JPH11510368A - ヒトケモカインβ−13 - Google Patents

ヒトケモカインβ−13

Info

Publication number
JPH11510368A
JPH11510368A JP9-500382A JP50038297A JPH11510368A JP H11510368 A JPH11510368 A JP H11510368A JP 50038297 A JP50038297 A JP 50038297A JP H11510368 A JPH11510368 A JP H11510368A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
polynucleotide
cells
dna
polypeptides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9-500382A
Other languages
English (en)
Inventor
リ,ハオドン
セイベル,ジョージ
Original Assignee
ヒューマン ジノーム サイエンシーズ,インコーポレイテッド
スミスクライン ビーチャム コーポレイション
Filing date
Publication date
Application filed by ヒューマン ジノーム サイエンシーズ,インコーポレイテッド, スミスクライン ビーチャム コーポレイション filed Critical ヒューマン ジノーム サイエンシーズ,インコーポレイテッド
Publication of JPH11510368A publication Critical patent/JPH11510368A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 ヒトケモカインポリペプチド、およびこのようなケモカインポリペプチドをコードするDNA(RNA)、ならびに組換え技術によりこのようなポリペプチドを産生する手順を開示する。また、このようなケモカインポリペプチドを、白血病、腫瘍、慢性感染症、自己免疫疾患、線維症性疾患、創傷治癒、および乾癬の処置のために利用する方法を開示する。このようなケモカインポリペプチドに対するアンタゴニスト、および慢性関節リウマチ、自己免疫疾患、ならびに慢性および急性炎症、および感染性疾患、アレルギー反応、プロスタグランジン非依存性発熱、および骨髄不全を処置するための治療剤としてのそれらの使用をまた、開示する。また、核酸配列の変異、およびポリペプチドの濃度の変化に関連する疾患を検出するための診断アッセイを開示する。また、ケモカインポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにおける変異を検出するため、および宿主中のポリペプチドのレベルの変化を検出するための診断アッセイを、開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトケモカインβ−13 本発明は、新規に同定されたポリヌクレオチド、このようなポリヌクレオチド にコードされるポリペプチド、このようなポリヌクレオチドおよびポリペプチド の使用、ならびにこのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの産生に関す る。より詳細には、本発明のポリペプチドは、ヒトケモカインポリペプチドとし て推定的に同定され、本明細書以下では時にはヒトケモカインβ-13(Ckβ-13)と いう。本発明はまた、このようなポリペプチドの作用を阻害することに関する。 ケモカインは、また、インタークラインサイトカインといわれ、構造的および 機能的に関連するサイトカインのサブファミリーである。これらの分子は、8〜 10kdの大きさである。一般に、ケモカインは、アミノ酸レベルで20%〜75%の相 同性を示し、そして2つのジスルフィド結合を形成する4つの保存されたシステ イン残基によって特徴づけられる。最初の2つのシステイン残基の配列に基づい て、ケモカインは2つのサブファミリー、αおよびβに分類される。αサブファ ミリーにおいては、最初の2つのシステインは1つのアミノ酸によって分離され 、それゆえ「C-X-C」サブファミリーといわれる。βサブファミリーにおいては 、2つのシステインは隣接した位置にあり、それゆえ、「C-C」サブファミリー といわれる。従って、少なくとこのファミリーの9つの異なるメンバーが、ヒト において同定されている。 インタークラインサイトカインは、広範な種類の機能を示す。顕著な特性は、 異なる細胞型(単球、好中球、Tリンパ球、好塩基球、および線維芽細胞を含む) の走化性遊走を誘発する能力である。多くのケモカインは、前炎症性活性を有し 、そして炎症反応の間の多くの段階に含まれる。これらの活性として、ヒスタミ ン放出の刺激、リソソームの酵素およびロイコトリエンの放出、標的免疫細胞の 内皮細胞への接着の増強、補体タンパク質の結合の増強、顆粒球接着分子および 補体レセプターの発現の誘導、およびレスピラトリーバーストが挙げられる。炎 症におけるそれらの状況に加えて、特定のケモカインは他の活性を示すことが示 さ れている。例えば、マクロファージ炎症性タンパク質1(MIP-1)は、造血幹細胞 の増殖を抑制し得、血小板因子-4(PF-4)は内皮細胞増殖の強力なインヒビター であり、インターロイキン-8(IL-8)はケラチノサイトの増殖を促進し、そしてG ROはメラノーマ細胞についてのオートクライン成長因子である。 多様な生物学的活性に照らせば、ケモカインが多くの生理学的条件および疾患 条件(リンパ球の走行、創傷治癒、造血調節、ならびにアレルギー、喘息、およ び関節炎のような免疫学的傷害を含む)において密接に関係している事は、驚く べき事ではない。 「C-C」分岐のメンバーは以下の細胞においてそれらの効果を発揮する:寄生 虫を破壊して寄生虫性感染を減少させ、そして呼吸器系の気道における慢性炎症 の原因となる好酸球;脊椎動物における腫瘍の形成を抑制する単球およびマクロ ファージ;T細胞を誘引するTリンパ球、およびアレルギー性炎症において役割 を果たすヒスタミンを放出する好塩基球。 C-C分岐のメンバーが単核の細胞で優勢に作用し、そしてC-X-C分岐のメンバー が好中球で優勢に作用する一方で、異なる化学誘因特性は、この指標に基づくケ モカインに対して指定され得ない。1つのファミリー由来のいくつかのケモカイ ンは、他方の特徴を示す。 本発明のポリペプチドは、保存されたシステイン「C-C」領域を有し、そして 公知のケモカインと相同なアミノ酸配列を有する。 本発明の1つの局面によれば、新規のポリペプチドならびに生物学的に活性で 、かつ診断または治療に有用なそのフラグメント、アナログおよび誘導体が提供 される。 本発明の別の局面によれば、このようなポリペプチドをコードする単離された 核酸分子が提供され、核酸分子は、mRNA、DNA、cDNA、ゲノムDNA、ならびに生物 学的に活性で、かつ診断または治療に有用なそのフラグメント、それらのアナロ グおよび誘導体を含む。 本発明の別の局面によれば、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列に特 異的にハイブリダイズするに十分な長さの核酸分子を含む、核酸プローブが提供 される。 本発明のなおさらなる局面によれば、前記タンパク質の発現およびその後の前 記タンパク質の回収を促進する条件下で、本発明のポリペプチドをコードする核 酸配列を含む、組換え原核宿主細胞および/または組換え真核宿主細胞を培養す る工程を包含する組換え技術により、このようなポリペプチドを産生するための 工程が提供される。 本発明のなおさらなる局面によれば、例えば、固形腫瘍、慢性感染症、白血病 、T細胞媒介自己免疫疾患、寄生虫感染症、乾癬を処置するため、造血を調節す るため、増殖因子活性を刺激するため、血管新生を阻害するため、および創傷治 癒を促進するための、治療目的のためのこのようなポリペプチドをコードする、 このようなポリペプチドまたなポリヌクレオチドを利用するための工程が提供さ れる。 本発明のなおさらなる局面によれば、このようなポリペプチドに対する抗体が 提供される。 本発明のなおさらなる局面によれば、このようなポリペプチドに対するアンタ ゴニストが提供され、これは、例えば、特定の自己免疫疾患、アテローム性動脈 硬化症、慢性炎症性および感染性疾患、ヒスタミンおよびIgE媒介アレルギー反 応、プロスタグランジン非依存性発熱、骨髄不全、珪粉症、サルコイドーシス、 慢性関節リウマチ、および過好酸球増多症候群の治療において、このようなポリ ペプチドの作用を阻害するために使用され得る。 本発明の別の局面によれば、疾患を診断する方法、または本発明の核酸配列に おける変異およびこのような核酸配列にコードされるタンパク質の変化したレベ ルに関連する疾患に対する感受性を診断する方法が提供される。 本発明のなおさらなる局面によれば、このようなポリペプチド、またはこのよ うなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、科学的研究、DNAの合成お よびDNAベクターの製造に関連するインビトロ目的のために利用するための工程 が提供される。 本発明のこれらおよび他の局面は、本明細書中の教示から当業者に明らかであ るはずである。 以下の図面は、本発明の実施態様の例示であり、そして請求の範囲により包含 される、本発明の範囲を限定することを意味しない。 図1は、cDNA配列、および対応するCkβ-13の推定アミノ酸配列を示す。最初 の28アミノ酸は、推定成熟ポリペプチドが65アミノ酸を含むような、リーダー配 列を示す。アミノ酸に対する標準的な1文字の略語を使用する。配列決定を、37 3自動化DNAシーケンサー(Applied Biosysytems,Inc.)を使用して実施した。 図2は、Ckβ-13(上)およびヒトMIP-1αポリペプチド(下)との間のアミノ酸配 列相同性を示す。 本発明の1つの局面によれば、図1の推定のアミノ酸配列(配列番号2)を有す る成熟ポリペプチド、または1995年4月28日にATCC寄託番号第97113号として寄 託されたクローン(単数または複数)のcDNAによりコードされる成熟ポリペプチド をコードする単離された核酸(ポリヌクレオチド)が提供される。 Ckβ-13をコードするポリヌクレオチドは、活性化単球cDNAライブラリーから 単離された。Ckβ-13は、ケモカインのC-C分岐のメンバーである。これは、ほぼ 最初の28アミノ酸残基が推定のリーダー配列であり、その結果成熟タンパク質が 65アミノ酸を含む、93アミノ酸残基のタンパク質をコードするオープンリーディ ングフレームを含む。このタンパク質は、ケモカインポリペプチドに対する構造 的相同性、および33%が同一でそして53%が類似する、配列全体が例として単独 で使用されるヒトMIP-1αポリペプチドに対する相同性を有する。 ケモカインにおける4つの空間的に保存されたシステイン残基が、図1にみら れ得るように、本発明のポリペプチドにおいて見出される。 本発明のポリヌクレオチドは、RNAの形態またはDNA(このDNAは、cDNA、ゲノム DNA、および合成DNAを包む)の形態であり得る。DNAは二本鎖または一本鎖であり 得、そして一本鎖の場合には、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であり 得る。成熟ポリペプチドをコードするコード配列は、図1(配列番号1)に示すコ ード配列または寄託したクローン(単数または複数)のコード配列と同一であり得 るか、あるいはそのコード配列が、遺伝コードの重複または縮重の結果として、 図1(配列番号1)のDNAまたは寄託したcDNAと同じ成熟ポリペプチドをコードす る異なるコード配列であり得る。 図1(配列番号2)の成熟ポリペプチドまたは寄託したcDNAによりコードされる 成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、以下を包含し得る:成熟ポ リペプチドのコード配列のみ;成熟ポリペプチドのコード配列、ならびにリーダ ーまたは分泌配列、もしくはプロタンパク質配列のような付加的コード配列;成 熟ポリペプチドのコード配列(および必要に応じて付加的コード配列)および非コ ード配列(例えば、イントロンあるいは成熟ポリペプチドのコード配列の5'およ び/または3'非コード配列)。 従って、用語「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」は、ポリペプチ ドのコード配列のみを含むポリヌクレオチド、ならびに付加的コード配列、およ び/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを含む。 