JPH11344874A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH11344874A
JPH11344874A JP16590998A JP16590998A JPH11344874A JP H11344874 A JPH11344874 A JP H11344874A JP 16590998 A JP16590998 A JP 16590998A JP 16590998 A JP16590998 A JP 16590998A JP H11344874 A JPH11344874 A JP H11344874A
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JP
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belt
image forming
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JP16590998A
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Yasuo Yoda
寧雄 依田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写材のこしの強さによる弾性力での分離作
用を有効に活用することにより、像担持体からの転写材
の良好な分離性を確保して、転写材の分離不良を防止し
た画像形成装置を提供することである。 【解決手段】 転写ベルト8の転写ローラ10aの部分
での硬度を第2の像担持体である中間転写ドラム7の硬
度42゜より高い57゜とし、中間転写ドラム7と転写
ベルト8とが当接して形成される転写ニップの形状を、
転写ローラ10aによる押圧で中間転写ドラム7側に凸
として、これにより、転写材Pのこしの強さを利用した
弾性力Fpによる分離作用を加えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の画
像形成装置に関し、特に像担持体上に形成したトナー像
を転写ベルトによって転写材に転写する画像形成装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、中間転写体を使用したカラー画像
形成装置や、多重現像方式によるカラー画像形成装置で
は、複数のトナー像を重ね合わせたフルカラーなどの多
色画像を、感光ドラムや中間転写体などの像担持体上に
形成した後、その多色画像を転写材に一括して転写する
ことにより、カラー画像情報を合成再現した画像形成物
を出力するようになっている。これら中間転写体方式や
多重現像方式は、各成分色の重ね合わせ(色ずれ)が生
じないというメリットがある。
【0003】この中間転写体方式や多重現像方式の画像
形成装置に使用する像担持体(感光ドラム、中間転写
体)の周長は、最低でも最大通紙サイズ以上が必要とな
る。たとえばA3サイズの紙を通紙する場合には、像担
持体の周長は420mm以上が必要であり、像担持体が
ドラムの場合は直径で134mm以上が必要となる。
【0004】しかし、このように表面の曲率半径が大き
い、つまり曲率が小さい像担持体を用いた場合、トナー
像を転写材に静電転写する際に、転写材が曲率分離でき
ず、像担持体に静電吸着してしまう問題があった。
【0005】このような転写材の像担持体への吸着を防
止するために、これまでは、コロナ分離帯電器で転写後
の転写材を除電することにより、像担持体から転写材が
分離されるようにしていた。
【0006】しかし、コロナ分離帯電器には、帯電バイ
アスを供給する高圧電源が必要であり、またコロナ放電
に起因するオゾンが大量に発生する問題があった。
【0007】なお、本明細書において、転写材は、転写
紙、記録紙、印刷紙、カード、封筒、はがき、OHPシ
ートを含む概念であり、材質は紙に限らない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した問題を解決す
るために、転写手段として転写ベルトを用いることが考
えられている。つまり、転写ベルトに転写材を吸着さ
せ、像担持体からのトナー像の転写材への転写と同時
に、像担持体からの転写材の分離を行うことにより、像
担持体への転写材の吸着をなくそうとするものである。
【0009】しかし、この像担持体からの転写材の分離
は、転写材の転写ベルトへの静電吸着力と、像担持体に
比較した転写ベルトの曲率半径が小さいことによる曲率
分離作用のみに依存しており、完全な分離性を確保する
までには至っていない。
【0010】本発明の目的は、転写材のこしの強さによ
る弾性力での分離作用を有効に活用することにより、像
担持体からの転写材の良好な分離性を確保して、転写材
