JPH1158487A - 熱可塑性樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂積層体の製造方法

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JPH1158487A
JPH1158487A JP10000980A JP98098A JPH1158487A JP H1158487 A JPH1158487 A JP H1158487A JP 10000980 A JP10000980 A JP 10000980A JP 98098 A JP98098 A JP 98098A JP H1158487 A JPH1158487 A JP H1158487A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
fine powder
adhesive
laminate
shape
Prior art date
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Application number
JP10000980A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Nakagawa
弘章 中川
Koji Motoi
孝治 本居
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着層を中間層として介在させることなく、
非接着性樹脂同士でも樹脂層間の接着強度が高い熱可塑
性樹脂積層体を得ることができる熱可塑性樹脂積層体の
製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)からなり、少なくと
も積層面が溶融状態にある賦形物の前記積層面に、他の
熱可塑性樹脂(B)の微粉末を吹きつける工程と、この
微粉末の吹付面に、熱可塑性樹脂(B)または熱可塑性
樹脂(B)と接着性を有する熱可塑性樹脂(C)からな
り、少なくとも積層面が溶融状態にある別の賦形物を積
層する工程とを備える構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂積層
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面の機能化(たとえば、表面強度、耐
環境保護性)、製品強度の向上等、各層に機能を役割分
担させることで従来にない製品性能をもたらしたり、コ
ストを低減することを目的として、性質の異なる複数の
樹脂を積層一体化した積層体が各種提案されている。
【0003】ところが、異なる熱可塑性樹脂を積層しよ
うとした場合、互いに接着しない場合が多く、接着して
も層間接着力の小さいものとなりやすい。このような場
合、たとえば、特開昭56−86748号公報、特公平
5−15182号公報に開示されているように、積層し
ようとする層間に両樹脂層と接着性を有する接着層を設
け、一体化するようにしている。
【0004】しかしながら、上記のように接着層を中間
層として設けた積層体には、以下のような問題点があ
る。すなわち、積層時に加熱により接着層が熱劣化した
り、容器等の製品とした場合、内容物により接着層が溶
解或いは膨潤して接着力が低下したりしてしまう。ま
た、接着層を用いることは、押出機等成形機の増加によ
るプロセスの複雑化や材料費のコストアップにもつなが
る。
【0005】また、一方の樹脂の分解開始温度が他方の
樹脂の成形下限温度より低いために、共押出による積層
が困難である場合がある。さらに、相互に接着性がある
熱可塑性樹脂同士の積層体においても、より強力な接着
力が要求される場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、接着層を中間層として介在させることな
く、非接着性樹脂同士でも樹脂層間の接着強度が高い熱
可塑性樹脂積層体を得ることができる熱可塑性樹脂積層
体の製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる熱可塑性
樹脂積層体の製造方法は、このような目的を達成するた
めに、熱可塑性樹脂(A)からなり、少なくとも積層面
が溶融状態にある賦形物の前記積層面に、他の熱可塑性
樹脂(B)の微粉末を吹きつける工程と、この微粉末の
吹付面に、熱可塑性樹脂(B)または熱可塑性樹脂
(B)と接着性を有する熱可塑性樹脂(C)からなり、
少なくとも積層面が溶融状態にある別の賦形物を積層す
る工程とを備える構成とした。
【0008】また、上記本発明の構成において、熱可塑
性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂(B)および/または熱
可塑性樹脂(C)とが互いに非接着性であることとし
た。さらに、熱可塑性樹脂(A)の成形下限温度が、熱
可塑性樹脂(B)および/または熱可塑性樹脂(C)の
分解開始温度より高いこととした。なお、分解開始温度
とは、重量熱分析(TGA)での重量減少率が5%にな
る温度である。成形下限温度とは、結晶性樹脂の場合融
点をさし、非晶性樹脂の場合単軸押出機で溶融押出可能
な最低温度をさす。
【0009】本発明に用いられる熱可塑性樹脂として
は、特に限定されないが、たとえば、高密度ポリエチレ
ン,低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,
ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、エチレン−プ
ロピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系
