JPH114366A - デブロッキングフィルタ - Google Patents

デブロッキングフィルタ

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JPH114366A
JPH114366A JP9153425A JP15342597A JPH114366A JP H114366 A JPH114366 A JP H114366A JP 9153425 A JP9153425 A JP 9153425A JP 15342597 A JP15342597 A JP 15342597A JP H114366 A JPH114366 A JP H114366A
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吉道 大塚
Koichi Hamada
宏一 浜田
Eisuke Nakasu
英輔 中須
Yukihiro Nishida
幸博 西田
Katsunori Aoki
勝典 青木
Kikufumi Kanda
菊文 神田
Hirokazu Konishi
宏和 小西
Osamu Mizuno
修 水野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DCT(離散的コサイン変換)など直交変換
を基幹技術とする高能率符号化伝送方式で、符号化効率
が高い場合、復号画像にブロック歪やモキート歪が発生
することがある。本発明はこれら歪を低減するデブロッ
キングフィルタを提供する。 【解決手段】 本発明のデブロッキングフィルタは、ス
ルーを含む遮断特性の異なる複数の低域通過フィルタ1
−Nを用意し、フレーム差と画素間差(エッジ)をベー
スとした動き量に応じて(1)画素ごとに、前記低域通
過フィルタ1−Nを切り替えて(3)通すことを特徴と
し、また、低域通過フィルタ1−Nの切り替えをさらに
直交変換係数の量子化特性を記述する量子化パラメータ
で制限する(4)ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はDCT(離散的コ
サイン変換)など直交変換を基幹技術とする高能率符号
化画像(圧縮率の高い帯域圧縮画像伝送技術)の復号画
像処理技術に係り、特に、符号化効率が高い場合に復号
画像に発生するブロック歪やモスキート歪を低減するデ
ブロッキングフィルタ処理技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】国際標準化機関であるISO/IEC
JTC1/SC29 WG11の第4番目の研究フェー
ズとしてMPEG−4があり、超高能率符号化方式の標
準化作業が行われている。この研究の中でデブロッキン
グフィルタの検討も進められている。
【0003】このデブロッキングフィルタは未だ検討段
階ではあるが、一例をあげれば、図7に太線で示すよう
なVOP(Video Object Plane) の境界21近傍の画素
A,B,C,Dのうち前後の2画素または上下の2画素
のみに低域通過処理を施すフィルタである。低域通過フ
ィルタ処理が施される画素は図7において画素BとC
で、動き部分の有無とは無関係にそれぞれ値B1 とC1
で置き換えられる。B1 =B+Y C1 =C−Y だだし、Y=sign(X)×Max {0,|X|−Max (0,
0.2×|X|−Qp ) } ここで例えばMax (0, 0.2×|X|−Qp )とは0と0.
2 ×|X|−Qp のうち大きい方の値をとるという意味
である。 また、X=(3A−8B+8C−3D)/16 Qp :量子化パラメータ sign(X)はXの絶対値には無関係に次の値を与える関
数である。 Xがプラスの値をとる場合は sign(X)=+1 Xがマイナスの値をとる場合はsign(X)=−1 Xがゼロの場合は sign(X)=0
【0004】一方、画像の動きに応じてフィルタの通過
特性を変化させて、画像信号の性質に適応した良質の画
像を再生し得るようにしたものとして、例えば、本願人
の先の出願になる特開昭58−205377号公報記載
の「適応型時空間フィルタ」がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたデ
ブロッキングフィルタは、画像のボケ発生防止を重視し
たため通過帯域を広くしており、ブロックの境界の2画
