JPH11349840A - カラーフィルター用カラーペーストおよびその製造方法並びにカラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター用カラーペーストおよびその製造方法並びにカラーフィルター

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JPH11349840A
JPH11349840A JP32195698A JP32195698A JPH11349840A JP H11349840 A JPH11349840 A JP H11349840A JP 32195698 A JP32195698 A JP 32195698A JP 32195698 A JP32195698 A JP 32195698A JP H11349840 A JPH11349840 A JP H11349840A
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pigment
color
color filter
paste
ppm
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JP32195698A
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Inventor
Toshiyuki Akaiwa
俊行 赤岩
Takayoshi Akamatsu
孝義 赤松
Tetsuo Yamashita
哲夫 山下
Masuichi Eguchi
益市 江口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラーフィルターからのイオン性不純物の発生
を低減して液晶ディスプレイの表示不良を抑制・防止す
る。 【解決手段】水で抽出したときの塩素イオン濃度が10
0ppm以下であるカラーフィルター用顔料、およびこ
れを採用したことを特徴とするペーストを用いたカラー
フィルター。画素から水で抽出される塩素イオン濃度が
着色層の全重量に対して10ppm以下であることを特
徴とするカラーフィルター用いた液晶表示装置によって
達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルター
用カラーペーストおよびカラーフィルター用カラーペー
ストの製造方法ならびにカラーフィルターに関するもの
であり、さらに詳しくは、液晶ディスプレイにしたとき
に表示ムラが発生しにくいカラーペーストおよびカラー
ペーストの製造方法ならびに該カラーペーストを使用し
た液晶ディスプレイ用のカラーフィルターに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイをカラー化するため
に、透明基板上にR(赤)、G(緑)、B(青)、もし
くはY(黄)、M(紅)、C(藍)の3色の画素を、ラ
イン状またはモザイク状に配置したカラーフィルターが
用いられている。たとえば、現在広く普及しているTF
T(薄膜トランジスター)カラー液晶ディスプレイは、
カラーフィルターが形成された透明ガラス基板とTFT
が形成された透明ガラス基板の間に液晶を封入したパネ
ルと、バックライトと称される光源から構成される。バ
ックライトから発する光が液晶パネルを通る際、その透
過率を液晶への印加電圧により制御することによって、
画像が表示される。各画素はCRT蛍光体の色度特性に
類似させる必要があるため、顔料はバックライトと液晶
表示素子の光線透過特性に合うよう選択され、また2種
類以上の顔料を一定の割合で調色されて用いられること
が多い。例えばカラーフィルターのR(赤)画素は、赤
色、橙色、黄色の顔料を2種類以上を選び、一定の割合
で調色して用いられる。同様にG(緑)画素も、緑色、
橙色、黄色の顔料を2種類以上を選び、調色して用いら
れる。顔料はこのように要求される色度特性を重視して
選ばれ、イオン性不純物については考慮されていないの
が実情である。一般に市販されている顔料にはナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ金
属を始めイオン性不純物が多く含まれている。また、イ
オン性不純物、特にナトリウム、カリウムイオンについ
ては、特開平7−198928号公報にアルカリ金属で
あるナトリウム、カリウムを合計で0.001〜80p
pm含有するカラーペーストおよびイオン交換法でナト
リウム、カリウムの全部または一部を除去する電子工業
用カラーペーストの製造方法が示されている。本発明者
らは顔料に含まれるイオン性不純物のうちイオン性の塩
素化合物が液晶ディスプレイの表示特性に悪影響を与え
ることを見出した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点に鑑み創案されたもので、その目的とすると
ころは、特定のイオン性不純物を低減させた顔料を採用
すること、および特定のイオン性不純物を低減させるカ
ラーペーストの製造方法を採用することにより、表示ム
ラを発生しにくいカラーペースト、カラーフィルター、
液晶表示素子を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下の構
成により達成される。
【0005】水で抽出したときの塩素イオン濃度が20
ppm以下である緑顔料、または100ppm以下であ
る赤、青、黄、紫、橙、藍、紅、黒のいずれかの顔料を
採用したことを特徴とするペーストを用いたカラーフィ
ルター。任意の色数で各色別に所望のパターン状に設け
られた着色層からなる画素を有するカラーフィルターに
おいて、画素から水で抽出される塩素イオン濃度が、着
色層の全重量に対して10ppm以下であることを特徴
とするカラーフィルター。また、上述の特徴を持つカラ
ーフィルターを用いた液晶表示装置。また、顔料分散液
またはカラーペーストからイオン交換法にて塩素イオン
の全部または一部を除去するカラーフィルター用カラー
ペーストの製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明での画素に用いられる顔料
として耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れた物が望まし
い。代表的な顔料の具体的な例をカラーインデックス
(CI)ナンバーで示す。赤色顔料の例としてはピグメ
ントレッド9、97、122、123、144、14
9、166、168、177、190、192、21
5、216、224などが挙げられる。緑色顔料の例と
してはピグメントグリーン7、10、36、37、3
8、47などが挙げられる。青色顔料の例としてはピグ
メントブルー15(15:1、15:2、15:3、1
5:4、15:6など)、16、17、21、22、6
0、64などが挙げられる。黄色顔料の例としてはピグ
メントイエロー13、17、20、24、83、86、
93、94、95、109、110、117、125、
137、138、139、147、148、153、1
54、166、173などがあげられる。紫色顔料の例
としてはピグメントバイオレット19、23、29、3
2、33、36、37、38などが挙げられる。橙色顔
料の例としてはピグメントオレンジ13、31、36、
38、40、42、43、51、55、59、61、6
4、65などが挙げられる。藍色顔料の例としてはピグ
メントブルー15(15:1、15:2、15:3、1
5:4、15:6など)、16などが挙げられる。紅色
顔料の例としてはピグメントレッド81、122、14
4、146、169、177、ピグメントバイオレット
19などが挙げられる。黒色顔料の例としてはピグメン
トブラック1、6、7、11、20、チタンブラック
(TiNxOy)などが挙げられる。
【0007】本発明に用いられる顔料としては水で抽出
される塩素イオンが顔料に対して重量で100ppm以
下であることが重要である。製法上塩素を使用する顔料
以外に、不純物として塩素が混入するおそれがある顔料
についても同様に適用されるものである。塩素化合物
は、液晶への溶解力が強く、液晶中でイオン化して、液