本発明はさらに、図1(配列番号2)の推定アミノ酸配列を有するポリペプチド 、または寄託したクローン(単数または複数)のcDNAによりコードされるポリペプ チドのフラグメント、アナログおよび誘導体をコードする本明細書中上記のポリ ヌクレオチドの変異体に関する。ポリヌクレオチドの変異体は、ポリヌクレオチ ドの天然に存在する対立遺伝子変異体、またはポリヌクレオチドの天然に存在し ない変異体であり得る。 従って、本発明は、図1(配列番号2)に示すものと同じ成熟ポリペプチド、ま たは寄託したクローン(単数または複数)のcDNAによりコードされる同じ成熟ポリ ペプチドをコードするポリヌクレオチド、ならびにそのようなポリヌクレオチド の変異体を包含する。この変異体は、図1(配列番号2)のポリペプチドまたは寄 託したクローン(単数または複数)のcDNAによりコードされるポリペプチドのフラ グメント、誘導体またはアナログをコードする。このようなヌクレオチド変異体 は、欠失変異体、置換変異体、および付加または挿入変異体を包含する。 本明細書中上記で示したように、ポリヌクレオチドは、図1(配列番号1)に示 すコード配列、または寄託したクローン(単数または複数)のコード配列の、天然 に存在する対立遺伝子変異体であるコード配列を有し得る。当該分野で公知なよ うに、対立遺伝子変異体は、1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失または付加を 有し得るポリヌクレオチド配列の別の形態であり、これはコードされるポリペプ チドの機能を実質的に変化させない。 本発明はまた、ポリヌクレオチドを含み、ここで、成熟ポリペプチドについて のコード配列は、同一のリーディングフレームにおいて、宿主細胞からのポリペ プチドの発現および分泌を補助するポリヌクレオチド配列(例えば、細胞からの ポリペプチドの輸送を制御するための、分泌配列として機能するリーダー配列) に融合し得る。リーダー配列を有するポリペプチドは、プレタンパク質であり、 そして宿主細胞によって切断されるリーダー配列を有し、ポリペプチドの成熟形 態を形成し得る。これらのポリヌクレオチドはまた、付加的5'アミノ酸残基を 加えた成熟タンパク質であるプロタンパク質をコードし得る。プロ配列を有する 成熟タンパク質は、プロタンパク質であり、そしてタンパク質の不活性な形態で ある。一旦プロ配列が切断されると、活性な成熟タンパク質が残る。 従って、例えば、本発明のポリヌクレオチドは、成熟タンパク質、あるいはプ ロ配列を有するタンパク質、またはプロ配列およびプレ配列(リーダー配列)の両 方を有するタンパク質を、コードし得る。 本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明のポリペプチドの精製を可能にする マーカー配列にインフレームで融合されたコード配列を有し得る。マーカー配列 は、細菌宿主の場合には、マーカーに融合された成熟ポリペプチドの精製を提供 する、pQE-9ベクターにより供給されるヘキサヒスチジンタグであり得る。ある いは、例えばマーカー配列は、哺乳動物宿主(例えば、COS-7細胞)が使用される 場合は、血球凝集素(HA)タグであり得る。HAタグは、インフルエンザ血球凝集素 タンパク質に由来するエピトープと一致する(Wilson,I.ら、Cell,37:767(1984 ))。 用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖の産生に関与するDNAのセグメントを意味 する;これは、コード領域に先行する領域および後に続く領域(リーダーおよび トレイラー)ならびに個々のコードセグメント(エクソン)の間に介在する配列(イ ントロン)を含む。 全長Ckβ-13遺伝子のフラグメントは、全長の遺伝子を単離するための、およ びこの遺伝子と高い配列類似性を有するか、または類似の生物学的活性を有する 他の遺伝子を単離するためのcDNAライブラリーのハイブリダイゼーションプロー ブとして使用され得る。このタイプのプローブは、好ましくは少なくとも30塩基 を有し、そして例えば、50またはそれ以上の塩基を含み得る。このプローブはま た、全長の転写産物に対応するcDNAクローン、ならびに調節領域およびプロモー ター領域、エクソン、およびイントロンを含む完全なCkβ-13遺伝子を含むゲノ ムクローン(単数または複数)を同定するために使用され得る。スクリーニングの 例として、オリゴヌクレオチドプローブを合成するための既知のDNA配列を使用 することにより、Ckβ-13遺伝子のコード領域を単離することが挙げられる。本 発明の遺伝子の配列に相補的な配列を有する標識オリゴヌクレオチドは、このプ ローブがライブラリーのどのメンバーとハイブリダイズするかを決定するために ヒトcDNAライブラリー、ゲノムDNAまたはmRNAをスクリーニングするために使用 される。 本発明はさらに、配列間に少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%、そし てより好ましくは少なくとも95%の同一性が存在する場合、本明細書中上記の配 列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本発明は特に、本明細書中 上記のポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリ ヌクレオチドに関する。本明細書中で用いられる用語「ストリンジェントな条件 」は、ハイブリダイゼーションが、配列間に少なくとも95%、そして好ましくは 少なくとも97%の同一性が存在する場合のみに生じることを意味する。好ましい 実施態様において、本明細書中上記のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポ リヌクレオチドは、図1(配列番号1)のcDNAまたは寄託したcDNA(単数または複 数)によりコードされる成熟ポリペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活 性のいずれかを保持する(すなわち、ケモカインポリペプチドとして機能する)ポ リペプチドをコードする。 あるいは、このポリヌクレオチドは、少なくとも20塩基、好ましくは30塩基、 そしてより好ましくは少なくとも50塩基を有するポリペプチドであり得る。これ らは、本発明のポリヌクレオチドにハイブリダイズし、そして、本明細書上記の ように、それに対する同一性を有し、そして活性を保持してもよいし、または保 持しなくてもよい。例えば、このようなポリヌクレオチドは、配列番号1のポリ ヌクレオチドのプローブ、またはそれらの変化体のプローブとして、例えば、そ のポリヌクレオチドの回収のために、あるいは診断プローブとして、またはPCR プライマーとして使用され得る。 従って、本発明は、配列番号2のポリペプチドならびにそのフラグメント(こ のフラグメントは少なくとも30塩基、そして好ましくは50塩基である)をコード するポリヌクレオチドと、少なくとも70%同一性、好ましくは少なくとも90%、 そしてより好ましくは少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド、およ びこのようなポリヌクレオチドによりコードされるポリヌクレオチドに関する。 本明細書中でいう寄託物(単数または複数)は、特許手続き上の微生物の寄託の 国際的承認に関するブダペスト条約の下に維持される。これらの寄託物は、当業 者に対する便宜として提供されるにすぎず、そして米国特許法第112条の下で寄 託が必要とされることを認めたわけではない。寄託物に含まれるポリヌクレオチ ドの配列、ならびにそれによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、本 明細書中に参考として援用され、そして本明細書中の配列の記載とのいかなるコ ンフリクトの事象も制御する。寄託物を製造し、使用し、または販売するために は実施許諾が必要とされ得、そしてそのような実施許諾はこれによって与えられ るわけではない。 本発明はさらに、図1(配列番号2)の推定のアミノ酸配列を有するか、または 寄託したcDNAによりコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、ならびに そのようなポリペプチドのフラグメント、アナログおよび誘導体に関する。 用語「フラグメント」、「誘導体」、および「アナログ」は、図1(配列番号 2)のポリペプチドまたは寄託したcDNAにコードされるポリペプチドをいう場合 、そのようなポリペプチドと本質的に同じ生物学的機能または活性を保有するポ リペプチドを意味する。従って、アナログは、プロタンパク質部分の切断により 活性化されて活性な成熟ポリペプチドを生成し得るプロタンパク質を包含する。 誘導体またはフラグメントは、例えば、図1のポリペプチドよりも少ないアミノ 酸残基を有するが、ヒトケモカインポリペプチドに特有の生物学的活性をなお維 持している、スプライス変化体を含み得る。 本発明のポリペプチドは、組換えポリペプチド、天然のポリペプチドまたは合 成ポリペプチドであり得、好ましくは組換えポリペプチドであり得る。 図1(配列番号2)のポリペプチドまたは寄託したcDNAによりコードされるポリ ペプチドのフラグメント、誘導体、またはアナログは、(i)1つ以上のアミノ酸 残基が保存的アミノ酸残基または非保存的アミノ酸残基(好ましくは保存的アミ ノ酸残基)で置換され、そしてこのような置換されるアミノ酸残基は遺伝コード によりコードされるアミノ酸残基であってもよく、またはそうでなくてもよいも の、あるいは(ii)1つ以上のアミノ酸残基が置換基を含むもの、あるいは(iii) 成熟ポリペプチドが、ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えば、ポリ エチレングリコール)のような別の化合物と融合されているもの、あるいは(iv) 付加的アミノ酸(例えば、リーダー配列、または分泌配列、あるいは成熟ポリペ プチドまたはプロタンパク質配列の精製に使用される配列)が、成熟ポリペプチ ドに融合されているものであり得る。このようなフラグメント、誘導体およびア ナログは、本明細書中の教示から、当業者の範囲内にあると考えられる。 本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、好ましくは、単離された形 態で提供され、そして好ましくは均一に精製される。 用語「単離された」は、物質が、その元の環境(例えば、それが天然に存在す る場合は、天然の環境)から取り去られることを意味する。例えば、生きている 動物中に存在する、天然に生じるポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離さ れていないが、天然の系において共存する物質の一部または全てから分離されて いる、同一のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、単離されている。このよ うなポリヌクレオチドは、ベクターの一部であり得、および/またはこのような ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは組成物の一部であり得、そしてなお、こ のようなベクターまたは組成物がその天然の環境の一部でないという点で、単離 されている。 本発明のポリペプチドは、配列番号2のポリペプチド(特に成熟ポリペプチド) 、ならびに配列番号2のポリペプチドと少なくとも70%の類似性(好ましくは少 なくとも70%の同一性)、そしてより好ましくは配列番号2のポリペプチドと少 なくとも90%の類似性(より好ましくは少なくとも90%の同一性)、そして、さら により好ましくは配列番号2のポリペプチドと少なくとも95%の類似性(さらに より好ましくは少なくとも95%の同一性)を有するポリペプチドを含み、そして また少なくとも30アミノ酸、およびより好ましくは少なくとも50アミノ酸を一般 的に含むこのようなポリペプチドの一部を含む。 当該分野に公知であるように、2つのポリペプチドの間の「類似性」は、ある ポリペプチドの第2のポリペプチドに対するアミノ酸配列およびその保存された アミノ酸置換とを比較することにより決定される。 本発明のポリペプチドのフラグメントまたは部分は、ペプチド合成による対応 する全長ポリペプチドを産生するために使用され得る。