JPH11501928A - 免疫隔離 - Google Patents

免疫隔離

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JPH11501928A
JPH11501928A JP8527722A JP52772296A JPH11501928A JP H11501928 A JPH11501928 A JP H11501928A JP 8527722 A JP8527722 A JP 8527722A JP 52772296 A JP52772296 A JP 52772296A JP H11501928 A JPH11501928 A JP H11501928A
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JP8527722A
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ピー. ラーンツァー,ロバート
エム. クートライバー,ウィレム
エル. チック,ウィリアム
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バイオハイブリッド テクノロジーズ インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 マイクロカプセル及び複合マイクロリアクター並びにそれらの製造方法及び利用方法。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫隔離発明の背景 本発明は、ゲル粒子例えばビーズ又は球体並びにそれらの製造及び利用に関す るものである。 ドナー組織のレシピエントへの移植を利用して、心臓病、新生物疾患及び内分 泌疾患を含む様々な病気を治療することができる。しかしながら、移植に基づく 治療法の臨床応用は、種々の因子により制限されている。これらの因子には、移 植された同種異系又は異種組織の移植片レシピエントによる免疫性の拒絶、同種 異系ドナー組織の不足及びドナーにより伝搬されるレシピエント組織への攻撃( 移植片対宿主病)が含まれる。 移植されたドナー組織の免疫による拒絶は、移植に基づく治療法の利益の一層 広い利用可能性に対する最も重大な障壁であり得る。同種異系又は異種のドナー 組織の免疫適格なレシピエントへの移植は、一般に、ドナー移植片に対する活発 で破壊的な免疫応答を生じる。ドナー組織の免疫に基づく破壊を阻止するための 努力は、一般に、2つの範疇に分類される。1つのアプローチにおいて、努力は 、レシピエントの免疫応答を、例えば移植された組織に対する特異的免疫寛容の 誘導により、又は一層頻繁には、シクロスポリン等の広いスペクトルの免疫抑制 剤の投与によって低減させることに向けられた。他の主要なアプローチにおいて は、ドナー移植片の受容を延長させるための努力が、ドナー移植片の攻撃に対す る感受性を、例えばドナー組織をカプセル封入してレシピエントの免疫系の要素 との接触が最少になるようにすることにより免疫隔離することによって低下させ ることに向けられた。 免疫隔離は、特に、内分泌疾患の治療に、又はホルモン若しくは酵素置換治療 法において魅力的である。例えば、免疫隔離された膵島細胞の移植を利用して、 糖尿病レシピエントにおけるグルコース応答性インシュリン機能を回復すること ができる。島を、グルコース、インシュリン、栄養素及び細胞老廃物の比較的 自由な拡散が可能であるがレシピエントの免疫系の成分に対しては不透過性であ る機械的な封入物内に置くことができ、又はかかる物質で被覆することができる 。 マイクロカプセルは、典型的には、生細胞が埋め込まれた内部コア及び適宜に 外側の半透性コーティングを含む。外側のコーティングは、しばしば、移植片の レシピエントの免疫系の成分が入り込んでマイクロカプセル内の細胞を破壊する のを防止する多孔性を有する。少数の生細胞を含むゲルマイクロカプセルが、同 種異系及び異種のドナー細胞の両者をレシピエント動物に移植するために用いら れてきた。膵島細胞等の細胞をアルギネートゲル中にマイクロカプセル封入する ための種々の方法が研究されてきた。これらには、Lim 等の米国特許第4,39 1,909号及びSoon-Shiong等、Transplantation,54:769-774(1992)に記載さ れたアルギネート−ポリリジン技術、Rha 等の米国特許第4,744,933号 に記載されたアルギネート−キトサン系及びSeftonの米国特許第4,353,8 88号に記載されたポリアクリレートカプセル封入が含まれる。 発明の要約 発明者は、複合マイクロリアクターを用いてドナー細胞を免疫隔離することが できることを発見した。この発明の複合マイクロリアクターは、ドナー細胞例え ばブタ、ウシ、イヌ又はヒトの島細胞を、レシピエント動物例えばマウス、ラッ ト、イヌ又はヒトに、殆ど又は全く免疫抑制剤又は抗繊維剤を必要としないで上 首尾に移植することを可能にする。 従って、一つの面において、この発明は、下記を含む複合マイクロリアクター を特徴とする: (a)次のものを含む1つ又は複数の内部粒子: (i) 治療用物質の源、例えば、島; (ii) この源と接触する内部粒子マトリックス、例えば、ゲルコア又は 固体粒子; (iii)内部粒子マトリックスを封入する内部粒子コーティング(適宜) ; 及び (b)内部粒子が埋め込まれたスーパーマトリックス、例えば、ゲルスーパー マトリックス;及び (c)スーパーマトリックスを封入する外側コーティング(適宜)、 この複合マイクロリアクターは、好ましくは、約400,000ダルトンより大 きい分子が入ってこの源に接触するのを阻止する分子量カットオフを提供し、こ の複合マイクロリアクターの成分例えば内部粒子、スーパーマトリックス又はこ れら両者は、幾何学的に安定化されている。 好適具体例において、この内部粒子マトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例 えばアルギネート又はアガロースゲル;固体粒子例えばガラスビーズ;細孔又は 隙間を有する粒子であり又はこれらを含む。好適具体例において、内部粒子マト リックスは、液体以外である。この内部粒子マトリックスは、レシピエント由来 の分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えばそれは、ポリ エチレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオル ニチン(PLO)を含有することができる。 好適具体例において、内部粒子マトリックスは、約50kDaより大きい分子 量を有する分子、好ましくは約100kDaより大きい分子量を有する分子、好 ましくは約150kDaより大きい分子量を有する分子、最も好ましくは約40 0kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子若しくは補体等 の免疫系成分の通過を妨げ、好ましくは本質的に完全にその通過を阻止する。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジ ン(PLL)又はPLO;天然物質例えばキトサン;合成ポリマー例えばPAN −PVCであり又はこれらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満 の、一層好ましくは10kDa未満の、一層好ましくは5kDa未満の分子量を 有するポリアミノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜 4kDa、約1kDa〜4kDa未満例えば3.7kDa、又は約5kDa〜約 15kDa未満、又は約5kDa〜約10kDa未満(例えば9乃至10kDa 、例えば9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えば ポリリジンは、特に好適である。1又は2〜10kDaの範囲の、好ましくは1 〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOのコ ーティングも又、好適である。好適なコーティングは、容積減少コーティングで ある。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例えば アルギネート又はアガロースゲルであり又はこれらを含む。好適具体例において 、スーパーマトリックスは、液体以外である。このスーパーマトリックスは、レ シピエント由来の分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例え ばそれは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA )又はポリオルニチン(PLO)を含有することができる。約100〜800万 ダルトン以上の分子量を有する高分子量の分子例えばポリマー例えばPEOをス ーパーマトリックスに加えて免疫隔離特性を与えることができる。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、低分子量種例えばIgG又は 補体を排除する能力を殆ど又は全く有しないが、この特性は、マイクロカプセル の他の成分に属する。 好適具体例において、外側コーティング(随意である)は、ポリアミノ酸例え ばポリリジン(PLL)又はPLO;天然の物質例えばキトサンであるか又はこ れらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満の、一層好ましくは1 0kDa未満の、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリアミ ノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa(又は 約1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜15kD a未満の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kDa例え ば9.7kDaの分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジンは、特に好適で ある。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは1〜2、1〜3又は1〜4kD の範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOのコーティングも又、好適である 。 好適具体例において、外側コーティングは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、内部粒子の直径は、容積減少コーティングの適用前には 、50〜700ミクロン、一層好ましくは100〜500ミクロン、一層好まし くは200〜400ミクロン、最も好ましくは約300ミクロンである。内部粒 子の直径は、容積減少コーティングの適用後には、好ましくは35〜500ミク ロン、一層好ましくは75〜400ミクロン、一層好ましくは100〜300ミ クロン、最も好ましくは約200ミクロンである。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの直径は、100ミクロン〜4 ミリメートル、300〜1200ミクロン、300〜1500ミクロン、400 〜1000ミクロン又は400〜800ミクロンである。一層好ましくは、この 直径は、約600ミクロンである。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、複数の内部粒子を、例えば 2〜100個の、例えば2〜10個の内部粒子を含む。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、一層高次の複合体例えば二 重複合体又は三重複合体の成分である。 好適具体例において、複合体の1つ以上の成分は、幾何学的に安定化される。 例えば、内部粒子マトリックスは、例えば、それを被覆する前に、2時間〜14 日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定化さ れ;内部粒子は、例えば、それをスーパーマトリックス中に埋め込む前に、2時 間〜14日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安 定化される。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、スーパーマトリックス、外側 コーティング(存在するならば)又はスーパーマトリックス及び外側コーティン グの組合せより一層低い分子量排除数を有し、例えば、内部粒子コーティングは 、レシピエントの免疫分子例えばIgG又は補体を排除し、そしてスーパーマト リックス、外側コーティング(存在するならば)又はスーパーマトリックス及び 外側コーティングの組合せは、免疫分子例えばIgG又は補体を通すが、レシピ エント細胞の通過を排除する。 好適具体例において、この複合体の外表面は、生物学的に適合性であり、例え ば、それは、複合体の繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかであり; この複合体の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、それは、複合体の繊 維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかであるが、内部粒子の表面は、生物 学的に適合性でなく、例えばそれは、繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑 らかでない。 好適具体例において、スーパーマトリックス及び外側コーティングの少なくと も1つは、繊維細胞と内部粒子コーティングとの接触を阻止する。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、更に、下記を含む: (b)次のものを含む1つ又は複数の第2の内部粒子: (i) 治療用物質の第2の源、例えば、島又は 以外の細胞及び島; (ii) 第2の源を含む第2の内部粒子マトリックス、 (iii)第2の内部粒子を封入する第2の内部粒子コーティング(適宜) ; 好適具体例において、スーパーマトリックスは、繊維細胞と内部粒子コーティ ングとの接触を阻止し;スーパーマトリックス及び外側コーティング(存在する ならば)は、幾何学的に安定化されてない成分例えば幾何学的に安定化されてな い内部粒子を含むことにより起きる欠陥を有さず;内部粒子マトリックス、内部 粒子コーティングスーパーマトリックス及び外側コーティング(存在するなら ば)よりなる群から選択する少なくとも2つ又は3つ又は4つの成分は、約15 0,000ダルトンより大きい分子が入ってこの源と接触することを阻止する分 子量カットオフを与え;内部粒子分子量カットオフは、内部粒子マトリックスの 細孔構造により与えられ且つその細孔構造は例えば内部粒子ゲルの架橋から生じ ;分子量カットオフスーパーマトリックスは、スーパーマトリックスの細孔構造 により与えられる。 好適具体例は、外側コーティングを有しない。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの外表面は、ゲル例えばアルギ ネートゲルである。一層好適な具体例において、複合マイクロリアクターの外表 面は、ゲル例えばアルギネートゲルであり、その外表面は、例えば架橋により改 変されて共有結合により改変されたゲル表面を生成し、例えばコーティングを形 成している。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの外側成分即ちレシピエントと 接触する成分は、少なくとも50、75、90、95、97又は98%水である 。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リンパ球 、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と治療用物質の源とがかな りの距離を置くようにさせるだけ十分な直径又は厚みを有するものである。一層 好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば粒子マトリックス又はス ーパーマトリックスの厚み(例えば、その内表面と外表面との間の距離)は、少 なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミクロンである。一層 好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質の源との距離は、少なく とも5、10、20、50、75、100又は200ミクロンであり;治療用物 質の源の、レシピエント細胞により放出された小さい分子(例えばIgGを排除 する成分によって排除されない分子、例えばサイトカイン、一酸化窒素(NO) 及び他の毒性部分)への露出が(例えば、拡散によって)実質的に減少する(例 えば、少なくとも10、20、50、75又は90%減少する)のに十分であり ;レシピエント細胞により放出される小さい分子(例えば、複合マイクロリアク ターの半透性バリヤー成分によって排除されない分子)の濃度が (例えば、拡散により)実質的に減少する(例えば、治療用物質の源において、 少なくとも10、20、50、75又は90%減少する)のに十分である。一層 好適な具体例において、この距離は、粒子マトリックス及びスーパーマトリック スの一方又は両方により与えられる。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リンパ球 、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と治療用物質の源又はその 源(例えば、ドナー組織に対するレシピエントの応答を刺激することのできるド ナー蛋白質)により放出されるドナー抗原(治療用物質以外)の一方又は両方と がかなりの距離を置く(又は分離する)ようにさせるのに十分な直径又は厚みを 有するものである。一層好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば 粒子マトリックス又はスーパーマトリックスの厚み(例えば、その内表面と外表 面との間の距離)は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は20 0ミクロンである。一層好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質 の源との距離は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミ クロンであり;レシピエント中へ放出され又はレシピエント細胞に接触するドナ ー抗原の量、数又は濃度が(例えば、拡散により、又は分離を与える成分による トラッピング若しくは排除により)実質的に減少する(例えば、少なくとも10 、20、50、75又は90%減少する)のに十分であり;レシピエントの細胞 と、内部粒子マトリックス又は内部粒子コーティング又はこれら両者から突き出 るかこれらを通って広がるドナー抗原例えば蛋白質との接触が(拡散により、又 は分離を与える成分によるトラッピング若しくは排除により)実質的に減少する (例えば、少なくとも10、20、50、75又は90%減少する)のに十分で あり;ドナー抗原の急性の放出を阻止するのに十分である。一層好適な具体例に おいて、この距離又は分離は、粒子マトリックス及びスーパーマトリックスの一 方又は両方により与えられる。 他の面において、この発明は、下記を含む複合マイクロリアクターを特徴とす る: (a)次のものを含む1つ又は複数の内部粒子: (i) 治療用物質の源、例えば、島; (ii) 第1の源と接触する内部粒子マトリックス;及び (iii)内部粒子マトリックスを封入するポリアミノ酸の内部粒子コーテ ィング。 (b)内部粒子が埋め込まれたスーパーマトリックス; (c)スーパーマトリックスを封入する外側コーティング(適宜)、 この複合マイクロリアクターは、好ましくは、約400,000ダルトンより大 きい大きい分子が来てこの源と接触するのを阻止する分子量カットオフを与える 。 好適具体例において、内部粒子マトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例えば アルギネート又はアガロースゲル;固体粒子例えばガラスビーズ;細孔又は隙間 を有する粒子であり又はこれらを含む。好適具体例において、内部粒子マトリッ クスは、液体以外である。内部粒子マトリックスは、レシピエント由来の分子又 は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えば、それは、ポリエチレ ンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオルニチン (PLO)を含有することができる。 好適具体例において、内部粒子マトリックスは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジ ン(PLL)又はPLOであり又はこれらを含む。特に好適なコーティングは、 15kDa未満の、一層好ましくは10kDa未満の、一層好ましくは5kDa 未満の分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである 。約1kDa〜4kDa(又は約1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDa の、又は約5kDa〜15kDa未満の、又は約5kDa〜約10kDa未満例 えば9kDa〜10kDa(例えば、9.7kDa)の分子量を有するポリアミ ノ酸例えばポリリジンは、特に好適である。1又は2〜10kDの範囲の好まし くは1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL 又はPLOコーティングも又好適である。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例えば アルギネート又はアガロースゲルであり又はこれらを含む。好適具体例において 、スーパーマトリックスは、液体以外である。スーパーマトリックスは、レシピ エント由来の分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えばそ れは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又 はポリオルニチン(PLO)を含有することができる。100〜800万ダルト ン以上の分子量を有する高分子量の分子例えばポリマー例えばPEOを、スーパ ーマトリックスに加えて免疫隔離特性を与えることができる。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、低分子量種例えばIgG又は 補体を排除する能力を殆ど又は全く有しないが、この特性は、このマイクロカプ セルの他の成分に属する。 好適具体例において、外側コーティング(随意である)は、ポリアミノ酸例え ばポリリジン(PLL)又はPLO;天然の物質例えばキトサンであり又はこれ らを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満の、一層好ましくは10 kDa未満の、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリアミノ酸例え ばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa(又は約1kD a〜4kDa未満)例えば3.7kDa、又は約5kDa〜15kDa未満、又 は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kDa(例えば 9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジンは、特に好適で ある。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは1〜2、1〜3又は1〜4kD の範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、外側コーティングは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、内部粒子の直径は、容積減少コーティングの適用前には 、50〜700ミクロン、一層好ましくは100〜500ミクロン、一層好まし くは200〜400ミクロン、最も好ましくは約300ミクロンである。内部粒 子の直径は、容積減少コーティングの適用後には、好ましくは35〜500ミク ロン、一層好ましくは75〜400ミクロン、一層好ましくは100〜300ミ クロン、最も好ましくは約200ミクロンである。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの直径は、100ミクロン〜4 ミリメートル、300〜1200ミクロン、300〜1500ミクロン、400 〜1000ミクロン、又は400〜800ミクロンである。一層好ましくは、こ の直径は、約600ミクロンである。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、複数の例えば2〜100個 の例えば2〜10個の内部粒子を含む。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、一層高次の複合体例えば二 重複合体又は三重複合体の成分である。 好適具体例において、この複合体の1つ以上の成分は、幾何学的に安定化され る。例えば、第1の内部粒子マトリックスは、例えば、被覆する前に、2時間〜 14日間、例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定 化され;第1の内部粒子は、例えば、スーパーマトリックス中に埋め込む前に、 2時間〜14日間、例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学 的に安定化される。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、スーパーマトリックス、外側 コーティング(存在するならば)、又はスーパーマトリックス及び外側コーティ ングの組合せより低い分子量排除数を有し、例えば、内部粒子コーティングは、 レシピエントの免疫分子例えばIgG若しくは補体を排除し且つスーパーマトリ ックス、外側コーティング(存在するならば)、又はスーパーマトリックス及び 外側コーティングの組合せは、免疫分子例えばIgG若しくは補体を通すが、レ シピエント細胞の通過を排除する。 好適具体例において、複合体の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、 それは、複合体の繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかであり;複合体 の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、それは、複合体の繊維カプセル 封入を阻止するだけ十分に滑らかであるが、内部粒子の表面は生物学的に適合性 でなく、例えば、それは、繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかではな い。 好適具体例において、スーパーマトリックス及び外側コーティングの少なくと も1つは、繊維細胞と内部粒子コーティングとの接触を阻止する。 好適具体例において、この複合体マイクロリアクターは、更に下記を含む: 次のものを含む1つ又は複数の第2の内部粒子: (i) 治療用物質の第2の源、 (ii) 第2の源を含む第2の内部粒子マトリックス、 (iii)第2の内部粒子マトリックスを封入する第2の内部粒子コーティン グ (第2の内部粒子は、スーパーマトリックスに埋め込まれている)。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、繊維細胞と内部粒子コーティ ングとの接触を阻止し;スーパーマトリックス及び外側コーティング(存在する ならば)は、幾何学的に安定化されてない成分例えば幾何学的に安定化されてな い内部粒子を含むことにより生じる欠陥がなく;内部粒子マトリックス、内部粒 子コーティング、スーパーマトリックス及び外側コーティング(存在するならば )よりなる群から選択する少なくとも2つ、又は3つ、又は4つの成分は、約1 50,000ダルトンより大きい分子が来てこの源に接触するのを阻止する分子 量カットオフを与え;内部粒子分子量カットオフは、内部粒子マトリックス の細孔構造により与えられ且つその細孔構造は、例えば内部粒子ゲルの架橋から 生じ;分子量カットオフスーパーマトリックスは、スーパーマトリックスの細孔 構造により与えられる。 好適具体例は、外側コーティングを有しない。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの外表面は、ゲル例えばアルギ ネートゲルである。好適具体例において、複合マイクロリアクターの外表面は、 ゲル例えばアルギネートゲルであり、その外表面は、例えば架橋により改変され て、共有結合により改変されたゲル表面を生成し例えばコーティングを形成して いる。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの外側成分即ちレシピエントと 接触する成分は、少なくとも50、75、90、95、97又は98%水である 。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リンパ球 、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と治療用物質の源とがかな りの距離を置く(又は、分離する)ようにさせるのに十分な直径又は厚みを有す るものである。一層好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば粒子 マトリックス又はスーパーマトリックスの厚み(例えば、内表面と外表面との間 の距離)は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミクロ ンである。一層好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質の源との 距離は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミクロンで あり;治療用物質の源の、レシピエント細胞により放出された小さい分子(例え ば、IgGを排除する成分によって排除されない分子、例えばサイトカイン、一 酸化窒素(NO)及び他の毒性部分)に対する露出が(例えば、拡散により)実 質的に減少する(例えば、少なくとも10、20、50、75又は90%減少す る)のに十分であり;レシピエント細胞により放出された小さい分子(例えば、 複合マイクロリアクターの半透性バリヤー成分によって排除されない分子例えば サイトカイン、NO及び他の毒性部分)の濃度が(例えば、拡散により)実質的 に減少する(例えば、治療用物質の源において少なくとも10、20、50、7 5又は90%減少する)のに十分である。一層好適な具体例において、 この距離は、粒子マトリックス及びスーパーマトリックスの一方又は両方により 与えられる。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リンパ球 、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と、治療用物質の源又はこ の源(例えば、ドナー組織に対するレシピエントの応答を剌激し得るドナー蛋白 質)により放出されるドナー抗原(治療用物質以外)の一方又は両方とがかなり の距離を置く(又は分離する)ようにさせるのに十分な直径又は厚みを有するも のである。一層好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば粒子マト リックス又はスーパーマトリックスの厚み(例えば、その内表面と外表面との間 の距離)は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミクロ ンである。一層好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質の源との 距離は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミクロンで あり;レシピエント中に放出され又はレシピエント細胞に接触するドナー抗原の 量、数又は濃度が(例えば、拡散により、又は分離を与える成分によるトラッピ ング若しくは排除により)実質的に減少する(例えば、少なくとも10、20、 50、75又は90%減少する)のに十分であり;レシピエント細胞と、内部粒 子マトリックス又は内部粒子コーティング又はこれら両者を突き抜け又はこれら を通して広がるドナー抗原例えば蛋白質との接触が(例えば拡散により、又は分 離を与える成分によるトラッピング若しくは排除により)実質的に減少する(例 えば、少なくとも10、20、50、75又は90%減少する)のに十分であり ;ドナー抗原の急性の放出を阻止するのに十分ある。一層好適な具体例において 、この距離又は分離は、粒子マトリックス及びスーパーマトリックスの一方又は 両方により与えられる。 