JPH11505504A - ホウ素を含有するホルモン類似体及びホルモン受容体を有する細胞をイメージング若しくは殺すためにこれらを使用する方法 - Google Patents

ホウ素を含有するホルモン類似体及びホルモン受容体を有する細胞をイメージング若しくは殺すためにこれらを使用する方法

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JPH11505504A
JPH11505504A JP8503138A JP50313896A JPH11505504A JP H11505504 A JPH11505504 A JP H11505504A JP 8503138 A JP8503138 A JP 8503138A JP 50313896 A JP50313896 A JP 50313896A JP H11505504 A JPH11505504 A JP H11505504A
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ホーソーン、エム・フレデリック
グラウディン、マーク・ティー
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イオニックス・コーポレーション
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    • A61K41/009Neutron capture therapy, e.g. using uranium or non-boron material
    • A61K41/0095Boron neutron capture therapy, i.e. BNCT, e.g. using boronated porphyrins

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Abstract

(57)【要約】 ホウ素含有化合物が、細胞の細胞内受容体に対して結合特異性を有するリガンドに複合体形成されたホウ素含有部分よりなる複合体と細胞を接触することによってホルモンに応答する細胞にターゲッティングされる。該複合体は、ホルモンに応答しうる腫瘍細胞のようなホルモンに応答する細胞をイメージング若しくは殺傷するために使用される。標的細胞を殺すためには、細胞の細胞内ホルモン受容体に対して結合特異性を有するリガンドに複合体形成された10B含有部分と該細胞を接触する。10B含有部分は細胞のホルモン受容体部部と結合し、次いでこれを中性子で照射してホウ素中性子捕捉により該細胞を殺す。標的細胞をイメージングするためには、細胞の細胞内ホルモン受容体に対して結合特異性を有するリガンドに複合体形成された11B含有部分と該細胞を接触し、次いで細胞のホルモン受容体に結合したホウ素を磁気共鳴イメージング技術を用いて画像化する。

Description

【発明の詳細な説明】 ホウ素を含有するホルモン類似体及びホルモン受容体を 有する細胞をイメージング若しくは殺すためにこれらを 使用する方法本発明の分野 本発明は、ホウ素イメージング及び中性子捕捉療法に使用するための新規な試 薬に関する。特に、本発明は、ホウ素中性子捕捉又はイメージング試薬であって 、ホウ素含有部分が、細胞のホルモン受容体に対して結合特異性を有するリガン ドに複合体形成されたものに関する。本発明の背景 1930年代に始まった量子力学、核物理学及び関連化学の発展によりJames Chadwick(Nature 129:312,1932)は1932年に中性子を発見した。中性子と 種々の物質の相互作用の研究は、原子核、特にH−原子のプロトンとの弾性衝突 による中性子散乱(J.R.Dunning et al.,Phys.Rev.47:325,1935)の現象を カバーしていなかった。幾つかの核による低速(又は熱エネルギー)中性子の捕 捉は、Fermi et al.,Proc.Roy.Soc.London,146:483(1934)に開示されており 、熱中性子との相互作用による他の特異的な核の崩壊は、J.R.Dun-ning et al. ,Phys.Rev.,48:265(1935)に開示されている。1935年には、多数の実験報 告が集積され、これらの報告 から中性子を捕捉する原子核の能力は、標的核の質量だけでなく、実際のその核 の構造にも関連するように思われた。バーン単位として知られる10-24cm2の単 位で表される特徴的な効果のある断面積を有する核の概念は、この先の研究で導 入された。中性子を捕捉するためのホウ素の効果的な核断面積は、周期律表の隣 の原子、即ち窒素及び炭素がこれと比較すると非常に小さい核断面積を示すにも かかわらず、非常に大きいことが知られている。 Taylor,Proc.Roy.Soc.,A47:873(1935)には、10B核による熱中性子の捕捉 と、これに続く4He2+(α粒子)及び7Li3+と、これら2種類の重イオン生成 物間に分配される約2MeVの動力学的エネルギーの生成が開示されている。生 成したイオンの遷移範囲は、写真用ゼラチンで約7.6μ及び空気中で1.1cmと 特に短い。従って、リチウムイオンとα粒子生成物は短命の、イオン化プロセス を介して有機物質に非常に局所的なダメージを与えることができるエネルギーの 高い種である。 ペンシルバニア州フィラデルフィアのフランクリン研究所のBartol研究財団( Bartol Research Foundation)のGordon L.Locherは、Am.J.Roentgenol.and Radium Therapy,36:1(1936)において、中性子及びホウ素中性子補足の医療へ の応用の可能性を示している。Locherの考えは、二成分から成る治療方法を基礎 とした、簡単なホウ素中性子補足反応に因っている。この反応では、腫瘍に特異 的に局在化する化合物に含まれる10B核が熱中性子と反応し、エネルギーの高い 細胞 毒性反応生成物、即ちα−粒子及びリチウムイオンを生じる。この方法では、放 射性物質は全く含まれず、この治療方法は、腫瘍部位への中性子の供給をコント ロールすることによって調節することができる。 ホウ素中性子補足(BNC)法の2種類の必要な成分、利用しうる高い流動性 を持った低エネルギー中性子の制御しうる供給源、及び腫瘍に局在化するのに適 したホウ素化合物は、1936年には知られておらず、Locherの考えは、核反応 が利用でき、熱中性子を用いた初期の実験的な試験が維持されるまで予言のまま であった。この初期の試験は、1954年まで現れなかった。このときには、Sw eet、Farr及び彼らの共同研究者(M.Javid et al.,J.Clin.Invest.,31:603 (1952);W.H.Sweet,N.Engl.J.Med.,245:875(1954);W.H.Sweet and M.Jav id,J.Neurosurg.,9:200(1952);L.E.Farr et al.,Am.J.Roentgenol.,71 :279(1954): J.T.Godwin et al.,Cancer,8:601(1955))は、末期患者に10B 標的種として10Bを富化したボレートを使用して人脳腫瘍(グリオブラストーマ 多形型)を治療した。これらの最初に実験で、通常の外科手段の後に腫瘍部位に 残っている悪性グリオーム細胞を殺すという課題にBNCTを応用した。 熱、293K(0.025eV)中性子で得られるホウ素中性子補足(BNC) 反応は、式(I)に示されるように表すことができる。 11B核は、BNC反応を受けることができないが、10Bの有効な核断面積は38 37バーンである。 他の2つの核種、1H及び14Nは、組織に豊富に存在し、BNCTの間に起こ る重要な中性子補足副反応に関与する。従って、対照への重要なバックグラウン ド放射の線量に寄与する。これらの二種類の中性子補足反応は、標的核の核断面 積を増加させること、並びにこれらが組織内で高濃度であることによっても役割 を果たしている。H.HatanakaがBoron-Neutron Capture Therapy for Tumors(H .Hatanaka編)、Nichamura Co.Ltd.,Nigata,Japan,p.5(1986)に開示してい るように、1Hと14Nの中性子補足反応は式(2a)及び(2b)にそれぞれ示 されるとおりである。 組織のような水素の豊富な媒体を中性子が通過すると、H−原子の核プロトンと 衝突することによってこれらの核の減速及び散乱が起こる。時折、ゆっくり移動 する中性子が、このようなプロトンによって補足され、全放射線量に寄与する特 徴的なガンマ線を伴って重陽子を生じる。他の競争的補足反応では、組織内で利 用可能な窒素原子が、低エネルギーの中 性子を補足し、14Cと0.63MeV(動力学的エネルギー)プロトンを生成しうる 。この動力学的エネルギーは、BNC反応で誘導される7Li3+及び4He2+に与 えられ、(2a)及び(2b)で示されるように生成されるプロトンやγ−フォ トンを伴ったこのエネルギーは回りの媒体に伝達される。γ−フォトンを除いた これらのエネルギーの高い核反応生成物は全て重い粒子であるので、この動力学 的エネルギー移動は迅速であり、長さの非常に短い経路に沿って起こる。これら の粒子の線形エネルギー移動(LET)の割合は特徴的に高く、従ってこれらの 反応の莫大なエネルギーが非常に小さな容積内に供与される。例えば、BNC反 応で生じた7Li3+及び4He2+イオンは約0.01mmの長さ又はほぼ1つの細胞 の直径と等価なイオン化トラック(tracks)を生じる。従って、細胞内で起こる 核反応によって生じる粒子に特徴的な高LETは、供与されるエネルギーが高密 度であるので羅患した細胞を特に致死に至らしめる。 理想的には、大量の10B核を有するこれらの細胞は、BNCによって破壊され るが、10Bを含まない隣接細胞は影響を受けない、即ちバックグラウンドの1H (n,γ)2H及び14N(n,p)14C反応の影響を受けない。腫瘍細胞への10 Bの輸送がBNCTのこの所望の効果を達成するので、正常組織に対する腫瘍組 織(これは中性子照射を受ける。)へのホウ素輸送の選択性は可能な限り大きく あるべきである。加えて、先に示した1H(n,γ)2H及び14N(n,p)14C 中性子補足過程によってもたらされるバックグラウンド放射線 量よりも十分高い局在化された二成分治療効果をもたらすように、腫瘍内の10B の実際の濃度は十分高くなければならない。