JPH11507395A - アルファ1a アドレナリン受容体拮抗薬 - Google Patents

アルファ1a アドレナリン受容体拮抗薬

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JPH11507395A JP9519091A JP51909197A JPH11507395A JP H11507395 A JPH11507395 A JP H11507395A JP 9519091 A JP9519091 A JP 9519091A JP 51909197 A JP51909197 A JP 51909197A JP H11507395 A JPH11507395 A JP H11507395A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規の化合物およびその誘導体、それらの合成、選択的α1aアドレナリン受容体拮抗薬としての使用に関する。これら化合物の1つの適用として良性前立腺肥大の治療がある。これらの化合物は、低血圧を併発することなく、アルファ1a受容体サブタイプに富む平滑筋組織を選択的に弛緩させる効力がある。これらの組織のひとつが尿道管を囲んでいることが確認されている。これらの化合物は低血圧を同時に誘発することなく、α1a受容体に富む平滑筋を選択的に弛緩させることができる。そのため、本出願化合物の有用性の1として、尿流障害を軽減することにより、男性の良性前立腺肥大を速やかに緩和することがあげられる。本出願化合物のその他の有用性として、ヒト5-α還元酵素阻害化合物との組合わせにより、即時的および長期的な良性前立腺肥大の作用の軽減が達せられることである。

Description

【発明の詳細な説明】 アルファ1a アドレナリン受容体拮抗薬 発明の分野 本発明は新規化合物、その誘導体およびそれらの合成とアルファ1aアドレナ リン選択的拮抗剤としての利用に関する。特に、本発明の化合物は良性前立腺肥 厚(BPH)の治療において有用である。本発明の背景 ヒトアドレナリン受容体はアルファ、ベータアドレナリン受容体に大別される 膜貫通型蛋白質である。両タイプの受容体ともカテコールアミン、ノルエピネフ リンおよびエピネフリンに結合することにより、末梢交感神経系の活性化を媒介 している。 ノルエピネフリンがアドレナリン神経終末において産生されるのに対し、エピ ネフリンは副腎髄質において産生される。これら化合物に対するアドレナリン受 容体の親和性に基づいてクラス分けが形成されている。アルファ受容体はエピネ フリンよりもノルエピネフリンにより強く結合し、さらに合成化合物であるイソ プロテレノールにより強く結合する。これらホルモン の結合親和性の順位はベータ受容体では逆である。多くの組織では、アルファ受 容体刺激による平滑筋収縮のような機能的応答性はベータ刺激では逆の反応を示 す。 後に、アルファ、ベータ受容体の機能的な差異は、様々な動物や組織の受容体 を薬理学的に特徴付けることにより、さらに注目され詳細に解析された。その結 果、アルファおよびベータアドレナリン受容体はさらにα1、α2、β1およびβ2 サブタイプに細分類された。α1とα2受容体の機能的な差異が確認され、これら 2つのサブタイプに対して、選択的結合性を示す化合物が開発された。例えば、 国際出願公開第92/0073号において、テラゾシンのR(+)エナンチオマーがアル ファ1サブタイプのアドレナリン受容体へ選択的に結合する能力が報告されてい る。α2受容体の作用薬刺激はエピネフリンおよびノルエピネフリンの分泌を抑 制し、一方α2受容体の拮抗阻害はこれらホルモンの分泌を亢進するといわれて いることから、この化合物のα1/α2選択性は重要であると開示されている。例 えば、フェノキシベンズアミンやフェントールアミンのような、非選択的なアル ファ-アドレナリン受容体遮断薬はそのα2アドレナリン受容体を介して、血漿中 カテコールアミン濃度が上昇し、これに 付随して生理的続発症(心拍数の増加や平滑筋収縮)が起ることから、その使用 は制限されている。 α-アドレナリン受容体の一般的な背景を理解するためには、 Robert R.Ruff olo,Jr.,α-Adrenoreceptors:Molecular Biology,Biochemistry and Pharmacol ogy,(Progress in Basic and Clinical Pharmacology series,Karger,1991)を研 究するべきであり、本書においてα1/α2サブクラス分けの基本、分子生物学、 信号伝達(G-蛋白質との相互作用、これに重要な部位の位置およびアルファア ドレナリン受容体の3’-末端から離れた位置でのリガンド結合活性)、作用薬構 造活性相関、受容体機能およびα-アドレナリン受容体親和性を示す化合物の治 療的適用が研究されている。 動物組織からのアルファ受容体サブタイプのクローニング、配列決定および発 現により、α1受容体はさらにα1a,(Lomasneyら,J.Biol.Chem., 266:6365-636 9(1991),ラットα1a;Brunoら,BBRC,179:1485-1490(1991),ヒトα1a)とα1b(Cot ecchiaら,PNAS,85;7159-7163(1988),ハムスターα1b;Libertら,Science,(1989) ,イヌα1b;Ramaraoら,J.Biol.Chem.,267:21936-21945(1989),ヒトα1b)にサブ クラス分類されるように なり、最も新しくは、牛の脳を用いた研究から、新規のα1cサブタイプが提案さ れた(SchwinnらJ.Bio.Chem 265:8183-8189(1990), Hirasawaらは、ヒトα1c アドレナリン受容体のクローニング、機能を有した分子の発現および組織分布を 記述し(BBRC 195:902-909(1993))、Hoecheらは、α1cアドレナリン受容体遺 伝子において二対立遺伝子Pst1制限断片多形が存在することについて特に言及し (Human Mol.Genetics 1(5):349(8/92))、他の研究でα1d受容体サブタイプも 存在しうることが示唆されている(PerezらMol.Pharm.,40:876-883,1992参照) 。各α1受容体サブタイプには固有の薬理学的特異性および組織特異性がある。S chwinnおよび共同研究者らはクローニングされた牛α1c受容体はα1aについて提 案された薬理学的特性を示すことについて特に言及している。しかし、α1aサブ タイプが発現している組織には発現していないこと、およびクロロエチルクロニ ジンに対する感受性から本受容体は新たなクラス名が与えられた。 α-アドレナリン受容体サブタイプにおける差異は病体生理学的異常と対応し ている。良性前立腺肥大あるいはBPHとの名でも知られている良性前立腺肥厚は 概して五十歳以上の男性に 発症し、年齢とともに重篤化していく。本疾患の症状は(必ずしも限定されない が)排尿障害の亢進と性的不能である。これらの症状は前立腺の肥厚あるいは肥 大によって誘発される。前立腺が肥大化することにより、男性の尿道を通過する 体液の自由流動が阻害される。肥大化した前立腺のノルアドレナリン神経支配が 亢進し、膀胱の付け根および尿道のアドレナリン刺激による緊張が増し、これに 付随してさらに尿道の尿の流れが制限されることになる。 前立腺肥大において、男性ホルモンの5α-ジヒドロテストステロンが主要な 原因として確認されている。男性性器において永続的に産生される5α-ジヒド ロテストステロンが男性の一生を通じて前立腺の増大を誘導する。多くの男性に おいて約五十歳をすぎると、肥大化した前立腺が尿道をふさぎ始め、先に記述し たような病理的兆候が現れはじめる。 先に要約した本疾患の機作を解明することにより、近年疾患のコントロールに 有効な薬剤が開発され、一方多くのケースでは逆にBPHを悪化させる結果となっ た。前者の薬剤としては 本化合物はテストステロンを5α-ジヒドロテストステロンに 変換するテストステロン5-アルファ還元酵素を阻害することにより、前立腺肥大 の進行を抑制し、あるいは時には前立腺を小さくする。 ールへの良い前兆である。しかし、本症候群の進行期間が長い事から類推される ように、その回復も即時的なものではない。BPHに罹患している患者は苦痛が持 続するうち、実際には、薬剤が十分即時的に作用するとの望みを失う。 本課題に応じて、一つの解決策として、即時的に苦痛を軽減することにより、 遅効型の治療法を補う薬理学的に活性な化合物を見出すことがあげられる。アル ファ1アドレナリン受容体に結合し、本疾患の要因となっているアドレナリン刺 激による緊張を軽減することにより、尿道平滑筋を弛緩させる薬剤が本活性の優 れた候補である。これら薬剤のひとつがアルフゾシンであり、この薬剤はEP0204 597で前立腺肥大の患者において排尿を誘発することが報告されている。同様に 国際出願公開92/0073において、テラゾシンのR(+)エナンチオマーがアドレナ リン受容体α1サブタイプに対して結合する選択性が報告されている。これに加 えて、国際出願公開92/161213において、 5-α-還元酵素阻害化合物およびα1-アドレナリン受容体遮断薬(テラゾシン、 ドキサゾシン、プラゾシン、ブナゾシン、インドラミン、アルフゾシン)の組み 合わせが開示されている。しかし、これら化合物のα1a,α1b又はα1cサブ タイプに対する特異性に関する情報が提供されていないため、これらデータおよ びそのBPH治療法としての適用性は不明であった。BPHの最近の治療では、プラゾ シン(Minipress,Pfizer),テラゾシン(Hytrin,Abbot)あるいはドキザゾシンメ シレート(Cardura,Phizer)のような非選択性α1拮抗薬投与が用いられている 。これら非選択的拮抗薬は末梢血管のα1aおよびα1b受容体を阻害することによ り起立性低血圧や卒倒などの副作用を有する。 一般的にはアドレナリン受容体に富むことが知られている動物組織を用いるこ とにより、活性化合物を見出している。例えば、有効なアドレナリン受容体拮抗 薬のスクリーニングには、ラットの組織が用いられている。しかし、種多様性に より、動物組織において活性を示した化合物がヒトでは、活性や十分な選択性を 示さないこともある。このことは時間と努力の大きな浪費であり、特に大量の化 合物を使用するスクリーニング計画を採用する場合には重大な問題である。また 、ヒトにおいて高 い選択性を示す化合物が、異種である動物の受容体に対して十分な親和性を有さ ないために、見逃されてしまう危険性がある。この危惧に対して、ある種におい て生物学的に活性を有する蛋白質のアミノ酸配列においてただ1つのアミノ酸が 変わっただけで、薬理学的に大きな差異が生ずることが注目されている。