JPH1151851A - 粘着性試験用治具、粘着性試験装置及びそれを用いた試験方法 - Google Patents

粘着性試験用治具、粘着性試験装置及びそれを用いた試験方法

Info

Publication number
JPH1151851A
JPH1151851A JP22004497A JP22004497A JPH1151851A JP H1151851 A JPH1151851 A JP H1151851A JP 22004497 A JP22004497 A JP 22004497A JP 22004497 A JP22004497 A JP 22004497A JP H1151851 A JPH1151851 A JP H1151851A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film body
film
pressure
test
adhesion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22004497A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Serizawa
澤 功 芹
Tatsuyuki Hayashi
達 之 林
Minoru Iwazu
津 稔 岩
Sukeaki Saitou
藤 祐 昭 齋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAN KAGAKU KK
Takada Seiyaku KK
Original Assignee
SAN KAGAKU KK
Takada Seiyaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SAN KAGAKU KK, Takada Seiyaku KK filed Critical SAN KAGAKU KK
Priority to JP22004497A priority Critical patent/JPH1151851A/ja
Publication of JPH1151851A publication Critical patent/JPH1151851A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微妙な測定値の検出が難しく、測定値が曖昧
になるとともに、同一の粘膜モデルで同一箇所を利用し
て繰り返し試験を行う場合に耐用性、再利用性に乏し
く、さらに粘膜モデルの引き伸ばしに際して人為的並び
に環境的条件による測定値のばらつきが生じていた。 【解決手段】 配置台11は、平面方形の板状体からな
り、その周縁に沿って溝11aが形成されており、固定
器具12は、平面方形で且つ縦横断面溝型をした薄板の
平面部位に複数の貫通孔12aが形成されたものであっ
て、その端縁には配置台11の溝11aに係合可能な係
合部12bが形成されている。一方、引張器具20は、
伸縮自在なバネ21の一端側が引張器具支持台5に固定
されるとともに、他端側にはフック22が形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば粘膜貼付
剤,硬膏剤(絆創膏,ハッカゴム膏類)等の医療用製品
の粘着性を試験する際に用いて好適な粘着性治具、粘着
性試験装置及びそれを用いた試験方法に関する。医療用
製品の中で皮膚や粘膜に貼付する製剤は、その粘着性が
品質の重要な要素となる。これらは、使用部位や使用目
的によって、それぞれ適度な粘着性を有するものを使い
分けしなければならない。これら粘膜貼付剤,硬膏剤
(絆創膏,ハッカゴム膏類)等を開発するためには、そ
の粘着性を正確に測定する必要がある。
【0002】
【従来の技術】絆創膏、ハッカゴム膏類等の医薬品は、
その粘着性が品質の重要な要素であって、高品質を確保
する上で的確に把握される必要がある。従来、このよう
な絆創膏、ハッカゴム膏類の粘着性試験については特に
定められた方法はないが、1つの参考方法として、「医
薬品製造指針95」(厚生省薬務局審査課監修)にその
試験方法が記載され、広く関係者の方々に活用されてい
る。これは次に述べるような方法である。
【0003】1)水平に対し所定角度(例えば30度)
の斜面が形成された試験台と、質量の異なる複数の鋼球
とを用いるものであり、試験台の斜面上に絆創膏、ハッ
カゴム膏類等試験体の粘着面を上側にして載置し、さら
にその上下端部を紙により覆って中央部に粘着面を残し
ておき、この状態の斜面の上端側から各鋼球を転がし
て、中央部の粘着面で停止した鋼球の質量により粘着力
を決定する。この手段では、通常2グラム以上の鋼球が
停止した場合に粘着力が良好であるとされている。
【0004】また、この他にも次のような方法もあっ
た。 2)粘膜モデル(絆創膏、ハッカゴム膏類等試験物体の
粘着対象)としてゼラチンゲルを用いると共に、これと
