JPH1140050A - 電子銃の製造方法 - Google Patents

電子銃の製造方法

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Publication number
JPH1140050A
JPH1140050A JP19805197A JP19805197A JPH1140050A JP H1140050 A JPH1140050 A JP H1140050A JP 19805197 A JP19805197 A JP 19805197A JP 19805197 A JP19805197 A JP 19805197A JP H1140050 A JPH1140050 A JP H1140050A
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JP
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grid
cathode
unit
electron gun
electron
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JP19805197A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Shiraishi
哲也 白石
Katsumi Ono
克己 大野
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カソード表面で電子放出範囲を限定したカソ
ードを利用した高性能電子銃を比較的容易に製造するこ
とができる方法を提供する。 【解決手段】 電子が放出される領域が限定されている
カソードと、該カソードを支えるカソード支持部品と、
前記カソードから放出される電子を一方向へ導く電子通
過孔を備えた第1グリッドとを備えてなる第1ユニッ
ト、および第2〜5グリッドまでと、該グリッドの位置
関係を固定するビードガラスとを備えてなる第2ユニッ
トからなる電子銃の製造方法であって、前記電子が放出
される領域の中心軸と第1のグリッドの電子通過孔の中
心軸とが一致するように第1ユニットを作製する工程
と、前記第2〜5グリッドまでの電子通過孔の中心軸が
互いに一致するように第2ユニットを作製する工程と、
前記第1ユニットと第2ユニットとを位置合わせしたの
ち溶接して電子銃を組み立てる工程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管の電子銃
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電子銃の製造方法の例として、特
開平7ー85807号公報に示された、電子が放出され
る領域(以下、単に「電子放出可能領域」という)が限
定されているカソードを使用した電子銃の製造方法を2
通り、従来例1および従来例2として示す。
【0003】まず、製造方法を説明する前に電子放出可
能領域が限定されている電子銃の構成と動作を説明す
る。
【0004】従来例1における電子銃の構成はつぎの通
りである。図13は、従来例1における電子銃のカソー
ド近傍を示す断面説明図である。図13において、1は
ヒータ、2は、ヒータ1を囲むように形成されたモリブ
デンからなる円筒状の内側スリーブ2aおよび外側スリ
ーブ2bを互いに重ね合わせて構成されたスリーブであ
る。スリーブ2は支持線3によって金属の円筒状部材4
から釣り下げられるような形で固定されている。なお、
支持線3および円筒状部材4はカソード支持部品であ
る。内側スリーブ2aはその上部が閉塞されており、外
側スリーブ2bには上部に開口部があり、該開口部が電
子放出可能領域5である。
【0005】電子放出可能領域5には、内側スリーブ2
aの閉塞された上部中央表面に固着されたカソードペレ
ット6が配置されている。本従来例で使用されているカ
ソード7は含浸型カソードと呼ばれているものであり、
カソードペレット6が、多孔質のタングステンからなる
基体にBaO、CaOおよびAl23からなる含浸材を
含浸して構成されている。図示されているように、前記
スリーブ2と支持線3と円筒状部材4とカソードペレッ
ト6とでカソード7が形成されている。
【0006】カソード7の上部にはカソードから離隔し
て、金属からなる電極板(以下、単に「金属電極板」と
いう)である第1グリッド8が設けられており、第1グ
リッド8には第1グリッド電子通過孔9が形成されてい
る。さらに、第1グリッド8の上部には金属電極板であ
る第2グリッド10が配置されており、この第2グリッ
ド10には第2グリッド電子通過孔11が形成されてい
る。
【0007】また、図14は従来例1の電子銃の製造方
法により形成された電子銃が適用されている陰極線管の
概略を示す全体構成説明図である。12は、CRTにお
いてカソード7に対向する位置に設けられた蛍光スクリ
ーンである。なお、図14において、図13と同一の箇
所は同じ符号を用いて示した。
【0008】図14に示したように、第2グリッド10
の蛍光スクリーン12側にはさらに、第3グリッド1
3、第4グリッド14、第5グリッド15が設けられて
いる。第3グリッド、第4グリッド、第5グリッドはそ
れぞれ導電板で形成されており、それぞれ電子通過孔が
設けられている。
【0009】なお、カソードおよび各グリッドは、図示
していないビードガラスにより、相互の位置関係が適当
になるように固定されている。前記ビードガラスは、絶
縁性材料からなり、真空中で使用可能な部材である。
【0010】第1グリッド電子通過孔9および第2グリ
ッド電子通過孔11はそれぞれ同一軸上に位置づけられ
たたとえば同型の円筒孔からなり、前記軸の延長上に前
記カソードペレット6が位置づけられるようになってい
る。カソードペレット6は前記軸を中心とする電子放出
可能領域に形成されているとともに、第1グリッド電子
通過孔9より小さい表面積を有している。
【0011】つぎに、従来例2の電子銃の製造方法によ
り形成された構成を示す。図15は従来例2の電子銃の
製造方法により形成された電子銃のカソード近傍を示す
断面説明図である。図15において、図13と同一の箇
所は同じ符号を用いて示した。図15に示すように、ス
リーブ2の電子が放出される側の面全域にカソードペレ
ット6が設置され、カソードペレット6を覆うようにし
てモリブデンからなるペレットキャップ16が前記スリ
ーブ2に固定されている。前記ペレットキャップ16に
は微小孔群17が形成されている。電子の供給源である
カソードペレット6中のバリウムは微小孔群17を通じ
て供給される。したがって、電子放出可能領域5はこの
微小孔群17が形成されている範囲となる。