例えば 、Fongらは、ヒトのニューロキニン-1受容体とラットの同様の受容体では22ア ミノ酸残基の違いがあることを報告している(J.Biol.Chem., 267:25668-25671 ,1992)。彼らはさらに変異受容体を用いた実験で、ヒトの受容体にラット受容 体の拮抗薬に対して結合親和性を有するように再生成するためには、ただ2つの アミノ酸残基を置換させるだけで、必要かつ十分であることを報告している。Ok senbergらは、ヒトおよび齧歯類の5-ヒドロキシトリプタミン受容体間での重大 な薬理学的多様性は一つのアミノ酸が異なることによることを示している(Natu re,360:161-163,1992)。同様にKuhseらは一つのアミノ酸が置換することにより 、新生ラットのグリシン受容体サブユニットの薬理反応が変化することを報告し ている(Neuron,5:867-873,1990)。このように困難でかつ予測がつかないこと から、ヒトにおいて活性を示す化合物を見出せるスク リーニングの必要性がある。 ヒトアドレナリン受容体のα1cサブタイプのクローニング(ATCC CRL 11140 )およびヒトα1cアドレナリン受容体に特異的に作用する化合物を見出すことが できるスクリーニングアッセイを用いることにより、これらの問題は解決された [PCT国際出願公開第94/08040号,1994.4月刊行および国際出願公開第94/10989 号,1994.5月刊行]。本特許公開で開示されたように、クローニングされたヒ トα1cアドレナリン受容体およびヒトα1cアドレナリン受容体に結合する化合物 を見出す方法により、現在ではBPH治療に有効なヒトα1cアドレナリン受容体選 択的拮抗剤の同定が可能となった。本特許公開ではヒトα1cアドレナリン受容体 に選択的に結合する新規化合物が開示されている。これらの化合物はさらに他の タイプの受容体に対するカウンタースクリーニングと同様に、他のヒトα1受容 体サブタイプに対する結合性を試験し、本発明の化合物のヒトα1cアドレナリン 受容体に対する特異性を明らかにした。 メペリジンおよびノルメペリジンは沈痛薬として有用なオピオイド受容体リガ ンドとして知られている[Jansen,P.A.らJ.Med.Chem.1(4),309(1959)]。本発明 の化合物は構造的に一 部変更したノルメピリジン誘導体であるが、選択的アルファー1a受容体拮抗薬で あり、オピオイド受容体結合性を欠いていることが、確認されている。 よって本発明の化合物はオピオイド受容体に結合することに付随する副作用を 発現することなくBPHの急性症状を軽減するため有用である。このように、本発 明の化合物は単独、あるい ド)を含むテストステロン5-アルファ還元酵素阻害剤などと組み合わせて使用す ることが可能である。BPH治療薬としての利用以外にも、これら化合物は、望ま れる場合には、高い組織特異性をもって存在しているα1cアドレナリン受容体を 遮断することができる。本遮断作用による効果には眼内圧低下、不整脈のコント ロールおよびα1c受容体を介した中枢神経系作用の多くが含まれる。用語 最近、Fordらより提唱された分類要綱[α1-アドレナリン受容体クラス分け:S harpening Occam's Razor.Trends in Pharm.Sci. 1994,15,167-170]に類似 した、α1アドレナリン受容体(α1-AR)クラス分類法が1994年8月にカナダの モント リオールにおいて開催された、国際薬理学会(IUPHAR)の会合において採択され た。以前にはα1a/d,α1bおよびα1cとして知られていたα1-AR遺伝子は、それ ぞれα1d,α1bおよびα1aと新たに命名された。本新規命名法はα1aおよびα1b 遺伝子(新規IUPHAR命名法による)によりコードされている蛋白質と従来の薬理学 的方法によりそれぞれ文献においてα1Aおよびα1Bとされてきた受容体との対応 を反映している。組換え受容体および薬理学的に特徴付けられる組織中の受容体 は下付きおよび上付き小文字でそれぞれ区別される。 背景の部分での記述では以前のクラス分類要綱を使用した(例えば、α1a/d, α1bおよびα1c)が、それ以降では新しいクラス分類(α1d,α1bおよびα1a) を用いる。例えば、以前α1c受容体(およびα1c受容体拮抗薬)と表示したも のは、以降は、新規名を用いてα1a受容体(およびα1a受容体拮抗薬)と表示 する。発明の概要 本発明は次式で示される化合物およびその薬剤学的に許容される塩を治療効果 が得られる量で投与することを含んで成る、α1aアドレナリン受容体拮抗作用に より治療が可能である症状 の治療法を提供する。 本構造式において AはC-R2またはNから選択し、 XがNでありR1が存在しない場合を除いて、XはCあるいはNであり、 R1は水素、ハロゲン、C1-8アルキル、モノ-、ジ-あるいはトリ-ハロゲン化C1 -8 アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、CONR45あるいはC3-8シクロアル キルから選択し、 R2は水素、シアノ、CONR45あるいはCO24であり、 R3は水素、シアノ、CONR45、CO24又はSO24から選択し、 R4およびR5はそれぞれ水素、C1-8アルキルあるいはC3-8シクロアルキルから 選択する。 望ましくは、本法で用いられる化合物は、 より選択される。 ここで、X,R1およびR3は上記の定義と同じである。 アルファ1aアドレナリン受容体拮抗作用による治療が可能な症状を治療する方 法である本発明の一具体例において、 R1は水素、ハロゲン、C1-6アルキル、モノ−、ジ−、トリ−ハロゲン化C1-6 アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、CONH2あるいはC3-6シクロアルキル であり、 R3は水素、シアノ、あるいはCO24より選択し、 R4およびR5はそれぞれ独立して、水素、C1-6アルキルあるいはC3-6シクロア ルキルより選択するもの、 および薬剤学的に許容されるその塩が使用される。 α1aアドレナリン受容体拮抗作用による治療が可能な症状を治療する方法であ る本発明の一クラスでは、 XはC、R1は水素、塩素、C1-4アルキル、トリ−ハロゲン化 C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、シアノあるいはCONH2から選択し、 R2は水素、シアノ、CONH2あるいはCO24から選択し、 R3は水素、シアノ、あるいはCO2CH2CH3から選択し、 R4は水素、C1-4アルキルあるいはC3-6シクロアルキルより選択したもの および薬剤学的に許容されるその塩が使用される。 α1aアドレナリン受容体拮抗作用による治療が可能な症状を治療する方法である 本発明の一サブクラスでは、化合物は次式を有するもの、あるいはその塩であり 、 ここで、 R1は水素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、シアノあるいはC ONH2から選択し、R2は水素、シアノ、CONH2、CO2H、CO2CH3、C O2CH2CH3、CO2(CH23CH3又はCO2シクロヘキシルから選択する。 α1aアドレナリン受容体拮抗作用による治療が可能な症状を治療する方法であ る本発明の実例としては化合物は およびその薬剤学的に許容される塩から選択し、本式においてR2は水素、シア ノ、CO2HあるいはCO2NH2である。 アルファ1aアドレナリン受容体拮抗作用による治療が可能な症状を治療する方 法である本発明の実例としては化合物は次式を有するもの、および薬理学的に許 容されるその塩である。 本発明の実例は、方法であり、化合物は 4-シアノ-4-(2-トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン 4-シアノ-4-(2-メチルフェニル)ピペリジン 4-(2-シクロフェニル)-4-シアノピペリジン 4-(2-シクロフェニル)-4-(メトキシカルボニル)ピペリジンおよび薬理学的に許 容されるこれら化合物の塩より選択される。 アルファ1aアドレナリン受容体の拮抗作用による治療が可能な症状には前立腺 肥大、排尿障害、性的不能および高眼圧症が含まれるが、これらに限定されるわ けではない。本発明において有用である化合物はナノモル濃度でヒトα1aアド レナリン受容体選択的に拮抗するのに対し、アルファ1dおよび1bヒトアドレナリ ン受容体およびその他のG-蛋白質結合受容体に対し少なくとも5倍低い親和性 を示す。本発明の方法において選択的アルファ1aアドレナリン受容体拮抗薬を使 用することにより、末梢性アドレナリン刺激遮断に関連した副作用が軽減される 。これらの副作用には低血圧、失神、無気力などがあげられる。 更なる発明の実例は、治療が必要な前立腺肥大患者における治療方法であり、 本治療法は患者に先に記述したいずれかの化合物を、治療効果がある用量投与す ることから成る。 更なる発明の実例は治療が必要な患者の尿道平滑筋を弛緩させる方法であり、 本治療法は患者に先に記述したいずれかの化 合物を、治療効果がある用量投与することから成る。 さらなる発明の実例は前立腺肥大の苦痛軽減あるいは尿道平滑筋弛緩作用を示 すが、これに付随して血圧は低下させないような用量の投薬によるBPH治療法あ るいは尿道平滑筋弛緩法である。 より具体的な本発明の実例は本化合物をテストステロン5-α-還元酵素阻害剤 の投与と組み合わせて投与するBPHの治療法あるいは尿道平滑筋の弛緩法である 。望ましくは、テストステロン5-α-還元酵素阻害剤は1型阻害剤、2型阻害剤 あるいは1型阻害剤および2型阻害剤の併用(例えば、先に記述した化合物のい ずれかと1型テストステロン5-α還元酵素阻害剤および2型テストステロン5-α 還元酵素阻害剤両剤との組み合わせによる3成分の組合わせ)あるいは1型2型 テストステロン5-α還元酵素二重阻害剤である。より好ましくは、テストステロ ン5-α還元酵素が2型テストステロン5-α還元酵素阻害剤である。さらに好まし くは、テストステロン5-α還元酵素がフィナステライドである。 本発明のより特定的な例は前立腺肥大の治療あるいは尿道平滑筋を弛緩させる 薬剤の製造に上述のいずれかの化合物を使用 することである。 本発明のその他の例としては前立腺肥大の治療あるいは尿道平滑筋弛緩に有用 な薬剤であり、本薬剤の有効成分が上述の化合物のいずれかである場合である。発明の詳細な説明 本発明の典型的な化合物はヒトのα1aアドレナリン受容体に対して高い選択性 をしめす。この選択性には、これらの化合物が拡張期血圧に大きく影響すること なく選択的に尿道内圧を低下させる選択性の意味が含まれる。 本発明中の方法で使用される代表的な化合物はヒトアルファ1aアドレナリン受 容体サブタイプに対して、マイクロモル以下の親和性を示すのに比べ、ヒトアル ファ1dおよびアルファ1bアドレナリン受容体サブタイプおよびその他の多くのG -蛋白質結合ヒト受容体に対して少なくとも5倍低い親和性を示す。