JPH11505166A - 医療器材のためのドライ殺菌方法及び装置 - Google Patents

医療器材のためのドライ殺菌方法及び装置

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JPH11505166A
JPH11505166A JP9502112A JP50211297A JPH11505166A JP H11505166 A JPH11505166 A JP H11505166A JP 9502112 A JP9502112 A JP 9502112A JP 50211297 A JP50211297 A JP 50211297A JP H11505166 A JPH11505166 A JP H11505166A
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JP9502112A
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ジェイコブ,アディル
アレン ワイルダー,ジョナサン
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ジェイコブ,アディル
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    • A61L2/00Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor
    • A61L2/02Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor using physical phenomena
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Abstract

(57)【要約】 殺菌すべき物品と放電との間に、放電から発出した電気的に中性の種に対しては透過性であるが、荷電種に不透過性であるバリヤーを介設することによってガス密閉空間を無グロー、無電界状態に維持し、該空間内に殺菌すべき物品を装入して電気的に中性の種に露呈させることを特徴とする殺菌方法。

Description

【発明の詳細な説明】 医療器材のためのドライ殺菌方法及び装置技術分野 本発明は、プラズマ殺菌に関し、特に、殺菌すべき物品を無電界、無グロー空 間内でプラズマの電気的に実質的に中性のガス種(粒子)に露呈するための方法 に関する。背景技術 現代の医療及び歯科治療は、無菌装置、器具、用具及び部材(以下、総称して 「器材」と称する)の使用を必要とし、それらの多くは反復使用に供されるもの である。このような器材の殺菌を行うには、再使用可能な器材を殺菌処理するた めの工程をメーカーにおいても、病院や歯科医院においても実施しなければなら ない。 病院内で再使用されるもので、反復殺菌を必要とする器材の代表的なものは、 大型外科器具トレー、小型外科用具キット、人工呼吸器セット、ファイバーオプ ティックス(内視鏡、プロトスコープ、血管鏡、気管支鏡)及び搾乳器である。 歯科医院内で再使用されるもので、反復殺菌を必要とする器材の代表的なものは 、ハンドピース、歯科用鏡、プラスチックチップ、模型印象及び各種織布類であ る。 メーカーから包装され殺菌された状態で供給される医療器材は、多種類に亙っ ているが、これらの器材の多くは使い捨てである。このグループの代表的なもの は、バリアパック、ヘッドカバー及びガウン(外科用手術着等)、手袋、縫合糸 、注射器及びカテーテルである。 現在使用されている主要な殺菌法の1つは、特別な飛散防止設計の殺菌チャン バー内で最高3気圧までの圧力下でフレオン(CCl22)と組み合わせてエチ レンオキシド(EtO)ガスを用いる方法である。この方法は、有効な無菌度を 達成するには、殺菌すべき器材を少くとも1〜3時間殺菌用ガスに露呈した後、 最低12時間又はそれ以上の通気(エアレーション)時間を必要とする。このE tO殺菌法では微生物の蛋白様構造中のアミノ基をアルキル化することによって 殺菌が行われるので、最初のガス露呈時間が比較的長い。EtO殺菌法は、7 個の原子を有する多原子構造であるEtO分子全体を蛋白質に結合させることを 要件とする。EtOの結合を可能にするには、この要件に、更に、蛋白質上でE tOの水素原子を転位させなければならないという要件が加わる。このような大 型分子の結合を支配するのは立体障害(運動空間妨害)因子であるため、EtO 殺菌法は、高い圧力下で実施しなければならず、長い時間をかけて行わなければ ならない。従って、この方法は、一般に産業にとっては非常に非効率であるとみ なされる。 しかしながら、おそらくこの方法の主要な欠点は、その危険な毒性であろう。 エチレンオキシド(EtO)は、人間にとって危険な毒性の高い物質であり、最 近、突然変異原であるとともに、発ガン性物質であることが明らかにされた。E tO殺菌法は、有毒なEtO及びエチレングリコールやエチレンクロロヒドリン のようなその他の有毒副生物を吹き払うには、医療器材を殺菌用ガスに露呈した 後、徹底した通気工程を必要とする。不幸なことに、EtO及びその有毒副生物 は被処理器材の表面に残留する傾向があるというのが、このガス及び殺菌法の1 つの特徴である。従って、器材の表面に吸収されたこれらの残留物のレベルを操 作上安全な値にまで低下させるには、吹き払い(通気)時間を一層長くしなけれ ばならない。医療及び歯科治療環境内において、このEtO殺菌プロセス(工程 又は処理)に要する1バッチ当りの空間容積は、通常、0.00566m3〜1 .416m3(0.2〜50ft3)である。 EtO殺菌法以外にも、従来から多数の殺菌方法が用いられてきた。その方法 の1つは、高圧スチームオートクレーブ殺菌法である。しかしながら、この方法 は、高温を必要とするので、湿気又は高温によって影響される器材、例えば、病 院や歯科医院で用いられる、腐蝕し易い、鋭い縁を有する金属製品、プラスチッ ク製器具等には適さない。 更に他の方法として、X線又は放射線源を用いる殺菌法がある。このうちX線 法刃、使い勝手が悪く、しかも、費用が高い。一方、放射線源を用いる殺菌法刃 、放射線に対する安全措置を講じる必要があるばかりでなく、コスト高を招くこ とになる放射性廃物の廃棄処分を必要とする。この放射線法は、又、ある種の物 質に放射線に基因する分子変化を起させる(例えば、カテーテル等の可撓性の素 材は分子変化により脆弱化する)という点でも問題を提起する。発明の開示 従って、本発明の目的は、医療用及び歯科用の器具、用具及び部材(器材)を ドライ殺菌するための方法及び装置であって、所要時間の点でも、所要空間容積 の点でも能率的に操作することができ、70°C以下の温度で実施することがで きる殺菌方法及び装置を提供することである。 本発明の他の目的は、医療用及び歯科用器材を殺菌及び表面処理するための安 全で無毒な方法であって、有毒供給ガスを使用せず、かつ、表面に吸収された有 毒残留物及び副生物を発生させない殺菌・表面処理方法を提供することである。 基本的いえば、本発明においては、医療用又は歯科用器材をガス放電性分子水 素によって創生されるプラズマのような高還元性ガスプラズマに、又は、例えば 酸素担持ガスのような高酸化性ガスプラズマに露呈させることによって殺菌及び 表面処理が達成される。求められる殺菌要件によって異なるが、純粋な状態の、 又は、水素又は酸素との多成分混合物の形のガス放電性分子窒素と、それを補充 する不活性ガスとによって、酸素により作られる環境と、水素により作られる環 境との中間の緩い酸化性環境を創出する。このようにして、プラズマ放電の化学 的/物理的パラメータを、実際上ほとんどすべての殺菌及び表面処理用途に適合 するように調整することができる。 ガスプラズマの創生は、例えば、米国特許第3,951,709号、4,02 8,155号、4,353,777号、4,362,632号、4,505,7 82号及び米国再発行特許第30,505号に記載されているように、特に半導 体の処理に用いられてきた開発度の非常に高い技術である。 一実施形態においては、本発明のガスプラズマ殺菌方法は、殺菌すべき又は処 理すべき器材をチャンバー内に装入した後、チャンバーを比較的低い圧力にまで 排気する操作を含む。 次いで、一例として挙げれば酸化性ガス雰囲気を、通常、20〜3000cc /分(標準状態)流量の連続したガス流に相当する10Hg〜10Torrの範囲の 比較的低い圧力で上記チャンバーへ供給する。マイクロ波キャビティ及び高周波 (RF)励起電極のような慣用の手段によってチャンバー内に放電を発生させる 。あるいは、別法として、0.0125〜0.08W/cm3の電力密度範囲の RF電力をチャンバー内に電気的に非対称に配置された単一の電極を介して、又 は、チャンバー内に電気的に対称的に配置された2つの電極を介してガスに結合 させてもよい。いずれにしても、殺菌すべき器材を1つの電極の上に置き、チャ ンバーの壁を慣用の態様でアース電位に維持する。 上記非対称電極配置は、低プラズマ電位モードの作動の基礎を設定する。低プ ラズマ電位モードは、低殺菌温度を可能にし、器材に対する有害なイオン衝撃や 汚染を防止するのに役立つ。 かくして発生した放電は、励起された荷電種(荷電粒子)と、励起された電気 的に中性の種(粒子)の両方を含むガスプラズマを創生する。例えば、分子酸素 を通しての放電内には、励起された分子酸素と共に、原子酸素の遊離基が発生す る。これらの酸素担持活性種(酸素を担持した反応性粒子)は、殺菌すべき医療 又は歯科器材の表面上に生息している微生物の蛋白様成分と化学的に相互反応し 、それによって、蛋白様分子を変性させ、100万分の1未満の微生物生存確率 に相当する微生物殺菌率を達成する。 本発明の方法の効率性は、1つには、ガス状プラズマ系は非常に反応性が高く 、原子数が少なく(通常、単原子又は二原子)、従って、蛋白様構造に化学的に 結合したり、蛋白様構造から水素原子を引き抜いたり(除去したり)する能力が 高いことに基因している。又、プラズマ供給ガス(プラズマを発生させるために 供給されるガス)中に低レベル(濃度)の水蒸気が存在することが殺菌効率を劇 的に高めていることも確認された。水分の存在下では、放電プロセス中、活性種 (粒子)濃度の減衰及び、又は微生物の蛋白様構造の有利な予備調整が起ると考 えられ、これらの過程が、微生物の総殺菌率の向上に貢献する。このタイプの相 互作用のための運動空間(分子中の原子の立体空間的配置)の制限は、EtOの アルキル化ためのそれの少くとも1000倍低い。 数種類の特異タイプの相互作用が起る。その1つは、アミノ基からの水素の引 抜である。もう1つのタイプの相互作用は、環構造、特に窒素を含む環構造の切 断又は炭素−炭素結合の開裂である。これらの過程は、医療器材の表面に吸収さ れたままそこに残留せず、種ガス流と一緒に器材からポンプ吸引により運び去ら れる水蒸気や二酸化炭素のようなガス状流出物だけしか創生しないことに留意さ れたい。 本発明の殺菌方法は、ガス透過性袋内に包装された使い捨ての又は再使用可能 な器材のような予備包装された器材にも適用することができる。密封袋(例えば 、ポリエチレン/タイベック包装材)の場合、その包装材のバリヤー壁(以下、 単に「バリヤー」とも称する)は、殺菌用プラズマの比較的小さい活性種(活性 粒子)に対しては透過性であるが、比較的大きい蛋白様微生物に対しては不透過 性である。(タイベック(商標名)は、デュポン社製の結合ポリオレフィンであ る。) 上記チャンバーを排気した後、ガス又はガス混合物を導入すると、ガスは、包 装材の壁を透過し、包装物の内外間で動的な自由なガス交換が生じる。 プラズマを創生するためにマイクロ波又はRF放電を発生させると、電気的構 成と使用圧力によって異なるが、プラズマが包装物の内外に創生される。あるい は、別法として、包装物を実質的に電気的に遮蔽された(無電界)無グロー帯域 内に装入し、包装物を、その包装材の壁を透過して中の器材の表面と相互作用す る、帯電しているというよりもむしろ電気的に中性の活性種に露呈させるように することもできる。 更に異なる電気的構成においては、殺菌すべき包装された器材をコンベヤベル トに載せて、周囲空気中で作動される大気圧コロナ放電ギャップ内へ通すことが できる。