JPH11507354A - 自己免疫疾患処置のためのmhcクラスii分子のペプチドを用いるワクチン接種 - Google Patents

自己免疫疾患処置のためのmhcクラスii分子のペプチドを用いるワクチン接種

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JPH11507354A JP9501871A JP50187197A JPH11507354A JP H11507354 A JPH11507354 A JP H11507354A JP 9501871 A JP9501871 A JP 9501871A JP 50187197 A JP50187197 A JP 50187197A JP H11507354 A JPH11507354 A JP H11507354A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、自己免疫およびアレルギーのような有害な免疫応答の処置、予防、および診断のための組成物および方法における使用のための、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)糖タンパク質のタンパク質配列由来の免疫原性オリゴペプチドを提供する。このペプチドは、標的疾患に関連するMHC対立遺伝子によりコードされる糖タンパク質に対する免疫応答を誘発し得る。好ましい実施態様においては、本発明のペプチドは、有害な免疫応答に関連するMHCクラスIIの分子のβ鎖の超可変領域由来である。

Description

【発明の詳細な説明】 自己免疫疾患処置のためのMHCクラスII分子の ペプチドを用いるワクチン接種 本出願は、1992年12月17日に出願された米国特許出願第07/992,942号(その開 示は本明細書中に参考として援用されている)の一部継続出願である、1994年11 月18日に出願された米国特許出願第08/338,553号の一部継続出願である。 発明の背景 本発明は、自己免疫疾患およびアレルギー応答と結びつけられた免疫応答を阻 害するための新規の組成物および方法に関する。特に、本発明は、例えば、疾患 と結びつけられる対立遺伝子によりコードされたMHC分子の超可変領域からのペ プチドを用いたワクチン接種に関する。 望ましくない免疫応答が関与する数多くの病的応答が知られている。例えば、 数多くのアレルギー疾患が特定のMHC対立遺伝子と関連づけられたり、あるいは 自己免疫成分を有するのではないかと疑われている。その他の有害なT細胞媒介 応答としては、異質遺伝子型宿主からの移植片または移植体として体内に、故意 に導入される外来性細胞の破壊を含む。「同種移植片拒絶反応」として知られる このプロセスには、外来性MHC分子と宿主T細胞との相互作用が関与する。広範 囲のMHC対立遺伝子が同種移植片に対する宿主の応答に関与していることが非常 に多い。 自己免疫疾患は、有害な免疫応答の特に重要なクラスである。自己免疫疾患に おいては、自己免疫寛容が失われ、免疫系はあたかも外来性標的であるかのよう に「自己」組織を攻撃する。現在30より多い自己免疫疾患が知られている;これ らの中には、重症筋無力症(MG)および多発性硬化症(MS)を含め、公衆の注目を浴 びた多くが含まれている。 自己免疫疾患およびその他の免疫病理を処置する不十分な1つのアプローチは 、免疫抑制である。これは、免疫応答を高める必要のある真の外来性物質に対し 応 答する被験体の能力を損わせるという明らかな欠点を有する。自己免疫疾患を処 置する最近のアプローチとして、T細胞レセプターV遺伝子によりコードされる アミノ酸配列を有するペプチドの使用が挙げられる。ペブチドは、免疫関連疾患 を、予防し、抑制し、処置するためのワクチンとして提案されている(国際出願 WO 91/01133号を参照のこと)。別のアプローチとして、MHC遺伝子産物に対する モノクローナル抗体の使用が挙げられる。その抗体は、特定の疾患と関連するMH C分子を有する標的細胞での使用の目的で提案されている(EP公報第68790号を参 照のこと)。 これらの先行技術による方法は、種々の有害な免疫応答と関連するMHC対立遺 伝子によりコードされる糖タンパク質により制限される免疫応答を特異的に除去 するための単純な自己媒介性の方法を提供することができない。このような方法 は、疾患、特に抗原またはアレルゲンの知られていない疾患を、予防および/ま たは抑制するために用いられ得る。 発明の要旨 本発明は、有害な免疫応答を阻害するための方法および組成物に関する。本発 明の組成物は、単離された免疫原性MHCポリペブチドを含む。免疫原性MHCポリペ プチドは通常、クラスII分子内の超可変領域由来である。クラスIIβ鎖由来の超 可変領域が代表的には使用される。そのポリペプチドは、MHC分子の標的配列に 対する免疫応答を誘発し、それによりMHC分子を有害な免疫応答の開始を無効に させるために用いられる。 MHC分子は、多発性硬化症のような自己免疫疾患と結びつけ得る。あるいは、 これは、ブタクサ(ragweed)のような多数のアレルゲンに対するアレルギー応答 と結びつけ得る。 本発明はまた、このポリペプチドを含む薬学的組成物も提供する。その組成物 は、自己免疫疾患またはアレルギー応答の処置のために使用し得る。その組成物 は、予防的にまたはその状態が診断された後に投与され得る。 定義 用語「ペブチド」は、本明細書においては、代表的にはα-アミノ基と隣接す るアミノ酸のカルボニル基との間のペプチド結合により互いに連結される一連の 残基、代表的にはL-アミノ酸を指すために、「オリゴペプチド」または「ポリ ペプチド」と互換性ある形で使用される。 本発明の「免疫原性MHCポリペプチド」は、患者において有害な免疫応答と関 連するMHC分子に対する免疫応答を誘発し得るポリペプチドである。以下でより 詳細に記載するように、そのポリペプチド内の残基の配列は、MHC分子内のポリ ペプチド配列と同一であるかまたは実質的に同一である。従って、「MHC分子内 の領域由来の」(例えば超可変領域)配列を有する発明のポリペプチドは、その領 域の天然に存在するMHCアミノ酸配列と同一であるかまたは実質的に同一である かのいずれかの配列を有する。代表的には、MHC分子内のポリペプチド配列は、 超可変領域由来のものである。 本明細書中で用いるMHC分子の「超可変領域」は、同じ遺伝子座において異な る対立遣伝子によりコードされるポリペブチドが、高い配列可変性または多型性 を有する分子の領域である。この多型性は、代表的にはクラスI分子のα1およ びα2ドメイン内ならびにクラスII分子のα1およびβ1ドメイン内に集中して いる。対立遺伝子の数および対立遣伝子間の多型性の程度は、異なる遺伝子座に おいて変わり得る。例えば、HLA-DR分子内では、全ての多型性がβ鎖に帰せられ 、そしてα鎖は比較的不変である。HLA-DQについては、αおよびβ鎖の両方が多 型性である。 用語「単離された」または「生物学的に純粋な」は、そのネイティブな状態で 見出されたときに通常伴う成分を実質的にまたは本質的に含まない物質のことを いう。従って、本発明のMHCポリペブチドは、通常そのインサイチュ環境で結び ついた物質(例えば、抗原提示細胞上のその他の表面タンパク質)を含んでいない 。タンパク質が均一なまたは優性なバンドまで単離されている場合でさえ、所望 のタンパク質と同時精製されるネイティブなタンパク質を5〜10%の範囲内で微 量の混入物が存在する。本発明の分離されたポリペプチドは、このような内因性 の同時精製されたタンパク質を含まない。 用語「残基」は、アミド結合またはアミド結合模倣物によりオリゴペプチド内 に取り込まれたアミノ酸またはアミノ酸模倣物のことをいう。 図面の簡単な説明 図1は、ヒトのDQ/DRハプロタイプおよび自己免疫疾患とそれらとの関連の一 覧表を提供する。 図2は、2つのペプチドトI-Asβp18マーおよびI-Asβp10マーの位置およびI- Asのβ鎖の第3の超可変領域内のそれらの位置を示す。 図3Aは、18マーのペプチドで免疫化された動物から得られた抗体のELISA結合 アッセイの結果を示す。 図3Bは、10マーのペプチドで免疫化された動物から得られた抗体のELISA結合 アッセイの結果を示す。 図4Aは、可溶性I-Asに対する抗体のELISA結合アッセイの結栗を示す。 図4Bは、可溶性DRに対する抗体のELISA結合アッセイの結果を示す。 図5Aおよび5Cは、CFA中のその18マーのペプチドを受容したSJL/Jマウス体内の CR-EAEの臨床的経過を示す。 図5Bおよび図5Dは、CFAのみを受容したSJL/JマウスのCR-EAEの臨床的経過を示 す。 図6は、抗-I-Asβ18マーのペプチド抗血清による抗-I-Asモノクローナル抗体 10-3.6の結合の阻止を示す。この図は、10-3.6-FITCの種々の濃度での平均螢光 強度のプロットである。 図7は、mAb10-3.6、抗-I-Asβ18マーのペプチド抗血清、またはCFAコントロ ール抗血清のいずれかによるMBP p91-103ペブチドに対するSJLリンパ節細胞の増 殖の阻害百分率を示す。 図8Aおよび図8Bは、最初に400μgのCFA中のI-Asβ18マーまたはCFAのみのワク チン接種を受け、そして次いで4週間後にCFA中のMBPを動物一匹につき400μgで 免疫化されたSJLマウスにおけるMBP(図8A)およびPPD(図8B)に対する局所的リン パ節細胞の増殖性応答を示す。結果は、刺激指数すなわち、抗原を有りのウェル 内の平均cpmを、抗原無しのウェル内の平均cpmで除したもの、として表わされて いる。I-Asβ18マーを受容したグループ内の抗原無しのウェル中の平均バックグ ラウンドcpmは374cpmであり、そしてCFAのみを受容したものは399cpmであった。 好ましい実施態様の説明 本発明は、有害な免疫応答の処置、予防、および診断のための組成物および方 法における使用のための主要組織適合遺伝子複合体(MHC)糖タンパク質配列由来 の免疫原性ポリペプチドを提供する。このポリペプチドは、標的疾患と関連した MHC対立遺伝子によりコードされる糖タンパク質に対する免疫応答を誘発し得る 。好ましい実施態様において、本発明のポリペプチドは、有害な免疫応答と関連 したMHCクラスII分子のα鎖またはβ鎖の超可変領域由来である。このようにし て標的抗原(例えば、自己抗原またはアレルゲン)を提示する抗原提示細胞(APC) の能力は阻害される。 MHCによりコードされる糖タンパク質は、ヒトおよびマウスの両方の系におい て広範に研究されいる。多くの組織適合性タンパク質が単離され、そして特徴付 けられている。MHC糖タンパク質の構造および機能の一般的概説については、Fun damental Immunology、第3版、W.E.Paul編(Ravens Press N.Y.1993)を参照の こと。 MHC分子は、より高等な脊椎動物の細胞上で発現されるヘテロダイマー糖タン パク質であり、そして免疫応答において役割を果たしている。ヒトにおいては、 これらの分子は、ヒト白血球抗原(HLA)といわれる。MHC糖タンパク質は2つのグ ループ、すなわちクラスIおよびクラスIIに分けられ、これらのグループは互い に構造的且つ機能的に異なっている。