JPH1152062A - 二重相反境界要素法による地下比抵抗構造解析方法 - Google Patents

二重相反境界要素法による地下比抵抗構造解析方法

Info

Publication number
JPH1152062A
JPH1152062A JP22721397A JP22721397A JPH1152062A JP H1152062 A JPH1152062 A JP H1152062A JP 22721397 A JP22721397 A JP 22721397A JP 22721397 A JP22721397 A JP 22721397A JP H1152062 A JPH1152062 A JP H1152062A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
potential
resistivity
distribution
boundary
underground
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22721397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3892541B2 (ja
Inventor
Yukio Kagawa
幸雄 加川
Hiromasa Shima
裕雅 島
Eiko Son
永浩 孫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oyo Corp
Original Assignee
Oyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oyo Corp filed Critical Oyo Corp
Priority to JP22721397A priority Critical patent/JP3892541B2/ja
Publication of JPH1152062A publication Critical patent/JPH1152062A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3892541B2 publication Critical patent/JP3892541B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 二重相反境界要素法を電気的地下探査データ
の解析に適用するための改良を行い、逐次修正を行うこ
となく直接的に地下比抵抗構造を求める。 【解決手段】 二重相反境界要素法を適用することによ
りポアソン方程式の駆動項を境界積分に変換し、境界上
の測定電位Ψから対象領域内の比抵抗分布を求める方法
である。不均質性を表す仮想電荷αを各要素毎に均等に
分布する電荷密度の積分値とし、測定点で電位が既知、
地表面上の電位の測定点間及び測線の周辺部でも法線方
向の電流が0という境界条件で境界型微分方程式を解
く。ポアソン方程式の近似関数の行列表現〔f〕と仮想
電荷αとから駆動項bの分布を求め、格子点での電位の
水平及び鉛直方向の偏微分係数を求める。次に対数比抵
抗の偏微分係数を求め、それを積分して対数比抵抗の相
対分布を求め、変化率分布を規格化し、別に求めた平均
比抵抗から解析領域の絶対値比抵抗分布を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気探査における
地下比抵抗構造の解析方法に関し、更に詳しく述べる
と、二重相反境界要素法を応用することにより、逐次修
正を行うことなく直接的に地下比抵抗構造を求める方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気的地下探査法は、地盤の電気的性
質、例えば比抵抗などに着目してその分布を求めるもの
であり、電流電極から電流を流して測線上の多数の電位
電極での電位を測定することにより、地下の比抵抗分布
を求めて地下構造を推定する方法である。種々の技術改
良の結果、近年、地下の複雑な二次元・三次元の地下比
抵抗構造の探査が可能になりつつある。
【0003】電気探査法の解析方法としては、逐次修正
型(繰り返し修正型)の逆解析が主流である。これは、
まず何らかの地下構造を仮定し(情報が無い場合には、
地下を平均的な比抵抗を有する均質構造と仮定する場合
も含む)、仮定した比抵抗構造(初期モデル)から有限
要素法などのシミュレーション計算により求まる理論
値、と実際に測定された値(測定電位)とを比較し、そ
の残差が小さくなるように地下構造モデルの修正を順次
繰り返す方法である。
【0004】このような逐次修正型の逆解析には次のよ
うな問題があった。 何度もモデルを修正する必要が生じるため、計算に多
くの時間を必要とし、高価である。 逆解析の出発点となる初期モデルが必要であり、初期
