JPH11506500A - 高温の構成要素に対する浸食・腐食保護被覆 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 高温環境で浸食および腐食作用を受けやすい製品がニッケルまたはコバルト主体の超合金の基体と、この基体の上に施された保護ケイ化物被覆とから形成される。セラミック製の熱障壁層が超合金とケイ化物層との間に施され、またＭＣｒＡｌＹ層がセラミックスと超合金基体との間に施される。ケイ化物被覆は好ましくはＭｏＳｉ₂である。

Description

【発明の詳細な説明】 高温の構成要素に対する浸食・腐食保護被覆 本発明は高温環境での粒子衝突損傷を含む浸食および腐食作用に対して製品を 保護する方法に関する。 ステクラ他の米国特許第 4,055,705号、ユリオン他の米国特許第 4,321,310号 およびストレングマン他の米国特許第 4,321,311号の明細書は、ニッケルまたは コバルト主体の超合金から製造されたガスタービン構成要素に対する被覆系を開 示している。記載されている被覆系は、詳細には柱状粒子構造を有するセラミッ クスから製造され結合層または結合被覆の上に施されている熱障壁層を含んでい る。結合層または結合被覆は基体の上に施されており、また熱障壁層を基体に結 合する。結合層または結合被覆はＭＣｒＡｌＹ形式の合金、すなわち鉄、コバル トおよびニッケルの少なくとも１つを含んでいるベースにクロム、アルミニウム およびイットリウムのような希土類金属を含んでいる合金から製造されている。 その他の成分もＭＣｒＡｌＹ合金に存在していてよく、その例は後で示される。 結合層の重要な特徴はＭＣｒＡｌＹ合金の上に形成した薄いアルミナ層が熱障壁 層を係留することである。 デューダースタッド他の米国特許第 5,238,752号明細書は、同じくセラミック 熱障壁層とこの熱障壁層を基体に結合する結合層または結合被覆とを組み入れた ガスタービン構成要素に対する被覆系を開示している。結合層は金属間化合のア ルミナイド化合物、特にニッケルアルミナイドまたは白金アルミナイドから製造 されている。境界層も熱障壁層を係留する役割をする薄いアルミナ層を有する。 ユリオン他の米国特許第 5,262,245号の明細書には、ガスタービン構成要素に 対する熱障壁層を組み入れている被覆系を、結合層を回避することにより簡単化 する成果が記載されている。この目的で、ガスタービン構成要素の基体を形成す るのに使用可能でありまた適当な処置のもとにその外側表面の上にアルミナ層を 形成する超合金に対する組成が開示されている。そのアルミナ層は、基体と熱障 壁層との間に挟まれるべき特別な結合層の必要をなくして、セラミック製熱障壁 層を直接に基体の上に係留するのに使用される。 チェヒ他の米国特許第 5,154,885号、第 5,268,238号、第 5,273,712号および 第 5,401,307号の明細書は、ＭＣｒＡｌＹ合金の保護被覆を含んでいるガスター ビン構成要素に対する改良された被覆系を開示している。開示されているＭＣｒ ＡｌＹ合金は腐食および酸化に対する特別に良好な耐性も基体に対して使用され る超合金への特別に良好な（機械的、化学的）適合性も与えるように注意深くバ ランスをとられた組成を有する。ＭＣｒＡｌＹ合金のベースはニッケルおよび／ またはコバルトにより形成されている。その他の元素、特にシリコンおよびレニ ウムの添加も論じられている。レニウムは特に非常に有利な添加物として示され ている。開示されているすべてのＭＣｒＡｌＹ合金は特に以下に説明する本発明 に関連して熱障壁層を係留するための結合層としても非常に適している。 文献「高温材料」ダブリュ・ディーンスト著、ヴェルクシュトッフテヒニッシ ェ・フェルラーゲスゲゼルシャフト・エム・ベー・ハー、カールスルーエ、ドイ ツ、１９７８年の第６章、第９２頁以降には、高温合金に対する耐酸化性被覆が 記載されている。詳細には、アルミナイド被覆はニッケルまたはコバルト合金に 対して使用され、またケイ化物被覆はバナジウム、モリブデン、タングステン、 ニオブまたはタンタル合金に対して使用される。