JPH1135506A - ポリオール混合物及び該ポリオール混合物とポリイソシアネート成分からなるポリウレタン塗料 - Google Patents

ポリオール混合物及び該ポリオール混合物とポリイソシアネート成分からなるポリウレタン塗料

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JPH1135506A
JPH1135506A JP9205190A JP20519097A JPH1135506A JP H1135506 A JPH1135506 A JP H1135506A JP 9205190 A JP9205190 A JP 9205190A JP 20519097 A JP20519097 A JP 20519097A JP H1135506 A JPH1135506 A JP H1135506A
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JP
Japan
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polyol mixture
diol
dimer diol
polyurethane
polyisocyanate component
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JP9205190A
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English (en)
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Katsunobu Mochizuki
克信 望月
Shiro Kojima
史郎 児島
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温で液状を呈し、有機溶剤を使用しなくて
も塗工可能で、成分の相溶性が良好で白濁、力学的特性
の低下等が生じず、且つ耐水性、耐塩水性、耐候性、力
学的特性、基体への接着強度等に優れ、苛酷な条件下の
屋外用塗料としても使用可能なポリウレタン塗料、及び
それに用いるポリオール原料の提供。 【解決手段】 (i)ダイマージオール、及び(ii)一般
式;HO−(X−O)m−Z−O−(Y−O)n−H(式中、
X及びYは同一又は異なる炭素数2〜4のアルキレン
基、Zはダイマージオール残基、m及びnは0以上の同
一又は異なる整数を示し且つ2≦m+n≦40である)
で表されるジオール化合物を必須成分とするポリオール
混合物であって且つダイマージオール100重量部当た
り一般式(1)で表されるジオール化合物を5〜60重
量部の割合で含有する本発明のポリオール混合物とポリ
イソシアネート成分からなる本発明のポリウレタン塗料
によって上記の課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無溶剤でも塗工性
に優れ、かつ耐水性に優れる塗膜を形成するポリウレタ
ン塗料、および該塗料の原料として好適なポリオール混
合物に関する。そして、本発明のポリウレタン塗料は、
耐水性、耐塩水性、耐候性、外観(透明性)および機械
的強度等に優れており、それらの特性を活かして、セメ
ント外壁用の保護塗料、海域中や海岸付近に構築された
橋梁やその他の構築物用の保護塗料をはじめとして、種
々の分野に有効に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料の分野では、環境保護、人体
に対する安全性、省資源などの点から、従来汎用されて
きた溶剤型塗料に代えて、水性塗料または粉体塗料が広
く使用されるようになっている。しかしながら、水性塗
料の場合は、ポリマーを水に分散または溶解させるため
に分散剤の併用や、ポリマーの一部親水化が必要であ
り、そのために塗膜の耐水性が劣るという問題がある。
また、粉体塗料は、一般に光沢に劣り、基材(被覆体)
の材質が限られ、しかも均一で薄い塗膜を形成しにくい
という欠点がある。
【0003】また、海域中や海域付近に構築された橋梁
やその他の建造物においては、塩水によって鉄筋や、コ
ンクリート中の鉄骨などの鋼材に腐食が生じ易い。その
ため、塩水を完全に遮蔽することができ、しかもひび割
れしにくく且つ剥がれにくい塗料が求められているが、
そのような要望を十分に満たす塗料は未だ得られていな
い。特に、液状で取り扱い性に優れ且つ無溶剤型の耐塩
水性の塗料は従来得られていない。
【0004】また、ポリプロピレングリコールとポリイ
ソシアネートから主としてなる無溶剤型の液状ポリウレ
