JPH11504016A - 毛髪の成長を調節する組成物及び方法 - Google Patents

毛髪の成長を調節する組成物及び方法

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JPH11504016A JP8531963A JP53196396A JPH11504016A JP H11504016 A JPH11504016 A JP H11504016A JP 8531963 A JP8531963 A JP 8531963A JP 53196396 A JP53196396 A JP 53196396A JP H11504016 A JPH11504016 A JP H11504016A
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ラヴカー,ロバート・エム
サン,トゥン−ティエン
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New York University NYU
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Abstract

(57)【要約】 選択した細胞を選択した成長調節分子と接触させることにより毛髪の成長を調節する方法を提供する。選択した細胞をin vitroで成長させそしてそれらの細胞と毛髪の成長を調節するほかの細胞とを組み合わせることにより毛髪の再構築をしあるいは毛髪の移植をするための方法も提供する。ろ胞細胞により合成され、そして毛髪の細胞周期依存的に毛胞中で濃度が変化する成長調節分子を含む組成物も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 毛髪の成長を調節する組成物及び方法緒言 本発明は、毛髪の成長を調節する組成物及び方法に関する。本出願は、199 1年3月27日に出願され現在は放棄された、米国特許出願第07/67618 5号の継続出願である、1992年11月4日に出願され1994年1月18日 に米国特許第5279960号として発行された、米国特許出願第07/971 687号の一部継続出願である、1993年7月1日に出願された米国特許出願 第08/086199号の一部継続出願である。本発明はナショナル・インステ ィチュート・オブ・ヘルス(National Institute of H ealth)により支援された研究の過程においてなされた。米国政府は本発明 において特定の権利を有しうる。発明の背景 幹細胞(stem cell)はその定義によれば、すべての自己再生性の組織に存在 する。これらの細胞は、長期間生存すると考えられ、細胞分裂に対して非常に潜 在性をもち、そして究極的には定常状態の組織の恒常性を担うものである。幹細 胞は一回の放射線標識の後ではほとんど放射性アイソトープを取り込まないこと から、通常は細胞周期が遅い細胞であることが示される。しかしながら、それら の細胞については、特定の成長刺激に反応して増殖プールに入るように誘導する ことができる。幹細胞が時々細胞分裂をした場合には、単回照射した後にトリチ ウム化チミジン(3H−TdR)などの放射線標識(radiolabel)を取り込む、 より早く増殖する”一過性増殖細胞(transient amplifying cells)”(”TA” )を幹細胞から生ずる。 幹細胞は、多くの以下に挙げる特性を有する。幹細胞は微細構造からも生化学 的にも比較的未分化である。幹細胞は増殖に関して大きな潜在能力を有し、長期 にわたって組織を維持し再生することができる。幹細胞は、恐らくは増殖の潜在 能力を保持し続けるために、そして複製の過程で起こりうるDNAのエラーを最 小限にするために、通常は”細胞周期が遅い細胞(slow-cycling)”である。障 害及び特定の成長刺激に反応して幹細胞が増殖するように刺激することができる 。幹細胞はしばしば、(1)幹細胞から(2)TA細胞を介して(3)最終分化 細胞へという概念中における、一過性増殖細胞”TA”に相当するものとして、 速い速度で増殖している細胞の集団のすぐ近くに位置しており、そして通常は、 よく保護されて高度に血管新生が起こり神経支配された領域に見られる。 本発明がなされるまでは、上皮幹細胞に特異的な免疫学的あるいは生化学的マ ーカーが知られていなかったため、幹細胞が存在することを特定することは困難 であった。幹細胞は通常”細胞周期の遅い細胞”であるため、活性化された増殖 しているTA細胞を検出するために一般に使用されている放射線活性物質を単回 でパルス状に投与することによっては、幹細胞を標識することができない。幹細 胞を標識するには、長い間をかけて継続的に標識する必要があることが、この度 見いだされた。