【発明の詳細な説明】
骨刺激因子
本発明は骨成長を刺激するポリペプチドに関する。
骨成長および強度に関する問題についての理解はここ数年進歩してきた。例え
ば、W/O 94/20615のもとに1994年9月15日に発行された国際特許出願PCT/CA第94
/00144号、米国特許出願第5,320,970号および1992年9月23日に505210のもとに
発行された欧州特許出願第92 302 446号にまとめられており、これらの出願の内
容を本願では援用する。
以下に記述する本発明の背景として、好中球活性ペプチド(NAP-2、配列識別
番号(SEQ ID NO:1)と、ここでは“NAP-2V”と呼ぶNAP-2の変異体とがしばら
くの間知られていた(Walz,A.,and M.Baggiolini,(1989)Biochem.Biophys
.Res.Commun.159:969)。英国特許第2231 872号(英国特許第2 231 872号、発
明者:M.Baggiolini K.J.Clemetson,およびA.Walz,1990年6月14日発行)
には、NAP-2のアミノ酸配列とNAP-2Cを含む明らかに自然発生的な3種類の変異
体のアミノ酸配列とが記載されている。他の2種類の変異体はNAP-2配列のN-末
端に追加で4つのアミノ酸(配列識別番号3)および3つのアミノ酸(配列識別
番号4)を有する。NAP-2は、N-末端に追加で11のアミノ酸を有するβ−トロン
ボグロビリン(β-TG:配列識別番号5)の準配列(subsequence)である。β-T
Gはそれ自身が結合組織活性ペプチド(CTP-III、配列識別番号6)の準配列であり
、該順配列はN-末端に追加で4つのアミノ酸を有する。CTAP-IIIは、血小板塩基
性タンパク質(PBP;配列識別番号7)の準配列であり、N-末端に追加で9つの
アミノ酸を有する。
インターロイキン−8(ヒトIL-8;配列識別番号8、ブタIL-8;配列識別番号
9)およびメラノーマ刺激活性(MGSA)に加えてNAP-2は、α−ケモキンとして
知られるサブファミリーに指定されてきた。α−ケモキンは、Brandtらによって
記載されているように、一般に高度に保存された位置に4つのシスティン残基を
有し、該分子のコア領域を囲む(Ehlert,JE.,F.Peterson,M.H.G.Kubbuta.
j.Gerdes,H.-D.Flad,およびE.Brandt,(1995)J Biol.Chem.270:6338)。
Brandtらは、明らかに自然発生的にC-末端が切断されたNAP-2のC-末端変異体を
発見した。この変異体はNAP-2の最後の4つのアミノ酸が欠如しており、好中球
脱顆粒に対する効力が著しく増大したことを示す。Brandtらは、NAP-2のC-末端
の最後の1、2、3、5、および6アミノ酸が欠如した変異体も合成した。これ
らC-欠如ポリペプチド(c-truncated polipeptides)のすべてにおいて最初の64
アミノ酸のみを有する配列を除いてNAP-2を上回る効力のほどほどの増大が認め
られた。
血小板因子4(PF4、配列識別番号10)はアミノ酸が70個のポリペプチドであ
る(Hermodson MG.Schmer and K.Kurachi,(1977)J.Biol.Chem.252:6276
:Morgan,F.J..G.S Begg,C.N.Chesterman,(1979)Thromb.Haemost.42:16
52)。PF4は2種類の骨肉腫細胞系統、Saos-2およびG-292の増殖を阻害すること
が示されている(米国特許第5,304,542号、発明者:D.M.Tatakis、1994年4月1
9日発行)。インドメタシンは、PF4による前記細胞増殖の阻害に対してなんら影
響を及ぼさなかった。特定のフラグメント、PF4(58-70)、PF4(47-70)、およびPF
4に対して50%の相同性があり、またα−らせん状C-末端を含む単量体低親和性P
F4(LAPF4)もまた、有用であることが示されている。PF4およびそのような関連
ペプチドは、他のもののなかで骨粗鬆症を罹患している患者の骨芽細胞増殖阻害
に対する方法に有用であることが記載されている。
NAP-2Vの最初の70個のアミノ酸とPF4の配列とが約51%相同であり、4つのシ
スティン残基の位置は2つのポリペプチド間に保存されている。
NAP-2Vの配列と同様に、NAP-2、NAP-2Vは骨刺激効果を示す一方で、ある種の
配列は骨刺激効果を示さないことが現在示されている。NAP-2V-(1-26)(配列識
別番号11)およびNAP-2V-(13-26;gln25−glu25)(配列識別番号12)は観察され
た骨付着率を増加させることが認められ、これら2つのうちの後者は前者よりも
よりいっそう効力があった。NAP-2V-(10-26)(配列識別番号13)は、観察された
骨付着率においてわずかな増加しか生じさせないように思われたが、観察された
増加の統計的有意性は疑問である。NAP-2V-(11-26)(配列識別番号14)およびNA
P-2V-(12-26)(配列識別番号15)は観察された骨無機質吸着率に対してなんら
効果を示さないことが認められた。
したがって、本発明はほ乳類動物の骨成長を促進するポリペプチドを含む。こ
のポリペプチドは配列識別番号2に対応するアミノ酸配列を有するもので、(a
)N-末端から6ないし約12のアミノ酸が欠失した配列識別番号2のアミノ酸配列
、(b)C-末端から7ないし約49のアミノ酸配列が欠失した配列識別番号2のア
ミノ酸配列、あるいは(a)および(b)ともにあり、該配列にはシスティン残
基が含まれないか、あるいは少なくとも2つのシスティン残基、あるいは機能的
に等価な同族体が含まれる。
他の態様では、本発明のポリペプチドは長さが最大でアミノ酸69個の配列識別
番号11に対応するアミノ酸配列、あるいは配列識別番号11のアミノ酸配列であっ
て該配列のN-末端からアミノ酸が6ないし約12欠失したアミノ酸配列、あるいは
配列識別番号11のアミノ酸配列であって該配列からアミノ酸が6ないし約9欠失
したアミノ酸配列であり、該配列にはシスティン残基が含まれないか、あるいは
少なくとも2つのシスティン残基、あるいは機能的に等価な同族体が含まれる。
代わりになるべきものとして、本発明はほ乳類動物における骨の成長を促進す
るポリペプチドであり、該ポリペプチドは長さが最大でアミノ酸69個の配列識別
番号11に対応するアミノ酸配列、あるいは機能的に等価な同族体、あるいは配列
識別番号11に対応するアミノ酸配列から本質的になるアミノ酸配列、あるいは保
守的に置換されたその変異体、あるいは配列番号12に対応するアミノ酸配列から
本質的になるアミノ酸配列、あるいは保守的に置換されたその変異体、あるいは
配列識別番号13に対応するアミノ酸配列から本質的になるアミノ酸配列を有する
ポリペプチド、あるいは保守的に置換されたその変異体である。
本発明のポリペプチドは少なくとも2つのシスティン残基を持つ。これらの残
基は配列識別番号2の10番目および12番目に対応する位置にある。
本発明のポリペプチドは、もし望むのならば、あるいは必要ならば、N-末端の
アミノ酸および保護基によって保護されたC-末端のアミノ基のいずれか、あるい
はその両方を有することができる。
そのポリペプチドを合成することができ、さらにアミノ酸配列は約1,000ない
し4,000、あるいは約1,500ないし約3,000、あるいはより好ましくは約1,5000な
いし約1,800の範囲内の分子量を有することができる。
他の態様では、本発明は、(a) N-末端から6ないし約12のアミノ酸が欠失
した配列識別番号2のアミノ酸配列、(b)C-末端から7ないし約49のアミノ酸
配列が欠失した配列識別番号2のアミノ酸配列、あるいは(a)および(b)と
もにあり、該配列にはシスティン残基が含まれないか、あるいは少なくとも2つ
のシスティン残基、あるいは機能的に等価な同族体が含まれる配列番号2に対応
したアミノ酸配列を有する第2のポリペプチドを十分に複製するアミノ酸からな
る配列を含む第1のポリペプチドである。この第1のポリペプチドは第2のポリ
ペプチドをコードするDNAと厳重な(ストリンジェント)条件下で雑種形成するD
NAによってコードされる。Walzら(英国特許第2 231 872号、発明者:M.Baggio
lini,K.J.Clemetson,and A.Walz、1990年6月14日発行、好中球活性ペプチ
ド-2およびNAP-2、B-TG、CTAP-III、およびPBPの生産のための方法)に開示され
たNAP-2VのDNA配列をここでは配列識別番号16として同定する。
当業者に理解されるように、配列識別番号16として同定される核酸配列の部分
は配列識別番号1、番号11、番号12(Glu−Gln)または番号13として同定される
ポリペプチドをコードする配列に対応している。例えば、配列識別番号16の核酸
