JPH114014A - 半導体光検出器 - Google Patents
半導体光検出器Info
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- JPH114014A JPH114014A JP9156496A JP15649697A JPH114014A JP H114014 A JPH114014 A JP H114014A JP 9156496 A JP9156496 A JP 9156496A JP 15649697 A JP15649697 A JP 15649697A JP H114014 A JPH114014 A JP H114014A
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- dimensional electron
- electron gas
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 マイクロ波からサブミリ波領域の光検出を、
より高感度な状態でより高速に応答できるようにする。 【解決手段】 電子供給層103上に、InGaAs層
105と受光部106のヘテロ接合を有し、そのヘテロ
接合上の受光部106中に二次元電子ガスからなるチャ
ネルを有する逆HEMT構造とする。加えて、逆HEM
Tのソース・ドレインとなる箇所に超伝導電極108を
配置し、超伝導電極108とオーミック接触する受光部
106とで、超伝導体−半導体(二次元電子ガス)−超
伝導体の構造をとるようにする。そして、超伝導電極1
08間の間隔を、電子の平均自由行程より短くなるよう
する。
より高感度な状態でより高速に応答できるようにする。 【解決手段】 電子供給層103上に、InGaAs層
105と受光部106のヘテロ接合を有し、そのヘテロ
接合上の受光部106中に二次元電子ガスからなるチャ
ネルを有する逆HEMT構造とする。加えて、逆HEM
Tのソース・ドレインとなる箇所に超伝導電極108を
配置し、超伝導電極108とオーミック接触する受光部
106とで、超伝導体−半導体(二次元電子ガス)−超
伝導体の構造をとるようにする。そして、超伝導電極1
08間の間隔を、電子の平均自由行程より短くなるよう
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、地上ま
たは宇宙空間に設置された電波望遠鏡の検出器、または
衛星間通信に利用される、微小な光を検出する半導体光
検出器に関する。
たは宇宙空間に設置された電波望遠鏡の検出器、または
衛星間通信に利用される、微小な光を検出する半導体光
検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波からサブミリ波領域の光検出
器としては、GeやInSbなどの直接遷移形半導体を
用いた素子や、超伝導体素子が用いられてきた。超伝導
体素子としては、超伝導体/常伝導体/超伝導体(SN
S)接合、超伝導体/絶縁体/超伝導体(SIS)接合
という構造が提案されている。このうちSNS接合は、
作製が比較的容易なため、入射光による温度上昇を利用
したボロメトリック素子(超伝導ボロメータ)として古
くから研究されてきた。
器としては、GeやInSbなどの直接遷移形半導体を
用いた素子や、超伝導体素子が用いられてきた。超伝導
体素子としては、超伝導体/常伝導体/超伝導体(SN
S)接合、超伝導体/絶縁体/超伝導体(SIS)接合
という構造が提案されている。このうちSNS接合は、
作製が比較的容易なため、入射光による温度上昇を利用
したボロメトリック素子(超伝導ボロメータ)として古
くから研究されてきた。
【0003】超伝導ボロメータは、入射光波長依存性が
ないため、広い波長域の検出器として重宝されている。
反面、サブミリ波,マイクロ波領域では、特に応答速度
が遅く、感度も半導体素子の数倍程度しか高くないこと
が問題となっている。この問題を解決するために、受光
部を微細化した素子が提案され、1980年代より盛ん
に研究され始めた。特に、高温超伝導体の発見により、
液体窒素温度程度で動作する素子を作製することが可能
となり、微小超伝導ボロメータは大きく進歩した。
ないため、広い波長域の検出器として重宝されている。
反面、サブミリ波,マイクロ波領域では、特に応答速度
が遅く、感度も半導体素子の数倍程度しか高くないこと
が問題となっている。この問題を解決するために、受光
部を微細化した素子が提案され、1980年代より盛ん
に研究され始めた。特に、高温超伝導体の発見により、
液体窒素温度程度で動作する素子を作製することが可能
となり、微小超伝導ボロメータは大きく進歩した。
【0004】ここで、超伝導ボロメータの動作原理に関
して次に述べる。上述したSNS接合による超伝導ボロ
メータとしては、例えば、ガラス基板上に形成した銅の
薄膜を、基板水平方向に鉛の薄膜ではさんだ構成のもの
がある。そして、これらを液体ヘリウムで4.2Kに冷
却して鉛を超伝導体とすることで、超伝導ボロメータと
して用いることができる。この超伝導ボロメータでは、
銅の部分が受光部となるが、この受光部に光が入射する
と、受光部に存在する電子は入射光のエネルギーを受け
取り、電子温度は高くなる。この熱励起された電子のエ
ネルギーは、電子−格子相互作用によって緩和する。こ
のエネルギー緩和により受光部の格子の温度が上昇し、
超伝導体となっている鉛よりなる電極間の電流−電圧特
性に変化が現れる。
して次に述べる。上述したSNS接合による超伝導ボロ
メータとしては、例えば、ガラス基板上に形成した銅の
薄膜を、基板水平方向に鉛の薄膜ではさんだ構成のもの
がある。そして、これらを液体ヘリウムで4.2Kに冷
却して鉛を超伝導体とすることで、超伝導ボロメータと
して用いることができる。この超伝導ボロメータでは、
銅の部分が受光部となるが、この受光部に光が入射する
と、受光部に存在する電子は入射光のエネルギーを受け
取り、電子温度は高くなる。この熱励起された電子のエ
ネルギーは、電子−格子相互作用によって緩和する。こ
のエネルギー緩和により受光部の格子の温度が上昇し、
超伝導体となっている鉛よりなる電極間の電流−電圧特
性に変化が現れる。
【0005】ここで、格子で受け取られた熱は、速やか
に取り除かれて平衡温度状態に戻らないと、次の入射光
を検出できない。このため、上述した超伝導ボロメータ
では、受光部で受け取られた熱(非平衡フォノン)が主
として基板に流れることで、受光部が平衡温度状態に戻
るようにしている。ところが、用いられている基板の熱
抵抗が低温においては大きいため、平衡温度状態に戻る
のが遅く、超伝導ボロメータの応答速度を遅くしてい
た。そこで、従来では、受光部の構造を微細化して、熱
が容易に超伝導電極に拡散するようにしていた。このよ
うに、受光部を微細化することで、熱容量を減らすこと
にもなり、応答速度を向上させるだけでなく、感度も向
上させるようにしていた。
に取り除かれて平衡温度状態に戻らないと、次の入射光
を検出できない。このため、上述した超伝導ボロメータ
では、受光部で受け取られた熱(非平衡フォノン)が主
として基板に流れることで、受光部が平衡温度状態に戻
るようにしている。ところが、用いられている基板の熱