いったん標識されると、これらの細胞周期の遅い細胞は長期間に わたって放射性物質を保持し続ける。このような細胞を”標識保持細胞(Label- retaining cells)”あるいは”LRCs”と呼んできた。 Cotsarelisら(J.Invest.Dermol.1989a,9 2(3))は、過形成を誘導する刺激に反応して、増殖性を回復された細胞周期 の遅い細胞の能力に基づいて、LRCsの検出を容易にする方法を開示している 。1日あたり20μCiのトリチウム化チミジン(3H−TdR)を14日間に わたって送達するために、AlzetTM浸透性ミニポンプを成熟したSENCA Rマウスの腹腔内に移植した。この標識をしている期間ずっと、石油(Pet) 中に溶かして0.01%にしたO−テトラデカノイルフォルボール 13−アセ テート(O-tetradecanoylphorbol 13-acetate)(TPA)を一日に一回、4日 間にわたり局所的に右腹側部に塗布した。反対側には、Petのみで処置した。 動物をさまざまな期間標識した後、犠死させた。TPA処置あるいはPet処置 された皮膚は、光学顕微鏡によりそして組織切片のオートラジオグラフィーによ り検査した。TPA処置により、表皮とろ胞に顕著な過形成が引き起こされるこ と が認められた。しかし一方で、Pet処置した部位には、形態学的な変化は特に 見られなかった。14日間継続的に3H−TdRを投与した結果、TPA処置し た部位及びPet処置した部位の両方で、有核の表皮細胞及びろ胞上皮細胞のす べてのうち90%以上の細胞が結果として標識された。4週間後には、ほんの少 数の細胞が標識を保持するに過ぎなかった(LRCs)。これらの細胞は、Pe t処置した表皮と比べて、TPA処置した表皮においてずっと頻繁に検出された 。 トリチウム化チミジン(3H−TdR)の標識を使用することにより、角膜縁 と呼ばれる領域中にある周辺部角膜に位置する角膜上皮基底細胞のサブポピュレ ーションが、Cotsarelisら(Cell,1989b,57:201− 209)により同定された。これらの細胞は、通常は細胞周期の遅い細胞である が、外傷及びTPAの投与に反応して増殖するために刺激することができる。角 膜上皮は、例外的な状況の一例のようである。LRCsは、角膜縁上皮の基底層 において検出された。このような細胞で角膜上皮の中心部分で検出されるものは なかった。角膜上皮の中心部分から1−2mm外れた場所に傷をつけることによ り、角膜縁上皮を選択的に増殖を刺激することができることがわかった。TPA を局所的に目の前表面に塗布したときに、角膜縁上皮の増殖を選択的に刺激する ことを観察した。そのため角膜縁上皮は、角膜上皮中心部よりも増殖の潜在能力 を有すると結論を下した。 7日間にわたって皮下注射によって3H−TdRで継続的に標識することによ り、標識保持細胞をマウスの表皮中で特定した。この方法により、ほとんどすべ ての表皮細胞が標識された。4週間にわたって追跡した後、表皮基底細胞のサブ ポピュレーションが標識されたLRCsとして維持されていることがわかった。 様々な上皮の幹細胞は、Cotsarelisら(1989b、上記)の図7 に概説されている一般的な一連の特徴を共有している。角膜上皮細胞と同時に、 手のひら(palm)上皮、体幹表皮(trunk epidermis)、毛胞(hair follic le)、後舌上皮(dorsal tongue epithelium)、及び腸管上皮(intestinal epi thelium)を含む多くの他の上皮の幹細胞においても、その特徴的な位置と生物 学的特徴とが検討されている。図7(e)において、毛胞では、基底部でろ胞乳 頭と非常に接近してそして脈管構造と関連した状態で、非常に色素化された幹細 胞が位置していることが示されている。 しかしながらこれに続く研究において、Cotsarelisら(Cell, 1990,61:1329−37)が示したことによれば、毛胞の幹細胞が、上 述のCotsarelisら(1989b)において誤って同定されていた。実 際、標識保持細胞はもっぱら立毛筋(arrector pilimuscle )の接着部位にある、毛胞の”膨大部”(”bulge”)と呼ばれているろ胞 の中心部分に存在することがわかった(Cotsarelisら,1990,上 記)。 マウス感覚毛及び毛胞にある細胞周期が遅い細胞のすべてが、膨大部に集中し ていることが示されたことにより、ろ胞上皮の幹細胞が上部ろ胞中の膨大部の近 縁に存在しているという見解が支持される(Cotsarelis et al. ,1990,上記;Kobayashi et al.,PNAS USA 199 3 90:7391−7395;Rochat et al.,Cell 1994 ,76:1063−1073;Yang et al.,J.Invest.De rm.1993,101:652−659)。