JPH11500879A - 高温超伝導体デバイスの電力処理能力を向上させる方法 - Google Patents

高温超伝導体デバイスの電力処理能力を向上させる方法

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JPH11500879A JP8525721A JP52572196A JPH11500879A JP H11500879 A JPH11500879 A JP H11500879A JP 8525721 A JP8525721 A JP 8525721A JP 52572196 A JP52572196 A JP 52572196A JP H11500879 A JPH11500879 A JP H11500879A
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Abstract

(57)【要約】 ストリップライン伝送システムにおいて(図1)、エッジ(14)を保持する中央導体(12)は、通常平面であり、実質的に平行である接地面(16、18)の間に配置されている。第1の誘電体(22)は、第1の接地面と第2の接地面(16、18)との間に配置された中央導体(12)を保持している。ギャップ部(20)が中央導体エッジ(14)の近傍に形成され、上記ギャップ(20)は固体誘電体(22)の誘電率よりも低い誘電率を有する誘電体を含んでいる。ギャップ(20)の誘電体は空気又は真空であるのが好ましい。1実施例(図2)において、ギャップ部(42)は、中央導体エッジ(32)の横外部であり、かつ接地面(34、36)の間の領域で広がっている。マイクロストリップ実施例(図3の50)において、基板(52)は、実質的に平行な第1の面及び第2の面(54、56)を有し、上記第1の面は、該第1の面(54)に形成された近接溝(62)を備えて、エッジ(64)を保持する中央導体(58)を含んでいて、上記第2の面(56)に接地面(60)が形成されている。損失が低減する結果線形性が向上し、ファイルター、送信機及び受信機といった部品への応用を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 高温超伝導体デバイスの電力処理能力を向上させる方法及び装置 技術分野 本発明は、高温超伝導体からなるデバイスに注目するものである。さらに詳細 には、超伝導体のようなエレクトロニクスデバイスからなりデバイス内部に電力 処理能力を実質的に保持するものに注目する。 発明の背景 1987年に高温超伝導("high-temperature superconductivity";HTS)が発見 されたことで、未来技術への活気に満ちた可能性が開かれ、それらのほとんどが 現実化されている。そういった時代以前、高価でかつ取り扱いの難しい液体ヘリ ウムを用いて達成される絶対0度付近でのみ、超伝導は利用することができた。 HTSの発見で、現在超伝導は130Kに至る温度で得ることができる。液体ヘ リウムよりもずっと安価で、取り扱い易く、77Kで沸騰する液体窒素を利用し て130Kに至る温度は容易に提供される。多くの実用で必要とされる温度は、 比較的サイズの小さい電子低温クーラーで提供されることが可能である。それら の幾つかは現在利用可能であり、将来高性能、高価ではないモデルが入手可能で あることに疑いはない。これらの開発によって、マイクロ波技術者に小寸法で極 めて低損失のマイクロ波回路を達成する方法が提供される。 1枚の基板に多くの部品を備えた複雑で小型の回路のフォトエッチングを可能 にするプレーナー回路技術を応用することで、マイクロ波システムは飛躍的に進 歩している。ソリッドステートデバイスが回路プロセス技術で製造された場合、 しばしばマイクロ波システムはハイブリッドマイクロ波集積回路と呼ばれる。比 較的大型で、重量のある導波管と同軸線を用いた回路のような旧式の非平面回路 構成を用いる必要があった場合、これらの技術によって、実用できない多くの複 雑なシステムを実行可能にした。非超伝導体の例であるループエレメント平面配 置は、例えば、1989年11月14日に発行されたスワンソン米国特許4,881, 050号で示されている。いっそう、普通の同一平面内の導波管の伝送損失を低減 するという目的に向かって努力がされている。例えば、1984年IEEE M TT−Sダイジェスト エフ ウィリアム(F.Williams)らによる「同一平面の 導波管の伝送損失の低減」(Reduction of Propagation Losses in Coplanar Wa veguide)453−454ppでは、同一平面の導波管の伝送損失は、中央導体 と同一平面内の接地面部との間にエアギャップを形成することで低減するとして いる。2つの実施例が提案されていて、1つめの実施例では、同一平面導波管は 薄誘電層上に形成され、薄誘電層は、より薄くより高誘電率の層に形成されてい て、2つめの実施例では、同一平面の導波管に導体部を保持する誘電性基板にト レンチが形成されたものである。第1の誘電層の厚さh又はトレンチの深さが、 中央導体と接地面との間の間隔の約10〜30%の間であるどちらの実施例でも 、伝送損失の局所的な最小値が達成する。 しかしながら、従来のマイクロ波回路構成は、導波管及びほとんどの同軸回路 構成と比較して高損失であるという重大な制限を有する。このことで、回路構成 内で多くの損失を寛容することができる実用例に従来のマイクロ波集積回路を利 用することが制限される。例えば、高いQ(即ち、400をこえるQ’であり、 極めて低損失であるもの)の共振器が要求されるので、従来の集積回路形態で狭 帯域マイクロ波フィルターを実現するのは不可能である。さらに、多くの従来の マイクロ波回路では、回路部品は損失を低減するため、必要とされるよりもむし ろ大きく作られる。損失が考慮しない場合、多くのマイクロ波集積回路は、より 小さく、より軽く製造することができる。 HTSマイクロ波平面回路の出現で、極めて低損失に相当し、ときには大きく 、重量ある導波回路で実現されたものよりも低損失であるマイクロ波集積回路を 製造することが可能になる。非常に小型の「半ループ」、「ループ」エレメント が利用することが可能であり、さらに、多くの状況において20000又はそれ 以上の驚異的な共振値Q’を得られる。この技術は、高性能で、以前は全く不可 能であった種類の小型マイクロ波集積回路への道を開いた。 