他の面において、この発明は、下記を含む複合マイクロリアクターを特徴とす る: (a)次のものを含む1つ又は複数の内部粒子: (i) 治療用物質の源、例えば、島; (ii) この源に接触する内部粒子マトリックス;及び (iii)内部粒子マトリックスを封入する内部粒子コーティング; (b)内部粒子が埋め込まれた(非液体)ゲルスーパーマトリックス: (c)スーパーマトリックスを封入する外側コーティング(適宜)、 この複合マイクロリアクターは、好ましくは、約400,000ダルトンより大 きい分子が来てこの源に接触するのを阻止する分子量カットオフを与える。 好適具体例において、内部粒子マトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例えば アルギネート又はアガロースゲル;個体粒子例えばガラスビーズ;細孔又は隙間 を有する粒子であり又はこれらを含む。好適具体例において、内部粒子マトリッ クスは、液体以外である。内部粒子マトリックスは、レシピエント由来の分子又 は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えば、それは、ポリエチレ ンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオルニチン (PLO)を含有することができる。 好適具体例において、内部粒子マトリックスは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100KDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約40KDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分 子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を 妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例においては、内部粒子コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリ ジン(PLL)又はPLO;天然の物質例えばキトサン;合成ポリマー例えばP AN−PVCであり又はこれらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa 未満の、一層好ましくは10kDa未満の、一層好ましくは5kDa未満の分子 量を有するポリアミノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kD a〜4kDaの、約1kDa〜4kDa未満(例えば、3.7kDa)の、又は 約5kDa〜15kDa未満の、又は約5kDa〜約10kDa例えば9kDa 〜10kDa(例えば、9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えばポ リリジンは、特に好適である。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは1〜2 、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティ ングも又、好適である。好適なコーティングは、容積減少コーティングである。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約50kDaより大きい、 好ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、 最も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はI g分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通 過を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例えば アルギネート又はアガロースゲルであり又はこれらを含む。スーパーマトリック スは、レシピエント由来の分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有することがで き、例えば、それは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン 酸(PSA)又はポリオルニチン(PLO)を含有することができる。100〜 800万ダルトン以上の分子量を有する高分子量の分子例えばポリマー例えばP EOをスーパーマトリックスに加えて、免疫隔離特性を与えることができる。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシビエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、低分子量種例えばIgG又は 補体を排除する能力を殆ど又は全く有しないが、この特性は、マイクロカプセル の他の成分に属する。 好適具体例において、外側コーティング(随意である)は、ポリアミノ酸例え ばポリリジン(PLL)又はPLO;天然の物質例えばキトサンであり又はこれ らを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満の、一層好ましくは10 kDa未満の、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリアミノ酸例え ばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa(又は、約1k Da〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜15kDa未満 の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kDa(例えば9 .7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジンは、特に好適であ る。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは1〜2、1〜3又は1〜4kDの 範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、外側コーティングは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、内部粒子の直径は、容積減少コーティングの適用前には 、50〜700ミクロン、一層好ましくは100〜500ミクロン、一層好まし くは200〜400ミクロン、最も好ましくは約300ミクロンである。内部粒 子の直径は、容積減少コーティングの適用後には、好ましくは、35〜500ミ クロン、一層好ましくは75〜400ミクロン、一層好ましくは100〜300 ミクロン、最も好ましくは約200ミクロンである。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの直径は、100ミクロン〜4 ミリメートル、300〜1200ミクロン、300〜1500ミクロン、400 〜1000ミクロン、又は400〜800ミクロンである。一層好ましくは、こ の直径は、約600ミクロンである。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、複数の例えば2〜100個 の例えば2〜10個の内部粒子を含む。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、一層高次の複合体例えば 二重複合体又は三重複合体である。 好適具体例において、複合体の1つ以上の成分は、幾何学的に安定化される。 例えば、第1の内部粒子マトリックスは、例えば、被覆する前に、2時間〜14 日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定化され ;第1の内部粒子は、例えば、スーパーマトリックス内に埋め込む前に、2時間 〜14日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定 化される。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、スーパーマトリックス、外側 コーティング(存在するならば)又はスーパーマトリックス及び外側コーティン グの組合せより低い分子量排除数を有し、例えば、内部粒子コーティングは、レ シピエントの免疫分子例えばIgG又は補体を排除し、そして、スーパーマトリ ックス、外側コーティング(存在するならば)又はスーパーマトリックス及び外 側コーティングの組合せは、免疫分子例えばIgG又は補体を通過させるが、レ シピエント細胞の通過を排除する。 好適具体例において、複合体の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、 それは、複合体の繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかであり;複合体 の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、それは、複合体の繊維カプセル 封入を阻止するだけ十分に滑らかであるが、内部粒子の表面は生物学的に適合性 でなく、例えば、それは、繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかではな い。 好適具体例において、スーパーマトリックス及び外側コーティングの少なくと も1つは、繊維細胞と内部粒子コーティングとの接触を阻止する。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、更に、下記を含む: 次のものを含む1つ又は複数の第2の内部粒子: (i) 治療用物質の第2の源、 (ii) 第2の源を含む第2の内部粒子マトリックス、 (iii)第2の内部粒子マトリックスを封入する第2の内部粒子コーティン グ(適宜) (第2の内部粒子は、スーパーマトリックス中埋め込まれている)。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、繊維細胞と内部粒子コーティ ングとの接触を阻止し;スーパーマトリックス及び外側コーティング(存在する ならば)は、幾何学的に安定化されてない成分例えば幾何学的に安定化されてな い内部粒子を含むことにより生じる欠陥がなく;内部粒子マトリックス、内部粒 子コーティング、スーパーマトリックス及び外側コーティング(存在するならば )よりなる群から選択する少なくとも2つの、又は3つの、又は4つの成分は、 150,000ダルトンより大きい分子が来てこれらの源と接触するのを阻止す る分子量カットオフを与え;内部粒子分子量カットオフは、内部粒子マトリック スの細孔構造により与えられ且つその細孔構造は、例えば内部粒子ゲルの架橋に より生じ;分子量カットオフスーパーマトリックスは、スーパーマトリックスの 細孔構造により与えられる。 好適具体例は、外側コーティングを有しない。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの外表面は、ゲル例えばアルギ ネートゲルである。一層好適な具体例において、複合マイクロリアクターの外表 面は、ゲル例えばアルギネートゲルであり、その外表面は、例えば架橋により改 変されて、共有結合により改変された表面を生成し例えばコーティングを形成し ている。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの外側成分即ちレシピエントに 接触する成分は、少なくとも50、75、90、95、97又は98%水である 。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リンパ球 、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と治療用物質の源とがかな りの距離を置く(又は、分離する)ようにさせるのに十分な直径又は厚みを有す るものである。一層好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば粒子 マトリックス又はスーパーマトリックスの厚み(例えば、その内表面と外表面と の間の距離)は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミ クロンである。一層好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質の源 との距離は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミクロ ンであり;治療用物質の源の、レシピエント細胞により放出された 小さい分子(例えば、IgGを排除する成分によって排除されない分子、例えば サイトカイン、一酸化窒素(NO)及び他の毒性部分)に対する露出が(例えば 拡散により)実質的に減少する(例えば、少なくとも10、20、50、75又 は90%減少する)のに十分であり;小さい分子(例えば、複合マイクロリアク ターの半透性バリヤー成分によって排除されない分子、例えばサイトカイン、N O及び他の毒性部分)の濃度が(例えば、拡散により)実質的に減少する(例え ば、治療用物質の源において少なくとも10、20、50、75又は90%減少 する)のに十分である。一層好適な具体例において、この距離は、粒子マトリッ クス及びスーパーマトリックスの一方又は両方により与えられる。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リンパ球 、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と、治療用物質の源及びこ の源(例えば、ドナー組織に対するレシピエントの応答を刺激し得るドナー蛋白 質)により放出されたドナー抗原(治療用物質以外)の一方又は両方とがかなり の距離を置く(又は、分離する)ようにさせるのに十分な直径又は厚みを有する ものである。一層好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば粒子マ トリックス又はスーパーマトリックスの厚み(例えば、その内表面と外表面との 間の距離)は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミク ロンである。一層好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質の源と の距離は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミクロン であり;レシピエント中に放出され又はレシピエント細胞に接触するドナー抗原 の量、数又は濃度が(例えば、拡散により、又は分離を与える成分によるトラッ ピング若しくは排除により)実質的に減少する(例えば、少なくとも10、20 、50、75又は90%減少する)のに十分であり;レシピエント細胞と、内部 粒子マトリックス又は内部粒子コーティング又はこれら両者から突き出るかこれ らを通して広がるドナー抗原例えば蛋白質との接触が(例えば、拡散により又は 分離を与える成分によるトラッピング若しくは排除により)実質的に減少する( 例えば、少なくとも10、20、50、75又は90%減少する)のに十分であ り;ドナー抗原の急性の放出を阻止するのに十分である。一層好適な具体例にお いて、この距離又は分離は、粒子マトリックス及びスーパーマトリックスの 一方又は両方により与えられる。 他の面において、この発明は、下記を含む複合マイクロリアクターを特徴とす る: (a)次のものを含む、1つ又は複数の幾何学的に安定化された内部粒子: (i) 島、 (ii) 島が埋め込まれた内部粒子ゲルマトリックス、 (iii)内部粒子マトリックスを封入するポリリジンの内部粒子コーティ ング;及び (b)内部粒子が埋め込まれたゲルスーパーマトリックス、 この複合マイクロリアクターは、約400,000ダルトンより大きい分子が来 てこれらの源に接触するのを阻止する分子量カットオフを与える。 好適具体例において、内部粒子ゲルマトリックスは、ヒドロゲル例えばアルギ ネート又はアガロースゲルであり又はこれらを含む。好適具体例において、内部 粒子マトリックスは、液体以外である。内部粒子マトリックスは、レシピエント 由来の分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ;例えば、それは ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリ オルニチン(PLO)を含有することができる。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、15kDa未満の、一層好ま しくは10kDa未満の、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリリ ジン(PLL)であり又はこれらを含む。約1kDa〜4kDa(又は約1kD a〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜15kDa未満の 、又は約5kDa〜約10kDa例えば9kDa〜10kDa(例えば、9.7 kDa)の分子量を有するポリリジンは、特に好適である。1又は2〜10kD の範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例 えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。好適なコーティングは、 容積減少コーティングである。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又は Ig分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の 通過を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、ゲルスーパーマトリックスは、ヒドロゲル例えばアルギ ネート又はアガロースゲルであり又はこれらを含む。好適具体例において、スー パーマトリックスは、液体以外である。スーパーマトリックスは、レシピエント 由来の分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えば、それは ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリ オルニチン(PLO)を含有することができる。100〜800万ダルトン以上 の分子量を有する高分子量の分子例えばポリマー例えばPEOをスーパーマトリ ックスに加えて、免疫隔離特性を与えることができる。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、低分子量種例えばIgG又は 補体を排除する能力を殆ど又は全く有さず、この特性は、マイクロカプセルの他 の成分に属している。 好適具体例において、内部粒子の直径は、容積減少コーティングの適用の前に は、50〜700ミクロン、一層好ましくは100〜500ミクロン、一層好ま しくは200〜400ミクロン、最も好ましくは約300ミクロンである。内部 粒子の直径は、容積減少コーティングの適用後には、好ましくは35〜500ミ クロン、一層好ましくは75〜400ミクロン、一層好ましくは100〜300 ミクロン、最も好ましくは約200ミクロンである。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの直径は、100ミクロン〜4 ミリメートル、300〜1200ミクロン、300〜1500ミクロン、400 〜1000ミクロン、400〜800ミクロンである。一層好ましくは、この直 径は、約600ミクロンである。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、複数の例えば2〜100個 の例えば2〜10個の内部粒子を含む。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、一層高次の複合体例えば二 重複合体又は三重複合体である。 好適具体例において、複合体の1つ以上の成分は、幾何学的に安定化される。 例えば、第1の内部粒子マトリックスは、例えば、被覆する前に、2時間〜14 日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定化され ;第1の内部粒子は、例えば、スーパーマトリックス内に埋め込む前に、2時間 〜14日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定 化される。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、スーパーマトリックスより低 い分子量排除数を有し;内部粒子コーティングは、レシピエントの免疫分子例え ばIgG又は補体を排除し、そしてスーパーマトリックスは、免疫分子例えばI gG又は補体を通過させるが、レシピエント細胞の通過を排除する。 好適具体例において、複合体の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、 それは、複合体の繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかであり;複合体 の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、それは、複合体の繊維カプセル 封入を阻止するだけ十分に滑らかであるが、内部粒子の表面は生物学的に適合性 でなく、例えば、それは、繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかではな い。 好適具体例において、スーパーマトリックス及び外側コーティングの少なくと も1つは、繊維細胞と内部粒子コーティングとの接触を阻止する。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、繊維細胞と内部粒子コーティ ングとの接触を阻止し;スーパーマトリックス及び外側コーティング(存在する ならば)は、幾何学的に安定化されてない成分例えば幾何学的に安定化されてな い内部粒子を含むことにより生じる欠陥がなく;内部粒子マトリックス、内部粒 子コーティング、スーパーマトリックス及び外側コーティング(存在するならば )よりなる群から選択する少なくとも2つ、又は3つ、又は4つの成分は、約1 50,000ダルトンより大きい分子が来てこれらの源に接触するのを阻止する 分子量カットオフを与え;内部粒子分子量カットオフは、内部粒子マトリッ クスの細孔構造により与えられ且つその細孔構造は、例えば、内部粒子ゲルの架 橋により生じ;分子量カットオフスーパーマトリックスは、スーパーマトリック スの細孔構造により与えられる。 好適具体例は、外側コーティングを有しない。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの外表面は、ゲル例えばアルギ ネートゲルである。一層好適な具体例において、複合マイクロリアクターの外表 面は、ゲル例えばアルギネートゲルであり、その外表面は、例えば架橋により改 変されて、共有結合により改変されたゲル表面を生成し例えばコーティングを形 成している。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの外側成分即ちレシピエントに 接触する成分は、少なくとも50、75、90、95、97又は98%水である 。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リンパ球 、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と、治療用物質の源とがか なりの距離を置く(又は分離する)ようにさせるのに十分な直径又は厚みを有す るものである。一層好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば粒子 マトリックス又はスーパーマトリックスの厚み(例えば、その内表面と外表面と の間の距離)は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミ クロンである。一層好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質の源 との距離は、5、10、20、50、75、100又は200ミクロンであり; 治療用物質の源の、レシピエント細胞により放出された小さい分子(例えば、I gGを排除する成分によって排除されない分子、例えばサイトカイン、一酸化窒 素(NO)及び他の毒性部分)に対する露出が(例えば、拡散により)実質的に 減少する(例えば、少なくとも10、20、50、75又は90%減少する)の に十分であり;レシピエント細胞により放出された小さい分子(例えば、複合マ イクロリアクターの半透性バリヤー成分によって排除されない分子、例えばサイ トカイン、NO及び他の毒性部分)の濃度が(例えば、拡散により)実質的に減 少する(例えば、治療用物質の源において、少なくとも10、20、50、75 又は90%減少する)のに十分である。一層好適な具体例において、 この距離は、粒子マトリックス及びスーパーマトリックスの一方又は両方により 与えられる。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リンパ球 、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と、治療用物質の源又はこ の源(例えば、ドナー組織に対するレシピエントの応答を刺激し得るドナー蛋白 質)により放出されるドナー抗原(治療用物質以外)の一方又は両方とがかなり の距離を置く(又は、分離する)ようにさせるのに十分な直径又は厚みを有する ものである。一層好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば粒子マ トリックス又はスーパーマトリックスの厚み(例えば、その内表面と外表面との 間の距離)は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミク ロンである。一層好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質の源と の距離は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミクロン であり;レシピエント中に放出され又はレシピエント細胞に接触するドナー抗原 の量、数又は濃度が(例えば、拡散により、又は分離を与える成分によるトラッ ピング若しくは排除により)実質的に減少する(例えば、少なくとも10、20 、50、75又は90%減少する)のに十分であり;レシピエント細胞と、内部 粒子マトリックス又は内部粒子コーティング又はこれら両者から突き出るかこれ らを通して広がるドナー抗原例えば蛋白質との接触が(例えば、拡散により、又 は分離を与える成分によるトラッピング若しくは排除により)実質的に減少する (例えば、少なくとも10、20、50、75又は90%減少する)のに十分で あり;ドナー抗原の急性の放出を阻止するのに十分である。一層好適な具体例に おいて、この距離又は分離は、粒子マトリックス及びスーパーマトリックスの一 方又は両方により与えられる。 本発明者は、単一の又は簡単な複合マイクロリアクター例えば一層大きい粒子 に含まれた1つ以上のマイクロカプセルを含むものを用いてドナー組織を免疫隔 離することができることを発見した。本発明者は、更に、一層高次の複合体例え ば一層大きい粒子に含まれた1つ以上の単一複合体を含む二重の複合体も又、ド ナー組織を免疫隔離するのに有効であることを発見した。 従って、この発明は、下記を含む二重複合マイクロリアクターを特徴とす る: (1)次のものを含む1つ又は複数の内部粒子: (a)治療用物質の源、例えば、島; (b)源に接触する内部粒子マトリックス;及び (c)第1の内部粒子マトリックスを封入する内部粒子コーティング; (2)次のものを含む1つ又は複数の粒子: (a)(1)の内部粒子 (b)内部粒子が埋め込まれた粒子マトリックス;及び (c)粒子を封入する粒子コーティング(適宜); (3)(2)の粒子が埋め込まれたスーパーマトリックス;及び (4)スーパーマトリックス又はスーパーマトリックスを封入する例えばポリ リジンの外側コーティング。 好適具体例において、内部粒子マトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例えば アルギネート又はアガロースゲル;個体粒子例えばガラスビーズ;細孔又は隙間 を有する粒子であり又はこれらを含む。好適具体例において、内部粒子マトリッ クスは、液体以外である。内部粒子マトリックスは、レシピエント由来の分子又 は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えば、それは、ポリエチレ ンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオルニチン (PLO)を含有することができる。 好適具体例において、内部粒子マトリックスは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジ ン(PLL)又はPLO;天然の物質例えばキトサン;合成ポリマー例えばPA N−PVCであり又はこれらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未 満の、一層好ましくは10kDa未満の、一層好ましくは5kDa未満の分子量 を有するポリアミノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。 約1kDa〜4kDa、約1kDa〜4kDa未満例えば3.7kDaの、又は 約5kDa〜15kDa未満の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9k Da〜10kDa(例えば、9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例え ばポリリジンは、特に好適である。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、 1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOも 又、好適である。好適なコーティングは、容積減少コーティングである。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、内部粒子の直径は、容積減少コーティングの適用の前に は、50〜700ミクロン、一層好ましくは100〜500ミクロン、一層好ま しくは200〜400ミクロン、最も好ましくは約300ミクロンである。内部 粒子の直径は、容積減少コーティングの適用後には、好ましくは35〜500ミ クロン、一層好ましくは75〜400ミクロン、一層好ましくは100〜300 ミクロン、最も好ましくは約200ミクロンである。 好適具体例において、粒子マトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例えばアル ギネート又はアガロースゲルであり又はこれらを含む。好適具体例において、粒 子マトリックスは、液体以外である。粒子マトリックスは、レシピエント由来の 分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えば、それは、ポリ エチレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオル ニチン(PLO)を含有することができる。 好適具体例において、粒子マトリックスは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、粒子コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジン( PLL)又はPLO;天然の物質例えばキトサン;合成ポリマー例えばPAN− PVCであり又はこれらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満の 、一層好ましくは10kDa未満の、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有 するポリアミノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4 kDa(又は、約1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5k Da〜15kDa未満の、約5kDa〜約10kDa例えば9kDa〜10kD a(例えば、9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジンは 、特に好適である。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3 又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又 、好適である。好適なコーティングは、容積減少コーティングである。 