ろ胞乳頭細胞は、通常の細胞周期 の遅いろ胞上皮幹細胞を増殖させるために”活性化”することにより重要な働き をし、結果としてアナゲン(anagen)(毛髪細胞周期の成長期;Cotsare lisら,1990,上記)を開始させることが示されてきた。ろ胞乳頭細胞が 実際に上皮幹細胞に細胞分裂のためのシグナルを送るために使用する分子機構は 、まだはっきりとはしていない。毛髪細胞周期の特定の時期において乳頭細胞に より合成され分泌される分子をよりよく理解することにより、成長させるために 、アポトーシスを誘起するために、ある程度の期間休止期にとどめさせるために 、そしてその後成長を再開させるために、何がろ胞上皮細胞を調節しているのか についての理解を大きく増進することができる。ろ胞細胞により大量に合成され ている(しかしその他の近傍の細胞によっては合成されていない)成長調節分子 をコードし、そして毛髪細胞周期依存的に変化する、表皮乳頭に特異的に発現し ている伝令RNAが、現在までに同定されてきた。たとえばネクシンIは、成長 し ている毛胞の乳頭の主要な成分であり(しかし休止期の細胞ではそうではないが )、そしてろ胞の調節及び毛髪の成長において重要であることがこれまでにわか ってきた。発明の概要 ろ胞乳頭細胞(follicular papilla cell)には存在するが発生学的に近縁な 関連する表皮の繊維芽細胞(dermal fibroblast)には存在しない分子が、現在 までにランダムプライマーを使用したPCR法により同定されている。同一のin vitro の条件下で培養した、ラットのろ胞乳頭細胞の集団から得た全RNAと 、表皮の繊維芽細胞の集団から得た全RNAとのおよそ20%を比較した後、乳 頭細胞にのみ特徴的な種の主要なcDNAが同定された。配列解析により、これ らのcDNAの一つが、トロンビン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、及 びウロキナーゼを含む多くの成長調節セリンプロテアーゼを不活性化することが できる、強力なプロテアーゼ阻害剤であるネクシンI(nexin I)をコードする ことがわかった。このmRNAは、感覚毛及び毛胞の両方の乳頭中に非常に優勢 に存在している。さらに、その濃度は、毛髪細胞周期の様々な時期において顕著 に変化し、アナゲンの時期VIをピークとしている。いくつかの樹立されたラッ トろ胞乳頭細胞株では、無胸腺マウスにおいてろ胞を再構築するためにろ胞上皮 細胞を支持するというそれぞれの細胞株のもつ能力と相関していると思われてい るネクシンIのmRNAが、幅広い濃度で見られる。成長しているが、しかし休 止していない毛胞の乳頭における主要な成分(休止している細胞ではそうではな いが)としてのネクシンIを同定することは、ネクシンIあるいはその類似体が ろ胞の調節及び毛髪の成長において主要な働きをしうるということを示している 。その他の表皮乳頭細胞では、オステオポンチン(osteopontin)をコードする cDNAが見つかっている。発明の詳細な説明 本発明者らは、毛胞の、そして恐らくは皮脂腺と表皮の、幹細胞と推定される 細胞が、毛胞の膨大部にあることを突き止めた。細胞周期の遅い細胞(標識保持 細胞;LRCs)を検出するために計画されたオートラジオグラフを用いた技術 を使用することにより、予期しなかったことではあるが、表皮には非常に少数の LRCsしか存在しないことがわかった。さらに毛胞を測定すると、ろ胞幹細胞 のすべてを含むと考えられていた領域である毛根を含むマトリックスの細胞には LRCsが一つも存在しないことを、発明者は同定した。むしろ、”膨大部(bu lge)”として知られる領域においてろ胞の上部にLRCsのサブポピュレーシ ョンが存在することを、発明者は示した。 膨大部の細胞は、幹細胞の特徴の多くを有している。幹細胞は、毛胞の永久部 分の末端を示している。幹細胞は比較的原始的な細胞質を有している。幹細胞は 通常は細胞周期の遅い細胞であるが、腫瘍プロモーターであるTPAにより増殖 するように刺激することができる。最終的には、幹細胞は生理学的によく保護さ れていて、そしてよく栄養化された領域中に存在している。膨大部近傍に選択的 に位置する幹細胞と推定される細胞の集団が、毛胞だけでなく皮脂腺および表皮 を発生する分化可能な幹細胞であると長い間仮定されてきた幹細胞と一致してい ることを、本発明者は示した。 膨大部は、立毛筋の接着部位のろ胞の中心部分に位置する外根鞘細胞のサブポ ピュレーションである。以前の技術により、毛胞幹細胞はマトリックスあるいは 毛根のより低い毛根領域に存在するといわれた。発明者の発見により、毛髪細胞 周期の調節および皮膚の発ガンにおける毛胞の幹細胞の関与についての知見が提 供され、そして診断的および療法的な目的で細胞周期の遅い細胞の活性を特定し 調節するための方法、および同定された幹細胞の集団の活性を調節するための薬 剤の効果を評価するための方法を開発するために利用される。 