることはできない。その観点では、ピクセルワイ
ズに独立したガンマ線計数能力を有する半導体検出素子
アレイを採用している検出器1,2は、最適と考えられ
る。
【0027】一方、コリメータ11,21を完全に取り
払った状態で、PET撮影を行った場合、図6を参照し
て説明したとおり、検出器1,2の中央付近と辺縁付近
とで視野角、つまり計数効率に大きな差が生じ、この差
が原因でPETの有効視野が大きく限定される。しか
し、図4のように、SPECT用のコリメータ11,2
1を検出器1,2に装着して、同時撮影を行うことによ
り、上述したように、ポジトロン核種からの高エネルギ
ーのガンマ線も入射角の大きなものは通過されないの
で、中央付近の視野角(θP )が実質的に狭められ、辺
縁付近の視野角(θQ )との差は小さくなり、中央付近
と辺縁付近の計数効率(検出感度)の差は大幅に軽減さ
れる傾向になるため、PET撮影の視野を著しく制限す
る必要はなく、十分広い視野をPET撮影で確保するこ
とができる。
【0028】従って、コリメータ11,21を装着しな
い状態でのPET撮影に比べ、より体幅のある被検体の
PET撮影を、SPECT撮影と同時に行うことが可能
となる。また、2つの検出器1,2それぞれには、シン
グルフォトン核種から放出される低エネルギーのガンマ
線を有効にコリメートするコリメータが設けられている
ので、SPECT撮影は通常通りの良好な空間分解能で
行い得る。
【0029】また、上述したように各半導体検出素子1
2,22には、それぞれ個々にプリアンプ13,23が
接続されている。プリアンプ13,23の機能として
は、半導体検出素子12,22内でガンマ線に起因して
発生したチャージを積分する積分機能と、その出力をシ
ェイピング(通常は2μsec)するシェイピング機能
と、シェイピングされたパルスのピークを検出するピー
クゲート機能とを有している。このピーク信号がエネル
ギーに比例するZ信号に相当する。通常のアンガー型の
シンチレーションカメラでは、上記プリアンプは、1つ
の検出器につき1つあるいは2〜3個設けられているに
過ぎないので、カウントレートは約300Kcpsであ
り、PET撮影のための同時計測処理をするために十分
なレート(一般的にはコリメータが装着されていない状
態では、ランダムコインシデンスの中に埋もれる真のコ
インシデンスは1パーセント前後であり、例えば25K
cps程度のポジトロン核種の同時計測を行うために
は、2500Kcps程度の最大計数能力が必要)を得
ることはできなかったが、半導体素子アレイを採用した
本実施形態では、1つの半導体検出素子を最小単位とす
る1チャンネルの計数能力が低くても、約20000チ
ャンネルを平行処理することが可能で、これによりPE
T撮影に必要なカウントレートを実現するのは比較的容
易である。しかも本発明のようにSPECT用のコリメ
ータ11,21を装着すれば、さらに最大カウントレー
トは低くても良く、アンガー型のシンチレーションカメ
ラでも処理できる可能性がある。
【0030】このように本実施形態によると、2つの検
出器それぞれには、シングルフォトン核種から放出され
る低エネルギーのガンマ線をコリメートするコリメータ
が設けられているので、SPECT撮影は通常通りの良
好な空間分解能で行い得る。また、PET撮影では、そ
のポジトロン核種に起因して発生する高エネルギーのガ
ンマ線のうち、極端に入射角の大きなものは、SPEC
T撮影に応じた低エネルギー用の比較的薄い隔壁を何層
も通過することになるので、低エネルギー用といえども
コリメータを透過できない。このため、検出器の中央付
近と辺縁付近とで視野角の差異はそれほど大きくなら
ず、許容範囲に収まるので、検出器のほぼ全幅を使って
PET撮影を行うことができる。従って、SPECTの
空間分解能の低下を防ぎ、PET撮影の視野の縮小を抑
えながらSPECTとPETとの同時撮影を実現できる
のである。
【0031】本発明は上述した実施形態に限定されるこ
となく種々変形して実施可能である。例えば、上述の実
施形態では、2検出器対向型を一例に説明したが、検出
器が3台以上のシステムにおいても同様に適用可能であ
るのは言うまでもない。また、エネルギーごとのガンマ
線の頻度分布を表すエネルギースペクトラムを入射位置
ごとに収集し、この収集したエネルギースペクトラムを
用いて入射位置ごとに、ポジトロン核種のクロストーク
成分を除去してシングルフォトン核種の成分を高精度で
抽出し、また例えばTEW(triple energy window) 法
を使って散乱線補正を行うようにしてもよく、この場
合、より高画質のSPECT画像を得ることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によると、2つの検出器それぞれ
には、シングルフォトン核種から放出される低エネルギ
ーのガンマ線をコリメートするコリメータが設けられて
いるので、SPECT撮影は通常通りの良好な空間分解
能で行い得る。また、PET撮影では、そのポジトロン