晶ディスプレイの表示性能に悪影響を与えることから、
顔料から水で抽出される塩素イオンの量は100ppm
以下であることが好ましく、さらに好ましくは70pp
m以下、さらに好ましくは50ppm以下である。本発
明では塩素含有量が対象でなく、溶解しイオン化する塩
素を対象としている。顔料から水で抽出される塩素イオ
ン量が100ppmを越えると、液晶表示素子の表示ム
ラの原因となりうる。
【0008】特に製法上塩素を使用する緑顔料であるピ
グメントグリーン7、10、および36においては、副
生成物の塩素化合物が液晶に溶解しやすく、塩素イオン
量を低減することが重要であり、水で抽出される塩素イ
オンが顔料に対して重量で20ppm以下であることが
好ましい。上記緑顔料から水で抽出される塩素イオンの
量は15ppm以下であることが更に好ましく10pp
m以下であることが最も好ましい。
【0009】本発明のカラーフィルターは画素を削り取
って粉砕し、水で抽出したとき、塩素イオンが塩素を含
む顔料を使用した着色層に対して重量で10ppm以下
であることが重要である。着色層から検出される塩素イ
オンの量は8ppm以下であることが更に好ましく、5
ppm以下であることが更に好ましい。
【0010】緑顔料の色調を調色するために黄色顔料な
どを添加することは適宜許される。黄色顔料の例として
はピグメントイエロー13、17、20、24、83、
86、93、95、109、110、117、125、
137、138、139、147、148、153、1
54、166、168、185などが挙げられるがこれ
らに限定されない。顔料は必要に応じて、ロジン処理、
酸性基処理、塩基性処理などの表面処理がされている。
【0011】また、樹脂ブラックマトリックスの密着力
を向上させるために、必要に応じて顔料表面を樹脂で被
覆したものを用いてもよいが、本発明の目的に合うよう
に選定されるべきである。
【0012】本発明で使用する樹脂は、顔料を分散保持
するためのものであり、通常、カラーフィルター用ぺー
ストに使用される樹脂であれば特に限定されず、どのよ
うなものも使用が可能である。例えば、アクリル樹脂、
アルキド樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、
フェノール樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリ
イミドなど種々の樹脂を用いることができる。特にアル
カリ水溶液に溶解する樹脂は現像あるいはエッチング工
程で設備が簡略化出来るので望ましい。アルカリ水溶液
に溶解する樹脂のなかでは、カルボキシル基を有する樹
脂が好ましく使用され、具体的にはアクリル樹脂、ポリ
イミドが耐溶剤性の点で好ましい。ポリイミドの場合、
ポリイミドの前駆体類が顔料の分散剤として機能するの
でより一層好ましい。また、カラーフィルターの耐熱性
の面からも、ポリイミドの使用が好ましい。
【0013】本発明においてポリイミド前駆体とは、ポ
リアミド酸およびその一部分をエステル化した物をい
う。ポリイミド前駆体は、熱または化学的処理により、
イミド環を形成する。ここで言うポリアミド酸は、次の
一般式(1)で表される。
【0014】
【化1】 ここで一般式(1)のnは0あるいは1〜4の数であ
る。R1は酸成分残基であり、R1は少なくとも2個の炭
素原子を有する3価または4価の有機基を示す。耐熱性
の面から、R1は環状炭化水素、芳香族環または芳香族
複素環を含有し、かつ炭素数6から30の3価または4
価の基が好ましい。R1の例として、フェニル基、ビフ
ェニル基、ターフェニル基、ナフタレン基、ペリレン
基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルフォン基、
ジフェニルプロパン基、ベンゾフェノン基、ビフェニル
トリフルオロプロパン基、シクロブチル基、シクロペン
チル基などから誘導された基が挙げられるがこれらに限
定されるものではない。
【0015】R2は少なくなくとも2個の炭素原子を有
する2価の有機基を示す。耐熱性の面から、R2は環状
炭化水素、芳香族環または芳香族複素環を含有し、かつ
炭素数6から30の2価の基が好ましい。R2の例とし
て、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフ
タレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェ
ニルスルフォン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェ
ノン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、ジフェニ
ルメタン基、シクロヘキシルメタン基などから誘導され
た基が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマ
ーはR1、R2がこれらの内各々1個から構成されていて
も良いし、各々2種以上から構成される共重合体であっ
ても良い。
【0016】ポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水
物とジアミンを反応させることにより得ることができ
る。テトラカルボン酸二無水物として、たとえば、脂肪
族系または脂環式系のものを用いることができ、その具
体的な例として、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,5−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ビ
シクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンなどが挙げら
れる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好
なポリイミドに変換しうるポリイミド前駆体組成物を得
ることができ、その具体的な例として、3,3´,4,
4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロ
メリット酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテト
ラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ジフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4´−オキ
シジフタル酸二無水物、3,3´,4,4´−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−
パラターフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3
´,4,4´−メタターフェニルテトラカルボン酸二無
水物が挙げられる。また、フッ素系のものを用いると、
短波長領域での透明性が良好なポリイミドに変換しうる
ポリイミド前駆体組成物を得ることができ、その具体的
な例として、4,4´−(ヘキサフルオロイソプロピリ
デン)ジフタル酸二無水物などが挙げられる。なお、本
発明は、これらに限定されずにテトラカルボン酸二無水
物が1種または2種以上用いられる。
【0017】本発明ではジアミンとして、たとえば、脂
肪族系または脂環式系のものを用いることができ、その
具体的な例として、エチレンジアミン、1,3−ジアミ
ノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、
4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキ
シルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル
ジシクロヘキシルなどが挙げられる。また、芳香族系の
ものを用いると、耐熱性の良好なポリイミドに変換しう
るポリイミド前駆体組成物を得ることができ、その具体
的な例として、4,4´−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´
