【発明の詳細な説明】
ポリイソシアネート組成物
本発明は、ポリイソシアネート組成物、特にリグノセルロース材料の結合に用
いるポリイソシアネート組成物に関する。
有機ポリイソシアネートを、シートまたは成形体、たとえばウエーハボード、
チップボード、繊維板および合板の製造に際してリグノセルロース材料の結合剤
として使用することは周知である。典型的な方法では、有機ポリイソシアネート
を所望により溶液、分散液または水性エマルションの形でリグノセルロース材料
に付与し、次いでこれに熱および圧力をかける。
得られる材料が高品質であるのは、有機ポリイソシアネートの卓越した接着性
によるところがきわめて大きい。しかし同時に、ポリイソシアネートがもたらす
卓越した接着性は、リグノセルロース材料をそれがホットプレス操作中に接触す
る高温の金属表面に著しく粘着させるという点で、相殺する欠点をなす。製品を
プレスから取り出す際に損傷を受けることが最も多く、粘着したセルロース材料
をプレス部品の表面から剥離するのに多くの時間を要する。
この粘着の問題を克服するために幾つかの試みがなされた。これらの試みのひ
とつは、ポリイソシアネートと共に内部離型剤を付与するものである。このよう
な内部離型剤としては、イソシアネートからのイソシアヌレート形成を触媒する
化合物(米国特許第3870665号参照)、たとえばある種のカルボン酸金属塩が記
載されている。特に有効な内部離型剤は、ステアリン酸亜鉛およびビスマレイン
酸シアルキルスズまたはビスマレイン酸亜鉛(国際特許出願公開第95/02619号に
記載)である。これらのカルボン酸金属塩、特に亜鉛をベースとするものをポリ
イソシアネート組成物に可溶化するために、たとえば国際特許出願公開第95/133
23号に記載される相溶化剤を添加することができる。
しかし上記の内部離型剤を含有するポリイソシアネート組成物で結合したリグ
ノセルロース体の離型性および/またはボード特性は、なお十分でない。
したがって本発明の目的は、ポリイソシアネート組成物で結合したリグノセル
ロース体を他のボード特性に有害な作用を与えることなく金属プレス表面から十
分に離型する、ポリイソシアネート組成物を提供することである。
本発明は、元素の周期表のIVB族金属から誘導された有機化合物を含むポリ
イソシアネート組成物であって、該有機化合物がカルボン酸金属塩または金属ア
ルコキシド、または中心原子としての金属および少なくとも1つの多座配位子を
含むキレート錯体である組成物を提供する。
IVB族金属から誘導された有機化合物を含むポリイソシアネート組成物は、
それらのポリイソシアネート組成物で結合したリグノセルロース体の定盤からの
離型性の改良および硬化性の向上を示す。
好ましくはIVB族金属はチタンまたはジルコニウム、最も好ましくはチタン
である。ジルコニウムベース化合物の場合、組成物の安定性が改良される。
本発明に用いるのに適したチタンベース有機化合物には、特開昭63-207622号
公報に記載されるもの、特にチタン酸イソプロピルトリイソステアロイルが含ま
れる。
好適なカルボン酸塩またはアルコキシドには、飽和もしくは不飽和脂肪族もし
くは脂環式または芳香族のカルボン酸またはアルコール類、好ましくは1〜30
個、より好ましくは8〜20個、最も好ましくは10〜18個の炭素原子をもつ
ものから誘導されたものが含まれる。特に好適なカルボン酸には、たとえばオレ
イン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、それらの混合物などが含ま
れる。特に好適なアルコール類にはイソプロパノールが含まれる。本発明に用い
る有機化合物は、同一または異なるカルボン酸および/またはアルコール類から
誘導できる。混合カルボン酸塩/アルコキシド、たとえばジオレイン酸ジイソプ
ロポキシチタンも使用できる。本発明に用いる有機化合物は、中心金属原子上に
カルボン酸塩/アルコキシド基のほかにアルキル置換基を含んでもよい。
キレート錯体は、好ましくは多座配位子としてβ−ジカルボニル化合物、たと
えばアセチルアセトネートまたはアセトアセテートを含む。しかしIVB族金属
とSまたはNとの結合に基づく多座配位子も本発明の範囲に含まれる。
本発明の好ましい1態様によれば、ポリイソシアネート組成物は下記の式(I
):
[式中、X1、X2、X3、X4、X5およびX6(同一か、または異なる)はOまた
はSまたはNを表し、Zおよびz′(同一か、または異なる)は0または1であ
り、yおよびy′(同一か、または異なる)は0または1であり、R1およびR4
(同一か、または異なる)は1〜30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を
表し、R2およびR3(同一か、または異なる)は1〜30個の炭素原子を有する
脂肪族炭化水素基を表し、R5およびR6(同一か、または異なる)は1〜30個
の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を表し、MはTi、ZrまたはHfを表す
」に相当するキレート錯体を含有する。
好ましくはMはTiまたはZr、最も好ましくはTiである。好ましくはX1
、X2、X3、X4、X5およびX6はすべてOを表す。好ましくはR5およびR6は
1〜20個の炭素原子、最も好ましくは2〜3個の炭素原子を含む。好ましくは
zおよびz′は共に0である。好ましくはR1、R2、R3およびR4は1〜20個
の炭素原子を含む。本発明の好ましい1態様によれば、yおよびy′は共に0で
あり、かつR1、R2、R3およびR4は1〜3個の炭素原子を含む。本発明の他の
好ましい1態様によれば、yおよびy′は共に0であり、かつR2およびR3は1
〜3個の炭素原子を含み、かつR1およびR4は10〜18個の炭素原子を含む。
本発明に従って使用するのに好ましい化合物は、式(Ia):
(R7O)aM(R8C(O)CHC(O)R9)b (Ia)
[式中、MはTiまたはZrを表し、R7はアルコキシ基またはカルボキシ基を表
し、R8はアルキル基またはアリール基を表し、R9はアルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキル基またはアリール基を表し、aは4−bであり、bはMかTi
である場合は1または2であり、bはMがZrである場含は1、2、3または4
である]に相当する。
IVB族金属から誘導された前記の有機化合物は、IVB族金属アルコキシド
(たとえはイソプロピル系)または塩化物(たとえはTiCl4)と、アルカノ
ールアミン、カルボン酸、ヒドロキシ酸、ジケトン、ケト−エステル、グリコー
ルなどとを単純に交換反応させ、次いで対応するアルコール(たとえばイソプロ
パノール)を蒸留するか、またはたとえばTiCl4を用いた場合にはHClを
除去することにより得られる。
IVB族金属から誘導された前記の有機化合物は、ポリイソシアネートに対し
0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2
〜7重量%、最も好ましくは0.2〜7重量%の量で用いられる。
本発明のポリイソシアネート組成物の安定性を改良するために、国際特許出願
公開第95/13323号に記載される相溶化剤を添加することができる。これが参考と
して本明細書に含まれるものとする。
したがって本発明によれば、元素の周期表のIVB族金属から誘導された前記
の有機化合物、および一般式(II)に相当する化合物またはそれと有機単官能性
もしくは多官能性イソシアネートの反応生成物である相溶化剤:
[式中、Y1およびY2(同一か、または異なる)はOまたはSを表し;nおよび
n′(同一か、または異なる)は0〜1の整数を表し、RおよびR′(同一か、
または異なる)は1〜30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を表し、Rと
R′の炭素原子の総数は7〜40である]を含有するポリイソシアネート組成物
をも提供する。
本明細書で用いる“脂肪族炭化水素基”という用語は、鎖中に不飽和基および
/またはF、Cl、Br、N、P、S、SiもしくはOを含む基を含みうる、直
鎖および分枝鎖アルキルおよびシクロアルキル基を意味するものとする。
好ましい式(II)の化合物は、RとR′の炭素原子の総数が9〜20のもので
ある。
好ましいRおよび/またはR′は、4〜30個、より好ましくは8〜22個、
最も好ましくは10〜18個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を表す。本発明
の好ましい態様によれば、nは0であり、Rは低級アルキル基、たとえはメチル
