JPH1164252A - 結晶方位決定装置 - Google Patents

結晶方位決定装置

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JPH1164252A
JPH1164252A JP9231413A JP23141397A JPH1164252A JP H1164252 A JPH1164252 A JP H1164252A JP 9231413 A JP9231413 A JP 9231413A JP 23141397 A JP23141397 A JP 23141397A JP H1164252 A JPH1164252 A JP H1164252A
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crystal
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ray
plane
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Kiichiro Uyama
喜一郎 宇山
Hiroshi Matsushita
央 松下
Hiroshi Mizuguchi
弘 水口
Masami Tomizawa
雅美 富澤
Kouji Hinaga
宏治 比永
Kenji Arai
健治 新井
Masaaki Sonoda
正明 園田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、2方位のみの測定で結晶格子面傾
斜角を精度よく測定することを目的とする。 【解決手段】 回折点を通るδ回転軸に直交するφ回転
軸回りにX線源1、X線検出器3及びδ駆動部7を一体
でφ回転させるφ駆動部8と、φ回転によって入射X線
ビーム及び回折X線を含むδ回転面を0度及び90度に
固定し該0度及び90度のそれぞれでX線源1、X線検
出器3を一体でδ回転軸回りに回転させたときのX線検
出器3のピーク出力を与えるδ回転量の読み値、δ0 +
及びδ90 +から結晶4の格子面法線のφ回転軸に対する
0度及び90度方向の傾斜角を計算するデータ処理部と
を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシリコンや
水晶等の単結晶試料の結晶方位をX線回折を利用して決
定する結晶方位決定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンや水晶等の単結晶を半導体や発
振体等の工業製品として使用するためには、その表面が
結晶格子面に対して特定の角度になるように切断する必
要がある。そのために、試料の結晶格子面を知る必要が
あるが、最も一般的に用いられている結晶の格子面決定
方法は、X線回折を利用するものである。図11は、こ
のX線回折を利用した試料の格子面決定方法を示してい
る。つまり、試料50に対して単一波長のX線を入射さ
せるとき、X線の入射角がθ0 になると、そのX線が原
子Aにより回折される。この時の角度を回折角度(ブラ
ッグ角)と称し、その角度θ0 は、次の式(1)で求め
られる。
【0003】 θ0 =arcsin(nλ/2d) …(1) n;1,2,3,…の自然数 λ;X線の波長(既知) d;格子面間隔(既知) このように、θ0 が計算できるので、X線の入射角方向
を変えながら回折X線を測定することで結晶の方位を測
定することができる。
【0004】具体的な第1の従来技術として、例えば特
開昭57−136151号公報に開示されている「単結
晶の切断面偏差角測定方法」がある。この第1の従来技
術を図12を用いて説明する。点状のX線源Sから放射
されてコリメータ52を経た細いX線ビーム55aが結
晶51の表面C点に入射され、そのC点から角度2θ0
の方向にはX線検出器53が配置されている。X線検出
器53の前面には、所定の格子面以外からの回折X線が
X線検出器53の有感面に入射しないようにスリット板
54が配置されている。結晶51をC点を中心として紙
面に沿ってω回転させると結晶格子面への入射角がθ0
になったとき、回折されたX線はX線ビーム55bとな
ってX線検出器53で検出される。ここで結晶表面の法
線bあるいは紙面内でそれと直交する線aのX線ビーム
55bとの角度から結晶格子面の結晶表面との偏差角が
計算できる。ここで問題となるのはスキャン角ωの読み
値の較正である。この第1の従来技術には、スキャン角
ωの較正法が記載されている。まず、第1の較正法で
は、図12で法線bの周りに結晶51を方位角χ回転を
できるようにし、χについて90度おきに4方位でそれ
ぞれω回転しX線検出器53の出力がピークとなるωの
読み値を求める。これをそれぞれω0 ,ω90,ω180
ω270 とする。この値より、次の式(2)、式(3)
で、それぞれ方位角0度、180度に沿った結晶格子面
の結晶51表面との偏差角δ0 ,δ90を求める(δ0
δ90は、原文ではそれぞれδ2 ,δ1 に相当する)。
【0005】 δ0 =(ω0 −ω180 )/2 …(2) δ90=(ω90−ω270 )/2 …(3) これにより、ωの原点合わせをすることなく、正確に偏
差角δ0 ,δ90を求めることができる。また、第2の較
正法では、χについて0度及び180度の方位でそれぞ
れωの読み値ω0 ,ω180 を求める。この値より、次の
式(4)、式(5)でδ0 ,δ90を求める。
【0006】
【数1】 δ0 =(ω0 −ω180 )/2 …(4) tan δ90=±√[{sin2 (ω0 −δ0 )− sin2 θ0 } /{sin2 θ0 ・ cos2 δ0 } ] …(5) ここで問題は、δ90に符号の不定性があることで±のど
ちらを選択するかは測定の時、結晶によって回折された
X線がX線検出器53のどの位置に入射するかによって
決まる。入射位置を知るため、スリット板54の開口の
xy平面より上あるいは下をシャッターで遮り、測定を
行う。入射位置が上なら+、下なら−を選ぶ。
【0007】また、具体的な第2の従来技術として、例
えば特開平7−146257号公報に開示されている
「単結晶インゴットの端面測定装置」がある。この第2
の従来技術を図13を用いて説明する。X線源回転板6
7がC点を中心として紙面に沿ってω回転できるように
設置されている。X線源回転板67上にコリメータ63
を備えたX線源61とX線カウンタ65が配置され、C
点に対して(180゜−2θ0 )光学系が形成されてい
る。C点を通るω回転軸に沿った基準平面を持つ試料ガ
イド板66が非回転側より支持され、円柱形の単結晶イ
ンゴット64がその端面をこの基準平面に押しつけるよ
うに2つの支持ローラ68に支持されている。このよう
な構成により、ω回転を光学系側で行い、重い単結晶イ
ンゴット64のω回転を不要としているとともに試料ガ
イド板66で単結晶インゴット64の設置精度を上げて
いる。他方、方位角回転は単結晶インゴット64を支持
ローラ68の上で回転させて行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来技術は、4
方位測定では測定に時間がかかる問題があり、2方位測
定では符号の決定のための測定が別に必要になるという
問題がある。また、2方位測定の場合、偏差角δ90は方
位0度方向の測定データのみを用いて計算されるので精
度が上がらないという問題がある。
