JPH1160313A - 圧壊防止充填材及びこれを用いた脆性材料の接合構造 - Google Patents

圧壊防止充填材及びこれを用いた脆性材料の接合構造

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JPH1160313A
JPH1160313A JP22708597A JP22708597A JPH1160313A JP H1160313 A JPH1160313 A JP H1160313A JP 22708597 A JP22708597 A JP 22708597A JP 22708597 A JP22708597 A JP 22708597A JP H1160313 A JPH1160313 A JP H1160313A
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crush
brittle
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JP22708597A
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Masaharu Shinoda
正治 篠田
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EREGANTO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石材等の脆性部材対接面の圧壊を防止し、ひ
いては、対接面の劣化を防止することのできる、圧壊防
止充填材及びこれを用いた脆性材料の接合構造を提供す
る。 【課題手段】 脆性部材の対接面間に充填され、対接面
の圧壊を防止する圧壊防止充填材であって、骨材5と、
セメント系無機質接合剤と、樹脂及び/又はゴムの高分
子物質からなる有機質接合剤とを含み、上記骨材の配合
割合を50重量%以上に設定する一方、上記有機質接合
剤の配合割合を10重量%以上に設定したことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、圧壊防止充填材
及びこれを用いた脆性部材の接合構造に関する。詳しく
は、コンクリート、石材等の脆性材料から形成される部
材の表面に圧力が作用した状態で構成される構造物等に
おいて、上記圧力に起因する対接面の圧壊現象を防止す
るための圧壊防止充填材に関する。
【0002】
【従来の技術】ブロック壁、舗道の縁部に列状配置され
る仕切りブロック、道路の敷石、石垣、墓碑等のよう
に、石質系材料から形成されたブロック体を並べあるい
は積み重ねて構成される構造物は多い。
【0003】これら構造物に利用される石質系材料は、
圧縮強さ及び変形抵抗が大きく、また耐候性が高いた
め、特に屋外構造物に利用されることが多い。
【0004】一方、これらの石質系材料は脆性材料であ
り、一般に引張強度や衝撃強度が低く、また、ある程度
の寸法がないと所望の強度を発現できない。したがっ
て、重量も、木造構造物や金属構造物に比べて大きくな
る。
【0005】従来から、配列あるいは積層される部材間
にセメントモルタル等を充填することにより、対向する
部材表面を互いに接着して構造物が形成されることが多
い。上記セメントモルタルは配合成分が石質系材料に近
いため、これらに対する接着強度が高く、対接させられ
る部材を高い強度で接合することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】石材系材料等の脆性部
材を用いて屋外に形成される構造物は、風雨にさらされ
るばかりでなく、大きな温度変化を受け、さらに、酸性
雨、亜硫酸ガス等にもさらされる。そして、これらの作
用によって、通常は部材の表面から風化が進行する。
【0007】ところが、石質系材料を積層したような構
造を採用する場合、積み重ね対接面に圧縮力が常時作用
した状態におかれる。このため、温度変化等によって風
化が促進され、この対接面の風化あるいは劣化現象が近
年問題になってきた。
【0008】すなわち、これら脆性部材の対接面には、
基本的に凹凸が多数存在するため点接触の状態で上記圧
縮力が作用する。この応力状態で温度変化を受けると、
材料の膨張収縮によって荷重支持部が変位し、凸部に圧
壊現象が生じる。
【0009】また、セメントモルタルは、初期には高い
接着力及び荷重支持力を発揮して、上記の圧縮応力が脆
性部材の凸部へ集中するのを緩和できるが、セメントモ
ルタルの熱膨張係数が石質系材料と異なる場合には、や
