JPH11509081A - 新規の複製プロセス - Google Patents

新規の複製プロセス

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JPH11509081A JP8516287A JP51628796A JPH11509081A JP H11509081 A JPH11509081 A JP H11509081A JP 8516287 A JP8516287 A JP 8516287A JP 51628796 A JP51628796 A JP 51628796A JP H11509081 A JPH11509081 A JP H11509081A
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Abstract

(57)【要約】 提案されたプロセスは、増殖サイクルを通して、培養培地中に少なくとも0.05μg/mlのトリプシン濃度を維持することにより、Vero細胞株において低い感染多重度で、ヒトインフルエンザウイルスの複製を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 新規の複製プロセス 技術分野 本発明は、哺乳細胞におけるウイルスの複製、および、特に、Vero細胞培養物 におけるヒトインフルエンザウイルスの複製のプロセスに関する。背景の技術 主要なインフルエンザウイルスの糖タンパク質であるヘマグルチニン(HA)は、 1つのポリペプチドとして感染細胞中で合成される。HAの翻訳後切断は、ジスル フィド結合により結合した2つのサブユニット、HA1およびHA2を形成する。切断 は、感染性ウイルスの産生に必須のものであり;切断されていないHAを含むビリ オンは、非感染性である。このプロセスは、細胞内または細胞外で起こり得る。 ヒト、ブタ、および多くのトリインフルエンザウイルス株のHASは、いたるとこ ろに存在する細胞内プロテアーゼによって切断され得ない。従って、細胞培養物 におけるこれらのウイルスの複製は、HAの切断を完全にするために維持培地への トリプシンの添加を必要とする。これによって、後代ウイルスの活性化が可能と なり、感染が進行し得る。 過去数十年間、受精したニワトリの卵は、大量にインフルエンザウイルスを産 生するために使用されきた。不活化インフルエンザワクチンは、ウイルスを含有 するニワトリ胚の尿膜液から精製される。しかし、今回の多数のデータは、これ が理想的な系ではないことを示唆する。卵におけるヒトインフルエンザウイルス 単離物の1回の継代でさえ、その抗原特異性において本来のウイルスとは異なる 変異体の選択を導き得る。対照的に、哺乳動物細胞培養物においてのみ単離され 、そして排他的に継代されたウイルスは、その抗原特性を十分に保持し、この特 徴は、ワクチンの生成に大いに有利であることが明らかである。しかし、好まし い株であるMadin-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞を含む、研究室での研究で通常用 いられる細胞株は、ウイルスワクチン生成に認められなかった。 卵で増殖されるインフルエンザAおよびBとは対照に、哺乳動物宿主細胞にお いて単離されたものは、本来の臨床単離物の優れたHasに同一である構造的に同 種のヘマグルチニン分子(Has)を有する(Katzら、Virology、第165巻(1988)、44 6〜456頁;Robertsonら、Virology、第179巻(1990)、35〜40頁)。さらに、哺乳 動物細胞で増殖したインフルエンザウイルスは、卵で増殖した対照物よりもより 容易に、かつより高い力価で、ヒト血清中に中和およびヘマグルチニン阻害(HI) 抗体を誘導する。Madin-Darbinイヌ腎臓(MDCK)細胞で増殖した実験的不活化イン フルエンザウイルスは、中和抗体力価において卵で増殖した対照物ウイルスより 高いHIを導き、そしてMDCK細胞または胚発生した卵のどちらかで増殖した感染性 ウイルスのその後の投与に対してケナガイタチに優れた保護を提供した(Katzら 、J.Infect.Dis.、第160巻(1989)、191〜198頁;Woodら、Virology、第171巻(19 89)、214〜221頁)。これらの観察は、インフルエンザウイルスワクチンおよび 診断剤の生成においてニワトリ卵と置換するのに使用され得る哺乳動物細胞株の 必要性を強調する。哺乳動物細胞で増殖したウイルスはまた、より容易なウイル ス精製に有利であり得る。 