37ないし78は、終わりから2番目の(penultimate)アミノ酸がグルタミンであ
る配列識別番号12として同定されるアミノ酸配列をコードする。
“ストリンジェント・ハイブリダイゼーション状態”は当業者に対して共通な
意味を持つ。核酸のハイブリダイゼーションを促進する適当な厳重(ストリンジ
ェンシー)条件は、例えば約45℃の6x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(S
SC)が当業者に知られている。以下の実施例は、Current Protocols in Molecul
ar Biology,John Wiley & Sons,NY(1989),6.3.1-6.3.6に見いだすことができ
る。第一の適当なハイブリダイゼーション溶液は、24mlのホルムアミド、12mlの
20xSSC、0.5mlの2M Tris-HCl pH7.6、0.5mlの100xのDenhardt溶液、2.5mlの脱
イオン水、10mlの50%硫酸デキストラン、さらに0.5mlの10%SDSの混合液である
。第二の適当なハイブリダイゼーション溶液は、1%結晶BSA(フラクションV
)、1mMのEDTA、0.5MのNa2HPO4 pH7.2、7%のSDSであ
る。洗浄工程での塩濃度は50℃で約2xSSCの低ストリンジェンシーから50℃で約
0.2xSSCの高ストリンジェンシーまでから選択される。参照文献はより詳細に記
載しているけれども、適当な洗浄ソトリンジェンシーは相同性の度合いおよびプ
ローブの長さに依存する。もし相同性が100%ならば、高温(65℃ないし75℃)
を使用することができる。もし相同性が低ければ、より低温の洗浄音頭が使用さ
れなければならない。しかし、もしプローブがたいへん短いもの(<100bp)なら
ば、たとえ100%の相同性を有するとしてもより低い温度を使用しなければなら
ない。一般に、低温(37℃ないし40℃)で洗浄し、オートラジオグラフィの主要
なファクタとならないほど十分に低いバックグラウンドとなるまで3ないし5℃
の間隔で温度を上昇させる。
それとは別に、そのような第1のポリペプチドは、長さが69アミノ酸までの配
列識別番号11に対応するアミノ酸配列、または配列識別番号11のN-末端から6な
いし約12のアミノ酸が欠失した配列識別番号11に対応するアミノ酸配列、または
配列識別番号11のN-末端から6ないし約9のアミノ酸が欠失した配列識別番号11
に対応するアミノ酸配列を有する第2のポリペプチドを十分に複製するアミノ酸
の配列である。この配列にはシスティン残基が含まれないか、あるいは少なくと
も2つのシスティン残基、あるいは機能的に等価な同族体が含まれる。したがっ
て、第1のポリペプチドは第2のポリペプチドをコードするDNAとストリンジェ
ント条件下でハイブリダイズするDNAによってコードされる。
第1のポリペプチドは、長さが最大で69アミノ酸である配列識別番号12に対応
するアミノ酸配列、あるいは機能的に等価な相同体を有する第2のポリペプチド
を十分に複製するアミノ酸の配列を有することができる。したがって第1のポリ
ペプチドは第2のポリペプチドをコードするDNAとストリンジェント条件下でハ
イブリダイズするDNAによってコードされる。
第1のポリペプチドは、配列識別番号11に対応するアミノ酸配列を有する第2
のポリペプチドを十分に複製するアミノ酸の配列を持つことができ、第2のポリ
ペプチドをコードするDNAとストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNAよ
ってコードされる。あるいは、第1のポリペプチドは配列識別番号12に対応する
アミノ酸配列を含む第2のポリペプチドの十分な複製であるアミノ酸の配列、
あるいは保守的置換変異体を有することができ、第2のポリペプチドをコードす
るDNAとストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNAによってコードされる
。あるいは、第1のポリペプチドは配列識別番号13に対応するアミノ酸配列を含
む第2のポリペプチドの十分な複製であるアミノ酸の配列、あるいは保守的置換
変異体を有することができ、第2のポリペプチドをコードするDNAとストリンジ
ェント条件下でハイブリダイズするDNAによってコードされる。
本発明の骨成長ポリペプチドは、任意の適当な長さを有し、長さを最大で14ア
ミノ酸にすることができ、あるいは最大で20アミノ酸、あるいは最大で30アミノ
酸、あるいは最大で40アミノ酸、あるいは最大で60アミノ酸以上の長さにするこ
とができる。
本発明は任意の数のキメラ的骨成長因子を含むもので、該因子は本発明のポリ
ペプチドのアミノ酸配列を有する。
別の態様では、本発明は骨減少に関連した疾患の予防および処理に使用される
試薬に関するもので、該試薬は活性成分として本発明のポリペプチドを治療上有
効な量含む。
あるいは、本発明は骨成長を促進する薬学的組成物であり、該組成物は治療上
有効な量からなる本発明のポリペプチドを含む。
本発明は、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列を有する治療上有効な量のポ
リペプチドを投与することでほ乳類動物の骨成長を高める方法を含む。
本発明は、骨粗鬆症の治療に本発明のポリペプチドを使用することを含む。あ
るいは、ポリペプチドの使用によってほ乳類動物の骨成長を促進することができ
る。
本発明は、骨成長促進あるいは骨粗鬆症の治療に使用する医薬品の合成にポリ
ペプチドを使用することを含む。
本発明は、本発明のポリペプチドの存在を決定する診断用キットを含む。この
キットは、レポータ系(reporter system)にリンクした前記ポリペプチドに対
する抗体を含む。このレポータ系は所定量のポリペプチドと抗体とが結合すると
検出可能な応答を生ずる。
本発明は、配列識別番号11、配列識別番号12、または配列識別番号13、または
それらの保守的置換変異体として同定されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
を用いて合成される抗体を含む。
より一般的には、本発明は本発明のポリペプチドに結合する抗体を含むのもで
、該抗体はそのポリペプチドを使用して合成される。
本発明は本発明の任意のポリペプチドの発現をコードするDNA配列を持つベク
ターを含む。
本発明は本発明のポリペプチドを生産するための方法を含むものであって、該
方法は、
a)前記ポリペプチドをコードする核酸配列を含むDNAフラグメントを調製す
る工程と、
b)前記DNAフラグメントを含み、かつ複製を開始することが可能な組換えDNA
フラグメントを得るため前記DNAフラグメントを発現ベクターに取り込む工程と
、
c)前記ポリペプチドを発現することができる形質転換体を単離するために、
前記組換えDNAフラグメントにより宿主細胞を形質転換させる工程と、
d)前記形質転換体にポリペプチドを産生させ、かつ結果として得られる培養
混合物から前記ポリペプチドを回収するために、前記形質転換体を培養する工程
とを有する。
さらに別の態様では、本発明は長さが最大で65アミノ酸である合成ポリペプチ
ドであり、該ポリペプチドはほ乳類動物においてin vivo骨刺激活性を有し、配
列識別番号2のアミノ酸配列、その保守的置換変異体、または機能的に等価な相
同体として同定されたアミノ酸配列に関連して少なくとも約19%保存されたアミ
ノ酸配列を有する。
合成ポリペプチドは、配列識別番号2、その保守的置換変異体、または機能的
に等価な相同体として同定されたアミノ酸配列に関連して少なくとも22%、25%
、28%、31%、または35%保存されることもできる。
そのような合成ポリペプチドは、前記配列から欠失された少なくとも49アミノ
酸を有することができる。
前記ポリペプチドは、システィン残基を含まないものか、あるいは少なくとも
2つのシスティン残基を含むものである。
前記ポリペプチドは、約1,000ないし約4,000の範囲の分子量を有する。
別の実施態様では、本発明は、前記合成ポリペプチドのいずれかのアミノ酸配
列を含む第2のポリペプチドを十分に複製するアミノ酸の配列を有する第1のポ
リペプチドであり、該第1のポリペプチドは前記第2のポリペプチドをコードす
るDNAとストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNAによってコードされる
。
本発明は、前記合成ポリペプチドのいずれかのアミノ酸配列を持つキメラ的骨
刺激因子を含む。
骨減少に関連した疾患の予防および治療に使用される本発明の試薬は、1種類
以上の合成ポリペプチドを含むことができる。
同様に、骨成長を促進するための本発明の薬学的組成物は、1種類以上の前記
合成ポリペプチドを治療上有効な量含むことができる。