抵抗が低温においては大きいため、平衡温度状態に戻る
のが遅く、超伝導ボロメータの応答速度を遅くしてい
た。そこで、従来では、受光部の構造を微細化して、熱
が容易に超伝導電極に拡散するようにしていた。このよ
うに、受光部を微細化することで、熱容量を減らすこと
にもなり、応答速度を向上させるだけでなく、感度も向
上させるようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上示したように、従
来の超伝導ボロメータは、受光部の面積を小さくして感
度と応答速度を向上させてきた。しかしながら、従来の
超伝導ボロメータにおいては、次に説明するように、問
題点があった。超伝導体−常伝導体−超伝導体構造の超
伝導ボロメータの絶対感度を決めるのは、動作温度であ
る。すなわち、動作温度が低くなれば、信号/雑音(S
/N)比も当然向上し、感度は高くなる。しかし、動作
温度が低くなると、電子の拡散長は長くなる。このため
に、受光部の微細化を進めた場合、熱励起された電子の
エネルギーが電子−格子相互作用によって緩和する前
に、その熱励起された電子全てが受光部から容易に超伝
導電極中に拡散してしまい、超伝導ボロメータとして動
作しない可能性が出てくる。さらに、極低温では、超伝
導薄膜と基板との格子不整合に起因する界面熱抵抗が大
きくなり、格子が受け取った熱をより早く取り除くこと
が困難になっている。
来の超伝導ボロメータは、受光部の面積を小さくして感
度と応答速度を向上させてきた。しかしながら、従来の
超伝導ボロメータにおいては、次に説明するように、問
題点があった。超伝導体−常伝導体−超伝導体構造の超
伝導ボロメータの絶対感度を決めるのは、動作温度であ
る。すなわち、動作温度が低くなれば、信号/雑音(S
/N)比も当然向上し、感度は高くなる。しかし、動作
温度が低くなると、電子の拡散長は長くなる。このため
に、受光部の微細化を進めた場合、熱励起された電子の
エネルギーが電子−格子相互作用によって緩和する前
に、その熱励起された電子全てが受光部から容易に超伝
導電極中に拡散してしまい、超伝導ボロメータとして動
作しない可能性が出てくる。さらに、極低温では、超伝
導薄膜と基板との格子不整合に起因する界面熱抵抗が大
きくなり、格子が受け取った熱をより早く取り除くこと
が困難になっている。
【0007】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたものであり、マイクロ波からサブミリ
波領域の光検出を、より高感度な状態でより高速に応答
できるようにすることを目的とする。
るためになされたものであり、マイクロ波からサブミリ
波領域の光検出を、より高感度な状態でより高速に応答
できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体光検出
器は、まず、化合物半導体からなる第1の半導体層と、
二次元電子ガスが形成されて第1の半導体層上にヘテロ
接合して形成された受光部と、受光部上にヘテロ接合し
て形成された第2の半導体層とを備える。そして、二次
元電子ガス形成面の水平方向の受光部の両端にオーミッ
ク接触し、二次元電子ガスに接続して形成された超伝導
体からなる超伝導電極と、第2の半導体層上の一部に第
1の絶縁層を介して形成された超伝導体からなる検出電
極と、第2の半導体層上の第1の絶縁層が形成されてい
ない領域の一部に第2の絶縁層を介して形成された制御
電極とを備え、受光部に形成されるチャネルの長さが、
電子の平均自由行程より短くなるようにした。以上のよ
うに構成することで、受光部においては、光励起された
電子が、両端の超伝導電極間で、不純物による散乱など
なく、アンドレーエフ反射により閉じこめられる。そし
て、検出電極にバイアス電圧を印加すれば、その閉じこ
められた熱電子は、第1の絶縁層をトンネルして検出電
極に取り出される。さらに、制御電極に負電圧を印加す
れば、制御電極下の2次元電子ガスの電子濃度が減少す
る。また、この発明の半導体光検出器は、化合物半導体
からなる第1の半導体層と、二次元電子ガスが形成され
て第1の半導体層上にヘテロ接合して形成された受光部
と、受光部上にヘテロ接合して形成された第2の半導体
層とを備える。そして、二次元電子ガス形成面の水平方
向の受光部の一端にオーミック接触して二次元電子ガス
に接続して形成された超伝導体からなる超伝導電極と、
二次元電子ガス形成面の水平方向の受光部の他端に二次
元電子ガスに接続して第1の絶縁層を介して形成された
超伝導体からなる検出電極と、第2の半導体層上の一部
に第2の絶縁層を介して形成された制御電極とを備え、
受光部に形成されるチャネルの長さが、電子の平均自由
行程より短くなるようにした。以上のように構成するこ
とで、受光部においては、光励起された電子が、一端の
超伝導電極と他端の検出電極間で、不純物による散乱な
どなく、アンドレーエフ反射により閉じこめられる。そ
して、検出電極にバイアス電圧を印加すれば、その閉じ
こめられた熱電子は、第1の絶縁層をトンネルして検出
電極に取り出される。さらに、制御電極に負電圧を印加
すれば、制御電極下の二次元電子ガスの電子濃度が減少
する。
器は、まず、化合物半導体からなる第1の半導体層と、
二次元電子ガスが形成されて第1の半導体層上にヘテロ
接合して形成された受光部と、受光部上にヘテロ接合し
て形成された第2の半導体層とを備える。そして、二次
元電子ガス形成面の水平方向の受光部の両端にオーミッ
ク接触し、二次元電子ガスに接続して形成された超伝導
体からなる超伝導電極と、第2の半導体層上の一部に第
1の絶縁層を介して形成された超伝導体からなる検出電
極と、第2の半導体層上の第1の絶縁層が形成されてい
ない領域の一部に第2の絶縁層を介して形成された制御
電極とを備え、受光部に形成されるチャネルの長さが、
電子の平均自由行程より短くなるようにした。以上のよ
うに構成することで、受光部においては、光励起された
電子が、両端の超伝導電極間で、不純物による散乱など
なく、アンドレーエフ反射により閉じこめられる。そし
て、検出電極にバイアス電圧を印加すれば、その閉じこ
められた熱電子は、第1の絶縁層をトンネルして検出電
極に取り出される。さらに、制御電極に負電圧を印加す
れば、制御電極下の2次元電子ガスの電子濃度が減少す
る。また、この発明の半導体光検出器は、化合物半導体
からなる第1の半導体層と、二次元電子ガスが形成され
て第1の半導体層上にヘテロ接合して形成された受光部
と、受光部上にヘテロ接合して形成された第2の半導体
層とを備える。そして、二次元電子ガス形成面の水平方
向の受光部の一端にオーミック接触して二次元電子ガス
に接続して形成された超伝導体からなる超伝導電極と、
二次元電子ガス形成面の水平方向の受光部の他端に二次
元電子ガスに接続して第1の絶縁層を介して形成された
超伝導体からなる検出電極と、第2の半導体層上の一部
に第2の絶縁層を介して形成された制御電極とを備え、
受光部に形成されるチャネルの長さが、電子の平均自由
行程より短くなるようにした。以上のように構成するこ
とで、受光部においては、光励起された電子が、一端の
超伝導電極と他端の検出電極間で、不純物による散乱な
どなく、アンドレーエフ反射により閉じこめられる。そ
して、検出電極にバイアス電圧を印加すれば、その閉じ