は個別の白金板とを用いるもので、白金板の一面に試験
体の非粘着面を固着し、これとゼラチンゲルとを貼り合
わせて一定加重で両者を接着させ、さらにゼラチンゲル
から試験体を引き剥して離れた時の力により粘着力を決
定する。
【0005】3)粘膜モデルとしてマウス腹膜やハムス
ター頬袋膜を用いるとともに、ラボジャッキ及びこれに
連結されたバネ秤を用いる手段。これは、試験物体を一
定の加重で粘膜モデルに接着させた後、粘膜モデルをラ
ボジャッキにより一定速度で引き伸ばし、この粘膜モデ
ルから試験物体が引き剥された時の力をバネ秤で測定
し、この測定値により粘着力を決定するものである。
【0006】4)上記3)の手段に類似するもので、粘
膜モデルとしてラット腹膜を用い、3)の手段における
接着及び引き伸ばし速度を制御装置により制御して検出
し、この制御装置の検出値により粘着力を決定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の手段1)〜4)は、以下に述べるような問題点
を有している。すなわち、1)、2)及び3)にあって
は、機械的な装置の組み合わせで測定が行われることに
より、微妙な測定値の検出が難しく、特に1)及び2)
は、生体由来ではない鋼球及び白金板を用いているた
め、更に測定値が曖昧になる。また、3)及び4)にあ
っては、粘膜モデルとして用いているマウス腹膜やハム
スター頬袋膜、あるいはラット腹膜の性質上、同一の粘
膜モデルを利用して繰り返し試験を行う場合は、耐用
性、再利用性に乏しく、更に粘膜モデルの引き伸ばしに
際して人為的並びに環境的条件による測定値のばらつき
が生じてしまう。
【0008】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、粘着力の測定値の精度を
著しく向上させるとともに、同一の粘着対象を繰り返し
利用して試験を容易に行うことができる粘着性試験用治
具、粘着性試験装置及びそれを用いた試験方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の粘着性試験用治
具、粘着性試験装置及びそれを用いた試験方法のうち、
請求項1に記載の粘着性試験用治具は、粘着対象として
伸縮可能な膜体を用いて物体の粘着性を試験する装置に
具備される粘着性試験用治具において、基台上に設置自
在な配置台と、一端側がこの配置台の周囲に間隔をおい
て前記基台側に取り付けられ、他端側に前記配置台上に
載置された前記膜体への係合部が設けられた伸縮自在な
弾性体からなる複数の膜体引張器具と、前記配置台上に
載置され、前記膜体引張器具で引張した状態の前記膜体
を前記配置台に固定する膜体固定器具と、を備えたこと
を特徴としている。
【0010】請求項2に記載の粘着性試験用治具は、請
求項1に記載の粘着性試験用治具において、前記膜体固
定器具は、複数の貫通孔を有する板状体であることを特
徴としている。
【0011】請求項3に記載の粘着性試験用治具は、前
記配置台および膜体固定器具が、円形であり、膜体固定
器具にはその中心の同心円上に複数の貫通孔が設けられ
ていることを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の粘着性試験装置は、粘着
対象として伸縮可能な膜体を用いて物体の粘着性を試験
する装置において、基台上に設置自在な配置台と、一端
側がこの配置台の周囲に間隔をおいて前記基台側に取り
付けられ、他端側に前記配置台上に載置された前記膜体
への係合部が設けられた伸縮自在な弾性体からなる複数
の膜体引張器具と、前記配置台上に載置され、前記膜体
引張器具で引張した状態の前記膜体を前記配置台に固定
する膜体固定器具と、を備えた粘着性試験用治具の、前
記配置台が載置固定可能で且つ上下方向に移動自在に構
成された移動台と、この移動台の上方に配設され、下端
側に前記物体の取付部を有する感圧軸と、これら移動台
及び感圧軸に接続され、前記移動台を移動させると共
に、この移動台の移動により前記物体と膜体とを一旦接
着させた後に再び引き剥し、これら両者が離れた時に前
記感圧軸が感知した圧力を検出する制御手段と、を備え
たことを特徴としている。
【0013】請求項5に記載の粘着性試験装置は、請求
項3に記載の粘着性試験装置において、前記感圧軸は、
その取付部が伸縮自在な弾性体を介して設けられている
ことを特徴としている。
【0014】請求項6に記載の粘着性試験方法は、粘着
対象として伸縮可能な膜体を用いて物体の粘着性を試験
する方法において、当該膜体を固定するに際し、基台上
に設置自在な配置台と、一端側がこの配置台の周囲に間
隔をおいて前記基台側に取り付けられ、他端側に前記配
置台上に載置された前記膜体への係合部が設けられた伸
縮自在な弾性体からなる複数の膜体引張器具と、前記配
置台上に載置され、前記膜体引張器具で引張した状態の