この構成では、放電電極は、底部電極を構成するアースされた金属裏張 付きコンベヤベルトと、ガスを放電ギャップ内へ放散するための多針状ノズルを 備えた金属ブロック(頂部電極)とで構成される。 この連続インライン装置による殺菌は、空気中に発生させた放電酸素の存在に より、あるいは、頂部電極の一体部分である複数のノズルから放電ギャップ内へ 導入することができる他の任意の酸化性ガス混合物の存在により生成されるオゾ ンによって達成される。 このコロナ放電は、通常、数リットル/秒(標準状態)の範囲のガス流で、1 0〜100KHz又は13〜27MHzの周波数範囲で5〜15W/cm3の電 力密度範囲で作動する。 例えば、ポリエチレン系の包装材で包装された器材を上記方法を用いて強酸化 性プラズマによって殺菌するためには、まず第1に酸素担持活性種が包装材の有 機バリヤー壁を透過することができるように構成し、第2に、バリヤー壁を透過 することができる活性種(粒子)の数を袋(包装材)内の医療又は歯科器材上の すべての微生物を効果的に死滅させるのに十分な数とするように構成することが 必要である。 殺菌すべき又は処理すべき特定の物質(医療又は歯科器材の素材)に応じて、 水素、酸素、窒素、ハロゲンのような二原子ガス、酸素と水素の二成分混合物、 酸素と窒素の二成分混合物(例えば、空気)、酸素と不活性ガスの二成分混合物 、酸素と窒素とヘリウム又はアルゴンのような不活性ガスとのガス混合物によっ て適正な強さの還元性又は酸化性状態又は緩い還元性又は酸化性状態を創出する ことができる。 これらの混合物においては酸素を優勢成分とすることが好ましいが、必須では ない。例えば、上記混合物において窒素を優勢成分とすると、緩い酸化性状態を 創出するが、反応圧力及び電力密度を一定とした場合、プロセス(工程又は殺菌 処理)温度が多少高くなる。上記混合物中の不活性ガスの割合は、10〜95% の範囲内でいろいろに変更することができる。不活性ガスの割合を高くすればす るほど、圧力及び電力密度を一定とした場合のプロセス温度が低くなる。ただし 、プロセス露呈時間即ち殺菌露呈時間(殺菌に要する露呈時間)は、混合物中の 不活性ガスの割合が高いほど、長くなる。不活性ガスとして例えばヘリウムの代 わりにアルゴンを用いると、反応圧力及び電力密度を一定とした場合の殺菌処理 温度は高くなる。この場合、ガス放電動作に不安定さが生じることがあるので、 ヘリウムを用いた場合に比べて圧力はそのままにして電力密度を増大する必要が あり、その結果、プロセス温度が多少高くなる。 純粋還元性水素プラズマ放電によっても、又は、例えばヘリウム、アルゴン又 はそれらの混合物のような純粋不活性ガスを介してのプラズマ放電によっても、 効果的な殺菌を達成することができる。なぜなら、それらは、微生物の蛋白様構 造から水素原子を引き抜く(除去する)非常に強い能力を有しているからである 。殺菌用アルゴンプラズマに純粋ヘリウムを添加すると、アルゴンプラズマの安 定性を高め、全体的な殺菌温度を低下させる。水素、及び、水素と窒素又は酸素 又はその両者との混合物は、不活性ガスの存在下又は不存在下で、それらの混合 物の広い濃度範囲において効果的な殺菌能力を発揮し、それによって、殺菌プロ セスの融通性及び多用途性を高める。 有機バリヤー(例えば、プラスチック又は紙等の包装材即ち袋材)を通しての ガスの透過性を促進するという第1の目的は、器材入り袋を収容したチャンバー をほぼ20μmHgの基本圧力にまで排気することによって達成される。このは 域操作により袋からその中に捕捉されていた大気空気を除去し、袋内の圧力を有 機バリヤーを通してチャンバー内の圧力に均衡化させる。次いで、通常は酸素含 有ガスをチャンバー内へ導入して、袋外のチャンバー内に袋内の圧力より高い圧 力を瞬時の間設定する。袋のバリヤーを隔てた内外間のこの圧力勾配が、ガスを 袋内へ透過させる初期駆動力として機能する。そのが直ちに袋の内外間の圧力が 均衡化された状態になると、袋の内外間バリヤーを介して分子の活発な累進的な 交換が起り、常時、有機バリヤーの内外間を同じ圧力に維持しようとする。この ガスを通して放電を起させると、酸素担持活性種が創生される。通常、これらの 活性種は、有機バリヤーによって、又は、近傍の金属表面との相互作用により大 量に不活性化される。従って、通常ならば、殺菌作用を行わせるのに利用できる 活性種の数が大幅に減少される。 包装材の有機バリヤーを透過する活性種(反応性種)の数を能率的な殺菌サイ クルを実施するのに十分な数とするという第2の目的を達成するためには、ガス 状水分混合物のプラズマ放電が極めて有益であることが判明した。水蒸気にして 100〜10,000ppmの範囲の水分を含むいろいろな種類の無毒のガスの プラズマ放電は、活性種の濃度の2の係数を越える減衰(2分の1以下への減少 )を可能にし、それによって、殺菌露呈時間を相当に短縮することができた。従 って、従来はプロセス温度が比較的高いという特徴があった2、3のシステム構 成において、本発明に従って殺菌サイクルが短縮したされたことによりプロセス 温度を十分に低く保つことができた。 本発明に使用するのに有効な2成分含水混合物は、酸素、窒素、水素及びアル ゴンから成る混合物であった。窒素−酸素及びアルゴン−酸素の3成分含水混合 物は、純粋窒素又は純粋アルゴンの含水混合物より、電力密度を同じにした場合 多少効果的であることが判明した。ハロゲンを含有した含水混合物は、非常に効 果的ではあるが、腐蝕性と毒性が高過ぎる。最も有効な含水混合物は、酸素の含 水混合物であり、殺菌サイクルを2分の1以下に短縮することが分かった。 更に、包装袋の有機バリヤーは、殺菌剤として必要とされる酸素担持活性種の 吸収を相当に減少させるような態様に不動態化することができ、有毒副生物を発 生することなく、医療器材を最終的に無毒にすることができることが認められた 。 そのような不動態化方法の1つは、1種以上の酸素含有ガスに加えて下記のよ うな選択された他のガスを含有したガス混合物を上記チャンバー内へ導入する方 法である。 1.既知のハロゲンのうちの任意のものに結合された炭素及び、又は珪素系の オルガノハロゲン。特に、弗素原子を主とする原子;塩素原子を主とする原子; 臭素原子又は沃素原子を主とする原子;同数の弗素原子と塩素原子;同数の塩素 原子と臭素原子;同数の弗素原子と沃素原子;同数の塩素原子と臭素原子;同数 の弗素原子と臭素原子;同数の弗素原子と沃素原子;又は同数の塩素原子と沃素 原子に結合された1個又は2個の炭素又は珪素原子を分子構造内に包含した飽和 又は不飽和炭素及び、又は珪素の有機化合物。これらの化合物中弗素原子を主成 分とするものとしては、1個の炭素又は珪素原子に結合された他のすべての原子 が、弗素以外のすべてのハロゲンであるか、あるいは、例えば水素のような他の 原子と組み合わされた、既知の4つのハロゲンのうちの1つ又は他の2つのハロ ゲンであるいろいろな構造のものがある。このことは、塩素原子を主成分とする もの、臭素原子を主成分とするもの及び沃素原子を主成分とするものにも当ては まる。ただし、後者の場合、他の原子と臭素を同時に包含するものは、その構造 では揮発性が低いので実用的でないことがあるが、弗素又は塩素又はその両方を 同時に包含するものは、実用性を有する。水素含有オルガノハロゲンは、プラズ マ状態の下では重合する傾向を有し、場合によっては、そのままの状態では引火 性である場合もあることに注意されたい。 酸素とオルガノハロゲンとの最も有効な殺菌用混合物は、酸素分(混合物中で 酸素が占める分、又は酸素の分率即ち酸素含有率)を70容積%以上とした場合 、オルガノハロゲンを本質的に炭素及び、又は珪素系の複数種類のオルガノハロ ゲンの混合物としたものである。ただし、酸素含有率を70容積%以下とした場 合でも、殺菌は実行できるが、殺菌すべき器材の表面に過度のハロゲン化が生じ ることと、包装袋の透明性が過度に劣化するという欠点を伴う。(ここで、「酸 素分」とは、混合物中で酸素が占める分、又は、酸素の分率即ち酸素含有率のこ とをいう。これは、以下に言及する窒素、不活性ガス、無機オキシハロゲン化化 合物等についても同じである。) 2.窒素、又は、ヘリウム又はアルゴンのような不活性ガスと組み合わされた オルガノハロゲン。この場合は、プロセス温度(反応温度)をできるだけ低く抑 えるために不活性ガス分を多くすることが実際的であると考えられる。オルガノ ハロゲンは、不活性ガス分を最大95容積%までにすれば、微生物を殺菌するの に有効であるが、窒素分を酸素分より低くするのが理想的である。 3.炭素又は珪素を包含しないが、好ましくは、1個又は複数個の中心原子と して、上記1.に記載されたオルガノハロゲンに関連して述べたのと同様な態様 で既知のハロゲンのうちの任意のものに結合された水素、窒素、硫黄、硼素又は 燐を含有した化合物として定義される、又は、例えば分子(例えば、F2,Cl2 )のような、異なる中心原子をもたないハロゲンだけと、2種類の異なるハロゲ ン原子を包含した中間ハロゲン(例えば、Cl−F,I−F.Br−Cl系化合 物等)を含有した化合物として定義される無機ハロゲン。この場合にも、この無 機ハロゲンは、本質的に、上述した異なる種類のハロゲン混合物とすることがで きる。 酸素と無機ハロゲンとの最も有効な殺菌用混合物は、酸素分を80容積%以上 としたものである。酸素含有率を80%以下とした場合でも、殺菌は実行できる が、殺菌すべき器材の表面に過度のハロゲン化が生じることと、包装袋の透明性 が過度に劣化するという欠点を伴う。 4.窒素又は上記2.に記載されたような不活性ガスと組み合わされた無機ハ ロゲン。 5.炭素又は珪素を包含しないが、好ましくは、各々酸素と1種類のハロゲン とに同時に結合された窒素、燐又は硫黄を含有したオキシハロゲン化化合物(例 えば、NOCl,SOCl2,POCl3等)。より特定的にいえば、先に挙げた 例における窒素−酸素系、硫黄−酸素系又は燐−酸素系を上記1.に記載された オルガノハロゲンに関連して述べたのと同様な態様で既知のハロゲンのうちの任 意のものに結合したもの。無機オキシハロゲン化分(無機オキシハロゲン化化合 物が占める分)は、本質的に、上述したいろいろな異なる無機オキシハロゲン化 化合物の混合物とすることができる。 酸素と無機オキシハロゲン化構造との最も有効な殺菌用混合物は、酸素分を7 0容積%以上としたものである。ただし、酸素含有率を70容積%以下とした場 合でも、殺菌は実行できるが、殺菌すべき器材の表面に過度のハロゲン化が生じ ることと、包装袋の透明性が過度に劣化するという欠点を伴う。 6.遊離窒素又は上記2.に記載されたような不活性ガスと組み合わされた無 機オキシハロゲン化化合物。 7.上記1.〜6.に記載し各群中の幾つかの成分から成る多成分混合物。遊 離窒素と、上記各群中の、又は上述した各群中の幾つかの成分から成る多成分混 合物中のヘリウム又はアルゴンのような不活性ガスとが同時に存在することも、 微生物を死滅させる上で有効である。遊離窒素の分率は、反応温度を低く抑える ためには、酸素の分率より低くするのが理想的である。 有効な有機バリヤー不動態化剤であり、かつ、有効な殺菌剤でもあるより特定 的な比較的簡単な多成分混合物を以下に記載する。 成分A+Bから成る特定的な多成分混合物 (分率は容積による) 成分A 成分B2 (92〜97%) CF4 (3〜8%) [O2 (40%)−He(60%)] CF4 (0.25〜3%) [O2 (8%)−CF4 (92%)] He(80%) [O2 (17%)−CF4 (83%)] He(80%) [O2 (83%)−CF4 (17%)] He(80%) [O2 (92)−CF4 (8%)] He(80%) 上記のガス混合物の多くは、本質的に、新規な化学的組成物である。 このような複合混合物を介してのプラズマ放電は、例えば、酸素担持活性種と 、弗素又は塩素担持活性種の両方を同時に創生する。後者が、主として、有機バ リヤーを不動態化する働きをする。なぜなら、包装袋の有機バリヤーの酸化より 弗素化又は塩素化が熱力学的に優先されるからである。従って、包装袋の有機バ リヤーによる弗素又は塩素担持活性種の吸収が優先される。その結果、殺菌のた めに利用し得る酸素担持活性種の分率が比較的高くなる。酸素担持活性種は、弗 素化又は塩素化表面によっては容易に吸収されない。 