JPH1166610A - 光学記録媒体および光学記録媒体再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学記録媒体の情報コピーを確実に防止でき
るようにした光学記録媒体を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 光学記録媒体であるコンパクトディスク
１において、その情報記録面の情報記録領域には通常の
情報信号が暗号化されて記録されている。また、情報記
録領域以外の領域、たとえば情報記録面と反対側の印刷
面２には暗号化された情報信号を解読するための暗号キ
ーの情報を含んだホログラム３が記録されている。情報
信号は暗号化して記録されているため、たとえ、情報信
号がすべてコピーされたとしても、情報信号を再生する
ことはできない。しかも、暗号化された情報信号を解読
するための暗号キーの情報は複製が困難なホログラム３
に含まれているため、ホログラム自体の複製ができず、
これにより、光学記録媒体の情報コピーは確実に防止す
ることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は光学記録媒体および
光学記録媒体再生装置に関し、特に光学的に情報信号が
記録される光学記録媒体およびこの光学記録媒体に記録
された情報をコピーするだけでは複製物の作製が困難な
光学記録媒体再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、所定の記録媒体領域に情報信号が
光学的に記録され、この記録された情報信号を再生する
ための光学記録媒体が知られている。記録される情報信
号としては、音楽データ、プログラムデータ、音声デー
タ、画像データなどがあり、光学記録媒体はコンパクト
ディスク（ＣＤ）、ＣＤ−ＲＯＭ（コンパクトディスク
を利用した読取り専用メモリ）などの形態で提供されて
いる。

【０００３】ところで、情報信号が所定の記録媒体領域
に記録された光学記録媒体においては、記録された情報
のすべてを再生装置によって読み取り、これをもとに原
盤を作製したり別の光磁気記録媒体に記録することなど
により、外見上全く同一の記録内容を持つ光学記録媒体
のコピーを作製することができる。これは、海賊版のコ
ンパクトディスクやＣＤ−ＲＯＭの作製を可能にするも
のである。

【０００４】これに対して、従来では光学記録媒体のコ
ピーの作製を困難にするいくつかの試みがなされてい
る。たとえば、一例として光学記録媒体に記録する情報
の中に暗号を挿入する方法がある。

【０００５】また、本物の光学記録媒体であるか否かを
判別するために、光学記録媒体の記録媒体領域以外の領
域にバーコードや文字などのパターンを記録して、外見
上偽物との区別ができるようにすることがある。さら
に、本出願人による特開平８−８３４４０号公報では、
正規の光学記録媒体であることを示す記録媒体識別のた
めのホログラムを記録媒体領域以外の領域に記録し、コ
ピーが困難であるというホログラムの性質を利用するこ
とにより、本物の光学記録媒体とコピーの光学記録媒体
との区別を外見上から容易に行うことができ、著作権を
明確にするようにしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、暗号を挿入す
る方法では、使用者がその暗号を解くための暗号キーを
手に入れてしまえば、全く意味のないものとなってしま
う。また、外見上で区別できるようにした場合は、記録
情報自体はコピーされた光学記録媒体にも全く同じ内容
が記録されているため、実質的に、記録された情報はそ
のまま使用することができるという問題点があった。

【０００７】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、光学記録媒体の情報コピーを確実に防止でき
るようにした光学記録媒体および光学記録媒体再生装置
を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、光学的
に情報信号が記録される光学記録媒体において、情報記
録領域に情報信号が暗号化して記録され、前記情報記録
領域以外の領域に前記情報信号を解読するための暗号キ
ー情報を含んだホログラムが記録されていることを特徴
とする光学記録媒体が提供される。

【０００９】この光学記録媒体によれば、情報信号は暗
号化して記録され、この暗号化された情報信号はホログ
ラムが記録された暗号キー情報がなければ解読できな
い。ホログラムは複製が困難なため、情報信号をそのま
ま複製してもこれを正常に再生することはできず、した
がって、光学記録媒体の情報コピーは確実に防止するこ
とができる。