一般的に、MHC分子の主要な機能は、抗原 ペプチドを結合し、それらを細胞の表面上に提示することにある。 クラスIのMHC分子は、ほとんど全ての有核細胞上に発現され、そして次に抗 原を保有する細胞を破壊する細胞傷害性Tリンパ球により認識される。クラスII のMHC分子は、主に、Tリンパ球、Bリンパ球、マクロファージなどのような免 疫応答の開始および維持に関与する細胞上に発現される。クラスIIのMHC分子は 、ヘルパーTリンパ球により認識され、そしてヘルパーTリンパ球の増殖および 提示されている特定の抗原ペプチドに対する免疫応答の増幅を誘発する。 T細胞レセプターのかみ合い(engagement)は、チロシンリン酸化の増大、Ca++ の流入、PI代謝回転、サイトカインおよびサイトカインレセプターの合成、およ び細胞分裂のような細胞活性化に特徴的な一連の分子事象を誘発する(Altmanら ,(1990)Adv.Immunol.48:227-360を参照のこと)。T細胞がどのようにして抗 原を認識するかについての一般的議論に関しては、Grey,H.M.ら、Scientific A merican 56頁〜64頁(1989年11月)を参照のこと。 マウスにおいては、クラスI分子は、MHCのK.D、およびQaの領域によりコ ードされている。クラスII分子は、I-AおよびI-Eのサブ領域によりコードされて いる。マウスのI-AおよびI-Eサブ領域によりコードされる単離された抗原は、2 つの非共有結合ペプチド鎖(32〜38kdのα鎖および26〜29kdのβ鎖)から成ること が示されている。第3のインバリアント31kdのペプチドがこれら2つのペプチド と非共有的に結びついているが、これは多型性ではなく、そして細胞表面上の抗 原の一成分でもないようである。I-A領域の多数の対立遺伝子変異体のαおよび β鎖がクローニングされ配列決定されている。 またヒトのクラスIタンパク質が研究されている。染色体6上のヒトのMHCク ラスIは3つの遺伝子座HLA-A、HLA-B、およびHLA-Cを有し、そのうちの最初の 2つはアロ抗原をコードする多数の対立遺伝子を有する。これらは、44kdのサブ ユニットおよび全ての抗原特異性に共通である12kdのβ2-ミクログロブリンから 成ることが見出されている。さらなる研究研究の結果、クラスIのヒト抗原であ るHLA-A2の3-D構造の詳細な画像が得られた。(Bjorkman,P.J.ら、(1987)Natu re329:506-512)。この画像においては、重鎖のβ2-ミクログロブリンタンパク 質および重鎖のα3ドメインが会合している。重鎖のα1およびα2ドメインは、 ペプチドが結合される抗原結合部位を形成する超可変領域を含む。 ヒトクラスII(HLA-DR、-DP、およびDQ遺伝子座で対立遺伝子によりコードされ る)糖タンパク質は、クラスIのものに類似した抗原結合部位を含むドメイン構 造を有する。クラスII分子は2つの鎖、すなわち膜2重層からのびるαおよびβ 鎖を含む。クラスIの分子と同様、クラスII分子内の各サプユニットは、α1、 α2、β1およびβ2と呼ばれる球状ドメインから成る。α1ドメインを除く全 てが、免疫グロブリンスーパーファミリーの分子に代表的である鎖間ジスルフィ ド結合により安定化されている。αおよびβ鎖のN末端部分、すなわちα1およ びβ1ドメインは、抗原結合部位の大部分を含むと考えられている超可変領域を 含む(Brownら,Nature 364:33-39(1993)を参照のこと)。 上記のように、各MHC対立遺伝子は、抗原ペプチドの特定の組に特異的な超可 変領域および抗原結合部位を含むタンパク質をコードする。MHC分子により結合 されたペプチドが自己抗原、アレルゲン、またはその他の有害な免疫応答に関連 したタンパク質由来であるならば、MHC分子の超可変領域が、MHC分子に対する免 疫応答を誘発する免疫原性ポリペプチドを産生するために用いされ得る。従って 、これらのポリペブチドは、MHC分子に対する免疫応答が有害な免疫応答と関連 した抗原提示を阻害するために、有害な免疫応答と関連した特定の遺伝子産物を 標的化する上で有用である。 従って、このポリペプチドでの免疫化は、ハプロタイブ特異的であり、そして 他の対立遺伝子に影響を与えないままで、その標的分子により媒介される免疫応 答の阻害だけをもたらす。ほとんどの個体は、各々のMHC遺伝子座、例えばHLA-D R遺伝子座において異型接合性である。従って、MHC遺伝子の罹病性遺伝子産物の ポリペプチドでの免疫化による疾患のハブロタイプ特異的療法は、新規の免疫療 法手段を提供する。この療法は、特定の遺伝子座にあるその他の対立遺伝子には 影響を及ぼさないことから、全体的な免疫抑制をもたらす可能性は低い。 本発明において使用に適したポリペプチドは、種々の方法で入手可能である。 都合よく、これらのペプチドは、Beckman,Applied Biosystemsのような自動合 成機、または周知のプロトコルを用いる一般に入手可能なペプチド合成機を用い 、従来の技術によって合成し得る。またこれらのペプチドは、当該分野で周知の 技術を用いて、手動で合成することも可能である。例えば、本書に参考として援 用されているStewartおよびYoung,Solid Phase Peptide Synthesis(Rockford, III,Pierce)、第2版(1984)を参照のこと。 あるいは、特別のMHCポリペプチドをコードするDNA配列をクローニングし、そ してペプチドを提供するために発現し得る。種々のMHC遺伝子を含む細胞が容易 に入手可能である。例えば、これらは、American Type Culture Collection(「 細胞株およびハイブリドーマのカタログ」、第6版(1988)、Rockville、Mar yland.U.S.A)から入手し得る。所望の配列をコードする配列を同定するために 、cDNAライプラリーをスクリーニングするために、標準的技術を用い得る(本明 細書中で参考とし援用されている、Sambrookら、Molecular Cloning-A Laborato ry Manual、Cold Spring Harbor、NewYork、1989を参照のこと)。融合タンパク 質(2つ以上のタンパク質のアミノ酸配列の全てまたは一部分から成るタンパク 質)を組換えにより生産し得る。さらに、インビトロ突然変異誘発技術を用いて 、適切な配列を含むように無関係なタンパク質を突然変異させることが可能であ る。 種々の天然供給源由来のMHC糖タンパク質を、標準的なタンパク質精製技術を 用いて、都合よく単離することも可能である。ペプチドは、例えぱ、逆相高性龍 液体クロマトグラフィー(HPLC)、イオン交換またはイムノアフィニティークロマ トグラフィー、サイズによる分離、または電気泳動を含むあらゆる種々の公知の 技術により精製し得る(一般に、本書に参考として援用されているScopes,R.、P rotein Purification、Sprlnger-Verlag,N.Y.(1982)を参照のこと)。 本発明の免疫原性MHCポリペプチドは、種々の所望の性質を提供するように(例 えば、未改変のペプチドの生物学的活性を増大させるかまたは少なくともそのほ ぼ全てを保持しつつ、薬理学的性質を向上させる)、改変させ得る。例えば、ペ ブチドのアミノ酸配列を伸長または短縮させることにより、ペプチドを改変し得 る。異なるアミノ酸またはアミノ酸模倣物をでの置換も行い得る。 免疫原性MHCポリペプチドの個々の残基は、ペプチド結合またはペプチド結合 模倣物によりペプチド中に取り込ませ得る。本発明のペプチド結合模倣物は、当 業者に周知のペブチド骨格改変を含む。このような改変として、アミド窒素、α -炭素、アミドカルボニルの修飾、アミド結合の完全な置換、伸長、欠失、また は骨格の架橋が挙げられる。一般的には、Spatola、Chemistry and Biochemistr y of Amino Acids,Peptide and Proteins、第VII巻(Weinsteinら、1983)を参照 のこと。いくつかのペプチド骨格改変が公知であり、これらには、ψ[CH2S]、ψ [CH2NH]、ψ[CSNH2]、ψ[NHCO]、ψ[COCH2]、およびψ[(E)または(Z)CH=CH]が あげられる。上述の名称は、前記Spatolaにより提案されているものに追 従している。この情況下で、ψはアミド結合の欠如を示す。アミド基を置換する 構造は、カッコ内に規定されている。 ペプチド内にはアミノ酸模倣物を取り込ませ得る。本明細書で用いる「アミノ 酸模倣物」は、コンホメーション的にもそして機能的にも本発明のポリペプチド 中のアミノ酸に対する置換物として振舞う天然に存在するアミノ酸以外の部分こ とである。このような部分は、適切なMHC分子に対する免疫応答を誘発するペブ チドの能力を妨害しないならば、アミノ酸残基に対する置換物として振舞う。ア ミノ酸模倣物として、β-γ-δ-アミノ酸、β-γ-δ-イミノ酸(例えぱ、ピペリ ジン-4-カルボキシル酸)ならびにL-α-アミノ酸の数多くの誘導体のような、 非タンパク質アミノ酸が挙げられ得る。当業者には、多くの適切なアミノ酸模倣 物が公知であり、それらのものとして、シクロヘキシルアラニン、3-シクロヘ キシルプロピオン酸、L-アダマンチルアラニン、アダマンチル酢酸などが挙げ られる。本発明のペプチドに適したペプチド模倣物については、MorganおよびGa inor,(1989)Ann.Repts.Med.Chem.24:243-252により議論されている。 上述のように、本発明で利用されるペプチドは、標的MHC分子の対応する配列 と同一ある必要はないが、実質的に同一であり得る。従って、そのペプチドは、 それがその使用において特定の利点を提供し得る場合には、保存的または非保存 的な挿入、欠失、および置換のような種々の変化を受け得る。本発明のポリペプ チドは、それがMHC分子の標的領域内の配列に実質的に同一の(以下に定義するよ うに)配列を含むかぎり、数多くの様式で改変され得る。 比較的短いアミノ酸配列(約30残基未満)の整列および比較は、代表的には簡単 なことである。より長い配列の比較には、2つの配列の最適な整列を達成するた めにより精巧な方法が必要とされ得る。比較ウインドウを整列させるための配列 の最適な整列は、SmithおよびWaterman(1981)Adv.Appl.Math.2:482の局所的 ホモロジーアルゴリズムにより、NeedlemanおよびWunsch(1970)J.Mol.Biol,48: 443のホモロジー整列アルゴリズムにより、PearsonおよびLipman(1988)Proc.Nat l.Acad.Sci.(USA)85:2444の類似性探究方法により、これらのアルゴリズム のコンピュータによる実施(Wisconsin Genetics Software Package Re1ease 7.0 でのGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA、Genetics Computer Group,575 Scie nce Dr.,Madison,WI)により、または検査により実行し得、そして種々の方法 により生成された最高の整列(すなわち、比較ウインドウ全体にわたる最高の配 列類似性百分率をもたらすもの)を選択する。 