−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノベン
ズアニリド、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、
4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェ
ニルサルファイド、m−フェニレンジアミン、p−フェ
ニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−
ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、ベンジ
ジン、3,3´−ジメチルベンジジン、3,3´−ジメ
トキシベンジジン、o−トリジン、4,4”−ジアミノ
ターフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3´
−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、
4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]エ−テル、ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル]スルホンなどが挙げられる。また、
フッ素系のものを用いると、短波長領域での透明性が良
好なポリイミドに変換しうるポリイミド前駆体組成物を
得ることができ、その具体的な例として、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフル
オロプロパンなどが挙げられる。
【0018】また、ビス−3−(アミノプロピル)テト
ラメチルシロキサンに代表されるシロキサンジアミンを
用いると、無機基板との接着性を良好にすることができ
る。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミン中の1〜
20モル%量用いる。シロキサンジアミンの量が少なす
ぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎれば耐熱性
が低下する。本発明は、これらに限定されずにジアミン
が1種または2種以上用いられる。
【0019】ポリアミド酸の合成は、極性有機溶媒中で
ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を反応させること
により行うのが一般的である。この時、ジアミンとテト
ラカルボン酸二無水物の混合比により得られるポリアミ
ド酸の重合度を調節することができる。また、上記のポ
リアミド酸のエステル化物などの誘導体に対しても適用
が可能である。溶媒としてN−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミドなどのアミド系極性溶媒が使用される。ポ
リアミド酸は顔料の分散効果を高めるため、ラクトン類
が主成分もしくはラクトン類単独からなる溶媒中で合成
するのが望ましい。ここでラクトン類が主成分もしくは
ラクトン類単独からなる溶媒とはラクトン類が50重量
%以上含有されていることをいう。ラクトン類以外の溶
媒としては上記アミド系極性溶媒の他にメチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカ
ルビトールなどを挙げることができる。
【0020】ラクトン類とは脂肪族環状エステルで炭素
数3〜12の化合物をいう。具体的な例として、β−プ
ロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラク
トン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−
カプロラクトンなどが挙げられるがこれらに限定されな
い。とくにポリアミド酸の溶解性の点で、γ−ブチロラ
クトンが好ましい。
【0021】本発明のカラーフィルター用カラー分散液
は、少なくとも顔料、有機溶剤とを含有する。また、本
発明のカラーフィルター用カラーペーストは、少なくと
も顔料、有機溶剤および樹脂を含有する。
【0022】本発明で用いられる有機溶剤としては溶媒
に特に制限はなく、一般的な有機溶媒を用いることがで
きる。画素のマトリクスの成分として、ポリイミドを用
いる場合、カラーペーストの樹脂はポリイミド前駆体を
用いるのが好ましいが、その際用いられる溶剤は、ポリ
イミド前駆体を溶解する溶媒であることが望ましい。ポ
リイミド前駆体を溶解する溶媒としては、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなど
のアミド類、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、2
−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなどのピロ
リドン類などの極性有機溶媒が挙げられる。また、通
常、単独ではポリイミド前駆体を溶解しない、エタノー
ル、ブタノール、イソプロパノールなどのアルコール
類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソ
ルブ類、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど
のプロピレングリコール誘導体類等の有機溶媒をポリイ
ミド前駆体を溶解する溶媒と混合して用いることができ
る。顔料の分散効果を高めるため、ラクトン類が主成分
の溶媒が好ましい。溶剤の使用量は特に限定されない
が、樹脂の溶解に十分な量でありかつ適度な粘度を有す
る量であることが望ましい。
【0023】少なくとも顔料と有機溶剤とから成る分散
液に溶出している塩素イオンの量は、分散液に対して重
量で26ppm以下であることが重要である。該塩素イ
オン量は20ppm以下であることが更に好ましい。分
散液中の塩素イオンが26ppmを越えると液晶表示素
子の表示ムラの原因となりうる。
【0024】少なくとも顔料、有機溶剤および樹脂から
成るカラーペーストに溶出している塩素イオンの量は、
ペーストに対して重量で20ppm以下であることが重
要である。該塩素イオン量は10ppm以下であること
が更に好ましい。ペースト中の塩素イオンが20ppm
を越えると液晶表示素子の表示ムラの原因となりうる。
【0025】カラーペーストは、分散機を用いて樹脂溶
液中に直接顔料を分散させる方法や、分散機を用いて水
または有機溶媒中に顔料を分散して顔料分散液を作製
し、その後樹脂溶液と混合する方法などにより製造され
る。顔料の分散方法には特に限定はなく、ボールミル、
サンドグラインダー、3本ロールミル、高速度衝撃ミル
など、種々の方法がとりうる。
【0026】本発明のカラーペーストは、通常、樹脂:
顔料=2:8〜7:3(重量比)の範囲において製造さ
れる。
【0027】本発明の顔料を製造する方法としては、純
水や有機溶剤による顔料の洗浄を繰り返し行うという方
法がある。例えば、純水と顔料を混合し攪拌後、静置し
て顔料を沈殿させる。上澄み液を除去後、また純水を加
えて攪拌後、顔料を沈殿、上澄み液を除去する。これを
何回か繰り返し、その後乾燥することにより、顔料中の
塩素イオンを低減することができる。また、ソックスレ
ーのような連続抽出器を用いる方法や、透析などの方法
も使用可能である。また、各種のイオン交換法も有用で
ある。
【0028】顔料製造工程において用いられるプレスフ
ィルターにおいて純水や有機溶剤により洗浄すること
は、洗浄効果が大きいと共に生産性に優れ好ましい。
【0029】この場合は、顔料またはクルードの状態で
プレスフィルター装置にて、水洗、湯洗や溶剤洗浄をお
こなうことができる。プレスフィルターに先立ち顔料を
分散液中に分散させる工程を入れることは洗浄効果を上
げ好ましい。また、顔料の洗浄は複数回実施することが
ロット内ばらつきを抑えて均一な顔料を得られる点で好
ましい。
【0030】本発明では、強酸に溶解して析出・再結晶
させて精製したアシッドペースト法によるフタロシアニ