タン塗料が知られており、このポリウレタン塗料は床材
用塗料などとして用いられている。この無溶剤型の液状
ポリウレタン塗料は、溶剤を含まないことにより、水性
塗料や粉体塗料と同様に、環境保護、安全性、省資源な
どの点では優れているが、硬化後の塗膜の耐水性および
耐候性が十分ではなく、屋外建築などの屋外用塗料とし
ては適していない。
【0005】ポリウレタン塗料の耐水性の向上を目的と
して、原料の一部としてダイマージオールを用いること
が試みられており、具体的には、ポリエステルポリオー
ル、ダイマージオールおよび短鎖ジオールからなるポリ
オール成分とポリイソシアネートからなるポリウレタン
塗料が提案されている(特開平8−269158号公
報)。しかしながら、このポリウレタン塗料は、常温に
おいてダイマージオールとポリイソシアネートなどの他
の成分との相溶性が乏しく、硬化性や得られる塗膜の外
観や物性に問題があり、建築塗料などのような常温で硬
化することが必要な用途への使用が困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
溶剤や水などの液体媒体を用いなくても、常温で液状を
呈していて塗装性や取り扱い性に優れ、塗料中に含まれ
る成分同士の相溶性が良好で外観(透明性など)や物性
に優れる塗膜を形成することができ、しかも常温で硬化
して均一で薄い塗膜を形成することができ、その上耐水
性、耐塩水性、耐候性、力学的特性、基体への接着性に
優れる塗膜を形成することのできる塗料を提供すること
である。さらに、本発明の目的は、上記した塗料の調製
に当たって好適に用いる得る原料成分を提供することで
ある。
【0007】
【発明を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、ダイマージオー
ルにアルキレンオキサイドを付加して得られるジオール
化合物およびダイマージオールを特定の割合で用いてポ
リオール混合物を形成し、このポリオール混合物に対し
てポリイソシアネート成分を組み合わせてポリウレタン
塗料を調製すると、それにより得られるポリウレタン塗
料は、有機溶剤や水などの液体媒体を用いなくても常温
で液状を呈していて塗装性や取り扱い性に優れているこ
と、常温でもポリウレタン塗料中の成分同士の相溶性が
良好な外観や物性を有する塗膜を形成すること、常温で
硬化させることができること、その上硬化して得られる
塗膜が、耐水性、耐塩水性、耐候性、力学的特性、基体
への接着性などに優れていることを見出して本発明を完
成した。
【0008】すなわち、本発明は、(i)ダイマージオー
ルおよび(ii)下記の一般式(1);
【0009】
【化2】 HO−(X−O)m−Z−O−(Y−O)n−H (1) (式中、XおよびYは同一または異なる炭素数2〜4の
アルキレン基、Zはダイマージオール残基、mおよびn
は0以上の同一または異なる整数を示し、且つ2≦m+
n≦40である。)で表されるジオール化合物を必須成
分とするポリオール混合物であって、且つ前記(i)の
ダイマージオール100重量部当たり、上記の一般式
(1)で表されるジオール化合物を5〜60重量部の割
合で含有することを特徴とするポリオール混合物であ
る。
【0010】そして、上記した本発明のポリオール混合
物においては、ダイマージオールと、上記の一般式
(1)で表されるジオール化合物におけるダイマージオ
ール残基(−Z−)の合計量が、ポリオール混合物の全
重量を基準にして、60〜95重量%であることが好ま
しい。
【0011】さらに、本発明は、上記した本発明のポリ
オール混合物およびポリイソシアネート成分からなるこ
とを特徴とするポリウレタン塗料である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明のポリオール混合物は、ダイマージオー
ル、および上記の一般式(1)で表されるジオール化合
物[以下これを「ジオール化合物(1)」ということが
ある]を必須成分として含有するポリオール混合物であ
って、かつダイマージオール100重量部当たり、ジオ
ール化合物(1)を5〜60重量部の割合で含有するポ
リオール混合物である。
【0013】ポリオール混合物において、ダイマージオ
ール100重量部当たりのジオール化合物(1)の割合
が5重量部未満であると、ポリオール混合物中のダイマ
ージオールが、ポリオール混合物中で併用されることの
ある他のポリオール(特に低分子量ポリオール)や、ポ
リウレタン塗料の形成の用いるポリイソシアネート成分
などに対して相溶性が劣ったものとなり、ポリウレタン
塗膜を形成させたときに塗膜の外観が荒れたものになり