効果的なBNCに必要な一般に受け 入れられている最小の10B濃度は、腫瘍細胞構造の生命維持に必要な成分に関連 した10Bの正確な位置に依存して10から30μg10B/腫瘍であると一般に信 じられている。10B核の位置は、細胞質までの外細胞壁から細胞の核に向けて変 化するので、効果的なBNCTのための10Bの必要な濃度は予想通り減少する。 従って、細胞壁に結合する10Bは、30ppm以上の濃度を必要とするが、腫瘍細 胞の核内に局在化した10Bはわずか10ppm以下の濃度が必要なだけである。追 加のファクターとして、標的の組織の容積内の熱中性子の定常状態濃度がある。 これは、効果的な治療のための必要な数のBNC現象を生ずるためには非常に低 い中性子強度で比例して長い照射時間が必要となるからである。 ホウ素が結合した腫瘍細胞の基礎レベルを達成する必要性により、腫瘍細胞へ のホウ素の輸送を増加させるという先の試みがなされ、中性子照射でバイスタン ダー細胞若しくは組織のダメージを起こしうる相対的に低い量のバックグラウン ドホウ素を残したままであるが、効果的なホウ素中性子捕捉療法のための細胞内 の十分に高いホウ素濃度が得られる。例えば、幾つかの腫瘍ターゲッティング戦 略では、4−(ジヒドロキシボリル)フェニルアラニン(BPA)若しくはメル カプトウンデカヒドロ−closo−ドデカボレートジアニオン(B1211SH2-; BSH)のような腫瘍に対して若干の自 然の親和性を有するホウ素化合物を利用するか、又はポルフィリンのような他の 分子へのホウ素含有種の結合を利用することが行われる。加えて、10Bを富化し たホウ素を腫瘍関連抗原に特異的な抗体と複合体形成させ、BNC療法の治療の 有効性を高めることが先に提案されている。例えば、D.Goldenferg et al.,「G W−39腫瘍モデル系における癌胎児抗原へのホウ素−10で標識された抗体の 腫瘍局在化に関するin vivoでの結果」、Proc.Nat′l Acad.Sci.81:560-563(1 984); R.Barth et al.,「中性子捕捉治療に使用するためのホウ素化されたモノ クローナル抗体の複合体形成、精製及び特徴化」、Strahlenther.Onkol.165(2/ 3):142-145(1989); S.Tamat et al.,「悪性メラノーマ及び白血病細胞の可能な 中性子捕捉療法のためのホウ素化されたモノクローナル抗体」、Strahlenther.O nkol.165(2/3):145-147(1989);R.Abraham et al.,「中性子捕捉療法のための ホウ素化された抗体」、Strahlenther.Onkol.165(2/3):148-151(1989);A.Vara darajan et al.,「新規なカルボラニルアミノ酸及びペプチド:抗体修飾及びこ れに続く中性子捕捉の研究のための試薬」、Bioconjugate Chem.2(4):242-253(1 991);及びR.Paxton et al.,「中性子捕捉療法のためのカルボラニルペプチド− 抗体複合体:調製、特徴化、及びin vivoでの評価」、Bioconjugate Chem.3(3): 241-247(1991)を参照。この他には、ホウ素試薬をリポソーム小胞に取り込ませ 、該試薬の循環寿命を延ばすこと、正常な生理学的物質による攻撃から該試薬を 保護すること、及び可能な毒性副反応を軽減すること が提案されている。幾つかのリポソームはまた、新生物組織を特異的にターゲッ ティングする。例えば、「癌のホウ素中性子捕捉療法に向けられたモデル研究: リポソームを用いたネズミ腫瘍へのホウ素の輸送」、Proc.Natl.Acad.Sci.U SA,89:9039-9043(1993)を参照。 ホウ素輸送法でなされた進歩にもかかわらず、低い循環寿命、最適以下のリポ ソーム組成、可能性として存在する毒性副作用及び/又は最適以下の細胞膜相互 作用の問題により、これらの方法は、治療で望まれる濃度で標的腫瘍細胞へホウ 素を高い特異性で輸送することを達成できないでいる。従って、ホウ素中性子捕 捉療法及びイメージングを目的とした、ホウ素を標的腫瘍細胞に輸送するための 新規なビヒクル(vehicle)及び改良されたビヒクルに対する強いニーズが当分野 に存在する。 幾つかのホルモンは、特異的な細胞内受容体に結合し、これを活性化し、細胞 内の遺伝子活性のパターンを変化することが知られている。遺伝子活性のホルモ ン調節において、リガンド(これはホルモンであっても、合成類似体であっても よい。)は、促進された拡散によって細胞内に移動する。一度細胞内に入り込む と、該リガンドはその細胞内受容体に結合し、リガンド/細胞内受容体複合体を 形成する。該複合体は、該受容体の形の変化を誘導し、該受容体を活性化して細 胞内で他の機能を行う。リガンド/細胞内受容体複合体が、ホルモン感受性遺伝 子の制御領域内のDNAの特に短い配列を認識し、これに結合し、これによって 遺伝子活性を媒介す ることが一般に知られている。このようなメカニズムの特性に関して学ぶべき多 くのことが残されているにもかかわらず、ホルモンのような外来性誘導物質が、 ホルモン感受性要素として知られる細胞内受容体及び分離したDNAを含めた分 子内成分と共に作用することによって遺伝子の転写を調節していることが知られ ている。特に、グルココルチコイド、性及び甲状腺ホルモンのようなホルモンは 、促進された拡散によって細胞に入り込む。ホルモンは、次に特異的な受容体タ ンパクに結合し、これによってホルモン/受容体複合体を形成することも知られ ている。ホルモンの受容体への結合は、受容体タンパクのアロステリックな変化 を開始させると信じられている。この変化の結果として、ホルモン/受容体複合 体が、クロマチンDNA上の幾つかの特異的部位に高い親和性で結合することが できると信じられている。当分野において種々の名前で呼ばれているこのような 部位は、近傍の標的遺伝子プロモーターの発現(RNAの転写)を調節する。タ ンパク若しくはペプチド治療とは異なって、分子内受容体に対する天然及び合成 リガンドは、経口若しくは局所投与に対する適正を含めた薬学的な薬剤の多くの 魅力的な特性の一部を担う小さな有機分子である。非ペプチド性ホルモンに対す る受容体は、タンパクの上科の一員に密接に関連する。この受容体のタンパクの 上科は、細胞の原形質膜に位置する神経伝達物質及びタンパク若しくはペプチド ホルモン及び成長因子に対する受容体とは異なって、受容体が標的細胞の内側に 位置しているので細胞内受容体と呼ばれている。本発明の概要 ホウ素含有化合物は、ホウ素含有試薬と細胞を接触することによって、分子内 ホルモン受容体の少なくとも1種を有するホルモンに感受性な細胞にターゲッテ ィングされる。該ホウ素含有試薬は、細胞の分子内受容体に対して結合特異性を 有するリガンドに複合体形成されるホウ素含有部分を具備する。現在の特に好ま しい態様では、本発明の方法は、ホルモンに感受性な腫瘍細胞のようなホルモン に感受性な細胞を殺すために使用され、この方法は、細胞の分子内ホルモン受容 体に対して結合特異性を有するリガンドと複合体を形成する10Bを含有する部分 を具備したホウ素中性子捕捉剤と、細胞を接触することによって行われる。10B を含む部分は、細胞のホルモン受容体に結合され、これは次に、中性子で照射さ れ、ホウ素中性子捕捉によって細胞を殺す。照射の標的部分の外側での細胞活性 化を防止するために、本発明のリガンドは、細胞内受容体には結合するが、細胞 内受容体を活性化できず、且つ受容体の天然のホルモンへ引き続きさらされるこ とにより受容体が活性化されることを防ぐ抗受容体試薬若しくは拮抗薬であるこ とが好ましい。この他の態様として、標的細胞は、本発明のホウ素含有複合体と 接触し、ホウ素と該標的細胞が結合され、次いで該標的細胞が、例えば磁気共鳴 イメージング技術を用いて視覚化されうる。 本発明のこの態様の代表的な態様では、該標的細胞は、例えば転位性肺癌細胞 を包含しうる。またホウ素中性子捕捉剤 は、エストロゲン受容体に対して結合特異性を有するタモキシフェン残基若しく はこの類似体のようなリガンドに複合体形成された10Bを含有する部分を具備す る。他の代表的な態様では、標的細胞は、前立腺癌細胞を包含しうる。またホウ 素中性子捕捉剤は、アンドロゲン受容体に結合特異性を有する4’−置換若しく は3’,4’−二置換アニリド残基のようなリガンドに複合体形成された10Bを 含有する部分を具備しうる。更に代表的な態様では、標的は、白血病細胞を包含 しうる。またホウ素中性子捕捉剤は、グルココルチコイド受容体に対して結合特 異性を有するリガンドに複合体形成される10Bを含有する部分を具備しうる。標 的は腎カルチノーマ細胞を包含し得、ホウ素中性子捕捉剤は、プロゲステロン受 容体、アンドロゲン受容体又はグルココルチコイド受容体に結合特異性を有する リガンドに複合体形成される10B含有部分を具備しうる。標的細胞は、子宮内膜 癌細胞を包含し得、ホウ素中性子捕捉剤は、エストロゲン受容体若しくはプロゲ ストロン受容体に結合特異性を有するリガンドに複合体形成される10B含有部分 を具備しうる。標的細胞は、卵巣癌細胞を包含し得、ホウ素中性子捕捉剤は、エ ストロゲン受容体若しくはプロゲストロン受容体に結合特異性を有するリガンド に複合体形成される10B含有部分を具備しうる。或いは、標的細胞は、子宮頚、 膣又は陰門のカルチノーマ細胞を包含し得、ホウ素中性子捕捉剤は、エストロゲ ン受容体若しくはプロゲステロン受容体に結合特異性を有するリガンドに複合体 形成される10B含有部分を具備しうる。 本発明の他の側面では、標的細胞の細胞内受容体に対して結合特異性を有する リガンドに複合体形成された10B含有部分を具備した新規な化合物を提供する。 本発明の該化合物の代表的な具体例にはグルココルチコイド及び電解質コルチコ イド受容体;プロゲステロン受容体、エストロゲン関連受容体、及びアンドロゲ ン受容体のような性ステロイド受容体;並びにビタミンD3、甲状腺、レチノイ ン酸受容体に対して結合特異性を示すリガンドを有する複合体が含まれる。本発 明の複合体の10B含有部分は、硼酸のような1つの硼酸を含有しうるが、好まし くは1以上の10B、より好ましくは少なくとも9個の10B原子、最も好ましくは 少なくとも18個の10B原子を含有しうる。