JPH11514710A - ウエブフォーマにおけるウエブの再湿潤防止方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明はフォーマにおけるウエブの再湿潤防止方法に関する。水をウエブ(W)から脱水部材によって除去する。ウエブ(W)は、フォーミング部材およびフォーミングロールによってワイヤループに支持されて形成される。ワイヤループ(10)は、調整ロール、ガイドロールおよび／またはサクションロール(11、12)によって案内される。ワイヤ(10)により支持されたウエブ(W)は、最後のサクションロール(11)の後で、少なくとも２つの真空ボックス／チャンバ(16、17)によって送られる。少なくとも２つの真空ボックス／チャンバ(16、17)が最後のサクションロール(11)の後に設けられている。ウエブ(W)とワイヤ(10)は、第１の真空ボックス／チャンバ(16)によって脱水されるように配設されている。水分のワイヤ(10)からウエブ(W)へ戻る転移は、第２の真空ボックス／チャンバ(17)によって防止され、第１の真空ボックス／チャンバ(16)内の真空度(P₁)は、第２の真空ボックス／チャンバ(17)内の真空度(P₂)より高くなっている。

Description

【発明の詳細な説明】 ウエブフォーマにおけるウエブの再湿潤防止方法および装置 本発明は、水を脱水用部材によってウエブから除去し、ウエブをフォーミング 部材およびフォーミングロールによってワイヤループの支持で形成し、ワイヤル ープを調整ロール、ガイドロールおよび／またはサクションロールによって案内 する、ウエブフォーマにおけるウエブの再湿潤防止方法に関するものである。 本発明はさらに、ウエブフォーミング部材およびウエブフォーミングロールと 、脱水用部材およびワイヤループ、ならびにワイヤループ用調整ロール、ガイド ロールおよびサクションロールとを有するウエブフォーマにおけるウエブの再湿 潤防止装置に関するものである。 連続した紙ウエブもしくは板紙ウエブを形成する、いまだに最も一般に適用さ れる最古の方法では、ウエブの形成は、水平の、いわゆる長網抄紙機のワイヤ部 、もしくは平坦なワイヤ部において行なわれる。さらにそれらのワイヤ部は、２ つの主要グループ、もしくはフォーマタイプ、すなわち現存のツインワイヤフォ ーマと、いわゆるハイブリッドフォーマとに区別することができる。現存のツイ ンワイヤフォーマでは、ウエブの形成は、初めから終わりまで２本のワイヤの間 で行なわれる。ハイブリッドフォーマでは、ウエブは、先ず一方のワイヤの上へ 形成され、その後、この部分的に形成されたウエブは、ファイバの相対的位置を 最終的に安定させる２本のワイヤの間に形成されつつある脱水領域へ送られる。 従来技術で公知のフォーマにおける１つの問題はウエブの再湿潤である。例え ば、高真空度のサクションボックスがフォーマに用いられる場合、サクションボ ックスの後でさえも、やはりウエブの再湿潤が発生し、これをウエブがプレス部 へ移送される前に防止することは、非常に困難である。他方、ワイヤは、通常の 走行状態ではそれ自体の中に水を常時、帯同し、これを防止する力、もしくは他 の装置がないと、この水がウエブへ移動し易いことが知られている。 従来から、ウエブを目詰まりさせずに固体比率を多くしようとする場合には、 例えばサクションロールにおける真空領域同士、例えば、25kPaの第１のチャン バと66kPaの第２のチャンバとを連結して増大させるようにする。高真空度のサ クションボックスは、フォーマの最後の脱水要素になるように配設するよう求め られている。固体分を高真空度によって増大できることは分かっているが、得ら れた固体分を維持することは困難である。 従来技術に関して、プレスフェルトの研究を報じたSzikia，Palokangas，Role of felt in wet pressing，Paperi ja Puu 73，1991の論文誌を参照する。それ によれば、20〜40kPaの真空度はニップ後のフェルトの保水に充分であり、それ によってプレス装置における再湿潤が最小になることが観察されている。