【００１０】また、本発明では、暗号化された情報信号
および前記情報信号を解読する暗号解読情報を含んだホ
ログラムが記録された光学記録媒体を再生する光学記録
媒体再生装置において、光学記録媒体に記録された前記
ホログラムを再生して前記暗号解読情報を取得する暗号
解読情報取得手段と、前記光学記録媒体より読み取った
前記情報信号を前記暗号解読情報取得手段にて取得した
前記暗号解読情報を使って解読してもとの情報信号に復
号する情報信号再生手段と、を備えていることを特徴と
する光学記録媒体再生装置が提供される。

【００１１】この光学記録媒体再生装置によれば、暗号
解読情報取得手段が光学記録媒体のホログラムを再生す
ることにより情報信号を解読するための暗号解読情報を
取得する。この段階で、暗号解読情報を正常に取得でき
れば、光学記録媒体はコピーされたものではない正規の
ものとして判断され、情報信号再生手段により、先に取
得した暗号解読情報を使用して光学記録媒体に暗号化さ
れて記録された情報信号を解読し復号することができ
る。これにより、光学記録媒体はコピーされたものであ
る場合、情報信号は暗号化されたままであるので利用す
ることができず、したがって、コピーされた光学記録媒
体はこれを再生することができないため、光学記録媒体
の不正コピーを確実に防止することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をコン
パクトディスクに適用した場合を例にし、図面を参照し
て説明する。

【００１３】図１は本発明に係る光学記録媒体の概略的
な構成を示した図である。この図１に示す光学記録媒体
はたとえば音楽用のコンパクトディスク１である。コン
パクトディスク１は通常の音楽情報信号が記録されてい
る情報記録面と、その反対側の情報が記録されない面で
あってアルバム名や曲名などが印刷されている印刷面２
とから構成されている。コンパクトディスク１の情報記
録面に記録されている音楽情報信号は暗号化されて記録
されており、印刷面２上には、その暗号化された音楽情
報信号を解読するための暗号キーとなる固有の数字情報
を含んだホログラム３が記録されている。

【００１４】ここで、ホログラムとは、レーザー光の様
な干渉性の光を物体に照射して得られる物体光と参照光
との干渉縞パターンを記録した記録媒体である。ホログ
ラフィによる記録は、たとえば実際にレーザー光を用い
てフォトレジスト膜などを露光させるような光学的な方
法によって個々のコンパクトディスク１上に行うことが
できる。しかし、本実施の形態では、コンピュータによ
りホログラムのデータの信号パターンを計算し、このホ
ログラムの信号パターンを二次元の信号パターンとして
コンパクトディスク１上にカッティングする方法を採っ
ている。この方法の詳細は上記の特開平８−８３４４０
号公報に述べられている。このホログラムの信号パター
ンをコンパクトディスク１上にカッティングする方法
は、従来のコンパクトディスク１のカッテイングマシー
ンをそのまま使用してホログラムを生成することが可能
であり、量産性に優れている。

【００１５】次に、暗号キーの情報が入ったホログラム
３からその信号パターンを再生する場合について説明す
る。図２はホログラムの再生方法を説明するための図で
ある。コンパクトディスク１に記録されたホログラム３
からその信号パターンを再生するには、ホログラム３に
レーザー光４を照射し、フーリエ変換レンズ５を用いて
ホログラム３の回析像を観測する。これにより再生画像
６を得ることができる。この再生画像６からは、ホログ
ラム３に信号パターンとして記録されていた暗号キーと
なる固有の数字情報を得ることができる。

【００１６】なお、フーリエ変換レンズ５は良好な回析
信号を得るためにホログラム３と再生画像６との間に位
置しているが、このフーリエ変換レンズ５を用いなくて
も暗号キー識別のためのホログラムを確認することは可
能である。

【００１７】次に、本発明におけるコピー防止機能を持
った光学記録媒体を再生する情報再生装置について説明
する。図３は情報再生装置の一回路構成例を示すブロッ
ク図である。図３に示す情報再生装置１０はこの情報再
生装置１０を統括制御するコントローラ１１と、コンパ
クトディスク（ＣＤ）１に記録された音楽情報信号を再
生する情報再生部１２と、ホログラムを再生するための
レーザー光を発生するレーザー光発生部１３と、フーリ
エ変換レンズ部１４と、ホログラムの情報を再生するホ
ログラム再生部１５と、ホログラムに書かれていた暗号
キーの情報を格納するメモリ１６とを備えている。