適切なホウ素中性子捕捉剤は、clos o−B1212 2-、closo−B1010 2-又はBSH(B1212SH2-)のような多面体 ホウ素アニオン誘導体、お互いにかご結合した2つの体面体ボランアニオンを含 有し、20のホウ素原子を含有する構造を形成する誘導体、式closo−C2n-2 n又はcloso−CBn-1n、の用は多面体カルボラン、ホウ素を富化したα−ア ミノ酸から構成されるオリゴマーペプチド、又はホウ素を富化したオリゴホスフ ェートを基にしている。本発明の例示化合物は一般に下式で表されるか、又はこ れらの薬学的に許容しうる塩である。 但し、Boはホウ素含有部分であり、Lは結合基であり、Ligはリガンド であり、mは0又は1であり、nは1 以上の整数である。図面の簡単な説明 本発明の前述の側面及び他の利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照 してより容易に認識することができるであろう。 図1Aは、例1及び2で説明されるnido−カルボラニルフルタミン誘導体、N −(2’−nido−カルボラニルアセチル)−3−トリフルオロメチル−4−ニト ロアニリンを合成するための合成経路の概略図である。 図1Bは、例3で説明されるo−nido−カルボラニルフルタミン誘導体、N− (4’−カルボラニルブタノイル)−3−トリフルオロメチル−4−ニトロアニ リンを合成するための合成経路の概略図である。 図2Aは、例4で説明されるB10フルタミン誘導体、N−(closo−2−B10 9)−N’−(3’−トリフルオロメチル−4’−ニトロアニリン)尿素を 合成するための合成経路の概略図である。 図2Bは、例5で説明されるB20フルタミン誘導体、テトラナトリウム−(アピカル ,アピカル−1−[2’−B109]−2−NH−[3”−トリフルオロメチル− 4”−ニトロフェニル]−B108 10を合成するための合成経路の概略図であ る。 図3Aは、例6で説明されるcloso−カルボラニルオリゴホスフェートトレー ラーフルタミン誘導体、1−N−(closo −CB10−ヘキシルアミン)−6−N−(3’−トリフルオロメチル−4’−ニ トロアニリン)サベリルジアミン13を合成するための合成経路の概略図である 。 図3Bは、例7で説明されるnido−カルボラニルオリゴホスフェートトレーラ ーフルタミン誘導体、1−N−(nido−CB10−ヘキシルアミン)−6−N−( 3’−トリフルオロメチル−4’−ニトロアニリン)サベリルジアミン16を合 成するための合成経路の概略図である。 図4Aは、例8及び9で説明されるnido−カルボラニルタモキシフェン誘導体 、cis−1−(4’−β−(N−2”−nido−カルボラニルアセチル)−アミノ エトキシフェニル)−1,2−ジフェニルブテン19を合成するための概略図で ある。 図4Bは、例10で説明されるnido−カルボラニルタモキシフェン誘導体、ci s−1−(4’−β−(N−4”−nido−カルボラニルアセチル)−アミノエト キシフェニル)−1,2−ジフェニルブテン20を合成するための概略図である 。 図5Aは、例11で説明されるB10タモキシフェン誘導体、Na2(N−[clos o−2−B109]−N’−[cis−1−(4’−β−アミノエトキシフェニル) −1,2−ジフェニルブテン]尿素)21を合成するための合成経路の概略図で ある。 図5Bは、例12で説明されるB20タモキシフェン誘導体、Na4(アピカル,アピカル −1−[2’−B109]−2−[N−cis−1−(4’−β−アミノエトキシ フェニル)−1,2−ジフェニルブテン]−B10822を合成するための合 成経路の概略図である。 図6は、例13で示されるcloso−カルボラニルオリゴホスフェートトレーナ ータモキシフェン誘導体、N1−(closo−CB10−ヘキシルアミン)−N6−(c is−1−[4’−β−アミノエトキシフェニル]−1,2−ジフェニルブテン) スベリルジアミン23を合成するための合成経路の概略図である。 図7は、例14で説明されるnido−カルボラニルオリゴホスフェートトレーナ ータモキシフェン誘導体、N1−(nido−CB10−ヘキシルアミン)−N6−(ci s−1−[4’−β−アミノエトキシフェニル]−1,2−ジフェニルブテン) スベリルジアミン24を合成するための合成経路の概略図である。好ましい態様の詳細な説明 本発明に従えば、ホウ素は、少なくとも1タイプの細胞の細胞内受容体に対し て結合特異性を有するリガンドに複合体形成されたホウ素含有部分を具備する複 合体と細胞を接触することによって細胞内受容体を含む細胞をターゲッティング する。 本出願で使用される「分子内受容体を含む細胞」の語は、天然若しくは合成ホ ルモン又はホルモン類似体に対する1以上の分子内受容体を含む細胞を意味する 。現在の特に好ましい態様では、該受容体は、グルココルチコイド及び電解質コ ルチコイドのような副腎ステロイド受容体;プロゲステロン、エストロゲン関連 、及びアンドロゲン受容体のような性ステ ロイド受容体;並びにビタミンD3、甲状腺、及びレチノイン酸受容体を含めた 受容体のステロイドホルモン上科から選択されうる。例えば、Evans et al.,Sc ience240:889 et seq.(1988)を参照。 本発明のホウ素含有試薬は、細胞の細胞内受容体に対して結合特異性を有する リガンドに複合体形成されたホウ素含有部分を具備する。従って、本発明の試薬 は、下式によって一般に表されうる。 但し、Boはホウ素含有部分であり、Lは結合基であり、Ligはリガンド であり、mは0又は1であり、nは1以上の整数である。 ここで使用される、ホウ素含有試薬の語は、リガンドとの反応の後に本発明の 複合体を形成するホウ素化合物の残基を意味する。本発明の実施に有用な適切な ホウ素化合物には、硼酸のような1分子あたり1つのホウ素原子を含有する化合 物、並びに1分子あたり1よりも多いホウ素原子を含有する化合物が含まれる。 例えば、該ホウ素化合物は、closo−B1212 2-(Pitochelli,A.et al.,J.A m.Chem.Soc.82:3228et seq.(1960); Miller,H.J.Am.Chem.Soc.85:388 5 et seq.(1963))、又はcloso−B1010 2-(Hawthorne,M.F.et al.,J.Am .Chem.Soc.81:5519 et seq.(1959); LipscombA.,J.Am.Chem.Soc.81:58 33 et seq.(1959))のような多面体ホウ素アニオン誘導体を基にしうる。現在 の特に好ましい多面体ボランアニオンのこのクラスの代表的な誘導体に は、BSH(B1212SH2-;Knoth,W.,J.Am.Chem.Soc.86:3973 et seq .(1964); Tolpin,E.et al.,Inorg.Chem.17:2867(1978))が含まれ、これ は血清及び腫瘍タンパクに存在するチオール基と共有結合性ジスルフィド結合が 可能なチオール基を含有する。 この他として、本発明のホウ素化合物は、お互いに結合され、例えば20のホ ウ素原子を含有する結合されたケージ構造を形成した2つの多面体ボランアニオ ンケージ(これ以後「B20化合物」と称する;M.F.Hawthorne,Angewandte Chem ie,International Edition in English,32:950-984(1993)参照。)を包含しう る。本発明のB20化合物は、以下の一般式、及びこれらの誘導体によって表すこ とができる。 また、本発明のB20化合物は式Mn2017Lの化合物を含む。但し、Mはカチ オン、例えばアルカリ金属若しくはテトラア ルキルアンモニウムイオンであり、nは1から4の整数であり、Lは2電子供与 体である。好ましくは、MはNa、K、Cs若しくはRbであり、アルカリには 、メチル、エチル及び得られた塩が不溶性とならない他のアルキルが含まれる。 Lは2電子供与体であり、好ましくは、 −NHR12 但し、R1及びR2は同じか又は異なっており、水素、ベンジル、アルキル及 びジアミン(例えばエチレンジアミン)より成る群から選択される; −SR12 但し、R1は水素、ベンジル、アルキル及びジアミンより成る群から選択さ れ、R2は水素、アルキル、−XCN、−XCO、−XNCO、−XCO2OH、 −XCO2OR、−XNHCONHR1、−XCOOH、及び−XCONHR1( 但し、Xは1から20の炭素原子を有するアルキル若しくはアリールアルキルで ある。)より成る群から選択される; より成る群から選択される。好ましくは、Lは−NH3、−NH2−CH2−Ph 、−NH2CH2CH2NH2及び−NH2(CH2)7NH3より成る群から選択される 。最も好ましくは、Lは−NH3である。 ホウ素化合物は、式closo−C2n-2nの化合物(Dunks,G.et al.,Accts .Chem.Res.6:124 et seq.(1973);Grafstein,J.,J.Inorg.Chem.2:1128 et seq.(1963))、又はcloso−CBn-1n -(Knoth,W.,J.Am.Chem.Soc. 86:3973 et seq. (1964); Morris,J.et al.,Proceedings of the Fourth Internatioal Sympos ium on Neutron Caputre Therapy of Cancer in Progress in Neutron Capture Therapy of Cancer,B.Allen et al.,Ed.,Plenum Press,New York,pp215 e t seq.(1992))並びにこれらの対応するnido−誘導体、例えば式nido−C2n- 3n -のような多面体カルボランも基にしうる。o−closo−C21012カルボ ランは以下の構造(これらの誘導体を含む。)によって一般に表される。 一方、o−nido−C2912 -カルボラン及びこれらの誘導体は下式によって表 される。 キルアンモニウムカチオンのようなカチオンを表す。 より好ましくは、本発明のホウ素化合物は、Merrifieldの固相合成法(Varada rajan,M et al.,Bioconj.Chem.2:2421991)及びPaxton,R.et al.,Bioconj .Chem.3:243(1992)に開示されており、これらの開示は参照文献として本明細 書の一部をなす。)を用いて、ホウ素が富化されたα−アミノ酸から構築される オリゴマーペプチドのような複数のカルボランかご構造を含有しうる。