インフルエンザウイルスは、ニワトリ胚腎臓、ニワトリ胚肺、サル腎臓、イヌ 腎臓、ウシ腎臓、ニワトリ腎臓、モルモット腎臓、およびニワトリ胚線維芽細胞 を含むいくつかのタイプの初代細胞培養物で増殖され得る。しかし、初代組織培 養物は、ウイルス内性因子による汚染、細胞の変異特性、同じウイルスの変異体 に対する異なる感受性、および当然、組織培養を獲得し、そして調製することに おける高い費用および困難を含むいくつかの理由のために、ワクチン生成の基質 として有用ではないようである。WI-38のような二倍体組織はポリオ、アデノウ イルス4型および7型、風疹、麻疹、ならびに狂犬病ウイルスに対するワクチン を生成するために使用された。ヒト二倍体(MRC-5)細胞はインフルエンザウイル スの増殖を支持し得るが、このような系は、ストリンジェントな増殖培地要求性 を有し、そして維持するには高価であり、ワクチンのラージスケール生成の最適 状態に到達しない。発明の開示 哺乳動物細胞株において低い感染多重度でヒトインフルエンザウイルスの複製 を確実にする本発明のプロセスは、培養培地中に一定の最低濃度(約0.05μg/ml )のトリプシンを維持することを含む。 Vero細胞は、以下のものを含む範囲のウイルスに感受性である:エンテロウイ ルス、麻疹およびパラインフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイ ルス、ラブラドウイルスおよびいくつかのアルボウイルス。低い継代数のVero細 胞は腫瘍形成がなく、偶発的なウイルスを含まず、そして多くのタイプのウイル スの効率の良い増殖を支持し得る。この細胞株はポリオおよび狂犬病に対するワ クチンの生成のためにうまく使用された。Vero細胞株は、感染性インフルエンザ Aウイルスの培養および現在、循環しているインフルエンザA(H3N2)株の最初 の単離に適する。Vero細胞培養物に対するインフルエンザA/England/1/53(H1N 1)[NG]株の適応性についての実施例のデータ(増殖特性および抗原安定性、な らびにVero細胞を使用したウイルスタンパク質の高い収率を得る見込み)が、MD CK細胞と比較される。 ワクチン生成で認められた哺乳動物細胞株(Vero(WHO)、アフリカミドリザル 腎臓細胞の亜株)における低い感染多重度で高収率を得るための最初の試みは、 成功しなかった。この失敗の原因(単数または複数)を同定するためのその後の 研究は、細胞維持培地からのトリプシンの損失を意味した。少なくとも1細胞あ たり0.005 TCID50の多重度でインフルエンザAウイルスで感染させた場合、Vero (WHO)細胞は、Madin-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞において生じた収率と比較可能な ウイルス収率を生じた。しかし、より低い感染多重度で、マルチサイクル増殖が 感染進行の初期において阻止され、細胞障害効果の進行が停止され、そして最終 的なウイルス収率は低かった。 トリプシン活性の損失が観察された効果に原因がある可能性を試験するために 、本発明者らは、Vero(WHO)細胞の培養液中のこの活性を測定するための感受性 蛍光発光(fluorogenic)基質を使用した。この結果は、急速なトリプシン活性の 減少を示した。同様の発見がMDCK、アカゲザル腎臓LLC-MK2およびブタ腎臓細胞 でなされたが、減少速度はVero(WHO)細胞よりも非常に遅かった。原因となるト リ プシンの役割は、実験で証明された。この実験で、細胞培養物に繰り返し酵素を 添加することにより、マルチサイクルウイルス増殖が復帰し、高い収率が低い感 染多重度で可能となった。 試験は、細胞培養物における少なくとも0.05μg/mlのトリプシン濃度は高ウイ ルス収率を獲得するために必須であり、そして感染多重度が1細胞あたり約1× 10-5TCID50〜1×10-6TCID50で変化した場合、約0.1μg/mlの濃度は、最適であ ることを示した;満足いく結果が1細胞あたり約5×10-7 TCID50で得られた。 従って、トリプシンは、適切なウイルス収率を獲得するために約0.05μg/ml〜0. 5μg/mlで維持されなければならなかった。 細胞単層面積あたりより高容量の維持培地はまた、ほぼ間違いなく培地中のよ り低いトリプシン不活性化因子の濃度のために、低用量でのマルチサイクルウイ ルス増殖のわずかな改善を必要とした。