素のみに適用するだけでは大きな効果は期待できなかっ
た。ブロック歪やモスキート歪を効果的に低減するため
には、より狭帯域の低域通過フィルタをブロックの境界
の2画素だけでなく画素全体にわたって適用する必要が
ある。しかし、単純に狭帯域の低域通過フィルタを適用
したのでは著しく画像がボケてしまう。
【0006】一方、画像の動きに応じてフィルタの通過
特性を変える従来の動き適応型フィルタでは、動き部分
の検出にはフレーム間差が用いられている。これは、内
挿補間の画質は専らフレーム間差に依存するからであ
る。しかし、後述するように画像に対する人の視覚特性
を利用するためには動き量を動き部分の画面上の移動量
としてとらえる必要がある。振幅の大きなエッジと振幅
の小さなエッジでは同じ移動量でも異なるフレーム間差
となるため、フレーム間差だけを用いてフィルタの通過
特性を変える処理をそのままデブロッキングフィルタに
適用することはできない。
【0007】従って本発明の目的は、これらの問題点を
解決しつつ効果的にブロック歪やモスキート歪を低減で
きるデブロッキングフィルタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係るデブロッキングフィルタは、符号化効
率が高い場合、その復号画像に発生するブロック歪やモ
スキート歪を軽減するため、直交変換を使用した高能率
符号化伝送による復号画像を入力せしめて画像処理する
デブロッキングフィルタにおいて、該フィルタが:入力
を共通にする遮断特性の異なる少なくとも一つの低域通
過フィルタと;入力画素値と前フレームの同一空間位置
の画素値とのフレーム間差の絶対値を入力画素と隣接画
素との画素値間差の絶対値で除して画像の動き量を求め
る手段と;求められた前記画像の動き量に応じ、前記少
なくとも一つの低域通過フィルタ出力信号と前記共通の
入力信号の中から、動き量が大きいほど通過帯域の狭い
信号を選択して出力するよう、画素ごとに適応的に切替
処理する信号切替手段と;を具備したことを特徴とする
ものである。
【0009】また、本発明のデブロッキングフィルタ
は、前記信号切替手段が、前記直交変換の係数の量子化
ステップに対応する量子化パラメータを入力とし、前記
量子化ステップの減少に伴い最も通過帯域の狭い前記低
域通過フィルタの出力信号から順次に前記信号切替手段
の選択肢から除外して選択肢の数を減少させるよう、量
子化パラメータによる制限を行う制限手段を備える構成
とすることができる。
【0010】さらにまた、本発明のデブロッキングフィ
ルタは、前記動き量を求める手段が、前記フレーム間差
の絶対値が予め定められた零を含まない第1のしきい値
以下である場合にそのフレーム間差を零に置き換え、か
つ、前記画素値間差の絶対値が予め定められた零を含ま
ない第2のしきい値以下である場合にその画素値間差を
その第2のしきい値に置き換えて、または、前記第2の
しきい値への置き換えのみを行って、動き量を求める除
算をおこなうよう構成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】画像に関する人の視覚特性につい
て考察するに、一般的に画像はカメラの蓄積効果により
(特別なシャッタを使用しない場合は、カメラは1/6
0秒でシャッタを切るシステムと等価であるため蓄積効
果が生じる)、動き部分はボケた画像として撮像される
が、視覚的にはボケて見えない。すなわち、視覚特性
は、 動き部分に対し高域強調型の特性をもつ。さらに同
じブロック歪であっても、 静止部分の固定パターンはあまり目立たず動き部分
の固定パターンが目につく。しかも、符号化の際、ブロ
ック歪やモスキート歪は動き部分に多く発生する。
は、画像をVTR等に録画し通常の速度でこれを再生し
てみるとそれほどボケで見えないのに、スチル再生する
と動き部分が著しくボケて見えることで理解できる。
は、動き部分に発生した固定パターンは動き物体を目が
追うことにより相対的に動いて見えるため、の性質で
高域が強調されることにより目立つようになることで説
明できる。
【0012】このような視覚の性質を利用し、画像の動
き部分の移動量(以下、動き量という)を検出し、動き
量の激しい領域で狭い通過帯域の低域通過フィルタ、動
きが緩やかになるにつれて徐々に広い通過帯域の低域通
過フィルタ、さらに静止部分ではフィルタをかけないと
いう手法を考えた(請求項1)。この手法は、高能率符