こめられた熱電子は、第1の絶縁層をトンネルして検出
電極に取り出される。さらに、制御電極に負電圧を印加
すれば、制御電極下の二次元電子ガスの電子濃度が減少
する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。 実施の形態1 図1は、この発明の第1の実施の形態における半導体光
検出器の構成を示す断面図である。この半導体光検出器
は、図1に示すように、InPからなる半絶縁性の基板
101上に、InAlAsからなる膜厚200nmのバ
ッファ層102を介して、n+-InAlAsからなる膜
厚7nmの電子供給層103が形成されている。この電
子供与層103は、不純物として例えばSiが4×10
18cm-3導入されている。また、電子供給層103上に
は、InAlAsからなる膜厚6nmのバッファ層10
4を介し、InGaAs層(第1の半導体層)105,
InAsからなる受光部106,InGaAs層(第2
の半導体層)107が形成されている。
参照して説明する。 実施の形態1 図1は、この発明の第1の実施の形態における半導体光
検出器の構成を示す断面図である。この半導体光検出器
は、図1に示すように、InPからなる半絶縁性の基板
101上に、InAlAsからなる膜厚200nmのバ
ッファ層102を介して、n+-InAlAsからなる膜
厚7nmの電子供給層103が形成されている。この電
子供与層103は、不純物として例えばSiが4×10
18cm-3導入されている。また、電子供給層103上に
は、InAlAsからなる膜厚6nmのバッファ層10
4を介し、InGaAs層(第1の半導体層)105,
InAsからなる受光部106,InGaAs層(第2
の半導体層)107が形成されている。
【0010】ここで、バッファ層104,InGaAs
層105,受光部106,および,InGaAs層10
7は、電子供給層103上で、例えばNbなどの超伝導
体からなる超伝導電極108にはさまれた構造となって
いる。また、受光部106と超伝導電極108とはオー
ミック接触している。そして、InGaAs層107上
には、InAlAsからなる絶縁層(第2の絶縁層)1
09を介して制御電極110が形成され、また、酸化ア
ルミニウムからなる絶縁層(第2の絶縁層)111を介
してNbなどの超伝導体からなる検出電極112が形成
されている。
層105,受光部106,および,InGaAs層10
7は、電子供給層103上で、例えばNbなどの超伝導
体からなる超伝導電極108にはさまれた構造となって
いる。また、受光部106と超伝導電極108とはオー
ミック接触している。そして、InGaAs層107上
には、InAlAsからなる絶縁層(第2の絶縁層)1
09を介して制御電極110が形成され、また、酸化ア
ルミニウムからなる絶縁層(第2の絶縁層)111を介
してNbなどの超伝導体からなる検出電極112が形成
されている。
【0011】以上示したように、この実施の形態1にお
ける半導体光検出器は、電子供給層103上に、InG
aAs層105と受光部106のヘテロ接合を有し、そ
のヘテロ接合上の受光部106中に二次元電子ガスから
なるチャネルを有する逆HEMT構造となっている。加
えて、逆HEMTのソース・ドレインとなる箇所に超伝
導電極108を配置し、超伝導電極108とオーミック
接触する受光部106とで、超伝導体−半導体(二次元
電子ガス)−超伝導体の構造をとるようにしている。そ
して、超伝導電極108間の間隔を、電子の平均自由行
程より短くなるようにした。つまり、超伝導電極108
の間の受光部106中に形成される2次元電子ガスから
なるチャネルの長さが、電子の平均自由行程より短くな
るようにした。
ける半導体光検出器は、電子供給層103上に、InG
aAs層105と受光部106のヘテロ接合を有し、そ
のヘテロ接合上の受光部106中に二次元電子ガスから
なるチャネルを有する逆HEMT構造となっている。加
えて、逆HEMTのソース・ドレインとなる箇所に超伝
導電極108を配置し、超伝導電極108とオーミック
接触する受光部106とで、超伝導体−半導体(二次元
電子ガス)−超伝導体の構造をとるようにしている。そ
して、超伝導電極108間の間隔を、電子の平均自由行
程より短くなるようにした。つまり、超伝導電極108
の間の受光部106中に形成される2次元電子ガスから
なるチャネルの長さが、電子の平均自由行程より短くな
るようにした。
【0012】すなわち、この実施の形態1に示した半導
体光検出器では、第1に、低温において電子を有効に受
光領域に閉じこめるために、超伝導/半導体界面(以下
SN界面と略す)でのアンドレーエフ反射を利用するよ
うにしたものである。ここでまず、アンドレーエフ反射
に関して説明する。図2に示すように、半導体203の
電子204が超伝導体201に入ろうとすると、超伝導
体201中に存在するエネルギーギャップΔにより、そ
の電子204はそのまま入ることができない。なぜなら
ば、エネルギーギャップΔ中に存在するはずの電子は全
てクーパー対206を形成し、フェルミエネルギー順位
に凝縮してしまっているためである。そのため、SN界
面202において、電子204はホール205として反
射されて半導体203側に戻り、超伝導体201中では
クーパー対206が形成される。
体光検出器では、第1に、低温において電子を有効に受
光領域に閉じこめるために、超伝導/半導体界面(以下
SN界面と略す)でのアンドレーエフ反射を利用するよ
うにしたものである。ここでまず、アンドレーエフ反射
に関して説明する。図2に示すように、半導体203の
電子204が超伝導体201に入ろうとすると、超伝導
体201中に存在するエネルギーギャップΔにより、そ
の電子204はそのまま入ることができない。なぜなら
ば、エネルギーギャップΔ中に存在するはずの電子は全
てクーパー対206を形成し、フェルミエネルギー順位
に凝縮してしまっているためである。そのため、SN界
面202において、電子204はホール205として反
射されて半導体203側に戻り、超伝導体201中では
クーパー対206が形成される。
【0013】これにより、ホール205とクーパー対2
06とを含めた全体でのエネルギー並びに運動量が、S
N界面202において保存されることになる。これをア
ンドレーエフ反射と呼んでいる。同様に、ホール205
がSN界面202に入射した場合には、電子が反射され
て戻ってくる。ただし、全ての電子(ホール)がアンド
レーエフ反射を起こすためには、SN界面でのそれらの
透過率が1でなければならない。実際には、透過率は1
より小さいので、SN界面において電子(ホール)がそ
のまま反射されて戻ってくる通常反射も存在する。
06とを含めた全体でのエネルギー並びに運動量が、S
N界面202において保存されることになる。これをア
ンドレーエフ反射と呼んでいる。同様に、ホール205
がSN界面202に入射した場合には、電子が反射され
て戻ってくる。ただし、全ての電子(ホール)がアンド
レーエフ反射を起こすためには、SN界面でのそれらの
透過率が1でなければならない。実際には、透過率は1
より小さいので、SN界面において電子(ホール)がそ
のまま反射されて戻ってくる通常反射も存在する。
【0014】ここで、前述したこの実施の形態1におけ