共重合体、ポリ塩化ビニル等のビニル系重合体、エチレ
ン−ビニルアルコール等のビニル系共重合体、ポリフッ
化ビニリデン,ポリテトラフルオロエチレン,ポリクロ
ロトリフルオロエチレン等のフッ素系重合体、エチレン
−テトラフルオロエチレン共重合体,テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素
系共重合体、ポリアミド,ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリブチレンテレフタレート,ポリカーボネート,
ポリフェニレンサルファイド,ポリイミド,ポリエーテ
ルエーテルケトン等のエンプラ樹脂等が挙げられる。ま
た、ポリエステル系エラストマーやポリスチレン系エラ
ストマー等の熱可塑性エラストマーも含まれる。
【0010】そして、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹
脂(B)または熱可塑性樹脂(C)との組み合わせとし
ては、特に限定されないが、たとえば、ポリフェニレン
サルファイド(PPS)とポリプロピレン(PP)の組
み合わせ、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と
高密度ポリエチレン(HDPE)の組み合わせ、エチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)とポ
リ塩化ビニル(PVC)の組み合わせが挙げられる。
【0011】熱可塑性樹脂(B)の微粉末の大きさは、
特に限定されないが、平均粒径で0.1〜100μmが
好ましく、1〜70μmがより好ましい。すなわち、微
粉末の平均粒径が0.1μmより小さいと、熱可塑性樹
脂(B)の微粉末の食い込みが小さくなってしまい界面
の接着強度が低くなる恐れがあり、100μmより大き
いと界面の接着強度が低くなる恐れがある。
【0012】賦形物と賦形物とを積層する方法として
は、型外積層やクロスヘッドダイを用いた型内積層の方
法等の公知の方法が挙げられる。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂積層体の形状は、特
に限定されないが、たとえば、シート状やパイプ状のも
のが挙げられる。また、本発明の熱可塑性樹脂積層体の
用途としては、特に限定されないが、たとえば、耐溶剤
用、耐燃料用、耐薬液用、高温液体用等が挙げられる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は本発明にかか
る熱可塑性樹脂積層体の製造方法の実施の形態であっ
て、その製造方法を実施する製造装置の1例を模式的に
あらわしている。
【0015】図1に示すように、この製造装置1aは、
2台の押出機11,12と、粉末押出ニーダー13aお
よびエアーノズル13bからなる吹付手段13と、圧着
ロール15,15と、冷却ロール16,16と、引取り
ロール17,17とを備えている。
【0016】そして、この製造装置1aを用いた熱可塑
性樹脂積層体の製造方法は、まず、図1に示すように、
押出機11に投入された熱可塑性樹脂(A)を、シート
状の賦形物2として押出機11から連続的に押し出すと
ともに、賦形物2の少なくとも表面(積層面)が溶融状
態にある間に、吹付手段13の微粉末押出ニーダー13
に投入された熱可塑性樹脂(A)と非接着性で、熱可塑
性樹脂(A)の成形下限温度より低い分解開始温度を有
する熱可塑性樹脂(B)の微粉末3を、ニーダー13a
の先端から所定量押し出しながら、エアーノズル13b
から所定圧のエアーを吹き出させてエアー圧によって吹
きつける。
【0017】つぎに、別の押出機12に投入された熱可
塑性樹脂(B)をシート状の賦形物4として連続的に押
し出すとともに、賦形物2および賦形物4の積層面がそ
れぞれ溶融状態にある間に重ねたのち、圧着ロール1
5,15間で上下から挟み込んで押圧し、両賦形物2,
4を積層状態としたのち、冷却ロール16,16間で冷
却し、積層体5として引取りロール17,17で所定速
度で連続的に引き取るようになっている。
【0018】より判り易く述べれば、この熱可塑性樹脂
積層体の製造方法は、まず、微粉末3を吹きつけること
によって、微粉末3が賦形物2の積層面に食い込んだよ
うに分散定着される。つぎに、この微粉末3が食い込ん
だ積層面に賦形物4を積層するようになっている。
【0019】すなわち、この熱可塑性樹脂積層体の製造
方法によれば、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂
(B)とが互いに非接着性の材料である場合でも、賦形
物2の積層面に熱可塑性樹脂(B)の微粉末3が食い込
むように分散定着されていて、賦形物4が微粉末3と同
じ熱可塑性樹脂(B)で形成されている。したがって、
賦形物2と賦形物4とを重ねた場合、少なくとも微粉末
3と賦形物4とがしっかりと接着一体化される。そし
て、両賦形物2,4を冷却固化させれば、微粉末3が賦
形物2に食い込んでいるため、微粉末3の部分がアンカ
ー効果を発揮し、高い接着強度で両層が積層された積層
体4が得られる。
【0020】しかも、熱可塑性樹脂(A)の成形下限温
度より低い分解開始温度を有する(すなわち、熱可塑性
樹脂(A)の成形下限温度が熱可塑性樹脂(B)の分解
開始温度より高い)熱可塑性樹脂(B)を、熱可塑性樹
脂(B)の微粉末側から熱可塑性樹脂(A)の賦形物に
積層するようにシート状の賦形物4として連続的に押し
出すようにしたので、いずれの賦形物2,4もスムーズ
に押し出すことができ、また、積層時に熱可塑性樹脂
(A)も分解することがない。
【0021】すなわち、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性
