JPH11350025A - 構造部材 - Google Patents
構造部材Info
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- JPH11350025A JPH11350025A JP15558998A JP15558998A JPH11350025A JP H11350025 A JPH11350025 A JP H11350025A JP 15558998 A JP15558998 A JP 15558998A JP 15558998 A JP15558998 A JP 15558998A JP H11350025 A JPH11350025 A JP H11350025A
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- JP
- Japan
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- structural member
- stress
- depth
- single crystal
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- Prior art date
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、大型,複雑形状の構造部材に
も容易に適用可能なことを念頭に、250℃を越える高
温での大気またはガスを含む環境、或いは100℃を越
える高温での水溶液環境で使用される優れた耐熱性或い
は耐食性、またはその両方を備えた構造部材を提供す
る。 【解決手段】250℃を越える高温での大気またはガス
を含む環境、或いは100℃を越える高温での水溶液環
境で使用される構造部材において、構造部材の肉厚の1
0%以下の深さの表面部が、単結晶或いは応力の負荷方
向に平行に一方向凝固組織を有することを特徴とする。
も容易に適用可能なことを念頭に、250℃を越える高
温での大気またはガスを含む環境、或いは100℃を越
える高温での水溶液環境で使用される優れた耐熱性或い
は耐食性、またはその両方を備えた構造部材を提供す
る。 【解決手段】250℃を越える高温での大気またはガス
を含む環境、或いは100℃を越える高温での水溶液環
境で使用される構造部材において、構造部材の肉厚の1
0%以下の深さの表面部が、単結晶或いは応力の負荷方
向に平行に一方向凝固組織を有することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な方法による表
面改質によって製造される部材に係り、250℃を越え
る高温での大気またはガスを含む環境、或いは100℃
を越える高温での水溶液環境で使用するに好適な構造部
材に関する。
面改質によって製造される部材に係り、250℃を越え
る高温での大気またはガスを含む環境、或いは100℃
を越える高温での水溶液環境で使用するに好適な構造部
材に関する。
【0002】
【従来の技術】250℃を越える高温での大気またはガ
スを含む環境、或いは100℃を越える高温での水溶液
環境では、室温で使用される場合と異なり、材料の高温
での劣化を考慮して高温強度の高い材料,高温での耐食
性に優れた材料が使用される。250℃を越える高温で
の大気またはガスを含む環境で使用される場合には、特
に高温でのクリープ強度,高温での酸化,腐食性ガスに
よる腐食損傷が重要で、これらに強い材料が選定,使用
されてきた。高温においても比較的低い温度では金属系
の合金が使用され、より高温ではセラミックスや複合材
料が使用されてきた。金属系ではクリープ強度が結晶粒
度に依存し、結晶粒の大きい材料の方が高いため、より
高温で使用される材料は結晶粒の大きい材料、しいては
単結晶が望ましいとされており、ジェットエンジンの動
翼は単結晶で一部製造されている。また100℃を越え
る高温での水溶液環境で使用される場合には、水溶液中
における電気化学反応による腐食が問題で、水溶液中に
溶解している不純物によっては著しい腐食損傷を生じて
破損に至る。100℃を越える高温での水溶液環境で
は、高温高圧環境になるので、温度が高くなるとこの損
傷はより大きくなる。こうした損傷が起こらないよう一