る半導体光検出器のように、SN界面を2つ用いたSN
S(超伝導体−半導体−超伝導体)構造とした場合を考
える。このSNS構造においては図3に示すように、超
伝導体301にはさまれている半導体(N領域)302
中の電子303(ホール)のエネルギーが、エネルギー
ギャップΔよりも小さい限りにおいては、その電子30
3(ホール)は超伝導体301中へ逃げ出すことはでき
ない。
る半導体光検出器のように、SN界面を2つ用いたSN
S(超伝導体−半導体−超伝導体)構造とした場合を考
える。このSNS構造においては図3に示すように、超
伝導体301にはさまれている半導体(N領域)302
中の電子303(ホール)のエネルギーが、エネルギー
ギャップΔよりも小さい限りにおいては、その電子30
3(ホール)は超伝導体301中へ逃げ出すことはでき
ない。
【0015】したがって、受光部である半導体302が
受光したことによって励起された電子303の持ってい
るエネルギーは、有効に保持されることになる。ただ
し、SNS構造が形成されている基板や真空中へ、ある
程度のエネルギーの放出はある。また、このようにSN
S構造としたことにより、1つの電子(ホール)が、半
導体302の両端のSN界面304において何度も反射
される多重アンドレーエフ反射も起きる。以上説明した
ように、この実施の形態1の半導体受光素子によれば、
例えば基板101(図1)より入射した光は、受光部1
06の二次元電子ガスの電子を光励起する。そして、こ
の光励起した熱電子のエネルギーは、有効に受光部10
6内に保持されることになる。
受光したことによって励起された電子303の持ってい
るエネルギーは、有効に保持されることになる。ただ
し、SNS構造が形成されている基板や真空中へ、ある
程度のエネルギーの放出はある。また、このようにSN
S構造としたことにより、1つの電子(ホール)が、半
導体302の両端のSN界面304において何度も反射
される多重アンドレーエフ反射も起きる。以上説明した
ように、この実施の形態1の半導体受光素子によれば、
例えば基板101(図1)より入射した光は、受光部1
06の二次元電子ガスの電子を光励起する。そして、こ
の光励起した熱電子のエネルギーは、有効に受光部10
6内に保持されることになる。
【0016】また、この実施の形態1では、超伝導体と
してNbを用い、半導体にはInAsを用いるようにし
た。InAsは金属とオーミック接触を得ることができ
るので、アンドレーエフ反射を得るために理想的な材料
である。また、この実施の形態1では、通常よく使われ
る熱拡散法を用いずに、受光部となるInAsと超伝導
電極となるNbとを直接接触するようにしているので、
電子(ホール)の透過率の大きなSN界面を作ることが
できる。この結果、より多くの電子(ホール)がアンド
レーエフ反射を起こすようになり、熱電子をより有効に
閉じ込めることができる。また、この実施の形態1で
は、超伝導体としてエネルギーギャップ(Δ=1.5m
eV)の大きなNbを用いるようにしているので、受光
部106でエネルギーの大きな熱電子を閉じ込めること
ができる。
してNbを用い、半導体にはInAsを用いるようにし
た。InAsは金属とオーミック接触を得ることができ
るので、アンドレーエフ反射を得るために理想的な材料
である。また、この実施の形態1では、通常よく使われ
る熱拡散法を用いずに、受光部となるInAsと超伝導
電極となるNbとを直接接触するようにしているので、
電子(ホール)の透過率の大きなSN界面を作ることが
できる。この結果、より多くの電子(ホール)がアンド
レーエフ反射を起こすようになり、熱電子をより有効に
閉じ込めることができる。また、この実施の形態1で
は、超伝導体としてエネルギーギャップ(Δ=1.5m
eV)の大きなNbを用いるようにしているので、受光
部106でエネルギーの大きな熱電子を閉じ込めること
ができる。
【0017】そして、この実施の形態1では、第2とし
て、受光部106中では二次元電子ガスが形成されてお
り、電子の平均自由行程は数μm程度となっている。し
たがって、電子の平均自由行程よりもチャネル長Lの方
を短くしておけば、不純物散乱はほぼ無視できることに
なる。すなわち、この実施の形態1によれば、SNS構
造の半導体領域(受光部106)に閉じこめられた熱電
子のエネルギーは、界面散乱と電子−格子相互作用によ
るエネルギー緩和を除けば保存されることとなる。
て、受光部106中では二次元電子ガスが形成されてお
り、電子の平均自由行程は数μm程度となっている。し
たがって、電子の平均自由行程よりもチャネル長Lの方
を短くしておけば、不純物散乱はほぼ無視できることに
なる。すなわち、この実施の形態1によれば、SNS構
造の半導体領域(受光部106)に閉じこめられた熱電
子のエネルギーは、界面散乱と電子−格子相互作用によ
るエネルギー緩和を除けば保存されることとなる。
【0018】そして、この実施の形態1の半導体受光素
子では、第3として、受光部106上に、InGaAs
層107および絶縁層111を介して超伝導体の検出電
極112を備えるようにしている。このように、半導体
−絶縁体−超伝導体(SIN)トンネル接合を備えるこ
とで、受光部106中に保持した熱電子を検出電極11
2により検出することができる。このように、半導体上
に適当な接合寸法を持つSIN接合を設けることで、バ
イアス電圧(V)に応じて、ある領域(|超伝導体のエ
ネルギーギャップΔ−V|以上)のエネルギーを持つ電
子だけを、その接合で選択的に検出することができる。
そして、半導体中で発生した熱電子を、電子−格子相互
作用で緩和する前に、SIN接合にトンネルすることが
できるならば、受光部としての半導体中の格子系を加熱
せずに、そこより熱電子のみを取り出すことができる。
子では、第3として、受光部106上に、InGaAs
層107および絶縁層111を介して超伝導体の検出電
極112を備えるようにしている。このように、半導体
−絶縁体−超伝導体(SIN)トンネル接合を備えるこ
とで、受光部106中に保持した熱電子を検出電極11
2により検出することができる。このように、半導体上
に適当な接合寸法を持つSIN接合を設けることで、バ
イアス電圧(V)に応じて、ある領域(|超伝導体のエ
ネルギーギャップΔ−V|以上)のエネルギーを持つ電
子だけを、その接合で選択的に検出することができる。
そして、半導体中で発生した熱電子を、電子−格子相互
作用で緩和する前に、SIN接合にトンネルすることが
できるならば、受光部としての半導体中の格子系を加熱
せずに、そこより熱電子のみを取り出すことができる。
【0019】この、熱電子を検出するためのSIN接合
は、InGaAs層107上の絶縁層109の形成され
ていない領域に配置する。この実施の形態1では、その
SIN接合は、ニオブ/酸化アルミニウム/InGaA
s(InAs)となっている。このSIN接合では、超
伝導体のエネルギーギャップが大きいほど感度が高くな
る。したがって、検出電極112としては、ニオブや窒
化ニオブなどの大きなエネルギーギャップをもつ超伝導
材料を用いるほうが良い。そして、この検出電極の厚さ
は、150nm程度必要である。
は、InGaAs層107上の絶縁層109の形成され
