JPH11511813A - 脱気槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は製紙およびパルプ産業において使用される脱気槽に関する。本発明は特に、改良された複式脱気槽に関する。脱気槽は名前が示すように、繊維懸濁物（第１の媒体）からガスを除去するためのものである。脱気槽は大型槽であって、そこへ製紙機械中へ導入すべき繊維懸濁物が希釈混合物として導入される。ヘッドボックスから抄き網セクションまで送られるべき原料の最終濃度がヘッドボックスの直前に、あるいはヘッドボックスと関連して微調整されることが好ましいことは以前から知られている。この微調整は脱気した清水あるいはその相等品（第２の媒体）を必要とする。本発明の脱気槽の特徴は槽（２）において第１の媒体が処理される同じガススペース（１７）に第２の堰Ｋ２を形成する第２の仕切り壁（１３）が設けられており、槽のジャケットには槽中へ導入すべき第２の媒体のための入口（１１）と概ねガス抜きした第２の媒体のための出口（１４）が設けられており、共通のガススペース（１７）には第１と第２の媒体の双方から分離されたガスのための出口でそれ自体周知の出口（７）と、堰Ｋ２によって分離された第２の媒体の表面流れ部分／分離小部分（１９）のための出口（８、１５）とが設けられていることである。

Description

【発明の詳細な説明】 脱気槽 本発明は製紙およびパルプ産業において使用される脱気槽に関する。特に本発 明は、槽本体と、前記槽本体内に配置され、堰Ｋ１を形成し、前記槽のジャケッ トに配置されている仕切り壁と、前記槽内へ導入される第１の媒体のための入口 と、概ねガス抜きした第１の媒体のための出口と、分離されたガスのための出口 と、前記堰Ｋ１によって分離された第１の媒体の表面流れ部分／分離小部分のた めの出口とからなる脱気槽に関する。 当該技術分野の専門家はエー．アルストローム社（A．Ahlstrom Corporation ）のDECULATOR^Rとして最良に知られている脱気槽を認識している。これらの脱気 槽は特に、製紙およびパルプ産業において使用されている。この名が示すように 、これらの脱気槽は例えば、繊維の懸濁物からガスを除去するためのものである 。 脱気槽は大型の槽であって、その中へ製紙機械に送るべき繊維の懸濁物が希釈 混合物として導入される。この槽の作動原理は繊維の懸濁物を亜大気圧で沸騰さ せ、ガスを所謂ガススペース中へ分離し、ガスを槽から排出し、その他の軽い不 純物がその軽さのため槽において液面の上に分離されうるようにし、次いで表面 流れ部分／分離小部分と共に槽から排出するものである。製紙機械まで導かれた 懸濁物は槽の底にある開口から排出される。その概念は当然繊維懸濁物を出来る 限りガスのない状態で槽から排出することである。脱気槽の脱気性を最大にする ために、槽を真空ポンプで引くことによりガスが真空ポンプを介して槽から排出 される。脱気性は、脱気槽の液体のレベルより上にあるノズルを介して液体を導 入し、導入された液体を、例えば脱気槽の天井と衝突させることによって、気泡 の形態で液体中に介在するガスがあるとすればそのガスが、導入された液体が槽 内の液体と接触する前に分離されるようにすることにより更に高められる。例え ばフィンランド特許第47795号（米国特許第3,538,680号）に開示されている所謂 DECULATOR^Rの浮動翼(Flying Wing)法による装置が製紙原料を清浄にし、空気／ ガスをそこから除去するために使用されている。 ヘッドボックスから抄き網セクション即ち抄き網区画まで送られる原料の最終 の濃度即ちコンシステンシーはヘッドボックスの前に、あるいはヘッドボックス と関連して微調整されることが好ましいことは以前から知られている。この微調 整は脱気された水、あるいはその相等物を必要とする。 製紙機械に導入され、実質的に原料を構成する媒体は以下第１の媒体と称する ことにする。原料の濃度の微調整に要する白水、清水、あるいはそれらの相等物 は以下第２の媒体と称することとする。第２の媒体は従来技術により個別の脱気 手段において脱気される。 本発明は製紙原料の濃度の微調整に要するガス抜きした、あるいは概ねガス抜 きした第２の媒体を調製するための改良された装置に関する。 本発明による脱気槽の特徴は第１の媒体が脱気槽で処理される場合、同じガス スペースに、第２の堰Ｋ２を形成する第２の仕切り壁が設けられ、脱気槽のジャ ケットに該槽中へ導入される第２の媒体のための入口と概ねガス抜きした第２の 媒体のための出口とが設けられ、共通のガススペースに第１と第２の媒体の双方 から分離されたガスのためのそれ自体周知の出口と、堰Ｋ２によって分離された 第２の媒体の表面流れ部分／分離小部分のための出口とが設けられていることで ある。 