従って、このフラグメン トは、全長ポリペプチドを産生するための中間体として使用され得る。本発明の ポリヌクレオチドのフラグメントまたは部分は、本発明の全長ポリヌクレオチド を合成するために使用され得る。 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベクター を用いて遺伝子操作される宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペプ チドの産生に関する。 宿主細胞は、本発明のベクター(これは、例えば、クローニングベクターまた は発現ベクターであり得る)を用いて遺伝子操作される(形質導入されるか、また は形質転換されるか、またはトランスフェクトされる)。ベクターは、例えば、 プラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形態であり得る。操作された宿主細 胞は、プロモーターを活性化するか、形質転換体を選択するか、またはCkβ-13 遺伝子を増幅するために適切に改変した従来の栄養培地中において培養され得る 。培養条件(例えば、温度、pHなど)は、発現のために選択される宿主細胞に以前 使用された条件であり、そして当業者には明らかである。 本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術によりポリペプチドを産生するため に用いられ得る。従って、例えば、ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発現す るための種々の発現ベクターのいずれか1つに含まれ得る。このようなベクター は、染色体DNA配列、非染色体DNA配列、および合成DNA配列を包含する。このよ うなベクターは、例えば、SV40の誘導体;細菌性プラスミド;ファージDNA;バ キュロウイルス;酵母プラスミド;プラスミドおよびファージDNAの組み合わせ に由来するベクター、ウイルスDNA(例えば、ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘 ウイルス、および仮性狂犬病)である。しかし、宿主において複製可能で、かつ 存続可能である限り、他の任意のベクターも使用され得る。 適切なDNA配列は、種々の手順によりベクターに挿入され得る。一般に、DNA配 列は、当該分野で公知の手順により適切な制限エンドヌクレアーゼ部位(単数ま たは複数)に挿入される。このような手順および他の手順は、当業者の範囲内で あると考えられる。 発現ベクター中のDNA配列は、適切な発現制御配列(単数または複数)(プロモー ター)に作動可能に連結され、mRNAの合成を指示する。このようなプロモーター の代表的な例としては、以下が挙げられ得る:LTRまたはSV40プロモーター、E.c oli lacまたはtrp、λファージPLプロモーター、および原核細胞または真核細胞 あるいはそのウイルス内で遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロ モーター。発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転 写ターミネーターを含む。そのベクターはまた、発現を増幅するための適切な配 列を含み得る。 さらに、発現ベクターは、好ましくは、形質転換された宿主細胞の選択のため の表現型特性(例えば、真核細胞培養物についてはジヒドロ葉酸レダクターゼま たはネオマイシン耐性、あるいは例えばE.coliにおけるテトラサイクリン耐性ま たはアンピシリン耐性)を提供する1つ以上の選択マーカー遺伝子を含む。 本明細書中上記のような適切なDNA配列ならびに適切なプロモーター配列また は制御配列を含むベクターは、適切な宿主を形質転換して宿主にタンパク質を発 現させるために用いられ得る。 適切な宿主の代表的な例としては、以下が挙げられ得る:細菌細胞(例えば、E .coliStreptomycesSalmonella typhimurium);真菌細胞(例えば酵母);昆虫 細胞(例えば、Drosophila S2およびSpodoptera Sf9);動物細胞(例えば、CHO、C OSまたはBowes黒色腫);アデノウイルス;植物細胞など。適切な宿主の選択は、 本明細書中の教示から当業者の範囲内であると考えられる。 さらに詳細には、本発明はまた、先に広範に記載した1つ以上の配列を含む組 換え構築物を包む。構築物は、ベクター(例えば、プラスミドベクターまたはウ イルスベクター)を包含し、このベクターの中に、本発明の配列が正方向または 逆方向に挿入されている。この実施態様の好ましい局面において、構築物はさら に、配列に作動可能に連結された調節配列(例えば、プロモーターを包む)を含む 。非常に多数の適切なベクターおよびプロモーターが当業者には公知であり、そ し て市販されている。以下のベクターが例として提供される。細菌性:pQE70、pQE 60、pQE-9(Qiagen)、pBS、pD10、phagescript、psiX174、pBluescript SK、pBSK S、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene);pTRC99a、pKK223-3、pKK233- 3、pDR540、pRIT5(Pharmacia)。真核性:pWLNEO、pSV2CAT、p0G44、pXT1、pSG(S tratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharmacia)。しかし、他の任意のプラス ミドまたはベクターも、それらが宿主において複製可能で、かつ存続可能である 限り、使用され得る。 プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベクタ ーまたは選択マーカーを有する他のベクターを使用して、任意の所望の遺伝子か ら選択され得る。2つの適切なベクターは、pKK232-8およびpCM7である。特によ く知られた細菌プロモーターとして、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、λPR、PLおよ びtrpが挙げられる。真核生物プロモーターは、CMV即時型、HSVチミジンキナー ゼ、初期SV40および後期SV40、レトロウイルス由来のLTR、およびマウスメタロ チオネインIを包含する。適切なベクターおよびプロモーターの選択は、十分に 当業者のレベル内である。 さらなる実施態様では、本発明は上記の構築物を含有する宿主細胞に関する。 宿主細胞は、高等真核細胞(例えば、哺乳動物細胞)または下等真核細胞(例えば 、酵母細胞)であり得るか、あるいは宿主細胞は原核細胞(例えば、細菌細胞)で あり得る。構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクショ ン、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、またはエレクトロポレーシ ョンにより達成され得る(Davis,L.,Dibner,M.,Battey,I.,Basic Methods in Molecular Biology,1986)。 宿主細胞中の構築物を用いて、従来の様式で組換え配列によりコードされる遺 伝子産物を産生し得る。あるいは、本発明のポリペプチドは、従来のペプチド合 成機により合成的に産生され得る。 成熟タンパク質は、哺乳動物細胞、酵母、細菌、または他の細胞中で適切なプ ロモーターの制御下で発現され得る。無細胞翻訳系もまた、本発明のDNA構築物 に由来するRNAを使用して、このようなタンパク質を産生するために用いられ得 る。原核生物宿主および真核生物宿主で使用される適切なクローニングベクター および発現ベクターは、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual , 第2版,Cold Spring Harbor,N.Y.,(1989)(この開示は、本明細書中に参考と して援用される)に記載されている。 本発明のポリペプチドをコードするDNAの高等真核生物による転写は、ベクタ ー中にエンハンサー配列を挿入することにより増大される。エンハンサーはDNA のシス作動エレメントであり、通常は約10〜約300bpであり、これはプロモータ ーに作用してその転写を増大させる。例として、複製起点のbp100〜270の後期側 のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、 複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサ ーが挙げられる。 一般に、組換え発現ベクターは、複製起点および宿主細胞の形質転換を可能と する選択マーカー(例えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子、およびS.cerevis iae のTRP1遺伝子)、ならびに下流の構造配列の転写を指示する高発現遺伝子由来 のプロモーターを含む。このようなプロモーターは、解糖酵素(例えば、3-ホス ホグリセリン酸キナーゼ(PGK))、α因子、酸性ホスファターゼ、または熱ショッ クタンパク質などをコードするオペロンに由来し得る。異種構造配列は、翻訳開 始配列および翻訳終止配列、および好ましくは翻訳されたタンパク質のペリプラ ズム空間または細胞外の培地への分泌を指示し得るリーダー配列と適切な相内で 組立てられる。必要に応じて、異種配列は、所望の特徴(例えば、発現された組 換え産物の安定化または簡略化された精製)を与えるN末端同定ペプチドを含む 融合タンパク質をコードし得る。 細菌の使用に有用な発現ベクターは、機能的なプロモーターと作動可能な読み 取り相で、適切な翻訳開始シグナルおよび翻訳終止シグナルと共に所望のタンパ ク質をコードする構造DNA配列を挿入することにより構築される。ベクターは、 1つ以上の表現型選択マーカー、およびベクターの維持を確実にし、かつ所望に より宿主内での増幅を提供するための複製起点を含有する。形質転換のために適 切な原核生物宿主は、E.coliBacillus subtilisSalmonella typhimurium、 ならびにPseudomonas属、Streptomyces属、およびStaphylococcus属内の種々の 種を包含するが、他の種もまた選択対象として用いられ得る。 代表的な、しかし限定しない例として、細菌の使用に有用な発現ベクターは、 周知のクローニングベクターpBR322(ATCC 37017)の遺伝子エレメントを含む市販 のプラスミドに由来する選択マーカーおよび細菌性の複製起点を含有し得る。こ のような市販のベクターは、例えば、pKK223-3(Pharmacia Fine Chemicals,Upp sala,Sweden)およびpGEM1(Promega Biotec,Madison,WI,USA)を包含する。こ れらのpBR322「骨格」部分は、適切なプロモーターおよび発現されるべき構造配 列と組み合わされる。 適切な宿主株の形質転換および適切な細胞密度までの宿主株の増殖に続いて、 選択されたプロモーターは適切な手段(例えば、温度シフトまたは化学的誘導)に より誘導され、そして細胞はさらなる期間培養される。 細胞は、代表的には遠心分離により収集され、物理的手段または化学的手段に より破砕され、そして得られた粗抽出物はさらなる精製のために保持される。 タンパク質の発現において用いられる微生物細胞は、凍結融解サイクル、超音 波処理、機械的破砕、または細胞溶解剤の使用を包含する任意の簡便な方法によ り破砕され得る。このような方法は当業者に周知である。 種々の哺乳動物細胞の培養系もまた、組換えタンパク質を発現するために用い られ得る。哺乳動物発現系の例には、Gluzman,Cell,23: 175(1981)に記載され るサル腎臓線維芽細胞のCOS-7株、および適合性のベクターを発現し得る他の細 胞株(例えば、C127、3T3、CHO、HeLa、およびBHK細胞株)が含まれる。哺乳動物 発現ベクターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハンサー、ならびに また任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー 部位およびスプライスアクセプター部位、転写終結配列、および5'フランキン グ非転写配列を含む。SV40スプライス部位、およびポリアデニル化部位に由来す るDNA配列は、必要な非転写遺伝子エレメントを提供するために使用され得る。 