【0012】従来例2の電子銃の製造方法により形成さ
れた電子銃のカソード以外の構成は、従来例1と同様で
ある。従来例2の電子銃においても電子放出がなされる
微小孔群17が設けられている範囲は、第1グリッド電
子通過孔9の中心軸を中心とする領域であるとともに、
第1グリッド電子通過孔より小さい表面積を有してい
る。
【0013】つぎに、電子銃の動作について、図13〜
15を参照しつつ説明する。従来例1および従来例2と
もに基本的な動作は変わらない。第1グリッド8にはカ
ソード7より低い所定の電圧が印加され、第2グリッド
10にはカソード7より高い所定の電圧が印加される。
このようにカソード7、第1グリッド8、第2グリッド
10に適当な電圧を印加することにより、電子を蛍光ス
クリーン側に引き出すことができる。引き出す電子の
量、つまり、放出電流量は、通常、カソードもしくは第
1グリッドの電圧を変調して調節する。さらに、第3グ
リッド、第4グリッド、第5グリッドにも所定の電圧が
印加されており、第5グリッドが形成する電界レンズに
より、カソード7の表面から放出された電子は集束した
状態で蛍光スクリーンへと入射する。
【0014】つぎに、従来の電子放出可能領域を限定し
ないカソードを使用した電子銃の一例について説明す
る。図16は、通常の電子放出可能領域を限定しないカ
ソードを使用した電子銃においてカソード7から放射さ
れる電子の電子軌道を示したカソード近傍の断面側面図
である。18はカソードから放出された電子の電子軌道
を示す。なお、図16において、図14と同一の箇所は
同じ符号を用いて示した。図16から、カソード7の電
子放出領域の中心軸5aの比較的近傍から放射される電
子は、カソード7から遠いところで交差点をもつが、中
心軸5aから比較的離れた箇所から放射される電子は、
カソードから近距離の位置に交差点をもつことになる。
中心軸から離れたところから放射された電子の交差点が
中心軸近傍から放射された電子の交差点と一致しないこ
とは、大まかに言えば仮想的な電子放出位置の不一致と
考えることができ、蛍光面に電子ビームが入射する際に
ハローが生じる一因となる。
【0015】このことから、カソード7の電子放出可能
領域(図示せず)の直径が小さい方が、電子放出可能領
域の中心軸5aから大きく離れた箇所から電子放出がな
されることが無くなる。また、電子放出可能領域の直径
を小さくすると、同じ大きさの電流を取り出したばあい
電流密度が増すために、中心軸5aから離れた箇所から
放出された電子は中心軸から外側方向への斥力を強く受
け、交差点が蛍光面側に移動し交差点が一致する方向に
働く。これらの理由で、電子放出可能領域を小さく限定
すると、ハローの発生を低減させることができる。した
がって、放出された電子の集束特性の向上を図ることが
できる。しかし、この効果を充分にうるためには、電子
放出可能領域の直径は、従来例に記載されているように
第1グリッド電子通過孔より小さいだけでは通常不充分
であり、たとえば第1グリッドの直径の4分の1程度に
かなり小さく形成しなくてはならない。さらに、電子放
出可能領域の中心軸5aが第1グリッドおよび第2グリ
ッドなどの電子通過孔の中心軸上に位置していることが
必要である。前記したように従来例の電子銃において
は、電子放出可能領域の中心軸が第1グリッド電子通過
孔および第2グリッド電子通過孔などの中心軸上に位置
し、電子放出可能領域がたとえば直径0.1mm程度の
小さい表面積で形成されれば、放出された電子の集束特
性の向上を図ることができる。
【0016】つぎに、従来例1および従来例2の電子銃
の製造方法を説明する前に、カソードの電子放出可能領
域を限定していないカソードを使うばあい、つまり、現
在普通に量産されているCRT用電子銃の製造方法を説
明する。つぎの説明はカラーCRTの電子銃に関するも
のであるため、電子銃には3つのカソードが備えられて
いる。
【0017】はじめに複数個のグリッドをスペーサとと
もに軸合わせの棒に通して位置合わせをする。ここで、
複数のグリッドを第1グリッドから第5グリッドの5枚
とする。図17は、第1グリッドから第5グリッドまで
の位置合わせをしたときの、電子放出可能領域を限定し
ていないカソードを使用した電子銃を示す断面説明図で
ある。
【0018】19はマンドレルと呼ばれる軸合わせ用の
治具である。マンドレル19には軸合わせ棒20が2本
備えられている。8は第1グリッド、10は第2グリッ
ド、13は第3グリッド、14は第4グリッド、15は
第5グリッドである。それぞれのグリッドにはR(赤)
用、G(緑)用、B(青)用の3つの電子通過孔が設け
られている。第1グリッドにはカソードを支持するため
のカソード支持部品21が溶接されている。カソード支
持部品は、第1グリッドを溶接するための金属部21
a、カソードを第1グリッドから絶縁するためのガラス
部21b、カソードを溶接するための金属円筒部21c
からなる。なお、8aは各グリッドの電子通過孔の中心
軸を示す。
【0019】位置合わせには3つ並んだ電子通過孔のう
ち両サイドに位置するR用とB用の電子通過孔を用い
る。軸合わせ棒の太さは各グリッドの電子通過孔の直径
に合わせて形成されており、軸合わせ棒20にグリッド
を挿入するだけで軸合わせがなされるようになってい
る。各グリッドの電子通過孔の大きさはおおよそカソー
ドから離れるほど大きくなるため、軸合わせ棒20も太
さを徐々に変えていく必要がある。まず、第5グリッド
15を軸合わせ棒20にセットし、つぎに、第4グリッ
ド14と第3グリッド13と第2グリッド10とを、ス
ペーサ22を介しつつ積み上げる。さらに、第1グリッ
ド8、および第1グリッドと第2グリッドとのあいだに
所定の間隔を設けるためのスペーサ22をセットする。
順番に、カソード支持部品21をセットする。このとき
カソードはまだカソード支持部品に溶接されていない。
【0020】図18は、図17に示される電子銃を矢印
Dで示される方向から見た平面説明図である。つぎに、
前述のようにマンドレルにセットされた第1グリッドか
ら第5グリッドまでを、加熱により軟化したビードガラ
スで図18の矢印yおよびy′で示される2方向から挟
む。23で示される凹凸はビードガラスへの固定が容易
になされるように各グリッドに設けられた立込みと呼ば
れるものである。ビードガラスが冷えて固化したあと
に、軸合わせ棒20とスペーサ22を抜き取れば第1グ
リッド8から第5グリッド15まで位置合わせがなされ
た電子銃をうることができる。かかる状態の電子銃の第
5グリッド15側からエアーマイクロを挿入し、第1グ
リッド8表面からカソード表面までの間隔を測定しつつ
カソード支持部品21にカソードを挿入し、所定の間隔
になったときにカソードをカソード支持部品21に溶接
