JPH1161216A - 還元鉄の製造方法 - Google Patents
還元鉄の製造方法Info
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- JPH1161216A JPH1161216A JP23226297A JP23226297A JPH1161216A JP H1161216 A JPH1161216 A JP H1161216A JP 23226297 A JP23226297 A JP 23226297A JP 23226297 A JP23226297 A JP 23226297A JP H1161216 A JPH1161216 A JP H1161216A
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- Japan
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- carbonaceous material
- pellet
- pellets
- reduced
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 還元ペレットの再酸化を抑制し、かつ還元ペ
レット中の炭材灰分を減少させ還元ペレットの品位を向
上させる還元鉄の製造方法を提供する。 【解決手段】 炭材内装ペレットを、回転炉床炉を用い
て還元して還元鉄を製造する還元鉄製造方法において、
炭材内装ペレットと外装炭材を回転炉床炉に装入し、炭
材内装ペレットの外装炭材内への埋没率が炭材内装ペレ
ットの直径の 0.5以上、1.0 以下である状態で炭材内装
ペレットを還元する。
レット中の炭材灰分を減少させ還元ペレットの品位を向
上させる還元鉄の製造方法を提供する。 【解決手段】 炭材内装ペレットを、回転炉床炉を用い
て還元して還元鉄を製造する還元鉄製造方法において、
炭材内装ペレットと外装炭材を回転炉床炉に装入し、炭
材内装ペレットの外装炭材内への埋没率が炭材内装ペレ
ットの直径の 0.5以上、1.0 以下である状態で炭材内装
ペレットを還元する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭材内装ペレット
を還元して還元鉄を製造する技術分野に属し、さらに詳
しくは、炭材内装ペレット中の炭材を減少し還元鉄中の
炭材灰分を低減する還元鉄の製造方法の技術分野に属す
るものである。
を還元して還元鉄を製造する技術分野に属し、さらに詳
しくは、炭材内装ペレット中の炭材を減少し還元鉄中の
炭材灰分を低減する還元鉄の製造方法の技術分野に属す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、還元鉄の製造方法としては、炭材
内装ペレットを外装炭材とともにロータリーキルンに装
入し、炭材内装ペレットを還元する方法が知られてい
る。この方法では、内装および外装の炭材はともに還元
剤として働き、内装炭材あるいは外装炭材のみに比べて
還元が促進される作用が認められている。一方、回転炉
床炉を用いた還元鉄の製造方法は、炭材内装ペレットを
回転炉床炉の炉床上に一層に装入し、主としてバーナー
の燃焼と炉壁からの輻射熱で加熱し、内装の炭材でペレ
ットを還元するものである。したがって、回転炉床炉を
用いた還元鉄の製造方法においては、外装炭材は炉壁か
らの輻射熱の伝達を阻害するので外装炭材の還元促進効
果は望めない。
内装ペレットを外装炭材とともにロータリーキルンに装
入し、炭材内装ペレットを還元する方法が知られてい
る。この方法では、内装および外装の炭材はともに還元
剤として働き、内装炭材あるいは外装炭材のみに比べて