般には耐食性の高い材料が選定され、使用されてきた
が、結晶粒界に沿って起こる粒界割れは完全に防止しき
れていない。
スを含む環境、或いは100℃を越える高温での水溶液
環境では、室温で使用される場合と異なり、材料の高温
での劣化を考慮して高温強度の高い材料,高温での耐食
性に優れた材料が使用される。250℃を越える高温で
の大気またはガスを含む環境で使用される場合には、特
に高温でのクリープ強度,高温での酸化,腐食性ガスに
よる腐食損傷が重要で、これらに強い材料が選定,使用
されてきた。高温においても比較的低い温度では金属系
の合金が使用され、より高温ではセラミックスや複合材
料が使用されてきた。金属系ではクリープ強度が結晶粒
度に依存し、結晶粒の大きい材料の方が高いため、より
高温で使用される材料は結晶粒の大きい材料、しいては
単結晶が望ましいとされており、ジェットエンジンの動
翼は単結晶で一部製造されている。また100℃を越え
る高温での水溶液環境で使用される場合には、水溶液中
における電気化学反応による腐食が問題で、水溶液中に
溶解している不純物によっては著しい腐食損傷を生じて
破損に至る。100℃を越える高温での水溶液環境で
は、高温高圧環境になるので、温度が高くなるとこの損
傷はより大きくなる。こうした損傷が起こらないよう一
般には耐食性の高い材料が選定され、使用されてきた
が、結晶粒界に沿って起こる粒界割れは完全に防止しき
れていない。
【0003】このような耐熱或いは耐食性の材料に加え
て、構造部材の表面をこのような耐熱或いは耐食性の材
料でコーテングする技術も広く適用されてきている。
て、構造部材の表面をこのような耐熱或いは耐食性の材
料でコーテングする技術も広く適用されてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、要求する特性を
持つ部材を一体で製造する方法が通常であった。しか
し、一般に構造部材は大型で、複雑形状を有している。
こうした構造部材において、優れた耐熱性或いは耐食性
を有する部材を実際に製造することは現状ではかなり困
難である。セラミックス,金属間化合物で大型,複雑形
状の部材を製造することは困難であるし、金属,合金の
単結晶も小型の部品は可能としても大型,複雑形状の部
材を製造することは不可能である。
持つ部材を一体で製造する方法が通常であった。しか
し、一般に構造部材は大型で、複雑形状を有している。
こうした構造部材において、優れた耐熱性或いは耐食性
を有する部材を実際に製造することは現状ではかなり困
難である。セラミックス,金属間化合物で大型,複雑形
状の部材を製造することは困難であるし、金属,合金の
単結晶も小型の部品は可能としても大型,複雑形状の部
材を製造することは不可能である。
【0005】このため、製造しやすい材料の表面をコー
テングして耐熱性或いは耐食性を付与する方法がとられ
る。プラズマ溶射は広く使用されているが、皮膜の延性
が低く、緻密性も十分とはいえず、また要求する環境で
十分使用に耐える耐熱性,耐食性を有するものが得られ
ていない。
テングして耐熱性或いは耐食性を付与する方法がとられ
る。プラズマ溶射は広く使用されているが、皮膜の延性
が低く、緻密性も十分とはいえず、また要求する環境で
十分使用に耐える耐熱性,耐食性を有するものが得られ
ていない。
【0006】本発明の目的は、大型,複雑形状の構造部
材にも容易に適用可能なことを念頭に、250℃を越え
る高温での大気またはガスを含む環境、或いは100℃
を越える高温での水溶液環境で使用される優れた耐熱性
或いは耐食性、またはその両方を兼ね備えた構造部材を
提供するにある。
材にも容易に適用可能なことを念頭に、250℃を越え
る高温での大気またはガスを含む環境、或いは100℃
を越える高温での水溶液環境で使用される優れた耐熱性
或いは耐食性、またはその両方を兼ね備えた構造部材を
提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、250℃を越
える高温での大気またはガスを含む環境、或いは100℃
を越える高温での水溶液環境で使用される構造部材にお
いて、構造部材の肉厚の10%以下の深さの表面部のみ
が、単結晶或いは応力の負荷方向に平行に一方向凝固組
織を有することにより優れた耐熱性或いは耐食性、また