する。前記エアーマイクロとは、細管から空気を流出さ
せておき、物体が流出口に近づくと流量が減少すること
を利用して、物体と流出口の距離を測定する測定装置を
いう。前述のようにしてカソードから第5グリッド15
まで位置合わせがなされた電子銃をうることができる。
【0021】つぎに、カソードの電子放出可能範囲が限
定された電子銃の製造方法について説明する。第1グリ
ッドから第5グリッドまでを位置合わせする方法は前述
の普通の電子銃の製造方法と変わらず、第1グリッドか
ら第5グリッドまでにカソードの電子放出可能領域を位
置合わせする方法を組み合わせて電子銃を製造する。
【0022】まず、従来例1の電子銃の製造方法につい
て説明する。図19は、外側スリーブと各グリッドとの
軸合わせを行っているときの電子銃を示す断面説明図で
ある。2bは外側スリーブ、3は支持線、4は円筒状部
材、8は第1グリッド、10は第2グリッドである。1
20は軸合わせ棒である。図19において、図13およ
び図14と同一の箇所は同じ符号を用いて示した。前記
外側スリーブ2bとグリッドとの位置合わせは、図18
に示されるマンドレルの軸合わせ棒の先端を改造して第
1グリッドから第5グリッドまでの位置合わせと同時に
行う方法と、第1グリッドから第5グリッドまで位置合
わせをしたのち、改めて別の軸合わせ棒を挿入して行う
方法が考えられる。図19は後者のばあいを示し、マン
ドレルで第1グリッドから第5グリッドまでの位置合わ
せをしたのち、ビードガラスで第1グリッドから第5グ
リッドまでを固定し、その後改めて別の軸合わせ棒12
0を挿入したところを示している。このような形状の軸
合わせ棒120を用いるばあい、カソードおよび第1グ
リッド間の距離は、たとえば図19の状態からカソード
を第1グリッドに接触するまで押し上げ、接触した位置
を基準に下げて距離を測定するなどの方法で、所定の値
になるようにしておかなければならない。
【0023】軸合わせ棒120を図19のように第5グ
リッド側から第2グリッドおよび第1グリッド電子通過
孔ならびに外側スリーブ2bの開口部24に挿入するこ
とによって、外側スリーブの開口部24の中心軸を、第
1グリッド電子通過孔9および第2グリッド電子通過孔
11の中心軸と一致させることができる。
【0024】図20は、カソード組立時の電子銃を示す
断面説明図である。図20において、図13および図1
4と同一の箇所は同じ符号を用いて示した。カソード支
持用の金属の円筒状部材4を図示していないカソード支
持部品に溶接して、固定し、前記軸合わせ棒120(図
19参照)を取り除いたのち、図20に示すように、外
側スリーブ2b内に内側スリーブ2aを挿入し、内側ス
リーブ2aを外側スリーブ2bに溶接して固定する。内
側スリーブは外側スリーブの形状に合わせて形成され、
外側スリーブ2bに形成されている開口部24に対応す
る位置にカソードペレット6が固着されている。このよ
うにして従来例1の電子銃は製造される。
【0025】つぎに、従来例2の電子銃の製造方法につ
いて説明する。図21は、従来例2にかかわる電子銃を
示す説明図である。図21において、図14および図1
5と同一の箇所は同じ符号を用いて示した。第1グリッ
ド8から第5グリッド15までの電子通過孔の中心軸を
マンドレルを用いて普通の電子銃と同様に一致させる。
また、第1グリッド8と、カソードキャップ16の距離
をエアーマイクロなどを使用して調節後、図示していな
いカソード支持部品にカソード支持用の金属の円筒状部
材4を溶接し固定する。このとき第1グリッドに対する
カソードキャップ16の同軸合わせは厳密に行う必要は
ない。
【0026】つぎに、レーザ加工で、カソードキャップ
16に前記微小孔群を形成する。図21において、25
はレーザ照射装置、26はレーザ集束系、27はレーザ
ビームである。第5グリッド15側からレーザ照射装置
25よりレーザビーム27を照射して、カソードキャッ
プ16に加工を施す。このとき、カソードキャップ16
の所定の範囲だけに加工が行われるようにレーザ集束系
26によりレーザ集光する必要がある。第1グリッド電
子通過孔9と第2グリッド電子通過孔11は通常同じ直
径であるため、第1グリッド電子通過孔9は第5グリッ
ド15側からは見ることができない。そこで、第2グリ
ッド電子通過孔11を基準にし、レーザ加工を行う。こ
こで、従来例1と同様に、この微小孔群を形成する領
域、すなわち電子放射可能領域は、電子放射可能領域の
中心が第1グリッド電子通過孔9の中心軸に位置づけら
れ、かつ第1グリッド電子通過孔の径より小さくたとえ
ば直径0.1mm程度に形成する。
【0027】図22はカソード組立時の電子銃を示す説
明図である。図22において、図14および15と同一
の箇所は同じ符号を用いて示す。カソードペレット6が
固着されたスリーブ2を前記カソードキャップ16内に
挿入し、スリーブ2とカソードキャップ16の固着を行
う。このようにして従来例2の電子銃の製造方法により
電子銃を製造することができる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】電子放出可能領域を限
定したカソードを使用する電子銃を製造する際の重要な
課題の1つは、カソード表面の電子放出可能領域の中心
が第1グリッド電子通過孔の中心軸上にあるように正確
に位置合わせして作製することである。
【0029】従来例1により電子銃を製造するばあい、
たとえばつぎのような理由で電子銃を製造することが難
しい。まず、軸合わせ棒の外側スリーブの開口部に挿入
する部分を、外側スリーブの開口部の直径とほぼ等しい
直径にしなければならないため、たとえば直径0.1m
m程度に非常に細くする必要があり、何度も位置合わせ
をするうちに軸合わせ棒の先端部が変形する恐れがあ
る。また、軸合わせ棒が細いために力が掛かったときす
ぐ曲がってしまい、充分に位置合わせの用をなさない可
能性がある。さらに、軸合わせ棒を取り除いたあと、第
5グリッド側から観察しながら、外側スリーブの開口部
に、内側スリーブに固着されたカソードペレットを挿入
し、外側スリーブと内側スリーブとを溶接などして固定
しなければならない。かかる作業は、第5グリッド側か
ら覗きながら作業しなければならず、このときカソード
ペレットも外側スリーブの透過孔も非常に小さく、か
つ、第5グリッドからスリーブまでの距離が数cmであ
るため高精度が必要になる。
【0030】また、カソード表面にかぶせたカソードキ
ャップがレーザで加工される従来例2における電子銃の
ばあい、電子通過孔を基準として微小孔群を形成するた
めに、第5グリッド側からレーザを照射しなければなら
ず、やはり数cm離れたところから照射する必要があ
る。しかも、第1グリッド電子通過孔は普通第2グリッ
ドに隠れて見えないため、カソードに直近の第1グリッ