MDCK細胞におけるウイルスの効率のよい 複製は、相対的に遅い速度のトリプシン不活性化により可能である。マルチサイ クルウイルス増殖を確実にする程度まで、効率のよいHA切断に必要とされるトリ プシン活性のレベルは、維持培地中の最初のトリプシン濃度よりも非常に低く、 その結果、感染は、トリプシン活性が減少しても、その減少がVero(WHO)細胞ほ ど早くなければ進行する。 しかし、特に、少量の培地がローラー培養物等のような多量の細胞に使用され た状況において、MDCK細胞培養物にさえもトリプシンを補うことは有用であるこ とを証明し得る。非常に少ない培地において、培養液中のトリプシン活性は、通 常にモニターされるべきである。 細胞培養物中のトリプシン不活性化の原因となる因子(単数、複数)の性質は 、公知ではない。一旦培地中に分泌され、そこに集まると、急速にトリプシンを 不活性化する。細胞培養物におけるトリプシン不活性化の動力学は、トリプシン とのその相互作用よりもむしろ阻害因子の蓄積を反映するらしい。 一連の分別フィルターのトリプシン不活性化因子の通過により、100キロダル トン(kDa)に非常に近い分子量が示された。あるいは、タンパク質は、2つの画 分からなり得、1つは100kDaより大きく、もう一方は約50kDaと約100kDaとの間 である。トリプシンのみによる低分子量基質の切断を阻止するセリンプロテイナ ーゼの多くのインヒビターのうち、本発明者らの因子について見積もられた分子 量と同じくらい高い分子量を有するものは、ほとんどない。ヒト血漿のインター αトリプシンインヒビター(ITI)は、阻害活性を保持する低分子量種と同様に180 kDaの天然分子によって示される。関連するインヒビターは、ヒヒ血漿において 検出された。本発明者らの推定分子量によって示唆されるように、細胞培養物中 のトリプシン不活性化因子がプロテイナーゼを阻害するタンパク質のクラスに属 するのであれば、トリプシン活性の推定インヒビターの本発明者らの知見は、セ リンプロテイナーゼのインヒビター研究において価値のあるものであり得る。こ のファミリーのインヒビターは、非常に多くかつ広範囲に研究されているが、主 として植物、ウシ膵臓、ヒトおよび動物の血漿、無脊椎動物種の組織等のような 物質にほとんど由来する。この理由のために、酵素学的な特性におけるこれらの 構造は、その生合成、細胞内輸送および分泌機構よりも非常によく知られている 。従って、培養細胞により産生されるインヒビターは、価値のあるものであるこ とを証明し得る。本発明を実施するための最もよい方法において、本発明を例示 するためのいくつかの好ましい実施態様が記載される。しかし、本発明が本明細 書中に含まれる特定の実施態様に限定されることを意図されないことが理解され るべきである。本発明を実行するために最もよい方法 以下の材料および方法が使用された。 実施例1 細胞 : Vero(WHO)細胞株(寄託番号1297)を134回継代レベルでAmerican Type Tissue Collectionから入手した。細胞を37℃および5%CO2で、10%非加熱ウシ胎児血 清を補ったイーグル最少必須培地(MEM)の増殖培地を含むFalcon Labware 250c m3フラスコ中で単層で培養した。Madin-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞およびアカゲ ザル腎臓(LLC-MK2)細胞の増殖のために使用された培地は、56℃で30分加熱した 5%ウシ胎児血清を含むMEMであった。ブタ腎臓細胞株(SWK)の培養のために、 5%加熱ウシ胎児血清を含むRPMI 1640培地を使用した。感染または偽感染に関 する実験のために、細胞を50cm3フラスコまたは6ウェル、24ウェルおよび96ウ ェルプレート(Falcon Labware)のいずれかにおいて増殖した。細胞単層を3回PB Sで洗浄し、そして維持培地を重層した。後者のものは、血清が除かれ、そして0 .3%ウシ血清アルブミン(BSA)を加えられて、各細胞株の増殖培地と同じ組成 物を有した。特に記載されない限り、維持培地は1.0μg/mlでTPCK-トリプシン( Worthington)を含有した。プラークアッセイをTPCK処理トリプシン(2.5μg/ml )で行った。ウイルス : Vero(WHO)適応インフルエンザA/England/1/53(H1N1)[HG]、A/FW/1/50(H1N1) 、およびA/Aichi/2/68-PR/8/34(H3N2)[X-31]ウイルスを使用した。