ン骨格を有する緑顔料または青顔料を採用することが好
ましい。また、このアシッドペースト法はピグメントイ
エロー110等のイソインドリノン系黄顔料にも適用で
きる。例えば、塩素化及び臭素化した銅フタロシアニン
であるピグメントグリーン36においては、発煙硫酸に
該顔料を溶解し、硫酸塩化反応させてから、水中に注入
して顔料を析出・再結晶させることで含有される不純物
を非常に少なくすることができる。また、アシッドペー
スト法よりも低濃度の硫酸を用いた場合、ピグメントグ
リーン36は溶解に至らず、硫酸塩結晶が見られるスラ
リーになる。このスラリーを水中に注入して顔料を生成
させる方法はアシッドスラリー法と呼ばれる。アシッド
スラリー法はアシッドペースト法に比べて顔料の粒径が
大きくなるためカラーフィルター用には適していないこ
とがあるが、アシッドペースト法と同様に不純物低減の
効果がある。
【0031】本発明の少なくとも顔料と有機溶剤を含有
する顔料分散液からおよび/または少なくとも顔料、有
機溶剤と樹脂とを含有するカラーペーストからイオン交
換法により、該顔料分散液中の塩素イオンの全部または
一部を除去し、カラーペーストを得る方法について説明
する。1〜3級アミノ基および/または4級アンモニウ
ム基の陰イオン交換基をもつ陰イオン交換樹脂、陰イオ
ン交換膜、陰イオン交換繊維や無機の陰イオン交換体、
例えば、含水酸化ビスマス、水酸化燐酸鉛などを用いる
ことにより、顔料と有機溶剤を含有する顔料分散液、樹
脂を含有する該顔料分散液またはカラーペーストから、
塩素イオンを吸着またはイオン交換し、その量を低減す
ることができる。イオン交換樹脂によるイオン交換法の
一例を示すと、粒状のイオン交換樹脂をカラムに充填
し、そのカラムに顔料分散液またはカラーペーストを流
し、塩素イオンを吸着またはイオン交換し、その量を低
減することができる。また、顔料分散液またはカラーペ
ーストと粒状のイオン交換樹脂を混合、攪拌し、その
後、濾過などによりイオン交換樹脂を取り除くという方
法もある。顔料を分散しながら同時にイオン交換する方
法が除去効果が大きく好ましい。例えば、アルミナ、ジ
ルコニアなどのセラミックビーズを充填したミル型分散
機と粒状のイオン交換樹脂を充填したカラムを直結し、
顔料を分散しながら同時にイオン交換することができ
る。また、カラーペーストをイオン交換すると、顔料分
散液からカラーペースト化後溶解してきた塩素イオンも
除去することができ好ましい。
【0032】本発明では少なくとも顔料と有機溶剤を含
有する顔料分散液、および/または少なくとも顔料、有
機溶剤と樹脂を含有するカラーペーストからイオン交換
法により該顔料分散液中の塩素イオンの全部または一部
を除去する工程の後、もしくは、同時に陽イオンを除去
する工程を含むことも適宜許される。
【0033】陽イオン交換は具体的には、スルホン酸や
カルボン酸などの陽イオン交換基を持つ陽イオン交換樹
脂、陽イオン交換膜、陽イオン交換繊維や無機の陽イオ
ン交換体を用いることにより、陽イオンを吸着または、
イオン交換しその量を低減することができる。
【0034】また、顔料分散液に、カルボキシル基を有
する樹脂、例えば、カルボキシル基を有するアクリル樹
脂、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸が含有されて
いる場合、樹脂自身が陽イオン交換樹脂として作用し、
陽イオンを補足するので、陰イオン交換のみでも同様な
効果が得られる。
【0035】カラーペーストの塗布性および着色膜表面
の均一性を良好にする目的で、あるいは、顔料の分散性
を良好にする目的で、本発明のカラーペーストに界面活
性剤を添加することができる。カラーペーストを基板上
に塗布する方法としては、スピンコーター、バーコータ
ー、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコータ
ー、スクリーン印刷法などで基板に塗布する方法、基板
をカラーペースト中に浸漬する方法、カラーペーストを
基板に噴霧するなどの種々の方法を用いることができ
る。基板としては通常、ソーダガラス、無アルカリガラ
ス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどの透明基板が用
いられるが、特にこれらに限定されない。なお、基板上
にカラーペーストを塗布する場合、シランカップリング
剤などの接着助剤で基板表面を処理しておくと、着色膜
と基板の接着力を向上させることができる。
【0036】カラーペーストを用いて形成される着色膜
の厚みには特に制限は無いが、通常、0.1〜10μ
m、好ましくは、0.5〜5μmである。膜厚が小さす
ぎれば、光の吸収が小さくなりすぎ、カラーフィルター
としての光学特性が満足されない。膜厚が大きすぎる場
合は、逆に光の吸収が大きくなりすぎるなどの問題が生
じ、カラーフィルターとしての光学特性が満足されない
おそれがある。
【0037】次に画素のマトリクスの樹脂成分としてポ
リイミドを、その前駆体としてポリアミド酸を使用した
場合の、カラーフィルターの作製法の一例を説明する。
カラーペーストを、前記のような方法で透明基板上に塗
布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより、ポリ
イミド前駆体着色膜を形成する。加熱乾燥の場合、オー
ブン、ホットプレートなどを使用し、50〜180℃
の範囲、より好ましくは80〜120℃ で30秒〜3
時間行う。温度が低すぎる場合、溶媒がなかなか蒸発せ
ず、逆に温度が高すぎると現像液への溶解性が低下す
る。このようにして得られたポリイミド前駆体着色膜
に、通常の湿式エッチングによりパターンを形成する。
まず、ポリイミド前駆体着色膜上にポジ型フォトレジス
トを塗布し、フォトレジスト被膜を形成する。続いて該
フォトレジスト被膜上にマスクを置き、露光装置を用い
て紫外線を照射する。露光後、ポジ型フォトレジスト用
アルカリ現像液により、フォトレジスト被膜とポリイミ
ド前駆体着色膜のエッチングを同時に行う。エッチング
後、不要となったフォトレジスト被膜を剥離する。
【0038】ポリイミド前駆体着色膜は、その後、加熱
処理することによって、ポリイミド着色膜に変換され
る。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるい
は、真空中などで、150〜450℃ 、好ましくは1
80〜350℃ 、より好ましくは200〜320℃ の
温度のもとで、0.5〜5時間、連続的または段階的に
行われる。以上の工程をR(レッド)、G(グリー
ン)、B(ブルー)の3色のカラーペーストおよび必要
に応じてブラックのカラーペーストについて行うと、液
晶ディスプレイ用カラーフィルターが作製できる。
【0039】3原色の着色膜の上に平坦性を向上する目
的で透明樹脂からなるオーバーコートが付与されること
があるが、一方で、積層数が増えることによるコスト増
のデメリットもある。本発明は、着色膜を覆うオーバー
コートがない場合に特に効果が大きい。STN方式、T
N方式、垂直配向方式などを採用した場合には着色膜上
に液晶駆動用の透明導電膜が形成される。該透明導電膜
にはITO膜などの酸化金属薄膜が好適に採用される。
【0040】コントラストを向上させるために画素周囲
にブラックマトリックスが形成されることがある。反射
率が低いことやクロムを使用しておらず環境に優しい点
でブラックマトリックスには樹脂に遮光材を分散したブ
ラックペーストでブラックマトリックスを作製する例が
増えてきている。分光スペクトルを平らにしてニュート
ラルな黒を実現するためにブラックマトリックス用ブラ
ックペーストに顔料を添加する場合があるが、本発明は
ブラックマトリックスおよびブラックマトリックス用ペ
ーストにも適用される。
【0041】また、本発明のカラーフィルターは、液晶
を挟み込む透明基板のどちら側に形成されていても表示
不良を低減する効果がある。バックライトを備えた透過
型液晶表示素子だけでなく、外光を反射して使用する反
射型液晶表示素子においても同様の効果がある。カラー
フィルターをTFTなどの能動素子が形成された基板側
に作製する場合(カラーフィルター・オン・アレイ:C