前記膜体を前記配置台に固定する膜体固定器具と、を備
えた粘着性試験用治具を用い、前記膜体を前記配置台に
配置すると共に、この膜体の周縁に前記各膜体引張器具
の係合部を係合させて当該膜体を引張し、さらにこの引
張された状態の膜体を前記配置台との間で挾持するよう
に前記膜体固定器具で固定した後、前記配置台が載置固
定可能で且つ上下方向に移動自在に構成された移動台
と、この移動台の上方に配設され、下端側に前記物体の
取付部を有する感圧軸と、これら移動台及び感圧軸に接
続された制御手段とを用い、前記粘着性試験用治具から
取り外された、膜体が張設された配置台を、前記移動台
上に載置固定する一方、前記感圧軸の取付部に前記物体
を取り付け、次いで前記制御手段により前記移動台を移
動させて前記物体と膜体とを粘着させた後に再び引き剥
し、これら両者が離れた時に前記感圧軸が感知した圧力
を前記制御手段で検出することにより、前記物体の粘着
力を決定するものである。
【0015】請求項7に記載の粘着性試験方法は、前記
配置台および膜体固定器具が、円形であり、膜体固定器
具にはその中心の同心円上に複数の貫通孔が設けられ、
配置台は、移動台への取付金具に回転可能に着脱自在で
あることを特徴とする。
【0016】本発明の粘着性試験用治具、粘着性試験装
置及びそれを用いた試験方法のうち、請求項1に記載の
粘着性試験用治具によれば、粘着対象としての伸縮可能
な膜体を配置台上に配置すると共に、各膜体引張器具の
係合部を膜体の周縁に係合させて当該膜体を引張し、次
いで、この配置台上で引張された状態にある膜体の上方
から、膜体固定器具を配置台に固定させる。これによ
り、膜体は、各膜体引張器具により均一に引き伸ばされ
た状態で、膜体固定器具と配置台との間で固定されるか
ら、縮みや弛みが生じることがない。
【0017】請求項2に記載の粘着性試験用治具によれ
ば、膜体固定器具を複数の貫通孔を有する板状体とした
ことで、当該膜体固定器具による膜体の固定に際して、
押圧力の分散により一層均一化された状態で膜体が固定
される一方、一つの膜体から同一の粘着対象としてのサ
ンプルが貫通孔の数量分得られる。
【0018】請求項3に記載の粘着性試験用治具によれ
ば、前記配置台および膜体固定器具が、円形であり、膜
体固定器具にはその中心の同心円上に複数の貫通孔が設
けられているので、前記作用の他に、膜体固定器具を回
転させて粘着性試験を行うことができる。
【0019】請求項4に記載の粘着性試験装置によれ
ば、膜体が固定された粘着性試験用治具を移動台上に載
置固定する一方、感圧軸の取付部に物体の接着部位を下
側に向けて固着させる。そして、制御手段により、所定
の速度で移動台を移動させ、その後所定の圧力及び時間
で粘着性試験用治具の膜体と感圧軸の物体とを接着させ
る。この接着後、さらに制御手段により、所定の速度で
移動台を移動させて膜体と物体とを引き剥すと、この引
き剥し時に感圧軸が感知した圧力が制御手段により検出
される。
【0020】請求項5に記載の粘着性試験装置によれ
ば、感圧軸の取付部を伸縮自在な弾性体を介して設けた
ことで、膜体と物体との接着後の引き剥し時に、感圧軸
の感知する圧力の精度が向上される。
【0021】請求項6に記載の粘着性試験方法によれ
ば、粘着対象としての伸縮可能な膜体を試験器具に固定
するに際し、膜体を配置台に配置すると共に、この膜体
の周縁に各膜体引張器具の係合部を係合させて当該膜体
を引張し、この引張された状態の膜体を配置台との間で
挾持するように、配置台に膜体固定器具を固定させる。
そして、膜体を固定した後に、配置台を移動台上に載置
固定する一方、感圧軸の取付部に物体を取り付け、次い
で制御手段により移動台を移動させて、物体と膜体とを
粘着させた後に再び引き剥し、これら両者が離れた時に
感圧軸が感知した圧力を制御手段で検出する。したがっ
て、人為的及び環境的な条件に左右されることなく、均
一化された状態で膜体を固定させることが可能になると
共に、検出値のばらつきを著しく軽減させて高精度の測
定が可能になり、またこれらの作業を繰り返し簡単に行
うことが可能となる。
【0022】請求項7に記載の粘着性試験方法によれ
ば、前記配置台および膜体固定器具が、円形であり、膜
体固定器具にはその中心の同心円上に複数の貫通孔が設
けられ、配置台は、移動台への取付金具に回転可能に着
脱自在であるので、前記作用の他に、移動台に取り付け
た後、貫通孔の1個所で粘着性試験が終了すると配置台
を回動させ、次の試験対象位置の貫通孔部分を、感圧軸
の対応位置に適宜位置させて粘着性試験の実施ができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1及び図2は、本発明に
係る試験用治具1の一実施の形態を示すものであり、図
1は試験用治具1の平面図、図2は同側断面図である。
これらの図において符号2は試験用治具1の基台であっ
て、この基台2は、方形をした板状体からなり、その下