ウイルスを5 回、Vero(WHO)細胞培養物で継代し、そして最終ストックウイルス調製物は、 約107.3〜108.25TCID50/0.2mlおよび約32〜約128HAUを含んだ。予備実験におい て、Vero(WHO)適応A/Rome/49(H1N1)株を使用した(106.7TCID50/0.2mlおよび 約15〜約32HAU)。HAおよび感染力価測定を本質的に「Advanced Laboratory Tec hniques for Influenza Diagnosis」(Immunol.Ser.6,51〜57頁(1975))に記載さ れたように行った。HA力価測定をマイクロタイタープレートにおいて行った。感 染性を96ウェルプレートで増殖されたMDCK細胞において感染後72時間でのCPE評 価を用いた終点力価測定技術によって測定した。トリプシン活性の評価 : 蛍光発光基質であるBAAMC(ナトリウム-ベンゾイル-L-アルギニン-7-アミド- 4-メチルクマリン-ヒドロ-クロライド;Sigma)の適用に基づいたトリプシン活 性の高感受性アッセイを使用した。基質を50mM Tris-HCl、約pH8.0、10mM CaCl2 および1%DMSOを含む緩衝液で約0.2mMの最終濃度で溶解した。トリプシン含有 細胞培養液の0.1mlのサンプルを約0.9mlのBAAMC溶液に加え、そして37℃で1時 間インキュベートした。サンプルを氷上に置き、そしてPerkin-Elmer MPF-44B蛍 光分光光度計で、それぞれ約380nmおよび460nmでの励起波長および発光波長でア ッセイした。 結果 Vero (WHO)細胞におけるインフルエンザの効率の悪いマルチサイクル複製 : Vero(WHO)細胞でインフルエンザAウイルスを継代する試みにおいて、低い 感染多重度(m.o.i.)を使用した高ウイルス収率生産は困難であった。細胞を50 cm3フラスコ中で増殖させた場合、m.o.i.は、最大収率を生じるために少なくと も0.005 TCID50/mlでなければならなかった。これは、ワクチン生成の使用に実 施し得ない濃度である。より低い投入量においては、その力価は低いか、または ウイルスは少しも蓄積しなかった。多くの例において、低いm.o.i.で感染させら れた培養物におけるウイルスの蓄積は、感染後48時間後で停止した。細胞障害効 果の進行もまた、止まった。しかし、このパターンは、異なる種類のプラスチッ ク製品において異なる程度で起こった;50cm3フラスコにおいては強く表れ、6 ウェルプレートにおいては少し強く、そして24ウェルプレートにおいてはいっそ う弱く、そして96ウェルプレートにおいては、全く表れなかった。全ての種類の プラスチック製品を用いた実験における感染およびインキュベーションの方法は 、同一であった。唯一の差異は、単層単位あたりの維持培地の容量であり、すな わち細胞あたりの培養液量であった。この投入量に対する最終収率の依存性は、 MDCK細胞において観察されず、使用したプラスチック製品に関係なかった。最終 収率の多重度依存性の例を、Vero(WHO)適応インフルエンザA/Rome/49(H1N1)ウイ ルス株を使用した実験で示す(表1)。トリプシンの繰り返し投与によるマルチサイクルウイルス増殖の回復 : Vero細胞培養物におけるインフルエンザウイルス蓄積の排除は、培養培地中の トリプシン活性の損失に帰因することを確かめるために、いくつかの実験を行っ た。これにおいて、感染経過中に、トリプシン濃度を培養培地へのトリプシンの 繰り返し添加により回復させた。この手順は、低い投入量で感染させた培養物に おけるウイルス産生の増加を導き、従って、感染多重度に関係なく高い最終収率 を確実にした。この効果は、特に、密集コンフルエンの単層を有する50cm3フラ スコ(表2)および6ウェルプレート(表3)において、すなわちトリプシン活 性の急速な損失が好ましい状態において明白であった。非密集単層を有する6ウ ェルプレートならびに24ウェルプレートにおいて、この効果は、ほとんど観察さ れなかった。なぜなら、この場合、ウイルスのマルチサイクル増殖は、標準条件 下でかなり有効であったからである(表3)。 実施例2 ウイルス : St.Jude Children's Research Hospitalの貯蔵所から得られた72個のインフル エンザAウイルス株をVero細胞におけるその増殖特性について調べた。 