JPH1141451A - 情報埋込方法と情報埋込装置と埋込情報読取方法と埋込情報読取装置 - Google Patents

情報埋込方法と情報埋込装置と埋込情報読取方法と埋込情報読取装置

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JPH1141451A
JPH1141451A JP9196937A JP19693797A JPH1141451A JP H1141451 A JPH1141451 A JP H1141451A JP 9196937 A JP9196937 A JP 9196937A JP 19693797 A JP19693797 A JP 19693797A JP H1141451 A JPH1141451 A JP H1141451A
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JP9196937A
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English (en)
Inventor
Noboru Katsuta
昇 勝田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の劣化が少なく、かつ圧縮処理や画素の
位置ずれによっても情報が消失しにくい情報埋込装置と
埋込情報読取装置を実現すること。 【解決手段】 埋込パターン生成処理部1は、埋め込み
情報を入力し、ストライプ状の埋め込みパターンに変換
する。転置処理部2は変換されたパターンを一筆書き状
に走査して転置処理し、埋込処理部3がその画素値を原
画像に加算する。埋込情報読取装置においては、逆転置
処理部4は情報が挿入された信号を入力し、逆転置処理
を行い、埋め込みパターンを復号する。埋込パターン検
出部は入力画素の統計処理を行い、埋め込み情報を確定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像中に透かし画
像を生成することにより、秘密通信を行ったり、画像中
に著作権情報を埋め込む技術に係わり、特に画像信号中
にパターン情報を気づかれないように埋め込む情報埋込
方法及び情報埋込装置と、その情報を読み取る埋込情報
読取方法及び埋込情報読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の情報埋込装置の例としては、例え
ば日経エレクトロニクス1997年2月24号p99‐p
123 にその解説記事がある。従来の代表的な情報埋込方
法の1つとして、目立たない程度の値で情報をランダム
に加工し、加工された情報を画像中の画素値に加算して
いくものがある。また他の情報埋込方法として、DCT
など周波数成分に変換した領域で、目立たないレベルで
情報を加える方法等がある。
【0003】前者の例としては、画像を複数の画像ブロ
ックに分割し、そのブロックにランダムな埋め込みパタ
ーンを足し合わせる方法がある。この埋め込みパターン
は、+1又は−1 をランダムに並べたものである。後者
の例としては、画像をDCT変換した後、その周波数成
分にランダムなパターンを埋め込むものである。埋め込
み情報を読み出すときは、ランダムパターンに従って情
報を取り出して読み取る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記のよ
うな構成では、埋め込んだ情報を正しく読み取るのが困
難である場合が多い。即ち情報が埋め込まれた画像をそ
のまま読み取り処理をする場合は、比較的容易に情報を
読み取ることができるが、画像を伝送又は蓄積する場合
に圧縮符号化が行われたり、ディジタル/アナログ変換
処理などが行われた場合は、情報を正しく読み取るのが
困難である。例えば、画像を複数のブロックに分割して
情報を埋め込んだ場合、そのブロックを読み取り側で正
しく識別する必要がある。このときディジタル/アナロ
グ変換等を行った場合、その位置は数画素程度ずれるこ
ともあり、ランダムにデータを埋め込んだ場合は、全く
異なる位置を埋め込み位置として誤検出してしまう問題
があった。
【0005】また、埋め込み位置をランダムに決める
と、埋め込み位置の画素が周りの画素より埋め込み情報
分大きいか又は小さい値となり、高周波の成分を発生さ
せることになる。これでは、高周波成分を減らす傾向の
ある画像圧縮符号化時においては、埋め込み情報が消え
てしまうか、もしくは圧縮効率を極端に低下させてしま
う。このような悪影響を防止するため、圧縮の際に用い
るDCT係数に変換した段階で、埋め込み情報を足し合
わせる方法もある。この方法では、アナログのVTRに
画像を記録した後、その画像を取り出すときに、そのブ
ロックが正しく検出できないことで、埋め込み情報が正
しく読み取れないことがある。また、周波数領域への情
報埋め込みでは、一旦、周波数領域で変換する処理が必
要であり、情報の読み出しを行う演算量が多くなるとい
う問題点もあった。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、埋め込み情報を読み出すのに
処理が容易で、圧縮処理においても埋め込み情報が失わ
れにくく、読み取りの際に位置ずれに強い特徴を有する
情報埋込方法及び情報埋込装置、並びに埋込情報読取方
法及び埋込情報読取装置を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本願の請求項1記載の発明によれば、 画像デー
タX中に埋込情報Bを埋め込む情報埋込方法であって、
前記埋込情報Bを埋込パターンPに変換し、前記埋込パ
ターンPを構成する各画素を、所定の画素範囲内で蛇行
する道筋Rに沿って順次走査し、埋込パターンPの位置
(l,m)の画素値YP [l,m]を、位置(i,j)
の画素値YQ [i,j]として転置処理し、画素値YQ
[i,j]を、位置(i,j)の画像データX[i,
j]に加算処理したものを埋込画素データYQX[i,
j]として出力することを特徴とするものである。
【0008】この方法によれば、埋込パターンPを部分
的に蛇行するように走査されるので、同一画素値が連続
的に取り出されることになる。
【0009】また請求項2記載の発明によれば、請求項
1の情報埋込方法において、前記転置処理の走査道筋R
において、互いに近接する走査番号をk−s、kとする
とき、転置処理を開始する画素YP (lk ,mk )が、
転置処理済の画素YP (lk-S ,mk-S )と隣接するこ
とを特徴とするものである。
【0010】この方法によれば、埋込パターンPの幅に
合致するよう、ジグサグ状(蛇行)に走査されるので、
同一画素値が連続的に取り出されることになる。また転
置後の画素位置が攪乱されるので、埋込パターンPが認
識されにくくなる。
【0011】また請求項3記載の発明によれば、請求項
1の情報埋込方法において、画素値YQ [i,j]を画
像データX[i,j]に加算処理するとき、画素値YQ
[i,j]を画像データX[i,j]の振幅に対応した
値に変換して加算することを特徴とするものである。
