JPH1147521A - 空気清浄用フィルタ濾材 - Google Patents

空気清浄用フィルタ濾材

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JPH1147521A
JPH1147521A JP20926897A JP20926897A JPH1147521A JP H1147521 A JPH1147521 A JP H1147521A JP 20926897 A JP20926897 A JP 20926897A JP 20926897 A JP20926897 A JP 20926897A JP H1147521 A JPH1147521 A JP H1147521A
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慎一 峯村
Eiji Yoshimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、濾材全体で難燃性を有しつ
つも焼却廃棄が可能であり、且つ、低圧力損失ながら、
サブミクロンオーダーの粒子や粗塵に対して高捕集効
率、高粉塵保持性を有する安価で実用性にすぐれた濾材
を提供することにある。 【解決手段】 繊維充填密度0.01〜0.07cc/
ccのフィルムスプリット型エレクトレット繊維層と開
口率50%〜95%で、JISD1201で規定される
LOI値が23〜80である多孔性補強シートを含む空
気清浄用フィルタ濾材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用途、家庭用
途、各種空調用途に使用される空気清浄用フィルタ濾材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、室内で発生するハウスダスト、花
粉等の数十ミクロンオーダーの粒子に対する除去やタバ
コ煙を初め、ディーゼル自動車等から排出されるサブミ
クロンオーダーの微粒子及びスパイク粉塵等の粗塵に対
する除去の要望が、特に、健康上の問題から大きくクロ
ーズアップされている。
【0003】これらの要望に対する濾材としてエレクト
レット繊維の静電気力を利用したフィルタがすでに公知
でありクトレット繊維単体では実用強度的に弱いため何
らかの補強材を組合わせて一体化し濾材強度を向上させ
て使用するのが一般的である。その場合、補強材とし
て、エレクトレットフィルタ濾材の特徴を最大限に活か
すため、多孔性の補強シートを用いるのが一般的であ
る。
【0004】ところで、近年、これらのフィルタ濾材の
安全性の観点から難燃性フィルタ濾材の関心が高まって
いる。例えば、自動車用空気清浄フィルタ濾材には、J
ISD1201で規定される難燃性の付与の要求が求め
られる。このため、フィルタ濾材の難燃性付与に関して
も、下記の通り種々の検討がなされている。
【0005】例えば、実開平7−9415、実開昭57
−119720には難燃剤及び/又は難燃繊維を混入加
工した補強用シート状不織布とエレクトレット化不織布
を積層したものが開示されているが、補強用シート部も
エレクトレット部も不織布であるため、濾材全体の嵩密
度が高く、粉塵負荷による急激な目詰まりがおこり、フ
ィルタ寿命が短いという問題があった。
【0006】また、特開平5−31310、特開昭51
−134475では、エレクトレット繊維と難燃性補強
シートを積層したものが開示されているが、エレクトレ
ット繊維に極細繊維を使用しているため、嵩高濾材にす
ることが難しく長期間の粉塵負荷に対して良好な濾過性
能を十分発揮できるものではなかった。
【0007】さらに、特開平6−198108、特開平
6−205915にはフィルタの難燃構成材に無機繊維
を使用したものが開示されているが、無機材料がガラス
繊維や金属繊維であるため、容易に焼却廃棄ができない
という問題があった。
【0008】上記で説明したように、難燃性、易焼却性
を有し、且つ、優れた濾過性能を有する濾過材は、存在
しないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点に着目して鋭意検討した結果、LOI値が23〜8
0の難燃性の多孔性補強シートをフィルタ骨材として用
いることにより、エレクトレット繊維を含むフィルタ濾
材全体が遅燃性又は自消性でありながら、廃棄時に焼却
可能となることを見い出した。
【0010】また、上記のフィルタ濾材において、多孔
性補強シート材の開孔率を50〜95%とすることによ
り、フィルタ濾材の低圧損化、長寿命化を実現すること
が可能であること、フィルムスプリット型エレクトレッ
ト繊維の繊維充填密度を0.01〜0.07cc/cc
とすることにより、粉塵等の捕集効率を向上させること
が可能であることを見い出した。
【0011】本発明はかかる知見に基づいてなされたも
のであり、本発明の目的は、濾材全体で難燃性を有しつ
つも容易に焼却廃棄が可能であり、低圧力損失ながら、
サブミクロンオーダーの粒子や粗塵に対して高い捕集効
率及び粉塵保持性を有する、安価で実用性に優れたフィ
ルタ濾材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、フィル
ムスプリット型のエレクトレット繊維と多孔性補強シー
トを含む空気清浄用フィルタ濾材であって、前記フィル
ムスプリット型のエレクトレット繊維の充填密度が0.