もっとも特徴的な幹細胞の特徴の一つは、それら細胞の細胞周期が遅いという 特性である。3H−TdRのような放射線アイソトープの単回の感作では、幹細 胞は標識されないであろう。標識をするためには、長期間にわたってアイソトー プを複数回投与する必要がある。いったん標識されれば、細胞周期が遅い細胞は 長期間にわたってアイソトープを保持し続ける。 マウスの毛胞細胞の別々の集団を同定した。これらの細胞は細胞周期が遅いが 、しかし増殖を穴進させる刺激に反応して増殖期を誘導することができる。これ らの細胞が存在することは予期していなかった。幹細胞は、ろ胞の幹細胞が通常 存在すると考えられている毛根のマトリックス領域には見つからなかった。むし ろ、細胞は外根鞘の膨大部という領域に特異的に位置することが同定された。膨 大部の構造は、マウスの毛胞に独特なものではない。外根鞘の膨大部は、人も毛 胞にも見られ、体幹や首の皮膚にも見られる。膨大部領域は、以前の当業者たち には魅力がなさ過ぎてこれまでに組織学の教科書で取り扱われることはほとんど なかった。毛胞の幹細胞が膨大部領域に存在しうるということが認識されること により、毛髪周期がどのように調節されているのかおよび皮膚の発ガンにおいて 毛胞がどのように関与しているのかという点において発明者の新しい知見を提供 した。毛胞における細胞周期の遅い細胞の同定 新生仔マウスに対して最初の7日間、一日に2回、3H−TdRを皮下に注射 することにより投与したところ、マウスの表皮、毛胞、皮脂腺、繊維芽細胞およ び内皮細胞において、ほぼ100%の核が標識された。続く4週間の休止期の後 (”追跡”)、毛胞のマトリックス領域にはLRCs細胞が一つも見られなかっ たことから、マトリックスには、細胞周期の遅い細胞は存在しないことが示され た。予期しなかったことであるが、LRCsの一群はろ胞中心、すなわち膨大部 で見られた。 別の一連の実験において、成熟したマウスにAlzetTM浸透性ミニポンプを 移植し、3H−TdRを2週間にわたって継続的に送達した。4週間の追跡の期 間の後、LRCsは膨大部領域に選択的に見られた。 TPAを塗布したときには、成熟したマウスの膨大部中に存在する通常は細胞 周期の遅い細胞が、増殖するように刺激された。いったん外部からの刺激が除去 されれば、膨大部の細胞は,長期間にわたって標識を保持し続けたまま、一見す ると以前の細胞周期が遅い細胞に戻っている細胞でしかないようであった。膨大部活性化の理論 毛髪細胞周期には3段階の別個の時期が関与する。1つはアナゲン(成長)、 1つはカタゲン(catagen)(退行)、そしてもう1つはテロゲン(telogen)( 休止)である。発明者は、この毛髪細胞周期がどのように調節されているかを現 在までに発見した。膨大部の幹細胞は、テロゲンの終期に表皮乳頭により活性化 される。これを”膨大部活性化”と呼ぶ。表皮乳頭はアナゲン中期にマトリック スにより活性化される。実際マトリックス細胞はTA細胞であり、そのため以前 の当該技術分野の知見とは反対に、マトリックス細胞は増殖の潜在能力について は制限されていた。表皮乳頭の上方への移動は、毛髪の幹細胞の活性化のために は重要である。これらの因子のどれか一つでも欠損すると、異常な毛髪の成長が 引き起こされたりあるいは毛髪の喪失が起こったりする可能性がある。 発明者は、幹細胞の活性を調節するために有用な多くの成長因子を特定した。た とえば、腫瘍壊死因子(TNF)、上皮増殖因子(EGF)、トランスフォーム 増殖因子(TGF)そしてインターロイキン−1(IL−1)などのサイトカイ ンが有用であると考えられている。 移殖片対宿主の急性疾患における細胞の標的は、幹細胞の特徴を有するケラチ ノサイト(角質細胞)であると仮定されてきた。幹細胞は通常は細胞周期が遅い が誘導刺激に反応して急速に増殖するため、TNFなどのサイトカインには格好 の標的となりうる。EGFは幅広い生物学的活性を有することが示されてきた。 もっとも顕著なものとして、基底のケラチノサイトを増殖誘導することができる 。さらに、胎児発生中に成長を支持し、外傷の治癒過程において再上皮化を促進 することが示されてきた。TGF−αは上皮細胞の成長および分化の両方の調節 に関与することが示されてきた。TGF−αはin vitroにおいてケラチ ノサイトの成長を刺激することが知られている。IL−1は表皮細胞において増 殖活性を誘導することが知られている。 様々な増殖細胞集団においてサイトカインの効果を調べるために計画された研 究において、マウスの皮膚組織片に対して選択されたサイトカインを添加する。 組織片の細胞培養は4日間にわたって感作しながら、毎日順番に回収され、標準 的な技術にしたがって、3H−TdRの取り込みに対するサイトカインの効果を 測定した。 