ポリペプチドは、硫安沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽 イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水的 相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシ ルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを包含す る方法により組換え細胞培養物から回収され、そして精製され得る。。必要に応 じて、タンパク質の再折りたたみ工程が、成熟タンパク質の配置を完全にするた めに使用され得る。最終的に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が、最終的な 精製工程に用いられ得る。 本発明のポリペプチドは、天然の精製された産物、または化学合成手順の生成 物であり得るか、あるいは原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、培養物中 の細菌、酵母、高等植物、昆虫、および哺乳動物細胞により)から組換え技術に より産生され得る。組換え産生手順に用いられる宿主に依存して、本発明のポリ ペプチドは、グリコシル化され得るか、またはグリコシル化され得ない。本発明 のポリペプチドはまた、最初のメチオニンアミノ酸残基を含み得る。 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、ヒトの疾患に対する処置お よび診断の発見のための研究試薬および材料として使用され得る。 本発明のポリペプチドを使用して、癌の化学療法の間の補助的な防御処置とし て骨髄幹細胞コロニー形成を阻害し得る。Ckβ-13ポリペプチドは、骨髄幹細胞 のような造血細胞の増殖および分化を阻害し得る。分化の決定付けられている始 原細胞(例えば、顆粒球、およびマクロファージ/単球)の集団における阻害効果 は、白血病細胞の増殖を阻害するために治療的に使用し得る。 本発明のポリペプチドは、皮膚中のランゲルハンス細胞がケモカインを産生す ると見出されているため、乾癬(ケラチノサイト過剰増殖によって特徴づけられ る)の処置のために、表皮のケラチノサイトの増殖を阻害使用するために使用さ れ得る。 本発明のポリペプチドは、また、宿主防御細胞(例えば、細胞傷害性T細胞お よびマクロファージ)の侵入および活性化を、走化性を介して刺激することによ り、および腫瘍の血管新生を阻害することにより、固形腫瘍(例えば、カポジ肉 腫)を処置するために使用され得る。 それらはまた、殺菌性白血球の誘引および活性化を介して、耐性の慢性および 急性感染症(例えば、ミコバクテリウム感染症)に対する宿主の防御を増強するた めに使用し得る。 本発明のポリペプチドは、また、T細胞媒介自己免疫疾患およびリンパ球性白 血病の処置のために、IL-2の生合成を阻害することによってT細胞の増殖を阻害 するために使用され得る。 Ckβ-13はまた、また、デブリ(debris)を浄化するおよび結合組織促進炎症性 細胞の補充、そしてまた過剰のTGF-β媒介線維症の制御の両方を介して、創傷治 癒を刺激し、そして創傷治癒の間の瘢痕化を妨げるために使用され得る。これと 同じ様式で、Ckβ-13はまた、肝硬変、骨関節炎、および肺線維症を含む他の線 維性疾患を処置するためにも用いられ得る。 本発明のポリペプチドはまた、住血吸虫症、旋毛虫症、および回虫症における ような、組織に侵入する寄生虫の幼虫を殺すという特有の機能を有する好酸球の 存在を増加させる。 これらは、また、例えば化学療法の後に骨髄から成熟白血球を放出するために 、種々の造血始原細胞の活性化および分化を調節することにより、造血を調節す るために使用され得る。 本発明のポリペプチドを使用して、また、例えば癌の処置において、アポトー シスのために、望まれない細胞を標的化し得る。 このようなポリヌクレオチドにコードされるポリヌクレオチドおよびポリペプ チドはまた、科学的研究、DNAの合成、およびDNAベクターの作製に関連するイン ビトロの目的のために、ならびにヒト疾患の処置のための治療法および診断法の 設計のために利用し得る。 このポリペプチドはまた、末梢血に骨髄幹細胞を動員(これは、幹細胞の単離 を容易にする)するために使用され得る。単離された幹細胞は、高用量の化学療 法の後に、骨髄をコロニー形成するために使用し得る。 本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列における変異の存 在に関連する疾患またはこのような疾患に対する感受性を検出するための診断的 アッセイの一部としてCkβ-13遺伝子の使用に関する。このような疾患(例えば、 腫瘍および癌)は、ヒトケモカインポリペプチドの発現不足に関連する。 本発明の遺伝子において変異を有する個体は、種々の技術によりDNAレベルで 検出され得る。診断のための核酸は、患者の細胞(例えば、血液、尿、唾液、組 織生検、および剖検材料など)から得られ得る。ゲノムDNAが、検出のために直接 使用され得るか、または分析の前にPCR(Saikiら、Nature,324:163-166(1986)) を使用して酵素的に増幅され得る。RNAまたはcDNAもまた、同じ目的のために使 用され得る。例として、Ckβ-13をコードする核酸に相補的なPCRプライマーが、 Ckβ-13変異を同定および分析するために使用され得る。例えば、欠失および挿 入が、正常遺伝子型との比較において増幅産物のサイズの変化によって検出され 得る。ポイントミューテーションが、増幅DNAを放射標識されたCkβ-13RNA、あ るいは放射標識されたCkβ-13アンチセンスDNA配列とハイブリダイズすることに よって同定され得る。完全に適合した配列は、RNaseA消化によりまたは融点の違 いにより、適合していない2本鎖と区別され得る。 DNA配列の差異に基づく遺伝的試験は、変性試薬を用いてまたは用いずに、ゲ ル中でのDNAフラグメントの電気泳動移動度の変化を検出することによって達成 され得る。小さな配列欠失および挿入は、高分解能ゲル電気泳動によって可視化 され得る。異なる配列のDNAフラグメントは、異なるDNAフラグメントの移動度が ゲルにおいて、それらの特異的融点または部分的融点に従って異なる位置に遅ら せられる、変性ホルムアミド勾配ゲル上で識別され得る(例えば、Myersら、Scie nce,230:1242(1985)を参照のこと)。 特定の位置での配列の変化はまた、RNase、およびS1防御、または化学的切断 法のようなヌクレアーゼ防御アッセイ(例えば、Cottonら、PNAS,USA,85:4397- 4401(1985))によって示され得る。 従って、特異的DNA配列の検出は、ハイブリダイゼーション、RNアーゼ防御、 化学的切断、直接的DNA配列決定、または制限酵素の使用(例えば、制限酵素断片 長多型性解析(RFLP))、およびゲノムDNAのサザンブロットのような方法によって 達成され得る。 より簡便なゲル電気泳動およびDNA配列決定に加えて、変異はインサイチュの 分析によってもまた検出され得る。 本発明はまた、正常コントロール組織サンプルと比較してポリペプチドの過剰 発現が、例えば、腫瘍などの疾患の存在または疾患に対する感受性を検出し得る ので、種々の組織における本発明のポリペプチドのレベルの変化を検出するため の診断アッセイに関する。宿主由来のサンプル中の本発明のポリペプチドのレベ ルを検出するために使用されるアッセイは、当業者に周知であり、そしてこのよ うなアッセイとして、放射免疫アッセイ、競合結合アッセイ、ウエスタンブロッ ト分析、ELISAアッセイおよび「サンドイッチ」アッセイが挙げられる。ELISAア ッセイ(Coliganら、Current Protocols in Immunology,1(2),第6章、(1991)) は、最初に、Ckβ-13抗原に特異的な抗体(好ましくはモノクローナル抗体)を調 製する工程を含む。さらに、レポーター抗体が、モノクローナル抗体に対して調 製される。レポーター抗体に、放射活性、蛍光、または本実験例中では、西洋ワ サビペルオキシダーゼ酵素のような、検出可能な試薬と結合させられる。サンプ ルを宿主から取り出し、そしてサンプル中のタンパク質と結合する固体支持体( 例えば、ポリスチレンディッシュ)上でインキュベートする。次いで、ディッシ ュ上の任意のフリーのタンパク質結合部位を、BSAのような非特異的タンパク質 と共にインキュベートすることによって覆う。次に、モノクローナル抗体をディ ッシュ内でインキュベートし、その間にモノクローナル抗体がポリスチレンディ ッシュに結合した任意のCkβ-13タンパク質に結合する。全ての結合していない モノクローナル抗体を、緩衝液で洗浄して除去する。今度は西洋ワサビペルオキ シダーゼ結合させたレポーター抗体をディッシュ内に配置し、その結果、レポー ター抗体がCkβ-13ポリペプチドに結合した任意のモノクローナル抗体に結合す る。次いで、結合していないレポーター抗体を洗浄して除去する。次いで、ペル オキシダーゼ基質をディッシュに添加し、そして所定の時間内の発色の量が、標 準曲線と比較した場合に患者のサンプルの所定の用量内に存在するCkβ-13タン パク質の量の測定値となる。 競合アッセイが使用され得、ここではCkβ-13ポリペプチドに特異的な抗体が 固体支持体に結合され、そして標識されたCkβ-13ポリペプチドおよび宿主由来 のサンプルが固体支持体を通過し、そして例えば、液体シンチレーションクロマ トグラフィーによって検出された標識の量が、サンプル中のCkβ-13ポリペプチ ドの量に相関付けられ得る。 「サンドイッチ」アッセイは、ELISAアッセイに類似している。「サンドイッ チ」アッセイにおいて、Ckβ-13ポリペプチドは固体支持体を通過し、そして固 体支持体に結合した抗体に結合させる。次いで、2次抗体をCkβ-13ポリペプチ ドに結合させる。次いで標識されそして2次抗体に対して特異的な3次抗体を固 体支持体に通過させ、そして2次抗体に結合させ、そして量が定量され得る。 本発明は、本発明のポリペプチドについてのレセプターを同定するための方法 を提供する。レセプターをコードする遺伝子は、例えば、リガンドパニングおよ びFACSソーティング(Coliganら、Current Protocols in Immun.,1(2),第5章 、(1991))のような当業者に公知の多数の方法によって、同定され得る。好まし くは、発現クローニングを使用し、ここで、ポリアデニル化RNAをこのポリペプ チドに応答する細胞から調製し、そしてこのRNAから作製されたcDNAライブラリ ーをプールに分割し、そしてこれを使用してこのポリペプチドに応答しないCOS 細胞または他の細胞をトランスフェクトする。スライドガラス上で増殖させたト ランスフェクトした細胞を標識されたポリペプチドに曝す。このポリペプチドは 種々の手段(部位特異的プロテインキナーゼについての認識部位のヨウ素化また は封入を含む)によって標識され得る。固定およびインキュベートに続いて、ス ライドガラスをオートラジオグラフィー分析に供する。陽性のプールが同定され 、そしてサブプールをイエンテラティブ(interative)サブプールリングおよび再 スクリーニング工程を使用して調製しそして再トランスフェクトし、最終的に推 定のレセプターをコードする単一のクローン(単数または複数)を生じる。 レセプター同定のための別のアプローチとして、標識されたポリペプチドが、 レセプター分子を発現する細胞膜または抽出調製物と光親和性結合され得る。架 橋した材料を、PAGE分析により分解し、そしてX線フィルムに曝す。ポリペプチ ドのレセプターを含む標識された複合体が切除され得、ペプチドフラグメントに 分解され得、そしてタンパク質ミクロ配列決定に供され得る。ミクロ配列決定か ら得たアミノ酸配列を使用して、推定レセプターをコードする遺伝子を同定する ため、cDNAライブラリーをスクリーニングするための変性オリゴヌクレオチドプ ローブのセットをデザインする。 本発明は、本発明のポリペプチドに対するアゴニストおよびアンタゴニストを 同定するための化合物をスクリーニングする方法を提供する。アゴニストは、本 発明のポリペプチドに対するレセプターに結合して活性化する化合物であり、一 方でアンタゴニストは、このようなレセプターに結合し、そしてそして阻害する かまたは単にこのようなレセプターについて、Ckβ-13と競合する。走化性は、 本発明のポリペプチドにより化学誘引された細胞を、細胞を入れるのに十分な直 径(約5μm)の孔を有するフィルター上に配置することによってアッセイされ得 る。