【0009】第2の従来技術は、試料ガイド板66を用
いているので試料の設置精度は上がるが、重い単結晶イ
ンゴット64を突き当てるためハンドリングに注意を要
し、設置に時間がかかる。単結晶インゴット64に傷を
つけるおそれがある、等の問題がある。また、単結晶イ
ンゴット64の円柱側面を2つの支持ローラ68で支持
して方位角回転を行っているため、側面にオリエンテー
ションフラット面を加工した後では測定できず、側面と
端面の直交度が悪いと回転したとき端面が試料ガイド板
66に合わなくなるという問題がある。
【0010】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
2方位のみの測定で結晶格子面傾斜角を精度よく測定す
ることができ、試料のハンドリングを良好にして能率よ
く結晶格子面傾斜角を測定することができ、また、試料
の位置設定に起因する誤差をなくして結晶格子面傾斜角
を精度よく測定することができる結晶方位決定装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、被検体である結晶の被検査
面にペンシル状X線ビームを放射するX線源と、前記ペ
ンシル状X線ビームにより前記結晶の格子面で回折され
た回折X線を検出するX線検出器と、前記ペンシル状X
線ビームを含む面であるδ回転面に沿って前記回折点を
通るδ回転軸回りに前記X線源及び前記X線検出器を一
体でδ回転させるδ駆動部と、前記δ回転軸に直交する
φ回転軸回りに前記X線源、前記X線検出器及び前記δ
駆動部を一体でφ回転させるφ駆動部と、前記φ回転に
よって前記δ回転面を0度及び90度に固定し該0度及
び90度のそれぞれで前記δ回転を行ったときの前記X
線検出器のピーク出力を与えるδ回転量の読み値、δ0
+ 及びδ90 + より前記結晶の格子面法線の前記φ回転軸
に対する前記0度及び90度方向の傾斜角δ0 及びδ90
又は最大傾斜の方位角φmax とその方位での傾斜角δma
x を計算するデータ処理部とを有することを要旨とす
る。この構成により、ペンシル状X線ビームの入射方向
と結晶格子面法線の角度がα(=(180゜−2×ブラ
ッグ角)/2)になったとき、回折が起こり、X線検出
器の出力にピークが生じる。δ回転面を0度及び90度
の2方位に設定してそれぞれδ回転を行ったときのピー
ク出力を与えるδ回転量の読み値からδ0 + 及びδ90 +
が求められる。データ処理部では、このδ0 + ,δ90 +
を基に次のような計算が行われる。ペンシル状X線ビー
ムの入射方向とφ回転軸(z軸)の間の角度がαになっ
たときのδ回転量の読み値をδ* とすると、δ0 + ,δ
90 + からそれぞれδ* を引き、これにαを加えることで
ペンシル状X線ビーム入射方向が求まる。即ち、方向を
表す球面上で、φ=0度でδ回転量読み値、δ0 + 時の
ペンシル状X線ビーム入射方向を表す点S0とφ=90
度でδ回転量読み値、δ90 + 時のペンシル状X線ビーム
入射方向を表す点S90が求まる。次に、この球面上で点
0 を中心とする半径αの小円と点S90を中心とする半
径αの小円との交点が結晶格子面法線方向δ0 ,δ
90(又はφmax ,δmax )として求まる。この交点は2
つ生じるが、一方はφ回転軸の近傍であり、他方は大き
くずれるので容易に片方だけを選びだせる。そして2つ
の小円は略直角に交わるので精度のよい結晶格子面法線
方向が求められる。
【0012】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の結晶方位決定装置において、前記データ処理部は、前
記φ回転によって前記δ回転面を0度、90度、180
度及び270度に固定し該0度、90度、180度及び
270度のそれぞれで前記δ回転を行ったときの前記X
線検出器のピーク出力を与えるδ回転量の読み値、δ0
+ ,δ90 + ,δ180 + 及びδ270 + より前記δ回転量の
読み値の較正量δ* を計算することを要旨とする。この
構成により、上記請求項1記載の発明で用いるδ回転量
読み値の較正量δ* が自動的に求められる。即ち、ま
ず、各δ回転量の読み値、δ0 + ,δ90 + ,δ180 +
びδ270 + より、公知の方法で結晶格子面法線方向
δ0 ,δ90が求められる。次に、方向を表す球面上で、
この法線方向を中心に半径αの小円を引き、φ=0度、
90度、180度及び270度を示す大円との交点を球
面幾何で求めることができる。この交点がそれぞれ各φ
位置でのピーク出力を与えるペンシル状X線ビーム入射
方向を表す点S0 ,S90,S180,S270 である。それ
ぞれφ回転軸との角度δs0,δs90 ,δs180,δs270
求まり、上記請求項1記載の発明の作用で各δ回転量の
読み値、δ0 + ,δ90 + ,δ回転量読み値の較正量δ*
及びα値からφ回転軸との各角度を求めた計算と逆の計
算で、各φ位置でのδ回転量読み値の較正量δ* 1 ,δ
* 2 ,δ* 3 ,δ* 4 が求まる。これらの較正量を平均
することで、精度のよいδ回転量読み値の較正量δ*
求められる。
【0013】請求項3記載の発明は、上記請求項1記載
の結晶方位決定装置において、前記データ処理部は、前
記φ回転による前記δ回転面の0度及び90度のそれぞ
れの位置への設定誤差を補正して前記傾斜角δ0 及びδ
90又は前記方位角φmax とその方位での前記傾斜角δma
x を計算することを要旨とする。この構成により、φ駆
動部は可動部の重量が比較的大きくなるのでφ回転によ
るδ回転面の角度に設定誤差が生じることがある。この
設定誤差が生じてもφの値が十分な精度で読み取れてい
るとき(このときのφの読み値をそれぞれφ0 ,φ90
する)、これの補正が可能である。即ち、δ0 + ,δ90
+ からそれぞれδ* を引き、これにαを加えることでペ
ンシル状X線ビーム入射方向のφ回転軸との角度が求ま
る。即ち、方向を表す球面上で、φ=φ0 ,δ=δ0 +
時のペンシル状X線ビーム入射方向を表す点S0 とφ=
φ90,δ=δ90 + 時のペンシル状X線ビーム入射方向を
表す点S90が求まる。次に、この球面上で点S0 を中心
とする半径αの小円と点S90を中心とする半径αの小円
との交点が結晶格子面法線方向δ0 ,δ90(又はφmax
,δmax )として求まる。この交点は2つ生じるが、
一方はφ回転軸の近傍であり、他方は大きくずれるので
容易に片方だけを選びだせる。そして2つの小円は略直
角に交わる。このような補正計算により、δ回転面の角
度に設定誤差があっても精度のよい結晶格子面法線方向
が求められる。
【0014】請求項4記載の発明は、上記請求項2記載
の結晶方位決定装置において、前記データ処理部は、前
記φ回転による前記δ回転面の0度、90度、180度
及び270度のそれぞれの位置への設定誤差を補正して
前記δ回転量の読み値の較正量δ* を計算することを要
旨とする。この構成により、前記のように、φ駆動部は
可動部の重量が比較的大きくなるのでφ回転によるδ回
転面の角度に設定誤差が生じることがある。この設定誤
差が生じてもφの値が十分な精度で読み取れているとき
(このときのφの読み値をそれぞれφ0 ,φ90
φ180 ,φ270 とする)、これの補正が可能である。こ
の補正計算の厳密解は複雑になり過ぎるので逐次近似を
用いる。まず、δ0 + ,δ90 + ,δ180 + ,δ270 +
り、φの誤差がない場合の方法(前記請求項2記載の発