還元が促進される作用が認められている。一方、回転炉
床炉を用いた還元鉄の製造方法は、炭材内装ペレットを
回転炉床炉の炉床上に一層に装入し、主としてバーナー
の燃焼と炉壁からの輻射熱で加熱し、内装の炭材でペレ
ットを還元するものである。したがって、回転炉床炉を
用いた還元鉄の製造方法においては、外装炭材は炉壁か
らの輻射熱の伝達を阻害するので外装炭材の還元促進効
果は望めない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】炭材内装ペレット(以
下、単にペレットと言う)はペレット中の炭材によって
還元が進行するが、還元反応は吸熱反応であるため外部
からペレットに熱を供給してやる必要がある。そのた
め、回転炉床炉ではバーナーの燃焼により熱を供給す
る。この場合、燃焼に必要なO2、燃焼により発生する C
O2や水蒸気(H2O) が還元ペレット表面に接触すると、金
属鉄が急速に再酸化される。すなわち、O2は金属鉄を直
接酸化し、 CO2は金属鉄を酸化してCOに、水蒸気は金属
鉄を酸化してH2に変化する。この再酸化を抑制するため
に、ペレット中に酸化鉄を還元するに必要な量以上の炭
材を内装し、過剰の炭材を残留させておく必要がある。
すなわち、還元ペレット表層部の過剰の炭材と上記の
O2、 CO2、水蒸気(H2O) を反応させ、金属鉄の再酸化を
抑制する。このため還元ペレット中には炭材灰分が増
え、還元鉄の品位を低下させている。
下、単にペレットと言う)はペレット中の炭材によって
還元が進行するが、還元反応は吸熱反応であるため外部
からペレットに熱を供給してやる必要がある。そのた
め、回転炉床炉ではバーナーの燃焼により熱を供給す
る。この場合、燃焼に必要なO2、燃焼により発生する C
O2や水蒸気(H2O) が還元ペレット表面に接触すると、金
属鉄が急速に再酸化される。すなわち、O2は金属鉄を直
接酸化し、 CO2は金属鉄を酸化してCOに、水蒸気は金属
鉄を酸化してH2に変化する。この再酸化を抑制するため
に、ペレット中に酸化鉄を還元するに必要な量以上の炭
材を内装し、過剰の炭材を残留させておく必要がある。
すなわち、還元ペレット表層部の過剰の炭材と上記の
O2、 CO2、水蒸気(H2O) を反応させ、金属鉄の再酸化を
抑制する。このため還元ペレット中には炭材灰分が増
え、還元鉄の品位を低下させている。
【0004】バーナーの燃焼により熱を供給する場合、
還元ペレットの再酸化を抑制するために燃焼ガスの酸化
力をさげようとすると、燃焼ガスの組成の制御が必要と
なり、このため燃焼ガスの温度が下がり燃料ガスの原単
位を増大させる。また、回転炉床炉の熱効率向上には、
還元時にペレットから発生するCOガスの2次燃焼が必要
である。このように、還元ペレットの表面は再酸化を抑
制するには困難な状況に置かれている。
還元ペレットの再酸化を抑制するために燃焼ガスの酸化
力をさげようとすると、燃焼ガスの組成の制御が必要と
なり、このため燃焼ガスの温度が下がり燃料ガスの原単
位を増大させる。また、回転炉床炉の熱効率向上には、
還元時にペレットから発生するCOガスの2次燃焼が必要
である。このように、還元ペレットの表面は再酸化を抑
制するには困難な状況に置かれている。
【0005】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、還元に必要な炭材をペレット中に内装
させ、還元ペレット表面の再酸化を抑制するために外装
炭材を用いることにより還元ペレット中の炭材灰分等の
不純物を減少させ還元鉄の品位を向上させる還元鉄の製
造方法を提供することを目的とする。
なされたもので、還元に必要な炭材をペレット中に内装