01〜0.07cc/ccであり、且つ、前記多孔性補
強シートのJISD1201で規定されるLOI値が2
3〜80である空気清浄用フィルタ濾材を提供するもの
である。
【0013】本発明の空気清浄用フィルタ濾材の好まし
い実施態様は、JISD1201で規定される水平燃焼
試験での評価が遅燃性又は自消性である。
【0014】本発明の空気清浄用フィルタ濾材の好まし
い実施態様は、前記多孔性補強シートの開口率が50%
〜95%である。
【0015】本発明の空気清浄用フィルタ濾材の好まし
い実施態様は、JIS15種の粉塵保持量が70g/m
2 以上である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる多孔性補強シ
ートの素材は、合成樹脂、半合成樹脂、再生樹脂等が上
げられるが、特に限定されるものではない。合成樹脂の
素材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリエステル、ビニロン、ポリクラール、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等が挙げられる。半合成樹脂の素材
としては、例えば、アセテート、プロミックス等が挙げ
られる。再生樹脂としては、例えば、レーヨン、キュプ
ラ等が挙げられる。本発明においては、これらの素材を
単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。
【0017】本発明で用いられる多孔性補強シートは、
JISD1201で規定されるLOI値が23〜80で
あることが必要である。LOI値が23より小さい場合
には、本発明の濾材全体での難燃性が低下し、LOI値
が80を越える場合には、使用後の濾材を廃棄する際の
焼却が困難となるため好ましくない。
【0018】なお、ここでいうLOI値とは酸素と窒素
を含む混合ガスの温度が20〜25℃の状態で資材が燃
焼をつづけるのに必要な酸素と窒素の混合気体中の容積
百分率であらわした最小酸素濃度のことであり、以下の
式で計算される。 LOI値(%)=(酸素濃度)/(酸素濃度+窒素濃
度)×100
【0019】本発明で用いられる多孔性補強シートは、
補強材の素材自体が必ずしも上記の範囲のLOI値を有
している必要はない。むしろ、上記に列記した補強材の
素材自体はLOI値が23以下の素材である場合も多
く、かような易燃焼性の素材の場合には、難燃剤を付加
して用いてもよい。
【0020】難燃剤を付加する方法としては、フィラメ
ント製造の紡糸の段階で難燃剤を練り込む方法、紡糸後
に難燃剤を添加する方法、バインダーを使用して強固に
難燃剤を付着させる方法、あるいは、補強繊維を多孔性
のシート状にした後、難燃剤を前述の処方で添加するな
ど各種の方法を用いることが可能であり、特に限定され
るものではない。最終的に、JISD1201で規定さ
れるLOI値が23〜80になれば、如何なる方法でも
よい。
【0021】本発明に用いられる多孔性補強シートの形
状は、特に制限されるものではなく、例えば織物状、ネ
ット状、編み物状等が挙げられる。
【0022】本発明に用いられる多孔性補強シートの開
口率は、50%〜95%であることが好ましい。開孔率
が50%未満では圧力損失が高くなり、粉塵負荷による
目詰まりが起こり易く、開孔率が95%を越える場合に
はフィルターとしての実用強度が不十分となる。
【0023】なお、ここでいう開口率とは以下の式で定
義されるものである。 開孔率(%)=(A−B)/A×100 但し、A:多孔性補強材の全面積 B:多孔性補強材の開口部面積
【0024】本発明に用いられる多孔性補強材の濾材中
での存在様式は、特に限定されるものではないが、例え
ばエレクトレット繊維層(A層)と補強繊維層(B層)
が別々の層として存在するいわゆる2層又は多層型の濾
材としては、A層−B層の2層型濾材、A層−B層−A
層やB層−A層−B層の3層型濾材、さらに多層型の濾
材等が挙げられる。上記での濾材形成時の積層法も特に
限定されるものではないが、ニードルパンチ加工、エア
ーパンチ加工、熱融着加工、あるいは単なる重ね合わせ
等が挙げられる。
【0025】本発明に用いられるフィルムスプリット型
のエレクトレット繊維の素材は、特に限定されるもので
はないが、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、シン
ジオタクチックポリスチレンなどのポリオレフィン系ポ
リマー、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのα−ポ