はその両方を兼ね備えることを特徴とする構造部材にあ
る。
える高温での大気またはガスを含む環境、或いは100℃
を越える高温での水溶液環境で使用される構造部材にお
いて、構造部材の肉厚の10%以下の深さの表面部のみ
が、単結晶或いは応力の負荷方向に平行に一方向凝固組
織を有することにより優れた耐熱性或いは耐食性、また
はその両方を兼ね備えることを特徴とする構造部材にあ
る。
【0008】本発明は、同上の環境で使用される構造部
材の不連続部及び応力集中部において、構造部材の肉厚
の10%以下,最大5mmの深さの表面部のみが、単結晶
或いは応力の負荷方向に平行に一方向凝固組織を有する
ことにより優れた耐熱性或いは耐食性、またはその両方
を兼ね備えることを特徴とする構造部材にある。
材の不連続部及び応力集中部において、構造部材の肉厚
の10%以下,最大5mmの深さの表面部のみが、単結晶
或いは応力の負荷方向に平行に一方向凝固組織を有する
ことにより優れた耐熱性或いは耐食性、またはその両方
を兼ね備えることを特徴とする構造部材にある。
【0009】本発明は、特に、上記組織を得るために、
構造部材の表面をレーザにて照射し、構造部材の肉厚の
10%以下の深さの表面部のみを単結晶或いは応力の負
荷方向に平行に一方向凝固組織とすることにより優れた
耐熱性或いは耐食性、またはその両方を兼ね備える構造
部材が得られ、これを特徴とする構造部材を含む。
構造部材の表面をレーザにて照射し、構造部材の肉厚の
10%以下の深さの表面部のみを単結晶或いは応力の負
荷方向に平行に一方向凝固組織とすることにより優れた
耐熱性或いは耐食性、またはその両方を兼ね備える構造
部材が得られ、これを特徴とする構造部材を含む。
【0010】構造部材が管状及び柱状の場合は、構造部
材の表面を管状レーザ光にて照射し、このレーザ光を一
方向に移動させることによって、構造部材の肉厚の10
%以下の深さの表面部のみを単結晶或いは応力の負荷方
向に平行に一方向凝固組織が得られる。また、より複雑
な構造部材においては、構造部材の表面を構造部材の断
面形状に沿った連続レーザ光にて同時照射し、このレー
ザ光を一方向に移動させて、構造部材の肉厚の10%以
下の深さの表面部のみを単結晶或いは応力の負荷方向に
平行に一方向凝固組織を得る。
材の表面を管状レーザ光にて照射し、このレーザ光を一
方向に移動させることによって、構造部材の肉厚の10
%以下の深さの表面部のみを単結晶或いは応力の負荷方
向に平行に一方向凝固組織が得られる。また、より複雑
な構造部材においては、構造部材の表面を構造部材の断
面形状に沿った連続レーザ光にて同時照射し、このレー
ザ光を一方向に移動させて、構造部材の肉厚の10%以
下の深さの表面部のみを単結晶或いは応力の負荷方向に
平行に一方向凝固組織を得る。
【0011】また上記において、構造部材がセラミック
ス,金属,合金,金属間化合物,複合材料であり、その
表面部が前記構造部材以外のセラミックス,金属,合
金,金属間化合物,複合材料の一種または、二種以上を
複合して構成し、その構造部材の肉厚の10%以下の深
さの表面部のみが単結晶或いは応力の負荷方向に平行に
一方向凝固組織を有する優れた耐熱性或いは耐食性、ま
たはその両方を兼ね備えることを特徴とする構造部材に
ある。
ス,金属,合金,金属間化合物,複合材料であり、その
表面部が前記構造部材以外のセラミックス,金属,合
金,金属間化合物,複合材料の一種または、二種以上を
複合して構成し、その構造部材の肉厚の10%以下の深
さの表面部のみが単結晶或いは応力の負荷方向に平行に
一方向凝固組織を有する優れた耐熱性或いは耐食性、ま
たはその両方を兼ね備えることを特徴とする構造部材に
ある。
【0012】本発明は、250℃を越える高温での大気
またはガスを含む環境、或いは100℃を越える高温で
の水溶液環境で使用される構造部材、特に、優れた耐熱
性或いは耐食性、またはその両方を兼ね備えることを要
求する、ガスタービン,ジェットエンジン,ごみ焼却
炉,ごみ発電,石炭ガス化,核分裂炉,核融合炉,再処
理,廃棄物処理,化学プラントの構造部材にある。
またはガスを含む環境、或いは100℃を越える高温で
の水溶液環境で使用される構造部材、特に、優れた耐熱
性或いは耐食性、またはその両方を兼ね備えることを要
求する、ガスタービン,ジェットエンジン,ごみ焼却