号化デコーダの量子化パラメータによらず、デブロッキ
ングフィルタ処理をデコーダ処理と独立に施せるという
特徴がある。
【0013】また、高能率符号化方式による復号画像の
画質劣化は原画像の内容に依存する。すなわち、符号化
が難しい画像、易しい画像が存在する。符号化が易しい
画像では、量子化ステップの細かい量子化処理が行われ
る確率が高く、ブロック歪やモスキート歪が発生する可
能性は小さいため、低域通過フィルタ処理する必要性は
小さい。一方、符号化が難しい画像では、量子化ステッ
プの粗い量子化処理が行われる確率が高く、ブロック歪
やモスキート歪が発生しやすいため、低域通過フィルタ
処理する必要性が大きい。
【0014】そこで、デコーダから量子化特性(量子化
ステップの細かい量子化を行うか粗い量子化を行うかを
示す指標)を表わすパラメータを取り出し、これを用い
て低域通過フィルタ処理に制限を設ければ、さらなる効
果が期待できる(請求項2)。但し、この手法を用いる
には、デコーダから量子化特性を表わすパラメータを出
力してこれをデブロッキングフィルタの入力とすること
が必要である。
【0015】
【実施例】以下添付図面を参照し実施例により本発明の
実施の形態を詳細に説明する。本発明デブロッキングフ
ィルタの第1および第2の実施例を図1および図2にブ
ロック線図として示す。従来技術におけるデブロッキン
グフィルタはブロック境界を介して隣接する2画素につ
いてのみをフィルタ出力に置き換えていたが、本発明デ
ブロッキングフィルタでは、フィルタをかけない信号
(スルー)と遮断特性の異なるN個の低域通過フィルタ
を動き部分の移動量(動き量)により適応的に切り替
え、全ての画素をこのフィルタ出力(スルーを含む)で
置き換えている。
【0016】図1および図2でフィルタ1は最も通過帯
域が広い低域通過フィルタ、フィルタ2は2番目に通過
帯域が広い低域通過フィルタ、フィルタNは最も通過帯
域が狭い低域通過フィルタであり、動き量検出回路1は
フレーム間差と画素間差をベースとした動き量の検出回
路、切替器2,3は動き量検出回路出力またはさらに制
限回路出力によりフィルタなしとフィルタ群の各出力の
中からひとつを選択して出力するための切替器であり、
制限回路4は量子化パラメータにより動き量を制限する
回路である。
【0017】本発明の第1および第2の実施例で用いら
れている複数のフィルタ(フィルタ群)の構成例を図3
に示す。図3は、2のベキ乗を分母とする簡単なフィル
タで水平方向のデブロッキングフィルタ群を構成した例
である。フィルタなし(フィルタ0)からフィルタ番号
が大きくなるに従いより狭帯域なフィルタとなってい
る。このフィルタ群のインパルスレスポンスすなわちタ
ップ係数を表1に示す。このフィルタ群では、表1の中
心タップに相当する処理対象画素をその画素の動き量に
応じてフィルタなし(フィルタ0)〜フィルタ7の出力
に置き換えている。図3の遅延素子1D,2D,4D,
6D,7Dおよび8Dはそれぞれ1,2,4,6,7お
よび8画素遅延素子で、+を丸で囲んだ記号は加算平均
回路(加算して2で割る)である。
【表1】
【0018】本発明の特徴は、前述したように動き部分
の移動量(動き量)に応じて適応的に通過帯域の異なる
低域通過フィルタ処理を行う点にあるが、通常のよう
に、動き部分の検出にフレーム間差を用いたのでは、振
幅の大きなエッジと振幅の小さなエッジで同じ動きでも
異なる値を与えるため、本発明では、動き量がエッジの
振幅によらない値となるよう考慮している。
【0019】エッジ振幅によらない動きとは動きベクト
ルに相当する。但し、ここでは動きベクトルの方向は必
要なく、動きベクトルの大きさだけが必要である。画素
単位に動きベクトルを求める方法の一つに勾配法があ
る。勾配法とは、図8にその原理を示すように、物体の
エッジが移動しているとき、エッジの傾き=(フレーム
間差)/(動き量)すなわち、動き量=(フレーム間
差)/(エッジの傾き)なる関係があることを利用し
て、動き量をフレーム間差とエッジの傾きの比で求める
動きベクトル検出法である。ここで、エッジの傾きとは
画素間差であり、このとき、動きベクトルの大きさはフ
レーム間差と画素間差の比となる。なお、この関係が成
り立つには、エッジがなまった波形であることが必要で
あるが、一般的な画像では動きエッジはカメラの蓄積効
果によりなまっているので問題はない。