リオレフィン系ポリマー、テフロン等のフッ素系ポリマ
ー、ポリカーボネート、ポリエステルなどが挙げられ
る。
【0026】本発明に用いられるフィルムスプリット型
エレクトレット繊維の製造方法は何等限定されるもので
はないが、例えば上記の樹脂から溶融押出しによりキャ
ストフィルムを作製し、次いでこのフィルムを5〜10
倍に縦あるいは横方向に延伸することにより延伸フィル
ムを形成する。その後、荷電によりエレクトレットフィ
ルムとし、開繊カッターでスプリットして繊維とすれ
ば、エレクトレットスプリット繊維が得られる。延伸フ
ィルムのエレクトレット化はコロナ放電、電界放電、電
子線照射、摩擦帯電などの荷電法によって行うことがで
き、又これらの荷電法を組み合わせてもよい。上記以外
にもエレクトレットフィルムからスプリット繊維を作る
スプリット法には、針式カッター、ねじ式カッター、ブ
レード式カッターなどによりフィルムをスプリットする
方法等が用いられる。
【0027】本発明に用いられるフィルムスプリット型
のエレクトレット繊維の平均スプリット幅は、10μm
〜500μm、より好ましくは20μm〜300μm、
最も好ましくは40μm〜200μmである。なお、エ
レクトレットフィルムの厚さは3μm〜30μmが好ま
しい。エレクトレットスプリット繊維の表面電荷密度は
ルースの式で示される最大表面電荷密度を有することが
好ましいが、それに限定されるものではない。
【0028】本発明に用いられるフィルムスプリット型
エレクトレット繊維の充填密度は、0.01〜0.07
cc/ccであることが好ましく、より好ましくは0.
03〜0.07cc/ccである。0.01cc/cc
未満であれば、粉塵保持量が低くなり、0.07cc/
ccを越える場合には、粉塵負荷による圧力損失の急上
昇が生じるため好ましくない。
【0029】なお、上記の充填密度とは、フィルムスプ
リット型エレクトレット繊維層での繊維充填密度をい
い、下記の式で計算される値である。 繊維充填密度(cc/cc) =(W×10-4)/(T×
ρ) 但し、W:繊維層の目付(g/m2) T:繊維層の厚さ(cm) ρ:繊維の密度(g/cc)
【0030】本発明に用いられるエレクトレット繊維の
目付は5〜250g/m2 が好ましい。目付が5g/m
2 未満の場合は、粉塵の捕集効率が低く、250g/m
2 を越える場合には濾材が目詰まりを生じ易くなるため
である。
【0031】本発明に用いられるエレクトレット繊維
は、帯電性を向上するため添加剤を用いることが好まし
い。ここで用いられる添加剤は何等限定されるものでは
ないが、例えばリン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)
ナトリウム、ソディウム2,2’−エチリデンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェートのよ
うな樹脂改良剤、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、1,1ビス(2’−メチル−4’
−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ブタン、
2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、3,9−ビス〔2−{3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−
1,1−ジメチルエチル〕−2,8,10−テトラオキ
サスピロ〔5,5〕ウンデカン、ビス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリストリトールジホスファイト、エチリデ
ンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホ
スファイト、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイトのような抗酸化剤、3−(N−サリチ
ロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、デカンジ
カルボン酸ジサリチロイルヒドラジドのような重金属不
活性剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス〔4−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N
−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、ビス
