JPH1169682A - サーボモータ - Google Patents

サーボモータ

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JPH1169682A
JPH1169682A JP9216353A JP21635397A JPH1169682A JP H1169682 A JPH1169682 A JP H1169682A JP 9216353 A JP9216353 A JP 9216353A JP 21635397 A JP21635397 A JP 21635397A JP H1169682 A JPH1169682 A JP H1169682A
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俊治 樋渡
Akira Okada
晃 岡田
Nami Sasaki
奈美 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温,高真空,高放射線下のような厳しい環境
下でも正確な速度制御と位置制御が可能なサーボモータ
を提供すること。 【解決手段】永久磁石フィールドを有するロータと、積
層されたアマチュアコアに3相コイルを巻回して磁極を
構成するステータと、ロータの回転角を検出するレゾル
バとから成るサーボモータにおいて、ステータ用コイル
及びレゾルバ用コイルは、ニッケルメッキ銅導体に緻密
化セラミック層と無機ポリマ含浸ガラスファイバを二重
に被覆した耐熱ワイヤ線をステータコイル及びレゾルバ
用コイルとして用いることにより高温,高放射線用のサ
ーボモータを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速度制御及び位置
制御が可能なサーボモータに係り、特に、高温,高真
空,高放射線等の特殊環境下で使用されるサーボモータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より高温,高真空,高放射線等の特
殊環境下で使用されるサーボモータは開発されている。
ちなみにこれら特殊環境用のサーボモータとして個別の
条件では以下のような性能を有するサーボモータが開発
されている。すなわち、温度では最高300℃のもの、
真空度では最高10-8Paのもの、高放射線性では最大
105 Gyのものが開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
高温,高真空,高放射線の3要件を全て満足できるサー
ボモータはまだ実現されていない。その理由は、これら
3要件を満足できる材料が限定されること、また環境に
よって材料が劣化して変化し、特性が変化することなど
が挙げられる。例えば、セラミック,ガラスなどの無機
材料は本環境条件に適合しているが、巻線成形の困難さ
など製造上の問題がある。また、導体は、温度によって
抵抗値が変化するため、フィードバック量に誤差を生
じ、正確な速度制御,位置制御ができなくなるという問
題があった。このように、高温,高真空,高放射線下で
使用するサーボモータには構成材料と制御の両面で実用
化を阻む要因があった。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は高温,高真空,高放射線下のような厳し
い環境下でも正確な速度制御と位置制御が可能なサーボ
モータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の請求項1は、永久磁石フィールドを有する
ロータと、積層されたアマチュアコアに3相コイルを巻
回して磁極を構成するステータと、前記ロータの回転角
を検出するレゾルバとから成るサーボモータにおいて、
前記ステータ用コイル及び前記レゾルバ用コイルは、ニ
ッケルメッキ銅導体に緻密化セラミック層と無機ポリマ
含浸ガラスファイバを二重に被覆した耐熱ワイヤ線を用
いて高温・高放射線領域に適用したことを特徴とする。
【0006】本発明の請求項2は、永久磁石フィールド
を有するロータと、積層されたアマチュアコアに3相コ
イルを巻回して磁極を構成するステータと、前記ロータ
の回転角を検出するレゾルバとから成るサーボモータに
おいて、前記ステータ用コイル及び前記レゾルバ用コイ
ルは、ステンレスクラッド銅導体に緻密化セラミック層
とアルミナ繊維組層を二重に被覆した耐熱ワイヤを用い
て高温・高放射線領域に適用したことを特徴とする。
【0007】本発明の請求項3は、永久磁石フィールド
