JPH1160594A - 胆汁酸誘導体 - Google Patents

胆汁酸誘導体

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JPH1160594A
JPH1160594A JP9227895A JP22789597A JPH1160594A JP H1160594 A JPH1160594 A JP H1160594A JP 9227895 A JP9227895 A JP 9227895A JP 22789597 A JP22789597 A JP 22789597A JP H1160594 A JPH1160594 A JP H1160594A
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JP
Japan
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group
compound
acid
formula
solvent
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Application number
JP9227895A
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English (en)
Inventor
Junichi Okada
純一 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sankyo Co Ltd filed Critical Sankyo Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、酸性pH領域において極めて溶解性
が高く、かつ粘膜障害性の少ない胆汁酸誘導体を提供す
る。 【解決手段】式 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性pH領域にお
いて極めて溶解性が高く、かつ粘膜障害性の少ない胆汁
酸誘導体またはそれらを含有する経鼻吸収促進剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、多くの生理活性ペプチドが、バイ
オテクノロジ−の発達により大量に入手でき、糖尿病、
骨粗鬆症等の様々な疾病に対する治療薬として知られて
いる[アドバンス・ドラッグ・デリバリー・レビュ−
ス、第10巻、第247頁、1993年:Adv. Drug. D
elivery Rev., 10, 247 (1993)等 ]。これらの生理活
性ペプチドは、消化管において分解されやすく加えて吸
収性が低いため、経口投与することは困難である。他の
投与方法として、例えば、経鼻投与が一般的に簡便であ
り、多くの生理活性ペプチドにおいて好適であると考え
られている。しかしながら、鼻腔粘膜における生理活性
ペプチドの吸収性が低いため、経鼻投与する場合には、
一般的に吸収促進剤の添加が必要とされている。
【0003】従来の吸収促進剤の多くは、粘膜障害性と
いう欠点を有していることが知られており[インターナ
ショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティク
ス、第9巻、第173頁、1981年:Int. J. Phar
m., 9, 173 (1981) 等]、粘膜障害性を有さない経鼻吸
収促進剤としては、コール酸、グリココール酸、デオキ
シコール酸、リトコール酸、ケノデオキシコール酸、グ
リコケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、
フシジン酸等の胆汁酸またはそれらの誘導体が知られて
いる[ファーマシューティカル・リサーチ、第12巻、
第1151頁、1995年:Pharm. Res., 12, 1151 (1
995)]。しかしながら、上記胆汁酸またはそれらの誘導
体は、全て酸性物質であるため、pH4.5以下の酸性
pH領域における溶解性が極めて低いという欠点を有し
ている。
【0004】生理活性ペプチドの中には、ヒトカルシト
ニンのように酸性pH領域においてのみ安定であるもの
もあり、それらを経鼻投与する際に、吸収促進剤として
上記胆汁酸またはそれらの誘導体を配合することは極め
て困難であった。酸性pH領域において溶解性を有する
吸収促進剤としては、例えば、ジメチル−β−シクロデ
キストリン、リゾフォスファチジルコリンが知られてい
るが、ジメチル−β−シクロデキストリンおよびリゾフ
ォスファチジルコリンは、粘膜上の繊毛運動の阻害およ
び粘膜上皮細胞の脱落等の、粘膜障害性を有する[ジャ
ーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンシー
ズ、第86巻、第147頁、1997年:J. Pharm. Sc
i., 86, 147 (1997)]。このような背景から、臨床上、
酸性pH領域において溶解性が極めて高く、かつ粘膜障
害性が少ないという両性質を有する経鼻吸収促進剤の開
発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、長年に
亘り、一連の胆汁酸誘導体の合成とそれらの作用につい
て検討してきた。その結果、特異な構造を有する胆汁酸
誘導体が、酸性pH領域において極めて溶解性が高く、
かつ粘膜障害性の少ない、経鼻吸収促進剤として有用で
あることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明の胆汁酸誘導体
は、一般式
【0007】
【化7】
【0008】を有する。
【0009】上記式中、R1 は、塩基性アミノ酸残基
(但し、該基は塩基性アミノ酸残基中の窒素原子を介し
てAと結合する。)を示し、R2 は、一般式
【0010】
【化8】
【0011】(上記式中、R3 およびR4 は、同一また
は異なって、水素原子または水酸基を示す。)または式
【0012】
【化9】
【0013】を有する基を示し、Aは、単結合または式
−NHCH2 CO−を有する基を示す。
【0014】上記に於て、R1 の定義に於ける「塩基性
アミノ酸残基」の塩基性アミノ酸とは、下記アルギニン
(IV)、リジン(V)、ヒドロキシリジン(VI)ま
たはヒスチジン(VII)を示す。
【0015】
【化10】
【0016】塩基性アミノ酸残基とは、上記塩基性アミ
ノ酸(IV)乃至(VII)中の窒素原子を介してAと
結合する基であり、そのような塩基性アミノ酸残基とし
ては、下記式(IV−1)−(IV−4)、(V−
1)、(V−2)、(VI−1)、(VI−2)または
(VII−1)−(VII−3)を有する基
【0017】
【化11】
【0018】であり、好適には、アルギニン残基、リジ
ン残基またはヒドロキシリジン残基であり、更に好適に
は、式(IV−1)、(IV−4)、(V−1)または
(V−2)を有する基であり、より好適には、式(IV
−4)または(V−2)を有する基であり、特に好適に
は、式(V−2)を有する基である。
【0019】本発明の化合物(I)は、いずれもD体ま
たはL体が存在するが、その各々、或はそれらの任意の
割合の化合物のいずれも本発明に包含される。そのよう
な立体異性体は、光学分割された原料化合物を用いて合
成するか、或は所望により通常の光学分割法または分離
法を用いて光学分割することができる。
【0020】本発明の化合物(I)は、分子内に不斉炭
素原子を有し、R配位、S配位である立体異性体が存在
するが、その各々、或はそれらの任意の割合の化合物の
いずれも本発明に包含される。そのような立体異性体
は、光学分割された原料化合物を用いて化合物(I)を
合成するか或は合成した化合物(I)を所望により通常
の光学分割法または分離法を用いて光学分割することが
できる。
【0021】本発明の化合物(I)において、R2 は、
好適には、一般式
【0022】
【化12】
【0023】[上記式中、R3 およびR4 は、前述した
ものと同意義を示す。]または式
【0024】
【化13】
【0025】を有する基である。
【0026】本発明の化合物(I)において、好適な化
合物としては、(1)R1 が、アルギニン残基、リジン
残基またはヒドロキシリジン残基である化合物、(2)
1 が、式(IV−1)、(IV−4)、(V−1)ま
たは(V−2)を有する基である化合物、(3)R1
が、式(IV−4)または(V−2)を有する基である
化合物、(4)R1 が、式(V−2)を有する基である
化合物、(5)R2 が、一般式(II)を有する基であ
る化合物、(6)R3 およびR4 が、水酸基である化合
物、(7)Aが、式−NHCH2 CO−を有する基であ
る化合物を挙げることができ、R1 においては、
(1)、(2)、(3)、(4)の順で好適な順位が上
がる。
【0027】また、(1)−(4)、(5)、(6)お
よび(7)から成る群より2乃至4選択し、それらを任
意に組み合わせたものも好適であり、例えば、以下のも
のを挙げることができる。(8)R1 が、式(IV−
1)、(IV−4)、(V−1)または(V−2)を有
する基であり、R2 が、一般式(II)を有する基であ
る化合物、(9)R1 が、式(IV−1)、(IV−
4)、(V−1)または(V−2)を有する基であり、
2 が、一般式(II)を有する基であり、R3 および
4 が、水酸基である化合物、(10)R1 が、式(I
V−4)または(V−2)を有する基であり、R2 が、
一般式(II)を有する基であり、R3 およびR4 が、
水酸基であり、Aが、式−NHCH2 CO−を有する基
である化合物。
【0028】本発明の化合物として、表1および表2に
記載する化合物を挙げることができる。但し、表中にお
いて、R1 は、下記式(IV−1)−(IV−4)、
(V−1)、(V−2)、(VI−1)、(VI−2)
または(VII−1)−(VII−3)を有する基
【0029】
【化14】
【0030】を示し、Single bond は、単結合を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【化15】
【0033】 Cpd.No. R1 R3 R4 A 1-1 IV-1 H H Single bond 1-2 IV-1 H OH Single bond 1-3 IV-1 H H -NHCH2CO- 1-4 IV-1 H OH -NHCH2CO- 1-5 IV-1 OH H Single bond 1-6 IV-1 OH OH Single bond 1-7 IV-1 OH H -NHCH2CO- 1-8 IV-1 OH OH -NHCH2CO- 1-9 IV-2 H H Single bond 1-10 IV-2 H OH Single bond 1-11 IV-2 H H -NHCH2CO- 1-12 IV-2 H OH -NHCH2CO- 1-13 IV-2 OH H Single bond 1-14 IV-2 OH OH Single bond 1-15 IV-2 OH H -NHCH2CO- 1-16 IV-2 OH OH -NHCH2CO- 1-17 IV-3 H H Single bond 1-18 IV-3 H OH Single bond 1-19 IV-3 H H -NHCH2CO- 1-20 IV-3 H OH -NHCH2CO- 1-21 IV-3 OH H Single bond 1-22 IV-3 OH OH Single bond 1-23 IV-3 OH H -NHCH2CO- 1-24 IV-3 OH OH -NHCH2CO- 1-25 IV-4 H H Single bond 1-26 IV-4 H OH Single bond 1-27 IV-4 H H -NHCH2CO- 1-28 IV-4 H OH -NHCH2CO- 1-29 IV-4 OH H Single bond 1-30 IV-4 OH OH Single bond 1-31 IV-4 OH H -NHCH2CO- 1-32 IV-4 OH OH -NHCH2CO- 1-33 V-1 H H Single bond 1-34 V-1 H OH Single bond 1-35 V-1 H H -NHCH2CO- 1-36 V-1 H OH -NHCH2CO- 1-37 V-1 OH H Single bond 1-38 V-1 OH OH Single bond 1-39 V-1 OH H -NHCH2CO- 1-40 V-1 OH OH -NHCH2CO- 1-41 V-2 H H Single bond 1-42 V-2 H OH Single