JPH1143610A - 極低温用高熱伝導絶縁材料および超電導ケーブル - Google Patents

極低温用高熱伝導絶縁材料および超電導ケーブル

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JPH1143610A
JPH1143610A JP9202007A JP20200797A JPH1143610A JP H1143610 A JPH1143610 A JP H1143610A JP 9202007 A JP9202007 A JP 9202007A JP 20200797 A JP20200797 A JP 20200797A JP H1143610 A JPH1143610 A JP H1143610A
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JP
Japan
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thermal conductivity
filler
insulating material
high thermal
superconductor
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JP9202007A
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Akinobu Ono
朗伸 小野
Hiroyuki Miyata
裕之 宮田
Shigeo Nagaya
重夫 長屋
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Fujikura Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
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Fujikura Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極低温において優れた熱伝導性を有する絶縁
材料および超電導体の冷却性、長尺化が可能で、しかも
製造が容易な超電導ケーブルを提供すること。 【解決手段】 樹脂と高熱伝導率を有する充填剤とを含
み、高熱伝導率を有する充填剤の含有量が5体積%以上
である極低温用高熱伝導絶縁材料である。前記充填剤は
アルミナ等である。超電導体1と絶縁体2とを有し、前
記超電導体1が冷媒により冷却される超電導ケーブルで
あって、絶縁体2が高熱伝導率を有する充填剤を5体積
%以上含んでなる超電導ケーブルである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は極低温用高熱伝導絶
縁材料および超電導ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】超電導ケーブルとして、図1に示すよう
に、金属パイプ等の冷却管3の上に超電導体1を撚りつ
けて層となし、該層の上に絶縁体2を施したものを銅管
(不図示)内に配設したものがある。そして、金属パイ
プ3内の冷媒通路4と、絶縁体2と銅管との間の冷媒通
路との両通路に冷媒を通じることにより、超電導体1は
内外両方向から冷却されて極低温とされる。超電導体1
を極低温に冷却するための冷媒として液体ヘリウム、液
体窒素等が用いられる。
【0003】ところで、絶縁体2は、低温脆性の点から
EPゴム或いは紙等の絶縁材料を用いて構成される。E
Pゴム等を絶縁体とする固体絶縁の場合、冷媒はEPゴ
ム等には含浸しないので、絶縁はEPゴム等のみが担
う。これに対して、紙を絶縁体とする紙絶縁の場合、液
体ヘリウム等の冷媒は紙に含浸される。このため、紙絶
縁の場合は、紙に含浸された冷媒も絶縁の役割を担う。
従って、一般の電力ケーブルと同様に、紙絶縁は高い信
頼性を有するのが特徴である。また、紙絶縁の場合、含
浸された冷媒が超電導体1に直接接触するので、超電導
体1の冷却効率に非常に優れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紙絶縁
の場合、冷媒を紙絶縁層に含浸させるために、ケーブル
の真空引きが必要であり、また、液体ヘリウム等の冷媒