ドではなく、第2グリッドを基準にしなければならな
い。さらに、第2グリッド電子通過孔の直径はたとえば
0.4mm以下と非常に小さい。このような状況で、た
とえばカソードキャップの直径0.1mmの領域に、微
小孔群を第1グリッド電子通過孔の中心軸と同軸をとっ
て形成することは非常に難しい。
【0031】前述の製造方法における問題点は、第1グ
リッドから第5グリッドまでの複数の電極が存在してい
る状態で、カソードの電子放出可能領域の位置合わせを
することに起因している。つまり、第1グリッドから第
5グリッドまでは数cmの距離があるうえに、部品数が
多くなるため取り回しが悪くなり、カソードの電子放出
可能領域を軸合わせする際に障害となる。
【0032】本発明は、前述のような製造上の問題点を
避け、容易に、電子放出可能領域を限定したカソードを
使用した電子銃を製造する方法をうることを目的として
いる。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1にかか
わる電子銃の製造方法は、電子が放出される領域が限定
されているカソードと、該カソードを支えるカソード支
持部品と、前記カソードから放出される電子を一方向へ
導く電子通過孔を備えた複数のグリッドのうちカソード
に最も近接するグリッドである第1グリッドとを備えて
なる第1ユニット、および前記第1グリッドを除くすべ
てのグリッドと、該グリッドの位置関係を固定するビー
ドガラスとを備えてなる第2ユニットからなる電子銃の
製造方法であって、前記カソードの電子が放出される領
域の中心軸と第1のグリッドの電子通過孔の中心軸とが
一致するように第1ユニットを作製する工程と、前記第
1グリッドを除くすべてのグリッドの電子通過孔の中心
軸が互いに一致するように第2ユニットを作製する工程
と、前記第1ユニットと第2ユニットとを位置合わせし
たのち溶接して電子銃を組み立てる工程とからなるもの
である。
【0034】また、本発明の請求項2にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1ユニットと第2ユニットとを溶
接するために、前記ビードガラス表面の第1ユニットが
配置されるべき位置に、第1ユニットが溶接される第1
グリッドサポートを配置するものである。
【0035】また、本発明の請求項3にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1グリッドサポートの形状が、溶
接時に第1グリッドの外周を取り囲むような環状であ
る。
【0036】また、本発明の請求項4にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1グリッドサポートの中心と第1
グリッドの中心とが一直線上に位置する状態において、
前記第1グリッドサポートの内周面から、当該内周面に
対向する前記第1グリッドの外周面までの距離が、0.
3〜0.5mmである。
【0037】また、本発明の請求項5にかかわる電子銃
の製造方法は、前記距離が0.3〜0.4mmである。
【0038】また、本発明の請求項6にかかわる電子銃
の製造方法は、前記距離が0.35mmである。
【0039】また、本発明の請求項7にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1グリッドサポートが、溶接時に
第1グリッドの外周を一部分を除いて取り囲み、かつ、
ビードガラスが存在しない方向に開口部が設けられたU
字状である。
【0040】また、本発明の請求項8にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1ユニットと第2ユニットとの位
置合わせを、少なくとも第1グリッドと第2グリッドと
にそれぞれ設けられた基準孔に棒状の治具を通すことに
よって行うものである。
【0041】また、本発明の請求項9にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1ユニットと第2ユニットとの位
置合わせを少なくとも第1グリッドと第2グリッドとの
外形を基準にすることによって行うものである。
【0042】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の電子銃の製造方
法の実施の形態について説明する。
【0043】実施の形態1.図面を参照しつつ、本発明
の電子銃の製造方法の実施の形態1について説明する。
本発明にかかわる電子銃の製造方法においては、まず、
カソード、カソード支持部品および第1グリッドを主要
部品とする第1ユニットを製造し、第2グリッドから第
5グリッドおよびビードガラスを主要部品とする第2ユ
ニットを製造し、最後に第1ユニットと第2ユニットと
を溶接して電子銃を作製する。
【0044】図1は、本発明の電子銃の製造方法の実施
の形態1により形成された電子銃の第1ユニットを示す
拡大断面説明図である。1はヒータ、2は、ヒータ1を
囲むように形成されたモリブデンからなる円筒状の内側
スリーブ2aおよび外側スリーブ2bを互いに重ね合わ
せて構成したスリーブである。内側スリーブ2aはその
上部が閉塞されており、外側スリーブ2bには上部に開
口部があり、該開口部が電子放出可能領域5である。電
子放出可能領域5には、内側スリーブ2aの閉塞された
上部中央表面に固着されたカソードペレット6が配置さ
れている。本従来例で使用されているカソード7は含浸
型カソードと呼ばれているものである。なお、図1にお
いて、図13と同一箇所は同じ符号を用いて示した。
【0045】また、外側スリーブ2bは上部のうち端部
は内側スリーブ2aと同様に閉塞されているが、その中
央部には孔が開けられ、この孔に前記カソードペレット
6が配置されるようになっている。これにより、前記カ
ソードペレット6は外側スリーブ2bから露出された状
態で設置されることになる。実施の形態1にかかわる電
子銃のカソードの構成は従来例1にかかわる電子銃と同
様のものである。
【0046】カソード7の上部には、カソードから離隔
して金属電極である第1グリッド8が設けられている。
図2は、図1の矢印Aで示される方向から見た第1ユニ
ットを示す拡大平面説明図である。図2において、図1
と同一の箇所は同じ符号を用いて示した。第1グリッド
8には、第1グリッド電子通過孔9と基準切欠き28が
形成されている。左右に形成された基準切欠き28は、
3つの第1グリッド電子通過孔9のうち中央にあるG用
の第1グリッド電子通過孔に対して左右対称になるよう
に形成されている。基準切欠き28の大きさは幅w=1
mm、深さd=0.7mmとした。2つの基準切欠き間
の距離はa=20.6mmである。また、第1グリッド