bond 1-43 V-2 H H -NHCH2CO- 1-44 V-2 H OH -NHCH2CO- 1-45 V-2 OH H Single bond 1-46 V-2 OH OH Single bond 1-47 V-2 OH H -NHCH2CO- 1-48 V-2 OH OH -NHCH2CO- 1-49 VI-1 H H Single bond 1-50 VI-1 H OH Single bond 1-51 VI-1 H H -NHCH2CO- 1-52 VI-1 H OH -NHCH2CO- 1-53 VI-1 OH H Single bond 1-54 VI-1 OH OH Single bond 1-55 VI-1 OH H -NHCH2CO- 1-56 VI-1 OH OH -NHCH2CO- 1-57 VI-2 H H Single bond 1-58 VI-2 H OH Single bond 1-59 VI-2 H H -NHCH2CO- 1-60 VI-2 H OH -NHCH2CO- 1-61 VI-2 OH H Single bond 1-62 VI-2 OH OH Single bond 1-63 VI-2 OH H -NHCH2CO- 1-64 VI-2 OH OH -NHCH2CO- 1-65 VII-1 H H Single bond 1-66 VII-1 H OH Single bond 1-67 VII-1 H H -NHCH2CO- 1-68 VII-1 H OH -NHCH2CO- 1-69 VII-1 OH H Single bond 1-70 VII-1 OH OH Single bond 1-71 VII-1 OH H -NHCH2CO- 1-72 VII-1 OH OH -NHCH2CO- 1-73 VII-2 H H Single bond 1-74 VII-2 H OH Single bond 1-75 VII-2 H H -NHCH2CO- 1-76 VII-2 H OH -NHCH2CO- 1-77 VII-2 OH H Single bond 1-78 VII-2 OH OH Single bond 1-79 VII-2 OH H -NHCH2CO- 1-80 VII-2 OH OH -NHCH2CO- 1-81 VII-2 H H Single bond 1-82 VII-3 H OH Single bond 1-83 VII-3 H H -NHCH2CO- 1-84 VII-3 H OH -NHCH2CO- 1-85 VII-3 OH H Single bond 1-86 VII-3 OH OH Single bond 1-87 VII-3 OH H -NHCH2CO- 1-88 VII-3 OH OH -NHCH2CO-
【0034】
【表2】
【0035】
【化16】
【0036】 Cpd.No. R1 A 2-1 IV-1 Single bond 2-2 IV-1 -NHCH2CO- 2-3 IV-2 Single bond 2-4 IV-2 -NHCH2CO- 2-5 IV-3 Single bond 2-6 IV-3 -NHCH2CO- 2-7 IV-4 Single bond 2-8 IV-4 -NHCH2CO- 2-9 V-1 Single bond 2-10 V-1 -NHCH2CO- 2-11 V-2 Single bond 2-12 V-2 -NHCH2CO- 2-13 VI-1 Single bond 2-14 VI-1 -NHCH2CO- 2-15 VI-2 Single bond 2-16 VI-2 -NHCH2CO- 2-17 VII-1 Single bond 2-18 VII-1 -NHCH2CO- 2-19 VII-2 Single bond 2-20 VII-2 -NHCH2CO- 2-21 VII-3 Single bond 2-22 VII-3 -NHCH2CO-
【0037】上記表1および表2において、好適には、 化合物番号1−6:2−アミノ−5−{N’−[4−
(3,7,12−トリヒドロキシ−10,13−ジメチ
ルヘキサデカヒドロシクロペンタ[a]フェナンスレン
−17−イル)ペンタノイル]グアニジノ}ペンタン
酸、 化合物番号1−8:2−アミノ−5−{N’−([4−
(3,7,12−トリヒドロキシ−10,13−ジメチ
ルヘキサデカヒドロシクロペンタ[a]フェナンスレン
−17−イル)ペンタノイルアミノ]アセチル)グアニ
ジノ}ペンタン酸、 化合物番号1−30:5−グアニジノ−2−[4−
(3,7,12−トリヒドロキシ−10,13−ジメチ
ルヘキサデカヒドロシクロペンタ[a]フェナンスレン
−17−イル)ペンタノイルアミノ]ペンタン酸、 化合物番号1−32:5−グアニジノ−2−{[4−
(3,7,12−トリヒドロキシ−10,13−ジメチ
ルヘキサデカヒドロシクロペンタ[a]フェナンスレン
−17−イル)ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}
ペンタン酸、 化合物番号1−38:2−アミノ−6−[4−(3,
7,12−トリヒドロキシ−10,13−ジメチルヘキ
サデカヒドロシクロペンタ[a]フェナンスレン−17
−イル)ペンタノイルアミノ]ヘキサン酸、 化合物番号1−40:2−アミノ−6−{[4−(3,
7,12−トリヒドロキシ−10,13−ジメチルヘキ
サデカヒドロシクロペンタ[a]フェナンスレン−17
−イル)ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}ヘキサ
ン酸、 化合物番号1−46:6−アミノ−2−[4−(3,
7,12−トリヒドロキシ−10,13−ジメチルヘキ
サデカヒドロシクロペンタ[a]フェナンスレン−17
−イル)ペンタノイルアミノ]ヘキサン酸、 化合物番号1−48:6−アミノ−2−{[4−(3,
7,12−トリヒドロキシ−10,13−ジメチルヘキ
サデカヒドロシクロペンタ[a]フェナンスレン−17
−イル)ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}ヘキサ
ン酸、または 化合物番号2−11:2−[2−(16−アセトキシ−
3,11−ジヒドロキシ−4,8,10,14−テトラ
メチルヘキサデカヒドロシクロペンタ[a]フェナンス
レン−17−イリデン)−6−メチル−5−ヘプテノイ
ルアミノ]−6−アミノヘキサン酸 の化合物を挙げることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(I)を有する化
合物は、以下に示す方法に従って容易に製造できる。
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】上記式中、R1 、R2 およびAは前述した
ものと同意義を示し、R5 は、保護された塩基性アミノ
酸残基(塩基性アミノ酸残基中のカルボキシ基および、
Aと結合する窒素原子以外のアミノ基またはイミノ基が
保護されている他、前述した塩基性アミノ酸残基と同意
義を示す。)を示し、R6 は、アミノ基の保護基(R5
の定義に於ける塩基性アミノ酸残基中のカルボキシ基、
アミノ基およびイミノ基の保護基の除去方法とは異なっ
た除去方法を用いるアミノ基の保護基を示す。)を示
す。
【0042】カルボキシ基の保護基は、有機合成化学の
分野で使用されるカルボキシ基の保護基であれば特に限
定されないが、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、2−メチルプロピル、ブチル、イソブチ
ル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロ
ピル、ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、
3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチル
ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチル
ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブ
チル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチ
ルのようなC1 −C6 アルキル基;フルオロメチル、ク
ロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロ
ロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリ
クロロメチル、トリブロモメチル、2,2,2−トリク
ロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フ
ルオロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチル、
2−ヨードエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2
−ジクロロエチル、2,2−ジブロモエチル、3−クロ
ロプロピル、4−フルオロブチル、6−ヨードヘキシル
のような、弗素原子、臭素原子、塩素原子および沃素原
子から成る群から選択された1乃至3個のハロゲン原子
で置換されたC1 −C6 アルキル基;メトキシメチル、
1,1−ジメチル−1−メトキシメチル、エトキシメチ
ル、n−プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、n
−ブトキシメチル、イソブトキシメチル、s−ブトキシ
メチル、t−ブトキシメチル、n−ペンチルオキシメチ
ル、n−ヘキシルオキシメチルのようなC2 −C7 アル
コキシメチル基;フェニル、インデニル、ナフチルのよ
うなC6 −C10アリ−ル基;ベンジル、フェネチル、3
−フェニルプロピル、1−ナフチルメチル、2−ナフチ
ルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1
−ナフチルジフェニルメチル、9−アンスリルメチル、
4−メチルベンジル、2,4,6−トリメチルベンジ
ル、3,4,5−トリメチルベンジル、4−メトキシベ
ンジル、4−メトキシフェニルジフェニルメチル、2−
ニトロベンジル、3−ニトロベンジル、4−ニトロベン
ジル、4−フルオロベンジル、4−クロロベンジル、4
−ブロモベンジル、4−シアノベンジル、4−シアノベ
ンジルジフェニルメチル、ビス(2−ニトロフェニル)
メチル、ピペロニルのような、C1−C6 アルキル、C1
−C6 アルコキシ、ニトロ、ハロゲン若しくはシアノ
で置換されてもよい1乃至3個のC6 −C10アリ−ルで
置換されたC1 −C6 アルキル基;4−ピコリル基であ
り、好適には、C1 −C6 アルキル基またはC1 −C6
アルキル、C1 −C6 アルコキシ、ニトロ、ハロゲン若
しくはシアノで置換されてもよい1乃至3個のC6 −C
10アリ−ルで置換されたC1 −C6 アルキル基であり、
特に好適には、メチル基、エチル基またはベンジル基で
ある。
【0043】アミノ基またはイミノ基の保護基は、有機
合成化学の分野で使用されるアミノ基またはイミノ基の
保護基であれば特に限定されないが、例えば、ホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリ
ル、ヘキサノイル、クロロアセチル、ジクロロアセチ
ル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、3−
フルオロプロピオニル、4,4−ジクロロブチリル、メ
トキシアセチル、ブトキシアセチル、エトキシプロピオ
ニルまたはプロポキシブチリルのような、ハロゲン若し
くはC1 −C6 アルコキシで置換されてもよいC1 −C
7 アルカノイル基;メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボ
ニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、
s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ク
ロロメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニル、2−フルオロプロポキシカルボニル、
2−ブロモ−t−ブトキシカルボニル、2,2−ジブロ
モ−t−ブトキシカルボニル、トリエチルシリルメトキ
シカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニ
ル、4−トリプロピルシリルブトキシカルボニル、t−
ブチルジメチルシリルプロポキシカルボニルのような、
ハロゲン若しくはトリC1 −C6 アルキルシリルで置換
されてもよいC2 −C7 アルコキシカルボニル基;ベン
ゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル、2−フルオ
ロベンゾイル、2−ブロモベンゾイル、2,4−ジクロ
ロベンゾイル、6−クロロ−1−ナフトイル、4−トル
オイル、4−プロピルベンゾイル、4−t−ブチルベン
ゾイル、2,4,6−トリメチルベンゾイル、6−エチ
ル−1−ナフトイル、4−アニソイル、4−プロポキシ
ベンゾイル、4−t−ブトキシベンゾイル、6−エトキ
シ−1−ナフトイル、2−エトキシカルボニルベンゾイ
ル、4−t−ブトキシカルボニルベンゾイル、6−メト
キシカルボニル−1−ナフトイル、4−フェニルベンゾ
イル、4−フェニル−1−ナフトイル、6−1−ナフチ
ルベンゾイル、4−ニトロベンゾイル、2−ニトロベン
ゾイル、6−ニトロ−1−ナフトイルのような、C1
6 アルキル、C1 −C6 アルコキシ、ハロゲン、C2
−C7 アルコキシカルボニル、C6 −C10アリ−ル若し
くはニトロで置換されてもよいC7 −C11アリ−ルカル
ボニル基;フタロイル、イソフタロイルのようなC8
12アリ−ルジカルボニル基;ベンジル、フェネチル、
3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、1−ナフ
チルメチル、2−ナフチルメチル、ジフェニルメチル、
トリフェニルメチル、1−ナフチルジフェニルメチル、
9−アンスリルメチルのような1乃至3個のC6 −C10
アリ−ルで置換されたC1 −C6 アルキル基;ベンジル
オキシカルボニル、(1−フェニル)ベンジルオキシカ
ルボニル、1−ナフチルメチルオキシカルボニル、2−
ナフチルメチルオキシカルボニル、9−フルオレニルメ
チルオキシカルボニル、9−アンスリルメチルオキシカ
ルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、
3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−ク
ロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベン
ジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカル
ボニル、4−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル
のような、メトキシ、ハロゲン、ニトロ若しくはフェニ
ルで置換されてもよいC6 −C10アリ−ルで置換された
2 −C7 アルキコキシカルボニル基;2−メチルフェ
ニルスルホニル、4−メチルフェニルスルホニル、メシ
チレン−2−スルホニル、2−メトキシベンゼンスルホ
ニル、4−メトキシベンゼンスルホニル、4−メトキシ
−2,6−ジメチルベンゼンスルホニルのような、メチ
ル若しくはメトキシで置換されたC6 −C10アリ−ルス
ルホニル基;フェニルアゾベンジルオキシカルボニル、
2−メトキシフェニルアゾベンジルオキシカルボニル、
3−メトキシフェニルアゾベンジルオキシカルボニル、
4−メトキシフェニルアゾベンジルオキシカルボニルの
ような、メトキシで置換されてもよいフェニルアゾベン
ジルオキシカルボニル基;イソニコチルオキシカルボニ
ル基;ニトロ基である。
【0044】アミノ基の保護基として、好適には、C2
−C7 アルコキシカルボニル基またはメトキシ、ハロゲ
ン、ニトロ若しくはフェニルで置換されてもよいC6
10アリ−ルで置換されたC2 −C7 アルキコキシカル
ボニル基であり、特に好適には、t−ブトキシカルボニ
ル基またはベンジルオキシカルボニル基である。
【0045】イミノ基の保護基としては、好適には、メ
チル若しくはメトキシで置換されたC6 −C10アリ−ル
スルホニル基またはニトロ基であり、特に好適には、4
−メチルフェニルスルホニル基またはニトロ基である。
【0046】A法は一般式(I)を有する化合物を製造
する方法である。第A1工程は、一般式(X)を有する
化合物を製造する工程で、不活性溶媒中、一般式(VI
II)を有する化合物またはその反応性誘導体(酸ハラ
イド類、活性エステル類または混合酸無水物類)と一般
式(IX)を有する化合物またはその酸付加塩(例え
ば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩のような鉱産塩)を反応さ
せる工程であり、ペプチド合成法における常法、例え
ば、酸ハライド法、活性エステル法、混合酸水物法また
は縮合法(好適には、混合酸無水物法)によって行われ
る。
【0047】酸ハライド法は、不活性溶媒中、化合物
(VIII)をハロゲン化剤(例えば、チオニルクロリ
ド、シュウ酸クロリド、五塩化リン等)と反応させ、酸
ハライド類を製造し、その酸ハライド類と化合物(I
X)またはその酸付加塩を、不活性溶媒中、塩基の存在
下または非存在下(好適には存在下)、反応させること
により行われる。使用される塩基は、例えば、炭酸リチ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ
金属炭酸塩類;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩
類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金
属水酸化物類;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド
のようなアルカリ金属アルコキシド類;メチルメルカプ
タンナトリウム、エチルメルカプタンナトリウムのよう
なメルカプタンアルカリ金属類;ヒドラジン、メチルア
ミン、ジメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、
N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメ
チルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシク
ロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DB
U)のような有機アミン類であり、好適には、有機アミ
ン類(特に好適には、トリエチルアミン)である。
【0048】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解する物であれば特に限定は
ないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロインまた
は石油エ−テルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、
トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のよう
なハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
メトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ルのようなエーテル類;アセトンのようなケトン類;ホ
ルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド
類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホ
キシド類であり、好適にはアミド類(特に好適には、ジ
メチルホルムアミド)である。
【0049】反応温度は、原料化合物、試薬等により異
なるが、ハロゲン化剤と化合物(VIII)の反応およ
び酸ハライド類と化合物(IX)またはその酸付加塩と
の反応とも、通常、−20℃乃至150℃であり、好適
には、ハロゲン化剤と化合物(VIII)との反応は−
10℃乃至50℃であり、酸ハライド類と化合物(I
X)またはその酸付加塩との反応は0℃乃至100℃で
ある。反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度等によ
り異なるが、両反応ともに、通常、30分間乃至80時
間(好適には、1時間乃至48時間)である。
【0050】反応終了後、本工程の目的化合物(X)は
常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応
終了後、溶媒を留去すること、または溶媒を留去した残
渣に水を注ぎ、水と混和しない溶媒(例えば、ベンゼ
ン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽
出し、抽出した有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウム
等で乾燥し、溶媒を留去することによって目的化合物が
得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例
えば、再結晶、再沈澱またはクロマトグラフィー等によ
って更に精製できる。
【0051】活性エステル法は、不活性溶媒中、化合物
(VIII)と活性エステル化剤を反応させ、活性エス
テル類を製造した後、不活性溶媒中、化合物(IX)ま
たはその酸付加塩と反応させることによって行われる。
使用される活性エステル化剤は、例えば、N−ヒドロキ
シサクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボキシイミドのようなN−ヒドロキシ化合物;ジピリ
ジルジスルフィドのようなジスルフィド化合物であり、
活性エステル化反応は、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、カルボニルジイミダゾール、トリフェニルホスフィ
ンのような縮合剤の存在下に好適に行われる。
【0052】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解する物であれば特に限定は
ないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロインまた
は石油エ−テルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、
トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のよう
なハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
メトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ルのようなエーテル類;アセトンのようなケトン類;ホ
ルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド
類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホ
キシド類であり、好適にはエーテル類(特に好適には、
テトラヒドロフラン)またはアミド類(特に好適には、
ジメチルホルムアミド)である。
【0053】反応温度は、原料化合物、試薬等により異
なるが、通常、活性エステル化反応では、−70℃乃至
150℃(好適には、−10℃乃至100℃)であり、
活性エステル類と化合物(IX)またはその酸付加塩と
の反応では、−20℃乃至100℃(好適には、0℃乃
至50℃)である。反応時間は、原料化合物、試薬、反
応温度等により異なるが、両反応ともに、通常、30分
間乃至80時間(好適には、1時間乃至48時間)であ
る。
【0054】反応終了後、本工程の目的化合物(X)は
常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応
終了後、溶媒を留去すること、または溶媒を留去した残
渣に水を注ぎ、水と混和しない溶媒(例えば、ベンゼ
ン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽
出し、抽出した有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウム
等で乾燥し、溶媒を留去することによって目的化合物が
得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例