樹脂(B)を公知の共押出法で積層した際には、熱可塑
性樹脂(A)の成形下限温度以上で賦形物4を押し出し
たとすると賦形物2側の熱可塑性樹脂(B)が分解して
しまう。他方、それを避けるために熱可塑性樹脂(B)
の分解開始温度以下で押し出したとすると、結局熱可塑
性樹脂(A)が溶融押出できない。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
【0023】(実施例1)図1に示す製造装置1aを用
いて以下のとおりに積層体を製造した。まず、熱可塑性
樹脂(A)としてのポリフェニレンサルファイド(融点
290℃)を押出機11としての単軸押出機(φ50m
m、L/D=30)に投入し、溶融混練し、Tダイ(設
定温度310℃)を経て幅200mmのシート状の賦形物
2を押し出した。Tダイから出てすぐの溶融状態にある
賦形物2に上面から熱可塑性樹脂(B)としてのポリプ
ロピレン(分解開始温度260℃)の微粉末(平均粒径
50μm)を50g/hrの量でエアー(圧3kgf/cm2 )
3を吹きつけた後、別の押出機12としての単軸押出機
(φ50mm、L/D=30)から熱可塑性樹脂(B)と
してのポリプロピレン(分解開始温度260℃)をTダ
イ(幅200mm、設定温度200℃)を経てシート状の
賦形物4として押し出し、両賦形物2,4を積層し圧着
ロール15,15間で圧着したのち、冷却ロール16,
16で冷却固化して積層体5を得、この積層体5を、引
取りロール17,17で200mm/min の引取り速度で
引き取った。
【0024】(実施例2)図2に示すように2組の吹付
手段13,13を備えた以外は、図1の製造装置1aと
同様な製造装置1bを用い、まず、賦形物2に上面から
第1の吹きつけ手段13によって熱可塑性樹脂(B)と
してのポリプロピレン(分解開始温度260℃)の微粉
末(平均粒径80μm)3を40g/hrの量でエアー圧
3kgf/cm2で吹きつけた後、さらに、第2の吹付手段1
3によってポリプロピレン(分解開始温度260℃)の
微粉末(平均粒径30μm)を30g/hrの量でエアー
圧1kgf/cm2 で吹きつけた以外は、実施例1と同様にし
て積層体5を得た。
【0025】(実施例3)ポリフェニレンサルファイド
に代えてエチレンーテトラフルオロエチレン共重合体
(融点260℃)を、ポリプロピレンに代えてポリ塩化
ビニル(分解開始温度190℃)を用いた以外は、実施
例1と同様にして積層体5を得た。
【0026】(比較例1)微粉末を賦形物2の積層面に
吹きつけず、直接賦形物2と賦形物4とを積層した以
外、実施例1と同様にして積層体を得た。
【0027】実施例1〜3および比較例1で得られた積
層体の25mm幅サンプルをJISK 6854に準拠し
た180°剥離試験(引っ張り速度200mm/min )を
行い、その結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】表1から、本発明にかかる熱可塑性樹脂積
層体の製造方法によれば、非接着性や難接着性の樹脂同
士を用いても層間がしっかりとした接着状態の積層体を
得られることが明らかである。
【0030】(比較例2)熱可塑性樹脂(A)としての
ポリフェニレンサルファイド(融点290℃)、熱可塑
性樹脂(B)としてのポリプロピレン(融点260℃)
および接着剤としてのモディパーA4100(日本油脂
社製)をそれぞれ別の押出機に投入し、フィードブロッ
ク付きのTダイを用いて接着剤層が中間層になるように
3種3層の共押し出しを行った。Tダイの設定温度は、
310℃であった。得られた積層体は、ポリプロピレン
層に黒色の炭化物が混ざったものとなった。
【0031】
【発明の効果】本発明にかかる熱可塑性樹脂積層体の製
造方法は、以上のように構成されているので、接着層を
中間層として介在させることなく、非接着性樹脂同士で
も樹脂層間の接着強度が高い熱可塑性樹脂積層体を容易
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱可塑性樹脂積層体の製造方法
の実施の形態であって、その製造方法を実施する製造装
置の1例を模式的にあらわす模式図である。
【図2】本発明にかかる熱可塑性樹脂積層体の製造方法
の他の実施の形態であって、その製造方法を実施する製
造装置の1例を模式的にあらわす模式図である。
【符号の説明】
1a,1b 製造装置 2,4 賦形物 3 微粉末 5 積層体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂(A)からなり、少なくとも
    積層面が溶融状態にある賦形物の前記積層面に、他の熱
    可塑性樹脂(B)の微粉末を吹きつける工程と、この微
    粉末の吹付面に、熱可塑性樹脂(B)または熱可塑性樹
    脂(B)と接着性を有する熱可塑性樹脂(C)からな
    り、少なくとも積層面が溶融状態にある別の賦形物を積
    層する工程とを備える熱可塑性樹脂積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂(A)と、熱可塑性樹脂
    (B)および/または熱可塑性樹脂(C)とが互いに非
    接着性である請求項1に記載の熱可塑性樹脂積層体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂(A)の成形下限温度が、熱
    可塑性樹脂(B)および/または熱可塑性樹脂(C)の
    分解開始温度より高い請求項1または請求項2に記載の
    熱可塑性樹脂積層体の製造方法。
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