ケイ化物被覆は主にＶＳｉ₂、 ＭｏＳｉ₂またはＷＳｉ₂から成っていてよく、（Ｃｒ，Ｔｉ，Ｎｂ）Ｓｉ₂およ び（Ｃｒ，Ｔｉ，Ｔａ）Ｓｉ₂も特にニオブまたはタンタル合金に対して意図さ れている。ケイ化物被覆は拡散焼き戻しを伴うパック浸炭法により施すことがで きる。 高温において腐食作用（酸化材料または他の腐食性化学薬品による作用を含む ）を受けやすいガスタービン構成要素のような製品は、従来技術で広く論じられ ているように、しばしば浸食作用も受けやすい。このことは、分散されている灰 粒子のような固体粒子を運ぶ高温ガス流に晒されるガスタービン構成要素および これらの粒子による浸食作用を受けやすいガスタービン構成要素に対して特に当 てはまる。 金属の保護被覆は問題となる温度においてかなりの延性を示し、またこのよう な浸食作用のもとでとで過度に損傷を受けやすくてはならない。もしこのような 保護被覆が粒子により衝突されるならば、粒子が被覆に突き刺さり、被覆はそれ により変形するおそれがあるが、ひび割れはしないであろうし、まして基体から 層状に剥離はしないであろう。 ガスタービン構成要素の表面を形成しまた浸食作用を受けやすいセラミック製 の熱障壁層では事情は全く異なる。セラミックスの本質的な脆さに起因して、も しセラミックスが構成要素に沿って流れる高温ガス流に伴われる粒子により衝突 されるならば、ひび割れおよび層状剥離を予期しなければならない。 増大した浸食作用は、高温ガス流に多かれ少なかれ横断的に曝される以後“臨 界的領域”と呼ばれる構成要素の表面の領域において最も予期しなければならな いであろう。構成要素を取付けるために使用すべき保持部分とガスタービン内の 高温ガス流に曝される翼部分とを含んでいるガスタービンの翼構成要素に対して は、臨界的領域は構成要素に沿って流れるガス流により定められている翼部分の 前縁を囲んでいる。 以下に説明する浸食作用はまだ完全に理解されておらず、または現場で働く専 門技術者のコメントさえもまだない。浸食の問題を場合によっては避けられるか もしれない既知の手段は粒子による高温ガス流の汚染を避けるだけであり、ガス タービンに使用される燃料の純度に厳しい要求を課するだけでなく、場合によっ ては燃焼ユニットの熱遮蔽としてガスタービンに組み入れられるセラミックスは 認められるほどの粒子を最も釈放しそうにない形式のものに注意深く選ばれなけ ればならないことを必要とする。代替手段は結局は前記の臨界的領域の外側のみ にセラミック製熱障壁層を設けるものとなろう。 しかしこれは、臨界的領域が金属被覆によってのみ保護されなければならない ことを意味し、熱遮蔽の不存在に起因して非常に強化された冷却を必要とする。 セラミック製熱障壁被覆の潜在的能力がそれにより本来可能なものを完全には利 用できない。 従来技術の他の欠点は、熱負荷に関する既知の被覆系の潜在的能力がガスター ビンンエンジンの熱効率を改善する必要性の増大によりすぐに消耗してしまい、 それに伴って高温ガス流がガスタービンに入る温度を高めることを必要とするこ とにある。従って前記のように、セラミック製熱障壁被覆によって、また浸食作 用に関してそれらの問題を甘受することによってのみこれまでにアクセス可能で あった温度における腐食に対しても浸食に対して保護する保護被覆系を案出する ことが絶えず必要とされている。このような新しい保護被覆系は、特にもし予期 すべき熱負荷が過度に高くないならば、またはもし十分に高い熱負荷能力を有す る進歩した基体が使用されるならば、必ずしもセラミック層を組み入れる必要は ない。このような進歩した基体はセラミック基体であるかもしれない。 従って本発明の課題は、高温構成要素に対する浸食・腐食保護被覆およびこの ような構成要素を保護する方法において、この形式のこれまでに知られている装 置および方法の前記の欠点を克服することにある。新規な保護被覆は考察の対象 となっている高温において十分に延性であり、まここうして粒子衝突損傷を含む 浸食に対して下側の構造を保護しなければならず、また長時間にわたる腐食作用 に耐えるのに十分に耐食性でなければならない。新規な被覆はさらに下側の構造 特に考察の対象となっている超合金と最大に適合する熱膨張係数および他の機械 的・化学的挙動のような特性を呈さなくてはならない。 