明に記載した計算方法)によりδ* を求める。次に、以
下のステップとをN回繰り返し、δ* (N回目近
似)を求める。(n回目);δ0 + ,δ90 + ,δ180
+ ,δ270 + よりそれぞれδ* (n−1回目近似)を引
いてαを加えることでペンシル状X線ビーム入射方向S
0 ,S90,S180 ,S270 のφ回転軸との角度δs0,δ
s90 ,δs180,δs270を逆算する。この点S0 ,S90
180 ,S270 のうち、90度方向が異なる2つの点の
組が4組できる。まず、(S0 ,S90)の組について、
方向を表す球面上でS0 を中心とする半径αの小円と、
90を中心とする半径αの小円の交点が結晶格子面の法
線方向δ0 ,δ90(又はφmax ,δmax )となる。この
交点は球面幾何により求めることができる。この交点は
2つ生じるが一方はz軸の近傍で他方は大きくずれるの
で容易に片方だけ選び出せる。さらにこの2つの円は略
直角に交わるので精度よく法線方向が求まる。他の組、
(S90,S180 ),(S180 ,S270 ),(S270 ,S
0 )それぞれについても、同様に法線方向が求まる。こ
れらを平均して法線方向δ0 ,δ90(又はφmax ,δma
x )(n回目近似)が求まる。(n回目);次に方向
を表す球面上でこの法線方向(n回目近似)を中心に半
径αの小円を引き、φ=φ0 ,φ90,φ180 ,φ270
示す大円との交点をそれぞれ球面幾何で求めることがで
きる。この交点がそれぞれ修正されたX線入射方向
0 ,S90,S180 ,S270 (n回目近似)である。そ
れぞれφ回転軸との角度δs0,δs90 ,δs180,δs270
(n回目近似)が求まる。これから、前記請求項2記載
の発明の計算方法で記載した逆計算でδ* (N回目近
似)を求める。
【0015】請求項5記載の発明は、被検体である結晶
の被検査面が駆動方向軸であるz軸に略垂直になるよう
に前記結晶を保持し当該z軸に沿って駆動するz駆動部
と、前記z軸方向の前記結晶の被検査面位置を検出する
結晶位置センサと、前記結晶の被検査面にペンシル状X
線ビームを放射するX線源と、前記ペンシル状X線ビー
ムにより前記結晶の格子面で回折された回折X線を検出
するX線検出器と、前記ペンシル状X線ビームを含む面
であるδ回転面に沿って前記回折点を通るδ回転軸回り
に前記X線源及び前記X線検出器を一体でδ回転させる
δ駆動部と、前記δ回転軸に直交し、前記z軸と同軸に
設定されたφ回転軸回りに前記X線源、前記X線検出器
及び前記δ駆動部を一体でφ回転させるφ駆動部とを有
することを要旨とする。この構成により、被検体である
結晶は、その被検査面がφ回転軸と同軸に設定されたz
軸に略垂直になるようにz駆動部に保持され、z軸方向
へ駆動されて測定位置まで搬送される。このとき、z軸
方向の被検査面位置が結晶位置センサで検知され、検知
信号がz駆動部に送られて所定位置に停止される。これ
により、z軸方向の位置決めが自動的に行われるので測
定の能率がよくなる。また、X線源とX線検出器をφ回
転させ、比較的重くて大きい結晶を回転させることなく
測定ができるので精度よく短時間で測定ができる。
【0016】請求項6記載の発明は、上記請求項5記載
の結晶方位決定装置において、前記z駆動部と前記φ駆
動部は、前記φ回転軸に直交する基準面を介して接合し
てなることを要旨とする。この構成により、z駆動部と
φ駆動部は、z軸とφ回転軸が精度よく一致するように
接合される。
【0017】請求項7記載の発明は、被検体である結晶
をその被検査面に略垂直なz軸に沿って駆動するz駆動
部と、前記結晶の被検査面にペンシル状X線ビームを放
射するX線源と、前記ペンシル状X線ビームにより前記
結晶の格子面で回折された回折X線を検出するX線検出
器と、前記ペンシル状X線ビームを含む面であるδ回転
面に沿って前記回折点を通るδ回転軸回りに前記X線源
及び前記X線検出器を一体でδ回転させるδ駆動部と、
前記δ回転軸と直交し、前記z軸と略同軸に設定された
φ回転軸回りに前記X線源、前記X線検出器及び前記δ
駆動部を一体でφ回転させるφ駆動部と、前記φ回転に
よって前記δ回転面を所定角度に設定し該所定角度で前
記δ回転を行ったときの前記X線検出器のピーク出力を
与えるδ回転量の読み値から前記結晶の格子面法線の前
記φ回転軸に対する傾斜角を計算するデータ処理部をも
ち、試験用結晶片をλ回転可能に保持しそのλ回転軸が
上記z軸と平行になるよう上記試験用結晶片を上記z駆
動部に取付ける治具を持ち、上記データ処理部は上記λ
回転の180度異なる2つの位置に対する上記試験用結
晶片の上記傾斜角のそれぞれの計算値から上記z軸の上
記φ軸に対する設定誤差を計算することを要旨とする。
この構成により、z軸とφ回転軸間に設定誤差があって
も、その設定誤差を計算してφ回転軸に対して求めた結
晶方位をz軸基準に出力させることができる。例えば、
まずλ回転量が0度で結晶格子面の法線方向h0 を求
め、次にλ回転量が180度で法線方向h180 を求め
る。この2つの法線方向の中点方向がz軸の実際の方向
z′であり、z′はh0 ,h180 より簡単に求められ
る。z′のx,y方向の傾斜角をそれぞれδz0,δz90
とすると、結晶方位(δ0 ,δ90)のz′軸基準への変
換は、(δ0 ′=δ0 −δz0,δ90′=δ90−δz90
の概略式で簡単に変換できる。これにより、試料支持部
と測定部間の配置精度が悪くても精度よく結晶方位を測
定することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0019】図1乃至図8は、本発明の第1の実施の形
態を示す図である。まず、図1を用いて、本実施の形態
である結晶方位決定装置の機構部の構成を説明する。円
柱形の結晶インゴットであるワーク4が、その軸を水平
なz軸に合うようワーク支持台25に固定されている。
ワーク支持台25はz駆動部(ワーク搬送部)9により
支持され、z方向に駆動される。z駆動部9はフロアに
支持されたワーク支持フレーム26に固定されている。
ワーク支持フレーム26にはz軸に直交する基準面28
bを持つワーク部基準板27が固定されている。測定部
支持フレーム23の上には、φ軸受22、これに支持さ
れれたφ軸シャフト21、モータ20、ウォームギヤ1
9及びギヤ18を備えたφ駆動部8が固定されており、
φフレーム17をφ回転させる。φフレーム17上に
は、アーム12、モータ16、ボールネジ14及びボー
ルナット15を備えたδ駆動部7が固定されており、δ
フレーム(レール)11をφ軸と直交するδ軸に対して
δ回転させる。δフレーム11にはX線源としてのX線
管1とX線検出器3が固定されている。X線管1には線
源コリメータ5が付いており、ペンシル状のX線ビーム
2aがφ軸とδ軸の交点であるC点に向けて放射され
る。X線検出器3には検出器スリット板6が付いてお
り、回折されたX線ビーム2bが入射する。X線ビーム
2a,2b間の角度は測定しようとする結晶の格子間隔
によって決まる角度2α(=180゜−2×ブラッグ角
θ0 )に設定されている。X線管1は管電圧40kVの
銅をターゲットとするもので、約8keVの銅の特性X
線を使用する。X線検出器3はガスを用いた比例計数管
であり、X線のフォトンカウントを行うものである。δ
フレーム11はC点を通るδ軸を中心とする円弧状のレ
ールを兼ね、3つのガイドローラ13a,13b,13
cで支えられている。δフレーム11は、モータ16の