【0012】また請求項4記載の発明によれば、請求項
1の情報埋込方法において、画素値YQ [i,j]を画
像データX[i,j]に加算処理するとき、画像データ
Xの位置(i,j)の近傍の画素の輝度の分散値に応じ
て画素値YQ [i,j]の振幅を制御して加算すること
を特徴とするものである。
【0013】また請求項5記載の発明によれば、請求項
1の情報埋込方法において、前記埋込パターンPは、前
記埋込情報Bのビット列に対応した行方向のストライプ
パターンであることを特徴とするものである。
【0014】また請求項6記載の発明によれば、請求項
1の情報埋込方法において、前記埋込パターンPは、前
記埋込情報Bのビット列に対応した列方向のストライプ
パターンであることを特徴とするものである。
【0015】また請求項7記載の発明によれば、請求項
5記載の情報埋込方法で埋込情報Bが埋め込まれた埋込
画素データYQX[i,j]を入力し、前記埋込情報Bを
抽出する埋込情報読取方法であって、位置(i,j)の
画素値YQX[i,j]を、位置(l,m)の画素値YP
[l,m]に逆転置処理し、lの値をパラメータとして
同一水平位置(l,m)の画素値YP [l,m]を複数
のlに対して累積加算し、累積加算値から前記埋込パタ
ーンPを抽出し、前記埋込パターンPから埋込情報Bを
確定することを特徴とするものである。
【0016】また請求項8記載の発明によれば、請求項
6記載の情報埋込方法で埋込情報Bが埋め込まれた埋込
画素データYQX[i,j]を入力し、前記埋込情報Bを
抽出する埋込情報読取方法であって、位置(i,j)の
画素値YQX[i,j]を、位置(l,m)の画素値YP
[l,m]に逆転置処理し、mの値をパラメータとして
同一垂直位置(l,m)の画素値YP [l,m]を複数
のmに対して累積加算し、累積加算値から前記埋込パタ
ーンPを抽出し、前記埋込パターンPから埋込情報Bを
確定することを特徴とするものである。
【0017】また請求項9記載の発明によれば、請求項
5記載の情報埋込方法で埋込情報Bが埋め込まれた埋込
画素データYQX[i,j]を入力し、前記埋込情報Bを
抽出する埋込情報読取方法であって、位置(i,j)の
画素値YQX[i,j]を、位置(l,m)の画素値YP
[l,m]に逆転置処理し、lの値をパラメータとして
同一水平位置(l,m)の画素値YP [l,m]を複数
のlに対してm±Δmの範囲内で累積加算して第1の累
積加算値を求め、m+n<m+ 、m−n>m-を満足す
る一定範囲のm+ 、m- に対して、lの値をパラメータ
として同一水平位置(l,m+ )の画素値YP [l,m
+ ]を複数のlに対して累積加算して第2の累積加算値
を求め、lの値をパラメータとして同一水平位置(l,
- )の画素値YP [l,m- ]を複数のlに対してm
±Δmの範囲内で累積加算して第3の累積加算値を求
め、前記第1の累積加算値と前記第2及び第3の累積加
算値との差分値に基づいて前記埋込パターンPを抽出
し、前記埋込パターンPから埋込情報Bを確定すること
を特徴とするものである。
【0018】また請求項10記載の発明によれば、請求
項6記載の情報埋込方法で埋込情報Bが埋め込まれた埋
込画素データYQX[i,j]を入力し、前記埋込情報B
を抽出する埋込情報読取方法であって、位置(i,j)
の画素値YQX[i,j]を、位置(l,m)の画素値Y
P [l,m]に逆転置処理し、mの値をパラメータとし
て同一垂直位置(l,m)の画素値YP [l,m]を複
数のmに対してl±Δlの範囲内で累積加算して第1の
累積加算値を求め、l+n<l+ 、l−n>l- を満足
する一定範囲のl+ 、l- に対して、mの値をパラメー
タとして同一垂直位置(l+ ,m)の画素値Y
P [l+ ,m]を複数のmに対して累積加算して第2の
累積加算値を求め、mの値をパラメータとして同一垂直
位置(l- ,m)の画素値YP [l- ,m]を複数のm
に対してl±Δlの範囲内で累積加算して第3の累積加
算値を求め、前記第1の累積加算値と前記第2及び第3
の累積加算値との差分値に基づいて前記埋込パターンP
を抽出し、前記埋込パターンPから埋込情報Bを確定す
ることを特徴とするものである。
【0019】また請求項11記載の発明によれば、画像
データX中に埋込情報Bを埋め込む情報埋込装置であっ
て、前記埋込情報Bを埋込パターンPに変換する埋込パ
ターン生成処理部と、前記埋込パターン生成処理部で生
成された埋込パターンPを構成する各画素を、所定の画
素範囲内の位置で蛇行する道筋Rに沿って順次走査し、
埋込パターンPの位置(l,m)の画素値YP [l,
m]を、位置(i,j)の画素値YQ [i,j]として
転置処理する転置処理部と、前記転置処理部で転置処理
された画素値YQ [i,j]を、位置(i,j)の画像
データX[i,j]に加算処理したものを埋込画素デー
タYQX[i,j]として出力する埋込処理部と、を具備
することを特徴とするものである。
【0020】また請求項12記載の発明によれば、請求
項11の情報埋込装置において、前記転置処理部は、走
査道筋Rにおいて、互いに近接する走査番号をk−s、
kとするとき、転置処理を開始する画素YP (lk ,m
k )が、転置処理済の画素YP (lk-S ,mk-S )と隣
接するよう転置処理することを特徴とするものである。
【0021】また請求項13記載の発明によれば、請求
項11の情報埋込装置において、前記埋込処理部は、画
素値YQ [i,j]を画像データX[i,j]に加算処
理するとき、画素値YQ [i,j]を画像データX
[i,j]の振幅に対応した値に変換して加算すること
を特徴とするものである。
【0022】また請求項14記載の発明によれば、請求
項11の情報埋込装置において、前記埋込処理部は、画
素値YQ [i,j]を画像データX[i,j]に加算処
理するとき、位置(i,j)近傍に位置する画像データ
Xの分散値に応じて画素値YQ [i,j]の振幅を制御
して加算することを特徴とするものである。
【0023】また請求項15記載の発明によれば、請求
項11の情報埋込装置において、埋込パターン生成処理
部は、前記埋込情報Bのビット列に対応した行方向のス
トライプパターンを、前記埋込パターンPとして生成す
ることを特徴とするものである。
【0024】また請求項16記載の発明によれば、請求
項11の情報埋込装置において、埋込パターン生成処理
部は、前記埋込情報Bのビット列に対応した列方向のス
トライプパターンを、前記埋込パターンPとして生成す
ることを特徴とするものである。
【0025】また請求項17記載の発明によれば、画像
データX中に埋込情報Bを埋め込む情報埋込装置であっ
て、前記埋込情報Bを埋込パターンPに変換する埋込パ
ターン生成処理部と、前記埋込パターン生成処理部で生
成された埋込パターンPを構成する各画素を、所定の画
素範囲内の位置で蛇行する道筋Rに沿って順次走査し、
埋込パターンPの位置(l,m)の画素値YP [l,
m]を位置(i,j)の画素値YQ [i,j]として転
置処理する転置処理部と、前記転置処理部で転置処理さ
れた画素値YQ [i,j]から成る画像をDCT変換す