を液体のまま循環させるために加圧などが必要となり、
長尺ケーブルとして実用化するのは非常に困難であっ
た。更に、紙絶縁の場合、不十分な真空引きが原因で水
分が紙に残ると、水分が冷却により氷となり、この氷が
絶縁性を悪化させるという問題があった。また、実際の
ケーブル敷設では、長尺ケーブル全長の真空引きは不可
能に近いという問題もあった。これらの問題のため、紙
絶縁の長尺化は、コスト、技術両面から事実上不可能で
あった。
【0005】上述の理由から、EPゴム等の樹脂を用い
た固体絶縁電線が注目を集めている。しかしながら、固
体絶縁の場合、絶縁体の熱伝導率が極めて低いので、導
体冷却効率が非常に悪いという問題があった。このた
め、EPゴムが絶縁材料の主流ではあるが、この材料を
用いた超電導ケーブルの実用化は困難であり、高い熱伝
導率を有する絶縁材料の開発が望まれていた。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、極低温において高い熱伝導率を有する絶縁材料およ
び超電導体の冷却性、長尺化が可能であるとともに、製
造が容易な超電導ケーブルを提供することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、樹脂と高
熱伝導率を有する充填剤とを含み、高熱伝導率を有する
充填剤の含有量が5体積%以上である極低温用高熱伝導
絶縁材料とすることで解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】高熱伝導率を有する充填剤の例
は、酸化珪素等の酸化珪素類を例とする金属酸化物、窒
化硼素、ベリリア等のセラミックであって、25゜Cに
おける熱伝導率が0.04cal/cm・sec・゜C
以上である電気絶縁性の充填剤である。これらの無機充
填剤は極低温域、例えば100K以下の極低温でも高い
熱伝導性を有するが、金属粉体等の充填剤とは異なり電
気絶縁性に優れる。前記充填剤の平均粒径が約1〜10
0μmであれば、絶縁材料は機械的性質に優れる。
【0009】前記性質を有する充填剤の他の例は、酸化
アルミニウム等の酸化アルミニウム類であり、酸化アル
ミニウム類は電気絶縁性の充填剤であるが、100K以
下の極低温でも高い熱伝導性を有する。酸化アルミニウ
ム類としてアルミナ、特に球状アルミナを用いると、樹
脂に充填し易いし、混練、成形時にアルミナが金型或い
は押出機等を磨耗させにくい。
【0010】窒化硼素(BN)は、酸化アルミニウム等
に比較して、高価で柔らかい材料であり、混練、成形時
に金型或いは押出機等を磨耗させにくい。また、酸化ア
ルミニウムに比較して、熱伝導性に特に優れた絶縁材料
を与える。従って、窒化硼素を用いると、熱伝導性等に
優れた高付加価値の極低温用高熱伝導絶縁材料が得られ
る。
【0011】一方、酸化アルミニウムは、窒化硼素に比
較すれば硬い材料であるが安価な材料であり、熱伝導性
にも優れるので、汎用性の極低温用高熱伝導絶縁材料が
得られる。
【0012】樹脂として、エチレンープロピレンゴム
(以下、EPということがある)、EPDMゴム、エチ
レンーオクテンコポリマー等のエラストマー、ポリエチ
レン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エポキシ樹脂
等が挙げられる。樹脂と高熱伝導率を有する充填剤とを
含む絶縁材料の熱伝導率は、樹脂の熱伝導率の影響を受
けるが、樹脂よりも高熱伝導率を有する充填剤の影響が
非常に大きい。従って、樹脂は熱伝導率よりもフィラー
の充填し易さを主眼にして選択されることが好ましい。
EPの例として、三井石油化学社製の「タフマー」が挙
げられ、このものはハイエチレンコンテントで結晶性が
ある。絶縁材料に可撓性が要求されない場合は、ポリス
チレン等のTgが高いポリオレフィンや、エポキシ樹脂
などの硬質性樹脂を用いることができる。樹脂が架橋さ
れていれば、絶縁材料は低温脆性に優れる。架橋剤とし
て過酸化物、硫黄等が挙げられる。
【0013】前記樹脂として、メタロセン触媒を用いて
製造された樹脂が特に好ましい。チーグラー触媒は活性
点が不均一であるので、チーグラー触媒を用いて合成さ
れたポリエチレン等の樹脂は分子量分布、共重合組成分
布がブロードとなり易い。これに対して、メタロセン触
媒は活性点が均一(シングルサイト)であるので、メタ