上記および他の課題を解決するため、本発明によれば浸食および腐食作用を受 けやすい製品において、ニッケルまたはコバルト主体の超合金から形成された基 体と、前記基体の上に施されたケイ化物被覆とを含んでいる製品が提供される。 本発明の追加的な特徴によれば、ケイ化物被覆は好ましくは主成分としてＭｏ Ｓｉ₂を含んでおり、またはＭｏＳｉ₂のみから形成されている。 本発明の追加的な特徴によれば、製品は翼部分および取付部分を含んでいるガ スタービン翼構成要素を形成し、前記翼部分が作動中に製品に沿って流れるガス 流に曝されるものとして定められており、それに沿って流れるガス流により定め られるものとして前縁および後縁を有し、また凸状の吸込側および凹状の圧力側 を有し、双方が前記前縁を前記後縁に接続している。翼部分はガス流内でのその 方位により定められる前縁を有し、またケイ化物被覆は好ましくは前縁を囲む翼 上の臨界的領域に施され、またそれを覆っている。 翼部分はガス流内でのその方位により定められる後縁をも有し、またケイ化物 被覆は好ましくは後縁に隣接する翼上の圧力側に施され、またそれを覆っている 。 翼部分はガス流内の粒子による浸食作用を受けやすい臨界的領域を有する。本 発明の他の特徴によれば、ケイ化物被覆は臨界的領域に施され、またそれを覆っ ている。 上記および他の課題を解決するため、本発明によれば、浸食および腐食作用を 受けやすい製品において、ニッケルまたはコバルト主体の超合金から形成された 基体と、この基体の上に施され所与の延性を有する熱障壁層と、この熱障壁層の 上に施され前記所与の延性よりも比較的高い延性を有する保護被覆とを含んでい ることを特徴とする製品が提供される。考察の対象となる温度においてその延性 が過度に低い熱障壁層（すなわちセラミックス）のガス流への露出は、固体粒子 が構成要素に衝突する時にはチッピングおよび浸食に通ずるが、保護被覆のより 高い延性は構成要素をして粒子を“キャッチ”させ、またそれ以上の損傷を防止 する。 上記のように、保護被覆はＭｏＳｉ₂を含むかまたは主としてＭｏＳｉ₂から成 っているケイ化物被覆である。 本発明の他の特徴によれば、熱障壁層は主成分としてセラミックス、好ましく は円柱粒状のセラミックスを含んでいる。 本発明のさらに他の特徴によれば、製品は、熱障壁層と基体との間に施されて 熱障壁層を基体に結合する結合層を含んでいる。 本発明のさらに追加的な特徴によれば、結合層は金属間化合のアルミナイド化 合物およびＭＣｒＡｌＹ合金から成る群から選択された材料を含んでいる。 上記および他の課題を解決するため、本発明によれば、ニッケルまたはコバル ト主体の超合金から形成された基体を有する製品を浸食および腐食作用に対して 保護する方法が提供される。この方法は、ニッケルまたはコバルト主体の超合金 から形成された基体をケイ化物被覆により被覆する工程を含んでいる。 本発明のさらに追加的な特徴によれば、基体は熱噴霧法により被覆される。 本発明のさらに追加的な実施態様によれば、基体は物理蒸着法により被覆され る。 本発明のさらに他の実施態様によれば、ニッケルまたはコバルト主体の超合金 から形成された基体を有する製品を浸食および腐食作用に対して保護する方法が 提供される。この方法は、所与の延性を有する熱障壁層を基体に施す工程と、こ の所与の延性よりも比較的高い延性を有する保護被覆により前記熱障壁層を被覆 する工程とを含んでいる。 熱障壁層は熱噴霧法、大気圧プラズマ噴霧法または物理蒸着法により施すこと ができる。応用すべきプロセスは熱障壁層の仕様に従って、また当業者の知識に 従って選ばれるべきである。 本発明のさらに他の実施態様によれば、この方法は熱障壁層を施す前に結合層 を基体の上に施す工程を含んでいる。 最後に、本発明によれば、ニッケルまたはコバルト主体の超合金から形成され た基体を有し、また浸食および腐食作用に対してその上に施された損傷したケイ 化物被覆を有する製品を保護する方法において、製品を新しいケイ化物被覆によ り被覆する工程を含んでいる方法が提供される。 本発明の実施態様と考えられる他の特徴は従属請求項に記載されている。 本発明は、高温構成要素に対する浸食・腐食保護被覆およびこのような構成要 素を保護する方法に対して実施されるものとしてここに図示かつ説明するが、こ こに示されているものに制限されることは意図されていない。