【００１８】レーザー光発生部１３によって発生された
レーザー光４はコンパクトディスク１に記録されたホロ
グラム３に照射され、ホログラム３からの再生光はフー
リエ変換レンズ部１４を介してホログラム再生部１５に
入力される。ホログラム再生部１５は得られた再生画像
６から暗号キーの情報を抽出し、メモリ１６に格納す
る。情報再生部１２はコンパクトディスク１から得られ
た音楽情報信号をメモリ１６に格納された暗号キーの情
報をもとに解読し、暗号化される前の音楽情報に復号す
る。

【００１９】次に、情報再生装置１０におけるコントロ
ーラ１１の不正コピー防止処理の流れについて説明す
る。図４は情報再生装置の情報再生処理の流れを示すフ
ローチャートである。まず、コンパクトディスク１を情
報再生装置１０に装着すると、コントローラ１１はコン
パクトディスク１のホログラム３にレーザー光発生部１
３からのレーザー光４を照射させ（ステップＳ１）、フ
ーリエ変換レンズ部１４を通して得られた再生光からホ
ログラムパターン再生部１５にて再生画像を得る（ステ
ップＳ２）。次に、得られた再生画像にたとえば１０桁
の数字などからなる暗号キーの情報が含まれているかど
うかが判断される（ステップＳ３）。ここで、ホログラ
ムがなかったり、暗号キーの正確な信号パターンが検出
できなかった場合には、ここで情報再生装置１０の情報
再生処理は終了する。再生画像から暗号キーの情報が抽
出できた場合には、得られた暗号キーの情報をメモリ１
６に格納する（ステップＳ４）。情報再生部１２はメモ
リ１６に格納された情報を暗号キーにしてコンパクトデ
ィスク１から読み出した暗号化音楽情報信号を解読し、
もとの音楽情報信号に復元することにより、コンパクト
ディスク１に記録された情報を再生する（ステップＳ
５）。

【００２０】このようにして、正しい暗号キーの情報が
抽出できた場合にのみ、正しい情報を取り出すことがで
き、もし、ホログラムが認識されなかったり、ホログラ
ムが認識されてもそこに含まれる暗号キーの情報が間違
っていた場合には、情報を取り出すことができないこと
になる。以上の制御により、コンパクトディスク１の不
正なコピーを防止することが可能となる。

【００２１】なお、上述の実施の形態では、暗号キーの
情報が含まれるホログラムはコンパクトディスク１の印
刷面に記録するようにしたが、情報信号が記録される情
報記録領域以外の領域であればどこでもよい。次に、コ
ンパクトディスク１の印刷面以外の領域にホログラムを
記録した別の例について説明する。

【００２２】図５はホログラムを情報記録面に記録した
例を示す図である。この図５において、コンパクトディ
スク１はその印刷面と反対側の面である情報記録面を示
している。コンパクトディスク１のこの情報記録面上に
は、その情報記録領域２０として内周に位置するリード
イン領域２１と、情報領域２２と、外周に位置するリー
ドアウト領域２３とを有している。コンパクトディスク
１の暗号化された音楽情報信号は情報領域２２に記録さ
れ、この情報領域２２に記録された音楽情報信号の内容
に関する情報がリードイン領域２１およびリードアウト
領域２３に記録される。また、コンパクトディスク１の
情報記録面において、情報記録領域２０より内周にはホ
ログラム記録領域３０が位置しており、このホログラム
記録領域３０には暗号キーの情報を含むホログラム３
１，３２，３３が記録される。これらのホログラム３
１，３２，３３についても、そのデータの信号パターン
を計算し、得られた信号パターンを二次元の信号パター
ンとして、コンパクトディスク１の情報記録面に、情報
記録領域２０とともにカッティングするようにしてい
る。