本発明は、1種類以上の前記ポリペプチドを治療上有効な量投与することでほ
乳類動物における骨成長を増大させる方法を含む。
そのような合成ポリペプチドは、骨粗鬆症の治療あるいはほ乳類動物における
骨成長促進に使用することができる。
そのような合成ポリペプチドは、骨成長促進または骨粗鬆症の治療に用いられ
る医薬品の合成に使用することができる。
本発明は、1種類以上の合成ポリペプチドが存在するかどうかを判断するため
の診断用キットを含むもので、該キットはレポータ系にリンクするポリペプチド
に対する抗体を含む。また、前記レポータ系は、所定量のポリペプチドと抗体と
が結合した場合に検出可能な応答を生ずる。
本発明は、1種類以上の前記合成ポリペプチドに結合する抗体を含むもので、
該抗体は前記ポリペプチドを用いて合成される。
さらに、本発明は前記合成ポリペプチドのいずれかの発現をコードする単離DN
Aフラグメントと、遺伝子コードの変質(degeneracy)によって前記フラグメン
トとは異なったDNAとを含む。
本発明は、前記合成ポリペプチドのいずれかを合成するための方法であって、
該方法は、
a)前記ポリペプチドをコードする核酸配列を含むDNAフラグメントを調製す
る工程と、
b)前記DNAフラグメントを含み、かつ複製を開始することが可能な組換えDNA
フラグメントを得るため前記DNAフラグメントを発現ベクターに取り込む工程と
、
c)前記ポリペプチドを発現することができる形質転換体を単離するために、
前記組換えDNAフラグメントにより宿主細胞を形質転換させる工程と、
d)前記形質転換体にポリペプチドを産生させ、かつ結果として得られる培養
混合物から前記ポリペプチドを回収するために、前記形質転換体を培養する工程
とを有する。
本発明は、ほ乳類動物で骨刺激活性を示すポリペプチドを含む。このポリペプ
チドは長さが最大で65アミノ酸であり、配列識別番号11、配列識別番号12、また
は配列識別番号13;ほ乳類動物における骨刺激活性が誘導される該配列の3次元
構造が保存されるかぎり、アミノ酸は置換、欠失、あるいは添加されてもよいそ
れらの類似体;あるいは前記ポリペプチドまたはその類似体の各々の結合体とし
て同定される配列を有する。そのようなポリペプチドは、実質的に単一であり、
またアミノ酸配列は約1,000ないし約4,000、または約1,500ないし約3,000、また
は約1,500ないし約1,800の範囲内にある分子量を有する。また、本発明は第1の
ポリペプチドであり、該ポリペプチドはそのようなポリペプチド、またはその機
能的に等価な相同体に対応するアミノ酸配列を含むもので、該第1のポリペプチ
ドは前記第2のポリペプチドをコードするDNAとストリンジェント条件下でハイ
ブリダイズするDNAによってコードされるポリペプチド;そのようなアミノ酸配
列を含むキメラ的骨刺激因子;またはそのようなポリペプチドを含む骨減少に関
連した疾患の予防および治療に有効な薬品;または骨成長を促進させるための薬
学的組成物であって、治療上有効な量からなるそのようなポリペプチドを含む組
成物;またはほ乳類の骨成長を増加させるための方法であって、治療上有効な量
からなるそのようなポリペプチドで、請求項56または57に適宜された
ポリペプチドのアミノ酸配列を有する方法;またはそのようなポリペプチドを骨
粗鬆症の治療または骨成長促進に使用する使用方法;または骨成長を促進させる
ために、あるいは骨粗鬆症の治療に使用するために、医薬品の調製にそのような
ポリペプチドを使用する方法;またはそのようなポリペプチドの存在を判断する
診断用キットであって、レポータ系にリンクした前記ポリペプチドに対する抗体
を含み、該レポータ系は所定量のポリペプチドと前記抗体とが結合すると検出可
能な応答を生ずる診断用キット;またはそのようなポリペプチドに結合し、該ポ
リペプチドによって合成される抗体;またはそのようなポリペプチドのいずれか
の発現をコードする単離DNAフラグメント、または伝子コードの変質による前記
フラグメントと異なるDNA;またはそのようなポリペプチドのいずれかの発現を
コードするDNA配列を持つベクター;またはそのようなポリペプチドを生産する
ための方法であって、
a)前記ポリペプチドをコードする核酸配列を含むDNAフラグメントを調製す
る工程と、
b)前記DNAフラグメントを含み、かつ複製を開始することが可能な組換えDNA
フラグメントを得るため前記DNAフラグメントを発現ベクターに取り込む工程と
、
c)前記ポリペプチドを発現することができる形質転換体を単離するために、
前記組換えDNAフラグメントにより宿主細胞を形質転換させる工程と、
d)前記形質転換体にポリペプチドを産生させ、かつ結果として得られる培養
混合物から前記ポリペプチドを回収するために、前記形質転換体を培養する工程
とを有する方法を含む。
最後に、本発明は、本発明のいずれかのアミノ酸配列をコードする単離DNA配
列またはその類似体であって、前記配列の3次元構造から誘導されたほ乳類動物
における骨刺激活性が前記アミノ酸配列を有するポリペプチドに保存されている
かぎり、前記配列のアミノ酸は置換、欠失、または付加されてもよく、前記配列
は前記DNAとハイブリダイズする単離DNA配列またはその類似体;ほ乳類動物にお
ける骨刺激活性を示すポリペプチドのアミノ酸配列をコードする配列;および遺
伝子コードの変質による配列と異なるDNAを含む。
図面の説明
図1は、NAP-2(配列識別番号1)の配列およびNAP-2V(配列識別番号2)の
配列をそれぞれ持つ化学合成ポリペプチドを25nmol(両方ともN=5)注射された
ラットの骨付着率(μm/日)を、対照群のラット(N=5)と比較して示したも
のである。
図2は、A:NAP-2V-(1-26)(配列識別番号11)、B:NAP-2V-(13-26)、gln25
-glu25)(配列識別番号12)、C:NAP-2V-(10-26)(配列識別番号13)、D:
NAP-2V-(11-26)(配列識別番号14)、およびE:NAP-2V-(12-26)(配列識別番号
15)の化学合成ポリペプチドをラットに注射して観察された骨無機物付着率(μ
m/日)を説明するためのグラフである。グラフ上の第1の棒は対照群を表す。
決定するために使用したラットの数は、それぞれ4、4、3、4、4、および4
匹であった。誤差を示す棒は、±1 S.Dである。
図3は、互いに整列したアミノ酸に対応する試験したポリペプチドのアミノ酸
配列を示すもので、線の上に示したものは活性ペプチド、骨成長を刺激しないも
のは線の下に示す。適当な分子量を配列識別番号の下に示す。
材料、方法、および結果
NAP-2(配列識別番号1)およびNAP-2V(配列識別番号2)の配列を持つポリ
ペプチドを標準的な方法を用いて化学合成し、化学合成されたポリペプチドが活
性を示すかどうかを決定するために実験を行った。
実験は、オスのSprague-Dawley系ラットからなる3つの群に対して同時に行っ
た。各群は5匹のラットからなる。各ラットの体重は250ないし350gの間であっ
た。第1群の各ラットに対して、左大臀筋に皮下注射することでNAP-2(配列識
別番号1)を25nmol(約191μg)含む200μlの1%酢酸水溶液を与えた。第2群
の各ラットに対して、同様にNAP-2V(配列識別番号2)を25nmol(約207g)含
む200μlの1%酢酸水溶液を与えた。第3群(対照群)の各ラットに対して、同
様に200μlの1%酢酸溶液を与えた。
試験溶液の投与直後、テトラサイクリン塩酸塩水溶液300μlを右大臀筋に筋肉
内投与した。テトラサイクリンの濃度はラットの体重の約24mg/kgの投与量を
得るのに十分な濃度とした。第1回目の投与から約48時間後にテトラサイクリン
塩酸溶液の第2回目の投与を行った。テトラサイクリンの第2回目の投与後24時
間後にラットを犠牲にした。
右大腿骨の下部骨幹端の切片を骨無機物付着率の骨測定に使用した。測定のた
めの骨材料の処理は、すでに記述されている。例えば、1994年9月15日にNo.WO
94/20615として発行された国際特許出願PCT/CA94/00144を見よ。
したがって、配列識別番号1または配列識別番号2のいずれかに一致する配列
を有するポリペプチドは、骨成長を刺激することがわかった。
実験の第2セットでは、24匹のSpraque-Dawley系ラット(Charles River Labo
ratory)を4匹づつ6つの群に分けた。対象群である第1群の各々に対して、20
0μlの0.1%酢酸溶液を右大腿に注射した。他の群のラットに対しては、以下に
示すように約25nmolの化学合成ペプチドを含有する約200μlの0.1%酢酸溶液を
右大腿にそれぞれ注射した。
ポリペプチド(対照)溶液を注射した直後に、各ラットに対して200μlの1M
テトラサイクリン塩酸(Sigma Chemical)溶液を右大殿筋に注射した。このテト