しかしながら、超伝導体回路に問題点がないわけではない。例えば、重要な電 力処理能力を要求する送信機又は受信機として超伝導体を利用することは問題が 多い。理想超伝導体は完全な結晶である結果、全体的に電力の関数として線形性 である一方(臨界電流密度Jdに至るまでは)、真の超伝導結晶はわずかに不規 則であり、臨界電流密度Jd以下の電流であっても、電流の関数として表面の抵 抗を非線形に導く。相互変調効果が発生する可能性があり、その結果周波数が識 別され、判断される。従って送信機又は受信機に関しては、結果として干渉が発 生する可能性がある。この問題は、フィルターの利用することで処理されてもよ いが、このような実用例における光学的解決手段は、真の線形性及びフィルター のような追加部品を回避することである。フィルターを利用しても、この問題は 排除されない。例えば電流技術によると、非常に狭い狭帯域フィルターを用いた 場合、ミリワットオーダーの入力電力レベルは、相互変調効果同様に、伝送損失 の増加に導くことがある。 高温超伝導体からリニアデバイスを製造するという重要な要求に関わらず、真 のリニアデバイスを妨げる問題が残る。 発明の概略 本発明は、高温超伝導デバイスの電力処理能力を増加させる方法及び装置に関 する。ストリップライン構造では、長く、薄い中央導体が、中央導体の薄いエッ ジ部を除いて、誘電体で囲まれている。薄いエッジは、周囲の誘電体よりも低い 誘電率有する材料に面しているが好ましく、空気又は真空を有する材料に面して いるのが最も好ましい。ストリップライン構造の1の実施例は、隔てられた誘電 体部分によって、中央導体エッジ付近にトンネル又は空気ギャップが提供される 。さらに別のストリップラインの実施例は、実質的に完全に中央導体エッジの横 外側領域の接地面間で広がっている空気ギャップを有する。選択的には、中央導 体と接地面の一方との間の誘電体は取り除かれることもある。選択的に、接地面 は別の保持基板からなることがある。 代替の実施例では、マイクロストリップ配置は、誘電性基板に配置された、通 常長く、薄い形状を保持する中央導体を含んでいる。トレンチは、中央導体の外 側エッジの横外部及びその周辺部に形成されている。選択的には超伝導体である 接地面は、中央導体と反対側の誘電体側に形成されている。 トレンチ又はギャップは、金属、機械のようなフライス削り、又はレーザフラ イス削りからなること、また、等方性若しくは異方性のエッチングで形成される のが好ましい。選択的に、例えばエッチングを利用することで、トレンチ又はギ ャップは超伝導体の下部に形成されてもよい。 それゆえ、向上された電力処理能力を有する超伝導体を含む構造を製造するこ とが本発明の主な目的である。 向上された線形性特性、特に電流の関数としての表面抵抗を有する超伝導体デ バイスを提供することが本発明のさらに別の目的である。 与えられている電力レベルで超伝導体デバイスを通過する最大電流密度を最小 化することも、さらにまた本発明の目的である。 簡単な図面の説明 図1は、ストリップライン外形の斜視図を示すものである。 図2は、変形されたストリップライン外形の斜視図を示すものである。 図3は、マイクロストリップ外形の斜視図を示すものである。 図4は、中央導体から下を切り取った誘電体の詳細部を斜視図で示したもので ある。 図5は、本発明を用いない、ストリップライン伝送構造の断面図を示すもので ある。 図6は、導体の中心から横方向の変位を関数とする、図5の中央導体の電流分 布を示すものである。 図7は、ストリップライン外形の電界線断面図を示すものである。 図8aは、図2及び図5の構造の導体の中心から横方向の位置を関数とする電 流分布を示すものである。 図8bは、図2及び図5の構造の中央導体の右エッジ付近の電流分布を示すも のである。 発明の詳細な説明 図1は、本発明に係るストリップライン外形の斜視図を示すものである。中央 導体12は、第1接地面16と第2接地面18から実質的に等距離に配置されて いる。通常、中央導体12は厚いよりも広いものであり、断面で示された図面の 平面で広がっている。中央導体12は中央導体エッジ14を境界とする。中央導 体12は、高温超伝導性材料から形成されるのが好ましい。別の超伝導性材料が 用いられてもよいが、YBCOとタリウムの超伝導体は、相対的に高臨界温度の Tc、及び電力処理能力に対して好ましいものである。 中央導体12は誘電体22で支えられている。誘電体22は、ランタンアルミ ニウム、サファイア、酸化マグネシウムのような中央導体12に適合する材料で あってよい。本実施例では、誘電体22は、中央導体12と第2接地面18との 間と同様に、中央導体12と第1接地面16との間に配置される。ギャップ20 は、中央導体エッジ14に近接する誘電体22に形成される。ギャップ20は、 誘電体22の誘電率よりも小さい誘電率を有する材料からなるのが好ましい。ギ ャップ20を含んでいる誘電体は、空気又は真空であるのが最も好ましい。ギャ ップ20は、中央導体エッジ14に近接する中央導体12と平行に延びている。 ギャップ20は十分に大きく形成されたものであるから、ストリップライン構造 10の電力処理能力が向上するが、デバイス全体の構造上の完全性に悪影響を与 えるほど大きく製造されていない。ギャップ20がストリップライン構造10に 比較して大きくなればなるほど、電力処理能力は良好になる。ギャップ20の広 さと深さは、それぞれが中央導体の幅と基板の厚さの寸法のオーダーとすべきで あるのが好ましい。1の実施例では、ギャップの深さと幅は、20ミクロン以上 である。ギャップの深さは、図2のように接地面に達するのが理想的である。 図1の構造は、2つのユニットが一緒に混成されて構成されるのが好ましい。 誘電体22の上部部分を含む第1ユニットは、実質的に平行な2つの面を有し、 第1の面は接地面16を保持し、第2の面はギャップ20の全部又は1部分を保 持する。下部モジュールは、実質的に平面であり、平行である面を含んでいて、 そこでは第1の面は中央導体12、キャップ20及び誘電体の反対側の第2の接 地面の一部又は全部を有する。その後2つのユニットは、2つのモジュールの境 界面24を形成して、混合される。モジュールは、圧力クランプで保持されるの が好ましい。 ギャップ20は、ストリップライン構造10の材料に適合する材料除去処理で 形成される。