モデルが不適切であると逐次改良過程が発散する等、解
析過程が不安定になる。 逐次改良過程が発散しなくても、一般に指摘されてい
るように、地下構造モデルが残差極小値(ローカルミニ
マ)に収束し、真の残差最小値に収束しない場合があ
り、解の一義性が保証されない。 逐次修正型では、収束安定性や残差極小値などの問題
を緩和するために地下構造モデルそれ自体やモデルの改
良過程に多くの制約を設けることが多く、結果としてデ
ータの持つ情報が十分に生かしきれない。 これらのことから、解析時間が短く、且つ解の唯一性に
優れた直接的な逆解析法の開発が望まれていた。
【0005】ところで最近、二重相反境界要素法を使用
することで、解析領域の境界上の電位分布から境界内部
の比抵抗分布の相対的変化の様子を直接的に求めること
が可能となった。これは、比抵抗の変化にかかわる項を
ポアソン方程式の駆動項とし、その駆動項に二重相反法
を導入してポアソン方程式を解く手法である。この方法
によれば、地盤に電流を流した際に常に発生する一次電
位と地下の構造(不均質性)に起因する二次電位の影響
を分離し、数値計算上効率的に地下の不均質性の影響を
評価するもので、繰り返し計算を行う必要が無いという
利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、二重相反境界
要素法を地下構造の解析に用いるためには、次のような
問題が残されていた。 解析で求まるのは、地下比抵抗構造の相対的な変化率
であり、比抵抗の絶対値分布が求まらない。 地下の不均質性を、境界部に置いた仮想点電荷で表現
するために、仮想点電荷の付近で数値積分が不安定にな
る。この影響は、測線(測定用に電極を配置した範囲の
ことであり、解析的には境界条件を与えることのできる
境界)付近に比抵抗異常がある場合には、精度の低下と
なって現れる。
【0007】また、これまでの技術開発は全空間を仮定
しており、地表面を想定していないため、従来の方法を
特に地表からの探査、あるいはボーリング孔等に挿入し
た地中電極と地表電極を組み合わせて使用する探査に適
用する場合には、更に次のような問題が生じる。 実際に電流が流れることができるのは地表面より下部
であるという条件(半空間の条件)を解析的に導入しな
いと解が不安定になる。 全空間あるいは地表面が平坦な場合の半空間の場合に
は、ポアソン方程式の一般解は簡単に求まるが、地形が
複雑な場合に簡単には半空間の条件を取り込むことがで
きない。通常、地表面は平坦ではなく、山岳地方などの
地下探査が多いことを考慮すると、実用的には地形が複
雑でも解析精度が低下しないような工夫が必要である。 地表探査の場合には、解析対象領域を電極で取り囲む
ことができないので、測線の両端部での解析精度の低下
が大きい。
【0008】本発明の目的は、これらの技術的課題を解
決し、二重相反境界要素法を電気的地下探査データの解
析に適用するための改良を行い、実際の電気的地下探査
に適用するための実用的な手順、方法を開発することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、電流電極に供
給した電流に対する電位電極での測定電位を測線上の各
測点で測定し、比抵抗が不均一であっても等方性と見な
せる導電場が次のポアソン方程式 ∇2 Ψ=∇Ψ・∇R 但し、Ψは電位、Rは対数比抵抗で表されることを利用
して、その右辺の対数比抵抗にかかわる駆動項bを ∇Ψ・∇R=(∂Ψ/∂x・∂R/∂x+∂Ψ/∂y・∂R/∂y) =b(x,y) とおき、二重相反境界要素法を適用することにより前記
駆動項bを境界積分に変換し、境界上の測定電位Ψから
対象領域内の比抵抗分布∂R/∂x,∂R/∂yを求め
る電気的地下探査解析方法である。
【0010】本発明に係る二重相反境界要素法による地
下比抵抗構造の解析方法は、上記の方法において、電気
探査による電位測定の際に電極を設置した範囲を、測定
点と同数の境界要素に分割し、供給した電流と測定電位
との組について地下の不均質性を表す仮想電荷αと、ベ
ースとなる平均的な地下の比抵抗分布を表す仮想電荷β
を境界要素に配置し、地中の見掛け比抵抗の平均値ρ
ave から仮想電荷βに対応する電位の一般解を求め、該
仮想電荷αを各要素毎に要素上あるいはその外側に均等
に分布する電荷密度の積分値とすると共に、電位の測定
点で電位が既知、地表面上の電位の測定点と測定点の間
で法線方向の電流が0、より好ましくは地表面上の電位
の測定点と測定点との間のみならずその測定範囲から外
れた測線の周辺部でも法線方向の電流が0という境界条
件で境界型微分方程式を解くことで前記仮想電荷αを求
め、解析対象領域を格子状に分割し、ポアソン方程式の
近似関数の行列表現〔f〕と前記仮想電荷αとから {b}=〔f〕{α} によりポアソン方程式の駆動項bの分布を求め、各格子
