JPH1162815A

JPH1162815A - 駆動装置

Info

Publication number: JPH1162815A
Application number: JP23332297A
Authority: JP
Inventors: Masaru Takeda; 大武田
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1997-08-14
Filing date: 1997-08-14
Publication date: 1999-03-05

Abstract

(57)【要約】【課題】起動時以外はエネルギーを供給せずに持続的駆
動が可能、且つ、クリーンなピストン構成の駆動装置を
提供する。【解決手段】環状のブロック1'と、その中心に回転可能
に配備された駆動軸３と、ブロック1'の外周面に密着回
転可能に配され駆動軸３に取付けられた環状のフライホ
イル２と、ブロック１’に放射状、且つ、等間隔に固定
されたピストン機関部６と、それらの各コネクティング
ロッド５が連結され駆動軸３に固定されたクランク４
と、始動装置とよりなり、各ピストン機関部６の案内口
８に続くブロック１’の周壁部には、フライホイル２の
回転方向を向き、外周側に噴射口10を有しピストン機関
部６からの圧縮空気を封じ込める気密室９が設けられ、
フライホイル２には、その回転によって開口部が気密室
９の噴射口10と一致したときに気密室９内の圧縮空気の
エネルギーを受ける享受室14が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ガソリン等の化
石燃料を必要としないピストン構成の駆動装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】ガソリン等の化石燃料によるピストン構
成の内燃機関は、従来、広く知られている。その内燃機
関は、シリンダー内の燃料の爆発エネルギーによるピス
トンの往復動をクランクシャフトの回転に変換するもの
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の内燃機関は、ピ
ストンが最前進して戻る瞬間にクランクとコネクティン
グロッドが一直線状に並ぶことにより大きなエネルギー
ロスが生じるし、熱効率も非常に悪く、その上、排気ガ
スによる様々な公害が大きな問題となっている。また、
機関損壊の危惧、アンチノック負荷、冷却の必要性等の
諸問題点を内包している。

【０００４】この発明は、起動時以外はエネルギーを供
給せずに持続的駆動が可能、且つ、クリーンなピストン
構成の駆動装置を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の駆動装置は、
短円筒状枠体１と、その内部にその周壁部と一定間隔を
空けて固定された環状の取付ブロック１’と、枠体１の
底部中心に回転可能に貫通配備された駆動軸３と、取付
ブロック１’の外周面に密着回転可能に配され、駆動軸
３に固定された環状のフライホイル２と、取付ブロック
１’に放射状、且つ、等間隔に取付けられたピストン機
関部６と、各ピストン機関部６のそれぞれのコネクティ
ングロッド５が連結され、駆動軸３に固定されたクラン
ク４と、始動装置とよりなり、各ピストン機関部６の圧
縮空気案内口８に続く取付ブロック１’の周壁部には、
フライホイル２の回転方向を向き、外周側に噴射口１０
を有しピストン機関部６からの圧縮空気を封じ込める気
密室９が設けられ、フライホイル２には、その回転によ
って開口部が気密室９の噴射口１０と一致したときに気
密室９内の圧縮空気のエネルギーを受ける享受室１４が
形成されたものである。

【０００６】複数のピストン機関部６を、一重に配列さ
れたピストン系単列型とすることができる（図２）。

【０００７】複数のピストン機関部６を、二重以上に配
列するピストン系並列型としてもよい（図４）。

【０００８】ピストン機関部６の数を３基以上の奇数配
列とし、シリンダー内での圧縮空気エネルギーの２回分
を気密室９に合体蓄積した上で、１基間隔の１回の爆発
を行なうようにする超高圧型とすることもできる（図
３）。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１ないし図６を参照し、この発
明の駆動装置の実施形態について説明する。

【００１０】この駆動装置は、概ね、短円筒状枠体１
と、気密枠体１の内部にその周壁部と一定間隔を空けて
固定された環状の取付ブロック（ブロック）１’と、枠
体１の側部中心に回転可能に貫通配備された駆動軸３
と、取付ブロック１’の外周面に密着回転可能に配さ
れ、且つ、駆動軸３に固定され、比較的に大きな半径と
重量を有する有底筒状のフライホイル２と、取付ブロッ
ク１’に放射状、且つ、等間隔に取付けられた複数のピ
ストン機関部６、６、─と、各ピストン機関部６のそれ
ぞれのコネクティングロッド５が連結され、駆動軸３に
固定されたクランク４と、始動装置とより構成されてい
る。なお、符号２ａは、フライホイル２の周壁縁部に設
けた消音壁である。