させ、還元ペレット表面の再酸化を抑制するために外装
炭材を用いることにより還元ペレット中の炭材灰分等の
不純物を減少させ還元鉄の品位を向上させる還元鉄の製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】その要旨は、炭材内装ペ
レットを、回転炉床炉を用いて還元して還元鉄を製造す
る還元鉄の製造方法において、炭材内装ペレットと外装
炭材を回転炉床炉に装入し、炭材内装ペレットの外装炭
材内への埋没率が炭材内装ペレットの直径の 0.5以上、
1.0以下である状態で炭材内装ペレットを還元する還元
鉄の製造方法である。
レットを、回転炉床炉を用いて還元して還元鉄を製造す
る還元鉄の製造方法において、炭材内装ペレットと外装
炭材を回転炉床炉に装入し、炭材内装ペレットの外装炭
材内への埋没率が炭材内装ペレットの直径の 0.5以上、
1.0以下である状態で炭材内装ペレットを還元する還元
鉄の製造方法である。
【0007】回転炉床炉の場合、ペレットへの熱供給は
燃焼ガスからの輻射と蓄熱した炉壁からの輻射であり、
ペレットを外装炭材内に埋没させることはペレットの昇
熱を遅らせペレットの還元を遅らせることになる。しか
し、本発明は内装炭材と外装炭材の機能を還元と再酸化
抑制に分離し、かつペレットへの熱供給を阻害しないよ
うにペレットの外装炭材内への埋没率を限定することに
よって、ペレットの還元を遅らせることなく、表面の再
酸化を抑制することができる。
燃焼ガスからの輻射と蓄熱した炉壁からの輻射であり、
ペレットを外装炭材内に埋没させることはペレットの昇
熱を遅らせペレットの還元を遅らせることになる。しか
し、本発明は内装炭材と外装炭材の機能を還元と再酸化
抑制に分離し、かつペレットへの熱供給を阻害しないよ
うにペレットの外装炭材内への埋没率を限定することに
よって、ペレットの還元を遅らせることなく、表面の再
酸化を抑制することができる。
【0008】ペレットを外装炭材内へ埋没させる場合
は、輻射によるペレットへの熱供給は上方からのみであ
るため、ペレットの外装炭材内への埋没率は、ペレット
直径の半分(0.5)までは輻射伝熱面積には変化はなく、
ペレットへの輻射による熱供給を阻害することにはなら
ない。しかし、ペレットの埋没率が 0.5以上になると輻
射伝熱面積は小さくなり、ペレットの埋没率がペレット
直径(1.0) を超えると、輻射によるペレットへの直接の
熱供給はなくなり、外装炭材層の伝熱速度がペレットへ
の熱供給を律速することになり、ペレットの外装炭材内
への埋没率が 1.0を超えることは好ましくない。したが
って、ペレットの外装炭材内への埋没率は、ペレットの
直径の 0.5以上、1.0 以下とする。図3は埋没率の説明
図で、図3(a) は埋没率 0.5を、(b) は埋没率0.75を、
(c) は埋没率 1.0を示す。ここで、埋没率(X)と伝熱
投影面積の比(Z)との関係は、Z=4X(1−X)で
表される。
は、輻射によるペレットへの熱供給は上方からのみであ
るため、ペレットの外装炭材内への埋没率は、ペレット
直径の半分(0.5)までは輻射伝熱面積には変化はなく、
ペレットへの輻射による熱供給を阻害することにはなら
ない。しかし、ペレットの埋没率が 0.5以上になると輻
射伝熱面積は小さくなり、ペレットの埋没率がペレット
直径(1.0) を超えると、輻射によるペレットへの直接の
熱供給はなくなり、外装炭材層の伝熱速度がペレットへ
の熱供給を律速することになり、ペレットの外装炭材内
への埋没率が 1.0を超えることは好ましくない。したが
って、ペレットの外装炭材内への埋没率は、ペレットの
直径の 0.5以上、1.0 以下とする。図3は埋没率の説明
図で、図3(a) は埋没率 0.5を、(b) は埋没率0.75を、