点上での電位Ψの水平及び鉛直方向の偏微分係数∂Ψ/
∂x,∂Ψ/∂yを求め、その電位の偏微分係数と前記
駆動項bの分布から対数比抵抗Rの偏微分係数∂R/∂
x,∂R/∂yを求め、次に対数比抵抗の偏微分係数を
積分して対数比抵抗の相対分布を求め、変化率分布を平
均値が0になるように規格化し、その規格化した相対値
分布と別に求めた平均比抵抗から解析領域の絶対値比抵
抗分布を求める。
【0011】ここで地形が平坦でない場合には、地形の
影響はあるが地下構造は均一と仮定し、別に求めた平均
比抵抗ρave を用いて有限要素法あるいは境界要素法な
どにより地形の影響を含むポアソン方程式の一般解を求
める。また測線が長い場合には、測線をサブ測線に分割
し、サブ測線同士は探査深度相当以上互いに重複させて
電位分布を求め、サブ領域毎に解析結果を求め、そのサ
ブ領域の解析結果をつなぎ合わせて全領域の比抵抗分布
を求める。
【0012】更に、上記の方法で求めた二重相反境界要
素法による地下比抵抗構造は、電気的地下探査における
逐次修正型の逆解析法の初期モデルとして使用すること
ができ、それによって逐次修正型の解析を効率良く実施
することが可能となる。
【0013】解析方法の基本原理について、以下に述べ
る。不均質ではあるが等方性の地盤では、電位Ψと導電
率σの関係は、次のポアソン方程式で記述される。 ∇・ρ∇φ=0 in Ω σ∇2 Ψ+∇σ・∇Ψ=0 … (1) その境界条件は、 Ψ=Ψmea on Γ1 p(=∂Ψ/∂n)=pmea on Γ2 Γ=Γ1 +Γ2 である。ここで、Ψは解析領域Ωで定義される電位であ
り、Γは全境界、Γ1 は電位が既知の境界、Γ2 は駆動
項(ここでは印加電流)が既知の境界を示す。またΨ
mea 及びpmea はそれぞれ測定値である。
【0014】次に、上記(1) 式に対してR=ln(1/
σ)(Rは対数比抵抗:導電率の逆数の対数)なる変換
を行えば、 ∇2 Ψ=∇Ψ・∇R … (2) となる。このポアソン方程式の駆動項(右辺)は、地盤
の不均質性に起因する項である。因に地盤が均質であれ
ば、∇R=0であり、(2) 式の右辺は0となり、ラプラ
ス方程式となる。
【0015】ここで、駆動項を次式のように、bi (x
i ,yi )とおく。 ∇2 Ψ=∇Ψ・∇R=bi (xi ,yi ) … (3) なお、bi (xi ,yi )は二次元直交座標(x,y)
で記述された解析面内の任意の点iにおける地盤の不均
質性に対応する量である。この(3) 式に、二重相反法を
適用することにより、不均質性の影響bi を解くことが
できる。
【0016】まず、解析領域Ω内で(3) 式を満たす電位
Ψを非斉次方程式の特解ψと斉次方程式の一般解φの和
で次式のように表す。 Ψ(x,y)=ψ(x,y)+φ(x,y) … (4) 更に、任意の点i(xi ,yi )における特解と一般解
を次式のように表す。
【0017】
【数1】
【数2】
【0018】なお、(5) 式、(6) 式は、それぞれ地下不
均質性を表現するための仮想電荷αをL個、またベース
となる平均的な地下の比抵抗分布を表現するための仮想
電荷βをM個置いた場合に相当する。従って、電位Ψ
は、(5) 式と(6) 式との和として、次式で表される。 Ψ(xi ,yi )={ψ* i t {α}+{φ* i t {β} … (7) ここでφ* は、ラプラス方程式の基本解であり、解析領
域の次数により以下のように決まる。 二次元空間の場合: φ* im=−1/2π(lnrim) … (8) 三次元空間の場合: φ* im=1/(4πrim) … (9) なお、rimは、地下不均質性を解析する点iからm番目
のβまでの距離である。また、ψ* はポアソン方程式の
特解の中から選ぶことができる。二次元問題に用いる特
解の例としては以下のようなものがある。 ψ* il=ril 2 /4+ril 3 /9+ril 4 (lnril−3/2 )/ 16 … (10) ψ* il=ril 3 /9(1/rmax ) … (11) なお、rilは、地下不均質性を解析する点iからl番目
のαまでの距離であり、rmax は点iから最も離れたα
までの距離である。
【0019】次に二重相反法では、(10)式、(11)式を特
解とするポアソン方程式は、 ∇2 ψ* il=fil=1+ril+Ψ* il … (12) ∇2 ψ* il=fil=ril/rmax … (13) である。ここでfilは近似関数と呼ばれる。
【0020】パラメータα(仮想電荷α)の数と位置、
及び特解やその近似関数が決定されると、地下の不均質
性を表現する(3) 式の駆動項は近似関数(12)式あるいは
(13)式を用いて、
【数3】 又は、行列表現により {b}=〔f〕{α} … (15) と表される。ところで、解析領域が全空間であるか、地
