JPH11506340A - アポプチンの利用と方法 - Google Patents

アポプチンの利用と方法

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JPH11506340A JP9500327A JP50032797A JPH11506340A JP H11506340 A JPH11506340 A JP H11506340A JP 9500327 A JP9500327 A JP 9500327A JP 50032797 A JP50032797 A JP 50032797A JP H11506340 A JPH11506340 A JP H11506340A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒト正常細胞においてアポプチンがアポプトーシスを誘発しないことを提示する。その上、本発明は、アポプトーシスが多様なヒト腫瘍細胞においてp53アポプトーシスを誘発することおよびアポプチンが数種類のアポプトーシス阻害剤によって阻害されないことを開示する。本発明は、特に腫瘍細胞を殺すが、正常細胞は殺さない抗腫瘍薬からなることを特徴とする。さらに、本発明は、遺伝子療法により細胞死の誘発を提供する。アポプチンは、哺乳類の腫瘍細胞においてアポプトーシスを誘発することができる。本発明は、正常細胞ではアポプチンが細胞質に主に見られ、一方腫瘍細胞では細胞核に存在していたことを指す。また、本発明は細胞の変形活性を見極める診断テストからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 アポプチンの利用と方法 発明の要約 本発明は、アポプチンまたはその誘導体、その機能的部分の利用と方法に係る ものであり、アポプチンはニワトリ貧血ウイルスのウイルス性蛋白質(VP3) を指す。 それだけでなく、上記アポプチンの新しい誘導体を提示する。アポプチン自体 とそのアポトーシス誘発作用は過去に開示されている(下記参照)。しかし、そ れら過去の開示においては、アポプチンと他のアポトーシス誘発剤の違いはまっ たく指摘されなかった。われわれは今回、アポプチンが実際は他のアポトーシス 誘発剤とは非常に異なること、したがって異なる利用のための異なる方法に応用 できる可能性があることに気付いた。従来のアポトース誘発剤は、それが存在す るどのような細胞においてもアポトーシスを誘発したが、今回われわれはアポプ チンが変形した細胞や腫瘍細胞でのみアポトーシスを誘発することを発見した。 このように、発明の1つの具体化として、抗腫瘍療法が挙げられる。アポプチ ンは、抗腫瘍療法に応用してもほどんど毒性がない。なぜなら、アポプチンは腫 瘍細胞においては細胞死を引き起こす可能性が高いが、正常な非変形・非悪性細 胞ではその可能性があったとしても非常に低いからである。 また、本発明はアポプチンが数種類の抗アポトーシス阻害薬によって阻害され ないことを開示する。特に、アポトーシスは多様な(化学)療法薬によって誘発 されるが、アポプチンの作用は、アポトーシスの媒介において必須の要素として 知られるp53−アポトーシス経路とは異なっている。 本発明はさらに、アポプチンが多様なタイプの哺乳類の腫瘍細胞においてアポ トーシスを誘発する可能性があるとの知見を開示する。 また、本発明は、アポプチン誘発型アポトーシスを起こす可能性のある細胞内 の、アポプチンの局在性の違いに係るものである。すなわち、ヒトの変形および 悪性細胞と、アポプチン誘発型アポトーシスに感受性を持たない細胞、つまりヒ ト正常細胞との比較である。局在性の違いは、細胞が正常か変形および/または 悪性化しているかを分析する診断アッセイとして用いられている。 発明の背景 Jurrissenら(1992b)は、対照群ニワトリの胸腺では認められなかった多くの 現象を、ニワトリ貧血ウイルス(CVA)を接種した特異的病原体不在ニワトリ の胸腺において観察した。感染10日後、皮質全体が、クロマチンが細胞核膜に 隣接した部位に凝縮した細胞を含んでいた。球状に近い電子凝縮体が、上皮細胞 の細胞質に散在してるのが認められた。感染13日後、胸腺細胞からは皮質が大 量に奪われていたが、上皮細胞の多くは電子濃縮体や他の非リンパ細胞を含んだ 状態でまだ存在していた。 CAVのさまざまな分離体に感染したニワトリの胸腺から分離したDNAは、 電子フェログラムにおいて、オリゴヌクレオソマル崩壊の典型的ラダーリングを 示した。このような形態的細胞変化および生化学的変化が観察されたが、これら の変化はCAVに感染した培養鳥由来リンパ芽球状細胞においても観察された。 上記の現象は、プログラムされた細胞死またはアポトーシスの生理的プロセス に特徴的なものである。アポトーシスは細胞の収縮、細胞核の分裂、DNAの凝 縮、DNAのdomain-sized fragmentsへの分裂を特徴とし、ほとんどの細胞では インターヌクレオソマルの崩壊への続く。最終的には、アポトーシス細胞は包膜 体に分裂し、包膜体は隣接する細胞によって急速に食される。したがって、アポ トーシスは、非生理的タイプの細胞死である壊死に比べて、組織崩壊が少ない(W yllie et al.,1980,Arends and Wyllie,1991)。 アポトーシスは連続した事象である。一般的に、アポトーシスのプロセスはい くつかのステージに分けることができる。 ステージ1.アポトーシスの誘因多くの異なる外的および内的動因がアポトー シス・プロセスの誘因となりうる。 ステージ2.アポトーシス誘因を媒介しうる要因このステージの主な役割は、 腫瘍抑制蛋白質p53などが果たす。 ステージ3.Baxなどの要因によるアポトーシス・シグナルの増大 ステージ4.ICEセリンプロテアーゼ系物質の活性化 これら特異的プロテアーゼが活性化すると、たちまち可逆性が失われる。成長 要因(ステージ2.を阻害)、Bcl−2(ステージ3.)、crmA(ステー ジ4.)など、既知のアポトーシス阻害要因は、アポトーシス・プロセスの決定 的ステージの異なるステージでアポトーシスを阻害することが知られている。 ステージ5.アポトーシス・シグナルの完成。DNAの凝縮および分裂など(W hite,1996)。 