(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェ
ニル)メタン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチ
ル−3,9−〔2,4,8,10−テトラオキサスピロ
(5,5)ウンデカン〕ジエチル(混合)−1,2,
3,4−ブタンテトラカルボキシレートのような光安定
剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニ
ウム、ラウリン酸アルミニウムのような脂肪酸金属塩な
どが挙げられる。また、これらの添加剤の添加量は、添
加剤の種類によっても異なるが、0.05〜5重量%の
範囲が効果的である。
【0032】本発明の空気清浄用フィルタ濾材には、ケ
バ立ち防止をはじめフィルターとしての取り扱い性を更
に良好にするために、濾材表面にカバーファクターを付
与したり、熱融着繊維をフィルムスプリット型エレクト
レット繊維層中に混入してもよい。
【0033】本発明の空気清浄用フィルタ濾材には、基
本特性を損なわない範囲で、多孔性補強シート、エレク
トレットスプリット繊維層もしくはカバーファクターに
抗菌剤、抗カビ剤、脱臭剤、芳香剤を使用してもよい。
【0034】以下実施例をもってさらに詳細に本発明を
説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
なく、前後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更することは
全て本発明の技術範囲に包含される。
【0035】なお、フィルタ濾材の燃焼試験は図1に示
すようなJISD1201における水平燃焼試験で実施
し、遅燃性以上、すなわち遅燃性、自消性を合格とし
た。フィルター濾材の圧力損失は、線速50cm/sの
条件下で測定した。JIS15種粉塵保持量は、初期圧
損から150Pa上昇したときを寿命と判断し該時点に
おいて濾材に堆積した粉塵量を天秤で秤量した値であ
る。
【0036】
【実施例】アイソタクチックポリプロピレン(住友化
学、銘柄FK−145)にステアリン酸アルミニウム
0.5%、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕0.1%、リン酸2,2−メチレンビ
ス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム0.
1%を添加し、厚さ50μmのキャストフィルムを溶融
押出成型で作成した。次いで一段目120℃で5倍延
伸、二段目150℃で1.8倍の延伸を行い、フィルム
厚さ10μmの一軸延伸フィルムを得た。このフィルム
を10KV(陽極)の印加電圧下でアース板に接触させ
ながら1秒間の走行荷電処理をし、針密度60本/cm
2 の8突起体丸刃式開繊カッターでフィブリル化比を種
々変えて開繊を施し、しかる後75mmにカットしてカ
ードにてウェッブシートを作製、目付30g/m2 のウ
エッブAを作製した。
【0037】(実施例1)Br系難燃剤を30%練り込
んだ1000デニールのポリプロピレン製モノフィラメ
ントを平織り加工した。その際のフィラメントの打ち込
み本数は5本/inch2 .(開口率60%)として多
孔性補強シートを製造した。この補強シートのLOI値
は24であった。つぎに本シートとウェッブAを針密度
20本/cm2 、ストローク数340/minの条件で
ニードルパンチ法にて積層一体化し、エレクトレット繊
維層の繊維充填密度が0.05cc/ccの空気清浄フ
ィルタ濾材を得た。この濾材の燃焼性は燃焼速度50m
m/minの遅燃性の結果、すなわち合格であった。ま
た、初期圧力損失も20Paと低く、JIS15種の粉
塵負荷した場合に終圧に達するまでの圧損上昇が非常に
ゆるやかで、最終的に150g/m2 もの粉塵を保持で
き、すなわち目詰まりしにくい非常に長寿命タイプのも
のとなった。
【0038】(実施例2)1000デニールのポリエス
テル製マルチフィラメントに燐酸アンモニウムを30重
量%(DRY)で後加工添着したものを5本/inch
2 .(開口率52%)の打ち込み本数で多孔性補強シー
トを製造した。この補強シートのLOI値は25であっ
た。つぎに本シートとウェッブAを実施例1と同様の方
法で積層一体化し、エレクトレット繊維層の繊維充填密
度0.06cc/ccの空気清浄フィルタ濾材を得た。
この濾材の燃焼性は自消性、すなわち合格であった。ま
た、初期圧力損失、JIS15種粉塵供給量は実施例1
と同等レベルの高性能品であった。