はり接合部位に相対変位が生じてセメントモルタルが被
接着面から剥離してしまう。このため、荷重支持能力が
急激に低下して、上記と同様に対接面の圧壊現象につな
がる。
【0010】しかも、セメントモルタルが剥離して対接
面に隙間が生じると、水分や大気が浸入しやすい。この
水分は、対接面に浸透して膨張させ、対接面の圧壊現象
をさらに加速させる。
【0011】構造物の外面が風化するのはさほど問題は
ないが、荷重を支持する上記対接面の圧壊現象が進行す
ると、構造物の荷重支持能力が急激に低下し、構造が不
安定となる。このため、石造建造物においては、崩落、
倒壊等の事故につながる場合も多い。
【0012】特に、亜硫酸ガスや酸性雨にさられる場合
には、石質系材料の風化現象はさらに加速され、上記圧
壊現象も大きく加速するものと思われる。
【0013】上記問題を解決するため、防水性のシーリ
ング材を充填して対接する部材表面を接合する手法がと
られることがあるが、これらシーリング材は荷重支持能
力がないため、対接面が圧壊することにより防水能力等
がすぐに低下してしまう。
【0014】本願発明は、上述の事情のもとで考え出さ
れたものであって、脆性部材が対接させられて圧縮力を
支持した状態で構成される建造物等において、対接面の
圧壊を防止し、ひいては、対接面の劣化を防止すること
のできる、圧壊防止充填材及びこれを用いた脆性材料の
接合構造を提供することをその課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0016】本願の請求項1記載した発明は、脆性部材
の対接面間に充填され、対接面の圧壊を防止する圧壊防
止充填材であって、骨材と、セメント系無機質接合剤
と、樹脂及び/又はゴムの高分子物質からなる有機質接
合剤とを含み、上記骨材の配合割合を50重量%〜80
重量%以上に設定する一方、上記有機質接合剤の配合割
合を10重量%以上に設定したことを特徴とする。
【0017】一般に、石材等の脆性材料は引張強度が低
く、表面が剥離破壊しやすいため、表面に引張応力が作
用した状態におかれることは少ない。このため、鋼材を
接着する場合等に要求されるような強靱な接着力を要求
されることはほとんどない。
【0018】一方、西洋の古代建造物や石垣等の石造構
築物に見られるように、石材を積み重ねて構造物が形成
される場合が非常に多く、これら構造物は、上部に積層
された部材が崩落することにより破壊されることが多
い。このため、崩落現象を防止できれば、建造物等の寿
命を大幅に伸ばすことができる。
【0019】本願発明は、上記脆性材料から形成される
構造物の特性に着目して考案されたものであり、高い荷
重支持能力を備えるとともに変形能力が高く、圧縮応力
が作用する脆性部材間に充填して対接面の圧壊を防止す
ることにより、上記のような崩落現象を防止できるよう
に構成したものである。
【0020】本願発明に配合される骨材として種々のも
のを採用することができる。たとえば、二酸化ケイ素を
主成分とするケイ砂、炭酸カルシウムを主成分とする石
粉等種々の自然骨材を採用できる。また、鉱滓、軽量骨
材、ガラス粉末、ガラスビーズ等の人工骨材を配合する
こともできる。上記骨材として、圧縮応力を長期に渡っ
て支持できるように、強度及び耐候性が高いものを選定
するのが望ましい。
【0021】骨材の配合割合は、50重量%〜80重量
%に設定する必要がある。50重量%以下に設定する
と、必然的にセメント系無機質接合剤及び有機質接合剤
の配合割合が増加し、荷重支持能力が低下する。一方、
80重量%以上配合すると、所望の弾性を得ることがで
きなくなるとともに、衝撃吸収力等が大きく低下する。
【0022】セメント系無機質接合剤は、上記骨材に対
する接着力を高めるとともに、後に説明する有機物接合
剤と共働して、接合剤層の弾性及びクリープ限度を調整
する目的で配合される。
【0023】セメント系無機質接合剤の種類は特に限定
されることはなく、水硬性セメント、気硬性セメント、
特殊セメント等用途に応じて種々のセメントを採用でき
る。特に、取り扱いの容易さ、耐熱性、耐水性、耐候性
が良く、また安価に入手できる水硬性セメントを採用す
るのが好ましい。
【0024】水硬性セメントとして、普通ポルトランド
セメント、白色ポルトランドセメント等を採用すること
ができる。特に、白色ポルトランドセメントは、白色で
あるため、種々の顔料を用いて容易に着色できる。この
ため、充填部分が露出するような場合に、見栄えを低下
させることなく充填層を形成できる。
【0025】一方、上記有機質接合剤として、アクリル