ラサイクリン投与量は、動物体重のkgあたり約16mgである。
約48時間後に、各ラットの左大殿筋に同量のテトラサイクリンを注射した。そ
の24時間後に、CO2麻酔によってラットを犠牲にし、骨無機物付着率の決定のた
めに右大腿骨を切除した。実験の途中で1匹のラットが死亡した。
切断直後に、骨試料を10%ホルムアルデヒド溶液、pH7.4で固定した。同日遅
く、ホルムアルデヒド溶液を1:1のH20−アセトン溶液に換えた。後日アセト
ンで2回これを交換した。これを後日に1:1のアセトン−スパーズ(Spurr's
)メジウム溶液で交換し、同日遅くスパーズメジウムと交換した。後日、各試料
を新鮮なスパースメジウムに置き換えた中に埋め込み、60℃で24時間にわたって
硬化させ、続いて80℃で24時間にわたって硬化させた。
ダイアモンド刃を備えたライツ・ソー・マイクロトーム(Leitz saw microsto
me)を用いて各硬化ブロックを400μm厚の切片に切断した。相対的に厚みのあ
る切片は、最終的に厚さが約10μmとなるように、カーボランダム・パウダによ
って事前に粗面となった2枚の研磨用ガラス板に挟んで研磨した。この際、水を
研磨用減摩剤として用いた。薄い切片を乾燥させ、未染色でパーマウント(Perm
ount(Fisher))に載せた。
測定は、国際特許出願番号PCT/CA94/00144に記載されているように、ライツの
走査光顕微鏡フォトメータMPV-CDを用いて倍率16倍で切片を拡大した。
得られた結果は表2および図2に示す。
図2に示すように、NAP-2V-(1-26)(配列識別番号11)およびNAP-2V-(13-26;g
ln25-glu25)(配列識別番号12)は骨成長を刺激するように作用し、これら2つ
のポリペプチドのうち後者はより高い活性を示した。
NAP-2V-(10-26)(配列識別番号13)は観察された骨付着率においてわずかな上
昇を引き起こすように思われる。しかし、観察された増加の有意性については疑
問である。NAP-2V-(11-26)(配列識別番号14)およびNAP-2V-(12-26)(配列識別
番号15)は観察された骨無機物付着率に対して何ら効果を示さないことが認めら
れた。NAP-2V-(10-26)の配列はcys10およびcys12残基の両方を保持する。NAP-2V
-(11-26)およびNAP-2V-(12-26)の各々はcys12残基を保持する。NAP-2V-(13-26;
gln25-glu25)の配列はcys10およびcys12残基のいずれも保持しない。これらNAP-
2V準配列のすべては親のNAP-2Vに存在するcys36およびcys52残基が欠けている。
NAP-2V-(10-26)、NAP-2V-(11-25)、およびNAP-2V-(12-26)の減少した活性は、骨
刺激効果に必要なポリペプチド−受容体相互作用を阻害する自然発生的な分子間
ジスフィルド結合によるものと思われるが、確かではない。
NAP-2V-(13-26; gln25-glu25)の配列は、25位のところで対応するNAP-2V配列
と異なり、グルタミン残基のかわりにグルタミン酸残基が存在する。もちろん、
NAP-2Vで生ずるようにグルタミン残基を持つ準配列もまたほ乳類動物での骨成長
を刺激する作用があると思われる。
NAP-2は2つの内部ジスフィルド結合を有するもので、それぞれCys-5とCys-31
との間、またCys-7とCys-47との間にあると考えられてきた(Baggiolini,M.,C
lemetson,K.J.,Walz,A.国際特許出願番号PCT/EP89/01389、WO90/06321とし
て1990年6月14日発行)。拡張することで、対応するシスティン残基を含む本願
で開示された配列および準配列はそれらの間に同様な結合を含むことが見込まれ
よう。
もちろん理解されるであろうが、それによって限定されることを意図するもの
ではなく、さまざまな他のアミノ酸置換が可能である一方で、ここに開示された
NAP-2Vの準配列の骨刺激効果に責任を負うべき構造を保全する。保守的置換(co
nservative)は特許文献に記載されており、例えば米国特許第5,2264,558号であ
る。したがって、例えば非極性脂肪族中性アミノ酸、グリシン、アラニン、プロ
リン、バリン、およびイソロイシンの間の相互交換交換が可能である。同様に、
非極性脂肪族中性アミノ酸、セリン、スレオニン、メチオニン、およびグルタミ
ン間での置換が可能である。荷電塩基性アミノ酸、リジンおよびアルギニン間の
置換と同じく、荷電酸性アミノ酸、アスパラギン酸およびグルタミン間の置換も
可能である。フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファンおよびチロシンを
含む芳香族アミノ酸間の置換もまた可能であろう。このような置換および内部荷
電(intercharges)の分類は当業者に十分知られていることである。他の置換も
また可能であろう。ペプチドはアミノ酸配列を有するもので、該アミノ酸配列は
配列識別番号11または配列識別番号12のアミノ酸配列と提携することがで、50%
または相同性を有する。このペプチドは、それの骨刺激効果の少なくとも一部分
を保持するものであろう。もちろん、相同性がよりいっそう高くなる、すなわち
60%、70%、80%、90%、あるいはそれ以上の比率によって保持された骨刺激活
性の度合いを増加させることができると期待される。
1以上のアミノ酸の欠失が関係する限り、いずれかの配列の各末端からわずか
のアミノ酸の欠失が可能かもしれず、配列識別番号14および15を得るための欠失
は骨成長を促進することのないポリペプチドを生成することが観察されることを
念頭に置く。さらに、3次元構造を保持したままで、対称的、またはほぼ対称的
な欠失が起こることはもっとも可能性がある。ある程度限定された範囲で可能か
もしれないが、内部付加はわずかとすべきである。
配列に対する上記に挙げられた修飾にとって、例として、修飾は多様な機能を
提供するものとして、ラジオイムノアッセイでの使用に関していえば同定される
基、あるいは結合基として、末端付加がもっとも有用であると思われる。
本発明のポリペプチドは、体内で起こるかもしれないように、プロテアーゼの
存在下、例えば、ポリペプチドのC-末端およびN-末端の保護、またはC-末端およ
びN-末端の両方の保護によって、可能な欠失に関して改善される。
ここで使用されているように、「保護(protected)」末端アミノ基は、種々
のアミノ末端保護基のいずれかに結合した末端アミノ基(N-末端)であり、該保
護基はペプチド合成で用いることができる。適当な基の例としてアクリル保護基
、例えばホルミル、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、サクシニル
、およびメトキシサクシニル;芳香族ウレタン保護基;例えばベンジルオキシカ
ルボニル;および脂肪族ウレタン保護基、例えばt-ブトキシカルボニルまたはア
ダマンチルオキシカルボニルが挙げられる(Gross and Mienhofer,eds..The P
eptides,vol 3,pp.3 to 88(Academic Press,New York,1981))。
ここで使われているように、「保護」末端カルボキシル基は、種々のカルボキ
シル末端保護基のいずれかに結合した末端カルボキシル基(C-末端)である。当
業者に容易に理解されるように、適当な基として、t-ブチル、ベンジル、あるい
はエステルまたはエーテル結合によって末端カルボキシル基に結合する適当な基
を挙げることができる。
本発明の範囲に含まれる化合物は、固相ペプチド合成等の既知の方法によって
化学的に合成することができる。合成は、α−アミノ保護アミノ酸を用いてペプ
チドのカルボキシル末端基から開始される。t-ブチルオキシカルボニル(Boc)
保護基、または他の適当な保護基を用いることができる(Stewart et al.,“So
lid-Phase Peptide Synthesis.”W.H Freeman Co.,San Francisco(1969)、M
errifleld,J Am.Chem.Soc.85:2149-2154(1963);Vale et al.,Science 213,
1394-1397(1981)、およびMarke et al.,J.Am Chem.Sci.103,3178(1981))。
合成方法は、「ペプチド合成の原理
(Principles of Peptide Synthesis)」M.Bodansky Ed.(Spring-Verjag 1984)
にも記載されている。これらの方法および他のペプチド合成方法は、米国特許第
3,862,925号、第3,842,067号、第3,972,859号、第4,105,602号、第4,683,291号