表面が平坦な半空間の場合には、βは均質媒質中の電位
の理論解との比較から比較的容易に求まる。次にαは解
析領域の境界部で測定される電位分布から(7) 式を用い
て求めることができる。従って、(14)式あるいは(15)式
は、地下の不均質性を示すbが二重相反法を用いること
により境界積分に変換されたことを示している。
【0021】次に、bi の分布を地下比抵抗の分布に変
換する方法について説明する。biは(3) 式を書き下し
た次式から分かる通り、地下の点iにおける対数比抵抗
Rの水平方向(x方向)と垂直方向(y方向)の変化に
関する量である。 bi (xi ,yi )=∇Ψ・∇R =(∂Ψ/∂x・∂R/∂x+∂Ψ/∂y・∂R/∂y) … (16) 既に仮想電荷の大きさであるαとβが求まっている場合
には、(4) 式、(5) 式、(6)式より、解析領域内の任
意の点での電位Ψのx方向及びy方向の偏微分を計算で
きる。そこで、複数の電流源について測定した場合に
は、1番目の電流源に対応する電位Ψとbの分布から求
まる関係を次式のように表す。
【数4】 また2番目の電流源に対応する電位Ψとbの分布から求
まる関係も同様に次式のように表す。
【数5】 二次元空間の場合は、少なくとも二つ以上の電流源を用
いて測定すれば、(17)式と(18)式を連立させることで対
数比抵抗Rのx方向とy方向の単位長さ当たりの変化率
が求まる。通常は、精度を向上させるために全電流源に
対して式を立て、最小二乗法により決定する。このよう
にして求まる変化率をx及びy方向に積分することで、
対数比抵抗Rの相対的な変化の状況が分かる。
【0022】以上が、解析の基本原理である。
【0023】本発明では、実際の電気的地下探査に利用
するために、地下の不均質性を表すパラメータαを、境
界要素の中点に点状に置かれた電荷ではなく、要素上も
しくはその外側に均質に分布する電荷密度α′の積分値
とする。これによりαに関する数値積分において積分特
異点の問題を回避でき、特異点の存在により計算精度が
低下するのを防止することができる。この場合、(14)式
は、
【数6】 のように表せる。ここで∫fildΓは要素区間における
ilの積分値である。
【0024】また地形を含む半空間の条件を解析過程に
導入し、且つ測線周辺部の精度低下を防ぐために、新た
に「地表面ではその法線方向には電流は流れない」とい
う条件を、測線上及び測線の外周部に追加する。これに
より地形が平坦でない場合も含めて、半空間の条件が解
析過程の中に導入できる。なお、この計算のために必要
となる特解の法線方向の微係数は、次式で表される。 ∂ψ* il/∂n=(nx X+ny Y){1/2 +ril/3 +ril 2 (4lnril−5 )/ 16} … (20) ここで、nは法線方向の単位ベクトルであり、nx とn
y はそのx方向とy方向の成分である。また、X=xl
−xi 、Y=yl −yi である。従って、電位の測定点
で電位が既知、地表面上の電位の測定点と測定点の間及
び測線の周辺部で法線方向の電流が0という境界条件で
境界積分方程式を解けば、次式のようになる。 〔K〕〔{Ψ}−{ψ* i t {α}〕 −〔G〕〔{∂Ψ/∂n}−{∂ψ* /∂n}i t {α}〕=0 …(21) ここで、G及びKは境界要素法で一般に用いられている
システム行列であり、境界要素上の電位及び電流から求
まる量である。この(21)式からパラメータαが求まる。
【0025】求めた比抵抗の相対変化から比抵抗の絶対
値に変換するには、まず、全測定データから見掛け比抵
抗を計算し、それを平均して平均比抵抗ρave を求め
る。次に、相対変化量の平均値を求め、相対変化量が平
均値をとる部分において、比抵抗値が先に求めた平均比
抵抗になるように規定して、全解析領域の比抵抗を求め
る。なお、解析領域内に比抵抗の絶対値が既知の場所が
あれば、それを基準にしてもよい。これによって、比抵
抗の絶対値分布が求まる。
【0026】
【発明の実施の形態】実際の解析手順は、例えば次のよ
うに行う。図1に解析のフローチャートを示す。 (1)通電電流Iと地形補正済みの測定電位Vから、次
式を用いて見掛け比抵抗ρa を計算する。 ρa =k・V/I 但し、kは電極配置係数と呼ばれる係数であり、測定に
用いる電極配置毎に異なる値である。測量によって地形
が分かり、地下が均質で地形のみの影響を受けるものと
仮定し、有限要素法等のシミュレーションで電位を計算
して地形が平坦な場合との比を補正係数として地形補正
済みの測定電位Vを求める。 (2)測線が長すぎる場合や比抵抗値の変化が大きすぎ
る場合は、解析測線を幾つかのサブ測線に分割に分割す
る。その際、サブ測線同士は、探査深度相当以上互いに
重複させる。 (3)サブ測線毎に見掛け比抵抗の平均値ρave を計算
する。 (4)地表面が平坦な場合や地中電極のみの測定の場合