特に、本 発明のホウ素含有試薬は、カルボランで誘導体化されたオリゴホスフェートを包 含しうる。例えば、該オリゴホスフェートは、Kane.R.et al.,「カルボランで 誘導体化された均一なオリゴホスフェートの自動合成:癌の、免疫タンパクで媒 介されるホウ素中性子補足治療に使用しうる試薬」、J.Am.Chem.Soc.115(19) :8853-8854(1993); Kane.R.et al.,「ホウ素が富化されたホスフェートの液相 合成」、J.Org.Chem.58(12):3227-3228(1993);及びKane.R.et al.,「新規な カルボラニルジオール及びこれらで誘導体化されたホスフェートエステル」、Adv ances in Neutron Capture Therapy,A.H.Soloway et al.,Ed.,Plenum Press ,New York(1993)(これらの開示は、参照文献として本明細書の一部をなす。) に開示されたものである。このクラスの代表的な化合物には、下式の化合物が含 まれる。 但し、M+は先に定義したとおり、アルカリ金属カチオン又はテトラアルキ ルアンモニウムであり、R1及びR2はリガンド、標的部分及び化合物の所望の特 性を伝達するための他の官能基に結合するのに適切な基から独立に選択される。 mは1〜10の整数であり、nは2から150間での整数、好ましくは20から 100の整数であり得る。上式で使用される基 は、以下のような構造的な配置を有するカルボラニルかご構造を表すことを意図 している。 本発明の試薬に使用されるホウ素の同位体含量は、天然量の約19.7%10B から濃縮率95%以上の10Bまでの範囲であり得る。ホウ素中性子捕捉療法に使 用する場合は、10Bが高度に濃縮された物質を使用することが好ましい。 ホウ素含有化合物との複合体形成に適したリガンドには、本発明の標的細胞内 受容体に特異的に結合できる非ペプチド 性の小さな有機分子化合物が含まれる。天然に存在するホルモン又は天然に存在 するホルモンの拮抗剤は、該標的分子内受容体に結合し、細胞内受容体の形及び 機能の変化を誘導する。エストロゲン及びプロゲステロンのような純粋な作動薬 は、これらに対応する受容体に結合するが、本発明の実施において純粋な作動薬 を使用することにより、中性子照射で標的となる組織範囲の内側又は外側にかか わらず、幾つかの腫瘍細胞の成長が刺激される。中性子照射の標的領域の外側の 腫瘍細胞は、ホウ素中性子捕捉による細胞の殺傷を受けないので、幾つかの場合 において、本発明の実施において純粋な作動薬を使用することにより、離れた部 位での腫瘍成長の刺激が起こりうる。従って、本発明のリガンドは、細胞内受容 体には結合するが、細胞内受容体を活性化できず、受容体の天然ホルモンに引き 続きさらされることによる受容体の活性をブロックする抗受容体薬若しくは拮抗 薬であることが好ましい。細胞内受容体の拮抗剤は当業者に周知である。 例示として、標的細胞内受容体がアンドロゲン受容体である場合、本発明の代 表的なリガンドには、米国特許第3,995,060、4,191,775、4 ,329,364、4,386,080、4,636,505、4,474,8 13、及び4,921,941、並びにEP公開第0253503B1(これら の開示は参照文献として明細書の一部をなす。)に開示された抗アンドロゲン性 のN−フェニルアミド誘導体のような抗アンドロゲン薬が含まれる。この目的に 対して現在の特に好ましい抗アンドロゲン性物質は、フルタ ミドとして知られる2−メチル−N−[4−ニトロ−3−トリフルオロメチル) フェニル]プロパンアミドである。リガンドがフルタミド残基である本発明の態 様の更なる例示として、アンドロゲン受容体に対して結合特異性を有する本発明 のホウ素含有化合物には、下式の化合物、又はこれらの薬学的に許容しうる塩が 含まれる。 但し、Boは10ホウ素含有部分であり、Lは結合基であり、nは0若しくは 1である。 更なる例示として、標的細胞内受容体がエストロゲン受容体である場合、本発 明の代表的なリガンドには、米国特許第4,198,435、4,206,23 4、4,307,111、4,310,523、4,623,660、4,83 9,155、5,047,431、5,192,525及び5,219,548 (これらの開示は参照文献として明細書の一部をなす。)に開示された抗エスト ロゲン性のN−トリフェニルアルケン誘導体のような抗エストロゲン薬が含まれ る。現在の特に好ましいこのタイプの抗エストロゲンリガンドには、例えばタモ キシフェンとしても知られる1−(p−β−ジメチルアミノエトキシフェニル) −trans−1,2−ジフェニル−2−フェニル−ブタ−1−エン、ナフォキシジ ンとしても知られる1−[2−(p−(3,4−ジヒドロ−6−メトキシ−2− フェニル−1−ナフチル)−フェノキシ] −エチル]−ピロリジン、及びクロミフェンとしても知られる2−[p−(2− クロロ−1,2−ジフェニルビニル)フェノキシ]−トリエチルアミン、又はこ れらの薬学的に許容しうる塩が含まれる。 上記のアンドロゲン及びエストロゲン拮抗剤に加えて、適切なリガンドには、 当業者に明かであるグルココルチコイド及び電解質コルチコイド受容体のような 副腎ステロイド受容体、ビタミンD3受容体、甲状腺受容体、及びレチノイン酸 受容体に対する拮抗剤が含まれる。 本発明のホウ素含有試薬は、有利の薬剤として又はリポソームを含む単層若し くは多層の小胞のような他の輸送ビヒクルと組み合わせて投与される。ドラッグ デリバリーの応用として小胞を調製および使用することは、周知であり、当分野 で報告されている。例えば、Shelly,K.etal.,PNAS89:9039et seq.(1989)( この開示は、参照文献として本明細書の一部をなす。)を参照。本発明の一態様 では、本発明の腫瘍治療薬をカプセルに内包したリポソームには、単層若しくは 多層のリポソームが含まれうる。この場合、該リポソームには少なくとも1つの カプセル化した二重構造体が含まれ、該カプセル化した二重構造体によって仕切 られた内部空間を有する。次に、本発明のホウ素含有試薬は、外内部空間又はリ ポソームの層の間にカプセル化されうる。広範囲の脂質粒子が本発明のこの側面 で使用しうる輸送ビヒクルを形成しうる。例えば、EP特許公開EP02720 91に開示されたようなリン脂質の脂質ビヒクル(この開示は参照文献として本 明 細書の一部をなす。)は、本発明のホウ素含有試薬に使用されうる。このリン脂 質ビヒクルは、両親媒性化合物と結合された物質を伴った一の被包性リン脂質膜 からなる。このタイプのリポソームは当分野の従来の方法によって調製すること ができる。例えば水和されたリン脂質懸濁液は、撹拌されると1〜10μmの直 径を有する水で分離された多くの二重構造体として多層小胞を形成する。多層懸 濁液へ超音波のような剪断加工又は均質化を行うことにより、平均直径で、約3 0から約250nm、より好ましくは約50から約100nmの範囲のサイズの小さ な単層小胞が得られる。この範囲は、in vjvoでの最適な循環時間及び標的細胞 特異性をを得るのに好ましいと考えられる。ここで使用される「単層」の語は、 1から3、より好ましくは1の二重構造体を一般に意味する。本発明のリポソー ムにカプセル化されたホウ素含有試薬の平均直径は、リン脂質懸濁液の超音波処 理時間、使用される脂質物質の組成、リポソームが調製される方法及び他の関連 因子を含めた多くのファクターに依存する。リポソームの二重構造に埋包された 本発明のホウ素含有試薬を含有するリポソームは、M.F.Hawthorne,Angewandte Chemie,International Edition in English,32:950-984(1993)に開示された 方法により得ることができる。例えば、乾燥されたフィルムは、クロロホルム中 に本発明の親油性ホウ素含有試薬とコレステロール:リン脂質混合物を溶解し、 次いで減圧下に溶媒を除去することによって調製されうる。次に得られた乾燥フ ィルムを超音波処理して均質化し、得られた小胞を遊離のホウ素 含有試薬から、例えば等張のリン酸塩で緩衝された飽和食塩水又はラクトースを 用いてセファーデックスG−25(medium)のカラムを通して溶出することによ り分離される。リポソーム二重構造に埋包されたホウ素の量は、最初の混合物に 添加されたホウ素含有試薬の量に依存し、所望のようにコントロールすることが できる。 本発明のホウ素含有試薬は、細胞内受容体を含む標的細胞を殺すか又はイメー ジングするためにin vitro又はin vivoで使用されうる。標的細胞をホウ素中性 子捕捉で殺すために、該細胞は、熱中性子、エピサーマル中性子又は高速中性子 を放射する当業者に公知の供給源から中性子照射を受ける。in vivoでの適用に 対して、本発明のホウ素含有試薬の組成物は、ヒト若しくは他の動物対象に投与 された場合に、標的組織部位で十分な量のホウ素が局在化し、この後の中性子照 射、ホウ素中性子捕捉及び標的細胞を殺すことが可能な効果的な量、又は標的組 織のイメージングが可能な効果的な量のホウ素を薬学的に許容しうる担体と共に 含有する。何れの薬学的に許容しうる担体でも、該担体が本発明のホウ素含有試 薬の安定性又は生物適用可能性を有意に妨害しない限り、この目的に一般に使用 できる。 標的細胞のホウ素イメージングに対しては、少なくとも1種の本発明のホウ素 含有試薬と同様に接触し、該細胞若しくは組織を磁気共鳴イメージング技術を用 いて画像化する。該イメージング技術は、例えば、Progress In Neutron Captur e Therapy For Cancer,B.J.Allen et al.,Eds.,Plenum Press, New York,NY 1992,pp 321-323のKabalka,G.W.et al.,「in vivoでBNCT 試薬をイメージングするための新規なホウ素MRI法」;及びProgress In Neutr on Capture Therapy For Cancer,B.J.Allen et al.,Eds.,Plenum Press,Ne w York,NY 1992,pp 325-329のBradshaw,K.H.et al.,「分光法及びイメージ ングにおいて磁気共鳴化合物を用いたホウ素化合物のin vivoでの薬動力学的評 価」に開示されている。 