8はのちに第2ユニットに溶接されるが、溶接部は図中
の斜線部29の平坦な範囲内で行う。斜線部29の幅は
0.5mm程度と多少の幅をもたせ、部品を形成する際
の精度不足で溶接を行えないことが無いようにした。第
1グリッドの構成は、基準切欠き28を設けていること
以外は前述の従来例1と同様である。
【0047】図1に示したように、第1グリッド8の下
部にはカソード支持部品21が溶接されている。カソー
ド支持部品21は、環状の金属部21aと、第1グリッ
ドと各カソードを絶縁するためのガラス部21bと、カ
ソードの金属の円筒状部材4を溶接するための円筒状の
金属円筒部21cからなる。
【0048】前記カソード支持部品21にも切欠き30
(図1参照)が形成されている。切欠き30は第1グリ
ッドに設けられている基準切欠き28よりも大きく幅w
=1.5mm、深さd=1mmに設定されている。前記
切欠き30はのちに説明する軸合わせ治具の軸合わせピ
ンが通過できるようにだけ設けたものであり、位置合わ
せの基準としては作用しない。
【0049】第1ユニットにおいて第1グリッドとその
他の部品は位置合わせされた状態で溶接されるため、第
1グリッドのみで位置合わせをしてもなんら問題はな
い。
【0050】図3は、本発明の電子銃の製造方法の実施
の形態1における第1グリッドと外側スリーブとの軸合
わせを行っているときの電子銃を示す部分断面説明図で
ある。第1グリッド電子通過孔9と外側スリーブ2bの
開口部24に軸合わせ棒20を挿入し、位置合わせした
のち溶接し固定するが、部品点数が少なく、近距離から
観察できるため、軸合わせ棒20の挿入自体が簡単であ
る。さらに、部品点数が少ないため、軸合わせ棒20の
変形も生じにくい。第1ユニットの形成においてはビー
ドガラスによる固定も必要ないため、軸合わせ棒が熱で
変形する恐れもない。
【0051】前記軸合わせ棒20を取り除いたのち、外
側スリーブ2b内に内側スリーブを挿入し固定する。内
側スリーブは、外側スリーブ2bの形状に合わせて形成
され、外側スリーブ2bに形成されている開口部に対応
する位置にカソードペレットが固着されている。外側ス
リーブの開口部24にカソードペレットを挿入する作業
も、部品点数が少なく、近距離からの観察が可能である
ため、非常に容易である。
【0052】前述のように、第2グリッドから第5グリ
ッドまでの電極がない状態で、第1グリッドだけに対し
てカソードの電子放出可能領域の位置合わせをすること
は比較的容易である。また、本実施の形態においては、
第1グリッドおよび外側スリーブの上面に軸合わせ棒が
接触するように軸合わせ棒20の太さを変え、軸合わせ
棒で第1グリッドとカソードとの距離の調整も行ってい
る。第1グリッド電子通過孔と第2グリッド電子通過孔
の大きさは普通同じであるため、第2グリッドが存在す
る状態では第2グリッドとカソードとの距離を調節する
ことはできても、第1グリッドとカソードの距離を正確
に調節することはできない。
【0053】図4は本発明の電子銃の製造方法の実施の
形態1により形成された電子銃の第2グリッド側から見
た第2ユニットを示す拡大斜視説明図である。10は第
2グリッド、13は第3グリッド、14は第4グリッ
ド、15は第5グリッドで、31は第2グリッド10か
ら第5グリッド15までを固定するビードガラスであ
る。ただし、第2グリッド10と第3グリッド13には
位置合わせ用の基準切欠き28が設けてある。基準切欠
き28の形状は第1グリッドに設けたものと同じく幅w
=1mmで、深さd=0.7mmになるようにした。ま
た、32はのちに第1ユニットを第2ユニットに溶接す
るための環状の第1グリッドサポートを示し、やはりビ
ードガラスに固定されている。
【0054】図5は、図4の第1グリッドサポートを示
す拡大平面説明図である。23は立込みを示す。第1グ
リッドサポート32にも切欠き30が設けてあるが、こ
れもカソード支持部品に設けられている切欠きと同様に
基準切欠きよりも大きく幅w=1.5mm、深さd=1
mmに形成されており、後述する軸合わせ治具の軸合わ
せピンが通過できるように形成したもので位置合わせの
基準としては作用しない。第1グリッドサポートは第1
グリッドと溶接されるため、第1グリッドに設けられた
基準切欠きで軸合わせすればよいからである。
【0055】つぎに、第2ユニットの製造方法について
説明する。これは、まず普通の電子銃の製造と同様にマ
ンドレルに第5グリッドから第2グリッドまでスペーサ
をあいだに入れながら積み上げる。さらに、第2グリッ
ドの上に再びスペーサを載せ、その上に第1グリッドサ
ポートをセットする。
【0056】軸合わせ棒に積み上げた時点で、第1グリ
ッドサポートの上面が第1グリッドとの溶接面になる。
溶接は、図5の斜線部29の部分を使って数箇所でレー
ザによって行った。斜線部の幅は0.5mm程度あり、
部品を形成する際の精度不足で溶接が行えないことがな
いようにしている。なお、溶接箇所の数および溶接され
る面積はとくに限定されず、所定の強度がえられればよ
い。
【0057】また、前述したように第1グリッドの溶接
部も0.5mm程度の幅をもっている。したがって、本
実施の形態のばあい軸と垂直な方向に対しては0.3m
m程度までであればずれが生じても問題なく溶接するこ
とができる。
【0058】第1グリッドサポートは環状の形状をして
いるがこれにより、第1グリッドサポートに第1グリッ
ドをはめ込むだけで、第1グリッドのおおよその位置が
すぐ決定するため、位置合わせがしやすくなる。また、
複数の部品で作るよりも強度の点で優れる。
【0059】第1グリッドサポートまでセットしたら、
第2グリッドから第1グリッドサポートまでをビードガ
ラスで挟んで固定する。かかる工程は従来技術と比較し
て難しいところはない。むしろ、第1グリッドなどが無
い分簡単になる。
【0060】前述のように第1ユニットと第2ユニット
を作製したのち、今度は第1グリッド電子通過孔と第2
グリッド電子通過孔の位置合わせを行いながら第1ユニ
ットと第2ユニットとを溶接する必要がある。図6は、
本発明の電子銃の製造方法の実施の形態1により第1グ
リッド電子通過孔と第2グリッド電子通過孔の軸合わせ
を行う際に用いられる軸合わせ治具を示す斜視説明図で
ある。33は軸合わせ治具、34は、第1グリッドの基
準切欠きに挿入し、軸合わせをするための軸合わせピン
である。軸合わせピンの幅w′は基準切欠きの幅のw=
1mmよりも2から3μm程小さくしてある。また、2
つの軸合わせピン間の距離a′は2つの基準切欠きの間
隔a=20.6mmよりも2から3μm程大きくしてあ
る。このため、2つの軸合わせピン34はぎりぎり2つ
の基準切欠きに挿入することができる。基準切欠きは最
低第1グリッドと第2グリッドに設けられてあれば、基