培養したニワトリ分子細胞の感染後まもなくは、CAVコード化された蛋白質 アポプチン(VP3とも呼ばれる)は細胞クロマチンと共存している。感染後し ばらくすると、アポプチンは集合体を形成し、細胞がアポトーシスを起こす。す なわち、細胞内DNAが分裂し、その結果として凝縮するということである(Not eborn et al..,1994)。イミュノゴールド電子顕微鏡によって、アポプチンがア ポトーシス構造内に存在することが示された。インビトロでは、ニワトリにおけ るアポプチンの発現は、リンパ芽球T細胞の変形を惹起し、骨髄細胞がこれら細 胞のアポトーシスを誘発した。これらのデータは、CAV感染細胞においてアポ プチンがアポトーシス経路の誘因となることを示している(Noteborn et al.199 4,Noteborn and koch,1995)。 アポプチンは小さな蛋白質で、長さはアミノ酸わずか121個、どちらかとい えば基本的な蛋白質であり、プロリンが豊富である(Noteborn at al.,1991)。 アポプチンは細胞クロマチン構造内だけに存在する。アポプチンのCターミナル ・ベーシック・ストレッチの先端を切ると、細胞核が減少し、アポトーシス作用 が有意に低減した(Noteborn at al.,1994)。アポプチンが小さな蛋白質であ ることとどちらかというと基本的性格を持つことが、クロマチン構造内でのヒス トン蛋白質および/または非ヒストン蛋白質との相互作用を可能にしているのか もしれない。 アポトーシスは、余剰な細胞や変形した細胞、悪性細胞を除去するための、プ ログラムされた活発な生理的プロセスである(Earnshaw,1995)。アポトーシス のプロセスはさまざまな調節刺激によって開始される(Wyllie,1995,and Whit e,1996)。細胞生存率の変化は、ヒトの病因、たとえば細胞増殖の増大だけで なく細胞死の減少によっても惹起される癌の進行において、重要な役割を果たす (Kerr et al.,1994)。さまざまな化学療法薬や放射線療法が、腫瘍細胞にお けるアポトーシス誘発を証明してきたが、その多くはワイルドタイプp53を介 している(Thompson,1995,Bellamy et al.,1995,Steller,1995,Kaufman,1 989,McDonell et al.,1995,Lowe et al.and Fisher,1994)。 しかし、多くの腫瘍はその進行中にp53における突然変異を起こし、多くの 場合は癌治療への反応が乏しいことと相関関係がある(Hooper,1994)。(白血病 患者の)腫瘍では、腫瘍形成遺伝子Bcl−2の発現レベルが高いことと、さま ざまなアポトーシス誘発化学療法薬に対する抵抗が強いことの間に関連が認めら れる場合がある(Hockenberry,1994,Kerr et al.,1994,Sachs and Lotem 199 3)。 アポプチンはアポトーシス・ヒト悪性細胞ラインを誘発する可能性がある(No teborn and Koch,1994)。われわれは、アポプチン誘発アポトーシスが起こるの は、機能的p53が存在しない場合であり(Zhuang et al.,1995a)、Bcl− 2およびBCR−ABLによって遮断されない(Zhuang et al.,1995)ことを 確認した。したがって、アポプチンは、機能的p53の欠乏およびBcl−2と BCR−ABLの(過)発現によりアポトーシスの(化学)療法誘発に対する耐 性を獲得した腫瘍細胞の破壊に有用である。 発明の詳細 本発明は、(ヒトなどの)悪性細胞および変形細胞と正常細胞における、アポ プチンの作用を開示するもである。アポプチンはプライマリT細胞や内皮細胞、 平滑筋細胞ではアポトーシスを誘発しない。正常細胞は、変形するとアポプチン に反応しやすくなる。正常細胞では、アポプチンはほとんど細胞質に存在するが 、腫瘍細胞では細胞核に存在していた。 アポプチンは特異的に変形/悪性化した細胞の低減に用いることができる。し たがって、アポプチンの抗癌剤としての可能性は非常に高い。アポプチンの発現 は、特異的な(ヒト)腫瘍細胞のアポトーシス誘発に利用しうる。アポプチンは 正常細胞ではアポトーシスをまったく、あるいは少なくとも有意には誘発しない 。つまり、アポプチン治療の毒性が低いといえる。 本発明は、アポプチンが変形し、非不死化した細胞においてアポトーシスを誘 発できることを開示し、アポプチンのアポトーシス作用が、細胞の変形の初期に すでに可能であることを示唆する。したがって、アポプチンは、治療済みの細胞 が変形や悪性化へ向かうことを防ぐための、他の(たとえば、遺伝子または化学 )療法の一部として利用できる。 アポプチンは、DNAトランスフェクションによって腫瘍内で(一時的に)発 現させられる。(腫瘍)細胞におけるアポプチンの発現は、アポプチンのコーデ ィング・シークエンスを含む(レトロ)ウイルス性ベクターに細胞を感染させる ことによっても可能である。 さらに、アポプチン蛋白質および/またはアポプチンのコーディング・シーク エンスを含有する非ウイルス性要素(リポゾームまたはtransferring-derivedベ クターなど)を細胞に投与して、アポプチンの発現/存在と腫瘍細胞におけるア ポトーシスの誘発を招くこともできる。 われわれはさらに、アポプチンがp53誘発アポトーシス経路と異なることを 証明した。アポプチンが機能的p53を必要としないという事実に加え、アポプ チンは、Bcl−2(に類似した)蛋白質などのp53アポトーシス経路阻害薬 や、ICEに類似したプロテアーゼ作用を遮断する牛痘蛋白質crmAによって 遮断されることがない。これら遮断薬は、p53誘発アポトーシス経路の異なる ステージで介入する。一方、アポプチンは、これらアポトーシス阻害薬によって 遮断されるアポトーシス経路とは全く別のアポトーシスを誘発するか、それらの 後の段階で作用するのかもしれない。 これらのデータは、アポプチンが腫瘍細胞のアポトーシス誘発物質として非常 に有効性が高いことを示唆しており、アポプチンは変形細胞や悪性細胞における 抗アポトーシス作用の(分析されたすべての)遮断を克服しうる。したがって、 アポプチンは非常に多様な腫瘍(細胞)の抗腫瘍薬として、有効性が高い。 