別の一連の実験においては、一群のマウスを継続的に2週間にわたって3H− TdRで標識し、その後4週間にわたって休止させた。いったん標識されると、 細胞周期が遅い細胞は長期間にわたってアイソトープを保持し続け、そしてその ために標識保持細胞として同定される。サイトカインは皮内注射により継続的に 標識/追跡される動物に投与される。犠死させる4時間前に、コルセミド(colc emide)(4mg/kg)を腹腔内に投与する。動物はサイトカインの注射の後 2、6、12、および24時間後に犠死させ、注入された領域の皮膚を固定し、 そして日常的な手順にしたがってオートラジオグラフィーのために処置される。 標識された有糸分裂像により、細胞周期の遅い細胞に増殖の誘導がかかったこと が示される。成長調節分子の特定及び使用 ろ胞細胞で合成している(しかしその他の近傍の細胞では合成されていない) そして毛胞中で毛髪の細胞周期依存的な濃度(hair-cycle-dependent concentra tion)の変化を受ける成長調節分子をコードしている伝令RNAが、現在までに 特定されてきた。たとえば、ネクシンIのメッセージは、アナゲンのろ胞の乳頭 中でほぼ選択的に大量に存在していることが示された。ネクシンIのメッセージ は、テロゲンのろ胞においても検出されたが、乳頭にではなくむしろろ胞の下部 に存在するケラチノサイトに存在していた。いくつかの樹立されたラットろ胞乳 頭細胞株でのネクシンIのメッセージの濃度は、in vivoでの再構築アッ セイにおいてろ胞の成長を支持するという細胞株の能力とよく相関していた。表 皮乳頭特異的な伝令RNAの別の主要なものとしては、オステオポンチンをコー ドするものが特定された。これらの結果より、初めてろ胞細胞により合成されそ して毛胞中において毛髪の細胞周期依存的な濃度の変化をする、潜在的な成長調 節分子の存在を証明した。 ネクシンIは、同時にグリア細胞由来ネクシンIとしても知られているが、4 3−47kDのタンパク質であり、強力なセリンプロテアーゼ阻害剤である。そ の標的となる酵素を、この工程の中で分子自体のC末端ペプチドを切り離し、1 :1の共有的な複合体を形成することにより不活性化する。標的となる酵素には 、トロンビン、ウロキナーゼ、そして組織プラスミノーゲンアクチベーターが含 まれる。ネクシンIは、細胞成長および細胞分化を調節する際に重要な働きをし ていることが示された。 ネクシンIおよびそれの類似体を多くの様々な状況下で使用することが提案さ れている。たとえば、米国特許第5,206,017号および米国特許第5,3 26,562号では、炎症およびより特定的に関節炎の治療の際に、ネクシンI を含む薬剤組成物を使用することが開示されている。米国特許第5,187,0 89号でも、炎症の治療の際にネクシンIの類似体を使用することが開示されて いる。加えて本特許出願では、気腫、先天性−α−1−抗トリプシン欠損症、ガ ン、敗血症ショック、脳卒中および心臓発作の治療の際に、ネクシンIの類似体 を使用することを開示する。米国特許第5,112,608号および米国特許第 5,196,196号では、外傷の治癒を促進するためにネクシンIを使用する ことを開示する。米国特許第5,134,076号では神経学的疾患においてネ クシンIを使用することを、国際特許第WO9105566号では、抗凝固剤と してネクシンIを使用することをそれぞれ開示する。 オステオポンチンのメッセージも、培養したろ胞表皮乳頭細胞において見られ たが、しかし培養した繊維芽細胞では見られなかった。オステオポンチンは、主 要な骨マトリックスタンパク質であることが知られている。しかしながらろ胞に オステオポンチンが存在することは以前は知られていなかった。オステオポンチ ンもろ胞上皮の成長および毛髪の成長を調節するために関与しうる分泌タンパク 質である。 ランダムプライマーを使用したPCR技術(Liang and Pardee ,1992)を使用して、同一のin vitro条件下で培養されたラットろ 胞乳頭細胞および皮膚繊維芽細胞のcDNAを作成し、そしてポリアクリルアミ ドゲル電気泳動により比較した。14種類の5’上流ランダムプライマーを12 種 類の3’下流NMオリゴ(dT)12プライマーと組み合わせて使用することに より、総計で168種類のポリメラーゼ連鎖反応を行った。それぞれの反応から は、6%ポリアクリルアミドゲルを使用して適切に分離することができる、平均 して25のcDNAバンドが得られた。およそ4200のmRNA種が解析され 、これは細胞のmRNA全集団のうちおよそ20%に相当するものであった。ろ 胞乳頭細胞および表皮繊維芽細胞のおよそ95%のmRNAが同一であったが、 それぞれの細胞種はいくつかの独特なmRNAを発現していた。