酸アルキルエステル−アクリロニトリル−メタクリル酸
共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ブ
タジエン−メタクリル酸共重合体、イソプレン−アクリ
ル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体
或いはアクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸共
重合体などのアクリル酸エステル−アクリル酸共重合
体、アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体或いはア
クリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸共重合体な
どのアクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、カル
ボキシルポリイソブチレン、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ブタジエン−
スチレンカルボキシルエラストマー、ブタジエンアクリ
ロニトリルカルボキシルエラストマー、ブタジエン−メ
タクリロニトリルカルボキシルエラストマー、ブタジエ
ン−塩化ビニリデンカルボキシルエラストマー、ポリク
ロロプレンカルボキシルエラストマー、ポリエチレンカ
ルボキシルエラストマー或いはポリイソブチレンカルボ
キシルエラストマーなどのエマルジョン、水溶液又はデ
ィスパージョンが挙げられる。
【0026】エマルジョン、水溶液、ディスパーション
等の形態の高分子物質は、セメント系無機質接合剤との
親和性がよく、容易に混練することができる。
【0027】また、樹脂又は/ゴムの水性高分子物質と
して、上述したエマルジョン等の液体状のものを採用で
きるのみならず、たとえば、パウダー状の水性高分子物
質を採用することができる。
【0028】たとえば、水を加えることによって、容易
にエマルジョン化する酢酸ビニル・ベオバ共重合樹脂等
を採用することによって、施行現場で充填作業を行う場
合の作業性が格段に向上する。
【0029】上記有機質接合剤の配合割合は、10重量
%以上に設定する必要がある。
【0030】充填層に作用する圧縮力は主として上記骨
材によって支持されるが、弾力をもって支持できない
と、対接面の一部に応力が集中して圧壊現象が生じるた
めである。また、一般に、高分子接合剤の配合割合を増
加させると、対接面に対する濡れ性が高まり、また、対
接面の細かい凹凸部分にまで接合剤が入り込む。このた
め、接着力が向上する。また、接着力が高まると防水性
及び気密性も高まり、対接面に雨水や風化ガスが浸入す
るのを阻止できる。この結果、対接面の風化を防止し
て、長期にわたって圧壊現象を防止できる。
【0031】また、有機質接合剤の配合割合が小さいと
変形能力が低下する。このため、対接面間の相対変位を
吸収することができず、充填材層が対接面から剥離する
恐れが生じる。
【0032】本願の請求項2に記載した発明は、平均粒
度の比が8〜12である2種以上の骨材を配合したこと
を特徴とするものである。
【0033】骨材は、セメント系無機質接合剤及び有機
質接合剤によって接合されるが、対接面から作用する圧
縮力を効率よく支持させるためには、充填材中にできる
だけ均等に分散させる必要がある。本願発明で採用する
骨材の平均粒度の比は、骨材が球状であると仮定した場
合において、大径粒子の直径と、この大径粒子が最密充
填されたときの大径粒子間の隙間に入り込める小径粒子
の直径の比に相当する。
【0034】すなわち、骨材を最も効率よく充填できる
粒度の比を採用しているのである。もちろん、各骨材が
接触状態で充填されるのではなく、各骨材間に弾性接合
剤層が介在し、弾性的に各骨材に効率よく荷重を分担さ
せるように構成するのである。
【0035】本願の請求項3に記載した発明は、対接さ
せられる脆性部材表面の表面粗さの10分の1〜5分の
1の粒度の骨材を40重量%以上配合したことを特徴と
するものである。
【0036】脆性部材における対接面の圧壊は、対接面
の表面粗さによって大きな影響を受ける。すなわち、粗
さが大きい場合、対接面間に形成される空隙の大きさも
大きくなり、これに対応した骨材を採用しないと、充填
材層の変形が大きくなって圧縮荷重を効率よく支持でき
なくなる。
【0037】すなわち、対接面の表面粗さに対してあま
りに小さい粒度の骨材を採用した場合には、圧縮荷重が