正常な細胞と変形/悪性細胞におけるアポプチンの局在性の相違を、細胞が変 形/悪性化したかどうかを見極める診断テストに用いることができる。 ヒト腫瘍細胞におけるアポトーシス誘発以外に、アポプチンは他の哺乳類の腫 瘍細胞においてもアポトーシスを誘発しうることをわれわれは証明した。本発明 は、さまざまな哺乳類の癌治療に利用することができる。 このように、本発明は、腫瘍殺傷物質を運搬する媒介物、または主に腫瘍細胞 に対して効果を持つが腫瘍細胞だけに効果をもつわけではない腫瘍殺傷物質をコ ード化した遺伝子を提供する。本発明の特徴は、腫瘍殺傷物質はアポプチンまた は機能的にアポプチンと同等の物質だという点にある。先行技術では、細胞毒性 薬剤を運ぶ多くの媒介物や先駆物質が開示されてきた。細胞毒性薬剤を運ぶ場合 の主な問題は、それらが腫瘍細胞(本発明では変形/悪性細胞または腫瘍細胞と 呼ぶ)だけでなくすべての細胞に有害だということである。したがって、細胞毒 性物質を腫瘍細胞に的をしぼって運ぶための多くのさまざまな方法が研究されて きた。今日、それらターゲティング・モイエティの多くが知られているが、その どれもが腫瘍細胞に対し完全に特異的とはいえないという欠点を持っている。し たがって、このような細胞毒性物質の利用は、現在のところ大きな成功を収めて いない。 アポプチンが発見された当時、高度に特異的なターゲティング・モイエティが 必要だという点で、アポプチンも同じ欠点を持つと考えられた。今回われわれは 、アポプチンにはそれが必要ないということを突き止めた。アポプチンは腫瘍細 胞に対してのみ有意な効果を発揮し、正常な細胞には作用しない。このように、 ターゲティング・モイエティまたはアポプチン(またはその機能的同等物質)を 運ぶ他の方法の特異性がそれほど高くなくとも、正常な組織に対する毒性はほど んどない。このように、本発明は、主に腫瘍細胞の表面にあるが腫瘍細胞の表面 だけに関わるとはいえない分子とアポプチンまたはその機能的同等物質を親和結 合させるターゲティング・モイエティを用いた、腫瘍特異的療法に有用な発明で ある。アポプチンの機能的同等物質は、アポプチンの一部であれ誘導体であれ、 アポプチンと同種の作用を持つものであればよいが、その量は異なるだろう。 ターゲティング・モイエティは、ターゲット分子に対し特異的な結合作用を持 つ分子として定義される。インターナリゼーションが可能であることが望ましい 。ターゲット分子は抗源またはエピトープかもしれない。その場合、ターゲティ ング・モイエティは抗体またはその一部、または誘導体となる。ターゲット分子 が受容体の場合は、その受容体のリガンドがターゲティング・モイエティとなる 。これらは、適切な組み合わせの例にすぎない。ターゲティング・モイエティと アポプチンの結合に唯一必要なことは、結合する両者の機能が維持されることで ある。このように、これは(不安定な)化学的結合であり、融合蛋白質であるか もしれない。ターゲティング・モイエティに包まれアポプチン(またはアポプチ ンをコード化した遺伝子)などに満たされたリポソームの場合さえあるかもしれ ない。本発明は、遺伝子療法を用いて、アポプチンをコード化した遺伝子を腫瘍 細胞へ運ぶ媒介物をも含む。遺伝子療法には、アデノウイルスやレトロウイルス などのウイルスを使用して細胞に遺伝子を運ぶ、よく知られた方法が多くある。 この技術に優れた人であれば、正しい媒介物の選択のしかたを知っているだろう 。アボプチンがアポトーシスを誘発するのは変形細胞に限られるため、アポプチ ンまたはその遺伝子は、遺伝病の遺伝子欠損を修正するなどの腫瘍療法よりは、 むしろ他の遺伝子療法の管理における安全対策として用いることができる。その 場合に、アポプチンは運ぶべき遺伝子とともに遺伝子運搬媒介物に入れられる。 運ぶべき遺伝子が挿入された細胞が悪性化した場合は、その細胞はアポプチンの 作用を受けやすくなる。このように、本発明は運ぶべき核酸を、ターゲット細胞 に運ぶ媒介物を提供する。この媒介物はアポプチンをコード化した遺伝子または アポプチンの機能的同等物である。 本発明は、アポプチンを初めて本格的に実現可能なものとして医用使用しよう とするものであり、このような利用法も本発明の一部を成す。このように、アポ プチンまたはその機能的同等物を利用して、ターゲット細胞数を低減するが、そ の方法は主にターゲット細胞に特異的であるがその特異性は完全ではなく、アポ プチンまたはその機能的同等物は細胞毒性物質である。また、ターゲット細胞が 他のアポトーシス誘発剤に対し感受性が低い場合に、アポプチンまたはその機能 的同等物を、ターゲット細胞の低減法として用いる。 後者が可能であるのは、他のアポトーシス誘発物質を阻害する機序によって、 アポプチンが阻害されないためである。変形していない細胞の除去にアポプチン が用いられる場合は、細胞核ローカライゼーション・シグナルを備えたアポプチ ンまたはその機能的同等物を供することによって、これを達成することができる 。アポプチンは細胞核内に存在する必要があるため、これは結果的にアポトーシ スを招来する。上記のシグナルが備わっていない場合は、(ここに開示したよう に)アポプチンは細胞核外にとどまり、有意な効果が得られないだろう。 このように、細胞核ローカライゼーション・シグナルを備えたアポプチンは、 ターゲット細胞の細胞数低減方法として用いることができる。細胞核ローカライ ゼーション・シグナル(NLS)は、この領域ではよく知られている。また、N LSやアポプチンをコード化した融合遺伝子を使用することも可能である。 アポプチンは正常細胞と変形細胞では異なる局在性を示すため、正常細胞と変 形細胞を見分けるための診断ツールとして用いることができる。このように、本 発明は、細胞にウイルス性蛋白質3(VP3;アポプチン)を運ぶ方法と、細胞 内の上記ウイルス性蛋白質の局在性を検出する方法を含んでおり、変形および/ または悪性および/または腫瘍細胞と正常細胞を区別する方法を提示する。局在 したアポプチンは、抗体などによって検出できる。 本発明は、下記の実験の項でさらに詳細に説明する。これは、例証を目的とす るものにすぎず、本発明の保護範囲を制限するものと解釈されるべきではない。 実験 ヒトプライマリ細胞の分離 Ficol遠心分離法を用いて、正常な血液ドナー6例のヒトプライマリT細 胞を分離し、6%のヒト血清と0.8ug/mlのフィトヘマグルチニンを含有 するRPMI−培養液で培養した。