Vero細胞を、A/England/1/53(H1N1)由来の2つの表面糖タンパク質(HAおよびN A)をコードする遺伝子セグメントならびにA/PR/8/34(H1N1)由来の残る6つの遺 伝子を含有する再構築体(reassortant)であるA/England/1/53(H1N1)[高増殖、 HG]株のインフルエンザウイルスを用いて感染させた。最初の4回の継代の間、 ウイルスを37℃で1時間吸着させ、その後、吸着されていないウイルスを取り除 くために暖かいリン酸緩衝化食塩水(PBS)溶液で2回、単層を洗浄した。次いで 、0.3%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む無血清MEMに加えた;維持培地は、約1.0 μg/mlのTPCK処理トリプシンを含有した。ウイルス投入量は、1細胞あたり10-2 〜10-3PFUであった。さらなる継代のための材料を、トリプシン(最終濃度、約1 .0μg/ml)を用いて感染後48時間で加え、感染後(p.i.)72時間で集めた。前の吸 着していない洗浄単層細胞に加えられたウイルスの連続10倍希釈物で細胞を感染 させた。感染後の異なる時間(24、48および72時間)で、ウイルスの蓄積を細胞 障害効果(CPE)の視覚決定および培養液のHA力価測定により評価した。感染性力 価測定を96ウェルプレートにおいて行った。組織培養感染用量(TCID50)/ml 巻、480〜483頁(1931))により計算した。 ウイルス含有培養液をAmiconシステムで濃縮し、そして25〜70%ショ糖勾配に よる較差沈降(differential sedimentation)により精製した。全ウイルスタンパ ク質の評価をBradford法(1976)により行った。Vero細胞およびMDCK細胞におい て増殖したウイルスのHAタンパク質の収率を決定するために、ウイルスタンパク 質を勾配(4〜20%)SDS-PAGEで分離し、そしてクマシーブルーで染色されたタ ンパク質の強度をデンシトメトリーにより定量化した。臨床材料からのウイルス単離 : インフルエンザAウイルスを、インフルエンザの臨床徴候を有する患者の喉の 洗浄物から単離し、そして0.7%BSAを加えたPBSに集めた。細胞培養物(Veroお よびMDCKの両方)または胚発生したニワトリ卵を新しく集めた(凍結していない )喉の洗浄物で直接感染させた。ニワトリ卵を羊膜および尿膜に接種した。単離 のために使用した臨床サンプルを、非希釈物ならびに10-1および10-2希釈物で接 種し、そして72〜96時間インキュベートした。トリプシンを感染後0および48時 間で加え(約1.0μg/ml)、そしてニワトリおよびモルモットの赤血球を用いて ウイルス複製について試験した。各サンプルをネガティブであるとみなされる前 に、ニワトリ卵または細胞培養物は少なくとも2回の継代を行った。免疫学的試験 : A/Baylor/5700/82(H1N1)およびA/Baylor/11515/82(H1N1)株に対する単層抗体 and/1/53ウイルス(Vero細胞における20回継代)に対するポリクローナル抗血清 をウイルス含有培養液の静脈注射によりニワトリにおいて調製した。HAおよびHI 反応を、0.5%(v/v)ニワトリ赤血球を使用してマイクロタイタープレートにお いて行った。モルモット赤血球(約0.4%(v/v))を使用して1993〜1994年冬季 流行病時期からの主要なインフルエンザ単離物を分析した。遺伝子増幅 : RNAを、プロテイナーゼKおよびドデシル硫酸ナトリウムを使用して、ウイル ス含有尿膜液またはウイルス含有培養液を処理し、次いで、上記(Beanら、198 0)のようにフェノールクロロホルム(1:1)およびエタノール沈澱を使用し て生成物を抽出することにより単離した。ウイルスRNAを、U12(5'AGCGAAAGCAGG3 ')およびAMV逆転写酵素を使用してcDNAに変換した。内部の遺伝子(PB2、PB1PA ,NSおよびM)の分子特性ついて、この研究で使用したオリゴヌクレオチドプラ イマーの配列は、請求により入手し得る。 増幅を、95℃(1分)での変性、50℃(1分)でのアニーリングおよび74℃( 3分)でのプライマー伸長の合計35サイクルにより行った。増幅されたDNAを電 気泳動により分析し、エチジウムブロマイドで可視化し、次いでMagicTM PCR P La Jolla,CA)のどちらかを使用し、製造者の説明書に従い精製した。ヌクレオチド配列決定 : ヌクレオチド配列決定を、fmolTMDNA配列決定システム(Promega)を使用したジ デオキシヌクレオチド鎖停止法で行った。