JPH1147529A - 吸引フード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 捕捉した粉塵等の外部への漏洩をなくし優れ
た吸引効率を発揮することができる吸引フードを提供す
ること。 【解決手段】 筒形ケーシング１の両側面に吸引ダクト
との接続口３、３を設けるとともに該筒形ケーシング１
の前壁面に長手方向に延びる粉塵吸引用の開口部２を設
けたフード本体の前記開口部２に粉塵ガスを流入させて
フード本体内で渦巻き流を発生させるための遮蔽板４を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、捕捉した粉塵等の
外部への漏洩をなくし優れた吸引効率を発揮することが
できる吸引フードに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、各種の研磨作業等で発生する粉
塵を回収するための吸引フードとしては、キャノピーフ
ードに代表される箱型ケーシングの前面を粉塵吸引用の
開口部とし、後方または上面、下面、左右面のいずれか
一方に吸引ダクトに通じる接続口を設けたものが広く使
用されている。一方、フードの吸引流速は吸引ダクトの
接続口の吸引速度からフード内並びに開口部へとその断
面積形状に従って拡散し速度が低下することが判ってい
る。従って、従来のこの種の吸引フードにおいては、吸
引する粉塵等の粒子物質がフード開口部の吸引速度より
高速でフード内に流入した場合、粒子の慣性力が強く一
旦フード内で衝突反発した粒子物質がフード開口部より
外部へ漏れ出すことがあった。

【０００３】このような現象を防止するために、吸引風
量を増大させたり、フード開口部の開口面積を狭めて開
口部の吸引速度を上昇させる等の対策が採られている
が、吸引風量を増大することはエネルギーコストの増大
を招くという問題点があり、また開口面積を縮小するこ
とは発生した粒子物質の拡散する領域よりもフードの開
口部が小さくなって十分な粉塵の吸引処理ができないと
いう問題点があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題点を解決して、一旦フード内に捕捉した粉塵
が外部へ漏洩することを確実に防止することができると
ともに、小さな吸引風量で優れた吸引効率を発揮するこ
とができ、更にはランニングコストも安価なものとする
ことができる吸引フードを提供することを目的として完
成されたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の吸引フードは、筒形ケーシングの
両側面に吸引ダクトとの接続口を設けるとともに該筒形
ケーシングの前壁面に長手方向に延びる粉塵吸引用の開
口部を設けたフード本体の前記開口部に粉塵ガスを流入
させてフード本体内で渦巻き流を発生させるための遮蔽
板を設けたことを特徴とするものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しつつ本発明
の好ましい実施の形態を示す。図面は、グラインダによ
る研磨作業における発生粉塵を捕捉する場合を示すもの
であって、図中１は筒形ケーシング、２は該筒形ケーシ
ング１の前壁面下方に形成された長手方向に延びる粉塵
吸引用の開口部、３、３は筒形ケーシング１の両側面の
ほぼ中央に設けられた吸引ダクトとの接続口で、前記開
口部２の上辺にはフード本体の内部における渦巻き流発
生用の遮蔽板４が取り付けられている。

【０００７】即ち、前記開口部２の上辺に遮蔽板４を取
り付けることによって、粉塵ガスを筒形ケーシング１の
前壁面の下方の単一方向からのみ流入させるようにし、
筒形ケーシング１内で旋回流を発生させるのである。一
方、筒形ケーシング１内のガス流は吸引ダクトに通じる
接続口３、３に向け収束しようとするので、この収束作
用と前記旋回流とが合成されて筒形ケーシング１内部に
均一で強力な渦巻き流が発生することとなるのである
（図２参照）。この結果、粉塵ガス中の粒子物質の運動
エネルギを前記渦巻き流で吸収するとともに粒子物質に
旋回慣性力を付与することとなり、粉塵等の粒子物質が
筒形ケーシング１の外部へ漏れ出る運動エネルギは消滅
させられることとなる。従って、従来のように一旦フー
ド内に捕捉した粉塵が外部へ漏洩することが抑制され
て、より効率的な吸引処理が行われることとなるのであ
る。

【０００８】なお、前記筒形ケーシング１は図示のもの
では円筒状としてその前壁面の下方に開口部２を設ける
とともに両側面にある円板部のほぼ中央部に接続口３、
３を設けてフード本体としたことにより、前記渦巻き流
の発生がより確実なものとなっているが、その他、多角
形状の筒形ケーシング１を用いてもよいことは勿論であ
る。また、遮蔽板４も図示するような平板状のものに限
らず曲面状のもの等を用いることができ、開口部と作業
の形態に合わせ、上辺、下辺どちらにも設置可能である
ことは勿論である。

【０００９】以上のように構成されたものを、図３に示
されるように、グラインダ１０による研磨作業で発生し
た粉塵を捕捉する場合に適用したところ、開口部２より
吸引された粉塵は筒形ケーシング１内で発生した渦巻き
流により運動エネルギが吸収されて外部へ漏れ出ること
が確実に防止されることが確認できた。また、前記渦巻
き流により開口部２における吸収速度分布がより均一化
した流れとなっており、研磨作業で発生した粉塵を逃す
ことなく全て吸引処理できていることも確認できた。

【００１０】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明は一旦フード本体内に捕捉した粉塵が外部へ漏洩する
ことを確実に防止することができるとともに、小さな吸
引風量で優れた吸引効率を発揮することができ、更には
ランニングコストも安価なものとすることができるもの
である。また、本発明は従来の吸引フードに若干の改良
を加えるのみで適用することができるという利点も有す
る。よって本発明は従来の問題点を一掃した吸引フード
として、産業の発展に寄与するところは極めて大であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す斜視図である。

【図２】本発明の実施の形態における渦巻き流の発生を
示す説明図である。

【図３】本発明をグラインダによる研磨作業に適用した
場合を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 筒形ケーシング ２ 開口部 ３ 接続口 ４ 遮蔽板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後夷 光一 愛知県額田郡幸田町大字坂崎字西長根１番 地 新東ダストコレクタ株式会社幸田工場 内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒形ケーシング(1) の両側面に吸引ダク
   トとの接続口(3)、(3) を設けるとともに該筒形ケーシ
   ング(1) の前壁面に長手方向に延びる粉塵吸引用の開口
   部(2) を設けたフード本体の前記開口部(2) に粉塵ガス
   を流入させてフード本体内で渦巻き流を発生させるため
   の遮蔽板(4) を設けたことを特徴とする吸引フード。
2. 【請求項２】 筒形ケーシング(1) が円筒形または多角
   柱である請求項１に記載の吸引フード。
3. 【請求項３】 接続口(3) が円形または多角形である請
   求項１または２に記載の吸引フード。
4. 【請求項４】 遮蔽板(4) が曲面状である請求項１また
   は２または３に記載の吸引フード。