駆動により回転するボールネジ14でボールナット15
を移動させ、この移動でアーム12を動かすことでδ回
転する。φフレーム17は、φ軸シャフト21に取り付
けられたギヤ18とこれに噛み合ったウォームギヤ19
を介してモータ20出力によりφ回転する。測定部支持
フレーム23にはφ軸に直交する基準面28aを持つ測
定部基準板24が固定されており、基準面28a,28
bを合わせるように測定部支持フレーム23とワーク支
持フレーム26を結合することでφ軸とz軸が合わせら
れる。φフレーム17のワーク側のφ軸近傍には光学式
の距離センサ(結晶位置センサ)10が取り付けられ、
ワーク4のz軸位置を検出して後述の機構制御部に信号
を送る。距離センサ10は投光部から出て対象物で反射
した光を受光部で測定し対象物が一定距離にあるときピ
ーク出力を出すよう光学設定することで非接触で位置検
出するセンサである。φ駆動部8にはφエンコーダ29
がありφ軸の回転位置信号を機構制御部に送る。
【0020】図2は、システム構成を示している。δ駆
動部7、φ駆動部8、z駆動部9の各機構部及び距離セ
ンサ10等は、機構制御部42を介してデータ処理部4
3に接続されている。機構制御部42はデータ処理部4
3からの駆動タイミングや駆動量の指令を受け、それに
従って各機構部を制御するとともに各機構部のステータ
ス情報をデータ処理部43に送る。X線管1はX線制御
部40を介してデータ処理部43に接続されている。X
線制御部40はX線管1に電力を供給するとともに管電
圧、管電流の制御及びデータ処理部43からの指令でX
線管1のON・OFFを制御する。X線検出器3はデー
タ収集部41を介してデータ処理部43に接続されてい
る。データ収集部41はデータ処理部43からの測定開
始信号によりX線検出器3の出力パルスをカウントして
デジタルデータとしてデータ処理部43に送る。データ
処理部43は通常のパソコンであり、マンマシンインタ
フェースとしてのキーボート44と表示器45とが接続
されている。ここで、メニュー、ステータス、結果等の
表示や、メニュー選択、測定開始、測定中断などの操作
者による入力が行われる。データ処理部43は記憶され
ているシーケンスに従って各部を制御し測定を行い、記
憶されている計算プログラムに従って結果を計算する。
【0021】次に、上述のように構成された結晶方位決
定装置の作用を、まず測定時について説明する。操作者
は測定前にワーク支持台25を試料取り付け位置に設定
(z軸移動)して結晶インゴットであるワーク4を乗せ
る。測定開始が入力されるとデータ処理部43は次のよ
うにして測定を自動的に行う。z駆動部9を駆動しワー
ク4を測定位置まで移動させる。このとき距離センサ1
0の出力によりz駆動部9を制御する。次にφ軸を0度
に設定する。ここでX線をONし、δ軸のスキャンを開
始し、スキャンの間のX線検出器3の出力を収集する。
X線入射方向(X線ビーム2a)と結晶格子面法線hの
角度がα(=(180゜−2×ブラッグ角θ0 )/2)
になったとき、回折が起こりX線検出器3の出力にピー
クが生じる。収集したデータよりこのピークに対応する
δ値、δ0 + を求める。次に、φ軸を90度に設定し、
上記と同様にピークに対応するδ値、δ90 + を求める。
X線をOFFし、δ0 + ,δ90 + からδ0 ,δ90を以下
に示すように計算する。
【0022】<δ0 ,δ90の計算について>;計算説明
のため、φ,δの動きとxyz座標系の関係を図3に示
す。φ軸はz軸と一致しδ回転面とx軸の角度をφとす
る。δ回転の始点はδ駆動部7の原点スイッチの設定で
決まる。δ回転の始点時のδ回転面内でX線ビーム2a
からz軸側へ角度αをなす方向をStとする。
【0023】次に、方向を表す球面を図4に示す。X線
ビーム2aの入射方向S0 とz軸の間の角度がαになっ
たときのδの読み値をδ* で定義すると、図のSt,z
軸間距離(大円に沿った角度)がδ* となる。まず、δ
0 + ,δ90 + からδ* を引き、これにαを加えることで
X線入射方向のz軸との角度δs0,δs90 が求まる。但
し、ここでδ* は、後述するように予め求めて記憶して
おくものとする。
【0024】 δs0=δ0 + −δ* +α …(6) δs90 =δ90 + −δ* +α …(7) これにより球面上のφ=0゜,δ=δ0 + 時及びφ=9
0゜,δ=δ90 + 時のX線入射方向S0 ,S90が確定す
る。したがって、この球面上でS0 を中心とする半径α
の小円C0 と、S90を中心とする半径αの小円C90の交
点、即ち結晶格子面の法線方向h(δ0 ,δ90)もまた
確定し、球面幾何により求めることができる。この交点
は2つ生じるが一方はz軸の近傍であり、他方は大きく
ずれるので容易に片方だけ選び出せる。さらにこの2つ
の円は略直角に交わるので精度よく法線方向が求まる。
【0025】図5を参照してδ0 ,δ90を求める。この
図は、図4の球面を平面に展開したものである。ここ
で、L,k,β1 ,β2 ,s1 ,s2 を補助変数として
用いる。球面幾何の公式を適用して以下の解を求めるこ
とができるが導出の中間ステップは省略する。
【0026】
【数2】 L=arccos{cos δs0・cos δs90 } …(8) k=arccos{(1−cos L)/(tan α・sin L)} …(9) β1 =arcsin{sin δs0/sin L}−k …(10) β2 =arcsin{sin δs90 /sin L}−k …(11) s1 =arccos{cos α・sin δs90 −sin α・cos δs90 ・cos β1 } …(12) s2 =arccos{cos α・sin δs0−sin α・cos δs0・cos β2 } …(13) δ0 =arcsin{sin α・sin β1 /sin s1 } …(14) δ90=arcsin{sin α・sin β2 /sin s2 } …(15) ここで、逆三角関数は全て主値を用いる。式(8)より
順次代入しながら式(15)までを計算し、δ0 ,δ90
求まる。δ0 ,δ90は、図4に示すように、それぞれ結
晶格子面法線hのx方向、y方向への傾斜角である。
【0027】δ0 ,δ90は、また最大傾斜方位φmax と
最大傾斜δmax で表現することもできる。この変換は次
の各式のようにしてできる。導出は省略する。
【0028】
【数3】 X=cos δ90・tan δ0 ・√{1/(1+ cos2 δ90・ tan2 δ0 )} …(16) Y=cos δ0 ・tan δ90・√{1/(1+ cos2 δ0 ・ tan2 δ90)} …(17) δmax =arcsin{√(X2 +Y2 )} …(18) X=Y=0(<ε)の場合 φmax =不定 |X|>|Y|かつX>0の場合 φmax =arctan(Y/X) |X|>|Y|かつX<0の場合 φmax =arctan(Y/X)+180゜ |Y|≧|X|かつY>0の場合 φmax =90゜−arctan(X/Y) |Y|≧|X|かつY<0の場合 φmax =90゜−arctan(X/Y)+180゜ …(19) ここでは先にδ0 ,δ90を求めたが、先にφmax ,δma
x を求め、それを変換してδ0 ,δ90を求めてもよい。
以上は数式として厳密解である。補助変数の取り方など
で異なる数式で表現できるが厳密解である限り数学的に
等価である。
【0029】<φに設定誤差がある場合のδ0 ,δ90