用語「配列の同一性」は、2つのポリヌクレオチド配列が、1つの比較ウイン ドウにわたり同一である(すなわちヌクレオチド毎をベースとして)ことを意味す る。用語「配列同一性の百分率」は、比較ウインドウにわたる2つの最適に整列 した配列を比較し、整合する位置の数を得るために両方の配列において同一の残 基が生じる位置の数を決定し、整合した位置の数をその比較ウインドウ内の合計 位置数(すなわち、ウインドウサイズ)で割り、その結果に100を乗じて配列同一 性の百分率を得ることにより算出される。 ポリペプチドに適用されるように、用語「実質的同一性」は、2つの配列が、 例えばデフォールトギャップウェイト(default gap weight)を用いるプログラム GAPまたはBESTFITにより最適に整列されたとき、少なくとも80%の配列同一性、 好ましくは少なくとも90%の配列同一性、より好ましくは少なくとも95%の配列 同一性、またはそれ以上(例えば99%の配列同一性)を共有することを意味する。 好ましくは、同一でない残基位置は、保存的アミノ酸置換により異なる。保存的 アミノ酸置換とは、類似した側鎖を有する残基の互換性のことを言う。例えば、 脂肪族側鎖を有するアミノ酸のグループは、グリシン、アラニン、バリン、ロイ シン、およびイソロイシンであり;脂肪族ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の グループはセリンおよびスレオニンであり;アミド含有側鎖を有するアミノ酸の グルーブはアスパラギンおよびグルタミンである;芳香族側鎖を有するアミノ酸 のグループはフェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンであり;塩基 性側鎖を有するアミノ酸のグループはリジン、アルギニン、およびヒスチジンで あり;硫黄含有側鎖を有するアミノ酸のグループは、システインおよびメチオニ ンである。好ましい保存的アミノ酸置換基は、バリン−ロイシン−イソロイシン 、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、およ びアスパラギン−グルタミンである。 本発明のポリペブチドは、代表的には少なくとも約10個の残基、より好ましく は少なくとも約18個の残基を含む。特定の実施態様においては、ペプチドは約50 個の残基を超えず、そして代表的には約20個の残基を超えない。その他の実施態 様においては、全サブユニット(αまたはβ鎖)または分子の大部分が使用される 。 例えば、ポリペプチドは、MHCサブユニット(約90〜100残基)由来の細胞外ドメイ ンを含み得る。代表的には、N-末端ドメイン(β1またはα1)が用いられる。そ のサプユニット由来の全細胞外領域(例えば、クラスII分子のβ1およびβ2ま たはα1およびα2、またはクラスI分子のα1、α2およびα3)が用いられ 得る。従って、本発明においては、広範囲のポリペプチドサイズを使用し得る。 本発明のポリペブチドは、代表的に自己タンパク質、すなわち免疫病理関連す る抗原を提示することに関与するMHC分子由来のものであるため、本発明のポリ ペブチドに対する宿主免疫応答は変化し得る。しかし、MHCクラスI分子の合成 ペプチドは、特異的細胞傷害性T細胞応答を誘発し得ることが示されている(Mar yanskiら、Nature 324:578(1986))。 自己ペプチドは、自己-MHC分子の情況下で抗原提示細胞により連続的に処理さ れ、そして提示されることが公知である。殆どの例において、これらのタンパク 質に対する応答は、限定された数のエピトープに制限される。T細胞の選択は、 自己-MHCペブチド複合体と胸腺内で発達するT細胞の相互作用の結果である。自 己タンパク質と反応性のあるT細胞の欠失が起こるけれども、これは絶対的なも のではなく、自己ペプチドに対する反応性のいくらかは残存する。自己タンパク 質を認識するT細胞が残る機構は、未だ解明されていない。理論に縛られようと は思わずに考えられる1つの可能性のある鋭明は、タンパク質のプロセッシング がT細胞の活性化にとって必須要件であるために、通常の抗原プロセッシング中 に全てのペブチドの組合せが提示されるわけではないということである。T細胞 に提示されないこれらの決定基を本明細書中では「潜在性」という。 以下に示す結果は、自己MHC分子から誘導された本発明のポリペプチドがまさ に自己MHC分子に対する抗体を誘導することを示している。従って、これらのポ リペプチドがインビボで抗原提示細胞内に、天然の等価物(counterpart)をもた ないというのは考えられることである。従って、親分子が免疫系により寛容され る可能性があるのに対して、全分子のこのような潜在決定基を含む自己MHC分子 由来のポリペプチドは免疫原性を残している見込みがある。治療用のMHC分子の選択 本発明のペプチドを産生するためのMHC分子を選択する目的で、抗原の提示に 関与する特定のMHC分子が同定される。 アレルギーの場合、特異的アレルギー応答が特異的MHCタイプと相関する。例 えば、ブタクサに対するアレルギー反応は、DR2対立遺伝子と関連していること が公知である。Marshら,(1989)Cold Spring Harb Symp Quant Biol 54:459-70 (本明細書中で参考として援用される)。 また特異的自己免疫機能不全も、特異的MHCタイプに相関付けられる。ヒトに おけるDQ/DRハプロタイプおよび自己免疫疾患とのそれらの関連の一覧表が図1 に示されている。どの対立遺伝子、そして次いでどのMHCコードポリペプチドが 自己免疫疾患と関連しているかを同定する方法は、当該技術分野で公知である。 適切な方法は、例えば、本明細書中で参考として援用されている、EP公報第2864 47号に記載されている。この方法では、いくつかの工程に従う。 まず第1に、遺伝的研究に基づいて、MHC抗原と自己免疫疾患との間の関連を 決定する。これらの研究を実行するための方法は当業者には公知であり、そして ヒトにおける全ての公知のHLA疾患関連における情報は、コペンハーゲンのHLAお よび疾患登録簿の中に維持されている。疾病と結びつけられたポリペプチドをコ ードする遺伝子座は、その疾患と最も強い結びつきをもつ遺伝子座である。 第2に、MHC抗原と関連する疾患をコードする特異的対立遺伝子を同定する。 対立遺伝子の同定においては、罹病性対立遺伝子が優性であることが仮定される 。対立遺伝子の同定は、疾患との特異的サブタイプの強い陽性の結びつきを見極 めることによって達成される。これは、いくつかの方法で達成できるが、これら の方法は全て当業者にとって公知のものである。例えば、サブタイピングは、混 合リンパ球応答(MLR)タイピングおよび感作リンパ球試験(PLT)により達成できる 。両方の方法は共に、本明細書中に参考として援用されているWeirおよびBlackw eLL編、実験免疫学便覧、に記載されている。これはまた、試験しているMHC遺伝 子座に特異的であるDNAブロープを用いてDNA制限断片長多型(RFLP)を分析するこ とによっても達成し得る。MHC遣伝子座に対するプロープを調製するための方法 は、当業者に公知である。例えば、本明細書中に参考として援用されているGreg ersenら(1986),Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:5966を参照のこと。 罹病性を付与するサブタイプの最も完全な同定は、遺伝子座のゲノムDNAまた はその遺伝子座内にコードされるmRNAに対するcDNAを配列決定することにより達 成される。配列決定されるDNAは、MHCコードポリペプチドの超可変領域をコード する切片を含んでいる。所望の領域の増幅のために、プローブを用いて特異的に 所望のDNAを同定するための方法は、当該技術分野で公知であり、例えば、ポリ メラーゼ連鎖反応(PCR)技術が挙げられる。 1例として、90%以上の慢性関節リウマチ患者が、DR4(Dw4)、DR4(Dw14)、ま たはDR1のハプロタイプを有する(図1を参照のこと)。インビボ試験のためのモデル系 以下は、これらの条件での、本発明の免疫原性ペプチドの作用を評価するため に使用され得る自己免疫疾患のためのモデル系である。 全身性エリテマトーデス(SLE) 自己免疫性ニュージーランドプラック(NZB)マウスおよび表現型が正常なニュ ージーランドホワイト(NZW)マウス系統のF1ハイブリッドは、親NZB系統に見られ るものより劇症の重篤な全身性自己免疫疾患を発症する。これらのマウスは、核 抗原に対する抗体、およびそれに続く雌に優勢な致命的免疫複合体媒介糸球体腎 炎(人間におけるSLEに著しく類似する)の発症を含む、いくつかの免疫異常を発 現する。本明細書中で参考として援用されているKnightら,(1978)J.Exp.Med. 147:1653。 その疾患のヒトおよびマウスの両方の形態において、MHC遺伝子産物との強い 関連が報告されている。HLA-DR2およびHLA-DR3の個体は、一般的個体群に比べて SLEを発症するリスクがさらに高く(Reinertsenら、(1970)N.Engl.J.Med.2 99:515)、一方NZB/W F1マウス(H-2d/u)においては、NZWの親に由来するh-2uハプ ロタイプに関連する遺伝子が、ループス様腎炎の発症に寄与する。 本発明の免疫原性ペプチドの効果は、生存率によりおよびタンパク尿および抗 DNA抗体の出現のような症状の発症の進展により測定し得る。 重症筋無力症(MG) 重症筋無力症は、HLA-Dに関連するいくつかのヒト自己免疫疾患の1つである 。本明細書中で参考として援用されてるMcDevittら、Arth.Rheum.(1977)20:59 。MGにおいては、アセチルコリンレセプター(AcChoR)に対する抗体が、シナプス 後膜内のAcChoRの損失を媒介することにより神経筋伝達を損なう。 SJL/J雌マウスが、ヒトMGのためのモデル系である。これらの動物において、 別の種からの可溶性AcChoRタンパク質でマウスを免疫することにより、実験的自 己免疫性重症筋無力症(EAM)が誘発される。EAMGに対する罹病性は、一部分MHCに 関連づけされ、H-2内の領域にマップされている。Christadossら,(1979)J.Im munol.123:2540。 AcChoRタンパク質をTorpedo californicaから精製し、参考とし援用されてい るWaldorら,(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.80:2713の方法に従ってアッセイ する。完全フロイントアジュバント中の乳化AcChoR 15μgを、背中、後足趾、尾 の基部の6つの部位の中に皮内注射する。これと同じレジメンを用いて4週間後 に動物を再度免疫化する。 評価は、抗-AcChoR抗体の測定により行ない得、抗-AcChoR抗体レベルはWaldor ら(上掲)の記載のように、マイクロリットルELISAアッセイにより測定する。