本発明の脱気槽のその他の特徴は請求の範囲から明らかとなる。 本発明の装置によれば、第２の媒体の脱気のためにヘッドボックスに導入され る原料の脱気のためのものと同じ装置を採用している。原料濃度の最終調整に使 用される、好ましくは白水である水は抄き網ピットから採集され、例えばDECULA TOR^R脱気槽と同じタイプのもので良く、その中で水が脱気される脱気槽まで運ば れる。本発明による装置は従来技術による槽への接続が容易である。例えば、円 筒形の脱気槽の端部には、希釈水、すなわち第２の媒体を脱気するに要する導管 や堰のような手段を槽を延長させることにより容易に設けられる。本発明の装置 はガスを除去するために脱気槽に既存の手段を利用する。１個の同じガススペー ス、すなわち１個の槽において第１と第２の媒体とを脱気することにより明らか にスペースの節約となる。本装置はまた、全体を形成する。もしも所謂浮動翼タ イプの脱気手段が使用されるとすれば、本発明による第２の媒体用の脱 気手段をこの構造体の端に追加することは容易である。 堰によって分離された第２の媒体の表面の流れ部分／分離小部分は個別の出口 を介して槽から排出するこが可能である。この場合、堰Ｋ１およびＫ２は堰によ って分離された第１と第２の媒体の表面流れ部分／分離小部分を相互から分離す るために、双方の堰の間に仕切り壁を有している。 第２の媒体が脱気されると、例えば製紙機械の抄き網から除去された水、清水 あるいはこれらの混合物であるこの第２の媒体はポンプと適当なスクリーンとを 介してヘッドボックスまで運ばれ、ここで抄き網に送るべき材料の濃度の最終的 な微調整が行われる。白水とは製紙機械の抄き網から排出された水を意味する。 本発明による脱気槽を、添付図面を参照して例示として以下詳細に説明する。 第１図は本発明による脱気槽の断側面図を示す概略図、 第２図は本発明による第２の脱気槽の断側面図を示す概略図である。 第１図によれば、本発明による脱気槽１はジャケット２と、例えば処理すべき 懸濁物のような第１の媒体のための入口ヘッダ（inlet header）３と、送入パイ プすなわち入口４と、例えば懸濁物のような脱気された第１の媒体のための出口 ６と、ガス排出／真空ダクト７と、堰Ｋ１を形成するプレート９と、堰Ｋ１によ って分離された第１の媒体の分離小部分すなわち表面流れ部分のための出口８と からなる。脱気槽１内の第１の媒体の表面を参照番号５で指示する。脱気槽の他 端には例えば白水（製紙機械の抄き網から排出された水）のような第２の媒体の ための入口ヘッダ１０と、第２の媒体のための送入パイプすなわち入口１１と、 例えば白水のような、ガス抜きした第２の媒体のための出口１４と、ガス排出／ 真空ダクト７とが配置されている。脱気槽１における第２の媒体の表面は参照番 号１２で指示されている。このように、第１と第２の媒体の脱気手段は共通であ るが、このことは第１と第２の媒体が同じガススペースにおいて処理されるため 当然であり、かつ有利である。プレート１３が堰Ｋ２を形成している。堰Ｋ２に よって分離された第２の媒体の分離小部分１９すなわち表面の流れ部分のための 出口は第１図において参照番号８で指示されている。本発明の装置において、堰 Ｋ１およびＫ２によって分離された表面流れ部分は１個の同じスペースに運ばれ 、そこから出口８を介して脱気槽１から排出される。堰Ｋ１およびＫ２によって 分 離された表面流れ部分（分離小部分）を１個の同じスペース中へ導き、そこから 共通の出口８を介して脱気槽１から排出するようにすることによって脱気槽の構 造を出来る限り簡素化することが出来る。保全ハッチを参照番号１８で指示して いる。 第２図に示す装置は堰Ｋ１およびＫ２によって分離された双方の媒体の表面流 れ部分が、仕切り壁１６によって分離されているそれぞれのスペースへ運ばれ、 そこから個別の出口８′と１５とを介して更に別の処理を行なうべく脱気槽１か ら排出される点を除いて第１図に示す装置と同一である。 前述のように、脱気槽は例えばマルチリテンションタイプ（multi-retentiont ype）あるいは所謂浮動翼タイプのものとしうる。本発明の装置はその他のタイ プの脱気槽に対しても適用可能である。一般的には白水の混合物および（または ）白水と清水である第２の媒体の脱気手段が従来技術の脱気槽の延長部分を形成 するように構成される場合、コンパクトで実行が容易な構造が歓迎される。従っ て、双方の媒体の表面流れ部分（分離小部分）を１個の同一のスペースと出口と を介して排出するよう手配することが有利である。それぞれの分離小部分を個別 に排出すべき場合、これらの２個の表面流れ部分（分離小部分）の間に仕切り壁 を構成し、双方の分離小部分が個別の出口を介して脱気槽から排出するようにす ればよい。 