潜在的なアゴニストの溶液を、上部区画中の適切なコントロール培地と共に チャンバーの下部に配置し、このようにして、アゴニストの濃度勾配を、経時的 に多孔性膜内にまたは多孔性膜を通って移動する細胞を計数することによって測 定する。 アンタゴニストについてアッセイする場合は、本発明のポリペプチドを下部の チャンバーに配置し、そして潜在的なアンタゴニストを添加して、細胞の走化性 が阻害されるかどうか測定する。 あるいは、このポリペプチドのレセプターを発現する哺乳動物細胞または膜調 製物を、この化合物の存在下で、本発明の標識された(例えば放射活性)ポリペプ チドと共にインキュベートする。次いで、この化合物のこの相互作用をブロック する能力を測定する。 本発明のポリペプチドに対する潜在的なアンタゴニストの例として、抗体、ま たはいくつかの場合においては、オリゴヌクレオチドが挙げられ、これはこのポ リペプチドに結合する。潜在的なアンタゴニストの別の例は、このポリペプチド のネガティブ優性変異体である。ネガティブ優性変異体は、野生型ポリペプチド のレセプターに結合するが、生物学的活性を保持できないポリペプチドである。 アンチセンス技術を使用して調製されたアンチセンス構築物はまた、潜在的な アンタゴニストである。アンチセンス技術が、3重鎖ヘリックス形成、あるいは アンチセンスDNAまたはRNAを介する遺伝子の発現を制御するために使用され得、 この方法は共に、ポリヌクレオチドのDNAまたはRNAへの結合に基づいている。例 えば、ポリヌクレオチド配列の5'コード部分は、本発明の成熟ポリペプチドを コードし、約10〜40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計する ために使用される。DNAオリゴヌクレオチドが転写に関わる遺伝子の領域に相補 的であるように設計される(3重鎖ヘリックス、Leeら、Nucl.Acids Res.,6:30 73(1979);Cooneyら、Science,241:456(1988);およびDervanら、Science,251 :1360(1991)を参照のこと)。それにより、本発明のポリペプチドの産生および生 成を妨げる。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、インビボでそのmRNAに ハイブリダイズし、そしてそのmRNA分子のポリペプチドへの翻訳をブロックする (antisense-Okano,J.Neurochem.,56:560(1991);遺伝子発現のアンチセンス インヒビターとしてのオリゴデオキシヌクレオチド、CRC Press,Boca Raton,F L(1988))。上記のオリゴヌクレオチドはまた、本発明のポリペプチドの産生を阻 害するために、アンチセンスRNAまたはDNAがインビボで発現され得るように、細 胞に送達され得る。 別の潜在的なアンタゴニストは、このポリペプチドのペプチド誘導体であり、 これはこのポリペプチドの天然にまたは合成的に改変されたアナログであり、生 物学的機能を失っているが、なお、このポリペプチドのレセプターを認識して結 合し、それゆえ効果的にこのレセプターをブロックする。ペプチド誘導体の例と して、小ペプチドまたはペプチド様分子が挙げられるが、これらに限定されない 。 アンタゴニストを使用して、特定の自己免疫疾患および慢性炎症性疾患、なら びに感染性疾患において、マクロファージおよびその前駆体、ならびに好中球、 好塩基球、Bリンパ球、およびいくつかのT細胞サブセット(例えば、活性化T 細胞およびCD8細胞傷害性T細胞、ならびにナチュラルキラー細胞)の走化性およ び活性化を阻害し得る。自己免疫疾患の例として、多発性硬化症、およびインシ ュリン依存性糖尿病が挙げられる。 またそのアンタゴニストは、単核食細胞の補充および活性化を妨げることによ り、珪胚症、類肉腫症、特発性肺線維症を含む感染性疾患を処置するために使用 され得る。それらはまた好酸球の生成および遊走を阻害することによって、特発 性好酸球増多症症候群を処置するために使用され得る。内毒素性ショックもまた 、マクロファージの遊走およびそれらの本発明のポリペプチドの産生を阻害する ことによるアンタゴニストにより処置され得る。 このアンタゴニストはまた、単球の動脈壁への浸潤を妨げることによって、ア テローム性動脈硬化症を処置するために使用され得る。 このアンタゴニストはまた、ケモカイン誘導の肥満細胞および好塩基球の脱顆 粒およびヒスタミンの放出を阻害することにより、ヒスタミン媒介アレルギー反 応および免疫学的障害(後期アレルギー反応、慢性蕁麻疹、およびアトピー性皮 膚炎を含む)を処置するために使用され得る。アレルギー性喘息、鼻炎、および 湿疹のようなIgE媒介アレルギー反応もまた、処置され得る。 このアンタゴニストはまた、単球の創傷領域への誘引を妨げることにより、慢 性および急性炎症をまた処置するために使用され得る。これらはまた、慢性およ び急性炎症性肺疾患が肺における単核食細胞の滞留(sequestration)に関連して いるため、正常な肺のマクロファージ集団を調節するために使用され得る。 アンタゴニストはまた、患者の関節における単球の滑液への誘引を妨げること により、慢性関節リウマチを処置するために使用され得る。単球の流入および活 性化は、退行性関節症および炎症性関節症の両方の病因において重要な役割を果 たしている。 このアンタゴニストは、IL-1およびTNFに主に帰する有害カスケードを阻止す るために使用され得、それは他の炎症性サイトカインの生合成を阻止する。この ようにして、このアンタゴニストは炎症を妨げるために使用され得る。このアン タゴニストはまた、ケモカインに誘導されるプロスタグランジン非依存性発熱を 阻害するために用いられ得る。 このアンタゴニストはまた、例えば再生不良性貧血および骨髄形成異常症候群 のような、骨髄不全の症例を処置するために使用され得る。 このアンタゴニストはまた、肺における好酸球の蓄積を妨げることにより喘息 およびアレルギーを処置するために使用され得る。このアンタゴニストはまた、 喘息の肺の顕著な特徴である上皮下基底膜の線維症を処置するために使用され得 る。 このアンタゴニストは、例えば、本明細書以下で記載する薬学的に受容可能な キャリアを有する組成物において使用され得る。 本発明のポリペプチド、ならびにアゴニストおよびアンタゴニストは、適切な 薬学的キャリアと組み合わせて使用され得る。このような組成物は、治療的有効 量のポリペプチド、および薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含有する 。このようなキャリアとして、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース 、水、グリセロール、エタノール、およびこれらの組合せが挙げられるが、これ らに限定されない。処方物は、投与の様式に適合しなければならない。 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1つ以上の成分で満たされた1つ以上 の容器を含む、薬学的パックまたはキットを提供する。このような容器(単数ま たは複数)に添付されるのは、薬学的製品または生物学的製品の製造、使用、ま たは販売を規制する政府機関により定められる様式の注意書形態であり得、この 注意書はヒト投与のための製造、使用、または販売の機関による承認を反映する 。さらに、このポリペプチド、ならびにアゴニストおよびアンタゴニストは、他 の治療的化合物に関連して使用され得る。 薬学的組成物は、局所、静脈内、腹腔内、筋肉内、腫瘍内、皮下、鼻腔内、ま たは皮内経路のような、簡便な様式において投与され得る。薬学的組成物は、特 定の症状の処置および/または予防についての有効量において投与される。一般 に、このポリペプチドは、少なくとも約10μg/kg体重の量で投与され、そしてほ とんどの場合、約8mg/kg体重/日を超過しない量で投与される。ほとんどの場合 、投与経路、症状などを考慮に入れて、その用量は1日約10μg/kg〜約1mg/kg 体重である。 本発明のポリペプチド、およびポリペプチドであるアゴニストまたはアンタゴ ニストは、このようなポリペプチドのインビボでの発現により本発明に従って使 用され得、そしてこれは「遺伝子治療」としばしばいわれる。 従って、例えば、患者由来の細胞は、エクスビボでポリペプチドをコードする ポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)で操作され得、次いで操作された細胞をこのポ リペプチドで処置されるべき患者に提供する。そのような方法は、当該分野で周 知である。例えば、細胞は、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含むレト ロウイルス粒子の使用により、当該分野で公知の手順により操作され得る。 同様に、細胞は、例えば、当該分野で公知の手順により、インビボでのポリペ プチドの発現のためにインビボで操作され得る。当該分野で公知のように、本発 明のポリペプチドをコードするRNAを含むレトロウイルス粒子を産生するプロデ ューサー細胞は、インビボで細胞を操作するためおよびインビボでのポリペプチ ドの発現のために患者に投与され得る。このような方法による本発明のポリペプ チドを投与するためのこれらおよび他の方法は、本発明の教示から当業者に明ら かであるはずである。例えば、細胞を操作するための発現ビヒクルは、レトロウ イルス以外、例えば、適切な送達ビヒクルと組み合わせた後にインビボで細胞を 操作するために使用され得るアデノウイルスであり得る。 上記で述べたレトロウイルスプラスミドベクターが誘導され得るレトロウイル スとして、モロニーマウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ラウス肉腫ウイ ルスのようなレトロウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、テ ナガザル白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、アデノウイルス、骨髄増殖性 肉腫ウイルス、および乳癌ウイルスなどが挙げられるが、これらに限定されない 。1つの実施態様において、レトロウイルスプラスミドベクターは、モロニーマ ウス白血病ウイルス由来である。 ベクターは1つ以上のプロモーターを含む。使用され得る適切なプロモーター として、レトロウイルスLTR;SV40プロモーター、およびヒトサイトメガロウイ ルス(CMV)プロモーター(Millerら、Biotechniques,第7巻、No.9,980-990(198 9)に記載される)、または他の任意のプロモーター(例えば、真核細胞プロモータ ーのような細胞プロモーター(ヒストン、pol III、およびβアクチンプロモータ ーを含むが、これらに限定されない))が挙げられるが、これらに限定されない。 使用され得る他のウイルスプロモーターとして、アデノウイルスプロモーター、 チミジンキナーゼ(TK)プロモーター、およびB19パルボウイルスプロモーターが 挙げられるが、これらに限定されない。適切なプロモーターの選択は、本明細書 中に含まれる教示から、当業者に明らかである。 本発明のポリペプチドをコードする核酸配列は、適切なプロモーターの制御下 にある。使用され得る適切なプロモーターとして、アデノウイルス主要後期プロ モーターのようなアデノウイルスプロモーター;またはサイトメガロウイルス(C MV)プロモーターのような異種プロモーター;呼吸性シンシチウムウイルス(RSV) プロモーター;MMTプロモーター、メタロチオネインプロモーターのような誘導 性プロモーター;熱ショックプロモーター;アルブミンプロモーター;ApoAIプ ロモーター;ヒトグロビンプロモーター;単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモ ーターのようなウイルスチミジンキナーゼプロモーター;レトロウイルスLTR(上 記の改変レトロウイルスLTRを含む);βアクチンプロモーター;およびヒト成長 ホルモンプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。プロモーターは また、ポリペプチドをコードする遺伝子を制御する天然のプロモーターであり得 る。 レトロウイルスプラスミドベクターは、プロデューサー細胞株を形成するため に、パッケージング細胞株を形質導入するために使用され得る。