ていない領域に配置する。この実施の形態1では、その
SIN接合は、ニオブ/酸化アルミニウム/InGaA
s(InAs)となっている。このSIN接合では、超
伝導体のエネルギーギャップが大きいほど感度が高くな
る。したがって、検出電極112としては、ニオブや窒
化ニオブなどの大きなエネルギーギャップをもつ超伝導
材料を用いるほうが良い。そして、この検出電極の厚さ
は、150nm程度必要である。
【0020】さらに、この実施の形態1の半導体受光素
子では、第4として、受光部106上にInGaAs層
107および絶縁層109を介して制御電極110を備
えるようにしている。この制御電極110に負電圧を加
えることにより、制御電極110下のキャリア濃度を減
少させて、実効的に受光部106の抵抗値を大きくする
ことができる。従来よりある超伝導ボロメータでは、受
光部の抵抗は数十オーム程度であり、真空中のインピー
ダンスに比べて一桁ほど小さいため、入射光を有効に受
け取ることができなかった。しかしながら、実施の形態
1の半導体受光素子では、制御電圧を加えることで、真
空とのインピーダンスマッチングをとることが可能とな
り、入射光を有効に受け取ることができる。
子では、第4として、受光部106上にInGaAs層
107および絶縁層109を介して制御電極110を備
えるようにしている。この制御電極110に負電圧を加
えることにより、制御電極110下のキャリア濃度を減
少させて、実効的に受光部106の抵抗値を大きくする
ことができる。従来よりある超伝導ボロメータでは、受
光部の抵抗は数十オーム程度であり、真空中のインピー
ダンスに比べて一桁ほど小さいため、入射光を有効に受
け取ることができなかった。しかしながら、実施の形態
1の半導体受光素子では、制御電圧を加えることで、真
空とのインピーダンスマッチングをとることが可能とな
り、入射光を有効に受け取ることができる。
【0021】例えば、制御電極110に制御電圧を印加
して受光部の抵抗を300Ω程度とすることで、真空と
のインピーダンスマッチングをとることが可能となる。
ここで、制御電極110の材料としては、金・ゲルマニ
ウム・ニッケル合金(AuGeNi alloy)やニオブを使うこ
とが考えられる。特に超伝導体であるニオブを使うこと
は雑音を低減するために有効であると考えられる。ま
た、図1に示すように、SNS接合に適当なバイアス電
流Ibを加えることで。受光部106中において熱励起
される電子数を調節する。そして、検出電極112に流
す検出器電流Idに適当な値を選ぶことで、検出できる
電子のエネルギー領域を決めることができる。
して受光部の抵抗を300Ω程度とすることで、真空と
のインピーダンスマッチングをとることが可能となる。
ここで、制御電極110の材料としては、金・ゲルマニ
ウム・ニッケル合金(AuGeNi alloy)やニオブを使うこ
とが考えられる。特に超伝導体であるニオブを使うこと
は雑音を低減するために有効であると考えられる。ま
た、図1に示すように、SNS接合に適当なバイアス電
流Ibを加えることで。受光部106中において熱励起
される電子数を調節する。そして、検出電極112に流
す検出器電流Idに適当な値を選ぶことで、検出できる
電子のエネルギー領域を決めることができる。
【0022】実施の形態2 以下、この発明の第2の実施の形態について説明する。
この実施の形態2においては、図1に示した半導体受光
素子のチャネル長L(2つの超伝導電極の間隔)を、例
えば、0.1μm程度と非常に短くする。このように半
導体領域が狭いSNS構造で、SN接合における電子
(ホール)がエネルギー損失がない状態では、離散的な
エネルギー準位(アンドレーエフ束縛準位)が形成され
て多重アンドレーエフ反射を起こす。ここで、エネルギ
ー損失がない状態とは、SN界面にショットキー障壁な
どがなく、電子(ホール)の透過率がほぼ1の状態であ
る。
この実施の形態2においては、図1に示した半導体受光
素子のチャネル長L(2つの超伝導電極の間隔)を、例
えば、0.1μm程度と非常に短くする。このように半
導体領域が狭いSNS構造で、SN接合における電子
(ホール)がエネルギー損失がない状態では、離散的な
エネルギー準位(アンドレーエフ束縛準位)が形成され
て多重アンドレーエフ反射を起こす。ここで、エネルギ
ー損失がない状態とは、SN界面にショットキー障壁な
どがなく、電子(ホール)の透過率がほぼ1の状態であ
る。
【0023】このように、SNS構造において、離散的
なエネルギー準位が形成されると、受光部における電子
の光励起は連続的なスペクトルを取ることができない。
すなわち、受光部では、特定波長の電磁波のみを吸収す
るようになる。この結果、この実施の形態2における半
導体光検出器は、量子検出器として動作する。また、ア
ンドレーエフ束縛準位は、制御電極に印加する電圧によ
り可変することができるので、検出波長域は超伝導体の
エネルギーギャップよりも小さい範囲で変化させること
が可能である。ただし、この場合、制御電極の幅をチャ
ネル長Lの半分程度以上にする必要があると考えられ
る。
なエネルギー準位が形成されると、受光部における電子
の光励起は連続的なスペクトルを取ることができない。
すなわち、受光部では、特定波長の電磁波のみを吸収す
るようになる。この結果、この実施の形態2における半
導体光検出器は、量子検出器として動作する。また、ア
ンドレーエフ束縛準位は、制御電極に印加する電圧によ
り可変することができるので、検出波長域は超伝導体の
エネルギーギャップよりも小さい範囲で変化させること
が可能である。ただし、この場合、制御電極の幅をチャ
ネル長Lの半分程度以上にする必要があると考えられ
る。
【0024】実施の形態3 以下、この発明の第3の実施の形態について説明する。
この実施の形態3においては、図1に示した半導体光検
出器において、紙面上下方向から磁場を印加するように
したものである。そして、磁場を印加することで形成さ
れる量子ホール効果を利用するようにしたものである。
二次元電子系に大きな磁場を加えた場合に、電子のサイ
クロトロン半径に従って量子化された準位(ランダウ準
位)が形成される。このような状況で二次元電子ガスに
中のチャネルに電流を流すと、電流は主としてエッジチ
ャネルを通してゼロ電圧状態で流れる。また、電子のエ
ネルギーが変わることで、電流は異なるエッジチャネル
に流れることになる。つまり、上述したように磁場を印
加することで、アンドレーエフ束縛準位と同様の環境が
受光部内に形成されることになる。
この実施の形態3においては、図1に示した半導体光検
出器において、紙面上下方向から磁場を印加するように
したものである。そして、磁場を印加することで形成さ
れる量子ホール効果を利用するようにしたものである。
二次元電子系に大きな磁場を加えた場合に、電子のサイ
クロトロン半径に従って量子化された準位(ランダウ準
位)が形成される。このような状況で二次元電子ガスに
中のチャネルに電流を流すと、電流は主としてエッジチ
ャネルを通してゼロ電圧状態で流れる。また、電子のエ
ネルギーが変わることで、電流は異なるエッジチャネル
に流れることになる。つまり、上述したように磁場を印
加することで、アンドレーエフ束縛準位と同様の環境が
受光部内に形成されることになる。
【0025】したがって、この実施の形態3の半導体光