易い。一方、ポリオール混合物において、ダイマージオ
ール100重量部当たりのジオール化合物(1)の割合
が60重量部を超えると、ポリオール混合物とポリイソ
シアネート成分を用いて得られるポリウレタン塗料から
形成されるポリウレタン塗膜の耐水性が劣ったものとな
る。本発明のポリオール混合物では、ダイマージオール
100重量部当たりのジオール化合物(1)の好ましい
割合は、10〜30重量部である。
【0014】ポリオール混合物は、ダイマージオールと
ジオール化合物(1)の2成分のみからなっていても、
またはダイマージオールおよびジオール化合物(1)と
共に後記する多価アルコール(以下「他の多価アルコー
ル」ということがある)を含有していてもよい。特に、
本発明のポリオール混合物においては、ポリオール混合
物の全重量を基準にして、ダイマージオールと、ジオー
ル化合物(1)におけるダイマージオール残基(−Z
−)との合計量が、60〜95重量%であることが好ま
しく、かかるポリオール混合物はポリウレタン塗料の製
造により好ましく用いられる。ポリオール混合物におけ
るダイマージオールとジオール化合物(1)におけるダ
イマージオール残基(−Z−)との合計量が、ポリオー
ル混合物の全重量に基づいて、60重量%未満である
と、それを用いてなるポリウレタン塗料から形成される
ポリウレタン塗膜の耐水性が低いものとなり易く、一方
95重量%を超えるとポリウレタン塗料を形成する際
に、ポリオール混合物とポリイソシアネート成分との相
溶性が低くなり易い。
【0015】本発明で用いるダイマージオールは、ダイ
マー酸を水素添加(好ましくは完全水素添加)して得ら
れる炭素数36の脂肪族ジオールであり、常温で液状を
呈し、分子内に長鎖分岐アルキル基を有している。その
ため、耐水性に優れており、これを塗料に用いると、そ
れから形成される塗膜は耐水性に優れるものとなる。ダ
イマージオールの原料であるダイマー酸は、例えばオレ
イン酸やリノール酸などの炭素数18の不飽和脂肪酸を
加熱下に二量化させることにより得られる長鎖不飽和脂
肪酸である。ダイマージオール自体は従来から知られて
いて、例えば東亞合成株式会社により「ペスポールHR
−1000」(商品名)として販売されている。本発明
では、そのような市販されているダイマージオールを購
入してそのまま用いても、または本発明の実施のために
別途製造してもよい。
【0016】また、本発明で用いるジオール化合物
(1)は、ダイマージオールのアルキレンオキサイド付
加物であって、上記したように、次の一般式(1);
【0017】
【化3】 HO−(X−O)m−Z−O−(Y−O)n−H (1) (式中、XおよびYは同一または異なる炭素数2〜4の
アルキレン基、Zはダイマージオール残基、mおよびn
は0以上の同一または異なる整数を示し、且つ2≦m+
n≦40である。)で表される。
【0018】ジオール化合物(1)において、Xおよび
Yは同一または異なる炭素数2〜4のアルキレン基であ
って、具体的には、エチレン基、1−メチル−エチレン
基、2−メチル−エチレン基、n−プロピレン基、n−
ブチレン基、イソブチレン基などを挙げることができ
る。そのうちでも、XおよびYがエチレン基および/ま
たはプロピレン基であることが、ジオール化合物(1)
とポリイソシアネート成分などとの相溶性が良好である
点、ジオール化合物(1)の製造が容易である点などか
ら好ましく、ジオール化合物(1)のポリイソシアネー
ト成分への反応性が高い点で、エチレン基であることが
より好ましい。
【0019】また、ジオール化合物(1)において、m
およびnは0以上の同一または異なる整数であり、且つ
2≦m+n≦40であることが必要である。m+nが2
よりも小さいと、ジオール化合物(1)とポリイソシア
ネート成分との相溶性が不良になって、常温硬化性のポ
リウレタン塗料が得られにくくなり、しかも塗膜の外観
(透明性など)、力学的特性、基体への接着強度などが
低いものとなる。一方、m+nが40よりも大きいと、
塗膜の耐水性、耐加水分解性、硬化反応性などが劣った
ものとなる。ジオール化合物(1)として、そのm+n
が5〜15であるものを用いることが好ましい。
【0020】本発明で用いるジオール化合物(1)は、
ダイマージオールの両端にオキシアルキレン基が付加し
ているもの(すなわちmおよびnが共に1以上の整数で
あるもの)であっても、またはダイマージオールの一方
の端部のみにオキシアルキレン基が付加しているもの
(すなわちmおよびnのいずれか一方が0で、もう一方
が2以上の整数であるもの)であってもよく、そのうち
でも、ダイマージオールの両端にオキシアルキレン基が