トランスフェク トされ得るパッケージング細胞株の例として、PE501、PA317、ψ-2、ψ-AM、PA1 2、T19-14X、VT-19-17-H2、ψCRE、ψCRIP、GP+E-86、GP+envAm12、およびDAN細 胞株(Miller,Humman Gene Therapy,第1巻、5-14頁(1990)に記載される)が挙 げられるが、これらに限定されず、そしてこれらはその全体が本明細書中で参考 として援用される。ベクターは当該分野で公知の任意の手段によりパッケージン グ細胞を形質導入し得る。このような手段として、エレクトロポレーション、リ ポソームの使用、およびCaPO4沈殿が挙げられるが、これらに限定されない。別 の手段において、レトロウイルスプラスミドベクターは、リポソーム中にカプセ ル化され得るか、または脂質と結合され得、次いで宿主に投与され得る。 プロデューサー細胞株は、このポリペプチドをコードする核酸配列(単数また は複数)を含む感染性レトロウイルスベクター粒子を産生する。次いで、このよ うなレトロウイルスベクター粒子が、インビトロまたはインビボのいずれかで、 真核細胞を形質導入するために使用され得る。形質導入された真核細胞は、この ポリペプチドをコードする核酸配列(単数または複数)を発現する。形質導入され 得る真核細胞として、胚性幹細胞、胚性癌細胞、ならびに造血幹細胞、肝細胞、 線維芽細胞、筋芽細胞、ケラチノサイト、、内皮細胞、および気管支上皮細胞が 挙げられるが、これらに限定されない。 本発明の配列はまた、染色体の同定のために有用である。この配列は、個々の ヒト染色体上の特定の位置に特異的に標的化され、そしてこれとハイブリダイズ され得る。さらに、現在、染色体上の特定の部位を同定する必要がある。実際の 配列データ(反復多型)に基づく染色体マーキング試薬は、現在、染色体位置をマ ーキングするためにはほとんど利用されていない。本発明の染色体に対するDNA のマッピングは、これらの配列の疾患に関連する遺伝子への関連づけにおける重 要な第1段階である。 簡潔にいうと、配列は、cDNA由来のPCRプライマー(好ましくは15〜25塩基対) の調製により、染色体にマッピングされ得る。3'非翻訳領域のコンピューター 分析は、ゲノムDNAにおいて1つ以上のエクソンに及ばず、従って増幅工程を複 雑にしているプライマーを迅速に選択する。次いで、これらのプライマーは、個 々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングのために使用さ れる。プライマーに対応するヒト遺伝子を含むハイブリッドのみが、増幅したフ ラグメントを生じる。 体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定のDNAを特定の染色体に割り当て るための迅速な手順である。同一のオリゴヌクレオチドプライマーと共に本発明 を使用して、副位置づけ(sublocalization)が、類似の様式において、特定の染 色体または大きなゲノムクローン(単数または複数)のプール由来のフラグメント のパネルを用いて達成され得る。その染色体に対するマップするために同様に使 用され得る他のマッピング戦略として、インサイチュハイブリダイゼーション、 標識フローソーティッドした染色体を用いる予備スクリーニング、および構築染 色体特異的cDNAライブラリーとのハイブリダイゼーションによる予備選択が挙げ られる。 cDNAクローン(単数または複数)の分裂中期核酸の広がりへの蛍光インサイチュ ハイブリダイゼーション(FISH)が、1つの段階における正確な染色体の位置づけ を提供するために使用され得る。この技術は、500または600塩基の短いcDNAを用 いて使用され得る。この技術の総説については、Vermaら、Human Chromosomes: a Manual of Basic Techniques,Pergamon Press,New York(1988)を参照のこと 。 一旦配列が正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上の配列の物理的 位置は、遺伝的マップデータに相関され得る。このようなデータは、例えば、V. McKusick,Mendelian Inheritance in Man(Johns Hopkins University Welch Medical Libraryのオンライン入手可能である)に見出される。次いで、同一の染 色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との関係は、連鎖分析(物理的に隣接 する遺伝子の同時遺伝)によって同定される。 次に、疾患にかかった個体とかかっていない個体との間のcDNAまたはゲノム配 列における差異を決定する必要がある。変異が疾患にかかった個体のいくつかま たは全てで認められるが正常な個体においては認められないならば、その変異が その疾患の原因となるようである。 現在の物理的マッピングおよび遺伝的マッピング技術の分解能を用いて、疾患 に関連する染色体領域に正確に位置づけられるcDNAは、50と500との間の潜在的 な原因遺伝子の1つであり得る(このことは、1メガベースマッピング分解能お よび20kbあたり1つの遺伝子を想定する)。 このポリペプチド、それらのフラグメントまたは他の誘導体、あるいはそれら のアナログ、もしくはそれらを発現する細胞が、それらに対する抗体を産生する ための免疫原として使用され得る。これらの抗体は、例えば、ポリクローナル抗 体またはポリクローナル抗体であり得る。本発明はまた、キメラの、1本鎖の、 そしてヒト化された抗体、ならびにFabフラグメント、もしくはFab発現ライブラ リーの産物を含む。当該分野で公知の種々の手順が、このような抗体およびフラ グメントの産生のために使用され得る。 本発明の配列に対応するポリペプチドに対して産生される抗体は、このポリペ プチドの動物への直接注入により、またはこのポリペプチドの動物(好ましくは ヒトでない動物)への投与によって得られ得る。次いで、こうして得られた抗体 はそれ自身そのポリペプチドに結合される。この様式において、このポリペプチ ドのフラグメントのみをコードする配列さえも、天然のポリペプチド全体に結合 する抗体を産生するために使用され得る。次いで、このような抗体は、このポリ ペプチドを発現する組織からこのポリペプチドを単離するために使用され得る。 モノクローナル抗体の調製のために、連続的な細胞株培養物により産生される 抗体を提供する任意の技術が使用され得る。例として、ハイブリドーマ技術(Koh lerおよびMilstein、1975,Nature,256:495-497)、トリオーマ(trioma)技術、 ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら、1983,Immunology Today 4:72)、お よびヒトモノクローナル抗体を作製するためのEBVハイブリドーマ技術(Coleら、 1985,in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.,7 7-96頁)が挙げられる。 1本鎖の抗体の産生のために記載された技術(米国特許第4,946,778号)が、本 発明の免疫原性ポリペプチド産物に対する1本鎖抗体を作製するために適合され 得る。また、トランスジェニックマウスが本発明の免疫原性ポリペプチド産物に 対するヒト化抗体を発現するために使用され得る。 本発明は、以下の実施例についての参考と共にさらに記載される;しかし、本 発明はこのような実施例に限定されないことが理解されるべきである。全ての部 または量は、特に記載のない限りは、重量によるものである。 以下の実施例の理解を容易にするために、特定の頻繁に生じる方法および/ま たは用語を記載する。 「プラスミド」は、先行する小文字のpおよび/またはそれに続く大文字およ び/または数字よって示される。本明細書中の出発プラスミドはいずれも市販さ れており、制限されない基準においては公的に入手可能であるか、または刊行さ れている手順で入手可能なプラスミドから構築され得る。さらに、記載されるプ ラスミドと等価のプラスミドが、当該分野で公知であり、そして当業者に明らか である。 DNAの「消化」は、DNA中の特定の配列にのみ作用する制限酵素を用いるDNAの 酵素的切断をいう。本明細書中で使用される種々の制限酵素は市販されており、 そしてその反応条件、補因子、および他の必要条件は、当業者に公知のように使 用された。分析的目的のために、代表的には1μgのプラスミドまたはDNAフラグ メントが、約20μlの緩衝液中の約2単位の酵素と共に使用される。プラスミド 構築のためのDNAフラグメントを単離する目的のためには、代表的には5〜50μg のDNAがより大きな用量において20〜250単位の酵素で消化される。特定の制限酵 素についての適切な緩衝液および基質の量は、製造業者によって特定される。約 1時間、37℃のインキュベート時間が通常使用されるが、供給者の指示により変 化し得る。消化後、反応物はポリアクリルアミドゲル上で直接電気泳動され、所 望のフラグメントが単離される。 切断されたフラグメントのサイズ分離が、Goeddel,D.ら、Nucleic Acids Res .,8:4057(1980)に記載の8%ポリアクリルアミドゲルを使用して実施される。 「オリゴヌクレオチド」は、化学的に合成され得る1本鎖のポリデオキシヌク レオチド、または2つの相補的なポリデオキシヌクレオチド鎖のいずれかをいう 。このような合成オリゴヌクレオチドは、5'リン酸を有さず、従ってキナーゼ の存在下でATPと共にリン酸塩を付加しなければ他のオリゴヌクレオチドと結合 し ない。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸化されていないフラグメントと結合 する。 「結合」は、2本鎖核酸フラグメントの間のホスホジエステル結合を形成する 工程をいう(Maniatis,T.ら、同上,146頁)。他に提供されなければ、結合は、0 .5μgの連結されるべきDNAフラグメントのほぼ当モル量あたり10単位のT4 DNAリ ガーゼ(「リガーゼ」)で、公知の緩衝液および条件を使用して達成され得る。 他に述べない限りは、形質転換は、Graham,F.およびVan der Eb.,A.,Virol ogy,52:456-457(1973)の方法に記載に従い実施された。 実施例1 Ck β-13の細菌発現および精製 Ckβ-13をコードするDNA配列(ATCC寄託番号第97113号)を、プロセスされたCk β-13核酸配列(推定のシグナルペプチド配列を除く)の5'および3'末端配列に 対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて最初に増幅する。Ckβ-13遺 伝子に対応するさらなるヌクレオチドを、それぞれ5'および3'末端に付加した 。5'オリゴヌクレオチドプライマーは、配列5'CCCGCATGCCCAACATGGAAGACAG3' (配列番号3)を有し、SphI制限酵素部位(太字)、それに続く成熟タンパク質をコ ードする配列の第2のヌクレオチドから始まる16ヌクレオチドのCkβ-13コード 配列を含む。ATGコドンは、SphI部位に含まれる。ATGに続く次のコドンにおいて 、最初の塩基は、SphI部位由来であり、そして残りの2塩基は推定成熟タンパク 質の最初のコドン(残基29)の2番目および3番目の塩基に相当する。3'配列、 な配列を含み、そしてそれに終止コドンに先立つ遺伝子特異的配列の18ヌクレオ チドが続く。制限酵素部位は、細菌発現ベクターpQE-9(Qiagen,Inc.Chatswort h,CA)上の制限酵素部位に対応する。pQE-9は、抗生物質耐性(Ampr)、細菌の複 製起点(ori)、IPTG調節可能プロモーターオペレーター(P/O)、リボソーム結合部 位(RBS)、6-Hisタグ、および制限酵素部位をコードする。次いで、pQE-9をSphI およびBamH1で消化する。増幅配列をpQE-9に連結し、そしてヒスチジンタグおよ びRBSをコードする配列でインフレームに挿入する。次いで、連結混合物を用い て、E .coli株M15/rep4(Qiagen,Inc.)をSambrook,J.ら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Cold Spring Laboratory Press,(1989)に記載の手順によ り形質転換する。M15/rep4は、lacIリプレッサーを発現し、そしてまたカナマイ シン耐性(Kanr)を付与するプラスミドpREP4の多数のコピーを含む。