【0020】図8で曲線22,23はそれぞれ1フレー
ム前および現フレームのエッジの波形を表わし、矢印2
4は動き量、直線25,26はそれぞれフレーム間差お
よびエッジの傾きを示している。
【0021】一般的な勾配法による動きベクトルの表現
は、水平、垂直、時間方向の3次元画像の変化(微分)
に直交する3次元ベクトルで与えられる。水平x、垂直
y、時間tの位置における画像の振幅をA(x,y,
t)で表わすとき、前記3次元ベクトルは、
【数1】 を満たす(X,Y,T)で与えられる。通常、動きベク
トルは1フレーム当りの値であるため、T=1として
(X,Y)を求めればよい。
【0022】勾配法による動き量検出はブロック構造を
もたず、いわば画素単位で動き量を検出できる長所があ
る反面、画像の平坦部または緩やかな変化部では、エッ
ジの傾きがゼロまたは小さな値になり、除算の分母がゼ
ロまたは小さな値となる演算が生ずる結果、画像に含ま
れるノイズの影響を受けやすいという欠点がある。そこ
で、ここでは次のようなしきい値処理を行いこの欠点を
補っている。
【0023】・分子であるフレーム差は第1のしきい値
以下の小さな値をゼロにする。 ・分母であるエッジの傾きは第2のしきい値以下の小さ
な値はそのしきい値の値に置換する。
【0024】これらしきい値は、入力信号のノイズに相
当する大きさに応じて予め定めておくが、入力が8ビッ
トで表される一般的画像の場合は、5〜10位の値が適
当であることが経験的に確かめられている。
【0025】上記勾配法による水平方向の動き量検出の
実施例を図4に示す。ただし、除算はハードウエアにな
じまず、ROMを用いたテーブル参照方式が現実的であ
る。この場合2つのしきい値処理と除算をひとつの参照
テーブルを用いて行うことができる。
【0026】図4で遅延素子2Dは2画素遅延素子、1
フレーム遅延5は1フレームに相当する時間だけ遅延す
る回路、絶対値化回路6,7はそれぞれ絶対値を計算す
る回路、第1のしきい値処理回路8は予め定められた第
1のしきい値以下の値を零にする回路、第2のしきい値
処理回路9は零でない予め定められた第2のしきい値以
下の値をそのしきい値の値とする回路、破線で囲まれた
部分10はROMで置き換え可能という意味、−を丸で
かこんだ記号は減算器、÷を四角でかこんだ記号は第1
のしきい値処理回路の出力を第2のしきい値処理回路の
出力で割る除算回路、平滑化回路11は2次元低域通過
フィルタによる信号の平滑化処理結果に応じたフィルタ
番号を出力する回路である。
【0027】上記勾配法で得られた動き量に対し、エッ
ジの連続性とフレーム間差の空間的連続性を考慮して平
滑化処理を施すと、さらにノイズに対する耐久性が強く
なる。平滑化回路の実施例を図5に示す。平滑化回路は
低域通過フィルタで実現でき、ここでは一例として3ラ
イン×5画素の平均をとる2次元低域通過フィルタで構
成した例を示した。そして、平滑化回路出力を図1また
は図2の切り替えるべきフィルタ群(スルーを含む)の
フィルタの出力数に合わせるため、ROMによる第1の
非線形処理を施している。図5の非線形処理回路14は
ROMなどの参照テーブルによりフィルタ群の低域通過
フィルタの出力数に基づくフィルタ番号を出力する回路
である。例えば水平方向のフィルタ群として図3のフィ
ルタ群を用いる場合の非線形処理は、平滑化回路出力を
非線形処理回路14に入力して、フィルタ番号を示すそ
の出力を8レベル、すなわち、3ビットとする処理であ
る。非線形処理回路14で具体的にどのような入出力の
対応関係を持たせるかはシステムに応じて実験的に定め
ればよい。但し、静止部分ではフィルタをスルーにする
ことが好ましい。
【0028】図5で遅延素子1D,1Hはそれぞれ1画
素および1ライン遅延素子、加算平均回路12,13は
それぞれ信号の加算平均を行う回路、非線形処理回路1
4はROMなどの参照テーブルによりフィルタ群の低域
通過フィルタの出力数に合わせたフィルタ番号を出力す
る回路である。
【0029】次に復号画像の画質が原画像に依存するこ
とを利用したデブロッキングフィルタについて説明す
る。ブロック歪やモスキート歪は原画像の内容に依存
し、符号化が易しい画像では量子化ステップの細かい量
子化処理が行われる確率が高く、これらの歪みは発生し
難い。そこで、DCTなどの直交変換係数を量子化する
量子化特性を表わすパラメータが、高能率符号化装置の