例えば、ギャップ20は、比較的大きな構造(即ちラジオ周波数デ バイス)にはフライス盤で、小さな構造(即ちマイクロ波及びミリメートル波デ バイス)にはイオンフライス又はレーザフライスのようなものでフライスされる 。代替法として、ギャップ20は誘電体22をエッチングしたものであってもよ い。エッチングによって、中央導体12から誘電体22をアンダーカットする機 会が提供される。図4で示されているように、ギャップ20(部分的に示されて いる)はアンダーカット26を有する。アンダーカット26は、中央導体エッジ 14から下に延長された垂線からの距離uを延ばす。 図2は、変形されたストリップライン構造を示すものである。通常、中央導体 30は平面であり、その平面の幅及び長さよりも小さい厚さを保持する。中央導 体30は中央導体30の横エッジに中央導体エッジ32を有する。通常、第1接 地面34と第2接地面36は中央導体30に平行に配列され、各接地面34と3 6から等距離かつ平行な中央導体30を備えて配置される。第1誘電体38は、 中央導体30と第1接地面34との間に配置される。同じ誘電率を有する第2誘 電体は、選択的に中央導体30と第2接地面36との間に配置されるのが好まし い。本実施例では、空気以外の誘電体は、中央導体エッジ32の横外部領域から 矢印42で示されるように取り除かれる。任意に、第1及び第2接地面は、中央 導体30から離れた側に配置されている基板によって保持されてもよい。 図3は、マイクロストリップ配置の斜視図を示すものである。マイクロストリ ップ構造50は、平行に配置された平面である面、第1の面54及び第2の面を 有する基板52を含んでいる。中央導体58は、基板52の第1の面54に形成 されている。一般的に中央導体58は、実質的に幅sよりも小さい厚さtを保持 する。トレンチ62は、中央導体エッジ64に横に近接して形成される。トレン チ 62は、深さhと幅wを保持する。接地面60は基板52の第2の面56に配置 されている。 図4は、中央導体14の下部であるアンダーカット部分26を保持するギャッ プ20を示すものである。距離uであるアンダーカット量は望ましいものであり 、構造的な完全性を維持するのに矛盾しないものである。 本特許に係る発明を実施する好ましいモードでは、導体材料、即ち中央導体及 び接地面は、超伝導性材料からなるのが好ましい。しかしながら、高周波電磁放 射の伝送に適合性のある金、高純度の銅又はその他の材料のような通常の材料で 、これらの構造の1つ又はそれ以上を置換することは、本発明に矛盾しない。 HTSマイクロ波回路が作動することで、上記回路が運びうる電力量を制限す る。回路中の電力レベルが大きくなりすぎた場合、回路の幾つかの部分の電流密 度は、温度、周波数及びマイクロ構造に依存する臨界水準Jcを越え、さらにこ れらの領域のHTSはもはや超伝導体として作動しない。この結果、明らかに回 路損失、及び異なる周波数の信号間の相互変調の様な非線形効果が増大する。温 度、周波数及び局所的構造といった多くの変数からなる関数である一方、この臨 界電流密度Jdは、77Kで高質の薄膜では、一般的には3×106オーダーであ る。伝送線が調和している幾つかのマイクロ波回路応用平面の幾つか(即ちそれ らの平面は、その端部に反射効果を有しない)では、臨界電流密度が超過したこ とによる相当な効果なくして、HTS伝送線は数百ワット相当を伝送することが できる(又伝送線の断面積により依存する可能性がある)。しかしながら、狭帯 域フィルターのような場合では、フィルターの共振器内部の電流は、フィルター のポートに接続された伝送線の電流の100倍以上の大きさであってもよい。こ のことが、共振器間に疎結合を加えた共振器が存在する共振状態の結果である。 電力は電流の2乗に対して変化するが、このことは共振器に用いられている伝送 線の電力規格は、フィルターから導かれ又はフィルターへ導く伝送線に望まれて いるものより10000倍又はそれ以上の大きさが必要であることを意味する。 高定常波比率のおかげで、比較的高い電流値を有する集積回路の別の部分もまた 、高電力規格を必要とする。これらが原因で、HTS伝送線の電力処理能力を向 上 させる装置及び技術は、比較的高電力を処理しなくてはならない幾つかのマイク ロ波集積回路の実用に非常に重要である。 例として図5は、上面と底面とに接地面64を備え、相対誘電率がεTである 誘電体62で囲まれる中央導体60を含んでいるHTSストリップ伝送線を示す ものである。中央導体は、紙の内部で及び紙の外側で拡張している。中央導体の 電流密度は図6のように分布し、図6では中央導体の外側エッジで高いピークを 示している。電流密度の高いピークは、中央導体のエッジ付近に存在し、電力レ ベルが伝送線で上昇するときに最初に電流飽和が発生するこれらのエッジにピー クが存在する。 図5のストリップエッジで高電流密度が発生する幾つかの理由は、電束線Dが 描かれていることを除いて図5と同じ構造を示す図7から読みとれる。示された 電束線は中央導体60の正の表面チャージから始まり、接地面の負の表面チャー ジで終わっていて、さらに、表面のある地点での表面チャージ密度は、その地点 に関する電束密度Dに等しい。これらの電束線及び表面チャージ分布が紙の内部 へ(紙の内部から)伝送する場合、チャージ分布の伝送は、紙の内部へ又は紙の 内部からの流れる導体上の表面電流を含んでいる。正のチャージを有する鋭いエ ッジからの電束線は、図7で示されているように放射状に放射されるだろう、さ らに、必要とされる電束Dを提供するために、電束線はチャージの高濃度と鋭い エッジに沿った電流を要求する。本発明と矛盾することなく、中央導体のエッジ 沿った高電流密度を低減するために、本発明はストリップのエッジに沿う縁取り 電束を低減する。 中央導体のエッジでピーク電流を低減させることに関しては、図2の構造でよ り複雑な利得の概算を得ることが可能である。図5の中央導体が非常に薄く、か つ接地面間隔hが無限に近づいている場合、中央導体の電流分布は式で正確にさ れる。 J1(x)=A1/(1−(2x/w)20.5 (1) ここでAは印加電圧と電線の構造に依存する定数であり、xは中央導体からの 距離である。 図5及び7のように接地面間隔hが有限の場合であっても、多くの場合この電 流密度分布関数は有効な近似値であることが知られている(例えばIEEE会報 、又は1992年4月の第11刊、コンピューター援助設計の513頁から52 4頁のジー.エル.