計算について>;φ軸は比較的可動部の重量が大きいた
め、停止精度が不十分になる場合がある。φ軸の停止精
度が悪くてもφエンコーダ29でφの値を十分な精度で
読み取っておき(それぞれφ0 ,φ90とする)、補正す
ることができる。まず、式(6),(7)により
δ0 + ,δ90 + からX線入射方向のz軸との角度δs0
δs90 が求まり、方向を表す球面上でφ=φ0 ,δ=δ
0 + 時のX線入射方向を表す点S0 とφ=φ90,δ=δ
90 + 時のX線入射方向を表す点S90が確定する。この球
面上でS0 を中心とする半径αの小円C0 と、S90を中
心とする半径αの小円C90の交点が結晶格子面の法線方
向δ0 ,δ90(又はφmax ,δmax )となる。この交点
は球面幾何により求めることができる。この交点は2つ
生じるが一方はz軸の近傍であり、他方は大きくずれる
ので容易に片方だけ選び出せる。さらにこの2つの円は
略直角に交わるので精度よく法線方向が求まる。
【0030】図6を参照して、φmax ,δmax を求める
(δ0 ,δ90が先でもよい)。ここで、L,k,β1
β2 ,φ1 ,φ2 を補助変数として用いる。球面幾何の
公式を適用して以下の解を求めることができるが導出の
中間ステップは省略する。
【0031】
【数4】 L=arccos{cos δs0・cos δs90 +sin δs0・sin δs90 ・cos (φ90−φ0 )} …(20) k=arccos{(1−cos L)/(tan α・sin L)} …(21) β1 =arcsin{sin δs0・sin (φ90−φ0 )/sin L}−k …(22) β2 =arcsin{sin δs90 ・sin (φ90−φ0 )/sin L}−k …(23) δmax =arcsin[sin α・√{sin2 β1 + sin2 β2 +2sin β1 ・sin β2 ・cos (φ90−φ0 )}/sin (φ90−φ0 )] …(24) φ1 =arcsin(sin α・sin β1 /sin δmax ) …(25) (但しδmax =0(<ε)の場合不定) φ2 =arcsin(sin α・sin β2 /sin δmax ) …(26) (但しδmax =0(<ε)の場合不定) 次に統計精度を上げるため平均してφmax を求める。
【0032】
【数5】 φmax =(φ0 +φ2 +φ90−φ1 )/2 …(27) ここで、逆三角関数は全て主値を用いる。式(20)より
順次代入しながら式(27)までを計算し、φmax ,δma
x が求まる。
【0033】次に、φmax ,δmax からδ0 ,δ90を求
める。この変換は次の各式のようにしてできる。導出は
省略する。
【0034】
【数6】 δ0 =arctan(tan δmax ・cos φmax ) …(28) δ90=arctan(tan δmax ・sin φmax ) …(29) ここでは先にφmax ,δmax を求めたが、先にδ0 ,δ
90を求め、それを変換してφmax ,δmax を求めてもよ
い。以上の計算は数式として厳密解である。補助変数の
取り方などで異なる数式で表現できるが厳密解である限
り数学的に等価である。
【0035】次に、δ* を求める較正時の作用について
説明する。操作者は測定前にワーク支持台25を試料取
付け位置に設定(z軸移動)して結晶インゴットである
ワーク4を乗せる。測定開始が入力されるとデータ処理
部43は次のようにして較正を自動的に行う。z駆動部
9を駆動しワーク4を測定位置まで移動させる。このと
き距離センサ10の出力によりz駆動部9を制御する。
次にφ軸を0度に設定する。ここでX線をONし、δ軸
のスキャンを開始し、スキャンの間のX線検出器3の出
力を収集する。X線入射方向(X線ビーム2a)と結晶
格子面法線hの角度がα(=(180゜−2×ブラッグ
角θ0 )/2)になったとき、回折が起こりX線検出器
3の出力にピークが生じる。収集したデータよりこのピ
ークに対応するδ値、δ0 + を求める。次に、φ軸を9
0度に設定し、同様にピークに対応するδ値、δ90 +
求める。同様にφ軸を180度及び270度に順次設定
し、それぞれピークに対応するδ値、δ180 + ,δ270
+ を求める。X線をOFFし、δ0 + ,δ90 + ,δ180
+ ,δ270 + からδ* を以下に示すように計算する。
【0036】<較正量δ* 計算について>;まず
δ0 + ,δ90 + ,δ180 + ,δ270 + より結晶格子面の
法線方向δ0 ,δ90を下式により求める(これは公知で
ある)。
【0037】 δ0 =(δ0 + −δ180 + )/2 …(30) δ90=(δ90 + −δ270 + )/2 …(31) 次に図7を参照して説明する。方向を表す球面上でこの
法線方向を表す点hを中心に半径αの小円Chを引く
と、φ=0゜,90゜,180゜及び270゜を示す大
円との交点が確定し、この交点がそれぞれ各φ位置での
ピーク出力を与えるX線入射方向S0 ,S90,S180
270 である。それぞれのX線入射方向のz軸との角度
δs0,δs90 ,δs180,δs270は球面幾何で求めること
ができる。
【0038】図8を参照してδs0,δs90 ,δs180,δ
s270を導出する。この図は、図7の球面を平面に展開し
たものである。ここで、L2 ,P2 ,ξ0 ,ξ90
ε0 ,ε90を補助変数として用いる。球面幾何の公式を
適用して以下の解を求めることができるが導出の中間ス
テップは省略する。
【0039】
【数7】 L2 =90゜−arcsin[sin δ0 ・√{(1− sin2 δ90) /(1− sin2 δ90・ sin2 δ0 )}] …(32) P2 =90゜−arcsin[sin δ90・√{(1− sin2 δ0 ) /(1− sin2 δ0 ・ sin2 δ90)}] …(33) ξ0 =arcsin[{cos α・sin L2 ・cos δ90−cos L2 ・√(cos2 2 + sin2 2 ・ cos2 δ90− cos2 α)} /{sin2 2 ・ cos2 δ90+ cos2 2 }] …(34) ξ90=arcsin[{cos α・sin P2 ・cos δ0 −cos P2 ・√(cos2 2 + sin2 2 ・ cos2 δ0 − cos2 α)} /{sin2 2 ・ cos2 δ0 + cos2 2 }] …(35) ε0 =α+ξ0 +δ0 −90゜ …(36) ε90=α+ξ90+δ90−90゜ …(37) δs0=α+δ0 −ε0 …(38) δs90 =α+δ90−ε90 …(39) δs180=α−δ0 −ε0 …(40) δs270=α−δ90−ε90 …(41) ここで、逆三角関数は全て主値を用いる。式(32)より
順次代入しながら式(41)までを計算し、δs0
δs90 ,δs180,δs270が求まる。次に、式(6),
(7)と逆に、下式でδs0,δs90 からそれぞれδ*
求める。
【0040】
【数8】 δ* 1 =δ0 + +α−δs0(=δ0 + +ε0 −δ0 ) …(42) δ* 2 =δ90 + +α−δs90 (=δ90 + +ε90−δ90) …(43) 同様に、下式でδs180,δs270からそれぞれδ* を求め
る。
【0041】