形質転換体 をLBプレート上で増殖するそれらの能力により同定し、そしてアンピシリン/カ ナマイシン耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを単離し、そして制限酵素 分析により確認する。所望の構築物を含むクローン(単数または複数)を、Amp(10 0μg/ml)とKan(25μg/ml)との両方を補充したLB培地における液体培養で一晩(O/ N)増殖させる。O/N培養物を用いて1:100〜1:250の比で大きな培養物に接種する 。細胞を、600の光学密度(O.D.600)が0.4と0.6との間になるまで増殖させる。次 いで、IPTG(「イソプロピル-B-D-チオガラクトピラノシド」)を加えて1mMの最 終濃度にする。IPTGは、lacIリプレッサーを不活性化することにより、P/Oを解 放(clear)し遺伝子発現の増加を誘導する。細胞をさらに3〜4時間増殖させる 。次いで、細胞を遠心分離により収穫する。細胞ペレットをカオトロピック薬剤 6MグアニジンHCl中でpH5.0で可溶化する。澄明後、可溶化されたCkβ-13を6- ヒスタグを含むタンパク質による堅い結合を可能とする条件下で、ニッケル−キ レートカラム上でのクロマトグラフィーによりこの溶液から精製する(Hochuli, Eら、J.Chromatography 411: 177-184(1984))。Ckβ-13(純度98%より大きい) を6MグアニジンHClでカラムから溶出する。GnHClを除くタンパク質の再生は、 いくつかのプロトコルによって達成され得る(Jaenicke,R.およびRudolph,R., Protein Structure-A Practical Approach,IRL Press,New York(1990))。最初 に、透析工程を利用して、GnHClを除去する。あるいは、Niキレートカラムから 単離した精製タンパク質を、減少する直線GnHCl勾配が進む第2のカラムに結合 させ得る。タンパク質をカラムに結合している間に再生し、次いで、250mMのイ ミダゾール、150mMのNaCl、25mMのpH7.5のトリスHCl、および10%のグリセロー ルを含む緩衝液で溶出する。最後に、可溶性タンパク質を5mMの重炭酸アンモニ ウムを含むストレージ緩衝液で透析する。 実施例2 COS 細胞における組換えCkβ-13の発現 プラスミド、Ckβ-13 HAの発現を、ベクターpcDNAI/Amp(Invitrogen)から誘導 する。ベクターpcDNAI/Ampは以下を含む:1)SV40複製起点、2)アンピシリン耐 性遺伝子、3)E.coli複製起点、4)ポリリンカー領域、SV40イントロンそして ポリアデニル化部位が続くCMVプロモーター。完全なCkβ-13前駆体、およびその 3'末端にインフレームで融合されたHAタグをコードするDNAフラグメントを、ベ クターのポリリンカー領域にクローン化する。それゆえ、組換えタンパク質発現 はCMVプロモーター下で指示される。HAタグは、先に記載されたようなインフル エンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する(I.Wilson、H.Nim an、R.Heighten、A Cherenson、M.Connolly、およびR.Lerner、1984,Cell 3 7,767)。標的タンパク質へのHAタグの融合により、HAエピトープを認識する抗 体を用いる組換えタンパク質の容易な検出が可能になる。 プラスミド構築ストラテジーを以下に記述する: Ckβ-13をコードするDNA配列(ATCC寄託番号第97113号)を、2つのプライマー CT3'(配列番号5)は、HindIII部位、それに続く開始コドンに対してマイナス部 XbaI部位、翻訳停止コドン(下線)、HAタグ、およびCkβ-13コード配列の最後の2 1ヌクレオチド(停止コドンは含まない)に相補的な配列を含む。それゆえ、PCR産 物は、HindIII部位、インフレーム融合したHAタグが続くCkβ-13コード配列、HA タグに隣接する翻訳終止停止コドン、およびXbaI部位を含む。PCR増幅DNAフラグ メントおよびベクター(pcDNA3/Amp)を、HindIIIおよびXbaI制限酵素により消化 し、そして連結する。連結混合物を、E.coli SURE株(Stratagene Cloning Syst ems,La Jolla,CA)に形質転換し、形質転換培養物をアンピシリン培地プレート に播種し、そして耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを形質転換体より単 離し、そして正しいフラグメントの存在を制限分析で試験する。組換えCkβ-13 ポリペプチドの発現のために、COS細胞をDEAE-DEXTRAN法により発現ベクターで トランスフェクトする(J.Sambrook、E.Fritsch、T.Maniatis、Molecular Clo ning: A Laboratory Manual,Cold Spring Laboratory Press,(1989))。Ckβ-1 3 HAタンパク質の発現を、放射性標識および免疫沈降法により検出する。(E.Ha rlow,D.Lane,Antibodies: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Labor atory Press,(1988))。細胞を、トランスフェクションの2日後、35S-システイ ンで8時間標識する。次いで培養培地を回収し、そして細胞を界面活性剤(RIPA 緩衝液(150mM NaCl、1% NP-40、0.1% SDS、1% NP-40、0.5% DOC、50mM Tr is(pH7.5))で溶解する(Wilson,I.ら、同上 37:767(1984))。細胞溶解物および 培養培地の両方を、HA特異的モノクローナル抗体により沈降させる。沈降したタ ンパク質をSDS-PAGEによって分析する。 実施例3 バキュロウイルス発現系を用いるCkβ-13のクローニングおよび発現 全長のCkβ-13タンパク質をコードするDNA配列(ATCC寄託番号第97113号)を、 遺伝子の5'および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用い て増幅する: 7)を有し、そしてBamHI制限酵素部位(太字中)、それに続く真核細胞における翻 訳の開始に効率的なシグナルに類似する6ヌクレオチド(Kozak,M.,J.Mol.Bi ol.,196,947-950,(1987))、およびCkβ-13遺伝子の最初の18ヌクレオチド(翻訳 開始コドンである「ATG」に下線)を含む。 し、制限エンドヌクレアーゼAsp718の切断部位,およびCkβ-13遺伝子の3'非翻 訳配列に相補的な18ヌクレオチドを含む。増幅配列を、市販のキット(「Genecle an」 BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca.)を用いて、1%アガロースゲルより単離す る。次いで、フラグメントをエンドヌクレアーゼBamHIおよびAsp718で消化し、 そして再び1%アガロースゲル上で精製する。このフラグメントを、F2と称する 。 ベクターpRG1(pVL941ベクターの変異体、下記)をバキュロウイルス発現系を用 いるCkβ-13タンパク質の発現のために用いる(総説について、Summers,M.D.お よびSmith,G.E.1987,A manual of methods for baculovirus vectors and in sect cell culture procedures,Texas Agricultural Experimental Station Bu lletin No.1555を参照のこと)。この発現ベクターは、Autographa californica 核多角体病ウイルス(AcMNPV)の強いポリヘドリンプロモーター、それに続く制限 エンドヌクレアーゼBamHIおよびAsp718の認識部位を含む。シミアンウイルス(SV )40のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために用いる。組換え ウイルスを容易に選択するために、E.coli由来のβガラクトシダーゼ遺伝子を ポリヘドリンプロモーターと同方向に挿入し、その後ポリヘドリン遺伝子のポリ アデニル化シグナルが続く。ポリヘドリン配列を、コトランスフェクト野生型ウ イルスDNAの細胞媒介性相同組換えのためにウイルス配列で両端で隣接させる。 多くの他のバキュロウイルスベクターが、pRG1の代わりに用いられ得る。例えば 、pAc373、pVL941、およびpAcIM1である(Luckow,V.A.およびSummers,M.D.、Vi rology,170:31-39)。 プラスミドを制限酵素BamHIおよびAsp718で消化し、次いで当該分野で公知の 手順により仔ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化する。次いで、市販のキ ット(「Geneclean」BIO 101 Inc.La Jolla,CA)を使用して、DNAを1%アガロ ースゲルより単離する。このベクターDNAをV2と称する。 フラグメントF2および脱リン酸化プラスミドV2を、T4 DNAリガーゼを用いて連 結する。次いで、E.coli HB101細胞を形質転換し、そして酵素BamHIおよびAsp7 18を用いて、Ckβ-13遺伝子を有するプラスミド(pBac-Ckβ-13)を含む細菌を同 定する。クローン化フラグメントの配列を、DNA配列決定により確認する。 5μgのプラスミドpBac-Ckβ-13を、リポフェクション法(Felgnerら Proc.N atl.Acad.Sci.USA,84:7413-7417(1987))を用いて、1.0μgの市販の線状化し たバキュロウイルス(「BaculoGoldTMbaculovirus DNA」,Pharmingen,San Dieg o,CA.)とともにコトランスフェクトする。 1μgのBaculoGoldTMウイルスDNAおよび5μgのプラスミドpBac-Ckβ-13を、50 μlの血清非含有グレース培地(Life Technologies Inc.,Gaithersburg,MD)を 含むマイクロタイタープレートの無菌ウェル中で混合する。その後、10μlリポ フェクチンおよび90μlのグレース培地を添加し、混合し、そして室温にて15分 間インキュベートする。次いで、そのトランスフェクション混合物を、血清非含 有グレース培地1mlを有する35mm組織培養プレート内に播種されたSf9昆虫細胞( ATCC CRL 1711)に滴下して加える。プレートを、新たに加えられた溶液を混合す るために、前後に振とうする。次いでプレートを、27℃で5時間インキュベート する。5時間後、トランスフェクション溶液をプレートから除去し、そして10% ウシ胎児血清を補充した1mlのグレース昆虫培地を添加する。プレートをインキ ュベーターに戻し、そして27℃で4日間培養を続ける。 4日後、上清を回収し、そしてSummersおよびSmith(前出)による記載と同様に プラークアッセイを行う。改変法として、青く染色されたプラークの容易な単離 を可能にする、「Blue Gal」(Life Technologies Inc.,Gaithersburg)を有する アガロースゲルを用いる。(「プラークアッセイ」の詳細な記述はまた、Life Te chnologies Inc.、Gaithersburg、で配布される昆虫細胞培養法およびバキュロ ウイルス学の使用者ガイド(9〜10頁)においても見い出され得る)。 連続希釈の4日後、ウイルスを細胞に添加し、そして青く染色されたプラーク をエッペンドルフピペットのチップで拾う。次いで、組換えウイルスを含む寒天 を、200μlのグレース培地を含むエッペンドルフチューブに再懸濁する。寒天を 、簡単な遠心分離により除去し、そして組換えバキュロウイルスを含む上清を使 用して、35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染させる。4日後、これらの 培養ディッシュの上清を回収し、次いで4℃で保存する。 Sf9細胞を、10%熱失活化FBSを補充したグレース培地中で増殖させる。細胞を 、感染多重度(MOI)2で組換えバキュロウイルスV-Ckβ-13で感染させる。6時間 後、その培地を除去し、そしてメチオニンおよびシステインを除いたSF900 II培 地(Life Technologies Inc.,Gaithersburg)に置き換える。42時間後、5μCiの35 S-メチオニンおよび5μCiの35Sシステイン(Amersham)を添加する。