3日後、培養液を新しいものに取り替え、1 ml当たり300ユニットのインターロイキン−2を加えた。臍帯からヒトプラ イマリ平滑筋細胞(SMC)と管内皮細胞(HUVEC)を分離した。SMCは 、ECGFとヘパリンを補充したCM199培養液で培養した。HUVECは、 1 0%の子牛胎児血清を含むDMEM培養液で培養した。 DNAプラスミド CAV DNAシークエンスは元来どれも、プラスミドDNA pIc−20 H/CAV−EcoRIから採取される(Noteborn and De Boer,1990)。プラ スミドDNAのクローニング・ステップはすべて、原則的にManiatis et al.(1 982)による方法に従って実行された。 かつてpCMV−VP3と呼ばれていた発現プラスミドpCMV−fsは、ア ポプチンのみをコード化するCAV DNAシークエンスを含む(nt 427-868)。 プラスミドpCMV−trは、先端を切ってC−ターミナル11アミノ酸を欠く アポプチンをコード化する(Zhuang et al.,1995a)。pCMV−desは、ア ポトーシスを誘発しない筋細胞に認められる構造的蛋白質であるdesminを コード化する(Menke et al.,非公開データ)。発現プラスミドpCMV−BA G−1(Noteborn,M.H.M.,非公開データ)、pCMV−BcL−2(Zhuang et al.,1995b)、pCMV−crmA(Noteborn,M.H.M.,非公開データ) は、それぞれICEに似たプロテアーゼを阻害し、抗アポトーシス蛋白質BAG −1、Bcl−2および牛痘crmA蛋白質を発現する。発現プラスミドpCM V−E1B21Kは、アデノウイルスE1B 21kDa蛋白質と、腫瘍抑制蛋 白質p53であるpCMV−p53を発現する(Zhuang et al.,1995)。 一時的に発現した遺伝子はすべて、サイトメガロウイルス・プロモータの調節 下にある。 ヒトの正常な、形質転換された、および悪性の角化細胞ならびに繊維芽細胞 ヒト角化細胞を包皮から単離し、137Csで致死量的に照射したマウスの3 T3繊維芽細胞の層の存在下で成長させた。ヒト表皮角化細胞(FSK−1)の 1次培養を、文献記載(Rheinwald and Green,1975)の完全培地に僅かの変更 を加えたものの中で開始した。 ヒトの正常な包皮の二倍体VH10繊維芽細胞(Klein,1990)を、10%の ウシ胎児血清を補充したDMEMの中で成長させた。 SV40で形質転換した腫瘍発生的のNW18繊維芽細胞(Weissman and Stanbridge,1983)を、8%のウシ胎児血清を補充したMEM培地の中で成長さ せた。 偏平上皮細胞腫瘍から誘導した腫瘍発生的化細胞であるSCC−15(Rheinw ald and Beckett,1981)を、5%のウシ胎児血清、0.4μg/mlのハイド ロコーチゾンおよび1μMのインブロテレノールを含有するDMEM/F12( 3:1)培地の中で培養した。 B.Kleinら(1990)が記載しているようなSV40−形質転換繊維芽細胞であ る前分利(pre−crisis)(Pro)および後分利(post−cri sis)(Post)を、8%のウシ胎児血清と共にMEM培地の中で成長させ た。自動的形成変換角化細胞株のHaCaT(Boukampら(1988))は、Prof.Dr. Fusenig(DKFZ,Heidelberg,Germany)から恵与されたものである。HaCaT 細胞を、10%のウシ胎児血清を補充したDMEM培地の中で成長させた。SV 40で形質転換した角化細胞株SVK14(Taylor-Papadimitriouら、1982)細 胞を、SCC−15細胞におけると同じ培地で培養した。 DNAトランスフェクション プラスミドDNAを、CsCl勾配中での遠心分離およびセファクリルS50 0(Pharmacia)中でのカラムクロマトグラフィーで精製した。 フェトヘマググルチニンで刺激した1次ヒトT細胞を、文献記載(Notebornら 、1994)のようにDEAE−デキストランの存在下でトランスフェクトした。マ ウスのクリップ(Crip)細胞ならびにヒトのHep3B、VH10,Pre −とPost−およびNW18細胞、HUVECsおよびSMCsを、文献記載 (Graham and Van der Eb,1973)のようにして燐酸カルシウム沈澱法によりプ ラスミドDNAでトランスフェクトした。FSK−1、HaCaT,SVK14 およびSSC−15細胞をDOTAP「D.Fischer、結果未発表」でト ランスフェクトした。 免疫蛍光法 T細胞を懸濁状態で成長させ、顕微鏡のスライドグラス上に固定した。 これ 以外のすべての細胞は、被覆した顕微鏡スライドグラス上で成長させた。細胞を 室温で10分間80%アセトンで固定し、文献記載(Notebornら 1994)のよう にして間接的免疫蛍光法のために使用した。トランスフェクトした細胞中の(ト ランケートされた)アポプチンの存在および/または細胞内位置を示すために、 マウスのモノクローナル抗体(MAb)CVI−CAV−85.1(85.1) (Notebornら、1991)とCVI−CAV−111.3(111.3;Koch、 データ未発表)を用い、またヒトのデスミンのためにはマウスMAb33(Mono san,Uden,オランダ)を用いた。フルオレセイン イソチオシアネートで標識 したヤギの抗マウス抗体(Jackson Immunoresearch Laboratories,Inc.,West Greove,PA)を2次抗体として用いた。核DNAを、2、4−ジアミジノー2ー フェニルインド−ル(DAPI)又はヨウ化プロピジウム(PI)で染色した。 VH10細胞の安定なDNAトランスフェクション ヒトの正常の二倍体VH10繊維芽細胞を、フルサイズのアポプチン又はpC MV−neo−Bamを発現しアボブチンをコードしているCAV配列のない空 のプラスミドのpCMV fsで安定にトランスフェクトした。安定なクローン を、顕微鏡のスライドグラス上で成長させ80%アセトンで固定したG418培 地を用いて選択した。 