JPH1140896A - 光ファイバモジュール - Google Patents

光ファイバモジュール

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JPH1140896A
JPH1140896A JP19555497A JP19555497A JPH1140896A JP H1140896 A JPH1140896 A JP H1140896A JP 19555497 A JP19555497 A JP 19555497A JP 19555497 A JP19555497 A JP 19555497A JP H1140896 A JPH1140896 A JP H1140896A
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秀幸 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子冷却素子の上下基板の組み合わせを工夫
することにより、熱特性が良好で、しかも線膨張率差が
小さく、長期的にも安定した性能を保つことができる光
ファイバモジュールを提供する。 【解決手段】 光ファイバモジュールの電子冷却素子に
おいて、その電子冷却素子21の吸熱側の上部基板22
にAlN(窒化アルミ)を、放熱側の下部基板23にA
2 3 (アルミナ)を用いる。そして、上部基板22
上に少なくとも発光素子1が搭載される金属基板8には
Fe−Ni−Co系合金を、下部基板23を支持する金
属筐体12にはCu−W系合金を用いるようにしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子冷却素子及び
それを用いた光ファイバモジュールに係り、特に光ファ
イバ通信用半導体レーザモジュールに用いる電子冷却素
子の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発光素子と光ファイバとを光学的に結合
させるための種々の器具が提案され、実用化が図られて
いる。発光素子と光ファイバとの結合器具の典型例とし
ては、以下に示すようなものがあった。図2はかかる従
来の光ファイバモジュールの部分的断面図である。
【0003】この図において、1は発光素子(以下、L
Dという)、2はLD1の発熱を放熱するヒートシン
ク、3はLD1とヒートシンク2をボンディングしたヘ
ッダである。また、5は光検出用の受光素子(以下、モ
ニタPDという)、6はモニタPD5をボンディングし
たPDヘッダ、7は温度検出用サーミスタ抵抗(以下、
サーミスタ)である。
【0004】また、8はLDヘッダ3、PDヘッダ6、
サーミスタ7が取り付けられた金属基板である。LDヘ
ッダ3、PDヘッダ6、サーミスタ7と金属基板8は放
熱性を良くするため、半田等により固定されている。9
はLD1からの発熱を冷却する電子冷却素子であり、金
属基板8と半田等により固定される。10はLD1から
の光を集束するレンズである。レンズ10は半田付け、
圧入等で金属ホルダ11に固定される。
【0005】レンズ10、LD1と光軸位置を調整した
後、金属基板8とレンズホルダ11とがYAGレーザ等
で溶接固定される。12は内部に電子冷却素子9が半田
付け等により取り付けられ、LD1、モニタPD5、レ
ンズ10等を保護する金属筐体であり、一端に開口部が
開いている。また、LDヘッダ3、サーミスタ7、電子
冷却素子9は金属筐体12の内部に突出されたセラミッ
ク上のAuメタライズパターンまたは金属リードにワイ
ヤボンディング等で配線されている。
【0006】また、13はLD1を気密封止するカバー
であり、窒素ガスや窒素+酸素混合ガス等で封入した
後、金属筐体12とシーム溶接により固定されている。
14はレンズ10で変換されたビームが通過した後、そ
の光が戻り光とならないように遮断する光アイソレータ
であり、LD1、レンズ10に対し、光軸調整した後、
金属筐体12と接着等で固定される。
【0007】また、15は光ファイバ16を固定するフ
ェルールであり、同様にLD1、レンズ10に対し光軸
調整した後、スリーブ17を介し、金属筐体12に溶接
固定される。従来の光結合器は、上記したように構成さ
れており、LD1からの光をレンズ10で変換し、その
変換された光は光アイソレータ14を通過する。その
際、光アイソレータ14が戻り光を遮断する。そして、
光アイソレータ14を通過した光は集光され、光ファイ
バ16に照射されて光結合する。
【0008】以上が、従来の光ファイバモジュールの構
造例であるが、内蔵されている金属基板8、電子冷却素
子9、金属筐体12の構成材料の従来例を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】この表1において、一般的にA部金属板8