には、見掛け比抵抗の平均値ρave から解析的に電位の
一般解を求める。地形が平坦でない場合は有限要素法な
どのシミュレータに地形とρave を入力して地形の影響
を含む一般解を求める。一般解は、地形の影響はある
が、地下構造は均一であることを反映しており、パラメ
ータβに対応している。 (5)測定電位Ψと一般解との差をψ* として、測定電
位Ψ及び境界条件∂Ψ/∂n、∂ψ* /∂nと共に(21)
式に代入してパラメータαを決める。 (6)(14)式より解析領域内のbの分布を計算する。b
の計算密度は、データが通常有する情報量を考慮して、
平均電極間隔の1/2程度とする。 (7)サブ測線に含まれる全ての電流源に対して、(16)
式を作成し、最小二乗法的に、各点における∂R/∂x
と∂R/∂yを計算する。 (8)解析領域の一隅を基準として、∂R/∂xと∂R
/∂yを積分し、解析面内のRの変化率分布を計算す
る。 (9)変化率分布を平均値が0になるように規格化し、
それとρave からサブ測線に対応する解析領域の比抵抗
分布を計算する。これによって比抵抗の絶対値分布が求
まる。 (10)サブ領域の比抵抗分布をつなぎ合わせて最終解
析結果とする。
【0027】また、複雑な構造が解析された場合には、
その部分のの解析結果を初期モデルとし、更に追加解析
を続ければよい。その追加解析には、要素を更に細かく
した本発明方法を適用してもよいが、逐次修正型の逆解
析を適用してもよい。
【0028】なお、サブ領域に分割すると、遠方の実質
的に不要なデータを計算に用いないために解析精度の低
下を防止でき、またデータ数が少なくなるために解析時
間を短縮できる利点がある。
【0029】
【実施例】図2は測線をサブ測線に分割して測定・解析
を行う場合の一例を示している。二極法電極配置で測定
した電位データをΨ、電極間隔をa、電流の強さをIと
すると、見掛け比抵抗ρa は、 ρa =2πa・Ψ/I で表される。見掛け比抵抗は、慣例的に図2の(a)に
示す位置に表示される。即ち電流電極Cと電位電極Pと
の中点の真下、深度a(=電極間隔)の位置である。こ
の位置はあくまでも電極の位置と探査深度を考慮して定
めたものであり、表示された見掛け比抵抗がその位置の
実際の比抵抗を示している訳ではない。電極の位置と電
極間隔を変えて測定を行い見掛け比抵抗を記入していく
と、図2の(b)に示すような見掛け比抵抗疑似断面図
が得られる。測定深度数(電極間隔を変化させる数)を
Nとする。まず1番目の電極から電流を流して2番目か
ら(N+1)番目までのN点の電極で電位を測定する。
次に2番目の電極から電流を流して3番目から(N+
2)番目までのN点の電極で電位を測定する。これを繰
り返す。測線の終盤のN点ではデータ数が1つずつ減っ
ていく。最後に測線の終点の1点前の電極を電流電極と
して終点での電位を測定する。
【0030】測線の全長が長過ぎる場合には、必要な探
査深度を考慮して一つのサブ測線の範囲を定めて、図2
の(c)に示すように、全測線をサブ測線に分割する。
その際、岩石の質、種類などの違いから、比抵抗が同じ
ような範囲で区切られるようにサブ測線を決めると、解
析したときに精度が向上するため好ましい。また複数の
サブ測線に分割する場合には、図2の(c)に示されて
いるように、重複部分を設けてデータの欠落を防止する
(重複部分は一度測定するだけでよい)。測線の全長に
対して深度は浅くなり、無駄なデータを取り込まないた
めに、解析時間を短縮できるばかりでなく、解析精度が
向上する結果が得られる。
【0031】各測定点で電位データが得られるが、解析
の際には、その測定範囲の各測定点の間で法線方向の電
流成分が0、即ち∂Ψ/∂n=0(地盤から空中へは電
流は漏れでない)という境界条件のみならず、測定範囲
の外側でも同様の境界条件を付加して行う。これによっ
て測点範囲の両端近傍での解析精度の低下を防ぐ。パラ
メータ(仮想電荷)αは、隣り合う測定点間で電荷密度
α′が均等に分布しているものとして解析を行う。解析
の方法は、前記した通りである。
【0032】上記の例は2極法電極配置の例であるが、
本発明はそれ以外のポール・ダイポール配置、ダイポー
ル・ダイポール配置などにも適用できることは言うまで
もない。
【0033】解析結果の一例を図3に示す。図3の
(a)に示すように、比抵抗ρ=50Ω・mの地盤中
に、比抵抗ρ=30Ω・mの矩形領域が2箇所、間隔を
おいて並ぶように存在しているとした場合を仮定する。
ここで符号sは地表面を表している。本発明方法により
解析した結果を図3の(b)に2次元表示で示す。明ら
かに2つの領域を区別することができ、地下の比抵抗分
布を直接的に求めることが出来た。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、繰り返し計算を行うこ
となく短い解析時間で、直接的且つ一義的に地下比抵抗