面側周縁に脚部3が固着されている一方、その上面側中
央部に配置台支持台4が配設され、さらにこの配置台支
持台4から所定間隔隔てて四方に引張器具支持台5が配
設されている。
【0024】かような基台2において、配置台支持台4
には、図3ないし図5に示すような試験器具10が着脱
自在に固定されるようになっており、この試験器具10
は、図3にその平面を示す配置台11と、図4にその平
面を示す固定器具12とからなる。配置台11は、平面
方形の板状体からなり、その周縁に沿って溝11aが形
成されており、この溝11aを境に中心側が端部側より
肉厚に形成されている。一方、固定器具12は、平面方
形で且つ縦横断面溝型をした薄板の平面部位に複数(こ
の例では固定器具12の長手方向に5個ずつ2列に計1
0個)の貫通孔12aが形成されたものであって、その
端縁には前記配置台11の溝11aに係合可能な係合部
12bが形成されている。さらに詳しくは、この係合部
12bは、前記端縁が一旦外側に重合折曲されて肉厚が
他の二倍に形成されるとともに、この端縁がさらに若干
前記とは反対方向に折曲されており、前記重合折曲され
た下端部を以て前記溝11aへの係合部を構成してい
る。
【0025】そして、これら配置台11と固定器具12
とは、互に係合された状態(図5参照)で厚さ方向に合
致した位置にそれぞれネジ穴11b,12cが螺刻さ
れ、これにネジ13が緊締されることにより、配置台1
1に固定器具12が固定されるようになっている。
【0026】一方、引張器具支持台5のそれぞれには、
この例では5個ずつ(計20個)の引張器具20が取り
付けられている。この引張器具20は、この例では伸縮
自在なバネ21の一端側が前記引張器具支持台5に固定
されるとともに、他端側にはフック22(係合部)が形
成されており、バネ21が引張された状態でフック22
が前記配置台支持台4に到達するようになっている。
【0027】さらに、図8には、粘着性試験の粘着力測
定装置を示す。この粘着力測定装置は、装置本体23
と、この装置本体23内に配設された図示しないモータ
と、このモータの稼働により上下方向に移動自在に取り
付けられた移動台24と、この移動台24の移動範囲内
において付された目盛り25と、装置本体23の上部に
おいて固定された感圧軸26とを有し、さらにこの装置
本体23とは別体で前記移動台24及び感圧軸26に接
続された制御装置27とを有している。
【0028】ここで、前記感圧軸26は、図9にその詳
細を示すように、下端側に試験物体となる例えば絆創
膏、ハッカゴム膏類等が取り付けられる取付部26aが
設けられ、この取付部26aは、図示しないスプリング
(弾性体)を介して設けられ伸縮可能となっている一
方、上端側にはネジ部26bが設けられ、このネジ部2
6bによって装置本体23の上部に固定されており、こ
のように固定された状態で、取付部26aの最下端が目
盛り25の最上部に位置するようになっている。そし
て、移動台24が上方へ移動して接触するとスプリング
が縮んで取付部26aが上方へ移動し、この状態から移
動台24が下方へ移動するとスプリングがその弾性によ
り伸びて取付部26aが下方へ移動するようになってい
る。
【0029】また、制御装置27は、前記モータの稼働
をさせて移動台24の上下方向の移動を制御するととも
に、この移動台24の移動に伴い感圧軸26が感知した
圧力を検出するようになっており、これらの操作は当該
制御装置27表面に設けられた図示しない操作パネルに
よって行われるようになっている。
【0030】また、この粘着力測定装置の移動台24に
は、以下に述べるような固定構造により、前記試験器具
10が着脱自在に固定される。すなわち、図6及び図7
に示すように、この固定構造は、試験器具10が載置さ
れる平板31と、この平板31との間で試験器具10を
挟んで位置する棒体32と、この棒体32の両端におい
て当該棒体32と前記平板31とを一体に固定する締付
ネジ33とを備えると共に、前記移動台24の下部に固
設された支持固定部材34とを備えてなる。
【0031】この支持固定部材34は、移動台24に直
接固定された基盤35と、この基盤35上で移動台24
を挟んで両側に配設された支持台36と、この支持台3
6に取付ネジ37により取り付けられた長板状の固定部
材38とからなり、この固定部材38は、その長手方向
に沿って長穴38aが形成され、この長穴38aを介し
て移動台24側に延出自在に取り付けられている。ま
た、固定部材38は、その先端(移動台24側端部)が
移動台24上に載置された平板31の端部まで延出可能
になっており、この状態で固定部材38の下面と平板3
1の上面とが丁度接触する高さに配設されている。
【0032】次に、上述した試験装置を用いた物体の粘
着力試験方法について説明する。ここでは特に、絆創
膏、ハッカゴム膏類等の医薬品を試験物体とし、この試
験物体の粘着対象としてラット腹膜を用いた場合につい