であり、n′は1であり、R′は8〜18個の炭素原子を含むアルキル基である
。本発明の他のましい態様によれば、nおよびn′は共に1であり、RおよびR
′は共に8〜18個の炭素原子を含むアルキル基である。
好ましくはY1およびY2は共にOを表し、かつnおよび/またはn′は共に1
である。好ましくはnまたはn′は0であり、かつRまたはR′は1〜2個の炭
素原子を含む低級アルキル基である。
最も好ましい式(II)の化合物はアセト酢酸デシル、セチルおよびステアリル
、ならびにマロン酸ビス−デシルである。
それと式(II)の化合物が反応して相溶化剤を形成しうる有機イソシアネート
は、単官能性でも多官能性でもよく、ジイソシアネートおよびより高官能価のイ
ソシアネートがこれに含まれる。有機イソシアネートは脂肪族、脂環式または芳
香族であってもよい。多官能性イソシアネートの方が単官能性イソシアネートよ
り好ましい。
本発明に使用できる有機イソシアネートの例には以下のものが含まれる:脂肪
族イソシアネート、たとえばヘキサメチレンジイソシアネート,ならびに芳香族
イソシアネート、たとえばm−およびp−フェニレンジイソシアネート、トリレ
ン−2,4−および−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′
−ジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニレン−4,4′−ジイソシアネート、
4,4′−ジイソシアネート−3,3′−ジメチルジフェニル、3−メチルジフ
ェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ならびにジフェニルエーテルジイ
ソシアネート;ならびに脂環式ジイソシアネート、たとえばシクロヘキサン−2
,4−および−2,3−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキシル−2,4
−
および−2,6−ジイソシアネートならびにそれらの混合物、ならびにビス−(
イソシアナトシクロヘキシル)メタン;ならびにトリイソシアネート、たとえば
2,4,6−トリイソシアナトトルエンおよび2,4,4−トリイソシアナトジ
フェニルエーテル。イソシアヌレート基、カルボジイミド基またはウレトンイミ
ン基を含む修飾ポリイソシアネートも使用できる。他の有用なイソシアネートは
、ジイソシアネート、トリイソシアネートおよびより高官能価のポリイソシアネ
ートをホスゲン化副生物と共に含有するメチレン架橋ポリフェニルポリイソシア
ネートである。
相溶化剤の形成に使用するのに好ましいイソシアネートは、芳香族のジイソシ
アネートまたはより高官能価のポリイソシアネート、たとえばジフェニルメタン
ジイソシアネート、またはジイソシアネート、トリイソシアネートおよびより高
官能価のポリイソシアネートを含有するメチレン架橋ポリフェニルポリイソシア
ネート混合物である。
式(II)の化合物とイソシアネートを予め反応させて相溶化剤を形成するか、
または式(II)の化合物をポリイソシアネート組成物にそのまま添加してその場
で反応生成物を形成させてもよい。
相溶化剤(式(II)の化合物の形のもの)はポリイソシアネートに対し0.5
〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、最も好ましくは1.5〜7重量%の
量で添加され、一方、IVB族金属から誘導された前記の有機化合物はポリイソ
シアネートに対し好ましくは0.1〜10重量%、最も好ましくは0.2〜7重
量%の量で用いられる。
十分な離型性およびボード特性を維持しながら本発明のポリイソシアネート組
収物の保存寿命を向上させるために、IVB族金属から誘導された前記有機化合
物の一部を、元素の周期表のIA、IIA、IIIA、IB、IIB、IVA、VAおよ
びVIII族の金属、たとえばZn、Cu、Co、Mg、Bi、Li、Al、Ni
、Cd、Pb、SnおよびFeから誘導されたカルボン酸金属塩、特にステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ア
ルミニウム、ビスマレイン酸亜鉛およびビスマレイン酸ジアルキルスズで交換す
る
ことができる。
したがって本発明は、IVB族金属から誘導された前記有機化合物、およびI
A、IIA、IIIA、IB、IIB、IVA、VAまたはVIII族の金属から誘導され
たカルボン酸金属塩を含むポリイソシアネート組成物をも提供する。
IA、IIA、IIIA、IB、IIB、IVA、VAおよびVIII族の金属から誘導
されたカルボン酸金属塩は、ポリイソシアネートに対し2〜20重量%、好まし
くは5〜15重量%の量で使用され、一方、IVB族金属から誘導された前記の
有機化合物はポリイソシアネートに対し0.2〜7重量%、好ましくは0.2〜
3重量%の量で用いられる。
このポリイソシアネート組成物の安定性をさらに向上させるために、前記の相
溶化剤(式(II)に相当する化合物に換算)をポリイソシアネートに対し0.5
〜15重量%、好ましくは1〜7重量%、最も好ましくは2〜4重量%の量で添
加してもよい。
IVB族金属から誘導された有機化合物および所望により前記の相溶化剤を含
有する本発明のポリイソシアネート組成物に、慣用される離型剤を添加してもよ
い。これにより離型性がさらに向上する。もはや定盤を外部離型剤で前処理する
必要はない。さらに、ボード特性(特に湿潤性)も向上する。
慣用される離型剤はポリイソシアネートに対し0.2〜10重量%、好ましく
は0.5〜6重量%、最も好ましくは1〜3重量%の量で存在し、一方、IVB
族金属から誘導された有機化合物はポリイソシアネートに対し好ましくは0.2
〜4重量%、最も好ましくは0.2〜2重量%の量で存在し、相溶化剤はポリイ
ソシアネートに対し好ましくは1〜4重量%の量で存在する。
前記エマルションを安定化するために、慣用される界面活性剤、たとえばシリ
コーンを0.1〜1.5重量%、好ましくは0.25〜0.75重量%の量で添
加してもよい。
慣用される離型剤の例には、ポリシロキサン、飽和もしくは不飽和脂肪酸(た
とえばオレイン酸)または脂肪酸アミドもしくは脂肪酸エステルおよびポリオレ
フィンろうが含まれる。ポリシロキサンおよびポリオレフィンろうが好ましい。
本発明により付加的な離型剤として用いるのに好ましいポリシロキサンは、約
0.5〜20モル%の RaR′bSiO[4-(a+b)]/2単位、および約80〜99
.5モル%の R″cSiO(4-c)/2単位を含むものである。これらの式中、Rは
イソシアネート反応性有機基であり;aは約1〜約3の平均値をもち;R′およ
びR″はイソシアネート非反応性有機基であり;bは約0〜約2の平均値をもち
;a+bは約1〜約3の平均値をもち;cは約1〜約3、好ましくは1〜1.5
の平均値をもち;ポリシロキサン分子中のイソシアネート反応性官能基の総数に
対するポリシロキサン化合物の全分子量の比率(当量)は100〜3500、好
ましくは500〜2500であり;すべてのイソシアネート反応性有機基Rの化
学式重量の合計は、ポリシロキサン化合物の全分子量の40%を越えず;すべて
のイソシアネート非反応性基R′+R″を合わせた化学式重量の合計は、ポリシ
ロキサン化合物の全分子量の40%を越えず;分子中のすべての有機基R+R′
+R″を合わせた化学式重量の合計は、ポリシロキサン化合物の全分子量の60
%を越えず;ポリシロキサン化合物は平均して分子当たり少なくとも2個のイソ
シアネート反応性官能基を含み;各分子中のイソシアネート反応性官能基のうち
少なくとも2個は、独立してポリシロキサン化合物中の異なるケイ素原子に結合
した別個の有機基R上に位置し;イソシアネート反応性有機基Rは、アルコール
類、カルボン酸、フェノール類、チオール、第一級または第二級芳香族アミン(
酸素を含まず、かつ芳香環の核と直接に結合した、共投した、または取り込まれ
た窒素原子を1個より多くは含まない)、第二級脂肪族アミン(窒素原子と直接
に結合した少なくとも1個のアルキル炭素原子が第一級炭素原子でない)よりな
る群から選択され;ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜30000、好
ましくは2000〜15000、最も好ましくは4000〜8000であり;か
つポリシロキサン化合物は実質的に液状ポリイソシアネートに不溶性である。
ポリシロキサン化合物においては、ヒドロキシ、メルカプトまたはアミノ−有
機R基がケイ素原子に直接に、炭素、または酸素、窒素もしくは硫黄−炭素結合
により結合していてもよい。好ましいR基は、式HO−R″′−、H2N−R″