OA)は、開口率向上や絶縁膜による電圧低下を防ぐた
めに、着色層の下に能動素子を置き、着色層に形成した
スルーホールを介して、着色層上の透明導電膜もしくは
反射電極と能動素子との電気的接続をとる構成が一般的
である。この構成では、着色膜にスルーホールを開けた
際に、スルーホール内壁に樹脂にくるまれず液晶に露出
した状態の顔料ができやすい上に液晶駆動のための電圧
ストレスがかかって不純物が溶出しやすいので、特に本
発明の効果が大きい。また、能動素子が設けられた基板
とは対向する側の基板にカラーフィルターが設けられた
場合は、透明樹脂によるオーバーコートで着色膜全体を
覆い顔料からの不純物溶出を低減することが可能である
が、COAの場合は、上記のスルーホール部分はオーバ
ーコートにて覆うことができないことや、能動素子が設
けられた基板とは対向する側の基板にカラーフィルター
が設けられた場合は透明導電膜で着色層全体が覆われる
が、COAの場合は透明導電膜は画素電極としてパター
ニングされ着色層全体を覆っていないこともCOAで本
発明の効果が大きい理由の一つである。
【0042】本発明のカラー液晶表示素子は、パソコ
ン、ワードプロセッサー、エンジニアリング・ワークス
テーション、ナビゲーションシステム、テレビ、ビデオ
などの表示に用いられる他、光変調素子としても利用可
能である。
【0043】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、実施例
中に記載された測定法の具体的な手法は以下に示すとお
りである。
【0044】(測定法) 塩素イオン濃度の測定 試料0.5gにメタノール1mlを滴下し湿らせる。蒸
留水50mlを加えて20分間超音波を加えた後、10
0℃で10分間煮沸する。室温まで冷却後、蒸発した分
の水を補充して、0.4μmメンブレンフィルターで濾
過した。濾液をイオンクロマトグラフィー(横河製IC-2
00)で分析し、塩素イオン量を測定した。用いた顔料に
対する重量比で濃度を示した。
【0045】顔料が分散された分散液もしくはカラーペ
ーストに溶出している塩素イオン濃度を測定するには、
キャピラリー電気泳動法を用いた。分散液もしくはカラ
ーペーストをサンプリングし、2〜5倍に水で希釈して
から0.4μmメンブランフィルターで濾過した。これ
をキャピラリー電気泳動測定装置(大塚電子製)のキャ
ピラリーに注入して測定する。得られたUV吸収スペク
トルを標準サンプルと比較して濃度を算出する。塩素イ
オン濃度はサンプリングした分散液もしくはカラーペー
ストに対する重量比で示す。
【0046】カラーフィルター画素から抽出される塩素
イオンを測定する場合は、基板上に形成されたカラーフ
ィルター画素を削り取って十分に粉砕してから顔料の測
定と同様にして塩素イオンの測定をする。塩素イオン濃
度は削り取った画素に対する重量比で示す。ITO膜な
どの無機透明電極膜がカラーフィルター表面にある場合
には、塩化第二鉄と硝酸の混合液などで無機透明電極膜
をエッチングしてから画素を削り取ることが望ましい。 (表示品質)無アルカリガラス上に評価するカラーペー
ストを塗布し乾燥してからキュアする。この上に厚さ
0.1μmの ITO膜を全面に形成した後、フォトソン
グラフィにて、直径100μmの孔をITO膜に形成す
る。すなわち、ITO膜上にフォトレジストを塗布しプ
リベークした後、マスクパターンを露光し、フォトレジ
ストを現像液に浸漬して現像する。試料を水洗いしてか
らポストベークし、塩化第二鉄:硝酸=1:1のエッチ
ング液に浸漬して、ITO膜に孔を形成する。フォトレ
ジストを剥離液で剥離し水洗、乾燥する。別途、無アル
カリガラス上に全面にITO膜を形成した基板を対抗基
板として用意する。カラーペースト塗布した基板(着色
層基板)と対抗基板とに配向膜を印刷しラビングして配
向させる。これらの2つの基板を、マイクロロッドを練
り込んだシール剤で貼り合わせてから4V駆動対応のT
N液晶を注入して液晶注入口を封口剤で塞ぐ。
【0047】単一カラーペースト評価ではなく、赤、
青、緑がパターニングされてカラーフィルターに加工さ
れた基板を評価する場合は、着色層上に形成するITO
膜にあける直径100μmの孔位置を露光時に位置合わ
せするか、ランダムに多数用意するかして、目的の画素
が評価できるようにする。
【0048】かくして得られた液晶セルを60°Cに保
ち、±4V、30Hzの矩形波で100時間駆動した
後、直交して配置した偏光フィルムにはさんで表示を観
察する。
【0049】着色層基板のITO膜にあけた孔から不純
物が溶出してイオン性不純物が発生するとしきい値低下
により、グレイレベル表示で該孔周辺が他の部分に比べ
て暗く見える。イオン性不純物によるしきい値低下が起
きない方が望ましい方向である。
【0050】参考例1 ポリマ分散剤の合成 4,4’−ジアミノベンズアニリド161.93g、
3,3’−ジアミノジフェニルスルホン176.70
g、およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジ
シロキサン18.64gをγ−ブチロラクトン3266
g、N−メチル−2−ピロリドン622gと共に仕込
み、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物439.09gを添加、70℃で3時間反応さ
せた後、無水フタル酸2.22gを添加し、更に70℃
で1時間反応させ、その後、粘度45ポアズ(25℃)
のポリマ分散剤の17%溶液(P−1)を得た。
【0051】参考例2 オリゴマー分散剤の合成 3,3’−ジアミノジフェニルスルホン204.79g
およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロ
キサン13.62gをγ−ブチロラクトン3809gと
共に仕込み、ピロメリット酸二水物59.98g、3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二水物295.6gを添加、60℃で3時間反応させた
後、2−アミノアントラキノン98.22gを添加し、
さらに60℃で1時間反応させ、オリゴマ分散剤の15
%溶液(O−1)を得た。
【0052】参考例3 ポリアミド酸の合成 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二水
物144.1gをγ−ブチロラクトン1095g、N−
メチル−2−ピロリドン209gと共に仕込み、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル95.1gおよびビ
ス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
6.20gを添加し、70℃で3時間反応させた後、無
水フタル酸2.96gを添加し、さらに70℃で1時間
反応させ、ポリアミド酸の16%溶液(PAA1)を得
た。
【0053】参考例4 ポリアミド酸の合成 3,3’−ジアミノジフェニルスルホン372.4g、
パラフェニレンジアミン146.0g、およびビス(3
−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン32.3
gをN−メチル−2−ピロリドン5750gに溶解し、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物 873.9gを添加し、70℃で3時間反応させ
た後、無水マレイン酸5.88gを添加、さらに70℃
で1時間反応させ、ポリアミド酸の20%溶液(PAA
2)を得た。
【0054】実施例1、比較例1 緑顔料であるピグメントグリーン36を水で抽出し、塩
素イオンを測定したところ、30ppmであった(顔料
G−2)。該顔料200gにイソプロパノール400g
とイオン交換水4000gとを加え30分間攪拌した。
遠心分離機で濾過後、イオン交換水4000gで2回洗
浄する洗浄プロセスを3回実施した。得られたケークを
70℃で48時間真空乾燥した。得られた顔料を水で抽
出し、塩素イオン濃度を測定したところ、塩素イオン濃
度は14ppmであった(顔料G−1)。
【0055】顔料G−1、G−2を83.79g計量