マッハエイによる「キャパシタンスとインダクタとの相互接 続分配を計算する単純化された方法」(G.L.Mathtaei,el al.,"A Simplified Mea ns for Computation of Interconnect Distribution Capacitances and Inducta nces”,IEEE Trans.or Computer-Aided Design,Vol.11 ,pp 513-524,April,1992 )を参照にせよ)。xがw/2に近づいた場合、関数J1(x)は(w/2−x)-0.5 として無限大となることが容易に理解できる。1971年「被誘導波の理論 における分析的な技術」("Analytical Techniques in the Theory of Guided Wa ves”)の10−11頁でアール.ミットラら(R.Mittra el al)は、誘電境界面上 の薄い導体のエッジの特異性を分析し、図2で示された中央導体のエッジでは、 LaAlO3に関してε=24の場合、xがw/2に近づくと、電流分布は(w /2−x)-0.128として無限大になることを示している。我々は(1)を変形し て、ストリップのエッジで我々が得た特性を表すと、 J2(X)=A2/(1−(2x/w2-0.128 (2) これは図2の場合の中央導体の電流分布についての優れた近似であり、A2は 印加された電圧と電線の構造に依存する定数である。図8(a)と図8(b)の 一点鎖線は式(1)のプロットを示す一方、実線は式(2)のプロットを示すも のであり、係数A1とA2が調整されているので、2つの曲線の下部領域は等しい ものであり、2つの伝送線の総電流を等分する。従って、一点鎖線は図5(従来 技術)のような場合に用いられる一方、実線はε=24である図2(本発明)の ような場合に用いられる。特に図8Bから理解できるように、誘電性の不連続が 存在することで中央導体のエッジ部の電流特異点の強度を大幅に低減する。それ 故、臨界値Jcを越える電流密度の部分を有することなく、かつ相互変調及び過 剰損失を引き起こすことなく、図2の構造は図5の構造よりも大きな電力を運ぶ 。当然、HTSの有限の厚さとHTSとに関連する制限された電流貫通深度のお かげで、電流飽和が算入される前であっても電流分布のピークは完結するだろう 。 実際、電流密度の極めて高い数値に向かう分岐は、波長と膜厚tに依存する効果 的な貫通深度によって中断され、低減される。 縁部作用が発生する比較的薄く、広い導体を保持する導波管型構造を介して、 電力が運ばれる電気回路に関して、本発明に係る装置と方法は有効である。とり わけ有効性は、超伝導体回路、特に高温超伝導体回路に対するこれらの技術の応 用である。これらの技術はデバイス動作の線形性、特に電流の関数としての表面 抵抗の線形性を向上させるのに都合がよく、受信機、送信機及びフィルターのよ うな信号を処理する電子部品に関して、特に構造が有効である。非線形性を低減 させることで、実質的に干渉が低減される。 明瞭と理解とを目的とする実施例と引例によって、前述の発明は詳細に説明さ れているが、本発明の技術分野を鑑みて当業者にとって、添付の請求項の思想と 範囲から離れずに一定の改造と変形が可能であることは明らかである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年9月5日 【補正内容】 明細書 高温超伝導体デバイスの電力処理能力を向上させる方法 技術分野 本発明は、高温超伝導体からなるデバイスに注目するものである。さらに詳細 には、超伝導体のようなエレクトロニクスデバイスからなりデバイス内部に電力 処理能力を実質的に保持するものに注目する。 発明の背景 1987年に高温超伝導("high-temperature superconductivity";HTS)が発見 されたことで、未来技術への活気に満ちた可能性が開かれ、それらのほとんどが 現実化されている。そういった時代以前、高価でかつ取り扱いの難しい液体ヘリ ウムを用いて達成される絶対0度付近でのみ、超伝導は利用することができた。 HTSの発見で、現在超伝導は130Kに至る温度で得ることができる。液体ヘ リウムよりもずっと安価で、取り扱い易く、77Kで沸騰する液体窒素を利用し て、130Kに至る温度は容易に提供される。多くの実用で必要とされる温度は 、比較的サイズの小さい電子低温クーラーで提供されることが可能である。それ らの幾つかは現在利用可能であり、将来高性能、高価ではないモデルが入手可能 であることに疑いはない。これらの開発によって、マイクロ波技術者に小寸法で 極めて低損失のマイクロ波回路を達成する方法が提供される。 1枚の基板に多くの部品を備えた複雑で小型の回路のフォトエッチングを可能 にするプレーナー回路技術を応用することで、マイクロ波システムは飛躍的に進 歩している。ソリッドステートデバイスが回路プロセス技術で製造された場合、 しばしばマイクロ波システムはハイブリッドマイクロ波集積回路と呼ばれる。比 較的大型で、重量のある導波管と同軸線を用いた回路のような旧式の非平面回路 構成を用いる必要があった場合、これらの技術によって、実用できない多くの複 雑なシステムを実行可能にした。非超伝導体の例であるループエレメント平面配 置は、例えば、1989年11月14日に発行されたスワンソン米国特許4,881, 050号で示されている。いっそう、普通の同一平面内の導波管の伝送損失を低減 するという目的に向かって努力がされている。例えば、1984年IEEE M TT−Sダイジェスト エフ ウィリアム(F.Williams)らによる「同一平面の 導波管の伝送損失の低減」(Reduction of Propagation Losses in Coplanar Wa veguide)453−454ppでは、同一平面の導波管の伝送損失は、中央導体 と同一平面内の接地面部との間にエアギャップを形成することで低減するとして いる。2つの実施例が提案されていて、1つめの実施例では、同一平面導波管は 薄誘電層上に形成され、薄誘電層は、より薄くより高誘電率の層に形成されてい て、2つめの実施例では、同一平面の導波管に導体部を保持する誘電性基板にト レンチが形成されたものである。第1の誘電層の厚さh又はトレンチの深さが中 央導体と接地面との間の間隔の約10〜30%の間であるどちらの実施例でも、 伝送損失の局所的な最小値が達成する。 しかしながら、従来のマイクロ波回路構成は、導波管及びほとんどの同軸回路 構成と比較して高損失であるという重大な制限を有する。