ホウ素含有試薬組成物は、ヒト及び他の動物対象を含めた温血動物に、何れか の効果的な薬学的に許容しうる形態、例えば局所、洗浄、経口、坐薬、直腸、或 いは局所、バッカル若しくは鼻腔内スプレーのような注入しうる投与形態で、又 は標的細胞の部位にホウ素含有試薬を輸送するのに効果的な他の何れかの方法で 投与されうる。投与の経路は、試薬を標的細胞に最適に輸送及び局在化するよう に設計されることが好ましい。 局所投与に対しては、薬学的に許容しうる担体は、液体、クリーム、ローショ ン、又はゲルの形態をとり得、更に有機溶媒、乳化剤、ゲル化剤、加湿剤、安定 剤、界面活性剤、湿潤剤、防腐剤、時間放出剤、及びマイナー量の保湿剤、隔離 剤(sequestering agents)、色素、香料、及び局所投与のための薬学的組成物 に一般に使用される他の成分を含有しうる。 注入のために設計された組成物は、薬学的に許容しうる無菌の水性若しくは非 水性溶液、懸濁液又はエマルジョンを包含しうる。適切な非水性担体、希釈剤、 溶媒、又はビヒクルの例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール 、 オリーブオイルのような植物油、及びオレイン酸エチルのような注入可能な有機 エステルが含まれる。このような組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、及び 分散剤のようなアジュバントを含有しうる。これらは、例えば細菌を保持するフ ィルターを通して濾過することによって、又は組成物に無菌化剤を含めることに よって無菌化されうる。これらはまた、投与の前に無菌の水、飽和食塩水、又は 他の注入可能な媒体に溶解若しくは懸濁することができる無菌の固体組成物の形 態で製造されうる。 経口又は局所投与のための固体投与量形態には、カプセル、錠剤、ピル、坐薬 、粉末、及び顆粒が含まれる。固体投与量形態では、組成物は、蔗糖、ラクトー ス、又は澱粉のような少なくとも1種の不活性希釈剤と混合され得、更に潤滑剤 、緩衝剤、腸溶性コーティング剤、及び当業者に周知の他の成分を含有しうる。 本発明の組成物内のホウ素含有試薬の実際の投与量レベルは、標的細胞、特に 腫瘍細胞の部位で、所望の治療、予防又は診断の応答を得るのに効果的な量のホ ウ素含有試薬が得られるように変化しうる。従って、選択された投与量レベルは 、細胞の性質及び位置、効果的な中性子捕捉又はイメージングの目的に対して標 的細胞において必要な所望量のホウ素、使用されるホウ素含有試薬の性質とホウ 素含量、投与経路、及び他の因子に依存するであろう。一般に、十分な量のホウ 素含有試薬が、標的細胞組織1gあたり少なくとも約1μg、より好ましくは標 的細胞1gあたり少なくとも約10μg、 最も好ましくは標的細胞1gあたり少なくとも20μgのホウ素含量を達成する ように使用される。 上述のことは、以下の代表的な例と組み合わせてよりよく理解されるであろう 。これらの例は、例示の目的で提供されるものであり、制限を意味するものでは ない。 実施例 実施例I: closo-カルボラニルフルタミン誘導体、即ちN-(2'- Closo-カルボラニルアセチル)-3-トリフルオロメチ ル-4-ニトロアニリン の合成 図1Aを参照して説明すると、まず、化合物1(2-closo-カルボラニル酢酸、 0.50g,2.5mmol)を、オーブン中で乾燥した 25mlの丸底フラスコ中の塩化チオ ニル(5ml、8.2g,68.5mmol)中に溶解した。この丸底フラスコには、マグネチ ックスターラー、凝縮器および該凝縮器の頂部の乾燥管を取り付けた。この混合 物を、窒素雰囲気下で4時間加熱還流し、次いで揮発性物質を減圧下で除去した 。 その残渣を10mlの乾燥エチルエーテル(水素化リチウムアルミニウムから新た に蒸留したもの)中に溶解し、これをオーブン中で乾燥した100mlの丸底フラス コ中の5-アミノ-2-ニトロベンゾトリフルオライド2(0.51g,2.5mmol)および2 5mlのエチルエーテルの溶液に滴下した。この丸底フラスコにはマグネチックス ターラーおよび凝縮器を設け、更に窒素導入口および氷/水浴を設けた。この氷 /水浴を取り除き、混合物を6時間加熱還流し、次いで室温に冷却して一晩攪拌 した。 沈殿した固体(塩化トリエチルアンモニウム)を濾過して取り除き、減圧下で 溶媒を除去して、黄褐色の油状物を得た。19F分析によって、この油状物は、化 合物3:2が60:40の比率で含まれる混合物であることが分かった。ジクロロメ タン:ヘキサン(4:1v/v)を用いたカラムクロマトグラフィー(60A、230-4 00メッシュのシリカゲル、20cm×2cm)により、0.301g(0.77mmol、31%)の所 望の化合物3が得られ、これを更にトルエン:ヘキサン(1:1v/v)からの再 結晶によって精製した。 NMR特性: 19F NMR(外部参照;フレオン−11、0ppm): δ -64.3ppm 1H NMR(d6アセトン/CDCl3): δ 10.03(s,NH),7.94-7.82(m,芳香族H), 4.49(br.s.,カルボランCH),3.29(s,CH2C=0), 4.0-0.5(v.br.,B10H10) 13C NMR(d6アセトン/CDCl3): δ 165.4,143.1,141.8,126.7,125.0,124.3, 122.4,118.4,68.6,58.7,43.3 実施例II: nido-カルボラニルフルタミン誘導体、即ちN-(2'O- nido-カルボラニルアセチル)-3-トリフルオロメチル -4-ニトロアニリン の合成 以下の合成は、図1Aを参照することによって最も良く理解される。 周知の方法(Varadarajan,A.and Hawthorne,M.F.,Bioconjugate Chem.,2 :242,1991)に従って、上記のcloso-カルボラン化合物3をnidoカルボランに変 換する。N-(2'-closo-カルボラニルアセチル)-3-トリフルオロメチル-4-ニ トロアニリン3(0.250g,0.64mmol,実施例1で合成したもの)を、マグネチッ クスターラーを備えた25mlの丸底フラスコ中で、ピロリジン(10ml)中に溶解し た。この混合物を室温で1時間攪拌し、その際に溶媒を減圧下で除去して褐色の 油状物を得る。この残渣を無水エタノール10ml中に溶解し、無水エタノール中の 臭化テトラエチルアンモニウム飽和溶液1mlを滴下して、化合物4のテトラエチ ルアンモニウム塩を沈殿させる。この塩をトルエン:ヘキサン(1:1v/v)か ら再結晶させた後、アセトニトリル:水の1:1混合物(v/v)に溶解し、ナトリ ウム型イオン交換カラム(2×20cmのDowex50W-A2,アセトニトリル:水の25:75( v.v)混合物200mlで予め平衡化したもの)にかける。次いで、試料をアセトニト リル:水の25:75(v.v)混合物200mlでカラムから溶出させて、10mlづつの画分を 回収する。目的生成物を含んだこれらの画分を減圧下で乾燥して、化合物4のナ トリウム塩を得る。 実施例III: nido-カルボラニルフルタミン誘導体、即ちN-(4'-カル ボラニルブタノイル)-3-トリフルオロメチル-4-ニト ロアニリン の合成 以下の合成は、図1Bを参照することによって最も良く理解される。 フッ化4-nido-カルボラニルブタノイル5(1.25g,2.5mmol; Ng,Lai-Ling,UC LA Dissertation,1993)を、オーブン中で乾燥した100mlの丸底フラスコ中にお いて、5-アミノ-2-ニトロベンゾトリフルオライド2(0.51g,2.5mmol)、 エチルジイソプロピルアミン(1.74ml,1.29g,10mmol,窒素かで水素化カルシ ウムから新たに蒸留したもの)および25mlの乾燥エチルエーテルの溶液に一度に 添加する。この丸底フラスコには、マグネチックスターラー、窒素導入口、およ び氷/水浴を設けておく。氷/水浴を取り外し、得られた混合物を室温で12時 間攪拌する。 次いで、この混合物をジエチルエーテルで100mlに希釈し、200mlの分液漏斗に 移す。この溶液を、100mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、100mlの飽和塩化ア ンモニウム水溶液および100mlの飽和塩化ナトリウム水溶液で連続して洗浄する ことにより抽出する。次いで、エーテル層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、 濾過し、減圧下で濃縮して褐色の油状物を得る。 この褐色の油状物を、ジクロロメタン:エタノール(1:0〜9:1(v/v)の勾配で5 00ml)を用いることによりクロマトグラフ(60A,230-400メッシュのシリカゲル ,20cm×2cmのカラム)にかけ、トリフェニルメチルホスホニウム塩として純粋 な化合物6を得る。この塩をアセトニトリル:水の1:1(v/v)混合物に溶解し 、ナトリウム型イオン交換カラム(2×20cmのDowex 50W-A2,アセトニトリル: 水の25:75(v.v)混合物200mlで予め平衡化したもの)にかける。次いで、試料を アセトニトリル:水の25:75(v.v)混合物200mlでカラムから溶出させ、減圧下で 乾燥して、ナトリウム塩6を得る。 実施例IV: B10フルタミン誘導体、即ちN-(closo-2-B10H9)-N'- (3'-トリフルオロメチル-4'-ニトロアニリン)尿素 の合成 以下の合成は、図2Aを参照することによって最も良く理解される。 水素化ナトリウム(鉱油中の60%懸濁液、0.32g,8mmol)を、マグネチックス ターラー、隔壁および窒素導入口が設けられた、オーブン乾燥した25mlの丸底フ ラスコ内に入れる。この灰色の粉末を、鉱油を除去するためにシリンジを用いて 5×10mlの乾燥ヘキサンで洗浄し、次いで10mlの乾燥テトラヒドロフランを添加 して、該混合物を氷/水浴で0℃にまで冷却する。5-アミノ-2-ニトロベンゾト リフルオライド2(1.53g、7.5mmol)の乾燥テトラヒドロフラン5ml中溶液を、 シリンジを用いて滴下する。氷/水浴を取り外し、得られた混合物を室温で4時 間攪拌する。その間に水素の発生が停止する。この混合物を再度氷/水浴中に入 れ、化合物7(closo-2-B10H9NCO2-・[Et3NH+]2; Shelly,K.et al.,Inorg.C hem.,31(13):2889-2892; 0.91g,2.5mmol)の乾燥テトラヒドロフラン5ml中溶 液を、10分間に亘って滴下する。次いで氷/水浴を除去し、混合物を室温で2 4時間攪拌する。 