JPH1171201A - 押花パック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、押花パックに関する。 【解決手段】 この発明は、透明硬質板上に、生の草花
と高度の通気性ならびに高度の弾性を有するシートとを
重合して構成した押花セットを、乾燥剤と脱酸素剤と共
に可撓性の透明袋中に封入し、透明袋中の空気を脱気し
て袋を密封したことを特徴とする押花パックを提供せん
とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、押花パックに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、生の草花等を押花状に処理するも
のとしては、草花等を挾持板に挾み、所定の乾燥手段に
より乾燥して、乾燥した押花を有効に利用するものがあ
る。

【０００３】例えば、乾燥した押花を所要の透明シート
間に挾持して鑑賞したり、しおり等の表面に貼着して上
面を極薄シートでカバーして装飾用に利用したりしてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの押
花は鑑賞する側の表面から乾燥されているため、鑑賞す
る側に乾燥による凹凸が生起している。

【０００５】従って、光が表面で散乱し、その分、乾燥
草花の色彩が淡色に見えることになり、本来の草花のあ
ざやかな色彩感が減殺される欠点があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、透明硬質板
上に、生の草花と通気性を有する弾性シートとを重合し
て構成した押花セットを、乾燥剤と脱酸素剤と共に可撓
性の透明袋中に封入し、透明袋中の空気を脱気して袋を
密封したことを特徴とする押花パックを提供せんとする
ものである。

【０００７】また、本発明は、通気性を有する弾性シー
トが、ポリエチレンテレフタレートの極細線体により三
次元骨格網状構造に編成した高通気性にして高弾性の厚
手シートであることにも特徴を有する。

【０００８】

【発明の実施の形態】この発明では、押花セットを透明
硬質板、例えば硬質プラスチック板と、生の草花と、ス
ポンジ状の弾性シート及び必要により白紙又は着色紙等
を重合して押花セットを構成する。

【０００９】この押花セットを、弾性シート側に位置す
る乾燥剤と脱酸素剤と共に、可撓性の透明袋中に封入し
て、内部の空気を脱気し密封することにより構成されて
いる。

【００１０】正確には、無酸素状態で、かつ減圧状態と
するのが好ましい。

【００１１】この状態で、２〜３日放置すれば、押花は
乾燥して長期間の保存中も草花の色彩が変色せず、色鮮
やかな押花となり、透明袋と、透明硬質板を介して透視
して鑑賞することができるものである。

【００１２】

【実施例】この発明の実施例を図面にもとづき詳説すれ
ば、図１に示すものは本発明の押花パックＡを示す模式
の断面説明図である。

【００１３】押花パックＡは、可撓性の透明袋１中に押
花セットＢを乾燥剤５と脱酸素剤６と共に封入して透明
袋１内の空気を脱気することにより構成される。

【００１４】透明袋１はガスバリヤ性の高い可撓性の透
明の袋より構成されている。

【００１５】一側面、すなわち、草花の見える側のみ透
明性を有しておけばよく、裏側はアルミ蒸着でもよく、
三方シール構造でも背貼り構造でもよい。

【００１６】押花セットＢは、透明硬質板２上に生の草
花Ｇと通気性を有する弾性シート３とを重合して構成し
ている。

【００１７】必要に応じて、弾性シート３上には、白紙
４または着色紙４を重合する。

【００１８】これらの構成よりなる押花セットＢは、乾
燥剤５と脱酸素剤６と共に、透明袋１中に封入されて袋
中の空気を脱気する。

【００１９】脱気するに際しては、袋中を無酸素状態に
すると共に減圧状態とするのが好ましい。

【００２０】乾燥剤５は、無水硫酸マグネシウムを主剤
とする配合乾燥剤を使用している。

【００２１】乾燥剤５と脱酸素剤６は、白紙４の上方に
位置するように透明袋１中に封入する。

【００２２】透明硬質板２は、郵便ハガキ大またはその
他の寸法の透明硬質プラスチック板を用いており、弾性
シート３は、可撓性素材の合成樹脂線体により三次元骨
格網状構造に編成した一定厚みの平板状としたものであ
り、草花に含まれた水分を水蒸気として拡散するのに支
障がなく、かつ草花の収縮や変形を一定圧力で防止し草
花の保型機能を十分に果しうるものである。