標 準試薬容量は1ウエルあたり50μlである。試薬は通常、RTで2時間ウエル内で インキュベートする。重炭酸緩衝液(pH 9.6)で希釈した5μgのAcChoRを各ウエ ルに添加する。AcChoRとのインキュベーションの後、0.05%Tweenおよび0.05%N aN3を含むリン酸緩衝溶液からなる洗浄溶液でプレートを4回リンスする。マウ ス血清を0.01M PBS(pH 7.2)、1.5mM MgCl2、2.0mM 2-メルカプトエタノール、0. 05%Tween-80、0.05%NaN3(P-Tween緩衝液)でマウス血清を希釈し、そしてプレ ート上でインキュベートする。そのプレートを洗浄後、各ウエルにP-Tween緩衝 液中で希釈したβ-ガラクトシダ−ゼ結合ヒツジ抗マウス抗体を添加する。最終 洗浄の後、酵素基質、p-ニトロフェニル-ガルクトピラノシドをプレートに添加 し、そして基質触媒の程度を、1時間後の405nmでの吸収度から測定する。 抗-AcChoR抗体は、免疫化していないマウスに比べ、AcChoRで免疫化したマウ スの体内に存在するものと予測される。免疫原性ペプチドでの処置は、免疫化し たマウス内の抗-AcChoR抗体の力価を著しく減少させることが予測される。 また臨床的EAEMに対する免疫原性ペプチドでの処置の効果も評価し得る、筋無 力症の症状としては、頭および首の垂れ、背中の過度の湾曲、手足の開き、歩行 異常、および直立困難を伴う特徴的な湾曲姿勢が挙げられる。標準ストレス試験 の後、穏やかな症状が存在し、そして抗体力価が低下した後の一定の時間後、免 疫原性ペプチドの投与により、しこの時間の後抗体力価が降下すること改善する 。 慢性関節リウマチ(RA) ヒトにおいて、慢性関節リウマチに対する罹病性は、HLA D/DRと結びつけられ る。ネイティブなII型コラーゲンに対するマウス中の免疫応答が、ヒトRAに似た いくらかの組織学的および病理学的特徴をもつ関節炎のための実験的モデルを作 成するのに用いられている。マウスにおけるコラーゲン誘発関節炎(CIA)に対す る罹病性が、H-2 I領域、特にI-Aサブ領域にマップされている。Huseら、(1984) Fed.Proc.43:1820。 罹病性系統DBA-1からのマウスを、本明細書中で参考として援用されているWoo leyおよびLuthra(1985)J.Immunol.134:2366を用い、ネイティブなII型コラ ーゲンで処置することにより、CIAを有するようにさせる。 別のモデルにおいては、ラットにおけるアジュバント関節炎が、ヒト関節炎の 実験的モデルであり、そして細菌抗原により誘発された自己免疫関節炎のプロト タイプである(Holoschitzら,Prospects of Immunology(CRC Press)(1986);Pea rson Arthritis Rheum.(1964)7:80。アジュバント(MT)に対して反応性であるT 細胞のクローンによるその伝染性により立証されるように、この疾患は、細胞媒 介免疫応答の結果である;この疾患における標的自己抗原は、同じクローニング された細胞での研究に基づくと、軟骨のプロテオグリカン分子の一部(単数また は複数)であるようである。 ラットにおけるアジュバント病は、Pearsonによる記載のように、すなわち、 いくつかのデポー部位内に、好ましくは皮内または足または尾の基部へ与えられ るフロイントアジュバント(殺菌した結核菌またはその化学的分画、鉱油、およ び乳化剤)の単回注射により生み出される。アジュバントは、その他の抗原の非 存在下で与えられる。 疾患の症状発現の免疫原性ペプチド処置の効果をモニターする。これらの症状 発現は、組織病理学的なものであり、滑膜裏打ち細胞の増殖を伴う急性および悪 急性滑膜炎、優勢には関節組織および特定の組織の単核性浸潤、結合組織パンヌ スによる骨および関節軟骨の浸入、および特に罹患関節に隣接した骨膜新骨形成 を含む。重篤且つ慢性のケースでは、線維症または骨性強直のような破壊的変化 が起こる。これらの組織病理学的症状は、フロイントアジュバントに対する感作 後、約12日目に、コントロール動物に現われると予測される。 インスリン依存性糖尿病(IDDM) lDDMは、膵臓のランゲルハンス島の内部のインスリン分泌細胞の選択的破壊の 結果として観察される。この疾患における免疫系の関与は、単核細胞による島の 早期浸潤の形態的証拠により、抗-島細胞抗体の検出により、lDDM集団内のHLA-D R3および-DR4対立遺伝子の高頻度、およびIDDMと種々の自己免疫疾患との間の臨 床的関連により示唆されている。自然発生的IDDMおよび甲状腺炎についての動物 モデルが、BBラットのおいて開発されている。人間における場合と同様、ラット の疾患は、部分的に、MHC抗原をコードする遺伝子により制御され、島の湿潤に よって特徴づけられ、抗-島抗体の存在と関連付けされる。I-E等価のクラスIIMH C抗原は、BBラットにおける自己免渡疾患の症状発現に関与すると思われる。Bio tardら,Proc.Natl.Acad.Scl.USA(1985)82:6627。 形態的評価においては、インスリン炎は、島内部の単核炎症性細胞の存在によ り特徴づけられる。甲状腺炎は、最小限の基準として、甲状腺内の限局性間質リ ンパ球性浸潤により特徴づけられる。ほとんどの重篤なケースが、広汎性拡張性 リンパ球性浸潤、腺房の破断、線維症、および限局性ヒュルトレ細胞変化を示す 。Biotardらを参照のこと。 本発明の免疫原性ペプチドでのBBラットの処置は、IDDMおよび甲状腺炎に結び つけられる臨床的および形態的症状の発現を回復または防止するものと期待され ている。 別の自然発生モデルにおいては、NODマウス系統(H-2KdDb)は、自己免疫IDDMに ついてのマウスモデルである。これらの動物におけるこの疾患は、抗-島細胞抗 体、重篤なインスリン炎、およびβ-細胞の自己免疫破壊の証拠により特徴づけ られる。Kanazawaら,Diabetologia(1984)27:113。この疾患は、リンパ球によ り受身移入され得、サイクロスポリン-Aでの治療により予防され得る。(Ikehar aら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)82:7743;Moriら,Diabetologia(1986) 29:244。未処置の動物は、深遠なグルコース不耐性およびケトーシスを発症し、 そして発病から数週間以内に死亡する。70〜90%の雌そして20〜30%の雄の動物が 、生後6ヵ月以内に糖尿病を発症する。育種研究は、疾患罹病性を担う少なくと も2つの遺伝子座を規定し、そのうち1つはMHCにマップされている。血清レベ ルおよび分子レベルの両方におけるNODクラスII抗原の特徴づけは、自己免疫疾 患に対する罹病性がI-Aβに連鎖している示唆している。Acha-OrbeaおよびMcDev itt,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1970)84:235。 免疫原性ペプチドでの雌NODマウスの処置は、糖尿病の発病前の時間を伸ばし、お よび/または疾患を改善または防止することが期待されている。 実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE) 実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)は、数多くの点で多発性硬化症(MS)のヒト 疾患に似た中枢神経系の誘発性自己免疫疾患である。この疾患は、マウスおよび ラットを含む数多くの種において誘発され得る。 この疾患は、麻痺の急性発現により特徴づけられる。マウスおよびラットの両 方において、CNS内の単核細胞による脈管周囲浸潤が観察される。この疾患の誘 発方法ならびに症状については、Aranson(1985)のThe Autoimmune Diseases(Ros eおよびMackay編,Academic Press,lnc.)399〜427頁、およびAcha-Orbeaら(198 9)のAnn.Rev.Imm.7:377-405中に総説されている。 罹病性を媒介する遺伝子の1つは、MHCクラスI領域の中に位置付けられている( Mooreら(1980),J.Immunol.124:1815〜1820)。最も良く分析された脳炎誘発性 タンパク質は、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)であるが、その他の脳炎誘発性 抗原が脳の中に見られる。免疫原性エピトープが、マップされている(Acha-Orbe aら,前掲を参照のこと)。PLマウス系統(H-2u)においては、MBP内の2つの脳 炎誘発性ペプチドが特徴づけされている:MBPペブチドp35〜47(MBP35〜47)、お よびアセチル化されたもの(MBP1〜9)である。ヒトにおいては、MSの治療に対し て、好ましい自己抗原性ペプチドには、MBPのアミノ酸84〜102および148〜162が 含まれる。 EAEが誘発された個体における疾患症状を改善しそして予防することにおける 本発明の免疫原性ペプチドの効果は、生存率、および発症の進行により測り得る 。EAEの処置における免疫原性ペプチドの使用の例を以下に提供する。処方および投与 本発明のペプチドおよびその薬学的組成物は、有害な免疫応答を処置および/ または予防ために、哺乳動物、特にヒトに投与するのに有用である。適切な処方 は、本明細書中で参考として援用されているRemington's Pharmacentical Scien ces ,Mack Publishing Company,Philadelphia,PA,第17版(1985)中に見られる 。 本発明の免疫原性ペプチドは、予防的にまたはすでにその疾患を患っている個 体に対して投与される。その組成物は、そのペプチドの由来であるMHC分子に対 する有効な免疫応答を惹起するのに充分な量で患者に投与される。これを達成す るのに十分な量を、「治療的有効用量」または「免疫原性的有効用量」と定義づ ける。この使用のための有効量は、例えば、ペプチド組成、投与方法、治療する 疾患の段階および重症度、患者の体重および全般的な健康状態、そして処方する 医師の判断に依存するが、一般に初期免疫(すなわち、治療的または予防的投与) については、70kgの患者1人当たり約0.1mg〜約1.0mg、より一般的には体重70kg 当たり約0.5mg〜約0.75mgである。追加免疫用量は、患者の応答および状態に応 じて、数週間〜数カ月にわたる追加免疫レジメンを用いて標準的に約0.1mg〜約0 .5mgのペプチドである。適切なプロトコルとして、0週目、2週目、6週目、10 週目および14週目の注入、それに続く24週目および28週目の追加免疫注入が挙げ られる。 本発明のペプチドおよび組成物は、一般に重症の疾患状態、すなわち、生命を 脅すかまたはその可能性のある状況において用いられ得るものであることを念頭 に置いておかなくてはならない。このようなケースにおいては、外来性物質の最 小限化およびペプチドの相対的非毒性を考慮して、実質的に過剰量のこれらのペ プチド組成物を投与することが可能でありそして処置する医師がにより所望され 得る。 