このことで、回路構成 内で多くの損失を寛容することができる実用例に従来のマイクロ波集積回路を利 用することが制限される。例えば、高いQ(即ち、400をこえるQ’であり、 極めて低損失であるもの)の共振器が要求されるので、従来の集積回路形態で狭 帯域マイクロ波フィルターを実現するのは不可能である。さらに、多くの従来の マイクロ波回路では、回路部品は損失を低減するため、必要とされるよりもむし ろ大きく作られる。損失が考慮しない場合、多くのマイクロ波集積回路は、より 小さく、より軽く製造することができる。 HTSマイクロ波平面回路の出現で、極めて低損失に相当し、ときには大きく 、重量ある導波回路で実現されたものよりも低損失であるマイクロ波集積回路を 製造することが可能になる。非常に小型の「半ループ」、「ループ」エレメント が利用することが可能であり、さらに、多くの状況において20000又はそれ 以上の驚異的な共振値Q’を得られる。この技術は、高性能で、以前は全く不可 能であった種類の小型マイクロ波集積回路への道を開いた。 しかしながら、超伝導体回路に問題点がないわけではない。例えば、重要な電 力処理能力を要求する送信機又は受信機として超伝導体を利用することは問題が 多い。理想超伝導体は完全な結晶である結果、全体的に電力の関数として線形性 である一方(臨界電流密度Jdに至るまでは)、真の超伝導結晶はわずかに不規 則であり、臨界電流密度Jd以下の電流であっても、電流の関数として表面の抵 抗を非線形に導く。相互変調効果が発生する可能性があり、その結果周波数が識 別され、判断される。従って送信機又は受信機に関しては、結果として干渉が発 生する可能性がある。この問題は、フィルターの利用することで処理されてもよ いが、このような実用例における光学的解決手段は、真の線形性及びフィルター のような追加部品を回避することである。フィルターを利用しても、この問題は 排除されない。例えば電流技術によると、非常に狭い狭帯域フィルターを用いた 場合、ミリワットオーダーの入力電力レベルは、相互変調効果同様に、伝送損失 の増加に導くことがある。 高温超伝導体からリニアデバイスを製造するという重要な要求に関わらず、真 のリニアデバイスを妨げる問題が残る。 発明の概略 本発明は、高温超伝導デバイスの電力処理能力を増加させる方法及び装置に関 する。ストリップライン構造では、長く、薄い中央導体が、中央導体の薄いエッ ジ部を除いて、誘電体で囲まれている。薄いエッジは、周囲の誘電体よりも低い 誘電率有する材料に面しているが好ましく、空気又は真空を有する材料に面して いるのが最も好ましい。ストリップライン構造の1の実施例は、隔てられた誘電 体部分によって、中央導体エッジ付近にトンネル又は空気ギャップが提供される 。さらに別のストリップラインの実施例は、実質的に完全に中央導体エッジの横 外側領域の接地面間で広がっている空気ギャップを有する。選択的には、中央導 体と接地面の一方との間の誘電体は取り除かれることもある。選択的に、接地面 は別の保持基板からなることがある。 代替の実施例では、マイクロストリップ配置は、誘電性基板に配置された、通 常長く、薄い形状を保持する中央導体を含んでいる。トレンチは、中央導体の外 側エッジの横外部及びその周辺部に形成されている。選択的には超伝導体である 接地面は、中央導体と反対側の誘電体側に形成されている。 トレンチ又はギャップは、金属、機械のようなフライス削り、又はレーザフラ イス削りからなること、また、等方性若しくは異方性のエッチングで形成される のが好ましい。選択的に、例えばエッチングを利用することで、トレンチ又はギ ャップは超伝導体の下部に形成されてもよい。 それゆえ、向上された電力処理能力を有する超伝導体を含む構造を製造するこ とが本発明の主な目的である。 向上された線形性特性、特に電流の関数としての表面抵抗を有する超伝導体デ バイスを提供することが本発明のさらに別の目的である。 与えられている電力レベルで超伝導体デバイスを通過する最大電流密度を最小 化することも、さらにまた本発明の目的である。 簡単な図面の説明 図1は、ストリップライン外形の斜視図を示すものである。 図2は、変形されたストリップライン外形の斜視図を示すものである。 図3は、マイクロストリップ外形の斜視図を示すものである。 図4は、中央導体から下を切り取った誘電体の詳細部を斜視図で示したもので ある。 図5は、本発明を用いない、従来技術に係るストリップライン伝送構造の断面 図を示すものである。 図6は、導体の中心から横方向の変位を関数とする、図5の従来技術に係る構 造の中央導体の電流分布を示すものである。 図7は、ストリップライン外形の電界線断面図を示すものである。 図8aは、図2及び図5の構造の導体の中心から横方向の位置を関数とする各 々の電流分布を示すものである。 図8bは、図2及び図5の構造の中央導体の右エッジ付近の各々の電流分布を 示すものである。 発明の詳細な説明 図1は、本発明に係るストリップライン外形の斜視図を示すものである。中央 導体12は、第1接地面16と第2接地面18から実質的に等距離に配置されて いる。通常、中央導体12は厚さよりも広いものであり、かつ断面で示された図 面の平面で広がっている。中央導体12は中央導体エッジ14を境界とする。中 央導体12は、高温超伝導性材料から形成されるのが好ましい。別の超伝導性材 料が用いられてもよいが、YBCOとタリウムの超伝導体は、比較的高い臨界温 度Tc、及び電力処理能力に関しては好ましいものである。 中央導体12は誘電体22で支えられている。誘電体22は、ランタンアルミ ニウム、サファイア、酸化マグネシウムのような中央導体12に適合する材料で あってよい。本実施例では、誘電体22は、中央導体12と第2接地面18との 間と同様に、中央導体12と第1接地面16との間に配置される。ギャップ20 は、中央導体エッジ14に近接する誘電体22に形成される。ギャップ20は、 誘電体22の誘電率よりも小さい誘電率を有する材料からなるのが好ましい。ギ ャップ20を含んでいる誘電体は空気又は真空であるのが最も好ましい。ギャッ プ20は、中央導体エッジ14に近接する中央導体12と平行に延びている。ギ ャップ20は十分に大きく形成されたものであるから、ストリップライン構造1 0の電力処理能力が向上するが、デバイス全体の構造上の完全性に悪影響を与え るほど大きく製造されていない。