本的には軸合わせできるのであるが、念のため第3グリ
ッドにまで基準切欠きを設け軸合わせに利用した。
【0061】図7は、本発明の電子銃の製造方法の実施
の形態1により第1ユニットと第2ユニットとの位置合
わせを行っているときの電子銃を示す説明図である。な
お、図7には、第1ユニットのうち、第1グリッドのみ
が示されており、その他の部分は軸合わせ治具33にか
くれているため図示されていない。まず、作製した第1
ユニット35の第1グリッドの基準切欠きに軸合わせ治
具33の軸合わせピン34を挿入する。そののち、第1
ユニットの第1グリッドの溶接面が第2ユニットの第1
グリッドサポート32の溶接面に密着するまで、図中、
矢印Bで示される方向に沿って、軸合わせピン34を第
2グリッドの基準切欠き28および第3グリッドの基準
切欠き28に押し込む。
【0062】基準切欠きによる位置合わせはいわゆる外
形合わせであり、たとえば後述の基準孔を設けるスペー
スがとれないようなばあいでも、少ないスペースを利用
して基準切欠きを形成することができる。基準孔切欠き
を設けると電子通過孔を基準孔にして切欠きの位置さえ
正確に設けておけば、基準孔切欠きの部分だけを精度良
く作製すれば良いので、部品の作成が容易になる。たと
えば基準孔切欠きなどを設けないで直接部品の外形全体
を基準にするばあいは外形全体を精度良く作製しなけれ
ばならないが、とくに問題なく精度良く作製できるので
あれば、外形全体を基準にしても良い。また、本実施の
形態では四角柱を軸合わせピンに使うため、それに対応
して基準切欠きが四角状であるが、基準切欠きの形状は
違う形状をしていても良い。たとえば、基準切欠きを半
円状に形成して軸合わせピンとして円柱状のものを使っ
ても良い。
【0063】前述したように軸合わせ治具の軸合わせピ
ン34は数μmオーダーでぎりぎり基準切欠き28を通
過するように作製してあるため、前述の作業により第1
グリッド電子通過孔と第2グリッド電子通過孔とを高精
度で軸合わせすることができる。前述のように軸合わせ
をしたあとに、第1グリッドと第1グリッドサポートと
の溶接を行う。溶接はレーザ溶接機を用いて4ヶ所ほど
で行ったが、部品に歪みなどが生じることなく、溶接強
度も保つことができれば、スポット溶接などを利用して
も良い。このように第2ユニットのビードガラスの第1
ユニットが配置されるべき位置にあらかじめ第1グリッ
ドサポートをビード付けさせておいたために、第1ユニ
ットと第2ユニットを正確に確実に固定することができ
る。
【0064】前記第1グリッドと第2グリッドとの位置
合わせ作業および溶接作業が、従来の製造方法に較べて
増える作業であるが、とくに難しい作業ではないため、
カソードの軸合わせおよび作製が容易になるというメリ
ットの方が明らかに大きい。
【0065】本実施の形態においては、電子銃の構成要
素を第1ユニットと第2ユニットとに分けてそれぞれ作
製し、そののち前記第1ユニットと第2ユニットを位置
合わせして組み立てたために、カソード表面で電子放出
範囲を限定したカソードを使用した電子銃を比較的容易
に作製することができた。
【0066】本発明の主旨は、これまでカソード支持部
品から最後段のグリッドまでをビードガラスで固定し一
つの組み立て部品を形成していたのに対し、この組立て
部品をまず2つのユニットに分けて形成し、のちに軸合
わせすることにより、製造の簡易化を図ったというもの
である。本発明では、第2グリッド以降のグリッドを第
2ユニットとして形成したが、たとえば第3グリッド以
降のグリッドを第2ユニットとして形成してもカソード
の軸合わせ、および組み立て時に部品点数が減り、取り
回しが楽になるなど類似の効果がえられる。
【0067】また、本実施例においては、カソードの電
子放出可能領域は円形としたが、電子ビームの集束性に
方向性を与えるためにたとえば楕円や長方形にすること
も考えられる。
【0068】なお、前記第1グリッドサポートの中心と
第1グリッドの中心とが一直線上に位置する状態におい
て、前記第1グリッドサポートの内周面から、当該内周
面に対向する前記第1グリッドの外周面までの距離が、
0.3〜0.5mmであることが、第1グリッドおよび
第1グリッドサポートを形成する際に寸法に誤差が生じ
たばあいにも、第1グリッドおよび第1グリッドサポー
トを確実に溶接できるため好ましく、とくに好ましくは
0.3〜0.4mm、最も好ましくは0.35mmであ
る。
【0069】実施の形態2.つぎに、本発明の電子銃の
製造方法の実施の形態2について説明する。
【0070】図8は、本発明の電子銃の製造方法の実施
の形態2により形成した電子銃の第1ユニットを示す断
面説明図である。図8において、図1および図15と同
一の箇所については同じ符号を用いて説明した。本実施
の形態においては、図8に示すように、スリーブの電子
が放出される側の全域にカソードペレット6が設置さ
れ、該カソードペレット6を覆うようにしてモリブデン
からなるカソードキャップ16が前記スリーブ2に固定
されている。前記カソードキャップ16の蛍光スクリー
ン(図示せず)側には微小孔群17が形成されている。
カソードペレット6に含まれるバリウムはこの微小孔群
17を通じて供給される。
【0071】本実施の形態2のカソードにおいても電子
放出がなされる微小孔群17が設けられている範囲は、
第1グリッド電子通過孔9の中心軸を中心とする領域で
あるとともに、たとえば直径0.1mm程度の小さい表
面積を有している。
【0072】カソード7の上部にはカソードから離隔し
て金属電極である第1グリッド8が設けられており、第
1グリッド8には3個の第1グリッド電子通過孔9と2
個の基準孔36とが形成されている。図9は、図8の第
1グリッドを示す平面説明図である。基準孔36の形状
は直径0.6mmの円柱である。基準孔の中心は3つの
電子通過孔の中心を結ぶ線(図中、Cで示される)上に
位置し、2つの基準孔の中心間の距離はb=21mmで
ある。
【0073】図8に示すように、第1グリッド8の下部
にはカソード支持部品21が溶接されている。カソード
支持部品21にも軸合わせ治具の軸合わせピンが通過す
る孔37が設けられている。孔の設けられている位置は
第1グリッドと同様であるが、孔の直径が1.2mmと
大きくなっている。孔の大きさが基準孔より大きいた
め、位置合わせの基準にはならない。孔37の直径を基
準孔36の直径より大きくしたのは第1グリッドとカソ
ード支持部品とは溶接され一体化される部品であり、第
1グリッドを第2グリッドに対して正確に位置合わせす
れば、第1ユニットのその他の部品も第2グリッドに対
して位置合わせがなされるからである。
【0074】第1ユニットの組み立て方法は、まず、第
1グリッド8とカソード支持部品21を溶接する。つぎ