本発明の望 ましい化合物は、ヒトアルファ1aアドレナリン受容体サブタイプに対して、ナノ モルの親和性を示す一方、ヒトアルファ1dおよびアルファ1bアドレナリン受容体 サブタイプ、オピオイド受容体およびその他の多くのG-蛋白質結合ヒト受容体 に対して少なくとも10倍低い親和性を示す。 これら化合物はBPHのように、この治療が必要である状況においてアルファ1a 受容体に拮抗するのに効果的な用量で投与される。医薬で使用する場合には、本 発明の化合物の塩は非毒性の“薬剤学的に許容される塩”を示す。しかし、本発 明に従った化合物の合成あるいはそれらの薬剤学的に許容される塩の合成におい て他の塩の使用も可能である。本発明の化合物の薬剤学的に許容できる適した塩 には、例えば本発明による化合物溶液を塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コ ハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸あるいはリン酸の ような薬理学的に許容される酸の溶液と混和することにより合成される酸付加塩 が含まれる。さらに、本発明の化合物が酸性基を含む場合には、適した薬剤学的 に許容されるそれらの塩としては、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカ リウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩、適し た有機リガンドと結合した塩、例えば四級アンモニウム塩等があげられる。例え ば、薬剤学的に許容される塩の典型例としては、以下のものがあげられる。 酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸 塩、ホウ酸塩、臭化物、カルシウム塩、カム シレート、カーボネート、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エ デト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテ ート、グルコネート、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレ ゾルシネート、ヒドラバミン、臭素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨ ウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオネート、ラウリン酸塩、マレート 、マレイン酸塩、マンデレート、メシル酸、メチルブロマイド、メチルニトレー ト、メチルスルフェート、ムコン酸塩、ナプシレート、硝酸塩、N-メチルグル カミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、オキザレート、パモエート(エンボネー ト)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツ ロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、スバセテート、コハク酸塩 、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクラート、トシラート、トリエチオジドおよび 吉草酸塩。 本発明はその範囲に本発明の化合物のプロドラッグを含む。一般に、これらの プロドラッグは生体内において容易に望まれる化合物に変換されるような本化合 物の機能的誘導体である。慣用的なプロドッラッグ誘導体の通常の選択および合 成法は例 えばH.Bundgaar,Elsevierの”プロドラッグのデザイン”1985、において記述さ れている。これら化合物の代謝産物は本発明の化合物が生体内環境に取り入れら れることによって生成された活性種が含まれる。 本発明による化合物が少なくとも一つのキラル中心をもつ場合は、鏡像異性体 が存在する。本発明による化合物が2つあるいはそれ以上のキラル中心を持つ場 合には、さらにジアステレオマー異性体が存在する。これら全ての異性体および それらの混合物は本発明の範囲に含まれることは認識されなければならない。更 に、本発明の化合物の結晶体は多形として存在するものがあるが、本発明はこれ ら多形をも含むことを意図している。さらに、本発明の化合物の中には、水との 溶媒和物(すなわち水和物)あるいは一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成するも のがある。これら溶媒和物も本発明の範囲に含まれる。 “アルキル”との用語は総炭素原子が1から10までの直鎖あるいは分枝アル カン(すなわちメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、s− ブチル、t−ブチル等)を意味する。 “アルケニル”との用語は炭素原子が2から10の直鎖ある いは分枝アルケンを意味する。 “アリール”との用語はここでは、特に定義した場合を除き、フェニルやナフ チルのような、非置換、モノ-あるいはポリ-置換芳香族基を示す。 “シクロアルキル”との用語は総炭素数が3から8の環状アルカン(すなわち シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプ チルあるいはシクロオクチル)を意味する。 “アルキル”、“アリール”あるいは冠詞としてそれらの語根が置換基の名前 につく(例えばアラルコキシアリールオキシ)場合には、先に記載した“アルキ ル”あるいは“アリール”のむ制限を含むと解釈する。炭素原子に付けられた数 字(例えばC1-10)はそれぞれアルキルあるいはシクロアルキル基の炭素数ある いはアルキルが冠詞語根としてつくより大きな置換基ではアルキル部位について 言及する。 “ハロゲン”との用語はヨウ素、臭素、塩素およびフッ素を含む。 “置換され”との用語は示された置換基による複数の置換を含むものと解釈す る。ここで使用される“ポリ-置換された”は 示された置換基によるジ-、トリ-、テトラ-およびペンタ-置換を含む。 多数の置換基が開示あるいは特許請求されている場合には、置換化合物は独立 して一つ或いはそれ以上の開示あるいは特許請求された置換基によって一あるい は複数置換され得る。 ここで用いられるヘテロサイクルあるいはヘテロサイクリックリングとの用語 は飽和あるいは非飽和の非置換あるいは置換された安定な5から7員単環系を表 し、これらは、炭素原子およびN,OあるいはSのうちの1つから3つの異原子 から構成され、窒素および硫黄原子は任意に酸化されることが可能であり、また 窒素異原子は任意に4級化されることも可能である。複素環は異原子あるいは炭 素で結合し、その結果安定な構造をとることが可能である。このような複素環基 の例にはピペリジニル、ピペラジニル、オキソピペラジニル、オキソピペリジニ ル、オキソピロリジニル、オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、ピロリジ ニル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミ ダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダ ジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソキ サゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、 チアジアゾリル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニル スルホキシド、チアモルホリニルスルホンおよびオキサジアゾリルがある。モル ホリノはモルホリニルと同義である。 ここで用いられる“患者”との用語は治療、観察および実験の対象になる動物 、望ましくは哺乳類、最も望ましくはヒトを意味する。 ここで用いられる“治療的に有効な用量”とは研究者、獣医、医師あるいはそ の他の医療従事者により観察される、組織、器官、動物あるいはヒトにおいて生 化学的あるいは医療学的反応性を示す活性化合物あるいは薬剤の量を意味する。 ここでいう反応性には治療している疾患の症状の緩和を含む。 本発明は薬剤学的に許容される担体と組合せた本発明の1つあるいはそれ以上 の化合物からなる薬剤組成物も提供する。これらの組成物は経口、非経口、鼻腔 内、舌下あるいは直腸投与、あるいは吸入または吹入投与のために、例えば錠剤 、丸薬、カプセル、粉末、顆粒、無菌非経口溶液あるいは懸濁液、計量しながら 供給される吸入剤あるいは液体スプレー、ドロップ、ア ンプル、自動注入デバイスあるいは座薬として1回の投薬単位量で形成するのが 望ましい。あるいは、本組成物は一週間に一回あるいは一ヶ月に一回投与に適し たような形態にすることも可能であり、例えば、デカノエート塩のような活性化 合物の非溶解性塩は筋肉内投与のためのデポー製剤を提供するよう適応させるこ とができる。 錠剤のような、固形組成物を調合するために、主要活性成分を、例えば、コー ンスターチ、乳糖、しょ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン 酸マグネシウム、リン酸カルシウムあるいはゴムなどの慣用的な錠剤形成用成分 のような薬剤学的担体および、水のようなその他の希釈剤と混和し、本発明の化 合物、あるいはその薬剤学的に許容される塩の均一な混合物を含んだ固形予備調 剤組成物を作製する。 これら予備調剤組成物について“均質な”と表現する場合、それは活性成分が 錠剤、丸剤およびカプセルなど有効な単位用量を等しく含んだ剤形に容易に分け る事ができるよう、組成物中に均一に分散されていることを意味する。この固形 予備調剤組成物は本発明の活性成分を0.1から約500mg含んだ先に記述した型の単 位用量の剤形に小分けされる。新規組成物の錠剤あ るいは丸剤は活性を長くする利点をもたらすような投薬剤形を供給するためにコ ーティングしたり、あるいはその他の方法で調合することができる。例えば、錠 剤あるいは丸剤は内部の調剤成分と外部の調剤成分から構成されえるが、後者は 前者を包う外包体の形態である。胃における崩壊を阻害し、内部成分がそのまま 十二指腸まで通過できるよう、あるいは放出を遅らせるような腸溶性の層によっ て二成分は分ける事ができる。このような鷹溶性層あるいはコーティングにはセ ラック、セチルアルコールおよびセルロースアセテートなどのような多くの重合 酸および重合酸の混合物などのような様々な物質が使用可能である。 