このよ うな結果は、流れに対する抵抗の小さい最近のフェルトによって得られている。 従来技術に関しては、さらに欧州特許出願第0 371 786号を参照する。これに は、次のようなウエブ形成方法および装置が開示されている。すなわち、その開 示されている方法は、抄紙機もしくはその等価物のワイヤ部に適用され、ワイヤ 部は、下部ワイヤループによって形成され、その頂上の走程の大部分が実質的に 水平であり、上部ワイヤループがそれに連係している。その方法ではさらに、抄 紙機のヘッドボックスから出て来るファイバ懸濁液が上記下部ワイヤループの頂 上走程の最初の部分へ供給され、上記部分は最初の脱水領域を形成し、その後で 、水の一部が脱水されたファイバ層は第２の脱水領域へ送られ、その領域では上 記上部ワイヤループが上記ファイバ層を覆い、この層から水の一部が除去されて いて、そのファイバ層からの水の除去が上記第２の脱水領域の部分で少なくとも ２段階で続き、その後、ほぼ形成されたファイバウエブから上部ワイヤループが 分離され、それが下部ワイヤループの走程に追従して前方へ、以降のウエブ処理 段階へ案内される。このような従来技術の構造に関しては、分離用サクションボ ックスが下部ワイヤのフォーミングロールとサクションロールとの間の下方傾斜 走程で用いられ、上記サクションボックスの目的は、ワイヤ部へ戻るワイヤにウ エブが追従せず、ワイヤ部からプレス部へ確実に転送されるようにすることであ る。このような公知の構造では、ウエブは、下部ワイヤに支持され、サクショ ンボックスにより確保されて、サクションロールを越えて、それとワイヤの駆動 ロールとの間の走程を移動し、そこからウエブは公知の方法でピックアップロー ルおよびフェルトによって前方へ抄紙機のプレス部まで送られる。しかし、この 構造では、再湿潤の防止には何の注意も払われていない。 本発明はウエブの再湿潤防止装置を開示することを目的とする。 本発明は、ワイヤ部からプレス部への転移が行なわれる際、充分な乾燥固形残 量を確保し、それによって抄紙機の速度の増加を可能にすることをとくに重要な 目的とする。 上述の目的、および後に明らかになる目的を達成するために、本発明の方法は 次のような主たる特徴を有する。すなわち、本方法では、ワイヤにより支持され たウエブを、ウエブフォーマにおける最後のサクションロールもしくはその等価 物の後で少なくとも２つの真空ボックス／チャンバによって送り、ウエブの走行 方向において、第１の真空ボックス／チャンバにより水分をウエブおよびワイヤ から最初の真空度によって吸い取り、第２の真空ボックス／チャンバにより、水 分のワイヤからウエブへ戻る転移を第２の真空によって防止し、さらに第１の真 空度が第２の真空度より高くなるようにする。 そこで本発明の装置は、次のような主たる特徴を有する。すなわち、少なくと も２つの真空ボックス／チャンバがウエブフォーマにおける最後のサクションロ ールもしくはその等価物の後に設けられ、ウエブおよびワイヤが配設されて、第 １の真空ボックス／チャンバにより脱水され、水分のワイヤからウエブへ戻る転 移が第２の真空ボックス／チャンバによって防止されるように構成され、第１の 真空ボックス／チャンバの真空度が第２の真空ボックス／チャンバの真空度より 高くなるようにする。 本発明によれば、ウエブの再湿潤は、通紙部およびワイヤの下面に付着する水 がウエブに再接触するのを、真空ボックスへ吸い取ることによって、および／ま たはその水を通紙部上／ワイヤの下面上に、真空ボックス内で働く真空度によっ て強制的に残すことによって、防止される。 本発明によれば、ウエブがプレス部へ送られる直前のワイヤ部の端部において 、第２の低圧チャンバが実際の脱水の後の高真空度のサクションボックス内に 配され、このチャンバのところでは、もしくはその直後にウエブのプレス部への 転移を行なうことによって、再湿潤を防止することができる。 この装置はまた、高真空度のチャンバ内の真空を最適化することもできる。必 要な場合、再湿潤の問題がなくなった後に、真空度を落としてもよい。さらに、 低真空度のチャンバの真空度も、再湿潤が発生しない点まで最小化することがで きる。 