付加しているものが好ましい。
【0021】また、本発明では、ジオール化合物(1)
として、1種類のジオール化合物(1)を用いても、ま
たは2種類以上のジオール化合物(1)の混合物を用い
てもよい。2種類以上のジオール化合物(1)の混合物
を用いる場合は、ジオール化合物(1)の混合物におけ
るm+nの平均値が上記した2〜40の範囲であるもの
を用いるようにするとよい。
【0022】ジオール化合物(1)の製法は特に制限さ
れず、上記した一般式(1)で表されるジオール化合物
が得られる方法であればいずれの方法で製造されたもの
を用いてもよい。何ら限定されるものではないが、本発
明で用いるジオール化合物(1)は、例えば、ダイマー
ジオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなどのア
ルキレンオキサイドを付加反応させることによって製造
することができる。より具体的には、例えば「高分子合
成の実験法」第274〜280頁(1979年 化学同
人社発行)などに記載されている、含酸素環状化合物の
開環重合方法などに準拠して、ダイマージオールに上記
したようなアルキレンオキサイドを付加反応させること
によって製造することができる。
【0023】より具体的には、例えば、エチレンオキサ
イドやプロピレンオキサイドなどのような3員環を有す
るアルキレンオキサイドを用いる場合は、ダイマージオ
ールの2個の水酸基を水酸化ナトリウムや水酸化カリウ
ムなどによってアルコラートの形態に変化させた後に、
100〜140℃の温度下に該アルキレンオキサイドを
添加してアニオン重合することによって、目的とするジ
オール化合物(1)を得ることができる。また、例え
ば、テトラヒドロフランを用いる場合は、テトラヒドロ
フランを三フッ化ホウ素エーテル塩の存在下に約0℃で
カチオン開環重合させた後、ダイマージオールのジナト
リウム塩を添加して重合を停止することによって、目的
とするジオール化合物(1)を得ることができる。
【0024】本発明のポリオール混合物は、上記したダ
イマージオールおよびジオール化合物(1)と共に、必
要に応じて、他のポリオールを含有していてもよい。本
発明で用い得る他のポリオールの具体例としては、エチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、
2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナ
ンジオールなどの脂肪族または脂環式ジオール類;トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリ
ンなどの3官能以上のポリオール;ポリエステルポリオ
ールやポリエーテルポリオールなどの高分子ポリオール
などを挙げることができ、これらのポリオールの1種ま
たは2種以上を併用することができる。そのうちでも、
他のポリオールを併用する場合は、炭素数2〜10の直
鎖状および/または分岐状脂肪族ジオールが好ましく用
いられる。
【0025】本発明のポリウレタン塗料は、上記したポ
リオール混合物およびポリイソシアネート成分を含有し
ており、上記したポリオール混合物をポリウレタン塗料
の原料として用いる場合には、ポリオール混合物の水酸
基価は150〜300mgKOH/gの範囲であること
が好ましい。ポリオール混合物の水酸基価が150mg
KOH/g未満であると、ポリウレタン塗膜の硬度が低
くなって、力学的特性が低下したり傷がついたりし易く
なり、一方300mgKOH/gを超えると塗膜に伸び
がなくなり、しかも耐水性が低いものになり易い。
【0026】本発明のポリウレタン塗料で用いるポリイ
ソシアネート成分としては、常温で液状を呈する脂肪族
ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香
族ポリイソシアネートなどのいずれも使用可能である。
そのうちでも、本発明では、塗工時の液垂れ防止、ポリ
オール成分との均一混合性などの点から、常温(25
℃)における粘度が200〜2000cpsのポリイソ
シアネート成分が好ましく用いられ、500〜1500
cpsのポリイソシアネート成分がより好ましく用いら
れる。そして、本発明のポリウレタン塗料を耐候性が特
に要求される用途に用いる場合は、脂肪族ポリイソシア
ネート成分および/または脂環式ポリイソシアネート成
分が好ましく用いられる。
【0027】本発明で好ましく用いられるポリイソシア
ネート成分の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキ
シルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどの脂肪族
または脂環式ジイソシアネート;シクロヘキシルメタン
−4,4’−ジイソシアネートなどのジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジ
シクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートな
どのジイソシアネートからなるイソシアヌレート環含有
縮合体やビュレット型縮合体;ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキ
シルメタン−4,4’−ジシクロヘキシルメタン−4,
4’−ジイソシアネートなどのジイソシアネートとアル
キレンジオール(好ましくは炭素数2〜12のアルキレ
ンジオール)との反応により得られるイソシアネート末
端ウレタンプレポリマーなどを挙げることができ、本発
明ではそれらのポリイソシアネートの1種または2種以
上を用いることができる。
【0028】ポリウレタン塗料におけるポリオール混合
物とポリイソシアネート成分の使用割合は、両者の反応
によってポリウレタンが円滑に形成され得る割合であれ
ばよく、一般には、ポリオール混合物との水酸基1当量
に対してイソシアネート基の割合が0.9〜1.2当量
になるような割合で両者を用いることが好ましい。
【0029】本発明のポリウレタン塗料は、塗工に使用
するまでの段階では、ポリオール混合物とポリイソシア
ネート成分とを互いに分離した状態、すなわち2液型塗
料の形態にして保存しておくのがよい。そして、塗工時
に、ポリオール混合物とポリイソシアネート成分を、そ
の水酸基とイソシアネート基との割合が好ましくは上記
した1:0.9〜1.2(当量比)になるような量で混
合して用いる。
【0030】本発明のポリウレタン塗料は、必要に応じ
て、ウレタン化反応を促進するための触媒の1種または
2種以上を含有していてもよく、そのような触媒の好ま
しい例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫
アセテート、オクチル酸錫、オクチル酸鉛などの金属系
触媒を挙げることができる。ウレタン化促進触媒を用い
る場合は、ポリウレタン塗料に対して、100〜120
0ppmの割合で用いることが好ましい。触媒は、ポリ
オール混合物に予め添加しておくか、またはポリオール
混合物とポリイソシアネート成分の混合時に同時に添加
することが好ましい。
【0031】上記したポリオール混合物およびポリイソ
シアネート成分を混合してなるポリウレタン塗料は、通
常液状を呈していて取り扱い性および塗工性に優れてお
り、有機溶剤で希釈することなく、そのまま直接基体に
塗布することができる。しかしながら、必要に応じて有
機溶剤を使用してもよく、有機溶剤を用いる場合は、ポ
リオール成分とポリイソシアネート成分の合計量の10
重量%以下の割合で用いることが好ましい。有機溶剤
は、ポリオール混合物と混合しても、ポリイソシアネー
ト成分と混合しても、またはポリオール混合物およびポ
リイソシアネート成分の両方に混合してもよい。本発明
で用い得る有機溶剤の具体例としては、メチルエチルケ
トン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、
N−メチルピロリドン、ブチルカルビトールアセトー
ト、炭化水素系溶剤、それらの2種以上の混合溶剤など
を挙げることができる。
【0032】また、本発明のポリウレタン塗料は、必要
に応じて、ポリウレタン系塗料において従来から用いら
れている種々の添加剤、例えば、レベリング剤、消泡
剤、吸湿剤、つや消し剤、充填剤、顔料、顔料分散剤、
紫外線吸収剤などの1種または2種以上を含有していて
もよい。
【0033】本発明のポリウレタン塗料を用いて塗装を
行うに当たっては、上記したポリオール混合物、ポリイ
ソシアネート成分、および必要に応じてウレタン化反応
促進用の触媒、他の添加剤、有機溶剤などを混合し、そ
れにより得られる混合液を基材に塗布する方法が採用さ
れる。塗装作業は、前記した成分の混合後、2時間以内
に行うことが好ましい。その場合に、基体への塗装後、
室温下では、通常1週間以内で硬化して、耐水性、耐塩
水性、外観(透明性)、耐候性、力学的特性、基体への
接着強度などに優れる塗膜が形成される。
【0034】本発明のポリウレタン塗料は、コンクリー
ト、モルタル、金属、木材、プラスチック、セラミック
スなどの種々の基材に対する塗料として有効に用いるこ
とができる。特に、本発明のポリウレタン塗料は、耐水