アポプチンの発現を、MAb85.1を用いる間接的免疫蛍光法で分析した。 結果と討論 マウス腫瘍細胞中のアポプチンのインビトロ発現 我々は、アポプチンが非ヒト起源の哺乳動物腫瘍細胞中でもまたアポプートシ スを誘発できるか否かを調べた。したがって、マウス腫瘍細胞系Crip(Dano s,1988)の細胞を、アポプチンをコード化するpCMV−fsDNAでトラン スフェクトした。トランスフェクションから3日後に細胞を固定した。免疫蛍光 法とPI染色法を用い、アポプチンの発現についておよびそれらがアポプトーシ ス化(apoptotic)になるか否かについて細胞を調べた。トランスフェクション から3日後には、アポプチン含有のマウス腫瘍細胞の54%がアポプトーシス的 になっていた。 これらの結果は、アポプチンが種々の哺乳動物腫瘍細胞系においてアポプトー シスを誘発できることを示すものである。 Hep3B細胞では、アポプチン誘発のアポプトース経路は、p53誘発のア ポプトース経路とは異なる。 最近、我々はワイルドタイプp53の非存在下、アポプチンが骨軟骨腫細胞内 でアポプトーシスを誘発することを示した(Zhuangら、1955,"Noteborn and Ko ch",1994)。Chiouら(1994年)ならびにDebbasとWhite(1993年)は、Bc1 −2ならびにアデノウイルス5(Ad5)E1B21K蛋白質が、p53より下 流側で作用することによりp53−誘発/媒介アポプトーシスを遮断することが できる旨の証拠を提供した。 我々は、Ad5E1B21K蛋白質とBc1−2が、p53依存のアポプトー シスと比較して、アポプチン誘発のアポプトーシスのp53非依存経路を阻害し 得るか否かを調査した。最後に、我々は、ヒト血腫Hep3Bセルライン中でア ポプチンまたはp53とともに、これら蛋白質の発現効果を研究した。 Hep3Bを、アポロチンとpCMV−neo−Bam DNA(ネガティプ コントロール)をコード化するpCMV−fsと、Ad5E1B21K蛋白質を コード化するpCMV−E1B21DNA、あるいはヒトBc1−2をコード化 するpCMV−Bc1−2(Zhuangら、1995b)といっしよに、トランスフェク ションさせた。アポプチン発現細胞の数を、細胞がアポプトーシス化した場合に は、弱かったりおよび/または不規則である蛍光抗体間接法やDAPI−染色法 によって審査した。 驚くべきことに、トランスフェクション後のいくつかの時点において、アポプ トーシス化したアポプチン発現Hep3B細胞の割合は、アポプチンとE1B− 21Kの両方あるいはアポプチンとBc1−2の両方を含むHep3B細胞と類 似していた。簡素化するために、トランスフェクションから6日後に得られたデ ータのみを、図1に示す。 E1B−21KまたはBc1−2が、実際、Hep3B細胞中で抗アポプトー シス効果を有することを示すため、我々は、これら2つの蛋白質がHep53細 胞中のp53の過発現に起因するアポプトーシスを阻害し得るか否かを調査した 。 ワイルドタイプのp53(Bakerら、1990)をコード化するpCMV−53とp CMV−E1B21と共に、Hep3B細胞を発現させることに較べて、プラス ミドpCMV−p53とpCMV−E1B21またはpCMV−Bc12と共に 発現させることによって、蛍光抗体法やPI染色法(図2)によって分析した如 く、p53誘発のアポプトーシスは、大幅に減少した。 かくして、アポプチン誘発アポプトーシスにおいて、E1B21KやBc1− 2蛋白質の効果がないことは、これら蛋白質がp53誘発アポプトーシス経路を 阻害することができるため、Hep3B細胞中で発現した蛋白質の非機能性によ っては、説明することができない。アポプチン誘発アポプトーシスは阻害できな くとも、E1B21KとBc12が、まだHep3B細胞内で、p53規制アポ プトーシス経路に消極的に影響し得ると云う事実は、少なくともHep3B細胞 内では、p53依存アポプチン誘発性p53非依存アポプトーシス経路は、別の ルートであろうことを示唆している。 大多数の腫瘍においては、種々の化学療養剤中でアポプトーシスが誘発できな いという事実は、p53の分裂機能と関連しているように思われる(Loweら、19 93)。それ故、p53非依存アポプトーシス経路の誘発は、腫瘍療法の代替法と して、有用なアプローチである。 Saos−2細胞内のアポプチン誘発アポプトーシス経路の特徴付け アポプチン誘発アポプトーシス経路は、p53誘発のものとは、異なるものと 思われる(前述)。アポプトーシス経路を経由する腫瘍形成に含まれることが知 られているBc1−2は、アポプチン誘発アポプトーシスを遮断することはでき なかったが、p53経路を遮断することはできた。最近になって、アポプトーシ スの場合のように思われるため、所謂、Bc1−2非依存アポプトーシスを阻害 するためには、Bc1−2とBag−1(Takayamaら、1995)といっしょに用い ることが必要であろうとの報告が、他よりなされた。 Bag−1が、それ自身またはBc1−2との併用において、アポプチン誘発 のアポプトーシスに消極的に影響するか否かを調査するために、Saos−2細 胞pCMV−fsとpCMV−Bc1−2、またはpCMV−Bag−1、また はpCMV−Be1−2とpCMV−Bag−1に対してコトランスフェクショ ンを施した。平行して、コントロールとして、p53についても、同様にコトラ ンスフェクションを施した。Bag−1やBag−1とBc1−2の組み合わせ は、アポプチン誘発アポプトーシスを阻害しなかったが、p53誘発アポプトー シスは、Bag−1やBag−1とBc1−2の組合せによって、大幅に阻害さ れた。 二重蛍光顕微鏡観察やビデオ増感蛍光顕微鏡観察によって、アポプロチンが、 バックス(Bax)発現を規制し得るか否かを分析した。バックスは、アポプト ーシスを誘発することができる細胞内蛋白質であり、Bc1−2蛋白質や、まだ 知られていないが、他の細胞内蛋白質に合併する。p53は、バックスの発現を 過剰化し、その結果、アポプトーシスの誘発をもたらす(Oltvaiら、1993)。我 々は、アポプチンは、バックス蛋白質レベルを過剰化はしないが、同様の実験で は、p53は過剰化し得るとの証拠を発見した。