(c) は埋没率 1.0を示す。ここで、埋没率(X)と伝熱
投影面積の比(Z)との関係は、Z=4X(1−X)で
表される。
【0009】また、ペレットの周囲に外装炭材がある
と、上記のO2、 CO2、水蒸気(H2O) の酸化性ガスは、外
装炭材の炭素と優先的に反応し、O2と CO2はCOに、水蒸
気はCOとH2に変化して、還元ペレットの金属鉄の再酸化
を抑制する。また、炭素の優先酸化によって生成したCO
がペレットを包み込むことによって酸化性ガスの拡散を
防ぎ、酸化性ガスのペレットとの接触を抑制する。
と、上記のO2、 CO2、水蒸気(H2O) の酸化性ガスは、外
装炭材の炭素と優先的に反応し、O2と CO2はCOに、水蒸
気はCOとH2に変化して、還元ペレットの金属鉄の再酸化
を抑制する。また、炭素の優先酸化によって生成したCO
がペレットを包み込むことによって酸化性ガスの拡散を
防ぎ、酸化性ガスのペレットとの接触を抑制する。
【0010】図1に、石炭配合率27質量%と20質量%の
2種類の炭材内装還元ペレットについて、1300℃の温度
で雰囲気ガス中の CO2濃度(vol%)と再酸化の関係を調
査した結果を示す。
2種類の炭材内装還元ペレットについて、1300℃の温度
で雰囲気ガス中の CO2濃度(vol%)と再酸化の関係を調
査した結果を示す。
【0011】図1に示すように、雰囲気ガス中にCO
2 (酸化性ガス)がない場合は、再酸化が起こらないた
め、ペレットの還元率は高く、雰囲気ガス中の CO2濃度
が高くなるにつれて再酸化が起こりペレットの還元率は
低下している。また、再酸化の度合いは石炭配合率の低
い方が大きい。その理由は、石炭配合率の低い方が還元
ペレットの表層部に残留する過剰石炭が少なく、そのた
め再酸化抑制効果が小さいからである。
2 (酸化性ガス)がない場合は、再酸化が起こらないた
め、ペレットの還元率は高く、雰囲気ガス中の CO2濃度
が高くなるにつれて再酸化が起こりペレットの還元率は
低下している。また、再酸化の度合いは石炭配合率の低
い方が大きい。その理由は、石炭配合率の低い方が還元
ペレットの表層部に残留する過剰石炭が少なく、そのた
め再酸化抑制効果が小さいからである。
【0012】また、雰囲気ガス中にCO2 がない場合は、
石炭配合率27質量%のペレットは 100%に近い還元率が
得られ、石炭配合率20質量%のペレットは96%の還元率
が得られている。しかし、高い還元率を得るために内装
炭材量を多くすることは、還元ペレット中にそれだけ多
くの炭材灰分を含むことになり、還元鉄の品位を低下さ
せることになる。
石炭配合率27質量%のペレットは 100%に近い還元率が
得られ、石炭配合率20質量%のペレットは96%の還元率
が得られている。しかし、高い還元率を得るために内装
炭材量を多くすることは、還元ペレット中にそれだけ多
くの炭材灰分を含むことになり、還元鉄の品位を低下さ
せることになる。
【0013】次に、石炭配合率20質量%の上記炭材内装
還元ペレットを石炭粉からなる外装炭材に埋め込んで13
00℃の温度で埋没率と再酸化の関係を調査した。その結
果を図2に示す。
還元ペレットを石炭粉からなる外装炭材に埋め込んで13
00℃の温度で埋没率と再酸化の関係を調査した。その結
果を図2に示す。
【0014】図2に示すように、ペレットの埋没率が大
きくなるにつれて、再酸化が抑制され、内装炭材の消費
率も低下し、ペレットの還元率が向上している。ペレッ
トの埋没率が 1.0になると、酸化性ガスはペレット表面
に接触できなくなるので再酸化は完全に抑制され、図1
に示した酸化性ガスがない(雰囲気ガス中にCO2 がな
い)場合と同じ還元率を示している。このように、炭材
