JPH1164270A - 電極型バイオセンサーとその製造方法 - Google Patents

電極型バイオセンサーとその製造方法

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JPH1164270A
JPH1164270A JP9230733A JP23073397A JPH1164270A JP H1164270 A JPH1164270 A JP H1164270A JP 9230733 A JP9230733 A JP 9230733A JP 23073397 A JP23073397 A JP 23073397A JP H1164270 A JPH1164270 A JP H1164270A
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insulating substrate
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Akio Kiyohara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極型バイオセンサーにおいて、電気絶縁性
基板と電極および生体由来の分子識別素子との密着性を
向上させる手段を提供する。 【解決手段】 電極と、前記電極の表面近傍に位置する
生体由来の分子識別素子とで構成されるセンサー部が電
気絶縁性基板上に形成されてなる電極型バイオセンサー
において、電気絶縁性基板として、70〜170℃の融
点を有する全脂肪族ポリエステル系樹脂を主成分とする
基板を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気絶縁性基板上
に、電極と生体由来の分子識別素子からなるセンサー部
を形成してなる電極型バイオセンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】バイオセンサーは、検体に前処理を施す
ことなく、検体中の特定の成分を簡便に定性・定量する
ことができるという特徴を有する。このようなバイオセ
ンサーは、基本的には特定成分に対し選択的に反応する
生体由来の分子識別素子と、特定成分が分子識別素子と
反応した際における変化を捕らえ、最終的に電気信号に
変換して出力するトランスデューサ(信号変換器)とで
構成されている。そして、前記トランスデューサの受感
部としては、トランジスタやサーミスタ、光デバイス等
が使用されるが、一般には電極が使用されており、電極
を用いたバイオセンサーは、電極型バイオセンサーと総
称される。この電極型バイオセンサーは、更に使用する
分子識別素子の種類によって、酵素センサー、免疫セン
サー、微生物センサー、オルガネラセンサー、組織セン
サー、レセプタセンサーなどに分類される。
【0003】ところで、上記した酵素センサー等の電極
型バイオセンサーは、一般にシート状の電気絶縁性基板
上に電極を形成し、この電極の周囲に生体由来の分子識
別素子を固定する方法により製造されている。したがっ
て、電気絶縁性基板と分子識別素子や電極との親和性
(馴染み易さ)の良否が、この種のバイオセンサーの製
造歩留りや性能の善し悪しを左右する。基板と分子識別
素子や電極との親和性が悪いと、基板面に対し電極や分
子識別素子を十分に密着させることができないため、基
板面から電極や分子識別素子が剥離する等の問題が生
じ、また測定精度がばらつく原因になるからである。
【0004】然るに、電極型バイオセンサーの基板材と
して、従来より用いられているセラミックス等の無機系
材料や、ポリエチレンテレフタレート等の高分子系材料
は、電極材料との親和性や密着性が十分でない。そこ
で、例えば基板面にコロナプラズマ等による放電処理を
施したり、ニッケル、クロム、ITO等からなるアンカ
ーコーティング層を設けるなどの方法(前処理法)が、
絶縁性基板と電極との密着性を改善する手段として従来
より用いられている。
【0005】更に、絶縁性基板と生体由来の分子識別素
子との密着性を改善する手段として、例えば基板面にア
ミノ基を有する重合性化合物を塗布し、これにプラズマ
を照射して基板面上に重合膜を形成したり、固体高分子
電解質であるナフィオン(デュポン社の商標名)をコー
ティングしたり、或いは基板面にCM−デキストリンを
コーティングしたり、更には分子識別素子をセルロース
等の被膜で包み込む方法等(後処理法)が用いられてい
る。また、最近では、高分子樹脂の分子中にアミノ基、
ヒドロキシ基、カルボキシル基などの極性基を導入し
て、分子識別素子に対する親和性を高める方法が提案さ
れている。
【0006】これらの技術を用いて作製された電極型バ
イオセンサーであると、基板と電極および生物由来の分
子識別素子との接着性・密着性がよいので、取扱時や測
定時に分子識別素子や電極が基板から剥離する等の恐れ
が少ない。よって、精度よく特定成分の定性・定量を行
うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術を採用した場合、バイオセンサーの製造工程が複雑化
する。したがって、製造歩留り率が低下したり、製造コ
ストが上昇したりする。更に、基板の材質や分子識別素
子の種類によっては、上記技術を適用し難い場合もあ
る。
【0008】また、電極型バイオセンサーは主に生体成
分の定性・定量に使用されるものであるので、使用後の
センサーは病原菌等で汚染される場合があり、また識別
素子が生物由来のものであるので、検体中の成分を吸着
等し易い。よって、バイオセンサーは、検体ごとにセン
サーを交換する使い捨て型の使用態様が好ましいが、こ
の場合、公害防止の観点から、大量に発生する使用済セ
ンサーを如何に処分するかが問題となる。
【0009】ここにおいて、従来より絶縁性基板材料と
して使用されているポリエチレンテレフタレートなどの
高分子樹脂は、焼却炉を破損する程に高温の焼却熱を発
したり、完全に燃焼し切らない場合があり、またセラミ
ックス等の無機質材料は、燃えないので焼却処分できな
い。更に両材料とも微生物等により分解を受け難い材質
であるので、埋め立て処分すると、自然環境を害すると
いう問題がある。つまり、従来の電極型バイオセンサー
は、使用後においても課題を抱えている。
【0010】本発明は、上記に鑑みなされたものであ
り、電極や生体由来の分子識別素子を十分な密着性をも
って定着でき、かつ廃棄に際しては速やかに熱分解また
は生分解される電気絶縁性基板を案出し、この基板を用