この反応生産物を、0.4mmの厚さの6 %ポリアクリルアミド-7M尿素ゲルで分離した。形態観察 : 細胞表面上のウイルス粒の電子顕微鏡観察のため、および細胞障害変化の比較 のために、Vero細胞およびMDCK細胞の単層を、10-3PFU/細胞の感染多重度でVero 適応インフルエンザウイルス株A/England/1/53[HG]を感染させ、トリプシン(約 1.0μg/ml)を培地中に含んだ。感染単層細胞およびコントロール単層細胞を接 種後48時間でカコジル酸緩衝化2.5%グルタルアルデヒドで固定し、1%四酸化 オスミウムで後固定し、アルコールの勾配系列で脱水し、Spurr低粘性包埋メデ ィウム(Ladd Research Industries,Burlington,VT)で包埋した。細胞の超薄切片 をSorvall MT 6000 ウルトラミクロトームでダイヤモンドナイフを使用して切り 、そして切片を80 kVで操作されるPhilips EM 301電子顕微鏡で調べた。Veroお よびMDCKウイルス感染細胞におけるアポトーシス変化の検出のための免疫組織化 学的アッセイを、ApopTagTMインサイチュアポトーシス検出キット-フルオルセ 結果 Vero 細胞におけるインフルエンザAウイルスのスクリーニング : トリプシンがHA分子の切断のために存在する場合、インフルエンザウイルスは 、限られた数の哺乳動物細胞において高い力価で複製し得る。Vero細胞がインフ ルエンザAウイルスの複製のための適切な代替的系であるかどうか決定するため に、ウイルス貯蔵所をスクリーニングし、そして哺乳動物上皮様細胞株において 十分複製するマスター株を選択した。ウイルスを単離し、そして培養するために 広く使用されるMDCK細胞は、リファレンスとして本研究に含まれた。 本発明者らが調べたインフルエンザAウイルスを、広い範囲のヒトおよびトリ 宿主から単離した。14HA(H5およびH7ではない)ならびに9NAのサブタイプのう ちの12個を示す。ウイルスをVero細胞およびMDCK細胞において3回継代し、そし てウイルス収率をHAおよび感染率力価から評価した。調べられた72個の株のうち 、初回継代後のVero細胞において65個(90.3%)が、および2回継代後では37個 (51.4%)がHA力価測定により検出され得るレベルまで複製した。比較により、 全ての株が初回および2回継代の間、MDCK細胞おいて複製し得た。6つのヒトお よび4つのトリインフルエンザAウイルスを最も高い増殖能を有する株として選 択し(表4)、その中からA/England/1/53(H1N1)[HG]ウイルスをさらなるVero細 胞適応のために選択した。 A/England/1/53(H1N1)[HG]ウイルスを高増殖再構築体の産生のためのマスター 株として用いようとする場合、このウイルスの遺伝子型を確立することは必要で ある。従って、本発明者らは、部分的に内在性タンパク質をコードする遺伝子を 配列決定し、そしてプロトタイプインフルエンザ株であるA/PR/8/34(H1N1)とそ のヌクレオチド配列を比較した。表5に示されるように、Vero細胞での増殖に対 する適応に選択されたA/England/1/53[HG]株は原型のA/England/1/53株とA/PR/8 /34との間の再構築体である。再構築体の6つの遺伝子はA/PR/8/34の内在性タン パク質およびA/England/1/53の2つの表面糖タンパク質をコードした。連続継代後のA/England/1/53[HG]の感染性 : Vero細胞におけるウイルスの収率を高めるために、本発明者らは、制限希釈で A/England/1/53[HG]の20回連続継代を行い、親株の結果と比較した(表6)。親 株の感染性は、MDCKまたはニワトリ胚のいずれかよりVero細胞において低かった が、その子孫は、10回継代までVero細胞において活性の増加を示し、両リファレ ンス系を上回ってた。20回継代までは、ウイルスの感染性はVero細胞においてよ り上であったが、HA力価は同程度のままであった(64〜128)。感染性力価(TCID50 )は、親株より26倍高かった。対照的に、Vero細胞における複製の適応は、約8 .2〜約7.7log10のEID50力価の再生した減少により示されるようにニワトリ胚に おいてわずかなウイルスの弱化を生じた。Vero適応A/England/1/53[HG]インフル エンザ株により形成されるプラークは、MDCK細胞ほどVero細胞において明瞭では なく、そして産生の有効性は10倍低かった。