【数9】 δ* 3 =δ180 + +α−δs180(=δ180 + +ε0 +δ0 ) …(44) δ* 4 =δ270 + +α−δs270(=δ270 + +ε90+δ90) …(45) 下式でそれぞれのδ* を平均して統計精度を上げたδ*
が求まる。
【0042】
【数10】 δ* =(δ* 1 +δ* 2 +δ* 3 +δ* 4 )/4 …(46) 以上でδ* が計算されるが、数式として厳密解である。
補助変数の取り方などで異なる数式で表現できるが厳密
解である限り数学的に等価である。
【0043】<φに設定誤差がある場合のδ* の計算に
ついて>;φ軸は比較的可動部の重量が大きいため、停
止精度が不十分になる場合がある。φ軸の停止精度が悪
くてもφエンコーダ29でφの値を十分な精度で読み取
っておき(それぞれφ0 ,φ90,φ180 ,φ270 とす
る)、補正することができる。まずδ0 + ,δ90 + ,δ
180 + ,δ270 + より、上述したφの誤差がない場合の
方法によりδ* (0回目近似)を求める。次に、以下の
ステップとをN回繰り返し、δ* (N回目近似)を
求める。
【0044】(n回目);δ0 + ,δ90 +
δ180 + ,δ270 + よりそれぞれδ* (n−1回目近
似)を引いてαを加えることでX線入射方向S0
90,S180 ,S27 0 のz軸との角度δs0,δs90 ,δ
s180,δs270を逆算する。この点S0 ,S90,S180
270 のうち、90度方向が異なる2つの点の組が4組
できる。まず、(S0 ,S90)の組について、球面上で
0 を中心とする半径αの小円C0 と、S90を中心とす
る半径αの小円C90の交点が結晶格子面の法線方向
δ0 ,δ90(又はφmax ,δmax )となる。この交点は
球面幾何により求めることができる。この交点は2つ生
じるが一方はz軸の近傍であり、他方は大きくずれるの
で容易に片方だけ選び出せる。さらにこの2つの円は略
直角に交わるので精度よく法線方向が求まる。他の組、
(S90,S180 ),(S180 ,S270 ),(S270 ,S
0 )それぞれについても、同様に法線方向が求まる。こ
れらを平均して法線方向δ0 ,δ90(又はφmax ,δma
x )(n回目近似)が求まる。
【0045】具体的には、まず(S0 ,S90)の組につ
いてφ0 ,φ90,δs0,δs90 を用いて式(20)〜(2
9)でφmax ,δmax を求める(δ0 ,δ90でもよ
い)。そして φmax (1) =φmax …(47) δmax (1) =δmax …(48) とする。次に(S90,S180 )の組についてφ90,φ
180 ,δs90 ,δs180をそれぞれφ0 ,φ90,δs0,δ
s90 に代入し、式(20)〜(29)でφmax ,δmaxを求
める。そして φmax (2) =φmax +90゜ …(49) δmax (2) =δmax …(50) とする。次に(S180 ,S270 )の組についてφ180
φ270 ,δs180,δs270をそれぞれφ0 ,φ90,δs0
δs90 に代入し、式(20)〜(29)でφmax ,δmax を
求める。そして φmax (3) =φmax +180゜ …(51) δmax (3) =δmax …(52) とする。次に(S270 ,S0 )の組についてφ270 ,φ
0 ,δs270,δs0をそれぞれφ0 ,φ90,δs0,δs90
に代入し、式(20)〜(29)でφmax ,δmax を求め
る。そして φmax (4) =φmax +270゜ …(53) δmax (4) =δmax …(54) とする。次に下式で平均してφmax ,δmax を求める。
【0046】
【数11】 φmax =(φmax (1) +φmax (2) +φmax (3) +φmax (4) )/4 …(55) δmax =(δmax (1) +δmax (2) +δmax (3) +δmax (4) )/4 …(56) (n回目);次に方向を表す球面上でこの法線方向h
(n回目近似)を中心に半径αの小円を引き、φ=
φ0 ,φ90,φ180 ,φ270 を示す大円との交点をそれ
ぞれ球面幾何で求めることができる。この交点がそれぞ
れ修正されたX線入射方向S0 ,S90,S180 ,S270
(n回目近似)である。それぞれz軸との角度δs0,δ
s90 ,δs180,δs270(n回目近似)が求まる。
【0047】具体的には、図6を参照して下記の式で求
める(導出省略)。
【0048】
【数12】δmax =0(<ε)の場合 δs0=δs90 =δs180=δs270=α …(57) δmax ≠0(≧ε)の場合、φmax =φ,δmax =δと
おいて、 δs0=arcsin[{cos α・sin δ・cos (φ−φ0 )+cos δ ・√(sin2 δ・ cos2 (φ−φ0 )+ cos2 δ− cos2 α)} /{sin2 δ・ cos2 (φ−φ0 )+ cos2 δ}] …(58) δs90 =arcsin[{cos α・sin δ・cos (φ−φ90)+cos δ ・√(sin2 δ・ cos2 (φ−φ90)+ cos2 δ− cos2 α)} /{sin2 δ・ cos2 (φ−φ90)+ cos2 δ}] …(59) δs180=arcsin[{cos α・sin δ・cos (φ−φ180 )+cos δ ・√(sin2 δ・ cos2 (φ−φ180 )+ cos2 δ− cos2 α)} /{sin2 δ・ cos2 (φ−φ180 )+ cos2 δ}] …(60) δs270=arcsin[{cos α・sin δ・cos (φ−φ270 )+cos δ ・√(sin2 δ・ cos2 (φ−φ270 )+ cos2 δ− cos2 α)} /{sin2 δ・ cos2 (φ−φ270 )+ cos2 δ}] …(61) となる。ここで、逆三角関数は全て主値を用いる。次
に、δs0,δs90 ,δs180,δs270(n回目近似)から
式(42)〜(46)でδ* (n回目近似)を求める。
【0049】上述したように、本実施の形態によれば、
φの直交する2方向についてのみの測定で結晶格子面の
法線方向が符号の不定性なく精度よく求まる。δ軸の較
正を自動的に精度よく行うことができる。φ軸の停止精
度が悪くてもこれを計算で補正して法線方向が精度よく
求まる。重くて大きい結晶を回転させることなく測定が
できるので精度よく短時間で測定できる。z方向の位置
決めが自動的に行われるのでワークの取付けが容易とな
り測定の能率がよくなる。即ち、ワーク自体を位置検出
して位置決めしているのでワークの取付けのz軸位置は
精度を必要としない。光学式の距離センサ10でワーク
位置を非接触で検出するのでワークを傷めることがな
い。光学式の距離センサ10がφフレーム17に付いて
いるのでワークの測定位置への設定精度がよい。測定部
支持フレーム23とワーク支持フレーム26が基準面2
8a,28bを合わせるように結合されるのでz軸とφ
軸を精度よく合わせられ測定精度が上がる。また測定部
とワークを搬送する部分を分離しても容易に再結合で
き、メンテナンス性がよい。
【0050】図9及び図10には、本発明の第2の実施
の形態を示す。φ軸とz軸は正確に合わせなくても、そ
の誤差を測定してφ軸に対して求めた結晶方位をz軸基
準に出力させることができる。図9は、この誤差を測定
できるようにした治具を示している。治具33は、その
上に試験用結晶片31をλ軸回転部32によりλ回転可
能に保持する。治具33はワーク支持台25に嵌まり合