るDCT変換処理部と、画像データX[i,j]から成
る原画像を入力し、DCT変換を用いて圧縮符号化を行
う圧縮符号化部と、前記DCT変換処理部から出力され
る第1の変換係数と前記圧縮符号化部から出力される第
2の変換係数とを合成し、符号化画像データを出力する
加算処理部と、を具備することを特徴とするものであ
る。
【0026】また請求項18記載の発明によれば、請求
項15記載の情報埋込装置で埋込情報Bが埋め込まれた
埋込画素データYQX[i,j]を入力し、前記埋込情報
Bを抽出する埋込情報読取装置であって、位置(i,
j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,m)の画素
値YP [l,m]に逆転置処理する逆転置処理部と、l
の値をパラメータとして、前記逆転置処理部で得られた
同一水平位置(l,m)の画素値YP [l,m]を、複
数のlに対して累積加算し、累積加算値から前記埋込パ
ターンPを抽出する埋め込みパターン検出部と、を具備
する特徴とするものである。
【0027】また請求項19記載の発明によれば、請求
項16記載の情報埋込装置で埋込情報Bが埋め込まれた
埋込画素データYQX[i,j]を入力し、前記埋込情報
Bを抽出する埋込情報読取装置であって、位置(i,
j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,m)の画素
値YP [l,m]に逆転置処理する逆転置処理部と、m
の値をパラメータとして、前記逆転置処理部で得られた
同一垂直位置(l,m)の画素値YP [l,m]を、複
数のmに対して累積加算し、累積加算値から前記埋込パ
ターンPを抽出する埋め込みパターン検出部と、を具備
する特徴とするものである。
【0028】また請求項20記載の発明によれば、請求
項15記載の情報埋込装置で埋込情報Bが埋め込まれた
埋込画素データYQX[i,j]を入力し、前記埋込情報
Bを抽出する埋込情報読取装置であって、位置(i,
j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,m)の画素
値YP [l,m]に逆転置処理する逆転置処理部と、l
の値をパラメータとして同一水平位置(l,m)の画素
値YP [l,m]を複数のlに対して累積加算してm±
Δmの範囲内で第1の累積加算値を求め、m+n<
+ 、m−n>m- を満足する一定範囲のm+ 、m-
対して、lの値をパラメータとして同一水平位置(l,
+ )の画素値YP [l,m+ ]を複数のlに対して累
積加算して第2の累積加算値を求め、lの値をパラメー
タとして同一水平位置(l,m- )の画素値YP [l,
- ]を複数のlに対してm±Δmの範囲内で累積加算
して第3の累積加算値を求め、前記第1の累積加算値と
前記第2及び第3の累積加算値との差分値に基づいて前
記埋込パターンPを抽出する埋め込みパターン検出部
と、を具備する特徴とするものである。
【0029】また請求項21記載の発明によれば、請求
項16記載の情報埋込装置で埋込情報Bが埋め込まれた
埋込画素データYQX[i,j]を入力し、前記埋込情報
Bを抽出する埋込情報読取装置であって、位置(i,
j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,m)の画素
値YP [l,m]に逆転置処理する逆転置処理部と、m
の値をパラメータとして同一垂直位置(l,m)の画素
値YP [l,m]を複数のmに対してl±Δlの範囲内
で累積加算して第1の累積加算値を求め、l+n<
+ 、l−n>l- を満足する一定範囲のl+ 、l-
対して、mの値をパラメータとして同一垂直位置
(l+ ,m)の画素値YP [l+ ,m]を複数のmに対
して累積加算して第2の累積加算値を求め、mの値をパ
ラメータとして同一垂直位置(l- ,m)の画素値YP
[l- ,m]を複数のmに対してl±Δlの範囲内で累
積加算して第3の累積加算値を求め、前記第1の累積加
算値と前記第2及び第3の累積加算値との差分値に基づ
いて前記埋込パターンPを抽出する埋め込みパターン検
出部と、を具備する特徴とするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)以下、本発明の実施の形態1における
情報埋込方法及び情報埋込装置、並びに埋込情報読取方
法及び埋込情報読取装置について、図1〜図7を用いて
説明する。図1(a)は本実施の形態における情報埋込
装置の構成図であり、図1(b)は埋込情報読取装置の
構成図である。情報埋込装置は図1(a)に示すよう
に、埋込パターン生成処理部1、転置処理部2、埋込処
理部3を含んで構成される。
【0031】埋込パターン生成処理部1は、埋込情報B
を埋込パターンPに変換するものである。転置処理部2
は、埋込パターン生成処理部1で生成された埋込パター
ンPを構成する各画素を、所定の画素範囲内の位置で蛇
行する道筋Rに沿って順次走査し、埋込パターンPの位
置(l,m)の画素値YP [l,m]を、位置(i,
j)の画素値YQ [i,j]として転置処理するもので
ある。埋込処理部3は、転置処理部2で転置処理された
画素値YQ [i,j]を、位置(i,j)の画像データ
X[i,j]に加算処理したものを埋込画素データYQX
[i,j]として出力するものである。
【0032】また埋込情報読取装置は図1(b)に示す
ように、逆転置処理部4、埋込パターン検出部5を含ん
で構成される。逆転置処理部4は、埋込画素データYQX
[i,j]が入力されると、位置(i,j)の画素値Y
QX[i,j]を、位置(l,m)の画素値YP [l,
m]に逆転置処理するものである。埋め込みパターン検
出部5は、l又はmの値をパラメータとして、逆転置処
理部4で得られた同一水平位置又は垂直位置(l,m)
の画素値YP [l,m]を、複数のl又はmに対して累
積加算し、累積加算値から埋込パターンPを抽出するも
のである。
【0033】このような構成の情報埋込装置と埋込情報
読取装置の動作について説明する。図2は情報埋込方法
と埋込情報読取方法の説明図である。埋込パターン生成
処理部1には、ビット列で表現された埋め込み情報Bが
入力される。図2(a)に示すように、埋め込み情報B
を例えば”101”とする。埋込パターン生成処理部1
では、ビット列の各ビット対応させた列領域を、そのビ
ット値に従ってパターン化する。即ち、埋め込みビット
1の場合は1、埋め込みビット0の場合は、−1として
ストライプ状の埋め込みパターンPを生成する。
【0034】生成された埋め込みパターンは転置処理部
2に入力され、例えば擬似雑音PNを用いてランダム化
され、図2(b)のように埋め込み画像パターンの画素
Q[i,j]が生成される。
【0035】図3は、転置処理部2内の処理例を示す説
明図である。通常、画像は1行めから順番にh列(hは
水平方向の画素数)まで順次走査されるが、図3のよう
な擬雑音PNに基づいて蛇行して走査し、取り出した各
画素値を順次走査することで画素を並びかえる。
【0036】以下、その取り出し方法を図4及び図5の
フローチャートを用いて説明する。ステップ101で転