内装ペレットを外装炭材内に埋没率でペレットの直径の
0.5〜1.0 の範囲内で埋没させることによって、石炭配
合率を27質量%から20質量%に低減しても、還元率が90
%以上の還元ペレットを得ることができる。したがっ
て、内装炭材を低減した分、炭材灰分が減少し還元鉄の
品位が向上する。
きくなるにつれて、再酸化が抑制され、内装炭材の消費
率も低下し、ペレットの還元率が向上している。ペレッ
トの埋没率が 1.0になると、酸化性ガスはペレット表面
に接触できなくなるので再酸化は完全に抑制され、図1
に示した酸化性ガスがない(雰囲気ガス中にCO2 がな
い)場合と同じ還元率を示している。このように、炭材
内装ペレットを外装炭材内に埋没率でペレットの直径の
0.5〜1.0 の範囲内で埋没させることによって、石炭配
合率を27質量%から20質量%に低減しても、還元率が90
%以上の還元ペレットを得ることができる。したがっ
て、内装炭材を低減した分、炭材灰分が減少し還元鉄の
品位が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例について
説明する。表1に示す化学組成の粉状原料酸化鉄 1kgに
対して、表2示す化学組成の石炭 0.2kgを還元剤として
混合し、バインダーと水を添加して直径約16〜20mmのペ
レットに成形、乾燥して炭材内装ペレットとした。炭材
内装ペレットの主な組成は、鉄分含有量:56.6質量%、
炭素含有量:13.4質量%、固定炭素含有量:12.4質量%
である。
説明する。表1に示す化学組成の粉状原料酸化鉄 1kgに
対して、表2示す化学組成の石炭 0.2kgを還元剤として
混合し、バインダーと水を添加して直径約16〜20mmのペ
レットに成形、乾燥して炭材内装ペレットとした。炭材
内装ペレットの主な組成は、鉄分含有量:56.6質量%、
炭素含有量:13.4質量%、固定炭素含有量:12.4質量%
である。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】この炭材内装ペレットを石炭チャーからな
る-6mmの外装炭材とともに回転炉床炉に装入し、バーナ
ー加熱で炉内雰囲気温度を1300℃に保持して還元した。
回転炉床炉への装入方法は、始めに炭材内装ペレットを
炉床面上に一層に装入し、次いで、外装炭材を炭材内装
ペレット 1kgに対して、約 0.4kgの割合で炭材内装ペレ
ット上に均一に装入する。装入された外装炭材は、炭材
内装ペレットとの粒度の違いにより、炭材内装ペレット
の隙間から炉床面上に落下し、炭材内装ペレットを埋没
させる。外装炭材を炭材内装ペレット 1kgに対して、約
0.4kg装入することで平均埋没率は0.75で、埋没率を
0.5〜1.0 の範囲に収めることができた。このときの還
元ペレットの性状を表3に示す。また、比較例として外
装炭材がない場合の還元ペレットの性状も表3に併記し
た。
る-6mmの外装炭材とともに回転炉床炉に装入し、バーナ
ー加熱で炉内雰囲気温度を1300℃に保持して還元した。
回転炉床炉への装入方法は、始めに炭材内装ペレットを
炉床面上に一層に装入し、次いで、外装炭材を炭材内装
ペレット 1kgに対して、約 0.4kgの割合で炭材内装ペレ
ット上に均一に装入する。装入された外装炭材は、炭材
内装ペレットとの粒度の違いにより、炭材内装ペレット
の隙間から炉床面上に落下し、炭材内装ペレットを埋没
させる。外装炭材を炭材内装ペレット 1kgに対して、約
0.4kg装入することで平均埋没率は0.75で、埋没率を
0.5〜1.0 の範囲に収めることができた。このときの還
元ペレットの性状を表3に示す。また、比較例として外
装炭材がない場合の還元ペレットの性状も表3に併記し