細胞を 、さらに16時間インキュベートし、その後細胞を遠心分離により採集し、そして 標識されたタンパク質をSDS-PAGEおよびオートラジオグラフィーにより可視化す る。 実施例4 遺伝子治療を介する発現 線維芽細胞を、被験体から皮膚生検によって得る。得られた組織を組織培養培 地中に入れ、そして小さい切片に分けた。組織の小さな切片を、組織培養フラス コの湿った表面上に置き、各フラスコ中に約10切片を入れる。フラスコを上下に 回転させ、しっかりと密閉し、室温に一晩放置する。室温で24時間後、フラスコ を逆転させ、そして組織塊をフラスコの底に固定したまま維持し、そして新鮮な 培地(例えば、10% FBS、ペニシリン、ストレプトマイシンを含むハムF12培地) を添加する。次いで、これを37℃で約1週間インキュベートする。このとき、新 鮮な培地を添加し、そしてその後数日ごとに交換する。さらに2週間の培養後、 線維芽細胞の単層が生じる。単層をトリプシン処理し、そしてより大きなフラス コに大きく(scale)する。 モロニーマウス肉腫ウイルスの長い末端反復に隣接するpMV-7(Kirschmeier,P .T.ら、DNA,7: 219-25(1988))をEcoRIおよびHindIIIを用いて消化し、続いて仔 ウシ腸ホスファターゼで処理する。直鎖状ベクターをアガロースゲル上で分離し 、そしてガラスビーズを用いて精製する。 本発明のポリペプチドをコードするcDNAを、それぞれ5'および3'末端配列に対 応するPRCプライマーを用いて増幅する。5'プライマーは、EcoRI部位を含み、そ して3'プライマーは、HindIII部位をさらに含む。等量のモロニーマウス肉腫ウ イルス直鎖状骨格、ならびに増幅されたEcoRIおよびHindIIIフラグメントを、T4 DNAリガーゼの存在下で一緒に加える。得られた混合物を、2つのフラグメント の連結に適切な条件下で維持する。連結混合物を使用して、細菌HB101を形質転 換し、次いで、これを、ベクターが適切に挿入された目的の遺伝子を有すること を確認する目的のために、カナマイシン含有寒天プレート上に播種する。 両栄養性pA317またはGP+am12パッケージング細胞を、10%仔ウシ血清(CS)、ペ ニシリンおよびストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に おける組織培養中で、集密的密度に増殖させる。次いで、遺伝子を含むMSVベク ターを培地に添加し、そしてパッケージング細胞をベクターで形質導入する。こ の時点でパッケージング細胞は、遺伝子を包含する感染性ウイルス粒子を産生す る(この時点でパッケージング細胞は、プロデューサー細胞と呼ばれる)。 新鮮な培地を形質導入プロデューサー細胞に添加し、その後、集密プロデュー サー細胞の10cmプレートから培地を回収する。感染性ウイルス粒子を含む消費さ れた培地を、ミリポア(millipore)フィルターで濾過し、剥離したプロデューサ ー細胞を除去し、そして次いでこの培地を用いて線維芽細胞を感染させる。培地 を、線維芽細胞の半集密的プレートから除去し、そして迅速にプロデューサー細 胞からの培地に置き換える。この培地を除去し、そして新鮮な培地と置き換える 。ウイルスの力価が高い場合、事実上全ての線維芽細胞が感染され、そして選択 は必要ではない。力価が非常に低い場合、選択マーカー(例えば、neo、またはhi s )を有するレトロウイルスベクターを使用することが必要である。 次いで、操作された線維芽細胞は、単独、あるいはサイトデックス3マイクロ キャリアービーズ上で集密的に増殖させた後のいずれかで、宿主に注入される。 その後、線維芽細胞は、タンパク質産物を産生する。 本発明の多くの改変および変形が、上記の教示を考慮すれば可能であり、従っ て、特に記載がなければ、添付の請求の範囲の範囲内で本発明は実施され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/00 ABG C07K 14/52 ADA 16/24 ADU C12Q 1/68 A AED G01N 33/53 P 39/395 ADZ C12N 5/00 B 45/00 ABA A61K 37/02 ADU 48/00 ADV ADA C07K 14/52 ABG 16/24 ABF C12Q 1/68 AED G01N 33/53 ABE (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI ,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 リ,ハオドン アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ガイザースバーグ,ルトレッジ ドライブ 11033 (72)発明者 セイベル,ジョージ アメリカ合衆国 ペンシルバニア 19087, セイントデイビッズ,コーンウォール サ ークル 11

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離されたポリヌクレオチドであって、以下: (a) 配列番号2に記載のアミノ酸-28〜アミノ酸65を含むポリペプチドをコード するポリヌクレオチド; (b) 配列番号2に記載のアミノ酸1〜アミノ酸65を含むポリペプチドをコード するポリヌクレオチド; (c) 該ポリヌクレオチド(a)または(b)とハイブリダイズし得、かつ少なくとも7 0%がそれらと同一であるポリヌクレオチド;および (d) 該ポリヌクレオチド(a)、(b)または(c)のポリヌクレオチドフラグメント、 から成る群から選択されるメンバーを含む、単離されたポリヌクレオチド。 2.前記ポリヌクレオチドがDNAである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。 3.配列番号2のアミノ酸-28〜65を含むポリペプチドをコードする、請求項2 に記載のポリヌクレオチド。 4.配列番号2のアミノ酸1〜65を含むポリペプチドをコードする、請求項2に 記載のポリヌクレオチド。 5.単離されたポリヌクレオチドであって、以下: (a) ATCC寄託番号97113に含まれるDNAによって発現されるアミノ酸配列を有す るポリペプチドをコードするポリヌクレオチド; (b) 該ポリヌクレオチド(a)とハイブリダイズし得、かつ少なくとも70%がそれ らと同一であるポリヌクレオチド;および (c) 該ポリヌクレオチド(a)または(b)のポリヌクレオチドフラグメント、 から成る群から選択されるメンバーを含む、単離されたポリヌクレオチド。 6.請求項2のDNAを含む、ベクター。 7.請求項6に記載のベクターで遺伝操作された宿主細胞。 8.請求項7に記載の宿主細胞から、前記DNAによってコードされるポリペプチ ドを発現させる工程を包含する、ポリペプチドを産生する方法。 9.請求項6に記載のベクターで細胞を遺伝操作する工程を包含する、ポリペプ チドを発現し得る細胞を産生する方法。 10.ポリペプチドであって、(i)配列番号2の推定アミノ酸配列を有するポリ ペプチド、ならびにそのフラグメント、アナログ、および誘導体;および(ii)AT CC寄託番号97113のcDNAによってコードされるポリペプチド、ならびに該ポリペ プチドのフラグメント、アナログ、および誘導体から成る群から選択されるポリ ペプチド。 11.請求項10に記載のポリペプチドの活性を模倣するする化合物。 12.請求項10に記載のポリペプチドの活性に拮抗する化合物。 13.モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体からなる群より選択される メンバーを含む、請求項10に記載のポリペプチドに対する抗体。 14.Ckβ-13が必要である患者を処置するための方法であって:該患者に治療 的有効量の請求項10に記載のポリペプチドを投与する工程、を包含する、方法 。 15.前記治療的有効量の前記ポリペプチドが、該ポリペプチドをコードしそし てインビボで該ポリペプチドを発現するDNAを患者に提供することによって投与 される、請求項13に記載の方法。 16.Ckβ-13ポリペプチドを阻害することが必要である患者を処置する方法で あって:患者に治療的有効量の請求項12に記載の化合物を投与する工程を包含 する、方法。 17.請求項10に記載のポリペプチドの発現不足に関連する疾患または疾患に 対する感受性を診断する方法であって: 該ポリペプチドをコードする核酸配列における変異を検出する工程を包含する、 方法。 18.診断方法であって: 宿主由来のサンプル中の請求項10に記載のポリペプチドの存在を分析する工程 を含む、診断方法。 19.請求項10に記載のポリペプチドに対するアゴニストとして活性な化合物 を同定するための方法であって: (a) 細胞が請求項13に記載のポリペプチドに応答して、正常に遊走する条件 下で、スクリーニングされるべき化合物と、該細胞を含む反応混合物とを混合さ せる工程;および 該化合物がアゴニストとして有効である場合、同定するために該細胞の遊走の程 度を決定する工程、 を包含する方法。 20.Ckβ-13ポリペプチドが工程(a)の混合物において添加され、そして遊走の 程度の決定がアンタゴニストとして有効な化合物を同定する、請求項18に記載 の方法。
JP9-500382A 1995-06-06 ヒトケモカインβ−13 Pending JPH11510368A (ja)

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002163672A Division JP2003093076A (ja) 2002-06-05 2002-06-05 ヒトケモカインβ−13

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11510368A true JPH11510368A (ja) 1999-09-14

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5986069A (en) Human haemopoietic maturation factor polypeptides
EP2017337A1 (en) Human tumor necrosis factor receptors
AU723891B2 (en) Human chemokine beta-11 and human chemokine alpha-1
US7094564B1 (en) Human tumor necrosis factor receptor
AU713267B2 (en) Human chemokine beta-13
JPH10510719A (ja) ヒトgタンパク質ケモカインレセプターhdgnr10
US20020026044A1 (en) Chemokine b-4 polypeptide
JPH10505493A (ja) ヒトケモカインベータ−9
MXPA97008528A (en) Chemiosine bata-13 hum
JP2000507101A (ja) ケモカインアルファ2
JPH10513355A (ja) ヒトケモカインβ−11およびヒトケモカインα−1
WO1996039520A1 (en) Human chemokine beta-12
US20030099971A1 (en) Epidermal differentiation factor
JPH11507237A (ja) 単球走化性蛋白質−4
US6537539B2 (en) Immune cell cytokine
US6130061A (en) Human stem cell antigen 2
JPH11510368A (ja) ヒトケモカインβ−13
AU753730B2 (en) Human chemokine beta-13
AU750982B2 (en) Human chemokine beta-11 and human chemokine alpha-1
US5962268A (en) DNA encoding an immune cell cytokine
US7393943B1 (en) Polynucleotides encoding a human chemotactic cytokine I
JP2000506365A (ja) ヒトgタンパク質ケモカインレセプターhsatu68
JP2003093076A (ja) ヒトケモカインβ−13
JPH11507506A (ja) 内皮単球活性ポリペプチドiii
JP2004229670A (ja) ヒトgタンパク質ケモカインレセプターhdgnr10