ロセン触媒を用いて製造された樹脂は分子量分布、共重
合組成分布がシャープであり、低分子量成分の含有量が
少ない。このため、メタロセン触媒を用いて製造された
樹脂に充填剤を含ませると、充填剤をより多く含ませる
ことができ、充填剤を多く含ませても機械的性質、耐外
傷性等が低下しにくい。また、メタロセンメタロセン触
媒を用いて製造された樹脂は密度が低くても、優れた機
械的強度を有するため、該樹脂には充填剤を多量に含ま
せることができる。EPが充填剤の充填性に劣るのは、
EPが低分子量の重合体を多く含み、分子量分布がブロ
ードであるためと推定される。なお、メタロセン触媒を
用いて製造されたポリエチレンは0.87g/cm3
度の密度、−76゜C以下の脆化温度を持つことができ
る。
【0014】高熱伝導率を有する充填剤の含有量は、該
充填剤と樹脂の合計体積に対して5体積%以上、好まし
くは、5〜40体積%である。このように多量に高熱伝
導率を有する充填剤を含むので、本発明の極低温用高熱
伝導絶縁材料は極低温において熱伝導性に優れる。高熱
伝導率を有する充填剤の含有量が5体積%未満である
と、極低温における熱伝導性が改良されにくい。約40
体積%(樹脂100重量部に対して約300重量部)を
超えると、絶縁材料は伸びが低下して脆くなり易い。高
熱伝導率を有する充填剤の含有量が5体積%以上であれ
ば、絶縁材料は室温(25゜C)において約0.3w/
mk以上の熱伝導率を有し、極低温においても高い熱伝
導率を有する。従って、本発明の極低温用高熱伝導絶縁
材料は、超電導体を冷却し且つ絶縁するための絶縁材料
として特に好適である。
【0015】本発明の極低温用高熱伝導絶縁材料は、樹
脂と高熱伝導率を有する充填剤とを必須成分として含む
が、老化防止剤、架橋剤、加工助剤、カーボンブラック
等の補強材、増量剤、顔料などを必要に応じて更に含ん
でもよい。
【0016】図1及び図2は、絶縁体が本発明の極低温
用高熱伝導絶縁材料から構成される超電導ケーブルの実
施形態例を示す断面図である。図1に示す超電導ケーブ
ルは、銅パイプ等の金属製の冷却管3の上に超電導体1
を有し、該超電導体1の上に絶縁体2を有するととも
に、前記絶縁体2が樹脂と高熱伝導率を有する充填剤と
を含み、高熱伝導率を有する充填剤の含有量が5体積%
以上である超電導ケーブルである。液体ヘリウム等の冷
媒を冷却管3内の冷媒通路4に通じることにより、この
超電導ケーブルの超電導体1を内側方向から冷却するこ
とができる。また、前記超電導ケーブルを銅管内に配設
して、冷却管3内の冷媒通路4と、絶縁体2と銅管との
間の冷媒通路とに冷媒を通じれば、超電導体1を内外両
方向から冷却することができる。しかも、高熱伝導率を
有する充填剤の含有量が5体積%以上であるので、熱伝
導性に優れ、冷媒による冷却効率に優れた超電導ケーブ
ルである。なお、絶縁体2の内側及び外側に半導電層を
設けてもよい。
【0017】図2に示す超電導ケーブルは他の例であっ
て、超電導体1の上に絶縁体2を有する線状体を冷却管
3の中に配設したものであって、前記絶縁体2が樹脂と
高熱伝導率を有する充填剤とを含み、高熱伝導率を有す
る充填剤の含有量が5体積%以上である超電導ケーブル
である。この例の超電導体1は絶縁体2を介して、冷媒
通路4を流れる冷媒により外方から冷却される。従っ
て、図2に示す超電導ケーブルは、図1に示す構造の超
電導ケーブルに比較すれば超電導体1の冷却性に劣る傾
向を有する。しかしながら、図2に示す超電導ケーブル
は超電導体1の内側には冷媒通路を有さないので、超電
導体1と絶縁材料2とからなる超電導線同士を接続し易
い。従って、長尺化して長距離の線路に用いることが容
易な超電導ケーブルである。
【0018】なお、超電導体として、Nb、NbTi、
Nb3Sn、V3Ga等の金属系超電導材料、或いはY1
Ba2Cu3x、(Bi,Pb)2Sr2Ca2Cu3x
の酸化物系超電導材料が挙げられる。
【0019】図1に示す構造の超電導ケーブルは、冷却
管3の外側にリボン状超電導体1を撚りつけて層とな
し、該層の上に本発明の絶縁材料を押出成形等により被
覆することで製造できる。また、図2に示す構造の超電
導ケーブルは、超電導体1の上に、本発明の絶縁材料を
押出被覆して絶縁体2を設けた線状体とし、該線状体を