本発明の新規成分が経口あるいは注射投与のために混合される液体剤形として は、エリキシルや類似の薬剤学的基剤などと同様に水性溶液、適当に風味付けが されたシロップ、水性あるいは油性懸濁液および綿実油、ごま油、ココナッツ油 あるいはピーナッツ油などの食用油との風味付けがされたエマルジョンがあげら れる。水性懸濁液に適した分散あるいは懸濁化剤としてはトラガカント、アカシ ア、アルギネート、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メ チルセルロース、 ポリビニル-ピロリドンあるいはゼラチンなどの人工および天然ゴムがあげられ る。 本発明に従って化合物を合成する過程で立体異性体の混合物が生成し、これら 異性体は分取用クロマトグラフィーなど慣用的な技術で分離することができる。 化合物はラセミ体として合成することができ、あるいは、それぞれのエナンチオ マーはエナンチオマー特異的な合成あるいは分割によって合成することができる 。例えば、光学活性な酸、例えば(-)-ジ-p-トルオイル-d-酒石酸および/あるい は(+)-ジ-p-トルオイル-l-酒石酸との塩を形成し、その後分画結晶化および 遊離塩基を再生成することによるジアステレオマ対の形成などの標準的な技術を 用いることにより、化合物をその成分であるエナンチオマーに分割することがで きる。化合物はジアステレオメリックエステルあるいはアミドを合成し、その後 クロマトグラフィーで分離し、キラル補助体を除くことによっても分割すること ができる。あるいは、キラルHPLCカラムを使用して分割することもできる。 本発明の化合物の合成におけるいずれの工程中においても、当該いずれの分子 における感受性あるいは反応性基を保護する ことが必要および/あるいは望ましいことがある。この事は、J.F.W.McOmieによ って編集された「有機化学における保護基」Plenum Press,1973 およびT.W.Gree neとP.G.M.Wutsによる「有機合成における保護基」John Wiley&Sons,1991に おいて記述されている慣用的な保護基を用いる方法で達成される。保護基は当業 界において知られている方法を用いた、その後の適切な反応方法で除く事ができ る。 アルファ1a受容体に対する親和性を示す化合物の結合の特異性はα1a受容体 を発現する形質転換した細胞系より得られた膜への親和性とそれ以外のタイプの アルファ受容体(例えばアルフア1d、アルファ1b)あるいはベータアドレナリン 受容体を発現することが知られている細胞系や組織由来の膜への親和性を比較す ることによって示す。クローニングされたヒトアルファ1d、アルファ1bおよびア ルファ1a受容体の発現および既知の選択的拮抗薬に対するそれらの結合特性を比 較することによって予測できる薬理活性を有した新たな化合物を選択あるい発見 する合理的な方法が提供される。これら化合物によるヒトアルファ1aアドレナリ ン受容体サブタイプの拮抗作用は麻酔された動物において機能的に明らかにする ことができる。これら の化合物は起立性低血圧作用を示さずに尿流を増加させるために使用することが できる。 本発明の化合物は選択的にアルファ1a受容体に結合できることから、BPHの治 療において有用である。アルファ1aに対する親和性を示す本化合物の結合の特異 性をそれ以外のαタイプの受容体およびβ受容体に対する結合親和性と比較する 。ともに引用文献として本明細書に組入れられている1994年4月14日に公開され たPCT国際出願公開第94/08040および1994年9月29日に公開された国際出願94/216 60において記述されているように、1aサブタイプのヒトアルファアドレナリン受 容体が最近同定、クローニングおよび発現された。 クローニングされたヒトア ルファ1a受容体は哺乳類の株化細胞に発現され、受容体に結合しその機能を変 化させるリガンドの発見に使用される。クローニングされたヒトアルファ1d,ア ルファ1bおよびアルファ1a受容体を発現させ、それらの既知の選択的拮抗薬に対 する結合特性を比較することにより、合理的な化合物の選別法および予想される 薬理活性を有する化合物を見出す方法が提供される。 ヒトアルファ1aアドレナリン受容体に対する拮抗作用を示 す本発明の化合物はカウンタースクリーニングにより更に特性を明確にすること ができる。このことは様々な生理機能を媒介するその他の受容体を用いて当業界 において既知の方法に従い行う。[ともに要旨が引用文献として本明細書に組入 れられている1994年5月26日に公開されたPCT国際出願公開第94/10989および199 5年4月4日に刊行された米国特許第5,403,847を参照]。様々なヒトアルファ1 アドレナリン受容体サブタイプに対して選択性を示すとともに、その他の受容体 、例えばα2アドレナリン受容体、β-アドレナリン受容体、ムスカリン受容体、 セロトニン受容体およびその他の受容体に対しては低い親和性を有する化合物が 特に望ましい。本明細書において開示されている様々なヒトα1アドレナリン受 容体に対して高親和性を有する化合物の同定に用いられた方法に類似した方法に おいてもクローニングされ発現された受容体を用いることによりこれらの非特異 的活性のないことが確認できる。更に、アルファ1aアドレナリン受容体拮抗薬と して同定された化合物の効果を確認するために機能的生物試験が用いられる。 本発明はまた本発明の新規な治療方法に用いるのに適した局所、経口、全身性 および非経口薬剤剤形を提供することを目的 とする。ヒトアルファ1a受容体に対して特異的に拮抗するために使用する場合に は、本発明の化合物を活性成分として含有する化合物は全身投与において慣用的 な基剤中で治療投与量を含んだ様々な剤形で投与することが可能である。例えば 、化合物は錠剤、カプセル(それぞれ適時に放出する調剤、持効性調剤を含む) 、丸剤、粉末、顆粒、エリキシル、チンキ、溶液、懸濁液、シロップおよびエマ ルジョンのような経口調剤剤形あるいは注射による投与が可能である。同様に、 それらは静脈内(大量瞬時投与(bolus)および点滴(infusion))、腹腔内、 皮下、吸蔵が有るまたは無い局所あるいは筋肉内投与剤形、薬学領域における当 業者によってよく知られ使用されているあらゆる剤形によって投与が可能である 。望まれる化合物の有効であるが無毒性の用量をアルファ1a拮抗薬として使用す ることが可能である。 都合の良いことに本発明の化合物は一日服薬量を一回で、あるいは総服薬量を 一日2、3あるいは4回服薬量に分けて投与することも可能である。更に、本発 明の化合物は適した鼻腔内基剤を使用することで、鼻腔内投与剤形で局所的に、 あるいは当業者においてよく知られている経皮吸収用スキンパッチの剤 形を用いて経皮経路での投与が可能である。経皮デリバリーシステムの剤形で投 薬されることにより、当然であるが断続的に薬物を摂取した場合に比べ、薬物の 投与はより持続的である。 本発明の化合物を用いた摂取服薬量は患者のタイプ、種類、年齢、体重、性別 および疾患の状態、投与経路、患者の腎および肝機能および使用する化合物など 様々な要因に従って選択される。一般的知識を有する内科医および獣医は容易に 症状の進行を抑制、妨げあるいは阻止するのに効果的な量を決め、処方できる。 毒性を示さずに効果を生ずる範囲内に薬物濃度が達しているよう、最良の精度を 得るために標的部位への薬物の有効性の動態に基づいた服薬が必要である。これ には吸収、平衡および排出が含まれる。 本発明の方法において、ここに詳細に記述されている化合物は活性成分を形成 することが出来、また、経口錠剤、カプセル、エリキシル、シロップおよび類似 の剤形など投与しようとする剤形に応じて、また、一般的な調剤の慣例に矛盾し ないように適切に選んだ、薬剤学的希釈剤、賦形剤および担体(正確にはここで は“担体(キャリアー)”物質とよぶ)とともに混合剤として一般的に投与する 。 例えば、錠剤やカプセルなどの剤形による経口投与には、活性薬物成分はエタ ノール、グリセロール、水やその他の経口性、無毒性な調剤学的に許容できる不 活性の担体と組み合わせる事が可能である。更に、望ましいあるいは必要である 場合には、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤も混和物に混ぜる事がで きる。適した結合剤としては、デンプン、ゼラチン、ぶどう糖、ベータ乳糖およ びコーン甘味料などの天然の糖や、アカシア、トラガカントあるいはアルギン酸 ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス およびこれらに類するもののような人工のゴムがあげられるが、これらに限定さ れるものではない。これらの投与剤形に用いる賦形剤としては、オレイン酸ナト リウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリ ウム、酢酸ナトリウム、食塩およびこれらに類するものがあげられるが、これら に限定されるものではない。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒 天、キサンタンゴムおよびこれらに類するものがあげられるが、これらに限定さ れるものではない。 例えば、トラガカント、アカシア、メチルセルロースおよびこれらに類するよ うな人工および天然ゴムなどの適当な風味付 けされた懸濁剤あるいは分散剤で液体を調剤する。使用することができるその他 の分散剤としてはグリセリンおよびこれに類するものがあげられる。非経口投与 には、滅菌懸濁液および溶液が望ましい。静脈内投与が望ましい場合には、適当 な防腐剤を含んだ等張製剤を使用する。 本発明の化合物は小単ラメラベシクル、大単ラメラベシクルおよび多ラメラベ シクルのようなリポソームデイバリーシステム製剤での投与も可能である。リポ ソームはコレステロールやステアリルアミンあるいはホスファチジルコリンのよ うな様々なリン脂質から合成できる。 成分分子が結合している特有の担体としてモノクローナル抗体を使用して本発 明の化合物を送達(デリバー)することもできる。本発明の化合物は目標を定め ることができる薬剤担体としての溶解性ポリマーと結合させる事もできる。これ らのポリマーにはポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロ ピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェ ノール、あるいはパルミトイル残基で置換されたポリエチルエンオキシドポリリ ジンが含まれる。さらに、本発明の化合物は例えばポリ乳酸、ポリイプシロンカ プロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルソエステル、ポリアセタール、ポ リジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロケルの橋かけあるいは 両親和性ブロック共重合体などの薬物放出の調整を可能にするために使用する生 物分解性ポリマーの一種と結合させることができる。 