し、それぞれゼネカ社製分散剤”ソルスパーズ”120
00を4.41g、γ−ブチロラクトンを557g、3
−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを323g、
ポリマ分散剤(P−1)を494g、ジルコニアビーズ
と共にミル型分散機に仕込み、3000rpmで2時間
分散し、2種の分散液を得た。緑顔料G−1を用いた分
散液からは11ppm、緑顔料G−2を用いた分散液か
らは28ppmの塩素イオンが検出された。該分散液3
00gとポリマ分散剤(P−1)156.3gをγ−ブ
チロラクトン198.3g、3−メトキシ−3−メチル
−1−ブタノール185.3gで希釈した溶液とを混合
し、緑ペーストを得た。緑顔料G−1を用いた緑ペース
トからは7ppm、緑顔料G−2を用いた緑ペーストか
らは25ppmの塩素イオンが検出された。
【0056】該緑ペーストをガラス上にキュア後の膜厚
が1.5μmになるようにスピンナーで塗布した後、1
20℃で20分間乾燥した。次いで240℃で30分間
キュアして着色層を形成した。該着色層基板を用いて液
晶セル組みして表示品質を調べたところ、塩素イオンが
多かった顔料G−2では、イオン性不純物の発生による
と考えられるしきい値低下が着色層基板のITO膜孔の
周囲で観測された。グレイレベル表示をしたときに、I
TO孔の周辺がその周囲よりも暗く観察された液晶セル
は10セル中7セルであった(比較例1)。一方、塩素
イオンが少なかった顔料G−1を用いた着色層基板で
は、ITO孔の周辺がその周囲より暗く見える液晶セル
は10セル中3セルとなり、改善が見られた(実施例
1)。
【0057】実施例2、比較例2 青顔料であるピグメントブルー15:6を水で抽出し、
塩素イオンを測定したところ、115ppmであった
(顔料B−2)(比較例2)。該顔料200gにイソプ
ロパノール400gとイオン交換水4000gとを加え
30分間攪拌した。遠心分離機で濾過後、イオン交換水
4000gで2回洗浄する洗浄プロセスを3回実施し
た。得られたケークを70℃で48時間真空乾燥した。
得られた顔料を水で抽出し、塩素イオン濃度を測定した
ところ、塩素イオン濃度は83ppmであった(顔料B
−1)(実施例2)。
【0058】顔料B−1、B−2を83.79g計量
し、それぞれγ−ブチロラクトンを557g、3−メト
キシ−3−メチル−1−ブタノールを323g、ポリマ
分散剤(P−1)を494g、ジルコニアビーズと共に
ミル型分散機に仕込み、3000rpmで2時間分散
し、2種の分散液を得た。分散液中に溶出している塩素
イオンを測定したところ、B−1の青顔料を用いた分散
液からは20ppm、B−2の青顔料を用いた分散液か
らは31ppmの塩素イオンが検出された。
【0059】該分散液300gとポリマ分散剤(P−
1)156.3gをγ−ブチロラクトン198.3g、
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール185.3
gで希釈した溶液とを混合し、青ペーストを得た。ペー
ストに溶出していた塩素イオン濃度は、B−1顔料を用
いたものは8ppm、B−2顔料を用いたものは28p
pmであった。
【0060】該青ペーストをガラス上にキュア後の膜厚
が1.5μmになるようにスピンナーで塗布した後、1
20℃ で20分間乾燥した。次いで240℃ で30分
間キュアして着色層を形成した。該着色層基板を用いて
液晶セル組みして表示品質を調べたところ、塩素イオン
が多かった顔料B−2では、イオン性不純物の発生によ
ると考えられるしきい値低下が着色層基板のITO膜孔
の周囲で多く観測された。すなわちグレイレベル表示を
したときに、ITO孔の周辺がより暗く観察された液晶
セルの割合は10セル中5セルであった(比較例2)。
一方、塩素イオンが少なかった顔料B−1を用いた着色
層基板では、ITO孔の部分がその周囲より暗く見える
液晶セルの割合が10セル中2セルとなり、改善が見ら
れた(実施例2)。
【0061】実施例3、比較例3 赤顔料であるピグメントレッド177を水で抽出し、塩
素イオンを測定したところ、138ppmであった(顔
料R−2)(比較例3)。該顔料200gにイソプロパ
ノール400gとイオン交換水4000gとを加え30
分間攪拌した。遠心分離機で濾過後、イオン交換水40
00gで2回洗浄する洗浄プロセスを3回実施した。得
られたケークを70℃で48時間真空乾燥した。得られ
た顔料を水で抽出し、塩素イオン濃度を測定したとこ
ろ、塩素イオン濃度は66ppmであった(顔料R−
1)(実施例3)。
【0062】黄顔料であるピグメントイエロー138を
水で抽出し、塩素イオンを測定したところ、191pp
mであった(顔料Y−2)(比較例3)。該顔料200
gにイソプロパノール400gとイオン交換水4000
gとを加え30分間攪拌した。遠心分離機で濾過後、イ
オン交換水4000gで2回洗浄する洗浄プロセスを3
回実施した。得られたケークを70℃で48時間真空乾
燥した。得られた顔料を水で抽出し、塩素イオン濃度を
測定したところ、塩素イオン濃度は43ppmであった
(顔料Y−1)(実施例3)。
【0063】顔料R−1、R−2を58.65g、Y−
1、Y−2を25.14g計量し、R−1とY−1、R
−2とY−2をそれぞれ混合し、γ−ブチロラクトンを
557g、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール
を323g、ポリマ分散剤(P−1)を494g、ジル
コニアビーズと共にミル型分散機に仕込み、3000r
pmで2時間分散し、2種の分散液を得た。該分散液3
00gとポリマ分散剤(P−1)156.3gをγ−ブ
チロラクトン198.3g、3−メトキシ−3−メチル
−1−ブタノール185.3gで希釈した溶液とを混合
し、赤ペーストを得た。ペーストに溶出していた塩素イ
オン濃度は、R−1とY−1顔料を用いたものは11p
pm、R−2とY−2顔料を用いたものは42ppmで
あった。
【0064】該赤ペーストをガラス上にキュア後の膜厚
が1.5μmになるようにスピンナーで塗布した後、1
20℃ で20分間乾燥した。次いで240℃ で30分
間キュアして着色層を形成した。該着色層基板を用いて
液晶セル組みして表示品質を調べたところ、塩素イオン
が多かった顔料R−2とY−2の組み合わせでは、イオ
ン性不純物の発生によると考えられるしきい値低下が着
色層基板のITO膜孔の周囲で多く観測された。すなわ
ちグレイレベル表示をしたときに、ITO孔の周辺がよ
り暗く観察された液晶セルの割合は10セル中6セルで
あった(比較例3)。一方、塩素イオンが少なかった顔
料R−1とY−1の組み合わせを用いた着色層基板で
は、ITO孔の部分がその周囲より暗く見える液晶セル
の割合が10セル中1セルとなり、改善が見られた(実
施例3)。
【0065】実施例4 無アルカリガラス上にスパッタリング法によって厚さ
0.1μmの酸化クロム膜を形成した。酸化クロム膜上
にフォトレジストを塗布し、90℃で10分間乾燥し
た。該フォトレジストをフォトマスクを介して露光し、
次いで現像液に浸漬して現像した。フェリシアン化カリ
ウム:水酸化ナトリウム:水=1000:350:43
65の割合で混合したエッチング液で酸化クロム膜をエ
ッチングした後、アセトンでフォトレジストを剥離し
た。かくして、一方は100μmピッチ、これと直交す
る方向には300μmピッチで線幅が20μmの格子状
ブラックマトリックスを得た。
【0066】ブラックマトリックスが形成されたガラス
基板上にポリイミド転換後に厚さ1.5μmになるよう
に実施例1の緑顔料G−1を用いた緑色ペーストを塗布
し、120℃で20分乾燥し、この上にフォトレジスト
を塗布し、90℃で10分乾燥した。ブラックマトリッ
クスの100μmピッチで配列された格子の2つおきの
開口部を埋めるようにパターニングされたフォトマスク
を介してフォトレジストを露光した。露光後、テトラメ
チルアンモニウムハイドロオキサイドの2.38%の水
溶液からなる現像液に浸漬し、フォトレジストの現像、
ポリイミド前駆体の着色塗膜のエッチングを同時におこ
なった。エッチング後、不要となったフォトレジスト層