て説明する。先ず、準備作業として、ラット生体からラ
ット腹膜を摘出する。ラットの腹膜には、所定の輪郭に
マーキングを施し、これに沿って所望の大きさに切除す
る。腹膜を疵付けないように注意深く摘出した後は、生
理食塩水により洗浄する。
【0033】次いで、この摘出したラット腹膜を試験器
具10に固定する。先ず、配置台11を配置台支持台4
上に載置し、この配置台11の上面にラット腹膜を仮置
きする。そして、このラット腹膜の周縁に、引張器具2
0を引張してフック22を引っ掛け、これを各引張器具
20のそれぞれについて同様に行う。この作業が終了し
た時点で、ラット腹膜は、配置台11上においてバネ2
1の弾性により四方に引張され、丁度摘出の際にマーキ
ングした大きさで均一に広がった状態となる。
【0034】さらに、この引張された状態にあるラット
腹膜の上方から固定器具12を重ね合わせて、当該固定
器具12を配置台11に係合させ、この状態でネジ13
を用いて固定器具12を配置台11に固定させる。この
際、ネジ13は、配置台11と固定器具12とに挾持さ
れているラット腹膜を貫通しつつ、これら両者を固定さ
せることになる。このようにして試験器具10へのラッ
ト腹膜の固定が完了したら、ラット腹膜の端縁に引っ掛
けられている引張器具20のフックを取り外す。以上で
ラット腹膜の試験器具10への取付作業が完了する。
【0035】次いで、ラット腹膜が固定された試験器具
10を、固定構造により粘着力測定装置の移動台24に
固定させる。すなわち、平板31上に試験器具10を配
置するとともに、この試験器具10上に棒体32を配置
し、これら平板31及び棒体32を締付ネジ33により
一体に固定する。この際、棒体32は、固定器具12の
長手方向に沿って、貫通孔12aのなす前記列間に亘っ
て配置するようにする。そして、取付ネジ37によって
支持台36に固定部材38を取り付け、この固定部材3
8の先端を平板31まで延出させて重ね合わせ、さらに
取付ネジ37を締め付ける。
【0036】一方、感圧軸26の取付部26aの下面に
は、試験物体をその粘着面を下側にして貼り付ける。こ
の後は、制御装置27によりモータを稼働させて移動台
24を上方に移動させ、貫通孔12aから露出したラッ
ト腹膜と試験物体とを所定圧力、所定時間(例えば20
0g/cm2 ,30秒)で接着させ、これが終了した
ら、さらに制御装置27により移動台24を下方に移動
させてラット腹膜と試験物体とを引き剥す。
【0037】この際、感圧軸26内部のスプリングの弾
性により、取付部26aは粘着力に応じて適度に追従し
てから離れることになる。そして、これら両者が離れた
時に感圧軸26が感知した圧力は、制御装置27で検出
され、さらに試験物体の粘着力として処理された後出力
されることになる。
【0038】そして、さらに繰り返し試験を行う場合
は、固定構造により試験器具10の位置を調節し直し、
試験器具10の貫通孔12aの他の箇所を利用して行え
ば良い。一般に、ラット生体からの腹膜の摘出は、細心
の注意が必要で手間のかかる作業であるが、このような
試験器具10を用いることにより、同一のラット腹膜で
何度も繰り返して容易に試験を行うことが可能となる。
【0039】図10及び図11は、本発明の他の実施の
形態を示し、図10は試験器具の断面図、図11は固定
器具の平面図を示す。
【0040】本例は配置台11及び固定器具12が円形
の場合である。配置台11は円形に形成され、固定器具
12は円形の皿状に形成され、前記配置台11に嵌合し
て着脱自在となっている。
【0041】固定器具12の中心には孔12dが穿設さ
れると共に、中心の同心円上に複数の貫通孔12aが設
けられている。図示の本例においては図11に示すよう
に8個の貫通孔12aが等間隔で配設されている。この
固定器具12は、配置台11に嵌合した状態で、孔12
dから配置台11の螺子孔41に螺子42を螺入し固定
することができる。
【0042】また、前記配置台11は、取付金具43に
回転可能に着脱できる。本例においては配置台11の底
面の中心に設けた軸穴44を、取付金具43に突設した
軸45に挿入することによって回転可能に着脱できる構
成となっている。
【0043】前記取付金具43は、移動台24に着脱自
在に取り付ける部材であって、その構成は問わないが、
本例では両端がコ字状に形成され、この部分を利用し移
動台24に挿入し、螺子46で移動台24に固定するよ
うになっている。
【0044】しかして、本実施の形態においても、前記
実施の形態と同様に配置台11の上に膜体を張設し、こ
れを固定器具12で固定した試験器具10を、移動台2
4に取り付けることによって粘着性試験を行うことがで
きる。この実施の形態によれば、移動台24に取り付け
た後、貫通孔の1個所で粘着性試験が終了すると配置台
11を回転することによって、次の試験対象位置の貫通
孔12a部分を、感圧軸26の対応位置に適宜位置させ
