JPH11503527A - 吐き出した息中の成分を検出する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 吐き出された息中の１あるいはそれ以上の成分を検出するための装置であって、その装置は筒状の要素を備えており、その一端は吐き出された息が導入されそしてその他端にはその成分を吸着する吸着プレートが取り付けられており、そしてそこではそのプレートはその成分を計測装置中で測定するために取りはずし可能に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】 吐き出した息中の成分を検出する装置 本発明は吐き出された息中の１ないしそれ以上の成分を検出するための装置に 係り、特に人間の胃および腸管中の病原性バクテリアヘリコバクテルパイロリー の存在を検出するための装置に関する。 発明の背景 ガス状の成分は例えばガスクロマトグラフイー、炎光光度測定およびスペクト ル光度測定のような種々の方法で分析することが出来る。しかしこれらの方法は 高価な装置の使用を必要とし、かつ多くの場合非常に技術的に高度なものである 。これらに代る簡単な方法はガスをある物質によって吸着し、そしてガス状の成 分の有る無しを色表示体の助けを借りて表示する方法である。この点に関する例 は吐き出された息中のアルコールの有無を表示するために使用される吹き込みチ ューブである。これらの装置は吸着された物質について別の所で計測出来るよう には作られてはいないという欠点を有している。 ある種の状態および病気は吐き出された息を分析することによって知ることが 出来る。例えば胃の潰瘍は主として病原性ヘリコバクテールパイロリによって引 き起こされる。このバクテリアの存在を知るための方法は既に発表されており、 何年もの間臨床研究で適用されてきた。この方法によれば、患者は同位元素、望 ましくは放射性同位元素で標識付けされた尿素の製剤を飲み込まねばならない。 胃および腸管に存在するヘリコバクテールパイロリはこの尿素を炭酸ガスその他 に分解する。この炭酸ガスは次に人体の通常の生理作用を通して肺に移送され、 ここからその他の人体の器官で形成された炭酸ガスと共に吐き出される。このバ クテリアによって形成された炭酸ガスには標識付けがされているので、吐き出さ れた炭酸ガスの量は患者にチューブを通して吐き出す息を炭酸ガスを吸着する液 体中に吹き込ませることによって計測することが出来る。この液体は次に適切な 計測装置例えばシンチレーターカウンターの助けを借りてヘリコバクテールパイ ロリの存在の印としての吐き出された炭酸ガス中の同位元素で標識付けされた成 分を検知するために試験される。 上記の方法は比較的複雑でかつ時間のかかるものである。それに加えてこの方 法は高価で大型の装置の使用を必要としている。さらにこの方法を実施するため の商業ベースに乗った製品は未だに入手することは出来ない。 発明の目的 本発明の目的は吐き出された息中の１ないしそれ以上の成分を検出する際に使 用する装置を提供することである。この装置は低コストで製造可能でありかつ試 験結果の長期間に渡る保管および再現性の要求をも満足させるものである。もう 一つの目的は又複雑な液体の取り扱いおよびスペースを取る分析装置の使用を排 除することである。 これらの目的は本発明によって達成される、即ち本発明は筒状の要素から成る 装置に関しており、この筒状の要素は硬くてもあるいはプラスチックバッグのよ うに軟らかくても良くそしてこれを通して空気が導かれる。そのチューブの一端 にはノズルが形成されている。そのチューブの反対側の端部にはプレートが取り 付けられており、このプレートは気密のプレートでもあるいは多孔質の膜でも良 い。このプレートはそのチューブにそこから直ぐに取りはずせるように取り付け られている。このプレートの取り付けはネジおよびスナップ式のいずれでも良く あるいは又簡単な接着テープでも良い。乾式の吸着材料がこのプレート上に載置 されるかあるいは一体化されている。この吸着材料は専ら希望するガス成分の特 定の量を吸着するように設計されている。この吸着剤中の色表示体はガス成分の 最大量が吸着された時表示を行う。気密のプレートが使用される時には、このプ レートの外側の端部に、空気が外に出ていけるように、かつそれと共にそのチュ ーブを通して空気が流れることが出来るように、穴が開けられている。 患者はそのノズルを通して吐き出した息を吹き込み、そしてその息がそのプレ ートを横切ってあるいは介して流れるように仕向ける。このプレートが飽和した 時チューブから分離することが出来る。このプレートは次に適切な計測装置の中 で問題の成分の有る無しを検知するために分析される。 望ましい一実施例においては、本発明は吐き出された息中の同位元素で標識付 けされた炭酸ガスの存在を知るために使用される。特にバクテリア性のヘリコバ クテールパイロリの変換生成物として形成された放射性の炭酸ガスの存在を知る ために使用される。この目的のために炭酸ガス吸着材料がこのプレート上に載置 されるかあるいは一体化されている。放射能で標識付けされた尿素を投与された 患者は、本発明の装置を通して息を吹き込むことを指示される。