に、カソードキャップ16をカソード支持部品の金属円
筒部21cに溶接する。このとき、カソードキャップ1
6と第1グリッド8の距離は正確に調整されていること
が必要であるが、第1グリッド電子通過孔の中心軸とカ
ソードキャップの中心軸とが正確に一致している必要は
ない。
【0075】図10は、本発明の電子銃の製造方法の実
施の形態2において、レーザによるカソードキャップへ
の加工を行っているときの電子銃を示す部分説明図であ
る。25はレーザ照射装置、26はレーザビーム集束
系、27はレーザビームを示す。図10に示したよう
に、レーザ加工によりカソードキャップ16に微小孔群
を形成するが、第2グリッドから第5グリッドがないた
めに、第1グリッド電子通過孔9を基準に形成でき、し
かも、近距離からレーザを照射できる。この結果、微小
孔群の形成は、従来例2で示した製造方法に較べて格段
に簡単になる。
【0076】第2ユニットの構成は、第2グリッドと第
3グリッドの基準切欠きが基準孔になっていることと、
第1グリッドサポートの切欠きが孔になっていること以
外は実施の形態1と同様である。第2グリッド、第3グ
リッドに設けられた基準孔の形状は第1グリッドに設け
たものと同じく直径が0.6mmで、各グリッドに設け
られた2つの基準孔の中心間の距離が21mmになるよ
うに形成した。
【0077】図11は、本発明の電子銃の製造方法の実
施の形態2において用いられる第1グリッドサポートの
平面説明図を示す。第1グリッドサポート32の形状は
U字状になっているが、第1グリッドサポートが環状の
ときは、第1グリッドの溶接面を第1グリッドサポート
の溶接面に密着させるときに、軸(第2グリッド電子通
過孔の中心軸)に対して平行な方向からしか挿入できな
いが、U字状としたために、軸と垂直な方向からも挿入
が可能になる。図示していないが、ビードガラス上部に
はヒータを支持する部品などがビード付けされているば
あいがあり、挿入の際に邪魔になる可能性があるので、
横方向から挿入できることはメリットとなる。ただし、
環状のばあいに較べて部品強度は減少する。また、第1
グリッドサポートを横から挿入できる反面、横にずれや
すくなるため、位置合わせの手間が実施の形態1に較べ
て増す。第1グリッドサポートにも軸合わせ治具の軸合
わせピンが通過する孔37が設けてあるが、これもカソ
ード支持部品に設けられている孔と同様に直径は1.2
mm、2つの孔の中心間の距離は21mmに形成されて
いる。基準孔よりも大きいため、軸合わせの基準として
は作用しない。
【0078】第2ユニットの組み立て方法は前記実施の
形態1と同様である。
【0079】前述のように第1ユニットと第2ユニット
を作製したのち、今度は第1グリッド電子通過孔の中心
軸と第2グリッド電子通過孔の中心軸との軸合わせをす
る。図12は、本発明の電子銃の製造方法の実施の形態
2において、第1グリッド電子通過孔および第2グリッ
ド電子通過孔の中心軸との軸合わせを行う軸合わせ治具
を示す斜視説明図である。軸合わせ治具33の2つの軸
合わせピン34の中心間の距離b′は基準孔に合わせて
b′=21mmにしている。また、軸合わせピン34の
直径は基準孔の直径の0.6mmよりも2から3μm程
小さくしてある。このため、2つの軸合わせピンはぎり
ぎり2つの基準孔に挿入することができる。
【0080】このあとの製造方法は、前記実施の形態1
と同様である。前述したように軸合わせ治具33の軸合
わせピン34は数μmオーダーでぎりぎり基準孔を通過
するように作製してあるため、前記の作業により第1グ
リッドの電子通過孔と第2グリッドの電子通過孔とを数
μmのオーダーで軸合わせすることができる。本実施の
形態のように軸合わせに基準孔を用いると、実施の形態
1のように切欠きを使用するばあいと比較して自由度が
減るために位置合わせの信頼度が増す。
【0081】本実施の形態においても、実施の形態1と
同様に、電子銃の構成要素を第1ユニットと第2ユニッ
トとに分けてそれぞれ作製し、そののち前記第1ユニッ
トと第2ユニットを位置合わせして組み立てたために、
カソード表面で電子放出範囲を限定したカソードを使用
した電子銃を比較的容易に作製することができた。
【0082】なお、本明細書においては、カソードとし
て含浸型カソードを用いたが、酸化物カソードを用いて
もよい。
【0083】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1にかか
わる電子銃の製造方法は、電子が放出される領域が限定
されているカソードと、該カソードを支えるカソード支
持部品と、前記カソードから放出される電子を一方向へ
導く電子通過孔を備えた複数のグリッドのうちカソード
に最も近接するグリッドである第1グリッドとを備えて
なる第1ユニット、および前記第1グリッドを除くすべ
てのグリッドと、該グリッドの位置関係を固定するビー
ドガラスとを備えてなる第2ユニットからなる電子銃の
製造方法であって、前記カソードの電子が放出される領
域の中心軸と第1のグリッドの電子通過孔の中心軸とが
一致するように第1ユニットを作製する工程と、前記第
1グリッドを除くすべてのグリッドの電子通過孔の中心
軸が互いに一致するように第2ユニットを作製する工程
と、前記第1ユニットと第2ユニットとを位置合わせし
たのち溶接して電子銃を組み立てる工程とからなるもの
であるので、カソード表面で電子放出範囲を限定したカ
ソードを利用した高性能電子銃を比較的容易に製造する
ことができる。
【0084】また、本発明の請求項2にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1ユニットと第2ユニットとを溶
接するために、前記ビードガラス表面の第1ユニットが
配置されるべき位置に、第1ユニットが溶接される第1
グリッドサポートを配置するものであるので、第1ユニ
ットと第2ユニットを正確に確実に固定し、電子放出範
囲を限定したカソードを利用した高性能電子銃を比較的
容易に製造することができる。
【0085】また、本発明の請求項3にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1グリッドサポートの形状が、溶
接時に第1グリッドの外周を取り囲むような環状である
ので、溶接用金属部品の強度が大きくなり、また、位置
合わせがしやすくなる。
【0086】また、本発明の請求項4にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1グリッドサポートの中心と第1
グリッドの中心とが一直線上に位置する状態において、
前記第1グリッドサポートの内周面から、当該内周面に
対向する前記第1グリッドの外周面までの距離が、0.