接合剤によって支持された形態となり、クリープ等の現
象が生じやすい。一方、表面粗さに対してあまりに大き
い骨材を配合すると、骨材と対接面とが直接接触し、骨
材あるいは対接面で圧壊現象が生じやすい。
【0038】石材等は鋸等によって切断された状態で
は、表面における凹部に対する凸部の最大高さ(以下、
表面粗さという。)が、500〜800μmにもなる。
一方、密度の高い花崗岩等においては、研磨加工を施す
ことにより表面粗さが0.1μm以下の鏡面に仕上げる
こともできる。したがって、脆性材料の対接面の圧壊現
象を防止するには、対接面の粗さに応じた配合で圧壊防
止充填材を構成する必要がある。
【0039】本願の出願人が鋭意研究した結果、対接さ
せられる脆性部材表面の表面粗さの10分の1〜5分の
1の粒度の骨材を40重量%以上配合することにより、
荷重支持能力が高まることが判明した。
【0040】上記粒度の骨材を採用すると、骨材が対接
面の凹部に充分入り込んで、圧縮荷重を効率よく伝達で
き、最小限の厚さで圧縮荷重を支持することができる。
また、充填材層の厚さを最小限に押さえることができる
ため、構造物の寸法精度を高めることもできる。また、
対接面の圧壊を効率よく防止できるとともに、対接面に
対する接着力及び防水力を長期にわたって保持すること
が可能となる。
【0041】本願の請求項4に記載した発明は、0.1
〜5μmの硬質微粒子を5重量%以上配合したことを特
徴とするものである。
【0042】上記硬質微粒子は、対接面に対する濡れ性
を改善して圧壊防止充填材の接着力を高めるとともに、
対接面における防水機能を強化する。
【0043】硬質微粒子を配合することにより、接着力
が高まる機構は明らかでないが、セメント系無機質接合
剤を構成するセメントゲル、及び水性高分子物質の平均
自由半径とオーダー的に近似した大きさの硬質微粒子が
存在することにより、上記セメントゲル及び/又は水性
高分子物質の主鎖の一部の自由度が拘束される結果、主
鎖全体の運動が抑制され、隣接分子との間の作用が低分
子間の作用と同様の関係になり、分子結合をさらに促進
させるためであると考えられる。
【0044】特に、粒径0.1〜5μm程度の硬質微粒
子を添加することにより、接着強度及び防水効果を格段
に高めることができる。このことは、たとえば、アクリ
ル樹脂等の合成樹脂エマルジョン中の樹脂粒子の径が、
0.01〜1μm程度であり、硬質微粒子の粒径に近い
オーダーであることから推測することができる。
【0045】本願の請求項5に記載した発明は、上記圧
壊防止充填材の圧縮強度を200Kg/cm2 以上に設
定するとともに、縦弾性係数を50000Kg/cm2
〜100000Kg/cm2 に設定したものである。
【0046】上記物性は、圧縮強度が高く、かつ引張変
形能力が高いことを意味する。すなわち、脆性材料間に
充填されて大きな圧縮力を支持できると同時に、横方向
すなわち対接面に沿う方向へ大きく変形できる充填材を
構成しようとするものである。
【0047】上記物性は、採用する骨材及び接合剤の配
合を調整することにより容易に達成できる。すなわち、
骨材の配合量を増加させることにより、圧縮強度が高ま
り圧縮変形が少なくなる。一方、高分子系接合剤の配合
量を増加させると、変形量が多くなり、圧縮強度が低下
する。なお、圧縮強度は、作用する圧縮力に応じて設定
する必要がある。
【0048】上記縦弾性係数は、対接させる脆性材料の
弾性係数より小さく設定する必要があり、上記値は比較
的強度の低い花崗岩の弾性係数以下に設定している。縦
弾性係数が上記の値の範囲以下になると、変形量が大き
くなってクリープ等の現象が生じやすい。一方、上記の
値の範囲を超えると、脆性材料より強度が高くなって、
充填材と対接面との間で圧壊現象が生じやすくなる。
【0049】本願の請求項6に記載した発明は、引張破
壊にいたる伸びを20%以上に設定したものである。
【0050】充填材の伸びを大きくすることにより、対
接面の横方向への相対変位を許容し、対接面の圧壊を有
効に防止できる。上記伸びを達成するには、請求項1に
記載した発明のように、有機質接合剤の配合割合を10
重量%以上に設定する必要がある。なお、上記伸びは、
弾性伸びを意味するのではなく、引張試験を行った場合
の破壊に至る全伸びを意味する。
【0051】上記伸びを確保することにより、対接面が
相対変位しても充填材が破壊することがなく、防水性や
気密性を充分に保持できる。
【0052】本願の請求項7に記載した発明は、対接さ
せられる脆性部材の表面に、防水補強層をそれぞれ形成