ヒトアルファ1aアドレナリン受容体の特異的遮断が必要な場合には、本発明の 化合物は上記のいずれの混合物でも、当業界において確立されている服薬管理に 従って投与することができる。 本生成物の一日投与量は成人あたり一日0.01から1,000mgの広い範囲にわたっ ている。経口投与には、治療をうける患者に対して、症状にあわせて服薬量を調 整できるように活性成分を0.01,0.05,0.1,0.5,1.0,2.5,5.0,10.0,15.0 ,25.0,50.0,100および500mg含んだ錠剤剤形で本組成物は提供されることが望 ましい。典型的には薬剤は約0.01mgから約500mgの活性成分、望ましくは約1mgか ら約100mgの活性成分を含んでいる。本薬物の効果的な量は、一般的に一日、体 重あたり約0.0002mg/kgから約250mg/kgの服薬用量で供給される。望ましくは、 範囲は一日、体重あたり約0.001mg/kgから 100mg/kg、特に約0.001mg/kgから7mg/kgである。服薬管理下においては、本化合 物は一日あたり1から4回投与できる。 慣例の試験によって決定された、ヒトアルファ1aアドレナリン受容体に対して 最適な拮抗阻害が得られる一方、あらゆる毒性活性が最小化されるような適当な 用量で、本発明の化合物は単独で使用することができる。更に、BPHの作用を緩 和する他の薬剤を同時あるいは逐次服用することも望ましい。一具体例として、 本発明の化合物およびヒトのテストステロン5-α還元酵素阻害剤の投与があげら れる。この具体例には5-α還元酵素アイソザイム2の阻害剤が含まれる。現在で はこれら多くの化 ィナステライド、4-アザ-ステロイドとしても知られている;例えば本明細書に おいて引用として記載した米国特許第4,377,584号明細書および第4,760,071号明 細書参照)が含まれる。ヒト5-α還元酵素アイソザイム2に選択性があるために 、 ロン5-α還元酵素アイソザイム1の阻害に対して特異的に活性を有する化合物お よびアイソザイム1および2の両方に対して抑制作用を示す化合物の組合せは、 本発明の化合物との組合わ せにおいて有用である。5α-還元酵素阻害剤としての活性を有する化合物は国 際出願公開第93/23420号;EP0572166;国際出願公開第93/23050号;国際出願公 開第93/23038号;国際出願公開第;93/23048号;国際出願公開第93/23041号;国 際出願公開第93/23040号;国際出願公開第93/23039号;国際出願公開第93/23376 号;国際出願公開第93/23419号;EP0572165;国際出願公開第93/23051号におい て記載されており、それぞれの明細書は、本明細書において引用文献として含ま れる。 アルファ1aアドレナリン受容体およびテストステロン5−α還元酵素阻害剤を 組み合わせて使用する場合には、望まれる効果が得られるようにそれぞれの投与 用量を調整する。5-α還元酵素阻害剤およびα1aアドレナリン受容体拮抗剤の用 量は個別に最適化が可能であり、また、単剤で投与される場合よりも病状がより 緩和されるような相乗的結果が得られるよう組み合わせることも可能であり、こ の点は当業者に認識されているであろう。本発明の方法に従えば、組成物の個々 の成分は治療過程において異なった時間に別々に、あるいは組成物を分割または 単一の組成物として投与することが可能である。よって本発明は類似のあるいは 改良された全ての療法を含むと理解され、 “投与”との用語はこれに応じて解釈されなければならない。 さらに、本発明の望ましい具体例の一例として治療が必要な患者に本発明の化 合物をBPH治療において効果的なフィナステライドと組み合わせて投与すること から成るBPHの治療法が提供される。α1a拮抗剤と組み合わせて患者に投与され るフィナステライドの用量は患者一人あたり一日に約0.01mgから約50mgである。 望ましくは、組み合わせ中のフィナステライドの用量は患者一人当たり一日に約 0.2mgから約10mgであり、より望ましくは、患者一人当たり一日に約1から約7m gであり、最も望ましくは、患者一人当たり一日に約5mgである。 良性前立腺肥大治療には、アルファ1aアドレナリン受容体遮断作用を示す本発 明の化合物は、4、7β-ジメチル-4-アザ-5α-コレスタン-3-オンのような5α- 還元酵素1阻害剤に加えて、5α-還元酵素2阻害剤(例えばフィナステライド )の治療効果量と単回経口、全身あるいは非経口投与する薬理学的用量を含んだ 調剤として組み合わせることができる。あるいは、アルファ1aアドレナリン受容 体拮抗剤および5α-還元酵素1および2阻害剤は、経口、全身および非経口で 別々の投与調剤で投与することができる。たとえば、5α-還元酵素阻害剤の用 量およ び調剤について記載した米国特許明細書第4,377,584あるは4,760,071を参照する こと。 本明細書、特に反応経路および実施例において用いられている略語は以下のよ うである。 ACE-Cl=アルファ-クロロエチルクロロホルメート BocあるいはBOC=t-ブチルオキシカルボニル BOPCl=ビス(2-オキソ-3-オギザロリジニル)フォスフィニッククロライド Cbz-Cl=ベンジルオキシカルボニルクロライド DAST=ジエチルアミノスルフルトリフルオライド DEAD=ジエチルアゾジカルボキシレート DMF=N,N−ジメチルホルムアミド EDCI=1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドヒドロクロライ ド Et=エチル Et3N=トリエチルアミン EtOAc=エチルアセテート EtOH=エタノール FABLRMS=高速原子衝撃分解マススペクトル HPLC=高性能液体クロマトグラフィー HOAc=酢酸 HOBt=1-ヒドロキシベンゾトリアゾールハイドレート i-PrOH=2-プロパノール i-Pr2NEt=ジイソプロピルエチルアミン Me=メチル MeOH=メタノール NMP=1-メチル-2-ピロリジノン NMR=核磁気共鳴 PCTLC=分取遠心薄層クロマトフラフィー PEI=ポリエチレンイミン Ph=フェニル RT=保持時間 TFA=トリフルオロ酢酸 THF=テロラヒドロフラン TLC=薄層クロマトグラフィー 本発明の化合物は、容易に利用できる出発材料、試薬および慣用の合成手法を 用い、以下の反応経路および実施例あるいは それらを一部変更した方法に従い、たやすく合成できる。これらの反応において 、より詳細には述べてはいないが、当業者において知られている変異体も使用す ることが可能である。但し書きがない限り、全ての略語は以上に定義された通り である。 4,4-二置換ピペリジン4の合成は,置換されたアセトニトリル誘導体1が塩基 性条件下、典型的には、DMF中80℃ NaHで、N-Bocビスクロロエチルアミンとス ピロ形成を介して、高収率で達成される(反応経路1)。合成された4-シアノ4- フェニルピペリジン3を1)塩酸-EtOAcでN-Bocを脱保護する、あるいは2)ニ トリルを加水分解して対応するカルボン酸にし、これに付随して濃縮塩酸でN-Bo cを脱保護し、単純な結合反応をへてエステルおよびアミドに変え、目的の誘導 体4を合成する。いくつかの実例では3を濃縮塩酸で処理することにより誘導さ れるアミノ酸はオリゴマー化を制限するために結合反応の前にN-Boc保護が必要 である。 3,4-二置換ピペリジン8および10の合成は反応経路2の単純な2つの方法に よって成される。N-Boc3-カルボキシエチル4-ピペリジノンから誘導されるビニ ルトリフラート6は、パラジウムを触媒として、優れた収率でアリールホウ酸お よびアリルスタンナンと結合した。合成されたα,β-不飽和エステル7を水素お よびPd-Cで還元し、(±)-シスエナンチオマー対8が得られた。この段階で続 いて数種の反応経路がある。(1)(±)-シスラセミ体8を脱保護し9を生成 し、(2)(±)-シスエナンチオマー対8をナトリウムエトキシドを用いてジ エ クアトリアルアイソマーへのエピマー化を介して、(±)-トランス10に変換し 、合成された10(±)-トランスは脱保護され11が得られ、(3)(±)シ ス-エナンチオマー8混合物は、順相キラルHPLCを用いて分離することにより8a (-)-シスおよび8b(+)-シスが得られ、8aをさらに脱保護することにより9aを 得る。 反応経路3に示すように、市販されているアミノアルコール12をチオニルク ロライドと処理することにより対応する塩化物13に変換する。塩化物13はト ルエン中180℃でアニリンで置換され、アニリノエチルベンジルアミン14が得 られた。14をDMF中で2-クロロアクリロニトリルと処理することにより、目的 とするシアノピペラジン15が得られる。N−ベンジル脱保護はACE-Clをジクロ ロエタン中で用い、次いでメタノールで処理することによりなされ、シアノピペ ラジン16が得られた。ピペラジン15および16はキラルHPLCを用いて容易に 分離され、各エナンチオマーはそれぞれ15aと15bおよび16aと16bと表示する。 本発明の好ましい化合物を表1に示す。当業者は、先に記載した図式および例 示により、たやすく利用できる適当な出発材料を置換することで、本発明の化合 物を合成することができる。 表1において開示された化合物に加えて、4−シアノ−4−(2−ピリジル)ピ ペリジンも合成した。 以下の実施例は本発明をより明確にするために示されるが、発明をこれら例示 の事項に限定するものではない。 実施例1 ビス(2-クロロエチル)-N−(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニルアミン(2 N−(2,2'-ビスクロロ)ジエチルアミン(23.0g,0.130mol)およびジ-tert −ブチルジカルボネート(28.8g, 0.130 mol)のCH2Cl2溶液(150mL)を室温 でN,N−ジイソプロピルエチルアミン(22.52ml、0.720mol)で処理した(1.5 時間)。減圧して溶媒を除き、残留物をエーテル(300ml)中で粉砕した。エー テル溶液を採取し、減圧濃縮することで、透明な油として、N−(2,2’-ビスク ロロ)ジエチル-N-(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニルアミンがえられた。 1H NMR(CDCl3,400MHz)d3.65(m,8H),1.52(s,9H) FABLRMS(ジチオトレイトールとジチオエリスリトールのメタノール中3:1混合 物)m/e242g/mole(M++H,C25H29N2O5SCl=242.2g/mole)。 