更に、酸素担持活性種による殺菌は、例えば、包装袋内に存在する酸素含有ガ スと弗素又は塩素含有ガスを同時に介して放電させることによっても、助成され る。このガス(酸素含有ガスと弗素又は塩素含有ガス)は、放電を開始する前に 先に有機バリヤーを透過して袋内に侵入していたガスである。これは、酸素を含 有した活性種と弗素又は塩素を含有した活性種の両方を直接包装袋内に創生する 。しかしながら、先に述べたように、包装袋の有機バリヤーによる吸収は、弗素 化種又は塩素化種が優先的に行われるので、袋内に残される酸素含有活性種の正 味濃度が高くなり、効果的な殺菌作用が達成される。 ただし、有機バリヤーによって吸収されずに袋内に残留した弗素又は塩素担持 活性種も、化学的に強い酸化性の物質であるから有効な表面殺菌を実施する。し かし、元の複合ガス混合物中の弗素又は塩素含有ガスの分率は、酸素含有成分よ り相当に小さい。従って、微生物殺菌の大部分は、プラズマ中の酸素担持種によ る。しかしながら、いずれにしても、最終結果として、微生物の蛋白様構造に対 する連続攻撃が継続され、微生物はガス状生成物に破砕され分解される。反応性 プラズマによるこの化学的作用は、まず最初に微生物の蛋白様ネットワーク(構 造)を改変(変性)し、最低限その代謝を破壊することであるが、より一般的に は微生物の再生を阻止する。 殺菌帯域に作動的に連結された反応帯域内に発生させたプラズマの活性種にそ の殺菌帯域内で殺菌負荷(医療器材等の殺菌すべき目標物、(以下、単に「負荷 」とも称する)を露呈するようにした殺菌方法においては、負荷を活性種に接触 させる前にプラズマを粗面化(凹凸付き)金属表面に接触させることによって殺 菌効果を改善することができる。この改善は、負荷の温度が低下することと、殺 菌率が向上することとによって確認される。プラズマ反応帯域は、RF又はマイ クロ波プラズマ式システムに使用するための殺菌技術の範囲内で提案されている システム構成のうちの任意のものに従って殺菌帯域に作動的に連結することがで きる。 予備調整工程を行うことが有利な場合が多い。プラズマは、殺菌剤先駆物質( 以下、単に「先駆物質」とも称する)、特に過酸化水素又は過酢酸化合物から生 成するのが理想的である。プラズマを発生させるために殺菌剤先駆物質を附勢す る前に殺菌負荷を先駆物質に一定時間(代表的な例では約10分ないし約8時間 であるが、通常、約2時間以下)露呈させることが有利であることが知見された 。 特定的にいえば、本発明は、負荷を殺菌するための方法であって、該負荷を少 くとも一部分は金属壁で形成されたガス密閉チャンバー内に装入する工程と、該 チャンバーを実質的に低い圧力にまで排気する工程と、殺菌性流体を蒸気又はガ ス相で該チャンバー内へ導入する工程を含む殺菌方法を提供する。負荷を予備調 整段階中に殺菌性流体に露呈させる。次いで、前記チャンバー内で前記殺菌性流 体に電気エネルギーを印加することによってプラズマを誘起させ、このプラズマ を一定の制御された時間維持する。前記チャンバーの内表面の一部分を、負荷に 接触する活性種の定常濃度を増大させることができる粗面化表面とする。 殺菌帯域に作動的に連結された反応帯域内に発生させた活性種にその殺菌帯域 内で負荷を露呈するようにした殺菌方法において、本発明は、殺菌性流体を蒸気 又はガス相で殺菌帯域へ導入するという改良を提供する。次いで、前記チャンバ ー内の殺菌性流体に電気エネルギー、好ましくはRFエネルギーを印加すること によってプラズマを誘起させ、このプラズマを、該プラズマの活性種が負荷に接 触する前に粗面化表面に接触させる。図面の簡単な説明 図1は、本発明の実施に使用するのに適する装置の総体的概略図である。 図2は、本発明の実施に使用するのに適する別の装置の断面図である。 図3は、本発明の実施に使用するのに適する更に別の装置の総体的概略図であ る。 図4は、本発明の実施に使用するための殺菌チャンバーの別の実施形態の横断 面図である。 図5は、図4の殺菌チャンバーの長手断面図である。 図6〜14は、本発明の方法の実施に使用するための殺菌チャンバーのそれぞ れ異なる実施形態の断面図及び側面図である。 図15は、本発明の殺菌装置の一部破除された部分透視図である。 図16は、本発明の代表的な殺菌システム概略図である。発明を実施するための最良の形態 図1は、本発明の方法に使用されるタイプのガス密RF励起放電チャンバー即 ち反応チャンバーを含む殺菌装置の総体的概略図である。この円筒形の非導電性 RF励起放電チャンバー(以下、「放電チャンバー」又は「殺菌チャンバー」又 は「反応チャンバー」又は単に「チャンバー」とも称する)11は、例えば、ガ ラス又は石英で形成されており、その中に被処理器材(殺菌すべき又は処理すべ き医療又は歯科器材、即ち負荷)14を収容し密閉する。チャンバー11は、通 常、該チャンバー内に大気圧より低い圧力状態(以下、「負圧状態」又は「負圧 」と称する)を設定する機械的な真空ポンプに接続される。RF励起コイル12 が、RFエネルギー源即ちRF電源(RFエネルギー発生器)13からRFエネ ルギーをガス密チャンバー11内に封入されたガスに結合し、チャンバー内にプ ラズマを創生する。 別法として、ガス中に電力を結合するための手段としてRF励起コイル12の 代わりに2450MHzで作動するマイクロ波放電キャビティを用いることがで きる。代表的な例として水素のような還元性ガス又は酸素のような酸化性ガスを 適当に選択することによって、チャンバー11内に放電を発生させ維持すること ができる。そのような放電によって創生されたガスプラズマ内に、分子状及び原 子状の多数の励起種が発生する。これらの種と殺菌すべき器材の表面との相互作 用により、先に説明した態様で被処理器材の表面の微生物の殺菌が行われる。満 足な殺菌を達成するのに必要とされるプロセスの継続時間は、ガス流量、RF又 はマイクロ波電力密度、及び負荷サイズ等の放電の他のパラメータによって異な る。 図1に示された実施形態の殺菌装置は、放電チャンバー11と、その内部に該 チャンバーの長手軸線とほぼ同心的に取り付けられた金属製の内側有孔円筒体又 は内側有孔円筒形遮蔽体15から成る。(ここで、「有孔」とは、円筒体の周壁 に穿設された多数の孔を有するという意味である。)金属製の内側有孔円筒体1 5内には、実質的に無グロー、無電解帯域が形成される。金属製の内側有孔円筒 体15は、電気的に「浮動」(隔離)状態にあり、殺菌温度を低く(70°Cよ り低く)するために、円筒体の全長に亙って巻装された冷却コイル9を通して適 当な冷却剤(例えば、水とエチレングリコールの50−50混合物)を循環させ ることによって冷却される。 図2に示される変型実施形態におけるように、非導電性チャンバー11内に、 それぞれ冷却コイル9及び8を巻かれた2つの同心の内側金属製の内側有孔円筒 体(円筒形遮蔽体)15,15aを設置すれば、更に低い殺菌温度を可能にする ことができる。図2の実施形態においても、そのチャンバー11内へのエネルギ ー結合は、図1の実施形態に関連して説明したのと同様の態様で行われる。少な いケースであるが、図1及び図2に示された構成において、プラズマ供給ガスが 殺菌効果を高め、プロセスサイクル時間を短縮し、プロセス温度を低くするため に低レベル(低濃度)の水蒸気を含有している場合は、冷却コイル9,8を必要 としない場合もある。 電気的に浮動状態にある金属製の内側有孔円筒体の囲い内に形成される無グロ ー、無電解帯域は、金属製の内側有孔円筒体の金属表面上で可視放射の先駆物質 である活性種が触媒作用により不活性化されることと、電気的ファラデーケージ 効果とが相俟って創生される。 RFエネルギー発生器13の代わりに、図に示されるように例えば2540M Hzで作動するマイクロ波エネルギー源18が用いられる場合は、金属製の内側 有孔円筒体をチャンバーの長手軸線に同心的に取り付けることができない。この 場合は、金属製又は非金属製のチャンバー11の一端にマイクロ波キャビティ1 6を取り付け、該キャビティの直ぐ向こう側にチャンバー11内の他端寄りに冷 却剤循環コイル20によって冷却される有孔金属製遮蔽体17を配置することが できる。遮蔽体17は、チャンバー11の全断面に跨がって配置され、それによ って、該遮蔽体の、マイクロ波キャビティ16のある側とは反対側に無電解、無 グロー帯域を創生する。この構成により、この無電解、無グロー帯域内に装入さ れた被処理器材14を荷電種からほぼ隔離することを可能にし、かつ、例えば酸 素基のような電気的に中性の反応性プラズマ種を殺菌すべき被処理器材14の表 面と相互作用させることを可能にする。かくして、殺菌は、通常、相当に低いプ ロセス温度で実施される。 別法として、マイクロ波キャビティ16を器材14から遠くに離れた位置に配 置した場合は、有孔金属製遮蔽体17を省除してもよい。 マイクロ波放電がこのような作動モードを可能にするのは、マイクロ波放電に よって創生された中性活性種の有効性はマイクロ波キャビティ自体から下流側に 相当な距離離れたところでも生き残るからである。その直接の理由は、マイクロ 波プラズマ中の電子密度が比較的高いことであり、従って、マイクロ波プラズマ 中のイオン化及び解離の度合が高いからである。又、マイクロ波プラズマ電気プ ローブ測定を行ったところ、このプラズマ電位は、アーなス電位にほぼ等しく、 従って、殺菌処理中エネルギー粒子の衝撃を実際上排除することが分かった。従 って、この作動モードは、熱に敏感な器材の低温露呈に(たとえ殺菌時間が長く なっても)非常に適している。 最も好ましい実施形態では、チャンバー11を電気的にアースされた金属製の 水冷外殻(外壁)で形成し、その外殻内に、図1に示されるように単一の金属製 内側有孔円筒体(遮蔽体)を設けるか、図2に示されるように2つの金属製内側 有孔円筒体を設ける。この有孔円筒体にも冷却手段を施すことができる。2つの 金属製内側有孔円筒体を設けた後者の構成の場合、RFエネルギーは、それらの 2つの円筒体即ち導電性円筒体の間に結合される。いずれの構成の場合も、低プ ラズマ電位のための条件が優勢であり、放電グローがチャンバーの内壁と有孔円 筒体の表面との間の空間に限定され(閉じ込められ)、有孔円筒体によって画定 されるその内側の仕事空間を実質的に無電界、無プラズマグローにし、かつ、作 動温度を比較的低くする。 そのようなチャンバー構成の1例が、図4及び5に示されている。円筒形外壁 (外殻)21は、通常アルミニウム又はステンレス鋼で形成されており、アース 電位に維持され、チャンバーとして機能する。このチャンバーは、その周りに巻 装された冷却コイル28によって水冷することができる。このチャンバーとして 適当な寸法は、直径91.44cm(36”)、長さ121.9cm(48”) である。冷却コイル19によって水冷される金属製の内側有孔円筒体(円筒形遮 蔽体)23は、チャンバー内にその外壁21の長手軸線にほぼ平行に同心的に配 置されるように絶縁スペーサ29を介して取り付けられる。これらの絶縁スペー サは、セラミックのような任意の適当な非反応性で絶縁性の素材で形成すること ができる。有孔円筒体23に穿設された孔は、通常、互いにすべての方向にほぼ 0.5cmの間隔で三角形のパターンに配置された直径2.5mm〜4mmの孔 である。有孔円筒体23の内壁にワイヤバスケット25を支持するための長手方 向の支持レール27が固定されている。ワイヤバスケット25内に殺菌すべき器 材を置く。 アースされたチャンバー外壁21と内側有孔円筒体23との間に適当なRFエ ネルギー源(RF電源)22が結合される。通常、このRFエネルギー源は、1 0〜100KHz又は13〜27MHzの周波数範囲で0.01W/cm3〜0 .1W/cm3の電力密度範囲のRF出力を創出することができる。 図5に示されるように、円筒形外壁21の端部に設けられた排気ポート31は 、真空ポンプ(図示せず)に接続され、チャンバー内から排気する(真空引きす る)とともに、殺菌工程中連続したガスの流れを設定する。放電のために供給さ れるガスは、有孔ガス拡散管又はガス放散管35によってチャンバー内を通して 通流せしめられる。別法として、チャンバードア39の内側に取り付けられたガ ス放散器(図示せず)によってチャンバー内へ導入してもよい。 殺菌すべき器材は、チャンバードア39の内側の入口ポートを通して支持レー ル27上に座置されたワイヤバスケット25内に装入することができる。