なぜなら種々の変 形および構造的変更が本発明の精神を逸脱することなしにまた請求項の均等範囲 内で行うことができるからである。 しかし本発明の構成は、その追加的な課題および利点と共に、添付図面と結び 付けての特別な実施例の下記の説明から最もよく理解されよう。 図１は基体とケイ化物被覆を組み入れた保護被覆系とを有する構成要素の部分 的断面図であり、断面は図２中の線Ｉ‐Ｉに沿ってとられている。 図２は図１中に示されている基体と保護被覆とを含んでいるガスタービン翼構 成要素の斜視図である。 図３は代替的な実施例を示す、図１と同様の図である。 図４はさらに他の実施例の同様の図である。 いま図面を詳細に、先ず特に図１を参照すると、作動中に重い熱負荷と同時に 腐食および浸食作用を受けやすい製品、特にガスタービン構成要素の基体１が示 されている。基体１は、重い熱負荷および場合によっては遠心力のような激しい 力による追加的な機械的負荷に曝される時に強度および構造的安定性を与えるの に適している材料から形成されている。ガスタービンエンジンにおいてこのよう な目的に対して広く認識かつ使用されている材料はニッケルまたはコバルト主体 の超合金である。 基体１に与えられる熱負荷を制限するため、基体１はその上に置かれた熱障壁 層２を有する。熱障壁層２は円柱粒状のセラミックスから製造されており、特に 本質的に安定化されたまたは部分的に安定化されたジルコニアから成っている。 熱障壁層２は中間層３により基体１に係留されている。この中間層３はＭＣｒＡ ｌＹ合金、好ましくはチェヒ他の上述の米国特許第 5,154,885号、第 5,268,238 号、第 5,273,712号および第 5,401,307号の明細書の１つに記載されているよう なＭＣｒＡｌＹ合金から成るＭＣｒＡｌＹ層４により基体１を被覆することによ り形成されている。薄いアルミナ層５がＭＣｒＡｌＹ層４の上に形成されている 。アルミナ層５は熱障壁層２に対する係留物としての役割をする。 新規な特徴として、ケイ化物被覆６が熱障壁層２の上に施されている。ケイ化 物被覆６は、９００°Ｃよりも高い温度において、熱障壁層２を形成するセラミ ックスの延性よりも実質的に高い延性を有し、またこうしてセラミックスよりも 浸食作用に耐えるのにはるかに適している。構成要素の周りを流れるガス流内に 懸濁してまたケイ化物被覆６に衝突するなんらかの固体粒子は停止されまたその なかに係留され、場合によってはケイ化物被覆６のわずかな変形を生じさせるが 、そのひび割れまたは層状剥離を生じさせることはない。ケイ化物被覆６は化学 的に高度に不活性であるから考察の対象になっている温度における腐食作用にも 耐え、またこうして熱障壁層２に対する優れた保護被覆を形成する。熱障壁層２ は基体１に対する三重の保護、すなわち腐食および浸食作用に対する保護も過大 な熱負荷に対する保護を要するようにケイ化物被覆６と良好に組み合わされる。 ケイ化物被覆６は特に金属ケイ化物、たとえばＭｎＳｉ₂、ＭｏＳｉ₂またはＷ Ｓｉ₂のような化合物から形成されている。好ましくはケイ化物被覆はＭｏＳｉ₂ から形成されている。化合物は特に熱噴霧法または物理蒸着法により施される。 また、それは含まれている他の材料の熱膨張係数からごくわずかしか異ならない 熱膨張係数を有し（３×１０^-6／Ｋ以下の差）、またこうして熱負荷のもとに著 しいひずみを生じない。また、他の材料へのＭｏＳｉ₂の結合は優れている。 すべてのこれらの特徴を考慮に入れて、ＭｏＳｉ₂が、構成要素を検査し、もし 必要であれば新しいケイ化物被覆を施す少なくとも構成要素の２回の修理の間の 合理的に選ばれた時間周期に相当する時間周期にわたり持続する優れた保護性能 を有することが見い出されている。 図２は完成したガスタービン構成要素、すなわちガスタービン翼構成要素７、 詳細にはタービン羽根を示す。 構成要素７は作動中にガスタービンエンジンの“能動的”部分を形成する翼部 分８と、構成要素７をその所定の位置に固定保持する取付部分９とを有する。作 動中、翼部分８はそれに沿って流れる高温ガス流に曝されている。その機能によ り定められるものとして、翼部分８は、ガス流１０がそれと会う前縁１１と、ガ ス流１０がそれを去る後縁１２とを有する。