いることにより、上記技術を適用しなくとも、使用時に
高い信頼性をもって生体成分を定性・定量でき、かつ使
用後においては廃棄公害を発生させない電極型バイオセ
ンサーを安価に提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次の構成を有する。請求項1の発明は、電
極と、前記電極の表面近傍に位置する生体由来の分子識
別素子とで構成されるセンサー部が、電気絶縁性基板上
に形成されてなる電極型バイオセンサーであって、前記
電気絶縁性基板が、70〜170℃の融点を有する全脂
肪族ポリエステル系樹脂を主成分として組成されたもの
であることを特徴とする。
【0012】70〜170℃の融点を有する全脂肪族ポ
リエステル系樹脂を主成分として組成された電気絶縁性
基板は、電極材料に対する接着性・密着性がよく、特に
生体由来の分子識別素子に対する親和性に優れる。した
がって、上記構成の電極型バイオセンサーであると、基
板上に電極や分子識別素子を定着し易いので、製造作業
性がよいと共に、製品の歩留率が向上する。また、製品
の取扱中に分子識別素子が剥離したり、測定に際し分子
識別素子が検体液中に遊離してしまうといった現象が生
じ難い。
【0013】更に、上記全脂肪族ポリエステル系樹脂
は、熱分解すると共に微生物によって分解される性質を
有するので、このような素材からなる絶縁性基板を用い
た電極型バイオセンサーであると、焼却処分、埋め立て
処分の何れをも選択でき、廃棄に際し自然環境を害しな
い。
【0014】以上から、上記構成によると、高い信頼性
をもって生体成分を定量・定性できかつ環境性にも優れ
た電極型バイオセンサーが提供できる。
【0015】請求項2の発明は、請求項1記載の電極型
バイオセンサーにおいて、前記全脂肪族ポリエステル系
樹脂が、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とによる
重縮合ポリマー、または2種の脂肪族ヒドロキシカルボ
ン酸による共重合ポリマーのいずれかを主成分とするも
のであることを特徴とする。
【0016】脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とに
よる重縮合ポリマー、または2種の脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸による共重合ポリマーは、極性が高く生体由来
の分子識別素子との親和性がよいと共に、微生物等の作
用によって分解し得る性質(生分解性)を有している。
したがって、このようなポリマーを主成分とする電気絶
縁性基板を用いると、測定精度に優れ、かつ廃棄におけ
る無公害性に優れた電極型バイオセンサーが得られる。
【0017】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載の電極型バイオセンサーにおいて、前記分子識別素子
が、酵素、抗体または抗原、微生物、オルガネラ、レセ
プタ、細胞組織よりなる群から選択されたものであるこ
とを特徴とする。
【0018】上記の生体由来の各素子は、分子識別素子
として有用であり、他方、電気絶縁性基板の主材である
全脂肪族ポリエステル系樹脂は、これらの生体由来の素
子との親和性が極めて高い。したがって、酵素、抗体ま
たは抗原、微生物、オルガネラ、レセプタ、細胞組織よ
りなる群から測定したい物質に適合する好適な素子を選
択し用いた電極型バイオセンサーであると、測定対象物
質を高い信頼性をもって検知できる。
【0019】請求項4の発明は、請求項1ないし3に記
載の電極型バイオセンサーにおいて、前記電極が、白
金、金、またはカーボン導電体からなる2〜3極の電極
で構成されていることを特徴とする。
【0020】白金、金は、極めて導電性に優れると共
に、スパッタリング法や金属性凸版によるホットスタン
ピング法または塗布法を用いることにより、本発明にか
かる基板上に容易に電極を形成することができる。ま
た、カーボン導電体は、白金、金に比べると若干導電性
に劣るものの、ペースト状となし基板に塗布等すること
により、簡単に電極を形成することができる。
【0021】なお、これらの電極材料を用いて少なくと
も作用極(分子識別素子を必須とする極)と対極を形成
するか、作用極とその対極および参照極の合計3極を基
板上に形成し、これらの2〜3極でセンサー単位を構成
することになるが、電極型バイオセンサーの小型化のた
めには、作用極と対極からなるセンサー単位が好まし
い。他方、測定の信頼性を高めるためには、参照極を加
えた3極とするのがよい。
【0022】請求項5の発明は、請求項4に記載の電極
型バイオセンサーにおいて、前記電極が、前記電気絶縁
性基板面上に直接形成されており、前記分子識別素子
が、少なくとも1極の検知領域を覆うようにして、前記
電気絶縁性基板面に直接定着されていることを特徴とす
る。
【0023】この構成では、絶縁性基板面上に2〜3極
の電極を直接形成すると共に、前記2〜3極の電極の少
なくとも1つの電極(作用極に相当する電極)の検知領
域が分子識別素子で覆われるように、前記絶縁性基板面
に分子識別素子を直接定着させてあるが、電極や分子識
別素子を基板面上に直接定着させるこの構成であると、
基板と電極や分子識別素子との間に他の部材が介在しな
いので、その分、必要な原材料を少なくできると共に、
工程数を少なくできる。よって、この構成によると、製
造コストの低減を図れる。なお、上記検知領域とは、検
体(測定対象物)に挿入または浸漬する電極部分を意味
する。
【0024】ところで、上記構成は、電極材料や生体由
来の分子識別素子に対する親和性や密着性に優れた全脂
肪族ポリエステル系樹脂を主体とする絶縁性基板を用い
て初めて可能になる。なぜなら、シリコンやポリエチレ
ンテレフタレート等からなる従来の絶縁性基板では、電
極材料や生体由来の分子識別素子との親和性・密着性が
悪いため、このような基板の表面に直接電極や分子識別
素子を定着した場合、僅かな外力が加わっても、電極や
分子識別素子が基板から剥離してしまう。したがって、
実質的に使用可能な電極型バイオセンサーが得られなか
った。このため、前記した如く従来のバイオセンサーで
は、電極や分子識別素子との親和性・密着性を改善する
ために、基板に予め他の素材を塗布する等の前処理を行
うのが一般的であった。然るに、上記構成の本発明で
は、前処理を行わなくてもよいので、その分電極型バイ
オセンサーの生産コストを低減させることができること
になる。
【0025】請求項6の発明は、請求項1ないし5に記