チャン バードア39は、容易に開閉することができ、排気中及びガス放電操作中は密封 位置に保持することができる適当な蓋であってよい。 図6は、本発明の方法を実施するための殺菌装置(殺菌チャンバーによって代 表される)の第2の好ましい実施形態を示す。この構成では、チャンバーの円筒 形外壁21は、冷却コイル28によって水冷することができ、やはり電気的にア ースされるアルミニウム又はステンレス鋼のような金属で形成されており、寸法 は図4に示されたものと同様である。このチャンバー内には、冷却コイル30に よって水冷することができる有孔金属で形成された同心の第1内側有孔円筒体( 円筒形遮蔽体)43が取り付けられ、絶縁性支持突っ張り46によって支持され る。チャンバーの内壁(外壁21の内側表面)と内側有孔円筒体43との間の間 隔は、通常、10〜17cmの範囲とし、チャンバーの内径I.D.は91.4 4cm(36”)とする。 チャンバー内には、更に、チャンバーの内壁と内側有孔円筒体43との間に第 2の金属製の内側有孔円筒体即ち円筒形遮蔽体41が同心的に取り付けられてい る。内側有孔円筒体41も、冷却コイル19によって冷却することができる。こ の第2即ち中間内側有孔円筒体41は、絶縁性支持突っ張り47によって支持さ れ、第1内側有孔円筒体43から通常4〜7cm離隔される。これらの絶縁性支 持突っ張りも、やはりセラミック材で形成することができる。第1内側有孔円筒 体43の内壁にワイヤバスケット25を支持するための長手方向の支持レール2 7が固定されている。ワイヤバスケット25内に殺菌すべき器材を置く。チャン バー外壁21及び第1内側有孔円筒体43は、基準電位点(アース即ち地面)に 電気的に接続される。詳述すれば、RFエネルギー源22とチャンバー外壁21 及び第1内側有孔円筒体43との間の電気的接続は、通常、セラミック製密封フ ィードスルー48,49を介して設定される。中間内側有孔円筒体41は、RF 電源22の一方の側に電気的に接続されており、RF電源22の他側は、基準電 位点に接続されている。 本発明にはいろいろなRFエネルギー源を使用することができるが、本発明に 用いられるRF周波数の最も代表的な値は、13.56MHzであり、別法にお いては10〜100KHzである。図5の実施形態におけるのと同様に、ガスを チャンバーへ供給するために長手方向の有孔ガス拡散管35を用いることができ る。代表的な例では、各管は、その長手に沿ってほぼ2.54cm(1”)の間 隔を置いて配置された直径0.5mm〜1.5mmの孔を有するものとする。ガ ス源に近い方の孔ほど直径を小さくする。別法として、チャンバードア39の内 側にガス導入口を設けててもよい。 図4、5及び6に示されるように、内側有孔円筒体は、両端が開放したもので あってもよく、あるいは、該円筒体の本体の素材と同じ有孔金属材を用いて閉鎖 してもよい。図4、5及び6に示された殺菌チャンバーは、RFエネルギー源2 2に代えて、通常2540MHzで作動する放電用マイクロ波エネルギー源に接 続してもよい。この場合、1つ又は複数の同心の金属製有孔円筒体に代えて、図 3に関連して上述した態様に従って単一の有孔遮蔽体を設けることができる。 図7は、本発明の方法を実施するための殺菌装置の第3の好ましい実施形態を 示す。この構成では、チャンバーの円筒形外壁21は、やはりアルミニウム又は ステンレス鋼のような金属で形成されており、寸法は図4に示されたものと同様 である。このチャンバー内には、2つの平面状の金属製電極50,51が設置さ れている。電極50,51は、好ましくはアルミニウムで形成し、それに絶縁性 の酸化アルミニウムを被覆したものとすることができる。電極50と51の間の 間隙52は、可動の底部電極50を上下に移動させることによって調節すること ができる。端子AとBが、絶縁性のフィードスルー48を通して電極50と51 に接続される。端子A,Bの外端は、RFエネルギー源(図示せず)に接続する ことができる。その場合、電気的に対称構成とするために、端子Bをアース電位 に接続したときは、端子AをRF電源に接続しなければならない。(反対に、端 子Aをアース電位に接続したときは、端子BをRF電源に接続しなければならな い。)殺菌すべき被処理負荷は、下側の電極50の上に載せる。 両電極50,51間の間隔は、RF励起電極(図7の例では底部又は下側電極 50)の縁からアースされたチャンバーの壁までの距離より短くすることが慣用 である。それによって、画然とした強力なプラズマグローを両電極間の空間52 に限定させ、有害なスパークの発生を防止することができる。電極の素材は、や はり上述した有孔金属材とすることができる。ただし、電極の非常に効率的な水 冷を可能にするためにRF励起電極を中実材で形成することが望ましい。図7の 例ではRF励起電極である底部電極50は、又、殺菌すべき被処理負荷を載せる 表面を比較的低温にすることができるようにするためにも中実材で形成すること ができる。 このチャンバーは、有孔ガス拡散管35を通してガスを導入する前に、通常、 10〜100μmHgにまで排気する。実際の器材殺菌は、ガス流量を20〜3 000cc/分(標準状態)とした場合、総殺菌反応圧力10〜5000μmH gで、0.0125W/cm3〜0.08W/cm3のRF電力密度範囲に相当す るプロセスパラメータで実施することができる。プロセス露呈時間は、負荷のサ イズによって異なるが、通常、2分〜120分の範囲である。 図8は、本発明の方法を実施するための殺菌装置の更に他の好ましい実施形態 を示す。この構成では、チャンバーの円筒形外壁21は、やはりアルミニウム又 はステンレス鋼のような金属で形成されており、寸法は図4に示されたものと同 様である。このチャンバー内には、単一の平面状の金属製電極50が設置されて いる。電極50は、好ましくはアルミニウムで形成し、それにRFスパッタリン グを抑制するために絶縁性の酸化アルミニウムを被覆したものとすることができ る。電極50は、通常、MHz範囲のRF電源に接続され、その上に殺菌すべき 被処理負荷を載せる。この電極50は、低プラズマ電位での作動モードを実施す るために、通常、ああすされたチャンバーの総内表面面積より少くとも4倍小さ い総表面積を有する。この構成と、以下に述べる低電力密度とが相俟って、非常 に低い殺菌温度を実現する。 この電気的構成は、通常、非対称構成と称され、処理チャンバーの全容積空間 を満たす極めて均一なグローを発生するのに役立つ。それは、又、電極50の表 面に特性加速電位を創出する働きをし、それに伴って、正のプラズマイオンを加 速させて電極50及びその上に載せられている被処理負荷に衝突させる薄い「暗 空間」を創生する。 この構成は、殺菌しにくい器材、特に、多数の入り組んだ隙間や凹みを有する 金属製器材の殺菌にほぼ専用として使用するのに適している。 この処理チャンバー構成の主要な利点は、0.0125W/cm3〜0.02 5W/cm3の比較的低い電力密度で効率的な殺菌を実施することができる点に ある。この構成は、又、そのサイズを被処理負荷サイズの関数として容易に決定 することができる。 この処理チャンバーは、それに用いられるガス放散管35は先に述べた実施形 態のものと同様であるが、通常、図1〜7に示されたチャンバーの作動圧力より 少くとも1桁低い圧力で作動する。陽イオンの衝撃による電極50のRFスパッ タリングを防止するために、電極50は、ハード陽極酸化処理を施しておくか、 あるいは、酸化アルミニウムをスプレー被覆しておくことができる。 図8に示された構成の1つの特定的な変型例が図9に示されている。この構成 では、チャンバーの円筒形外壁21は、冷却コイル28によって水冷されるよう になされており、電極70を完全に囲繞し収容した金属製の有孔囲い体71を有 している。この有孔囲い体71は、冷却コイル(冷媒循環コイル)72によって 冷却することができ、RF電源22の周波数とは異なる周波数の別個のRF電源 22aに接続することができる。この有孔囲い体71には、殺菌すべき器材を囲 い体71内の電極70上に載せるために囲い体71の内部へアクセスするための 開閉蝶番機構(図示せず)を設けることができる。この構成は、殺菌用活性種の 発生量とそれらの衝突エネルギーの大きさをそれぞれ別個に制御することができ るという利点を提供する。電極70に印加されるRF電力(別個のDC電源(図 示せず)からの別のDC電位を含むものであっても、含まないものであってもよ い)は、イオン衝突のエネルギーを制御し、補助の有孔囲い体71に印加される RF電力は、活性種の発生量を制御する。 この構成では、100KHzで作動するRF電源と13.56MHzで作動す るRF電源をいろいろな組合せで用いることができる。両方の周波数を混合して 単一の素子に適用することによって興味ある結果が得られる。一般的に言えば、 一方の周波数を高い電力分率で、通常、同じ素子に対する総印加電力のほぼ90 %の分率で印加しなければならない。このような興味あるプロセス結果は、補助 の有孔囲い体が設けられていない場合で2つの異なる周波数が混合されて電極7 0に印加されたときに得られる。この周波数混合構成は、又、0.0125W/ cm3〜0.08W/cm3の低いRF電力密度範囲での殺菌を可能にし、電極7 0を冷却コイル74によって水冷するようにした場合は特に、全体温度を比較的 低い温度(50°C以下)に維持することができるという利点が得られる。 補助の有孔囲い体71は、プラズマグローを透過させて電極70に接触させる ことができるように高い網透過性とすべきであることに留意されたい。この金属 製の有孔囲い体の表面積を最小にした場合に最良の作動条件が得られる。2、3 の例において、この金属製の有孔囲い体をアースに接続したところ、有効な殺菌 データを示した。 図10は、周囲空気中で大気圧条件下で本発明の方法を実施するための好まし い実施形態を示す。この構成は、真空引き装置を必要としない。殺菌すべき器材 は、アースされた水冷コンベヤベルト62上に載せられる。コンベヤベルト62 は、それと、水冷中空RF励起電極61との間に形成される放電ギャップを横切 って負荷(即ち、殺菌すべき器材)を移送する。冷却コイル76によって冷却さ れる電極61は、多数の針状放電を発出し、アースされた反対極性電極(コンベ ヤベルト)62に向けて個別の放電スパークを創出する。電極61と62の間の ギャップを大きくすればするほど、空気中で放電を開始させるのに要する電力が 大きくなる。 殺菌は、周囲空気中に酸素放電を発生させ、それによりオゾンを発生させるこ とによって実施される。電力密度の所要値は、5〜15W/cm3の範囲である ことが珍しくない。放電ギャップ中に50%〜60%の制御された相対湿度を維 持すれば、放電の開始を容易にし、原子酸素の発生を促進する。原子酸素は、こ の構成における最終目標の殺菌剤であるオゾン発生の先駆物質とし機能する。 しかしながら、オゾンに有毒性があるため、医療器材の殺菌目的のために空気 中にこのようなコロナ放電を起させることは、広く一般には受け入れられ難い。 従って、別法として、RF励起電極61は、酸化性ガスをコンベヤベルト62の 直ぐ近くに放散させることができる多数の開放ノズル65から成る構成を取るこ とができる。この構成では、放電はやはり周囲空気中で創出されるが、条件を考 慮して選択された供給ガスを多数の開放ノズル65を通して放散させることによ り、オゾンの濃度に比して活性種63の局部的濃度を高める。かくして、殺菌は 、有害なオゾンガスではなく、中空のRF励起電極61内へ導入された任意の供 給ガスから誘導された活性種によって行われる。 放散ノズル65は、いろいろな形態とすることができる。例えば、電極ブロッ ク61の中空セクション内に複数の個別ノズル管を挿入した構造のものとするこ とができる。電極ブロック61の中空セクションは、電極ブロック61とは異な る素材であってもよく、同じ素材であってもよい。これらの管は、交換を容易に するために電極ブロック61に螺入させるようにしてもよい。個々のノズルの代 表的な口径は、0.038〜0.102cm(0.015〜0.040”)の範 囲である。 この放電構成の利点は、主として、放電ギャップ内に滞留させる被処理負荷の 滞留時間を容易に変更することができることに加えて、装置が簡単であることと 、連続作動ができることにある。 欠点は、通常、電極ブロック61及びコンベヤベルト62が共に侵蝕や分解作 用を受け易いことである。