の絶対値分布が求まる。その際、地下の不均質性を、均
等に分布している電荷密度によって表現しているため
に、数値積分が不安定になることはなく、精度の低下が
生じない。また本発明では、実際に電流が流れることが
できるのは地表面より下部であるという条件を解析的に
導入しているため解が安定し、地形の影響を含めて解析
できる。
【0035】特に、測線上の各測定点の間のみならず、
測線の周辺部(測定範囲の両端よりも外側の測線の延長
上)でも法線方向の電流が0(言い換えれば、∂Ψ/∂
n=0)という境界条件を加えると、測線の両端近傍部
での解析精度の低下を抑えることができる。
【0036】本発明方法によって一義的に地下比抵抗構
造が求まるため、更に精度が要求される場合には、それ
を繰り返し型解析の初期モデルとして用いることで、繰
り返し型解析の欠点を解消できる。即ち、初期モデルが
適切なものとなるために、繰り返しの回数は少なくて済
み、解が発散する恐れもなく、効率よく精度のよい地下
構造の解析を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一例を示す解析手順のフローチャ
ート。
【図2】測線をサブ測線に分割して測定・解析を行う場
合の一例を示す説明図。
【図3】本発明方法による解析結果の一例を示す説明
図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流電極に供給した電流に対する電位電
    極での測定電位を測線上の各測点で測定し、比抵抗が不
    均一であっても等方性と見なせる導電場が次のポアソン
    方程式 ∇2 Ψ=∇Ψ・∇R 但し、Ψは電位、Rは対数比抵抗で表されることを利用
    して、その右辺の対数比抵抗にかかわる駆動項bを ∇Ψ・∇R=(∂Ψ/∂x・∂R/∂x+∂Ψ/∂y・∂R/∂y) =b(x,y) とおき、二重相反境界要素法を適用することにより駆動
    項bを境界積分に変換して、境界上の測定電位Ψから対
    象領域内の比抵抗分布∂R/∂x,∂R/∂yを求める
    電気抵抗分布の同定方法において、電気探査による電位
    測定の際に電極を設置した範囲を、測定点と同数の境界
    要素に分割し、供給した電流と測定電位との組について
    地下の不均質性を表す仮想電荷αと、ベースとなる平均
    的な地下の比抵抗分布を表す仮想電荷βを境界要素に配
    置し、地中の見掛け比抵抗の平均値ρave から仮想電荷
    βに対応する電位の一般解を求め、該仮想電荷αを各要
    素毎に要素上もしくはその外側に均等に分布する電荷密
    度の積分値とすると共に、電位の測定点で電位が既知、
    地表面上の電位の測定点と測定点の間で法線方向の電流
    が0という境界条件で境界型微分方程式を解くことで前
    記仮想電荷αを求め、解析対象領域を格子状に分割し、
    ポアソン方程式の近似関数の行列表現〔f〕と前記仮想
    電荷αとから {b}=〔f〕{α} によりポアソン方程式の駆動項bの分布を求め、各格子
    点上での電位Ψの水平及び鉛直方向の偏微分係数∂Ψ/
    ∂x,∂Ψ/∂yを求め、その電位の偏微分係数と前記
    駆動項bの分布から対数比抵抗Rの偏微分係数∂R/∂
    x,∂R/∂yを求め、次に対数比抵抗の偏微分係数を
    積分して対数比抵抗の相対分布を求め、変化率分布を平
    均値が0になるように規格化し、その規格化した相対値
    分布と別に求めた平均比抵抗ρave から解析領域の絶対
    値比抵抗分布を求めることを特徴とする二重相反境界要
    素法による地下比抵抗構造解析方法。
  2. 【請求項2】 境界型微分方程式を解く際に、地表面上
    の電位の測定点と測定点との間のみならず、その測定範
    囲から外れた測線の周辺部でも法線方向の電流が0とい
    う境界条件を付加する請求項1記載の相反境界要素法に
    よる地下比抵抗構造解析方法。
  3. 【請求項3】 地形が平坦でない場合に、地形の影響は
    あるが地下構造は均一と仮定し、別に求めた平均比抵抗
    ρave を用いて有限要素法又は境界要素法により地形の
    影響を含むポアソン方程式の一般解を求める請求項1又
    は2記載の二重相反境界要素法による地下比抵抗構造解
    析方法。
  4. 【請求項4】 測線をサブ測線に分割し、サブ測線同士
    は探査深度相当以上互いに重複させて電位分布を求め、
    請求項1乃至3の解析方法でサブ領域の解析結果を求
    め、そのサブ領域の解析結果をつなぎ合わせて全領域の
    比抵抗分布を求める二重相反境界要素法による地下比抵
    抗構造解析方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4で求めた二重相反境界要