ギャップ20がストリップライン構造10に比 較して大きくなればなるほど、電力処理能力は良好になる。ギャップの広さと深 さは、それぞれ中央導体の幅と基板の厚さに匹敵するサイズであるべきなのが好 ましい。1の実施例では、ギャップの深さと幅は、20ミクロン以上である。ギ ャップの深さは、図2のように接地面に達するのが理想的である。 図1の構造は、2つのユニットが一緒に混成されて構成されるのが好ましい。 誘電体22の上部部分を含む第1ユニットは、実質的に平行な2つの面を有し、 第1の面は接地面16を保持し、第2の面はギャップ20の全部又は1部分を保 持する。下部モジュールは、実質的に平面である平行な面を含んでいて、そこで は、第1の面は、中央導体12、ギャップ20及び誘電体の反対側の第2の接地 面の一部又は全部を有する。その後2つのユニットは、2つのモジュールの境界 面24を形成して、混合される。モジュールは、圧力クランプで保持されるのが 好ましい。 ギャップ20は、ストリップライン構造10の材料に適合する材料除去処理で 形成される。例えば、ギャップ20は、比較的大きな構造(即ちラジオ周波数デ バイス)にはフライス盤で、小さな構造(即ちマイクロ波及びミリメートル波デ バイス)にはイオンフライス又はレーザフライスのようなものでフライスされる 。代替法として、ギャップ20は誘電体22をエッチングしたものであってもよ い。エッチングによって、中央導体12から誘電体22をアンダーカットする機 会が提供される。図4で示されているように、ギャップ20(部分的に示されて いる)はアンダーカット26を有する。アンダーカット26は、中央導体エッジ 14から下に延長された垂線からの距離uを延ばす。 図2は、変形されたストリップライン構造を示すものである。通常、中央導体 30は平面であり、その平面の幅及び長さよりも小さい厚さを保持する。中央導 体30は中央導体30の横エッジに中央導体エッジ32を有する。通常、第1接 地面34と第2接地面36は中央導体30に平行に配列され、各接地面34と3 6から等距離かつ平行な中央導体30を備えて配置される。第1誘電体38は、 中央導体30と第1接地面34との間に配置される。同じ誘電率を有する第2誘 電体40は、選択的に中央導体30と第2接地面36との間に配置されるのが好 ましい。本実施例では、空気以外の誘電体は、中央導体エッジ32の横外部領域 から矢印42で示されるように取り除かれる。任意に、第1及び第2接地面は、 中央導体30から離れた側に配置されている基板によって保持されてもよい。 図3は、マイクロストリップ配置の斜視図を示すものである。マイクロストリ ップ構造50は、平行に配置された平面である面、第1の面54及び第2の面を 有する基板52を含んでいる。中央導体58は、基板52の第1の面54に形成 されている。一般的に中央導体58は、実質的に幅sよりも小さい厚さtを保持 する。トレンチ62は、中央導体エッジ64に横に近接して形成される。トレン チ 62は、深さhと幅wを保持する。接地面60は基板52の第2の面56に配置 されている。 図4は、中央導体14の下部であるアンダーカット部分26を保持するギャッ プ20を示すものである。距離uであるアンダーカット量が望ましいものであり 、構造的な完全性を維持するのに矛盾しないものである。 本特許に係る発明を実施する好ましいモードでは、導体材料、即ち中央導体及 び接地面は、超伝導性材料からなるのが好ましい。しかしながら、高周波電磁放 射の伝送に適合性のある金、高純度の銅又はその他の材料のような通常の材料で 、これらの構造の1つ又はそれ以上を置換することは、本発明に矛盾しない。 HTSマイクロ波回路が作動することで、上記回路が運びうる電力量を制限す る。回路中の電力レベルが大きくなりすぎた場合、回路の幾つかの部分の電流密 度は、温度、周波数及びマイクロ構造に依存する臨界水準Jcを越え、さらにこ れらの領域のHTSはもはや超伝導体として作動しない。この結果、明らかに回 路損失、及び異なる周波数の信号間の相互変調の様な非線形効果が増大する。温 度、周波数及び局所的構造といった多くの変数からなる関数である一方、この臨 界電流密度Jdは、77Kで高質の薄膜では、一般的には3×106オーダーであ る。伝送線が調和している幾つかのマイクロ波回路応用平面(即ちそれらの平面 は、その端部に反射効果を有しない)では、臨界電流密度が超過したことによる 相当な効果なくして、HTS伝送線は数百ワット相当を伝送することができる( 又伝送線の断面積により依存する可能性がある)。しかしながら、狭帯域フィル ターのような場合では、フィルターの共振器内部の電流は、フィルターのポート に接続された伝送線の電流の100倍以上の大きさであってもよい。このことが 、共振器間に疎結合を加えた共振器が存在する共振状態の結果である。電力は電 流の2乗に対して変化するが、このことは共振器に用いられている伝送線の電力 規格は、フィルターから導かれ又はフィルターへ導く伝送線に望まれたものより 10000倍又はそれ以上の大きさが必要であることを意味する。高定常波比率 のおかげで、比較的高い電流値を有する集積回路の別の部分もまた、高電力規格 を必要とする。これらが原因で、HTS伝送線の電力処理能力を向上させる装置 及 び技術は、比較的高電力を処理しなくてはならない幾つかのマイクロ波集積回路 の実用にとって非常に重要である。 例として図5は、上面と底面とに接地面164を備え、相対誘電率がεTであ る誘電体162で囲まれる中央導体160を含んでいるHTSストリップ伝送線 を示すものである。中央導体は、紙の内部で及び紙の外側で拡張している。中央 導体の電流密度は図6のように分布し、図6では中央導体の外側エッジで高いピ ークを示している。電流密度の高いピークは、中央導体のエッジ付近に存在し、 電力レベルが伝送線で上昇するときに最初に電流飽和が発生するこれらのエッジ にピークが存在する。 図5のストリップエッジで高電流密度が発生する幾つかの理由は、電束線Dが 描かれていることを除いて図5と同じ構造を示す図7から読みとれる。示された 電束線は中央導体160の正の表面チャージから始まり、接地面の負の表面チャ ージで終わっていて、さらに、表面のある地点での表面チャージ密度は、その地 点に関する電束密度Dに等しい。これらの電束線及び表面チャージ分布が紙の内 部へ(紙の内部から)伝送する場合、チャージ分布の伝送は、紙の内部へ又は紙 の内部からの流れる導体上の表面電流を含んでいる。