治療的使用については、投与は自己免疫疾患またはアレルギー疾患の最初の徴 候があった時点で開始すべきである。この後、少なくとも症状が実質的に和らぐ までそしてその後一定期間、追加免疫用量が続く。いくつかの状況下では、負荷 用量とそれに続く追加免疫用量が必要となり得る。得られた免疫応答は、症状お よび/または合併症を治癒するかまたは少なくとも部分的に阻止する助けとなる 。ペプチドを含むワクチン組成物は、標的MHC抗原に対する免疫応答を惹起する ために、罹病性のある患者またはその他疾患のリスクのある患者に対して予防的 に投与される。 薬学的組成物は、非経口または経口投与を意図している。好ましくは、この薬 学的組成物は、非経口的に(例えば、皮下、皮内、または筋肉内に)投与される. 従って、本発明は、受容可能なキャリア好ましくは水性キャリア中に溶解または 懸濁した免疫原性ペプチドの溶液を含む非経口投与向けの組成物を提供する。種 々の水性キャリア(例えば、水、緩衝水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシン、ヒ アルロン酸など)を使用し得る。これらの組成物は、従来の周知の滅菌技術によ り滅菌し得るし、またはろ過滅菌し得る。得られた水溶液は、そのままの状態で 使用するようパッケージし得るか、または凍結乾燥し得、この場合凍結乾燥され た調製物は投与前に無菌溶液と混合される。この組成物は、生理学的条件に近づ けるために、必要に応じて薬学的に受容可能な補助物質(例えば、酢酸ナトリウ ム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、モノラ ウリン酸ソルビタン、オレイン酸、トリエタノールアミンのような緩衝剤、張性 調整剤、湿潤剤)を含み得る。 固体組成物用には、従来の非毒性固体キャリア(例えば、薬学的グレードのマ ンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナ トリウム、滑石粉、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムな どを含む)が用いられ得る。経口投与用には、先に列挙したキャリアのような通 常用いられる賦形剤のいずれか、および一般に10〜95%の活性成分(本発明の1 つ以上のペプチド)、そしてより好ましくは25%〜75%の濃度で、取込むことによ り、薬学的に受容可能な非毒性組成物が形成される。 上記のように、この組成物は、ペプチドに対する免疫応答を誘発するよう意図 されている。従って、免疫応答を最大限にするのに適した組成物および投与方法 が好適である。例えば、ペプチドは、担体に結合させた状態でまたは活性ペプチ ドユニットのホモポリマーまたはヘテロポリマーとして、ヒトを含む宿主中に導 入し得る。あるいは、ポリペプチドの「カクテル」を使用し得る。1つ以上のポ リペプチドの混合物は、免疫学的反応の増加、そしてポリマーを構成するのに異 なるペプチドが用いられる場合には、複数のエピトープに対する抗体を誘発する さらなる能力という利点を有する。例えば、α鎖およびβ鎖の超可変領域由来の 配列を含むポリペプチドは組合わせて使用し得る。有用なキャリアは当該技術分 野において周知であり、例えば、サイログロブリン、ヒト血清アルブミンのよう なアルプミン、破傷風トキソイド、ポリ(リジン:グルタミン酸)のようなポリア ミノ酸、インフルエンザ、B型肝炎ウイルスコアタンパク質、B型肝炎ウイルス 組換え体ワクチンなどが挙げられる。 本発明のポリペプチドに対する免疫応答を増強するためには、1つ以上のポリ ペプチドの使用が特に有用である。以下に示すように、このポリペプチドは、患 者の体内で発現された自己MHC分子由来であり得るが、それらは免疫応答を誘発 し得る。いくつかの例では、自己ポリペプチドに対する免疫応答は充分強いもの でない可能性がある。このような場合には、そのポリペプチドに対する寛容を破 ることが必要があり得る。この組成物は、外来および自己ポリペプチドの両方に 対する免疫応答を誘発するために、自己ポリペプチドに十分類似している1つ以 上の外来ポリペプチドを含み得る(Mamulaら,J.Immunol.149:789-795(1992)。 適切なタンパク質としては、この目的のために設計された合成ポリペプチドまた は、例えば、自己ポリペプチドと同じ遺伝子座において異なる対立遺伝子により コードされるタンパク質のような天然供給源からの相同なタンパク質由来のポリ ペプチド配列が挙げられる。 この組成物はまた同様にアジュバントを含む。多数のアジュバントは当業者に は周知のものである。適切なアジュバントとして、不完全フロイントアジュバン ト、ミョウバン、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、N-アセチル-ムラ ミル-L-トレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチル-ノル-ムラミル-L- アラニル-D-イソグルタミン(CGP 11637,ノル-MDPと呼ばれる)、N-アセチルムラ ミル-L-アラニル-D-イソグルタミル-L-アラニン-2-(1'-2'−ジパルミトイル-sn- グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(CGP 19835A,MTP-PEと 呼ぱれる)、および2%のスクアレン/Tween80エマルジョン中の細菌由来の3つ の成分(モノホスホリルリピドA、トレハロースジミコレート、および細胞壁骨格 (MPL+TDM+CWS))を含むRIBIが挙げられる。アジュバントの有効性は、免疫原性ペ プチドに対する抗体の量を測定することにより測定し得る。 特に有用なアジュバントおよび免疫化スケジュールは、本明細書中で参考とし て援用されているKwakら,New Eng.J.Med.327-1209-1215(1992)中に記載され ている。そこに記載の免疫的アジュバントは、リン酸緩衝溶液中に5%(重量/容 量)のスクアレン、2.5%のプルロニックL121ポリマー、および0.2%のポリソル ベートを含む。 薬学的処方物中の本発明の免疫原性ペプチドの濃度は広範に変わり得(すなわ ち、重量%で、約0.1%未満、通常は約2%でまたは少なくとも約2%から、最高で 20〜50重量%以上まで)、そしてそれは主に、選択された特定の投与様式に従い 、液体容量、粘度などによって選択される。 本発明のペプチドはまた、ワクシニアまたは鶏痘のような弱毒化ウイルス宿主 内により発現され得る。このアプローチは、本発明のペプチドをコードするヌク レオチド配列を発現するためにベクターとしてのワクシニアの使用を含む。宿主 への導入に際して、組換え型ワクシニアウイルスは、免疫原性ペプチドを発現し 、それにより免疫応答を惹起する。免疫化プロトコルにおいて有用なワクシニア ベクターおよび方法は、例えば、本明細書中で参考として援用されている米国特 許第4,722,848号中に記載されている。別のベクターはBCG(Bacille Calmette Gu erin)である。BCGベクターは、本明細書中で参考として援用されているStoverら ,(Nature 351:456-460(1991))に記載されている。本発明のペプチドの治療的投 与または免疫化のために有用な非常に様々なその他のベクター(例えば、Salmone lla typhiベクターなど)は、本明細書中の記載から当業者には明らかである。 このペプチドはまた、診断的目的にも使用し得る。例えば、これらは、ワクチ ン接種を確実に有効なものにするため、自己抗体についてのスクリーニングに使 用し得る。 以下の実施例は、限定としてではなく、例示として提供する。 実施例1 本実施例は、本発明のペプチドでのマウスの免疫化が、標的MHC抗原に対する 免疫応答を惹起するということを示す。 使用したモデル系は、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)であった。先に説明し たように、EAEは、ヒト多発性硬化症(MS)に似ているT細胞媒介性自己免疫性脱 髄疾患の動物モデルである。この疾病は、急性麻痺発作の発症とそれに続く回復 によって特徴づけられる。3ヵ月にわたり動物を観察すると、自然緩解とそれに 続く可変的回復が見られる。これらの特徴を考慮すると、EAEは、慢性自己免疫 疾患の免疫療法の研究にとって理想的なモデルである。 MSと同様に、EAEに対する罹病性は、マウスla遺伝子の特定の対立遺伝子に関 連付けされ、I-As,u,&k系統が罹病性を有するのに対して、I-Ab&d系統は比較的 耐性がある。モノクローナル抗-I-A抗体10-3.6での処置の後、EAEは予防し得、 そしてCR-EAEの重症度を軽減し得る(Spiramら(1983)J.Exp.Med.158:1362)。 モノクローナル抗体10-3.6は、I-A分子のβ鎖上の血清学的特異性la17を認識し 、IAs,u,f,rおよびkllの対立遺伝子のべβ鎖の残基63〜67に結合する。 I-Asのβ鎖上のモノクローナル抗体10-3.6結合部位にまたがった合成ペプチド を生成した。これらのペプチドは、β鎖の第3の超可変領域の、残基58〜75にま たがるI-As βのp18マーおよび残基60〜70にまたがるI-As βのp10マーであった( 図2)。そのペブチドは、(Macromolecular Resources,Colorado State Univ,F ort Collins CO)から入手した。 その18マーおよび10マーで免疫化された動物から得られた抗体のELISA結合ア ッセイの結果を、それぞれ図3Aおよび3Bに示す。8週齢の5匹の雌SJLマウス(Nl H,Bethesda,MDから入手)を、50μgのH37RAを含む完全フロインドアジュバント (CFA)中の350μgのペブチドで、背部に免疫した。7日後に200μgのペプチドで 、 その動物を再度免疫し、2回目の免疫3週間後に尾の静脈を介して出血させた。 コントロール動物を、CFAのみ、または無関係の20マーのペプチド(pb57、トロン ビンの20マーのペプチド、Vermont大学、Burlington VTのW.Churchからの贈与 物)で免疫した。血清を5匹の動物からブールし、そして標準的な手順を用いて 過飽和硫酸アンモニウムで免疫グロブリンを沈澱させた。可溶化した沈澱物をさ らに、QAEカラム上でクロマトグラフィにより精製し、そして分光光度計で280nm の吸収度読取りにより定量した。 ELISAアッセイを、ELISAプレート(Corning,NY)を、100μlの重炭酸緩衝液(pH 9.2)中の抗原(2μg/ウエルの10マーのペプチドまたは1μg/ウエルの18マーの ペプチド)でコートすることにより実施した。ELISA洗浄緩衝液(0.05%のTween20 を含むPBS)でウェルを洗浄し、未占有部位を30分間PBS中の1%ウシ血清アルブ ミン(Sigma,St.Louis,MO)でブロックし洗浄した。ELISA緩衝液中に希釈した2 μg、1μg、0.5μg、および0.25μgの抗体を各ウエルに添加した。