を有するロータと、積層されたアマチュアコアに3相コ
イルを巻回して磁極を構成するステータと、前記ロータ
の回転角を検出するレゾルバとから成るサーボモータに
おいて、前記サーボモータ及びレゾルバのステータは絶
縁銅線(Y〜H種絶縁)で構成した及びロータ全体をキ
ャニングし、且つ、ステータコイル口出し線部をフィー
ドスルーを介して外部に取り出すと共に、前記ステータ
と前記ロータ各々を真空バウンダリ構成とし、高真空領
域に用いたことを特徴とする。
【0008】本発明の請求項4は、永久磁石フィールド
を有するロータと、積層されたアマチュアコアに3相コ
イルを巻回して磁極を構成したステータと、前記ロータ
の回転角を検出するレゾルバとから成るサーボモータに
おいて、ニッケルメッキ銅導体に緻密化セラミック層と
無機ポリマ含浸ガラスファイバを二重に被覆した耐熱ワ
イヤ線又はステンレスクラッド銅導体に緻密化セラミッ
ク層とアルミナ繊維組層を二重に被覆した耐熱ワイヤ
と、前記サーボモータ及び前記レゾルバのステータ及び
ロータ全体をキャニングし、且つ、そのステータコイル
口出し線部をフィードスルーを介して外部に取り出すと
共に、前記ステータと前記ロータ各々を真空バウンダリ
構成とし、高温・高真空・高放射線領域に用いたことを
特徴とする。
【0009】本発明の請求項5は、永久磁石フィールド
を有するロータと、積層されたアマチュアコアに3相コ
イルを巻回して磁極を構成したステータと、前記ロータ
の回転角を検出するレゾルバとから成るサーボモータに
おいて、前記レゾルバのステータ側の巻線部に設置した
熱電対と、前記熱電対により得られる電気信号によって
当該巻線部の温度を検出する温度検出部と、前記レゾル
バの出力電圧を前記巻線部の温度に応じて自動的に補正
する温度補償回路を内蔵した制御装置とから構成された
ことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は、本発明の一実施例(請求項
1ないし請求項5対応)であるサーボモータの構成図で
ある。
【0011】同図において、1は円筒形に成型した希土
類コバルト磁石2をシャフト3の中央部に配置し、永久
磁石フィールドを構成したロータであり、軸受4により
回転自在に支承されている。
【0012】一方、磁石2の外周に一定量のエアギャッ
プを設けてステータ5が配置されている。このステータ
5は、電磁銅板を積層したアマチュアコア6の内周方向
に複数のスロットを設け、このスロットに耐熱用ワイヤ
を亀甲状に巻回した3相のステータコイル7を挿入して
耐熱性材料で絶縁被覆する。
【0013】これらロータ1及びステータ5をフレーム
8,フランジ9で保持してモータ部10を構成する。1
1はモータ部10とモータの回転角を検出するためのレ
ゾルバ12を接続するためのカップリングである。
【0014】レゾルバ12は、回転トランス13とロー
タ14からなる回転子15及び固定トランス16とステ
ータ17からなる固定子18で構成する。回転トランス
13及び固定トランス16は変圧器と同様な構造であ
り、それぞれ耐熱用ワイヤを巻回して構成している。ま
た、ロータ14及びステータ17はモータ10のステー
タ5と同様に積層コアに耐熱用ワイヤを巻回して構成す
る。回転子15は軸受19で回転自在に支承し、カップ
リング11に接続する。なお、本発明のサーボモータで
は、前記耐熱用ワイヤにニッケルメッキ銅導体に緻密化
セラミック層と、無機ポリマ含浸ガラスファイバを二重
に被覆した線材もしくはステンレスクラッド銅導体に緻
密化セラミック層とアルミナ繊維組層を二重に被覆した
線材を使用する。また、レゾルバ12で使用する耐熱用
ワイヤの材料はモータ部10と同一のものを使用する。
【0015】高温,高真空用サーボモータとして、上記
したような構成例を示したが、これ以外の材料で従来か
ら使用されている絶縁銅線(Y〜H種絶縁)を用い、図
1に示す如くモータ部のロータ1とステータ5及びレゾ
ルバ12の回転子15と固定子18をキャニングし、各
々の口出し線をフィードスルー20を介して外部にとり
出すことにより、各部を密閉構造とすることで真空バウ
ンダリを構成することができるため高真空用のサーボモ
ータを構成することができる。また、耐熱用ワイヤとキ
ャニング構造の併用により、高温,高真空,高放射線用
のサーボモータを構成することができる。
【0016】次に、レゾルバの速度・位置検出回路の構
成を図2のブロック図を参照して説明する。同図におい
て、検出回路は基準発信回路21,励磁回路22の位相
比較回路23とこの出力信号を取り込む電圧制御発信器