置処理を開始すると、ステップ102に進み、転置処理
後の画像パターンの位置(i,j)を初期化する。また
転置処理前の画像の位置(l,m)と、mの中間処理値
m1、m2を初期化する。次のステップ103では、i
の値が4か否かを判定し、iが4であれば、5行(5ラ
イン)目と判断し、ステップ104に移り、iが4でな
ければステップ105に移る。
【0037】ステップ105では転置前の画素Y
P [l,m]を転置後の画素YQ [i,j]に変換す
る。尚、Y[x,y]は位置(x,y)における画素の
輝度値を表す。最初はYP [l,m]=YQ [i,j]
=Y[0,0]である。ステップ106に移ると、lが
0で、且つmが偶数か否かを調べ、lが0で、且つmが
偶数であればステップ110に進み、擬似乱数PNの読
み込み処理を行う。ステップ106においてlが0で、
且つmが偶数の両条件を満足しなければ、lの値に応じ
て図5のステップ107〜ステップ109のいずれかに
進む。
【0038】ステップ107でl=0であれば、ステッ
プ111に進み、mの値をインクリメントし、更新した
mの値をm2として一時保持する。ステップ107でl
=0でなければ、ステップ108に進み、l=1か否か
を調べる。l=1であればステップ116に進み、次の
処理を行う。即ちm>m1なら、mの値をディクリメン
トする。m>m1でなくm1がm2以下なら、lの値を
インクリメントする。それ以外の場合は、lの値をディ
クリメントする。
【0039】ステップ108において、l=1でなけれ
ばステップ109に進み、l=2か否かを調べる。l=
2であればステップ112に進み、次の処理を行う。即
ち、mが偶数であれば、lの値をインクリメントする。
それ以外で且つm1がm2以下なら、mの値をインクリ
メントする。それ以外の場合、lの値をディクリメント
する。
【0040】ステップ109において、l=2でなけれ
ばステップ113に進み、次の処理を行う。即ちmが偶
数であれば、mの値をインクリメントし、その値をm1
として一時記憶する。それ以外の場合は、lの値をディ
クリメントする。
【0041】一方、ステップ110で擬似乱数PNの読
み込み処理が終了すれば、ステップ114に進み、mの
値がh−2なら、擬似乱数PNの値を1にし、mの値が
h−2でなければなにもしない。ステップ115に移る
と、擬似乱数PNの値を調べる。PN=1のときはlの
値をインクリメントする。PN=0のときはmの値をイ
ンクリメントし、その値mをm2として一時記憶する。
【0042】ステップ115、111、116、11
2、113のいずれかの処理が終了すると、ステップ1
17に移り、jの値をインクリメントする。次にステッ
プ118に進み、jの値がh未満か否かを調べる。j=
hであれば、転置後の画素位置が走査ラインの終端に来
ていると判定し、次の4ラインの走査を開始する。この
場合ステップ119に移り、j=0とし、iの値をイン
クリメントして元のステップ103に戻る。こうしてi
の値が4になるまで同様の処理を繰り返す。またステッ
プ118でj<hであれば、転置後の画素位置が走査ラ
インの終端に来ていないと判定し、ステップ105に戻
って、同様の転置処理を続ける。
【0043】以上のように図1(a)の転置処理部2は
4行の画素毎に処理を行う。埋込処理部3は、図2
(c)に示すような原画像を入力し、この原画像に対し
て転置処理部2からの埋め込みパターンを加算する。こ
うすると図2(d)のような埋込情報が隠された透かし
入りの画像が生成される。
【0044】埋込処理部3の動作について図6の構成図
を用いて詳細に説明する。埋込処理部3は、分散算出部
6、閾値処理部7、出力選択部8、第1の乗算部9、第
2の乗算部10、第1の加算部11、第2の加算部12
を含んで構成される。原画像および埋め込み画像パター
ンは、互いに同期してライン毎に順に入力される。分散
算出部6は、入力された原画像の画素と、過去の8画素
を用いて分散値を算出し、閾値処理部7に送る。閾値処
理部7は、分散値が所定の閾値以上の場合に、情報を埋
め込んでも目立ちにくい場所と判断し、領域検出信号を
出力選択部8に与える。
【0045】乗算部9は入力された原画像の画素値を1.
05倍に変換し、乗算部10は入力された原画像の画素
値を0.97倍に変換する。加算部11は入力された原
画像の画素値に1を加算し、第2の加算部12は入力さ
れた原画像の画素値に−1を加算する。乗算部9、1
0、加算部11、12の各出力と、原画像の画素値は共
に出力選択部8に入力される。出力選択部8では、埋め
込み画像パターンの画素値と領域検出信号に基づき、以
下のような判断に基づき、信号を選択して出力する。
【0046】埋め込み画像パターンが0の場合、出力選
択部8は原画像の画素値を選択し出力する。埋め込みパ
ターンが1の場合、出力選択部8は、領域検出信号によ
り目立ちにくい領域と判定されたとき、乗算部9の出力
を選択し、領域検出信号により目立ち易い領域と判定さ
れたとき、加算部11の出力を選択し出力する。埋め込
み画像パターンの画素値が−1の場合、出力選択部8
は、領域検出信号により目立ちにくい領域と判定された
とき、乗算部10の出力を選択し、領域検出信号により
目立ち易い領域と判定されたとき、加算部12の出力を
選択し出力する。
【0047】以上の処理により情報が埋め込まれた画像
が生成されるが、原画像の各画素値に比べで埋め込み画
像パターンの振幅は十分小さくなる。また輝度値の分散
が小さい比較的目立ちやすい領域には、振幅をさらに小
さくして埋め込まれるので、見た目には、図2(d)の
ように図2(c)の原画と区別できないような画像とな
る。
【0048】次に埋込情報読取装置における埋込情報の
読み取り処理を説明する。情報が埋め込まれた埋込画素
データYQX[i,j]は、図1(b)の逆転置処理部4
に入力される。逆転置処理部4は、転置処理部2で用い
られた同じ擬似乱数PNを用いて入力画像をライン順に
取り出して、図3のような位置に並び替える。従って、
原画像はランダム化されるが、埋め込みパターンを含む
画素YQX[i,j]は、位置(l,m)の画素値Y
P [l,m]に逆転置処理され、図2(e)ようにスト
ライプ状のパターンに再生される。このように逆転置処
理されたパターンPは、埋込パターン検出部5に入力さ
れると、埋込情報B”101”が検出される。
【0049】図7は、埋め込みパターン検出処理の説明
図である。埋め込みパターンは、16画素の幅(一般的
にはn画素幅とする)の行方向のストライプで埋め込ま
れているとする。その際、その両端から8画素を加えた
32画素の列成分の合計値S1を求める。一方、32画
素の領域から更に16画素ずつ左右に離れた領域の画素
値の合計値S2を求める。そして、先に示した合計値の
減算値S1−S2を求め、その減算結果に基づき判定処
理する。判定処理は、判定処理に渡される算出結果に基
づき、以下のような判定を行う。
【0050】判定基準として、正負のそれぞれに1つず
つの閾値を設け、0近傍付近の判定不能領域と、その負
の方向の外側の0判定領域と、正側の外側の1判定領域
を設定し、そのどの領域に算出結果が入るかによって判