炉,ごみ発電,石炭ガス化,核分裂炉,核融合炉,再処
理,廃棄物処理,化学プラントの構造部材にある。
【0013】大型,複雑形状の構造部材にも容易に適用
可能なことを念頭に、本発明が解決しようとする250
℃を越える高温での大気またはガスを含む環境、或いは
100℃を越える高温での水溶液環境で、優れた耐熱性
或いは耐食性、またはその両方を兼ね備えた表面コーテ
ング構造部材を提供するためには、構造部材全体の役割
を分析し、部材表面にのみ新規な特性を付与することに
よって達成できる。即ち構造部材における全体の負荷を
支える強度,変形に対する抵抗は部材の中心部で担い、
大気,ガス,水溶液による環境に影響する表面損傷に対
しては、表面部の材料が担い、この材料構成として構造
部材の肉厚の10%以下の深さの表面部のみが、単結晶
或いは応力の負荷方向に平行に一方向凝固組織を有する
ことにより優れた耐熱性或いは耐食性、またはその両方
を兼ね備えることを見いだした。さらに、これは複雑形
状の構造部材の不連続部及び応力集中部において、構造
部材の肉厚の10%以下,最大5mmの深さの表面部のみ
が、単結晶或いは応力の負荷方向に平行に一方向凝固組
織を有することにより優れた耐熱性或いは耐食性、また
はその両方を兼ね備えた構造部材が得られることを見い
だした。
可能なことを念頭に、本発明が解決しようとする250
℃を越える高温での大気またはガスを含む環境、或いは
100℃を越える高温での水溶液環境で、優れた耐熱性
或いは耐食性、またはその両方を兼ね備えた表面コーテ
ング構造部材を提供するためには、構造部材全体の役割
を分析し、部材表面にのみ新規な特性を付与することに
よって達成できる。即ち構造部材における全体の負荷を
支える強度,変形に対する抵抗は部材の中心部で担い、
大気,ガス,水溶液による環境に影響する表面損傷に対
しては、表面部の材料が担い、この材料構成として構造
部材の肉厚の10%以下の深さの表面部のみが、単結晶
或いは応力の負荷方向に平行に一方向凝固組織を有する
ことにより優れた耐熱性或いは耐食性、またはその両方
を兼ね備えることを見いだした。さらに、これは複雑形
状の構造部材の不連続部及び応力集中部において、構造
部材の肉厚の10%以下,最大5mmの深さの表面部のみ
が、単結晶或いは応力の負荷方向に平行に一方向凝固組
織を有することにより優れた耐熱性或いは耐食性、また
はその両方を兼ね備えた構造部材が得られることを見い
だした。
【0014】このような構造部材表面の単結晶或いは応
力の負荷方向に平行に一方向凝固組織は、構造部材の表
面をレーザにて照射して得られる。管状及び柱状構造部
材においては、構造部材の表面を管状レーザ光にて照射
し、このレーザ光を一方向に移動させることによって得
ることが可能で、複雑形状の構造部材においては、構造
部材の表面を構造部材の断面形状に沿った連続レーザ光
にて同時照射し、このレーザ光を一方向に移動させるこ
とによって、構造部材の肉厚の10%以下の深さの表面
部のみを単結晶或いは応力の負荷方向に平行に一方向凝
固組織とすることができる。
力の負荷方向に平行に一方向凝固組織は、構造部材の表
面をレーザにて照射して得られる。管状及び柱状構造部
材においては、構造部材の表面を管状レーザ光にて照射
し、このレーザ光を一方向に移動させることによって得
ることが可能で、複雑形状の構造部材においては、構造
部材の表面を構造部材の断面形状に沿った連続レーザ光
にて同時照射し、このレーザ光を一方向に移動させるこ
とによって、構造部材の肉厚の10%以下の深さの表面
部のみを単結晶或いは応力の負荷方向に平行に一方向凝
固組織とすることができる。
【0015】構造部材がセラミックス,金属,合金,金
属間化合物,複合材料であり、その表面部は構造部材以
外のセラミックス,金属,合金,金属間化合物,複合材
料の一種または、二種以上を複合して構成し、その構造
部材の肉厚の10%以下の深さの表面部のみが単結晶或
いは応力の負荷方向に平行に一方向凝固組織を有するよ
う、使用条件に適切な組み合わせを選定すれば、より優
れた耐熱性或いは耐食性、またはその両方を兼ね備えた
構造部材とすることが可能である。例えば、1700℃
を越える酸化性雰囲気の高温ガス環境で使用する場合、
基地に炭素繊維複合材料を選びその表面に酸化物セラミ