ろ胞細胞由来の 多くのcDNAをクローン化した。 作成されたろ胞乳頭細胞および表皮繊維芽細胞のcDNAは、繊維芽細胞でよ りも表皮乳頭細胞においての方がずっと大量に存在している210bpと190 bpのcDNAダブレット(doublet)以外は同一であった。上にある2 10bpのバンドを増幅すると、しばしば同一の210bp/190bpダブレ ットの形成を引き起こし、このことからこれら2つのバンドは密接に関連してい ることが示される。210bpのcDNAはクローン化され、FP−8と命名さ れた。ノザンブロット解析により、サイズがおよそ1.3kbであるこのmRN A種は、培養されたろ胞乳頭細胞中の全RNAのうち3%以上存在する主要な構 成要素として存在することがわかった。しかしながらこのmRNA種は、培養さ れたラット繊維芽細胞および日ヒトWI−38胎児肺繊維芽細胞においてはほと んど検出されなかった。DNAの配列解析により、このcDNAは、トロンビン 、ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーターおよびトリプシンを含む 多くのセリンプロテアーゼを不活性化することが知られているプロテアーゼ阻害 剤であるネクシンIをコードしていることがわかった。 これらのデータから、ネクシンIのmRNAは培養された感覚毛乳頭細胞にお いて大量に存在することがはっきりと立証された。この事実がin vivoに おいても真実であるかどうかを調べるために、in situハイブリダイゼー ション法をラット口唇皮膚のパラフィン切片上で行った。その結果から、ネクシ ンIのmRNAは、実際に感覚毛の乳頭においてin vivoで優勢に存在す ることが示された。乳頭に隣接しそして乳頭を形成することができると考えられ ていた”結合組織鞘”の細胞は、ネクシンIのメッセージを発現していなかった 。表皮繊維芽細胞、脂肪細胞、内皮細胞あるいは筋肉細胞を含むその他の皮膚間 充組織細胞のどれにおいてもシグナルは検出されなかった。アナゲンの時期VI の毛胞のケラチノサイトあるいは上皮中のケラチノサイトに関連するシグナルは なかった。 ラットの背中の皮膚の毛髪ろ胞を用いて、同様の結果が得られた。退行(カタ ゲン)あるいは休止(テロゲン)の時期に補足されることがほとんどない感覚毛 のろ胞とは異なり、毛髪ろ胞は毛髪の細胞周期と同調的に動き回って(trav erse)いる。アナゲンの毛髪ろ胞乳頭において、大量のネクシンIが検出さ れた。しかしながらネクシンIのmRNA濃度はテロゲンの乳頭およびそれに続 く初期アナゲンのろ胞においては顕著に減少した。このことより、ろ胞乳頭にお けるネクシンIのメッセージ濃度は、毛髪の細胞周期依存性に厳密な調節下にお かれていることが示唆される。アナゲンの毛髪ろ胞のマトリックスのケラチノサ イトにおいては、無視してもよいほどの量のネクシンIメッセージしか見られな いが、テロゲンの下部ろ胞のケラチノサイトおよび初期アナゲンのろ胞(初期ア ナゲンのろ胞乳頭細胞では毛髪の細胞周期のこの時期の間はネクシンIのメッセ ージがないのであるが)からは顕著な量が再現性を伴って検出された。 アナゲンのろ胞乳頭中にネクシンIのメッセージが蓄積するという事実から、 この分子はろ胞成長を調節することに関与することが示された。ラット感覚毛乳 頭細胞の不死化された細胞からなるパネルを、その働きを評価するために使用し た。これらの細胞株は、新生仔マウスの皮膚ケラチノサイトと組み合わせて無胸 腺マウスに移殖した場合に、毛胞の再構築を支持する幅広い能力を示すというこ とが示された。ろ胞形成を支持する能力が大きく異なることが知られるいくつか の細胞株から得られたmRNAを分離した。ネクシンIを含んだcDNAを含む cDNAを作成するために、特異的プライマー対を使用したPCR反応を行った 。ネクシンIのmRNA濃度は、これら細胞株の間で顕著に相違し、そしてろ胞 の再構築を支持するための細胞株の能力とよく相関していた。 したがって、ネクシンIのメッセージは、アナゲンのろ胞においては乳頭にほ ぼ選択的に、大量に存在していることが示された。しかしネクシンIのメッセー ジは、テロゲンのろ胞において、乳頭においては検出されず、むしろろ胞下部の ケラチノサイトにおいて検出された。いくつかの樹立されたラットろ胞乳頭細胞 株におけるネクシンIメッセージの濃度は、毛髪成長を支持するための細胞株の 能力とよく相関していることが示された。これらの結果から初めて、ろ胞細胞に 存在しそして毛髪の細胞周期依存的に毛胞中でその濃度が変化する成長調節分子 が存在することが立証された。ろ胞調節分子であるネクシンIあるいはそれの類 似体は、ろ胞マトリックスのケラチノサイトのin vitroでの培養を容易 にするために使用することができる。