    素法による地下比抵抗構造を、電気的地下探査における
    逐次修正型の逆解析法の初期モデルとして使用する地下
    比抵抗構造解析方法。
JP22721397A 1997-08-08 1997-08-08 二重相反境界要素法による地下比抵抗構造解析方法 Expired - Fee Related JP3892541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22721397A JP3892541B2 (ja) 1997-08-08 1997-08-08 二重相反境界要素法による地下比抵抗構造解析方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22721397A JP3892541B2 (ja) 1997-08-08 1997-08-08 二重相反境界要素法による地下比抵抗構造解析方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1152062A true JPH1152062A (ja) 1999-02-26
JP3892541B2 JP3892541B2 (ja) 2007-03-14

Family

ID=16857275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22721397A Expired - Fee Related JP3892541B2 (ja) 1997-08-08 1997-08-08 二重相反境界要素法による地下比抵抗構造解析方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3892541B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005337746A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 National Institute For Rural Engineering 電気探査方法
JP2010014619A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Shimizu Corp 地下水流動解析方法及びそのプログラム
JP2010217036A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Tansa Kankyo Gijutsu Jimusho:Kk 比抵抗法の数値解析における感度適合逆解析法
JP2011257396A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 General Electric Co <Ge> 束縛条件付き最大化に基づく画像再構成
WO2020217531A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 株式会社Water 地下水脈及び当該地下水脈における地下水の検知・確認システム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005337746A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 National Institute For Rural Engineering 電気探査方法
JP2010014619A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Shimizu Corp 地下水流動解析方法及びそのプログラム
JP2010217036A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Tansa Kankyo Gijutsu Jimusho:Kk 比抵抗法の数値解析における感度適合逆解析法
JP2011257396A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 General Electric Co <Ge> 束縛条件付き最大化に基づく画像再構成
WO2020217531A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 株式会社Water 地下水脈及び当該地下水脈における地下水の検知・確認システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3892541B2 (ja) 2007-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6919724B2 (en) Method and apparatus for investigating the wall of a borehole