するとともに、これら防水補強層の間に請求項1から請
求項6のいずれかに記載の圧壊防止充填材を充填して構
成される接合構造に係るものである。
【0053】上述したように、脆性材料の表面は非常に
脆く、剥離破壊が生じやすい。また、材料によっては通
気性が高く、水分等が表面近傍に容易に浸入することも
考えられる。
【0054】本願発明は、対接面の防水性及び気密性を
高めて、圧壊防止充填材の性能を充分に発揮させる接合
構造を提供しようとするものである。
【0055】請求項1から請求項6に記載した充填材
は、荷重支持能力や変形能力に重点が置かれるため、多
孔質材料の表面細孔にまで圧壊防止充填材を浸入させて
防水機能を発揮させることは困難である。このため、対
接面周縁部から材料自体を通って浸入する水分等に対応
するのは困難である。
【0056】本願発明は、脆性部材の対接面を防水剤に
よって前処理し、表面に存在する微細孔を防水剤によっ
て充填した状態で接合するものである。
【0057】防水剤として、粘度が低く、浸透性の高い
ものを採用するのが好ましい。たとえば、従来から使用
されるアクリル系エマルジョン等から形成される防水剤
を採用することができる。なお、上記防水剤は、脆性材
料の内部へ浸透することによって防水層を形成するもの
を選択するのが好ましい。表面に膜を形成して防水効果
を発揮するものでは、本願発明に係る充填材と同様の防
水機能しかもたないからである。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本願発明に係る実施の形態
を具体的に説明する。
【0059】図1に本願発明に係る圧壊防止充填材が適
用される脆性部材の対接面の構造を模式的に示す。な
お、本実施の形態では、脆性材料として、石造構造物に
多用される花崗岩を採用し、積み重ねて使用する場合を
想定している。
【0060】図1から明らかなように、脆性部材1,2
のそれぞれの対接面3,4には、凹凸が多数存在し、凸
部がそれぞれ対向する対接面に接触して圧縮荷重を支持
していることが判る。
【0061】本実施の形態においては、上記対接面の粗
さを約100μmに設定している。この値は、平均値が
約0.1mmの凹凸が存在することを意味する。
【0062】表1に本実施の形態に係る圧壊防止充填材
の配合成分を示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示す充填被覆材は、白色ポルトラン
ドセメントと、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと、石質
系骨材とを含んで構成される。表1に示す配合割合は固
体成分の割合割合であり、これに同重量の水を加えて混
練し水性の圧壊防止充填材を調整する。
【0065】上記構成の圧壊防止充填材は、硬化後の圧
縮強度が254Kg/cm2 、縦弾性係数(引張弾性係
数)が76000Kg/cm2 であった。なお、上記の
圧縮強度は、JISR5201「セメントの物理試験方
法」に準拠して求めた。
【0066】また、破壊に至る伸びは、約25%であっ
た。
【0067】上記圧壊防止充填材を、上記脆性部材1,
2間に充填した状態を図2に模式的に示す。なお、この
図において、骨材5は、同じ直径を備える球形であると
仮定している。
【0068】図2に示すように、骨材5の配合量が多い
ため、作用する圧縮力を充分に支持できることが判る。
骨材5間には、弾性変形可能なセメント系接合剤と樹脂
接合剤の複合した接合剤層6が介在しており、この接合
剤層6がクッションとなって、充填材層7に適度の弾力
と変形能を与えている。なお、本実施の形態に係る充填
材層7の厚さは、約50μmである。
【0069】上記圧壊防止充填材層7の性能を検討する
ため、圧壊防止充填材を介して接合した試験体について
圧縮試験をおこなって圧縮破壊させた後に、接合面を観
察した。その結果、接合面には圧壊が認められず、圧壊
防止充填材層7の圧縮力支持効果があることを確認し
た。
【0070】図3及び図4に基づいて、本願発明に係る
圧壊防止充填材の荷重支持作用を説明する。
【0071】図3に示すように、圧壊防止充填材8の内
部には、骨材5を取り囲むようにして接合剤6が存在す
る。上記骨材5は変形不可能である一方、上記接合剤6
は、変形可能である。したがって、図4に示すように、
圧縮力Fが作用すると、上記接合剤6が変形して、骨材
5が互いに近接するように動く。
【0072】ところが、接合剤層6が一定以上変形する
と、骨材5が近接することに起因して圧縮抵抗が急激に