in vitroで増殖させたこのような ろ胞上皮細胞は、適切な乳頭細胞と組み合わせることにより、毛髪の再構築、移 殖および遺伝子療法において有用なものである。 当業者には明らかでありうるように、その他の成長調節分子も本開示物中で記 載されている方法にしたがって同定することができる。本開示物の目的にかなう ものとしては、”成長調節分子(growth-modulating molecules)”は、ろ胞細 胞により合成され、毛胞中で毛髪の細胞周期依存的に濃度が変化する分子である 。たとえばこれらの方法を用いて、発明者はすでにオステオポンチンをコードす るcDNAを表皮乳頭中で特定した。これら同一の方法を使用して、その他の成 長調節分子を同定できる。 本発明では、ろ胞細胞で合成されそして毛胞中で毛髪の細胞周期依存的に濃度 が変化する成長調節分子、好ましくはネクシンIあるいはその類似体を含む組成 物を提供する。このような分子を特定する方法を本開示物においてはっきりと提 供した。本発明のこれらの組成物は、コンフルエンシー(confluency)を通じて 、選択されたろ胞細胞の成長および分化を調節する際に有用である。この方法に おいて、ろ胞上皮細胞のような選択された細胞は、有効量の選択された成長調節 分子と接触するため、このような細胞における毛髪の成長が調節される。”有効 量”という語は、毛髪成長を調節することができる成長調節分子の濃度を意味し ている、本開示物に基づいて当業者は、このような濃度を日常的に決定すること ができる。本発明の組成物は、毛髪の再構築あるいは移殖にも有効である。これ ら の方法において、ろ胞上皮細胞を選択した成長調節分子と接触させることにより 、また増殖させた細胞を選択した乳頭細胞と組み合わせることにより、ろ胞上皮 細胞をin vitro増殖させる。成長調節分子を含む組成物は、皮下あるい は筋肉内などの非経口的な方法によりあるいはin vivoにおいて毛髪の成 長を調節するために局所的に投与(塗布)することもできる。 一般的には、局所的な投与のためにはネクシンIのような成長調節分子を純粋 な形態では投与せず、1つあるいはそれ以上の賦形剤(excipient)と組み合わ せて処方する。組成物には塩類のような賦形剤が含まれうる。しかしながら”賦 形剤”には溶媒、分散用の媒体、コーティング、抗細菌および抗カビの薬剤、等 張性でそして吸収を遅延する薬剤およびそれに類するもののどれでもあるいはす べてを含みうる。このような薬剤を使用することは、当該技術分野においては知 られている。添加物として活性な合成物も援用しうる。毛髪の成長を調節するた めに必要とされる成長調節分子の量は、個々の患者により変化する。さらに使用 回数および使用している期間は、ろ胞細胞の実際の状態に依存してかなり変動す る。しかしながら投与の正確な量、回数および期間については、当業者は日常的 に決定することができる。ガイドラインとしては、0.1から1.0%(重量% )のネクシンIなどの成長調節分子と99.99から99.0%(重量%)の賦 形剤とを含む組成物を、基本的に毎日一ヶ月以上局所的に使用することができる 。 局所的な投与のためには、成長調節分子は半固形クリーム、軟膏あるいはゼリ ー処方により処方されるのが好ましい。しかしながら、成長調節分子を含む溶液 の形態においても処方しうる。処方の形態および使用される処方の量は大部分は 、注意を払う人(caregiver)によって決定されるであろう。成長調節分子の単 回使用が有効でありうる場合もあるが、最高の結果を得るために、毎日あるいは 一日おきなど患者によりそして処置される細胞の状況に応じて、定期的に使用す る必要がありうる。成長調節分子の量およびそれを使用する頻度は、毛髪の成長 において観察される視覚的な変化に基づき、当業者により容易に決定することが できる問題である。 以下の非限定的な実施例により、本発明をさらに説明する。実施例 実施例1:細胞培養 感覚毛のろ胞を若齢(1−2ヶ月齢)のウィスターラット(Wistar r at)の口唇部からそれぞれ切りだし、それらの乳頭部を2本のピンセットを用 いてしぼりだした。分離された乳頭部は少量のChangの培養液(60mmの ディッシュに対して1.5ml)中に静置し、誰も開けないようにされた37℃ のインキュベーター(5%CO2)中で4日間培養した。このような条件下で、 ほとんどの乳頭部はコロニーを形成した(Jahoda and Oliver, Br.J.Derm.1981,105:623−627;Warren et al.,J.Invest.Derm.1992,98:693−699)。1 0から12日後に、細胞をリン酸緩衝塩類溶液中に溶かした0.1%トリプシン と0.1%EDTAにより処理し、ばらばらにされた一つ一つの細胞はその後、 10%ウシ胎仔血清(FCS)を添加したダルベッコの最小必須培養液(DME M)中で培養皿に静置した。