えば、再結晶、再沈澱またはクロマトグラフィー等によ
って更に精製できる。
【0055】混合酸無水物法は、不活性溶媒中、塩基存
在下または非存在下(好適には、存在下)、化合物(V
III)と混合酸無水物化剤を反応させ、混合酸無水物
類を製造した後、不活性溶媒中、混合酸無水物類と化合
物(IX)またはその酸付加塩を反応させることにより
行われる。使用される塩基は、例えば、炭酸リチウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭
酸塩類;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;水素化
リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムのような
アルカリ金属水素化物類;水酸化リチウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物
類;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなア
ルカリ金属アルコキシド類;メチルメルカプタンナトリ
ウム、エチルメルカプタンナトリウムのようなメルカプ
タンアルカリ金属類;ヒドラジン、メチルアミン、ジメ
チルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、トリブ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチル
モルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミ
ノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジ
エチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.
0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.
2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシ
クロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のよ
うな有機アミン類であり、好適には有機アミン類(特に
好適には、トリエチルアミン)である。
【0056】使用される混合酸無水物化剤は、例えば、
クロル炭酸エチル、クロル炭酸イソブチルのような炭酸
1 −C4 アルキルハライド;ピバロイルクロリドのよ
うなC 1−C5 アルカノイルハライド;ジエチルシアノ
リン酸、ジフェニルシアノリン酸のようなジC1 −C4
アルキル若しくはジC 6−C14アリールシアノリン酸で
あり、好適には、ジC1 −C4 アルキル若しくはジC 6
−C14アリールシアノリン酸(特に好適には、ジエチル
シアノリン酸)である。混合酸無水物類を製造する反応
に於て使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず、出発
物質をある程度溶解する物であれば特に限定はないが、
例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロインまたは石油エ
−テルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のようなハロ
ゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキ
シエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのよ
うなエーテル類;アセトンのようなケトン類;ホルムア
ミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;ジメ
チルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類
であり、好適にはアミド類(特に好適には、ジメチルホ
ルムアミド)である。
【0057】混合酸無水物類を製造する反応に於ける反
応温度は、原料化合物、試薬等により異なるが、通常、
−50℃乃至100℃(好適には、−10℃乃至50
℃)である。混合酸無水物類を製造する反応に於ける反
応時間は、原料化合物、試薬、反応温度等により異なる
が、通常、5分間乃至24時間(好適には、30分間乃
至16時間)である。
【0058】混合酸無水物類と化合物(IX)またはそ
の酸付加塩との反応は、不活性溶媒中、塩基の存在下ま
たは非存在下(好適には、存在下)で行われ、使用され
る塩基および不活性溶媒は、前述された混合酸無水物類
を製造する反応において使用されるものと同様である。
【0059】混合酸無水物類と化合物(IX)またはそ
の酸付加塩の反応に於ける反応温度は、原料化合物、試
薬等により異なるが、通常、−30℃乃至100℃(好
適には、0℃乃至80℃)である。混合酸無水物類と化
合物(IX)またはその酸付加塩の反応に於ける反応時
間は、原料化合物、試薬、反応温度等により異なるが、
通常、5分間乃至24時間(好適には、30分間乃至1
6時間)である。また、本反応において、ジC1 −C4
アルキルシアノリン酸またはジC6 −C14アリールシア
ノリン酸を使用する場合には、塩基の存在下、化合物
(VIII)と化合物(IX)を直接反応させることも
できる。
【0060】反応終了後、本工程の目的化合物(X)は
常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応
終了後、溶媒を留去すること、または溶媒を留去した残
渣に水を注ぎ、水と混和しない溶媒(例えば、ベンゼ
ン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽
出し、抽出した有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウム
等で乾燥し、溶媒を留去することによって目的化合物が
得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例
えば再結晶、再沈澱またはクロマトグラフィー等によっ
て更に精製できる。
【0061】縮合法は、不活性溶媒中、縮合剤存在下、
化合物(VIII)と化合物(IX)またはその酸付加
塩を直接反応させることによって行われる。使用される
縮合剤は、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、
カルボニルジイミダゾール;1−メチル−2−クロロ−
ピリジニウムヨージド−トリエチルアミンであり、好適
には、ジシクロヘキシルカルボジイミドである。本反応
は、前記の活性エステル類を製造する反応と同様の条件
下で行うことができる。
【0062】第A2工程は、一般式(I)を有する化合
物を製造する工程で、化合物(X)のカルボキシ基、ア
ミノ基およびイミノ基の保護基を除去することにより行
われる。カルボキシ基の保護基の除去はその種類によっ
て異なるが、一般に有機合成化学の技術において周知の
方法によって以下の様に実施される。
【0063】カルボキシ基の保護基が、t−ブチル基ま
たはC2 −C7 アルコキシメチル基である場合には、通
常、不活性溶媒中、酸で処理することにより保護基を除
去することができる。使用される酸は、塩酸、硫酸、リ
ン酸、臭化水素酸のような無機酸、トリフルオロ酢酸の
ような有機酸を挙げることができ、好適には、塩酸、硫
酸、リン酸、臭化水素酸またはトリフルオロ酢酸であ
る。
【0064】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、
石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、ト
ルエンまたはキシレンのような芳香族炭化水素類;ジク
ロロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のよ
うなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエー
テルのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのよ
うなエステル類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール
類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなア
ミド類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなス
ルホキシド類;蟻酸、酢酸のような脂肪酸類;水;また
は水と上記溶媒との混合溶媒であり、好適には、ハロゲ
ン化炭化水素類、エーテル類、アルコール類、脂肪酸類
または水と上記溶媒との混合溶媒であり、更に好適には
ハロゲン化炭化水素類(特に好適には、メチレンクロリ
ド)、エーテル類(特に好適には、テトラヒドロフラン
またはジオキサン)、脂肪酸類(特に好適には、酢酸)
または水と上記溶媒との混合溶媒である。
【0065】反応温度は、原料化合物、溶媒、使用され
る酸等により異なるが、通常、−10℃乃至150℃
(好適には、0℃乃至60℃)である。反応時間は、原
料化合物、溶媒、使用される酸、反応温度等により異な
るが、通常、5分間乃至20時間(好適には、10分間
乃至5時間)である。
【0066】カルボキシ基の保護基が、C1 −C6 アル
キル基またはC6 −C10アリ−ル基である場合には、通
常、不活性溶媒中、塩基で処理することにより保護基を
除去することができる。使される塩基は、化合物の他の
部分に影響を与えないものであれば特に限定はないが、
例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
のようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素リチウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ
金属重炭酸塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、
水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのよう
なアルカリ金属水酸化物類;ナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、リチウ
ムメトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;メ
チルメルカプタンナトリウム、エチルメルカプタンナト
リウムのようなメルカプタンアルカリ金属類;ヒドラジ
ン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−
(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチ
ルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジア
ザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジ
アザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−
エン(DBU)のような有機アミン類であり、好適に
は、アルカリ金属炭酸塩類(特に好適には、炭酸ナトリ
ウムまたは炭酸カリウム)、アルカリ金属水酸化物類
(特に好適には、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウ
ム)、アルカリ金属アルコキシド類(特に好適には、ナ
トリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたはカリ
ウム−t−ブトキシド)または有機アミン類(特に好適
には、ヒドラジンまたはメチルアミン)である。
【0067】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、
石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、ト
ルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のような
ハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメ
トキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル
のようなエーテル類;メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコ
ール類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのよう
なアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホランのよう
なスルホキシド類;水;水と上記溶媒との混合溶媒であ
り、好適には、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ア
ルコール類または水と上記溶媒との混合溶媒であり、更
に好適には、エーテル類(特に好適には、テトラヒドロ
フランまたはジオキサン)、アルコール類(特に好適に
は、メタノール、エタノール)または水と上記溶媒との
混合溶媒である。
【0068】反応温度は、原料化合物、溶媒、使用され
る塩基等により異なるが、通常、−10℃乃至150℃
(好適には、0℃乃至50℃)である。反応時間は、原
料化合物、溶媒、使用される塩基、反応温度等により異
なるが、通常、30分間乃至20時間(好適には、1時
間乃至5時間)である。
【0069】カルボキシ基の保護基が、1乃至3個のハ
ロゲン原子で置換されたC1 −C6アルキル基、置換さ
れてもよい1乃至3個のC6 −C10アリ−ル基で置換さ
れたC1 −C6 アルキル基、または4−ピコリル基であ
る場合には、通常、不活性溶媒中、還元剤(接触還元を
含む。)または酸化剤を用いて保護基を除去することが
できる。カルボキシ基の保護基が、1乃至3個のハロゲ
ン原子で置換されたC1 −C6アルキル基である場合に
は、亜鉛−酢酸のような化学的還元により保護基を除去
する方法が好適であり、カルボキシ基の保護基が、置換
されてもよい1乃至3個のC6 −C10アリ−ル基で置換
されたC1 −C6 アルキル基、または4−ピコリル基で
ある場合には、接触還元または酸化剤を用いて保護基を
除去する方法が好適である。
【0070】接触還元による保護基の除去反応の場合に
おいて、使用される不活性溶媒は、本反応に関与しない
ものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘ
プタン、リグロイン、石油エ−テルのような脂肪族炭化
水素類;トルエン、ベンゼン、キシレンのような芳香族
炭化水素類;ジエチルエ−テル、ジソプロピルエ−テ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタ
ン、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テルのようなエ
−テル類;酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル
類;メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、イソプロ
パノ−ル、ブタノ−ルのようなアルコ−ル類;蟻酸、酢
酸のような脂肪酸類;水;上記溶媒と水との混合溶媒を
挙げることができ、好適には、エ−テル類、アルコ−ル
類(特に好適には、メタノ−ルまたはエタノ−ル)、脂
肪酸類(特に好適には、蟻酸または酢酸)、または上記
溶媒と水との混合溶媒である。
【0071】使用される触媒としては、通常の接触還元
反応に使用されるものであれば、特に限定はないが、例
えば、パラジウム−炭素、ラネ−ニッケル、酸化白金、
ロジウム−酸化アルミニウム、トリフェニルホスフィン
−塩化ロジウム、パラジウム−硫酸バリウムであり、好
適には、パラジウム−炭素またはラネ−ニッケルであ
る。圧力は、特に限定はないが、通常、1乃至10気圧
で行なわれ、好適には1気圧である。反応温度は、原料
化合物、溶媒、使用される還元剤等により異なるが、通
常、0℃乃至100℃(好適には、10℃乃至50℃)
である。反応時間は、原料化合物、溶媒、使用される還
元剤、反応温度等により異なるが、通常、15分間乃至
24時間(好適には、30分間乃至8時間)である。
【0072】酸化剤による除去において、使用される不
活性溶媒としては、本反応に関与しないものであれば特
に限定はないが、例えば、アセトンのようなケトン類;
ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素
のようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルのよう
なニトリル類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエ
タン、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テルのような
エ−テル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミド
のようなアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホラン
のようなスルホキシド類;水;これらの有機溶媒と水と
の混合溶媒であり、好適には、アミド類、スルホキシド
類またはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒であり、更
に好適には、アミド類(特に好適には、ヘキサメチルホ
スホロトリアミド)、スルホキシド類(特に好適には、
ジメチルスルホキシド)またはこれらの有機溶媒と水と
の混合溶媒である。
【0073】使用される酸化剤としては、酸化に使用さ
れる化合物であれば特に限定はないが、例えば、過硫酸
カリウム、過硫酸ナトリウムのようなアルカリ金属過硫
酸塩、アンモニウムセリウムナイトレイト(CAN)、
2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノ
ン(DDQ)であり、好適には、アンモニウムセリウム
ナイトレイト(CAN)または2,3−ジクロロ−5,
6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)である。反
応温度は、原料化合物、溶媒、使用される酸化剤等によ
り異なるが、通常、0℃乃至150℃(好適には、10
℃乃至50℃)である。反応時間は、原料化合物、溶
媒、使用される酸化剤、反応温度等により異なるが、通
常、15分間乃至24時間(好適には、30分乃至5時
間)である。
【0074】アミノ基またはイミノ基の保護基の除去は
その種類によって異なるが、一般に有機合成化学の技術
において周知の方法によって以下の様に実施される。ア
ミノ基またはイミノ基の保護基が、ホルミル、アセチ
ル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブ
トキシカルボニル、2−ブロモ−t−ブトキシカルボニ
ル、2,2−ジブロモ−t−ブトキシカルボニル、2−
トリメチルシリルエトキシカルボニル、ベンゾイル、ベ
ンジルオキシカルボニル、(1−フェニル)ベンジルオ
キシカルボニル、9−アンスリルメチルオキシカルボニ
ル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−
ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−クロロベン
ジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキ
シカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルま
たは4−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基で
ある場合には、不活性溶媒中、酸で処理することにより
保護基を除去することができる。使用される酸は、例え
ば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸のような無機酸、
トリフルオロ酢酸のような有機酸であり、好適には、塩
酸、硫酸、臭化水素酸またはトリフルオロ酢酸であり、
特に好適には、塩酸である。
【0075】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、
石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、ト
ルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のような
ハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメ
トキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル
のようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのような
エステル類;メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類;
ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド
類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホ
キシド類;蟻酸、酢酸のような脂肪酸類;水;または水
と上記溶媒との混合溶媒であり、好適には、ハロゲン化
炭化水素類、エーテル類、アルコール類、脂肪酸類また
は水と上記溶媒との混合溶媒であり、更に好適には、ハ
ロゲン化炭化水素類(特に好適には、メチレンクロリ
ド)、エーテル類(特に好適には、テトラヒドロフラン
またはジオキサン)、脂肪酸類(特に好適には、酢酸)
または水若しくは水と上記溶媒との混合溶媒である。
【0076】反応温度は、原料化合物、溶媒、使用され
る酸等により異なるが、通常、−10℃乃至150℃
(好適には、0℃乃至60℃)である。反応時間は、原
料化合物、溶媒、使用される酸、反応温度等により異な
るが、通常、5分間乃至20時間(好適には、10分間
乃至5時間)である。
【0077】アミノ基またはイミノ基の保護基が、ハロ
ゲン若しくはC1 −C6 アルコキシで置換されてもよい
1 −C7 アルカノイル基、ハロゲン若しくはトリC1
−C6 アルキルシリルで置換されてもよいC2 −C7
ルコキシカルボニル基、C1−C6 アルキル、C1 −C6
アルコキシ、ハロゲン、C2 −C7 アルコキシカルボ
ニル、C610アリール若しくはニトロで置換されても
よいC7 −C11アリールカルボニル基若しくはC8 −C
12アリールジカルボニル基である場合には、通常、不活
性溶媒中、塩基で処理することにより保護基を除去する
ことができる。使用される塩基は、例えば、炭酸リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金
属炭酸塩類;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;水
素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムのよ
うなアルカリ金属水素化物類;水酸化リチウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸
化物類;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのよう
なアルカリ金属アルコキシド類;メチルメルカプタンナ
トリウム、エチルメルカプタンナトリウムのようなメル
カプタンアルカリ金属類;ヒドラジン、メチルアミン、
ジメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メ
チルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルア
ミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−
ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.
0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.