必要な場合、出口側のチャンバ、もしくは低真空度のチャンバは、横断方向の 各部に分割されるが、それらをまとめて、および／または個々に調節することが できる。その場合、例えばウエブの両縁は、ウエブの中央部とは異なる扱いをす ることができる。 次に、添付図面の各図を参照して、本発明をより詳細に説明する。 第１図はワイヤ部における本発明による装置を概略的に示す。 第２図および第３図は、本発明による装置が適用できる様々な種類のフォーマ を概略的に示す。 第１図は、抄紙機のワイヤ部の端部におけるプレス部への移送直前の本発明に よる装置を概略的に示す。ワイヤ部のワイヤを参照番号10で示し、プレス部のワ イヤを参照番号20で示す。ワイヤ部の最後のサクションロール11から、ワイヤ10 がウエブをサクションボックス15によって導く。サクションボックス15は、先ず 約45〜75kPa、望ましくは50〜65kPaの真空度P₁を有する高圧サクションチャンバ 16を有し、この後に、低真空度のチャンバ17があり、これによって再湿潤が防止 される。このチャンバの真空度P₂は、約15〜45kPa、望ましくは35〜40kPaである 。その後には、ワイヤ部のピックアップロール21があり、そのサクション領域は 参照番号22で示し、真空度はP₃で示す。この真空度は、約25〜45kPa、望ましく は30〜35kPaである。本発明によれば、低真空度のチャンバ17およびピックアッ プロールのサクション領域22は互いにできる限り近接して、一部重なってさえい る。その距離L₁は、例えばL₁=0〜500mm、望ましくはL₁=0〜100mmである。低真空 度P₂のチャンバ17もまた、ピックアップロールのサクション領域22／吸引口と部 分的に、望ましくは一方を他方の最上部に、重ねてもよい。 第２図および第３図は抄紙機のワイヤ部を概略的に示し、本発明の装置は、ワ イヤ部からプレス部へ転移中、ウエブの再湿潤を防止するように配されている。 第１図の各部に対応するものを同じ参照番号で示し、第２図および第３図におけ る互いに対応する部分を同じ参照番号で示す。 第２図および第３図に示すウエブフォーマでは、ウエブはワイヤループ10と31 との間に形成され、それらのワイヤループには、調整用ロール32、ガイドロール 12、サクションロール11が設けられている。パルプは、ヘッドボックス33から一 方のワイヤループ10の開始部分上へ供給され、その後で水がパルプから脱水部材 34によって除去される。ウエブは、フォーミングロール35によって形成され、ウ エブフォーマのブレストロールは参照番号36で示す。本発明によるサクションボ ックス15は、最後のサクションロール11の後に配され、その後でウエブはプレス 部へ案内される。 ウエブの再湿潤を防止する本発明による装置は、もちろん、第２図および第３ 図に示すワイヤ部以外の他の種類のワイヤ部に関連して使用するのに適している が、但し、ウエブがプレス部へ移送される前のワイヤ部の端部が、構造的に本発 明の装置をそこでピックアップロールの直前、もしくはその位置に配することが できるように、配設されている場合にかぎる。例えば、距離L₁=0〜500mm、すな わちその装置が延びてピックアップ開口部のところに来るように、望ましくはそ の位置で、すなわちL₁=0〜100mmになるようにする。 以上、本発明をその好適な実施例の幾つかを参照するだけで説明したが、その 細部に本発明がいかにしても狭義に限定されることはない。次の請求の範囲に明 記する本発明の概念の範囲内で多くの修正および改変が可能である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．