本発明による装置を例えば所謂マルチリテンションタイプあるいは所謂浮遊翼 タイプの従来技術の脱気槽に取り付けその延長部分を形成することは容易である 。本発明による装置はまた、繊維懸濁物用の既存の脱気槽に後で簡単に接続でき る。 処理すべき媒体を脱気槽中へ導入する入口４、１１が、それぞれが脱気槽の基 本的に両端から始まるか、あるいは両端と関連するように配置され、堰Ｋ１およ びＫ２によって分離された第１と第２の媒体の分離小部分１８、１９のための出 口８、８′、１５が第１と第２の媒体のための入口４、１１の間である脱気槽２ の部分と関連して配置される場合、本発明による装置は、全体の所要空間ならび に各種要素の配置を十分に調整して実行することが可能である。 第１と第２の媒体の脱気を進行させる手段が脱気槽の基本的に両端から始まる か、あるいは両端と関連するように配置される場合、繊維懸濁物のみを脱気する 意図であった元の装置を、第２の媒体の脱気にも適用できるように簡単に延長す ることが可能である。 この第２の媒体は、例えば、製紙機械の抄き網から排出される水、すなわち所 謂白水、清水あるいはこれらの混合物であり、この第２の媒体はポンプと適当な スクリーンとを介してヘッドボックスまで運ばれ、そこで抄き網へ送るべき材料 の濃度の最終の微調整が行われる。処理すべき媒体を脱気槽内へ導入する入口４ 、１１がそれぞれ槽の基本的に両端から始まるか、あるいは両端と関連して配置 される場合、堰Ｋ１およびＫ２によって分離された第１と第２の媒体の分離小部 分１８、１９は共通の出口８を有するように出来る。第２の媒体から堰Ｋ２によ って分離された分離小部分１９、例えば白水が堰Ｋ１によって分離された分離小 部分19とは個別にさらに処理すべき場合、これらの分離小部分の間に仕切り壁１ ６を構成し、相互の分離小部分の直近に出口８′、１５を配置することが可能で ある。このように配置することにより第２の媒体の脱気装置を既存の脱気槽と関 連して簡単に構成することが可能で、他方特に２種類の媒体を脱気するようにし た本発明の新規な装置は極めてコンパクトなものとされる。 上記の実施例から判るように、従来技術の装置とは明らかに異なり、原料の濃 度を微調整するのに要するガス抜きの、あるいは概ねガス抜きした第２の媒体が 調製される脱気槽が開発された。本発明の極数種の実施例を上記の通り提供した が、それらは本発明の範囲を規定する請求の範囲に開示した本発明の範囲を限定 するものでは決してない。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 媒体の表面流れ部分／分離小部分（１９）のための出口 （８、１５）とが設けられていることである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．槽本体（２）と、該槽本体内配置され、堰Ｋ１を形成し、槽のジャケット に配置された仕切り壁（９）と、前記槽中へ導入すべき第１の媒体のための入口 （４）と、概ねガス抜きした第１の媒体のための出口（６）と、分離されたガス のための出口（７）と、堰Ｋ１によって分離された第１の媒体の分離小部分（１ ８）のための出口（８、８′）とからなる脱気槽（１）において、第１の媒体が 槽（２）において処理されるガススペース（１７）に第２の堰Ｋ２を形成する第 ２の仕切り壁（１３）が設けられ、槽ジャケットには槽中へ導入すべき第２の媒 体のための入口（１１）と、概ねガス抜きした第２の媒体のための出口（１４） とが設けられ、共通のガススペース（１７）には第１と第２の媒体の双方から分 離されたガスのためのそれ自体周知の出口（７）と堰Ｋ２によって分離された分 離小部分（１９）のための出口（８、１５）が設けられていることを特徴とする 脱気槽（１）。 ２．前記槽に堰Ｋ２によって分離された第２の媒体のための個別の出口（１５ ）が設けられていることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の脱気槽。 ３．脱気槽中へ処理すべき媒体を導入するための入口（４、１１）がそれぞれ 、前記槽の基本的に両端から始まるか、あるいは両端と関連して配置されており 、堰Ｋ１およびＫ２によって分離された第１と第２の媒体の分離小部分（１８、 １９）のための出口（８；８′、１５）が処理すべき第１と第２の媒体の入口（ ４、１１）の間の前記槽（２）の部分と関連して配置されていることを特徴とす る請求の範囲第１項または第２項に記載の脱気槽（１）。 ４．第２の媒体が基本的に、製紙機械の抄き網から排出された水であることを 特徴とする請求の範囲第１項、第２項、または第３項に記載の脱気槽。 ５．前記第２の媒体が基本的に清水であることを特徴とする請求の範囲第１項 、第２項または第３項に記載の脱気層。