好適具体例において、粒子コーティングは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、粒子の直径は、容積減少コーティングの適用の前には、 200〜1000ミクロン、一層好ましくは400〜800ミクロン、一層好ま しくは500〜700ミクロン、最も好ましくは約600ミクロンである。粒子 の直径は、容積減少コーティングの適用後には、好ましくは100〜700ミク ロン、一層好ましくは250〜550ミクロン、一層好ましくは300〜500 ミクロン、最も好ましくは約400ミクロンである。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、低分子量種例えばIgG又は 補体を排除する能力を殆ど又は全く有さず、この特性は、マイクロカプセルの他 の成分に属している。 好適具体例において、ゲルスーパーマトリックスは、ヒドロゲル例えばアルギ ネート又はアガロースゲルであり又はこれらを含む。好適具体例において、スー パーマトリックスは、液体以外である。スーパーマトリックスは、レシピエント 由来の分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えば、それは ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリ オルニチン(PLO)を含有することができる。100〜800万ダルトン以上 の分子量を有する高分子量の分子例えばポリマー例えばPEOをスーパーマトリ ックスに加えて免疫隔離特性を与えることができる。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、低分子量種例えばIgG又は 補体を排除する能力を殆ど又は全く有さず、この特性は、マイクロカプセルの他 の成分に属している。 好適具体例において、スーパーマトリックスコーティング(随意である)は、 ポリアミノ酸例えばポリリジン(PLL)又はPLO;天然の物質例えばキトサ ンであり又はこれらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満、一層 好ましくは10kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリ アミノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa( 又は、約1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜1 5kDa未満の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kD a(例えば、9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジンは 、特に好適である。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3 又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又 、好適である。 好適具体例において、粒子コーティングは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターの直径は、容積減少コーテ ィングの適用前には、400〜1500ミクロン、一層好ましくは500〜13 00ミクロン、一層好ましくは600〜1100ミクロン、最も好ましくは約9 00ミクロンである。二重複合マイクロリアクターの直径は、容積減少コーティ ングの適用後には、好ましくは300〜1300ミクロン、一層好ましくは40 0〜1200ミクロン、一層好ましくは500〜1000ミクロン、最も好まし くは約800ミクロンである。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、複数の例えば2〜100個 の例えば2〜10個の内部粒子を含む。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、複数の例えば2〜100個 の例えば2〜10個の粒子を含む。 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターは、一層高次の複合体例え ば三重又は四重複合体である。 好適具体例において、複合体の1つ以上の成分は、幾何学的に安定化される。 例えば、第1の内部粒子マトリックスは、例えば、被覆する前に、2時間〜14 日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定化され ;第1の内部粒子は、例えば、粒子マトリックス中に埋め込む前に、2時間〜1 4日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定化さ れ;第1の粒子マトリックスは、例えば、被覆する前に、2時間〜14日間例え ば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定化され;第1の 粒子は、例えば、スーパーマトリックス中に埋め込む前に、2時間〜14日間例 えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定化され;スー パーマトリックスは、例えば、被覆する前に、2時間〜14日間例えば12時間 〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定化され;被覆されたスーパ ーマトリックスは、例えば、2時間〜14日間例えば12時間〜4乃至5日間熟 成させることにより幾何学的に安定化される。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、粒子マトリックス、スーパー マトリックス、外側コーティング(存在するならば)、又はこれらの1つ以上の 組合せより低い分子量排除数を有し、例えば、内部粒子コーティングは、レシピ エントの免疫分子例えばIgG又は補体を排除し、そして粒子マトリックス、ス ーパーマトリックス、外側コーティング(存在するならば)又はこれらの組合せ は、免疫分子例えばIgG又は補体を通過させるがレシピエント細胞の通過を排 除する。 好適具体例において、複合体の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、 それは、複合体の繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかであり;複合体 の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、それは、複合体の繊維カプセル 封入を阻止するだけ十分に滑らかであるが、内部粒子(又は粒子)の表面は、生 物学的に適合性でなく、例えばそれは、繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に 滑らかでない。 好適具体例において、第1の源は、島であり;第2の源は、島であり;第3の 源は、島であり;第4の源は、島であり;一方の源は島であり且つ他方の源は島 以外のもの例えば赤血球、腺房細胞又は副腎細胞である。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、低分子量のポリアミノ酸(例 えば、1kDa〜4kDa、約1kDa〜4kDa未満)であり且つ粒子コーテ ィングは、低分子量のポリアミノ酸(例えば、5kDa〜約10kDa未満、5 kDa〜約15kDa未満、例えば約9kDa〜10kDa)である。1又は2 〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリ アミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約150kDaの排除限界を 有し且つ第1の粒子コーティングは、約400kDaの排除限界を有する。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約150kDaの排除限界を 有し且つ粒子マトリックス、第1の粒子コーティング、スーパーマトリックス、 外側コーティング又はこれらの組合せは、約400kDaの排除限界を有する。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、粒子コーティングより低い排 除限界を有し、例えば、内部粒子コーティングは、IgG又はC1qのサイズ以 上である分子を排除する排除限界を有し、且つ粒子コーティングは、IgG又は C1qに対して透過性であるにもかかわらず例えば100万以上の分子量を 有する物例えば細胞を排除する排除限界を有する。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、粒子コーティングより低い排 除限界を有し、例えば、内部粒子コーティングは、IgG又はC1qのサイズ以 上である分子を排除する排除限界を有し、そして粒子マトリックス、第1の粒子 コーティング、スーパーマトリックス、外側コーティング又はこれらの組合せは 、IgG又はC1qに対して透過性であるにもかかわらず例えば100万以上の 分子量を有する物例えば細胞を排除する排除限界を有する。 好適具体例において、生体適合性でない成分例えば抗繊維性でない成分例えば 内部粒子コーティングと、レシピエント細胞の通過を排除する排除限界を有する 成分例えばスーパーマトリックス又は外側コーティングとの間に配置される緩衝 域成分例えば粒子マトリックスがある。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、IgG又はC1qのサイズ以 上である分子を排除する排除限界を有し、粒子マトリックスは、幾何学的に安定 化されてない成分の使用により生じる欠陥がなくはなく、そしてスーパーマトリ ックス、外側コーティング又はこれらの組合せは、IgG又はC1qに対して透 過性であるにもかかわらず100万以上の分子量を有する物例えば細胞を排除す る排除限界を有する。 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターの第1の粒子は、更に、下 記を含む: 次のものを含む1つ又は複数の第2の内部粒子: (i) 治療用物質の第2の源、例えば、島; (ii) 第2の源に接触する第2の内部粒子マトリックス; (iii)第2の内部粒子マトリックスを封入する第2の内部粒子コーティ ング; 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターは、更に、下記を含む: 次のものを含む1つ又は複数の第2の粒子: (a)次のものを含む第3の内部粒子: (i) 治療用物質の第3の源、例えば、島、 (ii) 第3の源に接触する第3の内部粒子マトリックス、 (iii)第3の内部粒子マトリックスを封入する第3の内部粒子コーティ ング(適宜);及び (b)次のものを含む第4の内部粒子(適宜): (i) 治療用物質の第4の源、例えば、島、 (ii) 第4の源に接触する第4の内部粒子マトリックス、 (iii)第4の内部粒子マトリックスを封入する第4の内部粒子コーティ ング。 好適具体例において、粒子マトリックス、粒子被覆又はスーパーマトリックス の1つ以上は、繊維細胞と内部粒子コーティングとの接触を阻止し;粒子マトリ ックス、スーパーマトリックス又は外側コーティング(存在するならば)は、幾 何学的に安定化してない成分例えば幾何学的に安定化してない内部粒子を含むこ とにより生じる欠陥がなく;粒子マトリックス、粒子コーティング、スーパーマ トリックス及び外側コーティング(存在するならば)よりなる群から選択する少 なくとも2つ、又は3つ、又は4つの成分は、約150,000ダルトンより大 きい分子が来て内部粒子コーティングと接触するのを阻止する分子量カットオフ を与え;内部粒子分子量カットオフは、内部粒子マトリックスの細孔構造により 与えられ且つその細孔構造は、内部粒子ゲルの架橋により生じ;分子量カット オフスーパーマトリックスは、スーパーマトリックスの細孔構造により与えられ る。 好適具体例は、外側コーティングを有しない。 好適具体例において、二重(又は、一層高次の)複合マイクロリアクターの外 表面は、ゲル例えばアルギネートゲルであり、その外表面は、例えば架橋により 改変されて共有結合により改変されたゲル表面を生成し例えばコーティングを形 成している。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約5kDa〜約15kDa未 満の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kDaのポリリ ジンであり、粒子コーティングは、約5kDa〜約15kDa未満の、又は約5 kDa〜約10kDa未満例えば約9kDa〜10kDaのポリリジンである。 1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範 囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約1kDa〜4kDa(又は 約1kDa〜4kDa未満)例えば約2kDa〜3kDaのポリリジンであり、 粒子コーティングは、約5kDa〜約15kDa未満の、又は約5kDa〜約1 0kDa未満例えば約9kDa〜10kDaのポリリジンである。1又は2〜1 0kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミ ノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約1kDa〜4kDa(又は 約1kDa〜4kDa未満)例えば約2kDa〜3kDaのポリリジンであり、 粒子コーティングは、約1kDa〜4kDa(又は約1kDa〜4kDa未満) 例えば約2kDa〜3kDaのポリリジンである。1又は2〜10kDの範囲の 、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPL L又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターの外側成分即ちレシピエン トと接触する成分は、少なくとも50、75、90、95、97又は98%水で ある。 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リン パ球、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と、治療用物質の源と がかなりの距離を置く(又は分離する)ようにさせるのに十分な直径又は厚みを 有するものである。一層好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば 粒子マトリックス又はスーパーマトリックスの厚み(例えば、その内表面と外表 面との間の距離)は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は20 0ミクロンである。一層好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質 の源との距離は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミ クロンであり;治療用物質の源の、レシピエント細胞により放出された小さい分 子(例えば、IgGを排除する成分によって排除されない分子、例えばサイトカ イン、一酸化窒素(NO)及び他の毒性部分)への露出が(例えば、拡散により )実質的に減少する(例えば、少なくとも10、20、50、75又は90%減 少する)のに十分であり;レシピエントにより放出された小さい分子(例えば、 二重複合マイクロリアクターの半透性のバリヤー成分により排除されない分子、 例えばサイトカイン、NO及び他の毒性部分)の濃度が(例えば、拡散により) 実質的に減少する(例えば、治療用物質の源において、少なくとも10、20、 50、75又は90%減少する)のに十分である。一層好適な具体例において、 この距離は、粒子マトリックス及びスーパーマトリックスの一方又は両方により 与えられる。 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リン パ球、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と、治療用物質の源又 は又はその源(例えば、ドナー組織に対するレシピエントの応答を刺激し得るド ナー蛋白質)により放出されるドナー抗原(治療用物質以外)の一方又は両方と がかなりの距離を置く(又は分離する)ようにさせるのに十分な直径又は厚みを 有するものである。一層好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば 粒子マトリックス又はスーパーマトリックスの厚み(例えば、その内表面と外表 面との間の距離)は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は20 0ミクロンである。一層好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質 の源との距離は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は 200ミクロンであり;レシピエント中に放出され又はレシピエント細胞に接触 するドナー抗原の量、数又は濃度が(例えば、拡散により、又は分離を与える成 分によるトラッピング若しくは排除により)実質的に減少する(例えば、少なく とも10、20、50、75又は90%減少する)のに十分であり;レシピエン トの細胞と、内部粒子マトリックス又は内部粒子コーティング又はこれらの両者 から突き出るかこれらを通して広がるドナー抗原例えば蛋白質との接触が(例え ば、拡散により、又は分離を与える成分によるトラッピング若しくは排除により )実質的に減少する(例えば、少なくとも10、20、50、75又は90%減 少する)のに十分であり;ドナー抗原の急性の放出を阻止するのに十分である。 一層好適な具体例において、この距離又は分離は、粒子マトリックス及びスーパ ーマトリックスの一方又は両方により与えられる。 更に別の面において、この発明は、下記を含む二重複合マイクロリアクターを 特徴とする: (1)次のものを含む1つ又は複数の内部粒子: (a)島; (b)島が埋め込まれたアルギネートの内部粒子マトリックス; (c)第1の内部粒子マトリックスを封入するポリリジンの内部粒子コー ティング; (2)次を含む1つ又は複数の幾何学的に安定化された粒子: (a)(1)の内部粒子; (b)内部粒子が埋め込まれたアルギネートの粒子マトリックス;及び (c)粒子をを封入するポリリジンの粒子コーティング;及び (3)(2)の粒子が埋め込まれたアガロースのゲルスーパーマトリックス。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約5kDa〜約15kDa未 満の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kDaのポリリ ジンであり、粒子コーティングは、約5kDa〜約15kDa未満の、又は約5 kDa〜約10kDa未満例えば約9kDa〜10kDaのポリリジンである。 1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kD の範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約1kDa〜4kDa(又は 約1kDa〜4kDa未満)例えば約2kDa〜3kDaのポリリジンであり、 粒子コーティングは、約5kDa〜約15kDaの、又は約5kDa〜約10k Da未満例えば約9kDa〜10kDaのポリリジンである。1又は2〜10k Dの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸 例えばPLL又はPLOも又、好適である。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約1kDa〜4kDa(又は 1kDa〜4kDa未満)例えば約2kDa〜3kDaのポリリジンであり、粒 子コーティングは、約1kDa〜4kDa(又は約1kDa〜4kDa未満)例 えば約2kDa〜3kDaのポリリジンである。1又は2〜10kDの範囲の、 好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL 又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約5kDa〜約15kDa未 満の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kDaのポリリ ジンであり、粒子コーティングは、約1kDa〜4kDa(又は約1kDa〜4 kDa未満)例えば約2kDa〜3kDaのポリリジンである。1又は2〜10 kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ 酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、内部粒子マトリックスは、液体以外である。内部粒子マ トリックスは、レシピエント由来の分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有する ことができ、例えば、それは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリスチレン スルホン酸(PSA)又はポリオルニチン(PLO)を含有することができる。 好適具体例において、内部粒子マトリックスは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の 通過を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、15kDa未満の、一層好ま しくは10kDa未満の、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリリ ジンであり又はこれらを含む。約1kDa〜4kDa(又は約1kDa〜4kD a未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜15kDa未満の、又は約5 kDa〜約10kDa例えば9kDa〜10kDa例えば9.7kDaの分子量 を有するポリリジンは、特に好適である。1又は2〜10kDの範囲の、好まし くは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はP LOコーティングも又、好適である。好適なコーティングは、容積減少コーティ ングである。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは、完全に阻止する。 好適具体例において、内部粒子の直径は、容積減少コーティングの適用の前に は、50〜700ミクロン、一層好ましくは100〜500ミクロン、一層好ま しくは200〜400ミクロン、最も好ましくは約300ミクロンである。内部 粒子の直径は、容積減少コーティングの適用後には、好ましくは35〜500ミ クロン、一層好ましくは75〜400ミクロン、一層好ましくは100〜300 ミクロン、最も好ましくは約200ミクロンである。 好適具体例において、粒子マトリックスは、液体以外である。粒子マトリック スは、レシピエント由来の分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有することがで き、例えば、それは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン 酸(PSA)又はポリオルニチン(PLO)を含有することができる。 好適具体例において、粒子マトリックスは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、粒子コーティングは、15kDa未満の、一層好ましく は10kDa未満の、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリリジン である。約1kDa〜4kDa(又は、約1kDa〜4kDa未満)例えば3. 7kDaの、又は約5kDa〜15kDa未満の、又は約5kDa〜約10kD a例えば9kDa〜10kDa(例えば9.7kDa)の分子量を有するポリリ ジンは、特に好適である。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、 1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティン グも又、好適である。好適なコーティングは、容積減少コーティングである。 好適具体例において、粒子コーティングは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、粒子の直径は、容積減少コーティングの適用の前には、 200〜1000ミクロン、一層好ましくは400〜800ミクロン、一層好ま しくは500〜700ミクロン、最も好ましくは約600ミクロンである。粒子 の直径は、容積減少コーティングの適用後には、好ましくは100〜700ミク ロン、一層好ましくは250〜550ミクロン、一層好ましくは300〜500 ミクロン、最も好ましくは約400ミクロンである。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、低分子量種例えばIgG又は 補体を排除する能力を殆ど又は全く有さず、この特性は、マイクロカプセルの他 の成分に属している。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、液体以外である。スーパーマ トリックスは、レシピエント由来の分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有する ことができ、例えば、それは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリスチレン スルホン酸(PSA)又はポリオルニチン(PLO)を含有する。100〜80 0万ダルトン以上の分子量を有する高分子量の分子例えばポリマー例えば PEOをスーパーマトリックスに加えて、免疫隔離特性を与えることができる。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、約50kDaより大きい、好 ましくは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最 も好ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg 分子若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過 を妨げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、スーパーマトリックスは、低分子量種例えばIgG又は 補体を排除する能力を殆ど又は全く有さず、この特性は、マイクロカプセルの他 の成分に属している。 好適具体例において、スーパーマトリックスコーティング(随意である)は、 ポリアミノ酸例えばポリリジン(PLL)又はPLO;天然の物質例えばキトサ ンであり又はこれらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満、一層 好ましくは10kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリ アミノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa( 又は、約1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜1 5kDa未満の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kD a(例えば、9.7kDa)の分子量を有するポリリジンは、特に好適である。 1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範 囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、粒子コーティングは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターの直径は、容積減少コーテ ィングの適用前には、400〜1500ミクロン、一層好ましくは500〜13 00ミクロン、一層好ましくは600〜1100ミクロン、最も好ましくは 約900ミクロンである。二重複合マイクロリアクターの直径は、容積減少コー ティングの適用後には、好ましくは300〜1300ミクロン、一層好ましくは 400〜1200ミクロン、一層好ましくは500〜1000ミクロン、最も好 ましくは約800ミクロンである。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、複数の例えば2〜100個 の例えば2〜10個の内部粒子を含む。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、複数の例えば2〜100個 の例えば2〜10個の粒子を含む。 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターは、一層高次の複合体例え ば三重又は四重の複合体の成分である。 好適具体例において、複合体の1つ以上の成分は、幾何学的に安定化される。 例えば、第1の内部粒子マトリックスは、例えば、被覆する前に、2時間〜14 日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定化され ;第1の内部粒子は、例えば、粒子マトリックスに埋め込む前に、12時間〜4 乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定化され;第1の粒子マトリック スは、例えば、被覆する前に、2時間〜14日間例えば12時間〜4乃至5日間 熟成させることにより幾何学的に安定化され;第1の粒子は、例えば、スーパー マトリックスに埋め込む前に、2時間〜14日間例えば12時間〜4乃至5日間 熟成させることにより幾何学的に安定化され;スーパーマトリックスは、例えば 、被覆する前に、2時間〜14日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させるこ とにより幾何学的に安定化され;被覆されたスーパーマトリックスは、2時間〜 14日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させることにより幾何学的に安定化 される。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、粒子マトリックス、スーパー マトリックス、外側コーティング(存在するならば)、又はこれらの1つ以上の 組合せより低い分子量排除数を有し、例えば、内部粒子コーティングは、レシピ エントの免疫分子例えばIgG又は補体を排除し、粒子マトリックス、スーパー マトリックス、外側コーティング(存在するならば)、又はこれらの組合せは、 免疫分子例えばIgG又は補体を通過させるが、レシピエント細胞の通過を排除 する。 好適具体例において、複合体の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、 それは、複合体の繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかであり;複合体 の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、それは、複合体の繊維カプセル 封入を阻止するだけ十分に滑らかであるが、内部粒子の表面は、生物学的に適合 性でなく、例えばそれは、繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかではな い。 好適具体例において、第1の源は、島であり;第2の源は、島であり;第3の 源は、島であり;第4の源は、島であり;一つの源は、島であり且つ他の源は、 島以外(例えば、赤血球、腺房細胞又は副腎細胞)である。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、低分子量ポリアミノ酸(例え ば、1kDa〜4kDa、約1kDa〜4kDa未満)であり、粒子コーティン グは、低分子量ポリアミノ酸(例えば、5kDa〜約10kDa未満、5kDa 〜約15kDa未満例えば約9kDa〜10kDa)である。1又は2〜10k Dの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸 例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約150kDaの排除限界を 有し、第1の粒子コーティングは、約400kDaの排除限界を有する。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、約150kDaの排除限界を 有し、粒子マトリックス、第1の粒子コーティング、スーパーマトリックス、外 側コーティング又はこれらの組合せは、約400kDaの排除限界を有する。