デコーダから得られる場合に、このパラメータを利用し
て切り替えるべきフィルタ群の選択肢を制限することを
考えた。
【0030】ここで、前述したように量子化パラメータ
は細かい量子化を行うか粗い量子化を行うかを示す指標
であり、例えば、MPEG−2ビデオコーディング勧告
ISO/IEC 13818−2の場合では、量子化パ
ラメータとしてquantiser_scale_co
deやquantizer_scaleを用いることが
できる。
【0031】実施例を図6に示す。図6では、量子化パ
ラメータを入力してROMによる第2の非線形処理を施
すようにした実施例を示した。この実施例では、図3の
フィルタ群および図5の平滑化回路を用いることを前提
に、非線形処理回路15の出力を8レベルすなわち3ビ
ットとし、切り替えるべきフィルタ群のフィルタの出力
数に合わせている。そして、非線形処理回路15は、量
子化パラメータの入力に応じて、量子化ステップの減少
に伴い、選技し得る低域通過フィルタの最大のフィルタ
番号を予め実験的に求めた対応関係に基づき減少させた
上で、その最大のフィルタ番号を出力する。次に、最小
値選択回路16で、図5の動き量から得られたフィルタ
番号と量子化パラメータから得られたフィルタ番号のう
ち、小さい方のフィルタ番号を出力する。こうすること
により、符号化がし易い画像(量子化ステップが細かい
画像)では動き量が大きくても通過帯域の広い低域通過
フィルタ(図3でフィルタ番号の小さい低域通過フィル
タ)により処理がなされ、必要以上に画質劣化を招くこ
とを防止することができる。図6の非線形処理回路15
も非線形処理回路14とおなじくROMなどの参照テー
ブルを用いてフィルタ群の低域通過フィルタの出力数に
合わせた制限後のフィルタ番号を出力するよう構成する
ことができる。
【0032】以上本発明の実施の形態をいくつかの実施
例により説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定
されることなく、発明の要旨内で各種の変形、変更が可
能である。
【0033】例えば、本発明の実施例は水平方向のデブ
ロッキングフィルタを例に述べたが、垂直方向のデブロ
ッキングフィルタも画素遅延をライン遅延に、ライン遅
延を画素遅延に置き換えて実現できる。実際には、水平
方向のデブロッキングフィルタと垂直方向のデブロッキ
ングフィルタをカスケードに接続して用いることにな
る。但し、垂直方向ブロック歪やモスキート歪は、テレ
ビジョン画面が走査線構造を持つことから水平方向に比
較して目立たない。このため、垂直方向の低域通過フィ
ルタは水平方向の低域通過フィルタより広帯域でよい。
また、切り替えて用いるフィルタの数も少なくてよい。
【0034】本発明実施の形態は、図3、表1に示す7
種類の低域通過フィルタ(+スルー)で実施する場合を
例に説明したが、フィルタの個数は少なくともひとつ以
上(スルーを含めて2つ以上)あればよく、その数と構
成は問わない。
【0035】また、本発明実施の形態では、動き量の計
算にあたり、分子であるフレーム差に第1のしきい値処
理を施す例を説明したが、この場合の第1のしきい値の
値はゼロであってもよい。すなわち、第1のしきい値処
理は行わなくてもよい。
【0036】さらに、本発明実施の形態では、3ライン
5画素の2次元低域通過フィルタで平滑化処理を行う例
を説明したが、他の平滑化処理の手法として任意のタッ
プ長の論理フィルタによるもの、低域通過フィルタによ
るもの、また、この両者のカスケード接続によるものな
どが考えられる。
【0037】
【発明の効果】本発明は、DCTなど直交変換を基幹技
術とする高能率符号化装置のデコーダにおいて符号化効
率が高い場合に発生するブロック歪やモスキート歪を低
減するデブロッキングフィルタに係わり、画像の動き量
を検出して、動いている部分で狭い通過帯域の低域通過
フィルタ、動きが遅くなるにつれてより広い通過帯域の
低域通過フィルタ、さらに、静止部分はフィルタをスル
ーにするようデブロッキングフィルタを構成した。その
結果、画像の静止部分ではフィルタ処理が施されず、動
きが速くなるに従って次第に狭い通過帯域の低域通過フ
ィルタ処理が画素ごとに施されるため、視覚特性を利用
したデブロッキングフィルタ処理が実現でき、ボケ感を
生ずることなく、効果的にブロック歪やモスキート歪を