た。
【0019】
【表3】
【0020】表3に示すように、本発明法である外装炭
材ありの場合は、還元ペレットの再酸化は抑制され、金
属化率は92.2%である。一方、外装炭材なしの場合は、
還元ペレットの再酸化が起こり、金属化率は80.9%であ
る。
材ありの場合は、還元ペレットの再酸化は抑制され、金
属化率は92.2%である。一方、外装炭材なしの場合は、
還元ペレットの再酸化が起こり、金属化率は80.9%であ
る。
【0021】還元後、還元ペレットは外装炭材と共に排
出され、分離装置によって還元ペレットと外装炭材とに
分離され、回収した外装炭材は再度外装炭材として使用
される。分離方法としては外装炭材は-6mmと還元ペレッ
トに比べて小さいので、単純な粒度差による篩分けで可
能であるが、細粒側に粉化した還元ペレットが若干含ま
れるので、細粒側をさらに磁力選別することによって金
属鉄の歩留りを向上することができる。また再使用を繰
り返すことにより外装炭材中の灰分および還元ペレット
粉の濃度が高くなると炉床面への付着等が起こり易くな
るので、回収外装炭材の一部を系外に取り除く場合があ
る。この場合は、系外に取り除いた不足分を新しい外装
炭材で補う。一方、還元ペレットは製銑、製鋼原料とし
て使用される。なお、外装炭材には、粉コークス、石炭
チャー、石炭、オイルコークス等の炭素質物質が使用で
きる。
出され、分離装置によって還元ペレットと外装炭材とに
分離され、回収した外装炭材は再度外装炭材として使用
される。分離方法としては外装炭材は-6mmと還元ペレッ
トに比べて小さいので、単純な粒度差による篩分けで可
能であるが、細粒側に粉化した還元ペレットが若干含ま
れるので、細粒側をさらに磁力選別することによって金
属鉄の歩留りを向上することができる。また再使用を繰
り返すことにより外装炭材中の灰分および還元ペレット
粉の濃度が高くなると炉床面への付着等が起こり易くな
るので、回収外装炭材の一部を系外に取り除く場合があ
る。この場合は、系外に取り除いた不足分を新しい外装
炭材で補う。一方、還元ペレットは製銑、製鋼原料とし
て使用される。なお、外装炭材には、粉コークス、石炭
チャー、石炭、オイルコークス等の炭素質物質が使用で
きる。
【0022】実施例において、外装炭材の回収率が98質
量%で、回収外装炭材の10質量%を系外に取り除き、不
足分を新しい外装炭材で補う場合の炭材内装ペレット 1
kg当たりの外装炭材の補給量は以下の通りである。外装
炭材の消費量は、還元ペレットの再酸化量(還元ペレッ
トの酸素含有量の増加分と炭素含有量の低下分の和)に
ほぼ等しく、炭材内装ペレット 1kg当たり炭素量で約0.
03kgである。外装炭材の炭素含有量が約88%であれば、
外装炭材量で0.034kg(0.03÷0.88) の消費量である。回
収後の外装炭材量は0.36kg(0.366×0.98) で、10質量%
を系外に取り除くと不足分は0.08kg(0.4−0.324)であ
る。したがって、実施例において、埋没率を0.75に維持
し、還元作業を継続する場合は、炭材内装ペレット 1kg
当たり新しい外装炭材を0.08kg補給してやればよい。た
だし、外装炭材はバーナーの燃焼条件によっては、還元
ペレットの再酸化抑制以外にも消費されるため、バーナ
ーの燃焼条件によって外装炭材の補給量を調整すること
が必要である。
量%で、回収外装炭材の10質量%を系外に取り除き、不
足分を新しい外装炭材で補う場合の炭材内装ペレット 1
kg当たりの外装炭材の補給量は以下の通りである。外装
炭材の消費量は、還元ペレットの再酸化量(還元ペレッ
トの酸素含有量の増加分と炭素含有量の低下分の和)に
ほぼ等しく、炭材内装ペレット 1kg当たり炭素量で約0.