従って、電極61は、耐酸化性材料(例えば、タング ステン、モリブデン又はそれらの合金)で製造すべきである。コンベヤベルト6 2は、ステンレス鋼又はその他の任意の適当なニッケル被覆金属で形成すること ができ、冷却コイル77によって冷却することができる。 別法として、誘電材製の(絶縁性)コンベヤベルトを用いることができる。そ の場合、絶縁性コンベヤベルトを、反対極性電極として機能するああすされた、 流体冷却される静止金属ブロックに密に近接させて設置する。このコンベヤベル トは、電気的打抜け現象に耐性を有するものとすべきであり、弗素化、弗素化/ 塩素化、又は、弗素化/塩素化窒素含有炭化水素(例えば、デュポン社の製品) で製造すべきである。コンベヤベルトのためのその他の製造素材として、高融点 ポリイミドや、カルレズ(Kalrez)様合成材を用いることができる。カル レズとは、デュポン社製のポリイミドである。 図11、12、13及び14に、本発明による更に別の構成が示されている。 これらの構成は、本発明の方法を小口径の細長管状体にほぼ専用として適用する ためのの実施形態であり、特に、2mm程度の小さい内径を有し、約1000m mの全長を有するファイバーオプティックス用管状体、例えば内視鏡、プロトス コープ、血管鏡又は気管支鏡等の処理及び殺菌に向けられたものである。 細長チャンバー91の外壁は、主として非金属材(例えば、ガラス又はセラミ ック)で形成されるが、金属/非金属複合構造体で構成することもできる。チャ ンバー91は、殺菌又は処理すべき医療器材である細長管状体94の外径の最小 限1.5倍の内径を有する。小口径の細長管状体94は、その内外両表面を処理 又は殺菌しなければならない。細長チャンバー91の両端は、ガス透過性である が、微生成物不透過性の膜(例えば、タイベックで形成された膜)99で気密に 閉鎖される。この構成は、殺菌すべき管状体94の内外両面を被っての活性プラ ズマの動的流れを保証し、かつ、殺菌処理後も、又長期の保管中も管状体94の 滅菌状態を保証する。 管状体94の内外両表面の殺菌又は処理を行うには、それを裸で又はガス透過 性の細長袋内に密封した状態でチャンバー91内に装入する。次いで、チャンバ ー91の両端を膜99で閉鎖する。 次に、チャンバー91を、図1に示されたような適当なRFエネルギー源13 に両端子を接続した励起コイル92(図11)内に挿入する。 別の実施形態として、チャンバー91を、図1に示されたような適当なRFエ ネルギー源に両端子を接続した容量性プレート93と93(図12)の間のエア ギャップ内に挿入してもよい。 更に別の実施形態として、チャンバー91を、図3に示されたような適当なマ イクロ波エネルギー源18に両端子を接続したマイクロ波キャビティ16(図1 3)に密に近接して配置してもよい。 チャンバーが金属/非金属複合構造体である場合は、図11、12、13に示 された各エネルギー源をチャンバーの非金属部分を介して該チャンバーに結合さ せる。 図11、12、13に示された各構成において、細長チャンバー91の一端は 、ガス送給及びモニター系統(図示せず)に真空密フランジを介して仮接続され 、該チャンバーの他方の自由端は、ガス吸引ポンプ系統(図示せず)に真空密フ ランジを介して仮接続される。 殺菌又は処理サイクルが終了したならば、ガス流及びエネルギー源をオフにし て、チャンバー91をエネルギー源及び真空密フランジから外し、小口径管状体 94の将来の使用のためにチャンバーごと保管する。 実用上の便宜のために、複数のチャンバー91を電気的に並列にRF又はマイ クロ波放電のためのフックアップ(接続器)に接続することができる。 チャンバー91の周りに、例えば図14に示されるように冷却ジャケット95 を設けることができる。励起コイル92(図11)又は容量性プレート93(図 12)は、必ずしも管状体94をその全長に亙って囲繞する必要はない。管状体 94は、励起コイル92又は容量性プレート93内に部分的に収容してもよく、 あるいは、全く収容しなくともよい。 図1〜14に示された各装置を用いて効率的に殺菌を実施するのに適した作動 パラメータの具体的な例を以下に記する。以下の例に用いた特定の反応チャンバ ー及びそれに対応する構成は、添付図の図番によって示されている。 ただし、どの例においても使用された技法は、殺菌すべき器材を反応チャンバ ー内に直接装入するか、あるいは、タイベック/ポリエチレン袋内に包装してそ の袋を反応チャンバー内のワイヤバスケット内に入れる方法であった。 殺菌の有効性を検証するために用いた試験材は、3Mカンパニーから販売され ている「Attest」バイアル(薬ビン)、又は、アメリカン・ステリライザ ・カンパニーから販売されている「Spordex」バクテリア試験ストリップ であった。各「Attest」バイアル又は「Spordex」の包みには、1 ストリップ当り1×106個未満のB.subtilis v.niger(バ チルス属サブチリスニジェール変種)の原胞子固体数を、より一般的には1スト リップ当り2.2〜4.0×106個の胞子固体数を有するバクテリアストリッ プが入っていた。透過性プラスチックバイアル内に収容されたストリップは、殺 菌処理前はそれらのバイアル内に収容されていた培養液には接触させなかった。 これらのバイアルは、プラズマ殺菌中、タイベック/ポリエチレン袋内に入れて 、殺菌すべき器材のそばに沿えて置いた。タイベック/ポリエチレン袋は殺菌プ ロセス中終始密封しておいた。 どの例においても、袋内に包装された器材をチャンバー内に装入し、チャンバ ーをまず初期低圧レベルにまで排気した。次いで、チャンバー内に適当なガスを 充填した後、放電を開始させた。ガスは、チャンバー内に定常殺菌厚を設定する ために制御された流量で引き続きチャンバーを通して通流させた。放電の開始は 、先に述べたようにRF又はマイクロ波電力を印加することによって行った。そ の放電を制御された一定時間維持した後、電源をオフにしてチャンバーを排気し 、バクテリア捕捉フィルタを通してチャンバー内に空気を裏込めし、その後チャ ンバーを開放して中の被検サンプルを取り出した。このプロセス中のチャンバー 内の温度は、イオンコンスタンタン、タイプJの熱電対回路によって検出し、ア ナログ温度計によってモニターして、70°C未満、より一般的にはほぼ25° C〜65°Cの範囲に維持した。 これらの試験の後、「Attest」バイアル内の胞子ストリップを自蔵の培 養液に接触させ、72時間保温(培養)した。この培養時間の経過後、微生物繁 殖の有無は、培養液の色の変化によって表示される。別法として、これらの胞子 ストリップを独立した試験所へ寄託した。この試験所は、100ミリリットルの 無菌脱イオン水を無菌旋回パック袋内に入れた各サンプルストリップ(胞子スト リップ)に添加する方法を用いて各サンプルストリップ(胞子ストリップ)につ いてトータルプレートカウント法を実施した。次いで、この袋を実験用ブレンダ ー内に10分間入れた。1つの10ミリリットルのサンプルアリコートと、同じ サンプルの1つの1ミリリットルのアリコートと、2つの10-1稀釈液をトリプ シン大豆寒天培養基を用いてプレート上に載せた。次いで、それらのプレートを 30°C〜35°Cの温度で72時間保温(培養)した。この保温培養後、各プ レートを検査して記録し、その結果をコロニー(細菌集落)形成ユニット(CF U)法に基づいて算出した。 例 1 金属製チャンバーと、冷却手段なしの内側有孔円筒体(図4) ガス: O2(純粋) 流量: 20cc/分(標準状態) 圧力: 0.3Torr 電力密度: 0.050W/cm3 露呈時間: 60分 温度: 66°C 得られた微生物カウント: <10CFU(カウント技術の感度限度以下) 殺菌率: 99.9999% 金属製チャンバーの寸法: 奥行20.3cm×長さ20.3cm (8”D×8”L) 例 2 金属製チャンバーと、冷却手段なしの内側有孔円筒体(図4) ガス: O2(純粋) 流量: 20cc/分(標準状態) 圧力: 0.3Torr 電力密度: 0.050W/cm3 露呈時間: 60分 温度: 32°C 殺菌率: 全殺(100%) 金属製チャンバーの寸法: 奥行20.3cm×長さ20.3cm (8”D×8”L) 例 3 パイレックス製チャンバーと、冷却手段付き内側有孔円筒体(図1) ガス: O2/CF4(8%) 流量: 36cc/分(標準状態) 圧力: 0.35Torr 電力密度: 0.050W/cm3 露呈時間: 60分 温度: 34°C 得られた微生物カウント: <10CFU(カウント技術の感度限度以下) 殺菌率: 99.9999% パイレックス製チャンバーの寸法: 奥行20.3cm×長さ20.3cm (8”D×8”L) 例 4 金属製チャンバーと、2つの冷却手段付き内側有孔円筒体(図6) ガス: O2 流量: 20cc/分(標準状態) 圧力: 0.3Torr 電力密度: 0.050W/cm3 露呈時間: 60分 温度: 76°C 殺菌率: 全殺 金属製チャンバーの寸法: 奥行20.3cm×長さ20.3cm (8”D×8”L) 例 5 金属製チャンバーと、2つの冷却手段付き内側有孔円筒体(図6) ガス: O2 流量: 36cc/分(標準状態) 圧力: 0.35Torr 電力密度: 0.050W/cm3 露呈時間: 60分 温度: 36°C 得られた微生物カウント: <10CFU 殺菌率: 99.9999% 金属製チャンバーの寸法: 奥行20.3cm×長さ20.3cm (8”D×8”L) 例 6 パイレックス製チャンバーと、冷却手段付き内側有孔円筒体(図1) ガス:He(59.85%)/O2(39.90%)/CF4(0.25%) 流量: 48cc/分(標準状態) 圧力: 0.35Torr 電力密度: 0.050W/cm3 露呈時間: 60分 温度: 31°C 得られた微生物カウント: <10CFU 殺菌率: 99.9999% パイレックス製チャンバーの寸法: 奥行20.3cm×長さ20.3cm (8”D×8”L) 例 7 金属製チャンバーと、2つの冷却手段付き内側有孔円筒体(図6) ガス: O2(60%)/He(40%) 流量: (合計)42cc/分(標準状態) 圧力: 0.35Torr 電力密度: 0.050W/cm3 露呈時間: 60分 温度: 32°C 得られた微生物カウント: <10CFU 殺菌率: 99.9999% 金属製チャンバーの寸法: 奥行20.3cm×長さ20.3cm (8”D×8”L) 例 8 パイレックス製チャンバーと、冷却手段付き内側有孔円筒体(図1) ガス: O2(純粋) 流量: 25cc/分(標準状態) 圧力: 0.35Torr 電力密度: 0.015W/cm3 露呈時間: 30分 温度: 26°C 殺菌率: 全殺 パイレックス製チャンバーの寸法: 奥行20.3cm×長さ20.3cm (8”D×8”L) 例 9 パイレックス製チャンバーと、冷却手段付き内側有孔円筒体(図1) ガス: O2(純粋) 流量: 25cc/分(標準状態) 圧力: 0.35Torr 電力密度: 0.015W/cm3 露呈時間: 30分 温度: 83°C 殺菌率: 全殺 パイレックス製チャンバーの寸法: 奥行20.3cm×長さ20.3cm (8”D×8”L) 以下の各例では、初期胞子固体数を4×106胞子/ストリップとした。 例 10 マイクロ波放電と、金属製の内側有孔遮蔽ディスク(図3) ガス: ヘリウム/アルゴン(50%/50%、容積%) 流量(合計): 80cc/分(標準状態) 圧力: 0.40Torr 電力密度: 0.015W/cm3 露呈時間: 90分 温度: 29°C 得られた微生物カウント: 1.7×102CFU 殺菌率: 99.9993% パイレックス製チャンバーの寸法:奥行15.2cm×長さ25.4cm (6”D×10”L) 例 11 マイクロ波放電と、金属製の内側有孔遮蔽ディスク(図3) ガス: O2(純粋) 電力密度: 0.015W/cm3 流量: 30cc/分(標準状態) ※30cc/分(標準状態) 圧力: 0.20Torr ※0.22Torr 露呈時間: 20分 ※45分 得られた微生物カウント: 5.8×105CFU ※<10 温度: 24°C〜30°C 殺菌率: 77.6923% ※99.9999% パイレックス製チャンバーの寸法:奥行15.2cm×長さ25.4cm (6”D×10”L) ※印は、アメリカン・テキスタイル社製の二重バリヤー布に包装されたサンプル を示す。 例 12 パイレックス製チャンバーと、2つの冷却手段なしの内側有孔円筒体(図2) ガス: O2 流量: 70cc/分(標準状態) 圧力: 0.275Torr 電力密度: 0.016W/cm3 露呈時間: 45分 温度: 92°C 殺菌率: 全殺 パイレックス製チャンバーの寸法: 奥行22.86cm×長さ33.02cm (9”D×13”L) このサンプルは、医療器具向上協会(AAMI)のガイドラインに従って設定 された標準試験パックであった。 例 13 パイレックス製チャンバーと、2つの冷却手段付き内側有孔円筒体(図2) 温度: 54°C 他の実験条件は例12と同じ。 殺菌率: 全殺 このサンプルは、AAMIのガイドラインに従って設定された標準試験パック であった。 例 14 パイレックス製チャンバーと、2つの冷却手段なしの内側有孔円筒体 ガス: O2 流量: 70cc/分(標準状態) 圧力: 0.275Torr 電力密度: 0.014W/cm3 露呈時間: 30分 温度: 85°C 殺菌率: 全殺 パイレックス製チャンバーの寸法: 奥行22.86cm×長さ33.02cm (9”D×13”L) 例 15 パイレックス製チャンバーと、冷却手段付き内側有孔円筒体(図1) 温度: 54°C パイレックス製チャンバーの寸法: 奥行22.86cm×長さ33.02cm (9”D×13”L) 他の実験条件は例14同じ。 殺菌率: 全殺 例 16 パイレックス製チャンバーと、冷却手段付き内側有孔円筒体(図1) 露呈時間: 2 1/4時間 温度: 54°C パイレックス製チャンバーの寸法: 奥行22.86cm×長さ33.02cm (9”D×13”L) 他の実験条件は例14同じ。 殺菌率: 全殺 例 17 パイレックス製チャンバーと、冷却手段なしの内側有孔円筒体 ガス: O2(500ppmのH2O含有) 流量: 70cc/分(標準状態) 圧力: 0.275Torr 電力密度: 0.015W/cm3 露呈時間: 20分 温度: 61°C 殺菌率: 全殺 パイレックス製チャンバーの寸法: 奥行22.86cm×長さ33.02cm (9”D×13”L) 例 18 パイレックス製チャンバー(9”D×13”L)と、冷却手段なしの金属製内 側有孔円筒体(図1) ガス: ドライ及び含水酸素、窒素及びアルゴン(H2Oレベル:300ppm ) 流量: 100cc/分(標準状態) 圧力: 0.280〜0.300Torr RF電力密度:0.020W/cm3 温度: 38°C〜57°C 1実験当りのサンプルサイズ: 密封タイベック/ポリエチレン袋内に包装され た10個の3M「Attest」バイアル、各 バイアル内には4×106胞子/ストリップ( 4×106個の胞子を有するストリップ)が収 容されている。 例 19 パイレックス製チャンバー奥行22.86cm×長さ33.02cm(9”D ×13”L)と、冷却手段付き金属製内側有孔円筒体(図1) ガス: O2 流量: 100cc/分(標準状態) 圧力: 0.280Torr RF電力密度:0.020W/cm3 露呈時間: 70〜105分 温度: 50°C サンプル: a.長さ61cm(24”)、内径11mm、肉厚2mmのPVC 管状体 b.長さ61cm(24”)、内径0.48cm(3/16”)、 肉厚0.16cm(1/16”)のシリコーンゴム管状体 胞子ストリップを上記管状体の中間部分内にその自由端からほぼ45.7cm (18”)のところに装入した。この管状体をU字形に曲げてタイベック/ポリ エチレン袋内に入れて密封し、プラズマ殺菌試験にかけた。 殺菌率: 全殺 例 20 パイレックス製チャンバー奥行22.86cm×長さ33.02cm(9”D ×13”L)と、冷却手段付き金属製内側有孔円筒体(図1) ガス: ドライ及び含水窒素−酸素混合物及びアルゴン−酸素混合物(O2:5 〜15%);(H2Oレベル:300ppm) 流量: 100cc/分(標準状態) 圧力: 0.275〜0.300Torr RF電力密度:0.020W/cm3 温度: 34°C〜53°C 1実験当りのサンプルサイズ: 密封タイベック/ポリエチレン袋内に包装され た10個の3M「Attest」バイアル、各 バイアル内には4×106胞子/ストリップが 収容されている。 本発明の幾つかの実施形態は、過酸物質の蒸気を減圧下で電気放電に露呈させ ることによって創生される中性活性種に依存している。ここに開示した本発明の 装置及び方法は、過酸化水素又は過酢酸の蒸気からプラズマを創生するためにR F又はマイクロ波エネルギーを用いて、一般に、上述した各例に従って作動する ことができる。 プラズマを発生させる前に予備調整(予備コンディショニング)工程を実施す ることができる。その場合、殺菌すべき器材をまず最初に過酢酸又は等価過酢酸 先駆物質の蒸気に露呈する。その後、過酢酸蒸気をプラズマ発生のための先駆物 質として用いることができる。荷電種が殺菌すべき器材と直接接触するのを回避 するために、該器材とプラズマの間に有孔金属ケージ(籠)又はプレートのよう な電気遮蔽体を配置する。 高残留過酢酸か、又は高残留過酸化水素で過酢酸(PAA)溶液を調整するこ とができる。どちらにしても、過酢酸が、通常60°Cの非分解温度で蒸発せし められる。流体導管は、過酢酸の蒸発温度より僅かに高い温度、通常約65°C より低い温度に維持すべきである。比較対照として言えば、過酸化水素は、74 °Cの温度で蒸発せしめられるので、流体導管は約77°Cの温度に維持すれば よい。流体導管は、理想的には、選択された過酢酸の蒸発温度より約3°C高い 温度に維持すべきである。 図15は、断面ほぼ長方形の筒形外側チャンバー殻体又はライナー111内に 構成された本発明のRF式殺菌器110を示す。内側チャンバー殻体又はライナ ー112が、外側殻体111と同心的に設けられ、RF発生器(RF電源又はR Fエネルギー源)113のアース側に接続されている。かくして、内側殻体11 2は、この装置のためのアースされた電極として機能する。内側殻体112の内 表面は、サンドブラストなどによって粗面化されている。内側殻体又はライナー 112及び後述する内側電極112によって画定される殺菌チャンバー120, 126及びその内容物は、熱交換媒体を内側ライナー112の外周のコイル11 4、又は、ライナー111と112の間の空間115を通して通流させることに より予備加熱することができる。後部フランジ116と前部フランジ118の間 に絶縁材(図示せず)を受容するための空間が設定される。プラズマは、アース された殻体112と電源113のアースされていない側に接続された内側電極1 22との間の環状空間120内に創生される。内側殻体112と内側電極122 との間の環状空間120内にセラミック製スペーサ124が配置されている。内 側電極122は、中性ガス種又は蒸気を透過させるが、荷電プラズマ種を透過さ せないように選定された多数の孔を有する有孔電極である。従って、有孔内側電 極122は、ファラデーケージとみなすことができる。 図16は、殺菌器110をシステム内に組み入れた構成を示す。プログラム可 能論理制御器(PLC)124が、ケーブル125を介して電源113及び図に 示されるようにシステムの他の機器に接続されている。システムの各機器間の流 体の流れは導管126によって搬送される。先駆物質の蒸気は、供給源127か ら殺菌器の内側殻体112と内側電極122との間の環状空間120内へ、そし てそこから有孔内側電極122の内部空間126(図1参照)へ供給される。先 駆物質の蒸気は、内側電極122の外周面の周りに配設された複数のガス放散管 128を通して分配される。蒸気流は、制御器124によって開閉される制御弁 128を介して送られる。液体殺菌剤先駆物質は、供給源127に組合わされた 加熱器127によって蒸発せしめられ、制御器124によって適当に循環される 。 やはり制御器124によって制御されるポンプ130は、冷却剤を内側電極1 22の外周に取り付けられたコイル114を通して循環させる。チャンバー12 0,126内の圧力は、真空ポンプ135及びそれに連結された制御弁137の 作動によって調節される。真空ポンプ135及び制御弁137は、制御器124 によってオン・オフされる。制御器124へ入力信号を供給するための複数の圧 力センサー及び温度センサー(図示せず)が殺菌器110内の適所に配置されて いる。 ドエル(保温及び、又は保圧)予備調整工程又は段階は、1サイクル当りに要 する殺菌剤先駆物質の量を少なくさせることを可能にする。予備調整工程は、又 、システムの殺菌効率にとっても有益であると考えられる。図15、16を参照 して説明すると、予備調整工程は、下記の操作から成る。 1.チャンバー殻体111,112及び内側電極122を所定温度(50℃程 度)にまで加熱する。 2.真空ポンプ135を作動させて基本圧力(通常、500μmHg)を設定 する。 3.PLC124に関連させた圧力制御器140を選択された第1設定値(低 設定値)(通常、2Torr)に調節し、蒸気(通常、過酸化水素又は過酢酸)を放 散管128を通して導入し、この第1設定値を達成する。 4.チャンバー120,126内の圧力が第1設定値で均衡したならば、圧力 制御器140に第2設定値(高設定値)(通常、6.05Torr)を与え、この第 2設定値を達成するために制御器124を作動して制御弁137を調節する。 5.チャンバー内の圧力が第2設定値で均衡した後、任意の選択されたドエル 時間経過後、圧力制御器140に第3設定値(ほぼ第1設定値と同じか、それよ り低い、例えば2Torr)を与え、この第3設定値を達成するために制御器124 によって真空ポンプ135への制御弁137を調節する。 6.所定時間の間上記操作4と5を反復することができる。 7.上記所定時間経過後、圧力制御器140によりプラズマ処理のための作動 圧力設定値(通常、600μmHg)を設定する。 8.作動圧力設定値が達成されたならば、電源113を作動させて空間120 内にプラズマを発生させ、所定のサイクル時間の間プラズマを維持する。 例 21 本発明の殺菌方法における過酸化水素及び過酢酸溶液の殺菌効力を一連の統計 データ取得実験の一環として検証した。 AAMI EO試験パック:改変AAMI標準EO試験パックを準備し、本発 明による殺菌処理を実施するためにそのパックのグラシン包装紙からBIストリ ップを取り出した。各シリンジ(注射器に用いられるような筒体)3つのストリ ップを挿入し、シリンジの大径端を標準ゴム栓で閉鎖した。1つのMDT Bi osign CLBI(結果は不合格分数で表される)を入れた第2のシリンジ を準備した。これらのシリンジを互いに近接して並べ、AAMI EO試験パッ ク基準に従ってハッカバックタオルにくるんだ。この組立体全体をバクスタ社製 の「Tower Dual−Peel」紙−プラスチック剥離フィルム袋(19 cm×33cm)内に入れ、ヒートシールによって密封した。 統計学的実験手法:この例は、実験技術の標準統計学的手法に従った田口式と グレコーラテン スクエア式実験手法の両方に基づいている[CSS:Stat istica,StatSoft,Tulsa,OK]。これらの実験手法は、 4つの別個のレベルに関して4つのパラメータの変更(グレコーラテン スクエ ア式)と、4つの別個のレベルに関して5つのパラメータの変更(田口式L’1 6手法)を可能にした。得られたデータ(対数変換で表されたもの)を分析し、 各パラメータレベル毎に各パラメータの平均値を算出した。又、このデータの統 計学的有効性を評価するANOVA及び(還元対露呈時間の)相関関係のデータ も得た。 実験:すべての実験において、それらの試験パックをオーバーラップさせた( 部分的に重ねた)状態に(紙袋と紙袋をオーバーラップさせ、プラスチック袋と プラスチック袋をオーバーラップさせた状態に)長方形の殺菌チャンバー(図1 5)内に装入した。これらのパックは、それらの袋及びそれらを受容する上述し たバスケットのサイズに応じて必要なだけオーバーラップさせた。上記の配置で は、オーバーラップの寸法は各パックの幅の最大限約2/3であった。これらの パックをチャンバーのほぼ中央に入れ、バスケットの前端から後端までの領域を 占めるように装入した。 RFが印加されなかったケースにおいて、サイクルが完了した後、上記ストリ ップを無菌残留中和溶液に10分間浸漬させ、次いで、無菌水に更に10分間浸 漬させた。過酸化水素の場合は、燐酸塩緩衝液に溶解させたカタラーゼを中和溶 液とし、過酢酸の場合は、〜5μMチオ硫酸ナトリウムを中和溶液とした。 これらの実験で得られたプロセス変数は、RFオン・オフのタイミング、基本 圧力(初期真空ポンプ引き時において負荷(被試験パック)が受ける最低圧力) 、プロセス圧力(プラズマが実際に創生維持される圧力)と、露呈時間(プラズ マ局面のみの予備調整は、変動パラメータ欠如で30分に固定された)と、殺菌 剤先駆物質(過酸化水素及び過酢酸)と、表示生物体及びロットであった。プラ ズマ励起周波数は、5kWの電力レベルで終始40kHzとした。 結果: 得られた結果は、各所与の実験手法において各パラメータ毎に平均値として個 別に示した。これらの結果に基づいて、各プロセスパラの最適値を選択すること ができる。 基本圧力 基本圧力とは、ドエル予備調整工程を開始する前にシステムを真空真空ポンプ 引きしておく初期圧力のことである。100、200、250、300、400 及び500μmHg、及び、1及び1.5Torrの各基本圧力における殺菌効力に ついてデータを採った。 グレコーラテン スクエア式実験の組においては、100、200、300及 び400μmHgの各基本圧力についてデータを採った。Bstmのためのこれ らの基本圧力の平均対数変換値は、それぞれ、2.45、1.99、3.08及 び3.26 logであった。これらのデータは、400μmHgの基本圧力が 最良の効力を発揮したことを示唆している。しかしながら、Bstmのための統 計学的分析は、それほど明確なものではなく、基本圧力のF値は1.41であり 、P値は0.26であった。しかし、Bgに関しては、それらの結果は、統計学 的に好都合なものであり、基本圧力のF値は15.2であり、P値は0.000 002であった。Bgの結果は、400μmHgが試験された組(ロット)にお いて最良の効力を発揮する基本圧力であったことを確認した。即ち、100、2 00、300及び400μmHgの各基本圧力の平均対数変換値は、それぞれ、 3.28、4.64、3.30、及び5.64 logであった。 田口式実験の組においては、最良の結果は、500μmHgと1.5Torrの基 本圧力において認められた。1Torrの基本圧力においては、効力の低下がみられ た。基本圧力の実際の平均対数変換値は、それぞれ、250μmHgで1.83 log、500μmHgで2.67 log、1Torrで1.7 log、及び 1.5Torrで2.59 logの対数変換値であった。殺菌効力のこの低下の理 由は、おそらく、殺菌効力を高める作用と、阻害する作用の2つの競合する作用 (即ち、空気の除去と、生体負荷(この例では胞子)の脱水)があるからであろ う。真空度を高めれば、空気除去率を改善するとともに、胞子の脱水率を高める ことができる。胞子に対する真空引きによる脱水が多段階に行われる場合は、空 気除去率の増大が殺菌剤の浸透及び効力の増大を可能にするまでは、殺菌プロセ スに対する胞子の抵抗は増大する。これらの実験結果は500μmHgと1.5 Torrとでは実質的に同じであるが、500μmHgの低い方の基本圧力の法が好 ましい、なぜなら、低い圧力の方が、ドエル予備調整工程の前の空気除去操作を 容易にするからである。 先駆物質:過酢酸(5%の濃度のものと15%の濃度のもの)及び過酸化水素 (50%の濃度のものと70%の濃度のもの)の両方を試験した。いずれの先駆 物質(過酢酸又は過酸化水素)についても、その濃度が低い方が、高い場合より 効力が小さいことが確認された。15%の濃度の過酢酸及び70%の濃度の過酸 化水素についての平均結果は、それぞれ、平均対数変換値で2.8 log、3 .1 logであった。ただし、この試験シリーズでは、過酢酸を過酸化水素の 場合と同じ温度(74°C)で試験した。この温度では、過酢酸は、かなり迅速 に分解する。従って、直接の比較は、60°Cに設定された過酢酸蒸発温度(例 22参照)で行った。 プラズマ圧力:田口式L’16手法による実験は、そのパラメータの1つとし て基本圧力の変更を含むものであった。用いられた値は、500、600、70 0及び800μmHgであった。この実験組の分析は、600μmHgのプラズ マ圧力がプロセスにとって最も効力が高く、その平均対数変換値は3.55 l ogであることを示した。500、700及び800pmHgのプラズマ圧での 平均対数変換値は、それぞれ、1.58 log、0.9log及び2.76l ogであった。このデータのANOVA分析は、F値が18.55であり、P値 が小数点以下0〜6桁の数値であってこのデータが統計学的に有効であることを 示した。これらのデータに基づいて、600μmHgが、サイクルプロセス圧力 として好ましいと判断される。 RF:このシリーズの実験は、プロセスに殺菌剤先駆物質だけが用いられたと きの殺菌率に比べて、プラズマの存在による殺菌率の向上を実証した。田口式L ’16手法による実験のデータ組は、RFをオフにした場合0.2 logの平 均対数変換値を示したのに対し、RFをオンにした場合は4.35 logの平 均対数変換値を示した。この結果は、又、グレコーラテン スクエア式手法によ る実験データ組によっても確認された。後者の実験では、RFをオフにした場合 Bstmの平均対数変換値は1.13であったのに対し、RFをオンにした場合 の平均対数変換値は4.26であった。Bgについては、RFオフの場合の平均 対数変換値は3.10であったのに対し、RFオンの場合の平均対数変換値は5 .33であった。 露呈時間:田口式L’16手法による実験組においては、40、50、60、 及び70分の露呈時間で試験が行われた。合理的な近似値内では、対数変換値は 、実質的に直線上に位置する(相関係数0.9559)。この傾向は、グレコー ラテン スクエア式手法による実験組のBg殺菌率についても観察された(相関 係数0.965)。その実験組のBstmに関しては、近似log−直線状動力 学が観察された(相関係数0.9643)。これらの分析(最適条件下でなされ たわけではないが)から得られたD値は、Bstmに関しては10.53〜10 .87の範囲であり、7.87であった。 例 22 AAMI標準EO試験パックを5kWの電力で40kHzの励起周波数によっ て誘導されたプラズマに45分間露呈することによって、15%の濃度の過酢酸 と70%の濃度の過酸化水素との直接比較を実施した。即ち、4つのAAMI標 準EO試験パックを両方の殺菌剤先駆物質(過酢酸と過酸化水素)のそれぞれに ついて試験した。この試験は、低設定値2Torr高設定値6.05Torrとした30 分間の予備調整工程を用いて、基本圧力を100μmHgとし、600μmHg のプラズマ圧力で露呈時間45分間として実施した。BIストリップ (Bst m,胞子固体数106個、MDTロット601)にはグラシン包装紙を用いなか った。過酢酸は60°Cの温度で蒸発させたのに対し、過酸化水素の蒸発温度は 74°Cとした。この実験組では、70%の濃度の過酸化水素と15%の濃度の 過酢酸は、抗力において実質的に同等である(5.43の平均対数変換値対50 57の平均対数変換値)ことが認められた。 殺菌負荷が装入されている空間内でプラズマを発生させるようにした殺菌器で は、負荷を殺菌にとって望ましい活性プラズマ種だけでなく可視赤外線(紫外線 )にも露呈させる。プラズマ殺菌プロセスは非常な低圧で実施する。プラズマと それによって加熱された表面の両方からの放射熱が、負荷をその負荷に適する温 度より高い温度に加熱してしまうことがある。この点、プラズマを発生させる場 所(例えば、殺菌器の内側表面のうちプラズマ反応帯域を画定する部分)に近接 した部位に凹凸表面(粗面)を設けることが、一般に、負荷の加熱を抑制する上 でも、殺菌器内に定常温度を設定する上でも効果があることが分かった。 反応器(殺菌器)の粗面は、ドライ殺菌処理に利用し得る活性種の定常濃度に 明白な影響を及ぼすことが認められた。この作用は、いろいろな種類のガス状及 び蒸気状殺菌先駆物質を用いたプロセスにおいて観察された。試験される範囲内 で殺菌器の内側表面の粗面度を高めると、一般に、プラズマ発生帯域内における 活性種の定常濃度を高めるとともに、本発明の教示によって有利であるとされた 無グローの、実質的に無電界の殺菌帯域に到達するために有孔遮蔽体を透過する 中性活性種の定常濃度を高める。 上述した本発明のどの実施例によるプロセスにおいても、好ましくはプラズマ が創生されている間、プラズマに接触する粗面を呈するように装置の構造を改変 することによってプロセスの効果を一層増大することができると考えられる。 例 23 図16に示されるようなシステムにおいて例21に規定された条件下で幾つか の殺菌サイクルを実施した。殺菌器として、図16に示されたタイプの殺菌器を 用いた。殺菌チャンバー即ち反応チャンバーを画定する内側殻体は、316SS Tで製造した。この素材を220〜300粒度のグリットで研磨した後、内側殻 体の内側表面を粗面とするために、551,600ニュートン/m3〜689, 500ニュートン/m3(80〜100psig)で#46酸化アルミニウムグ リットによってブラスト処理した。 これらの試験は、このように粗面化された殻体112の内側表面は、研磨仕上 された内側表面を用いて実施された同様な対照サイクルに比して、殺菌効力を高 めることを実証した。これらの試験は、又、このように粗面化された殻体112 の内側表面は、同じ条件下で同じ露呈時間を用いた場合、研磨仕上げされた内側 表面を用いて実施された同様な対照サイクルに比して、負荷の温度を低くする働 きを有することを実証した。 具体的にいえば、粗面チャンバー(粗面化された表面を有するチャンバー)の 場合、圧力0.600Torr、供給ガス15%の濃度の過酢酸蒸気、RF電力密度 0.031W/cm3、RF周波数40kHz、露呈時間90分のプロセス条件 で、負荷温度は、研磨チャンバー(研磨された表面を有するチャンバー)の場合 の70°Cから57°Cにまで低下した。このことから、粗面チャンバーは、プ ラズマグローから放射エネルギーを吸収すると考えられる。従って、プラズマグ ローは、活性殺菌種が非放射性減衰を受けるほどに容易に負荷へ移動しないよう な条件下で活性殺菌種を創出するプラズマ化学反応を選択するのに利用すること ができる。 図4及び5に示されたるような構造であるが、SST304(ステンレス鋼合 金)又は60601T6(アルミニウム合金)製の粗面化円筒形チャンバーイン サートを備えた反応チャンバーを用いて、幾つかの殺菌サイクルを実験した。チ ャンバーインサートは、添付図に参照番号21で示された円筒形外殻に代えて用 いられた。これらの実験殺菌サイクルは、表面の粗面化も、チャンバーの素材も プロセス効力に影響を及ぼすことを実証した。以下の表は、チャンバーへの供給 ガス流入流量250cc/分(標準状態)、反応圧力0.650Torr、RF電力 密度0.097W/cm3で酸素プラズマを用いてAAMI標準EO試験パック (負荷)について実験した結果を示す。使用された胞子ストリップは、1ストリ ップ当り初期固体数4×106個のB.subtilis v.nigerを有 する胞子ストリップであった。露呈時間は105分とし、最終処理温度は60° Cであった。 これらのサイクルにおいてSST内張りチャンバーは、アルミニウム内張りチ ャンバーより相当に高い効力を示した。又、グリット粒度の作用も明らかであり 、180のグリット粒度による粗面が最良の結果を示した。180のグリット粒 度より粗い粒度のものも、細かい粒度のものも、成績が劣っていた。 本発明の好ましい装置は、放電を閉じ込めるように構成されたガス密閉チャン バーを有する。このチャンバーの、プラズマに接触する部分は、粗面化された表 面とする。本明細書で用いられた「粗面化」と用語は、冷間圧延などによって一 般に行われている研磨仕上げや、表面に変化を与えないフライス仕上げと比較し ての用語である。物品(被殺菌負荷)収容帯域(殺菌帯域)は、放電から実質的 に中性の活性種を受け取るように配置され、実質的に中性の活性種に対しては透 過性であるが、荷電種に対しては不透過性であるバリヤー構造体(遮蔽体)が、 殺菌帯域と放電帯域との間に配置される。