これらは、アポプロチンは、p 53アポプトーシス経路を介しては作用しないように思われるとのもう一つの論 拠である。 インターロイキン−1−β−転換酵素(ICE)様蛋白質は、アポプトーシス 法の決定カスケードの最終段階のもの或いはその一つとして知られている(Kuma r,1995)。ICE様蛋白質が、アポプチン誘発アポプトーシスにおいて役目を 果たすのか否かを調査するために、ICE阻害剤crmAを、アポプチンといっ しょに発現させた。我々は、牛痘蛋白質crmAの発現によるICE様蛋白質の 阻害が、アポプチン誘発アポプトーシスの阻害には至らないとの証拠を得た。し かしながら、平行する実験において、crmA発現が、p53誘発アポプトーシ スを減少することができることを示した(図4)。 それ故、我々は、アポプチンは、アポプトーシス決定カスケード内において、 不可逆的に非常に近いかは、或いはそれを超えていることさえもあると結論する 。さらに、アポプチン誘発アポプトーシスは、p53誘発アポプトーシス経路を 利用しないか、或いはその非常にマイナーな部分を利用するだけである。 正常なヒト細胞でのアポプチンの発現 3種類のヒトプライマリ細胞、すなわち、血管内皮細胞(HUVEC)、平滑 筋細胞(HSMC)、およびT細胞をプラスミド上にコードされた完全な長さの アポプチン(pMCV−fs)で一過的にトランスフェクトさせた。アポプチン を発現する細胞をMAb 85.1[8]または111.3を用いた比直接的免 疫蛍光法により選択した。アポプチン陽性細胞におけるアポプチンの誘導は、完 全な核は一様に染色するがアポトーシス性の場合は不完全又は弱くしか染色しな いDAPIまたはPIを用いて解析した。トランスフェクションから5日後、ア ポプチン発現プライマリ細胞の約20%しかDAPIまたはPIで異常に染色さ れなかった(データは示さず)。Menkeらは、他のアポトーシス系のデータ(未 公開)を報告しており、このDAPI−異常細胞の率が低いことは、特定のアポ トーシス誘導剤によるものではなく、トランスフェクション現象によるものであ るとしている。また、以下に示す実験もこのことを証明している。同様の実験に おいて、アポプチンを有する悪性細胞の60から90%がアポトーシス性であっ た[Zhuang et al.,1995,1995a,b]。これらのプライマリ細胞におけるアポプ チンの局在性もまた腫瘍細胞とは異なる。正常細胞のすべてにおいて、アポプチ ンは細胞質に見られたが、様々な腫瘍細胞株に観察される核内には見られなかっ た(Zhuang et al.,1995,1995a,b)。これらの結果は、様々は培養されたヒト の非形質転換、非腫瘍形成性細胞においては、アポプチンがアポトーシスを引き 起こせなかったこと、および、アポプチンの細胞内での局在がアポプチン活性に 重要であることを示唆している。 ヒト正常細胞とその悪性派生細胞でのアポプチンの発現 我々は、腫瘍細胞株でのアポプチンの発現とそれが由来する正常細胞における アポプチンの発現を比較した。ここで、正常個体からの2倍体皮膚繊維芽細胞と 角化細胞、および、それに対応する腫瘍性細胞を、完全な長さのアポプチンを発 現するpCMV−fs、長さを短くしたアポプチンを発現するpCMV−tr、 またはデスミンをコードするプラスミド(pCMV−des)で一過的にトラン スフェクトした。デスミンは、アポトーシス活性を有しない(Menke et al.、未 公開データ)。トランスフェクション5日後、アポプチン陽性VH10繊維芽細 胞(図5)とFSK−1角化細胞(図6)でアポトーシス性になった割合は15 %よりも高くはなかった。この異常なかたちでDAPIで染色された細胞の割合 は、長さを短くしたアポプチンまたはデスミンを有する細胞に類似していた。こ れらのアポプチン陽性細胞におけるアポトーシスの低い割合は、アポプチン特異 的な細胞死の誘導によるものではなく、トランスフェクション現象によるもので あろう。 腫瘍性繊維芽細胞と角化細胞がアポプチンの影響を受けやすいかどうかを調べ るため、NW18とSCC−15をアポプチン(完全な長さのものと長さを短く したもの)またはデスミンをコードするプラスミドでトランスフェクトした。ア ポプチンと、それよりも少ない程度ではあるが長さを短くしたアポプチンも、N W18(図5)とSCC−15(図6)腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導し た。トランスフェクション5日後において、これらのアポプチン陽性細胞の最大 65から75%がアポトーシス性であり、報告されている骨肉腫細胞株でのアポ プチン誘導細胞死の割合と同様である(Zhuang et al.,1995a)。異常なDAP I染色デスミン陽性NW−18およびSCC−15細胞の割合は、正常な繊維芽 細胞や角化細胞の値に比べて顕著には高くなかった(図5および6)。 VH10繊維芽細胞とSaos−2骨肉腫細胞における増殖率は類似している ので、正常細胞と腫瘍細胞においてアポプチンの活性が異なることを、増殖率が 異なるためであると説明することはできない。 我々の観察は、アポプチンが正常な繊維芽細胞や角化細胞においてはアポトー シスを引き起こさないが、それに対応する腫瘍性細胞においてはアポトーシスを 引き起こすことを示す。 ヒトのトランスフォームされた細胞におけるアポプチンの発現 アポプチンが細胞死を引き起こすために必要な腫瘍形成性が細胞死に必要なの か、または、単なる細胞のトランスフォーメーションで十分なのであろうか。こ の質問に回答するため、我々は、トランスフォームされた非腫瘍形成性繊維芽細 胞と角化細胞でのアポプチンの効果を調べた。アポプチン、長さを短くしたアポ プチン、およびデスミンを、SV40でトランスフォームして不死にした繊維芽 細胞でトランスフォーム前(Pre)とトランスフォーム後(Post)、SV 40でトランスフォームして不死にしたSVK14角化細胞で、および、自発的 にトランスフォームしたHaCaT角化細胞で一過的に発現させた。これらのト ランスフォームされた細胞において、アポプチンは、腫瘍細胞と同様に(図5、 6)アポトーシスを引き起こすことができた。(長さを短くした)アポプチンを 有する細胞においてアポトーシス性となった割合は、デスミン陽性細胞における 割合よりも顕著に高かった。