【００１１】ピストン機関部６は、燃料の吸入や点火は
行わず、シリンダー内で吸気、圧縮、排気のみを行うも
のであって、枠体１の中心側が底のない開口部であり、
周壁側を向く底部に圧縮空気案内口８とその開閉弁８’
を備えたシリンダーを有している。その内部にはピスト
ン７が設けられており、コネクティングロッド５は、図
５に示すように、そのピストン７の吸気口７’に遊びを
もって取付けらた開閉弁７”に回動可能に取付けられて
いる。

【００１２】吸気口７’及び案内口８は、それぞれ枠体
１の周壁側、中心側に向かうほど内径が小さくなるテー
パー状である。そして、開閉弁７”及び開閉弁８’も、
それぞれ枠体１の周壁側、中心側に向かうほど外径が小
さくなるテーパー状である。従って、ピストン７が気密
枠体１の周壁側に移動するときには、開閉弁７”が閉じ
て開閉弁８’が開き、ピストン機関部６のシリンダー内
の空気が圧縮される。そして、ピストン７が最終行程に
近づくと、シリンダー内圧が非常に大きくなって、その
高圧縮空気が後述する気密室９内に封じ込められ、同時
に開閉弁８’が閉じる。また、ピストン７が枠体１の中
心側に移動するときには、開閉弁７”が開き（開閉弁
８’は気密室９の高い気圧により閉じたままである）、
空気が吸気口７’よりシリンダー内に進入する。

【００１３】図２に示すものは、複数のピストン機関部
６が一重に配列されたピストン系単列型であるが、図４
に示すように、二重以上に配列するピストン系並列型と
してもよい。後者は、より強い出力が得られ、回転性が
よりスムーズである。

【００１４】各ピストン機関部６の案内口８に続く取付
ブロック１’の周壁部には、フライホイル２の回転方向
を向き、且つ、外周側に噴射口１０を有し、ピストン機
関部６のシリンダーの容積よりはるかに小さい容積の気
密室９が設けられている。その噴射口１０付近には、断
面略半月棒状の開閉弁１１とその開閉弁連動部１２が設
けられている。開閉弁連動部１２は、通常は電磁力やバ
ネ力によって開閉弁１１を閉じる位置にあり、フライホ
イル２が回転して後述する享受室１４の位置にある開閉
弁作動部１２’が接触することにより開閉弁１１を開く
ようになっている。

【００１５】フライホイル２には、その回転方向を向い
た享受室１４が形成されている。フライホイル２の回転
により、享受室１４の開口部が気密室９の噴射口１０と
一致したときに、ピストン機関部６の爆発的エネルギー
が気密室９から享受室１４へ送られる。

【００１６】フライホイル２における享受室１４の回転
上流側には、享受室１４と壁面で個別分離した状態で、
後続享受室１５が連設されている。そこでは、開放爆発
力享受後の残余エネルギーが捕捉される。後続享受室１
５の容積は、残余のエネルギーを完全に吸収し得るもの
とする。

【００１７】始動装置は、始動モーターＭ、バッテリー
部Ｂ及びフライホイル２に密着して回転する始動連動部
Ｓよりなっている。駆動装置の停止、出力制御は、気密
室９の後部に設けられた出力制御バルブ１３によって行
われる。

【００１８】このような構成の駆動装置においては、始
動装置を作動してフライホイル２を回転させると、ピス
トン作用によって各ピストン機関部６から順次与えられ
る高圧縮空気は、案内口８、開閉弁８’を介して直接気
密室９に封じ込められる。そして、フライホイル２の回
転に連動して噴射弁１１が開くと、気密室９に封じ込め
られていた高圧縮空気は、気密室９の噴射口１０より享
受室１４に直接噴射され、そのエネルギーがフライホイ
ル２の回転エネルギーに変換される。それにより、駆動
軸３及びクランク４も回転し、各ピストン機関部６のシ
リンダー内の空気が順次圧縮される。