実施例2 4- シアノ-N-(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル-4-(2-メチルフェニル) ピペリジン THF/DMFの4:1混合物のビス(2-クロロエチル)-N-(1,1-ジメチルエトキシ) カルボニルアミン(1.438g,5.94mmol)および2-メチルフェニルアセトニトリル (600mg、3.96mmol)を60℃でNaH(357.9mg,8.7mmol)と処理した。溶媒は減圧 して除去し、残留物はエチルアセテート(200ml)に再溶解し、飽和炭酸水素ナ トリウム水溶液(50ml)、水(2×50ml)、および飽和食塩水(50ml)で洗浄し 、乾燥し(硫酸ナトリウム)、減圧濃縮する。PCTLC(二酸化ケイ素、6mm、100 % ヘキサン)によって4-シアノ-N-(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル-4-(2 -メチルフェニル)ピペリジンが黄色/オレンジ色の油として得られる。 1H NMR(CDCl3,400MHz)d7.25(m,4H),4.28(br s,2H),3.28(br t 2H),2.6 5(s,3H),2.32(d,2H,J=13.0Hz),2.32(dt 2H,J=4.1,13.0Hz),1.48( s,9H). HPLC(Vydac;C18;直径=4.6mm;長さ=15cm;グラジエント=アセトニトリ ル[0.1% TFA]-水[0.1% TFA]、5%-95%、 95%-5% 20分以上。流速1.5ml/min,RT=11.730分、焦点=215nm,純度75%) 。 実施例3 4- シアノ-4-(2-メチルフェニル)ピペリジンハイドロクロライド(4i) 塩化水素で飽和したエチルアセテート溶液(200ml)を4-シアノ−N-(1,1-ジ メチルエトキシ)カルボニル-4-(2-メチルフェニル)ピペリジン(31mg、0.097 mmol)に加えた。得られた混液を室温で1時間反応させた。エチルアセテートを 減圧して除去し、白い固体として4-シアノ-4-(2-メチルフェニル)ピペリジン ハイドロクロライド(4i)をえた。 1H NMR(CD3OD,400MHz)d7.37(m,1H),7.32(m,3H),3.64(dd,2H,J=2.2,11.4Hz) ,3.46(t,2H,J=13.5Hz),2.64(m,2H),2.65(s,3H),2.28(td,2H,J =3.7Hz,13.5Hz). FABLRMS(ジチオトレイトールとジチオエリスリトールのメタノール中3:1混 合物)m/e201g/mole(M++H,C13H16N2=201.3g/mole) HPLC(Vydac;C18;直径=4.6mm;長さ=15cm;グラジエント=アセトニトリ ル[0.1% TFA]-水[0.1% TFA]、5%-95%、 95%-5% 20分以上。流速1.5ml/min,RT=5.82分、焦点=215nm,純度100%) 分析。C13H16N2,HClおよび0.30 H2Oおよび0.25 CH2Cl2に対する計算値;C=60. 42,H=6.93,N=10.64.実測値;C=60.37,H=6.83,N=11.09。 実施例4 4-(2- クロロフェニル)-4-シアノ-N-(1,1-ジメチルエトキシカルボニル)ピペリ ジン THF/DMF(15mL)の4:1混合物中にビス(2-クロロエチル)-N-(1,1-ジメチル エトキシ)カルボニルアミン(9.298g、38.4mmol)および2-クロロフェニルア セトニトリル(5.0g、32.0mmol)を混和した溶液を水素化ナトリウム(2.82g、 70.4mmol)と60℃(7日間)で反応させた。溶媒は減圧して除去し、残留物はエ チルアセテート(200ml)に再溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml) 、水(2x50ml)、および飽和食塩水(50ml)、で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウ ム)、減圧濃縮した。残留物を100%メタノール中で粉砕し、白い固体として4- (2-クロロフェニル)-4-シアノ-N-(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニルピペ リジンが得られた。 1H NMR(CD3OD,400MHz)d7.53(m,2H),7.41(m、2H),4.28(br dd,2H、J=13.4Hz ),3.26(m,2H),2.52(dd,2H,J=2.2,11.2Hz),2.03(dt,2H,J=4.0,9.2Hz),2.03( s,9H). FABLRMS(ジチオトレイトールとジチオエリスリトールのメタノール中3:1混合 物)m/e321g/mole(M++H,C17H21N2O2Cl=320.8g/mole) HPLC(Vydac;C18;直径=4.6mm;長さ=15cm;グラジエント=アセトニトリ ル[0.1% TFA]-水[0.1% TFA]、5%-95%、95%-5% 20分以上。流速1.5ml/ min,RT=11.70分、焦点=215nm,純度97.4%)。 実施例5 4-(2- クロロフェニル)-4-シアノピペリジン ハイドロクロライド(4j) 4-(2-クロロフェニル)-4-シアノ-N-(1,1-ジメチルエトキシカルボニル) ピペリジン(880mg,2.74mmol)に塩化水素で飽和したエチルアセテート溶液(2 00ml)を加えた。得られた混液を室温で1時間反応させた。エチルアセテートは 減圧して除去し、白い固体として4-(2-クロロフェニル)-4-シアノピペリジン ハイドロクロライド(4j)が得られた。 1H NMR(CD3OD,400MHz)d7.53(dd,1H,J=2.0,4.3Hz),7.5(dd、1H,J=2.0,5. 3Hz),7.40(ddd、2H、J=2.0,6.0,7.9Hz),3.14(ddd、4H、J=2.2,10.8,12.4H z),2.51(dd、2H、J=2.2,13.5Hz),2.00(dt、2H、J=3.4,13.5Hz). FABLRMS(ジチオトレイトールとジチオエリスリトールのメタノール中3:1混合 物)m/e221g/mole(M++H,C13H16N2=220.7g/mole) HPLC(Vydac;C18;直径=4.6mm;長さ=15cm;グラジエント=アセトニトリ ル[0.1% TFA]-水[0.1% TFA]、5%-95%、95%-5% 20分以上。流速1.5ml/ min,RT=5.744分、焦点=215nm,純度99.04%). 分析。C12H13N2Cl塩酸および0.60水に対する計算値;C=62.26,H=6.18,N=12. 10.実測値;C=62.29,H=5.69,N=11.71。 実施例6 N- ベンジル-N-(2-クロロエチル)アミンハイドロクロライド(13) N-ベンジル-2-アミノエタノール(12、79.05g、0.523mole)のクロロホルム 溶液(400mL)を室温でチオニルクロライド(80mL、1.09mole)と処理した。得られ た混液を加熱し還流した(6時 間)。溶媒は減圧して除去し、残留物を熱したエタノール(1.3L)に溶解し、 一晩冷却した。固体を吸引ろ過により収集し、65℃で減圧し乾燥し(24時間)白 いプレートとして表題の化合物13を得た。 実施例7 N-ベンジル-N’-フェニル-1、2-ジアミノエタン ハイドロクロライド(14) 13(8.618g、42.0mmol)およびアニリン(11.75g、126mmol)のトルエン溶 液(40mL)を130℃に加熱した(1.5時間)。混液をジクロロメタン(200mL)中 で粉砕しろ過した。エタノール(220mL)から再結晶化することにより表題の化 合物14が白い結晶として得られた。 1H NMR(DMSO,400MHz)δ7.59(dd,2H,J=1.93,7.64Hz),7.42(m、3H),7.10(t ,2H、7.98Hz),6.59(m,3H),5.95(s,1H),4.17(s,2H),3.41(t,2H,J=6.38HZ ),3.04(t,2H,J=6.55Hz). FABLRMSm/e241g/mole(M++H,C16H20N2=241g/mole) HPLC(Vydac;C18;直径=4.6mm;長さ=150mm;グラジエント=水[0.1% H2PO4]-CH3CN,95%-5%、5%-95% 16分以上。流速2ml/min,RT=7.371分、焦 点=215nm,純度99.3%)。 実施例8 N-ベンジル-2-シアノ-1-フェニルピペラジン(15) 14(5.07g、17.0mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.97g、38.4mm ol)のDMF溶液(40mL)を室温で2-シアノアクリロニトリル(2.30g、26.3mmol )のDMF溶液(40mL)で処理した(14日間)。減圧し溶媒を除去し、残留物をジ クロロメタンに溶解し、水、塩水で洗浄し、乾燥させた(硫酸ナトリウム)。減 圧して濃縮し、残留物をエタノールから再結晶化させ、白い結晶として15を得た 。 1H NMR(CDCl3,400MHz)δ7.34(m,7H),7.00(t,3H,J=8.31HZ),4.53(s,1H), 3.72(d,1H,J=13.26Hz),3.59(d,1H,13.43Hz),3.40(d,1H,J=11.91Hz),3.28(t d,1H,J=3.13,11.59Hz),3.13(dt,1H,J=2.26,11.42Hz),3.01(dq,1H,J=2.43,1 1.08Hz),2.53(dd,1H,J=3.19,11.41Hz),2.39(td,1H,J=3.36,11.25Hz). FABLRMSm/e278g/mole(M++H,C18H20N3=278g/mole) HPLC(Vydac;C18;直径=4.6mm;長さ=15cm;グラジエント=水[0.1% H3 PO4]-CH3CN、95%-5%、5%-95%、16分以上。流速2ml/min,RT=7.936分、焦 点=215nm,純度100%). 分析。C18H19N3・0.15H2O に対する計算値;C=77.19,H=6.95, N=15.00.実測値;C=77.14,H=6.90,N=14.88。 実施例9 2- シアノ-1-フェニルピペラジン(16) 15(3.40g、12.25mmol)の1、2-ジクロロエタン溶液(60mL)を0℃でアルフ ァ-クロロエチル-クロロホルメート(3.78g、26.44mmol)で処理した。反応混 液を100℃で加熱した(8時間)。溶媒を減圧して除去し、残留物をメタノール (80ml)に室温で溶解させた(一晩)。溶媒を減圧して除去し、残留物をエタノ ール(160mL)から再結晶化することにより表題の化合物16が得られた。 