載の電極型バイオセンサーにおいて、前記センサー部
が、一枚の電気絶縁性基板上に所定の間隔で規則的に配
設されていることを特徴とする。
【0026】この構成であると、多数のバイオセンサー
を一度に効率よく製造できる。また、センサー部のそれ
ぞれをトランスデューサに接続することにより、多数の
検体を同時に測定処理できる測定装置と成すことができ
る。更に、この構成では、複数のセンサー部が所定の間
隔で規則的に配設されているので、各々のセンサー部を
順次移動(回転運動等)させてトランスデューサに接続
する態様とすることもでき、このような態様の測定装置
であると、多数の検体を連続的かつ自動的に測定処理す
ることが可能となる。
【0027】請求項7の発明は、電極と、前記電極の表
面近傍に位置する生体由来の分子識別素子とで構成され
るセンサー部が、電気絶縁性基板上に形成されてなる電
極型バイオセンサーの製造方法であって、70〜170
℃の融点を有する全脂肪族ポリエステル系樹脂を主成分
として組成されたシート状の電気絶縁性基板に、スパッ
タリング法または金属性凸版によるホットスタンピング
法によって、白金または金からなる2〜3極の電極を形
成する工程と、前記電極のうち少なくとも1つの電極の
検知領域が覆われるように、当該電極表面と当該電極の
周囲の電気絶縁性基板面に、分子識別素子を含有した液
状物を塗布する工程と、を備えることを特徴とする。
【0028】また請求項8の発明は、請求項7に記載の
電極型バイオセンサーの製造方法において、前記全脂肪
族ポリエステル系樹脂が、脂肪族ジオールと脂肪族ジカ
ルボン酸とによる重縮合ポリマー、または2種の脂肪族
ヒドロキシカルボン酸による共重合ポリマーのいずれか
を主成分とするものであることを特徴とする。
【0029】更に請求項9の発明は、請求項7または8
に記載の電極型バイオセンサーの製造方法において、前
記分子識別素子が、酵素、抗体または抗原、微生物、オ
ルガネラ、レセプタ、細胞組織よりなる群から選択され
るものであることを特徴とする。
【0030】上記請求項7〜9に記載の製造方法による
と、上記請求項1〜6の電極型バイオセンサーを効率良
く製造できる。よって、これらの製造方法によると、電
極型バイオセンサーの品質の向上と生産コストの低減が
図れる。
【0031】
【発明の実施の形態】まず、本発明が特徴とする全脂肪
族ポリエステル系樹脂について説明する。本発明にかか
る全脂肪族ポリエステル系樹脂は、脂肪族基がエステル
結合し、これが繰り返し単位となって、長鎖状ポリマー
を形成したものをいい、分子中に芳香族基を有しないも
のをいう。なお、芳香族基を有する樹脂であると、生分
解し難くなり、廃棄処分性が悪くなるので好ましくな
い。
【0032】本発明では、上記のような全脂肪族ポリエ
ステル系樹脂のうち、融点が70℃以上で170℃以下
のものを使用する。融点が70℃未満であると、十分な
強度を持ったシートが得難くなると共に、ホットスタン
ピング法を用いて電極を形成する場合に熱変性する恐れ
がある。その一方、融点が170℃を越えるものは、分
子量が大きくて生分解性が悪いと共に、生体由来の分子
識別素子との親和性が悪くなる。よって、電極型バイオ
センサー用の電気絶縁性基板の組成分としては、融点が
70℃〜170℃の全脂肪族ポリエステル系樹脂を用
い、より好ましくは融点が90〜160℃の高分子量体
(数平均分子量Mnで約3万以上)を用いる。
【0033】上記した全脂肪族ポリエステル系樹脂は、
次の2つの方法により製造できる。その一つは、グリコ
ール(脂肪族ジオール)と脂肪族ジカルボン酸との重縮
合反応であり、他の一つは、脂肪族ヒドロキシカルボン
酸の1種又は2種以上の重縮合反応である。そして、こ
れらの製法を用い、重合度を適当に調整することによ
り、融点が70〜170℃の単独重合又は共重合ポリマ
ーを得ることができる。
【0034】上記製法を具体例で説明する。まず、グリ
コールと脂肪族ジカルボン酸との重縮合反応の例として
は、ジメチレングリコールとジメチレンカルボン酸又は
オクタメチレンジカルボン酸の組合せ、テトラメチレン
グリコールとジメチレンカルボン酸との組合せ、デカメ
チレングリコールとジメチレン−、テトラメチレン−、
ヘキサメチレン−又はオクタメチレン−の各ジカルボン
酸との組合せ、エイコサメチレン(C=20)グリコー
ルとジメチレン−、テトラメチレン−、ヘキサメチレン
−又はオクタメチレン−の各ジカルボン酸との組合せが
例示できる。
【0035】上記組み合わせにおいて、各々の成分を1
種類とすると単独重合ポリマーが得られ、いずれか一方
の成分を2種類以上用いて3成分以上で重縮合反応を行
うと、共重合ポリマーが得られる。そして、各々の成分
の組み合わせ方を変えることにより、融点を変化させる
ことができる。このうち、成形性と成形物の強度の面か
ら、次の組合せで反応させたポリマーが、本発明にかか
る全脂肪族ポリエステル系樹脂として特に好適である。
【0036】即ち、ジメチレングリコールとジメチレン
カルボン酸の組合せ、テトラメチレングリコールとジメ
チレンカルボン酸との組合せて反応させたポリマーであ
り、これらのポリマーの融点は、約100〜160℃で
ある。
【0037】次に、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の重縮
合反応について説明する。1種類の脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸を用いた重縮合反応では、分子内自己重縮合に
よる単独重合ポリマーが得られ、2種類以上の脂肪族ヒ
ドロキシカルボン酸を用いて重縮合反応を行った場合に
は、共重合ポリマーが得られる。具体的には、例えばグ
リコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、またはヒドロキシ
吉草酸のそれぞれを単独で重縮合反応させた単独重合ポ
リマー、またはこれらのうち異なるもの同志を組み合わ
せて重縮合反応させた共重合ポリマー、またはこれらの
1種類以上とε−カプロラクトン、δ−バレロラクト
ン、又はラクチド等の環状エステルとの組み合わせによ
る共重合ポリマーが例示できる。
【0038】そして、本発明にかかる電気絶縁性基板用
の素材としては、成形性、強度の面から、単独重合ポリ
マーよりも、2成分以上を重縮合された共重合ポリマー
が好ましい。具体的には、例えばヒドロキシ酪酸とヒド
ロキシ吉草酸とを組合せたものが好ましい。なお、2成
分以上の共重合ポリマーの場合には、共重合比によって