縁１１および１２は凸状の吸込側１ ３および凹状の圧力側１４により接続されている。作動中、ガス流１０は圧力側 １４に比較的高い圧力を生じ、また吸込側１３に比較的低い圧力を生じ、こうし て翼部分８を横切って圧力差を生じさせ、また構成要素７が属しているタービン を回転させる。高温ガス流１０は酸化のような腐食作用を生じさせる酸素と、エ ッチングのような腐食作用を生じさせる他の化学物質と、ガス流内に分散して浸 食作用を生じさせる固体とを運ぶ。浸食作用は主にガス流１０により定められる 翼部分８の前縁１１と、前縁１１を囲みまたガス流１０に沿ってもたらされる小 さい粒子が直接衝突するおそれのある前縁１１に隣接する翼部分８のすべての部 分を全体として囲むものとして定められ得る翼部分８の臨界的領域１５とにおい て生ずる。他の臨界的領域１６は後縁１２に隣接する圧力側１４の上に位置して いる。作動中、ガス流１０は圧力側１４の輪郭に従うべく強制される。ガス流１ ０に沿って運ばれる粒子は遠心力の作用によりガス流１０自体よりも少なく曲げ られた軌道の上に導かれ、またこうして圧力側１４と衝突するかもしれない。こ のような衝突は後縁１２の近くで最も生じやすく、それによって臨界的領域１６ がそこに定められる。 ケイ化物被覆６は少なくとも臨界的領域１５および１６を覆って、また好まし くは翼部分８全体を覆って構成要素７の上に施されるべきである。 作動中に与えられる熱負荷をさらに減ずるため、冷却溝１７が構成要素７の内 部に形成されている。しかし、冷却がガスタービンエンジンから圧縮空気を抽気 することにより通常行われ、それにより燃焼に利用可能な空気の量を減ずること は重要である。これは一般に低く保たれることが望まれるので、被覆系による過 大な熱負荷に対する保護を含む構成要素７の優れた保護は高度に有利である。 図３および図４を参照すると、ケイ化物の層は直接に基体の上に施すことがで きる。代替的に、構成要素に対する保護被覆は、本発明によるケイ化物被覆によ りそれ自体保護されているセラミックス障壁層２のみを含んでいてもよい。 本発明は、三重の保護、すなわち腐食、浸食および過大な熱負荷に対する保護 を特徴とする被覆系に複合物を設けることにより、この明細書の冒頭に記載した 要求を満足する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｆ０２Ｃ 7/30 Ｆ０２Ｃ 7/30

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．浸食および腐食作用を受けやすい製品において、ニッケルまたはコバルト主 体の超合金から形成された基体と、この基体の上に施されたケイ化物被覆とを含 んでいることを特徴とする製品。 ２．前記ケイ化物被覆がＭｏＳｉ₂を含んでいることを特徴とする請求項１記載 の製品。 ３．前記ケイ化物被覆が主成分としてＭｏＳｉ₂を含んでいることを特徴とする 請求項１記載の製品。 ４．前記ケイ化物被覆が主としてＭｏＳｉ₂から成っていることを特徴とする請 求項１記載の製品。 ５．前記基体および前記ケイ化物被覆が翼部分および取付部分を含んでいるガス タービン翼構成要素を形成し、前記翼部分が作動中に翼に沿って流れるガス流に 曝されるものとして定められており、それに沿って流れるガス流により定められ るものとして前縁および後縁を有し、また凸状の吸込側および凹状の圧力側を有 し、双方が前記前縁を前記後縁に接続していることを特徴とする請求項１ないし ４の１つに記載の製品。 ６．前記ケイ化物被覆が前記前縁を囲む前記翼の上の臨界的な領域に施され、ま たそれを覆っていることを特徴とする請求項５記載の製品。 ７．前記ケイ化物被覆が前記後縁に隣接する前記圧力側の上の臨界的な領域に施 され、またそれを覆っていることを特徴とする請求項５または６記載の製品。 ８．前記翼部分がガス流内に分散されている粒子による浸食作用を受けやすい臨 界的な領域を有し、また前記ケイ化物被覆が臨界的な領域に施され、またそれを 覆っていることを特徴とする請求項５ないし７の１つに記載の製品。 ９．