2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシ
クロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のよ
うな有機アミン類であり、好適には、アルカリ金属炭酸
塩類(特に好適には、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウ
ム)、アルカリ金属水酸化物類(特に好適には、水酸化
ナトリウムまたは水酸化カリウム)、アルカリ金属アル
コキシド類(特に好適には、ナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシドまたはカリウム−t−ブトキシド)
または有機アミン類(特に好適には、ヒドラジンまたは
メチルアミン)である。
【0078】使用される不活性溶媒は、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、
石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、ト
ルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のような
ハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメ
トキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル
のようなエーテル類;メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコ
ール類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのよう
なアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホランのよう
なスルホキシド類;水;水と上記溶媒との混合溶媒であ
り、好適には、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ア
ルコール類、または水と上記溶媒との混合溶媒であり、
更に好適には、エーテル類(特に好適には、テトラヒド
ロフランまたはジオキサン)、アルコール類(特に好適
には、メタノール、エタノール)または水と上記溶媒と
の混合溶媒である。
【0079】反応温度は、原料化合物、溶媒、使用され
る塩基等により異なるが、通常、−10℃乃至150℃
(好適には、0℃乃至50℃)である。反応時間は、原
料化合物、溶媒、使用される塩基、反応温度等により異
なるが、通常、30分間乃至20時間(好適には、1時
間乃至5時間)である。
【0080】尚、アミノ基またはイミノ基の保護基がt
−ブトキシカルボニル基の場合には、不活性溶媒中、シ
リル化合物またはルイス酸と処理することによっても除
去することができる。使用されるシリル化合物は、例え
ば、トリメチルシリルクロリド、トリメチルシリルイオ
ダイド、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネ
ートであり、使用されるルイス酸としては、例えば塩化
アルミニウムを挙げることができる。使用される不活性
溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解する
ものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘ
プタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化
水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族
炭化水素類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;ジエチ
ルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような
エ−テル類;アセトニトリルのようなニトリル類であ
り、好適には、ハロゲン化炭化水素類(特に好適には、
メチレンクロリド、クロロホルム)またはニトリル類
(特に好適には、アセトニトリル)である。
【0081】反応温度は、原料化合物、試薬、溶媒等に
より異なるが、通常、−20℃乃至100℃(好適に
は、0℃乃至50℃)である。反応時間は、原料化合
物、試薬、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1
0分間乃至10時間(好適には、30分間乃至3時間)
である。
【0082】アミノ基またはイミノ基の保護基が、1乃
至3個のC6 −C10アリ−ルで置換されたC1 −C6
ルキル基、メトキシ、ハロゲン、ニトロ若しくはフェニ
ルで置換されてもよいC6 −C10アリ−ルで置換された
2 −C7 アルコキシカルボニル基、メトキシで置換さ
れてもよいフェニルアゾベンジルオキシカルボニル基、
イソニコチノイルオキシカルボニル基またはニトロ基で
ある場合には、通常、不活性溶媒中、還元剤(接触還元
を含む。)または酸化剤と接触させることにより、保護
基を除去することができる。
【0083】接触還元による保護基の除去反応の場合に
おいて、使用される不活性溶媒は、本反応に関与しない
ものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘ
プタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化
水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族
炭化水素類;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン、
ジオキサンのようなエ−テル類;酢酸エチル、酢酸プロ
ピルのようなエステル類;メタノ−ル、エタノ−ル、イ
ソプロパノ−ルのようなアルコ−ル類;蟻酸、酢酸のよ
うな脂肪酸類;水;上記溶媒と水との混合溶媒であり、
好適には、アルコ−ル類(特に好適には、メタノ−ルま
たはエタノ−ル)または上記溶媒と水との混合溶媒であ
る。
【0084】使用される触媒は、通常の接触還元反応に
使用されるものであれば、特に限定はないが、例えば、
パラジウム−炭素、ラネ−ニッケル、酸化白金、ロジウ
ム−酸化アルミニウム、トリフェニルホスフィン−塩化
ロジウム、パラジウム−硫酸バリウムであり、好適に
は、パラジウム−炭素またはラネ−ニッケルである。圧
力は、特に限定はないが、通常1乃至10気圧で行なわ
れ、好適には1気圧である。反応温度は、原料化合物、
溶媒、使用される還元剤等により異なるが、通常、0℃
乃至100℃(好適には、10℃乃至50℃)である。
反応時間は、原料化合物、溶媒、使用される還元剤、反
応温度等により異なるが、通常、15分間乃至24時間
(好適には、30分間乃至8時間)である。
【0085】酸化剤を用いて除去する方法において使用
される不活性溶媒は、本反応に関与しないものであれば
特に限定はないが、例えば、アセトンのようなケトン
類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化
炭素のようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルの
ようなニトリル類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピル
エ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキ
シエタン、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テルのよ
うなエ−テル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロトリ
アミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシド、スル
ホランのようなスルホキシド類;水;上記溶媒と水との
混合溶媒であり、好適には、ケトン類、ハロゲン化炭化
水素類、ニトリル類、エ−テル類、アミド類、スルホキ
シド類または上記溶媒と水との混合溶媒であり、更に好
適には、ケトン類(特に好適には、アセトン)、ハロゲ
ン化炭化水素類(特に好適には、メチレンクロリド)、
ニトリル類(特に好適には、アセトニトリル)、アミド
類(特に好適には、ヘキサメチルホスホロトリアミ
ド)、スルホキシド類(特に好適には、ジメチルスルホ
キシド)または上記溶媒と水との混合溶媒である。
【0086】使用される酸化剤は、例えば、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウムのようなアルカリ金属過硫酸
塩;アンモニウムセリウムナイトレイト(CAN)、
2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノ
ン(DDQ)であり、好適には、アンモニウムセリウム
ナイトレイト(CAN)または2,3−ジクロロ−5,
6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)である。反
応温度は、原料化合物、溶媒、使用される酸化剤等によ
り異なるが、通常、0℃乃至150℃(好適には10℃
乃至50℃)である。反応時間は、原料化合物、溶媒、
使用される酸化剤、反応時間等により異なるが、通常、
15分間乃至24時間(好適には、30分間乃至5時
間)である。
【0087】アミノ基またはイミノ基の保護基が、メチ
ルまたはメトキシで置換されてもよいフェニルスルホニ
ル基である場合、不活性溶媒中、強酸で処理することに
より除去することができる。使用される酸は、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機
スルホン酸等の強酸を挙げることができ、好適には、メ
タンスルホン酸またはトリフルオロメタンスルホン酸で
ある。使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず、副反
応の起こりにくいものであれば特に限定はないが、例え
ば、アニソ−ル、チオアニソ−ル、クレゾ−ルのような
芳香族炭化水素類を挙げることができ、好適には、アニ
ソ−ル、チオアニソ−ルまたはクレゾ−ルである。
【0088】反応温度は、原料化合物、溶媒、酸等によ
り異なるが、通常、−10℃乃至150℃(好適には、
0℃乃至60℃)である。反応時間は、原料化合物、溶
媒、酸、反応温度等により異なるが、通常、5分間乃至
20時間(好適には、10分間乃至5時間)である。
【0089】なお、前述されたカルボキシ基の保護基を
除去する操作によって、アミノ基またはイミノ基の保護
基が同時に除去されることもある。さらに、カルボキシ
基の保護基の除去反応、アミノ基またはイミノ基の保護
基の除去反応は、順不同で希望する除去反応を順次実施
することができる。
【0090】反応終了後、本工程の目的化合物(I)
は、常法に従って反応混合物から採取される。例えば、