′−、HNR″′2およびHS−R″′−のものであり、式中のR″′は炭素お
よび水素;炭
素、水素および酸素;炭素、水素および硫黄;炭素、水素および窒素;または炭
素、水素、酸素および窒素を含む二価の連結基である。R″′の具体例には、メ
チレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、−CH2CH(
CH3)−CH2−、フェニレン、ブチルフェニレン、ナフチレン、−CH2CH2
SCH2CH2−、−CH2CH2OCH2−、−CH2CH2−CH2−O−(CH2−
CHR′O)n−(ここでnは0〜5であり、R′は前記のもの、またはHである
)が含まれる。好ましいR基は−CH2CH2CH2O(CH2CH(CH3)O)nHで
あり、ここでnは1〜5である。好ましくはR″′連結基は水素原子のほかに3
〜10個の原子を含む。1〜33個、好ましくは3〜10個の官能性R基があっ
てもよく、1〜3個が1個のケイ素原子に結合しうる。
前記のように、R′基はいかなる炭化水素基または置換有機基であってもよい
。存在する具体的なR′基は以下のものである:アルキル基、たとえはメチル、
エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、
オクタデシルおよびミリシル基;アルケニル基、たとえばビニル、アリルおよび
ヘキセニル基;シクロアルキル基、たとえばシクロブチルおよびシクロヘキシル
基;アリール基、たとえばフェニル、キセニルおよびナフチル基;アラルキル基
、たとえばベンジルおよび2−フェニルエチル基;アルカリール基、たとえばト
リル、キシリルおよびメシチル基;対応するハロ炭化水素基、たとえば3−クロ
ロプロピル、4−ブロモブチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロシク
ロヘキシル、ブロモフェニル、クロロフェニル、α,α,α−トリフルオロトリ
ルおよびジクロロキセニル基;対応するシアノ炭化水素基、たとえば3−シアノ
エチル、3−シアノプロピルおよびシアノフェニル基;対応する炭化水素基、た
とえばエーテルおよびエステル炭化水素基、たとえば−(CH2)3OC2H5、−(
CH2)3OCH3、−(CH2)3COOC2H5および−(CH2)3COOCH3;対応
するチオエーテルおよびチオエステル炭化水素基、たとえば−(CH2)3SC2H5
および−(CH2)3COSCH3;ならびにニトロ炭化水素基、たとえばニトロフ
ェニルおよび3−ニトロプロピル基。R′基は1〜10個の原子を含む有機基で
あることが好ましい。本発明の最も好ましい態様においては、すべてのR′基の
うち少
なくとも90%がメチル基である。平均0〜2個のR′基がケイ素原子に結合で
きる。すなわち前記の式においてbは0〜2の平均値をもつ。
本発明に用いるシロキサン化合物中のR″基も、炭化水素基または置換炭化水
素基であってよい。R′につき前記に述べた具体例をこの場合も適用できる。同
様にR′につき前記に述べた好ましい例をR″基にも適用できる。ケイ素原子当
たり平均0〜3個のR″基がある。すなわち前記の式においてcは1〜3の平均
値をもつ。より好ましくは、R、R′およびR″基はすべて、炭素−ケイ素結合
、炭素−酸素−ケイ素結合、または炭素−硫黄−ケイ素結合によりケイ素原子に
結合している。
ポリシロキサン化合物は、固体状または液状のいずれであってもよく、実質的
にイソシアネート液に不溶性であることが要求される。固体の官能性シロキサン
を用いるためには、シロキサンを1種またはそれ以上のシリコーン界面活性剤に
溶解、分散または懸濁する必要であろう。したがって、用いる官能性シロキサン
は液状であることが好ましい。液状シロキサンの粘度は1〜100000センチ
ポアズの広範囲に及びうるが、一般に粘度は50〜1000センチポアズである
ことが好ましい。シロキサンの分子量は1000〜30000、好ましくは20
00〜15000、最も好ましくは4000〜8000に及びうる。
本発明の結合剤組成物中に使用しうる市販のポリシロキサン化合物には、ダウ
・コーニングから入手できるDC 1248およびゴールドシュミットから入手
できるテゴ(Tego)412Tが含まれる。好ましいシロキサン化合物は以下
に述べるものである。以下において(a)に挙げた数値は当量、(b)は反応性
基Rの化学式重量の合計を分子量に対する%として表したもの、(c)はイソシ
アネート非反応性基R′+R″の化学式重量の合計を分子量に対する%として表
したものである
ポリシロキサンIは下記の近似化学式をもつヒドロキシ官能性ポリシロキサン
ポリエーテルコポリマーである:
(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]66[Si(CH3)(C3H6O(CH2CH(CH3)O
)3.5H)O]3Si(CH3)3:分子量約6000、ヒトロキシ当量(a)2000
、
(b)11%、(c)35%、粘度160センチストークス;
ポリシロキサンIIは下記の近似化学式をもつヒドロキシ官能性チオエーテルコ
ポリマーである:
[HOCH2CH2SCH2(CH3)2SiO][Si(CH3)2O]72[Si(CH3)2CH2
CH2SCH2CH2OH]:ヒドロキシ当量(a)2750、分子量5500、
数値(b)4.3%、(c)39%、粘度約55センチストークス;
ポリシロキサンIIIは下記の近似化学式をもつ:
(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]134[Si(CH3)(C3H6OC2H3(OH)CH2
OH)O]16Si(CH3)3:分子量13136、当量(a)411、(b)16%
、(c)33%;
ポリシロキサンIVは下記の近似化学式をもつ:
(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]63[Si(CH3)(C3H6OC2H3(OH)CH2
OH)O]7Si(CH3)3:分子量6154、当量(a)440、(b)15%、
(c)34%;
ポリシロキサンVは下記の近似化学式をもつ:
(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]65[Si(CH3)(C3H6OC2H3(OH)CH2O
H)O]5Si(CH3)3:分子量5918、当量(a)592、(b)11%、(
c)34%;
ポリシロキサンVIは下記の近似化学式をもつ
(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]56[Si(CH3)(C3H6OC2H3(OH)CH2O
H)O]14Si(CH3)3:分子量6980、当量(a)249、(b)26%、(
c)28%;
ポリシロキサンVIIは下記の近似化学式をもつ
(CH3)CH(OH)CH2OC3H6Si(CH3)2O[Si(CH3)2O]39Si(CH3
)2C3H6OC2H4(OH)CH3:分子量6962、当量(a)3481、(b)
3.4%、(c)39%;
ポリシロキサンVIIIは下記の近似化学式をもつ:
(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]66[(CH3)Si(C4H9−PH−NH(C3H7)
O]3Si(CH3)3、ここでPH=フェニレン:分子量5782、当量(a)19
27、(b)9.9%、(c)37%;
ポリシロキサンIXは下記の近似化学式をもつ
(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]55[HOCH2CHOHCHOHCH(CH2OH
)CH(CH2OH)Si(CH3)O]14Si(CH3)3:分子量7550、当量(a)
108、(b)33%、(c)26%;
ポリシロキサンXは下記の近似化学式をもつ:
(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]61[(CH3)Si(C3H6OCH2CH(OH)CH2
OH)O]9Si(CH3)3:分子量6390、当量(a)355、(b)19%、
(c)32%。
ポリイソシアネート中でのポリシロキサン化合物の安定性が比較的限られてい
ることからみて、これらの成分はリグノセルロース材料に付与する直前にバッチ
毎にブレンドすべきである。好ましくは、一方ではこれらの組成物は相溶化剤お
よびIVB族金属から誘導された有機化合物を含有するポリイソシアネート、他
方ではポリシロキサンを、別個の成分として供給し、それらをリグノセルロース