検出器においても、例えば、18T程度の高磁場の印加
により量子ホール状態が実現することで、受光部である
半導体領域での電子を離散的な準位に存在させることが
できる。そして、実施の形態2と同様に、特定のエネル
ギーの光励起だけを検出できることとなる。また、印加
する磁場の磁束密度によって、そのランダウ準位は可変
することができるので、上記実施の形態2と同様に、検
出波長域は超伝導体のエネルギーギャップよりも小さい
範囲で変化させることが可能である。
検出器においても、例えば、18T程度の高磁場の印加
により量子ホール状態が実現することで、受光部である
半導体領域での電子を離散的な準位に存在させることが
できる。そして、実施の形態2と同様に、特定のエネル
ギーの光励起だけを検出できることとなる。また、印加
する磁場の磁束密度によって、そのランダウ準位は可変
することができるので、上記実施の形態2と同様に、検
出波長域は超伝導体のエネルギーギャップよりも小さい
範囲で変化させることが可能である。
【0026】ここで、この実施の形態3における半導体
光検出器の構造は図3と同様であるが、超伝導電極10
8として、窒化ニオブ(NbN)を用いるようにする。
NbNは、Nbよりも大きな臨界磁場(47T)を有す
るので、高磁場磁場に対しても超伝導性が壊されずSN
S接合として動作する。またNbNは、Nbよりも大き
なエネルギーギャップ(Δ=2.5meV)を持つた
め、上記実施の形態1の構成よりも、更に高い周波数領
域の光も検出できる。
光検出器の構造は図3と同様であるが、超伝導電極10
8として、窒化ニオブ(NbN)を用いるようにする。
NbNは、Nbよりも大きな臨界磁場(47T)を有す
るので、高磁場磁場に対しても超伝導性が壊されずSN
S接合として動作する。またNbNは、Nbよりも大き
なエネルギーギャップ(Δ=2.5meV)を持つた
め、上記実施の形態1の構成よりも、更に高い周波数領
域の光も検出できる。
【0027】実施の形態4 以下、この発明の第4の実施の形態について説明する。
図4は、この発明の実施の形態4における半導体光検出
器の構成を示す断面図である。この半導体光検出器は、
図4に示すように、まず、InPからなる半絶縁性の基
板401上に、InAlAsからなる膜厚200nmの
バッファ層402を介して、n+-InAlAsからなる
膜厚7nmの電子供給層403が形成された構成となっ
ている。この電子供与層403は、不純物として例えば
Siが4×1018cm-3導入されている。また、電子供
給層403上には、InAlAsからなる膜厚6nmの
バッファ層404を介し、InGaAs層405,In
Asからなる受光部406,InGaAs層407が形
成されている。
図4は、この発明の実施の形態4における半導体光検出
器の構成を示す断面図である。この半導体光検出器は、
図4に示すように、まず、InPからなる半絶縁性の基
板401上に、InAlAsからなる膜厚200nmの
バッファ層402を介して、n+-InAlAsからなる
膜厚7nmの電子供給層403が形成された構成となっ
ている。この電子供与層403は、不純物として例えば
Siが4×1018cm-3導入されている。また、電子供
給層403上には、InAlAsからなる膜厚6nmの
バッファ層404を介し、InGaAs層405,In
Asからなる受光部406,InGaAs層407が形
成されている。
【0028】ここで、バッファ層404,InGaAs
層405,受光部406,および,InGaAs層40
7の一端は、電子供給層403上で、例えばNbなどの
超伝導体からなる超伝導電極408に接続している。ま
た、受光部406,および,InGaAs層407の他
端は、InGaAs層405の上で、酸化アルミニウム
からなる絶縁層409を介してNbなどの超伝導体から
なる検出電極410に接続している。そして、InGa
As層407上には、InAlAsからなる絶縁層41
1を介して制御電極512が形成されている。
層405,受光部406,および,InGaAs層40
7の一端は、電子供給層403上で、例えばNbなどの
超伝導体からなる超伝導電極408に接続している。ま
た、受光部406,および,InGaAs層407の他
端は、InGaAs層405の上で、酸化アルミニウム
からなる絶縁層409を介してNbなどの超伝導体から
なる検出電極410に接続している。そして、InGa
As層407上には、InAlAsからなる絶縁層41
1を介して制御電極512が形成されている。
【0029】以上示したように、この実施の形態4にお
ける半導体光検出器は、電子供給層403上に、InG
aAs層405と受光部406のヘテロ接合を有し、そ
のヘテロ接合上の受光部406中に二次元電子ガスから
なるチャネルを有する逆HEMT構造となっている。加
えて、二次元電子ガスが形成される受光部406の一端
に超伝導電極408を接続し、他端には、絶縁層409
を介して検出電極410を接続した。すなわち、この実
施の形態4の半導体光検出器は、超伝導体−絶縁体−二
次元電子ガス−超伝導体の構造とした。
ける半導体光検出器は、電子供給層403上に、InG
aAs層405と受光部406のヘテロ接合を有し、そ
のヘテロ接合上の受光部406中に二次元電子ガスから
なるチャネルを有する逆HEMT構造となっている。加
えて、二次元電子ガスが形成される受光部406の一端
に超伝導電極408を接続し、他端には、絶縁層409
を介して検出電極410を接続した。すなわち、この実
施の形態4の半導体光検出器は、超伝導体−絶縁体−二
次元電子ガス−超伝導体の構造とした。
【0030】以上示したように、この実施の形態4の半
導体光検出器では、上記実施の形態1〜3とは異なり、
受光部に接続する超伝導体の片側に、絶縁体をはさむよ
うにした構造であり、超伝導電極と検出電極とを共用す
るようにしたものである。したがって、この実施の形態
4の構成では、光検出を行うときに、バイアス電流Ib
と検出電流Idとが同じとなり、制御性が悪くなる。し
かしながら、この実施の形態4における構成の方が、電
極を共用するようにしているなどにより、上記実施の形
態1〜3の構成に比較して、作製しやすいものとなって
おり、より実現しやすい構造となっている。
導体光検出器では、上記実施の形態1〜3とは異なり、
受光部に接続する超伝導体の片側に、絶縁体をはさむよ
うにした構造であり、超伝導電極と検出電極とを共用す
るようにしたものである。したがって、この実施の形態
4の構成では、光検出を行うときに、バイアス電流Ib
と検出電流Idとが同じとなり、制御性が悪くなる。し
かしながら、この実施の形態4における構成の方が、電
極を共用するようにしているなどにより、上記実施の形
態1〜3の構成に比較して、作製しやすいものとなって
おり、より実現しやすい構造となっている。
【0031】ここで、従来より超伝導体−絶縁体−半導
体−超伝導体の構造を有する光検出器として、スーパー
ショットキー・ダイオードが提案されている。しかし、
このスーパーショットキー・ダイオードでは、受光部で
ある半導体領域において熱電子のエネルギーが、不純物
散乱により緩和してしまうという問題がある。これに対
して、この実施の形態4の半導体光検出器では、電子の