03kgである。外装炭材の炭素含有量が約88%であれば、
外装炭材量で0.034kg(0.03÷0.88) の消費量である。回
収後の外装炭材量は0.36kg(0.366×0.98) で、10質量%
を系外に取り除くと不足分は0.08kg(0.4−0.324)であ
る。したがって、実施例において、埋没率を0.75に維持
し、還元作業を継続する場合は、炭材内装ペレット 1kg
当たり新しい外装炭材を0.08kg補給してやればよい。た
だし、外装炭材はバーナーの燃焼条件によっては、還元
ペレットの再酸化抑制以外にも消費されるため、バーナ
ーの燃焼条件によって外装炭材の補給量を調整すること
が必要である。
【0023】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば、還元に必要な炭材をペレット中に内装
させ、還元ペレット表面の再酸化を抑制するために外装
炭材を用いることにより還元ペレット中の炭材灰分を減
少させ還元鉄の品位を向上させることができる。
本発明によれば、還元に必要な炭材をペレット中に内装
させ、還元ペレット表面の再酸化を抑制するために外装
炭材を用いることにより還元ペレット中の炭材灰分を減
少させ還元鉄の品位を向上させることができる。
【図1】石炭配合率27質量%と20質量%の2種類の炭材
内装還元ペレットについて、1300℃の温度で雰囲気ガス
中の CO2濃度(vol%)と再酸化の関係を調査した結果を
示す図である。
内装還元ペレットについて、1300℃の温度で雰囲気ガス
中の CO2濃度(vol%)と再酸化の関係を調査した結果を
示す図である。
【図2】石炭配合率20質量%の上記炭材内装還元ペレッ
トを石炭粉からなる外装炭材に埋め込んで1300℃の温度
で埋没率と再酸化の関係を調査した結果を示す図であ
る。
トを石炭粉からなる外装炭材に埋め込んで1300℃の温度
で埋没率と再酸化の関係を調査した結果を示す図であ
る。
【図3】埋没率の説明図で、図3(a) は埋没率 0.5を、
(b) は埋没率0.75を、(c) は埋没率 1.0を示す図であ
る。
(b) は埋没率0.75を、(c) は埋没率 1.0を示す図であ
る。
1…炭材内装ペレット、2…外装炭材、3…炉床。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 晉一 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内
Claims (1)
- 【請求項1】 炭材内装ペレットを、回転炉床炉を用い
て還元して還元鉄を製造する還元鉄の製造方法におい
て、炭材内装ペレットと外装炭材を回転炉床炉に装入
し、炭材内装ペレットの外装炭材内への埋没率が炭材内
装ペレットの直径の 0.5以上、 1.0以下である状態で炭
材内装ペレットを還元することを特徴とする還元鉄の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23226297A JPH1161216A (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | 還元鉄の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23226297A JPH1161216A (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | 還元鉄の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1161216A true JPH1161216A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16936506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23226297A Pending JPH1161216A (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | 還元鉄の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1161216A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002249813A (ja) * | 2001-02-21 | 2002-09-06 | Kobe Steel Ltd | 回転炉床式還元炉の操業方法 |
US6797034B2 (en) | 2001-05-30 | 2004-09-28 | Kabushiki Kaisha Seiko Sho | Method of producing reduced metals and apparatus for reducing metal oxides |
JP2008189972A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Jfe Steel Kk | 移動型炉床炉の操業方法 |
JP2012017526A (ja) * | 2011-09-14 | 2012-01-26 | Kobe Steel Ltd | 回転炉床式還元炉の操業方法 |
-
1997
- 1997-08-28 JP JP23226297A patent/JPH1161216A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002249813A (ja) * | 2001-02-21 | 2002-09-06 | Kobe Steel Ltd | 回転炉床式還元炉の操業方法 |
US6797034B2 (en) | 2001-05-30 | 2004-09-28 | Kabushiki Kaisha Seiko Sho | Method of producing reduced metals and apparatus for reducing metal oxides |
JP2008189972A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Jfe Steel Kk | 移動型炉床炉の操業方法 |
JP2012017526A (ja) * | 2011-09-14 | 2012-01-26 | Kobe Steel Ltd | 回転炉床式還元炉の操業方法 |
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