放射能で標識付 けされた炭酸ガスを含む炭酸ガスはこのプレート上に吸着される。このプレート は次にこの装置から取りはずされ、そしてバクテリア性のヘリコバクテールパイ ロリの存在を知るために適切な計測装置中で放射能の点から分析される。 このようにして本発明は吐き出された息中のある成分の有る無しを知るのに使 われる簡単な装置を提供する。 図面の簡単な説明 図１は本発明装置の一実施例の斜視図である。 図２ａは本発明装置のもう一つの実施例の上方から見た図である。 図２ｂは図２ａに示した実施例の側面図である。 図面の詳細な説明 図１は主としてその実施例を図示しており、ここでは多孔質の膜が使用されて おり、そして空気はこのプレートを通して流れるようにされている。この装置は その一端にノズル２が設けられた筒状の要素１を有している。吸着プレート３が 反対側の端部に取りはずし可能に取り付けられている。この実施例に於いて気密 のプレートが使用される時には、このプレートの外側の縁部分にこの装置を通し て空気が流れることが出来るように穴４が開けられることになるであろう。多孔 質の膜が使われる時にはこれらの穴は取り除かれる。 図２ａおよび２ｂは気密のプレートが使われる時に適する装置の一実施例につ いての２つの図を示している。これらの図で使用されている参照符号は図１で使 用されたそれらと対応している。図２ｂ中の破線はこのプレートを含む装置の上 方部分の全体が下方部分から分離することが出来、そして計測装置中に導入する ことが出来ることを示している。多孔質の膜が使用される時には、この装置には 穴４は設けられない。 この装置を使用する時には、患者はノズルを通して息を吐き出す。この吐き出 された息は次にこの筒状の要素１を通過し、そしてプレート３を通して流れ出る かあるいはプレート３を横切ってそして穴４を介して流れ出る。このチューブは この空気の流れと吸着プレート間の接触を最大にするように構成されている。カ ラー表示体によって表示されるガス成分の最大量を吸着させた後、このプレート は筒状要素から取りはずされ、そして希望している成分を検知するために計測装 置中に導入される。もう一つの方法としては、このプレートを含む上方部分の全 体が装置の残りの部分から取りはずされそして計測装置中に導入されても良い。 この装置は多くの適切な材料から、望ましくは種々の厚紙、板紙あるいはプラ スチックから作ることが出来る。使用することが出来るプラスチックの例はポリ エチレン、ポリスチレンあるいはＰＶＣである。この装置は放射線あるいは熱に よって殺菌出来ることが望ましい。この吸着材料は検知すべき成分に基づいて変 わるものである。炭酸ガス吸着材料の例は水酸化ナトリウムおよびソーダー石灰 である。プレートが飽和した時の信号の役割りをはたすプレート上の色反応は色 表示体として商業的に入手出来るソーダー石灰の使用によって達成出来る。この 吸着材料の下側あるいは上側の装置の部分はこの色反応が観察出来るように透明 であることが望ましい。検出されるべき成分は、例えば同位元素によって標識付 けあるいはマーク付けされる。標識付けされた成分を検出するために使用される 計測装置はその標識付けの内容によって変わる。例えば放射能で標識付けされた 成分はガイガーミューラー管を使って検知される。機械的強度の観点から、この 装置は気密のバッグ中に耐久性のある環境で、例えば炭酸ガス吸着材料が使用さ れている時には、窒素ガス環境でパックされることが望ましい。この装置は衛生 上の理由から１回限りの使用に合うように設計されるのが都合が良い。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｄ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．それを通して吐き出された息が導かれ、かつその一端に吐き出された息が導 入される筒状の要素を有する吐き出された息中の１あるいはそれ以上の成分を検 出する際に使用される装置において、上記筒状の要素の他端には上記成分を吸着 する材料がその上に載置されるかあるいはそこに一体化されているプレートが設 けられており、息がその装置中に吐き出された時、上記成分が上記プレートおよ び上記材料と接触するようにされ、かつ上記成分を計測装置中で測定するため上 記プレートが取りはずし可能であることを特徴とする装置。 ２．上記材料は気密プレートの表面に載置されておりかつ吐き出された息は上記 息を上記プレートを横切って流すことによって上記材料と接触するようにされて いることを特徴とする請求項１に記載の装置。 ３．上記プレートは多孔質の膜の形をしておりかつ吸着材料がその上に載置され るかあるいはそこに一体化されており、かつ吐き出された息はその息が膜を通し て流れるようにすることによって上記材料と接触するようにされていることを特 徴とする請求項１に記載の装置。 ４．上記材料は炭酸ガス吸着材料であることを特徴とする請求項１〜３のいずれ か１つに記載の装置。 ５．上記吸着材料は色表示体を含んでいることを特徴とする請求項１〜４のいず れか１つに記載の装置。 ６．胃および腸管中のヘリコバクテールパイロリからの変換生成物として形成さ れた炭酸ガスを検知するための請求項１〜５のいずれか１つに記載の装置。