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、粒子コーティングより低い排 除限界を有し、例えば、内部粒子コーティングは、IgG又はC1qのサイズ以 上の分子を排除する排除限界を有し、粒子コーティングは、IgG又はC1qに 対して透過性であるにもかかわらず100万以上の分子量を有する物例えば細胞 を排除する排除限界を有する。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、粒子コーティングより低い排 除限界を有し、例えば、内部粒子コーティングは、IgG又はC1qのサイズ以 上の分子を排除する排除限界を有し、粒子マトリックス、第1の粒子コーティ ング、スーパーマトリックス、外側コーティング又はこれらの組合せは、IgG 又はC1qに対して透過性であるにもかかわらず100万以上の分子量を有する 物例えば細胞を排除する排除限界を有する。 好適具体例において、生体適合性でない例えば抗繊維性でない成分例えば内部 粒子コーティングと、レシピエント細胞の通過を排除する排除限界を有する成分 例えばスーパーマトリックス又は外側コーティングとの間に配置される緩衝域成 分例えば粒子マトリックスがある。 好適具体例において、内部粒子コーティングは、IgG又はC1qのサイズ以 上の分子を排除する排除限界を有し、粒子マトリックスは、幾何学的に安定化さ れてない成分の使用により生じる欠陥がなくはなく、そして、スーパーマトリッ クス、外側コーティング又はこれらの組合せは、IgG又はC1qに対して透過 性であるにもかかわらず100万以上の分子量を有する物例えば細胞を排除する 排除限界を有する。 好適具体例において、粒子マトリックス、粒子被覆又はスーパーマトリックス の1つ以上は、繊維細胞と内部粒子コーティングとの接触を阻止し;粒子マトリ ックス、スーパーマトリックス又は外側コーティング(存在するならば)は、幾 何学的に安定化されてない成分例えば幾何学的に安定化されてない内部粒子を含 むことにより生じる欠陥がなく;粒子マトリックス、粒子コーティング、スーパ ーマトリックス及び外側コーティング(存在するならば)よりなる群から選択す る少なくとも2つ、又は3つ、又は4つの成分は、約150,000ダルトンよ り大きい分子が来て内部粒子コーティングと接触するのを阻止する分子量カット オフを与え;内部粒子分子量カットオフは、内部粒子マトリックスの細孔構造に より与えられ且つその細孔構造は、例えば、内部粒子ゲルの架橋により生じ;分 子量カットオフスーパーマトリックスは、スーパーマトリックスの細孔構造によ り与えられる。 好適具体例は、外側コーティングを有しない。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの外表面は、ゲル例えばアルギ ネートゲルである。一層好適な具体例において、複合マイクロリアクターの外表 面は、ゲル例えばアルギネートゲルであり、その外表面は、例えば架橋により 改変されて共有結合により改変されたゲル表面を生成し例えばコーティングを形 成している。 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターの外側成分即ちレシピエン トと接触する成分は、少なくとも50、75、90、95、97又は98%水で ある。 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リン パ球、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と治療用物質の源とが かなりの距離を置く(又は分離する)ようにさせるのに十分な直径又は厚みを有 するものである。一層好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば粒 子マトリックス又はスーパーマトリックスの厚み(例えば、その内表面と外表面 との間の距離)は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200 ミクロンである。一層好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質の 源との距離は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミク ロンであり;治療用物質の源の、レシピエント細胞により放出された小さい分子 (例えば、IgGを排除する成分によって排除されない分子、例えばサイトカイ ン、一酸化窒素(NO)及び他の毒性部分)への露出が(例えば、拡散により) 実質的に減少する(例えば、少なくとも10、20、50、75又は90%減少 する)のに十分であり;レシピエント細胞により放出された小さい分子(例えば 、二重複合マイクロリアクターの半透性バリヤー成分によって排除されない分子 、例えば、サイトカイン、NO及び他の毒性部分)の濃度が(例えば、拡散によ り)実質的に減少する(例えば、治療用物質の源において、少なくとも10、2 0、50、75又は90%減少する)のに十分である。一層好適な具体例におい て、この距離は、粒子マトリックス及びスーパーマトリックスの一方又は両方に より与えられる。 好適具体例において、二重複合マイクロリアクターの1つ以上の成分は、リン パ球、マクロファージ又はNK細胞等のレシピエント細胞と、治療用物質の源又 はこの源(例えば、ドナー組織に対するレシピエントの応答を刺激し得るドナー 蛋白質)により放出されるドナー抗原(治療用物質以外)の一方又は両方とがか なりの距離を置く(又は、分離する)ようにさせるのに十分な直径又は厚みを 有するものである。一層好適な具体例において、成分例えばマトリックス例えば 粒子マトリックス又はスーパーマトリックスの厚み(例えば、その内表面と外表 面との間の距離)は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は20 0ミクロンである。一層好適な具体例において、レシピエント細胞と治療用物質 の源との距離は、少なくとも5、10、20、50、75、100又は200ミ クロンであり;レシピエント中に放出され又はレシピエント細胞と接触するドナ ー抗原の量、数又は濃度が(拡散により、又は分離を与える成分によるトラッピ ング若しくは排除により)実質的に減少する(例えば、少なくとも10、20、 50、75又は90%減少する)のに十分であり;レシピエント細胞と、内部粒 子マトリックス又は内部粒子コーティング又はこれら両者から突き出るか又はこ れらを通して広がるドナー抗原例えば蛋白質との接触が(例えば、拡散により、 又は分離を与える成分によるトラッピング若しくは排除により)実質的に減少す る(例えば、少なくとも10、20、50、75又は90%減少する)のに十分 であり;ドナー抗原の急性の放出を阻止するのに十分である。一層好適な具体例 において、この距離又は分離は、粒子マトリックス及びスーパーマトリックスの 一方又は両方により与えられる。 本発明者は又、マイクロカプセル例えばマイクロカプセルの1つ以上の「幾何 学的に安定化させる」成分を含む複合マイクロリアクターの性能を改良する方法 をも発見した。 マイクロカプセルは、一般に、第1の成分を第2の成分と組み合わせる一連の 工程で形成され、例えば、該工程において、内部成分が形成され、続いて、もっ と外側の周囲成分が内部成分の周囲に形成される。例えば、単純なマイクロカプ セル(即ち、非複合マイクロカプセル)を、生細胞を含有するコア例えばゲルコ アを形成し、続いて、半透性コーティングをそのコアに適用することにより形成 することができる。単純な又は単一の複合マイクロリアクターを、生細胞を含有 する内部粒子を形成し、それらの内部粒子を周囲のスーパーマトリックスに埋め 込み、続いて(適宜)半透性コーティングを内部粒子含有スーパーマトリックス に適用することにより形成することができる。 本発明者は、マイクロカプセルの性能は、1つ以上のその成分を幾何学的に 安定化させる(例えば、内部成分をもっと外側の周囲成分の適用前に幾何学的に 安定化させる)ならば改良され得ることを発見した。例えば、単純な又は単一の マイクロカプセルの性能を、半透膜の適用前に、ゲルコアを幾何学的に安定化さ せることにより改良することができる。複合マイクロカプセルの性能を、例えば 、内部粒子をスーパーマトリックスに埋め込む前に、それらの内部粒子を幾何学 的に安定化させることにより改良することができる。 幾何学的に安定化された成分とは、ここで用いる場合、一層大きい構造に取り 込まれたときに形状又は容積が実質的に変化しないように処理された成分をいう 。この発明の典型的具体例において、成分例えば内側の又は内部成分は、一層大 きい構造中への取り込み前に幾何学的に安定化される。一般的に、成分を、ある 期間熟成させることにより幾何学的に安定化させることができる。例えば、この 発明の具体例において、成分を、一層大きい構造に取り込ませる前に、又はその 外側表面上に構造を置き或は形成する前に、熟成させる。例えば、ゲルコアを、 例えば、選択的半透膜をその外表面上に置き又は形成する前に熟成させることに より幾何学的に安定化させることができ;内部粒子を、例えば、複合マイクロリ アクター中への取り込み前に熟成させることにより幾何学的に安定化させること ができ;そして、複合体のスーパーマトリックスを、例えば、選択的半透膜をそ の外表面上に置き又は形成する前に熟成させることにより幾何学的に安定化させ ることができる。成分例えばゲル例えばアルギネート粒子を熟成により幾何学的 に安定化させる場合には、熟成期間は、2時間以上、12時間以上、24時間以 上、36時間以上、48時間以上、3日間以上、又は5日間以上であってよい。 幾何学的安定化処理は、カプセル封入されたものの生存力又は活性が容認できな い程に変化しないように及び成分自体の望ましい特性が容認できない程に傷つく ことのないようにすべきである。 熟成は、幾何学的安定化の好適な方法であるが、他の方法を用いることは可能 である。例えば、CaCl2で処理したアルギネートゲルを、金属イオン例えば Ba又はFeイオンで更に処理して、ゲルを幾何学的に安定化させることができ る。ゲルコアは又、その表面を架橋により安定化させることもできる。 成分は、下記の条件の何れかが満たされるときに、幾何学的に安定化されてい る: (1)成分が製造工程の次の段階にかけられたときに、形状又は容積の実質的 変化を受けない(実質的変化は、性能例えば宿主細胞を排除する能力を傷つける ものである); (2)一層大きい構造に取り込まれたときに、幾何学的に安定化されてないが 他の点では同じである成分を用いた場合よりも、一層少ない欠点しか誘導せず、 又はその構造の性能(例えば、免疫隔離する能力)を一層少ない程度にしか減じ ない(構造的欠点の存在は、顕微鏡検査により又は試験成分例えば分子若しくは 細胞の通過を阻止する能力により測定することができ;免疫隔離する能力は、イ ン・ビボでは、問題の構造を動物に移植してその構造が免疫隔離及び繊維不活性 化の能力を有するかを測定することにより、イン・ビトロでは、その構造を試験 動物の免疫系の分子とインキュベートすることにより測定することができる); (3)成分が、形状及びサイズに関して少なくとも12時間安定に見える。 上記の方法を用いて、処理が成分を幾何学的に安定化させるのに適しているか 否かを決定することができる。 従って、他の面において、この発明は、マイクロカプセルの性能を改良する方 法を特徴とする。その方法は、下記を含む: (a)マイクロカプセルの第1の成分(例えばコア、例えばゲルコア)を形成 し; (b)第1の成分を幾何学的に安定化するように(例えば、第1の成分を少な くとも12時間熟成させることにより)処理し;そして (c)幾何学的に安定化されたマイクロカプセルの第1の成分を第2の成分と 組み合わせる(例えば、幾何学的に安定化されたゲルコアの周囲に外側成分例え ば半透性コーティングを形成する)。好適具体例において、工程cを、工程bの 後に実施する。 好適具体例において、第1の成分は、コア例えばゲルコア例えばアルギネート コアであり;内部粒子マトリックスであり;内部粒子であり;スーパーマトリッ クスであり;粒子であり;粒子マトリックスである。 好適具体例において、第2の成分は、コーティングであり;マトリックス例え ば粒子マトリックス又はスーパーマトリックスであり;一層高次の複合体の成分 である。 好適具体例において、第1の成分はゲルコア又はマトリックスであり且つ第2 の成分はコーティングであり;第1の成分は粒子又は内部粒子であり且つ第2の 成分はコーティングであり;第1の成分は粒子又は内部粒子であり且つ第2の成 分はマトリックス、粒子マトリックス又はスーパーマトリックスである。 好適具体例において、成分の1つ例えば第1の成分は、治療用物質の源を含む 。 好適具体例において、第1の成分は、ゲルマトリックス例えばゲル例えばヒド ロゲル例えばアルギネート又はアガロースゲルである。好適具体例において、ゲ ルマトリックスは、液体以外である。ゲルマトリックスは、レシピエント由来の 分子又は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えば、それは、ポリ エチレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオル ニチン(PLO)を含有することができる。 好適具体例において、ゲルマトリックスは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第1の成分は、コーティングを有するゲルマトリックス である。一層好適において、コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジン( PLL)又はPLOであり;天然の物質例えばキトサンであり;合成ポリマー例 えばPAN−PVCである。特に好適なコーティングは、15kDa未満、一層 好ましくは10kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリ アミノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa( 例えば、約1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜 約15kDa未満の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10 kDa(例えば、9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジ ンは、特に好適である。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1 〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティング も又、好適である。好適なコーティングは、容積減少コーティングである。 好適具体例において、コーティングは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子若し くは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、 好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第2の成分は、マトリックスである。一層好ましい具体 例において、マトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例えばアルギネート又はア ガロースゲルであり又はこれらを含む。好適具体例において、スーパーマトリッ クスは、液体以外である。このマトリックスは、レシピエント由来の分子又は細 胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えば、それは、ポリエチレンオ キシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオルニチン(P LO)を含有することができる。100〜800万以上の分子量を有する高分子 量の分子例えばポリマー例えばPEOをスーパーマトリックスに加えて、免疫隔 離特性を与えることができる。 好適具体例において、マトリックスは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg若しくは 補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、好ま しくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第2の成分は、コーティングである。一層好適な具体例 において、コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジン(PLL)又はPL O;天然の物質例えばキトサン;合成ポリマー例えばPAN−PVCであり又は これらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満、一層好ましくは1 0kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリアミノ酸例え ばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa(又は、約1k Da〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜15kDa未満 の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kDa(例えば、 9.7kDa)のポリアミノ酸例えばポリリジンは、特に好適である。1又は2 〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリ アミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。 好適具体例において、コーティングは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子若し くは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、 好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第1の成分は、熟成により幾何学的に安定化される。好 適具体例において、熟成期間は、2時間以上、6時間以上、12時間以上、24 時間以上、48時間以上、4日間以上、5日間以上、7日間以上、10日間以上 及び14日間以上である。一層好適な具体例において、第1の成分を2時間〜1 4日間例えば12時間〜4乃至5日間熟成させる。 好適具体例において、第1の成分は、第2の成分より低い分子量排除数を有し 、例えば、第1の成分は、レシピエントの免疫分子例えばIgG若しくは補体を 排除し、第2の成分は、免疫分子例えばIgG若しくは補体を通過させるが、レ シピエント細胞の通過を排除する。 好適具体例において、複合体の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、 それは、複合体の繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかであり;複合体 の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、それは、複合体の繊維カプセル 封入を阻止するだけ十分に滑らかであるが、内部粒子の表面は、生物学的に適合 性でなく、例えばそれは繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかではない 。 好適具体例において、この方法は、下記を含む (a)生細胞例えば島細胞を含有するゲルコアを形成すること; (b)そのゲルコアを、2時間〜5日間熟成させること;及び (c)幾何学的に安定化されたゲルコアの周囲に半透性コーティングを形成す ること(工程(c)は、工程(b)の後に実施する)。 好適具体例において、マイクロカプセルは、二重複合マイクロリアクターであ り、第1の成分は内部粒子であり且つ第2の成分は内部粒子コーティングであり ;第1の成分は内部粒子コーティングであり且つ第2の成分は粒子マトリックス であり;第1の成分は粒子であり且つ第2の成分は粒子コーティングであり;第 1の成分は粒子であり且つ第2の成分はスーパーマトリックスであり;第1の成 分は粒子コーティングであり且つ第2の成分はスーパーマトリックスであり;第 1の成分はスーパーマトリックスであり且つ第2の成分は外側コーティングであ る。 好適具体例において、マイクロカプセルの外側成分即ちレシピエントに接触す る成分は、少なくとも50、75、90、95、97又は98%水である。 他の面において、この発明は、複合マイクロリアクターの性能を改良する方法 を特徴とする。この方法は、下記を含む: (a)複合マイクロリアクターの第1の成分(例えば、被覆された又はされて ない内部コア例えば内部ゲルコア)を形成すること; (b)複合マイクロリアクターの第1の成分を第2の成分と組合せること(例 えば、内部コアを、スーパーマトリックス例えばゲルスーパーマトリックス中に 埋め込む);及び 下記の工程(c)及び(d)の一方又は両方を実施すること: (c)第1及び第2の成分を組合せる前に、第1の成分を幾何学的に安定化さ せること(例えば、内部コアをスーパーマトリックスに埋め込む前に、内部コア を処理して幾何学的に安定化させる);及び/又は (d)第1及び第2の成分を第3の成分と組合せる前に、第2の成分を幾何学 的に安定化させること(例えば、スーパーマトリックスを幾何学的に安定化させ た後に、その安定化されたスーパーマトリックスの周囲に外側成分を形成する) 。 好適具体例において、第1の成分は、ゲル例えばゲルコア例えばアルギネート コア;内部粒子マトリックス;内部粒子;スーパーマトリックス;粒子;粒子マ トリックスである。 好適具体例において、第2の成分は、コーティング;マトリックス例えば粒子 マトリックス又はスーパーマトリックス;一層高次の複合体の成分である。 好適具体例において、第1の成分はゲルコア又はマトリックスであり且つ第2 の成分はコーティングであり;第1の成分は粒子又は内部粒子であり且つ第2の 成分はコーティングであり;第1の成分は粒子又は内部粒子であり且つ第2の成 分はマトリックス、粒子マトリックス又はスーパーマトリックスである。 好適具体例において、成分の1つ例えば第1の成分は、治療用物質の源を含む 。 好適具体例において、第1の成分は、ゲルマトリックス例えばゲル例えばヒド ロゲル例えばアルギネート又はアガロースゲルである。好適具体例において、ゲ ルマトリックスは、液体以外である。ゲルマトリックスは、レシピエント由来の 分子若しくは細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えば、それは、 ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリ オルニチン(PLO)を含有することができる。 好適具体例において、ゲルマトリックスは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第1の成分は、コーティングを有するゲルマトリックス である。一層好適には、コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジン(PL L)又はPLO;天然の物質例えばキトサン;合成ポリマー例えばPAN−PV Cであり又はこれらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満、一層 好ましくは10kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリ アミノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa( 又は、約1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜1 5kDa未満の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kD a(例えば、9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジンは 、特に好適である。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3 又は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸PLL又はPLOコーティングも又、好適 である。好適なコーティングは、容積減少コーティングである。 好適具体例において、コーティングは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子若し くは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、 好ましくは、本質的に完全に排除する。 好適具体例において、第2の成分は、マトリックスである。一層好適な具体例 において、マトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例えばアルギネート又はアガ ロースゲルであり又はこれらを含む。好適具体例において、マトリックスは、液 体以外である。マトリックスは、レシピエント由来の分子又は細胞の通過を妨げ る物質を含有することができ、例えば、それは、ポリエチレンオキシド(PEO )、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオルニチン(PLO)を含有す ることができる。100〜800万ダルトン以上の分子量を有する高分子量の分 子例えばポリマー例えばPEOをスーパーマトリックスに加えて、免疫隔離特性 を与えることができる。 好適具体例において、マトリックスは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子若し くは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、 好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第2の成分は、コーティングである。一層好適な具体例 において、コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジン(PLL)又はPL O;天然の物質例えばキトサン;合成ポリマー例えばPAN−PVCであり又は これらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満、一層好ましくは1 0kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリアミノ酸例え ばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa(又は、約1k Da〜4kDa未満)例えば、3.7kDaの、又は約5kDa〜15kDa未 満の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kDa(例えば 、9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジンは、特に好適 である。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4 kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又好適である 。好適なコーティングは、容積減少コーティングである。 好適具体例において、コーティングは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子若し くは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、 好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第1の成分は、熟成により幾何学的に安定化される。好 適具体例において、熟成期間は、2時間以上、6時間以上、12時間以上、24 時間以上、48時間以上、4日間以上、7日間以上、10日間以上及び14日間 以上である。一層好適な具体例において、第1の成分を、2時間〜14日間例え ば12時間〜4乃至5日間熟成させる。 好適具体例において、第1の成分は、第2の成分より低い分子量排除数を有し 、例えば、第1の成分は、レシピエントの免疫分子例えばIgG又は補体を排除 し且つ第2の成分は、免疫分子例えばIgG又は補体を通過させるが、レシピエ ント細胞の通過を排除する。 好適具体例において、複合体の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、 それは、複合体の繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかであり;複合体 の外表面は、生物学的に適合性であり、例えば、それは、複合体の繊維カプセル 封入を阻止するだけ十分に滑らかであるが、内部粒子の表面は、生物学的に適合 性でなく、例えば、それは、繊維カプセル封入を阻止するだけ十分に滑らかでは ない。 好適具体例において、第2の成分は、熟成により幾何学的に安定化される。好 適具体例において、熟成期間は、2時間以上、6時間以上、12時間以上、24 時間以上、48時間以上、4日間以上、7日間以上、10日間以上及び14日間 以上である。一層好適な具体例において、第1の成分を、2時間〜14日間例え ば12時間〜4乃至5日間熟成させる。 好適具体例において、第3の成分は、マトリックスである。一層好適な具体例 において、マトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例えばアルギネート又はアガ ロースゲルであり又はこれらを含む。好適具体例において、マトリックスは、液 体以外である。マトリックスは、レシピエント由来の分子又は細胞の通過を妨げ る物質を含有することができ、例えば、それは、ポリエチレンオキシド(PEO )、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオルニチン(PLO)を含有す ることができる。100〜800万ダルトン以上の高分子量の分子例えばポリマ ー例えばPEOを、スーパーマトリックスに加えて、免疫隔離特性を与えること ができる。 好適具体例において、マトリックスは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子若し くは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、 好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第3の成分は、コーティングである。一層好適な具体例 において、コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジン(PLL)又はPL O;天然の物質例えばキトサン;合成ポリマー例えばPAN−PVCであり又は これらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満、一層好ましくは1 0kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリアミノ酸 例えばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa(又は、約 1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜15kDa 未満の、又は約5kDa〜約5kDa〜約10kDa未満の、又は約5kDa〜 約10kDa未満例えば9kDa〜10kDa(例えば、9.7kDa)の分子 量を有するポリアミノ酸例えばポリリジンは、特に好適である。1又は2〜10 kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの範囲のポリアミノ 酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。好適なコーティング は、容積減少コーティングである。 好適具体例において、コーティングは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子若し くは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、 好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第2の成分は、第3の成分より低い分子量排除数を有し 、例えば、第2の成分は、レシピエントの免疫分子例えばIgG又は補体を排除 し且つ第3の成分は、免疫分子例えばIgG又は補体を通過させるが、レシピエ ント細胞の通過を排除する。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、一層高次の複合体例えば二 重複合体又は三重複合体の成分である。 好適具体例において、この方法は、更に、複合体を一層高次の複合体例えば二 重複合体中に取り込ませることを含む。一層好適な具体例において、複合体は、 それを一層高次の複合体例えば二重複合体に取り込ませる前に幾何学的に安定化 される。例えば、約1kDa〜4kDaのポリリジンで被覆され且つ生細胞例え ば島を含有する内部アルギネート粒子を形成する。内部粒子を、アルギネート粒 子マトリックス中に取り込ませる前に、約3〜5日間熟成させる。次いで、熟成 させた内部粒子を粒子マトリックスに取り込ませる。