Vero細胞におけるプラーク形成能は 、ウイルスの連続継代の間で増加したが、TCID50力価と直接関連しなかった。従 って、Vero細胞における20回継代後、感染ウイルスの収率は、MDCK細胞および胚 発生ニワトリ卵におけるものと比較して高かった。インフルエンザA/England/1/53[HG]のウイルスタンパク質の収率 : ウイルスタンパク質収率は、インフルエンザウイルスワクチンを産生するため に使用されるあらゆる系の重要な特徴である。Vero細胞から得ることができるウ イルス特異的タンパク質の量を確立するために、本発明者らは、Vero細胞および MDCK細胞における複製後のA/England/1/53[HG](20回継代)ウイルスタンパク質 収率を比較した(表7)。HAタンパク質の収率決定をSDS-PAGE分離ウイルスタン パク質を使用して行い、そしてデンシトメトリーにより定量した。培養液の試験 は約6×108感染細胞がVero細胞において4.38 mgのウイルスタンパク質を、そし てMDCK細胞において4.13 mgのウイルスタンパク質を産生し得ることを示した。 いずれのタイプの崩壊ウイルス感染細胞由来のウイルスを得ることもまた可能で ある。タンパク質収率は、上清におけるものより低いが、ウイルスタンパク質の 量では細胞タイプ間で有意な差異はなかった。Vero 適応インフルエンザA/England/1/53[HG]ウイルスの抗原安定性 : 哺乳動物細胞におけるインフルエンザウイルスの繰り返し継代は、抗原性の変 化を導き得るので、この特性に対するVero細胞培養の影響を調べることは重要で あると考えられた。交差反応するインフルエンザA(H1N1)ウイルスに対するモノ クローナル抗体を有するポリクローナルニワトリ、ウサギおよびヤギ抗血清を使 用したHI試験において、A/England/1/53[HG]の親株とその連続継代変異体との間 のHA反応性に差異は認められなかった。(表8)。この知見は、A/England/53[H G]以外のH1N1株に特異的な抗体にまで及び、Vero細胞におけるウイルスの連続継 代は、そのHA抗原特性を改変しないことを示す。インフルエンザAウイルスの初回単離 : 現在、MDCK細胞はインフルエンザの初回単離のための最も感受性のある宿主細 胞を提供する。Vero細胞はパラインフルエンザウイルスおよびおたふくかぜウイ ルスを単離するためにうまく利用されてきたが、それらはインフルエンザウイル スの単離には不適切であると判断された。この結果を再評価するために、本発明 者らは、3つの培養系(VeroおよびMDCK細胞ならびに胚発生ニワトリ卵)におい て1993〜1994年流行病期間に採集された9つの臨床標本を試験した。インフルエ ンザA(H3N2)株がVero細胞において6つ、MDCK細胞において7つ、胚発生ニワト リ卵において2つのみ単離された(表9)。2つのサンプルは、どの宿主系にお いてもウイルスを生じなかった。Vero細胞における初回継代の間、接種後48〜72 時間で観察されたCPEは、ウイルス再生の唯一の証拠である。HA活性を2回継代 において検出し得、そして3回継代まで、ポジティブサンプルはCPEおよびHA力 価の両方を生じ、それらは2〜32の範囲であった。3つの全ての培養系において 、HA力価を決定するためにモルモット赤血球を使用することは必要であり、ニワ トリ赤血球を凝集しなかった。このことは、BurnetおよびBullによって最初に記 載されている。Vero細胞株におけるインフルエンザA(H2N2)ウイルスの複製が 抗原変異を選択し得るかどうかを調べるために、本発明者らはこの系で3回継代 したウイルスを分析した。リファレンスA(H3N2)インフルエンザ株に対するポ リクローナル抗血清およびモノクローナル抗HA抗体を使用したHAの反応性のパ ターンは、Vero細胞において単離された株間で差異を示さなかった(結果示さず )。これらの結果は、Vero細胞は有用であり、そしてインフルエンザA(H3N2) ウイルスの初回単離のためにMDCK細胞とほとんど同じくらい感受性のある培養系 を提供することを示す。ウイルス感染Vero細胞の超微細構造の特徴 : (i)インフルエンザウイルスがVero細胞に感染したかどうか、(ii)ウイルスが 他の上皮細胞におけるようにVero細胞の頂端表面から解離されるかどうか、そし て(iii)Vero細胞が他の上皮細胞で報告されるようにアポトーシスを受けるかど うか決定するために、本発明者らは、A/England/1/53[HG]インフルエンザウイル ス(20回継代)を用いて感染させた後、MDCK細胞と比較して、この系の超微細構 造の特徴を研究した。使用されるm.o.iで両タイプの細胞は、インフルエンザウ イルス感染細胞に典型的な核および細胞質の封入ならびに多くの出芽ビリオンを 示した。MDCK細胞におけるようにビリオンは、インフルエンザウイルスに感染し た上皮細胞に典型的な特徴であり、Vero細胞の頂端表面から解離された。MDCK細 胞およびVero細胞における出芽ビリオンは繊維状と思われた。両系における感染 細胞の画分は、アポトーシスを示す細胞障害性の変化を示した。核の変化は、ク ロマチンの断片化および凝集、核エンベロープへのクロマチンの辺縁趨向および 核エンベロープの泡化を含んだ。細胞質の変化は、凝集、多数の空砲形成、およ び「アポトーシス小体」を形成する細胞膜の泡化および小胞形成からなる。 これらの電子顕微鏡上での変化のアポトーシスの特徴を確認するために、Vero 細胞およびMDCK細胞におけるDNA断片化をアッセイした。組織化学的アッセイは 、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを使用した断片化DNAの3'-OH 末端へのジゴキシゲニン標識ヌクレオチドの付加およびフルオルセイン標識抗ジ ゴキシゲニン抗体を使用した反応による付加されたヌクレオチドの検出からなる 。感染Vero細胞および感染MDCK細胞は、このアッセイによりそれぞれ20%および 30%のポジティブ細胞を示したが、非感染細胞は、ネガティブであった。両Vero 細胞およびMDCK細胞において報告されたアポトーシス細胞のパーセントは、過小 評価され得る。なぜなら、アポトーシス細胞のいくつかは、これらの手順により 必要とされる多数の洗浄の間、基底から解離するようであるからである。特定の 細胞における標識は、クロマチンの凝集を示し得る核を有する球形の集まりの上 に鮮明に認められる。これらの結果は、感染Vero細胞および感染MDCK細胞の画分 が、アポトーシスの典型的な特徴であるDNAのヌクレオチド内(endonucleolytic )切断を受けることを示唆する。 本発明のプロセスの種々の改変は、本発明の精神から逸脱することなく行われ 得、そして本発明は添えられた請求の範囲において定義されたもののみに制限さ れることを意図されることはいうまでもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,C A,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI ,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,M G,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM, TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 カベリン,ニコライ ブイ. ロシア連邦 123098,モスクワ ユーエ ル.ガマレヤ 16,ザ ディー.アイ. イバネフスキー インスティテュート オ ブ ビロログ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. Vero細胞培養物におけるヒトインフルエンザウイルスの複製のプロセスで あって、インフルエンザウイルスの増殖サイクルを通して、培養培地中に約0.05 μg/mlの最少濃度のトリプシンの存在下で、インフルエンザウイルスを使用して Vero細胞を感染させる工程を包含する、プロセス。 2. 前記Vero細胞を1細胞あたり約1×10-5TCID50と約1×10-6TCID50との間 の感染多重度でインフルエンザウイルスを使用して感染させる、請求項1に記載 のプロセス。 3. 前記感染多重度が1細胞あたり約1×10-5TCID50と約1×10-6TCID50との 間である、請求項1に記載のプロセス。 4. 前記トリプシンが0.05μg/mlよりも高いトリプシン濃度を維持するために 、Vero細胞複製の間、培養培地へ調節的に加えられる、請求項1に記載のプロセ ス。 5. 前記トリプシンの濃度が増殖サイクルを通して約0.05μg/mlと約0.5μg/m lとの間で維持される、請求項1に記載のプロセス。
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