3〜0.5mmであるので、第1グリッドおよび第1グ
リッドサポートを形成する際に寸法に誤差が生じたばあ
いにも、第1グリッドおよび第1グリッドサポートを確
実に溶接できる。
【0087】また、本発明の請求項5にかかわる電子銃
の製造方法は、前記距離が0.3〜0.4mmであるの
で、第1グリッドおよび第1グリッドサポートを形成す
る際に寸法に誤差が生じたばあいにも、第1グリッドお
よび第1グリッドサポートを確実に溶接できる。
【0088】また、本発明の請求項6にかかわる電子銃
の製造方法は、前記距離が0.35mmであるので、第
1グリッドおよび第1グリッドサポートを形成する際に
寸法に誤差が生じたばあいにも、第1グリッドおよび第
1グリッドサポートを確実に溶接できる。
【0089】また、本発明の請求項7にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1グリッドサポートが、溶接時に
第1グリッドの外周を一部分を除いて取り囲み、かつ、
ビードガラスが存在しない方向に開口部が設けられたU
字状である、第1ユニットと第2ユニットの組立が容易
になる。
【0090】また、本発明の請求項8にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1ユニットと第2ユニットとの位
置合わせを、少なくとも第1グリッドと第2グリッドと
にそれぞれ設けられた基準孔に棒状の治具を通すことに
よって行うものであるので、位置合わせの信頼度が大き
くなる。
【0091】また、本発明の請求項9にかかわる電子銃
の製造方法は、前記第1ユニットと第2ユニットとの位
置合わせを少なくとも第1グリッドと第2グリッドとの
外形を基準にすることによって行うものであるので、部
品に位置合わせの基準として、大きなスペースを割く必
要が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子銃の製造方法の実施の形態1に
より形成された電子銃の第1ユニットを示す拡大断面説
明図である。
【図2】 図1の矢印Aで示される方向から見た第1ユ
ニットを示す拡大平面説明図である。
【図3】 本発明の電子銃の製造方法の実施の形態1に
おける第1グリッドと外側スリーブとの軸合わせを行っ
ているときの電子銃を示す部分断面説明図である。
【図4】 本発明の電子銃の製造方法の実施の形態1に
より形成された電子銃の第2グリッド側から見た第2ユ
ニットを示す拡大斜視説明図である。
【図5】 図4の第1グリッドサポートを示す拡大平面
説明図である。
【図6】 本発明の電子銃の製造方法の実施の形態1に
おいて用いられる軸合わせ治具を示す斜視説明図であ
る。
【図7】 本発明の電子銃の製造方法の実施の形態1に
より第1ユニットと第2ユニットとの位置合わせを行っ
ているときの電子銃を示す説明図である。
【図8】 本発明の電子銃の製造方法の実施の形態2に
より形成した電子銃の第1ユニットを示す断面説明図で
ある。
【図9】 図8の第1グリッドを示す平面説明図であ
る。
【図10】 本発明の電子銃の製造方法の実施の形態2
において、レーザによるカソードキャップへの加工を行
っているときの電子銃を示す部分説明図である。
【図11】 本発明の電子銃の製造方法の実施の形態2
において用いられる第1グリッドサポートの平面説明図
を示す。
【図12】 本発明の電子銃の製造方法の実施の形態2
を用いて軸合わせ治具を示す斜視説明図である。
【図13】 従来例1における電子銃のカソード近傍を
示す断面説明図である。
【図14】 従来例1の電子銃の製造方法により形成さ
れた電子銃が適用されている陰極線管の概略を示す全体
構成説明図である。
【図15】 従来例2の製造方法により形成された電子
銃のカソード近傍を示す断面説明図である。
【図16】 電子放出可能領域を限定しないカソードを
使用した電子銃においてカソードから放射される電子の
電子軌道を示したカソード近傍の断面側面図である。
【図17】 第1グリッドから第5グリッドまでの位置
合わせをしたときの、電子放出可能領域を限定していな
いカソードを使用した電子銃を示す断面説明図である。
【図18】 図17に示される電子銃を矢印Dで示され
る方向から見た平面説明図である。
【図19】 外側スリーブと各グリッドとの軸合わせを
行っているときの電子銃を示す断面説明図である。
【図20】 カソード組立時の電子銃を示す断面説明図
である。
【図21】 従来例2にかかわる電子銃を示す説明図で
ある。
【図22】 カソード組立時の電子銃を示す断面説明図
である。
【符号の説明】
5 電子放出可能領域、7 カソード、8 第1グリッ
ド、9 第1グリッド電子通過孔、10 第2グリッ
ド、21 カソード支持部品、28 基準切欠き、31
ビードガラス、32 第1グリッドサポート、33
軸合わせ治具、34 軸合わせピン、36 基準孔。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子が放出される領域が限定されている
    カソードと、該カソードを支えるカソード支持部品と、
    前記カソードから放出される電子を一方向へ導く電子通
    過孔を備えた複数のグリッドのうちカソードに最も近接
    するグリッドである第1グリッドとを備えてなる第1ユ
    ニット、および前記第1グリッドを除くすべてのグリッ
    ドと、該グリッドの位置関係を固定するビードガラスと
    を備えてなる第2ユニットからなる電子銃の製造方法で
    あって、前記カソードの電子が放出される領域の中心軸
    と第1のグリッドの電子通過孔の中心軸とが一致するよ
    うに第1ユニットを作製する工程と、前記第1グリッド
    を除くすべてのグリッドの電子通過孔の中心軸が互いに
    一致するように第2ユニットを作製する工程と、前記第
    1ユニットと第2ユニットとを位置合わせしたのち溶接
    して電子銃を組み立てる工程とからなる電子銃の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第1ユニットと第2ユニットとを溶
    接するために、前記ビードガラス表面の第1ユニットが
    配置されるべき位置に、第1ユニットが溶接される第1
    グリッドサポートを配置する請求項1記載の電子銃の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1グリッドサポートの形状が、溶
    接時に第1グリッドの外周を取り囲むような環状である
    請求項1または2記載の電子銃の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1グリッドサポートの中心と第1
    グリッドの中心とが一直線上に位置する状態において、
    前記第1グリッドサポートの内周面から、当該内周面に
    対向する前記第1グリッドの外周面までの距離が、0.
    3〜0.5mmである請求項3記載の電子銃の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記距離が0.3〜0.4mmである請
    求項4記載の電子銃の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記距離が0.35mmである請求項5
    記載の電子銃の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1グリッドサポートが、溶接時に
    第1グリッドの外周を一部分を除いて取り囲み、かつ、
    ビードガラスが存在しない方向に開口部が設けられたU
    字状である請求項1または2記載の電子銃の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1ユニットと第2ユニットとの位
    置合わせを、少なくとも第1グリッドと第2グリッドと
    にそれぞれ設けられた基準孔に棒状の治具を通すことに
    よって行う請求項1または2記載の電子銃の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1ユニットと第2ユニットとの位
    置合わせを少なくとも第1グリッドと第2グリッドとの
    外形を基準にすることによって行う請求項1または2記
    載の電子銃の製造方法。
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