ックスをコーテングし、そのセラミックスを構造部材の
肉厚の10%以下の深さの表面部のみが単結晶或いは応
力の負荷方向に平行に一方向凝固組織とすることによっ
てより優れた耐熱性,耐酸化性を兼ね備えた構造部材と
なる。また290℃の高温高圧水中で使用する構造物に
おいて、炭素鋼或いは低合金鋼の表面部にステンレス鋼
を肉盛りし、その構造部材の肉厚の10%以下の深さの
ステンレス鋼表面部のみを単結晶組織とすることによっ
て結晶粒界での応力腐食割れのない構造部材を得ること
ができる。
属間化合物,複合材料であり、その表面部は構造部材以
外のセラミックス,金属,合金,金属間化合物,複合材
料の一種または、二種以上を複合して構成し、その構造
部材の肉厚の10%以下の深さの表面部のみが単結晶或
いは応力の負荷方向に平行に一方向凝固組織を有するよ
う、使用条件に適切な組み合わせを選定すれば、より優
れた耐熱性或いは耐食性、またはその両方を兼ね備えた
構造部材とすることが可能である。例えば、1700℃
を越える酸化性雰囲気の高温ガス環境で使用する場合、
基地に炭素繊維複合材料を選びその表面に酸化物セラミ
ックスをコーテングし、そのセラミックスを構造部材の
肉厚の10%以下の深さの表面部のみが単結晶或いは応
力の負荷方向に平行に一方向凝固組織とすることによっ
てより優れた耐熱性,耐酸化性を兼ね備えた構造部材と
なる。また290℃の高温高圧水中で使用する構造物に
おいて、炭素鋼或いは低合金鋼の表面部にステンレス鋼
を肉盛りし、その構造部材の肉厚の10%以下の深さの
ステンレス鋼表面部のみを単結晶組織とすることによっ
て結晶粒界での応力腐食割れのない構造部材を得ること
ができる。
【0016】単結晶或いは応力の負荷方向に平行に一方
向凝固組織を有する構造部材の表面部は、構造部材の肉
厚の10%以下の深さとするが、これは表面部組織がこ
れ以上の深さまで及ぶと基地の必要な性能が果たせなく
なり、構造部材全体としての機能を果たせないためであ
る。また、厚肉の構造部材では、構造部材の肉厚の10
%はかなりの厚さとなり、おおかたの構造部材の表面部
が耐熱,耐食性機能を果たすためには最大5mmで満足さ
れる。
向凝固組織を有する構造部材の表面部は、構造部材の肉
厚の10%以下の深さとするが、これは表面部組織がこ
れ以上の深さまで及ぶと基地の必要な性能が果たせなく
なり、構造部材全体としての機能を果たせないためであ
る。また、厚肉の構造部材では、構造部材の肉厚の10
%はかなりの厚さとなり、おおかたの構造部材の表面部
が耐熱,耐食性機能を果たすためには最大5mmで満足さ
れる。
【0017】本発明は、使用環境が250℃を越える高
温での大気またはガスを含む環境、或いは100℃を越
える高温での水溶液環境で効果を発揮する。250℃未
満の高温での大気またはガスを含む環境では温度が低
く、耐熱性も酸化を主体とする耐食性も大きくない。1
00℃未満の高温での水溶液環境での腐食は大きくな
く、本発明の効果は小さい。
温での大気またはガスを含む環境、或いは100℃を越
える高温での水溶液環境で効果を発揮する。250℃未
満の高温での大気またはガスを含む環境では温度が低
く、耐熱性も酸化を主体とする耐食性も大きくない。1
00℃未満の高温での水溶液環境での腐食は大きくな
く、本発明の効果は小さい。
【0018】
【発明の実施の形態】(実施例1)上部を加熱し下部を
冷却して温度差を設けた外径20mm,肉厚5mmのアルミ
ナ管の外表面にリング状の炭酸ガスレーザ光を入射し、
その外表面の深さ20μmを溶融しつつ、速度0.8mm
/min. の早さでレーザ光を上部に移動して凝固させ
た。この試験体の表面レーザ溶融部,凝固部は軸方向に
沿った一方向凝固組織が得られた。この試験体を180
0℃で曲げ試験した結果、焼結アルミナ管の3倍の強度
を示した。
冷却して温度差を設けた外径20mm,肉厚5mmのアルミ
ナ管の外表面にリング状の炭酸ガスレーザ光を入射し、
その外表面の深さ20μmを溶融しつつ、速度0.8mm
/min. の早さでレーザ光を上部に移動して凝固させ
た。この試験体の表面レーザ溶融部,凝固部は軸方向に
沿った一方向凝固組織が得られた。この試験体を180
0℃で曲げ試験した結果、焼結アルミナ管の3倍の強度
を示した。
【0019】(実施例2)上部を加熱し下部を冷却して