、第4,244,946号、および第4,305,872号にも例示されている。
化合物は手動または自動化されたペプチド合成装置(Applied BioSystems 430
A Peptide Synthesizer(Foster City,California)またはBiosearch SAM11 auto
matic peptide synthesizer(Biosearch,Inc.,San Rafael,California)等の
技術を用いて合成することも可能である。
本発明の化合物およびそれを含有する組成物は、疾患に関連した骨減少の予防
および治療のために数多くの治療および予防用途に使用することができる。した
がって、該化合物は骨粗鬆症において骨成長を促進させる処理剤として任意のル
ートでもって使用することができる。好ましいルートは、対象(被験者または被
験体)の血流に対するポリペプチド型化合物の送達に適したものであり、本願に
記載されたもののようなポリペプチドに必要とされる適当な保存および取り扱い
条件を持つ。
したがって、本発明は、非毒性付加塩類、アミド、およびそれらのエステル等
、単独で上記した治療上の恩恵を提供するであろう本発明の化合物を有効量含有
する組成物も提供するそのような化合物は、生理的に許容される液体、ゲル、ま
たは固形希釈剤、アジュバント、および医薬品添加物とともに提供することも可
能である。
NAP-2Vの準配列を含む上記の例では、動物の体重1kgあたり約75nmolのポリペ
プチドが一回の投与で使用された。実際の場合、特にヒトの被験者がかかわる場
合は、日用量は体重1kgあたり0.001ないし300mg以上の間が良いであろう。より
好ましくは、用量は体重1kgあたり約0.1ないし約30mgの近傍とする。投与の頻
度は、投与の仕方、都合、および投与ごとに使用される頻度および量による処理
の有効性のばらつきに応じて、1日1回よりも多く、あるいは少なくすることが
好ましい。投与量は被験者およびそのような投与による効果にもとづいてもよい
。任意の一以上の化合物の用量は、使用される特定の化合物または化合物の組み
合わせ、投与方法、治療される動物等、数多くの因子に依存するであろう。特定
の化合物または化合物の組み合わせの用量は、従来の検討を利用して決定するこ
とができる。例えば、対象化合物および既知の試薬の異なる活性の従来通りの比
較、すなわち被験者の骨密度を時間をおって測定する等の適当な薬学的プロトコ
ルによる。
薬学的プレパレーション(pharmaceutical preparations)は、骨成長の促進
および(または)骨粗鬆症の治療を目的として使用直前に調製される注射可能な
溶液等、注射可能な溶液として調製された任意の化合物を含む。注射可能なもの
としては、液体溶液または懸濁液のいずれかであり、さらに注射前に液体に溶か
されるか、あるいは懸濁されるのに適した固形状ものであってもよい。活性ポリ
ペプチドは、しばしば希釈剤および医薬品添加物と混合される。これらは生理学
的に許容されるもので、またポリペプチドに対して相溶性を示す。適当な希釈剤
および医薬品添加物としては、水、塩類溶液、デキストロース、グリセロール等
が挙げられる。また、もし必要ならば、組成物に少量の添加物質を含有させるこ
ともできる。この添加物質としては、湿潤剤、乳化剤、安定化剤、pH緩衝剤等が
挙げられる。
薬学的プレパレーションは、従来の医薬品添加物と混合して化合物を使用する
ことが含まれる。すなわち、薬学的に許容され、かつ上記化合物と有害な反応を
引き起こすことはない有機または無機の担体物質であり、また該物質は化合物の
保存および取り扱い安定性を高める可能性がある。製法は、薬学的プレパレーシ
ョンの安定化が含まれるものであってもよい。化合物は、該化合物と有害反応
を引き起こすことのない潤滑剤、防腐剤、安定化剤、浸透圧に影響する塩類等の
医薬品添加物と混合したものであってもよい。
化合物は、従来の方法でもって非経口的に、例えば皮下注射あるいは静脈注射
として注射によって投与される。投与の別の形態に適した追加の製剤には、坐剤
、鼻腔内エアゾル等が挙げられ、ある場合においては経口用の製剤でる。坐剤と
して、ポリアルキレングリコールまたはトリグリセリド等の従来の結合剤および
医薬品添加物を含むことができる。そのような坐剤は、0.5%〜10%、好ましく
は1%〜2%の範囲内にある活性成分を含む混合物から形成されてもよい。経口
用の製剤は、薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、スターチ、ステアリ
ン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等が
挙げられる。これらの組成物は溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、カプセル、持効性製
剤、または粉末の形態を取り、さらに10%〜95%の活性成分、好ましくは25%〜
70%を含む。それらの経口製剤には、吸収されるまでペプチドを保護するように
設計された製剤が含まれる。
ペプチド化合物は、中性または塩の形態で組成物に配合される。薬学的に許容
される非毒性の塩類としては酸付加塩類(遊離アミノ基で形成)を含むもので、
さらに塩酸またはリン酸等の無機酸や、あるいは酢酸、オキザロ酸、酒石酸、マ
ンデル酸等の有機酸等によって形成される。有機カルボキシル基によって形成さ
れる塩類は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム等の無機塩基や
、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチ
ジン、プロカイン等の有機塩基から誘導されたものであってもよい。
本発明の化合物は、該化合物同士で単独重合(すなわち、(ペプチド)n)、
あるいは互いにヘテロ重合させることができる。化合物はまた、BIOL(登録商標
)(WR Grace & Co.,-Conn.)等の生体親和性ポリマー化合物と結合させること
ができる。
組換え技術を用いて調製した場合、本発明の所望のポリペプチドをコードする
DNA配列は標準的な自動化された技術によって合成され、またそのコドン配列ま
たは部分はcDNAまたはゲノム・ライブラリーから検索される。このDNAは適当な
発現ベクターにリゲーションされ、該ベクターは適当な宿主に転換する。種々の
発現ベクター/宿主細胞系を用いることができ、原核および有核生物培養系の両
方が含まれる。
原核生物は、ほとんどの場合、種々の株の大腸菌(E.coli)によって表される
。しかし、他の微生物株も使用することができる。例えば、bacillus subtillis
等の杆菌や、種々の種類のシュードモナス、あるいは他の細菌株が挙げられる。
そのような原核生物の系では、複製起点と、宿主との適合性を有する種由来の制
御配列とを含むプラスミド・ベクターを用いる。例えば、E.coliは一般にE.coli
種由来のpBR322の誘導体を用いて形質転換される(Bolivaretal..(1977)Gene
2:95)。一般に使用される原核生物制御配列は、ここではリボゾーム結合部位
に沿って任意にオペレータを有する転写開始のプロモータを含むものであるが、
そのような一般に使用されるプロモータをベータ−ラクタマーゼ(ペニシリナー
ゼ)、ラクトース(1nc)プロモータ系(Changetal.,(1977)Nature 198:1056)
およびラムダ誘導PLプロモータおよびN-遺伝子リボゾーム結合部位(Shimatak
e et al.,(1981)Nature 292:128)を含む。しかし、原核生物に適合可能で入
手可能なプロモータ系はいずれも使用することができる。
本発明の真核生物系で有用な発現系は、適当な真核生物遺伝子から誘導された
プロモータを有する。あるクラスのプロモータは酵母で有用であり、例えばグリ
セルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素プロモータ(Holland & Holland,(198
0)J Biol Chem 25:2596)、アルファ−ファクタ・プロモータ(Bitter et al.,
(1984)Proc Natl Acad Sci 81:5330)、galプロモータ(Johnston & David,
(1984)Mol Cel Biol 4:1440)、3-ホスホグリセレート・キナーゼのプロモー
タ(Hitzeman et al.,(1980)J Biol Chem 256:1385)、あるいはYEp13から得
たLeu2遺伝子(Broach.J.,et al.,(1978)Gene 8:121)が挙げられる。
適当なほ乳類動物プロモータとしては、SV40由来の早期および後期プロモータ
(Fiers et al.,(1978)Nature 273:113)または他のウイルス・プロモータ、