1H NMR(DMSO,400MHz)δ9.74(s,1H),7.36(m,2H),7.12(d,2H,J=7.89Hz),7.0 3(t,1H,J=7.31Hz),5.48(d,1H,J=4.03Hz),3.75(d,2H,J=13.09),3.43(dd,1 H,J=4.53,13.43Hz),3.38(d,2H,J=10.74Hz),3.07(m,2H) FABLRMSm/e188g/mole(M++H,C11H14N3=188g/mole) HPLC(Vydac;C18;直径=4.6mm;長さ=15cm;グラジエント=水[0.1% H2 PO4]-CH3CN,95%-5%、5%-95% 16分以上。流速2ml/min,RT=7.371分、焦 点=215nm,純度100%). 分析。C11H13N3・1.00HCl に対する計算値;C=59.06,H=6.31, N=18.79.実測値;C=59.27,,H=6.37,N=18.42。 実施例10 15のエナンチオマー(15aおよび15b) エナンチオマー混合物を順相キラルHPLC(キラルセルOD,2.0cm×25cm,65ヘ キサン/35 2-プロパノール/0.2ジエチルアミン、2.5mL/min)を用いて分離し た。それぞれのエナンチオマーは、逆の旋光の符号を除けば、同様の分光分析特 性をしめした。キラル純度は同様のHPLCの条件(キラルセルOD,4.6cm×25cm,6 5ヘキサン/35 2-プロパノール/0.2ジエチルアミン、0.7mL/min)で算定した。 実施例11 16のエナンチオマー(16aおよび16b) エナンチオマーの混合物は順相キラルHPLCを用いて分離した(キラルセルOD, 2.0cmx25cm,65ヘキサン/35 2-プロパノール/0.2ジエチルアミン、2.5mL/min) 。それぞれのエナンチオマーは、旋光の符号が逆である点を除けば、同様の分光 分析特性をしめした。キラル純度は同様のHPLCの条件(キラルセルOD,4.6cm×2 5cm,65ヘキサン/35 2-プロパノール/0.2ジエチルアミン、0.7mL/min)で算定 した。 実施例12 経口組成物の特定的な具体例として、実施例3の化合物100mgを十分細かく分 割した乳糖と調剤し、Oサイズのハードゲルカプセルを満たす総量580から590g を得る。 実施例13 スクリーニングアッセイ;アルファ1a アドレナリン受容体結合 ヒトアルファ1aアドレナリン受容体に結合する化合物を同定するために、安定 的に形質転換されたヒトアルファ1a株化細胞(ATCC CRL 11140)を使用した。 これらの競合的結合反応液(総容量=200μl)は50mM Tris−HCl pH7.4,5m M EDTA,150mM NaCl、100pM[125I]−HEAT,アルファ1株化細胞由来の調 製膜、および増加量の非標識リガンドを含んでいた。反応液を室温で振とうしな がら、1時間インキュベートした。反応液をイノテック96穴セルハーベスターを 用いて、ワットマンGF/Cガラス繊維フィルター上にろ過した。フィルターを氷 冷緩衝液で3回洗浄した後、結合した放射能(Ki)を測定した。本発明の代表的 化合物は500nM以下のKi値を有することが確認された。 実施例14 選択的結合アッセイ ヒトアルファ1aアドレナリン受容体に選択的に結合する化合物を同定するため に、安定的に形質転換されたヒトアルファ1dおよびアルファ1b株化細胞(ATCC CRL 11138およびCRL 11139)を使用した。これらの競合的結合反応液(総容量 =200μl)は50mM Tris−HCl pH7.4,5 mM EDTA,150mM 食塩、100pM[1 25 I]−HEAT,各アルファ1サブタイプの発現プラスミドで形質転換された株化 細胞由来の調製膜、および増加量の非標識リガンドを含んでいる。反応液を室温 で振とうしながら、1時間インキュベートした。反応液をイノテック96穴セルハ ーベスターを用いて、ワットマンGF/Cガラス繊維フィルター上にろ過した。フィ ルターは氷冷緩衝液で3回洗浄した後、結合した放射能(Ki)を測定した。 実施例15 具体的カウンタースクリーニング 1.アッセイのタイトル: ドパミンD2,D3,D4試験管内スクリーニング本アッセイの目的: 本アッセイの目的はヒトドパミン受容体D2,D3およびD4を発現している細胞へ の[3H]スピペロンの結合に作用する薬物を削除することである。方法: VanTolらの方法(Nature(第350巻)610−613頁(1991))を一部変更した。 クローン化した株化細胞において安定的に発現したドパミン受容体の特異的サ ブタイプを含んだ凍結ペレットを溶解用緩衝液(10mMTris−HCl/5mM Mg,pH7.4) 2ml中で溶解する。これらの膜を遠心(24,450rpmで15分間)して得られたペレッ トをEDTA,MgCl[2],KCl,NaCl,CaCl[2]およびアスコルビン酸を含んだ50mMTris-HC l pH7.4緩衝液に1Mg/mL濃度で懸濁させた。0.2nM[3H]−スピペロンを含んだ 500μlの総容量中の50-70μgの膜を加える事によって、アッセイを開始する。 非特異的結合は10μMのアポモルヒネを用いて測定する。室温で2時間インキュ ベートした後、50mMTris―HCl pH7.4を用いて予め0.3%PEIに浸しておいたGF/B フィルター上に急速にろ過することにより、アッセイを終了させる。2. アッセイタイトル: セロトニン5HT1a本アッセイの目的 本アッセイの目的はクローニングされたヒト5HT1a受容体への結合に特異的に 影響する薬剤を除くことである。方法 SchelegelとPeroutkaの方法(Biochemical Pharmacology 35:1943−1949(198 6))を一部変更した。 クローニングされたヒト5HT1a受容体を発現する哺乳類の細胞を氷冷した5mM Tris−HCl、2mM EDTA(pH7.4)中で溶解し、ポリトロンホモジナイザーを用いて ホモジナイズした。ホモジネートを1000xgで30分間遠心し、上清をふたび38,000 xgで30分間遠心する。結合測定液は 50mM Tris−HCl中の0.25nM[3H]8−OH−D PAT(8-ヒドロキシ−2−ジプロピルアミノ−1,2,3,4,−テトラヒドロナフタレ ン),4mM CaCl2および1mg/mlアスコルビン酸を含む。非特異的結合は10μMのプロ プラノロールを用いて明らかにする。室温で1時間インキュベートした後、GF/C フィルター上に急速にろ過することにより、アッセイを終了させる。 実施例16 典型的機能測定 化合物のヒトα1aアドレナリン受容体への特異性を確認し、また、化合物の生 物活性を明らかにするために、以下の機能試験を行うことができる。1.インビトロラット、イヌおよびヒト前立腺およびイヌ尿道 体重250―400gのタコニックファームススプラギューダウリーの雄性ラットを 麻酔下(メトヘキシタール;50mg/kg,静脈内投与)で頚部を脱臼させて屠殺す る。前立腺の腹面の葉を除くために下腹部を切開する。雑種犬から切除した前立 腺は、尿道に沿ってたてに開きながら、6から8片に切断し、必要ならば、酸素 を通した氷冷クレブス溶液に一晩保存する。前立腺に近位のイヌ尿道を約5mmの リングに切り、環状筋の収縮を測定するためにリングを切り開く。良性前立腺肥 大の径尿道手術によって得られたヒト前立腺細片も必要ならば氷冷クレブス溶液 中で一晩保存することが可能である。 酸素を通した37℃のクレブス溶液[食塩、118mM;塩化カリウム、4.7mM ;塩化カルシウム、2.5mM;リン酸カリウム、1.2mM;硫酸マグネシウム、1.2 mM;炭酸ナトリウム、2.0 mM]を含んだペトリ皿に組織をいれる。余分な液体物質や結合組織は慎重に取 り除く。組織断片はガラスティッシュホルダーに4-0の手術用生糸で取り付け5 %二酸化炭素および95%酸素を通気した37℃のクレブス緩衝液を含んだジャケ ット付の5mlの組織槽にいれる。組織はスタッサム-ゴールド張力トランスデュー サーに付け、1g(ラットおよびヒト)あるいは1.5g(イヌ)の張力をかけ組 織を一時間平衡化させる。収縮はヒューレットパッカード7700シリーズストリッ プチャートレコーダーを使用して記録する。 最初に一回、3μM(ラット)、10μM(イヌ)あるいは20μM(ヒト)のフ ェニルエフリンを加えた後、作用薬に対する累積濃度反応曲線を作製し、組織は 1時間の間10分おきに洗浄する。ビヒクルあるいは拮抗薬を槽に加え一時間イン キュベートし、もう一度アゴニストに対する累積濃度反応曲線を作製する。 各群のED50値はグラフパッドインプロットソフトウェアーを用いて計算する。 3つあるいはそれ以上の濃度で試験を行った場合にはpA2(-logKb)値をシー ルドプロットより求めた。3つ以下の拮抗薬の濃度で試験を行った場合はKb値は 以下の 式に従い、計算した。Kb=[B]/(x−1).ここで、xは拮抗薬存在下お よび非存在下でのアゴニストのEC50の比率であり、[B]は拮抗薬の濃度であ る。2.麻酔したイヌの尿道内圧の測定 目的:良性前立腺肥大は、前立腺収縮による能動的な閉塞と同様、前立腺のか さが増すことによる、前立腺尿道の受動的な物理的閉塞の両方によって、尿流量 が減少する。プラゾシンやテラゾシンのようなアルファアドレナリン受容体拮抗 薬は、能動的な前立腺収縮を防ぎ、尿流量率を改善し、ヒトにおいて病状の軽減 を供する。しかし、これらは血管への作用もあらわす非選択的なα1受容体拮抗 薬である。我々が、ヒト前立腺において優位なサブタイプとしてアルファ1a受容 体サブタイプを同定したため、現在では、同時に血管に変化を起こすことなく前 立腺収縮を抑制するために、本受容体を特異的に標的とすることが可能である。 選択的アルファアドレナリン受容体拮抗薬の効力および有効性を評価することを 目的とし、麻酔したイヌにおいて、アドレナリンを介した尿道内圧および動脈圧 の変化を測定するために以下のモデルを使用する。目的は1)前立腺/尿道収縮 および血管反応を起こすアルファ1受容体サブタイ プの同定,および2)本モデルを新規な選択的アルファアドレナリン拮抗薬を評 価するために使用することである。新規および標準的なアルファアドレナリン拮 抗薬はこの方法によって、評価が可能である。 方法 雄性雑種イヌ(7-12kg)を本研究で使用する。イヌはペントバルビタールナト リウム(35mg/kg、静脈内投与に4mg/kg/時間の静脈内点滴投与を加える)で麻 酔をかける。気管内チューブを挿入し、ハーバード機器陽圧排気大動物用ベンチ レーターを用いて動物を換気させた。それぞれ大動脈内血圧の測定および薬物投 与のために、カテーテル(PE240あるいは260)を大腿動脈より大動脈内に、大腿 静脈より大静脈内に(2本のカテーテル、各血管に1本づつ)挿管する。尿管、 膀胱および尿道を露出させるために、陰茎の約1/2インチ横の恥骨上に切開を行 う。