温度差を設けた外径20mm,肉厚5mmのアルミナ管の内
表面にリング状の炭酸ガスレーザ光を入射し、その内表
面の深さ20μmを溶融しつつ、速度0.8mm/min.の
早さでレーザ光を上部に移動して凝固させた。この試験
体の表面レーザ溶融部,凝固部は軸方向に沿った単結
晶、一方向凝固混合組織が得られた。この試験体を15
00℃でその内面に塩基度CaO/SiO2:1.25の
溶融灰を入れ24hの耐食性試験を実施した。また15
00℃−内面水冷繰返し耐熱衝撃試験を実施した。この
結果、本発明の試験体は侵食量が0.4mm 、き裂発生ま
での熱衝撃試験繰返し数は47回に及んだ。一方、焼結
アルミナ管では、侵食量が6.0mm 、き裂発生までの熱
衝撃試験繰返し数は5回でき裂が生じた。このように、
表面部のみが単結晶或いは応力の負荷方向に平行に一方
向凝固組織を有することにより優れた耐熱性或いは耐食
性、またはその両方を兼ね備えることを特徴とする構造
部材が得られることが明らかとなった。 (実施例3)直径10mmでその表面部厚さ1.5mm が3
16ステンレス鋼で構成される炭素鋼丸棒の中央に、切
欠底半径5mm,切欠底の断面直径8mmの切欠を有する試
験片上部を加熱し下部を冷却して温度差を設けた後、切
欠の近傍表面にリング状のYAGレーザ光を入射し、そ
の表面の深さ40μmを溶融しつつ、速度1.0mm/mi
n.の早さでレーザ光を上部に移動して凝固させた。この
試験体の表面レーザ溶融部,凝固部は軸方向に沿った単
結晶組織が得られた。この試験体を500℃,24h加
熱処理した後、250℃の高温水中でひずみ速度10-7
/sの低ひずみ速度引張試験した。この結果、割れを生
じることなく延性破壊を生じた。一方、表面改質を行わ
なかった試験片は、500℃,24h加熱処理した後、
250℃の高温水中でひずみ速度10-7/sの低ひずみ
速度引張試験結果、結晶粒界に割れを生じて破断した。
温度差を設けた外径20mm,肉厚5mmのアルミナ管の内
表面にリング状の炭酸ガスレーザ光を入射し、その内表
面の深さ20μmを溶融しつつ、速度0.8mm/min.の
早さでレーザ光を上部に移動して凝固させた。この試験
体の表面レーザ溶融部,凝固部は軸方向に沿った単結
晶、一方向凝固混合組織が得られた。この試験体を15
00℃でその内面に塩基度CaO/SiO2:1.25の
溶融灰を入れ24hの耐食性試験を実施した。また15
00℃−内面水冷繰返し耐熱衝撃試験を実施した。この
結果、本発明の試験体は侵食量が0.4mm 、き裂発生ま
での熱衝撃試験繰返し数は47回に及んだ。一方、焼結
アルミナ管では、侵食量が6.0mm 、き裂発生までの熱
衝撃試験繰返し数は5回でき裂が生じた。このように、
表面部のみが単結晶或いは応力の負荷方向に平行に一方
向凝固組織を有することにより優れた耐熱性或いは耐食
性、またはその両方を兼ね備えることを特徴とする構造
部材が得られることが明らかとなった。 (実施例3)直径10mmでその表面部厚さ1.5mm が3
16ステンレス鋼で構成される炭素鋼丸棒の中央に、切
欠底半径5mm,切欠底の断面直径8mmの切欠を有する試
験片上部を加熱し下部を冷却して温度差を設けた後、切
欠の近傍表面にリング状のYAGレーザ光を入射し、そ
の表面の深さ40μmを溶融しつつ、速度1.0mm/mi
n.の早さでレーザ光を上部に移動して凝固させた。この
試験体の表面レーザ溶融部,凝固部は軸方向に沿った単
結晶組織が得られた。この試験体を500℃,24h加
熱処理した後、250℃の高温水中でひずみ速度10-7
/sの低ひずみ速度引張試験した。この結果、割れを生
じることなく延性破壊を生じた。一方、表面改質を行わ
なかった試験片は、500℃,24h加熱処理した後、
250℃の高温水中でひずみ速度10-7/sの低ひずみ
速度引張試験結果、結晶粒界に割れを生じて破断した。
【0020】
【発明の効果】本発明は、250℃を越える高温での大
気またはガスを含む環境、或いは100℃を越える高温で
の水溶液環境、特に優れた耐熱性或いは耐食性、または
その両方を兼ね備えることを要求する、ガスタービン,
ジェットエンジン,ごみ焼却炉,ごみ発電,石炭ガス
化,核分裂炉,核融合炉,再処理,廃棄物処理,化学プ
ラントの構造部材で大きな効果が得られる。
気またはガスを含む環境、或いは100℃を越える高温で