は、YAG溶接による固定を行うため、熱伝導率の比較
的低い材料であるFe−Ni−Co合金、C部金属筐体
12は放熱性を良くするために、熱伝導性の良い材料で
あるCu−W10%が用いられる。また、B部の電子冷
却素子9は上下基板に挟まれた形で構成されている。
【0011】一般的に、電子冷却素子9の上下基板は、
従来例1としては、AlN(窒化アルミ)、従来例2と
しては、Al2 3 (アルミナ)が用いられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の光ファイバモジュールの構造では、電子冷却素
子9の上下基板と金属基板8、金属筐体12の組み合わ
せは、表2に示すように、線膨張率差が大きくなるた
め、広温度範囲の熱ストレスをかけると、接合部が剥が
れたり、内部半導体素子が引っ張られクラックが入り、
破壊する等の問題があった。
【0013】
【表2】
【0014】従来例1のように、熱特性を良くするため
に、AlN(窒化アルミ)を用いると、金属筐体12と
の線膨張率差が7.0−4.5=2.5(×10-6
℃)であり、また、従来例2のように、Al2 3 (ア
ルミナ)を用いると、金属基板8との線膨張率差は6.
7−5.3=1.4(×10-6/℃)と比較的小さい
が、熱伝導率がAl2 3 は0.04(cal/cm・
sec・℃)と小さいため、AlNに比べて熱特性が悪
くなり、冷却能率が低下する。
【0015】本発明は、上記問題点を解決するために、
電子冷却素子の上下基板の組み合わせを工夫することに
より、熱特性が良好で、しかも線膨張率差が小さく、長
期的にも安定した性能を保つことができる光ファイバモ
ジュールを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕パッケージ内部に少なくとも発光素子を備え、ま
た発光素子からの熱を冷却する電子冷却素子、レンズ、
光ファイバとを備える光ファイバモジュールにおいて、
吸熱側の上部基板がAlN、放熱側の下部基板がAl2
3 で構成されている電子冷却素子と、前記上部基板上
に少なくとも発光素子が搭載される金属基板と、前記下
部基板を支持する金属筐体とを設けるようにしたもので
ある。
【0017】〔2〕上記〔1〕記載の光ファイバモジュ
ールにおいて、前記金属基板はFe−Ni−Co系合
金、前記金属筐体はCu−W系合金からなるようにした
ものである。 〔3〕上記〔1〕記載の光ファイバモジュールにおい
て、前記金属基板はステンレススチール、前記金属筐体
はCu系合金からなるようにしたものである。
【0018】したがって、上記のように、電子冷却素子
の上下基板の組み合わせを工夫することにより、熱特性
が良好で、しかも線膨張率差が小さく、長期的にも安定
した性能を保つことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施
例を示す電子冷却素子を用いた光ファイバモジュールの
断面図である。なお、従来例と同じ部分には同じ符号を
付して、その説明は省略する。
【0020】この実施例では、光ファイバモジュールの
電子冷却素子において、その電子冷却素子21の吸熱側
の上部基板22にAlN(窒化アルミ)を、放熱側の下
部基板23にAl2 3 (アルミナ)を用いる。そし
て、上部基板22上に少なくとも発光素子1が搭載され
る金属基板8にはFe−Ni−Co系合金を、下部基板
23を支持する金属筐体12にはCu−W系合金を用い
る。
【0021】なお、金属基板8の材料としてFe−Ni
−Co系合金以外に、これと線膨張率、熱伝導率が同等
であるステンレススチールがあるが、これを用いるよう
にしてもよい。また、金属筐体12の材料としてのCu
−W系合金以外に、これと線膨張率、熱伝導率が同等で
あるCu系合金を用いるようにしてもよい。
【0022】このように構成したので、熱ストレスに強
くなるとともに、冷却能率を向上させることができる。
より具体的には、線膨張率差は、金属基板8と電子冷
却素子21の吸熱側の上部基板22とでは、5.3−
4.5=0.8(×10-6/℃)、電子冷却素子21の
放熱側の下部基板23と金属筐体12では、7.0−
6.7=0.3(×10-6/℃)と小さくなり、熱スト
レスに強くなる。
【0023】熱伝導率的には、上部基板22と下部基
板23ともAl2 3 〔0.04×2=0.08(ca
l/cm・sec・℃)〕の場合に比べて、0.52+
0.04=0.56で、7倍の熱効果があり、冷却能率
が向上する。また、上部基板22と下部基板23ともA
2 3とした場合、線膨張率差は、金属基板8と電子
冷却素子21の上部基板22とでは、6.7−5.3=
1.4(×10-6/℃)、電子冷却素子21の放熱側の
下部基板23と金属筐体12では7.0−6.7=0.