融点が変化するが、ヒドロキシ酪酸とヒドロキシ吉草酸
との共重合ポリマーにおいては、ヒドロキシ吉草酸を2
〜40モル%の範囲とすると、約170℃から90℃の
融点を有するポリマーが得られる。
【0039】本発明にかかる電気絶縁性基板は、上記し
た全脂肪族ポリエステル系樹脂の一つを単独で使用した
ものであってもよく、また種類の異なる複数の全脂肪族
ポリエステル系樹脂同志をブレンドして用いてもよい。
異なる性質のポリマーをブレンドした場合、単独のポリ
マーでは得られない好適な性質(例えば成形性、強度、
耐熱性など)が得られる場合があるからである。
【0040】更に、本発明にかかる電気絶縁性基板に
は、上記したポリマー(全脂肪族ポリエステル系樹脂)
以外のポリマーやその他の物質を含めることもできる。
このような成分としては例えば二酸化チタンが挙げら
れ、電気絶縁性基板に二酸化チタンを少量添加すると、
絶縁性基板を白色化でき、基板上の付着物等の確認が容
易になるという効果が得られる。但し、全脂肪族ポリエ
ステル系樹脂以外の成分が多くなると、電気絶縁性基板
の親和性や生分解性に悪影響を与えるので、全脂肪族ポ
リエステル系樹脂以外の添加成分は電気絶縁性基板重量
に対し、50重量%未満とするのがよい。50重量%未
満であれば、全脂肪族ポリエステル系樹脂の性質が基板
の特性を決定する支配的要因となるからである。
【0041】全脂肪族ポリエステル系樹脂を主成分とす
る本発明にかかる電気絶縁性基板の技術的意義を更に説
明する。上記した如く、全脂肪族ポリエステル系樹脂
は、電極や生体由来の分子識別素子との密着性・親和性
に優れる。したがって、このような樹脂を主成分とする
絶縁性基板であると、基板に対し予め特別な前処理を行
わなくとも、基板面に直接、電極や分子識別素子を形成
できる。そして、この基板は特に酵素や生体組織等の生
体由来の素子(即ち分子識別素子)との親和性に優れ、
他方これらの生体由来の素子は、通常ある程度の粘着力
を有しているので、これらの生体由来の素子は、特別な
粘着剤を使用しなくとも十分に実用に耐える付着力をも
って基板に付着する。よって、分子識別素子を極めて作
業性よく基板に定着でき、必要に応じて分子識別素子を
基板に付着させた後、例えばメチルセルロース被膜等か
らなる保護膜で素子表面を覆えば、分子識別素子を一層
強固に定着し得たバイオセンサーとできる。
【0042】また、上記の全脂肪族ポリエステル系樹脂
は、生体成分に近似した性質を有するものであるので容
易に燃焼すると共に、生分解性を有するので、土中に埋
めて自然分解させることができる。よって、使用済のバ
イオセンサーの廃棄に際して、自然環境を害することが
ない。
【0043】これに対し、従来から実用に供され、また
は提案されている他の電気絶縁性基板材料、例えばシリ
コンなどの無機系基板、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート又はポリブチレンテレフタレ
ートの半芳香族ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポ
リアリレート、ポリエーテルケトン、ポリオレフィン等
の合成樹脂からなる基板材料は、電極や生体由来の成分
に対する親和性が低い。したがって、前処理や後処理を
行うことなく、基板面に対し直接、分子識別素子を定着
した場合、製品の取扱中や使用中(測定中)において、
電極や分子識別素子が基体から剥離する。更に、これら
の物質は、完全燃焼しなかったり、微生物耐性が高かっ
たりするので、廃棄に際し自然環境を害する恐れがあ
る。
【0044】なお、廃棄対象となるバイオセンサーは、
基板と電極と分子識別素子で構成されているが、処分性
の良否は基板材質の特性により概ね決定される。なぜな
ら、電極は、金や白金や炭素導電体などの素材からな
り、かつ使用量が少ないので、自然環境を破壊すること
がない。また、生体由来物質である分子識別素子は、完
全に焼却でき、埋め立てによっても容易に生分解して自
然環境に同化するからである。
【0045】以上から、本発明バイオセンサーは、基板
に対する前処理工程や後処理工程を必須としないので、
従来のバイオセンサーに比べ低コストでもって製造でき
る。しかも、廃棄に際し公害を発生しないので、自然環
境保全という社会性も備えている。なお、本発明バイオ
センサーにおいても、前記した公知の前処理や後処理を
施すことができることは勿論であり、これらの手段を用
いることにより一層高品質の電極型バイオセンサーが得
られる。
【0046】本発明で使用する分子識別素子としては、
種々の生体由来の物質が使用でき、特に制限されるもの
ではないが、通常、酵素、抗体または抗原、微生物、オ
ルガネラ、レセプタ、細胞組織よりなる群から選択され
るものが使用される。以下、具体例で説明する。
【0047】酵素センサーでは、検体の測定対象によっ
て分子識別素子としての酵素の種類を変える。例えば測
定対象がグルコースの場合はグルコースオキシターゼ、
測定対象がエタノールの場合はアルコールオキシター
ゼ、測定対象が乳酸の場合は乳酸オキシターゼ、測定対
象が尿酸の場合はウリカーゼを用いる。
【0048】免疫センサーでは、抗原抗体反応を利用
し、例えばヒト血清アルブミンを測定する場合は、分子
識別素子として抗アルブミンを用いる。なお、免疫セン
サーにおいては、抗原抗体複合体の形成によって変動す
る膜電位を捕らえることになる。
【0049】微生物センサーでは、分子識別素子とし
て、例えばPseudomonas fluorescence(測定対象;グル
コース)、Trichosporon brassicae(測定対象;エタノ
ール)などの微生物を用いる。これらの微生物は、酸素
呼吸(好気性)し、或いは酸素のない環境で代謝物を生
成するので、酸素呼吸量または代謝産物を電位的にとら
えることになる。
【0050】オルガネラセンサーでは、分子識別素子と
して細胞小器官を用いる。例えばミトコンドリアの電子
伝達粒子を用いると、NADHが測定できる。この原理
としては、ミトコンドリアの電子伝達粒子によりNAD
Hが酸化され、この際酸素が消費されるので、この酸素
を指標としてNADHやNADPHを測定することがで
きる。
【0051】レセプタセンサーでは、分子識別素子とし
て受容体である例えば細胞膜などを用いる。検体として
は、ホルモンとか神経トランスミックが対象となる。測
定原理としては、受容の変化を電位に変換し、電極を通
じて測定することになる。
【0052】組織センサーでは、分子識別素子として動