の水溶液環境、特に優れた耐熱性或いは耐食性、または
その両方を兼ね備えることを要求する、ガスタービン,
ジェットエンジン,ごみ焼却炉,ごみ発電,石炭ガス
化,核分裂炉,核融合炉,再処理,廃棄物処理,化学プ
ラントの構造部材で大きな効果が得られる。
Claims (7)
- 【請求項1】250℃を越える高温での大気またはガス
を含む環境、或いは100℃を越える高温での水溶液環
境で使用される構造部材において、構造部材の肉厚の1
0%以下の深さの表面部が、単結晶或いは応力の負荷方
向に平行に一方向凝固組織を有することを特徴とする構
造部材。 - 【請求項2】250℃を越える高温での大気またはガス
を含む環境、或いは100℃を越える高温での水溶液環
境で使用される構造部材において、該構造部材の不連続
部及び応力集中部に肉厚の10%以下,最大5mmの深さ
の表面部が、単結晶或いは応力の負荷方向に平行に一方
向凝固組織を有することを特徴とする構造部材。 - 【請求項3】請求項1又は2において、前記構造部材の
表面をレーザにて照射し、構造部材の肉厚の10%以下
の深さの表面部を単結晶或いは応力の負荷方向に平行に
一方向凝固組織とすることを特徴とする構造部材。 - 【請求項4】請求項1又は2において、前記構造部材が
管状及び柱状であり、前記構造部材の表面を管状レーザ
光にて照射し、このレーザ光を一方向に移動させて、構
造部材の肉厚の10%以下の深さの表面部を単結晶或い
は応力の負荷方向に平行に一方向凝固組織とすることを
特徴とする構造部材。 - 【請求項5】請求項1又は2において、前記構造部材の
表面を構造部材の断面形状に沿った連続レーザ光にて同
時照射し、このレーザ光を一方向に移動させて、構造部
材の肉厚の10%以下の深さの表面部を単結晶或いは応
力の負荷方向に平行に一方向凝固組織とすることを特徴
とする構造部材。 - 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記
構造部材がセラミックス,金属,合金,金属間化合物,
複合材料のいずれかであり、その表面部は構造部材以外
のセラミックス,金属,合金,金属間化合物,複合材料
の一種または、二種以上を複合して構成し、その構造部
材の肉厚の10%以下の深さの表面部が単結晶或いは応
力の負荷方向に平行に一方向凝固組織を有することを特
徴とする構造部材。 - 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記
構造部材が、ガスタービン,ジェットエンジン,ごみ焼
却炉,ごみ発電,石炭ガス化,核分裂炉,核融合炉,再
処理,廃棄物処理,化学プラントの構造部材であること
を特徴とする構造部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15558998A JPH11350025A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 構造部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15558998A JPH11350025A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 構造部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11350025A true JPH11350025A (ja) | 1999-12-21 |
Family
ID=15609348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15558998A Pending JPH11350025A (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 構造部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11350025A (ja) |
-
1998
- 1998-06-04 JP JP15558998A patent/JPH11350025A/ja active Pending
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