45分後、ウ ェルを洗浄し、そして1:5000の希釈度でアルカリ性ホスファターゼ結合ヤギ抗マ ウスIgG(Tago,Millbrae,CA)を添加した。30分後にウェルを洗浄し、そして100μ lの基質(1mg/mの最終濃度になるように10%ジエタノールアミン(Sigma)中に溶 解された5mgのp-ニトロフェニルリン酸)をウェルに添加した。120分に405nmで Bio-Tek ELIZAリーダー(Winooski,VT)で読み取った。結果は、405nmユニットで のバックグラウンド吸収度(いかなる一次抗体も添加されなかったウェル内の40 5nm吸光度)を差し引いた後の、405nmで読み取られた3連のウェルの平均吸光度 として表現されている。 I-Asβ p18マーのペプチドで免疫後のSJLマウスにその18マーの抗原に対する 抗体が検出された(図3A)。10マーのペプチドは免疫原性が低く、そして有意な抗 体力価の発達結果をもたらさなかった(図3B)。またモノクローナル抗体10-3.6は 、予想通り18マーのペプチドに結合したが、一方コントロールのイソタイプのマ ッチした抗体MKD6(これはI-Adの多型領域を認識する)はいかなる結合も示さなか った。抗18マー抗血清のみが10マーのペプチドに結合し、このことは抗18マー抗 体が抗体10-3.6により認識されるものとは異なる領域を認識することを示唆して いる。いずれのペプチドも、増殖性のT細胞応答を生じさせなかった。無関係な 20 マーのペプチド(pb57、トロンビンタンパク質の合成ペプチド)での免疫化は、20 マーまたは10マーのペプチドのいずれに対する抗体も惹起しなかった(データは 未掲載)。 その血清抗体が、IA分子に特異的であるか否かを決定するため、リガンドとし て可溶性I-A分子を用いるELISAアッセイを使用した。 可溶性I-Asタンパク質を、Sharmaら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:11 465の中に以前記載されたとおりに調製した。HLA-DR2について同型接合性である 、同型接合性細胞株GMO-3107から可溶性DRを調製した。簡潔に記載すると、8リ ットルの培養フラスコ内で1×106細胞/mlの細胞密度で、DR2型細胞系統を増 殖させ、次いで細胞を回収し、そして膜調製物の界面活性剤溶解物を、セファロ ース4Bにカップリングした抗-DR抗体(L234)を含むカラムを通過させた。結合し たDR分子をpH 11.3で溶出し、そしてタンパク質のピークをプールした。調製物 の純度を決定するため、12%のSDS-PAGEゲルを行った。pH 9.2の重炭酸緩衝液中 に、可溶性I-AsおよびDRタンパク質を希釈した。100μlの緩衝液中の1μgのタ ンパク質をウェルに加え、上記のようにELISAアッセイを行なった。 図4Aに示されているように、I-Asβ p18マーのペプチドで免疫した動物由来の 抗体は、可溶性I-As抗原に結合した。I-Aβ p10マーまたはCFAのみで免疫した動 物から得た抗体は、可溶性I-Asに対していかなる結合も示さなかった。コントロ ル抗原として可溶性HLA-DR2を使用した場合(図4B)、抗I-Asβ 18マーまたは10-3 .6抗体の結合はなかったが、抗HLA-DR抗体L243の結合は存在した。これらの研究 は、抗I-A特異的抗体は、I-Aペプチドでの免疫化の後、I-A遺伝子産物について の自己の動物の体内で生成し得ることを示している。 実施例2 本実施例は、抗I-As抗体応答の誘導が急性およびCR-EAEの発症を防ぐのに充分 であることを示す。 生後6〜12週齢の雌SJL/JマウスをNlH(Bethesda,MD)から入手し、そして標準 的技術に従って維持した。このマウスを、350μg/mlのH37RAを添加した完全フロ インドアジュバント(CFA)、400μgのI-Asβ p18マーを含むCFA、400μgのI-Asβ 10マーを含むCFA、または400μgの57bp(トロンビンの20マーのペプチド、無関係 なペプチド)を含むCFAのいずれかを含む150μlのエマルジョンで背中に免疫した 。 4週間後、全ての動物に、CFA中のマウス脊髄ホモジェネート(MSCH)800μgを 抗原投与した。MSCHでの免疫化を7日後にくり返し、そして10日〜20日の間疾患 をモニターした。疾患は、以下のとおり格付けした:(1)元気のない尾(limpt ail)、(2)1肢の麻痺、(3)2肢の麻痺、(4)瀕死、(5)死亡。MSCHで の免疫化の後20日目に、全ての動物を4%のパラホルムアルデヒドで灌流し、そ して組織学的分析のため脳および脊髄を得た。組織学は以下のとおり格付けした :4+、中程度の出力で観察した6つ以上の非重複領域内に6つの脈管周囲のカ フが存在;3+、中程度の出力で非重複領域内に3〜6個の脈管周囲カフが存在 :2+、中程度の出力で非重複領域内に1〜3個の脈管周囲カフが存在。1+、 髄膜浸潤のみ。小脳および脳幹を含む脳の組織学を実験1からの動物全てにおい て研究した。 これらの実験の結果(表1)は。I-Asβのp18マーペプチドでの免疫がEAEの発症 に対し保護することを示している。全ての中で、ペプチドI-Asβのp18マーでワ クチン接種を受けた16匹の動物のうちわずか3匹(23%)しかEAEを発症しなかっ た。CFAのみまたはp57(無関係な20マーのペプチド)を含むCFAの注入を受けた動 物では、16匹のうち13匹(81%)がEAEを発症した。重症度における差異の組織学的 証拠も確認された。I-Asβのp10マーは抗1-As抗体を生成するのに成功せず、そ してEAEを防止しなかった。 立証された疾患に対するI-Asβのp18マーのペプチドでの免疫化の効果を決定 するため、最初の麻痺発作からの回復の後、I-Asβのp18マーのペプチドでの動 物のワクチン接種を開始した(表2)。 50μg/mlのH37RAを含むCFA中の400μgのMBPペプチドp91〜103(Multiple Pepti de System,San Diego CA.)を用いて、0日目および7日目に生後6〜8週齢のS JLマウスを免疫した。14日後、10%のウシ胎児血清(Hyclone Labs,Logan,UT.) 、2mM L-グルタミン、5×10-5Mの2-メルカプトエタノール、1%ペニシリン/ス ト レプトマイシン、および5μg/mlのペプチドまたは10μg/mlのp91〜103ペプチド を含む1.5mlのRPMI1640培地中で6×106細胞/ウエルの濃度で24ウエルのプレート (Falcon)の中で、限局的にドレインしているリンパ節細胞を収穫しそして培養し た。4日閻のインビトロ刺激の後、フィコールーハイパック勾配遠心法(Hypaque 1077,Sigma,St.Louis,MO)を介して、抗原反応性T細胞芽球を回収し、PBS中 で2回洗浄し、受容マウスに注入した(500μlのPBS中、1.5×107細胞/動物、腹 腔内)。 EAEの発症について動物を観察し、回復時点で、CFA中の400μgのI-Asβの18マ ーのペプチド(グルーブ1)またはCFAのみ(グループ2)のいずれかで免疫化した 。回復は、48時間以上の間、2の臨床的等級の改善として定義づけた。実験1で は、17日目までに全ての動物において回復が起こり、18日目にI-Asβの18マーの ペプチドまたはCFAを動物に注射し、第2の実験では、動物を、24日目にI-Asβ の18マーのペプチドで処置した。75日目まで、動物を毎日追跡調査した。 ★最初の再発で2匹の動物が死亡した。#p<0.05、ウイルコクサンランク総計 試験(Wilcoxan rank sum test) これらの研究は、全体として、コントロールグループでは13回の再発があった のに対し、I-Asβのp18マーで処置されたグループではわずか4回の再発しかな かったということを示している。実験2では、再発はさらに重症で、最初の再発 では2匹が死亡し、残りの3匹の動物は、研究の残りについて等級2以上の麻痺 を示した(図5)。全体として、I-Asβのp20マーを受けた動物における再発率(再 発数/動物数)は0.27であり、一方対照グループにおける再発率は1.3(p<0.05) であった。 この研究は、自己免疫疾患の処置における療法戦略としてのI-Asβペプチドで のワクチン接種の効果を立証している。ここで観察された臨床的効果は、急性お よびCR-EAEの処置における抗I-A抗体でのインビボ療法で得られた結果とよく類 似している。 実施例3 本実施例は、本発明のポリペプチドにより誘発された免疫応答の性質を分析す るためのフロー・サイトメトリー分析、T細胞増殖アッセイの結果を示す。I-As β 18マーのペプチドでワクチン接種された動物由来の自己-抗-I-A抗体は、 細胞表面上に発現されたネイティブなI-Asに特異的である。 I-Asβ 18マーのペプチドでワクチン接種された動物由来の抗血清が細胞表面 上のネイティブなI-As分子を認識し得るかどうかを決定するために、脾リンパ球 についてフローサイトメトリー分析を実施した。T細胞、B細胞、および単球を 含む脾リンパ球を、SJL/J(1-As)およびBALB/c(1-Ad)マウスから得た。次にこの 細胞を、I-AペブチドまたはCFAのみのいずれかでワクチン接種した動物由来の精 製抗血清を用いて、インビトロで染色した。二次抗体としてはフルオレセインイ ソチオシアネート(FlTC)にコンジュゲートさせたヤギ抗-マウスIgG Fcを用いた 。FITCにコンジュゲートさせたモノクローナル抗体10-3.6をポジティブコントロ ールとしで用いた。 これらの実験の結果は、36.17%の脾リンパ球が、50μg/mlの濃度でI-Asβの 18マー抗血清により染色されることを示していた。これは、モノクローナル抗-I -A抗体10-3.6で染色された細胞の40%に匹敵する。対照的に、わずか1.91%の細 胞が、50μgのCFA抗血清で染色され、1.5%の細胞が抗-I-AdmAb MKD6で染色され た。抗-I-Asβの18マー抗血清は、わずか3.78%のBALB/c脾細胞しか認識されな かったことから、SJL/J脾細胞に特異的であった。 別の実験においては、SJL脾細胞を、200μg/mlの抗-I-Asβの18マーのペプチ ド抗血清またはCFAコントロール抗血清のいずれかを用いて、1時間プレインキ ュベートした。次いで、細胞を洗浄し、30分間、5、2.5、1.25、および0.625μ g/mlの濃度のFITC結合10-3.6とともにインキュベートした。抗-I-Asβの18マー ペプチド抗血清とインキュベートした細胞は、コントロール抗血清を用いてプレ インキュベートしたサンプルと比べた場合、10-3.6の全ての濃度で平均蛍光強度 における平均44.4±11.6%の減少を示した(図6)。 これらの研究は、I-Asβの18マーのペプチドでのワクチン接種の後、抗-I-As 特異的抗体が、I-A遺伝子産物については自己の動物中に生成されることを示し ている。自己抗-I-A抗体はクラスII-拘束T細胞増殖性応答を阻止し得る。 I-Aペプチドでのワクチン接種により惹起された抗-I-A-抗体が機能的応答を阻 害し得るかどうかを決定するため、T細胞増殖アッセイを行なった。SJL/Jマウ スをCFA中のMBP p91〜103ペプチドで免疫した。