低減できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施例構成ブロック線図
【図2】本発明第2の実施例構成ブロック線図
【図3】フィルタ群の構成例ブロック線図
【図4】動き量検出回路の実施例構成ブロック線図
【図5】平滑化回路の実施例構成ブロック線図
【図6】量子化パラメータによる制限回路の実施例構成
ブロック線図
【図7】従来技術におけるデブロッキングフィルタを説
明する図
【図8】勾配法による動きベクトル検出の原理を説明す
る図
【符号の説明】
1 動き量検出回路 2,3 切替器 4 制限回路 5 1フレーム遅延 6,7 絶対値化回路 8 第1のしきい値処理回路 9 第2のしきい値処理回路 10 ROM(リードオンリメモリ) 11 平滑化回路 12,13 加算平均回路 14,15 非線形処理回路 16 最小値選択回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 幸博 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 青木 勝典 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 神田 菊文 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 小西 宏和 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 水野 修 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 符号化効率が高い場合、その復号画像に
    発生するブロック歪やモスキート歪を軽減するため、直
    交変換を使用した高能率符号化伝送による復号画像を入
    力せしめて画像処理するデブロッキングフィルタにおい
    て、該フィルタが:入力を共通にする遮断特性の異なる
    少なくとも一つの低域通過フィルタと;入力画素値と前
    フレームの同一空間位置の画素値とのフレーム間差の絶
    対値を入力画素と隣接画素との画素値間差の絶対値で除
    して画像の動き量を求める手段と;求められた前記画像
    の動き量に応じ、前記少なくとも一つの低域通過フィル
    タ出力信号と前記共通の入力信号の中から、動き量が大
    きいほど通過帯域の狭い信号を選択して出力するよう、
    画素ごとに適応的に切替処理する信号切替手段と;を具
    備したことを特徴とするデブロッキングフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記信号切替手段が、前記直交変換の係
    数の量子化ステップに対応する量子化パラメータを入力
    とし、前記量子化ステップの減少に伴い最も通過帯域の
    狭い前記低域通過フィルタの出力信号から順次に前記信
    号切替手段の選択肢から除外して選択肢の数を減少させ
    るよう、量子化パラメータによる制限を行う制限手段を
    備えたことを特徴とする請求項1記載のデブロッキング
    フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記動き量を求める手段が、前記フレー
    ム間差の絶対値が予め定められた零を含まない第1のし
    きい値以下である場合にそのフレーム間差を零に置き換
    え、かつ、前記画素値間差の絶対値が予め定められた零
    を含まない第2のしきい値以下である場合にその画素値
    間差をその第2のしきい値に置き換えて、または、前記
    第2のしきい値への置き換えのみを行って、動き量を求
    める除算をおこなうよう構成したことを特徴とする請求
    項1または2記載のデブロッキングフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記動き量を求める手段が、前記除算結
    果に平滑化処理を施す平滑化処理手段をさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項3記載のデブロッキングフィル
    タ。
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