核種に起因して発生する高エネルギーのガンマ線のう
ち、極端に入射角の大きなものは、SPECT撮影に応
じた低エネルギー用の比較的薄い隔壁を何層も通過する
ことになるので、低エネルギー用といえどもコリメータ
を透過できない。このため、検出器の中央付近と辺縁付
近とで視野角の差異はそれほど大きくならず、許容範囲
に収まるので、検出器のほぼ全幅を使ってPET撮影を
行うことができる。従って、SPECTの空間分解能の
低下を防ぎ、PET撮影の視野の縮小を抑えながらSP
ECTとPETとの同時撮影を実現できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガンマカメラシステム
のブロック図。
【図2】図1の2つの検出器の構造及び配置関係を示す
ための断面図。
【図3】図1のコリメータ及びシールドを取り外した状
態での検出器の斜視図。
【図4】本実施形態によるPET撮影の視野角の位置依
存性の説明図。
【図5】コリメータを取り外した状態でのPET撮影の
視野角の位置依存性の説明図。
【符号の説明】
1・・・第1検出器、 2・・・第2検出器、 3・・・第1波高分析器、 4・・・第2波高分析器、 5・・・計数器、 6・・・計数器、 7・・・再構成プロセッサ、 8・・・再構成プロセッサ、 9・・・ディスプレイ、 10・・・コインシデンス検出回路、 11・・・低エネルギー用コリメータ、 12・・・半導体検出素子、 13・・・プリアンプ、 14・・・リードアウト回路、 15・・・素子アレイ、 16・・・回路基板、 17・・・シールドケース、 18・・・コインシデンス検出/除去回路、 21・・・低エネルギー用コリメータ、 22・・・半導体検出素子、 23・・・プリアンプ、 24・・・リードアウト回路、 25・・・素子アレイ、 26・・・回路基板、 27・・・シールドケース、 28・・・コインシデンス検出/除去回路。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガンマ線を検出し、エネルギー信号と位
    置信号とを出力する2つの検出器と、 前記エネルギー信号に基づいて、被検体に投与されたシ
    ングルフォトン核種から放出される第1のガンマ線と、
    前記被検体に投与されたポジトロン核種からのポジトロ
    ンの消滅時に発生する第2のガンマ線とを選別する手段
    と、 前記選別された第1のガンマ線を前記位置信号に従って
    入射位置ごとに計数する第1の計数手段と、 前記第1の計数手段の計数結果に基づいて、前記シング
    ルフォトン核種に関する断層面内の第1の濃度分布を再
    構成する手段と、 前記2つの検出器に所定の時間窓以内の時間差で前記選
    別された第2のガンマ線が入射した事象を検出する同時
    性検出手段と、 前記同時性検出手段の出力に従って、前記事象を前記位
    置信号に従って計数する第2の計数手段と、 前記第2の計数手段の計数結果に基づいて、前記ポジト
    ロン核種に関する断層面内の第2の濃度分布を再構成す
    る第2の再構成手段と、 前記2つの検出器それぞれに装着され、前記シングルフ
    ォトン核種から放出されるガンマ線のエネルギーに対応
    するコリメータとを具備することを特徴とするガンマカ
    メラシステム。
  2. 【請求項2】 前記コリメータは、前記ポジトロン核種
    からのガンマ線に対するコリメート特性よりも前記シン
    グルフォトン核種からのガンマ線に対するコリメート特
    性の方が優れていることを特徴とする請求項1記載のガ
    ンマカメラシステム。
  3. 【請求項3】 前記2つの検出器にはそれぞれ、前記ガ
    ンマ線をそのエネルギーに応じて電気信号に変換する複
    数の半導体素子が配列されていることを特徴とする請求
    項1記載のガンマカメラシステム。
  4. 【請求項4】 前記半導体素子はCdZnTe又はCd
    Teであることを特徴とする請求項3記載のガンマカメ
    ラシステム。
  5. 【請求項5】 前記同時性検出手段は、前記2つの検出
    器それぞれの中で前記時間窓以内の時間差で第2のガン
    マ線が入射したとき、その事象を計数対象から排除する
    手段を有することを特徴とする請求項1記載のガンマカ
    メラシステム。
  6. 【請求項6】 前記第1のガンマ線を対象として入射位
    置ごとにエネルギースペクトラムを収集する手段と、前
    記エネルギースペクトラムを用いて前記第1の計数手段
    の計数結果から前記ポジトロン核種のクロストーク成分
    を除去する手段とを有することを特徴とする請求項1記
    載のガンマカメラシステム。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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