例えばポリオーマ、アデノウイルスII、牛パミローマ・ウイルスまたはラウス肉
腫ウイルスが挙げられる。適当なウイルスおよびほ乳類動物エンハンサーは上記
引用した。植物細胞を発現系として用いた場合は、ノパリン系プロモータが適当
である(Depicker,A..et al.,(1982)J Mol Appl Gen 1:56)。
発現系は複製ベクター上に含まれるか、あるいは組換え宿主の染色体に統合さ
れる。ベクターが複製系を有する系では、ベクターは低複製数または高複製数で
あり、通常は薬1,000よりも少ない複製数である。しかし、ある条件では、ラン
アウエイ(runaway)ベクターを用いてもよい。ベクターが統合または複製系に
含まれようとも、本発明のポリペプチドをコードする配列は、ジヒドロホレート
還元酵素、メタロチオネインス(methallothioneins)、チミジン・キナーゼ等
の増幅遺伝子とタンデムにリゲーションされる。原核生物系では、増幅遺伝子お
よび標的遺伝子の両方とも、同一の転写および翻訳調整領域のもとにあることが
可能である。
一般に、ベクターは発現系を含む宿主細胞の選択を可能とするマーカーを含む
ものであってもよい。これらのマーカーの性質は宿主に依存しており、当業者に
理解される。プロモータ等の所望の調節遺伝子に加えて、エンハンサー等の追加
の配列を用いて転写のレベルを高めることができる。もし、ポリペプチドが分泌
されるものであるならば、米国特許第4,336,336号、第4,338,397号、および第4,
546,082号に示されるようなシグナル・ペプチドをコードする上流側配列を用い
ることも可能である。シグナル・ペプチドは、ポリペプチドが分泌されるときに
酵素的に切断される。
使用した宿主に応じて、形質転換はそのような細胞に適当な標準的技術を持ち
いて行われる。Cohen,SN.,(1972)Proc NatlAcad Sci USA 69:2110に記載され
ているような塩化カルシウムを用いるカルシウム処理、あるいはManiatis et al
.,Molecular Cloning: A Laboratory Manual(1982)Cold Spring Harbor Pres
s,p.254に記載されているようなRbC1方法を用いて実質的に細胞壁バリアを持つ
原核細胞あるいは他の細胞に使用することができる。Agrobacterium tmefaciens
(Shaw,C.H.,(1938)et al.,Gene 23:315)による感染はある種の植物細胞に使
用する。そのような細胞壁のないほ乳類動物にとっては、Graham and van der E
b,(1978)Virology 52:2:546のリン酸カルシウム沈殿法が好ましい。酵母への
形質転換は、例えばVan Solingen,P.,et al.,(1977)J Bacter 130:946およ
びHsiao,C.L..et al.,(1979)Proc Natl Acad Sci
USA 76:3829の方法にもとづいて行う。
適当な発現系を構成した後に、一般に系は適当な宿主に形質転換され、発現ベ
クターに含まれるマーカーによって成功した形質転換株を選択する。成功して形
質転換したコロニーをつぎに培養して所望のポリペプチドを生産する。しばしば
、環境条件を調節することで制御されることが可能なプロモータを使用すること
で、本発明の所望のポリペプチドをコードする遺伝子が発現されない条件下で成
長することができ、該条件を適当に操作することでポリペプチドの生産を誘導す
ることができる。例えば、もしtrpプロモータがE.coliで使用される場合、細胞
はトリプトファンの存在下で成長し、発現の誘導はトリプトファン濃度の下降に
よって、あるいはインドリル酢酸等のトリプトファン類似体を添加することによ
ってなされる。もし遺伝子がPLプロモータの制御下にある場合、細胞は適当な細
胞密度まで相対的に低い温度、例えば約35℃で成長する。その後、温度を上昇さ
せてこのプロモータを活性化させる。もし宿主細菌内で成熟細胞内ポリペプチド
として生産されるならば、N-末端メチオニンは切断されるか、もしくは切断され
ない。ほ乳類系では、例えば、メタロチオネイン・プロモータは重金属またはグ
ルココルチコイドの添加による誘導を許す。このプロトコルは、細胞の増殖に有
害なポリペプチドの成熟前蓄積を防ぐ上で好ましい。
ポリペプチドは、適当な宿主内で使用可能なシグナル・ペプチドによって先行
されるベクターの構成によって細胞内的に、あるいは分泌された形態で生産可能
である。
ポリペプチドは、当業者に既知の適当な方法を用いて培地または細胞から回収
され、例えばイオン交換クロマトグラフィ、硫安沈殿、ゲル透過クロマトグラフ
ィ等によって精製される。
本願に開示した本発明によって入手可能なポリペプチドは、それに対する抗血
清を得るために使用することができる(Stites.D.P.andA.l.Terr.1991.In
Basic & Clinical Immunology,7th Ed.Appleton and Lange,Norwalk,Connec
ticut and San Matea California)。方法論および生成物は、抗体が結合するポ
リペプチドを検出するために使用するためにポリペプチドに対する抗体を使用す
ることで発展させることができる。このことは、少なくともCTP-III
(配列識別番号3)の配列を有するポリペプチドに対して達成されている(Bagg
iolini,M.,Clemetson,K.J.,Walz,A.国際特許出願PCT/EP89/01389,WO90/0
6321として1990年6月14日発行)。方法論および生成物は、抗体が結合するポリ
ペプチドを検出するために使用するためにポリペプチドに対する抗体を使用する
ことで発展させることができる。
例えば、抗体はレポータ系(reporter systems)に結合することができる。こ
のレポータ系は、抗体へのポリペプチドの確かな結合を示すためにセット・アッ
プされる。既知のレポータ系としてはラジオイムノアッセイ(RIA)または免疫
放射定量測定法(IRMA)が挙げられる。それに代わるものとしては、酵素結合免
疫吸着測定法(ELISA)がRIAおよびIRMAと同様に相対的に高い感度を示す。しか
し、一般に放射性同位元素の使用に頼るべきではない。視覚的に検出可能な物質
が作られるか、あるいは少なくともスペクトロフォトメータによって検出可能で
ある。測定すべき酵素が結合した物質の蛍光にもとづいた測定方法を使用するこ
とができた。本発明では、特定のペプチドの存在を検出するために、いくつかの
レポータ系を用いることが好ましい。試料を集めること、および処理を標準化す
ることで、血清中での閾値を越えるポリペプチドの存在を良好に決定することが
できる。
そのような抗体結合レポータ系は、被験体の血清中に異なる量のポリペプチド
が含まれるかを決定する方法に使用することができる。所定のタイプの被験体の
血清に含まれるようなポリペプチドの正常閾値濃度を与えることで、試験用キッ
トを開発することができる。
さらなる特徴は、当業者に知られているキメラ的のタンパク質によって得られ
る。タンパク質全体あるいは該タンパク質の一部をコードするDNA配列は、例え
ばE.coliのβ-グルクトシダーゼのC-末端タンパク質をコードする配列に結合し
て融合タンパク質を生成する。ヒトの発現系RSウイルス・グリコプロティンFお
よびGは、例えば米国特許第5,288,630号、1994年2月22日発行に記載されており
、本願ではこの引例を援用する。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年12月2日
【補正内容】
1.ほ乳類動物の骨成長を促進させるポリペプチドであって、配列識別番号2に
対応し、最大で69個の保守的アミノ酸の配列から本質的になるアミノ酸配列を
有し、該アミノ酸配列は(a)N−末端から6ないし約12のアミノ酸が欠失し
た配列識別番号2のアミノ酸配列、(b)C−末端から7ないし約49のアミノ
酸配列が欠失した配列識別番号2のアミノ酸配列、あるいは(a)および(b)
ともに該当するアミノ酸配列であり、さらに前記アミノ酸配列にはシスティン残
基が含まれないか、あるいは少なくとも2つのシスティン残基が含まれるアミノ
酸配列、あるいは機能的に等価な同族体であることを特徴とするポリペプチド。
2.請求項1のポリペプチドであって、前記アミノ酸配列は本質的に、配列識別
番号11に対応するアミノ酸配列、あるいは配列識別番号11のアミノ酸配列で
あって該配列のN−末端からアミノ酸が6ないし約12欠失したアミノ酸配列、
あるいは配列識別番号11のアミノ酸配列であって該配列からアミノ酸が6ない
し約9欠失したアミノ酸配列、あるいは機能的に等価な同族体からなることを特
徴とするポリペプチド。