性、耐塩水性、耐候性、力学的特性などに優れているこ
とから、水分、雨風、塩水、湿分、直射日光などに晒さ
れることの多い屋外用塗料、例えばコンクリート製構築
物、橋梁、金属板、鉄骨などに対する塗料として有効に
使用することができる。本発明のポリウレタン塗料は、
基体にそのまま直接塗布しても、または基体をプライマ
ー処理した後に塗布してもよい。本発明のポリウレタン
塗料を用いる塗装方法は特に制限されず、例えば、噴霧
塗装、ローラー塗装、浸漬塗装、ハケ塗りなどの塗装方
法を採用することができる。
【0035】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されな
い。以下の例において、特に断らない限りは、部は重量
部を、%は重量%を示す。
【0036】《参考例1》[ジオール化合物(1)(略
号「DDE」)の製造] (1) 窒素置換したオートクレーブ中に、ダイマージ
オール(水酸基価197mgKOH/g)(東亞合成株
式会社製「ペスポールHP−1000)100.0g
(0.187モル)および40%水酸化カリウム水溶液
52.4g(0.374モル)を加え、温度100℃、
圧力5mmHgの条件下に3時間脱水反応を行って、含
水率約100ppmの反応物を得た。 (2) 上記(1)で得られた反応物114.2gを1
10〜120℃の温度に加熱し、これに加圧下(5kg
/cm2)に4時間かけてエチレンオキサイド49.4g
(1.122モル)を徐々に加えて反応させた。それによ
り得られた反応生成物を60℃に冷却し、10mmHg
の減圧下で未反応のエチレンオキサイドを除去した。 (3) 上記(2)で得られた反応生成物を塩酸で中和
した後、脱水、濾過を行って、常温で液状を呈する、ダ
イマージオールにエチレンオキサイドが付加したジオー
ル化合物(1)(水酸基価140.8mgKOH/g、
数平均分子量約800)(以下「DDE」と略する)1
43gを得た。このDDEは、1H NMR分析の結果、
ダイマージオール1モル当たりエチレンオキサイドが
6.0モル付加したジオールであることが判明した。
【0037】《実施例1〜2および比較例1〜2》 (1) 下記の表1に示す割合で、ポリオール成分(ダ
イマージオール、参考例1で得られたDDEおよび/ま
たは3−メチルペンタンジオール)、ポリイソシアネー
ト成分(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌ
レート体(日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネー
トHX」)、およびジブチル錫ジラウレートを混合し
て、それぞれのポリウレタン塗料(いずれも常温で液状
を呈する)を調製した。 (2) 上記(1)で得られたそれぞれのポリウレタン
塗料を、ローラーを用いて離型紙上に厚さ200μmに
塗布し、室温下(20〜25℃)に7日間放置して硬化
させて、ポリウレタン塗膜を形成させた。 (3) 上記(2)で形成したポリウレタン塗膜を離型
紙から剥離して、それにより得られたポリウレタンフイ
ルムの外観(透明性)を目視により観察したところ、下
記の表1に示すとおりであった。 (4) また、上記(3)において離型紙から剥離して
得た前記のポリウレタンフイルムの塩水遮蔽性試験(塩
素イオン透過度の測定)をJIS−K5400に準じて
行って、その耐水性(耐塩水性)を調べたところ、下記
の表1に示すとおりの結果であった。なお、日本道路協
会規格(道路橋の塩害対策指針)では、塩素イオン透過
度が1.0×10-3mg/cm2・日以下の場合に合格
とされている。
【0038】
【表1】 実施例 実施例 比較例 比較例 1 2 1 2 成分および量(部): ・ポリオール混合物: ダイマージオール(DD) 85.0 62.0 93.0 − DDE1) 10.0 30.0 − 87.0 3−メチルペンタンジオール 5.0 8.0 7.0 13.0 ・ポリイソシアネート成分2) 84.5 88.7 92.2 90.8 ・触媒3) 0.06 0.06 0.06 0.06 ○DD残基の合計量(重量%)4) 91.6 81.8 93.0 57.4 ○ポリオール成分の水酸基価(mgKOH/g) 229.0 240.5 249.8 246.1 ○イソシアネート基/水酸基(モル比) 1.05 1.05 1.05 1.05 ポリウレタン塗膜(フイルム)の物性: ・外観(透明性) 透明 透明 白濁 透明 ・塩素イオン透過度(mg/cm2・日) <0.001 <0.001 0.002 0.004 1) 参考例1で得られたダイマージオールのエチレンオキサイド付加物 2) ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(コロネートHX) 3) ジブチル錫ジラウレート 4) ポリオール混合物の全量に対するダイマージオール(DD)とDDEにおけ るDD残基の合計重量%