Bisdom et al. Calibrating discrete fracture-network models with a carbonate three-dimensional outcrop fracture network: Implications for naturally fractured reservoir modeling
EP1332381B1 (en) Method for 2d inversion of dual laterolog measurements
Günther et al. Boundless electrical resistivity tomography BERT 2–the user tutorial
AU2001294682A1 (en) Method for 2D inversion of dual laterolog measurements
Juhojuntti et al. Joint inversion of seismic refraction and resistivity data using layered models—Applications to groundwater investigation
AU2014290779B2 (en) System and method for estimating porosity distribution in subterranean reservoirs
Marescot et al. A general approach for DC apparent resistivity evaluation on arbitrarily shaped 3D structures
KR100944096B1 (ko) 스트리머 전기비저항 탐사 시스템 및 이를 이용한 하저지반구조 해석 방법
US20170363531A1 (en) System and method for estimating porosity distribution in subterranean reservoirs
JPH1152062A (ja) 二重相反境界要素法による地下比抵抗構造解析方法
US6353322B1 (en) Method for automatically calibrating resistivity well logs for effects of change in wellbore diameter and circuit drift
Sugimoto Shallow high-resolution 2-D and 3-D electrical crosshole imaging
Won The geometrical factor of a marine resistivity probe with four ring electrodes
WO2016099541A1 (en) Apparatus and methods of fluid-filled fracture characterization
CN113030952A (zh) 物探脉冲波数据的空间定位及增强配色的靶向定位方法
US20080097732A1 (en) Computation of Sensitivity for Resistivity Measurements
KR102594802B1 (ko) 암반 상태 평가를 위한 장치 및 방법, 컴퓨터 프로그램
CN112593919A (zh) 一种校正电阻率方法、装置和存储介质
CN115453639B (zh) 一种阵列侧向探测仪器的设置方法、装置及计算设备
Zhou et al. A new multi laterolog tool with adaptive borehole correction
KR102561441B1 (ko) 예측 기반 dipole-dipole배열 지반 조사 탐사 방법 및 시스템
JP7240574B2 (ja) 探査方法、プログラム、プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体およびコンピュータ
CN110794457A (zh) 一种层析反演的方法及系统
CN114152989B (zh) 一种二维非对称四极电法的拟断面图坐标计算方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061207

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151215

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees