JPH11504988A - スパッタリング中のアーキングを低減するための装置 - Google Patents

スパッタリング中のアーキングを低減するための装置

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JPH11504988A JP8534243A JP53424396A JPH11504988A JP H11504988 A JPH11504988 A JP H11504988A JP 8534243 A JP8534243 A JP 8534243A JP 53424396 A JP53424396 A JP 53424396A JP H11504988 A JPH11504988 A JP H11504988A
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Abstract

(57)【要約】 直流反応スパッタリング工程において、スパッタリングターゲットに印加する電圧を遮断又は反転させるアーク抑制システム(2)を使用する場合に、アーキングの強度及び周波数を低下させるための装置。ターゲットとは独立して操作される、別個のプラズマアプリケータ(26、27)によって、所望の特性を有するプラズマ(28)がスパッタリングターゲット(24)の近辺に導入される。

Description

【発明の詳細な説明】 スパッタリング中のアーキングを低減するための装置発明の技術分野 本発明は、直流反応スパッタリング工程中におけるアーキングの周波数及び強 度を低減するための方法である。アーキングが発生すると、このような工程の質 が顕著に低下する。アークによって、アーク部位から材料が放出し、その一部は 基板まで到達して、基板表面上のスパッタコーティングに欠陥が生じる。アーク はまたスパッタリング電源の機能を中断し、スパッタリングの中断を招く。その 結果、工程が許容不可能な程度まで制御不能となり、工程パラメーターが不安定 化することがある。従ってアークを抑制することは、いかなるスパッタリング装 置を設計する際にも考慮すべき重要な要因であり、アーク抑制特性は、通常この ような装置のターゲット電源に組み込まれる。本発明は、アーク抑制手段として 電圧遮断または反転を用いる先行技術のスパッタリング電源のアーク抑制能を改 善するものである。発明の背景 成膜速度の増加、電力の増加、及び反応性ガスのチャンバーへの流れの増加を 生じさせるための条件が、アーキングの強度を増加させるための条件と同一であ るので、直流反応スパッタリング工程に最も効果的なアーク制御システムを組み 込むことは重要である。アークが存在することにより、いかなるスパッタリング 工程も顕著に質が低下するので、所定効率のアーク抑制システムを使用して、所 定レベルの品質において達成し得る成膜速度には上限がある。従って、アーク抑 制システムを改良することにより、工程の生産率が増加し、経済的にも有利とな る。 アークは、直流電源の陰極であるターゲットと、例えばターゲット外辺部に配 置されることの多い導電性シールド等の、周囲のアースされた導電体との間の放 電の形態をとる。これはまたいわゆる「単極」アークである場合もあり、その中 ではターゲットからプラズマへの放電が生じている。一旦アークが形成されると 、電源及びプラズマ中に蓄えられたエネルギーが散逸される。 スパッタリング工程中に生じるアークの周波数及びエネルギーの両方を制御す ることが必要である。これを行う方法のうち先行技術の一部を構成するものでが 、スパッタリング電源ゐ改良することを含んでいた。本発明は、以下の説明によ って明らかとなるように、電源改良のうちアーク抑制能をさらに高めるものであ る。 先行技術のアーク抑制システムは、電源を所定時間遮断する何らかの電源遮断 を用いるものと、電源電圧の極性(低下させた大きさにおけるもの)を所定時間 で変化させる電圧反転を用いるものとに分けられる。これらはさらに、固定時間 で周期的に遮断又は反転を行うものと、アークの開始を検知した後にのみ反転又 は遮断を行うものとに分けられる。 初期のスパッタリング電源は、電源に組み込まれたアークセンサーを用いる非 周期的電圧遮断装置であった。電源は、センサーから信号を受信すると所定時間 遮断されるように設計されていた。標準的なライン電力で操作する電源の場合は 、遮断が発生するのに必要な時間は数ミリ秒であり、遮断中にアーク中に散逸さ れるエネルギー量は、ターゲットに5〜10キロワットの電力を搬送する電源の 場合、5〜10ジュール程度であるが、これはターゲット材料を激しくスパッタ させることができるエネルギー量である。線周波数をより高い周波数に転換し、 次いでこのより高い周波数の電源を直流電源の源として使用することにより、散 逸したエネルギーは他の電源では減少している。遮断に必要な時間及び散逸した エネルギーは、新たな周波数の先の周波数に対する比に反比例するので、60H zから30KHzに変更することにより、250倍以上の改良を達成することが できる。線周波数で操作する電源はライン電源として知られており、より高い周 波数を使用する電源は切り替え電源と呼ばれている。 単純な形態の非周期的電圧反転システムは、その出力における障害に対するビ ルトイン型の「警鐘」応答を備えるものである。このようなシステムは反応性の 部品を有するものであり、この部品は、アークが突然電流を要求することにより 出力が0に向かうと、0ボルトを越えてアークを抑制するのに十分長い時間負と なるようにする。 スパッタリング電源における進歩の次のレベルは、スパッタリング工程中に、 電源出力に周期的電圧反転を導入するこ とである。反転時間の回帰期間の間、アーク形成の原因となる条件は以下のよう に抑制される。 スパッタリングを行っている間、ターゲットは負に荷電されるので、陽イオン がこれに引き付けられ、所望のスパッタリングを生じる。イオン流により、ター ゲットの導電性部分だけでなく、スパッタされた材料の絶縁体層によって被覆さ れるターゲットの所定領域にも、正の電荷が生じる。この絶縁体層の電気的絶縁 崩壊によって、アークが開始する。スパッタリング中、この層の外表面が、スパ ッタリングガスの陽イオンによる連続的ボンバードを受けると、この表面に正の 電荷が蓄積する。これにより、この層内に時間の経過に伴って増加する電場が生 じる。表面上の体積電荷密度が、絶縁性材料の電気的絶縁崩壊強度を超える場を 絶縁体層内に生じさせるのに十分高くなると、層中に放電が起こる。その結果、 放電部位から材料が爆発的に放出されることにより、ターゲットと近くの導電体 、又はターゲットとプラズマとの間に、その後に生じるアークのための導電性通 路が提供される。 反転した(正の)電圧をターゲットに印加すると、絶縁体外表面の電圧は接地 面に対して正になり、隣接するプラズマから荷電表面へと電子が流れるようにな る。この電子流により正の電荷の一部が中和され、絶縁層内の場が減少する。電 荷蓄積期間を、サイクルのスパッタリング部分中の絶縁体の絶縁崩壊を防止する のに十分短く抑えておけば、また反転期間中の条件が適切であれば、アーキング をかなり縮小させることができる。 電圧反転を達成するための直接的な方法は、ターゲット電源に、450KHz 等の無線周波(RF)で振動する電圧を重畳することである。この場合のRF信 号の尖頭間振幅は、正のRFサイクルの一部の間にターゲットの電圧を反転させ るのに十分である。この方法は有効であることが証明されているが、高レベルの RF電力を導入することが必要であり、望ましくない場合がある。 アメリカ合衆国コロラド州フォート・コリンズのAdvanced Energy Systems社 によって、特に直流反応スパッタリングのために、アーク抑制のための一連の制 御された電圧反転システムが開発されている。このシステムは、切り替え電源で 操作するように設計されており、SPARC(商標)又はSPARC−LE(商 標)という商品名のものである。このシステムは、RF電圧反転技術とは異なり 、使用時に大量の追加電力をコーティングチャンバー内に散逸させる必要がない 。 SPARC−LE(商標)システムは、主電源とスパッタリングターゲットと の間に挿入するユニットを用いる。外部からトリガされるモードにおいては、シ ステムは非周期的であり、追加ユニット中に配置されるセンサーが、電源出力を モニターすることによりアークの発生を検出する。アークが検出されると、新た なユニットは、主電源からの電流を、電源が先にターゲットへと搬送したものと 同じ電流を予め荷電されている誘導子へと切り替える。従って、電源における電 流需要には変化がないので、電源出力における破壊的な過渡 電流が低減される。電源電流が誘導子へ切り替えられると同時に、新たなユニッ トによって発生した50ボルト程度の低い正電圧が、ターゲットへと切り替えら れ、先の負電圧に取って代わる。ポテンシャルの反転は、SPARC−LE(商 標)に組み込まれた特徴と組み合わせることにより、アークを消滅させる。 自らトリガするモードでは、スパッタリングターゲットにおける電圧反転を含 む上述の切り替え工程は、周期的に行われ、アークの発生を検知する必要はない 。このモードでは、システムが周期的反転システムとなる。その操作原理は先に 説明したとおりである。しかし、これを更に改良したものである。負電圧及び正 電圧の持続期間は、特定の方法における要件に合わせて変更することができる。 代表的には、陰極は、その高い負の操作電圧で45マイクロ秒間、低い正の電圧 で5マイクロ秒間バイアスされ、工程は50マイクロ秒ごとに繰り返す。負電圧 を印加する時間は、絶縁体で被覆されたターゲット領域が崩壊するのに充分な電 荷を得ることを防止することができるように充分短くなるように選択する。その ため、アーキングが防止される。電圧反転の間、荷電された領域は、ターゲット 周囲のプラズマ中の電子によって放電される。条件が充分に良好である場合には 、放電が完了し、サイクルがいつまでも継続し、潜在的なアーク部位は、アーク を発生させるのに充分な電荷を得ることなく、交互に充放電を繰り返す。 SPARC−LE(商標)システムは、自らトリガするモ ード及び外部からトリガされるモードで同時に操作することができる。このよう な操作中、このシステムはスパッタリングターゲットに前述の周期的波形を提供 すると同時に、電源出力をモニターして、負電圧周期中のアークの開始を検出す る。アークを検出すると、電圧反転が開始され、システムは外部からトリガされ るモードについて先に説明したように運転する。アークが消滅すると、周期的運 転が再開される。上述の作用により、SPARC−LE(商標)システムは、多 くのスパッタリング工程においてアーキングの周波数を大いに低下させる。 ターゲット電圧を反転する(正にする)若しくは0にすると、スパッタリング チャンバー内のターゲットに隣接するプラズマは、潜在的アーク部位の各々に負 の電荷を与え、この電荷は、先のスパッタリング期間中に残されたイオンによっ て与えられた正の電荷を少くとも部分的に中和するという原理は、いかなる電圧 遮断又は反転式アーク抑制システムにおいても、用いられている。特定形態のス パッタリング速度が増加すると、電荷蓄積速度が増加し、アーキング速度が増加 しなければ、プラズマは、対応して大きくなる中和電子流を提供する。スパッタ リングターゲット及びその電源によって発生するプラズマは、電子を供給できる 速度及び供給できる電子の総数において制限されている。従って、アーキング速 度が一定に保たれ、スパッタリング速度が増加すると、電子移送速度及び電子の 総供給量を増加させるための手段を設けることが必要となる。 従って、本発明の目的は、アークを抑制する目的で、スパッタリング電源によ って提供される電圧遮断又は反転の期間中に、ターゲット上の潜在的アーク部位 を完全に放電するために充分な密度、電子温度及び容積を有する高強度のプラズ マを、スパッタリングターゲットに接触して発生させること、及びこのプラズマ の作用により、所定のアーク抑制システムを用いる反応スパッタリング法のアー キングの周波数及びエネルギーを実質的に低下させることにある。 本発明の別の目的は、反応スパッタリング法におけるアーク抑制を強化するた めの手段を提供することにあり、この手段は、電源とは独立して制御可能である ので、所定の工程において操作条件を選択する際の融通性が高まる。発明の要旨 本発明は、電源のアーク抑制システムの操作を強化するために、直流反応スパ ッタリングシステムのターゲットに隣接して、高密度で大容積のプラズマを発生 させるために、少くとも一つの装置を導入することを含む。 ある実施態様では、米国特許出願第08/388,191号に開示される種の 装置から選択されるようなマイクロ波アプリケータを、アプリケータによって発 生するプラズマがスパッタリングターゲット付近に拡散するような位置において スパッタリングチャンバー内に配置する。この文献は参照により本明細書中に組 み込まれ、この種の装置を以下にプラズマガイドアプリケータと称する。前述の SPARC−LE (商標)等の、アーク抑制のために電圧遮断又は反転を用いる電源を使用する場 合には、プラズマが存在することにより、電源が提供する電圧反転中に流れる電 流が増加する。後に説明するように、反転電流の増加は、プラズマ中の平均電子 密度及び均一性の増加によるものである。電流が増加することにより、潜在的ア ーク部位の放電がより完全に近くなるので、電流の増加はアーク抑制方法にとっ て有利である。反転電流の増加は、実際にはターゲットに搬送される所定レベル の直流電力におけるアーキング周波数の低下によって確認される。ターゲットに 搬送される直流電力が増加するにつれ、付着速度が増加するので、アプリケータ を組み込むことにより、一定のアーキング速度における付着速度が増加する。直 接の結果として、本発明は、この方法によってより高い成膜率を達成することが できる。図面の説明 図1は、スパッタリングチャンバーの壁に載置した、マイクロ波アプリケータ 及びスパッタリングターゲットを示す、本発明の実施態様の斜視図である。 図2は、基板を回転ドラムによって搬送するバッチ工程において、プラズマガ イドアプリケータを使用して実施する本発明の実施態様の断面図である。 図3は、直流反応スパッタリング工程におけるターゲットの断面図であり、本 発明の操作原理を示すものである。 図4は、制御された周期的電圧反転装置の出力の、時間に 対する変化を示す理想的波形を示す。 図5aは、ドラムコーターにおけるスパッタリング操作中のSPARC−LE (商標)の、実際の電圧及び電流波形を示す帯記録紙である。 図5bは、本発明の実施により、補助プラズマをスパッタリングターゲット近 辺に導入した後の、同じスパッタリング操作中のSPARC−LE(商標)の、 実際の電圧及び電流波形を示す帯記録紙である。 図6は、本発明の実施により達成したアーク閾値電力増加の測定値を示すグラ フである。 図7は、基板を回転ドラムで搬送するバッチ工程において、進行波アプリケー タを使用して実施する、本発明の実施態様の断面図である。 図8は、インライン成膜工程の生産率を増加させるために本発明を使用する実 施態様を示す。 図9は、ロールコーティング工程の生産率を増加させるために本発明を使用す る実施態様を示す。発明の詳細な説明 図1は、真空チャンバーの壁3の一部に、少なくとも一つのマイクロ波アプリ ケータを載置する、本発明の実施態様の図である。図1には、二つのアプリケー タ1、2を示す。アプリケータは、いかなる形式であってもよい。例えば、上述 したプラズマガイドと呼ばれる種の装置から選択することができる。図1の幾何 学的配置としては、アプリケータは細長 く、その長手軸はスパッタリングターゲットの軸に平行である。基板(図示せず )は、ドラム、ベルト、又はウェブ等の搬送装置によって、矢印4で示す方向又 はこれと反対方向に搬送される。移動は、アプリケータ及びターゲットの長手軸 に対して横方向であり、基板はアプリケータ及びターゲットの前を通過する。通 電電力は、チャンバー内が適切な低圧条件下にある場合は矢印5、6で概略的に 示すようにアプリケータ5、6に入り、各アプリケータのチャンバー内部に面す る表面7、8近辺にプラズマを点火させる。プラズマは、各アプリケータの全長 に渡って延長し、その付近の空間へ拡散する。 ターゲット10を収容する外側ケース9及び永久磁石組立体(図示せず)から なるターゲット組立体もまた、アースされたチャンバー壁に載置される。ターゲ ットは、例えば珪素又はチタン等のスパッタされるべき材料を含む細長い板であ る。ターゲット組立体内の磁石の形状は、競技場トラックの形状の溝11で示さ れるターゲットの領域に、マグネトロンスパッタリングとして知られる工程を生 じさせるものである。このようなターゲットの形状は、反応スパッタリングの先 行技術において広く使用されている。 アーク抑制のために電圧遮断又は反転を用いるスパッタリング電源(図示せず )の出力導線12は、ターゲットに接続される。電源に通電してスパッタリング 電圧をターゲットに印加すると、ターゲット周辺領域にプラズマが発生し、イオ ン電流がターゲットへと流れる。プラズマはチャンバー内で 付近に拡散する。 二つのアプリケータ1、2からのプラズマはターゲット領域へ拡散し、そこで 直流電源によって発生したプラズマと混合する。アプリケータからの追加のプラ ズマによって、アプリケータがない場合の値よりも、電子密度及び温度が上昇す る。図3の説明において述べるように、このプラズマはターゲット上の潜在的ア ーク部位の放電を容易にし、検出可能なアーキングを生じさせることなく、スパ ッタリング速度を増加させる。 図2は、プラズマガイドと呼ばれるアプリケータの種類から選択したアプリケ ータを使用する、本発明の実施態様を示す。プラズマガイドはマイクロ波電力を 使用して、プラズマを発生させ、維持する。プラズマは、プラズマガイドの表面 に沿って最も高強度であり、このプラズマガイドはマイクロ波透過性である。こ の表面は種々の形状とすることができ、面積は数千平方センチメートルとするこ とができる。プラズマガイド形式のアプリケータは、1平方センチメートル当た り25ワット以上のレベルで電力をプラズマに結合するために使用されており、 本発明の実施に際してプラズマガイドを使用すれば、面積が4000平方センチ メートルのプラズマ表面に渡って100キロワットの電力を結合させることが可 能である。後に示すように、隣接するプラズマに大量の電力を結合させる能力を 有するアプリケータを使用することは、本発明を多くの工業的適用法において実 施するために必須である。 図2は、スパッタリングチャンバー20内で基板を搬送するために回転ドラム を使用するコーティング装置において使用する本発明の実施態様の断面図を示す 。回転ドラム21は、矢印23で示す方向に基板22を搬送し、基板は少くとも 一つのプラズマガイドアプリケータ及び関連する磁力線25を有するスパッタリ ングターゲット組立体24上を通過する。図2には二つのアプリケータを示す。 アプリケータ及びターゲットは細長い形状で、その長手軸は図面の面に対して垂 直に配向されている。電圧遮断又は反転能を有する電源29は、ターゲットと接 地面との間に接続される。スパッタリング電力を供給する端子は、円で囲んだマ イナス記号で示す。 アプリケータが無ければ、プラズマは、ターゲットにスパッタリング電圧が印 加された時に、ターゲットとドラムとの間に形成されるであろう。図3の説明に おいて述べるように、このプラズマ(図示せず)は不均一で、空間的に制限され るであろう。アプリケータにマイクロ波電力を印加すると、影線の領域28内に プラズマが点火する。このプラズマの強度は、アプリケータに印加するマイクロ 波電力のレベルを変化させることによって制御することができる。これらの領域 は、各アプリケータの両側でチャンバー空間内に延長して、電源によって発生し たプラズマと混合し、以下に示すように、電源の電圧反転期間中に、ターゲット の潜在的アーク部位を放電させる。 本発明は、ターゲット近辺にプラズマ源を設けることによって機能し、この源 は直流電源から独立して駆動され、基板 上の潜在的アーキング部位を放電させるための電流源としての役割を果たすこと ができる。この機能を理解するために、図3及び図4を参照する。図3は、ター ゲット組立体の長手軸に対して垂直な断面図である。この組立体は、スパッタさ れるべき材料からなるターゲット25、金属製支持構造体26、及び三つの磁石 30、31、32の断面で示される細長い磁石組立体を含む。この組立体は、隔 離碍子27上でチャンバー壁28に載置される。この隔離碍子27は、組立体を 壁28から電気的に絶縁する。直流電源29の陰極はターゲットに接続され、陽 極はアースされたチャンバー壁に接続される。磁石組立体は磁場線33で示され る磁場を発生させるが、この磁場線は、磁石間の中間点ではターゲット表面に平 行で、磁石の直上の点ではターゲットに略垂直である。 図4は、このような電源を周期モードで操作する場合に発生する、理想的な電 圧波形を示す。電源電圧は縦軸に、経過時間を横軸にプロットする。時間点41 で示される電圧サイクルの開始時には、電圧はVspであり、Vspはサイクルのス パッタリング部分の間に印加される電圧(公称−500ボルト)である。所定時 間Tsp後、図4の点42に達し、この時間点において電源電圧が反転して、電圧 Vr(公称+50ボルト)に切り替わり、時間Trの間、この値を維持する。Tr の終点において、点43に達し、この点で点41と同じ条件となる。点43から 次のサイクルが開始し、点44は点42に、点45は点43にそれぞれ対応する 。サイクルはスパッタリング工程が持続する間繰り返される。 先行技術で実施するアーク抑制機構を考えるため、図3及び図4を参照する。 点41で示す時間点において、供給電圧をターゲット上に切り替えると、図3の ターゲット上方の領域にプラズマが点火する。プラズマの電位はチャンバー壁の 電位に近似し、ターゲットに隣接するシースとして知られる領域にVsに相当す る電位の急落が生じる。この領域の厚さはせいぜい数ミリメートルであるので、 この領域内には強力な電場が生じる。電場は、トラック34の領域で磁場と相互 作用し、所望のマグネトロン作用を生じて、トラック上方の領域36に高強度の プラズマを発生させ、その結果、スパッタリングガスのイオンを衝突させること により、トラックから材料を急速にスパッタする。スパッタされた材料は、近辺 のすべての表面に移動し、付着した後、チャンバー内の反応性ガスと反応して、 ターゲット及びその他の表面上に絶縁体層35を形成する。ターゲット上の絶縁 体材料35のみを図3に示す。 電場と磁場が互いに垂直であるトラック上方領域のみにおいてスパッタリング が生じるので、スパッタリングガスのイオンがシース中で加速され、絶縁体で被 覆された領域を含むターゲットの表面全体に衝突する。先に示したように、イオ ン電流によって絶縁体表面に電荷が蓄積し、その結果絶縁体中に電場が生じる。 アーキングを防止するために、電場が絶縁体材料の崩壊強度を超える時点より前 に、絶縁体を放電させるための手段を、アーク抑制システムによって提供するこ とが必要である。 サイクルのスパッタリング部分の後、点42で示す時間点において、電圧反転 期間が開始し、この反転期間中に絶縁体層の放電が生じていると考えられる。こ の時点において、電源電圧はVrに切り替わる。Vrはプラズマを維持するには不 十分であるので、プラズマは速やかに散逸し始める。同時に、期間Tsp中に得た 電荷のために、絶縁体の外表面はVrよりも高い値となる。そのため、電子流が プラズマを通って絶縁体へと流れ、部分的に絶縁体を放電させる。 電子流による絶縁体電圧の放電は、以下の理由のため制限されている。ターゲ ット上方の領域36において濃縮されるプラズマは、電圧反転と同時に電源によ って維持されなくなる。従って、利用可能な電荷の量は、電圧反転時に既にプラ ズマ中に包含されているものに限定される。実際にはこの電荷の一部のみが絶縁 体表面に到達する。 放電を妨げる第二の要因は、プラズマ中の電子の空間分布が非常に不均一であ り、トラック上方の領域36では高く、この領域から離れるにつれ急速に低下す ることである。プラズマ内における磁場中の電子の移動方向は、拡散にせよ電場 内のドリフトにせよ、実質的に磁場線の方向に限定されていることは、よく知ら れている。これは、ターゲット上の点に到達することのできる電子は、この点を 通る磁場線の近くにある必要があることを意味している。図3を参照すると、3 5、37、38で示される点を通過する磁場線は、プラズマの濃度が高い領域は 通過しないので、これらの点は、トラック34に近いところにある点よりも反転 サイクルの間に受け る電荷が少ないことは明らかである。従って、先行技術のアーク抑制システムは 、ターゲット上の酸化物層の完全且つ均一な放電を提供するものではないと言え るであろう。 本発明は、ターゲット上方の領域39(図3)全体に、高密度の均一なプラズ マを提供する。このプラズマは、時間に依存しない電力レベルで操作するアプリ ケータによって提供され、このアプリケータが発生するプラズマの特性は、図4 のサイクル全体を通して一定に維持される。特にプラズマは、電圧反転時に散逸 し始めることはなく、反転期間全体に渡って継続的で濃密な電子の源であり続け る。プラズマが電子の継続的な源として機能するので、先行技術のスパッタリン グにおいて利用可能な電子の供給を多いに補うものである。 アプリケータから供給されるプラズマは、広範囲に渡って発生し、ターゲット 上方の領域39全体を満たす。よって、プラズマの空間分布はアプリケータの存 在によって変更されるので、プラズマ密度は、もはや領域36から距離が離れる につれて減少することはない。図3を観察することにより、絶縁体上の35、3 7、38で示す点を通過する磁場線が、本発明の高密度プラズマで満たされた領 域39中を通過し、よってこの磁場線に沿って移動する放電電子を受けることは 明らかである。これは、電子がこれらの点に到達するように空間分布されていな い先行技術のアーク抑制とは対照的である。 図5a、図5b、及び図6に示すデータは、本発明の操作原理を確認するもの であり、本発明が提供するスパッタリン グ速度の増加を測定したものである。図5a及び図5bは、コーティング装置の ターゲットにおける電圧及び電流の波形を、SPARC−LE(商標)アーク抑 制システムを使用するスパッタリングラン中に、高速デジタルオシロスコープで 記録したものである。図5a及び図5b中のトレース51及び53は、電圧の波 形であり、垂直方向の目盛は、大きな一目盛当たり約200ボルトを示し、水平 方向の時間目盛は、大きな一目盛当たり10マイクロ秒を示す。トレース52及 び54は、同じ時間軸に対してプロットした電流の波形であり、垂直方向の目盛 は、大きな一目盛当たり20アンペアを示す。トレース51及び53における0 ボルトは、矢印を付した番号”1”で示し、トレース52及び54における0ア ンペアは、矢印を付した番号”2”で示す。スパッタリング装置は、回転ドラム が組み込まれたものであり、図1に示すような形態である。ドラムの半径は15 インチ(38.1cm)であり、ドラム壁のドラム表面から3インチ(7.62 cm)離隔した位置に、長さ15インチ(38.1cm)のターゲットが載置さ れている。細長いプラズマガイドアプリケータが、図2に示すようにターゲット の両側に載置され、ガイドの長手軸とターゲットの長手軸との間は12インチ( 30.48cm)離隔している。図5aは、アプリケータにマイクロ波電力を適 用していない場合に取ったデータを示す。図5bは、5キロワットのマイクロ波 電力を適用した場合に取ったデータを示し、電源電圧の設定は図5aと同じであ る。 図5a及び図5bの電圧波形を検討すると、ターゲット電圧が約−600ボル トの時に、同じように約45マイクロ秒間の持続期間が見られ、スパッタリング が生じている。この間には、電圧がわずかに正となり、絶縁体層が放電している 同じような約5マイクロ秒間の持続期間が介在している。マイクロ波電力を適用 した場合の電圧波形及び適用しなかった場合の電圧波形は、スパッタリング期間 中には非常によく似ている。しかしながら、放電期間中では、マイクロ波電力を 適用した場合のほうが、「反転した」電圧がより低い正の電圧を示している。 マイクロ波を適用した場合と適用しなかった場合の電流波形は、スパッタリン グ期間中にはよく似た波形を示しているが、スパッタリング電流の大きさは、マ イクロ波電力を適用した場合のほうが大きい。放電期間中には、マイクロ波電力 を適用した方が、適用しなかった方よりも、ターゲット電流が約4倍大きかった 。反転電流の供給時における電流流出が、マイクロ波電力を適用した場合に放電 期間中に正電圧がより低くなる原因であった。電流の増加は明らかに、追加のア プリケータによって発生された強化されたプラズマの存在によるものである。追 加の電流の一部は、潜在的アーク部位への電子流、及びその結果生じる放電に相 当し、その結果、装置がアーキングを生じる可能性を低下させることとなると考 えられる。 スパッタリング電力は、サイクルのスパッタリング部分の間に電源からターゲ ットに搬送された電力であると定義され る。所定セットの条件下で行われるスパッタリング工程では、許容量を超えたア ークを発生させることなく工程を行うことができるスパッタリングの最大レベル がある。これはアーク閾値電力と呼ばれる。基板上への材料の付着速度はスパッ タリング電力に比例するので、アーク閾値電力は、達成可能な最大スパッタリン グ速度を規定する。アプリケータにマイクロ波電力を適用した場合に、ターゲッ ト上のアーク部位においてより完全で均一な放電が生じることを示唆している図 5a及び図5bに示すデータに基づいて、マイクロ波電力をかけることによって 、アーク閾値電力もまた上昇し、その結果工程の生産率も増加すると考えられる 。 これは図6に示すデータによって証明される。図6は、特定のスパッタリング 工程において、プラズマガイドアプリケータに適用した2.54GHzのマイク ロ波電力に、アーク閾値電力が依存することを測定によって示すものである。こ の工程では、SPARC−LE(商標)アーク抑制システムを、長さ35インチ (88.9cm)のスパッタリングターゲットに隣接し且つ軸整合させて配置し た一つの細長いマイクロ波アプリケータと組み合わせて使用した。データを得る ために、アプリケータに固定レベルのマイクロ波電力を適用し、ターゲット電圧 を、アーキングが生じ始めるレベルまで上げた。このレベルで適用したマイクロ 波電力に対するアーク閾値電力を、ターゲット電圧とアーキング開始時のターゲ ット電流との積として得た。この手順を、0キロワットから11.6キロワット までの多くのレベルで適用マイクロ波電 力について繰り返した。 図6において、キロワット単位で示すアーク閾値電力は、垂直軸上にプロット し、キロワット単位で示す適用マイクロ波電力は水平軸上にプロットした。この 図面は、アーク閾値電力が、マイクロ波供給がない場合の4.2キロワットから 11.6キロワットの最大マイクロ波電力をかけた場合の15.2キロワットま で増加したことを示す。図6の線61は、実際のデータ点を結んだものであり、 線62はデータにもっとも近い直線として表したものである。図を検討すると、 アーク閾値電力の、適用マイクロ波電力に対する依存性は、マイクロ波電力の可 変領域において約4:1の比の変化を含むほぼ線形であることが分かる。もっと も近い直線つまり線62の傾斜は、マイクロ波電力の増加1キロワットごとに、 アーク閾値電力が1.25キロワット増加するものとして得た。達成可能な最大 付着速度は、アーク閾値電力に正比例するので、図6のデータは、図6を作成す る際に検討した工程の生産率は、本発明によって約4倍に増加することを示して いる。 従って、先行技術において達成可能な成膜率と比べて、本発明の実施によって 達成可能な成膜率の増加度はかなり大きい。この増加は、後に図8及び図9を参 照して説明する大規模な工業的インライン又はロールコーティング工程において 用いる場合に、特に有利である。図6より、スパッタリング速度の所定の増加を 達成するために必要なマイクロ波電力のレベルは、マイクロ波電力を適用しない 場合の速度に対して 計算すると、各30%の速度増加に対して適用マイクロ波電力約1キロワットで あることは明らかである。これは、スパッタリング速度において高い増加を得る ために、アーク閾値電力に匹敵するマイクロ波電力が必要であることを意味して いる。図6の工程では、最も高いマイクロ波電力は11.2キロワットであった 。 図2、図8、及び図9の実施態様では、少くとも一つのプラズマガイドアプリ ケータを使用している。先に述べたように、この形式のアプリケータは、非常に 高いレベルの電力をプラズマに結合させるように設計することができる。図7の 実施態様において使用するアプリケータのような、高レベルの電力を搬送するこ とができる他の形式のアプリケータも使用することができる。 本発明は、いかなる形式のアプリケータと、アーキングのエネルギー又は周波 数を低下させるために電圧遮断又は反転を用いるスパッタリング電源との組合せ をも含む。図7は、米国特許第4,630,568号に開示されるKieserの発明 に基づいたアプリケータを使用する実施態様を示し、この文献は参照により本願 明細書に組み込まれる。図7には、図2に示したものと同様のドラムコーター形 態が示され、磁場線71を有するスパッタリングターゲット組立体70、チャン バー壁72の一部、回転ドラム74によって矢印75の方向に搬送される基板7 3が示される。輪郭のみを示したマイクロ波アプリケータ76、77は、Kieser の教示する進行波アプリケータを使用する点で、図2のものとは異なる。この形 式のアプリケータは、細長い進行波構造体を内部に収容しているので、進行波ア プリケータと呼ばれる。進行波構造体(図示せず)は、長手軸が図面の面に対し て垂直になるように配置されている。マイクロ波透過性でアプリケータの一部を 形成する細長い窓の外表面78は、進行波構造体の長手軸に平行であり、この表 面の中心上方の点において基板の移動方向に平行である。この構造体をマイクロ 波で駆動すると、アプリケータによって発生した強力な振動電磁場が、窓を通し て窓表面と基板との間のチャンバーの領域まで延長する。これらの領域において 、強力な場は強力なプラズマ79を発生させ、このプラズマは周囲のチャンバー 領域内へと外方に拡散する。図2の実施態様と同様に、プラズマはスパッタリン グターゲットによって発生したプラズマと混合し、混合プラズマが、影線領域7 9並びにターゲット組立体とドラムとの間の影線を付していない空間を満たし、 よって潜在的アーク部位の放電のための、耐久性のある空間的に均一な電子源を 提供する。 図8は、インライン反応スパッタリング工程と組み合わせて使用する本発明の 実施態様を示す。窓ガラスの板等の大型の基板81は、搬送機構82上を矢印8 3の方向に一定速度で移動し、少くとも一つのマイクロ波アプリケータの近辺を 通過する。図8には、二つのプラズマガイドアプリケータ84、85を示す。ア プリケータの近くにあるターゲット組立体86は、ターゲットからスパッタされ た材料が大型の基板上に均一に付着するように配置される。矢印87、88の方 向に移動するマイクロ波電力がアプリケータに入ると、アプリケータの下方表面 に沿ってプラズマが発生して、周囲の空間へ拡散していき、アプリケータによっ て発生したプラズマによってターゲットが覆われる。 アーク抑制のために電圧遮断又は反転を用いる直流電源(図示せず)は、ター ゲットとチャンバー壁との間に接続される。チャンバー壁は、頂部壁の一部89 のみが見えるように切除してある。アプリケータによって発生したプラズマは、 ターゲット近辺の潜在的アーク部位の放電を補助し、基板上の所定付着速度にお けるアークの周波数を顕著に低下させる。よって基板搬送速度が高くなっても、 必要とされる付着膜の品質及び厚さを維持することができ、工程が達成すること ができる生産率を、本発明を組み込むことなく達成しえるレベルよりも高いレベ ルまで増加させることができる。 図6のデータを使用して、図8の実施態様等のインライン工程において、アー クを発生させることなくターゲットに搬送することができる電力の最大レベルを 予想することができる。このような工程においては、ターゲットは、従来技術に 従って操作すると代表的には75キロワットの電力を散逸する。図6のデータを 拡大してインライン工程を反映させることができると考えること、及び75キロ ワットは、適用マイクロ波電力が0キロワットである図6の点に対応すると考え ることは妥当であろう。この仮定に基づいていえば、同じターゲットを、75キ ロワットよりもかなり高い電力レベルでアークを発生させずに操作し、スパッタ リング速度をこれに みあって増加させることができる。この場合、達成可能な最大電力は、ターゲッ ト冷却能等の、アーキング以外の制限によって設定されるであろう。 プラズマガイドアプリケータは、工業的インラインコーターの特徴である高レ ベルの電力で必要とされる大きさの電力を搬送するために使用されているので、 図6のデータが示すように、アーキング以外の要件によって低い制限が設定され なければ、スパッタリング速度を4倍も増加させることができる。 図9は、基板90がスプールに巻き取って保管される連続的な可撓性シートの 形態である場合に、工程を拡張するためにどのように本発明を実施するかを概略 的に示す。図9において、コーティングチャンバー91は、保管スプール92、 ガイドローラー93、及び巻き取りスプール94を収容する。工程中、基板は、 保管スプール92からガイドローラを回って巻き取りスプールへと、矢印95及 び96の方向に移動する。他の実施態様と同様に、少くとも一つのアプリケータ がターゲット組立体の近辺に配置される。図9では、二つのプラズマガイドアプ リケータ97、98が、ターゲット組立体99の両側に配置され、断面図で示す ように、アプリケータの長手軸は、互いに平行で、移動方向を横切る方向に配向 される。アプリケータは、アースされた支持構造体100と電気的且つ機械的に 一体である。基板は、ガイドローラの底部の周囲及びスパッタリングターゲット 上を通過する際にコーティングされる。 アーク抑制手段として電圧遮断又は反転を用いるスパッタリング電源101は 、接地面とスパッタリングターゲットとの間に接続されることが示される。 図2と同様に、スパッタリング電圧を供給する端子は、円で囲まれたマイナス 記号で示す。スパッタリング電圧をターゲットに適用し、マイクロ波電力をアプ リケータに適用すると、ターゲットによって発生したプラズマが混合し、ターゲ ット上方及び近辺の空間を占める拡張空間を満たす。他の実施態様の場合と同様 に、このプラズマは、潜在的アーク部位の放電を容易にするので、本発明を工程 に組み込むことにより、先行技術で達成し得る生産率よりも、同じ品質のコーテ ィングを受けた基板の生産率を大幅に増加させることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.スパッタコーティング装置であって、該装置は、 真空チャンバーと、 該チャンバー内で、基板を載置するように適合された手段と、 基板を載置するための手段に隣接するワークステーションに配置され、該基 板上に少くとも選択された材料をスパッタするために第一のプラズマを発生させ るように適合された、少くとも一つのマグネトロンスパッタリング装置とを備え 、該マグネトロンスパッタ装置は、前記ターゲットと前記チャンバー又は前記第 一のプラズマとの間のアークのエネルギー及び周波数を低下させるために、電圧 遮断又は反転特性を用いる直流電源に操作的に接続され、前記装置はさらに、 前記第一のプラズマと混合して、潜在的なアーク部位を放電させ、前記アー キングをさらに抑制するための電流源として作用する第二のプラズマを発生させ るために、前記マグネトロンスパッタ装置の近くに配置される少くとも一つの第 二の装置を備える、スパッタコーティング装置。 2.前記第二の装置が、前記マグネトロンスパッタ装置の直流電源と独立して操 作される電源から電力を供給される、請求の範囲第1項に記載のスパッタコーテ ィング装置。 3.前記第二の装置が、マイクロ波電源に接続するアプリケータを含む、請求の 範囲第1項に記載のスパッタコーティング装置。 4.前記選択された材料を化学的に異なる種に転換するために、チャンバー内に 反応性ガスを導入し、該化学的に異なる種中にアークが生じる、請求の範囲第1 項に記載のスパッタコーティング装置。 5.前記化学的に異なる種が、前記選択された材料よりも電気的に絶縁性である 、請求の範囲第4項に記載のスパッタコーティング装置。 6.前記少くとも一つの第二の装置が、前記マグネトロンスパッタ装置の直流電 源と独立して操作される電源から電力を供給される、請求の範囲第1項に記載の スパッタコーティング装置。 7.前記少くとも一つの第二の装置が、マイクロ波電源に接続される少くとも一 つのアプリケータを含む、請求の範囲第1項に記載のスパッタコーティング装置 。 8.前記基板がドラム上に載置される、請求の範囲第1項に記載のスパッタコー ティング装置。 9.前記基板が、スパッタリングターゲットを通過して該基板を実質的に直線状 に搬送するための搬送手段上に載置される、請求の範囲第1項に記載のスパッタ コーティング装置。 10.前記基板が、スプール上に保管することができる材料の長い連続的なストリ ップの形態をとる、請求の範囲第1項に記載のスパッタコーティング装置。 11.前記スパッタされる材料が珪素であり、前記反応性ガスが酸素であり、前記 化学的に異なる種が二酸化珪素である、請求の範囲第4項に記載のスパッタコー ティング装置。 12.前記スパッタされる材料がアルミニウムであり、前記反応性ガスが酸素であ り、前記化学的に異なる種が酸化アルミニウムである、請求の範囲第4項に記載 のスパッタコーティング装置。 13.前記アーキングの前記さらなる抑制により、前記スパッタコーティング装置 の生産率を増加させることができる、請求の範囲第1項に記載のスパッタコーテ ィング装置。 14.前記アーキングの前記さらなる抑制により、前記スパッタコーティング装置 の工程安定性を改善することができる、請求の範囲第1項に記載のスパッタコー ティング装置。 15.前記少くとも一つのマグネトロンスパッタリング装置が、前記基板上に前記 選択された材料の膜の形式のコーティングを作成し、前記アーキングの前記抑制 により、製造される該膜の品質が改善される、請求の範囲第1項に記載のスパッ タコーティング装置。
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