【0039】(実施例3)繊維径0.1mmの塩化ビニ
ル製のモノフィラメントを3本/inch2 .(開口率
90%)の打ち込み本数で多孔性補強シートを製造し
た。この補強シートのLOI値は47であった。つぎに
本シートとウェッブAを実施例1と同様の方法で積層一
体化し、エレクトレット繊維層の繊維充填密度0.03
cc/ccの空気清浄フィルタ濾材を得た。この濾材の
燃焼性は自消性、すなわち合格であった。また、初期圧
力損失、JIS15種粉塵供給量は実施例1、2と同等
レベルの高性能品であった。
【0040】(比較例1)繊維径0.3mmの鉄製フィ
ラメントを5本/inch2 .(開口率60%)の打ち
込み本数で多孔性補強シートを製造した。この補強シー
トのLOI値は100であった。つぎに本シートとウェ
ッブAを上例と同様の方法で積層一体化処理後、エレク
トレット繊維層の繊維充填密度0.05cc/ccが空
気清浄フィルタ濾材を得た。この濾材の燃焼性は自消性
(不燃性)、すなわち合格ではあるが、焼却廃棄できな
い問題があった。
【0041】(比較例2)実施例2で示したLOI値が
25の多孔性補強シートにメルトブローン法により常套
手段でエレクトレット化した繊維充填密度0.09cc
/cc、目付30g/m2 のポリプロピレン不織布を、
重ね併せ空気清浄用フィルタ濾材を得た。この濾材の燃
焼性は自消性、すなわち合格ではあるがこの濾材はエレ
クトレット繊維層の充填密度が大きいため、初期圧力損
失が高く、かつJIS15種粉塵負荷による圧力損失の
増加が急で非常に目詰まりしやすい、すなわち低寿命の
濾材となった。
【0042】(比較例3)1000デニールのポリプロ
ピレン製モノフィラメントを平織り加工した。その際の
フィラメントの打ち込み本数は5本/inch2 .(開
口率70%)として多孔性補強シートを製造した。この
補強シートのLOI値は19であった。つぎに本シート
とウェッブAを上例と同様な方法で積層一体化し、エレ
クトレット繊維層の充填密度が0.05cc/ccの空
気清浄用フィルタ濾材を得た。この濾材は燃焼速度が1
00mm/minと速く、すなわち不合格であった。
【0043】(比較例4)実施例1で示した多孔性補強
シートとウェッブAを重ね併せ針密度40本/cm2
ストローク数340/minでニードルパンチしエレク
トレット繊維層の充填密度が0.10cc/ccの空気
清浄用フィルタ濾材を得た。この濾材の燃焼性は自消
性、すなわち合格ではあるが、エレクトレットスプリッ
ト繊維層の充填密度が0.10cc/ccと高いため、
初期圧力損失が高く、かつJIS15種粉塵負荷の際に
目詰まりが急で、すなわち低寿命であった。
【0044】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は低密度のエレ
クトレット繊維層とLOIを規定した多孔性補強シート
を含むフィルタ濾材であり、濾材自体が難燃性でありな
がら、焼却廃棄が可能であり、サブミクロンオーダーの
粒子や粗塵に対しての高捕集効率、高粉塵保持性を有
し、且つ、低圧力損失で、目詰まりのし難い長寿命フィ
ルタが実現できる。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】JISD1201の水平燃焼試験方法の説明図
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムスプリット型のエレクトレット
    繊維と多孔性補強シートを含む空気清浄用フィルタ濾材
    であって、前記フィルムスプリット型のエレクトレット
    繊維の充填密度が0.01〜0.07cc/ccであ
    り、且つ、前記多孔性補強シートのJISD1201で
    規定されるLOI値が23〜80であることを特徴とす
    る空気清浄用フィルタ濾材。
  2. 【請求項2】 JISD1201で規定される水平燃焼
    試験での評価が遅燃性又は自消性であることを特徴とす
    る請求項1に記載の空気清浄用フィルタ濾材。
  3. 【請求項3】 前記多孔性補強シートの開口率が50%
    〜95%であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の空気清浄用フィルタ濾材。
  4. 【請求項4】 JIS15種の粉塵保持量が70g/m
    2 以上であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の
    空気清浄用フィルタ濾材。
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