正のチャージを有する鋭い エッジからの電束線は、図7で示されているように放射状に放射されるだろう、 さらに、必要とされる電束Dを提供するために、電束線はチャージの高濃度と鋭 いエッジに沿った電流を要求する。本発明と矛盾することなく、中央導体のエッ ジ沿った高電流密度を低減するために、本発明はストリップのエッジに沿う縁取 り電束を低減する。 中央導体のエッジでピーク電流を低減させることに関しては、図2の構造での 複雑な利得の概算を得ることが可能である。図5の中央導体が非常に薄く、かつ 接地面間隔h’が無限に近づいている場合、中央導体の電流分布は式で正確にさ れる。 J1(x)=A1/(1−(2x/w)20.5 (1) ここでA1は印加電圧と電線の構造に依存する定数であり、xは中央導体から の距離であり、さらにwは導体の幅である。 図5及び7のように接地面間隔hが有限の場合であっても、多くの場合この電 流密度分布関数は有効な近似値であることが知られている(例えばIEEE会報 、又は1992年4月の第11刊、コンピューター援助設計の513頁から52 4頁のジー.エル.マッハエイによる「キャパシタンスとインダクタンスとの相 互接続分配を計算する単純化された方法」(G.L.Matthaei,elal.,"A Simplified Means for Computation of Interconnect Distribution Capacitances and Ind uctances”,IEEE Trans.or Computer-Aided Design,Vol.11 ,pp 513-524,April, 1992)を参照にせよ)。xがw/2に近づいた場合、関数J1(x)は(w/2− x)-0.5として、無限大となることが容易に理解できる。1971年「被誘導波 の理論における分析的な技術」("Analytical Techniques in the Theory of Gu idedWaves”)の10−11頁でアール.ミットラら(R.Mittra el al)は、誘電 境界面上の薄い導体のエッジの特異性を分析し、図2で示された中央導体のエッ ジでは、LaAlO3に関してε=24の場合、xがw/2に近づくと、電流分 布は(w/2ーx)-0.128として無限大になることを示している。我々は(1) を変形して、ストリップのエッジで我々が得た特性を表すと、 J2(x)=A2/(1−(2x/w2-0.128 (2) これは図2の場合の中央導体の電流分布についての優れた近似であり、A2は 印加された電圧と電線の構造に依存する定数である。図8(A)と図8(B)の 一点鎖線は、図8(a)と図8(b)で式(1)のプロットを表す一点鎖線のプ ロットを示すものである一方、実線は式(2)のプロットを示すものであり、係 数A1とA2が調整されているので、2つの曲線の下部領域は等しいものであり、 2つの伝送線の総電流を等分する。従って、一点鎖線は図5(従来技術)のよう な場合に用いられる一方、実線はε=24である図2(本発明)のような場合に 用いられる。特に図8Bから理解できるように、誘電性の不連続が存在すること で中央導体のエッジ部の電流特異点の強度を大幅に低減する。それ故、臨界値J cを越える電流密度の部分を有することなく、かつ相互変調及び過剰損失を引き 起こすことなく、図2の構造は図5の構造よりも大きな電力を運ぶ。当然、HT Sの有限の厚さとHTSとに関連する制限された電流貫通深度のおかげで、電流 飽和が算入される前であっても電流分布のピークは完結するだろう。実際、電流 密度の極めて高い数値に向かう分岐は、波長と膜厚tに依存する効果的な貫通深 度によって中断され、低減される。 縁部作用が発生する比較的薄く、広い導体を保持する導波管型構造を介して、 電力が運ばれる電気回路に関して、本発明に係る装置と方法は有効である。とり わけ有効性は、超伝導体回路、特に高温超伝導体回路に対するこれらの技術の応 用である。これらの技術はデバイス動作の線形性、特に電流の関数としての表面 抵抗の線形性を向上させるのに都合がよく、受信機、送信機及びフィルターのよ うな信号を処理する電子部品に関して、特に構造が有効である。非線形性を低減 させることで、実質的に干渉が低減される。 明瞭と理解とを目的とする実施例と具体例によって、前述の発明は詳細に説明 されているが、本発明の技術分野を鑑みて当業者にとって、添付の請求項の思想 と範囲から離れずに一定の改造と変形が可能であることは明らかである。 請求の範囲 1. マイクロストリップ伝送システムの電力処理能力を向上させる方法であっ て、 第1の側面エッジと第2の側面エッジとを有する中央導体を形成する工程であ って、上記中央導体が第1の誘電率を有する第1の誘電体基板で保持され、上記 誘電体基板は、通常平面であり、平行である第1の面と第2の面を有していて、 上記中央導体が高温超伝導体であるもの、 上記基板の上記第2の面の少なくとも一部分に接地面を形成する工程と、 及び上記中央導体の上記第1及び第2の側面エッジに横側に近接して、第1及 び第2のトレンチを形成する工程を含んでいることで、上記トレンチを備えてい ない構造と比較して、上記マイクロストリップ伝送システムは向上された電力処 理能力を有するものである上記方法。 2. 上記中央導体がYBCO超伝導体である請求項1記載の上記方法。 3. 上記中央導体がタリウムを主成分とする超伝導体である請求項1記載の上 記方法。 4. ギャップを形成することで、上記第2の誘電体が提供される請求項1記載 の上記方法。 5. 上記第1の誘電体の一部分を除去することで、上記ギャップが形成される 請求項4記載の上記方法。 6. フライス削りによって、上記第1の誘電体の一部分の除去が実行される請 求項5記載の上記方法。 7. 上記フライス削りはイオンフライス削りである請求項6記載の上記方法。 8. 上記フライス削りは機械的フライス削りである請求項6記載の上記方法。 9. 上記フライス削りはレーザフライス削りである請求項6記載の上記方法。 10. エッチングすることで、上記第1の誘電体の一部分の除去が実行される 請求項5記載の上記方法。 11. 上記エッチングは等方性エッチングである請求項10記載の上記方法。 12. 上記エッチングは異方性エッチングである請求項10記載の上記方法。 13. 上記エッチングが、上記中央導体から上記第1の誘電体のアンダーカッ トをなす請求項10記載の上記方法。 14. 