このバリヤー構造体は、代表的な例で は図15に示されるような有孔内側電極であって第1電極を構成し、チャンバー が第2電極を構成し、第1電極と第2電極とで放電を開始させる手段を構成する 。 第2電極(チャンバーの壁)の一部分は、該部分の素材の不改変フライス表面 仕上げに比べて荒い粗面化表面とする。ガス密閉チャンバーは、該ガス密閉チャ ンバーの内側表面によって一部を画定されたプラズマ反応帯域とする、又は、そ のようなプラズマ反応帯域を含むものとすることができる。その粗面化内側表面 は、場合によってはガス密閉チャンバーの全内側表面を含むものであるが、主と してステンレス鋼合金とアルミニウム合金から成る群から選択された金属で形成 することが好ましい。その他の金属も、有効であるが、使用するのに実用的でな かったり、不経済であったりする場合が多い。 上記粗面化部分は、酸化アルミニウムグリットによるサンドブラスト又はその 均等手段によって粗面化されるが、その目的に使用される正確な粗面化方法は、 選択事項であり、他のいろいろな化学的、物理的食刻方法を使用することも本発 明の範囲内である。現在好ましいと考えられるのは、約120〜300のグリッ ト粒度を有する酸化アルミニウムグリットでサンドブラストされた、又はそれと 同等に粗面化されたステンレス鋼表面である。約100psig(psiゲージ 圧)で約1〜2時間サンドブラストすれば、一般には、本発明の目的にとって有 効な粗面を与えるのに十分である。 例 24 図4及び5にに示されたような反応器(殺菌器)に、アースされた金属製の電 極インサートを設けた。これらのインサートは、いろいろなステンレス鋼合金又 はアルミニウム合金で製造した。これらのインサートにいろいろな異なる粗面を 施した場合の反応器の性能を比較するために、幾つかの殺菌サイクルを実施した 。幾つかの選択されたインサートに、120、180、250、300、450 及び600粒度の酸化アルミニウムグリットによって慣用のサンドブラスト処理 を施した。粗面を有するこれらのインサートは、研磨表面を有する同様のインサ ートに比べて優れた殺菌効力を発揮した。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.物品を殺菌するための殺菌装置であって、 実質的に中性の活性種を含む放電を閉じ込めるように構成されたガス密閉チャ ンバーと、 前記放電から実質的に中性の活性種を受け取るように配置された物品収容帯域 と、 該物品収容帯域と前記放電との間に配置された、前記実質的に中性の活性種に 対しては透過性であるが、荷電種に対しては不透過性であるバリヤー手段とから 成り、 前記チャンバーの、一部分は、該部分の素材の不改変フライス表面仕上げに比 べて荒い粗面化表面を有することを特徴とする殺菌装置。 2.前記バリヤー手段は第1電極を構成し、前記チャンバーは第2電極を構 成し、該第1電極と第2電極とで該チャンバー内に放電を開始させる手段を構成 し、 該第2電極の一部分は、該部分の素材の不改変フライス表面仕上げに比べて荒 い粗面化表面を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の殺菌装置。 3.前記ガス密閉チャンバーは、該チャンバーの内側表面によって一部を画 定されたプラズマ反応帯域を含み、該内側表面は、主としてステンレス鋼合金と アルミニウム合金から成る群から選択された金属で形成されていることを特徴と する請求の範囲第1又は2項に記載の殺菌装置。 4.前記第2電極の前記一部分は、酸化アルミニウムグリットによるサンド ブラスト又はその均等手段によって粗面化されていることを特徴とする請求の範 囲第1又は2項に記載の殺菌装置。 5.前記第2電極の前記一部分は、約120〜300のグリット粒度を有す る酸化アルミニウムグリットでサンドブラストされた、又はそれと同等に粗面化 されたステンレス鋼表面であることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の殺菌 装置。 6.負荷を殺菌するための方法であって、 該負荷を少くとも一部分が金属壁で形成されたガス密閉チャンバー内に装入す る工程と、 該チャンバーを実質的に低い圧力にまで排気し、殺菌性流体を蒸気又はガス相 で該チャンバー内へ導入する工程と、 予備調製段階中に前記負荷を前記殺菌性流体に露呈させる工程と、 前記チャンバー内で前記殺菌性流体に電気エネルギーを印加することによって プラズマを誘起させる工程と、 該プラズマを一定の制御された時間維持する工程とから成り、 前記チャンバーの内側表面の一部分は、前記負荷に接触する活性種の定常濃度 を増大させることができる粗面化表面であることを特徴とする殺菌方法。 7.前記プラズマは、前記チャンバーの内側表面に近接したところで開始さ れ、該内側表面は、それが形成されている素材の不改変フライス表面仕上げに比 べて荒い粗面化表面であることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の殺菌方法 。 8.前記内側表面は、主としてステンレス鋼合金とアルミニウム合金から成 る群から選択された金属で形成されていることを特徴とする請求の範囲第7項に 記載の殺菌方法。 9.前記内側表面は、酸化アルミニウムグリットによるサンドブラスト又は その均等手段によって粗面化されていることを特徴とする請求の範囲第7項に記 載の殺菌方法。 10.前記内側表面は、約120〜300のグリット粒度を有する酸化アルミ ニウムグリットでサンドブラストされた、又はそれと同等に粗面化されたステン レス鋼表面であることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の殺菌方法。 11.殺菌帯域に作動的に連結された反応帯域内に発生させたプラズマの活性 種に該殺菌帯域内で負荷を露呈するようにした殺菌方法において、 殺菌性流体を蒸気又はガス相で前記殺菌帯域へ導入する工程と、 予備調製段階中に前記負荷を前記殺菌性流体に露呈させる工程と、 前記チャンバー内で前記殺菌性流体に電気エネルギーを印加することによって プラズマを誘起させる工程と、 前記負荷を前記プラズマの活性種に接触させる前に、該プラズマを粗面化金属 表面に接触させる工程と、 から成る殺菌方法。 12.前記プラズマは、前記殺菌帯域を収容したガス密閉チャンバー内で電気 エネルギーを印加することによって発生されることを特徴とする請求の範囲第1 1項に記載の殺菌方法。 13.前記チャンバーは、アルミニウム又はステンレス鋼の表面によって画定 され、前記殺菌帯域は、プラズマの中性種に対しては透過性であるが、プラズマ の荷電種に対しては不透過性となるように構成された金属製の有孔遮蔽体によっ て画定されていることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の殺菌方法。 14.前記プラズマは、前記殺菌帯域からプラズマの中性種に対しては透過性 であるが、プラズマの荷電種に対しては不透過性となるように構成されたバリヤ ーによって分離された反応帯域内で発生されることを特徴とする請求の範囲第1 1項に記載の殺菌方法。 15.前記反応帯域は、前記殺菌帯域を囲繞する環状空間から成ることを特徴 とする請求の範囲第14項に記載の殺菌方法。 16.前記プラズマは、RFエネルギーを印加することによって誘起されるこ とを特徴とする請求の範囲第15項に記載の殺菌方法。 17.前記プラズマは、マイクロ波エネルギーを印加することによって誘起さ れることを特徴とする請求の範囲第14項に記載の殺菌方法。 18.前記バリヤーは、前記反応帯域と前記殺菌帯域の間に介設された有孔金 属プレートであることを特徴とする請求の範囲第17項に記載の殺菌方法。 19.前記負荷を予備調製段階中に殺菌剤先駆物質に露呈させ、その後、プラ ズマを発生させるために該先駆物質にエネルギーを印加することを特徴とする請 求の範囲第14項に記載の殺菌方法。 20.前記先駆物質は、主として過酸化水素溶液と過酢酸溶液から成る群から 選択されたものであることを特徴とする請求の範囲第19項に記載の殺菌方法。 21.プラズマを発生させるために前記殺菌剤先駆物質にエネルギーを印加す る前の予備調製段階中に前記負荷を該殺菌剤先駆物質に約10分〜約8時間露呈 させることを特徴とする請求の範囲第20項に記載の殺菌方法。 22.医療器材を殺菌するための方法であって、 該医療器材を少くとも一部分が金属壁で形成され、内部に金属製の内側有孔部 材を備えたガス密閉チャンバー内に装入する工程と、 該チャンバーを実質的に低い圧力にまで排気し、ガスを該チャンバー内へ導入 する工程と、 前記チャンバーと前記金属製の内側有孔部材との間にRFエネルギーを印加す ることによって該チャンバー内の前記ガス中に放電を開始して、プラズマを創生 する工程と、 該プラズマを一定の制御された時間維持する工程とから成り、 前記チャンバーの内側表面の一部分は、粗面化表面であり、前記金属製の内側 有孔部材は、前記チャンバー内に無電界、無グロー空間を創生する働きをし、前 記医療器材を該該無電界、無グロー空間内に装入することを特徴とする殺菌方法 。 23.前記プラズマは、前記チャンバーの内側表面に近接したところで開始さ れ、該内側表面は、それが形成されている素材の不改変フライス表面仕上げに比 べて荒い粗面化表面であることを特徴とする請求の範囲第22項に記載の殺菌方 法。 24.前記内側表面は、主としてステンレス鋼合金とアルミニウム合金から成 る群から選択された金属で形成されていることを特徴とする請求の範囲第23項 に記載の殺菌方法。 25.前記内側表面は、酸化アルミニウムグリットによるサンドブラスト又は その均等手段によって粗面化されていることを特徴とする請求の範囲第23項に 記載の殺菌方法。 26.前記内側表面は、約120〜300のグリット粒度を有する酸化アルミ ニウムグリットでサンドブラストされた、又はそれと同等に粗面化されたステン レス鋼表面であることを特徴とする請求の範囲第25項に記載の殺菌方法。 27.殺菌帯域に作動的に連結された反応帯域内に発生させたプラズマの活性 種に該殺菌帯域内で負荷を露呈するようにした殺菌方法において、 前記負荷を前記プラズマの活性種に接触させる前に、該プラズマを粗面化金属 表面に接触させることを特徴とする殺菌方法。 28.前記プラズマは、前記殺菌帯域を収容したガス密閉チャンバー内で電気 エネルギーを印加することによって発生されることを特徴とする請求の範囲第2 7項に記載の殺菌方法。 29.前記チャンバーは、アルミニウム又はステンレス鋼の表面によって画定 され、前記殺菌帯域は、プラズマの中性種に対しては透過性であるが、プラズマ の荷電種に対しては不透過性となるように構成された金属製の有孔遮蔽体によっ て画定されていることを特徴とする請求の範囲第28項に記載の殺菌方法。 30.前記プラズマは、前記殺菌帯域からプラズマの中性種に対しては透過性 であるが、プラズマの荷電種に対しては不透過性となるように構成されたバリヤ ーによって分離された反応帯域内で発生されることを特徴とする請求の範囲第2 7項に記載の殺菌方法。 31.前記反応帯域は、前記殺菌帯域を囲繞する環状空間から成ることを特徴 とする請求の範囲第30項に記載の殺菌方法。 32.前記プラズマは、RFエネルギーを印加することによって誘起されるこ とを特徴とする請求の範囲第30項に記載の殺菌方法。 33.前記プラズマは、マイクロ波エネルギーを印加することによって誘起さ れることを特徴とする請求の範囲第30項に記載の殺菌方法。 34.前記バリヤーは、前記反応帯域と前記殺菌帯域の間に介設された有孔金 属プレートであることを特徴とする請求の範囲第33項に記載の殺菌方法。 35.前記負荷を予備調製段階中に殺菌剤先駆物質に露呈させ、その後、プラ ズマを発生させるために該先駆物質にエネルギーを印加することを特徴とする請 求の範囲第30項に記載の殺菌方法。 36.前記先駆物質は、主として過酸化水素溶液と過酢酸溶液から成る群から 選択されたものであることを特徴とする請求の範囲第35項に記載の殺菌方法。 37.プラズマを発生させるために前記殺菌剤先駆物質にエネルギーを印加す る前の予備調製段階中に前記負荷を該殺菌剤先駆物質に約10分〜約8時間露呈 させることを特徴とする請求の範囲第36項に記載の殺菌方法。
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