【0039】上記の表1における実施例1および実施例
2の結果から、ポリオール混合物として、ダイマージオ
ールとジオール化合物(1)を含有し、且つダイマージ
オール100重量部に対してジオール化合物(1)を5
〜60重量部の範囲で含有するポリオール混合物を用い
てなる実施例1および実施例2のポリウレタン塗料は、
ポリオール混合物とポリイソシアネート成分との相溶性
が良好であり、硬化後のポリウレタン塗膜が外観(透明
性)に優れていること、しかも形成されたポリウレタン
塗膜の塩素イオン透過度が小さく、耐水性、耐塩水性に
優れており、上記した日本道路協会規格を満たしてお
り、屋外用塗料として有効であることがわかる。
【0040】一方、上記の表1における比較例1の結果
から、ジオール化合物(1)を含んでおらず、ダイマー
ジオールと3−メチルペンタンジオールのみからなるポ
リオール混合物を用いた比較例1のポリウレタン塗料
は、ポリオール混合物とポリイソシアネート成分の相溶
性が低く、その結果硬化後に得られるポリウレタン塗膜
に白濁が生じていること、しかもポリウレタン塗膜の塩
素イオン透過度が0.002mg/cm2・日であっ
て、上記した日本道路協会規格(0.001mg/cm
2・日以下)を満たしていないことがわかる。また、上
記の表1における比較例2の結果から、ダイマージオー
ルを含んでおらず、ジオール化合物(1)と3−メチル
ペンタンジオールのみからなるポリオール混合物を用い
た比較例2のポリウレタン塗料は、硬化後に得られるポ
リウレタン塗膜の塩素イオン透過度が0.004mg/
cm2・日と大きく、耐水性(耐塩水性)に劣ってお
り、上記した日本道路協会規格(0.001mg/cm
2・日以下)から大きく外れることがわかる。
【0041】
【発明の効果】ダイマージオールとジオール化合物
(1)を必須成分として含有し、且つダイマージオール
100重量部当たり、ジオール化合物(1)を5〜60
重量部の割合で含有する本発明のポリオール混合物は、
ポリウレタン塗料用の原料として好適に用いることがで
きる。そして、上記した本発明のポリオール混合物およ
びポリイソシアネート成分からなる本発明のポリウレタ
ン塗料は、常温で液状を呈しており、有機溶剤や水など
の液体媒体を使用しなくても、そのままで種々の基体に
良好な作業性および取り扱い性で塗工することができ
る。さらに、本発明のポリウレタン塗料は、ポリオール
混合物とポリイソシアネート成分の相溶性が良好であ
り、それによって白濁などのない透明性に優れる外観が
良好で且つ力学的特性に優れる塗膜を形成することがで
きる。また、本発明のポリウレタン塗料を用いて形成さ
れる塗膜は、耐水性、耐塩水性、耐候性、力学的特性、
基体への接着強度などの特性に優れており、そのため、
本発明のポリウレタン塗料は、屋内用塗料としては勿論
のこと、苛酷な条件下にある屋外用塗料としても有効に
使用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)ダイマージオールおよび(ii)下
    記の一般式(1); 【化1】 HO−(X−O)m−Z−O−(Y−O)n−H (1) (式中、XおよびYは同一または異なる炭素数2〜4の
    アルキレン基、Zはダイマージオール残基、mおよびn
    は0以上の同一または異なる整数を示し、且つ2≦m+
    n≦40である。)で表されるジオール化合物を必須成
    分とするポリオール混合物であって、且つ上記(i)の
    ダイマージオール100重量部当たり、上記の一般式
    (1)で表されるジオール化合物を5〜60重量部の割
    合で含有することを特徴とするポリオール混合物。
  2. 【請求項2】 ポリオール混合物の全重量を基準にし
    て、ダイマージオールと、上記の一般式(1)で表され
    るジオール化合物におけるダイマージオール残基(−Z
    −)との合計量が、60〜95重量%である、請求項1
    のポリオール混合物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のポリオール混合物お
    よびポリイソシアネート成分からなることを特徴とする
    ポリウレタン塗料。
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