次いで、減圧下で揮発物を除去し、残渣を2mlのジクロロメタン:エタノール (8:2v/v)中に溶解する。この溶液を、ジクロロメタン:エタノール(8:2〜1:I(v /v)の勾配で500ml)を用いてクロマトグラフィー(60A,230-400メッシュのシリ カゲル,20cm×2cmのカラム)にかけ、10mlづつの画分を回収する。過剰のアミ ン2が最初に溶出し、続いて目的の生成 物8が溶出する。化合物8を含む画分をプールし、減圧下で溶媒を除去する。ア セトン:ペンタン(1:1v/v)から再結晶させることにより、純粋な化合物8が得 られる。 実施例V: B20フルタミン誘導体、即ち四ナトリウム-(apical, apical-1-[2'-B10H9]-2-NH-[3”-トリフルオロメチル- 4”-ニトロフェニル]-B10H8 10の合成 以下の合成は、図2Bを参照することによって最も良く理解される。 水素化ナトリウム(0.10g,鉱油中の60%懸濁液、2.5mmol)を、マグネチックス ターラー、隔壁および窒素導入口が設けられた、オーブン乾燥した25mlの丸底フ ラスコ内に入れる。この灰色の粉末を、鉱油を除去するためにシリンジを用いて 5×10mlの乾燥ヘキサンで洗浄し、次いで10mlの乾燥テトラヒドロフランを添加 して、該混合物を氷/水浴で0℃にまで冷却する。5-アミノ-2-ニトロベンゾト リフルオライド2(0.51g、2.5mmol)の乾燥テトラヒドロフラン5ml中溶液をシ リンジを用いて滴下する。氷/水浴を取り外し、得られた混合物を室温で4時間 攪拌する。その間に水素の発生が停止する。この混合物を再度氷/水浴中に入れ 、化合物9(n-B20H18 2-・[Et4 +]2; Hawthorne,M.F.et al.,J.Am.Chem.So c.,85:3740(1963); Hawthorne,M.F.et al.,J.Am.Chem.Soc.,87:4740-47 46(1965); 1.24g,2.5mmol)の乾燥テトラヒドロフラン中5ml中溶液を一度に添 加する。次いで氷/水浴を除去し、混合物を室温で24時間攪拌する(Feakes,D .A.et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:3029-3033(1994)。 次いで、減圧下で揮発物を除去し、残渣を5mlの無水エタノール中に溶解する 。無水エタノール中の臭化テトラメチルアンモニウムの飽和溶液を用いて析出さ せることにより生成物を単離し、アピカル/エカトリアルおよびアピカル/アピ カルの結合異性体の混合物として粗成生物を得る。この固体を、マグネチックス ターラーおよび乾燥窒素導入口を有するオーブン乾燥した25mlの丸底フラスコ中 で、10mlの無水アセトニトリル中に溶解し、新たに蒸留した0.5mlの三フッ化酢 酸を添加する。得られた溶液を室温で2時間攪拌し、次いでアセトニトリルおよ び三フッ化酢酸を減圧下で除去する。その残渣をアセトン:ペンタン(8:2v/v)か ら再結晶させることにより、tetra-テトラエチルアンモニウム塩として純粋な化 合物10を得る。この塩をアセトニトリル:水の1:1(v/v)混合物に溶解し、ナ トリウム型のイオン交換カラム(2×20cmのDowex 50W-A8; アセトニトリル:水 の25:75(v/v)混合物200mlで予め平衡化したもの)にかける。アセトニトリル: 水の25:75(v/v)混合物200mlで試料を溶出させ、10mlづつの画分を回収する。生 成物を含む画分をプールし、減圧下で乾燥して、四ナトリウム塩10を得る。 実施例VI: closo-カルボラニルオリゴホスフェート・トレイラ ー・フルタミン誘導体、即ち1-N-(closo-CB10-ヘキシ ルアミン)-6-N-(3'-トリフルオロメチル-4'-ニトロア ニリン)スベリルジアミド 13の合成 以下の合成は、図3Aを参照することによって最も良く理解される。 closo-CB10-ヘキシルアミン11(Kene,R.R.et al.,J.Am.Chem.Soc.,1 55:8853-8854(1993);70mg,20μmol)を、10mlの遠心管内で50mMのホウ酸ナト リウム緩衝液(pH7.0)中に溶解し、最終濃度を10mM(2ml)とした。1.5mLのミクロ 遠心管内において、氷冷したジメチルホルムアミド(DMf、1ml、200μmol)中の スベリン酸ジスクシンイミジル(DSS;ピアス社)の200mM溶液を調製し、上記のc loso-CB10-ヘキシルアミンに添加する。次いで、この遠心管を室温で2時間、穏 やかに渦を巻かせて攪拌する。7mlの酢酸エチル(50mMのホウ酸ナトリウム緩衝 液で予め飽和されたもの、pH7.0)を上記の遠心管に添加し、この2相混合物 を激しく渦を巻かせて1分間攪拌し、これにより完全に混合する。室温で3分間 、静かに放置して相を完全に分離させ、望ましくないDSSを含む酢酸エチルを遠 心管からデカントする。この手順を更に4回繰り返し、架橋剤を完全に除去する (目的の活性化されたエステル、即ち化合物12は水層中に残留する)。 化合物2(5-アミノ-2-ニトロベンゾトリフルオライド、20mg、100μmol)を 、100μlの氷冷したDMF中に溶解し、遠心管内の化合物12の水溶液に添加する 。得られたミルク状の懸濁液を室温で6時間、渦を巻かせて攪拌する。次いで、 全体の反応混合物をPD-10カラム(ファルマシア社、50mlのMilli-Q水で予め平衡 化させたセファデックスG-25の10mlゲル床)にかけ、生成物(即ち複合体13) を20mlの蒸留水 で溶出させて、0.5mlづつの画分を回収する。生成物を含む画分から溶媒を除去 して、白色粉末として化合物13を得る。 実施例VII: nido-カルボラニルオリゴホスフェート・トレイラー・ フルタミン誘導体、即ち1-N-(nido-CB10-ヘキシルアミ ン)-6-N-(3'-トリフルオロメチル-4'-ニトロアニリ ン)スベリルジアミド 13の合成 以下の合成は、図3Bを参照することによって最も良く理解される。 nido-CB10-ヘキシルアミン14(Kene,R.R.et al.,J.Am.Chem.Soc.,15 5:8853-8854(1993);70mg,20μmol)を、10mlの遠心管内で50mMのホウ酸ナトリ ウム緩衝液(pH7.0)中に溶解し、最終濃度を10mM(2ml)とした。1.5mLのミクロ遠 心管内において、氷冷したジメチルホルムアミド(DMF、1ml、200μmol)中のス ベリン酸ジスクシンイミジル(DSS;ピアス社)の200mM溶液を調製し、上記のnid o-CB10-ヘキシルアミンに添加する。次いで、この遠心管を室温で2時間、穏や かに渦を巻かせて攪拌する。7mlの酢酸エチル(50mMのホウ酸ナトリウム緩衝液 で予め飽和されたもの、pH7.0)を上記の遠心管に添加し、この2相混合物を 激しく1分間渦を巻かせて攪拌して完全に混合する。室温で3分間、静かに放置 して相を完全に分離させ、望ましくないDSSを含む酢酸エチルを遠心管からデカ ントする。この手順を更に4回繰り返し、DSSを完全に除去する(目的の活性化 されたエステル、即ち化合物15は水層中に残留する)。 化合物2(5-アミノ-2-ニトロベンゾトリフルオライド、20mg、100μmol)を 、100μlの氷冷したDMF中に溶解し、遠心管内の化合物15の水溶液に添加する 。得られたミルク状の懸濁液を室温で6時間、渦を巻かせて攪拌する。次いで、 全体の反応混合物をPD-10カラム(ファルマシア社、50mlのMilli-Q水で予め平衡 化させたセファデックスG-25の10mlゲル床)にかけ、生成物(即ち複合体13) を20mlの蒸留水で溶出させて、0.5mlづつの画分を回収する。生成物を含む画分 から溶媒を除去して、白色粉末として化合物16を得る。 実施例VIII: closo-カルボラニルタモキシフェン誘導体、即ち、 cis-1-(4'-β-(N-2”-closo-カルボラニルアセチル)- アミノエトキシフェニル)-1,2-ジフェニルブテン 18の合成 以下の合成は、図4Aを参照することによって最も良く理解される。 水素化ナトリウム(鉱油中の60%懸濁液、0.32g,8mmol)を、マグネチックス ターラー、隔壁および窒素導入口が設けられた、オーブン乾燥した25mlの丸底フ ラスコ内に入れる。この灰色の粉末を、鉱油を除去するためにシリンジを用いて 5×10mlの乾燥ヘキサンで洗浄し、次いで10mlの乾燥テトラヒドロフランを添加 して、該混合物を氷/水浴で0℃にまで冷却する。cis-1-(4'-β-アミノエトキ シフェニル)-1,2-ジフェニルブテン(O.Stanciuc and A.T.Balaban,「ピリリウ ム塩の救核剤との反応 23;オキシアルキレンアミノ側鎖ま たはオキシアルキレン-N-ピリジニウム側鎖を含むトリアルキレン誘導体」,J.Ph am.Sci.,82(9):927-933,17,2.68g,7.5mmol)の乾燥テトラヒドロフラン5ml 中溶液を、シリンジを用いて滴下する。次いで氷/水浴を取り外し、得られた混 合物を室温で4時間攪拌する。その間に水素の発生が停止する。 マグネチックスターラー、凝縮器および該凝縮器の頂部に取り付けた乾燥管を 設けた、オーブン乾燥した25mlの第二の丸底フラスコ内において、化合物1(2- closo-カルボラニル酢酸、0.50g、2.5mmol)を塩化チオニル(5ml,8.2g,68.5 mmol)に溶解する。この混合物を、乾燥した窒素雰囲気下で4時間加熱還流させ 、次いで減圧下で揮発性物質を除去する。この残渣を10mlの乾燥エチルエーテル (新たに水素化リチウムアルミニウムから蒸留したもの)中に溶解し、次いでフ ラスコを氷/水浴中に親戚して0℃に冷却されている上記で製造したcis-1-(4'- β-アミノエトキシフェニル)-1,2-ジフェニルブテンのナトリウム塩に10分間に 亘って滴下する。氷/水浴を取り外し、混合物を6時間加熱還流させ、次いで室 温に冷却して一晩攪拌する。 減圧下で溶媒を除去して、黄色/褐色の油状物を得る。ジクロロメタン:ヘキ サン(4:1(v/v),500ml)を用いてクロマトグラフィー(60A,230-400メッシュ のシリカゲル,20cm×2cmのカラム)にかけて化合物18を得る。これは、更に トルエン:ヘキサン(1:1v/v)から再結晶させることによって精製することがで きる。 実施例IX: nido-カルボラニルタモキシフェン誘導体、即ちcis- 1-(4'-β-(N-2”-nido-カルボラニルアセチル)-アミノ エトキシフェニル)-1,2-ジフェニルブテン 19の 合成 以下の合成は、図4Aを参照することによって最も良く理解される。 