うように取り付けられ、λ回転軸とz軸が平行になるよ
うに作られている。
【0051】図10を用いて作用を説明する。試験用結
晶片31を測定対象として結晶方位を測定するが、まず
λ=0゜で結晶格子面の法線方向h0 を求め、次にλ=
180゜で法線方向h180 を求める。この2つの方向の
中点方向がz軸の実際の方向z′である。z′はh0
180 より簡単に求められる。z′のx,y方向の傾斜
角をそれぞれδz0,δz90 とすると、結晶方位(δ0
δ90)のz′軸基準への変換も簡単にできる。z′の傾
斜は通常1゜を超えないので次の概略式で変換できる。
【0052】 δ0 ′=δ0 −δz0 …(62) δ90′=δ90−δz90 …(63) これにより、試料支持部と測定部間の配置精度が悪くて
も精度よく結晶方位を測定することができる。Z′の傾
斜が大きい場合は厳密解で変換するが導出は省略する。
【0053】なお、上述した各実施の形態において、ワ
ークは円柱形の結晶インゴットのみでなく他の形状のも
のへも適用できる。また測定する面も平面だけでなく例
えば円筒面等にも適用できる。φの方位は90度おきの
2方位あるいは4方位(較正時)で測定すればよく任意
のオフセット角を加えられることは明らかなことであ
る。測定時、較正時でオフセットが異なってもよい。ま
たX線検出器3のδフレーム11への取付け位置を切換
えて2αの角度を切換えることで異なる結晶格子面に適
用できる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、被検体である結晶の被検査面にペンシル状
X線ビームを放射するX線源と、前記ペンシル状X線ビ
ームにより前記結晶の格子面で回折された回折X線を検
出するX線検出器と、前記ペンシル状X線ビームを含む
面であるδ回転面に沿って前記回折点を通るδ回転軸回
りに前記X線源及び前記X線検出器を一体でδ回転させ
るδ駆動部と、前記δ回転軸に直交するφ回転軸回りに
前記X線源、前記X線検出器及び前記δ駆動部を一体で
φ回転させるφ駆動部と、前記φ回転によって前記δ回
転面を0度及び90度に固定し該0度及び90度のそれ
ぞれで前記δ回転を行ったときの前記X線検出器のピー
ク出力を与えるδ回転量の読み値、δ0 + 及びδ90 +
り前記結晶の格子面法線の前記φ回転軸に対する前記0
度及び90度方向の傾斜角δ0 及びδ90又は最大傾斜の
方位角φmax とその方位での傾斜角δmax を計算するデ
ータ処理部とを具備させたため、δ回転面を0度及び9
0度の2方位に設定してそれぞれδ回転を行ったときの
ピーク出力を与えるδ回転量の読み値、δ0 + 及びδ90
+ を基に結晶格子面法線方向を精度よく求めることがで
きる。
【0055】請求項2記載の発明によれば、前記データ
処理部は、前記φ回転によって前記δ回転面を0度、9
0度、180度及び270度に固定し該0度、90度、
180度及び270度のそれぞれで前記δ回転を行った
ときの前記X線検出器のピーク出力を与えるδ回転量の
読み値、δ0 + ,δ90 + ,δ180 + 及びδ270 + より前
記δ回転量の読み値の較正量δ* を計算するようにした
ため、各δ回転量の読み値、δ0 + ,δ90 + ,δ180 +
及びδ270 + を基に、各φ位置でのδ回転量読み値の較
正量δ* 1 ,δ* 2 ,δ* 3 ,δ* 4 を求め、これらの
較正量を平均することで、上記請求項1記載の発明で用
いるδ回転量読み値の較正量δ* を自動的に精度よく求
めることができる。
【0056】請求項3記載の発明によれば、前記データ
処理部は、前記φ回転による前記δ回転面の0度及び9
0度のそれぞれの位置への設定誤差を補正して前記傾斜
角δ0 及びδ90又は前記方位角φmax とその方位での前
記傾斜角δmax を計算するようにしたため、δ回転面の
角度に設定誤差があっても、補正計算により結晶格子面
法線方向を精度よく求めることができる。
【0057】請求項4記載の発明によれば、前記データ
処理部は、前記φ回転による前記δ回転面の0度、90
度、180度及び270度のそれぞれの位置への設定誤
差を補正して前記δ回転量の読み値の較正量δ* を計算
するようにしたため、δ回転面の角度に設定誤差があっ
ても、補正計算によりδ回転量読み値の較正量δ* を精
度よく求めることができる。
【0058】請求項5記載の発明によれば、被検体であ
る結晶の被検査面が駆動方向軸であるz軸に略垂直にな
るように前記結晶を保持し当該z軸に沿って駆動するz
駆動部と、前記z軸方向の前記結晶の被検査面位置を検
出する結晶位置センサと、前記結晶の被検査面にペンシ
ル状X線ビームを放射するX線源と、前記ペンシル状X
線ビームにより前記結晶の格子面で回折された回折X線
を検出するX線検出器と、前記ペンシル状X線ビームを
含む面であるδ回転面に沿って前記回折点を通るδ回転
軸回りに前記X線源及び前記X線検出器を一体でδ回転
させるδ駆動部と、前記δ回転軸に直交し、前記z軸と
同軸に設定されたφ回転軸回りに前記X線源、前記X線
検出器及び前記δ駆動部を一体でφ回転させるφ駆動部
とを具備させたため、z軸方向の被検査面位置を結晶位
置センサで検知し被検体である結晶の位置決めを自動的
に行うことができて、結晶のハンドリングが良好になる
とともに能率よく結晶格子面法線方向を測定することが
できる。またX線源とX線検出器をφ回転させるので重
くて大きい結晶を回転させることなく測定でき、精度よ
く短時間で測定ができる。
【0059】請求項6記載の発明によれば、前記z駆動
部と前記φ駆動部は、前記φ回転軸に直交する基準面を
介して接合したため、z軸とφ回転軸を精度よく一致さ
せて結晶格子面法線方向を精度よく測定することができ
る。
【0060】請求項7記載の発明によれば、被検体であ
る結晶をその被検査面に略垂直なz軸に沿って駆動する
z駆動部と、前記結晶の被検査面にペンシル状X線ビー
ムを放射するX線源と、前記ペンシル状X線ビームによ
り前記結晶の格子面で回折された回折X線を検出するX
線検出器と、前記ペンシル状X線ビームを含む面である
δ回転面に沿って前記回折点を通るδ回転軸回りに前記
X線源及び前記X線検出器を一体でδ回転させるδ駆動
部と、前記δ駆動部と直交し、前記z軸と略同軸に設定
されたφ回転軸回りに前記X線源、前記X線検出器及び
前記δ駆動部を一体でφ回転させるφ駆動部と、前記φ
回転によって前記δ回転面を所定角度に設定し該所定角
度で前記δ回転を行ったときの前記X線検出器のピーク
出力を与えるδ回転量の読み値から前記結晶の格子面法
線の前記φ回転軸に対する傾斜角を計算するデータ処理
部をもち、試験用結晶片をλ回転可能に保持しそのλ回
転軸が上記z軸と平行になるよう上記試験用結晶片を上
記z駆動部に取付ける治具を持ち、上記データ処理部は
上記λ回転の180度異なる2つの位置に対する上記試
験用結晶片の上記傾斜角のそれぞれの計算値から上記z
軸の上記φ軸に対する設定誤差を計算するようにしたた
め、z軸とφ回転軸間に設定誤差があっても、その設定
誤差を計算してφ回転軸に対して求めた結晶方位をz軸
基準に出力させることができるので、結晶試料支持部と
測定部間の配置精度が悪くても精度よく結晶格子面法線
方向を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る結晶方位測定装置の第1の実施の
形態の機構部の構成図である。
【図2】上記第1の実施の形態のシステム構成を示すブ