をアセトンで剥離した。さらにポリイミド前駆体の緑色
塗膜を240℃で30分熱処理し、ポリイミドに転換し
た。かくして緑画素を形成した。
【0067】実施例2で得た青顔料B−1を用いた青色
ペーストをブラックマトリックスが形成されたガラス基
板上にポリイミド転換後に厚さ1.5μmになるように
塗布し、120℃で20分乾燥した。以下、緑ペースト
の場合と同様にして、緑画素に隣り合うように青画素を
形成した。
【0068】実施例3で得た赤顔料R−1と黄顔料Y−
1を用いた赤色ペーストをブラックマトリックスが形成
されたガラス基板上にポリイミド転換後に厚さ1.5μ
mになるように塗布し、120℃で20分乾燥した。以
下、緑ペーストの場合と同様にして、青画素に隣り合う
ように赤画素を形成した。
【0069】かくして得られた着色層を削り取って、乳
鉢で十分粉砕した後、水による抽出をおこなった。削り
取った着色層に対して、2ppmの塩素イオンが検出さ
れた。
【0070】該着色層の上にスパッタリング法により厚
さ0.1μmのITO膜を形成し、カラーフィルターを
得た。対極として全面にITO電極が形成された無アル
カリガラスを用意し、液晶セル組みして、表示品質を調
べたところ、ITO膜の孔の部分がその周囲よりも暗く
観察された液晶セルが10セル中0セルであり、良好で
あった。
【0071】比較例4 比較例1と同じ緑顔料G−2を用いた緑色ペーストと、
比較例2と同じ青顔料B−2を用いた青色ペーストと、
比較例3と同じ赤顔料R−2および黄顔料Y−2を用い
た赤色ペーストを採用したこと以外は実施例4と同様に
して赤、青、緑の着色層を得た。かくして得られた着色
層を削り取って、乳鉢で十分粉砕した後、水による抽出
をおこなった。削り取った着色層に対して、25ppm
の塩素イオンが検出された。
【0072】該着色層の上にスパッタリング法により厚
さ0.1μmのITO膜を形成し、更に青画素上にIT
O膜の孔開けをしたカラーフィルターを得た。対極とし
て全面にITO電極が形成された無アルカリガラスを用
意し、液晶セル組みして、表示品質を調べたところ、I
TO膜の孔の部分がその周囲よりも暗く観察された液晶
セルが10セル中7セルであった。
【0073】実施例5 緑顔料であるピグメントグリーン36、200gに特級
メタノール400gを加え、30分間攪拌した。次に、
遠心分離器で濾過を行った。再度特級メタノール400
gを加え、攪拌、遠心分離する操作を2回繰り返し、該
顔料の洗浄を行った。得られたケークを70℃で24時
間真空乾燥した。得られた顔料を水で抽出し、塩素イオ
ン濃度を測定したところ、塩素イオン濃度は10ppm
であった。該顔料を実施例1と同様にペースト化した。
分散液に溶出していた塩素イオン濃度は9ppmであっ
た。また、ペーストに溶出していた塩素イオン濃度は5
ppmであった。該緑色ペーストを使用し、実施例4と
同様にして赤、青、緑からなる着色層を得た。これを液
晶セル組みして表示品質を調べたところ、緑画素上に設
けられたITO膜の孔の周辺がその周囲よりも暗く観察
された液晶セルは10セル中0セルであり、実施例1に
比べ改善が見られた。
【0074】実施例6、比較例5 緑顔料にピグメントグリーン7を用いたこと以外は実施
例1と同様にして、洗浄を行った顔料G−3を得た。未
洗浄のピグメントグリーン7(顔料G−4)と顔料G−
3のそれぞれを水で抽出し、塩素イオン濃度を測定した
ところ、塩素イオン濃度は顔料G−3について9pp
m、顔料G−4について28ppmであった。
【0075】顔料G−3、G−4を83.79g計量
し、それぞれゼネカ社製分散剤”ソルスパーズ”120
00を4.41g、γ−ブチロラクトンを557g、3
−メトキシ−5−メチル−1−ブタノールを323g、
ポリマ分散剤(P−1)を494g、ジルコニアビーズ
と共にミル型分散機に仕込み、3000rpmで2時間
分散し、2種の分散液を得た。該分散液300gとポリ
マ分散剤(P−1)156.3gをγ−ブチロラクトン
198.3g、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノ
ール185.3gで希釈した溶液とを混合し、緑ペース
トを得た。
【0076】該緑ペーストをガラス上にキュア後の膜厚
が1.5μmになるようにスピンナーで塗布した後、1
20℃で20分間乾燥した。次いで240℃ で30分
間キュアして着色層を形成した。該着色層基板を用いて
液晶セル組みして表示品質を調べたところ、塩素イオン
が多かった顔料G−4では、イオン性不純物の発生によ
ると考えられるしきい値低下が着色層基板のITO膜孔
の周囲で観測された。グレイレベル表示をしたときに、
ITO孔の周辺がその周囲よりも暗く観察された液晶セ
ルは10セル中5セルであった(比較例5)。一方、塩
素イオンが少なかった顔料G−3を用いた着色層基板で
は、ITO孔の周辺がその周囲より暗く見える液晶セル
が10セル中0セルとなり、改善が見られた(実施例
6)。
【0077】実施例7 比較例1と同様の緑顔料G−2を用いた分散液を作る際
にジルコニアビーズが充填されたミル型分散機とオルガ
ノ(株)製陰イオン交換樹脂”アンバーリスト”A−2
1が充填されたカラムとをパイプで接続し、顔料を分散
しながら同時にイオン交換した。該分散液に溶出してい
た塩素イオン濃度は10ppmであった。該分散液を比
較例1と同様にして緑色ペースト化した。
【0078】該緑色ペーストを使用し、比較例1と同様
にして緑着色膜をガラス基板上に形成した。これを液晶
セル組みして表示品質を調べたところ、ITO膜の孔の
周辺がその周囲よりも暗く観察された液晶セルが10セ
ル中0セルであり、比較例1に比べて改善された。
【0079】実施例8 比較例1と同様にして緑顔料G−2を用いた緑色ペース
トを得た。該緑色ペーストにオルガノ(株)製陰イオン
交換樹脂”アンバーリスト”A−21を入れて3時間撹
拌した。これを濾過して緑色ペーストからイオン交換樹
脂を取り除いた。
【0080】該緑色ペーストを使用し、比較例1と同様
にして緑着色膜をガラス基板上に形成した。これを液晶
セル組みして表示品質を調べたところ、ITO膜の孔の
周辺がその周囲よりも暗く観察された液晶セルが10セ
ル中0セルであり、比較例1に比べて改善された。該緑
色ペーストに溶出していた塩素イオン濃度は5ppmで
あった。
【0081】実施例9 青顔料であるピグメントブルー15:6、200gに特
級アセトン400gを加え、30分間攪拌した。次に、
遠心分離器で濾過を行った。再度特級アセトン400g
を加え、攪拌、遠心分離する操作を2回繰り返し、該顔
料の洗浄を行った。得られたケークを70℃で24時間
真空乾燥した。得られた顔料を水で抽出し、塩素イオン
濃度を測定したところ、塩素イオン濃度は5ppmであ
った。該顔料を比較例2と同様にペースト化した。ペー
ストに溶出していた塩素イオン濃度は3ppmであっ
た。該青色ペーストをガラス基板上にスピナーを用いて
塗布し、120℃で20分間乾燥した後280℃で40
分間加熱し薄膜を形成した。これを液晶セル組みして表
示品質を調べたところ、ITO膜の孔の部分がその周囲
よりも暗く観察された液晶セルは10セル中0セルであ
り、良好であった。
【0082】実施例10、比較例6 比較例3と同様の黄顔料であるY−2を用いた分散液を
作る際にジルコニアビーズが充填されたミル型分散機と
オルガノ(株)製弱陰イオン交換樹脂”アンバーリス
ト”A−21が充填されたカラムとをパイプで接続し、
顔料を分散しながら同時にイオン交換した(Y−3)
(実施例10)。一方、イオン交換処理を行わずに分散
した黄色分散液も作成した(Y−4)(比較例6)。こ
れら分散液に溶出していた塩素イオン濃度を測定したと
ころ、Y−3分散液中には8ppmの塩素イオンが検出
され(実施例10)、Y−4分散液からは40ppmの
塩素イオンが検出された(比較例6)。該分散液300
gとポリマ分散剤(P−1)156.3gをγ−ブチロ
ラクトン198.3g、3−メトキシ−3−メチル−1
−ブタノール185.3gで希釈した溶液とを混合し、
黄ペーストを得た。ペーストに溶出していた塩素イオン
濃度はY−3分散液を用いた場合は4ppm(実施例1