感覚毛を分離した口唇皮膚組織は、その後1mm3 以下に完全に細かく分離され、成長用の培養条件下に静置され、そして上記のよ うに前培養された。これらの条件下において、乳頭細胞および表皮繊維芽細胞は 特徴的な形態を維持していた(Jahoda and Oliver,1981, 上記;Jahoda and Oliver,J.Embro.and Exper .Morph.1984a,79:211−224)。培養された細胞のRNA を、4M塩化グアニジン中で抽出し、超遠心により精製し、RNase不含ウシ 膵臓DNaseで処理した(Chomcqynski and Sacchi,A nal.Biochem.1987,162:156−159)。実施例2:mRNAのディファレンシャルディスプレイ法 培養細胞から得られた全RNAを、12種類の3’オリゴ(dT)12プライマ ー(14bp)と14種類の5’ランダムプライマー(10bpのオリゴDNA )を組み合わせて用いることにより、LiangとPardee(Scienc e 1992,257:967−971)の方法にしたがって逆転写し/PCRし た。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の後、cDNAを6%ポリアクリルアミド DNAシークエンスゲルで分離した。注目するcDNA断片を含む乾燥させたゲ ルの領域に電流を流しながら、蒸留水中で90℃、5分間かけて抽出した。可溶 化された一部のcDNAを鋳型として、元のプライマーの組み合わせを使用して 2段階の再増幅を行った。再増幅されたcDNA断片の大きさをゲル電気泳動に より確定した後、断片をPCRIIベクター中にクローン化し、そしてサンガー のジデオキシヌクレオチド法(US Biochemical Kit)を用いて 配列決定した。ノザンブロット解析およびin situハイブリダイゼーショ ン法は以前に記載された手順に従って行った。実施例3:成長調節分子のin vivoにおけるスクリーニング 成長調節分子の完全長cDNAを標準的な技術を用いてPCRにより作成した 。cDNAをクローニングした後、組換え成長調節分子を細菌中で生成し、それ に続き成長調節分子がマウス毛髪の細胞周期のアナゲンを延長するかどうかにつ いて調べるために、マウスに対して投与した。スクリーニングしたい成長調節分 子中に浸漬したヘパリン化したアクリルビーズを皮下に移殖することにより、あ るいは長期間にわたってゆっくりと分子を放出する遅速放出マイクロポンプを移 殖することによるどちらかにより、成長調節分子をマウスに対して投与する。マ ウスの毛髪の細胞周期は、生後に発生を開始して生後19から21日あたりで成 熟し、その後急速にカタゲンおよび短期間のテロゲンに入る、比較的原始的なろ 胞を有する、新生仔動物でよく特徴がわかっている。2回目のサイクルが25日 齢あたりから始まり、およそ20日間にわたる長期間のテロゲンに入る前までの およそ10日間続く。最初は成長調節分子のin vivo投与により2回目の アナゲンが延長されるかどうかを調べる。それに加えて、このモデルを用いて、 アルブミンなどの対照となるタンパク質と比較において、成長調節分子により、 通常は45日あたりに引き起こされる3回目のアナゲンの成熟前に開始しそして 延長することを引き起こせるかどうかについて調べることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラヴカー,ロバート・エム アメリカ合衆国ペンシルバニア州19355, マルヴァーン,パイクランド・ロード 155,アール・ディー・ナンバー 1 (72)発明者 サン,トゥン−ティエン アメリカ合衆国ニューヨーク州10583,ス カーズデイル,エッジモント・ロード 107 (72)発明者 ユ,ダーウェン アメリカ合衆国ニューヨーク州10012,ニ ューヨーク,ワシントン・スクエア・ヴィ レッジ 1,アパートメント 2アイ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.選択した細胞と有効量の選択した成長調節分子とを接触させることにより毛 髪の成長を調節することを含む、毛髪の成長を調節する方法。 2.ろ胞上皮細胞と選択した成長調節分子とを接触させることにより、そして増 殖させた細胞と選択した乳頭細胞とを接触させることにより、in vitro でろ胞上皮細胞を増殖させることを含む、毛髪の再構築または毛髪の移殖をを行 う方法。 3.ろ胞細胞により合成され、そして毛胞中で毛髪の細胞周期依存的濃度の変化 を受ける成長調節分子を含む組成物。
JP8531963A 1995-04-20 1996-04-19 毛髪の成長を調節する組成物及び方法 Pending JPH11504016A (ja)

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