材料に付与する直前に混合することにより調製される。
本発明に従って用いられる他の好ましい慣用の離型剤は、ポリオレフィンろう
、特に官能化ポリオレフィンろうである。“官能化”という用語は、たとえば遊
離ヒドロキシル基、カルボン酸基またはエステル基を含むポリオレフィンを意味
し、酸化されたポリオレフィンも含まれる。好ましいポリオレフィンはポリエチ
レンである。好ましくは、ポリエチレンホモポリマー、またはエチレンと酢酸ビ
ニルおよびけん化したα,β−不飽和カルボン酸、たとえは非環式酸系のものと
のコポリマーが用いられる。好ましくは、ポリオレフィンろうは80〜100℃
の融点、140℃で25〜50センチポアズの粘度、および80〜98dmmの
ASTM D5硬度をもち、結晶化度が低い。ポリエチレンの数平均分子量は、
好ましくは500〜4000である。特に好ましいポリエチレンろうは、アライ
ド・シグナルから入手できるA−C 6702である。
官能化ポリオレフィンろうの場合、これらを本発明のIVB族金属化合物、特
にチタンキレートの一部と予備反応させることができる。予備反応は以下のよう
に行われる。官能化ポリオレフィンろうを約90℃で融解し、IVB族金属から
誘導された有機化合物とこの温度で反応させる。相溶化剤(式IIによる化合物の
形のもの)をこの反応混合物に添加した後、この混合物を室温にまで冷却させる
。生じた生成物はペースト状液体であり、ポリイソシアネートに容易に撹拌混入
できる。こうして調製されたポリイソシアネート組成物は室温で安定な分散液で
あり、ポリイソシアネートに対し0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜6重
量%、最も好ましくは1〜4重量%の量のポリオレフィンろうを含む。IVB族
金属から誘導された有機化合物は、好ましくはポリイソシアネートに対し0.2
〜3重量%、最も好ましくは0.2〜1.5重量%の量で存在し、相溶化剤はポ
リイソシアネートに対し好ましくは1〜4重量%の量で存在する。
非官能化ポリオレフィンろうの場合、これらを別個に固形分5〜40重量%、
好ましくは5〜20重量%、最も好ましくは5〜15重量%の水性エマルション
の形でリグノセルロース材料に添加できる。本発明方法に用いるポリオレフィン
ろうエマルションの量は、IVB族金属化合物および相溶化剤を含有するポリイ
ソシアネート組成物に対し0.5〜30重量%である。
本発明のポリイソシアネート組成物は、処理したリグノセルロース材料が接触
する可能性のある当て板、プレス板その他の表面に不都合に粘着するのを最小限
に抑えるのにきわめて有効である。先行技術のポリイソシアネート組成物と比較
してそれらの離型性が向上し、かつ特に加湿エーシング後に得られるボード特性
が向上する。
本発明組成物に用いるポリイソシアネートは、それらの化合物が少なくとも2
個のイソシアネート基をもつ限り、いかなる有機ポリイソシアネート化合物また
は有機ポリイソシアネート化合物混合物であってもよい。有機ポリイソシアネー
トには、ジイソシアネート、特に芳香族ジイソシアネート、およびより高官能価
のイソシアネートが含まれる。
本発明組成物に使用できる有機ポリイソシアネートの例には以下のものが含ま
れる:脂肪族イソシアネート、たとえばヘキサメチレンジイソシアネート;なら
びに芳香族イソシアネート、たとえばm−およびp−フェニレンジイソシアネー
ト、トリレン−2,4−および−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン
−4,4′−ジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート
、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニレン−4,4′−ジイソシ
アネート、4,4′−ジイソシアネート−3,3′−ジメチルジフェニル、3−
メチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ならびにジフェニルエ
ーテルジイソシアネート;ならびに脂環式ジイソシアネート、たとえばシクロヘ
キサン−2,4−および−2,3−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキシ
ル−2,4−および−2,6−ジイソシアネートならびにそれらの混合物、なら
びにビス−(イソシアナトシクロヘキシル)メタン;ならびにトリイソシアネー
ト、たとえば2,4,6−トリイソシアナトトルエンおよび2,4,4−トリイ
ソシアナトジフェニルエーテル。
イソシアヌレート基、カルボジイミド基またはウレトンイミン基を含む修飾ポ
リイソシアネートも使用できる。さらに、ブロックされたポリイソシアネート、
たとえばフェノールまたはオキシムとポリイソシアネートの反応生成物であって
、ポリイソシアネート組成物を用いる場合に付与する温度より低い脱ブロック温
度をもつものも使用できる。有機ポリイソシアネートは、過剰のジイソシアネー
トまたはより高官能価のポリイソシアネートをポリオールと反応させることによ
り製造されるイソシアネート末端基付きプレポリマーであってもよい。英国特許
第1444933号、欧州特許出願公開第516361号および国際特許出願公開第91/03082
号に記載されるような水乳化性有機ポリイソシアネートも使用できる。
イソシアネートの混合物、たとえば市販の2,4−および2,6−異性体混合
物のようなトリレンジイソシアネート異性体混合物、ならびにアニリン/ホルム
アルデヒド縮合物のホスゲン化により製造されるジイソシアネートおよびより高
官能価のポリイソシアネートの混合物も使用できる。
このような混合物は当技術分野で周知であり、これにはジイソシアネート、ト
リイソシアネートおよびより高官能価のポリイソシアネートをホスゲン化副生物
と共に含有するメチレン架橋ポリフェニルポリイソシアネートを含有する粗製ホ
スゲン化生成物が含まれる。
本発明に用いるのに好ましいイソシアネートは、イソシアネートが芳香族ジイ
ソシアネートまたはより高官能価のポリイソシアネートであるもの、たとえば純
粋なジフェニルメタンジイソシアネート、またはジイソシアネート、トリイソシ
アネートおよびより高官能価のポリイソシアネートを含有するメチレン架橋ポリ
フェニルポリイソシアネート混合物である。メチレン架橋ポリフェニルポリイソ
シアネートは当技術分野で周知である。それらはアニリンとホルムアルデヒドの
縮合により得られる対応するポリアミド混合物のホスゲン化により製造される。
便宜上、ジイソシアネート、トリイソシアネートおよびより高官能価のポリイソ
シアネートを含有するメチレン架橋ポリフェニルポリイソシアネートのポリマー
混合物を、本明細書においてはポリマーMDIと呼ぶ。
好ましくはポリイソシアネートは室温で液体である。
本発明のポリイソシアネート組成物の貯蔵安定性をさらに向上させるために、
不活性希釈剤を組成物に添加してもよい。好適な希釈剤には“Taschenbuch der
Kunststoff-Additive”、R.Gachter,H.Muller編、ミュンヘン、カール・ハンザ
ー出版社、第3版(1989)に述べられた種類の可塑剤が含まれる。好ましい希釈
剤は、フタレート、脂肪族カルボキシレート、脂肪酸エステル、アマニ油および
ダイズ油である。特に好ましい希釈剤は、ユニケマ(Unichema)から入手できる
プリオルーベ(Priolube)1403、すなわちオレイン酸メチルである。これら
の希釈剤は、ポリイソシアネート100重量部当たり1〜40重量部、好ましく
はポリイソシアネート100重量部当たり1〜15重量部の量で添加される。
本発明組成物はさらに、慣用される添加剤、たとえば難燃剤、リグノセルロー
ス防腐剤、殺真菌薬、ろう、サイズ剤、充填剤、界面活性剤、チキソトロープ剤
、および他の結合剤、たとえばホルムアルデヒド縮合物系の接着剤樹脂およびリ
グニン(所望により、国際特許出願公開第EP96/00924号に記載されるようなリグ
ニン溶剤と組み合わせて)を含むことができる。
本発明のポリイソシアネート組成物中に用いられる特に好ましい添加剤は、有
機官能性シラン(たとえばヒュルズから入手できるダイナシラン(Dynasylan)
AMEO)などの結合剤である。このような結合剤をポリインシアネート組成物
に添加すると、ボード特性が向上する。有機官能性シラン系結合剤は、ポリイソ
シアネートに対し0.01〜3重量%、好ましくは0.1〜2重量%の量で用い
られる。
本発明のポリイソシアネート組成物は、各成分を室温で混合するだけで調製で
きる。
本発明はまた、リグノセルロース部品を本発明のポリイソシアネート組成物と