植物の組織を用いる。動植物の組織としては、例えばカ
エルの皮膚とか、動物の肝切片、キウリ、バナナの皮な
どが使用できる。測定原理としては、例えばカエルの皮
膚組織を用いたナトリウムセンサーでは、カエルの皮膚
組織がナトリウムイオンを選択的に透過し、その際皮膚
組織の電位が変化するので、この電位変化を測定しナト
リウムイオン量を求める。
【0053】次に電極について説明する。本発明電極型
バイオセンサーにおいては、基板上に2〜3極の電極を
形成し、これをセンサー単位とする。2極で1つのセン
サー単位を構成する場合には、各々の電極は、作用極
(分子識別素子を必須的に備える電極)と対極とを1組
とし、3極で1つのセンサー単位を構成する場合には、
他の一つの電極を参照極とする。2極とするか3極とす
るかは、分子識別素子の種類や測定原理等を考慮して望
ましい形態を選択する。
【0054】上記電極の材質としては、白金、金、銀等
の金属や、カーボン導電体(例えば導電性カーボン混入
のペースト状樹脂)などが使用できる。好ましくは電気
良導性であり腐蝕を受けにくく、かつ前記基板との密着
性も良好であることから、白金、金またはカーボン導電
体を用いる。
【0055】上記の2〜3極の電極は、図1、4に示す
ように、可能なかぎり近接させて配置すると共に、足部
分(図1の矢印21のリード部)よりも先端部分(図1
の矢印20)の大きい形状が良い。また、バイオセンサ
ーでは、分子識別素子が生体由来の物質であり、一度測
定に用いると検体成分で汚染され易い。よって、測定の
度に新品と交換する使い捨て型の使用形態が好ましい。
【0056】使い捨て型の形態としては、例えば、対極
や参照極は繰り返し使用でき、作用極のみを測定の度に
脱着し新品に交換できる単品取替え方式とするのもよ
い。また、一枚の基板上に複数のセンサー部を形成した
連設型のバイオセンサーとなし、この連設型バイオセン
サーを用いることにより、複数の検体を連続的に測定す
る形態とするのもよい。
【0057】上記連設型バイオセンサーにおいては、好
ましくは各センサー部およびセンサー部を構成する各電
極を一定の間隔で規則的に配列する。このように配列し
た連設型のバイオセンサーであると、検液を各々のセン
サー部の検知領域に滴下する方法により、同時または連
続的な測定が可能になる。連設型バイオセンサーのセン
サー部の配設数は特に限定されるものではないが、一般
には10〜20個とする。そして、図1のごとくセンサ
ー部を横列に配列するか、または図4のごとく円形状に
配列する。センサー部が円形状に配設された連設型バイ
オセンサーであると、基板を回転する方法により連続的
な使い捨て態様の測定が可能になる。更に、各センサー
部の間隔としては、測定効率の面やコスト面から、好ま
しくは検液が隣のセンサー部にまで漏れ出ない範囲にお
いてできるだけ狭くし、全体をコンパクトにするのがよ
い。
【0058】次に、本発明電極型バイオセンサーの製造
方法について詳細に説明する。
【0059】まず、電気絶縁性基板として、全脂肪族ポ
リエステル系樹脂からなるシート状の基板を(厚さ約
0.1〜2mm程度)を用意し、そのまま又は表面をア
ルコールで脱脂洗浄する。この基板に対し、導電性材料
を用いて電極を形成する。導電性材料としては、金、白
金、銀等の金属、或いは炭素導電体などが使用でき、金
属を用いる場合には、スパッタリング法、金属性凸版に
よるホットスタンピング法を用いて電極形成を行う。具
体的には次のようにして行う。
【0060】スパッタリング法においては、2つの方法
が例示できる。その一つは、金属板等に所望する形状の
電極パターンを形成したマスク板を予め作製しておき、
このマスク板を前記基板面に密着させ、前記マスク板側
を白金又は金などのインゴットからなるターゲットと対
向させてスパッタリング装置内にセッティングし、該槽
内をアルゴン等の不活性雰囲気で満たし、そこに直流電
源又は高周波電源を印加する。そうすると、不活性ガス
のイオンがターゲットに衝突し、ターゲットからはじき
出された原子(スパッタリング粒子)が、マスキング板
の貫通パターンを通って前記基板上に付着する。これに
より、白金や金からなる所望形状の電極が形成できる。
【0061】他の一つは、マスキング板を用いずに行う
方法である。先ず、上記と同様な方法により、基板片面
の全面に金、白金等の薄膜を形成せしめる。次に、写真
製版法とエッチング法を用いて、薄膜を所望形状に加工
する。この方法は、一枚の基板面に多数の電極を一度に
形成せしめる場合に有用である。尚、電極としての薄膜
の厚さは任意に設定できるが、一般には1000〜30
00Å程度とする。
【0062】ホットスタンピング法では、次のようにし
て電極を形成する。先ず、亜鉛、真鍮等の金属板に写真
製版法とエッチング法を用いて、所望する電極パターン
形状を凸状に形成する(凸版製版)。この凸版をホット
スタンピング装置の台の上面に装着して前記凸版を転写
可能な温度に加熱する。該台の下面に絶縁性基板をセッ
トし、該台と基板との間に金又は白金を蒸着した転写箔
を配置した後、所定速度で前記凸版を降下し転写箔を基
板に加熱加圧する。これにより、転写箔の蒸着金または
蒸着白金が凸版の形成パターンに切断、剥離されて基板
面に転写され、白金または金からなる電極が基板上に形
成される。
【0063】上記ホットスタンピング法における加熱温
度、加圧力、加圧時間は、転写箔の種類や蒸着金属の種
類を考量して適当に設定する必要があり、予備的実験に
より具体的条件について事前確認しておくのが良い。一
般には温度100〜150℃、圧力3〜6kg/c
2 、維持時間0.1〜0.5秒程度とする。ホットス
タンピング方法によると、前記スパッタリング方法によ
る場合に比較して、電極と基板との密着性がよいと共
に、基板面に直接的、連続的に電極を形成することがで
きるという利点がある。よって、本発明においては、好
ましくは電極材料として金、白金などを用い、電極形成
手段として、ホットスタンピングを用いる。
【0064】但し、単に基板面に塗布するだけで電極が
作製できること、低コストであること、および完全に燃
焼する材質であることなどから、カーボン導電体で電極
を形成するのもよい。なお、カーボン導電体からなる電
極は、金や、白金からなる電極に比較した場合、導電性
がやや悪いので、カーボン導電体が有する導電性で十分
である使用用途において、カーボン導電体電極を採用す
る。カーボン導電体電極の形成方法としては、基板上に
導電性カーボン粉体を含む樹脂のペースト状物を所望の
電極パターンに塗布または印刷する方法により行うこと