【００１９】この駆動装置は、複数のコネクティングロ
ッド５が１つのクランク４に連結されていることによ
り、一部のピストン機関部６でクランク４とコネクティ
ングロッド５とが一直線状となることはあっても、他の
ピストン機関部６では一直線状とはならず、エネルギー
ロスがないこと、フライホイル２の円心近く（クランク
４とコネクティングロッド５の連結部）で創成された各
ピストン機関部６による高圧縮空気のエネルギーがフラ
イホイル２の円心から最も遠い位置にある享受室１４に
接線方向に効率よく増幅して噴射されること、フライホ
イル２が比較的に大きな半径と重量を有し、回転持続性
（慣性）、円滑性があること、増幅されたエネルギーの
一部が再び各ピストン機関部６の圧縮に向けられること
により、起動後は格別のエネルギーを与えることなく駆
動し続ける。しかも、冷却が不要であり、丈夫で、構造
が簡単である。

【００２０】なお、図３に示すように、ピストン機関６
の数を３基以上の奇数配列とし、シリンダー内での圧縮
空気エネルギーの２回分を気密室９に合体蓄積した上
で、１基間隔の１回の爆発を行なうようにすると、強圧
縮、強爆発となる超高圧型とすることができる。

【００２１】また、この駆動装置は次のような様々な使
用態様をとることができる。（Ａ）規模の大きさに応じ
た適宜の形状変形（その一例は後述する）。（Ｂ）フラ
イホイル駆動軸３からの直接又は間接的な動力の取出
し。（Ｃ）定置又は移動物への装備。（Ｄ）小型、軽量
化、パワーアップ化。（Ｅ）発電、蓄熱等様々な分野へ
の利用。

【００２２】最後に、図６を参照し、この発明の駆動装
置を大型化した場合の、フライホイル２の荷重を軽減し
てその軸受け部での摩擦力を低減するための二種類の処
置について説明する。この大型化した駆動装置の基本的
構造は、図１〜図５に示すものと変わらないので、前記
処置がわかる範囲で、図６の細部は省略している。

【００２３】先ず、大型化した駆動装置は横臥姿勢をと
るようにする。そして、図６（１）示すように、フライ
ホイル２の下部周囲と取付ブロック１’の対向位置にそ
れぞれ超伝導コイル１６、１７を配するか、図６（２）
示すように、フライホイル２の周壁部と枠体１の対向位
置にそれぞれ超伝導コイル１６’、１７’を配する。そ
して、それぞれの対向するコイルに逆方向の電流を流し
て互いに逆向きの磁力線を発生させ、斥力によりフライ
ホイル２を浮かせるようにする。

【００２４】

【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。

【００２５】即ち、伝達系でのエネルギーロスがほとん
どなく、起動後はエネルギーを格別供給せずに持続的駆
動が可能であるので、経済的である。また、有害な排気
ガスが皆無であるので、自然環境を汚染することがな
い。更に、従来の内燃機関のような機関損壊の危惧、ア
ンチノック負荷、冷却の必要性等の問題点が全く存在し
ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の駆動装置の横断面である。

【図２】この発明の駆動装置のシリンダー単列型の縦断
面図である。

【図３】この発明の駆動装置の超高圧型の横断面であ
る。

【図４】この発明の駆動装置のシリンダー並列型の縦断
面図である。

【図５】この発明の駆動装置におけるピストン機関部と
気密室入口の縦断面である。

【図６】種々の摩擦軽減処置を講じた、この発明の大型
駆動装置の概略縦断面図である。

【符号の説明】

１枠体１’ 取付ブロック（ブロック）２フライホイル３駆動軸４クランク５コネクティングロッド６ピストン機関部７ピストン８圧縮空気案内口９気密室１０噴射口１４享受室Ｓ始動連動部Ｍ始動モーターＢバッテリー部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】環状のブロックと、その中心に回転可能に
配備された駆動軸と、ブロックの外周面に密着回転可能
に配され駆動軸に固定された環状のフライホイルと、ブ
ロックに放射状、且つ、等間隔に取付けられたピストン
機関部と、それらの各コネクティングロッドが連結され
駆動軸に固定されたクランクと、始動装置とよりなり、
各ピストン機関部の圧縮空気案内口に続くブロックの周
壁部には、フライホイルの回転方向を向き、外周側に噴
射口を有しピストン機関部からの圧縮空気を封じ込める
気密室が設けられ、フライホイルには、その回転によっ
て開口部が気密室の噴射口と一致したときに気密室内の
圧縮空気のエネルギーを受ける享受室が形成された駆動
装置。