【００２３】以上のように構成された押花パックＡは袋
中の空気を脱気すると、押花セットＢの構成部材及び乾
燥剤５、脱酸素剤６は密着状態となり、この状態で、透
明袋１を密封する。脱気操作は、透明袋１を上から押さ
えて袋の中の空気を外に押出し、袋の入口を熱熔着して
密封状とする場合や、気密性の脱着クリップを用いる場
合がある。

【００２４】生の草花は、２ｇ以下が好ましく、重なり
合わないように配列した方がよい。

【００２５】このようにして、脱気した押花パックＡを
２〜３日間放置すると、透明袋１中の酸素は脱酸素剤６
により除去されて無酸素でかつ減圧状態となっており、
草花の長期保存中における酸化作用を防止し、草花の変
色を防止する。

【００２６】更には、乾燥剤５により白紙４及び弾性シ
ート３を介して草花Ｇの脱水を行うと、草花Ｇは弾性シ
ート３と密着した側、すなわち透明硬質板２を透視して
鑑賞する側と反対側の表面から脱水されていくことにな
る。

【００２７】従って、鑑賞側の草花表面は、乾燥による
収縮で形成される凹凸が生起しにくくなり、その分、光
が乱反射しにくく、不透明感が減って、乾燥前と同様な
透明感を視認できる。

【００２８】更には、草花の厚みに花芯のような肉厚の
部分と花弁のように肉薄の部分とがあっても、弾性シー
ト３のクッション押圧機能により肉薄部分の縮れが生起
しない。

【００２９】かかる状態で、常時、透明袋１と透明硬質
板２を透過して押花となった草花Ｇを鑑賞することがで
き、しかも、乾燥前と同様の色彩感のある状態で長期保
存ができるものである。

【００３０】

【発明の効果】この発明によれば、押花セットとして透
明硬質板、生の草花、弾性シート等を重合して構成し、
この押花セットを可撓性の透明袋中に、乾燥剤と脱酸素
剤と共に封入して袋中を脱気するものであるため、草花
は鑑賞する側（すなわち透明硬質板のある側）は直接に
乾燥されずに、その反対側の表面（鑑賞する側と反対
側）から乾燥がはじまり、鑑賞する側の草花表面は凹凸
が形成されずに、草花が本来有する色鮮かな色彩光を放
つことができ、常時、長期間自然の草花の鑑賞が行える
効果がある。

【００３１】更には、草花の薄手部分の縮れも生起せ
ず、保型効果も向上できる効果がある。

【００３２】また、透明袋中が無酸素状態であり、しか
も脱気されているので、長期保存が可能となり、簡単な
パック構造にもかかわらず、新鮮な草花の印象を保持し
た押花標本を作製できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明押花パックの断面の模式説明図。

【図２】本発明押花パックの押花処理後の説明図。

【符号の説明】

Ａ 押花パック Ｂ 押花セット Ｇ 草花 １ 透明袋 ２ 透明硬質板 ３ 弾性シート ４ 白紙 ４ 着色紙 ５ 乾燥剤 ６ 脱酸素剤

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明硬質板上に、生の草花と通気性を有
   する弾性シートとを重合して構成した押花セットを、乾
   燥剤と脱酸素剤と共に可撓性の透明袋中に封入し、透明
   袋中の空気を脱気して袋を密封したことを特徴とする押
   花パック。
2. 【請求項２】 通気性を有する弾性シートが、ポリエチ
   レンテレフタレートの極細線体により三次元骨格網状構
   造に編成した高通気性にして高弾性の厚手シートである
   ことを特徴とする請求項１記載の押花パック。