周知の方法(Varadarajan,A.and Hawthorne,M.F.,Bioconjugate Chem.,2 :242(1991))に従って、上記のcloso-カルボラン化合物18をnido-カルボラン に変換する。cis-1-(4'-β-(N-2”-closo-カルボラニルアセチル)-アミノエトキ シフェニル)-1,2-ジフェニルブテン18(0.347g,0.64mmol,実施例VIIIで製造 したもの)を、マグネチックスターラーを備えた25mlの丸底フラスコ中で、ピロ リジン(10ml)中に溶解した。この混合物を室温で1時間攪拌し、その際に溶媒 を減圧下で除去して褐色の油状物を得る。この残渣を無水エタノール中に溶解し 、無水エタノール中の臭化テトラエチルアンモニウム飽和溶液1mlを滴下して、 化合物19のテトラエチルアンモニウム塩を沈殿させる。この塩をアセトン:ヘ キサン(1:1v/v)から再結晶させた後、アセトニトリル:水の1:1混合物 (v/v)に溶解し、ナトリウム型イオン交換カラム(2×20cmのDowex 50W-A2,ア セトニトリル:水の25:75(v.v)混合物200mlで予め平衡化したもの)にかける。次 いで、試料をアセトニトリル:水の25:75(v.v)混合物200mlでカラムから溶出さ せて、10mlづつの画分を回収する。 目的生成物を含んだこれらの画分を減圧下で乾燥して、ナトリウム塩19を得る 。 実施例X: nido-カルボラニルタモキシフェン誘導体、即ちcis- 1-(4'-β-(N-4”-nido-カルボラニルブタノイル)-アミ ノエトキシフェニル)-1,2-ジフェニルブテン 20 の合成 以下の合成は、図4Bを参照することによって最も良く理解される。 水素化ナトリウム(鉱油中の60%懸濁液、0.32g,8mmol)を、マグネチックス ターラー、隔壁および窒素導入口が設けられた、オーブン乾燥した25mlの丸底フ ラスコ内に入れる。この灰色の粉末を、鉱油を除去するためにシリンジを用いて 5×10mlの乾燥ヘキサンで洗浄し、次いで10mlの乾燥テトラヒドロフランを添加 して、該混合物を氷/水浴で0℃にまで冷却する。cis-1-(4'-β-アミノエトキ シフェニル)-1,2-ジフェニルブテン17(2.68g,7.5mmol)の乾燥テトラヒドロ フラン5ml中溶液を、シリンジを用いて滴下する。次いで氷/水浴を取り外し、 得られた混合物を室温で4時間攪拌する。その間に水素の発生が停止する。再度 、この混合物を氷/水浴中に置き、化合物5、即ち、フッ化5,4-nido-カルボラ ニルブタノイル(1.25g、2.5mmol,Ng,Lai-Ling,UCLA Dissertation,1993) の乾燥テトラヒドロフラン5ml中溶液を10分間に亘って滴下する。次いで、氷/ 水浴を取り外し、混合物を室温で24時間攪拌する。 次に、反応混合物をジエチルエーテルで100mlにまで希釈し、250mlの分液漏斗 に移す。この溶液を100mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、100mlの飽和塩化ア ンモニウム水溶液および100mlの飽和塩化ナトリウム水溶液で連続的に洗浄して 抽出する。次いで、エーテル相を10gの無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過 し、減圧下で濃縮して褐色の油状物を得る。 次に、この褐色の油状物を、ジクロロメタン:エタノール(1:0〜9:1(v/v)勾 配で500ml)を用いてクロマトグラフィー(60A,230-400メッシュのシリカゲル ,20cm×2cmのカラム)にかけることにより、トリフェニルメチルホスホニウム 塩として純粋な化合物20を得る。この塩をアセトニトリル:水の1:1(v/v )混合液に溶解し、ナトリウム型イオン交換カラム(2×20cmのDowex 50W-A2, アセトニトリル:水の25:75(v.v)混合物200mlで予め平衡化したもの)にかける 。次いで、試料をアセトニトリル:水の25:75(v.v)混合物200mlでカラムから溶出 させ、減圧下で乾燥してナトリウム塩20を得る。 実施例XI: B10タモキシフェン誘導体、即ちNa2(N-[closo- 2-B10H9]-N'-[cis-1-(4'-β-アミノエトキシフェニ ル)-1,2-ジフェニルブテン]尿素)21の合成 以下の合成は、図5Aを参照することによって最も良く理解される。 水素化ナトリウム(鉱油中の60%懸濁液、0.32g,8mmol) を、マグネチックスターラー、隔壁および窒素導入口が設けられた、オーブン乾 燥した25mlの丸底フラスコ内に入れる。この灰色の粉末を、鉱油を除去するため にシリンジを用いて5×10mlの乾燥ヘキサンで洗浄し、次いで10mlの乾燥テトラ ヒドロフランを添加して、該混合物を氷/水浴で0℃にまで冷却する。cis-1-(4 '-β-アミノエトキシフェニル)-1,2-ジフェニルブテン17(2.68g,7.5mmlol) の乾燥テトラヒドロフラン5ml中溶液を、シリンジを用いて滴下する。次いで氷 /水浴を取り外し、得られた混合物を室温で4時間攪拌する。その間に水素の発 生が停止する。再度、この混合物を氷/水浴中に置き、化合物7(closo-2-B10H9 NCO2-・[Et3NH+]2;Shelly K.et al.,Inorg.Chem.,31(13):2889-2892(1992); 0.91g,2.5mmol)の乾燥テトラヒドロフラン5ml中溶液を10分間に亘って滴下す る。次いで、氷/水浴を取り外し、混合物を室温で24時間攪拌する。 次に、減圧下で揮発性物質を除去し、その残渣をジクロロメタン:エタノール (8:2v/v)の2ml中に溶解させる。この溶液を、ジクロロメタン:エタノール( 8:2〜1:1(v/v)勾配で500ml)を用いてクロマトグラフィー(60A,230-400メッシ ュのシリカゲル,20cm×2cmのカラム)にかけ、10mlづつの画分を回収する。ま ず過剰のアミン17が溶出し、続いて目的の生成物が溶出する。化合物21を含 む画分をプールし、減圧下で溶媒を除去する。次いで、アセトン:水(1:1(v.v) )から再結晶させれば、純粋な化合物21が得られる。 実施例XII: B20タモキシフェン誘導体、即ち、Na4(apical, apical-1-[2'-B10H9]-2-[N-cis-1-(4'-β-アミノエト キシフェニル)-1,2-ジフェニルブテン]-B10H822 の合成 以下の合成は、図5Bを参照することによって最も良く理解される。 水素化ナトリウム(0.10g,鉱油中の60%懸濁液,2.5mmol)を、マグネチック スターラー、隔壁および窒素導入口が設けられた、オーブン乾燥した25mlの丸底 フラスコ内に入れる。この灰色の粉末を、鉱油を除去するためにシリンジを用い て5×10mlの乾燥ヘキサンで洗浄し、次いで10mlの乾燥テトラヒドロフランを添 加して、該混合物を氷/水浴で0℃にまで冷却する。cis-1-(4'-β-アミノエト キシフェニル)-1,2-ジフェニルブテン17(0.89g,2.5mmol)の乾燥テトラヒド ロフラン5ml中溶液を、シリンジを用いて滴下する。次いで氷/水浴を取り外し 、得られた混合物を室温で4時間攪拌する。その間に水素の発生が停止する。再 度、この混合物を氷/水浴中に置き、化合物9(n-B20H18 2-・[Et4N+]2;Hawthor ne,M.F.et al.,J.Am.Chem.Soc.,85:3740(1963);Hawthorne,M.F.et al. ,J.Am.Chem.Soc.,87:4740-4746(1965); 1.24g,2.5mmol)の乾燥テトラヒ ドロフラン5ml中溶液を一度に添加する。次いで氷/水浴を除去し、混合物を室 温で24時間攪拌する(Feakes,D.A.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,9 1:3029-3033(1994)。 次いで、減圧下で揮発物を除去し、残渣を5mlの無水エタ ノール中に溶解する。無水エタノール中の臭化テトラメチルアンモニウム飽和溶 液を用いて析出させることにより生成物を単離し、アピカル/エカトリアルおよ びアピカル/アピカルの結合異性体の混合物としての粗成生物を得る。この固体 を、マグネチックスターラーおよび乾燥窒素導入口を有する乾燥した25mlの丸底 フラスコ中で、10mlの無水アセトニトリル中に溶解し、新たに蒸留した0.5mlの 三フッ化酢酸を添加する。得られた溶液を室温で2時間攪拌し、次いでアセトニ トリルおよび三フッ化酢酸を減圧下で除去する。その残渣をアセトン:ペンタン( 8:2v/v)から再結晶させることにより、tetra-テトラエチルアンモニウム塩とし て純粋な化合物22を得る。この塩をアセトニトリル:水の1:1(v/v)混合物 に溶解し、ナトリウム型のイオン交換カラム(2×20cmのDowex 50W-A8;アセト ニトリル:水の25:75(v/v)混合物200mlで予め平衡化したもの)にかける。アセ トニトリル:水の25:75(v/v)混合物200mlで試料を溶出させ、10mlづつの画分を 回収する。生成物を含む画分をプールし、減圧下で乾燥して、四ナトリウム塩2 2を得る。 実施例XIII: closo-カルボラニルオリゴホスフェート・トレイラ ー・タモキシフェン誘導体、即ち、N1-(closo-CB10- ヘキシルアミン)-N6-(cis-1-[4'-β-アミノエトキシ フェニル]-1,2-ジフェニルブテン)-スベリルジアミド 23の合成 以下の合成は、図6を参照することによって最も良く理解 される。 closo-CB10-ヘキシルアミン11(Kene,R.R.et al.,J.Am.Chem.Soc.,1 55:8853-8854(1993);70mg,20μmol)を、10mlの遠心管内で50mMのホウ酸ナト リウム緩衝液(pH7.0)中に溶解し、最終濃度を10mM(2ml)とした。1.5mLのミクロ 遠心管内において、氷冷したジメチルホルムアミド(DMF、1ml、200μmol)中のス ベリン酸ジスクシンイミジル(DSS;ピアス社)の200mM溶液を調製し、上記のcl oso-CB10-ヘキシルアミンに添加する。次いで、この遠心管を室温で2時間、穏 やかに渦を巻かせて攪拌する。