定する。例えば480ラインの画像の場合、閾値を±5
000程度に設定する。この判定は、画素間の差の合計
は、ほぼ0に近傍にピークをもつ分布となることを前提
とし、16画素の幅のストライプによる埋め込みパター
ンの分だけ、その位置が正または負の方向に移動するこ
とを判定の拠り所としている。例えば、ストライプの画
素がすべて振幅1とした場合でも、16×480だけ大
きくなる。
【0051】特定の画像パターンでは、誤った判定とな
る場合もあるので、上記の判定を複数フレームで繰り返
して、統計的に判定結果が有意性を持つまで埋め込み情
報を検出する。従って閾値として、正負の判定をするよ
うな値(0近傍の値)に設定してもよい。その場合は、
同じく判定処理を繰り返して、統計的に有意結果が出る
まで判定を繰り返す。
【0052】また、1フレーム中で判定する必要がある
場合は、同じビットに対応するストライプを別の位置に
埋め込み、判定することで、検出精度を高めることがで
きる。また、複数のストライプで判定する場合、判定に
用いる算出結果を全ストライプについて積分し、0より
離れた位置に閾値を設けて判定を行ってもよい。以上の
ような判定方法により、ストライプパターンの有無を検
出し、埋め込み情報の各ビット値を読み取ることができ
る。
【0053】以上のように行方向(垂直方向)にストラ
イプパターンが埋め込まれている場合は、逆転置処理部
4は位置(i,j)の画素値YQX[i,j]を、位置
(l,m)の画素値YP [l,m]に逆転置処理する。
そして埋め込みパターン検出部5は、lの値をパラメー
タとして同一水平位置(l,m)の画素値YP [l,
m]を複数のlに対してm±Δmの範囲内で累積加算し
て第1の累積加算値を求める。また、m+n<m+ 、m
−n>m- を満足する一定範囲のm+ 、m- に対して、
lの値をパラメータとして同一水平位置(l,m+ )の
画素値YP [l,m+ ]を複数のlに対して累積加算し
て第2の累積加算値を求める。また、lの値をパラメー
タとして同一水平位置(l,m- )の画素値YP [l,
- ]を複数のlに対してm±Δmの範囲内で累積加算
して第3の累積加算値を求める。つぎに第1の累積加算
値と第2又は第3の累積加算値との差分値に基づいて埋
込パターンPを抽出する。
【0054】また列方向(水平方向)にストライプパタ
ーンが埋め込まれている場合も同様である。逆転置処理
部4は位置(i,j)の画素値YQX[i,j]を、位置
(l,m)の画素値YP [l,m]に逆転置処理する。
埋め込みパターン検出部5は、mの値をパラメータとし
て同一垂直位置(l,m)の画素値YP [l,m]を複
数のmに対してl±Δlの範囲内で累積加算して第1の
累積加算値を求める。また、l+n<l+ 、l−n>l
- を満足する一定範囲のl+ 、l- に対して、mの値を
パラメータとして同一垂直位置(l+ ,m)の画素値Y
P [l+ ,m]を複数のmに対して累積加算して第2の
累積加算値を求める。また、mの値をパラメータとして
同一垂直位置(l- ,m)の画素値YP [l- ,m]を
複数のmに対してl±Δlの範囲内で累積加算して第3
の累積加算値を求める。次に第1の累積加算値と第2又
は第3の累積加算値との差分値に基づいて埋込パターン
Pを抽出する。
【0055】図1(b)は機能的に表現した埋込情報読
取装置を構成図であるのに対し、図8は、上記の集計機
能と判断機能を有した埋込情報読取装置の構成図であ
り、ハードウェア的に表現している。埋込情報読取装置
の構成要素として、セレクタ13、パターン判定処理部
14、積分器15〜20、加算部21〜23が設けられ
ている。セレクタ13は、図1の逆転置処理部4に相当
し、乱数列に基づき各画素の逆転置後の列の位置を算出
するものである。セレクタ13は、1番目のストライプ
領域ならば、信号を積分器15に与え、その周辺の16
画素内の領域ならば、信号を積分器16に与える。
【0056】同様に、第2にストライプについては、そ
の信号を積分器17、18に与える。第3のストライプ
については、その信号を積分器19、20に与える。加
算部21は積分器15と16の出力の差を演算する。加
算部22は積分器17、18の出力の差を演算する。加
算部23は積分器19、18の出力の差を演算する。こ
れらの演算結果はパターン判定処理部14に入力され
る。パターン判定処理部14は、各ストライプについて
先で説明した判定基準に従って判定処理をする。
【0057】以上のような動作によって、画像中に情報
を埋め込むことができ、また情報を読み取ることができ
る。本実施の形態のように、埋め込み情報をストライプ
状の画像パターンに変換し、その走査順序を一筆書き状
にランダム化している。このため、埋め込み画像パター
ンは、隣接画素間の相関を保った状態になり、圧縮符号
化した場合でも、その情報を欠落しにくくすることがで
きる。
【0058】また、一筆書き状に転置処理しているた
め、読み取り処理側で、その画素の位置がn画素以上ず
れたとしても、逆転置処理後の位置は、本来の位置より
も高々n画素の距離ずれるだけである。図7に示したよ
うにストライプの両側に8画素分の余裕を持たしている
ため、8画素の以内のずれであれば、ストライプ位置の
画素は、すべて加算側の領域に収まるため、正しい読み
取り処理ができる。従ってライン方向へのずれに強い情
報埋め込み及び情報読み取りができる。
【0059】また、埋め込み画像パターンを原画像に加
算する際、画素値の振幅に比例した値だけ加算すること
で、埋め込みによる画像の劣化を目立ちにくくすること
ができる。さらに、その近傍での分散値によって、埋め
込み領域でのパターンの複雑さを検出して、それによっ
て目立ちやすいところへの埋め込みパターンの振幅を小
さくする。こうすると埋め込みによる画像の劣化を目立
ちにくくすることができる。
【0060】なお、本実施の形態で用いた一筆書き以外
の転置方法も多く存在し、本実施の形態以外の方法の転
置方法によっても同様の効果が期待できる。また、転置
の際の乱数列の発生方法を、埋め込み側と読み取り側で
秘密として共有すれば、秘密通信を行うことができる。
また、逆に乱数ではなく固定の転置パターンとして誰で
も読み取り可能なものにもすることもできる。
【0061】また、埋め込み画像パターンを原画像に加
算する際、単純に埋め込みパターンの振幅を固定値にし
て加算してもよい。また、情報読取方法として、埋め込
みパターンを加えたことによる統計的な偏りを検出する
のであれば、別の検出方法でもよい。また、検出精度を
上げるため、埋め込み情報に誤り訂正符号を付加しても
よい。
【0062】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2における情報埋込方法及び情報埋込装置、並びに埋
込情報読取方法及び埋込情報読取装置について、図9〜
図11を用いて説明する。図9は本実施の形態における
情報埋込装置の構成図である。この情報埋込装置は、転
置処理部24、DCT変換処理部25、画像圧縮処理部
26を含んで構成される。また画像圧縮処理部26は、