次いで、粒子マトリックス を約5kDa〜約15kDa未満のポリリジンで被覆し、約2〜24時間熟成さ せる。最後に、熟成させた被覆された粒子をアルギネートマトリックス中に埋め 込んで二重複合体を形成する。 好適具体例において、複合マイクロリアクターは、二重複合マイクロリアクタ ーであり、第1の成分は内部粒子であり且つ第2の成分は内部粒子コーティング であり;第1の成分は内部粒子であり且つ第2の成分は粒子マトリックスであり ;第1の成分は内部粒子コーティングであり且つ第2の成分は粒子マトリックス であり;第1の成分は粒子であり且つ第2の成分は粒子コーティングであり;第 1の成分は粒子であり且つ第2の成分はスーパーマトリックスであり;第1の成 分は粒子コーティングであり且つ第2の成分はスーパーマトリックスであり;第 1の成分はスーパーマトリックスであり第2の成分は外側コーティングである。 好適具体例において、複合マイクロリアクターの外側成分即ちレシピエントに 接触する成分は、少なくとも50、75、90、95、97又は98%水である 。 本発明者は又、比較的低分子量のポリマー例えば比較的低分子量のポリアミノ 酸のコーティングの、マイクロカプセル成分例えばコア例えばゲルコア又はスー パーマトリックスへの適用が、その結果生成する被覆された成分の直径及び容積 の減少を生じ得ることをも発見した。 従って、他の面において、この発明は、減少した容積を有するマイクロカプセ ルの製造方法を特徴とする。この方法は、下記を含む: (a)マイクロカプセルの成分(例えば、コア粒子例えばゲル粒子)を形成し ;そして (b)容積減少コーティングをその成分に被覆し、 それにより、成分及びコーティングを含み且つ未被覆成分の容積より少ない容積 を有するマイクロカプセルを生成する。 好適具体例において、容積減少コーティングは、15kDa未満、一層好まし くは10kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリアミノ 酸例えばポリリジン又はポリオルニチンであり又はこれらを含む。約1kDa〜 4kDa(又は、約1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5 kDa〜15kDaの、又は約5kDa〜約10kDa例えば9kDa〜10k Da(例えば、9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸は、特に好適で ある。1又は2〜10kDaの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4 kDaの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適で ある。 好適具体例において、成分は、ゲルマトリックス例えばゲル例えばヒドロゲル 例えばアルギネート又はアガロースゲルである。好適具体例において、ゲルマト リックスは、液体以外である。ゲルマトリックスは、レシピエント由来の分子又 は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えば、それは、ポリエチレ ンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオルニチン (PLO)を含有することができる。 好適具体例において、ゲルマトリックスは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、成分は、コーティングを有するゲルマトリックスである 。一層好適には、コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジン(PLL)又 はPLO;天然の物質例えばキトサン;合成ポリマー例えばPAN−PVCであ り又はこれらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満、一層好まし くは10kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリアミノ 酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa(又は約 1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜15kDa 未満の、又は約5kDa〜10kDa例えば9kDa〜10kDa(例えば9. 7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジンは、特に好適である 。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4kDの 範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である。好 適なコーティングは、容積減少コーティングである。 好適具体例において、コーティングは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg若しくは 補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、好ま しくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、成分は、治療用物質の源を含む。 好適具体例において、マイクロカプセルは、複合体例えば二重の又は一層高次 の複合体に取り込まれる。 好適具体例において、コーティングは、レシピエントに移植される前に、幾何 学的に安定化される。 好適具体例において、この方法は、下記を含む (a)生細胞例えば島細胞を含むゲルコアを形成すること; (b)このコア上に比較的低分子量のポリアミノ酸コーティングを形成するこ と。 好適具体例において、マイクロカプセルの外側成分例えばレシビエントと接触 する成分は、少なくとも50、75、90、95、97又は98%水である。 他の面において、この発明は、減少した容積を有する複合マイクロリアクター の製造方法を特徴とする。その方法は、下記を含む: (a)複合マイクロリアクターの第1の成分を形成し(例えば、内部コア粒子 例えば内部ゲル粒子を形成する); (b)この第1の成分を複合マイクロリアクターの第2の成分と組合せ(例え ば、内部コア粒子をスーパーマトリックス例えばゲルスーパーマトリックス中に 埋め込む);そして 下記の工程(c)及び(d)の一方又は両方を実施する: (c)第1の成分を第2の成分と組み合わせる前に、容積減少コーティングを 第1の成分に適用し(例えば、内部コア粒子をスーパーマトリックス中に埋め込 む前に、低分子量ポリリジンの容積減少コーティングをコア粒子に適用する); 及び/又は (d)容積減少コーティングを第2の成分に適用し(例えば、容積減少コーテ ィングをスーパーマトリックスに適用する)、 それにより、減少した容積を有する複合マイクロリアクターを生成する。 好適具体例において、容積減少コーティングは、15kDa未満、一層好まし くは10kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリアミノ 酸例えばポリリジン又はポリオルニチンであり又はこれらを含む。約1kDa〜 4kDa(又は、約1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5 kDa〜15kDa未満の、又は、約5kDa〜約10kDa未満例えば約9k Da〜10kDa(例えば、9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸は、 特に好適である。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又 は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、 好適である。 好適具体例において、第1の成分は、コア例えばゲルコア例えばアルギネート コア;内部粒子マトリックス;内部粒子;スーパーマトリックス;粒子;粒子マ トリックスである。 好適具体例において、第2の成分は、コーティング;マトリックス例えば粒子 マトリックス又はスーパーマトリックス;一層高次の複合体の成分である。 好適具体例において、第1の成分はゲルコア又はマトリックスであり且つ第2 の成分はコーティングであり;第1の成分は粒子又は内部粒子であり且つ第2の 成分はコーティング;第1の成分は粒子又は内部粒子であり且つ第2の成分はマ トリックス、粒子マトリックス又はスーパーマトリックスである。 好適具体例において、成分の1つは、治療用物質の源を含む。 好適具体例において、第1の成分はゲルマトリックス例えばゲル例えばヒドロ ゲル例えばアルギネート又はアガロースゲルである。好適具体例において、ゲル マトリックスは、液体以外である。ゲルマトリックスは、レシピエント由来の分 子又は細胞の通過を妨げる物質を含有することができ、例えば、それは、ポリエ チレンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオルニ チン(PLO)を含有することができる。 好適具体例において、ゲルマトリックスは、約50kDaより大きい、好まし くは約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好 ましくは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子 若しくは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨 げ、好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第1の成分は、コーティングを有するゲルマトリックス である。一層好適には、コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジン(PL L)又はPLO;天然の物質例えばキトサン;合成ポリマー例えばPAN−PV Cであり又はこれらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満、一層 好ましくは10kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリ アミノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa( 又は、約1kDa〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜1 5kDa未満の、又は約5kDa〜10kDa未満例えば9kDa〜10kDa (例えば、9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジンは、 特に好適である。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又 は1〜4kDの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、 好適である。好適なコーティングは、容積減少コーティングである。 好適具体例において、コーティングは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子若し くは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、 好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第2の成分は、マトリックスである。一層好適な具体例 において、マトリックスは、ゲル例えばヒドロゲル例えばアルギネート又はアガ ロースゲルであり又はこれらを含む。好適具体例において、マトリックスは、液 体以外である。マトリックスは、レシピエント由来の分子又は細胞の通過を妨げ る物質を含有することができ、例えば、それは、ポリエチレンオキシド(PEO )、ポリスチレンスルホン酸(PSA)又はポリオルニチン(PLO)を含有す ることができる。100〜800万ダルトン以上の分子量を有する高分子量の分 子例えばポリマー例えばPEOをスーパーマトリックスに加えて、免疫隔離特性 を与えることができる。 好適具体例において、マトリックスは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;Ig分子若しくは 補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、好ま しくは、本質的に完全に阻止する。 好適具体例において、第二の成分は、コーティングである。一層好適な具体例 において、コーティングは、ポリアミノ酸例えばポリリジン(PLL)又はPL O;天然の物質例えばキトサン;合成ポリマー例えばPAN−PVCであり又は それらを含む。特に好適なコーティングは、15kDa未満、一層好ましくは1 0kDa未満、一層好ましくは5kDa未満の分子量を有するポリアミノ酸例え ばポリリジン又はポリオルニチンである。約1kDa〜4kDa(又は、約1k Da〜4kDa未満)例えば3.7kDaの、又は約5kDa〜15kDa未満 の、又は約5kDa〜約10kDa未満例えば9kDa〜10kDa(例えば、 9.7kDa)の分子量を有するポリアミノ酸例えばポリリジンは、特に好適で ある。1又は2〜10kDの範囲の、好ましくは、1〜2、1〜3又は1〜4k Dの範囲のポリアミノ酸例えばPLL又はPLOコーティングも又、好適である 。好適なコーティングは、容積減少コーティングである。 好適具体例において、コーティングは、約50kDaより大きい、好ましくは 約100kDaより大きい、好ましくは約150kDaより大きい、最も好まし くは約400kDaより大きい分子量を有する分子の通過を;又はIg分子若し くは補体等の免疫系成分の通過を;又はレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、 好ましくは、本質的に完全に阻止する。 好適実施態様では、第一成分を熟成によって幾何学的に安定化する。好適実施 態様では、熟成の期間は:2時間、6時間、12時間、24時間、48時間、4日、7 日、10日および14日に等しいか、またはそれより長い。より好適な実施態様では 、第一成分は、12時間〜14日間、例えば12時間〜4または5日間熟成させる。 好適実施態様では、第一成分は、第二成分が有するより低分子量の排除数を有 し、例えば、第一成分は、レシピエントの免疫分子、例えばIgGまたは補体を 排除し、第二成分は、免疫分子、例えばIgGまたは補体を通過させるが、レシ ピエント細胞の通過を排除する。 好適実施態様では:複合物の外面は、生物学的に適合性であり、例えば、線維 形成による複合物の封入を阻害するのに充分に滑らかであり;複合物の外面は、 生物学的に適合性であり、例えば、線維形成による複合物の封入を阻害するのに 充分に滑らかであるが、内部粒子の表面は、生物学的に適合性ではなく、例えば 、線維形成による封入を阻害するのに充分に滑らかではない。 好適実施態様では、第二成分を熟成によって幾何学的に安定化する。好適実施 態様では、熟成の期間は:2時間、6時間、12時間、24時間、48時間、4日、7 日、10日および14日に等しいか、またはそれより長い。より好適な実施態様では 、第一成分は、12時間〜14日間、例えば12時間〜4または5日間熟成させる。 好適実施態様では、複合マイクロリアクターは、高次複合物、例えば二重複合 物または三次複合物の成分である。 好適実施態様では、この方法は、複合物をより高次の複合物、例えば二重複合 物に組み込む段階を更に含む。より好適な実施態様では、より高次の複合物、例 えば二重複合物にそれを組込む前に、容積減少コーティングを複合物(またはそ の成分の一つ)に施す。例えば、約1〜4kDのポリリジンで被覆され、生細胞、 例えば膵島細胞を含む内部アガロース粒子を形成する。次いで、この内部粒子を 粒子のマトリックスに組み込む。次いで、この粒子マトリックスを、約5〜約15 kD未満のポリリジンで被覆する。最後に、被覆した複合物をアガロースのマトリ ックスに包埋して、二重複合物を形成する。 好適実施態様では、複合マイクロリアクターは二重複合マイクロリアクターで あり:第一成分が内部粒子であって、第二成分は内部粒子のコーティングであり ;第一成分が内部粒子であって、第二成分は粒子マトリックスであり;第一成分 が内部粒子のコーティングであって、第二成分は粒子マトリックスであり;第一 成分が粒子であって、第二成分は粒子コーティングであり;第一成分が粒子であ って、第二成分はスーパーマトリックスであり;第一成分が粒子コーティングで あって、第二成分はスーパーマトリックスであり;第一成分がスーパーマトリッ クスであって、第二成分は外側コーティングである。 好適実施態様では、複合マイクロリアクターの外側成分、すなわち、レシピエ ントと接触する成分は、少なくとも50、75、90、95、97または98%が水である。 本発明者らは、その免疫隔離特性を改良するために、高分子量の分子、例えば 重合体、例えばPEOをマイクロカプセルに加え得ることも発見した。高分子量 のため、この分子は、それがマトリックスから漏出するのを防ぐための外側コー ティングを必要とせず、しかも分子は許容され得ない粘度を招くことがない。 上記により、もう一つの態様では、本発明は、マイクロカプセル、例えば本明 細書に記載の複合マイクロリアクターであって: 治療用物質源、 分子量が少なくとも1〜8百万ダルトンの分子、例えば重合体、例えばPEO 、および マトリックス を包有し、該源、および少なくとも1〜8百万ダルトンの分子が該マトリックス に包埋されたマイクロカプセルを特徴とする。 好適実施態様では、マトリックスは、外側コーティングを保有しない。 好適実施態様では、マトリックスは、ゲル、例えばヒドロゲル、例えばアルギ ン酸塩もしくはアガロースのゲルであるか、またはそれを含む。好適実施態様で は、マトリックスは液体以外である。マトリックスは、レシピエントに由来する 分子または細胞の通過を阻害し、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポ リスチレンスルホン酸(PSA)またはポリオルニチン(PLO)を含むことが できる。1〜8百万ダルトンまたはそれ以上の分子量を有する高分子量の分子、 例えば重合体、例えばPEOをスーパーマトリックスに加えて、免疫隔離特性を 付与することができる。 好適実施態様では、マトリックスは、約50kD以上、好ましくは約100kD以上、 好ましくは約150 kD以上、最も好ましくは約400 kD以上の分子量を有する分子、 またはIg分子もしくは補体のような免疫系の成分;あるいはレシピエントに由 来する細胞の通過を妨げ、好ましくは基本的に完全に阻害する。 好適実施態様では、マイクロカプセルの外側成分、すなわちレシピエントと接 触する成分は、少なくとも50、75、90、95、97または98%が水である。 本発明者らは、マイクロカプセルのゲルマトリックス、例えば、本明細書に記 載の複合マイクロリアクターの内部マトリックス、粒子マトリックスまたはスー パーマトリックスを再液化することは必要ないことも発見した。マトリックスを ゲルのままにしておくことは、液化段階を排除し、マトリックスの免疫隔離特性 を保存し、拡散または細胞生存率を許容し得ないまでに妨げない。 上記により、もう一つの態様では、本発明は、マイクロカプセル、例えば本明 細書に記載の複合マイクロリアクターであって: 治療用物質源、および 液体ではないマトリックス を包有するマイクロカプセルを特徴とする。 好適実施態様では、マトリックスは、ゲル、例えばヒドロゲル、例えばアルギ ン酸塩もしくはアガロースのゲルであるか、またはそれを含む。マトリックスは 、レシピエントに由来する分子または細胞の通過を阻害し、例えば、ポリエチレ ンオキシド(PEO)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)またはポリオルニチ ン(PLO)を含むことができる。1百万〜8百万ダルトンまたはそれ以上の分 子量を有する高分子量の分子、例えば重合体、例えばPEOをスーパーマトリッ クスに加えて、免疫隔離特性を付与することができる。 好適実施態様では、マトリックスは、約50kD以上、好ましくは約100 kD以上、 好ましくは約150 kD以上、最も好ましくは約400 kD以上の分子量を有する分子、 またはIg分子もしくは補体のような免疫系の成分;あるいはレシピエント由来 細胞の通過を妨げ、好ましくは基本的に完全に阻害する。 好適実施態様では、マイクロカプセルの外側成分、すなわちレシピエントと接 触する成分は、少なくとも50、75、90、95、97または98%が水である。 更にもう一つの態様では、本発明は、 (a)一つまたは複数の内部粒子(好ましくは生細胞を含有する); (b)場合により、内部粒子を被覆する内部粒子コーティング; (c)内部粒子が包埋されるマトリックス成分; (d)場合により、マトリックス成分を被覆する外側コーティングを包有する 単一の複合マイクロリアクターであって、 該単一の複合マイクロリアクターの少なくとも一成分は、非幾何学的安定化成分 の包有から生じる欠陥のない複合マイクロリアクターを特徴とする。 更にもう一つの態様では、本発明は、 (a)一つまたは複数の内部粒子(好ましくは生細胞を含有する); (b)場合により、内部粒子を被覆する内部粒子コーティング; (c)内部粒子が包埋される一つまたは複数のマトリックス成分; (d)選択的には、マトリックス成分を被覆する、粒子またはマトリックスの コーティング; (e)マトリックス成分が包埋されるスーパーマトリックス; (f)場合により、この二重複合物を被覆する外側コーティング を包有する二重複合マイクロリアクターであって、 該二重複合マイクロリアクターの少なくとも一成分は、非幾何学的安定化成分の 包有から生じる欠陥がない二重複合マイクロリアクターを特徴とする。好適実施 態様では、該二重複合マイクロリアクターの一成分、例えばマトリックス成分ま たはそのコーティングは、非幾何学的安定化成分の包有から生じる欠陥がなくは ないが、スーパーマトリックスにはそのような欠陥がない。 更にもう一つの態様では、本発明は、ドナーの生細胞をレシピエントに移植す る方法を特徴とする。この方法は、 ドナーの生細胞を含有する本発明のマイクロカプセル、例えば複合マイクロリ アクターを与える段階と;該マイクロカプセルをレシピエントの動物に移植する 段階とを含む。 好適実施態様では、この方法は、該生細胞に対する抗体についてレシピエント を試験する段階を更に含む。この試験は、マイクロカプセルを移植する前後に実 施することができる。 好適実施態様では、補助的な免疫抑制のレシピエントへの投与は皆無である。 好適実施態様では、この方法は、補助的な免疫抑制を30日未満の間レシピエン トに投与すること;薬物を宿主動物に、未被覆粒子の周囲での線維形成および炎 症を阻害するのに効果的な用量で、しかし、ドナーの細胞を封入せずに宿主動物 に移植するとき、例えば、該薬物がサイクロスポリンAであり、該宿主動物で約 100 ng/ml未満の全血トラフレベルを達成する用量で投与する場合は、免疫抑制 を達成するのに要するより低い用量で、投与する段階を更に含む。 好適実施態様では、該細胞は、生細胞;真核細胞、例えば齧歯類、イヌ、ブタ またはヒトの細胞;原核細胞、例えば細菌細胞;真菌もしくは植物細胞;真菌も しくは植物細胞;遺伝学的に加工した細胞、例えばタンパク質、例えばヒトタン パク質を生産するよう遺伝学的に加工した細胞である。 好適実施態様では、該細胞は、自己、同種または異種の細胞である。例えば、 該細胞は、自己細胞、すなわち細胞を移植しようとする個体であるレシピエント から採取される細胞;同種細胞、すなわち細胞を移植しようとするレシピエント と同じ種の異なる個体から採取される細胞;異種細胞、すなわち細胞を移植しよ うとするレシピエントとは異なる種から採取される細胞である。同種細胞の場合 、細胞は、MHCクラスI遺伝子座について完全または部分的に合致し、MHC クラスII遺伝子座について完全または部分的に合致し、副次的な遺伝子座につい て完全または部分的に合致することができる。 好適実施態様では、シピエント動物は、イヌ、ブタまたはヒトである。 好適実施態様では、ドナーの細胞は、膵島細胞である。 好適実施態様では、複合マイクロリアクターは、例えば膵島を、例えば培地1 mlあたり膵島5,000〜10,000個という密度で含有し;複合マイクロリアクターは 、生細胞を、培地1mlあたり細胞約105〜108個という密度で含有する。 好適実施態様では、レシピエントは、ある物質、例えばインシュリンの、該レ シピエントでの不充分な生産によって生じた疾患、例えば糖尿病に罹患しており 、該疾患を治療する物質をドナーの細胞が与える。 好適実施態様では、ドナー細胞は、因子IX、因子VIII、インターロイキン、例 えばインターロイキン2、インターフェロン、内分泌ホルモン、神経成長因子、 腫瘍壊死因子α、神経親和性因子または神経伝達物質を分泌する。 好適実施態様では、疾患は、真性糖尿病、肝臓病、筋萎縮性側索硬化症、血友 病、甲状腺機能減退症、パーキンソン病、後天性免疫不全症候群、デュシェン筋 ジストロフー、不妊、てんかん、ハンチントン病、副甲状腺機能減退症、気分疾 患、運動ニューロン病、骨粗髭症またはアルツハイマー病である。 好適実施態様では、複合マイクロリアクターを患者の免疫免除された部位に移 植し;複合マイクロリアクターを注射によって移植する。 更にもう一つの態様では、哺乳類への移植に適した人工器官であって、一つま たは複数の効果的な数の本発明の複合マイクロリアクターを包有する人工器官を 特徴とする。 更にもう一つの態様では、培養液中の(生細胞を包有する)複合マイクロリア クターを包有するインシュリン生産系であって、該生細胞が哺乳類のランゲルハ ンス島の細胞であり、該培養液が、細胞を維持し、細胞にインシュリンを合成さ せるのに充分な栄養素およびアミノ酸を含む生産系を特徴とする。 更にもう一つの態様では、本発明は、生細胞を培養するイン・ビボの方法であ って、生細胞を本発明のマイクロリアクターに封入する段階と、該マイクロリア クターを動物、例えばヒトではない動物に挿入する段階と、該動物内で該細胞を 培養する段階とを含む方法を特徴とする。 更にもう一つの態様では、本発明は、生細胞を包有する本発明のマイクロカプ セル、例えば複合マイクロリアクター、およびヒトへの移植に適した担体の調製 品を特徴とする。好適実施態様では、該調製品は、マイクロカプセルをレシピエ ントに送達するのに適した装置、例えばレシピエントへの該調製品の注射のため の装置に収容される。 更にもう一つの態様では、本発明は、生細胞を担持する培養液中に、該生細胞 を包有する本発明のマイクロカプセル、例えば複合マイクロリアクターを特徴と する。 更にもう一つの態様では、本発明は、本明細書に記載の方法によって作成した 、生細胞を包有するマイクロカプセル、例えば複合マイクロリアクターを特徴と する。 本発明のマイクロカプセル、例えば単一または二重の複合物は、直径が、好ま しくは4,000 ミクロン、より好ましくは3,500 、3,000 、2,500 、2,000 、1,50 0 または1,000 ミクロン未満である。 本発明の単一複合マイクロリアクターでは、スーパーマトリックスの厚さ(す なわち該スーパーマトリックスの内面と外面との間の距離)は、好ましくは10、 25、50、100 、150 、200 または250 ミクロン以上である。 本発明の二重複合マイクロリアクターでは、粒子マトリックスの厚さ(すなわ ち該粒子マトリックスの内面と外面との間の距離)は、好ましくは10、25、50、 100 、150 、200 または250 ミクロン以上であり;スーパーマトリックスの厚さ (すなわち該スーパーマトリックスの内面と外面との間の距離)は、好ましくは 10、25、50、100 、150 、200 または250 ミクロン以上である。 本発明のマイクロカプセル、例えば単一または二重複合物は、直径が、好まし くは80ミクロンより大きく、より好ましくは100 、200 、400 、600 、800 、1, 000 、1,200 、1,400 、2,000 、2,500 、3,000 、3,500 、4,000 、4,500 また は5,000 ミクロンより大きい。 本発明の単一複合マイクロリアクターでは、内部粒子の直径は、好ましくは80 ミクロンより大きく、より好ましくは100 、200 、400 、600 、800 、1,000 、 1,500 または2,000 ミクロンより大きい。該単一複合マイクロリアクターの直径 は、好ましくは200ミクロンより大きく、より好ましくは400 、600 、800 、1,0 00 、1,200 、1,400 、 2,000 、2,500 、3,000 、3,500 、4,000 、4,500 また は5,000 ミクロンより大きい。 本発明の二重複合マイクロリアクターでは、内部粒子の直径は、好ましくは80 ミクロンより大きく、より好ましくは100 、200 、400 、600 、800 、1,000 、 1,500 または2,000ミクロンより大きい。該粒子の直径は、好ましくは100 ミク ロンより大きく、より好ましくは200 、400 、600 、800 、1,000 、1,500 、2, 000 または2,500 ミクロンより大きい。該二重複合マイクロリアクターの直径は 、好ましくは200 ミクロンより大きく、より好ましくは400 、600 、800 、900 、1,000 、1,200 、1,400 、2,000 、2,500 、3,000 、3,500 、4,000 、4,500 または5,000 ミクロンより大きい。 本明細書で用いられる限りで、マイクロカプセルとは、適用される半透性成分 、例えばマトリックスおよび/またはコーティングに包まれた治療用物質源を意 味する。該成分は、1種類またはそれ以上のIgG、補体または細胞を除外する それである。 本明細書で用いられる限りで、治療用物質源は、治療用物質、例えばタンパク 質、例えば酵素、ホルモン、抗体もしくはサイトカイン、センスもしくはアンチ センス核酸、例えばDNAもしくはRNA、またはレシピエントに対して望みの 効果を発揮できるその他の物質を生産もしくは放出する物質の組成物を包含がで きる。該治療用物質は、レシピエントが生産する物質を吸収または修飾もしくは 解毒する物質の組成物であることもできる。該治療用物質源は、組織または生細 胞;真核細胞、例えば齧歯類、イヌ、ブタまたはヒトの細胞;原核細胞、例えば 細菌細胞;真菌もしくは植物細胞;遺伝学的に加工した細胞、例えばタンパク質 、例えばヒトタンパク質を生産するよう遺伝学的に加工した細胞であることがで きる。該治療用物質源は、自己、同種または異種の細胞である。例えば、該細胞 は、自己細胞、すなわち細胞を移植しようとする個体であるレシピエントから採 取される細胞;同種細胞、すなわち細胞を移植しようとするレシピエントと同じ 種の異なる個体から採取される細胞;異種細胞、すなわち細胞を移植しようとす るレシピエントとは異なる種からの細胞である。同種細胞の場合、細胞は、MH CクラスI遺伝子座について完全または部分的に合致し、MHCクラスII遺伝子 座について完全または部分的に合致し、副次的な遺伝子座について完全または部 分的に合致することができる。 臨床的に有用な多くの細胞、例えば正常な膵島は、現在は、培養で効率的に増 殖させることができない。これは、ヒトのドナー組織の相対的な不足とともに、 例えば糖尿病を治療するための、そのような細胞の広汎な臨床的移植は、不調和 異種移植片の使用を必要とする可能性が高いことを意味する。本発明は、マイク ロカプセルに封入した同種または異種ドナー組織、さては不調和異種組織の、補 助的な免疫抑制療法を僅かしか、または全く伴わない移植を可能にする。 本発明の複合マイクロリアクターは、生体適合性でない内部粒子コーティング 、例えばポリアクリレートまたはプラスチックの使用を可能にする。本発明の方 法は、選択透過障壁を形成するのに用いることができる実質的にあらゆる材料、 例えばキトサン、ポリアクリレートまたは合成重合体のような、単独では酵素で 消化され得るか、または宿主組織と直接接触すると線維形成応答を誘発し得る材 料の使用を可能にする。その上、ヒドロゲルの外側コーティングを有する本発明 のマイクロカプセルは、堅いプラスチック外殻の長期間の使用に伴うことが多い 、器官の瘢痕形成を阻害する。 本発明の幾何学的に安定化したマイクロカプセルは、改良された性能特性を有 する。例えば、宿主の免疫系の成分による侵入に、より耐性がある。幾何学的に 安定化したマイクロカプセルは、移植抗原の放出を阻害するのにより効果的であ り、そのため宿主の抗移植片応答を最小化するのを助ける。 本発明の実施態様は、被覆された粒子の体積の減少を招くコーティングの使用 を特徴とする。これらのコーティングは、本明細書では容積減少コーティングと 呼ぶ。容積減少コーティングの使用は、マイクロカプセル、例えば複合マイクロ リアクターに多数の利点を与える。従来の多くの技術によれば、カプセル封入法 、宿主に実質的な生物学的効果を与えるのに充分である多数の細胞のカプセル封 入は、望ましくないまでに大きい体積を招く。本発明の容積減少の方法および材 料の使用は、有用な数の細胞を小量で送達できるようにする。容積減少コーティ ング、例えば低分子量のポリリジンの使用は、内部粒子の直径の30%の減少を( 粒子の体積のはるかに高率での減少とともに)招くことができる。容積減少の方 法を用いないと、カプセル封入されたビーズの体積は、粒子の体積の300%を越 える増加を与え得る。例えば、直径の30%の増加は、体積の3倍の増加を与える 。 より小さなマイクロカプセルの使用も、線維形成応答を生じる危険率を低下さ せることができる。