冷却管3の中に配設することで製造できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を詳しく説明する。以下の試験
例において、部は全て重量部を意味する。 ー試験例1〜8ー アルミナとして、低ソーダアルミナ(球状アルミナ)を
準備した。このアルミナは真比重3.94で、平均粒径
が3μmの微粉体であり、室温における熱伝導率は3
6.0w/mkであった。ベース樹脂として、メタロセ
ン触媒を用いてエチレンを重合させたポリエチレン(以
下、メタロセンPEという)を準備した。このメタロセ
ンPEの密度は0.868g/cm3で、MFR(メル
トフローレイト)は0.5g/10minで、熱伝導率
(室温)は0.263w/mkであった。前記樹脂10
0部に対して、架橋剤であるDCP(ジクミルペルオキ
シド)3.5部と、老化防止剤(大内新興社製の商品名
「ノクラック300」)1部と、前記アルミナとを混合
した。なお、アルミナの配合量は、表1に示すように、
メタロセンPE100部に対して0〜450部の範囲で
変化させた。
【0021】次いで、これらの混合物を混練ロールを用
いて混練し、160゜Cで40分間圧縮成形し架橋させ
てシートを得た。そして、該シートの熱伝導率、機械的
性質、電気特性等を測定した。配合処方とともに、これ
らの測定結果を表1に示し、その測定結果の一部を図3
と図4とにグラフ化して示す。図3はアルミナの配合量
と熱伝導度との関係を示し、図4はアルミナの配合量と
機械的性質との関係を示す。表1における特性欄におい
て、◎印は非常に優れる、○印は優れる、△印はやや劣
る、×印は劣るを意味する。
【0022】
【表1】
【0023】なお、表1に示す特性の測定方法は次の通
りであった。 熱伝導率:QTM迅速熱伝導度計を用いて測定した。 破断強さ等:引張試験器である東洋精機製作所社製のス
トログラフPH−A1を用い、室温での引っ張り試験か
ら破断強さ、伸びを求め、室温での引き裂き試験から引
き裂き強さを求めた。なお、引張試験片としてダンベル
状3号形を、引き裂き試験片としてクレセント形試験片
を用いた。 低温脆性:ぜい化試験機を用い、JIS K7216に
より測定した。 AC耐圧性:装置として、150000V A.C.ト
ランスを用い、ランプ電圧(1kV/min)の昇圧条
件で、球一球電極とした。 体積抵抗率:超絶縁計を用い、JIS K6760のt
anδ測定法に定める電極を使用して測定した。
【0024】表1、図3及び図4から判るように、アル
ミナとメタロセンPEとを含有する絶縁材料の室温での
熱伝導率、モジュラス、引き裂き強度は、アルミナの配
合量とともにほぼ増加した。一方、表1及び図4から判
るように、アルミナの配合量がメタロセンPE100部
に対して450部(49.7体積%)である試験例8の
場合、伸びは50%以下であった。また、試験例8の組
成物は、低温脆性、AC耐圧性に劣り、体積抵抗率が低
かった。則ち、アルミナの配合量がアルミナとメタロセ
ンPEとの合計体積に対して約5〜40体積%である絶
縁材料は熱伝導度、機械的性質、電気的性質に優れた。
【0025】極低温(100K)における引張強度、A
C耐圧性、誘電正接等の特性に及ぼすアルミナ含有量及
び樹脂の種類の影響を調べた。樹脂として、EP、メタ
ロセンPEの2種類を用い、アルミナの含有量は12〜
36重量%の範囲とした。極低温特性を測定するための
試験片は、試験例1〜8と同様にして作製した。極低温
特性の測定結果を図5〜図7に示す。図5から判るよう
に、メタロセンPEにアルミナを5体積%(メタロセン
PEとアルミナとの合計重量に対して、約20重量%)
以上と多量に含ませても、100Kにおける引張強度
は、アルミナを配合しなかったものと殆ど相違がなかっ
た。図6及び図7から判るように、アルミナを5体積%
(約20重量%)以上含んでなる絶縁材料は、100K
において、AC耐圧性、誘電正接等の電気的性質に優れ
た。また、極低温における引張強度、AC耐圧性、誘電
正接は、樹脂としてメタロセンPEを用いる場合の方
が、樹脂としてEPを用いる場合よりも優れた。なお、
誘電正接はシェーリングブリッジにより測定した。
【0026】ー試験例9〜14ー 試験例1〜8におけるアルミナの代わりに、微粉末の窒
化硼素、球状アルミナを用い、且つ、窒化硼素の配合量
をベース樹脂100部に対して、29部、65部、11