て粘着性試験を実施できる利点がある。
【0045】このように、本発明の粘着性試験装置及び
それを用いた試験方法によれば、ラット腹膜の引き伸ば
し並びに固定に際して試験用治具1を用いることによ
り、引張器具20の弾性で均一に引き伸ばすことができ
ると共に、固定器具12で縮みや弛みがなく固定するこ
とができ、人為的並びに環境的条件に左右されない一定
の粘着対象を得ることができる。実際、本願発明者の観
察によれば、ラット腹膜を固定した際にも、貫通孔12
aからのラット腹膜の盛り上がりや、縮み及び弛みは認
識されなかった。これによって、粘着対象としてのラッ
ト腹膜の極めて良好な状態が確保されるから、繰り返し
行われる試験に対する耐用性も向上し、粘着力試験の際
の測定値の精度も著しく向上する。
【0046】また、感圧軸26の取付部26aに弾性を
加味したことで、粘着力に応じた適度な追従性が実現さ
れ、これによっても測定値の精度の向上が確保される。
さらに、固定器具12は複数の貫通孔12aを有するか
ら、当該固定器具12による押圧力が分散されてラット
腹膜の均一化が一層確保されるとともに、同一のラット
腹膜から多数の粘着対象としてのサンプルを得ることも
できる。したがって、繰り返し行われる試験に対する試
験性の向上を図ることもできる。
【0047】なお、本実施の形態においては、絆創膏、
ハッカゴム膏類等の医薬品を試験物体とし、この試験物
体の粘着対象としてラット腹膜を用いた場合について説
明したが、この他の試験物体(例えばチーズやバター、
蒟蒻や豆腐等に代表される食品、石けんや化粧品等に代
表される工業製品)にも適用できることは言うまでもな
い。また、ラット腹膜に代えてマウス腹膜やハムスター
頬袋膜等を用いることや試験物体を感圧軸26に貼り付
けるのではなく、試験器具10に固定し感圧軸(金属)
との粘着力を決定する粘着性試験に用いることも勿論可
能である。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の粘着性試験用治具、粘着性試験装置及びそれを用いた
試験方法によれば、以下の効果を得ることができる。請
求項1に記載の粘着性試験用治具によれば、粘着対象と
しての膜体を縮みや弛みが生じることなく均一に固定す
ることができるので、人為的並びに環境的条件による膜
体への悪影響を回避し、粘着性測定値のばらつきを無く
して高精度な測定を行うことができる。
【0049】請求項2及び請求項3に記載の粘着性試験
用治具によれば、一層均一化された状態で膜体を固定す
ることができると共に、一つの膜体から同一の粘着対象
としてのサンプルを複数得ることができ、したがって試
験を繰り返し行うことが容易になる。
【0050】請求項4に記載の粘着性試験装置によれ
ば、微妙な測定値の検出を容易にしかも的確に行うこと
ができる。
【0051】請求項5に記載の粘着性試験装置によれ
ば、感圧軸の感知する圧力の精度を向上させることがで
き、これによって微妙な測定値の検出精度を向上させ、
正確な測定値を得ることができる。
【0052】請求項6に記載の粘着性試験方法によれ
ば、人為的及び環境的な条件に左右されることなく、均
一化された状態で膜体を固定させることができると共
に、粘着力の検出値のばらつきを著しく軽減させて高精
度の測定を実現することができ、さらに作業を繰り返し
簡単に行うことができる。
【0053】請求項7に記載の粘着性試験方法によれ
ば、貫通孔の1個所で粘着性試験が終了すると配置台を
回動させて、次の試験対象位置の貫通孔部分を、感圧軸
の対応位置に適宜位置させて粘着性試験ができ、試験効
率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る試験用治具の一実施の形態を示す
平面図である。
【図2】同側断面図である。
【図3】本発明に係る配置台を示す平面図である。
【図4】本発明に係る固定器具を示す平面図である。
【図5】配置台と固定器具とを係合させた状態を示す側
断面図である。
【図6】試験器具の移動台への固定構造を示す平面図で
ある。
【図7】同側面図である。
【図8】本発明の実施の形態において説明した粘着力測
定装置の構成図である。
【図9】本発明に係る感圧軸の構成図である。
【図10】本発明の他の実施の形態を示す試験器具の断
面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態を示す固定器具の平
面図である。
【符号の説明】
1 (粘着性)試験用治具 2 基台 10 試験器具 11 配置台 12 (膜体)固定器具 12a 貫通孔 20 (膜体)引張器具 22 フック(係合部) 24 移動台 26 感圧軸 26a 取付部 27 制御装置(制御手段)
フロントページの続き (72)発明者 岩 津 稔 埼玉県大宮市宮前町203−1 高田製薬株 式会社内 (72)発明者 齋 藤 祐 昭 東京都世田谷区上用賀4−35−12−208 株式会社サン科学内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着対象として伸縮可能な膜体を用いて