尿が自由にビーカー内に流れるよう、尿管をつなぎ、カニューレを挿管する 。近位および遠位尿道の切開を容易にするよう、膀胱の半休体を引き込ませる。 緊密なテープを膀胱の頚部にある尿道の下を通し、その他の緊密なテープを前立 腺から約1−2cm離れた、遠位尿道の下に入れる。膀胱を切開し、ミラー マイクロチップ圧トランデューサーを尿道の中に進入させる。膀胱の切開部は、 トランスデューサーを固定するために、2-0あるいは3-0の生糸で縫合(巾着縫 合)する。トランスデューサーのチップを前立腺尿道内に入れ、前立腺を穏やか に押え、尿道内圧が大きく変化することを確認することにより、ミラーカテーテ ルの位置を確認する。 尿道内圧および動脈内圧の変化に対する用量反応曲線を作製するために、アル ファ1アドレナリン作用薬であるフェニルエフリンを投与(0.1―100μg/kg,静脈 内投与;0.05ml/kg容量)する。アルファアドレナリン拮抗薬(あるいはビヒク ル)を用量を増加させながら投与した後、フェニルエフリンの動脈内圧および尿 道内圧への作用を再び評価する。それぞれの動物において、4か5のフェニレフ リン用量反応曲線を作製する(1つのコントロール、3か4の用量の拮抗薬ある いはビヒクル)。フェニルエフリンによる動脈内圧および尿道内圧における変化 に対する相対的拮抗阻害力価をシールド解析により求めた。平均曲線は各曲線間 において、傾き、最小反応、および最大反応を一定にするため4パラメーター論 理方程式(ALLFITソフトウェアーパッケージを使用)に適合させる。拮抗阻害用 量(用量 反応曲線のコントロールから右側へのシフト)の用量比率はそれぞれの曲線のE D50の比率として計算する。これらの用量比率はシールドプロットの作製および Kb値(ug/kg,静脈内投与として表現)を決めるのに使用する。Kb値(フェ ニルエフリンの用量反応曲線を2倍右側へシフトさせる拮抗薬の用量)は、フェ ニレフリンの尿道内圧および動脈内圧への反応性に対する阻害における阻害拮抗 薬の相対力価を比較するために用いる。相対的選択性は動脈内圧および尿道内圧 のKb値の比率として算出する。動脈内圧のベースラインに対するα1拮抗薬の 効果もモニターする。動脈内圧および尿道内圧の変化に対する相対的拮抗阻害力 価の比較により、尿道内圧を増加させるα受容体サブタイプが全身の血管に存在 するか否かを洞察することができる。本法によって、血管に何ら影響をおよぼさ ずにフェニレルエリンによる尿道内圧の上昇を防ぐことができるα1aアドレナリ ン受容体拮抗薬の選択性を確認することができる。 実施例17 オピオイド受容体結合測定 3H-ナロキソンは脳組織のオピオイド受容体と高い親和性で結合する(Creese およびSnyder J.Pharm.Expt.Ther.,194:205 -219,1975)。 この放射性リガンドの特異的結合に対する化合物の阻害能力によりこれらの受容 体に対する親和性の程度がわかる。CreeseおよびSnyderらによって記述されてい るように(J.Phar.Expt.Ther.,194:205-219,1975)、ラット脳膜における3H- ナロキソンの結合がTris緩衝液のみあるいは150mM食塩をくわえた緩衝液を用 いて行われている。本発明の代表的具体例でのナロキソンの結合は6μM以上で あった。 例示のために提供されている実施例とともに、上述の明細書は本発明の原則を 教示しているが、あらゆる一般的な変更、適合および/または一部変更は以下の 請求項および均等なものに入ることから、本発明の実施はこれらを包含する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU,CZ, EE,GE,HU,IL,IS,JP,KG,KR,K Z,LC,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MK ,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG, SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,US,U Z,VN (72)発明者 パターン,マイケル・エイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ポンテイセロ,ローズ・アン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.治療を必要とする患者に、次式の化合物およびその薬剤学的に許容される塩 を、治療的に有効な量投与することから成る良性前立腺肥大の治療法: (ここで AはC-R2あるいはNから選択し、 XがNでR1が存在しない場合を除いて、XはCあるいはNであり、 R1は水素、ハロゲン、C1-8のアルキル、モノ−、ジ−あるいはトリ−ハロゲン 化C1-8アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、CONR45あるいはC3-8シク ロアルキルから選択し、 R2は水素、シアノ、CONR45あるいはCO24から選択し、 R3は水素、シアノ、CONR45、CO24あるいはSO2 4から選択し、 R4およびR5はそれぞれ独立してハロゲン、C1-8のアルキルあるいはC3-8シク ロアルキルから選択する)。 2.R1を水素、ハロゲン、C1-6のアルキル、モノ−、ジ−あるいはトリ−ハロ ゲン化C1-6アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、CONH2あるいはC3-6シク ロアルキルから選択し、 R3は水素、シアノあるいはCO24から選択し、 R4およびR5はそれぞれ独立して、水素、C1-6のアルキルあるいはC3-6シクロ アルキルから選択する請求項1の方法。 3.XはC、 R1は水素、塩素、C1-4アルキル、トリ−ハロゲン化C1-4アルキル、C1-4アル コキシ、シアノあるいはCONH2から選択し、 R2は水素,シアノ,CONH2あるいはCO24から選択し、 R3は水素,シアノあるいはCO2CH2CH3から選択し、 R4は水素,C1-4アルキルあるいはC3-6シクロアルキルから選択する請求項2 の方法。 4.化合物が次式: (ここで、 R1は水素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、シアノあるいはC ONH2から選択し、 R2は水素,シアノ,CONH2、CO2H,CO2CH3,CO2CH2CH3,CO2 (CH23CH3あるいはCO2シクロヘキシルから選択する)を有する化合物又 は薬剤学的に許容されるその塩である請求項3の方法。 5.化合物は およびその薬剤学的に許容される塩から選択し、 ここで、R2は水素、シアノ、CO2HあるいはCO2NH2か ら選択する請求項4の方法。 6.化合物は次の構造を有すもの、および、その薬剤学的に許容される塩である 請求項5の方法。 7.化合物は 4-シアノ-4-(2-トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン、 4-シアノ-4-(2-メチルフェニル)ピペリジン、 4-(2-クロロフエニル)-4-シアノピペリジンあるいは 4-(2-クロロフェニル)-4-(メトキシカルボニル)ピペリジン、 および薬剤学的に許容されるその塩から選択される請求項6の方法。 8.化合物が、良性前立腺肥大を緩和する有効用量では、付加的に血圧降下を起 こさない請求項1の方法。 9.化合物はテストステロン5-α還元酵素阻害剤と組み合わせ て投与される請求項1の方法。 10.テストステロン5-α還元酵素阻害剤は1型、2型、1型と2型の両方、 あるいは1型および2型二重のテストステロン5-α還元酵素阻害剤である請求 項9の方法。 11.テストステロン5-α還元酵素阻害剤は2型テストステロン5-α還元酵素 阻害剤である請求項10の方法。 12.テストステロン5-α還元酵素阻害剤はフィナステライドである請求項1 1の方法。 13.患者に、請求項1の化合物の治療的に有効な量を投与することより成る、 尿道平滑筋を弛緩させる必要のある患者の尿道平滑筋を弛緩させる方法。 14.R1は水素、ハロゲン、C1-6アルキル、モノ−、ジ−あるいはトリ−ハロ ゲン化C1-6アルキル、C1-4アルコキシ、シアノ、CONH2あるいはC3-6シク ロアルキルより選択され、 R3は水素、ハロゲン、シアノ又はCO24より選択され、 R4およびR5はともに独立してハロゲン、C1-6アルキルあるいはC3-6シクロア ルキルから選択される請求項13の方法。 15.XはC; R1は水素、塩素、C1-4アルキル、トリ−ハロゲン化C1-4アルキル、C1-4アル コキシ,シアノあるいはCONH2から選択され、 R2は水素,シアノ,CONH2あるいはCO24から選択され、 R3は水素,シアノあるいはCO2CH2CH3から選択され、 R4は水素,C1-4アルキルあるいはC3-6シクロアルキルから選択される請求項 14の方法。 16.化合物は次の構造を有するものおよびそれらの薬剤学的に許容される塩で あり、 ここで、 R1は水素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、シアノあるいはC ONH2から選択し、 R2は水素,シアノ,CONH2、CO2H,CO2CH3,CO2CH2CH3,CO2 (CH2)3CH3あるいはCO2シクロ ヘキシルから選択する請求項15の方法。 17.化合物は およびその薬剤学的に許容される塩より選択され、 ここでR2は水素、シアノ、CO2HあるいはCO2NH2より選択する請求項16 の方法。 18.化合物は次の構造を有するものおよびその薬理学的に許容される塩である 請求項17の方法。 19.化合物は 4-シアノ-4-(2-トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン、 4-シアノ-4-(2-メチルフェニル)ピペリジン、 4-(2-クロロフェニル)-4-シアノピペリジンあるいは 4-(2-クロロフェニル)-4-(メトキシカルボニル)ピペリジン、 および薬剤学的に許容されるその塩から選択される請求項18の方法。 20.化合物は、尿道平滑筋を弛緩する有効用量では、付加的に血圧降下を起こ さない請求項13の方法。 21.化合物はテストステロン5-α還元酵素阻害剤と組み合わせて投与される 請求項13の方法。 22.テストステロン5-α還元酵素阻害剤はフィナステライドである請求項2 1の方法。 23.α1a受容体拮抗阻害による治療に対して影響を受けやすい疾患の治療に有 効な量の請求項1の化合物を、治療が必要な患者に投与することから成る、該疾 患の治療法。
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