浸食および腐食作用を受けやすい製品において、ニッケルまたはコバルト主 体の超合金から形成された基体と、この基体に施されて所与の延性を有する熱障 壁層と、この熱障壁層に施され前記所与の延性よりも比較的高い延性を有する保 護被覆とを含んでいることを特徴とする製品。 １０．前記保護被覆がケイ化物被覆であることを特徴とする請求項９記載の製品 。 １１．前記保護被覆がＭｏＳｉ₂を含んでいることを特徴とする請求項９記載の 製品。 １２．前記保護被覆が主成分としてＭｏＳｉ₂を含んでいることを特徴とする請 求項９記載の製品。 １３．前記保護被覆が主としてＭｏＳｉ₂から成っていることを特徴とする請求 項９記載の製品。 １４．前記熱障壁層が主成分としてセラミックスを含んでいることを特徴とする 請求項９ないし１３の１つに記載の製品。 １５．前記熱障壁層が円柱粒状のセラミックスであることを特徴とする請求項９ ないし１４の１つに記載の製品。 １６．前記熱障壁層と前記基体との間に施され前記熱障壁層を前記基体に結合す る結合層を含んでいることを特徴とする請求項９ないし１５の１つに記載の製品 。 １７．前記結合層が金属間化合のアルミナイド化合物およびＭＣｒＡｌＹ合金か ら成る群から選択された材料を含んでいることを特徴とする請求項１６記載の製 品。 １８．前記基体、前記熱障壁層および前記保護被覆が翼部分および保持部分を含 んでいるガスタービン翼構成要素を形成し、前記翼部分が作動中に翼に沿って流 れるガス流に曝されるものとして定められており、それに沿って流れるガス流に より定められるものとして前縁および後縁を有し、また凸状の吸込側および凹状 の圧力側を有し、双方が前記前縁を前記後縁に接続していることを特徴とする請 求項９ないし１７の１つに記載の製品。 １９．前記ケイ化物被覆が前記前縁を囲む前記翼の上の臨界的な領域に施され、 またそれを覆っていることを特徴とする請求項１８記載の製品。 ２０．前記ケイ化物被覆が前記後縁に隣接する前記圧力側の上の臨界的な領域に 施され、またそれを覆っていることを特徴とする請求項１８または１９記載の製 品。 ２１．前記翼部分がガス流内に分散されている粒子による浸食作用を受けやすい 領域として定められた臨界的な領域を有し、この臨界的な領域が前記保護被覆に より覆われていることを特徴とする請求項１８ないし２０の１つに記載の製品。 ２２．ニッケルまたはコバルト主体の超合金から形成された基体を有する製品を 浸食および腐食作用に対して保護する方法において、基体をケイ化物被覆により 被覆する工程を含んでいることを特徴とする方法。 ２３．基体を熱噴霧法により被覆する工程を含んでいることを特徴とする請求項 ２２記載の方法。 ２４．基体を物理蒸着法により被覆する工程を含んでいることを特徴とする請求 項２２記載の方法。 ２５．ニッケルまたはコバルト主体の超合金から形成された基体を有する製品を 浸食および腐食作用に対して保護する方法において、所与の延性を有する熱障壁 層を基体に施す工程と、前記所与の延性よりも比較的高い延性を有する保護被覆 により前記熱障壁層を被覆する工程とを含んでいることを特徴とする方法。 ２６．熱障壁層を施す工程が前記熱障壁層を施す前に結合層を基体の上に施す工 程を含んでいることを特徴とする請求項２５記載の方法。 ２７．被覆工程が前記熱障壁層をケイ化物被覆により被覆する工程を含んでいる ことを特徴とする請求項２５または２６記載の方法。 ２８．前記熱障壁層を熱噴霧法により被覆する工程を含んでいることを特徴とす る請求項２５ないし２７の１つに記載の方法。 ２９．前記熱障壁層を物理蒸着法により被覆する工程を含んでいることを特徴と する請求項２５ないし２７の１つに記載の方法。 ３０．ニッケルまたはコバルト主体の超合金から形成された基体を有し、また浸 食および腐食作用に対してその上に施された損傷したケイ化物被覆を有する製品 を保護する方法において、製品を新しいケイ化物被覆により被覆する工程を含ん でいることを特徴とする方法。 ３１．ニッケルまたはコバルト主体の超合金から形成された基体を有し、前記基 体の上に施され所与の延性を有する熱障壁層とこの熱障壁層の上に施された損傷 した保護被覆とを有する製品を保護する方法において、前記熱障壁層を前記所与 の延性よりも比較的高い延性を有する新しい保護被覆により被覆する工程を含ん でいることを特徴とする方法。