7mlの酢酸エチル(50mMのホウ酸ナトリウム緩衝 液で予め飽和されたもの;pH7.0)を上記の遠心管に添加し、この2相混合物 を激しく渦を巻かせて1分間攪拌し、これにより完全に混合する。室温で3分間 、静かに放置して相を完全に分離させ、望ましくないDSSを含む酢酸エチルを遠 心管からデカントする。この手順を更に4回繰り返し、架橋剤を完全に除去する (目的の活性化されたエステル、即ち化合物12は水層中に残留する)。 化合物17(cis-1-(4'-β-アミノエトキシフェニル)-1,2-ジフェニルブテン ,36mg,100μmol)を、100μlの氷冷したDMF中に溶解し、遠心管内の化合物1 2の水溶液に添加する。得られたミルク状の懸濁液を室温で6時間、渦を巻かせ て攪拌する。次いで、全体の反応混合物をPD-10カラム(ファルマシア社、50ml のMilli-Q水で予め平衡化させたセファデックスG-25の10mlゲル床)にかけ、生 成物(即ち複合体23)を20mlの蒸留水で溶出させて、0.5mlづつの画分を回 収する。生成物を含む画分から溶媒を除去して、白色粉末として化合物23を得 る。 実施例XIV: nido-カルボラニルオリゴホスフェート・トレイラー・ タモキシフェン誘導体、即ち、N1-(nido-CB10-ヘキシ ルアミン)-N6-(cis-1-[4'-β-アミノエトキシフェニ ル]-1,2-ジフェニルブテン)-スベリルジアミド 24 の合成 以下の合成は、図7を参照することによって最も良く理解される。 nido-CB10-ヘキシルアミン14(Kene,R.R.et al.,J.Am.Chem.Soc.,15 5:8853-8854(1993);70mg,20μmol)を、10mlの遠心管内で50mMのホウ酸ナトリ ウム緩衝液(pH7.0)中に溶解し、最終濃度を10mM(2ml)とした。1.5mLのミクロ遠 心管内において、氷冷したジメチルホルムアミド(DMF、1ml、200μmol)中のス ベリン酸ジスクシンイミジル(DSS;ピアス社)の200mM溶液を調製し、上記のni do-CB10-ヘキシルアミンに添加する。次いで、この遠心管を室温で2時間、穏や かに渦を巻かせて攪拌する。7mlの酢酸エチル(50mMのホウ酸ナトリウム緩衝液 で予め飽和されたもの; pH7.0)を上記の遠心管に添加し、この2相混合物を 激しく1分間渦を巻かせて攪拌して完全に混合する。室温で3分間、静かに放置 して相を完全に分離させ、望ましくないDSSを含む酢酸エチルを遠心管からデカ ントする。この手順を更に4回繰り返し、DSSを完全に除去する(目的の活性化 されたエステル、即ち化合 物15は水層中に残留する)。 化合物17(cis-1-(4'-β-アミノエトキシフェニル)-1,2-ジフェニルブテン; 36mg; 100μmol)を、100μlの氷冷したDMF中に溶解し、遠心管内の化合物1 5の水溶液に添加する。得られたミルク状の懸濁液を室温で6時間、渦を巻かせ て攪拌する。次いで、全体の反応混合物をPD-10カラム(ファルマシア社; 50ml のMilli-Q水で予め平衡化させたセファデックスG-25の10mlゲル床)にかけ、生 成物を20mlの蒸留水で溶出させて、0.5mlづつの画分を回収する。生成物を含む 画分から溶媒を除去して、白色粉末として化合物24を得る。 実施例XV: レセプターとの結合 アンドロゲン受容体に対する実施例Iの化合物の特異性を、標準のアンドロ ゲン受容体試験で測定した。次の文献を参照されたい:Schilling et al.,「ア ンドロゲン受容体の試験における放射性7α,17α-ジメチル-19-ノルテストステ ロン(Mibolerone)の使用」,The Prostate,5:581-588(1984);Traish et al. ,「ヒトおよび動物組織におけるアンドロゲン受容体およびプロゲステロン受容 体に対する7α,17α-ジメチル-19-ノルテストステロン(Mibolerone)の結合」 ,Endocrinology 118:1327-1333(1986)。 ラット腹側前立腺から調製した細胞質ゾルを、4℃で18時間、2nMの[3H ]ミボレロン(mibolerone)(DMNT)と共にインキュベートした。次いで、こ の反応混合物を、実施例Iで得た種々の濃度(下記の表に示す)のN-(2'-closo- カルボラニルアセチル)-3-トリフルオロメチル-4-ニトロアニリン を含む水酸 化アパタイトスラリーと共にインキュベートした。次いで、この混合物をガラス 繊維フィルターを通して濾過し、3回洗浄し、計数して、アンドロゲン受容体へ のミボレロンの結合の阻害を測定した。その結果を下記の表1に示す。 本発明の好ましい態様を例示して説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱 することなく、本発明に種々の変更を加え得ることが理解されるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/566 G01N 33/566 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.細胞内受容体を含有する細胞へホウ素をターゲッティングする方法であっ て、該細胞の少なくとも1つの細胞内受容体に対して結合特異性を有するリガン ドに複合体形成されたホウ素含有部分を含む複合体と細胞を接触することを具備 した方法。 2.細胞内受容体を含む細胞を殺す方法であって、該細胞の少なくとも1つの 分子内受容体に対して結合特異性を有するリガンドに複合体形成された10B含有 部分を含むホウ素中性子捕捉剤と該細胞を接触し、次いで中性子で該細胞を照射 することを具備した方法。 3.細胞内受容体を含有する標的細胞をイメージングする方法であって、該細 胞の少なくとも1つの分子内受容体に対して結合特異性を有するリガンドに複合 体形成されたホウ素含有部分を含む複合体と該細胞を接触し、次いで該細胞に結 合したホウ素の磁気共鳴画像を形成させることを具備した方法。 4.該細胞が腫瘍細胞である請求の範囲第1項に記載の方法。 5.該細胞が転位性の肺癌細胞であり、該リガンドがエストロゲン受容体に対 して結合特性を有するリガンドに複合体形成された10B含有部分を具備した請求 の範囲第2項に記載の方法。 6.該リガンドがタモキシフェンに複合体形成された10B 含有部分を具備する請求の範囲第5項に記載の方法。 7.該細胞が前立腺癌細胞であり、該リガンドがアンドロゲン受容体に対して 結合特異性を有するリガンドに複合体形成された10B含有部分を具備した請求の 範囲第2項に記載の方法。 8.該リガンドが4’−置換若しくは3’,4’−二置換アニリド残基に複合 体形成された10B含有部分を具備した請求の範囲第7項に記載の方法。 9.アニリド残基が、4’−ニトロ−3’−トリフルオロメチル−イソブチル アニリド残基である請求の範囲第8項に記載の方法。 10.該リガンドがサイプロテロン(cyproterone)アセテート残基に複合体 形成された10B含有部分を具備した請求の範囲第7項に記載の方法。 11.該細胞が白血病細胞であり、該リガンドがグルココルチコイド受容体に 対して結合特異性を有するリガンドに複合体形成された10B含有部分を具備した 請求の範囲第2項に記載の方法。 12.該細胞が腎カルチノーマ細胞であり、該リガンドがプロゲステロン受容 体、アンドロゲン受容体又はグルココルチコイド受容体に対して結合特異性を有 するリガンドに複合体形成された10B含有部分を具備した請求の範囲第2項に記 載の方法。 13.該細胞が子宮内膜癌細胞であり、該リガンドがエストロゲン受容体又は プロゲステロン受容体に対して結合特異 性を有するリガンドに複合体形成された10B含有部分を具備した請求の範囲第2 項に記載の方法。 14.該細胞が、卵巣カルチノーマ細胞であり、該リガンドがエストロゲン受 容体又はプロゲステロン受容体に対して結合特異性を有するリガンドに複合体形 成された10B含有部分を具備した請求の範囲第2項に記載の方法。 15.該細胞が、子宮頚、膣又は陰門のカルチノーマ細胞であり、該リガンド がエストロゲン受容体又はプロゲステロン受容体に対して結合特異性を有するリ ガンドに複合体形成された10B含有部分を具備した請求の範囲第2項に記載の方 法。 16.該10B含有部分が1よりも多い10B原子を含有する請求の範囲第2項に 記載の方法。 17.該10B含有部分が少なくとも9の10B原子を含有する請求の範囲第16 項に記載の方法。 18.該10B含有部分が少なくとも1のカルボラン残基を含有する請求の範囲 第17項に記載の方法。 19.該10B含有部分が少なくとも18の10B原子を含有する請求の範囲第1 6項に記載の方法。 20.該10B含有部分が少なくとも2のカルボラン残基を含有する請求の範囲 第19項に記載の方法。 21.該細胞が熱中性子で照射される請求の範囲第2項に記載の方法。 22.該細胞がエピサーマル中性子で照射される請求の範囲第2項に記載の方 法。 23.該細胞が高速中性子で照射される請求の範囲第2項に記載の方法。 24.細胞内受容体に対して結合特異性を有するリガンドに複合体形成された10 B含有部分を具備した化合物。 25.10B含有部分が少なくとも2つの10B原子を含有する請求の範囲第24 項に記載の化合物。 26.10B含有部分が少なくとも9つの10B原子を含有する請求の範囲第25 項に記載の化合物。 27.10B含有部分が少なくとも1つのカルボラン残基を含有する請求の範囲 第26項に記載の化合物。 28.10B含有部分が少なくとも18の10B原子を含有する請求の範囲第25 項に記載の化合物。 29.10B含有部分が少なくとも2つのカルボラン残基を含有する請求の範囲 第28項に記載の化合物。 30.該細胞内受容体が、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、アン ドロゲン受容体及びグルココルチコイド受容体よりなる群から選択される請求の 範囲第24項に記載の化合物。 31.下式の化合物、又はこれらの薬学的に許容しうる塩。 但し、Boは10ホウ素含有部分であり、Lは結合基であり、nは0若しくは 1である。 32.10ホウ表含有部分であるBoが、硼酸、BSH、カ ルボラン及びこれらの多量体若しくはポリマーである請求の範囲第31項に記載 の化合物。 33.LがCH2であり、nが1である請求の範囲第31項に記載の化合物。
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