    物体の粘着性を試験する装置に具備される粘着性試験用
    治具において、基台上に設置自在な配置台と、一端側が
    この配置台の周囲に間隔をおいて前記基台側に取り付け
    られ、他端側に前記配置台上に載置された前記膜体への
    係合部が設けられた伸縮自在な弾性体からなる複数の膜
    体引張器具と、前記配置台上に載置され、前記膜体引張
    器具で引張した状態の前記膜体を前記配置台に固定する
    膜体固定器具と、を備えたことを特徴とする粘着性試験
    用治具。
  2. 【請求項2】 前記膜体固定器具は、複数の貫通孔を有
    する板状体であることを特徴とする請求項1に記載の粘
    着性試験用治具。
  3. 【請求項3】 前記配置台および膜体固定器具は、円形
    であり、膜体固定器具にはその中心の同心円上に複数の
    貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の粘着性試験用治具。
  4. 【請求項4】 粘着対象として伸縮可能な膜体を用いて
    物体の粘着性を試験する装置において、基台上に設置自
    在な配置台と、一端側がこの配置台の周囲に間隔をおい
    て前記基台側に取り付けられ、他端側に前記配置台上に
    載置された前記膜体への係合部が設けられた伸縮自在な
    弾性体からなる複数の膜体引張器具と、前記配置台上に
    載置され、前記膜体引張器具で引張した状態の前記膜体
    を前記配置台に固定する膜体固定器具と、を備えた粘着
    性試験用治具の、前記配置台が載置固定可能で且つ上下
    方向に移動自在に構成された移動台と、この移動台の上
    方に配設され、下端側に前記物体の取付部を有する感圧
    軸と、これら移動台及び感圧軸に接続され、前記移動台
    を移動させると共に、この移動台の移動により前記物体
    と膜体とを一旦接着させた後に再び引き剥し、これら両
    者が離れた時に前記感圧軸が感知した圧力を検出する制
    御手段と、を備えたことを特徴とする粘着性試験装置。
  5. 【請求項5】 前記感圧軸は、その取付部が伸縮自在な
    弾性体を介して設けられていることを特徴とする請求項
    3に記載の粘着性試験装置。
  6. 【請求項6】 粘着対象として伸縮可能な膜体を用いて
    物体の粘着性を試験する方法において、当該膜体を固定
    するに際し、基台上に設置自在な配置台と、一端側がこ
    の配置台の周囲に間隔をおいて前記基台側に取り付けら
    れ、他端側に前記配置台上に載置された前記膜体への係
    合部が設けられた伸縮自在な弾性体からなる複数の膜体
    引張器具と、前記配置台上に載置され、前記膜体引張器
    具で引張した状態の前記膜体を前記配置台に固定する膜
    体固定器具と、を備えた粘着性試験用治具を用い、前記
    膜体を前記配置台に配置すると共に、この膜体の周縁に
    前記各膜体引張器具の係合部を係合させて当該膜体を引
    張し、さらにこの引張された状態の膜体を前記配置台と
    の間で挾持するように前記膜体固定器具で固定した後、
    前記配置台が載置固定可能で且つ上下方向に移動自在に
    構成された移動台と、この移動台の上方に配設され、下
    端側に前記物体の取付部を有する感圧軸と、これら移動
    台及び感圧軸に接続された制御手段とを用い、前記粘着
    性試験用治具から取り外された、膜体が張設された配置
    台を、前記移動台上に載置固定する一方、前記感圧軸の
    取付部に前記物体を取り付け、次いで前記制御手段によ
    り前記移動台を移動させて前記物体と膜体とを粘着させ
    た後に再び引き剥し、これら両者が離れた時に前記感圧
    軸が感知した圧力を前記制御手段で検出することによ
    り、前記物体の粘着力を決定する粘着性試験方法。
  7. 【請求項7】 前記配置台および膜体固定器具は、円形
    であり、膜体固定器具にはその中心の同心円上に複数の
    貫通孔が設けられ、配置台は、移動台への取付金具に回
    転可能に着脱自在であることを特徴とする請求項6に記
    載の粘着性試験方法。