接触させ、この組合わせをプレスすることにより、リグノセルロース体を製造す
る方法に関する。
したがって本発明は、
a)リグノセルロース材料を本発明のポリイソシアネート組成物と接触させ、
b)次いでこの材料を結合させる
工程を含む、リグノセルロース材料の結合方法をも提供する。
リグノセルロース体は、本発明のポリイソシアネート組成物をリグノセルロー
ス部品と混合し、あるいは該部品に吹付けおよび/または展延することにより、
リグノセルロース部品を本発明組成物と接触させ、そして好ましくは通常150
〜250℃で単位圧2〜6MPaにおいてホットプレスすることによりポリイソ
シアネート組成物とリグノセルロース部品の組合わせをプレスすることによって
製造される。このような方法は当技術分野で一般に知られている。
ウエーハボードの製造に際しては、リグノセルロース材料に本発明のポリイソ
シアネート組成物を撹拌しながら吹き付けることにより、リグノセルロース材料
とポリイソシアネート組成物を簡便に混合できる。リグノセルロース材料をポリ
イソシアネート組成物処理後にアルミニウム製または鋼製の当て板に乗せる。こ
れがこの組合わせをプレスへ運び、ここで通常は150〜250℃の温度で目的
とする程度に圧縮する。製造操作の開始時に、プレス板の表面に前記のポリシロ
キサン化合物などの外部離型剤を吹き付けることによりプレス板をコンディショ
ニングするか、または初回プレス負荷のサイクル時間を延長することが有益であ
ろうが、これは必須ではない。予備コンディショニングしたプレスは追加処理す
ることなくその後本発明の操作に多数回使用できる。
本方法は、配向ストランドボード(oriented strand board)として広く知ら
れるウエーハボードの製造に特に適しており、その製造に多く利用されるが、本
方法はこの態様に限定されず、中密度繊維板、パーチクルボード(チップボード
としても知られる)および合板の製造にも使用できる。
したがって、用いられるリグノセルロース材料には、木材ストランド、木材チ
ップ、木部繊維、かんな屑、単板、木毛、コルク、木の皮、のこ屑、および木材
加工工業におけるこれらに類する廃棄物、ならびにリグノセルロース系の他の材
料、たとえば紙、バガス、わら、亜麻、サイザル麻、大麻、イグサ類、アシ類、
もみ殻、種子殻、草、堅果殻などが含まれる。さらに、他の粒状または繊維性材
料、たとえば粉砕したフォーム廃棄物(たとえば粉砕したポリウレタンフォーム
廃棄物)、鉱物繊維、ガラス繊維、雲母、ゴム、繊維廃棄物、たとえばプラスチ
ック繊維および布帛をリグノセルロース材料に混合してもよい。
ポリイソシアネート組成物をリグノセルロース材料に付与する際、ポリイソシ
アネート/リグノセルロース材料の重量比は、用いるリグノセルロース材料の嵩
密度に応じて異なるであろう。したがって、ポリイソシアネートは0.1:99
.9〜20:80、好ましくは0.5:99.5〜10:90のポリイソシアネ
ート/リグノセルロース材料重量比となる量で付与できる。
所望により、慣用される他の結合剤、たとえばホルムアルデヒド縮合物系の接
着剤樹脂をポリイソシアネート組成物と併用できる。
ウエーハボード、およびリグノセルロース材料を基礎とするこれに類する製品
の製造方法についてのより詳細な記載が、先行技術において得られる。一般に用
いられる技術および装置を、本発明のポリイソシアネート組成物用に適合させる
ことができる。
本発明のポリイソシアネート組成物から製造されるシートおよび成形体は卓越
した機械的特性をもち、それらの物品が一般に用いられるいかなる状況にも利用
できる。
本発明は以下の例により説明されるが、これらにより限定されない。スープラ
セク(SUPRASEC)はインペリアル・ケミカル・インダストリーズの商標である。例1
100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセク1042
、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)および1重量部
のビスアセチルアセトン酸エトキシイソプロポキシチタン(Ti-aca 105、ヒ
ュルズから入手できる)を含む組成物を調製した。
この組成物を乾燥木材に対し6%の結合剤配合量で用いて軟木繊維を結合した
。ボードサイズ:180×180×6mm、ボード密度:700kg/m3。定
盤温度:200℃。硬化時間:16秒/mm。マット含水率.±12%。定盤を
予備処理またはコーティングせずに、完全な離型が達成された。例2
28.4g(0.1mol)のチタンテトライソプロポキシドおよび56.4
g(0.2mol)のオレイン酸を、ガラス容器内で窒素雰囲気下に周囲条件で
機械的に撹拌した。次いで反応混合物を120℃に加熱し、この温度で約11m
lのイソプロパノールを1時間かけて徐々に留去した(収率92%)。イソプロ
パノール留去後、暗赤色液状の反応生成物を放冷し、使用するまで周囲条件で窒
素ブランケット下に貯蔵した。
100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセク1042
、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)および3重量部
の上記で得たジオレイン酸ジイソプロポキシチタンを含む組成物を調製した。
この組成物を乾燥木材に対し6%の結合剤配合量で用いて軟木繊維を結合した
(例1の場合と同じ条件)。定盤を予備処理またはコーティングせずに、完全な
離型が達成された。例3
100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセクDNR、
インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)、3重量部のTi-a
ca105(ヒュルズから入手できる)、3重量部のアセト酢酸セチルおよび3重
量
部のオレイン酸メチルを含む組成物を調製した。この組成物の貯蔵安定性は例1
および2の組成物より向上していた。
この組成物を乾燥木材に対し9%の配合量で用いて軟木ストランドを結合した
。本発明組成物で結合した表層、およびろうエマルション(コンデア・ヘミー(
Condea Chemie)から入手できるSPG60)を含有するポリイソシアネート組
成物(スープラセク1042)を乾燥木材に対し6%の配合量で用いて結合した
コア層をもつ12×450×450mmおよび密度720kg/m3のボードを
作成した。表層/コア層/表層比:20/60/20;表層含水率:14%;コ
ア層含水率:9%。定盤温度:170℃。第1ボードから完全な離型が達成され
、連続20回の反復にわたって安定かつ一定に維持された。この試験後に木材の
破損(定盤への木材粒子の付看)はみられなかった。例4〜6
100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセクDNR、
インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)、0.5重量部の
Ti-aca 105(ヒュルズから入手できる)、3重量部のアセト酢酸セチル、1
0重量部のオレイン酸メチルおよび11重量部のステアリン酸亜鉛(ブキロン(B
ouquillon)から入手できるステアリン酸亜鉛N)を含む組成物を調製した(例4)
。30℃で15日間貯蔵した後のこの組成物の粘度は820cPであった。
比較として、100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラ
セクDNR、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)、0
.3重量部のビスマレイン酸スズ(スタンクレア(Stanclere)T−57、アク
ロス・ケミカルズ(Acros Chemicals)から入手できる)、3重量部のアセト酢
酸セチル、10重量部のオレイン酸メチルおよび11重量部のステアリン酸亜鉛
を含む組成物を調製し(例5)、100重量部のポリイソシアネート(ポリマー
MDI、スープラセクDNR、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから
入手できる)、3重量部のアセト酢酸セチル、10重量部のオレイン酸メチルお
よひ11重量部のステアリン酸亜鉛(ブキロンから入手できるステアリン酸亜鉛
N)を含む組成物を調製した(例6)。30℃で15日間貯蔵した後のこれらの
組成
物の粘度は760cPおよび500cPである。
これらの組成物から前記例3に記載したと同じ方法でボードを作成した。定盤