平均自由行程よりもチャネル長(半導体領域:受光部)
の方が短いバリステックな状態であるので、不純物散乱
を無視することができる。このため、この実施の形態4
の半導体光検出器では、上述したスーパーショットキー
・ダイオードよりも検出感度や動作温度がさらに向上す
るものとなっている。また、この実施の形態4の半導体
光検出器では、制御電極を設けるようにしているので、
この制御電圧の印加により、受光効率の向上も得られ
る。
体−超伝導体の構造を有する光検出器として、スーパー
ショットキー・ダイオードが提案されている。しかし、
このスーパーショットキー・ダイオードでは、受光部で
ある半導体領域において熱電子のエネルギーが、不純物
散乱により緩和してしまうという問題がある。これに対
して、この実施の形態4の半導体光検出器では、電子の
平均自由行程よりもチャネル長(半導体領域:受光部)
の方が短いバリステックな状態であるので、不純物散乱
を無視することができる。このため、この実施の形態4
の半導体光検出器では、上述したスーパーショットキー
・ダイオードよりも検出感度や動作温度がさらに向上す
るものとなっている。また、この実施の形態4の半導体
光検出器では、制御電極を設けるようにしているので、
この制御電圧の印加により、受光効率の向上も得られ
る。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、ま
ず、化合物半導体からなる第1の半導体層と、二次元電
子ガスが形成されて第1の半導体層上にヘテロ接合して
形成された受光部と、受光部上にヘテロ接合して形成さ
れた第2の半導体層とを備える。そして、二次元電子ガ
ス形成面の水平方向の受光部の両端にオーミック接触
し、二次元電子ガスに接続して形成された超伝導体から
なる超伝導電極と、第2の半導体層上の一部に第1の絶
縁層を介して形成された超伝導体からなる検出電極と、
第2の半導体層上の第1の絶縁層が形成されていない領
域の一部に第2の絶縁層を介して形成された制御電極と
を備え、受光部に形成されるチャネルの長さが、電子の
平均自由行程より短くなるようにした。また、二次元電
子ガス形成面の水平方向の受光部の一端にオーミック接
触して二次元電子ガスに接続して形成された超伝導体か
らなる超伝導電極と、二次元電子ガス形成面の水平方向
の受光部の他端に二次元電子ガスに接続して第1の絶縁
層を介して形成された超伝導体からなる検出電極と、第
2の半導体層上の一部に第2の絶縁層を介して形成され
た制御電極とを備え、受光部に形成されるチャネルの長
さが、電子の平均自由行程より短くなるようにした。
ず、化合物半導体からなる第1の半導体層と、二次元電
子ガスが形成されて第1の半導体層上にヘテロ接合して
形成された受光部と、受光部上にヘテロ接合して形成さ
れた第2の半導体層とを備える。そして、二次元電子ガ
ス形成面の水平方向の受光部の両端にオーミック接触
し、二次元電子ガスに接続して形成された超伝導体から
なる超伝導電極と、第2の半導体層上の一部に第1の絶
縁層を介して形成された超伝導体からなる検出電極と、
第2の半導体層上の第1の絶縁層が形成されていない領
域の一部に第2の絶縁層を介して形成された制御電極と
を備え、受光部に形成されるチャネルの長さが、電子の
平均自由行程より短くなるようにした。また、二次元電
子ガス形成面の水平方向の受光部の一端にオーミック接
触して二次元電子ガスに接続して形成された超伝導体か
らなる超伝導電極と、二次元電子ガス形成面の水平方向
の受光部の他端に二次元電子ガスに接続して第1の絶縁
層を介して形成された超伝導体からなる検出電極と、第
2の半導体層上の一部に第2の絶縁層を介して形成され
た制御電極とを備え、受光部に形成されるチャネルの長
さが、電子の平均自由行程より短くなるようにした。
【0033】以上のように構成することで、受光部にお
いては、光励起された電子が、両端の超伝導電極の間も
しくは超伝導電極と検出電極間との間で、不純物による
散乱などなく、アンドレーエフ反射により閉じこめられ
る。そして、検出電極にバイアス電圧を印加すれば、そ
の閉じこめられた熱電子は、第1の絶縁層をトンネルし
て検出電極に取り出される。さらに、制御電極に印加す
る負電圧を制御すれば、制御電極下の二次元電子ガスの
電子濃度を制御でき、受光部におけるインピーダンスを
制御できる。
いては、光励起された電子が、両端の超伝導電極の間も
しくは超伝導電極と検出電極間との間で、不純物による
散乱などなく、アンドレーエフ反射により閉じこめられ
る。そして、検出電極にバイアス電圧を印加すれば、そ
の閉じこめられた熱電子は、第1の絶縁層をトンネルし
て検出電極に取り出される。さらに、制御電極に印加す
る負電圧を制御すれば、制御電極下の二次元電子ガスの
電子濃度を制御でき、受光部におけるインピーダンスを
制御できる。
【0034】したがって、この発明によれば、雰囲気と
のインピーダンスマッチングをとることで、入射光を有
効に受け取ることが可能となり、そして、受光したこと
により発生した熱電子を、そのエネルギーが失われない
うちに検出できる。この結果、この発明によれば、マイ
クロ波からサブミリ波領域の光検出を、より高感度な状
態でより高速に応答できるようになるという効果を有す
る。従来よりある超伝導ボロメータでは、いかに入射光
エネルギーを素早く取り除く下について、様々の工夫を
行っていた。これに対して、この発明では、入射光エネ
ルギーをいかに完全に保持し、いかに早く検出できるか
について工夫をしたものである。
のインピーダンスマッチングをとることで、入射光を有
効に受け取ることが可能となり、そして、受光したこと
により発生した熱電子を、そのエネルギーが失われない
うちに検出できる。この結果、この発明によれば、マイ
クロ波からサブミリ波領域の光検出を、より高感度な状
態でより高速に応答できるようになるという効果を有す
る。従来よりある超伝導ボロメータでは、いかに入射光
エネルギーを素早く取り除く下について、様々の工夫を
行っていた。これに対して、この発明では、入射光エネ
ルギーをいかに完全に保持し、いかに早く検出できるか
について工夫をしたものである。
【0035】以上示したように、この発明によれば、微
弱な電磁波を高速で検出できるようになるので、特に今
後の宇宙での通信や極限化における微小電磁場の検出に
有効であると考えられる。宇宙空間では背景輻射のみを
考えた場合には、動作温度は数ケルビン程度となるの
で、従来からの微小超伝導ボロメータでは、感度並びに
動作温度に制限が出てくるが、この発明によれば、さら
に高感度な検出が可能となる。また、高磁場や極低温環
境などの特殊条件下での微小光検出に利用できる。特
に、宇宙空間における衛星間ないしは惑星間通信用素子
としての応用は今後重要と考えられる。
弱な電磁波を高速で検出できるようになるので、特に今
後の宇宙での通信や極限化における微小電磁場の検出に
有効であると考えられる。宇宙空間では背景輻射のみを
考えた場合には、動作温度は数ケルビン程度となるの
で、従来からの微小超伝導ボロメータでは、感度並びに
動作温度に制限が出てくるが、この発明によれば、さら
に高感度な検出が可能となる。また、高磁場や極低温環
境などの特殊条件下での微小光検出に利用できる。特
に、宇宙空間における衛星間ないしは惑星間通信用素子