3(×10-6/℃)となる。金属基板8と上部基板22
の線膨張率差は、大きくなり、熱ストレスに弱くなって
しまう。
【0024】更に、上部基板22と下部基板23ともA
lNとした場合には、線膨張率差は、金属基板8と電子
冷却素子21の上部基板22とでは、5.3−4.5=
0.8(×10-6/℃)、電子冷却素子21の放熱側の
下部基板23と金属筐体12では、7.0−4.5=
2.5(×10-6/℃)となる。下部基板23と金属筐
体12の線膨張率差は、大きくなり、熱ストレスに弱く
なってしまう。
【0025】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0026】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、電子冷却素子の上下基板の組み合わせを工夫す
ることにより、熱特性が良好で、しかも線膨張率差が小
さく、長期的にも安定した性能を保つことができる。よ
り具体的には以下のような効果をもたらす。
【0027】線膨張率差は、金属基板8と電子冷却素
子21の吸熱側の上部基板22とでは、5.3−4.5
=0.8(×10-6/℃)、電子冷却素子9の放熱側の
下部基板23と金属筐体12では、7.0−6.7=
0.3(×10-6/℃)と小さくなり、熱ストレスに強
くなる。 熱伝導率的には、上部基板22と下部基板23ともA
2 3 〔0.04×2=0.08(cal/cm・s
ec・℃)〕の場合に比べて、0.52+0.04=
0.56で、7倍の熱効果があり、冷却能率が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す電子冷却素子を用いた光
ファイバモジュールの断面図である。
【図2】従来の光ファイバモジュールの断面図である。
【符号の説明】
1 発光素子(LD) 2 ヒートシンク 3 ヘッダ 5 光検出用の受光素子(モニタPD) 6 PDヘッダ 7 温度検出用サーミスタ抵抗 8 金属基板 9 電子冷却素子 10 レンズ 11 金属ホルダ 12 金属筐体(Cu−W系合金) 21 電子冷却素子 22 吸熱側の上部基板〔AlN(窒化アルミ)〕 23 放熱側の下部基板〔Al2 3 (アルミナ)〕

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッケージ内部に少なくとも発光素子を
    備え、また発光素子からの熱を冷却する電子冷却素子、
    レンズ、光ファイバとを備える光ファイバモジュールに
    おいて、(a)吸熱側の上部基板がAlN、放熱側の下
    部基板がAl2 3 で構成されている電子冷却素子と、
    (b)前記上部基板上に少なくとも発光素子が搭載され
    る金属基板と、(c)前記下部基板を支持する金属筐体
    とを具備することを特徴とする光ファイバモジュール。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ファイバモジュールに
    おいて、前記金属基板はFe−Ni−Co系合金、前記
    金属筐体はCu−W系合金からなる光ファイバモジュー
    ル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光ファイバモジュールに
    おいて、前記金属基板はステンレススチール、前記金属
    筐体はCu系合金からなる光ファイバモジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002093254A (ja) * 2000-09-14 2002-03-29 Daihen Corp 樹脂ブッシング
US6996145B2 (en) 1999-11-01 2006-02-07 The Furukawa Electric Co., Ltd. Semiconductor laser module, and method for driving the semiconductor laser module
JP2006269995A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Aisin Seiki Co Ltd 熱電変換モジュール及び電子デバイス

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