0)、Y−4分散液を用いた場合は30ppmであった
(比較例6)。
【0083】これら黄ペーストをガラス上にキュア後の
膜厚が1.5μmになるようにスピンナーで塗布した
後、120℃ で20分間乾燥した。次いで240℃ で
30分間キュアして着色層を形成した。該着色層基板を
用いて液晶セル組みして表示品質を調べたところ、IT
O孔の部分がその周囲より暗く見える液晶セルの割合が
Y−3分散液を用いた場合は10セル中0セル(実施例
10)、Y−4分散液を用いた場合は10セル中5セル
であった(比較例6)。
【0084】実施例11 比較例6で得られたY−4分散液から作成した黄色ペー
ストにオルガノ(株)製弱陰イオン交換樹脂”アンバー
リスト”A−21を入れて3時間撹拌した。濾過により
黄色ペーストからイオン交換樹脂を除いた。該黄色ペー
ストに溶出していた塩素イオン濃度は2ppmであっ
た。
【0085】該黄ペーストをガラス上にキュア後の膜厚
が1.5μmになるようにスピンナーで塗布した後、1
20℃ で20分間乾燥した。次いで240℃ で30分
間キュアして着色層を形成した。該着色層基板を用いて
液晶セル組みして表示品質を調べたところ、ITO孔の
部分がその周囲より暗く見える液晶セルの割合が10セ
ル中0セルであった。
【0086】実施例12、比較例7 黒顔料であるピグメントブラック7を用いて実施例1と
同様にして洗浄を行った顔料BK−1を得た。未洗浄の
ピグメントブラック7(顔料BK−2)と顔料BK−1
を、それぞれを水で抽出し、塩素イオン濃度を測定した
ところ、塩素イオン濃度は顔料BK−1について17p
pm(実施例12)、顔料BK−2について112pp
mであった(比較例7)。顔料BK−1、BK−2を8
3.79g計量し、それぞれN−メチルー2−ピロリド
ンを557g、3−メトキシ−5−メチル−1−ブタノ
ールを323g、ジルコニアビーズと共にミル型分散機
に仕込み、3000rpmで2時間分散し、2種の分散
液を得た。分散液に溶出していた塩素イオン濃度は、B
K−1顔料を用いたものは10ppm、BK−2顔料を
用いたものは39ppmであった。該分散液450gと
ポリマ溶液(PAA1)156.3gをN−メチルー2
−ピロリドン198.3g、3−メトキシ−3−メチル
−1−ブタノール185.3gで希釈した溶液とを混合
し、黒ペーストを得た。ペーストに溶出していた塩素イ
オン濃度は、BK−1顔料を用いたものは5ppm、B
K−2顔料を用いたものは27ppmであった。該黒色
ペーストをガラス上にキュア後の膜厚が1.1μmにな
るようにスピンナーで塗布した後、120℃ で20分
間乾燥した。次いで280℃ で30分間加熱して薄膜
を形成した。これを液晶セル組みして表示品質を調べた
ところ、ITO膜の孔の部分がその周囲よりも暗く観察
された液晶セルはBK−1顔料を用いた場合は10セル
中0セルであり(実施例12)、BK−2顔料を用いた
場合は10セル中5セルであった(比較例7)。
【0087】実施例13 比較例1の塩素化および臭素化された銅フタロシアニン
顔料であるピグメントグリーン36(顔料G−2)を5
0gとり、1500gの発煙硫酸を加え常温で30分間
攪拌して溶解させた。次に溶液を80℃ に昇温して
4.5時間攪拌した。これを40リットルのイオン交換
水に静かに注入し充分攪拌して、析出・再結晶させた。
得られた顔料を濾過し、イオン交換水で洗浄してから7
0℃で48時間真空乾燥した。かくして得た銅フタロシ
アニン顔料を水で抽出して塩素イオン濃度を測定したと
ころ、塩素イオン濃度は8ppmであった。
【0088】実施例1と同様にして該顔料を顔料分散液
化し、ついで緑ペースト化した。該顔料分散液に溶出し
ていた塩素イオン濃度は4ppmであった。また、該緑
ペーストに溶出していた塩素イオン濃度は2ppmであ
った。
【0089】実施例1と同様にして液晶セル組みして表
示品質を調べたところ、ITO膜の孔の部分がその周囲
よりも暗く観察された液晶セルは10セル中0セルであ
り、良好であった。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば顔料に含まれる塩素の
内、イオン化しやすい状態にあるものを低減させること
によって液晶ディスプレイの表示不良を抑制・防止する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江口 益市 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水で抽出したときの塩素イオン濃度が10
    0ppm以下である顔料であることを特徴とするカラー
    フィルター用顔料。
  2. 【請求項2】水で抽出したときの塩素イオン濃度が20
    ppm以下である顔料であることを特徴とするカラーフ
    ィルター用顔料。
  3. 【請求項3】該顔料が赤、青、黄、紫、橙、藍、紅、黒
    のいずれかの顔料であることを特徴とする請求項1記載
    のカラーフィルター用顔料。
  4. 【請求項4】該顔料が緑顔料であることを特徴とする請
    求項2記載のカラーフィルター用顔料。
  5. 【請求項5】強酸に溶解して再結晶させた顔料であるこ
    とを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載のカラー
    フィルター用顔料。
  6. 【請求項6】請求項1〜5記載の少なくとも一つの顔料
    を採用したことを特徴とするカラーフィルター用カラー
    ペースト。
  7. 【請求項7】少なくとも顔料と有機溶剤を含有する顔料
    分散液に溶出している塩素イオンが該顔料分散液に対し
    て26ppm以下であることを特徴とするカラーフィル
    ター用カラー分散液。
  8. 【請求項8】少なくとも顔料、有機溶剤および樹脂を含
    有するカラーペーストに溶出している塩素イオンが該カ
    ラーペーストに対して20ppm以下であることを特徴
    とするカラーフィルター用カラーペースト。
  9. 【請求項9】任意の色数で各色別に所望のパターン状に
    設けられた着色層からなる画素を有するカラーフィルタ
    ーにおいて、該着色層が請求項6、8のいずれかに記載
    のカラーペーストからなる着色被膜であることを特徴と
    するカラーフィルター。
  10. 【請求項10】少なくとも顔料と有機溶剤を含有する顔
    料分散液からイオン交換法により、該顔料分散液の塩素
    イオンの全部または一部を除去することを特徴とするカ
    ラーフィルター用カラーペーストの製造方法。
  11. 【請求項11】少なくとも顔料、有機溶剤と樹脂とを含
    有するカラーペーストからイオン交換法により、該カラ
    ーペースト中の塩素イオンの全部または一部を除去する
    ことを特徴とするカラーフィルター用カラーペーストの
    製造方法。
  12. 【請求項12】任意の色数で各色別に所望のパターン状
    に設けられた着色層からなる画素を有するカラーフィル
    ターにおいて、画素から水で抽出される塩素イオン濃度
    が、着色層の全重量に対して10ppm以下であること
    を特徴とするカラーフィルター。
  13. 【請求項13】請求項9、12のいずれかに記載のカラ
    ーフィルターを用いた液晶表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN102504602A (zh) * 2011-10-08 2012-06-20 传美讯电子科技(珠海)有限公司 染料色浆的提纯工艺

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7029526B2 (en) 2001-10-19 2006-04-18 Ciba Specialty Chemicals Corporation Process for making green pigment compositions useful for color filters and LCD's
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