線維形成性応答には、急性応答と慢性応答との二つの形式が 存在する。急性応答は、大方は、マイクロカプセルの外面の滑らかさの程度によ って生じる。粗い表面を有するマイクロカプセルの導入は、比較的急速な線維形 成応答を誘発することになる。慢性の線維形成応答の発生には、マイクロカプセ ルの大きさが大きな役割を果たす。滑らかな表面のマイクロカプセルは、それが 約2mmまたはそれ以上の直径を有するならば、数週間ないし数ケ月後には慢性応 答を誘起することが多い。容積減少コーティングを用いることにより、比較的小 さな、より好ましくは直径1mmより小さいか、または等しい単一もしくは二重で さえある複合マイクロリアクターを製造することができる。その上、容積減少コ ーティングは、より容易なマイクロカプセル、例えば複合マイクロリアクターの 製造を可能にするが、それは、より小さなマイクロカプセルは、一般に、より容 易に製造されるからである。 削減された大きさの本発明のマイクロカプセルは、封入された細胞の生存率の 維持に寄与することができる。比較的大きな直径、例えば0.5 mmより大きな半径 を有するマイクロカプセルは、一般に、封入された細胞が、必要な栄養素および 酸素を外部環境と交換するのをより困難にする。このことは、未成熟な細胞死を 招くことがある。やはり、容積減少コーティングを用いることにより、単一また は二重複合マイクロリアクターの直径を最小化し、それによって、封入された細 胞が生存可能である期間を延長することができる。 本発明の複合マイクロリアクターは、複合マイクロリアクターの重要な特性を 複合マイクロリアクターの異なる成分に分配または分割できるようにし、それに よって、該特性を最適化できるようにする。例えば、より低分子量のポリアミノ 酸をコーティングとして用いることは、宿主の免疫系の分子、例えばIgGに対 する、より効果的な障壁を生じるが、ときにはこれらのコーティングは、望まし くない特性を伴うことが判明している。例えば、線維形成を効果的に阻害しない 表面を有し、製造直後に幾何学的に安定ではないことが多く、そのため複合マイ クロリアクターのその他の成分に欠点を導入することがある。本明細書で考察し たとおり、本発明者らは、内部粒子を幾何学的に安定させることは、欠点の導入 を最小化することができ、線維形成を阻害できないことは、そのような表面を、 複合マイクロリアクターの内部成分として、しかしレシピエントの身体に面する 表面にではなく用いることによって克服できることを見出した。 本発明者らは、一定の成分、例えば低分子量ポリアミノ酸が欠点を誘導するか 、さもなければ性能を損なう傾向は、幾何学的安定化によるばかりでなく、その ようなコーティングをマイクロカプセルの最も内部の成分に用いることによって 抑制できることも発見した。例えば、二重複合物の場合、これらの材料は、内部 粒子のコーティングとして用いることができる。内部粒子コーティングは、粒子 マトリックス、粒子コーティング(存在する場合)、スーパーマトリックスおよ び外側コーティング(存在する場合)によって宿主から隔離される。たとえ内部 粒子コーティングが粒子マトリックスに欠点を誘導したとしても、粒子コーティ ング(存在する場合)、スーパーマトリックスおよび外側コーティング(存在す る場合)が、宿主の成分、例えば宿主細胞の通過をなおも妨げる。 この方策は、幾何学的安定化に要する時間量を最小化するのが望ましいときに は、特に好都合である。長過ぎる細胞培養は、すべての細胞型での生存率と両立 できない。何らかの細胞、例えば何らかの初代細胞は、宿主中では生存できるが 、延長された培養期間に生き残ることができない。安定化は、一般に、コーティ ングの分子量が低ければそれだけ、長時間を要する。例えば、本明細書に記載の 条件下では、5〜15kD未満のポリリジンコーティングの実質的安定化は、約1日 を要するが、1〜4kD、約1〜4kD未満のコーティングの実質的安定化は、3〜 5日を要する)。したがって、何らかの用途では、幾何学的に「不安定な」成分 を用い(または少なくとも安定化の時間量を最小化し)、送達しようとする源泉 、例えば細胞の「培養」時間を最小化することがともに望ましい。本発明の実施 態様では、内部粒子コーティングは、より小さな種、例えば細胞とは対照的な分 子、例えばIgG分子からの防護を与えるが、他の成分、例えば粒子コーティン グおよび/またはスーパーマトリックスは、より小さな種には障壁を与えないが 、大きな種、例えば細胞には障壁を与える、二重複合物を用いることによって性 能が改良される。こうして、本発明の実施態様では、より小さな種からの防護を 与え、隣接する成分に欠点を誘導し得る成分を、干渉によってか、または「緩衝 」成分、例えば粒子マトリックスによって、侵入する細胞からの防護を与える成 分(例えば粒子コーティングおよびスーパーマトリックス)から隔離す る。こうして、たとえ内部粒子コーティングが粒子マトリックスに欠点を誘導し ても、粒子コーティングおよび/またはスーパーマトリックスが、内部粒子コー ティング(抗線維形成性ではないことが多い)との細胞の接触を防止する。 約1〜4kD、約1〜4kD未満のポリリジンを内部粒子に用い、より不安定でな いコーティング、例えば約5〜15kD未満、または約5〜約10kD未満のコーティン グを粒子に用いるならば、内部粒子に約24時間という少ない幾何学的安定化を用 いることができる。特に効果的な複合物は、内部粒子コーティングとして5kD未 満のポリアミノ酸、例えばポリリジンを、また粒子コーティングとして約9〜10 kDのポリリジンを用いる。内部粒子の直径は約300ミクロンであり、粒子は約600 ミクロン、そして複合物全体は約900ミクロンである。 本発明の複合マイクロリアクターは、縮小された大きさを有し、そのため、縮 小された大きさを有して、注射による送達を可能にすることができる。例えば、 約1,000 ミクロンまたはそれ以下の直径の複合マイクロリアクターは、16番ゲー ジの針で送達することができる。より大きなマイクロリアクター、例えば1,500 ミクロンの直径のそれは、一般に、より大きな針を必要とする。 レシピエントの免疫細胞による小さな成分、例えばサイトカイン、NOその他 の毒性部分の放出は、移植されたドナー組織の不活化に重要な役割を果たす。当 技術分野のマイクロカプセルは、封入された細胞とレシピエントの細胞との間に 、薄い障壁、例えばポリリジンコーティングおよび/またはアガロースの薄い静 電的外側コーティングのみを有するにすぎないことが多い。レシピエント細胞は 、封入された細胞との直接的接触は否定され得るものの、レシピエント細胞が充 分に近付くことができるため、それらが放出する小さな分子(マイクロカプセル に存在するいかなる半透膜も通過する)は、封入された細胞を損傷させるのに充 分な濃度でマイクロカプセルの内部に存在する。本発明の複合マイクロリアクタ ーは、別個にか、または相伴って、充分な直径もしくは充分な厚さを有する1種 類またはそれ以上の成分を含むことができるため、レシピエント細胞、例えばリ ンパ球、マクロファージまたはNK細胞と治療用物質源との間に実質的な距離を 与える。この距離は、レシピエント細胞が放出する小さな分子、例えばサイトカ イン、NOその他の毒性部分への該物質源の露出が、拡散によって実質的に軽 減されるのに充分である。こうして、本発明の複合マイクロリアクターは、レシ ピエント細胞が放出する小さな分子の濃度を最小化し、それによって、封入され た細胞の生存率または機能を促進することができる。 レシピエントへの、またはレシピエント細胞を含有し得る複合物の外側成分へ のドナーの抗原、例えばタンパク質の放出は、ドナーの抗原に対するレシピエン トの免疫応答を刺激することがある。本発明の複合マイクロリアクターは、別個 にか、または相伴って、充分な直径もしくは充分な厚さを有する1種類またはそ れ以上の成分を含むことができるため、該源泉が放出する抗原と、レシピエント 細胞、例えばリンパ球、マクロファージまたはNK細胞との間に実質的な距離も しくは隔離を与える。この距離は、隔離を与える単数または複数の成分のマトリ ックス中の拡散もしくは捕捉が、放出された抗原へのレシピエント細胞の露出を 実質的に軽減するのに充分である。これは、ドナー抗原の急性の放出、例えば、 細胞死の結果としての、短時間にわたる比較的多量の抗原の放出の場合に、レシ ピエント細胞:ドナー抗原の接触を阻害するのに特に重要である。隔離を与える 単数または複数の成分のマトリックスは、レシピエントによって抗原性の種へと 効率的に処理される、より大きいタンパク質抗原の拡散を阻害するようにも作用 することができる。この距離は、内部粒子マトリックスまたは内部粒子コーティ ングの一方もしくは双方から突出もしくは延伸するドナー抗原、例えばタンパク 質とのレシピエントの細胞の接触も最小化する。こうして、本発明の複合マイク ロリアクターは、ドナー抗原に対するレシピエントの応答を最小化することがで きる。これは、レシピエントが特定のドナー種に感作されてしまうと、その後の 移植で好成績の封入を与えるのがはるかに困難になるため、特に重要である。 本発明の複合リアクターは、物質源を内部粒子内に封鎖できるようにするため 、複合物の外面を通過しての源泉の突出を防止することができる。 当技術分野の多重障壁装置は、許容され得ない直径を有することがある。本明 細書に開示の本発明の方法は、最小限の直径の多重障壁装置の製造を可能にする 。 本発明者らは、半透性コーティングとして、低分子量の(例えば1または2〜 10kDの範囲、好ましくは1〜3または1〜4kDの範囲の)ポリアミノ酸の使用か ら、顕著な利点が導出されることを発見した。本発明者らは、低分子量のポリア ミノ酸、例えばポリリジンの被覆物は、封入された粒子を「収縮包装」し、封入 された粒子の直径および体積を事実上減少させることを発見した。大きさの減少 は、数多くの利点を与える。 低分子量ポリアミノ酸、例えばポリリジンによって誘導される収縮は、リアク ターの半径の相対的に大きい方の部分を粒子マトリックスやスーパーマトリック スの成分に振り向けることを可能にする。言い換えると、直径のより多くを、例 えば粒子マトリックスまたはスーパーマトリックスに振り向けることができる。 これは、島とマイクロリアクターの外面との物理的距離を最大化できることを意 味する。その結果、宿主が生産する毒性物質、例えばNOからの、より多くの隔 離が生じる。移植片抗原をふるい分けて外面に到達させなければならないマトリ ックスの量も増加させる。粒子やスーパーマトリックスは、相対的に厚い層であ り、当技術分野での多層カプセルに見られるアルギン酸塩の薄い静電層よりはる かに大きい防護を与える。 低分子量ポリアミノ酸、例えばポリリジンが誘導する収縮は、封入されたアル ギン酸塩の圧縮を招き、ポリアミノ酸ゲル、例えばアルギン酸の境界面での、よ り高いアルギン酸濃度を招く。この「強化された」境界面は、一方の側では高い 正電荷密度を、他方の側では高い負電荷密度を有する。境界面でのゲル濃度は、 収縮前のそれ、または粒子の中心に見出されるそれより顕著に高い。したがって 、本発明は、強化された境界面とともに一種類またはそれ以上の成分を有するマ イクロリアクターを包含する。この独自の境界面構造は、改良された隔離に寄与 すると考えられ、移植物抗原の放出を調節し得る。 低分子量ポリアミノ酸、例えばポリリジンが誘導する収縮は、半等角の被覆物 を与える。半等角コーティングは、包囲された実体の周囲の体積量を減少させる それである。収縮包装した島は、形状が台形であり、より充分な拡散を可能にす る。また、封入された組織の密度の上昇も可能にする、すなわちマイクロリアク ターの表面積1単位あたりの封入された組織の増量、または体積1単位あたりの 代謝活性の増大を可能にする。台形は、表面積対体積の比を大きく上昇させる。 したがって、本発明は、半等角コーティングとともに一種類またはそれ以上の成 分を有するマイクロリアクターを包含する。 低分子量ポリアミノ酸、例えばポリリジンが誘導する収縮は、体積対島の比を 改良し、より少ない投与量での治療を可能にする。これは、安全かつ有用な量を 可能にすることから、重要である。これは、ブースター注射を考慮するときに特 に重要である。異種移植片も、インシュリン出力がより低いため、より多くの島 が必要であり、そのため、体積がはるかに重要なのである。 本発明は、低分子量のポリアミノ酸、例えばポリリジンの用途を包含する。低 分子量コーティングは、より大きな重合体より免疫原性が低い。 低分子量ポリアミノ酸、例えばポリリジンのコーティングは、三次元の架橋結 合したコーティングを生じる。コーティングは、より高分子量のコーティングよ り深くゲル粒子の表面に貫通する。 幾何学的安定化は、ポリアミノ酸、例えばポリリジンのコーティングの選択透 過性にとって決定的に重要である。ポリアミノ酸、例えばポリリジンを余りに早 く適用するならば、IgG防護が損なわれることになる。余りに遅く適用するな らば、浸出、およびPLLによる損なわれた被覆が存在する。 リアクター内の島密度の好適な範囲は、10〜100 島/mm3、好ましくは20〜50 島/mm3である。 小さな大きさも、リアクターを注射によって送達するのを可能にするため、好 ましい。 別途定義されない限り、本明細書に用いられるすべての技術および学術用語は 、本発明が属する当技術分野の通常の技量を有する者が共通して理解する限りで 、同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料 は、本発明の実施または試験に用いることができるが、好適な方法および材料を 下記に記載する。本明細書中に言及されたすべての刊行物、特許願、特許その他 の参考文献は、参照によって組込まれる。加えて、材料、方法および実施例は、 例示的であるにすぎず、限定することは意図されない。 本発明のその他の特徴および利点は、下記の詳細な説明、および請求項から明 白になると思われる。 詳細な説明 図面の簡単な説明 図1は、複合マイクロリアクターの模式図である。 図2は、二重複合マイクロリアクターの模式図である。複合マイクロリアクター マイクロカプセルは、封入された材料の生存力を保存し、ドナー組織が生産し た物質の迅速、適時かつ適切な放出を可能にし、その他の臨床的要件を満足させ ようとするならば、様々な多岐にわたる特性を保有しなければならない。このマ イクロカプセルは、下記の特性を保有しなければならない: (1)レシピエントの環境からマイクロカプセルへの不可欠栄養素の相対的に 効率的な拡散を可能にしなければならず; (2)マイクロカプセル外へのドナー細胞の老廃物の相対的に効率的な拡散を 可能にしなければならず; (3)マイクロカプセル内へのレシピエントのシグナル分子、例えば、糖尿病 の治療の場合の、グルコースの効率的な拡散を可能にしなければならず; (4)レシピエントの内部環境内への、封入された細胞が供給する不可欠な物 質、例えば、糖尿病の治療の場合のインシュリンの拡散を可能にしなければなら ず; (5)マイクロカプセルの、例えば線維形成性封入による、非免疫性不活化を 最小化しなければならず; (6)封入された細胞とのレシピエントの免疫系の接触を最小化しなければな らず; (7)封入された細胞とほぼ同じ長さの寿命がなければならず; (8)生体適合性材料を可能な限り用いなければならず; (9)移植片または島組織に関して生体適合性でなければならず;そして (10)レシピエントの免疫応答を刺激し得る抗原の放出、特に急性の放出を最 小化しなければならない。 これらの特性のうちいくつか、例えば第4、5および6項は、マイクロカプセ ルが保有しなければならないが、該特性をマイクロカプセルのすべての成分が保 有する必要はない。例えば、内部成分は、抗線維形成性である必要はなく、装置 のあらゆる要素がレシピエントの免疫成分、例えばIg分子もしくは補体、また はレシピエント由来の細胞の通過を必ずしも阻害する必要はない。より詳細に下 記に説明するとおり、本発明の複合マイクロリアクターの多成分構造は、機能と 特性との分離を可能にし、こうして、材料の選択の際に、より大きな自由度を、 またマイクロカプセルの、より高い効率を可能にする。構造的成分 図1は、単純または単一複合マイクロリアクター(10)の模式図である。該複 合マイクロリアクター(10)は、少なくとも一つ、好ましくは複数の内部粒子( 20)を含有する。内部粒子(20)は、治療上または別途望ましい物質の一つまた は複数の源泉(30)を包有する。源泉(30)は、内部粒子マトリックス(40)に 担持、接着または包埋される。内部粒子(20)は、選択的に、内部粒子コーティ ング(50)を有する。内部粒子は、スーパーマトリックス(60)に包埋すること ができる。複合マイクロリアクター(10)は(選択的に)外側コーティング(70 )を有することができる。 複合マイクロリアクター(10)の直径は、好ましくは100 ミクロン〜4mm、30 0 〜1,200 ミクロン、300 〜1,500 ミクロン、400 〜1,000 、ミクロンまたは40 0 〜800 ミクロンである。より好ましくは、該直径は約600 ミクロンである。 容積減少コーティング(下記に説明)を施す前の内部粒子(20)の直径は、好 ましくは50〜700 ミクロン、より好ましくは100 〜500 ミクロン、より好ましく は200 〜400 ミクロン、最も好ましくは直径約300 ミクロンである。容積減少コ ーティング(下記に説明)を施した後の内部粒子(20)の直径は、好ましくは35 〜500 ミクロン、より好ましくは75〜400 ミクロン、より好ましくは100 〜300 ミクロン、最も好ましくは直径約200 ミクロンである。 本明細書の別の個所で、より詳細に考察するとおり、源泉(30)は、細胞また は一群の細胞、例えば島であることができる。内部粒子の源泉は、すべてが1種 類のものであるか、または1種類を越える源泉が、内部粒子に包有されることが できる。その上、複合マイクロリアクター(10)は、1種類を越える内部粒子 (20)を包有することができ、例えば、複合マイクロリアクター(10)は、その 中に第一の源泉、例えば第一種類の細胞を有する第一種類の内部粒子(20)と、 その中に第二の源泉、例えば第二種類の細胞を有する第二種類の内部粒子(20) とを包有できる。 内部粒子マトリックス(40)はゲル、例えばヒドロゲル、例えばアルギン酸ま たはアガロースであることができる。内部粒子マトリックスは、足場依存性細胞 を接種できる固体粒子、例えばガラスビーズ、または多孔質構造であることがで きる。内部マトリックス(40)は、免疫隔離特性を有することができる。何らか の実施態様では、低分子量の種、例えばIgGまたは補体を排除できる能力が僅 かしか、または全くなく、この特性は、複合マイクロリアクター(10)のその他 の成分に付託されている。内部粒子マトリックス(40)は、例えば比較的高分子 量の分子の通過を妨げるように、その多孔性を調節することによってか、または 比較的高分子量の分子の通過を妨げる成分、例えばポリエチレンオキシド(PE O)、ポリスチレンスルホン酸(PSA)もしくはポリオルニチン(PLO)を それに付加することによって、免疫隔離性にすることができる。その透過性を調 節する方法に拘りなく、好適実施態様では、内部マトリックス(40)は、約50kD 以上、好ましくは約100 kD以上、好ましくは約150 kD以上、最も好ましくは約40 0 kD以上の分子量を有する分子、またはIg分子もしくは補体のような免疫系の 成分、またはレシピエントに由来する細胞の通過を妨げ、好ましくは基本的に完 全に、通過を阻止することになる。内部マトリックス(40)は、抗線維形成性で ある必要はなく、生体適合性である必要もない。複合マイクロリアクター(10) は、1種類を越える内部粒子(20)を包有でき、例えば、複合マイクロリアクタ ー(10)は、その中に第一種類の内部マトリックス(40)を有する第一種類の内 部粒子(20)と、その中に第二種類の内部マトリックス(40)を有する第二種類 の内部粒子(20)とを包有できる。 内部粒子コーティング(50)は選択的である。ポリアミノ酸、例えばポリリジ ン(PLL)、PLO、キトサンもしくはPAN−PVC、または非複合マイク ロリアクターを被覆するのに用いられるいかなるコーティングで形成することも できる。加えて、該コーティングは、マトリックスの構造を修飾することによっ て形成することもでき、例えば、マトリックスを、例えば金属イオン、例えばB aもしくはFeイオンでか、または光架橋結合によって架橋結合させて、コーテ ィングを形成することができる。好適なコーティングは、15kD未満、より好まし くは10kD未満、より好ましくは5kD未満の分子量を有するポリリジンである。特 に好ましいのは、約3〜4kD、例えば3.7 kD、または約9〜10kD、例えば9.7kD の分子量を有するポリリジンである。好適なコーティングは、容積減少コーティ ングである。その上、複合マイクロリアクター(10)は、一種類を越える内部粒 子(20)を包有でき、例えば、複合マイクロリアクター(10)は、第一種類の内 部粒子コーティングを有する第一種類の内部粒子(20)と、第二種類の内部粒子 コーティング(50)を有する第二種類の内部粒子(20)とを包有できる。何らか の実施態様では、内部粒子コーティング(50)は、生体適合性である必要はなく 、抗線維形成性である必要もないため、生体適合性または抗線維形成活性を与え 得るようにするいかなる妥協の必要性もなしに、内部コーティング(50)のその 他の特性、例えば免疫隔離できるその能力を最適化できる。 スーパーマトリックス(60)は、ゲル、例えばヒドロゲル、例えばアルギン酸 またはアガロースであることができる。スーパーマトリックス(60)は、免疫隔 離特性を有することができる。何らかの実施態様では、低分子量の種、例えばI gGまたは補体を排除できる能力が僅かしか、または全くなく、この特性は、複 合マイクロリアクター(10)のその他の成分に付託されている。スーパーマトリ ックス(60)は、例えば比較的高分子量の分子の通過を妨げるように、その多孔 性を調節することによってか、または比較的大きな分子の通過を妨げる成分、例 えばPEO、PSAもしくはPLOをそれに付加することによって、免疫隔離性 にすることができる。その透過性を調節する方法に拘りなく、好適実施態様では 、スーパーマトリックス(60)は、約50kD以上、好ましくは約100 kD以上、好ま しくは約150 kD以上、最も好ましくは約400 kD以上の分子量を有する分子、また はIg分子もしくは補体のような免疫系成分、またはレシピエント由来の細胞の 通過を妨げ、好ましくは基本的に完全に、通過を阻止することになる。スーパー マトリックス(60)は、より近位または外側の成分がこれらの機能を与えるなら ば、抗線維形成性である必要はなく、生体適合性である必要もない。 外側コーティング(70)は選択的である。ポリアミノ酸、例えばPLLもしく はPLO、キトサン、またはPAN−PVC、あるいは非複合マイクロリアクタ ーを被覆するのに用いられるいかなるコーティングで形成することもできる。こ れに代えて、該コーティングを、マトリックスの構造を修飾することによって形 成することもでき、例えば、マトリックスを、例えば金属イオン、例えばBaも しくはFeイオンでか、または光架橋結合によって架橋結合させて、コーティン グを形成することができる。好適なコーティングは、15kD未満、より好ましくは 10kD未満、より好ましくは5kD未満の分子量を有するポリリジンである。特に好 ましいのは、約3〜4kD、例えば3.7 kD、または約9〜10kD、例えば9.7 kDの分 子量を有するポリリジンである。好適なコーティングは、容積減少コーティング である。外側コーティング(70)は、他の成分がこの機能を与えるならば、免疫 隔離性である必要はない。 複合マイクロリアクターの多成分構造は、性能を最適化する材料の選択を可能 にする。高度に免疫隔離性であるが、生体適合性または抗線維形成活性に関して はあまり望ましくないコーティング材料を、内部粒子コーティングに用いること ができる。多成分構造は、レシピエントの免疫系成分による侵入に対する多重の 防衛線も可能にする。例えば、レシピエントのIgG分子102個中の1個を通過 させる外側コーティング、レシピエントのIgG分子102個中の1個を通過させ るスーパーマトリックス、および、レシピエントのIgG分子102個中の1個を 通過させる内部粒子コーティングの使用は、106個中の約1個のみという複合物 通過率を招くにすぎない。 機能が分離できることは、封入された源泉の役立つ寿命にその寿命がおおよそ 見合う複合マイクロリアクターの構成も可能にする。例えば、マトリックスを弱 めるゼラチンを加えることもできよう。マトリックスを強化する必要があれば、 繊維類を加えることもできる。 好適な複合マイクロリアクターは:複合マイクロリアクターが少なくとも2種 類の内部粒子を含有し;治療上または別途望ましい物質の源泉が細胞、例えば島 細胞であり;内部粒子マトリックスがアルギン酸塩であり;内部粒子がポリリジ ンの内部粒子コーティングを有し;内部粒子がアルギン酸塩のスーパーマトリッ クスに包埋され;そして複合マイクロリアクターがポリリジンの外側コーティン グを有し;内部粒子コーティングのポリリジンが、2〜10kDの分子量のものであ り;外側コーティングのポリリジンが、2〜10kDの分子量のものであり;内部粒 子が、下記に説明するとおり、幾何学的に安定化されていて;スーパーマトリッ クスが、幾何学的に安定化されていない内部粒子の使用から生じる、亀裂その他 の欠陥を含まず;内部粒子の直径が100 〜400 ミクロン、好ましくは約200 ミク ロンであり;複合マイクロリアクターの直径が400 〜800 ミクロン、好ましくは 約600 ミクロンであるそれである。 上記のとおり、内部粒子(20)は、マトリックスに包埋された源泉よりなり、 マトリックスは内部粒子コーティングに封入されている。内部粒子(20)は、他 の構造であることもできる。例えば、内部粒子は、細胞、例えば足場依存性細胞 を増殖させられる固体のビーズ、例えばプラスチックビーズ、セファロースビー ズまたはガラスビーズよりなることができる。細胞は、この固体ビーズの表面で か、または存在するならば、ビーズの隙間の空間内で増殖させることができる。 そのような内部粒子は、本明細書に記載のとおり被覆するか、または未被覆のま まにすることができる。内部粒子は、スーパーマトリックスに包埋し、スーパー マトリックスをコーティングによって封入することができる。 複合マイクロリアクターは、球体の力学的強度を増大させるために、繊維を含 むこともできる。同様に、この複合材料は、タンパク質をはね返し、繊維形成応 答を妨げるように作用し得る、PEOのような物質を含有することができる。セ ラチンまたはコラーゲンのようなその他の材料も、輸送特性(透過性および/ま たは分子量カットオフ)に影響するように多孔性を増減するために、加えること もできる。 利点、例えば回収が容易であることに加え、本発明の実施態様は、生体適合性 ではない免疫防護剤の使用を許す。それのみでは酵素に消化され得るか、または 宿主組織と直接接触すると線維形成応答を誘発し得る材料を、選択透過性障壁を 形成するのに用いることができる。本発明者らの方法は、中性のか、または正に 荷電した物質で形成したアルギン酸被覆粒子に用いることもできる。より重要な ことに、アルギン酸コーティングは、単なる静電相互作用によって形成された 「コーティング」に対する実質的な厚さの物理的障壁を複合構造に与える。この 複合構造(直径が<50μm〜>5mmの範囲である)は、いかなる材料でも形成す ることができる。 内部粒子はいかなる形状であることもでき、例えば、平面、立方体、管および 円板の形状の粒子や室、または別途に線維が封入され得るその他の形状を包含す る。 複合マイクロリアクターの体積に対する内部粒子の体積の比率は、個々の用途 に合わせて設定できるが、好適な比率は、0.5 :5.0 、好ましくは1.0 :3.5 、 より好ましくは1.0 :2.5 または1.0 :3.0 である。より高次の複合物 本発明の実施態様は、より高次の複合マイクロリアクター、例えば、単一複合 マイクロリアクター(10)が、外側コーティングで(選択的に)被覆されたマト リックスに包埋されている二重複合物を包含する。上記により、図2は、二次ま たは二重複合マイクロリアクター(100 )を示す。 二重複合マイクロリアクター(100 )は、(選択的に)二重複合マイクロリア クターの外側コーティング(120 )に包囲された、二重複合マイクロリアクター のマトリックスまたはスーパーマトリックス(110 )に包埋された(上記および 本明細書のどこかに記載の)一つもしくは複数の複合マイクロリアクター(10) を含む。 二重複合マトリックス(100 )の直径は、好ましくは100 ミクロン〜4mm、30 0 〜1,500 ミクロン、400 〜1,000 ミクロンまたは500 〜900 ミクロンである。 より好ましくは、該直径は約600 〜800 ミクロンである。 二重複合マイクロリアクターのマトリックスまたはスーパーマトリックス(11 0 )は、ゲル、例えばヒドロゲル、例えばアルギン酸またはアガロースであるこ とができる。二重複合マイクロリアクターのマトリックスまたはスーパーマトリ ックス(110 )は、免疫隔離特性を有することができる。何らかの実施態様では 、低分子量の種、例えばIgGまたは補体を排除できる能力が僅かしか、 または全くなく、この特性は、複合マイクロリアクター(10)のその他の成分に 付託されている。二重複合マイクロリアクターのマトリックスまたはスーパーマ トリックス(110 )は、例えば比較的高分子量の分子の通過を妨げるように、そ の多孔性を調節することによってか、または比較的大きな分子の通過を妨げる成 分、例えばPEO、PSAもしくはPLOをそれに付加することによって、免疫 隔離性にすることができる。その透過性を調節する方法に拘りなく、好適実施態 様では、このマトリックスまたはスーパーマトリックス(110 )は、約50kD以上 、好ましくは約100 kD以上、好ましくは約150 kD以上、最も好ましくは約400 kD 以上の分子量を有する分子、またはIg分子もしくは補体のような免疫系成分、 またはレシピエント由来の細胞の通過を妨げ、好ましくは基本的に完全に、通過 を阻止することになる。二重複合マイクロリアクターのマトリックス(110 )は 、より近位または外側の成分がこれらの機能を与えるならば、抗線維形成性であ る必要はなく、生体適合性である必要もない。二重複合物では、最も内側の粒子 のマトリックスは、通常、内部粒子マトリックスと呼ばれる。内部粒子が包埋さ れるマトリックスは、通常、粒子マトリックスと呼ばれ、単一の複合粒子が包埋 されるマトリックスは、通常、スーパーマトリックスと呼ばれる。 二重複合マイクロリアクターの外側コーティング(120 )は選択的である。ポ リアミノ酸、例えばPLL、PLO、キトサンもしくはPAN−PVC、または 非複合マイクロリアクターを被覆するのに用いられるいかなるコーティングで形 成することもできる。好適なコーティングは、15kD未満、より好ましくは10kD未 満、より好ましくは5kD未満の分子量を有するポリアミノ酸、例えばポリリジン である。特に好ましいのは、約3〜4kD、例えば3.7 kD、または約9〜10kD、例 えば9.7 kDの分子量を有するポリリジンである。好適なコーティングは、容積減 少コーティングである。二重複合マイクロリアクターの外側コーティング(120 )は、他の成分がこの機能を与えるならば、免疫隔離性である必要はない。 本発明の別の実施態様は、より高次の複合マイクロリアクター、例えば、マト リックスに包埋され、(選択的には)外側コーティングに包囲された二重複合マ イクロリアクターを包有する三次複合物、およびマトリックスに包埋され、(選 択的には)外側コーティングに包囲された三次複合物を包有する四次複合物を包 含する。単純および二重複合物に用いるために考察した材料および方法を、より 高次の複合物のマトリックスおよびコーティングに用いることができる。細胞の単離 生細胞は、当技術分野で公知の手順によって、周囲の組織から単離し、または 培養で増殖させ、次いで、封入の前に液体培地に懸濁させることができる。生細 胞は生物学的物質、例えば酵素もしくは補助因子、ホルモン、血餅形成因子また は成長因子を与えることができる。細胞、例えば膵細胞は、酵素的またはホルモ ン的機能を与えることができる。肝細胞のような細胞は、解毒機能を与えること ができる。 例として、Lanza ら[P.N.A.S.USA,88:11,100-11,104 (1991)]にが以前に 記載されたとおり、膵島細胞をWarnock およびRajotte の方法[Diabetes,37:4 67 (1988)]の変形によって、雑種成犬、ブタ、または仔ウシ(生後0〜2週 )のいずれかから調製した。 略述すると、無菌手術室の手順の下に、無菌の生存できるブタ膵臓を得た。摘 出(約15分未満の温虚血)の後、腺に挿管し、冷えた(4℃)ウィスコンシン大 学(UW)器官保存液で潅流した。管内コラゲナーゼ消化の手順を用いて、膵組 織を解離させた。蠕動ポンプによってコラゲンーセを送達し、消化された膵臓を 、2〜6mmガラスビーズを内容するポリプロピレンの解離室内で、機械的に破裂 させた。不連続密度勾配遠心分離(Eurocollins 液への27%、20.5%および11% (v/v )のFICOLL(商品名)(Sigma、F9378))によって、島を外分泌組 織から分離した。 次いで、単離した島を、10体積%ウシ胎児血清、30mMHEPES、100mg/dlの グルコース、および400 IU/mlのペニシリン(イヌ用)で強化したM199/ア ール培地、またはα−MEMプラス10%熱不活性化ウマ血清(ウシおよびブタ) のいずれかの中で、5%CO2/95%空気の加湿雰囲気中、37℃で1日培養した 。島の代表的な収率は、成体膵臓(400gの湿重量、島の直径80〜125μm、純度8 5〜95%、生存率90%より大(下記を参照))について、0.5〜1.8x106個の島の 範囲内でなければならない。