からの離型を検査し(20枚のボード連続作成操作につき)、以下のように示し
た:0は完全な粘着(ボードの破損なしにボードを離型できない)、1は50%
以上の木材破損を伴う粘着、2は50%未満、25%以上の木材破損を伴う粘着
、3は25%未満、5%以上の木材破損を伴う粘着、4は5%未満の木材破損を
伴う粘着(ボードを離型するのにほとんど力を必要としない)、4.5は木材破
損なしの粘着(ホードを離型するのに努力を必要としない)、5は完全な離型(
ボードは自然に離型)。
以下のボード特性が測定された:内部結合強さ(基準EN 319およびEN
1087による)基準DIN 68763と同様に分類V20およびV100に
つき;24時間後の膨潤(基準EN 317による)。結果を表1に挙げる。第
2欄(離型)の数値は20回の反復中に観察された数値の範囲を示す。第3欄(
木材破損)の数値は20回のプレスサイクル後に観察された累積破損木材付着率
を表す。
これらの結果は、本発明による組成物(例4)を用いると先行技術の組成物(
例5および6)と比較して得られるボードの離型性が向上し、かつ乾燥強度が向
上することを示す。例7〜10
28.4g(0.1mol)のチタンテトライソプロポキシド、およびオレイ
ン酸メチル中の50重量%アセト酢酸セチル溶液130.7gを、ガラス容器内
で窒素雰囲気下に周囲条件で機械的に撹拌した。次いで反応混合物を120℃に
加熱し、この温度で約10mlのイソプロパノールを1.5時間かけて徐々に留
去した(収率85%)。イソプロパノール留去後、赤色液状の反応生成物を放冷
し、使用するまで周囲条件で窒素ブランケット下に貯蔵した。最終生成物はオレ
イン酸メチル中の69重量%チタンキレート溶液である。
100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセクDNR、
インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)、3重量部のTi-
aca 105、1.3重量部の塩化ベンジルおよび10重量部のオレイン酸メチル
を含む組成物を調製した(例7)。
同様に、100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセク
DNR、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)、3重量
部のTi-aca 105、3重量部のアセト酢酸セチルおよび10重量部のオレイン
酸メチルを含む組成物(例8)、100重量部のポリイソシアネート(ポリマー
MDI、スープラセクDNR、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから
入手できる)、6.5重量部の上記で得たジイソプロポキシチタンビス(アセト
酢酸セチル)、3重量部のアセト酢酸セチルおよび10重量部のオレイン酸メチ
ルを含む組成物(例9)、ならびに100重量部のポリイソシアネート(ポリマ
ーMDI、スープラセクDNR、インペリアル・ケミカル・インダストリーズか
ら入手できる)、5.8重量部のジオレイン酸ジイソプロポキシチタン、3重量
部のアセト酢酸セチルおよび10重量部のオレイン酸メチルを含む組成物(例1
0)を調製した。
粘度(mPas)を最初に25℃で測定し、そして4、8、16および30日
間貯蔵した後に30℃で測定することにより、これらの組成物の安定性を判定し
た。結果を表2に挙げる。
これらの結果は、組成物の安定性がチタンキレートの製造に用いるキレート化
剤の性質、および安定剤の性質によって強く影響されることを示す。例11〜13
100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセクDNR、
インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)、1重量部のTi-
aca 105、3重量部のアセト酢酸セチル、3重量部のオレイン酸メチルおよび
2重量部のポリシロキサン、テゴ412T(ゴールドシュミットから入手できる
)を含む組成物を調製した(例11)。
同様に100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセクD
NR、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)および4重
量部のポリシロキサン、テゴ412Tを含む組成物(例12)、ならびに100
重量部のスープラセクDNRおよび1重量部のTi-aca 105を含む組成物(例
13)を調製した。
これら両組成物を乾燥木材に対し9%の結合剤配合量で用いて、軟木ストラン
ドを結合した。上記の各組成物で結合した表層、およびろうエマルション(コン
デア・ヘミーから入手できるSPG60)を含有するポリイソシアネート(スー
プラセク1042、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる
)を乾燥木材に対し6%の配合量で用いて結合したコア層をもつ12×450×
450mmおよび密度720kg/m3のボードを作成した。表層/コア層/表
層比:20/60/20;表層含水率:14%;コア層含水率:9%。定盤温度
170℃。
定盤からの離型を検査し(20枚のボード連続作成操作につき)、以下のよう
に示した:0は完全な粘着(ボードの破損なしにボードを離型できない)、1は
50%以上の木材破損を伴う粘着、2は50%未満、25%以上の木材破損を伴
う粘着、3は25%未満、5%以上の木材破損を伴う粘着、4は5%未満の木材
破損を伴う粘着(ボードを離型するのにほとんど力を必要としない)、4.5は
木材破損なしの粘着(ボードを離型するのに努力を必要としない)、5は完全な
離型(ボードは自然に離型)。
以下のボード特性が測定された:内部結合強さ(IB)(基準EN 319お
よびEN 1087による)基準DIN 68763と同様に分類V20および
V100につき;24時間後の膨潤(基準EN 317による)。結果を表3に
挙げる。第2欄(離型)の数値は20回の反復中に観察された数値の範囲を示す
(第1ボード/第2〜20ボード)。第3欄(木材破損)の数値は20回のプレ
スサイクル後に観察された累積破損木材付着率を表す。
表3の結果は、チタンキレートとポリシロキサンの併用は、内部離型剤として
ポリシロキサンのみを用いたボードまたはチタンキレートのみを用いたボードと
比較してボードの湿潤強度および離型性に有益であることを示す。例12は、プ
レスを予めプライミングしなければ第1ボードが良好に離型しないことを示す。
例11は、プレスを予備処理しなくても第1ボードにつき4.5を示し、以下の
全シリーズにつき一貫して5を示す。例14〜16
100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、ルビネート(RUBINATE
)1840、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)、0
.5重量部のTi-aca 105、1.5重量部のアセト酢酸セチル、1.5重量部
のオレイン酸メチルおよび2重量部のテゴ412T(ゴールドシュミットから入
手できる)を含む組成物を調製した(例14)。
同様に100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、ルビネート18
40、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)、2重量部
のTi-aca 105、1.5重量部のアセト酢酸セチル、1.5重量部のオレイン
酸メチルおよび0.5重量部のテゴ412Tを含む組成物(例15)、ならびに
100重量部のルビネート1840および2重量部のテゴ412Tのみを含む組
成物(例16)を調製した。
これらの組成物を乾燥木材に対し4%の結合剤配合量で用いてアスペンストラ
ンドを結合した。上記の各組成物を用い、乾燥木材に対し1%のスラックワック
スを添加して結合した表層材料のみを用いて、6×450×450mmおよび密
度630kg/m3のボードを作成した。ブレンド後の含水率:6〜8%。定盤
温度:200℃。
定盤からの離型を検査し(20枚のボード連続作成操作につき)、個々に前記
のように示した。結果を表4に挙げる。
例17〜20
100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセクDNR、
インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)、0.25重量部
のTi-aca 105、3重量部のアセト酢酸セチル、10重量部のオレイン酸メチ
ル、11重量部のステアリン酸亜鉛および1重量部の3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン(ダイナシランAMEO、ヒュルズから入手できる)を含む組成物
を調製した(例17)。
同様に100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセクD
NR、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)、3重量部
のアセト酢酸セチル、10重量部のオレイン酸メチルおよび11重量部のステア
リン酸亜鉛を含む組成物(例18)、ならびに100重量部のスープラセクDN
R、0.25重量部のTi-aca 105、3重量部のアセト酢酸セチル、10重量
部のオレイン酸メチルおよび11重量部のステアリン酸亜鉛を含む組成物(例1
9)を調製した。
これらの組成物を乾燥木材に対し9%の結合剤配合量で用いて軟木ストランド
を結合した。上記の各組成物で結合した表層、およびろうエマルション(コンデ
ア・ヘミーから入手できるSPG60)を含有するポリイソシアネート(スープ
ラセクDNR、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)を
乾燥木材に対し6%の配合量で用いて結合したコア層をもつ12×450×45
0mmおよび密度720kg/m3のボードを作成した。表層/コア層/表層比
:20/60/20;表層含水率:14%;コア層含水率:9%。定盤温度:1
70℃。さらに、コア層と表層の両方にスープラセクDNRを7%の配合量で用
いてボードを作成した(例20)。
定盤からの離型を検査し(20枚のボード連続作成操作につき)、以下のよう
に示した:0は完全な粘着(ボードの破損なしにボードを離型できない)、1は
50%以上の木材破損を伴う粘着、2は50%未満、25%以上の木材破損を伴
う粘着、3は25%未満、5%以上の木材破損を伴う粘着、4は5%未満の木材
破損を伴う粘着(ボードを離型するのにほとんど力を必要としない)、4.5は
木材破損なしの粘着(ボードを離型するのに努力を必要としない)、5は完全な
離型(ボードは自然に離型)。
以下のボード特性が測定された:内部結合強さ(基準EN 319およびEN
1087による)基準DIN 68763と同様に分類V20およびV100に
つき;24時間後の膨潤(基準EN 317による)。結果を表5に挙げる。第
2欄(離型)の数値は20回の反復中に観察された数値の範囲を示す(第1ボー
ド/第2〜20ボード)。第3欄(木材破損)の数値は20回のプレスサイクル
後に観察された累積破損木材付着率を表す。
表5の結果は、アミノシランとチタンアセチルアセトネートの併用は、内部離
型剤としてポリシロキサンのみを用いたボードまたはチタンキレートのみを用い
たボードと比較して、ボード特性、特に湿潤強度(V100)特性に有益である
ことを示す。内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を用いたことによるボード特性
の低下は、このシラン系結合剤の使用によって大幅に補償される。例21〜24
60gの酸化ポリエチレン(AC−6702、アライド・シグナルから入手で
きる)、およびオレイン酸メチル中の50重量%アセト酢酸セチル溶液120g
を、ガラス容器内で窒素雰囲気下に機械的に撹拌し、90℃に加熱した。透明な
溶液が得られた。次いで撹拌下で90℃の温度に維持しながら、20gのTi-aca
105を徐々に添加した。Ti-aca 105の添加が終了した後、反応混合物を周
囲温度にまで放冷した。この反応生成物(暗赤色のペースト様材料)(I)を、
使用するまで周囲条件で貯蔵した。
100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセクDNR、
インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)を、ガラス容器内
で窒素雰囲気下に周囲条件で機械的に撹拌した。次いで10重量部の反応生成物
(I)を50℃に加熱し、このポリイソシアネートに徐々に添加した。約15分
間撹拌を続け、均質な分散液を得た。得られたポリイソシアネート組成物を、使
用するまで周囲条件で窒素ブランケット下に貯蔵した(例22)。
100重量部のポリイソシアネート(ポリマーMDI、スープラセクDNR、
インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手できる)、0.5重量部の
Ti-aca 105、3重量部のアセト酢酸セチル、3重量部のオレイン酸メチルを
含む組成物を調製した。この組成物を乾燥木材に対し8%の結合剤配合量で用い
て軟木ストランドを結合した。結合剤を添加した後、PEろうエマルション(固
形分30%)を別個に木材ストランドに吹き付けた。吹き付けたエマルションの
量は、ポリイソシアネート組成物に対しPEろう固形分10重量%(すなわち乾
燥木材に対し0.8%)に達する量であった。前記に従って作成した表層、およ
びろうエマルション(コンデア・ヘミーから入手できるSPG60)を含有する
ポリイソシアネート(スープラセクDNR、インペリアル・ケミカル・インダス
トリーズから入手できる)を乾燥木材に対し6%の配合量で用いて結合したコア
層をもつ12×450×450mmおよび密度720kg/m3のボードを作成
した。表層/コア層/表層比:20/60/20;表層含水率:14%;コア層
含水率:9%。定盤温度:170℃(例21)。
100重量部のスープラセクDNR、3重量部のアセト酢酸セチル、3重量部
のオレイン酸メチルおよび3重量部のPEろうAC 6702を含む組成物(例
23)、ならびに100重量部のスープラセクDNRおよび1重量部のTi-aca
105を含む組成物(例24)をも調製した。
例22〜24の組成物を乾燥木材に対し8%の結合剤配合量で用いて軟木スト
ランドを結合した。前記の各組成物で結合した表層、およびろうエマルション(
コンデア・ヘミーから入手できるSPG60)を含有するポリイソシアネート(
スープラセクDNR、インペリアル・ケミカル・インダストリーズから入手でき
る)
を乾燥木材に対し6%の配合量で用いて結合したコア層をもつ12×450×4
50mmおよび密度720kg/m3のボードを作成した。表層/コア層/表層
比:20/60/20;表層含水率:14%;コア層含水率:9%。定盤温度1
70℃。
定盤からの離型を検査し(10枚のボード連続作成操作につき)、以下のよう
に示した:0は完全な粘着(ボードの破損なしにボードを離型できない)、1は
50%以上の木材破損を伴う粘着、2は50%未満、25%以上の木材破損を伴
う粘着、3は25%未満、5%以上の木材破損を伴う粘着、4は5%未満の木材
破損を伴う粘着(ボードを離型するのにほとんど力を必要としない)、4.5は
木材破損なしの粘着(ボードを離型するのに努力を必要としない)、5は完全な
離型(ボードは自然に離型)。
以下のボード特性が測定された:内部結合強さ(基準EN 319およびEN
1087による)基準EN320と同様に分類V20およびV100につき;2
4時間後の膨潤(基準EN 317による)。結果を表6に挙げる。第2欄(離
型)の数値は10回の反復中に観察された数値の範囲を示す。第3欄(木材破損
)の数値は10回のプレスサイクル後に観察された累積破損木材付着率を表す。
例23では、第1ボードについてのみ離型を調べた。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年8月21日
【補正内容】
請求の範囲
1.a)リグノセルロース材料をポリイソシアネート組成物と接触させ、
b)次いでこの材料を結合させる
工程を含む、リグノセルロース材料の結合方法であって、
ポリイソシアネート組成物が元素の周期表のIVB族金属から誘導された有機化
合物を含み、該有機化合物がカルボン酸金属塩または金属アルコキシド、または
中心原子としての金属および少なくとも1つの多座配位子を含むキレート錯体で
あることを特徴とする方法。
2.IVB族金属がチタンまたはジルコニウムである、請求項1記載の方法。
3.カルボン酸塩またはアルコキシドが、1〜30個の炭素原子を有する飽和
もしくは不飽和脂肪族もしくは脂環式または芳香族のカルボン酸またはアルコー
ル類から誘導される、請求項1または2記載の方法。