9日後にリンパ節を取り出し、p 91〜103ペプチドの存在下でインビトロで培養した。このアッセイには、I-Asβ の18マーのペプチドでワクチン接種したマウスから精製した抗血清が含まれてい た(100μg/ml)。あるいは、ポジティブおよびネガティブコントロールとして、 それぞれ別々の組のウエル中に、mAb10-3.6(50μg/ml)およびCFA抗血清(100μg/ ml)を含み入れた。抗-I-Asβの18マーの抗血清および10-3.6mAbのみが増殖を阻 害し得た(43%対72%阻害)。CFA抗血清はほとんど効果がなかった(2.48%)。(図 7)。I-As βの18マーのペプチドでワクチン接種された動物はMBPおよびPPDに対する増 殖性応答を発生させることができない。 I-Asβの18マーのペプチドに対する抗体応答が可溶性リコール抗原(recall an tigen)に対する免疫の発達に影響を及ぼすか否かを決定する目的で、CFA中のI-As βの18マーのペプチドまたはCFAのみのいずれかを用いて、SJLマウスにワクチ ン接種した。4週間後、両方のグループは、CFA中の400μgのMBPを受けた。MBP を受けてから10日後に、限局的リンパ節を採取し、MBPおよびPPD(ツベルクリン の精製タンパク質誘導体)に対する増殖性応答を決定した。I-Asβの18マーのペ プチドを受けたマウスは、CFAのみを受けたコントロールグループと比較した場 合、MBPおよびPPDの両方に対する増殖性応答が著しく低下していた(図8)。 実施例4 本実施例は、ヒトにおける慢性関節リウマチに対する使用のためのクラスII H LA DR4Dw4の製造を示す。 RAにおいては一次的主要免疫自己免疫原(単数または複数)は公知ではないが、 この疾患は明らかに、Th細胞に自己ペプチド抗原を提示するMHCクラスII分子と 関連している。特に、3つのクラスIIハプロタイプがRAにおいては最も広く知ら れている:HLA-DR1;DR-4w4;およびDR-4w14。全RA患者の80〜90%がこれらの罹 病性対立遺伝子の1つ以上を保有している。 ワクチン中の活性ペプチドは、クラスII HLA-DR4Dw4のβ鎖の残基57〜76に相 当する20アミノ酸残基の合成N-アセチル化ペプチドである。この配列は、RAに 対する素因を規定し、そしてまた自己抗原ペプチド結合(MHC「ポケット」)およ びT細胞レセプター結合に関与する部位に隣接する三次元構造の位置を同定する 。 このペプチドの合成は誘導体化樹脂支持体上でのC末端からN末端への連続的 アセンブリにより実施する。カップリングサイクルおよびフッ化水素(HF)での支 持体からの切断の完了後、このペプチドをカラムクロマトグラフィーにより精製 する。N末端からC末端へのDR4/1ペプチドのアミノ酸配列: アセチル-L-Asp-Ala-Glu-Tyr-Trp-Asn-Ser-Gln-Lys-Asp-Leu-Leu-Glu-Gln-Lys-A rg-Ala-Ala-Val-Asp。樹脂化学 約3〜5kgのポリスチレン(100〜200メッシュ、1%ジビニルベンゼン含有)を 、アルゴンでフラッシュした反応容器中で30〜40Lの1,2-時クロロエタン、500 〜1 000gのp-トルオイルクロライド、および500〜1000gのアルミニウムクロライド と混合する。反応を0℃で15〜30分間進行させる。次いで反応を室温にし、そし てさらに12〜36時間、反応を進行させる。得られたケトン樹脂を、メタノール、 USP生成水(水)、およびメチレンクロライドで洗浄しそして濾過した。材料部分 を取り除き、そして赤外分光により試験し構造を確認した。 次にこの樹脂を、6〜8kgのギ酸アンモニウム、20〜30Lのニトロベンゼン、 7〜10Lのホルムアミド、および4〜6Lのギ酸を添加することによりアミノ化 した。撹拌しながら、混合物を170℃にして48〜72時間維持した。そのアミノ化 した樹脂をメタノールおよびメチレンクロライドで洗浄しそして濾過した。材料 部分を取り除き、そして上記のように試験した。 最終工程は、酸性条件下でのエタノールを用いるアミノ下樹脂の加水分解であ った。還元した樹脂を6〜12Lのエタノール(EtOH)および5〜10Lの塩酸と混合 した。撹拌しながら、反応混合物を温和な還流の生じる約78℃に維持した。反応 は1晩進行させた。 完成したp-メチルベンズヒドリル樹脂(pMBHA-Rx)をメタノール、水、およびメ チレンクロライドを用いて洗浄および濾過した。濾過した産物を真空下で40℃で 乾燥した。材料部分を取り除き、そして赤外分光により試験し構造を確認した。ペプチド合成 DR4/1-ペプチドをMerrifield(Science,232:341(1986))の固相ペプチド合成 により産生した。このプロセスは、pMBHA-Rx固体支持体上でのC末端からN末端 へのペプチドのアセンブリを含む。完全に保護されたペプチドのアセンブリの後 、このペプチドを側鎖保護基の付随的な脱保護で支持体から切断する。 その固相ペプチド合成は第三級ブチルオキシカルボニルアミノ酸(Boc AA)と適 合性の化学を用いた。 このプロセスに必要な樹脂の要求量をこの樹脂の置換により決定した: 計算量の樹脂を、反応容器中でEtOH、DCM、およびDCM中10%DIEAで、各1.5分間 連続的に洗浄することにより中和した。 各BocAAをペプチド鎖中のその位置に相当するカップリングサイクル数割り当 てた。各BocAAの必要量をカップリング反応の完全性を確保するために3倍過剰 を含むように算出した。 全合成操作は室温でBeckman System 990Bまたは990Cで行った。窒素圧を、溶 媒の移動および除去を容易にするため、および全ての反応のための乾燥、不活性 大気を提供するために、このプロセスを通じて使用した。 合成を始めるために、3倍過剰のBoc-Aspを必要量のジメチルスルホキシド(DM F)またはDCMいずれかに溶解し、反応容器に加え、そして1〜5分間撹拌した。 当モル量のカップリング薬剤(BOP)を反応容器に添加した。必要量のDCM中10%DI EAを添加しそしてその反応混合物を90分間撹拌した。このようにして、Boc-Asp をその側鎖を介して樹脂にカップリングした。カップリング時間後、Asp-O-樹脂 をDCMおよびDCM中10%DIEAで洗浄した。 次いでAsp-O-樹脂上の遊離のアミノ基を、DCM中10%DIEAで10分間そしてそれ に次ぐDCM中10%無水酢酸での連続的な洗浄によりアセチル化(「キャップ化」) した。 アセチル化されたAsp-O-樹脂をDCMで1.5分間;DCM中40%TFA中0.1%インドー ルで1.5分間;DCM中40%TFA中0.1%インドールで30分間;およびDCMで1.5分間、 連続的に洗浄することにより脱保護した。その後、希釈DIEA溶液で中和した。 カップリングが成功したことをKaiserニンヒドリン試験を用いて測定した。も しもその試験が陽性であった場合、カップリングを繰り返した。カップリングは 最大2回繰り返し得た。もしも第2のカップリングが成功しなかった場合、ペプ チド-樹脂を次のサイクルに進む前に前記のプロセスに従ってアセチル化した。 もしもニンヒドリン試験が陰性であれば、合成を次のサイクルに進めた。 先の手順を、20アミノ酸ペプチドを生成するまで全てのカップリングサイクル を繰り返した。 最後のアミノ酸を好結果にカップリングさせた後、Boc-ペプチド-O-樹脂を、 さらに2回のさらなるEtOHでの1分間の洗浄、および2回のさらなるDCMでの1 分間の洗浄を加えて、前と同じようにN-末端Boc基を除去することにより脱保護 した。この後にニンヒドリン試験を続かせた。もし試験が陰性であれば。脱保護 および洗浄を繰り返した。もしニンヒドリン試験が陽性であれば、末端アセチル 化を行った。 このペプチドのN末端を、そのペプチド-樹脂をDCM中10%DIEAで1.5分間、そ してDCM中10%無水酢酸で5分間連続的に洗浄することによりアセチル化した。 この後にDCMでの2回の1.5分の洗浄およびニンヒドリン試験を続かせた。もしニ ンヒドリン試験が陽性であれば、アセチル化および洗浄工程を繰り返した。 アセチル化し、側鎖保護したペプチド-樹脂を反応容器から取り出し、そして 最低12時間真空下で乾燥した。 支持体からのペプチドの切断前に、50%酢酸溶液(HOAc(aq))をペプチド抽出の ために調製した。HF装置をKel-F反応容器およびテフロンバルブおよび管を用い て組み立てた。 必要量のペプチド樹脂を量りそして反応容器に移す。容器をテフロンコートし たマグネティック撹拌バーで撹拌した。アニソール(1〜2mLペプチド-樹脂)お よび1,2-エタンジオールを、切断工程の間に産生したカルボニウムイオンと反応 することによるスカベンジャーとして働くようにその反応容器中に添加した。 次いで、その反応容器をHF装置に安全に配置し、そして進める前に少なくとも 5分間ドライアイス/アセトン浴で冷却した。そのHF装置を真空ポンプで360〜39 0mmHgに脱気した。真空に維持を確保するために、その装置をHF反応の進行前に1 0分間観察した。 一定の真空が達成されたなら、1グラムのペプチド-樹脂当たり約10mLのHF容 量をその反応容器中に濃縮した。0℃に保った標準的な氷浴でドライアイス/ア セトン浴を置き換えた。その反応混合物を適度の速度で撹拌し60分間続けた。 切断工程が完了したら、HFを反応容器から、液体窒素濃縮容器または酸化カル シウムトラップのいずれか中に蒸発させた。全てのHFおよびアニソールの一部を 蒸発させた後、その反応容器をHF装置からはずした。 1グラムのペプチド樹脂当たり10〜20mLの無水エチルエーテル(エーテル)を反 応容器に添加しそして2〜10分間撹拌した。次いでその反応容器の内容物を半融 ガラス漏斗に移した。水吸引を用いて、エーテルをペプチドおよび樹脂混合物か ら除去した。フィルターケークを1グラムのペプチド-樹脂当たり10〜20mLのエ ーテルを用い、3回のバッチで洗浄した。 1グラムのペプチド-樹脂当たり5〜10mLの50%HOAC(aq)の各洗浄を用いる、 そのフィルターケークの3回の洗浄によりその樹脂からペプチドを抽出した。 抽出した粗製ペプチドを、水に懸濁しそして凍結乾燥した。この物質の重さを 量り、そして2〜8℃に保存した。DR4 /1-ペプチドのクロマトグラフィー 切断および回収後、粗製のDR4/1-ペプチドを、有機溶媒残留物およびあらゆ る不正確に合成されたペプチドを除去するために精製に供した。粗製ペプチドの 精製は3つのクロマトグラフィー:逆相クロマトグラフィー、分取用クロマトグ ラフィー、およびイオン交換クロマトグラフィーにより実施した。逆相クロマトグラフィー DR4\1-ペプチドを水中0.1%TFAに可溶化する。このペプチドを40〜60cmのC1 8 樹脂にアプライし、そして12〜16時間にわたり0〜100%緩衝液A(水中34%アセ トニトリル中0.1%TFA)で溶出した。流速は12mLの回収画分で3mL/分であった。 薄層クロマトグラフィー(TLC)により選択した画分についてペプチドの位置を調 べ、そして分析用HPLCによりピークの位置を確認した。適切な画分をプールし、 凍結し、そして溶媒を除去するために凍結乾燥した。