ロック図である。
【図3】上記第1の実施の形態におけるφ駆動部及びδ
駆動部の動きとxyz座標系との関係を説明するための
図である。
【図4】上記第1の実施の形態においてδ0 ,δ90の計
算を説明するための図である。
【図5】上記図4を平面に展開した状態を示す図であ
る。
【図6】上記第1の実施の形態においてφ回転量に設定
誤差がある場合のδ0 ,δ90の計算を説明するための図
である。
【図7】上記第1の実施の形態において較正量δ* の計
算を説明するための図である。
【図8】上記図7を平面に展開した状態を示す図であ
る。
【図9】本発明の第2の実施の形態の要部構成図であ
る。
【図10】上記第2の実施の形態の作用を説明するため
の図である。
【図11】X線回折を一般的に説明するための図であ
る。
【図12】結晶方位測定装置の第1の従来技術の構成図
である。
【図13】結晶方位測定装置の第2の従来技術の構成図
である。
【符号の説明】
1 X線管(X線源) 3 X線検出器 4 ワーク(結晶インゴット) 7 δ駆動部 8 φ駆動部 9 z駆動部 10 距離センサ(結晶位置センサ) 25 ワーク支持台 28a,28b 基準面 33 治具 43 データ処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水口 弘 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝エフエーシステムエンジニアリング株式 会社内 (72)発明者 富澤 雅美 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝エフエーシステムエンジニアリング株式 会社内 (72)発明者 比永 宏治 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝エフエーシステムエンジニアリング株式 会社内 (72)発明者 新井 健治 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝エフエーシステムエンジニアリング株式 会社内 (72)発明者 園田 正明 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝エフエーシステムエンジニアリング株式 会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体である結晶の被検査面にペンシル
    状X線ビームを放射するX線源と、前記ペンシル状X線
    ビームにより前記結晶の格子面で回折された回折X線を
    検出するX線検出器と、前記ペンシル状X線ビームを含
    む面であるδ回転面に沿って前記回折点を通るδ回転軸
    回りに前記X線源及び前記X線検出器を一体でδ回転さ
    せるδ駆動部と、前記δ回転軸に直交するφ回転軸回り
    に前記X線源、前記X線検出器及び前記δ駆動部を一体
    でφ回転させるφ駆動部と、前記φ回転によって前記δ
    回転面を0度及び90度に固定し該0度及び90度のそ
    れぞれで前記δ回転を行ったときの前記X線検出器のピ
    ーク出力を与えるδ回転量の読み値、δ0 + 及びδ90 +
    より前記結晶の格子面法線の前記φ回転軸に対する前記
    0度及び90度方向の傾斜角δ0 及びδ90又は最大傾斜
    の方位角φmax とその方位での傾斜角δmax を計算する
    データ処理部とを有することを特徴とする結晶方位決定
    装置。
  2. 【請求項2】 前記データ処理部は、前記φ回転によっ
    て前記δ回転面を0度、90度、180度及び270度
    に固定し該0度、90度、180度及び270度のそれ
    ぞれで前記δ回転を行ったときの前記X線検出器のピー
    ク出力を与えるδ回転量の読み値、δ0 + ,δ90 + ,δ
    180 + 及びδ270 + より前記δ回転量の読み値の較正量
    δ* を計算することを特徴とする請求項1記載の結晶方
    位決定装置。
  3. 【請求項3】 前記データ処理部は、前記φ回転による
    前記δ回転面の0度及び90度のそれぞれの位置への設
    定誤差を補正して前記傾斜角δ0 及びδ90又は前記方位
    角φmax とその方位での前記傾斜角δmax を計算するこ
    とを特徴とする請求項1記載の結晶方位決定装置。
  4. 【請求項4】 前記データ処理部は、前記φ回転による
    前記δ回転面の0度、90度、180度及び270度の
    それぞれの位置への設定誤差を補正して前記δ回転量の
    読み値の較正量δ* を計算することを特徴とする請求項
    2記載の結晶方位決定装置。
  5. 【請求項5】 被検体である結晶の被検査面が駆動方向
    軸であるz軸に略垂直になるように前記結晶を保持し当
    該z軸に沿って駆動するz駆動部と、前記z軸方向の前
    記結晶の被検査面位置を検出する結晶位置センサと、前
    記結晶の被検査面にペンシル状X線ビームを放射するX
    線源と、前記ペンシル状X線ビームにより前記結晶の格
    子面で回折された回折X線を検出するX線検出器と、前
    記ペンシル状X線ビームを含む面であるδ回転面に沿っ
    て前記回折点を通るδ回転軸回りに前記X線源及び前記
    X線検出器を一体でδ回転させるδ駆動部と、前記δ回
    転軸に直交し、前記z軸と同軸に設定されたφ回転軸回
    りに前記X線源、前記X線検出器及び前記δ駆動部を一
    体でφ回転させるφ駆動部とを有することを特徴とする
    結晶方位決定装置。
  6. 【請求項6】 前記z駆動部と前記φ駆動部は、前記φ
    回転軸に直交する基準面を介して接合してなることを特
    徴とする請求項5記載の結晶方位決定装置。
  7. 【請求項7】 被検体である結晶をその被検査面に略垂
    直なz軸に沿って駆動するz駆動部と、前記結晶の被検
    査面にペンシル状X線ビームを放射するX線源と、前記
    ペンシル状X線ビームにより前記結晶の格子面で回折さ
    れた回折X線を検出するX線検出器と、前記ペンシル状
    X線ビームを含む面であるδ回転面に沿って前記回折点
    を通るδ回転軸回りに前記X線源及び前記X線検出器を
    一体でδ回転させるδ駆動部と、前記δ回転軸と直交
    し、前記z軸と略同軸に設定されたφ回転軸回りに前記
    X線源、前記X線検出器及び前記δ駆動部を一体でφ回
    転させるφ駆動部と、前記φ回転によって前記δ回転面
    を所定角度に設定し該所定角度で前記δ回転を行ったと
    きの前記X線検出器のピーク出力を与えるδ回転量の読
    み値から前記結晶の格子面法線の前記φ回転軸に対する
    傾斜角を計算するデータ処理部をもち、試験用結晶片を
    λ回転可能に保持しそのλ回転軸が上記z軸と平行にな
    るよう上記試験用結晶片を上記z駆動部に取付ける治具
    を持ち、上記データ処理部は上記λ回転の180度異な
    る2つの位置に対する上記試験用結晶片の上記傾斜角の
    それぞれの計算値から上記z軸の上記φ軸に対する設定
    誤差を計算することを特徴とする結晶方位決定装置。
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