増加し、圧縮力が上記骨材5に支持される。このため、
接合剤6のみによる充填材に比べて、圧縮変形が極めて
小さくなり、荷重支持能力が向上するのである。
【0073】一方、引張変形に対しては、上記骨材5は
ほとんど関与せず、接合剤6が破壊するまで変形する。
実施の形態では、破壊にいたる伸びを20%に設定して
いるため、対接面9が横方向に移動しても、圧壊防止充
填材8が充分に追随することができる。このため、対接
面9に圧壊現象が生じることはない。
【0074】また、対接面9に対する接着強度が高いた
め、対接面に水分、ガス等が浸入することはなく、対接
面の風化が促進されることもない。
【0075】本願発明の範囲は、上述の実施の形態に限
定されることはない。
【0076】実施の形態においては、花崗岩から形成さ
れる脆性部材に本願発明を適用したが、他の脆性部材に
本願発明を適用することができる。また、自然に産する
石材のみならず、コンクリートブロック等人工的に製造
される脆性材料にも適用することができる。
【0077】また、実施の形態においては、上下に積層
される脆性部材間に適用したが、横方向に配列されると
ともに、温度変化等によって対接面間に圧力が生じる部
材に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】脆性材料の対接面の形態を模式的に示す断面図
である。
【図2】図1に示す脆性部材間に本願発明に係る圧壊防
止充填材を充填した状態を示す断面図である。
【図3】本願発明に係る圧壊防止充填材の作用を説明す
る説明図である。
【図4】本願発明に係る圧壊防止充填材の作用を説明す
る説明図である。
【符号の説明】
1 脆性部材 2 脆性部材 3 対接面 4 対接面 5 骨材 7 圧壊防止充填材層 8 圧壊防止充填材
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 14:02 24:26)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脆性部材の対接面間に充填され、これら
    対接面の圧壊を防止する圧壊防止充填材であって、 骨材と、セメント系無機質接合剤と、樹脂及び/又はゴ
    ムの高分子物質からなる有機質接合剤とを含み、 上記骨材の配合割合を50重量%〜80重量%に設定す
    る一方、 上記有機質接合剤の配合割合を10重量%以上に設定し
    たことを特徴とする、圧壊防止充填材。
  2. 【請求項2】 平均粒度の比が8〜12である2種以上
    の骨材を配合したことを特徴とする、請求項1に記載の
    圧壊防止充填材。
  3. 【請求項3】 対接させられる脆性部材表面の表面粗さ
    の10分の1〜5分の1の粒度の骨材を40重量%以上
    配合したことを特徴とする、請求項1又は請求項2のい
    ずれかに記載の圧壊防止充填材。
  4. 【請求項4】 0.1〜5μmの硬質微粒子を5重量%
    以上配合したことを特徴とする、請求項1から請求項3
    のいずれかに記載の圧壊防止充填材。
  5. 【請求項5】 上記圧壊防止充填材は、圧縮強度が20
    0Kg/cm2 以上であるとともに、縦弾性係数が50
    000Kg/cm2 〜100000Kg/cm2 であ
    る、請求項1から請求項4のいずれかに記載の圧壊防止
    充填材。
  6. 【請求項6】 引張破壊にいたる伸びが20%以上であ
    る、請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧壊防止
    充填材。
  7. 【請求項7】 対接させられる脆性部材の表面に、防水
    補強層をそれぞれ形成するとともに、これら防水補強層
    の間に請求項1から請求項6のいずれかに記載の圧壊防
    止充填材を充填して構成される、脆性材料の接合構造。
JP22708597A 1997-08-09 1997-08-09 圧壊防止充填材及びこれを用いた脆性材料の接合構造 Pending JPH1160313A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009522188A (ja) * 2005-12-29 2009-06-11 ハルリブルトン エネルギ セルビセス インコーポレーテッド 粒子状カルボキシル化エラストマーを含むセメント組成物及び関連方法

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