分取用HPLC 凍結乾燥したペプチドを水中0.1%TFAまたはDMF中0.5M NH4OAcに可溶化した。 分取用HPLCをBeckman350(C18)カラム(10X250mm)またはそれと同等のもので実施 した。このペプチドを、30分間にわたり0〜32%緩衝液B(水中60%アセトニト リル中0.1%TFA)、そして次に150分間にわたり32〜42%緩衝液Bで溶出した。こ のプロセスをUV検出によりモニターした。TLCによりそのペプチドの位置を調べ 、そして分析用HPLCにより確認した。適切な画分をプールし、凍結し、そして凍 結乾燥した。イオン交換 そのペプチドを酢酸緩衝液中に可溶化し、そしてAG1X8樹脂を充填したカラム から水中5〜10%酢酸でそのペプチドを溶出することにより酢酸塩に転換した。 流速は4mL/分で、そして16mL画分を採取した。選択した画分についてこのペプ チドピークをTLCにより見出し、そして分析用HPLCによりその位置を確認した。 適切な画分をプールし、凍結し、そして凍結乾燥した。 実施例5 本実施例は、ヒトワクチン接種における使用のための免疫原性MHCペプチドの 例示的用量および処方を提供する。最終的なワクチンパッケージ 最終ワクチンパッケージは以下から成る:(1)酢酸緩衝液中に処方し¥、濾 過滅菌し、バイアルに充填した、精製し、凍結乾燥したDR4/1-ペプチド;(2) 別のバイアルに充填した湿熱滅菌ミョウバンアジュバント;そして(3)別の滅 菌混合バイアル。手短かには、ヒト患者へのそのワクチンの注射前に、そのペプ チドおよびアジュバントを別の混合バイアル中で適切な容量に希釈する。最終ワクチン用量形態の調製 最終用量形態を、ペプチドにミョウバンアジュバントを添加し、そして緩やか に混合後、適切な量のペプチド/ミョウバン混合物を混合バイアルに移し、そし て生理食塩水を加えて最終用量2.0mLにすることにより調製する。6つの用量レ ベルが存在する。ペプチド/ミョウバン(Alum)混合物の調製 滅菌DR4/1-ペプチド溶液を以下の濃度に処方する:濾過滅菌した、0.01M酢酸 ナトリウム(約pH 5.2)の約1.6mLの溶液用量中8mgのペプチド(凍結乾燥粉末)。 滅菌ミョウバンアジュバント(Superfos,Denmark)を、シールしたバイアルに 充填し、そしてそれは酸化アルミニウムゲル(alm)からなり、0.25M トリス緩衝 化生理食塩水を混合し、最終ミョウバン濃度を約3.65mg/mLにする。このpHは約7 . 5である。ミョウバンアジュバントは湿熱により滅菌する。 使用前少なくとも30分そして使用前4時間よりは長くない、0.4mLを無菌的に 取り、そしてDR4/1-ペプチドバイアルに添加しそして再度栓をする。その混合物 をT=0、T=15分、およびT=30分に緩やかに揺らす。このワクチン混合物は 、2.0mLの全容量中8000μgペプチドおよび1500μgミョウバンアジュバントを含 む。表4は適切な容量のための、ワクチン希釈用の最適の様式を示す。 ワクチンの正確な用量を調製したら、次いで1.0mLのワクチンをヒト患者に筋 肉内に注射し得る。 先に実施例は、本発明を例示するために提供されているものであり、本発明の 範囲を制限するものではない。本発明のその他の変形が、当業者には容易に明ら かであり、そしてそれは添付の請求範囲により包含される。本明細書中に引用さ れている全ての刊行物、特許、および特許出願が、本明細書により参考として援 用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 シャルマ,ソメッシュ ディー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94022, ロスアルトス,スチュアート コート 44

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離された免疫原性MHCポリペプチドを含む組成物。 2.前記免疫原性MHCポリペプチドがMHC分子の超可変領域由来の配列を有する、 請求項1に記載の組成物。 3.前記超可変領域がMHCクラスII分子の中にある、請求項2に記載の組成物。 4.前記超可変領域がHLAクラスIIβ鎖内にある、請求項3に記載の組成物。 5.前記超可変領域がDR4Dw4対立遺伝子によりコードされるHLAクラスIIβ鎖内 にある、請求項4に記載の組成物。 6.前記単離された免疫原性MHCポリペプチドが、前記ヒトHLAクラスIIDR4Dw4β 鎖のアミノ酸残基57〜76を含む、請求項1に記載の組成物。 7.前記単離された免疫原性MHCポリペプチドがアミノ酸配列 Asp-Ala-Glu-Tyr- Trp-Asn-Ser-Gln-Lys-Asp-Leu-Leu-Glu-Gln-Lys-Arg-Ala-Ala-Val-Aspを含む、 請求項1に記載の組成物。 8.前記単離された免疫原性MHCペプチドがアセチル化されたN-末端アミノ酸残 基を有する、請求項1に記載の組成物。 9.前記免疫原性MHCポリペプチドが約15と約20残基との間からなる、請求項1 に記載の組成物。 10.前記免疫原性MHCポリペプチドが、自己免疫疾患と関連したMHC分子由来の 配列を有する、請求項1に記載の組成物。 11.前記自己免疫疾患が多発性硬化症である、請求項10項に記載の組成物。 12.前記自己免疫疾患が慢性関節リウマチである、請求項10に記載の組成物 。 13.前記免疫原性MHCポリペプチドが、アレルギー応答と関連したMHC分子由来 の配列を有する、請求項1に記載の組成物。 14.前記アレルギー応答がブタクサに対するものである、請求項13に記載の 組成物。 15.薬学的に受容可能な賦形剤、アジュバント、および免疫原性MHCポリペプ チドを含む薬学的組成物。 16.前記免疫原性MHCポリペプチドがMHC分子の超可変領域由来の配列を有する 、請求項15に記載の薬学的組成物。 17.前記超可変領域がHLAクラスIIβ鎖内にある、請求項16に記載の薬学的 組成物。 18.前記超可変領域がDR4Dw4対立遺伝子によりコードされるHLAクラスIIβ鎖 内にある、請求項17に記載の薬学的組成物。 19.前記免疫原性MHCポリペプチドがヒトHLAクラスII DR4Dw4β鎖のアミノ酸 残基57〜76を含む、請求項15に記載の薬学的組成物。 20.前記免疫原性MHCポリペプチドがアミノ酸配列 Asp-Ala-Glu-Tyr-Trp-Asn- Ser-Gln-Lys-Asp-Leu-Leu-Glu-Gln-Lys-Arg-Ala-Ala-Val-Aspを含む、請求項1 5に記載の薬学的組成物。 21.前記単離された免疫原性MHCペプチドがアセチル化されたN-末端アミノ酸 残基を有する、請求項15に記載の薬学的組成物。 22.前記免疫原性MHCポリペプチドが約15と約20残基との間からなる、請求項 15に記載の組成物。 23.前記アジュバントがミョウバンである、請求項15に記載の薬学的組成物 。 24.患者における有害な免疫応答を阻害する方法であって、該患者に、アジュ バントおよび免疫原性MHCポリペプチドを含む、免疫学的に有効量の薬学的組成 物を投与する工程を包含する、方法。 25.前記有害な免疫応答が自己免疫疾患である、請求項24に記載の方法。 26.前記自己免疫疾患が多発性硬化症である、請求項25に記載の方法。 27.前記自己免疫疾患が慢性関節リウマチである、請求項25に記載の方法。 28.前記免疫原性MHCポリペプチドがMHC分子の超可変領域由来の配列を有する 、請求項24に記載の方法。 29.前記超可変領域がHLAクラスII分子内にある、請求項28に記載の方法。 30.前記超可変領域がHLAクラスIIβ鎖内にある、請求項29に記載の方法。 31.前記免疫原性MHCポリペプチドが、前記ヒトHLAクラスII DR4Dw4β鎖のア ミノ酸残基57〜76を含む、請求項24に記載の方法。 32.前記免疫原性MHCポリペプチドがアミノ酸配列 Asp-Ala-Glu-Tyr-Trp-Asn- Ser-Gln-Lys-Asp-Leu-Leu-Glu-Gln-Lys-Arg-Ala-Ala-Val-Aspを含む、請求項2 4に記載の方法。 33.前記免疫原性MHCポリペプチドがアセチル化されたN-末端アミノ酸残基を 有する、請求項24に記載の方法。 34.前記有害な免疫応答がアレルギー応答である、請求項24に記載の方法。 35.前記アレルギー応答がブタクサに対するものである、請求項34に記載の 組成物。 36.前記投与が非経口である、請求項24に記載の方法。 37.前記アジュバントがミョウバンである、請求項24に記載の方法。 38.前記免疫原性MHCポリペプチドが予防的に投与される、請求項24に記載 の方法。 39.患者の自己免疫疾患を処置する方法であって、該方法が、該患者に、アジ ュバントおよび免疫原性MHCポリペプチドを含む、免疫学的に有効量の薬学的組 成物を投与する工程を含む、方法。 40.前記免疫原性MHCポリペプチドがMHCクラスII分子の超可変領域由来の配列 を有する、請求項39に記載の方法。 41.前記超可変領域がHLAクラスIIβ鎖由来である、請求項40に記載の方法 。 42.前記超可変領域がDR4Dw4対立遺伝子によりコードされるHLAクラスIIβ鎖 由来である、請求項41に記載の方法。 43.前記免疫原性MHCポリペプチドが、前記ヒトHLAクラスII DR4Dw4β鎖のア ミノ酸残基57〜76を含む、請求項39に記載の方法。 44.前記免疫原性MHCポリペプチドがアミノ酸配列 Asp-Ala-Glu-Tyr-Trp-Asn- Ser-Gln-Lys-Asp-Leu-Leu-Glu-Gln-Lys-Arg-Ala-Ala-Val-Aspを含む、請求項3 9に記載の方法。 45.前記免疫原性MHCポリペプチドがアセチル化されたN-末端アミノ酸残基を 有する、請求項39に記載の方法。 46.前記患者が多発性硬化症を有する、請求項39に記載の方法。 47.前記患者が慢性関節リウマチを有する、請求項39に記載の方法。 48.前記免疫原性MHCポリペプチドが予防的に投与される、請求項39に記載 の方法。 49.前記免疫原性MHCポリペプチドが約15と約20残基との間からなる、請求項 39に記載の方法。 50.前記投与が非経口である、請求項39に記載の方法。 51.前記アジュバントがミョウバンである、請求項39に記載の方法。 52.患者におけるアレルギー応答を処置する方法であって、該患者に、アジュ バントおよび免疫原性MHCポリペプチドを含む、免疫学的に有効量の薬学的組成 物を投与する工程を包含する、方法。 53.前記免疫原性MHCポリペプチドがMHCクラスII分子の超可変領域由来の配列 を有する、請求項52に記載の方法。 54.前記超可変領域がHLAクラスIIβ鎖由来である、請求項53に記載の方法 。 55.前記アレルギー応答が、ブタクサに対するものである、請求項52に記載 の方法。 56.前記免疫原性MHCポリペプチドが約15と約20残基との間からなる、請求項 52に記載の方法。 57.前記免疫原性MHCポリペプチドが予防的に投与される、請求項52に記載 の方法。
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