細胞は、他の手順で単離し、他の適切な条件下で培 養してもよい。 島細胞の虚血による劣化は、適切な大きさの組織断片を用いることによって最 小化され、例えば、島の断片は、直径約150ミクロン未満、好ましくは50〜125ミ クロンでなければならない。島の生存率、増殖、寿命および/または機能は、封 入の前の液体培地中で同時培養することによって、例えば他の細胞型を混合する ことによって増大させることができる。有用な細胞型は、成長ホルモンを分泌す る細胞、例えばGH−3細胞、または結合組織および/もしくは細胞外マトリッ クス成分を分泌する細胞、例えば線維芽細胞や内皮細胞を包含する。加えて、細 胞、例えば島を、赤血球もしくはヘモグロビン、または他の酸素運搬体を加えて 、利用度を高めることができる。赤血球は、亜酸化窒素を捕獲するのに用いるこ ともできる。 異なる時間に調製した異なるロットの島の比較を可能にするには、島の品質管 理の手順を用いる。純度(外分泌組織の混入と比較した島組織の量)は、膵島の ジフェニルチオカルバゾン(ジチゾン)を急速に取り込める能力によって決定で きる。島を、50μg /mlのジチオゾン(D5130、Sigma)とともに5〜10分 間温置して、それらを赤色に染めることができる。次いで、調製物を光学顕微鏡 下で検査して、純度を定性的に推計する。純度の定量は、島の分散と染色および 不染色細胞の計数とによって、またはDNA1μgあたりのジチオゾン取り込み の分光光度測定によるアッセイによって実施する。 生存率は、生存細胞が一定の染料を排除できる能力に依存するいくつかのアッ セイのいずれか一つによって決定できる。例えば、一つのアッセイは、生存細胞 だけを緑色に染める蛍光染料のアクリジンオレンジと、死細胞の核だけを赤色に 染めるヨウ化プロピジウムとの組合せを用いる。島を、染料(アクリジンオレン ジ、Sigma、A6014、50μg /ml、およびヨウ化プロピジウム、Sigma、P4 170、2.5μg /ml)とともにPBS溶液中で10〜15分間温置し、次いで、単 細胞へと分散させる。赤色および緑色の蛍光を発する細胞の計数を、生存率%を 算出するのに用いる。島のインシュリン分泌活性は、静止培養中で、例えば島の 体積あたりのインシュリンの単位として表すのと、島がグルコースの勾配付き濃 度に応答できる能力に基づくのとの双方で決定する。これらの値は、2.8 〜28mM のグルコースにわたるある範囲のグルコース濃度に露出した島が分泌するインシ ュリンを測定することによって、定量的に確定される。マイクロカプセルの形成 生細胞、例えば島細胞は、様々なゲル、例えばアルギン酸塩に封入して、宿主 に移植されたならば、物理的に細胞を単離するための微粒子、例えばミクロビー ズまたは微球体を形成することができる。これらの微粒子への(約150 kDの分子 量を有する)抗体や補体のような、より低分子量の物質の進入を防ぐために、外 殻に調節された細孔径を与えるポリL−リジン、キトサンまたはPAN−PVC のような材料で、これらを被覆するか、または、例えば架橋結合によって、それ らの内部多孔性を調節するよう処理することができる。これに代えて、ポリエチ レンオキシド(PEO)のような様々な物質をゲル混合物に直接混合することに よって、それらの多孔性を調節することができる。例えば約1〜8百万ダルトン の高分子量の分子、例えば高分子量PEOの使用は、多孔性調節物質の脱出を最 小化すると思われる。この大きさの分子は、外側コーティングなしに用いること ができる。カプセル封入 細胞を単離し、液体培地に懸濁させたならば、担持マトリックス、例えばヒド ロゲルのマトリックスで封入して、例えばマイクロカプセルのコア、または内部 粒子として働く、ミクロビーズを形成することができる。コアは、適正な細胞分 布を保ち、強さを与え、細胞の生存率、寿命および機能を増大させる。コアは、 免疫隔離に寄与することもできる。例えば、内部粒子を担持マトリックスに包埋 することによって生じる物理的距離は、例えば酸化窒素やサイトカインからの防 護を与えることができる。また、宿主の望ましくない応答を誘発できる直接的な 細胞対細胞相互作用から内部粒子を防護する。 標準的手法を用い、細胞、例えば膵島を栄養培地と液化ゲル、例えばアルギン 酸ナトリウムとの溶液に加えて、懸濁液を形成し、次いで、ゲルを架橋結合させ ることによって、ゲルマトリックスを形成する。ゲルマトリックスは、様々な物 質、好ましくは、宿主動物に生体適合性であり、細胞生存率を維持し、懸濁液中 で組織または細胞を物理的に担持することができる物質のいずれか1種類または 組合せであることができる。 ゲルは、カルシウム、カリウムもしくはバリウムのようなイオンの添加、また は温度の変化によってゲル化もしくは架橋結合させることができる。ただし、温 度変化を用いるならば、ゲル化に要する温度変化が、封入しようとする生細胞に 有害または致死的にならないように、注意しなければならない。温度に依存しな いゲルは、アルギン酸塩、カラゲナン、およびキサンチンガムのようなゴムを包 含する。本明細書で用いられる限りで、アルギン酸塩という用語はアルギン酸誘 導体を包含する。これらのゲルは、標準的手法を用いて、多価フェノール、リポ 多糖類、内毒素その他の不純物を除去するように処理しなければならない。 アルギン酸塩は、互いに結合した1,4結合β−D−マンヌロン酸(M)およ びα−1−グルロン酸(G)のブロックで、例えば交代するMGブロックとして 、構成される。好適なアルギン酸塩は、高いGブロック含量、例えば少なくとも 約60%で配合されたそれである。Gブロックの百分率が高ければそれだけ、ゲル マトリックスの細孔径および強さが大きくなる。加えて、高いMブロック含量を 有するアルギン酸ゲルは、高いGブロック含量を有するゲルよりも免疫原性であ るように思われる。例えば、Soon-Shiong ら、Transplant.Proc.,23:758-759( 1991)およびSoon-Shiong ら、Transplantation,54:769-774(1992)を参照された い。 ゲルマトリックスは、細胞を分散した状態に保つのに充分に粘稠でなければな らない。アルギン酸塩をゲルマトリックスとして用いるときは、液体培地の約3 %まで、好ましくは約1〜2%まで加え、溶液を架橋結合させて半固体のゲルを 形成し、それに細胞を懸濁させる。これらの百分率は、その形状を与え、イン・ ビボで数カ月間健全に保つのに充分な機械的強度を有するマトリックスを与える 。 アルギン酸ヒドロゲルは、数多くの理由で、内部粒子のマイクロビーズコアに 好適である。アルギン酸塩は、比較的温和なCaCl2を用いる室温での急速な 重合、および細胞の固定化を可能にし、アルギン酸濃度を上昇させることによっ て、好都合に変動させられる整合的なゲルレオロジーを与え、優れた機械的強度 を有するマイクロビーズを生成する。 対照的に、寒天/アガロースは、単離されたブタ、イヌおよびウシの島を包埋 するのに優れた培地であると判明しているが、単離された島を寒天の微球体に包 埋する予備研究では、重大な問題に遭遇した。高い温度を要すること、および寒 天の不均質なレオロジーは、手順を著しく複雑にする。例えば、生理的範囲を超 える温度は、島を不可逆的に損傷する。 ヒドロゲルのマイクロビーズを作成する好適な方法は、空気ジェットによるも のである。 ヒドロゲルを作成するその他の方法は、乳化、滴下およびレイリージェットを 包含する。乳化 乳化は、混和できない液体中で前ゲル液体を分散させるための剪断力に依存す る。剪断力は、通常、撹拌によって生じるが、管腔内での壁面剪断、または音波 処理によって生じることもできる。充分に制御された撹拌は、直径が約±15%に まで均一な小滴を形成し、生細胞を封入するのに頻用される、許容され得る手法 である。例えばLenckiら、米国特許第4,822,534 号明細書を参照されたい。滴下 この群の関連する手法では、生細胞を懸濁させる前ゲル液体に、形成しつつあ る小滴と押出し口との間の表面張力に打ち勝つ力を印加する。開口は、多くの形 態をとり得るが、平滑先端の皮下用針を用いることが多い。 小滴には様々な力、例えば遠心力、静電力または慣性力を印加することができ る。100 μm の島を通過させて200 μm の小滴を形成するのに充分な大きさの押 出し口で用いるには、約536 xgの遠心力が適切である。遠心力で微球体を形成 するのに適したローターは、例えばDeasy(編)、「Microencapsulation and Re lated Drug Processes」、第13章(Marcel Dekker,Inc.,ニューヨークおよびバ ーセル、1984)(Southwest Research Institute,San Antonio、テキサス州) に記載のような、多開口遠心ヘッドである。もう一つの適切なローターは、米国 特許第4,386,895 号明細書に記載されている。 圧電結晶を有する圧送室を拍動させることによって、開口から単一の小滴を「 飛ばす」インクジェット、または微量の流体を沸騰させて、圧力パルスを生じさ せる、いわゆる「バブルジェット」に用いられるような、軸方向の慣性力も、本 発明に適している。 流体流抗力は、200 〜1,000 μm の大きさの範囲の微小滴を形成するのに用い られる、もう一つの一般的な方法である。この方法では、気体の同軸ジェット内 に配置された開口(通常は皮下用針)から、液体を着実に押出す。400 m/秒に 達する速度の気流の抗力による「剪断」は、形成しつつある小滴を開口から、表 面張力の保持力に抗して引き離す。小滴は、代表的には、開口の直径の2倍であ り、直径が100 μm 以下の島を有する直径400 μm の小滴を形成するが、それは 、この方法を用いる最小の実践的大きさである。レイリージェット レイリージェットは、非常に均一な(±1%)微小滴、および2本の同軸ジェ ットを用いて、封入された微小滴さえも製造するのに用いることができる。この 手法は、レイリー卿が1873年に初めて示した、液体ジェットは表面張力に対して 本質的に不安定であるという原理に基づく。レイリーは、特性振動数を生じる特 定の幾何学的配置が存在することを立証した(ここでf=振動数;V=ジェット の速度;D=微小滴の直径):f=0.419 V/D 小滴通過振動数は、ジェットの速度によって完全に決定されるが、小滴形成過 程は、ジェットの速度とは完全に無関係である。この現象は、粘度が1〜100,00 0 cps の範囲の液体から、直径20〜1,000 μm の微小滴を製造するのに用いられ ている。ジェットは、自然乱流と、通常は、ジェットを与える高圧状態を発振器 、代表的には圧電結晶で駆動することとのいずれか、またはノズルを横断方向も しくは軸方向に振動させることから生じる慣性力によって、レイリー振動数で乱 される。ジェットの静電または音響励起も用いることができる。封入する液体と 被覆する液体との同軸の流れを用いることによって、被覆された小滴を形成でき る。同時押出しは、コアの材料がシェルの材料の急速な凝固を生じない限り、非 常に魅力的である。アクリル系共重合体のような急速に凝固する材料で小滴を被 覆しようとするときは、コアとコーティング材料との間に、一時的な障壁液体( 例えば植物油または重合体の溶剤)を挿入しなければならない。微粒子の細孔径の制御 微粒子の細孔径は、特定の分子量カットオフを有する半透性外殻を適用するこ とによっても制御できる。これは、「静電」コーティング、例えばポリアミノ 酸、例えばポリリジンのコーティングを施すことによって実施できる。細孔径は 、微粒子自体のゲルマトリックスを、その後のいかなるコーティングもなしにマ トリックスの細孔径を変えるように処理することによっても調節できる。例えば 、コアの表面を、架橋結合によって変化させて、共有結合で修飾したゲルマトリ ックスの表面を形成することができる。コーティングは、マトリックスの構造を 修飾することによって、形成することができ、例えば、マトリックスを、例えば 金属イオン、例えばBaもしくはFeイオンでか、または光架橋結合によって架 橋結合させて、コーティングを形成することができる。 本明細書で用いられる限りで、「分子量カットオフ」とは、例えば微球体を囲 む半透性の外殻またはコーティングによってか、またはゲルマトリックス自体も しくは双方によって、実質的に遮断されない最大の分子の大きさを表す。カット オフを超える分子量の分子は、粒子への出入りが実質的に防止される。複合マイ クロリアクターは、一般に、約50,000、より好ましくは約100,000 、より好まし くは約150,000 、最も好ましくは約400,000 の分子量カットオフを与える。好適 実施態様では、分子量カットオフは、Ig分子、例えばIgG、および補体が進 入し、封入された材料と接触するのを防止するのに充分である。ゲルマトリックスの細孔径の変更 ゲルマトリックスの細孔径は、いくつかの方法で変更できる。例えば、ゲルマ トリックスを変更することができ、例えば多孔度を、例えばゼラチンもしくはコ ラーゲン、またはバリウム、もしくはCa++イオンと同じ原子価の他のイオンを 加えることによって、輸送特性、例えば透過性および/または分子量カットオフ に影響を及ぼすように上昇もしくは低下させることができる。温度の変化も細孔 径に影響することになる。温度の上昇は、ゲルマトリックスの収縮を招くことに なる。ゲルマトリックスへの化合物、例えばPEOの添加も、変化した細孔径を 招く。PLOは、タンパク質を跳ね返すよう作用し、線維形成応答を妨げるよう に作用し得る。好適実施態様では、1,000,000 ダルトンより大きい、より好まし くは4,000,000 ダルトンより大きい、最も好ましくは8,000,000 ダルトンより大 きい分子量のPEOをゲルマトリックスと混合する。比較的高分子量のPEOは 、拡散することがなく、このため架橋結合を必要としない。コーティング マイクロカプセル、例えば複合マイクロリアクターの内部粒子は、被覆するか 、または未被覆にすることができる。複合マイクロリアクターの内部粒子は、非 複合マイクロリアクターを被覆するのに用いられるいかなるコーティングでも被 覆できる。複合マイクロリアクターの内部粒子は、一般的には、レシピエント組 織と接触しないため、内部粒子の外表面は、被覆されていてもいなくても、抗線 維形成性である必要はない。 マイクロビーズまたは前ゲル微小滴は、重合体、例えば生体適合性重合体、例 えば静電コーティング、例えばポリアミノ酸、例えばPLLもしくはPLO、キ トサン、「PEO」、ポリ酢酸ビニル(「PVA」)、またはPAN−PVCの ようなアクリル系共重合体のコーティングで被覆することができ、次いで、これ を固化してシェルを形成する。公知の被覆法を、ポリL−リジンまたはキトサン のような材料を被覆するのに用い得るが、カプセル封入された細胞に望ましくな い効果を有し得る重合体、例えばPAN−PVCは、下記に述べる特別な被覆上 の問題を提起する。 適切な共重合体はPAN−PVCであって、n−メチル−2−ピロリドン(N MP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF) またはジメチルアセトアミド(DMAC)(すべて米国ミズーリ州セントルイス のSigma Chemicals 社から入手できる)のような有機極性溶媒に可溶化したとき に、微球体を被覆し、次いで、水との溶媒交換によって沈澱させて、分子量約80 ,000〜150,000 より大きい分子を排除する細孔を有する多孔膜を形成する。 コーティングの厚さは、好ましくは20μm を超えるが、マイクロビーズのコア 量を低下させないよう、100 μm 未満とする。好適な幾何学的形状は、2〜3個 の島を含む直径300 μm のマイクロビーズであって、厚さ25μm のアクリル系共 重合体のコーティングにカプセル封入して、350 μm の外径(「OD」)を与え る。ODを500 μm まで増加させるならば、100 μm に達するコーティング厚を 用い得るが、より厚いコーティングは、一般に、質量移動抵抗を増大させ、コー ティングの表面積が担持できる細胞数を減少させる。したがって、コーティング は、充分な強度を与えるには、好ましくは25μm 以上であるが、迅速な物質移動 を可能にするには、できるだけ薄くする。 PAN−PVCコーティング液中に滴下することによって、マイクロビーズの 回分を被覆する最初の企図は、PAN−PVCを溶かすのに要する溶媒が、細胞 に有毒であり、溶媒が、コーティング液中に滴加したとき、マイクロビーズ全体 に急速に拡散するため、完全に成功するに至らなかった。加えて、PAN−PV Cは、水の存在下では、ほとんど瞬間的に沈澱かつ固化し、コーティング液に沈 めたマイクロビーズが互いに粘着するのを防ぐことをほとんど不可能にする。 問題は、初めにマイクロビーズと、したがってまたビーズ中の水と接触する、 コーティングの内面のみが固化されるにすぎないため、マイクロビーズの周囲の コーティングの外面が粘着性であることにある。その結果、ビーズは互いに粘着 する。コーティングの外面は、水溶液に露出したときにのみ固化することになる が、それまでに、すべてのビーズが既に互いに粘着している。これは、大回分の マイクロビーズでは、特に問題になる。 したがって、PAN−PVC、および有毒な溶媒の使用を要するその他の重合 体は、下記の共通の特徴を一般に包含する方法でマイクロビーズに被覆しなけれ ばならない:(1)有毒な効果を回避するための、コーティング液との細胞含有 前ゲル微小滴またはゲル化マイクロビーズの非常に簡潔な接触;(2)コーティ ングが固化する前のマイクロビーズのいかなる取扱い、またはそれら同士の接触 も排除すること;および(3)短時間かつ個別ベースでの大量のマイクロビーズ のコーティング。 下記の方法のそれぞれにおいて、重合体溶液、例えばPAN−PVCは、水溶 性の有機極性溶媒、例えばNMP、および小量の水に溶解する。溶液は、水への 露出によって固化させるが、これは、二液の相互拡散によって溶媒を希釈して、 繊維性の網目構造がマイクロビーズ表面に多孔コーティングを形成するようにす る。重合体溶液の組成、注型温度、溶媒の事前蒸発などを変えることによって、 共重合体コーティングの分子排除サイズを変えることができる。 PAN−PVCによる微小滴またはゲル化マイクロビーズを被覆する一方法で は、溶液を管壁の狭い間隙を通じて、直線の辺縁、すなわちダム越しに溶液を流 して「滝状の」カーテンを形成するか、または図5−15Aに示したような回転す る遠心性カップ状の装置から流出させることによって形成した、コーティング液 の自立する薄膜の「カーテン」を貫通するよう、マイクロビーズを射撃する。固 定化細胞を含有する前ゲル微小滴は、例えば上記のレイリージェットによって生 成し、弾道に射撃して、自立するコーティングの薄膜(図5−15A)を1〜40m /秒の速度で貫通させる。貫通の際に、重合体溶液の薄層で被覆される(図5− 15B)。困難なシェル液(すなわち、非常に粘稠であり、および/または高い表 面張力を有する液体)の完全な被覆を促進するには、射出渦流、すなわち渦巻に よって、小滴形成開口の上流で微小滴にスピンを与えることができる。次いで、 被覆したマイクロビーズを、水性の生体適合性捕集媒体に滴加し、ここでコーテ ィング、例えばPAN−PVCが水との接触によって固化し、コーティング液は 、ゲルコアから周囲の水浴へと拡散して去る。過剰なコーティング液は、例えば 漏斗に捕集し、再利用する。 以来、好適なレイリージェットは、大量の微小滴を短時間で生成できる。マイ クロビーズは、薄膜を1個ずつ通過するため、すべて個別ベースで被覆される。 捕集媒体に滴加する前の「飛行中の」時間全体は、数ミリ秒にすぎないため、有 機溶媒の毒性は、役割を果たさない。コーティングの外部が固化され、粘着性で はなく、物理的に取扱われなくなるまでは、すべてのマイクロビーズが常に隔離 されたままである。その結果、上記の粘着/凝集現象は回避される。 貫通、被覆、および球状に戻るための時間の後、被覆されたマイクロカプセル は、シェルのコーティングを固化する水溶液に落下する。イオン性のゲルコア、 例えばアルギン酸ナトリウムを架橋結合させるためのイオン、例えばCa++は、 溶媒交換の際および後にシェル中に拡散する。例えば遠心性カップからの、コー ティング薄膜は、供給速度、カップのへりでの遠心性加速度、および流体特性、 すなわち粘度、密度および表面張力に応じて、5〜50μmの厚さであることがで きる。シェルの重合体が、ゲルマイクロビーズ上で過早に固化するならば、液体 窒素またはその蒸気でそれらの表面を凍結させてもよい。 カーテンコーティングというこの方法は、小粒子、例えばゲルマイクロビーズ または前ゲル小滴の表面のみを、該マイクロビーズまたは小滴の表面特性を変え るために用いられる溶液に露出させるにすぎないその他の用途に用いることもで きる。例えば、アルギン酸ナトリウムの微小滴の表面のみを選択的にゲル化して 、その後、小滴をCaCl2に浸漬したときに微小滴内部に形成されるゲルより 高密度である、ゲル表面層を形成するために、BaCl2のカーテン液を用いる ことができる。微小滴をBaCl2に浸漬するとすれば、微小滴全体が同じ密度 にゲル化し、細孔径が、適切な空間を与えるには過小であり得るために、おそら く、生細胞を損傷するであろう。ポリリジンによる被覆 アルギン酸コアをポリリジンで被覆するには、アルギン酸コアを、血清を含ま ない培地への0.05%ポリリジン溶液に滴加する。ポリリジンコーティングの厚さ は、アルギン酸コアが溶液中に放置される時間を延長するか、これに代えて、溶 液の濃度を上昇させることによって、増大させることができる。溶液に対するビ ーズの量は、例えば1:5、1:10または1:20であることができる。より小さ なビーズについては、より大きな溶液の比率が望ましい。粒子体積を最小化する被覆 本発明の実施態様は、施される成分、例えばコアの体積を減少させるコーティ ングを用いる。例えば、ポリアミノ酸コーティング、例えば、ポリリジン、また は比較的低分子量のポリアミノ酸から生成したポリオルニチンは、施されるゲル コア、例えばアルギン酸コアの体積の顕著な減少を招き得る。多くの場合、体積 の減少は、約50%、または60〜70%もしくはそれ以上さえにもなる。 本明細書で用いられる限りで、比較的低分子量とは、約30,000ダルトンまたは それ以下、より好ましくは約15,000ダルトンまたはそれ以下、より好ましくは約 10,000ダルトンまたはそれ以下、より好ましくは約8,000 ダルトンまたはそれ以 下、より好ましくは約7,000 ダルトンまたはそれ以下、より好ましくは約5,000 ダルトンまたはそれ以下、より好ましくは約4,000 ダルトンまたはそれ以下、よ り好ましくは約3,000 ダルトンまたはそれ以下、最も好ましくは約1,500 ダルト ンまたはそれ以下を意味する。 例えば、比較的低分子量、例えば3.7または9.6 kDのポリリジンの使用は、施 されるコアの直径の顕著な減少(ある場合には約30%)を招き得る。体積の減少 に加え、低分子量ポリアミノ酸の使用は、優れた選択透過性の特性を有するコア を招くことになる。しかし、低分子量ポリアミノ酸の使用は、しばしば、「剪定 された」、すなわち比較的巻き込まれたか、または粗雑な表面を招き、それは線 維形成応答を誘発し得る。本発明の複合マイクロリアクターは、内部粒子にこの コーティングを、そして複合マイクロリアクターの外側に、例えばアルギン酸塩 の滑らかな表面を用いることによって、比較的低分子量のコーティングの恩恵が 得られ、かつ線維形成を阻害することもできる。 ポリアミノ酸、例えばポリリジンのコーティングの選択透過性の特性は、コー ティングを2時間またはそれ以上熟成した後に向上する。したがって、最良の結 果を得るには、これらのコーティングで被覆した粒子を、コーティングが熟成さ れるまでレシピエントに移植してはならない。幾何学的安定化 粒子または成分には、製造直後には幾何学的に安定でないものがあり、例えば 粒子または成分は、大きさまたは形状が変化し得る。複合マイクロリアクターに 組込んだ内部粒子が幾何学的形状を変えたならば、複合マイクロリアクターの成 分、例えばスーパーマトリックスまたは外側コーティングが損傷され、複合マイ クロリアクターの完全性が低下することがある。理論に拘束されるのを望むもの ではないが、本発明者らは、幾何学的形状の変化は、例えば亀裂または不連続性 を誘導することによって、スーパーマトリックスまたは外側コーティングを損傷 する可能性があると考える。損傷した粒子は、レシピエントに移植したとき、内 部粒子でのレシピエント細胞の線維形成性増殖を可能にできる。したがって、好 ましくは複合マイクロリアクターに組込む前に、内部粒子を幾何学的に安定化す るのが望ましいことが多い。安定化は、一般に、より大きな構造へと組込む前に 、粒子を短時間「熟成」させることによって達成できる。熟成は、カプセル封入 された細胞の生存率を最大化する条件下で実施しなければならない。比較的低分 子量のポリアミノ酸で粒子を被覆するときは、幾何学的安定化は特に重要である 。 ポリリジン被覆アルギン酸粒子、特に比較的低分子量のポリリジンで被覆した それは、幾何学的に安定化しなければならない。ポリリジン被覆アルギン酸粒子 は、用いようとする細胞に適した培養液に入れ、終夜安定化させなければならな い。複合マイクロリアクターの形成 複合マイクロリアクターは、内部粒子を形成するのに用いた方法と類似した材 料で形成できる:個々の、または少数の内部粒子(細胞以外の)をマトリックス (本明細書では、内部粒子マトリックスと区別するためにスーパーマトリックス と呼ぶ)に包埋し、(選択的な)外側コーティングを施す。 例えば、内部粒子を調製し、例えば被覆または別途処理のいずれか、例えば架 橋結合を施した後に、培地で洗浄して、存在する微粒子が互いに粘着するのを防 ぎ(被覆されていない粒子は、カルシウムおよびマグネシウムを含まない培地で 洗浄しなければならない)、アルギン酸塩のような液体ヒドロゲルと混合し、そ して、50μm 未満ないし5mm以上までの直径を有する複合微粒子へと形成しなけ ればならない。例えば、内部粒子の生成のための上記のそれと類似した方法では 、液体ゲル中の内部粒子の混合物を、18番ゲージのカテーテルから押出して、複 合マイクロリアクターを形成することができる。 本明細書のどこかで考察したとおり、複合マイクロリアクターへと組込む前に 、内部粒子を幾何学的に安定化することが望ましいことがある。 複合マイクロリアクターのスーパーマトリックスは、包含されるすべての内部 粒子周囲にヒドロゲルの半透性外殻を与え、各マイクロカプセルの個々のコーテ ィングと比較して実質的厚さの物理的障壁を与えることができる。スーパーマト リックスでの静電相互作用は、免疫隔離に寄与することができる。 スーパーマトリックスは、内部粒子マトリックスと同じ材料で作成するか、ま たは内部粒子マトリックスのいくつかもしくはすべてのマトリックスと異なるこ とができる。 複合マイクロリアクターは、別途に線維カプセル封入され得る、例えば平面、 立方体、管および円板の形状の粒子や室を包含するいかなる形状の内部粒子を含 むこともできる。 複合マイクロリアクターは、複合マイクロリアクターの特性を変えるための他 の物質も含有でき、ヒドロゲルマトリックスおよび内部粒子に加えて、例えば、 複合マイクロリアクターの機械的強度を増進するための繊維または材料を含むこ とができる。同様に、複合マイクロリアクター、および特にスーパーマトリック スは、タンパク質を跳ね返し、線維形成応答を妨げるよう作用する、PEOのよ うな物質を含むことができる。ゼラチンまたはコラーゲンのようなその他の材料 もスーパーマトリックスに加えて、複合マイクロリアクターの輸送特性(透過性 および/または分子量カットオフ)に影響を及ぼすように多孔性を増減すること ができる。 高次複合物は、類似の方法によって形成できる。外側コーティング 複合マイクロリアクターには、(選択的に)外側コーティングを与えることが できる。非複合マイクロリアクターでか、または内部粒子に用いられるいかなる コーティングも、外側コーティングに用い得るが、その他のコーティングも同様 に用いることができ、あるいはコーティングを全く用いないこともできる。移植 される装置に必要とされる様々な特性、例えば生体適合性、線維形成カプセル封 入に抵抗する能力、レシピエントによる移植されたドナー組織の免疫不活性化を 防ぐ能力は、複合マイクロリアクターの様々な成分間に分配できるため、外側コ ーティングは、これらの特性のすべてを与える必要はない。それは、コーティン グを施す前に、スーパーマトリックスを幾何学的に安定化することが望ましいと され得る。移植 複合マイクロリアクターは、標準的なカテーテルまたは注射器、例えば直径1, 000 μm 未満のビーズに対しては16番ゲージのそれによる注入によって、宿主に 移植することができる。より大きな複合マイクロリアクターは、例えばカテーテ ルまたは漏斗状の装置によって、小切開を介して挿入できる。ビーズは、宿主に 、好ましくは腹腔内に移植する。ビーズは、筋内または皮下に移植することもで きる。これに代えて、ビーズは、脳、睾丸または胸腺のような、Lanza ら(編) 、Immunomodulation of Pancreatic Islets(RG Lands、米国テキサス州、1994 年)の第7章に記載のとおり、宿主の免疫応答が最も不活発である免疫緩和部位 に移植することもできる。複合マイクロリアクターは、複合マイクロリ アクターによって与えられる物質が局所的に必要とされる部位で導入することも できる。例えば、α−インターフェロンを与えるマイクロカプセルを、腫瘍に移 植することができると思われる。本発明のマイクロリアクターは、皮下の部位に 送達できる。複合マイクロリアクターを、ビーズを皮膚の下に滑り込ませる銃/ 套管針型の装置を用いて、外科的に形成した小開口から挿入することができる。実施例1:膵島のカプセル封入 下記のとおり、膵島をカプセル封入した。終夜、前培養した後、培養液プラス 添加物(ブタの島のためには、α−MEM、10mMHEPES、pH7.1 、ペニシリ ン、2mMグルタミン;イヌの島のためには、同じ添加物を有するM199)への 1.5 %(w/v)のPronova LVGアルギン酸ナトリウム(Protan、ノルウェー国D rammen )の溶液中に、30島/mm3である30,000島/mlの密度で、島を均一に懸濁 させた。注射器のポンプを用いて、懸濁液を空気ジェット装置(直線的辺縁の22 番ゲージの針を有する)から3ml/分の速度で圧送した。針の先端に形成された 小滴を、7〜8m/秒の気速の同心的気流によって吹き飛ばした。得られた小滴 は、4cmの距離を落下させ、10mMHEPES(pH7.1 )への1.5 %CaCl2の 溶液中に捕集して、ゲル化したビーズを形成した。これらのビーズは、空気流の 速度を変えることによって、直径が約100 〜400 μmにわたる様々な大きさで形 成することができ、流速が速ければそれだけ、ビーズは小さい。 各ビーズは、約1〜2個の島を含有する。ゲル化の後、(用いる島の種に適し た)培養液でビーズを3回洗浄し、次いで、移植まで、組織培養恒温器中に37℃ および5%CO2で培養した。 直径3mmまでの、より大きなビーズも同様にして作成でき、あるいは18番ゲー ジのカテーテルを備えた注射器から押出すこともできる。実施例2:複合マイクロリアクターの形成 下記のとおり、複合マイクロリアクターを作成する。 段階1:第0日。島とアルギン酸ナトリウムとの混合物(30,000島/ml)を、 小滴生成装置(22番ゲージの針を備えた空気ジェット)により1.5 %CaCl2 /10mMHEPES溶液中に押出す。装置を噴霧モードで操作して、直径が約300 μm の小球体を生成する。ゲル化した球体を培養液中に捕集し、数回洗浄する。 一般的には、ゲル化球体は、約24時間熟成してから段階2に進行する。 段階2:第1日。小球体を、無血清培地中で数回洗浄し、0.2 %の9.6 K(も しくは15kD未満)ポリリジン(または3.7 K(もしくは1〜4kD)ポリリジン) の溶液への2分間の浸漬によって、ポリリジンで被覆する。次いで、球体を完全 培養液(すなわち血清を含有する培地)中で洗浄する。 段階3:第2日。1〜4kDのポリリジンを用いたときは、通常、段階2と段階 3の開始との間に3〜5日の熟成期間を置く。さもないと、外側の複合マトリッ クスが、宿主細胞の貫通を可能にし得るクラックを生じることがある。5kD〜約 15kD未満のポリリジンを用いたときは、通常、段階2と段階3の開始との間に24 時間の熟成期間を置く。ポリリジン被覆小球体は、アルギン酸ナトリウムと混合 する(定着したビーズ容とアルギン酸塩との比率は1:3である)。単一複合物 を作成しようとするならば、20番ゲージの針を用いて、混合物を空気ジェット中 を走行させて、直径が約600 μm の球体を生成する。二重複合物を作成しようと するならば、18番ゲージの針を用いて、混合物を空気ジェット中を走行させて、 直径が約900 μm (またはより大きい)の球体を生成する。 上記のプロトコルは、複合マイクロリアクターを生じるが、それらは、そのま ま宿主に島を送達するのに用い得るか、または外側コーティングを被覆して、宿 主に島を送達するのに用い得るか、あるいはより高次の複合物を作成して、宿主 に島を送達するのに用い得る。 実施例3:二重複合マイクロリアクターの形成 下記のとおり、二重複合物を作成する。 上記実施例2に記載のとおり、段階1〜3を実施する。 段階4:第3日。通常、段階3と段階4との間に約24時間の熟成期間を置く。 実施例2の段階2に記載の通り、複合球体をポリリジンで洗浄かつ被覆する。 段階5:第4日。通常、段階4と段階5との間に約24時間の熟成期間を置く。 ポリリジン被覆複合球体を、アルギン酸ナトリウムと混合する(上記のとおり、 1:3の比率)。18番ゲージの針を用いて、混合物を空気ジェット中を走行させ て、直径が約900 μm の球体を生成する。 