ができる。
【0065】次に、電極が形成された基板に分子識別素
子を固定化する方法につい説明する。
【0066】本発明においては、分子識別素子の固定化
方法や定着方法については特別な制限はなく、基板上に
形成された2〜3極の電極の検知領域全体、または作用
極とすべき電極の周囲に常法により固定化された分子識
別素子を定着し、必要に応じてその上をアセチルセルロ
ースなどの保護膜で覆えばよい。
【0067】ところで、前記したごとく、一般に生体由
来の物質(分子識別素子)は粘着力が強く、他方、前記
全脂肪族ポリエステル系樹脂を主体とする基板は、生体
由来物質との親和性に優れる。よって、本発明において
は、生体由来物質である分子識別素子をそのまま、或い
は溶液状として電極の先端部分(検知領域となる部分)
を中心にして基板にコーティング(デッピング、ロール
コーティング等)、塗布、貼着等し、乾燥(常温又は加
熱)する方法により、十分に基板面に密着固定させるこ
とができる。
【0068】なお、上記「十分に」とは、測定中や取扱
い中に剥離することのない程度を意味する。また、バイ
オセンサーでは、せいぜい2〜3回の繰り返し使用がで
きれば十分であり、この程度の繰り返し使用であれば、
担持体に担持させる方法を用いなくともよい場合が多
い。但し、下記に例示するように、酵素等の分子識別素
子材料をを担持体に担持させ塗布等してもよいことは勿
論であり、このような方法を用いた場合においては、繰
り返し使用に耐えるバイオセンサーが得られる。担持体
に担持せしめる手段としては、例えば包括法、架橋法、
担体結合法等が例示でき、本発明においてはこれらの各
方法が使用可能であり、固定化法により制限を受けるよ
うなことはない。
【0069】
【実施例】本発明の内容を実施例と比較例に基づいて、
更に詳細に説明する。 (実施例1)ヒドロキシ酪酸とヒドロキシ吉草酸との共
重ポリエステル樹脂(融点約150℃)を少量の酸化チ
タンと共に190℃で溶融混練してペレット化し、この
ペレットを0.5mmの厚さで押し出し成形し、縦80
mm×横51mmの大きさに切断して、白色の実施例1
にかかる電気絶縁性基板を作製した。以下、この基板を
基板1と称する。
【0070】他方、電極パターン形成用マスク板とし
て、図3に示す縦100mm×横60mm、厚み0.1
5mmの大きさのステンレス板6を用意し、このステン
レス板に写真製版法とエッチング法を用いて、3極を一
組とし、これを横に5列並べた電極パターンを形成し
た。なお、電極パターンは、貫通された抜き型となって
おり、各電極相互のピッチ間隔は2mmとしてある。ま
た、図3中、7は作用極、7aがその端子部分、8が対
極、8aがその端子部分、9が参照極、9aがその端子
部分の切り抜きを意味する。図3に示す電極パターン基
板を電極パターン1とする。
【0071】次に、前記基板1上と電極パターン1とを
重ね合わせて、下記条件で白金をターゲットとするスパ
ッタリングを行ない、白金薄膜からなる5組の電極群を
基板1上に形成した電極型バイオセンサー4個を作成し
た。
【0072】スパッタリング条件 ・方式 DCスパッタ ・スパッタリング温度 室温 ・動作圧力 70×10-3Torr ・印加電圧 600V ・スパッタリング時間 10分
【0073】得られた白金薄膜の膜厚は1500Åであ
り、形状、サイズはマスク板(電極パターン1)通りに
忠実に再現されていた。この電極の形成された基板1を
電極付基板1と称する。電極付基板1について、電極と
基板面との密着力を調べるために、5列の電極全体にセ
ロテープを張り付けて剥がす剥離テストを行った。その
結果、5回の繰り返し剥離テストにおいては、電極の剥
離が全く確認されなかった。
【0074】上記電極付基板1の電極(3極)の先端部
全体に、次のようにして固定化したグルコースオキシタ
ーゼを添着した。先ず、PH=7に調整したリン酸塩緩
衝液に15重量%の牛血漿アルブミンを溶解した溶液2
00mlを用意し、この溶液にグルコースオキシターゼ
粉末を20g溶解し、担持体を含むグルコースオキシタ
ーゼ溶液(以下、酵素液1)を作製した。
【0075】他方、架橋剤液として、25重量%のグル
タルアルデヒドを溶解した水溶液200mlを用意した
(架橋剤液1)。そして、前記酵素液1の100mlを
用い、該液に3極の先端部分(図1の点線内;検知領
域)を浸漬して、先端部分を酵素液で濡らした後、該液
から上げて1.5分間の乾燥を行った。次に、今度は架
橋剤液1を100ml採取し、この液に上記先端部分を
浸漬した後、上記と同様にして1.5分間乾燥した。こ
のような酵素液と架橋剤液に対する浸漬・乾燥のサイク
ルを2回繰り返した後、先端部分をPH=7のリン酸塩
緩衝液で洗浄し、乾燥した。これにより、グルコースオ
キシターゼのコーティング(定着操作)を完了した。こ
の操作により形成されたグルコースオキシターゼ膜の膜
厚は、20〜22μmであった。
【0076】上記で定着させたグルコースオキシターゼ
膜の電極面または基板面に対する密着力を、上記と同
様、テープを用いた剥離テストで調べた。その結果、グ
ルコースオキシターゼ膜は、2回の繰り返しで電極面か
らの部分的な剥離(剥離個数10/電極数20)が観察
され、3回の繰り返しにおいては、基板面から部分的な
剥離(剥離箇所2/基板数4)が観察された。なお、部
分的な剥離とは、電極面積の1/2〜1/4程度の剥離
を意味する。
【0077】図1、2に、基板1上に形成された電極及
びグルコースオキシターゼ膜(分子識別素子)の形状を
示した。図1は平面図であり、図1中、1は電気絶縁性
基板1であり、2は作用極、3は対極、4は参照極であ
る。5(斜線を施した部分)は、グルコースオキシター
ゼ膜が定着された部分であり、この部分が検知領域とな
る。また、図1中、20(矢で示す箇所)は、電極の足
部であり、21はリード部である。リード部21は、検
知領域5で検知した電気信号をトランスデューサ本体に
伝える役割を担っている。なお、一般に足部20はリー
ド部21よりも幅太に形成される。更に図2の2aは、
作用極2、対極3および参照極4からなる一組の電極群
(センサー部)の部分拡大平面図であり、図2の2bは
2aにおけるA−A線断面図、図2の2cは2aにおけ
るB−B線断面図である。
【0078】図1、図2の2a〜2cに示すように、実
施例1の電極型バイオセンサーは、作用極2、対極3、
参照極4が一組となってセンサー部(センサー単位)を
形成し、このセンサー部が合計5個横列に配列された形
状になっている。そして、分子識別素子は、前記電極群