としての応用は今後重要と考えられる。
【図1】 この発明の第1の実施の形態における半導体
光検出器の構成を示す断面図である。
光検出器の構成を示す断面図である。
【図2】 超伝導体−半導体界面におけるアンドレーエ
フ反射を示す説明図である。
フ反射を示す説明図である。
【図3】 超伝導体−半導体−超伝導体構造における電
子の閉じこめを示す説明図である。
子の閉じこめを示す説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態4における半導体光検
出器の構成を示す断面図である。
出器の構成を示す断面図である。
101…基板、102…バッファ層、103…電子供給
層、104…バッファ層、105…InGaAs層、1
06…受光部、107…InGaAs層、108…超伝
導電極、109…絶縁層(第2の絶縁層)、110…制
御電極、111…絶縁層(第1の絶縁層)、112…検
出電極。
層、104…バッファ層、105…InGaAs層、1
06…受光部、107…InGaAs層、108…超伝
導電極、109…絶縁層(第2の絶縁層)、110…制
御電極、111…絶縁層(第1の絶縁層)、112…検
出電極。
Claims (7)
- 【請求項1】 化合物半導体からなる第1の半導体層
と、 二次元電子ガスが形成されて前記第1の半導体層上にヘ
テロ接合して形成された受光部と、 前記受光部上にヘテロ接合して形成された第2の半導体
層と、 前記二次元電子ガス形成面の水平方向の前記受光部の両
端にオーミック接触し、前記二次元電子ガスに接続して
形成された超伝導体からなる超伝導電極と、 前記第2の半導体層上の一部に第1の絶縁層を介して形
成された超伝導体からなる検出電極と、 前記第2の半導体層上の前記第1の絶縁層が形成されて
いない領域の一部に第2の絶縁層を介して形成された制
御電極とを備え、 前記受光部に形成されるチャネルの長さが、電子の平均
自由行程より短いことを特徴とする半導体光検出器。 - 【請求項2】 請求項1記載の半導体光検出器におい
て、 前記超伝導電極間の距離が、前記受光部にアンドレーエ
フ束縛準位が形成される距離以下に形成されていること
を特徴とする半導体光検出器。 - 【請求項3】 請求項1記載の半導体光検出器におい
て、 前記二次元電子ガスが形成される層の法線方向より、前
記受光部のチャネル中に領しホール効果が発現する以上
の磁場を印加する磁場印加手段を備えたことを特徴とす
る半導体光検出器。 - 【請求項4】 化合物半導体からなる第1の半導体層
と、 二次元電子ガスが形成されて前記第1の半導体層上にヘ
テロ接合して形成された受光部と、 前記受光部上にヘテロ接合して形成された第2の半導体
層と、 前記二次元電子ガス形成面の水平方向の前記受光部の一
端にオーミック接触し、前記二次元電子ガスに接続して
形成された超伝導体からなる超伝導電極と、 前記二次元電子ガス形成面の水平方向の前記受光部の他
端に、前記二次元電子ガスに接続して第1の絶縁層を介
して形成された超伝導体からなる検出電極と、 前記第2の半導体層上の一部に第2の絶縁層を介して形
成された制御電極とを備え、 前記受光部に形成されるチャネルの長さが、電子の平均
自由行程より短いことを特徴とする半導体光検出器。 - 【請求項5】 請求項4記載の半導体光検出器におい
て、 前記超伝導電極と前記第1の絶縁層との距離が、前記受
光部にアンドレーエフ束縛準位が形成される距離以下に
形成されていることを特徴とする半導体光検出器。 - 【請求項6】 請求項5記載の半導体光検出器におい
て、 前記二次元電子ガスが形成される層の法線方向より前記
受光部のチャネル中に領しホール効果が発現する以上の
磁場を印加する磁場印加手段を備えたことを特徴とする
半導体光検出器。 - 【請求項7】 請求項1〜6いずれか1項記載の半導体
光検出器において、 前記制御電極は超伝導体から構成されていることを特徴
とする半導体光検出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9156496A JPH114014A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 半導体光検出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9156496A JPH114014A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 半導体光検出器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH114014A true JPH114014A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15629033
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9156496A Pending JPH114014A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 半導体光検出器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH114014A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100290858B1 (ko) * | 1999-03-13 | 2001-05-15 | 구자홍 | 양자점 원적외선 수광소자 및 그 제조방법 |
KR20040036341A (ko) * | 2002-10-24 | 2004-04-30 | 전자부품연구원 | 고전자 이동도 트랜지스터를 이용한 고감도 수광소자 |
WO2015067932A1 (en) * | 2013-11-06 | 2015-05-14 | The University Of Warwick | Bolometer |
-
1997
- 1997-06-13 JP JP9156496A patent/JPH114014A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100290858B1 (ko) * | 1999-03-13 | 2001-05-15 | 구자홍 | 양자점 원적외선 수광소자 및 그 제조방법 |
KR20040036341A (ko) * | 2002-10-24 | 2004-04-30 | 전자부품연구원 | 고전자 이동도 트랜지스터를 이용한 고감도 수광소자 |
WO2015067932A1 (en) * | 2013-11-06 | 2015-05-14 | The University Of Warwick | Bolometer |
US9964446B2 (en) | 2013-11-06 | 2018-05-08 | The University Of Warwick | Bolometer |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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