24及び位置カウンタ25で構成される。また、レゾル
バ12に設置した熱電対26の温度検出回路27とこの
温度情報を基にレゾルバ出力信号を自動的に補正する温
度補償回路28をレゾルバ12と位相比較回路23間に
設ける。
【0017】次に、本実施例の作用を説明する。ステー
タ5を励磁すると、フレミングの左手の法則により、磁
極と電流の流れる方向・位置の関係からロータ1が回転
する。この際、磁極の磁束分布を正弦波とし、磁極の回
転位置に合わせて正弦波の電流位相を制御すると、磁束
と電流の積に比例する一定トルクを発生する。この運動
原理とレゾルバ12の速度・位置検出とによりステータ
5の電流を制御し、サーボモータが駆動される。
【0018】レゾルバ12を2相入力方式としたとき、
すなわち図3に示すように、励磁回路22から2相;E
R1-R2 =Esinωt,ER3-R4 =Ecosωtの励磁
をすると、レゾルバ12の回転角θだけシフトしたE
S1−S2=KEsin(ωt−θ)なる出力信号が得られ
る。ここでEは入力電圧、Kは変圧比、ω=2πfでf
は励磁周波数である。この出力信号と、基準発信回路2
1の位相比較を行い、位相差に応じた電圧信号を作って
電圧制御発信器24に与えると、電圧制御発信器24で
はこの電圧に応じた周波数を出力する。これを励磁回路
22に加えることにより基準発信回路21とレゾルバ1
2の出力の位相が一致するように電圧制御発信器24の
周波数,位相が変化するため、電圧制御発信器24の周
波数から速度が検出でき、また電圧制御発信器24の出
力と基準発信回路21の位相のずれから回転位置が検出
できる。ここで、レゾルバ12が高温になると、コイル
の抵抗値が変化するため常温時と比較すると出力信号値
に差異がでる。温度検出回路27と温度補償回路28
は、熱電対26で得られたレゾルバの温度を検出し、前
記の誤差を自動的に補正することができる。
【0019】モータ10及びレゾルバ12は、耐熱用ワ
イヤを使用しているため、高温,高放射線下で使用する
ことができる。本発明に適用したニッケルメッキ銅導体
に、緻密化セラミック層と無機ポリマ含浸ガラスファイ
バを二重に被覆した耐熱ワイヤ線を使用すれば、400
℃,100MGyの耐環境性を有する。また、ステンレ
スクラッド銅導体に緻密化セラミック層とアルミナ繊維
組層を二重に被覆した耐熱ワイヤ線では300℃まで耐
え得る。これらの材料は、無機質分を主成分としてお
り、アウトガスの発生量を抑えることができるため、1
-6Torr程度の真空条件下でも十分に使用すること
が可能である。
【0020】また、前記のような特殊な材料を使用しな
くてもモータ10及びレゾルバ12の巻線部全体をキャ
ニングすればアウトガスの放出を防ぐことができ、超高
真空環境下での使用が可能となる。更に、耐熱ワイヤの
使用とキャニング構造を併用すれば、それぞれの利点で
ある高温,高真空,高放射線特性が得られる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように各請求項の発明によ
れば、下記の如き効果を奏する。すなわち、請求項1に
よると、ニッケルメッキ銅導体に緻密化セラミック層
と、無機ポリマ含浸ガラスファイバを二重に被覆した耐
熱ワイヤ線をステータコイル及びレゾルバ用コイルとし
て用いることにより高温,高放射線用のサーボモータを
提供することができる。
【0022】請求項2によると、ステンレスクラッド銅
導体に緻密化セラミック層とアルミナ繊維組層を二重に
被覆した耐熱ワイヤとステータコイル及びレゾルバ用コ
イルとして用いることにより高温,高放射線用のサーボ
モータを提供することができる。
【0023】請求項3によると、従来使用されている絶
縁銅線(Y〜H種絶縁)で構成されたモータ及びレゾル
バのステータとロータ全体をキャニングし、且つ、ステ
ータコイル口出し線部をフィードスルーを介して外部に
とり出し、ステータとロータ各々を真空バウンダリ構成
とすることで高真空用サーボモータを提供することがで
きる。
【0024】請求項4によると、耐熱ワイヤを使用し、
耐熱ワイヤの使用部分であるステータコイル及びレゾル
バ用コイル部をキャニング構造とすることで高真空のサ
ーボモータを提供することができる。
【0025】請求項5によると、レゾルバのステータ側
の巻線部に設置した熱電対と、熱電対により得られる電
気信号によって巻線部の温度を検出する温度検出部と、
レゾルバ出力電圧を巻線部の温度に応じて自動的に補正
する温度補償回路を内蔵した制御装置を構成することで