の検知領域(5)を覆うようにして、基板1と電極の表
面に定着されている。このような構造の電極型バイオセ
ンサーであると、基板と電極と分子識別素子以外の部材
を必要としないので、作製が容易である。また、本発明
にかかる基板は、生体由来の分子識別素子(この例では
グルコースオキシターゼ)と親和性がよいので、分子識
別素子を基板に強力に密着させることができる。
【0079】なお、5個横列に配列されたセンサー部の
各々を切り離して一個のバイオセンサーとして使用する
ことができ、切り離すことなく使用することもできるこ
とは勿論である。
【0080】(比較例1)実施例1の基板1に代えて、
厚さ180μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
からなる基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にし
て比較例1にかかる電極型バイオセンサー4個を作製し
た。この比較例1においても、外見上、グルコースオキ
シターゼ膜は実施例1と同様に良好な形状にコーティン
グされていた。そこで、実施例1と同様にして、セロテ
ープによる剥離テストを各バイオセンサーについて行っ
て基板等に対する密着力を調べた。その結果は次の通り
であった。
【0081】1回の剥離テストで、グルコースオキシタ
ーゼ膜が、フィルム基板面からも電極面からも部分的に
剥離した。次に、フィルム基板と電極との密着力を調べ
るために、グルコースオキシターゼ膜を完全に除去して
フィルム基板面上を電極のみとなし、電極にセロテープ
を張り付けて剥離テストを行った。その結果、2回目で
全ての電極がフィルム基板面から剥離した。
【0082】実施例1と比較例1における剥離テストの
結果から、実施例1にかかる基板は、比較例1にかかる
ポリエチレンテレフタレートフィルム基板に比較し、電
極やグルコースオキシターゼ膜に対する親和性・密着性
が顕著に優れることが実証できた。
【0083】(実施例2)テトラメチレンジオールとジ
エチレンジカルボン酸との重縮合反応によって得た融点
110〜120℃の脂肪族ポリエステル樹脂をペレット
化し、これを厚さ0.5mmのシートに溶融成形したも
のを直径50mmの円盤状に切断したものを、電気絶縁
性基板とした。以下、この基板を円形基板2と称する。
【0084】他方、図4に示す通りの作用極と対極から
なる一組の電極群を20個配列した電極パターンを円盤
状のマスキングフィルム(ネガフィルム)に形成した。
そして、このマスキングフィルムを使って、厚さ3mm
の真鍮板に写真製版法とエッチング法を用いて、凸版
(深度1mm)の対応画像を形成し、これをホットスタ
ンピング用凸版と成した(以下、これを真鍮凸版と称す
る)。
【0085】更に、転写箔として、離型用シリコーンを
コーティングした厚さ25μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に、白金を厚さ約500Åに真空蒸着
し、更に白金蒸着面にアクリル系の接着剤をコーティン
グした白金転写箔を作製した。
【0086】次いで、ホットスタンピング機の上盤に、
前記真鍮凸版をセットし、135℃に加熱すると共に、
受台上に円形基板2を配置し、前記凸版と円形基板2と
の間に白金転写箔を配置した後、上盤を降下し、前記凸
版を円形基板2に対し5kg/cm2 の圧力で0.3秒
の間押圧した。これにより、円形基板2に白金転写箔が
転写されて、マスキングフィルムの電極パターン画像と
1対1の関係の電極群が形成された。
【0087】このようにして電極が形成された円形基板
2に対し、実施例1と同様にして、セロテープによる剥
離テストを行った。その結果、5回の繰り返しの剥離テ
ストにおいて、基板からの電極の剥離が剥離個数5/全
数20の割合で観察された。
【0088】他方、前記電極付き円形基板2を用い、2
0組の電極群の先端部全体(図4の点線の外側;この部
分が検知領域となる)に、分子識別素子としてのウリカ
ーゼ(尿酸測定用酵素)をコーティングし、定着させ
た。具体的には、ウリカーゼを若干のエチルアルコール
を加えて超純水に溶解して溶液と成し、この溶液を電極
の形成された円形基板2の検知領域に塗布し、乾燥する
サイクルを3回繰り返した。定着したウリカーゼ膜の膜
厚は、20μmであった。
【0089】次に、ウリカーゼ膜の密着力を上記と同様
にして、剥離テストにより調べた。その結果、2回目に
剥離個数15/全数20の割合で部分的な剥離(ウリカ
ーゼ膜面積の約1/4)が観察された。この結果からし
て、ウリカーゼ膜(分子識別素子)の密着力は、前記実
施例1のグルコースオキシターゼ膜よりも弱いことが判
った。但し、2回目で部分剥離する程度の密着力があれ
ば、取扱い中や測定中において分子識別素子が剥離また
は離脱してしまう程度ではなく、十分に実用に耐える程
度の密着力である。
【0090】上記方法で作製した円盤状の電極型バイオ
センサーの形状を図4に示した。図4中、10はテトラ
メチレンジオールとジエチレンジカルボン酸との重縮合
反応によって得た融点110〜120℃の脂肪族ポリエ
ステル樹脂からなる円形基板2であり、11は作用極、
12は対極である。また11aは作用極の外部側端子、
12aは対極の外部側端子であり、この11a、12a
を介して電極に電圧が印加されると共に、検知された電
気信号がトランスデューサ側に入力されることになる。
なお、図4の点線の外側は、ウリカーゼが定着された検
知領域である。また、この図4に対応するマスキングフ
ィルムは、像部が透明で、他の部分が光不透過となるよ
うに描写されている。
【0091】(比較例2)実施例2の円形基板2に代え
て、0.5mmのポリカーボネートシートを用いたこと
以外は、実施例2と同様にしてポリカーボネートシート
基板に電極群を形成した。そして、実施例2と同様にし
て、電極に対するセロテープによる剥離テストを行っ
た。その結果、3回の剥離テストにおいて基板からの電
極の剥離が剥離個数6/全数20の割合で観察された。
【0092】他方、実施例2と同様にして電極の形成さ
れたポリカーボネートシート基板に対し、ウリカーゼ溶
液を電極先端部に塗布して、膜厚21μmのウリカーゼ
膜を形成した。このウリカーゼ膜についても、実施例2
と同様にして剥離テストを行った。その結果、ウリカー
ゼ膜は1回の剥離テストで電極から完全に剥離してしま
った。
【0093】以上の実施例2と比較例2との剥離テスト
の結果から、テトラメチレンジオールとジエチレンジカ
ルボン酸とを重縮合させた全脂肪族ポリエステル系樹脂