3.請求項2のポリペプチドであって、前記アミノ酸配列は、配列識別番号12
に対応するアミノ酸配列、あるいは機能的に等価な同族体から本質的になること
を特徴とするポリペプチド。
4.請求項2のポリペプチドであって、前記アミノ酸配列は、配列識別番号13
に対応するアミノ酸配列、あるいは保守的に置換されたその変異体から本質的に
なることを特徴とするポリペプチド。
5.請求項1にもとづくポリペプチドであって、配列識別番号2に対応し、最大
で69個の保守的アミノ酸の配列から本質的になるアミノ酸配列を有し、該アミ
ノ酸配列は(a)N−末端から6ないし約12のアミノ酸が欠失した配列識別番
号2のアミノ酸配列、(b)C−末端から7ないし約49のアミノ酸配列が欠失
した配列識別番号2のアミノ酸配列、あるいは(a)および(b)ともに該当す
るアミノ酸配列であり、さらに前記アミノ酸配列にはシスティン残基が含まれな
いか、あるいは少なくとも2つのシスティン残基が含まれるアミノ酸配列、ある
いは機能的に等価な同族体であることを特徴とするポリペプチド。
6.請求項2のポリペプチドであって、前記アミノ酸配列は本質的に配列識別番
号11に対応するアミノ酸配列、あるいは配列識別番号11のアミノ酸配列であ
って該配列のN−末端からアミノ酸が6ないし約12欠失したアミノ酸配列、あ
るいは配列識別番号11のアミノ酸配列であって該配列からアミノ酸が6ないし
約9欠失したアミノ酸配列を含み、さらに該アミノ酸配列にはシスティン残基が
含まれないか、あるいは保守的に置換されたその変異体からなることを特徴とす
るポリペプチド。
7.請求項2のポリペプチドであって、前記アミノ酸配列は本質的に、配列識別
番号12に対応するアミノ酸配列、あるいは保守的に置換されたその変異体から
なることを特徴とするポリペプチド。
8.請求項2のポリペプチドであって、前記アミノ酸配列は本質的に、配列識別
番号13に対応するアミノ酸配列、あるいは保守的に置換されたその変異体から
なることを特徴とするポリペプチド。
9.請求項1のポリペプチドであって、少なくとも2つのシスティン残基は、配
列識別番号2の10番目および12番目に対応する位置にあることを特徴とする
ポリペプチド。
10.請求項1ないし9のいずれかのポリペプチドであって、N−末端のアミノ
酸およびC−末端のアミノ基のいずれか、あるいはその両方に保護基が設けられ
ていることを特徴とするポリペプチド。
11.ほ乳類動物の骨成長を促進させる第1のポリペプチドであって、長さが最
大69個のアミノ酸から本質的になり、かつ第2のポリペプチドを十分に複製す
る一連のアミノ酸であり、前記第2のアミノ酸配列は配列識別番号2に対応する
配列の保守的アミノ酸が最大で69個から本質的になり、(a)N−末端から6
ないし約12のアミノ酸が欠失した配列識別番号2のアミノ酸配列、(b)C−
末端から7ないし約49のアミノ酸配列が欠失した配列識別番号2のアミノ酸配
列、あるいは(a)および(b)ともに該当する配列識別番号2のアミノ酸配列
からなり、システィン残基が含まれないか、あるいは少なくとも2つのシスティ
ン残基が含まれるアミノ酸配列であり、さらに前記第1のポリペプチドは第2の
ポリペプチドをコードするDNAとストリンジェント条件下で雑種形成するDN
Aによってコードされることを特徴とするポリペプチド。
12.請求項11の前記第1のポリペプチドであって、長さが最大69個のアミ
ノ酸から本質的になり、かつ第2のポリペプチドを十分に複製する一連のアミノ
酸であり、前記第2のポリペプチドは、長さが最大69アミノ酸である配列識別
番号11に対応するアミノ酸配列、または配列識別番号11のN−末端から6な
いし約12のアミノ酸が欠失した配列識別番号11に対応するアミノ酸配列、ま
たは配列識別番号11のN−末端から6ないし約9のアミノ酸が欠失した配列識
別番号11に対応するアミノ酸配列であり、さらに前記第1のポリペプチドは前
記第2のポリペプチドをコードするDNAとストリンジェント条件下でハイブリ
ダイズするDNAによってコードされることを特徴とするポリペプチド。
13.請求項12の前記第1のポリペプチドであって、長さが最大60アミノ酸
で、かつ配列識別番号12に対応するアミノ酸を十分に複製するアミノ酸配列か
ら本質的になり、前記第1のポリペプチドは前記第2のポリペプチドをコードす
るDNAとストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNAによってコード
されることを特徴とするポリペプチド。
14.請求項12の前記第1のポリペプチドであって、長さが最大60アミノ酸
で、かつ配列識別番号13に対応するアミノ酸を十分に複製するアミノ酸配列か
ら本質的になり、前記第1のポリペプチドは前記第2のポリペプチドをコードす
るDNAとストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNAによってコード
されることを特徴とするポリペプチド。
15.請求項12の前記第1のポリペプチドであって、長さが最大60個のアミ
ノ酸で、かつ第2のポリペプチドを十分に複製するアミノ酸の配列であり、前記
第2のアミノ酸配列は、配列識別番号11に対応するアミノ酸配列またはその保
守的置換変異体であり、前記第1のポリペプチドは第2のポリペプチドをコード
するDNAとストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNAによってコー
ドされることを特徴とするポリペプチド。
16.請求項12の前記第1のポリペプチドであって、長さが最大60個のアミ
ノ酸で、かつ第2のポリペプチドを十分に複製するアミノ酸の配列であり、前記
第2のアミノ酸配列は、配列識別番号12に対応するアミノ酸配列またはその保
守的置換変異体であり、前記第1のポリペプチドは第2のポリペプチドをコード
するDNAとストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNAによってコー
ドされることを特徴とするポリペプチド。
17.請求項12の前記第1のポリペプチドであって、長さが最大60個のアミ
ノ酸で、かつ第2のポリペプチドを十分に複製するアミノ酸の配列であり、前記
第2のアミノ酸配列は、配列識別番号13に対応するアミノ酸配列またはその保
守的置換変異体であり、前記第1のポリペプチドは第2のポリペプチドをコード
するDNAとストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNAによってコー
ドされることを特徴とするポリペプチド。
18.長さが最大で65アミノ酸である合成ポリペプチドであり、該ポリペプチ
ドはほ乳類動物においてin vivo骨刺激活性を有し、配列識別番号2とし
て同定されたアミノ酸配列で少なくとも約19%保存されたアミノ酸配列、その
保守的置換変異体、または機能的に等価な相同体を有することを特徴とするポリ
ペプチド。
19.請求項18の合成ポリペプチドであって、配列識別番号2として同定され
たアミノ酸配列で少なくとも約22%保存されたアミノ酸配列、その保守的置換
変異体、または機能的に等価な相同体を有することを特徴とするポリペプチド。
20.請求項18の合成ポリペプチドであって、配列識別番号2として同定され
たアミノ酸配列で少なくとも約25%保存されたアミノ酸配列、その保守的置換
変異体、または機能的に等価な相同体を有することを特徴とするポリペプチド。
21.請求項18の合成ポリペプチドであって、配列識別番号2として同定され
たアミノ酸配列で少なくとも約28%保存されたアミノ酸配列、その保守的置換
変異体、または機能的に等価な相同体を有することを特徴とするポリペプチド。
22.請求項18の合成ポリペプチドであって、配列識別番号2として同定され
たアミノ酸配列で少なくとも約31%保存されたアミノ酸配列、その保守的置換
変異体、または機能的に等価な相同体を有することを特徴とするポリペプチド。
23.請求項18の合成ポリペプチドであって、配列識別番号2として同定され
たアミノ酸配列で少なくとも約35%保存されたアミノ酸配列、その保守的置換
変異体、または機能的に等価な相同体を有することを特徴とするポリペプチド。
24.請求項18、19、20、21、22、または23のいずれかのポリペプ
チドであって、前記配列から欠失された少なくとも49アミノ酸を有することを
特徴とするポリペプチド。
25.請求項18または19のポリペプチドであって、前記配列から欠失された
少なくとも58アミノ酸を有することを特徴とするポリペプチド。
26.請求項18のポリペプチドであって、前記配列から欠失された少なくとも
61アミノ酸を有することを特徴とするポリペプチド。
27.請求項18、19、20、21、22、または23のポリペプチドであっ
て、システィン残基を含まないものか、あるいは少なくとも2つのシスティン残