差分処理部27、フレーム間予測処理部28、、DCT
処理部29、可変長符号化部(VLC)30、加算部3
1を有している。
【0063】このように構成された情報埋込装置の動作
について説明する。転置処理部24は図1の転置処理部
と同様の処理を行い、埋め込み画像パターンを生成す
る。画像圧縮処理部26は、MPEG規格に準拠した画
像フォーマットに圧縮符号化を行う。フレーム間予測処
理部28は動き補償つきフレーム間予測を行い、差分処
理部27は原画とフレーム間予測値の差分画像を生成す
る。そしてDCT処理部29は入力信号をDCT符号化
する。転置処理部24からの埋め込み画像パターンが入
力されると、DCT処理部25はそのパターンをDCT
変換し、加算部31に出力する。加算部31は原画像の
DCT成分に、埋め込みパターンをDCT変換した値を
加算し、可変長符号化部30に出力する。可変長符号化
部30は加算されたDCT係数を可変長符号化して出力
する。
【0064】以上のような構成により、圧縮符号化を行
って記録を行う場合などでは、埋め込み画像パターンを
DCT変換し、DCT領域で情報の埋め込みが行われ
る。
【0065】図10は、本実施の形態において圧縮符号
化されたデータから埋め込み情報を読み出す埋込情報読
取装置の構成図である。この埋込情報読取装置は伸長処
理部32と埋込情報検出部33を含んで構成される。こ
の埋め込み情報は、再生許可を示す著作権情報とし、画
像の再生処理を制御する情報である。
【0066】圧縮された画像データが伸長処理部32に
入力されると、伸長処理されて画素値を示すデータとな
る。埋込情報検出部33は、図1の情報読取装置と同様
に動作し、埋め込み情報を検出する。その検出結果であ
る再生許可信号が再生禁止である場合、再生制御信号と
して再生不許可信号を伸長処理部32に出力し、伸長処
理部32の動作を停止させる。
【0067】以上のようにして圧縮符号化された場合
に、埋め込み情報が読み取り可能になる。また、埋め込
み情報を再生制御信号にすることで、再生処理を制御す
ることができる。
【0068】なお、本実施の形態では、埋め込みパター
ンを水平方向でみた場合、どこでも同じである。図11
に示すように、一筆書きの開始位置をいくつかの分割領
域に分け、それらを埋め込み画像パターン中で隣接させ
るように転置処理することで、埋め込みパターンの垂直
方向の相関を上げることができる。こうすると、圧縮処
理で消失しにくく、圧縮率を低下させない埋め込みパタ
ーンに変換することができる。
【0069】また、埋め込みパターンのストライプ位置
は、フレーム毎に巡回させることもできる。そうするこ
とで、特定の領域へ情報を埋め込むことに比べて、統計
的な特性の条件がより成立し易くなるため、検出精度を
上げることができる。
【0070】なお、埋め込み画像パターンは、縦方向の
ストライプにしたが、横方向のストライプにしてもよ
い。また、埋め込み情報ビットが0のときは、原画から
埋め込みパターン分画素値を小さくしたが、透かし信号
があることを前提にしているところであれば、0の場合
は何も処理しなくてもよく、1のビットが埋め込まれて
いる場所のみを求めることができる。
【0071】
【発明の効果】以上のように請求項1、11記載の発明
によれば、埋め込みパターンが、所定の画素範囲の位置
で蛇行する道筋で走査されるので、同一輝度値を持つ画
素が連続的にサンプリングされる確率が高くなる。この
ため埋め込み画像の圧縮処理において高域カットの処理
が施されても、埋込情報が失われなくなる。また埋込情
報の攪乱後においても、DCTによる圧縮効率が向上す
る。
【0072】また請求項2、12記載の発明によれば、
上記の効果に加えて、埋め込みパターンのストライプ幅
に対応したジグザグ走査が実現できる。
【0073】また請求項3、13記載の発明によれば、
転置処理された埋込パターンを画像データに加算する
際、その加算値を原画像データの画素値に対応して挿入
することにより、埋込パターンを目立ちにくくすること
ができる。
【0074】また請求項4、14記載の発明によれば、
転置処理された埋込パターンを画像データに加算する
際、加算する画素位置の近傍における画像データの分散
値に基づき、加算値の大きさを制御することで、埋め込
みパターンをより確実に目立ちにくくすることができ
る。
【0075】また請求項5、6、15、16記載の発明
によれば、行又は列方向に沿ったストライプパターンに
埋込情報を変換することにより、埋込情報読取装置側の
判断がより確実なものになる。
【0076】また請求項7〜10、及び請求項18〜2
1記載の発明によれば、請求項5、6、15、16記載
の発明の効果に加えて、ストライプパターンの判別処理
の信頼性がより向上する。画像の部分的な切り出しや、
画面の移動があっても、ストライプパターンを判別でき
る。例えばアナログのVTRへのダビングなどが行わ
れ、画素の位置ずれが生じたとしても、埋込情報を正し
く検出できる。
【0077】また請求項17記載の発明によれば、MP
EG等のように、DCT変換を用いて画像を圧縮符号化
する装置との適合性が向上する。このため従来の画像圧
縮符号化に、本装置を容易に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1における情報埋
込装置の構成図であり、(b)は埋込情報読取装置の構
成図である。
【図2】実施の形態1における情報埋込方法を示す説明
図である。
【図3】実施の形態1に用いられる転置処理部の動作例
を示す説明図である。
【図4】実施の形態1に用いられる転置処理部の動作を
示すフローチャート(その1)である。
【図5】実施の形態1に用いられる転置処理部の動作を
示すフローチャート(その2)である。
【図6】実施の形態1における埋込処理部の構成図であ
る。
【図7】実施の形態1における埋め込みパターン検出処
理の説明図である。
【図8】実施の形態1の埋込情報読取装置の構成図であ
る。
【図9】本発明の実施の形態2における情報埋込装置の
構成図である。
【図10】本発明の実施の形態2における埋込情報読取
装置の構成図である。
【図11】転置処理の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 埋込パターン生成処理部 2 転置処理部 3 埋込処理部 4 逆転置処理部 5 埋込パターン検出部 6 分散算出部 7 閾値処理部 8 出力選択部 9,10 乗算部 11,12 加算部 13 セレクタ 14 パターン判定処理部 15,16,17,18,19,20 積分器 21,22,23,31 加算部 24 転置処理部 25 DCT変換処理部 26 画像圧縮処理部 27 差分処理部 28 フレーム間予測処理部 29 DCT処理部 30 可変長符号化部(VLC) 32 伸長処理部 33 埋込情報検出部

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データX中に埋込情報Bを埋め込む
    情報埋込方法であって、 前記埋込情報Bを埋込パターンPに変換し、 前記埋込パターンPを構成する各画素を、所定の画素範