【００２３】以上は光学記録媒体としてコンパクトディ
スクを例にして説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、たとえばＣＤ−ＲＯＭなどの再生専用の
媒体で提供されるゲームソフトウェア、アプリケーショ
ンソフトウェア、映画ソフトウェア、地図などの画像デ
ータや電子楽器用ＭＩＤＩ（Ｍｕｓｉｃａｌ Ｉｎｓｔ
ｒｕｍｅｎｔ Ｄｉｇｉｔａｌ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）
データなど、あらゆる電子データを記録した光学記録媒
体に適用することができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明では、光学記
録媒体に情報を暗号化して記録し、これを解読するため
の暗号キーの情報を含んだホログラムを別に付加する構
成とした。これにより、ホログラムの複製が困難である
ことと、光学記録媒体の情報記録領域に記録された情報
の全てを読み取るいわゆるデッドコピーだけでは、その
情報は暗号化されたままであることから、光学記録媒体
に不正に記録された情報を再生することができず、実質
的に複製の不可能な光学記録媒体となる。また、そのよ
うな光学記録媒体用の情報を再生する光学記録媒体再生
装置では、光学記録媒体に記録されたホログラムを再生
し、そのホログラムに含まれる暗号キーの情報が正しく
得られた場合のみ光学記録媒体の情報記録領域に記録さ
れた情報の暗号を解除して再生するようにした。これに
より、光学記録媒体再生装置は光学記録媒体に記録され
た情報信号を再生せずに簡易に本物の光学記録媒体であ
るか否かを区別することができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る光学記録媒体の概略的な構成を示
した図である。

【図２】ホログラムの再生方法を説明するための図であ
る。

【図３】情報再生装置の一回路構成例を示すブロック図
である。

【図４】情報再生装置の情報再生処理の流れを示すフロ
ーチャートである。

【図５】ホログラムを情報記録面に記録した例を示す図
である。

【符号の説明】

１……コンパクトディスク、２……印刷面、３……ホロ
グラム、４……レーザー光、５……フーリエ変換レン
ズ、６……再生画像、１０……情報再生装置、１１……
コントローラ、１２……情報再生部、１３……レーザー
光発生部、１４……フーリエ変換レンズ部、１５……ホ
ログラム再生部、１６……メモリ。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光学的に情報信号が記録される光学記録
   媒体において、 情報記録領域に情報信号が暗号化して記録され、前記情
   報記録領域以外の領域に前記情報信号を解読するための
   暗号キー情報を含んだホログラムが記録されていること
   を特徴とする光学記録媒体。
2. 【請求項２】 前記ホログラムは、前記情報記録領域が
   片方の面だけにあるとき、前記情報記録領域以外の領域
   としてのもう一方の面の表面に記録されることを特徴と
   する請求項１記載の光学記録媒体。
3. 【請求項３】 前記ホログラムは、前記情報記録領域に
   隣接した内側の領域に記録されることを特徴とする請求
   項１記載の光学記録媒体。
4. 【請求項４】 暗号化された情報信号および前記情報信
   号を解読する暗号解読情報を含んだホログラムが記録さ
   れた光学記録媒体を再生する光学記録媒体再生装置にお
   いて、 光学記録媒体に記録された前記ホログラムを再生して前
   記暗号解読情報を取得する暗号解読情報取得手段と、 前記光学記録媒体より読み取った前記情報信号を前記暗
   号解読情報取得手段にて取得した前記暗号解読情報を使
   って解読してもとの情報信号に復号する情報信号再生手
   段と、 を備えていることを特徴とする光学記録媒体再生装置。
5. 【請求項５】 光学的に情報信号が記録される光学記録
   媒体のカッティング方法であって、 前記情報信号を暗号化して前記光学記録媒体の情報記録
   領域に記録し、前記情報信号を解読するための暗号キー
   情報を含んだホログラムのデータの信号パターンに対応
   する二次元の信号パターンを前記情報記録領域以外の領
   域に記録することによって光学記録媒体へのカッティン
   グを行うことを特徴とする光学記録媒体のカッティング
   方法。