4.少なくとも1つの多座配位子がβ−ジカルボニル化合物である、請求項1
または2記載の方法。
5.β−ジカルボニル化合物がアセチルアセトネートまたはアセトアセテート
である、請求項4記載の方法。
6.キレート錯体が次式(I):
[式中、X1、X2、X3、X4、X5およびX6(同一か、または異なる)はOまた
はSまたはNを表し、zおよびz′(同一か、または異なる)は0または1であ
り、yおよびy′(同一か、または異なる)は0または1であり、R1およびR4
(同一か、または異なる)は1〜30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を
表し、R2およびR3(同一か、または異なる)は1〜30個の炭素原子を有する
脂肪族炭化水素基を表し、R5およびR6(同一か、または異なる)は1〜30個
の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を表し、MはTi、ZrまたはHfを表す
]に相当する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
7.MがTiまたはZrである、請求項6記載の方法。
8.X1、X2、X3、X4、X5およびX6がすべてOを表す、請求項6または7
記載の方法。
9.R5およびR6が1〜20個の炭素原子を含み、かつzおよびz′が共に0
である、請求項6、7または8記載の方法。
10.R1、R2、R3およびR4が1〜20個の炭素原子を含む、請求項6、7
、8または9記載の方法。
11.yおよびy′が共に0であり、かつR1、R2、R3およびR4が1〜3個
の炭素原子を含む、請求項10記載の方法。
12.yおよびy′が共に0であり、R2およびR3が1〜3個の炭素原子を含
み、かつR1およびR4が10〜18個の炭素原子を含む、請求項10記載の方法
。
13.キレート錯体が次式(Ia):
(R7O)aM(R8C(O)CHC(O)R9)b (Ia)
(式中、MはTiまたはZrを表し、R7はアルコキシ基またはカルホキシ基を表
し、R8はアルキル基またはアリール基を表し、R9はアルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキル基またはアリール基を表し、aは4−bであり、bはMがTi
である場合は1または2であり、bはMがZrである場合は1、2、3または4
である)に相当する、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
14.有機化合物をポリイソシアネートに対し0.1〜10重量%の量で用い
る、請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
15.有機化合物をポリイソシアネートに対し0.2〜7重量%の量で用いる
、請求項14記載の方法。
16.ポリイソシアネート組成物がさらに、一般式(II)に相当する化合物ま
たはそれと有機単官能性もしくは多官能性イソシアネートの反応生成物である相
溶化剤:
[式中、Y1およびY2(同一か、または異なる)はOまたはSを表し;nおよび
n′(同一か、または異なる)は0〜1の整数を表し、RおよびR′(同一か、
または異なる)は1〜30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を表し、Rと
R′の炭素原子の総数は7〜40である]を含む、請求項1〜15のいずれか1
項記載の方法。
17.Y1およびY2が共にOを表し、nが0であり、Rが1または2個の炭素
原子を含むアルキル基であり、n′が1であり、かつR′が8〜18個の炭素原
子を含むアルキル基である、請求項16記載の方法。
18.式(II)の化合物がアセト酢酸デシル、アセト酢酸セチルおよびアセト
酢酸ステアリルである、請求項17記載の方法。
19.それと式(II)の化合物が反応して相溶化剤を形成しうる有機イソシア
ネートがジフェニルメタンジイソシアネートまたはメチレン架橋ポリフェニルポ
リイソシアネート混合物である、請求項16〜18のいずれか1項記載の方法。
20.相溶化剤(式(II)に相当する化合物の形のもの)をポリイソシアネー
トに対し1.5〜7重量%の量で用いる、請求項16〜19のいずれか1項記載
の方法。
21.ポリイソシアネート組成物がさらに、元素の周期表のIA、IIA、III
A、IB、IIB、IVA、VAおよびVIII族の金属から誘導されたカルボン酸金
属塩を含む、請求項1〜20のいずれか1項記載の方法。
22.IA、IIA、IIIA、IB、IIB、IVA、VAおよびVIII族の金属が
Znである、請求項21記載の方法。
23.カルボン酸金属塩がステアリン酸亜鉛である、請求項22記載の方法。
24.カルボン酸金属塩をポリイソシアネートに対し5〜15重量%の量で用
いる、請求項21〜23のいずれか1項記載の方法。
25.ポリイソシアネート組成物がさらに離型剤を含む、請求項1〜20のい
ずれか1項記載の方法。
26.離型剤をポリイソシアネートに対し0.5〜6重量%の量で用いる、請
求項25記載の方法。
27.離型剤がポリシロキサンである、請求項25または26記載の方法。
28.離型剤が官能化ポリオレフィンろうであり、官能化ポリオレフィンとい
う用語が遊離のヒドロキシル基、カルボン酸基またはエステル基を含むポリオレ
フィン、および酸化ポリオレフィンを意味する、請求項25または26記載の方
法。
29.ポリオレフィンがポリエチレンである、請求項28記載の方法。
30.相溶化剤をポリイソシアネートに対し1〜4重量%の量で用いる、請求
項25〜29のいずれか1項記載の方法。
31.IVB族金属から誘導された有機化合物をポリイソシアネートに対し0
.2〜4重量%の量で用いる、請求項25〜30のいずれか1項記載の方法。
32.ポリイソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネートまたはメチレ
ン架橋ポリフェニルポリイソシアネート混合物である、請求項1〜31のいずれ
か1項記載の方法。
33.ポリイソシアネート組成物がさらに不活性希釈剤を含む、請求項1〜3
2のいずれか1項記載の方法。
34.希釈剤をポリイソシアネートに対し1〜15重量%の量で用いる、請求
項33記載の方法。
35.希釈剤がオレイン酸メチルである、請求項33または34記載の方法。
36.ポリイソシアネート組成物がさらに結合剤を含む、請求項1〜35のい
ずれか1項記載の方法。
37.結合剤が有機官能性シランである、請求項36記載の方法。
38.有機官能性シランをポリイソシアネートに対し0.01〜3重量%の量
で用いる、請求項37記載の方法。
39.a)リグノセルロース材料をポリイソシアネート組成物と接触させ、
b)次いでこの材料を結合させる
工程を含む、リグノセルロース材料の結合方法であって、
ポリイソシアネート組成物が請求項1〜20および32〜38のいずれか1項記
載の組成物を含み、かつ離型剤組成物を別個にリグノセルロース材料に付与する
ことを特徴とする方法。
40.別個に付与する離型剤組成物がポリオレフィンろうの水性エマルション
である、請求項39記載の方法。
41.ポリオレフィンがポリエチレンである、請求項40記載の方法。
42.工程b)が、ポリイソシアネート組成物とリグノセルロース材料の組合
わせをホットプレスすることを伴う、請求項1〜41のいずれか1項記載の方法
。
43.ポリイソシアネート/リグノセルロース材料の重量比が0.1:99.
9〜20:80である、請求項1〜42のいずれか1項記載の方法。
44.請求項16〜38のいずれか1項記載のポリイソシアネート組成物。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK
,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,
MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R
U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR
,TT,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 レーンスラグ,ヤン・ビレム
ベルギー王国ベー−3120 トレメロ,レヒ
テストラート 10
(72)発明者 ベルベーク,ハンス・ギド・ゴデリーブ
ベルギー王国ベー−3210 リデン,ランゲ
ビークストラート 24
(72)発明者 ギューケンス,ダニー・アナ・エデュアル
ド
ベルギー王国ベー−2250 オレン,ゼラニ
ョームストラート 35