適宜不溶物をロ別した後、析出してくる結晶を濾取する
ことまたは適宜不溶物をロ別し、適宜、中和し、溶媒を
留去した後、水を加え、酢酸エチルのような水不混合性
有機溶媒で抽出し、乾燥した後、抽出溶媒を留去するこ
とにより得ることができ、必要ならば、常法、例えば再
結晶、再沈澱またはカラムクロマトグラフィー等によっ
て更に精製することができる。
【0091】B法は、化合物(I)において、Aが式−
NHCH2 CO−を有する基である化合物(Ia)を別
途製造する方法である。第B1工程は、一般式(XI
I)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶媒中、
一般式(XI)を有する化合物またはその反応性誘導体
と一般式(IX)を有する化合物またはその酸付加塩を
反応させることにより行われ、本工程は前記第A1工程
と同様に行われる。
【0092】第B2工程は、一般式(XIII)を有す
る化合物を製造する工程で、化合物(XII)のアミノ
基の保護基であるR6 を除去することにより行われ、本
工程は前記第A2工程のアミノ基の保護基を除去する方
法と同様に行われる。
【0093】第B3工程は、化合物(X)においてAが
式−NHCH2 CO−を有する基である化合物(Xa)
を製造する工程で、不活性溶媒中、前記化合物(XII
I)と一般式(VIIIa)を有する化合物を反応させ
ることにより行われ、本工程は前記第A1工程と同様に
行われる。
【0094】第B4工程は、一般式(Ia)を有する化
合物を製造する工程で、前記化合物(Xa)のカルボキ
シ基、アミノ基およびイミノ基の保護基を除去すること
により行われ、本工程は前記第A2工程と同様に行われ
る。
【0095】原料化合物(VIII)、(IX)および
(XI)は、公知か、公知の方法またはそれに類似した
方法に従って容易に製造される[例えば、ジャーナル・
オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ−、第59
巻、第2532頁、1937年:J. Am. Chem. Soc., 5
9, 2532 (1937)、ブルティン・オブ・ザ・ケミカル・ソ
サエティ−、第62巻、第3103頁、1981年:Bu
ll. Chem. Soc. Jpn., 62, 3103 (1981)、プロシ−ディ
ングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ−・オブ・サ
イエンス・オブ・ザ・ユ−エスエ−、第69巻、第73
0頁、1972年:Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 6
9, 730(1972)等]。
【0096】原料化合物(VIII)において、Aが式
−NHCH2 CO−を有する基である化合物(VIII
b)は、例えば、以下の方法によっても製造される。
【0097】
【化19】
【0098】上記式中、R2 は前述したものと同意義を
示し、R7 はカルボキシ基の保護基(前述されたものと
同意義を示す。)を示す。
【0099】C法は、前記化合物(VIII)におい
て、Aが式−NHCH2 CO−を有する基である化合物
(VIIIb)を製造する方法である。第C1工程は、
一般式(XV)を有する化合物を製造する工程で、不活
性溶媒中、一般式(XIV)を有する化合物と化合物
(VIIIa)を反応させることにより行われ、本工程
は前記第A1工程と同様に行われる。
【0100】第C2工程は、化合物(VIIIb)を製
造する工程で、化合物(XV)中のカルボキシ基の保護
基であるR7 を除去することにより行われ、本工程は、
前記第A2工程のカルボキシ基の保護基を除去する方法
と同様に行われる。
【0101】原料化合物(XIV)は、公知か、公知の
方法またはそれに類似した方法に従って容易に製造され
る[例えば、ヘルベティカ・キミカ・アクタ、第36
巻、第1109頁、1953年:Helv. Chim. Acta, 3
6, 1109(1953)等]。
【0102】本発明の前記一般式(I)を有する化合物
は、酸性pH領域において極めて溶解性が高く、かつ粘
膜障害性が少ないことから、経鼻吸収促進剤として有用
である。
【0103】本発明の前記一般式(I)を有する化合物
を経鼻吸収促進剤として使用する場合には、それ自体あ
るいは適宜の薬理学的に許容される添加物等と混合し、
経鼻投与用製剤とすることができる。
【0104】これらの添加物としては、例えば、賦形剤
(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビ
トールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレ
イショデンプン、α澱粉、デキストリンのような澱粉誘
導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラ
ビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形
剤:及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸
カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような
珪酸塩誘導体等を挙げることができる。)、防腐剤(メ
チルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安
息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコ
ール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール
類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールの
ようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及
び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤
(例えば、通常使用される香料等を挙げることができ
る。)を挙げることができる。本発明の一般式(I)を
有する化合物を有効成分とする経鼻吸収促進剤の必要濃
度は、経鼻吸収させる薬物の必要吸収量、元来の吸収性
等により異なるが、通常、1乃至20mg/mlであ
り、好適には5乃至10mg/mlである。
【0105】
【実施例】以下に実施例および試験例を示し、本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定するもの
ではない。 実施例1 6−アミノ−2−{[4−(3α,7α,12α−トリ
ヒドロキシ−10β,13β−ジメチルヘキサデカヒド
ロシクロペンタ[a]フェナンスレン−17−イル)ペ
ンタノイルアミノ]アセチルアミノ}ヘキサン酸(例示
化合物番号:1−48)
【0106】
【化20】
【0107】2.0g(4.06ミリモル)のグリココ
ール酸(1.5分子の結晶水を含む)を20mlのN,
N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、80mlのベン
ゼンを加え濃縮した後、真空ポンプを用いて60℃で3
時間乾燥させた。得られた残渣を40mlのN,N−ジ
メチルホルムアミドに溶解させ、攪拌下、1.3g
(4.06ミリモル)のNε−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−リジンメチルエステル塩酸塩、662mgのジ
エチルシアノリン酸および820mgのトリエチルアミ
ンを加え、室温で一晩攪拌した。減圧下、溶媒を留去
し、40mlの水を加えた後、重炭酸ナトリウムを用い
て中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、硫
酸マグネシウムを用いて乾燥させた後、溶媒を留去し、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(溶出溶剤:塩化メチレン/メタノール=10/1)を
用いて精製し、1.64gのアモルファス粉末を得た。
前記アモルファス粉末を20mlのメタノ−ルに溶解さ
せ、3.4mlの1N−水酸化ナトリウムを加え、室温
で2時間攪拌した。反応液を3.4mlの1N−塩酸を
用いて中和した後、減圧濃縮し、100mlの酢酸エチ
ルを加えて抽出した。抽出液を水洗し、硫酸マグネシウ
ムを用いて乾燥させた後、減圧下、溶媒を留去して、
1.58gのアモルファス粉末を得た。上記アモルファ
ス粉末を100mlのメタノールに溶解させ、1.5g
の10%パラジウム−炭素を加え、水素気流下、室温で
3時間攪拌した。セライトを用いて反応液をろ過し、減
圧下、溶媒を留去し、995.7mgの標記化合物を粉
末として得た。 NMRスペクトル(d6-DMSO )δppm:0.59(3H,s),
0.81(3H,s),0.9-1.0(5H,m) ,1.1-1.8(21H,m),1.9-2.
1(2H,m) ,2.1-2.3(3H,m) ,2.70(2H,t,J=7.3Hz), 3.1-
3.3(4H,m), 3.6-3.7(3H,m),3.8-3.9(2H,m), 4.0-4.3(4
H,m),7.46(1H,d,J=6.6Hz),8.20(1H,t,J=5.8Hz)。
【0108】実施例2 6−アミノ−2−{[4−(3α,7α,12α−トリ
ヒドロキシ−10β,13β−ジメチルヘキサデカヒド
ロシクロペンタ[a]フェナンスレン−17−イル)ペ
ンタノイルアミノ]アセチルアミノ}ヘキサン酸(例示
化合物番号:1−48) 25.0g(50.75ミリモル)のグリココール酸
(1.5分子の結晶水を含む)を実施例1と同様に処理
して脱水した。得られた残渣を500mlのN,N−ジ
メチルホルムアミドに溶解させ、攪拌下、20.65g
(50.75ミリモル)のNε−ベンジルオキシカルボ
ニル−L−リジンベンジルエステル塩酸塩、8.3gの
ジエチルシアノリン酸および1.03gのトリエチルア
ミンを加え、室温で一晩攪拌した。減圧下、溶媒を留去
し、得られた残渣に500mlの水を加えた後、重炭酸
ナトリウムを用いて中和し、酢酸エチルで抽出した。抽
出液を水洗し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた
後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィ−(溶出溶剤:塩化メチレン/メタノー
ル=100/7)で精製し、24.0gのアモルファス
粉末を得た。上記アモルファス粉末を1000mlのメ
タノールに溶解させ、23gの10%パラジウム−炭素
を加え、室温で5時間攪拌した。セライトを用いて反応
液をろ過し、減圧下、溶媒を留去し、16.1gの標記
化合物を粉末として得た。 簿層クロマトグラフィ−(展開溶媒:塩化メチレン/メ
タノ−ル=2/1):Rf=0.14。
【0109】実施例3 6−アミノ−2−{[4−(3α,7α,12α−トリ
ヒドロキシ−10β,13β−ジメチルヘキサデカヒド
ロシクロペンタ[a]フェナンスレン−17−イル)ペ