上記のプロトコルは、二重複合マイクロリアクターを生じるが、それらは、そ のまま宿主に島を送達するのに用い得るか、または外側コーティングを被覆して 、宿主に島を送達するのに用い得るか、あるいはより高次の複合物を作成して、 宿主に島を送達するのに用い得る。実施例4:複合マイクロリアクターのイン・ビトロ試験 図3は、複合マイクロリアクター(実施例2に記載のとおり作成)を用いてカ プセル封入した、ウシの島のイン・ビトロインシュリン出力を示す。マイクロリ アクターは、最初の6週間に、平均144 ±11uU/EIN/日の優れた分泌機能を 維持した。これらのマイクロリアクターが長期の培養中に活性を維持できること は、それらが、イン・ビトロ移植物に合理的な長寿命を与えることを示す。 島の長期の生存率および機能を立証することに加えて、マイクロリアクターに 接種された島からのインシュリン分泌活性を試験し、複合マイクロリアクターの 速度論的性能を評価するためにも、イン・ビトロでの研究を実施した。基線イン シュリン分泌からの約4〜5倍の増加が観察された。カプセル封入された島の分 泌応答は、グルコース刺激(300 mg/dl)の1時間にわたって保持され、低グル コース溶液(50mg/dl)による潅流後に基線レベルに復帰した。第二のグルコー ス挑戦は、潅流液中のインシュリン濃度が上昇し始める前の遅延が事実上皆無で ある、類似のインシュリン分泌応答を招いた。これらの所見は、この手順によっ てカプセル封入された島は、グルコースの濃度の変動に、生理的様式で応答でき ることを示す。実施例5:糖尿病ラットへの複合マイクロリアクターの導入 ストレプトゾトシンで誘導した糖尿病ラットでの実験は、本発明の複合マイク ロリアクターの利点を明確に立証する。免疫抑制されていない糖尿病ラットに、 文献に引用された標準的なPLL−アルギン酸塩の手順(例えば、Immunomodula tion of Pancreatic Islets(RG Lands、米国テキサス州、1994年)を参照され たい)を用いて封入した、ウシまたはブタのいずれかの島を与えたときは、<4 日で動物は高血糖症になった。CsA療法(20〜30mg/kg/日、皮下)の追加は 、この初期の無機能を防止した。しかし、移植後12〜16日までには、免疫抑制療 法にも拘らず、移植物は失敗した。対照的に、STZ誘導糖尿病ラット に、複合マイクロリアクター(実施例2に記載のとおり作成)を用いて封入した ウシ島を与えたときは、移植物は、いかなる免疫抑制療法の使用もなしに、延長 された機能を維持し続けた。1セットの実験では、複合マイクロリアクターに封 入したウシ島移植片(2x105の島と等価[EIN])を7匹のラットに与えた 。非絶食時の血漿グルコース濃度は、最初の1週間の間に、移植前の375 ±25mg /dlという値から、99±21mg/dl(平均±SEM)へと直ちに下落した。動物の うち3匹を犠牲に供したが、移植後3〜4週の機能する移植片を有していた。残 余の動物は、>8週間にわたり、正常血糖を維持した。取り出したマイクロリア クターの免疫組織化学的染色からは、機能的に活性であるホルモンの合成および 分泌に一致する、多数の生存できるインシュリン含有β細胞が示され;マイクロ リアクターの外面には、線維形成性の過形成はなく、宿主細胞の偶発的付着のみ を示すにすぎなかった。ウシ島の分泌機能を更に試験するため、移植後2カ月で 回収したマイクロリアクターを、基底(2.8 mM[50mg/dl])または刺激(16.8 mM[300 mg/dl])のいずれかの濃度のグルコースを含む培地中で24時間温置し た。この試験を実施した3回の別個の実験で、島は、基底インシュリン分泌をほ ぼ1〜3倍上回る増加で応答した。対照的に、未被覆アルギン酸微球体に固定化 し、免疫抑制されていないラット5匹の腹腔内に9〜14日間移植したときは、生 存したウシ島は僅少または皆無であった。別の研究では、血中グルコース調節の 喪失、および組織学から、これらの未被覆アルギン酸微球体の内部に固定化した 島は、移植後ほぼ1〜2週間以内に拒絶されるのが確認された。実施例6:正常イヌへの複合マイクロリアクターの導入 複合マイクロリアクターは、イヌにおける不調和なウシ島異種移植片(実施例 3に記載)の免疫拒絶を防ぐのにも用いられている。島を複合マイクロリアクタ ーに固定化し、免疫抑制を伴うのと伴わないのとの双方の成長した雑種のイヌの 腹腔内に移植した。イヌ(n=5)における予備的な1セットの実験では、未被 覆IgGおよび補体透過性アルギン酸球体か、複合マイクロリアクターかのいず れかに、ウシ島を3〜4週間移植した。免疫抑制療法(CsA、10mg/kg/日) を用いてさえ、未被覆アルギン酸微球体で生存した島は皆無であった。しかし、 複合マイクロリアクター内に島を固定化したときは、免疫抑制を伴うのと伴わな いのとの双方で、生存できる組織が観察された。免疫組織化学的染色からは、充 分に顆粒形成したβ細胞が認められ、マイクロリアクターがイヌIgGを排除す ることが示された。外殖された島は、基底インシュリン分泌を平均してほぼ3〜 6倍上回る増加でグルコース刺激に応答した。これらの結果は、不調和異種移植 片の生存は、齧歯類とイヌとの双方で免疫抑制なしに達成できることを示す。その他の実施態様 本発明の複合マイクロリアクターは、様々な疾患の治療に用いることができる 。それらは、特定の物質、例えば酵素またはホルモンの不完全もしくは不充分な 生産から生じる疾患と、その他の疾患、例えば、脊髄損傷のような外傷関連疾患 とを包含する。 体内の特異的細胞の喪矢または機能不全によって生じる、充分に特徴付けられ た多くの疾患が、複合マイクロリアクターを介する置換療法に応じられる。例え ば、上記のとおり、糖尿病の治療に用い得るランゲルハンス島の使用に加えて、 肝細胞を肝不全の治療に用い、副腎細胞をパーキンソン病の治療に用い、神経成 長因子(NGF)を生産する細胞を、アルツハイマー病の治療に用い、因子VIII およびIXを生産する細胞を、血友病の治療に用い、そして内分泌細胞を、ホルモ ンの不足に起因する疾患、例えば副甲状腺機能減退症の治療に用いることができ る。 その上、組換えDNAの方法を用いて、疾病産物を生産する細胞を供給するか 、またはその他の組織を封入することによって、複合マイクロリアクターは、慢 性的疼痛、癌(例えば、毛状細胞性白血病、黒色腫および腎臓癌)、エイズ(免 疫学的強化により治療)、カポジ肉腫(インターフェロン、IL−2またはTN F−αの投与により治療)、原発性血液学的疾患に罹患した患者、長期に持続す る発育不全の患者、ならびに骨髄抑制された患者(骨髄移植および攻撃的化学療 法により治療)を治療するのに用いることができる。複合マイクロリアクターは 、情動性疾患、例えばハンチントン病、デュシェン筋ジストロフィー、てんかん 、不妊の治療にも役立つ。複合マイクロリアクターは、創傷治癒の促進にも、外 傷性、機械的、化学的または熱的損傷、例えば脊髄損傷の治療にも、また創傷治 癒の際にも用いることができる。 特異的細胞の移植は、循環からの物質、例えば薬物、毒物または毒素を解毒、 修飾もしくは除去するのにも役立ち得る。例えば、適切な生細胞の移植は、例え ば、肝性脳疾患(肝臓病によって生じる)、または尿毒症(腎不全によって生じ る)で、病んだ細胞、組織または器官との置換を与えることによって、正常な生 理学的機能を回復する。 本発明の実施態様では、封入された細胞は、かなり大きな分子、例えばIgG 分子を放出することができる。多くの用途で、排除しなければならない死活的な 宿主成分は、分子量が約410 kDのC1qである。したがって、分子量カットオフ は、約400 kDであり、この大きさまでの分子が放出できる。遺伝学的に加工した 細胞も、本発明の方法に用いることができる。例えば、細胞を、より大きな産物 、例えばIgGを放出するように加工できる。 それぞれの用途で、望ましい生細胞を含有する充分な数の複合マイクロリアク ターを患者に、例えば外科的にか、または注射器で移植できる。複合マイクロリ アクターは、全身的効果のためには、例えば腹腔内に、あるいは局所的効果のた めには、例えばパーキンソン病を治療するには特定の局所、例えば脳内に、また は慢性疼痛に対してか、もしくは脊髄損傷を治療するには脊髄に移植する。 用いるべき複合マイクロリアクターの用量は、初めは、イン・ビトロ研究の結 果から決定する。加えて、例えばマウス、ラットまたはイヌでのイン・ビボでの 結果が、これらの試験は、一般に、ヒトの患者での薬効について予測的であるか ら、必要とされる用量の、より正確な評価を容易にするを思われる。例えば、イ ヌのインシュリン依存性糖尿病は、細胞性および体液性自己免疫の優れたモデル を表す[Nelson,Diabetes Spectrum 5:324-371(1992)]。 複合マイクロリアクターは、数ケ月または数年までの長期間にわたって、生存 できるドナー細胞を有して患者内に残留することが意図される。しかし、ドナー 細胞がそれ以上生存できないことが、例えば、ドナー細胞が分泌するタンパク質 の一定のレベルについて患者の血液を追跡することによって決定されたならば、 複合マイクロリアクターを除去し、患者へのビーズの供給を更新するのは簡単な 作業である。真性糖尿病 例えばイヌまたはヒトの患者で、糖尿病を治療するには、移植できるビーズは 、好ましくは、単離されたイヌもしくはブタの島、またはインシュリンもしくは インシュリン様成長因子(IGF−1)を生産するその他の細胞を封入する。島 は、上記の手順を用いて調製かつ封入する。封入した細胞または島のインシュリ ン分泌活性は、ともに静止培養で、例えば島の体積あたりで表現してか、島がグ ルコースの濃度勾配に応答できる能力に基づいて決定する。これらの値は、上記 のとおり確定されている。封入した島の特定の回分のインシュリン分泌活性が決 定されさえすれば、適正なビーズの数を決定し、糖尿病の患者に移植することが できる。例えば、1日あたり20〜50単位のインシュリンを必要とするヒトの患者 を治療するには、全部で約1.0 〜2.5 百万のブタ島を含むように、ビーズの総数 を選ばなければならない。ゲル1mlあたり平均で30,000島の島を含むよう設計し たビーズについては、適正な用量は、30〜85mlで作成したビーズであることにな る。血友病 血友病は、因子VIIIまたは因子IXの不足によって生じる、X関連遺伝的出血性 疾患である。現在では、組換えの方法が、上記の因子VIIIおよび因子IX生産細胞 を生み出すのに好成績で用いられている。したがって、本発明による複合マイク ロリアクターへの封入、およびそのような細胞の移植を血友病の改良された治療 に用いることができる。肝臓病 肝移植は、肝臓の再生する能力がまだ存在する可能性がある場合には、不可逆 的肝不全ばかりでなく、遺伝的酵素異常、急性肝不全を包含するいくつかの病的 過程にも、また医学の進歩、または拒絶関連併発症のいずれかに起因して、突然 肝不全を発症した患者における全肝移植への橋渡しとしても役立つ。 WongおよびChang[Biomat.Art.Cells Art.Org.,16:731(1988)]は、マ ウスに移植した、マイクロカプセルに封入したラット肝細胞が、生存でき、かつ 再生することを立証した。生存できる肝細胞を、アルギン酸−ポリL−リジン中 でマイクロ封入し、正常なマウス、およびガラクトサミン誘導肝不全のマウスに 腹腔内移植した。誘導肝不全のマウスへの移植後8日で、封入ラット肝細胞の生 存率は、42%からほとんど100%へと上昇した。29臼後には、正常マウスに移植 した封入肝細胞の生存率も、42%からほとんど100%へと上昇した。対照すると 、マウスに移植したラット遊離肝細胞は、異種移植後4または5日以内にすべて 死滅した。本発明の複合マイクロリアクターは、肝不全を治療するのに充分適し ている。 他の研究者らは、マイクロ封入した肝細胞は、多くの特異的タンパク質および 酵素の合成および分泌を継続することを示している。Cai ら[Hepatology,10:8 55(1989)]は、初代ラット肝細胞のマイクロ封入系を開発かつ評価した。尿素 形成、プロトロンビンおよびコリンエステラーセ活性、細胞内タンパク質へのト リチウムロイシンの取り込み、ならびに合成されたアルブミンの免疫定位を、培 養中に追跡した。これらの活性のいくつかの漸増にも拘らず、封入肝細胞は、35 日の観察期間を通じて終始機能し続けた。加えて、Bruni およびChang [Biomat .Art.Cells Art.Org.,17:403(1989)]は、マイクロ封入肝細胞が、高ビリ ルビン血症におけるビリルビンレベルを下げるのに用いられることを立証した。 マイクロ封入された肝細胞を、グルン系ラットの腹腔内に注射した。ビリルビン は、14mg/100ml から6mg/100mlへと低下し、9日後も抑制されたままであった 。やはり、本発明の複合マイクロリアクターは、これらの肝臓病を治療するのに も、上記のとおり用い得る。パーキンソン病 パーキンソン病は、黒質線条体ドーパミン作動系の退化を伴う、神経系の疾病 である。齧歯類とヒト以外の霊長類との双方での実験的研究は、ドーパミン欠乏 線条体への、腹側中脳からの黒質(ドーパミン作動性)ニューロンを含む胎児組 織の移植が、ほとんど正常なインターナリゼーションを回復し、運動性異常を軽 減することを示している。加えて、副腎のクロマフィン細胞は、齧歯類で化学的 に誘導されたパーキンソン病を逆転させることが示されている。 Widnerら[Transplant.Proc.,23:793(1991)]は、ヒトのパーキンソン病患 者での移植および免疫抑制(サイクロスポリン、アザチオプリンおよびプレドニ ソン)後10ケ月までの、胎児黒質の同種移植片の生存および機能の証拠を報告し た。移植後2か月目から始めて、かれらは、四肢硬直の進行性低下、多数の腕、 手および足の運動の際の運動速度の上昇、ならびにL−ドーパの一回投与後の「 オン」の期間の延長(>80%の増加)を観察した。 したがって、ドーパミンおよび神経成長因子その他の神経親和性因子を生産す るよう、遺伝学的に加工した胎児神経組織もしくは細胞の移植は、神経学的疾患 の患者における新たな治療方策として多大な将来性を有するに違いないと思われ る。しかし、移植された異種宿主組織の場合、免疫免除部位を用いることと、免 疫抑制薬を用いることとを併用する方策によってさえ、拒絶が重大な問題を提起 するものと思われる。したがって、本発明の複合マイクロリアクターは、この問 題に対する新たな方策、すなわち動物、または遺伝学的に加工された細胞から採 集した、カプセル封入されたドナー組織を用いた、パーキンソン病の治療のため のドーパミンの送達を可能にする。アルツハイマー病 推定2.5 〜3.0 百万の米国人が、アルツハイマー病に苦しめられている。この 疾病は、脳底前脳コリン作動性ニューロンの退化を伴う認知機能の進行性喪失に よって特徴付けられる。動物における研究は、神経成長因子(NGF)、例えば 、それぞれRegeneron およびAmgen から入手できる脳由来神経親和性因子(BD NF)およびニューロトロピン−3(NT−3)、およびその他の神経親和性因 子が正常に作用して、これらのニューロン細胞の生存率および機能を支援するこ とと、脳室へのNGFの継続的注入が、Williamsら[P.N.A.S.,USA,83:9231( 1986)]に記載のとおり、コリン作動性ニューロンの損傷で誘導された退化を防 止できることとを示している。この治療は、Fisherら[Neurobiol.Aging,10:8 9(1989)]に記載のとおり、記憶障害を有する齧歯類での認知機能の改善と相 関する。 これらの研究から、大神経膠細胞または発生中の皮膚のような、組換えもしく は天然のNGF分泌組織の移植片を含有する複合マイクロリアクターは、アルツ ハイマー病に罹患した患者を治療するのに用い得ることが示唆される。遺伝子療法 遺伝子療法は、治療的遺伝子を人体内に直接送達することによって、広範囲の 疾病を治療する方策である。遺伝子療法によって治癒できる可能性がある疾病は 、癌、心臓病、アルツハイマー病、高血圧、動脈硬化症および関節炎のような加 齢集団に付随する疾病;後天性免疫不全症候群(エイズ)およびヘルペスのよ うなウイルス感染症;ならびに糖尿病、血友病、嚢胞性線維症および筋ジストロ フィーのような遺伝病を包含する。 特定の一例では、ヒトの遺伝子療法に対する有望な方策は、例えばRosenberg ら[New England J.Med.,323:570-578(1988)]が記載したとおり、患者への 遺伝学的に変えた細胞の移植を伴う。この方策は、各患者から細胞を外科的に除 去して、非標的細胞から標的細胞を隔離することを必要とする。遺伝子は、ウイ ルスベクターまたは他の手段によって、これらの細胞へと導入し、次いで、遺伝 学的に変えた細胞を移植する。この方策は、酵素置換療法のような目的に(例え ば、罹患した細胞がそれ以上分泌できないホルモンを分泌する細胞を患者に移植 するために)は役立つが、移植の大方針は、罹患した細胞自身を矯正しなければ ならない、嚢胞性線維症または癌のような疾病を治療するのに適している可能性 がより少ない。この方策が共通して遭遇する別の問題は、幹細胞の不充分な形質 導入、導入遺伝子の低い発現、および癌の素質がある細胞を選抜し得る、組織培 養での細胞の増殖をはじめとする技術的問題を包含する。 本発明の複合マイクロリアクターは、患者からの細胞の外科的除去を必要とす るのでなく、例えば線維芽細胞の細胞、HeLa細胞のような上皮細胞、およびHepG 2 のような肝癌細胞という、ヒトの標準的な細胞系の使用を可能にするため、こ れらの問題を回避するのに充分適している。これらの細胞系は、標準的手法が必 要とするとおりに遺伝学的に変更し、カプセル封入し、そして患者に移植する。 これらの細胞系は、入手し、培養し、取扱うのが個人の患者の細胞よりはるかに 容易である。その上、複合マイクロリアクターは、患者の免疫系が、移植された 細胞を認知し、攻撃するのを防ぐことから、ヒトのいかなる細胞系を用いること もできて、遺伝子療法の手法をより普遍的に適用可能にする。副甲状腺機能減退症 副甲状腺機能減退症の急性および慢性の症状は、治療されない低カルシウム血 症から生じ、先天的な低カルシウム血症と後天的なそれとの双方が共有する。先 天的な形態は、代表的には、他の内分泌上または皮膚科学上の発現なしに孤立し た実体として生じるか、より代表的には、胸腺の不完全な発達、または甲状腺も しくは卵巣のような他の内分泌器官の不全に付随して生じる。後天性副甲状腺機 能減退症は、通常、副甲状腺全体の不注意な外科的除去の結果であり、副甲状腺 の腺癌または過形成に付随的な手術を受ける患者で問題となる。副甲状腺機能減 退症は、低カルシウム血症のラットで、生体人工副甲状腺として働くマイクロカ プセル封入した副甲状腺細胞の投与によって治療されている。副甲状腺細胞は、 動物およびヒトの患者への投与に用いるために、本発明の複合マイクロリアクタ ーにカプセル封入することもできる。骨粗鬆症 骨粗鬆症という用語は、単位体積あたりの骨の質量の減少を生じる多様な病因 の疾病を対象とする。これらの疾病は、インシュリン様成長因子(IGF−1) 、閉経後の女子では負のカルシウムバランスを緩和し、尿ヒドロキシプロリンを 増加させるためのエストロゲン、および性腺不全の骨粗鬆症の男子の治療へのア ンドロゲン、または確立された骨粗鬆症に用いるためのカルシトニンを分泌する 細胞を含有する複合マイクロリアクターの投与によって治療することができる。生殖疾患 プロゲストロゲン、エストロゲンその他のホルモンで治療できる卵巣および女 子生殖路の多数の疾患がある。これらは、プロゲストロゲン、例えばプロゲステ ロン、脳下垂体性腺刺激ホルモンを阻害するための療法(女子の早発青春期)、 およびPCODでの過形成を防ぐ予防のためのものを包含する。エストロゲン療 法は、性腺不全の治療、妊娠能力の調節、および機能不全による子宮出血の管理 に用いられる。アンドロゲン、性腺刺激ホルモンその他のホルモンは、睾丸の疾 患を治療するため、例えば性機能不全の男子でのアンドロゲン療法、または性腺 刺激ホルモンの欠乏の患者で受精能力を確立もしくは回復するための性腺刺激ホ ルモンに用いられる。上記により、これらの疾病は、適切なホルモン生産細胞を 含有する複合マイクロリアクターで治療できる。ハンチントン病 ハンチントン病は、通常は中年の人生に始まる、舞踏病アテトーゼ様の運動と 進行性痴呆との組合せによって特徴付けられる。この疾病に特有なのは、尾状核 と、より少ない程度に脳底神経節(被殻および淡蒼球)のその他の構造との萎縮 である。神経親和性因子を分泌する齧歯類の細胞が、ハンチントン病に似た状態 を有するヒヒの脳に移植され、ハンチントン病の患者では体全体の制御の進行性 喪失へと導く、損傷した神経網のいくらかを回復している。同様に、ヒトの患者 でのハンチントン病は、適切な神経親和性因子を分泌するヒトまたは組換えの細 胞を含有する、複合マイクロリアクターの投与によって治療できる。脊髄損傷 脊髄損傷の大部分は、骨折、脱臼または両者による周囲の脊柱に対する損傷か ら生じる。そのような損傷の治療は、繊毛性神経親和性因子(CNTF)、イン シュリン様成長因子(IGF−1)および神経親和性因子のような、中枢および 末梢神経系の修復を増進するための神経成長因子の投与を必要とする。したがっ て、天然にか、または遺伝子工学によってそのような因子を分泌する細胞を含有 する複合マイクロリアクターが、脊髄損傷を治療するのに用い得る。気分(または情動)疾患 気分疾患は、生理的(植物的)な、認知的な、および随意運動の機能不全を伴 う極端な誇張と気分や情動の障害とによって特徴付けられる。多くの気分疾患は 、甲状腺機能減退症、パーキンソン病、アルツハイマー病、および本明細書で考 察した悪性疾患のような、適切な細胞を含有する複合マイクロリアクターで治療 できる医学的な疾病を伴う。加えて、うつ病患者の脳脊髄液では、セロトニン代 謝産物である神経伝達物質の5−ヒドロキシインドール酢酸(5−HIAA)が 減少することが示されている。ドーパミンやγ−アミノ酪酸(GABA)のよう なその他の神経伝達物質の欠損も、大発作うつ病の患者で特定されている。した がって、これらの神経伝達物質を分泌する細胞を含有する複合マイクロリアクタ ーは、これらの欠乏を治療するのに役立つ。運動ニューロンの疾病 退化性運動ニューロン病は、ALS(上記を参照されたい)、遺伝性運動ニュ ーロン病(脊髄筋萎縮症(SMA))、およびオリーブ橋小脳萎縮症や腓骨筋萎 縮症のようなその他の退化性疾患に付随するものを包含する。これらの疾病は、 脳由来神経親和性因子(BDNF)およびニューロトロピン−3(NT−3)を 分泌する細胞を含有する複合マイクロリアクターの投与によって治療することが できる。後天性免疫不全症候群(エイズ) エイズは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による細胞介在免疫に潜在する欠 陥によって生じ、持続的な体質的症状、ならびに/または二次感染、新生物およ び神経学的疾病のような疾病を生じる。患者は、例えばヒトの組換えIL−2( T細胞の補助的活性の上昇を招くサプレッサー細胞活性を上昇させるため)、ま たはヒトの組換えINF−γ(マクロファージの強化)を分泌するよう遺伝学的 に加工した細胞を含有する、複合マイクロリアクターでの免疫学的強化によって 、症状を緩和するよう治療することができる。カポジ肉腫のようなエイズ関連腫 瘍は、ヒトのインターフェロン−α、インターロイキン−2および腫瘍壊死因子 (TNF)を分泌する、カプセル封入した細胞で治療することができる。筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリック病) ALSは、進行性運動ニューロン病の最も頻繁に遭遇する形態であり、脳幹の 運動神経核でのそれらの相同形とともに、大脳皮質と脊髄前角との双方での運動 ニューロンの進行性喪失によって特徴付けられる。ALSは、ミオトロフィン、 インシュリン様成長因子(IGF−1)、繊毛性神経親和性因子(CNTF)、 脳由来神経親和性因子(BDNF)およびニューロトロピン−3(NT−3)の ような神経成長因子を分泌する細胞を含有する複合マイクロリアクターで治療す ることができる。これらの因子を用いた動物研究(IGF−1はCephalonから、 CNTFはRegeneron から、そしてNT−3はAmgen から入手できる)は、それ らが、神経の損傷または疾病で生じる退化的効果を制止できることを立証してい る。 ほとんどの場合、癌は、増殖して悪性細胞のクローンを形成するただ1個の幹 細胞に起源を有する。増殖は、環境での正常な生化学的および物理的影響によっ ては適正に調節されない。細胞の正常な、協調的な分化の欠如も存在する。癌細 胞は、不連続的な増殖、および身体の他の部分への転移を発生させる。 本発明によれば、インターフェロン−α(IFN−α)(充実腫瘍、毛状細胞 白血病、カポジ肉腫、骨肉腫および様々なリンパ腫に);組換えインターロイキ ン−2(IL−2)(黒色腫、腎臓癌およびカポジ肉腫に);腫瘍壊死因子(I L−2とともにカポジ肉腫に);ヒト組換えIFN−α、およびヒト組換えコロ ニー刺激因子−顆粒球マクロファージ(CSF−gm)(カポジ肉腫に);ヒト 組換えINF−γ(マクロファージの強化に);CSF(攻撃的化学療法、骨髄 移植、化学療法への感受性を増進するための白血病細胞の発動、および用量強化 の支援に);繊毛性神経親和性因子(CNTF)およびインシュリン様成長因子 (IGF−1)(化学療法によって生じた末梢神経病に);副腎細胞(自然鎮痛 剤を分泌するよう脊髄下部に注射したときの疼痛救済に)、ならびにプロゲスト ロゲン生産細胞(子宮内膜癌および乳癌の好転に)を分泌する細胞を含有する複 合マイクロリアクターの投与によって、様々な癌が治療できる。デュシェン筋ジストロフィー デュシェンジストロフィーは、帯筋の進行性虚弱、12歳以後の歩行不能、後側 彎(脊髄の彎曲)、および40歳以後の呼吸困難によって特徴付けられる、X関連 の劣性の疾病である。この疾病は、筋原細胞および成長因子を含有する複合マイ クロリアクターの投与によって治療できる。デュシェン筋ジストロフィーの青年 に筋原細胞が注入されて、欠失している構造タンパク質を細胞が供給できるか否 かが決定されている。研究者らは、何人かの青年で筋の強さの改善を観察してい る。てんかん てんかんは、脳の電気的活動の異常によって生じる、神経学的機能の慢性的な 再発性の痙攣性変化によって特徴付けられる一群の疾患である。巣状てんかんの いくつかの形態では、阻害性介在ニューロンが優先的に失われると思われる。の ような神経親和性因子その他の神経ペプチドが効果的であると判明している。し たがって、これらの因子を分泌する細胞を含有する、本発明の複合マイクロリア クターが、てんかんを治療するのに用い得る。 本発明は、その詳細な説明と結び付けて記載されているが、前記の説明は、例 示するが、付記のクレームの範囲によって定義される、本発明の範囲を限定しな いことが意図されていることが理解されなければならない。本発明の範囲内のそ の他の態様、利点および変更は、本発明が関与する当技術分野の習熟者には明ら かであると思われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 45/00 A61K 45/00 C12N 5/00 C12N 11/00 11/00 5/00 Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 クートライバー,ウィレム エム. アメリカ合衆国 01545 マサチューセッ ツ,シュロウズベリー,フェザント ヒル ドライブ 6 (72)発明者 チック,ウィリアム エル. アメリカ合衆国 02181 マサチューセッ ツ,ウェルズリー,ウィロウ ロード 32

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記を含む複合マイクロリアクター: (a)次のものを含む内部粒子: (i)治療用物質の源; (ii)この源に接触する内部粒子マトリックス; (b)内部粒子が埋め込まれたスーパーマトリックス例えばゲルスーパーマト リックス、 ここに、この複合マイクロリアクターは、好ましくは、約400,000ダルト ンより大きい分子が来てこの源と接触するのを阻止する分子量カットオフを与え 且つこの複合マイクロリアクターの成分例えば内部粒子、スーパーマトリックス 又はこれらの両者は、幾何学的に安定化されている。 2.治療用物質の源が生細胞である、請求項1に記載の複合マイクロリアクター 。 3.治療用物質の源が島である、請求項1に記載の複合マイクロリアクター。 4.内部粒子マトリックスがゲルである、請求項1に記載の複合マイクロリアク ター。 5.ポリアミノ酸を含む内部粒子コーティングを更に含む、請求項1に記載の複 合マイクロリアクター。 6.内部粒子コーティングが15kDa未満の分子量を有するポリリジンである 、請求項5に記載の複合マイクロリアクター。 7.スーパーマトリックスがゲルを含む、請求項1に記載の複合マイクロリアク ター。 8.スーパーマトリックスがアルギネートを含む、請求項1に記載の複合マイク ロリアクター。 9.内部粒子の直径が50〜700ミクロンであり且つ複合マイクロリアクター の直径が300〜1500ミクロンである、請求項1に記載の複合マイクロリア クター。 10.複合マイクロリアクターが2〜100個の内部粒子を含む、請求項1に記 載の複合マイクロリアクター。 11.内部粒子マトリックスがそれを2時間〜14日間熟成させることにより幾 何学的に安定化された、請求項1に記載の複合マイクロリアクター。 12.内部粒子コーティングがスーパーマトリックスより低い分子量排除数を有 する、請求項5に記載の複合マイクロリアクター。 13.下記を含む複合マイクロリアクター: (a)次のものを含む内部粒子: (i)治療用物質の源; (ii)第1の源と接触する内部粒子マトリックス;及び (iii)内部粒子マトリックスを封入するポリアミノ酸の内部粒子コーティ ング (b)内部粒子が埋め込まれたスーパーマトリックス; ここに、この複合マイクロリアクターは、好ましくは、約400,000ダルト ンより大きい分子が来てこの源に接触するのを阻止する分子量カットオフを与え る。 14.下記を含む複合マイクロリアクター: (a)次のものを含む内部粒子: (i)治療用物質の源; (ii)この源と接触する内部粒子マトリックス;及び (iii)内部粒子マトリックスを封入する内部粒子コーティング; (b)内部粒子が埋め込まれたゲルスーパーマトリックス; ここに、この複合マイクロリアクターは、好ましくは、約400,000ダルト ンより大きい分子が来てこの源に接触するのを阻止する分子量カットオフを与え る。 15.下記を含む二重複合マイクロリアクター: (1)次のものを含む内部粒子: (a)治療用物質の源; (b)この源に接触する内部粒子マトリックス;及び (2)次のものを含む粒子: (a)(1)の内部粒子 (b)内部粒子が埋め込まれた粒子マトリックス;及び (3)(2)の粒子が埋め込まれたスーパーマトリックス。 16.下記を含む二重複合マイクロリアクター: (1)次のものを含む内部粒子: (a)島; (b)島が埋め込まれたアルギネートの内部粒子マトリックス; (c)第1の内部粒子マトリックスを封入するポリリジンの内部粒子コー ティング; (2)次のものを含む幾何学的に安定化された粒子: (a)(1)の内部粒子; (b)内部粒子が埋め込まれたアルギネートの粒子マトリックス;及び (c)粒子を封入するポリリジンの粒子コーティング;及び (3)(2)の粒子が埋め込まれたアガロースのゲルスーパーマトリックス。 17.下記を含むマイクロカプセルの性能を改良する方法: (a)マイクロカプセルの第1の成分を形成し; (b)この第1の成分を幾何学的に安定化するように第1の成分を処理し; そして (c)幾何学的に安定化した第1の成分をマイクロカプセルの第2の成分と組 合せる。 18.下記を含む複合マイクロリアクターの性能を改良する方法: (a)複合マイクロリアクターの第1の成分を形成し; (b)この第1の成分を複合マイクロカプセルの第2の成分と組合せ; そして 下記の工程(c)及び(d)の一方又は両方を実施する: (c)第1及び第2の成分を組合せる前に、第1の成分を幾何学的に安定化さ せ;及び/又は (d)第1及び第2の成分を第3の成分と組合せる前に、第2の成分を幾何学 的に安定化させる。 19.下記を含む減少した容積を有するマイクロカプセルの製造方法: (a)マイクロカプセルの成分を形成し;そして (b)容積減少コーティングをその成分に適用し、 それにより、成分及びコーティングを含み且つ未被覆成分の容積より少ない容積 を有するマイクロカプセルを生成する。 20.下記を含む減少した容積を有する複合マイクロリアクターの製造方法: (a)複合マイクロリアクターの第1の成分を形成し; (b)この第1の成分を複合マイクロリアクターの第2の成分と組合せ; そして 下記の工程(c)及び(d)の一方又は両方を実施する: (c)第1の成分を第2の成分と組合せる前に、容積減少コーティングを第1 の成分に適用し;及び/又は (d)容積減少コーティングを第2の成分に適用し、 それにより、減少した容積を有する複合マイクロリアクターを生成する。 21.下記を含むマイクロカプセル: 治療用物質の源、 分子量が少なくとも100万〜800万DaのPEO、及び マトリックス、 ここに、この源及びPEOはマトリックス中に埋め込まれている。 22.下記を含むマイクロカプセル: 治療用物質の源、及び液体でないマトリックス。 23.下記を含む生きたドナー細胞をレシピエントに移植する方法: 生きたドナー細胞を含むこの発明のマイクロカプセル例えば複合マイク ロリアクターを用意し;そしてそのマイクロカプセルをレシピエント動物に移植 する。 24.この生細胞に対する抗体についてレシピエントを検査することを更に含む 、請求項23に記載の方法。 25.レシピエントに補助的免疫抑制を与えない、請求項23に記載の方法。
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