9部とし、球状アルミナの配合量をベース樹脂100部
に対して、50部、114部、195部とした以外は、
試験例1〜8と同様にしてシートを作成し、該シートの
熱伝導率、機械的性質、電気特性等を測定した。配合処
方とともに、これらの測定結果を表2に示し、図8に
は、窒化硼素、球状アルミナの配合量と熱伝導率(29
8Kで測定)の実測値との関係をグラフ化して示した。
表2における特性欄における、◎印、○印、△印、×印
の意味するところ、測定法は、表1の場合と同じであ
る。
【0027】
【表2】
【0028】表2から、窒化硼素を、窒化硼素とベース
樹脂に対して10、20、30体積%含む試験例9〜1
1の絶縁材料は、球状アルミナを用いた試験例12〜1
4の絶縁材料と同様に、破断強さ、引き裂き強さ、破断
伸び、低温脆性、AC耐圧性に優れ、体積抵抗率が大き
かった。また、充填材の体積%が同一の場合、窒化硼素
を充填剤として用いると、球状アルミナを用いる場合に
比較して、熱伝導率に優れた絶縁材料が得られることが
図8から判る。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明の極低温用高
熱伝導絶縁材料は、高熱伝導率を有する充填剤を5体積
%以上含んでいるので、極低温において熱伝導性に優れ
る。従って、超電導体を絶縁するための絶縁材料として
特に好適である。また、本発明の超電導ケーブルは、絶
縁体が高熱伝導率を有する充填剤を5体積%以上含んで
いるので、冷媒による超電導体の冷却性に優れる。従っ
て、クエンチが発生しない超電導ケーブルである。ま
た、絶縁体は樹脂と高熱伝導率を有する充填剤とを含む
絶縁材料から構成されるので、製造が容易で、長尺化が
可能な超電導ケーブルである。従って、本発明の超電導
ケーブルは、100K以下に冷却されて用いられる極低
温用ケーブルとして有用であり、例えば、電力輸送等の
用途に用いるのに好適なケーブルである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態例の超電導ケーブルを示
す断面図である。
【図2】 本発明の他の実施形態例の超電導ケーブルを
示す断面図である。
【図3】 アルミナ配合量と熱伝導率との関係を示すグ
ラフである。
【図4】 アルミナ配合量と室温での機械的性質の関係
を示すグラフである。
【図5】 アルミナ充填量と極低温での引張特性との関
係を示すグラフである。
【図6】 アルミナ充填量と極低温でのAC耐圧性との
関係を示すグラフである。
【図7】 アルミナの充填量と極低温での誘電正接との
関係を示すグラフである。
【図8】 窒化硼素、アルミナの配合量と熱伝導率との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・超電導体、2・・絶縁体、3・・冷却管、4・・
冷媒通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長屋 重夫 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社電力技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂と高熱伝導率を有する充填剤とを含
    み、高熱伝導率を有する充填剤の含有量が5体積%以上
    である極低温用高熱伝導絶縁材料。
  2. 【請求項2】 高熱伝導率を有する充填剤が酸化アルミ
    ニウムであることを特徴とする請求項1記載の極低温用
    高熱伝導絶縁材料。
  3. 【請求項3】 高熱伝導率を有する充填剤が窒化硼素で
    あることを特徴とする請求項1記載の極低温用高熱伝導
    絶縁材料。
  4. 【請求項4】 超電導体と絶縁体とを有し、前記超電導
    体が冷媒により冷却される超電導ケーブルであって、前
    記絶縁体が樹脂と高熱伝導率を有する充填剤とを含み、
    高熱伝導率を有する充填剤の含有量が5体積%以上であ
    る超電導ケーブル。
JP9202007A 1997-07-28 1997-07-28 極低温用高熱伝導絶縁材料および超電導ケーブル Pending JPH1143610A (ja)

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