を用いた本発明にかかる電気絶縁性基板は、ポリカーボ
ネートシートからなる基板に比較し、電極及び酵素との
密着力が高いことが実証された。
【0094】なお、本発明者らは、実施例1にかかる基
板1および実施例2にかかる円形基板2は、完全に燃焼
させることができ、また土中に埋めた場合、土壌微生物
の作用を受け6ヶ月程度で分解することを確認してい
る。
【0095】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、電極型
バイオセンサーの電気絶縁性基板として全脂肪族ポリエ
ステル系樹脂を主成分とする基板を用いる本発明による
と、従来の電極型バイオセンサーに比較して、次のよう
な優れた効果が得られる。
【0096】(1)上記電気絶縁性基板は、電極や生体由
来の分子識別素子との親和性・密着性がよいので、基板
に対し特別な部材(前処理)を施すことなく、基板面上
に直接的に電極や分子識別素子を形成した場合であって
も、十分に実用に耐える密着力が確保できる。したがっ
て、本発明によると、簡単な構造でもって高品質のバイ
オセンサーが実現できる。
【0097】(2) 電極や分子識別素子に対する親和性に
優れた上記基板を用い、スパッタリング法やホットスタ
ンピング法で電極を形成する本発明製造方法によると、
複雑な工程を経ることなく、一度に複数のバイオセンサ
ーを歩留りよく生産できる。したがって、本発明製造方
法によると、高品質のバイオセンサーが安価に提供でき
る。
【0098】(3) 更に、全脂肪族ポリエステル系樹脂を
主成分とする本発明にかかる電気絶縁性基板は、熱焼却
が容易であると共に、生分解性であるので土中に埋め自
然分解させることもできる。したがって、本発明による
と、廃棄における公害問題が解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電極型バイオセンサーの平面図であ
る。
【図2】実施例1の電極型バイオセンサーの形状を説明
するための図であり、2aは図1の部分拡大図、2bは
2aのA−A線断面図、2cは2aのB−B線断面図で
ある
【図3】実施例1にかかる電極パターン形成用マスク板
の平面図である。
【図4】実施例2の電極型バイオセンサー(円形形)の
平断面図である。
【符合の説明】
1 基板1 2 作用極 3 対極 4 参照極 5 グルコースオキシターゼ膜 6 ステンレス板 7 作用極部分 7a 作用極の足部分 8 対極部分 8a 対極の足部分 9 参照極部分 9a 参照極の足部分 10 円形基板2 11 作用極 12 対極 11a 作用極端子 12a 対極端子

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極と、前記電極の表面近傍に位置する
    生体由来の分子識別素子とで構成されるセンサー部が、
    電気絶縁性基板上に形成されてなる電極型バイオセンサ
    ーであって、 前記電気絶縁性基板が、70〜170℃の融点を有する
    全脂肪族ポリエステル系樹脂を主成分とするものである
    ことを特徴とする電極型バイオセンサー。
  2. 【請求項2】 前記全脂肪族ポリエステル系樹脂が、脂
    肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とによる重縮合ポリ
    マー、または2種の脂肪族ヒドロキシカルボン酸による
    共重合ポリマーのいずれかを主成分とするものであるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の電極型バイオセンサ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記分子識別素子が、酵素、抗体または
    抗原、微生物、オルガネラ、レセプタ、細胞組織よりな
    る群から選択されたものであることを特徴とする、請求
    項1または2に記載の電極型バイオセンサー。
  4. 【請求項4】 前記電極が、白金、金、またはカーボン
    導電体からなる2〜3極の電極であることを特徴とす
    る、請求項1ないし3に記載の電極型バイオセンサー。
  5. 【請求項5】 前記電極が、前記電気絶縁性基板面上に
    直接形成されており、前記分子識別素子が、少なくとも
    1極の検知領域を覆うようにして、前記電気絶縁性基板
    面に直接定着されていることを特徴とする、請求項4に
    記載の電極型バイオセンサー。
  6. 【請求項6】 前記センサー部が、一枚の電気絶縁性基
    板上に所定の間隔で規則的に配設されていることを特徴
    とする、請求項1ないし5に記載の電極型バイオセンサ
    ー。
  7. 【請求項7】 電極と、前記電極の表面近傍に位置する
    生体由来の分子識別素子とで構成されるセンサー部が、
    電気絶縁性基板上に形成されてなる電極型バイオセンサ
    ーの製造方法であって、 70〜170℃の融点を有する全脂肪族ポリエステル系
    樹脂を主成分として組成されたシート状の電気絶縁性基
    板に、スパッタリング法または金属性凸版によるホット
    スタピング法によって、白金または金からなる2〜3極
    の電極を形成する工程と、 前記電極のうち少なくとも1つの電極の検知領域が覆わ
    れるように、当該電極表面と当該電極の周囲の電気絶縁
    性基板面に、分子識別素子を含有した液状物を塗布する
    工程と、を備える電極型バイオセンサーの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記全脂肪族ポリエステル系樹脂が、脂
    肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とによる重縮合ポリ
    マー、または2種の脂肪族ヒドロキシカルボン酸による
    共重合ポリマーのいずれかを主成分とするものであるこ
    とを特徴とする、請求項7に記載の電極型バイオセンサ
    ーの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記分子識別素子が、酵素、抗体または
    抗原、微生物、オルガネラ、レセプタ、細胞組織よりな
    る群から選択されるものである、請求項7または8に記
    載の電極型バイオセンサーの製造方法。
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