これらのデータはアポプチンが悪性細胞とトランス フォームされた細胞の両者においてアポトーシスを引き起こすことを意味してい る。 いくつかの化学療法剤や放射線はトランスフォームされた細胞においてアポト ーシスを引き起こすことができるが、トランスフォームされていない細胞におい てはアポトーシスを引き起こすことができない(Thompson,1995,McDonell et al.,1995)。トランスフォーメーションはアポトーシス刺激に対して細胞をよ り敏感にするようである。いくつかの他のタンパク質が腫瘍細胞を特異的に殺す ことが知られている。パルボウィルス構造遺伝子NS−1は新生物細胞の特異的 な細胞溶解を引き起こす(VanAcker and Rommelaere,1995)。また、bcl− xs発現アデノウィルスは、ヒトの乳ガン、直腸ガン、および神経芽細胞腫の細 胞でアポトーシスを引き起こすが、正常なヒト造血細胞やヒト白血病細胞株K5 62では誘導しないように構成されている(Clarke et al.,1995)。 アポプチンをコードしているプラスミドを用いたVH10細胞の安定なトラン スフェクション 正常なVH10細胞においてアポプチンが、僅かであるが有意なアポプトーシ ス作用を持つことを除外するために、コントロールとしてこれらの細胞をpCM V−fsまたはpCMV−neo−Bamで安定にトランスフェクトさせた。我 々は、いずれのトランスフェクションからも同量のコロニーを得た。得られた細 胞は、pCMV−fsで安定にトランスフェクトされたものでは、アポプチンを 発現しており、それは核周辺領域に局在していた(データなし)。したがって、 アポプチンは、アポプトーシスを誘発できないか、または正常なVH10細胞の 増殖を他のいかなる意味においても阻害できないことが結論される。 形質転換および悪性細胞と対比させた、正常細胞におけるアポプチンの細胞内 局在性 正常細胞と対比させた、悪性および形質転換細胞におけるアポプチンの種々の アポプトーシス活性とは別に、我々は、これらの細胞種におけるアポプチンの細 胞内の局在性の差異について調べた。形質転換および悪性細胞においては、アポ プトーシス形態変化が見られる前に、アポプチンは微粒子として主に核内に分布 している。細胞がアポプトーシスを開始した後では、アポプチンは核内に凝集し ていた。それに対し、正常な繊維芽細胞および角化細胞におけるアポプチンは、 主として細胞質または核の周囲に、いずれも微粒子および、より大きい凝集体と して局在している。一次細胞HUVECおよびHSMC、およびT細胞において も、アポプチンはこれらの特徴的な核周辺の構造内に局在していた。これまでの ところ、調べたすべての悪性および形質転換細胞株では、アポプチンは核に局在 しており、それに対しこれまでに分析されたすべての正常細胞では否であった。 他の研究者等は、形質転換細胞が機能喪失突然変異を受け、その結果として正 常に機能する阻害剤がスイッチオフされたと提案した。これらの変化により、癌 細胞においては、核での蛋白質の輸送が促進されるか、または妨げられると考え られる(Csermelyら、1995)。正常細胞においては、アポプチンは、一つ以上の 細胞因子に結合および/または修飾され、核周辺の構造物内に局在する結果とな ることが可能である。悪性細胞においては、このような(機能上の)因子(また は複数の因子)の喪失が、アポプチンを核へ侵入させていると考えられる。アポ プチンは、推定される核内への輸送配列だけでなく(Notebornら、1991,1994,1 995,Zhuangら、1995,1995a,b)、プロテインキナーゼインヒビター(PKI )およびHIV−Rev蛋白質のアミノ酸領域と類似した、核外への輸送シグナ ルに似たアミノ酸領域(33〜46番アミノ酸:IRIGIAGITITLSL )も潜ませている(Wenら、1995,Fischerら、1995,Gerace,1995)。この潜在 性の核輸送シグナルが、調べた種々の悪性および形質転換細胞内では認識されな いことは、好都合となるはずである。 ここに記載した結果は、アポプチンの核内局在が、アポプトーシスを誘発する 能力にとって重要であることを示している。このことは、アポプトーシス活性の 減少した(図5および図6)トランケート・アポプチンの一部が、細胞質内に存 在するとの観察と一致する。電子顕微鏡によるトリの単核細胞についての考察に よって、アポプチンが細胞内クロマチンといっしょになって局在することが判っ た(Notebornら、1994)。クロマチンとアポプチンの交互作用によって、その超 構造の巻き戻しをもたらすことができた。後者の現象は、ラットの去勢後アポプ トーシス化したラットの腹壁前立腺のものとして記載されている(Kyprianou an d lsaacs,1989)。 抗腫瘍剤としてのアポプチン 我々の結果は、アポプチンは、抗腫瘍剤であることを示している。先ず、アポ プチンは、特に、悪性細胞や形質転換細胞中では活性であるが、少なくとも、イ ンビトロでは、試験に供した正常細胞中では活性ではない。それ故、アポプチン 療法の毒性効果は、非常に低いものとなろう。次に、アポプチンは、p53非依 存方式では、アポプトーシスを誘発する。いくつかの化学療法剤が、大多数の腫 瘍中でアポプトーシスを誘発することのできるこの能力を失うと云う事実は、p 53機能の崩壊と関連しているように思われる。それ故、p53非依存アポプト ーシス経路の誘発は、腫瘍療法の代替法の候補として有用なアプローチとなろう 。さらに、アポプチンは、明らかにBc1−2によっては遮断されず、このこと は、例えば、白血病腫瘍の展開に含まれるものとして知られており、化学療法剤 によって誘発されるアポプトーシスを阻害できるものである。また、我々は、B c1−2関連蛋白質であるBAG−1は、アポプチン誘発アポプトーシスを遮断 し得ないことを観察した。 図面の説明 図1は、p53−マイナスHep3B細胞においてVP3によるアポプトーシ ス誘発に及ぼすE1B−21kDおよびBcl−2の発現効果を示している。示 されている百分率はトランスフェクションの6日後にアポトーシスを起こしたア ポプチン陽性細胞のものである。