    囲内で蛇行する道筋Rに沿って順次走査し、埋込パター
    ンPの位置(l,m)の画素値YP [l,m]を、位置
    (i,j)の画素値YQ [i,j]として転置処理し、 画素値YQ [i,j]を、位置(i,j)の画像データ
    X[i,j]に加算処理したものを埋込画素データYQX
    [i,j]として出力することを特徴とする情報埋込方
    法。
  2. 【請求項2】 前記転置処理の走査道筋Rにおいて、互
    いに近接する走査番号をk−s、kとするとき、 転置処理を開始する画素YP (lk ,mk )が、転置処
    理済の画素YP (lk-S ,mk-S )と隣接することを特
    徴とする請求項1記載の情報埋込方法。
  3. 【請求項3】 画素値YQ [i,j]を画像データX
    [i,j]に加算処理するとき、画素値YQ [i,j]
    を画像データX[i,j]の振幅に対応した値に変換し
    て加算することを特徴とする請求項1記載の情報埋込方
    法。
  4. 【請求項4】 画素値YQ [i,j]を画像データX
    [i,j]に加算処理するとき、画像データXの位置
    (i,j)の近傍の画素の輝度の分散値に応じて画素値
    Q [i,j]の振幅を制御して加算することを特徴と
    する請求項1記載の情報埋込方法。
  5. 【請求項5】 前記埋込パターンPは、前記埋込情報B
    のビット列に対応した行方向のストライプパターンであ
    ることを特徴とする請求項1記載の情報埋込方法。
  6. 【請求項6】 前記埋込パターンPは、前記埋込情報B
    のビット列に対応した列方向のストライプパターンであ
    ることを特徴とする請求項1記載の情報埋込方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の情報埋込方法で埋込情報
    Bが埋め込まれた埋込画素データYQX[i,j]を入力
    し、前記埋込情報Bを抽出する埋込情報読取方法であっ
    て、 位置(i,j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,
    m)の画素値YP [l,m]に逆転置処理し、 lの値をパラメータとして同一水平位置(l,m)の画
    素値YP [l,m]を複数のlに対して累積加算し、 累積加算値から前記埋込パターンPを抽出し、 前記埋込パターンPから埋込情報Bを確定することを特
    徴とする埋込情報読取方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の情報埋込方法で埋込情報
    Bが埋め込まれた埋込画素データYQX[i,j]を入力
    し、前記埋込情報Bを抽出する埋込情報読取方法であっ
    て、 位置(i,j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,
    m)の画素値YP [l,m]に逆転置処理し、 mの値をパラメータとして同一垂直位置(l,m)の画
    素値YP [l,m]を複数のmに対して累積加算し、 累積加算値から前記埋込パターンPを抽出し、 前記埋込パターンPから埋込情報Bを確定することを特
    徴とする埋込情報読取方法。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の情報埋込方法で埋込情報
    Bが埋め込まれた埋込画素データYQX[i,j]を入力
    し、前記埋込情報Bを抽出する埋込情報読取方法であっ
    て、 位置(i,j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,
    m)の画素値YP [l,m]に逆転置処理し、 lの値をパラメータとして同一水平位置(l,m)の画
    素値YP [l,m]を複数のlに対してm±Δmの範囲
    内で累積加算して第1の累積加算値を求め、 m+n<m+ 、m−n>m- を満足する一定範囲の
    + 、m- に対して、lの値をパラメータとして同一水
    平位置(l,m+ )の画素値YP [l,m+ ]を複数の
    lに対して累積加算して第2の累積加算値を求め、 lの値をパラメータとして同一水平位置(l,m- )の
    画素値YP [l,m-]を複数のlに対してm±Δmの
    範囲内で累積加算して第3の累積加算値を求め、 前記第1の累積加算値と前記第2及び第3の累積加算値
    との差分値に基づいて前記埋込パターンPを抽出し、 前記埋込パターンPから埋込情報Bを確定することを特
    徴とする埋込情報読取方法。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の情報埋込方法で埋込情
    報Bが埋め込まれた埋込画素データYQX[i,j]を入
    力し、前記埋込情報Bを抽出する埋込情報読取方法であ
    って、 位置(i,j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,
    m)の画素値YP [l,m]に逆転置処理し、 mの値をパラメータとして同一垂直位置(l,m)の画
    素値YP [l,m]を複数のmに対してl±Δlの範囲
    内で累積加算して第1の累積加算値を求め、 l+n<l+ 、l−n>l- を満足する一定範囲の
    + 、l- に対して、mの値をパラメータとして同一垂
    直位置(l+ ,m)の画素値YP [l+ ,m]を複数の
    mに対して累積加算して第2の累積加算値を求め、 mの値をパラメータとして同一垂直位置(l- ,m)の
    画素値YP [l- ,m]を複数のmに対してl±Δlの
    範囲内で累積加算して第3の累積加算値を求め、 前記第1の累積加算値と前記第2及び第3の累積加算値
    との差分値に基づいて前記埋込パターンPを抽出し、 前記埋込パターンPから埋込情報Bを確定することを特
    徴とする埋込情報読取方法。
  11. 【請求項11】 画像データX中に埋込情報Bを埋め込
    む情報埋込装置であって、 前記埋込情報Bを埋込パターンPに変換する埋込パター
    ン生成処理部と、 前記埋込パターン生成処理部で生成された埋込パターン
    Pを構成する各画素を、所定の画素範囲内の位置で蛇行
    する道筋Rに沿って順次走査し、埋込パターンPの位置
    (l,m)の画素値YP [l,m]を、位置(i,j)
    の画素値YQ [i,j]として転置処理する転置処理部
    と、 前記転置処理部で転置処理された画素値YQ [i,j]
    を、位置(i,j)の画像データX[i,j]に加算処
    理したものを埋込画素データYQX[i,j]として出力
    する埋込処理部と、を具備することを特徴とする情報埋
    込装置。
  12. 【請求項12】 前記転置処理部は、 走査道筋Rにおいて、互いに近接する走査番号をk−
    s、kとするとき、 転置処理を開始する画素YP (lk ,mk )が、転置処