上記第2の誘電率が上記第1の誘電率と同じである構造と比較して、向 上された線形性が実現されている請求項1記載の上記方法。 15. 上記第1の誘電体が直接上記第1の接地面に接している請求項1の上記 方法。 16. 上記第1の接地面及び上記第2の接地面の少なくとも一方が、高温超伝 導体である請求項1記載の上記方法。 17. 上記ギャップが20ミクロンよりも大きい深さを有する請求項4の上記 方法。 18. 上記ギャップが幅を有し、さらに上記幅が20ミクロンより大きい請求 項4記載の上記方法。 19.上記ギャップが、0.5mmより大きい深さを有する請求項4記載の上記 方法。 20. 上記ギャップが幅と深さを有し、上記幅に対する上記深さの比率が30 %よりも大きい請求項4記載の方法。 21. 上記幅に対する上記深さの比率が50%より大きい請求項20記載の方 法。 【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年4月28日 【補正内容】 請求の範囲 1. マイクロストリップ伝送システムの電力処理能力を向上させる方法であっ て、 第1の側面エッジと第2の側面エッジとを有する中央導体を形成する工程であ って、上記中央導体が第1の誘電率を有する第1の誘電体基板で保持され、上記 誘電体基板は、通常平面であり、平行である第1の面と第2の面を有していて、 上記中央導体が高温超伝導体であるもの、 上記基板の上記第2の面の少なくとも部分的に接地面を形成する工程と、 及び上記中央導体の上記第1及び第2の側面エッジに横側に近接して、第1及 び第2のトレンチを形成する工程を含んでいることで、上記トレンチを備えてい ない構造と比較して、上記マイクロストリップ伝送システムは向上された電力処 理能力を有するものである上記方法。 2. 上記中央導体がYBCO超伝導体である請求項1記載の上記方法。 3. 上記中央導体がタリウムを主成分とする超伝導体である請求項1記載の上 記方法。 4. ギャップを形成することで、上記第2の誘電体が提供される請求項1記載 の上記方法。 5. 上記第1の誘電体の一部分を除去することで、上記ギャップが形成される 請求項4記載の上記方法。 6. フライス削りによって、上記第1の誘電体の一部分の除去が実行される請 求項5記載の上記方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘイ−シプトン,グレゴリー・エル アメリカ合衆国93110カリフォルニア州 サンタ・バーバラ、ビア・エスパルト959 番 【要約の続き】 性が向上し、ファイルター、送信機及び受信機といった 部品への応用を提供する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 中央導体エッジを有する中央導体であって、上記中央導体に実質的に平行 であって、かつ互いに平行である第1の接地面と第2の接地面との間に配置され たものと、 上記第1の接地面と上記第2の接地面との間に配置され、上記中央導体及び上 記第1の接地面と上記第2の接地面との少なくとも一方に接している固体誘電体 であって、該固体誘電体の誘電率より低い誘電率である誘電体を含むギャップ部 分を有していて、上記ギャップは中央導体エッジを保持しているものとを含んで いるストリップライン伝送線。 2. 上記中央導体が超伝導体である請求項1記載のストリップライン伝送シス テム。 3. 上記中央導体が高温超伝導体である請求項2記載のストリップライン伝送 システム。 4. 上記高温超伝導体は、タリウム主成分の超伝導体である請求項3記載のス トリップライン伝送システム。 5. 上記高温超伝導体は、YBCO超伝導体である請求項3記載のストリップ ライン伝送システム。 6. 上記中央導体が、実質的に平面である請求項1記載のストリップライン伝 送システム。 7. 少なくとも1つの接地面が超伝導体材料から形成されている請求項1記載 のストリップライン伝送システム。 8. 上記ギャップ中の上記誘電体は、空気又は真空を含んでいる原子団から選 択されたものである請求項1記載のストリップライン伝送システム。 9. 上記ギャップが20ミクロンより大きい深さを有する請求項1記載のスト リップライン伝送システム。 10. 上記ギャップが20ミクロンを越える幅を有する請求項1記載のストリ ップライン伝送システム。 11. 上記ギャップの深さは、0.5mm以上である請求項1記載のストリッ プライン伝送システム。 12. 少なくとも1つの上記ギャップが上記中央導体をアンダーカットする請 求項1記載のストリップライン伝送システム。 13. 実質的に平面で、平行な表面を保持する第1の面と第2の面を有する基 板、 上記第1の面の一部分に形成され、2つのエッジを有する中央導体、 少なくとも上記第2の面の一部分に形成された接地面、 及び記中央導体の上記エッジに近接していて、上記第1の面の横に位置する、 上記基板に形成されたトレンチを含んでいるマイクロストリップ伝送システム。 14. 上記中央導体が超伝導体である請求項13記載のマイクロストリップ伝 送システム。 15. 上記中央導体が高温超伝導体である請求項14記載のマイクロストリッ プ伝送システム。 16. 上記高温超伝導体は、タリウム主成分の超伝導体である請求項15記載 のマイクロストリップ伝送システム。 17. 上記高温超伝導体は、YBCO超伝導体である請求項15記載のマイク ロストリップ伝送システム。 18. 上記中央導体が、実質的に平面である請求項13記載のマイクロストリ ップ伝送システム。 19. 接地面が超伝導体材料から形成されている請求項13記載のマイクロス トリップ伝送システム。 20. 上記トレンチが、30%より大きな幅に対する深さの比率を有する請求 項13記載のマイクロストリップ伝送システム。 21. 上記トレンチが、50%を越える幅に対する深さの比率を有する請求項 13記載のマイクロストリップ伝送システム。 22. 上記トレンチの深さは、0.5mm以上である請求項13記載のマイク ロストリップ伝送システム。 23. 上記トレンチの幅は、0.5mm以上である請求項13記載のマイクロ ストリップ伝送システム。 24. 少なくとも1つの上記トレンチが上記中央導体エッジをアンダーカット する請求項13記載のストリップライン伝送システム。
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