水を脱水用部材(34)によってウエブ(W)から除去し、該ウエブ(W)をフォーミ ング部材およびフォーミングロール(35)によってワイヤループ(10、31)の支持で 形成し、該ワイヤループ(10、31)を調整ロール、ガイドロールおよび／またはサ クションロール(11、12、32)によって案内するウエブフォーマにおけるウエブの再 湿潤防止方法において、該方法は、ワイヤ(10)に支持されたウエブ(W)を前記ウ エブフォーマの最後のサクションロール(11)もしくはその等価物の後で、少なく とも２つの真空ボックス／チャンバ(16、17)によって送り、前記ウエブ(W)の走行 方向において、第１の真空ボックス／チャンバ(16)によって水分を前記ウエブ(W )および前記ワイヤ(10)から第１の真空度(P₁)により吸い取り、第２の真空ボッ クス／チャンバ(17)によって、水分の前記ワイヤ(10)から前記ウエブ(W)へ戻る 転移を第２(P₂)の真空度により防止し、第１の真空度(P₁)は第２の真空度(P₂)よ り高いことを特徴とするウエブフォーマにおけるウエブの再湿潤防止方法。 ２．請求の範囲第１項記載の方法において、前記ウエブ(W)および前記ワイヤ(10 )は、該ウエブ(W)がプレス部へ送られる実質的に直前に前記真空ボックス／チャ ンバ(16、17)によって送られることを特徴とするウエブの再湿潤防止方法。 ３．請求の範囲第１項または第２項に記載の方法において、第１の真空ボックス ／チャンバ(16)は、45〜75kPaの真空度(P₁)を生成することを特徴とするウエブ の再湿潤防止方法。 ４．請求の範囲第１項ないし第３項のいずれかに記載の方法において、第２の真 空ボックス／チャンバ(17)は、15〜45kPaの真空度(P₂)を生成することを特徴と するウエブの再湿潤防止方法。 ５．請求の範囲第１項ないし第４項のいずれかに記載の方法において、前記ウエ ブ(W)および前記ワイヤ(10)は、該ウエブが前記プレス部のピックアップロール( 21)上へ、もしくは該ピックアップロール(21)のサクション領域(22)で転移され る直前に前記真空ボックス／チャンバ(16、17)によって送られて、前記ウエブ (W)の走行方向における第２の真空ボックス／チャンバ(17)が前記サクション領 域(22)にあることを特徴とするウエブの再湿潤防止方法。 ６．ウエブフォーミング部材およびウエブフォーミングロール(35)と、脱水用部 材(34)およびワイヤループ(10、31)、ならびに該ワイヤループ用の調整ロール、 ガイドロールおよびサクションロール(11、12、32)とを含むウエブフォーマにおけ るウエブの再湿潤防止装置において、該装置は、少なくとも２つの真空ボックス ／チャンバ(16、17)が前記ウエブフォーマにおける最後のサクションロール(11) もしくはその等価物の後に設けられ、前記ウエブ(W)およびワイヤ(10)は、第１ の真空ボックス／チャンバ(16)によって脱水されるように配設され、水分の前記 ワイヤ(10)から前記ウエブ(W)へ戻る転移が第２の真空ボックス／チャンバ(17) によって防止されるように構成され、第１の真空ボックス／チャンバ(16)の真空 度(P₁)は、第２の真空ボックス／チャンバ(17)の真空度(P₂)より高いことを特徴 とするウエブフォーマにおけるウエブの再湿潤防止装置。 ７．請求の範囲第６項記載の装置において、前記真空ボックス／チャンバ(16、17 )は、前記ウエブ(W)がプレス部へ送られる実質的に直前に配置されていることを 特徴とするウエブの再湿潤防止装置。 ８．請求の範囲第６項または第７項に記載の装置において、前記真空ボックス／ チャンバ(16、17)は、前記プレス部のピックアップロール(21)の直前、もしくは 該プレス部のピックアップロールのサクション領域に配置されていることを特徴 とするウエブの再湿潤防止装置。 ９．請求の範囲第６項ないし第８項のいずれかに記載の装置において、第１の真 空ボックス／チャンバ(16)内の真空度(P₁)は45〜75kPaであることを特徴とする ウエブの再湿潤防止装置。 10．請求の範囲第６項ないし第９項のいずれかに記載の装置において、第２の真 空ボックス／チャンバ(17)内の真空度(P₂)は15〜45kPaであることを特徴とする ウエブの再湿潤防止装置。 11．請求の範囲第６項ないし第10項のいずれかに記載の装置において、第２の真 空ボックス／チャンバは、前記ウエブ(W)の走行方向に対する横断方向において 複数の部分に分割され、各部分は、別個におよび／またはまとめて調節すること ができることを特徴とするウエブの再湿潤防止装置。