JP22004497A 1997-07-31 1997-07-31 粘着性試験用治具、粘着性試験装置及びそれを用いた試験方法 Pending JPH1151851A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22004497A JPH1151851A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 粘着性試験用治具、粘着性試験装置及びそれを用いた試験方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22004497A JPH1151851A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 粘着性試験用治具、粘着性試験装置及びそれを用いた試験方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1151851A true JPH1151851A (ja) 1999-02-26

Family

ID=16745052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22004497A Pending JPH1151851A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 粘着性試験用治具、粘着性試験装置及びそれを用いた試験方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1151851A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006258804A (ja) * 2005-02-21 2006-09-28 Saitama Daiichi Seiyaku Kk タック性測定方法及び測定装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006258804A (ja) * 2005-02-21 2006-09-28 Saitama Daiichi Seiyaku Kk タック性測定方法及び測定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2306275C (en) Universal mechanical testing device
US7628066B2 (en) Apparatus and method for evaluating peel adhesion
US3854328A (en) Resiliency testing device
CN209745468U (zh) 一种用于薄膜触觉传感芯片测试的装置
JPH1151851A (ja) 粘着性試験用治具、粘着性試験装置及びそれを用いた試験方法
CN105956379A (zh) 均布载荷下中心带刚性板的环形薄膜最大应力的确定方法
CN210665017U (zh) 一种桥梁伸缩缝检测装置
CN219417170U (zh) 一种双面胶剥离装置
KR101826726B1 (ko) 전자저울을 이용한 점착력 측정장치 및 그 측정방법
AU730861B2 (en) Process and device for ascertaining the adhesive behaviour of pressure-sensitive adhesive flat materials on the skin of humans or mammals
US20040083819A1 (en) Method and apparatus for testing the rolling tack of pressure-sensitive adhesives
CN114858703B (zh) 一种剥离强度测试装置
US10393685B2 (en) Cell-on-chip stretchable platform for mammalian cells with integrated impedance spectroscpy technique
JP4316392B2 (ja) 剥離強度計測装置
CN211905048U (zh) 一种酵母重组胶原蛋白敷料贴剥离强度试验机
JP2928997B2 (ja) 簡易堅さ測定機
CN107727498B (zh) 一种声发射试验传感器安装夹持装置及试件安装方法
MORIWAKI et al. Adhesion force measurement with a flexible film-type sensor
CN210644056U (zh) 仿组织体模的测量装置
CN220105161U (zh) 一种具有自动吸附功能的表面电阻测试仪
RU2820031C1 (ru) Быстросъемная система установки образцов для испытания материалов на двухосное растяжение (варианты)
JP2024508022A (ja) 基材に対するボディの粘着力を試験するための方法および装置
CN212844948U (zh) 一种医用敷料粘合剂初始粘性测试装置
CN112834419B (zh) 一种框胶粘着力测试设备及其测试方法
JPH0972702A (ja) ターゲットの厚さ測定装置