アポプチン陽性細胞は2.5μgのpCMV− VP3と5μgのpCMV−neo−Bam(空白の棒グラフ)、5μgのpC MV−E1B21(線影棒グラフ)、または5μgのpCMV−Bc12プラス ミドDNA(点線棒グラフ)と共に同時トランスフェクションされた。少なくと も3つの独立した実験が行われた。実験毎に、少なくとも200個のアポプチン 陽性細胞を検査した。 図2は、Hep3B細胞系においてp53によるアポプトーシス誘発に及ぼす E1B−21KおよびBcl−2の蛋白質の効果を示している。該細胞は2.5 EμgのpCMV−p53と5EμgのpCMV−neo−Bam、5μgのp CMV−E1B21K、または5μgのpCMV−Bc12プラスミドDNAと 共に同時トランスフェクションされた。2つの独立したトランスフェクションが 行われた。トランスフェクション後4〜5日で細胞を分析した。示される百分率 はアポプトーシスを起こしたp−53陽性細胞のものである。実験毎に、少なく とも200個のp53陽性細胞を検査した。 図3は、p−53誘発アポプトーシスまたはアポプチン誘発アポプトーシスに 及ぼすBcl−2およびBag−1発現の効果を示す。Saos−2細胞は、2 .5μgのpCMV−fs、5μgのpCMV−Bcl−2、pCMV−Bag −1、またはPCMV−Bag−1とpCMV−Bcl−2と共に同時トランス フェクションされた。平行した実験において、細胞は、2.5μgのpCMV− p53および5μgのpCMV−Bcl−2、pCMV−Bag−1、または pCMV−Bag−1とpCMV−Bcl−2と共に同時トランスフェクション された。対照として、pCMV−p53またはpCMV−fsが、pCMVーn eo−Bamと共に同時トランスフェクションされた。両方のシリーズについて 少なくとも3つの独立した実験が行われた。細胞はトランスフェクション後4日 で収穫された。示されている百分率はアポプトーシスを起こしたp53−または アポプチン陽性の細胞のものである。実験毎に、少なくとも200個の細胞を検 査した。 図4は、p53−またはアポプチン誘発アポプトーシスの誘発に及ぼすICE −阻害剤crmAの効果を示す。Saos−2細胞は、2.5μgのpCMV− fsおよび5μgのpCMV−crmA(+crmA)またはpCMV−neo −Bam(−crmA)で同時トランスフェクションされた。平行して、細胞は 、2.5μgのpCMV−p53および5μgのpCMV−crmAまたはpC MV−neo−Bamで同時トランスべくションされた。少なくとも2つの独立 した実験が行われた。細胞はトランスフェクション後5日に収穫された。示され る百分率はアポプトーシスを起こしたp53−またはアポプチン陽性の細胞のも のである。実験毎に、少なくとも200個の細胞を検査した。 図5は、正常に対する形質転換または悪性のヒト線維芽細胞におけるアポプチ ン活性を示す。DAPIで異常に染色された細胞の百分率が、正常なVH10に 対する一時的にpCMV−fs、pCMV−trまたはpCMV−desでトラ ンスフェクションされた形質転換(前と後)および腫瘍(NW18)線維芽細胞 におけるアポプトーシスについての相対的な測定値として示されている。細胞は トランスフェクション後5日で固定され、間接的蛍光抗体法により分析された。 結果は少なくとの3つの独立した実験の平均である。各実験において、少なくと も200個の完全なサイズまたは頭部切り欠いたアポプチンまたはデスミンの陽 性細胞を検査した。細胞はトランスフェクション後5日で固定され、間接的蛍光 抗体法により分析された。 図6は、正常対形質転換または悪性のケラチノサイトにおけるアポプチン活性 を示す。DAPIで異常に染色された細胞の百分率が、正常なケラチノサイト( FSK−1)に対する、一時的にpCMV−fs、pCMV−trまたはpCM V−desでトランスフェクションされた形質転換(SVK14,HaCAT) および腫瘍(SCC−15)のケラチノサイトにおけるアポプトーシスについて の相対的な測定値として示されている。細胞はトランスフェクション後5日で固 定され、間接的蛍光抗体法により分析された。結果は少なくとの3つの独立した 実験の平均である。各実験において、少なくとも200個の完全なサイズまたは 頭部切り欠いたアポプチンまたはデスミンの陽性細胞を検査した。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.トランスフォームされた、および/または悪性、および/または腫瘍細胞 と正常細胞を区別する方法であって、該細胞にウイルス性蛋白質3(VP3;ア ポプチン)を与え、該細胞中の該蛋白質の局在性を測定する工程を含むことを特 徴とする方法。 2.対象となる核酸をターゲット細胞に運搬するための媒介物であって、さら にアポプチンをコードする遺伝子またはその機能的同等物を含むことを特徴とす る媒介物。 3.ターゲット腫瘍治療のための抱合体であって、主に結合する分子に対して 結合親和性を持つが、腫瘍細胞の表面には全く存在しないターゲティング部分と 、アポプチンまたはその機能的同等物を含むことを特徴とする抱合体。 4.腫瘍形成性物質あるいは腫瘍形成性物質をコードする遺伝子を、腫瘍細胞 の表面には全く存在しないが、主に結合する分子に運搬する媒介物であって、該 腫瘍形成物質がアポプチンまたはその機能的同等物であることを特徴とする媒介 物。 5.ターゲット細胞の個体数を低減するための方法に用いるためのアポプチン またはその機能的同等物であって、該方法が主にターゲット細胞に特異的ではあ るが、完全に特異的ではなく、アポプチンまたはその機能的同等物が細胞毒性物 質であることを特徴とするアポプチンまたはその機能的同等物。 6.ターゲット細胞の個体数を低減するための用途に用いるためのアポプチン またはその機能的同等物であって、該細胞が、他のアポトーシス誘発剤に対して 感受性がないことを特徴とするアポプチンまたはその機能的同等物。 7.細胞核局在化シグナルを備えたアポプチンまたはその機能的同等物。 8.ターゲット細胞集合の細胞を除く方法に用いられる請求項8記載のアポプ チンまたはその機能的同等物。 9.請求項8のアポプチンまたはその機能的同等物をコードする核酸。
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