    理済の画素YP (lk-S ,mk-S )と隣接するよう転置
    処理することを特徴とする請求項11記載の情報埋込装
    置。
  13. 【請求項13】 前記埋込処理部は、 画素値YQ [i,j]を画像データX[i,j]に加算
    処理するとき、画素値YQ [i,j]を画像データX
    [i,j]の振幅に対応した値に変換して加算すること
    を特徴とする請求項11記載の情報埋込装置。
  14. 【請求項14】 前記埋込処理部は、 画素値YQ [i,j]を画像データX[i,j]に加算
    処理するとき、位置(i,j)近傍に位置する画像デー
    タXの分散値に応じて画素値YQ [i,j]の振幅を制
    御して加算することを特徴とする請求項11記載の情報
    埋込装置。
  15. 【請求項15】 埋込パターン生成処理部は、 前記埋込情報Bのビット列に対応した行方向のストライ
    プパターンを、前記埋込パターンPとして生成すること
    を特徴とする請求項11記載の情報埋込装置。
  16. 【請求項16】 埋込パターン生成処理部は、 前記埋込情報Bのビット列に対応した列方向のストライ
    プパターンを、前記埋込パターンPとして生成すること
    を特徴とする請求項11記載の情報埋込装置。
  17. 【請求項17】 画像データX中に埋込情報Bを埋め込
    む情報埋込装置であって、 前記埋込情報Bを埋込パターンPに変換する埋込パター
    ン生成処理部と、 前記埋込パターン生成処理部で生成された埋込パターン
    Pを構成する各画素を、所定の画素範囲内の位置で蛇行
    する道筋Rに沿って順次走査し、埋込パターンPの位置
    (l,m)の画素値YP [l,m]を位置(i,j)の
    画素値YQ [i,j]として転置処理する転置処理部
    と、 前記転置処理部で転置処理された画素値YQ [i,j]
    から成る画像をDCT変換するDCT変換処理部と、 画像データX[i,j]から成る原画像を入力し、DC
    T変換を用いて圧縮符号化を行う圧縮符号化部と、 前記DCT変換処理部から出力される第1の変換係数と
    前記圧縮符号化部から出力される第2の変換係数とを合
    成し、符号化画像データを出力する加算処理部と、を具
    備することを特徴とする情報埋込装置。
  18. 【請求項18】 請求項15記載の情報埋込装置で埋込
    情報Bが埋め込まれた埋込画素データYQX[i,j]を
    入力し、前記埋込情報Bを抽出する埋込情報読取装置で
    あって、 位置(i,j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,
    m)の画素値YP [l,m]に逆転置処理する逆転置処
    理部と、 lの値をパラメータとして、前記逆転置処理部で得られ
    た同一水平位置(l,m)の画素値YP [l,m]を、
    複数のlに対して累積加算し、累積加算値から前記埋込
    パターンPを抽出する埋め込みパターン検出部と、を具
    備する特徴とする埋込情報読取装置。
  19. 【請求項19】 請求項16記載の情報埋込装置で埋込
    情報Bが埋め込まれた埋込画素データYQX[i,j]を
    入力し、前記埋込情報Bを抽出する埋込情報読取装置で
    あって、 位置(i,j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,
    m)の画素値YP [l,m]に逆転置処理する逆転置処
    理部と、 mの値をパラメータとして、前記逆転置処理部で得られ
    た同一垂直位置(l,m)の画素値YP [l,m]を、
    複数のmに対して累積加算し、累積加算値から前記埋込
    パターンPを抽出する埋め込みパターン検出部と、を具
    備する特徴とする埋込情報読取装置。
  20. 【請求項20】 請求項15記載の情報埋込装置で埋込
    情報Bが埋め込まれた埋込画素データYQX[i,j]を
    入力し、前記埋込情報Bを抽出する埋込情報読取装置で
    あって、 位置(i,j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,
    m)の画素値YP [l,m]に逆転置処理する逆転置処
    理部と、 lの値をパラメータとして同一水平位置(l,m)の画
    素値YP [l,m]を複数のlに対して累積加算してm
    ±Δmの範囲内で第1の累積加算値を求め、m+n<m
    + 、m−n>m- を満足する一定範囲のm+ 、m- に対
    して、lの値をパラメータとして同一水平位置(l,m
    + )の画素値YP [l,m+ ]を複数のlに対して累積
    加算して第2の累積加算値を求め、lの値をパラメータ
    として同一水平位置(l,m- )の画素値YP [l,m
    - ]を複数のlに対してm±Δmの範囲内で累積加算し
    て第3の累積加算値を求め、前記第1の累積加算値と前
    記第2及び第3の累積加算値との差分値に基づいて前記
    埋込パターンPを抽出する埋め込みパターン検出部と、
    を具備する特徴とする埋込情報読取装置。
  21. 【請求項21】 請求項16記載の情報埋込装置で埋込
    情報Bが埋め込まれた埋込画素データYQX[i,j]を
    入力し、前記埋込情報Bを抽出する埋込情報読取装置で
    あって、 位置(i,j)の画素値YQX[i,j]を、位置(l,
    m)の画素値YP [l,m]に逆転置処理する逆転置処
    理部と、 mの値をパラメータとして同一垂直位置(l,m)の画
    素値YP [l,m]を複数のmに対してl±Δlの範囲
    内で累積加算して第1の累積加算値を求め、l+n<l
    + 、l−n>l- を満足する一定範囲のl+ 、l- に対
    して、mの値をパラメータとして同一垂直位置(l+
    m)の画素値YP [l+ ,m]を複数のmに対して累積
    加算して第2の累積加算値を求め、mの値をパラメータ
    として同一垂直位置(l- ,m)の画素値YP [l-
    m]を複数のmに対してl±Δlの範囲内で累積加算し
    て第3の累積加算値を求め、前記第1の累積加算値と前
    記第2及び第3の累積加算値との差分値に基づいて前記
    埋込パターンPを抽出する埋め込みパターン検出部と、
    を具備する特徴とする埋込情報読取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006285748A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Kyodo Printing Co Ltd 画像変化検出方法、パターン挿入方法、電子透かし挿入方法及び電子透かし検出方法並びに画像変化検出装置、パターン挿入装置、電子透かし挿入装置及び電子透かし検出装置

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