ンタノイルアミノ]アセチルアミノ}ヘキサン酸(例示
化合物番号:1−48) 1.22g(9ミリモル)のN−(t−ブトキシカルボ
ニル)グリシンを60mlのN,N−ジメチルホルムア
ミドに溶解させ、氷冷攪拌下、2.8g(9ミリモル)
のメチルNε−ベンジルオキシカルボニル−L−リジン
メチルエステル塩酸塩、1.47gのジエチルシアノリ
ン酸および1.82gのトリエチルアミンを加え、同温
で30分攪拌した後、室温で16時間攪拌した。減圧
下、溶媒を留去し、得られた残渣に水を加え、重炭酸ナ
トリウムを用いて中和した後、酢酸エチルで抽出し、抽
出液を水洗した後、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ
た。減圧下、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィ−(溶出溶剤:塩化メチレン/
メタノール=10/1)で分離精製し、3.2gの粉末
を得た。 簿層クロマトグラフィ−(展開溶媒:酢酸エチル):R
f=0.8 上記粉末を50mlの4N−ジオキサン塩酸に溶解さ
せ、90分攪拌した後、減圧下溶媒を留去し、得られた
残渣に50mlのベンゼンを加えた後、真空ポンプを用
いて2回乾燥させた。得られた残渣を100mlのN,
N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、氷冷攪拌下、
2.94g(7.2ミリモル)のコ−ル酸、1.2gの
ジエチルシアノリン酸および1.5gのトリエチルアミ
ンを加え、同温で30分攪拌した後、室温で16時間攪
拌した。減圧下、溶媒を留去し、得られた残渣に100
mlの水を加えた後、重炭酸ナトリウムを用いて中和
し、酢酸エチルで抽出した後、水洗し、硫酸マグネシウ
ムを用いて乾燥させた。減圧下、溶媒を留去し、得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出溶
剤:塩化メチレン/メタノール=10/1)で分離精製
し、4.2gの残留物を得た。これを実施例1と同様
に、メタノールに溶解させ、3.4mlの1N−水酸化
ナトリウムを加え攪拌した後、1N−塩酸を加え中和し
た。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル
を加えて攪拌した後、水洗し、硫酸マグネシウムを用い
て乾燥させた後、減圧下、酢酸エチルを留去し,1.5
8gの残留物を得た。上記残留物をメタノ−ルに溶解さ
せ、10%パラジウム−炭素を加え、常法により室温で
3時間攪拌した。セライトを用いて反応液をろ過し、減
圧下、触媒を留去して、2.5gの標記化合物を得た。
【0110】試験例1 酸性pH領域における溶解性 (1)500mgの実施例1の化合物に水を50ml加
え、透明な水溶液を調製した後、適量の塩酸を添加して
水溶液のpHを3に調製した。この水溶液を孔径0.2
μmのメンブレンフィルターで濾過した後、後述する条
件の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて
実施例1の化合物を定量した。その結果、実施例1の化
合物の水溶液中の濃度は、10.0mg/mlであっ
た。ここに150mgのヒトカルシトニン(ペプチド研
究所)を加えて緩やかに溶解させ、点鼻投与用の水溶液
製剤を得た。この水溶液製剤は、1か月間室温において
濁りを生ぜずに透明であった。水溶液製剤を調製してか
ら1か月後、再び高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)を用いて実施例1の化合物を定量したところ、実施
例1の化合物の水溶液製剤中の濃度は、10.0mg/
mlであった。上記から、実施例1の化合物は、pH3
の酸性水溶液に全量溶解していることが明らかになっ
た。 HPLCの条件:カラム、ODP−50 6D[昭和電
工(株)製];移動相、蒸留水+アセトニトリル+トリ
フルオロ酢酸(60:40:0.05);検出波長、2
10nm;流速、1.0mL/分;保持時間、約4.1
分。
【0111】(2)本発明の化合物の代わりに、500
mgのグリココール酸ナトリウム(SIGMA社)を用
いて上記(1)と同様に水溶液を調製した後、水溶液を
pH3に調節するために適量の塩酸を添加したところ、
析出物が見られた。1か月後、析出物をろ別した後、上
記(1)と同様に、後述する条件の高速液体クロマトグ
ラフィーを用いてグリココール酸ナトリウムを定量した
結果、水溶液中のグリココール酸ナトリウムの濃度は、
3mg/mlであった。 HPLCの条件:カラム、ODP−50 6D[昭和電
工(株)製];移動相、蒸留水+アセトニトリル+トリ
フルオロ酢酸(60:40:0.05);検出波長、2
10nm;流速、1.0mL/分;保持時間、約5.4
分 上記(1)および(2)の結果から、本発明の化合物
は、酸性pH領域において、極めて溶解性が高いことが
明らかとなった。
【0112】試験例2 ラットの鼻腔投与における経鼻吸収促進作用 (1)試験例1−(1)において調製された水溶液製剤
50μlを、ペントバルビタ−ル麻酔下、ラットの片鼻
腔内に注入し、その後経時的に頸動脈から血液を採取
し、血液中のヒトカルシトニンの濃度を時間分解蛍光免
疫測定法により測定した。血中濃度の投与後時間に対す
る曲線下面積を、静脈内投与時を100として比較し算
出したところ、本点鼻投与からのヒトカルシトニンの生
物学的利用率は45%であった。
【0113】(2)本発明の化合物の代わりに、750
mgのジメチル−β−シクロデキストリンおよび250
mgのL−α−リゾフォスファチジルコリンを用いて、
各々試験例1−(1)と同様に水溶液製剤を調製した。
これらの水溶液製剤50μlを、ペントバルビタ−ル麻
酔下、ラットの片鼻腔内に注入し、上記試験例2−
(1)と同様に、本点鼻投与からのヒトカルシトニンの
生物学的利用率を算出したところ、ジメチル−β−シク
ロデキストリンを用いた場合のヒトカルシトニンの生物
学的利用率は30%であり、L−α−リゾフォスファチ
ジルコリンを用いた場合のヒトカルシトニンの生物学的
利用率は12%であった。
【0114】上記(1)および(2)の結果から、本発
明の化合物を添加した場合のヒトカルシトニンの生物学
的利用率は極めて高く、本発明の化合物が優れた吸収促
進作用を有していることが明らかとなった。
【0115】試験例3 試験例1−(1)において調製された、実施例1の化合
物を含有する水溶液製剤100μlをヒトの片鼻孔内に
噴射投与したところ、刺激は軽微かつ一過性であり、約
10分後には消失した。
【0116】
【発明の効果】本発明の前記一般式(I)を有する化合
物は、酸性pH領域において極めて溶解性が高く、かつ
粘膜障害性が少なく、経鼻吸収促進剤として有用であ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [上記式中、R1 は、塩基性アミノ酸残基(但し、該基
    は塩基性アミノ酸残基中の窒素原子を介してAと結合す
    る。)を示し、 R2 は、一般式 【化2】 (上記式中、R3 およびR4 は、同一または異なって、
    水素原子または水酸基を示す。)または式 【化3】 を有する基を示し、 Aは、単結合または式−NHCH2 CO−を有する基を
    示す。]を有する胆汁酸誘導体。
  2. 【請求項2】請求項1において、R1 が、アルギニン残
    基、リジン残基またはヒドロキシリジン残基である胆汁
    酸誘導体。
  3. 【請求項3】請求項1において、R1 が、式 【化4】 を有する基である胆汁酸誘導体。
  4. 【請求項4】請求項1において、R1 が、式 【化5】 を有する基である胆汁酸誘導体。
  5. 【請求項5】請求項1において、R1 が、式 【化6】 を有する基である胆汁酸誘導体。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5から選択されるいずれか1
    項において、R2 が、一般式(II)を有する基である
    胆汁酸誘導体。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6から選択されるいずれか1
    項において、R3 およびR4 が、水酸基である胆汁酸誘
    導体。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7から選択されるいずれか1
    項において、Aが、式−NHCH2 CO−を有する基で
    ある胆汁酸誘導体。
  9. 【請求項9】2−アミノ−5−{N’−[4−(3,
    7,12−トリヒドロキシ−10,13−ジメチルヘキ
    サデカヒドロシクロペンタ[a]フェナンスレン−17
    −イル)ペンタノイル]グアニジノ}ペンタン酸、 2−アミノ−5−{N’−([4−(3,7,12−ト
    リヒドロキシ−10,13−ジメチルヘキサデカヒドロ
    シクロペンタ[a]フェナンスレン−17−イル)ペン
    タノイルアミノ]アセチル)グアニジノ}ペンタン酸、 5−グアニジノ−2−[4−(3,7,12−トリヒド
    ロキシ−10,13−ジメチルヘキサデカヒドロシクロ
    ペンタ[a]フェナンスレン−17−イル)ペンタノイ
    ルアミノ]ペンタン酸、 5−グアニジノ−2−{[4−(3,7,12−トリヒ
    ドロキシ−10,13−ジメチルヘキサデカヒドロシク
    ロペンタ[a]フェナンスレン−17−イル)ペンタノ
    イルアミノ]アセチルアミノ}ペンタン酸、 2−アミノ−6−[4−(3,7,12−トリヒドロキ
    シ−10,13−ジメチルヘキサデカヒドロシクロペン
    タ[a]フェナンスレン−17−イル)ペンタノイルア
    ミノ]ヘキサン酸、 2−アミノ−6−{[4−(3,7,12−トリヒドロ
    キシ−10,13−ジメチルヘキサデカヒドロシクロペ
    ンタ[a]フェナンスレン−17−イル)ペンタノイル
    アミノ]アセチルアミノ}ヘキサン酸、 6−アミノ−2−[4−(3,7,12−トリヒドロキ
    シ−10,13−ジメチルヘキサデカヒドロシクロペン
    タ[a]フェナンスレン−17−イル)ペンタノイルア
    ミノ]ヘキサン酸、 6−アミノ−2−{[4−(3,7,12−トリヒドロ
    キシ−10,13−ジメチルヘキサデカヒドロシクロペ
    ンタ[a]フェナンスレン−17−イル)ペンタノイル
    アミノ]アセチルアミノ}ヘキサン酸、または 2−[2−(16−アセトキシ−3,11−ジヒドロキ
    シ−4,8,10,14−テトラメチルヘキサデカヒド
    ロシクロペンタ[a]フェナンスレン−17−イリデ
    ン)−6−メチル−5−ヘプテノイルアミノ]−6−ア
    ミノヘキサン酸 である請求項1に記載された胆汁酸誘導体。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9から選択されるいずれか
    1項に記載された胆汁酸誘導体を含有する経鼻吸収促進
    剤。
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