温度が変化しても正確な速度制御と位置制御が可能なサ
ーボモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるサーボモータの構成
図。
【図2】本発明のサーボモータの速度・位置制御装置の
一実施例を示すブロック図。
【図3】本発明のレゾルバの作用を説明するための図。
【符号の説明】
1…ロータ、2…コバルト磁石、3…シャフト、4…軸
受、5…ステータ、6…アマチュアコア、7…ステータ
コイル、8…フレーム、9…フランジ、10…モータ
部、11…カップリング、12…レゾルバ、13…回転
トランス、14…ロータ、15…回転子、16…固定ト
ランス、17…ステータ、18…固定子、19…軸受、
20…フィードスルー、21…基準発信回路、22…励
磁回路、23…位相比較回路、24…電圧制御発信器、
25…位置カウンタ、26…熱電対、27…温度検出回
路、28…温度補償回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02K 24/00 H02K 21/14 M // H02K 21/14 11/00 D B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石フィールドを有するロータと、
    積層されたアマチュアコアに3相コイルを巻回して磁極
    を構成するステータと、前記ロータの回転角を検出する
    レゾルバとから成るサーボモータにおいて、前記ステー
    タ用コイル及び前記レゾルバ用コイルは、ニッケルメッ
    キ銅導体に緻密化セラミック層と無機ポリマ含浸ガラス
    ファイバを二重に被覆した耐熱ワイヤ線を用いて高温・
    高放射線領域に適用したことを特徴とするサーボモー
    タ。
  2. 【請求項2】 永久磁石フィールドを有するロータ
    と、積層されたアマチュアコアに3相コイルを巻回して
    磁極を構成するステータと、前記ロータの回転角を検出
    するレゾルバとから成るサーボモータにおいて、前記ス
    テータ用コイル及び前記レゾルバ用コイルは、ステンレ
    スクラッド銅導体に緻密化セラミック層とアルミナ繊維
    組層を二重に被覆した耐熱ワイヤを用いて高温・高放射
    線領域に適用したことを特徴とするサーボモータ。
  3. 【請求項3】 絶縁銅線(Y〜H種絶縁)で構成したサ
    ーボモータ及びレゾルバのステータ及びロータ全体をキ
    ャニングし、且つ、ステータコイル口出し線部をフィー
    ドスルーを介して外部に取り出すと共に、前記ステータ
    と前記ロータ各々を真空バウンダリ構成とし、高真空領
    域に用いたことを特徴とするサーボモータ。
  4. 【請求項4】 永久磁石フィールドを有するロータと、
    積層されたアマチュアコアに3相コイルを巻回して磁極
    を構成したステータと、前記ロータの回転角を検出する
    レゾルバとから成るサーボモータにおいて、ニッケルメ
    ッキ銅導体に緻密化セラミック層と無機ポリマ含浸ガラ
    スファイバを二重に被覆した耐熱ワイヤ線又はステンレ
    スクラッド銅導体に緻密化セラミック層とアルミナ繊維
    組層を二重に被覆した耐熱ワイヤと、前記サーボモータ
    と前記レゾルバのステータ及びロータ全体をキャニング
    し、且つ、そのステータコイル口出し線部をフィードス
    ルーを介して外部に取り出すと共に、前記ステータと前
    記ロータ各々を真空バウンダリ構成とし、高温・高真空
    ・高放射線領域に用いたことを特徴とするサーボモー
    タ。
  5. 【請求項5】 永久磁石フィールドを有するロータと、
    積層されたアマチュアコアに3相コイルを巻回して磁極
    を構成したステータと、前記ロータの回転角を検出する
    レゾルバとから成るサーボモータにおいて、前記レゾル
    バのステータ側の巻線部に設置した熱電対と、前記熱電
    対により得られる電気信号によって当該巻線部の温度を
    検出する温度検出部と、前記レゾルバの出力電圧を前記
    巻線部の温度に応じて自動的に補正する温度補償回路を
    内蔵した制御装置とから構成されたことを特徴とするサ
    ーボモータ。
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Cited By (6)

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