基を含むことを特徴とするポリペプチド。
28.第1のポリペプチドであって、長さが最大69アミノ酸で、かつ第2のポ
リペプチドを十分に複製するアミノ酸の配列であり、該第2のアミノ酸配列は請
求項18、19、20、21、22、または23のアミノ酸配列であり、前記第
1のポリペプチドは前記第2のポリペプチドをコードするDNAとストリンジェ
ント条件下でハイブリダイズするDNAによってコードされることを特徴とする
ポリペプチド。
29.ほ乳類動物で骨刺激活性を示すポリペプチドであって、該ボリペプチドは
長さが最大で65アミノ酸であり、配列識別番号11、配列識別番号12、また
は配列識別番号13;ほ乳類動物における骨刺激活性が誘導される該配列の3次
元構造が保存されるかぎり、アミノ酸は置換、欠失、あるいは添加されてもよい
それらの類似体;あるいは前記ポリペプチドまたはその類似体の各々の結合体と
して同定される配列を有し、前記ポリペプチド配列がシスティン残基を含むもの
であるならば、少なくとも2つのシスティン残基が含まれることを特徴とするポ
リペプチド。
30.請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、18、19、20、21、
22、23、または29のポリペプチドであって、約1,000ないし約4,0
00の範囲の分子量を有することを特徴とするポリペプチド。
31.請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、18、19、20、21、
22、23、または29のポリペプチドであって、約1,5000ないし
約3,000の範囲の分子量を有することを特徴とするポリペプチド。
32.請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、18、19、20、21、
22、23、または29のポリペプチドであって、約1,500ないし約2,8
00の範囲の分子量を有することを特徴とするポリペプチド。
33.第1のポリペプチドであって、長さが最大69アミノ酸で、かつ第2のポ
リペプチドを十分に複製するアミノ酸の配列であり、該第2のアミノ酸配列は請
求項29または30のアミノ酸配列、またはその機能的に等価な相同体に対応す
るアミノ酸配列を含むもので、前記第1のポリペプチドは前記第2のポリペプチ
ドをコードするDNAとストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNAに
よってコードされることを特徴とするポリペプチド。
34.請求項11、28、または33のいずれかの第1のポリペプチドであって
、長さが60アミノ酸であることを特徴とするポリペプチド。
35.請求項11、12、13、14、15、16、17、28、または33の
いずれかの第1のポリペプチドであって、長さが50アミノ酸であることを特徴
とするポリペプチド。
36.請求項11、12、13、14、15、16、17、28、または33の
いずれかの第1のポリペプチドであって、長さが40アミノ酸であることを特徴
とするポリペプチド。
37.請求項11、12、13、14、15、16、17、28、または33の
いずれかの第1のポリペプチドであって、長さが30アミノ酸であることを特徴
とするポリペプチド。
38.請求項11、12、13、14、15、16、17、28、または33の
いずれかの第1のポリペプチドであって、長さが20アミノ酸であることを特徴
とするポリペプチド。
39.請求項11、12、13、14、15、16、17、28、または33の
いずれかの第1のポリペプチドであって、長さが14アミノ酸であることを特徴
とするポリペプチド。
40.請求項1ないし9、11ないし23、または29ないし32のいずれかの
アミノ酸配列を含むことを特徴とするキメラ的骨刺激因子。
41.骨減少に関連した疾患の予防および治療に有効な薬品であって、請求項1
ないし23、29ないし32、または34ないし39のいずれかのポリペプチド
を含むことを特徴とする薬品。
42.骨成長を促進させるための薬学的組成物であって、治療上有効な量からな
る請求項1ないし23、29ないし32、または34ないし39のいずれかのポ
リペプチドを含むことを特徴とする組成物。
43.ほ乳類の骨成長を増加させるための方法であって、治療上有効な量からな
る請求項1ないし23、29ないし32、または34ないし39のいずれかのポ
リペプチドのアミノ酸配列を有するポリペプチドを投与することを特徴とする方
法。
44.骨粗髭症の治療に請求項1ないし23、29ないし32、または34ない
し39のいずれかのポリペプチドを使用することを特徴とするポリペプチド使用
方法。
45.骨成長を促進させるために請求項1ないし23、29ないし32、または
34ないし39のいずれかのポリペプチドを使用することを特徴とするポリペプ
チド使用方法。
46.骨成長を促進させるために、あるいは骨粗鬆症の治療に使用するために、
医薬品の調製に請求項1ないし23、29ないし32、または34ないし39の
いずれかの配列を有するポリペプチドを使用することを特徴とするポリペプチド
使用方法。
47.請求項1ないし9、11ないし23、または29ないし32のいずれかの
ポリペプチドの存在を判断する診断用キットであって、レポータ系にリンクした
前記ポリペプチドに対する抗体を含み、該レポータ系は所定量のポリペプチドと
前記抗体とが結合すると検出可能な応答を生ずることを特徴とする診断用キット
。
48.配列識別番号11、配列識別番号12、または配列識別番号13、または
それらの保守的置換変異体として同定されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
を用いて合成されることを特徴とする抗体。
49.請求項1ないし9、11ないし23、または29ないし32のいずれかに
定義されたポリペプチドに結合することを特徴とする抗体。
50.請求項1ないし9、11ないし23、または29ないし32のポリペプチ
ドのいずれかの発現をコードする単離DNAフラグメント、および遺伝子コード
の変質による前記フラグメントと異なることを特徴とするDNA。
51.請求項1ないし9、18ないし23、または29ないし32のポリペプチ
ドのいずれかの発現をコードするDNA配列を持つことを特徴とするベクター。
52.請求項1ないし9、11ないし23、または29ないし32のいずれかの
ポリペプチドを生産するための方法であって、
(a)前記ポリペプチドをコードする核酸配列を含むDNAフラグメントを調
製する工程と、
(b)前記DNAフラグメントを含み、かつ複製を開始することが可能な組換
えDNAフラグメントを得るため前記DNAフラグメントを発現ベクターに取り
込む工程と、
(c)前記ポリペプチドを発現することができる形質転換体を単離するために
、前記組換えDNAフラグメントにより宿主細胞を形質転換させる工程と、
(d)前記形質転換体にポリペプチドを産生させ、かつ結果として得られる培
養混合物から前記ポリペプチドを回収するために、前記形質転換体を培養する工
程とを有することを特徴とする方法。
53.請求項1ないし8、18ないし23、または29または30のいずれかの
アミノ酸配列をコードする単離DNA配列またはその類似体であって、前記配列
の3次元構造から誘導されたほ乳類動物における骨刺激活性が前記アミノ酸配列
を有するポリペプチドに保存されているかぎり、前記配列のアミノ酸は置換、欠
失、または付加されてもよく、前記配列は前記DNAとハイブリダイズする単離
DNA配列またはその類似体;ほ乳類動物における骨刺激活性を示すポリペプチ
ドのアミノ酸配列をコードする配列;および遺伝子コードの変質による配列と異
なることを特徴とするDNA。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C07K 16/22 C12P 21/02 C
C12P 21/02 G01N 33/53 D
G01N 33/53 C12P 21/08
// C12P 21/08 A61K 37/02
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,
CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G
E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR
,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,
MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,
VN
【要約の続き】
は、成長を促進させることが認められる。配列には、
および
が含まれる。