の分離不良を防止した画像形成装置を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、
転写ベルトを備えた転写手段により中間転写体からのト
ナー像の転写材への転写を行う画像形成装置において、
前記転写ベルトは複数のローラに懸架されるとともに、
前記中間転写体に対し離接自在に設置され、前記中間転
写体とこれに当接された転写ベルトとは当接部にニップ
を形成し、前記複数のローラのうちの1本のローラは、
前記当接部の転写ベルトの内側に位置して転写ベルトを
内側から支持することにより、前記ニップを中間転写体
側に凸の形状に形成することを特徴とする画像形成装置
である。
【0012】本発明によれば、前記転写ベルトは、好ま
しくは、エラストマーからなる基層と、その上に形成し
た離型性を有する表層とからなる。前記中間転写ベルト
の硬度が、前記1本のローラでの支持により前記当接部
の部分で、中間転写体の硬度よりも高いことにより、前
記ニップの形状が中間転写体側に凸になる。前記中間転
写体は、円筒状の導電性支持体と、その上に形成した弾
性層とからなる中間転写ドラムである。前記弾性層上に
離型性を有する1層以上の表層を形成することができ
る。また、前記中間転写体を、無端状の弾性層と、その
上に形成した離型性を有する1層以上の表層とからなる
中間転写ベルトとすることもでき、前記中間転写ベルト
は複数本のローラに懸架され、そのうちの1本のローラ
は、前記当接部の中間転写ベルトの内側に位置して、中
間転写ベルトを内側から支持する。
【0013】また、本発明は、転写ベルトを備えた転写
手段により感光ベルトからのトナー像の転写材への転写
を行う画像形成装置において、前記転写ベルトは複数の
ローラに懸架されるとともに、前記感光ベルトに対し離
接自在に設置され、前記感光ベルトとこれに当接された
転写ベルトとは当接部にニップを形成し、前記複数のロ
ーラのうちの1本のローラは、前記当接部の転写ベルト
の内側に位置して転写ベルトを内側から支持することに
より、前記ニップを感光ベルト側に凸の形状に形成する
ことを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施例を図面
に則して更に詳しく説明する。
【0015】実施例1 図1は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構
成図である。
【0016】本画像形成装置は、像担持体である感光ド
ラム1、帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4、転写
装置5および定着装置6などを備えて構成されている。
【0017】感光ドラム1は、矢印a方向に所定の周速
度(プロセススピード)を持って回転駆動され、その回
転過程で帯電ローラ2により表面が所定の極性、電位に
一様に帯電処理され、ついで画像露光装置3(カラー原
稿画像の色分解・結像光学系、画像情報の時系列電気デ
ジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを
出力するレーザースキャナによる走査露光系など)によ
る画像露光Lを受けることにより、感光ドラム1の表面
に、目的のカラー画像の第1色目の色成分、たとえばイ
エロー成分像に対応した静電潜像が形成される。
【0018】この静電潜像は、現像装置4のイエロー現
像器4aにより、イエロートナーを使用して現像され
る。現像装置4は、周方向上に配列した4つの現像器、
すなわちイエロー現像器4a、マゼンタ現像器4b、シ
アン現像器4cおよびブラック現像器4dを備えてい
る。現像器4a〜4dは、図示しない回転駆動装置によ
って矢印b方向に回転することにより、順次、感光ドラ
ム1と対向した現像位置に移動され、現像に使用され
る。
【0019】転写装置5は、1次転写を行う中間転写ド
ラム7と2次転写を行う転写ベルト8とを有しており、
中間転写ドラム7は、矢印c方向に感光ドラム1と同じ
周速度を持って回転駆動されている。
【0020】感光ドラム1上に形成して担持された1色
目のイエロートナー像は、感光ドラム1と中間転写ドラ
ム7とが当接したニップ部を通過する過程で、1次転写
電源9から中間転写ドラム7に印加した1次転写バイア
スにより形成される転写電界と圧力とにより、中間転写
ドラム7の周面上に転写されていく。この転写を1次転
写と呼ぶ。
【0021】以下、同様に、マゼンタ現像器4b、シア
ン現像器4c、ブラック現像器4dでの現像により、感
光ドラム1上に形成、担持された第2色目のマゼンタト
ナー像、第3色目のシアントナー像、第4色目のブラッ
クトナー像が、中間転写ドラム7上に順次重畳転写さ
れ、中間転写ドラム7上に目的のカラー画像に対応した
合成カラートナー像が形成される。
【0022】各色のトナー像を感光ドラム1から中間転
写ドラム7へ転写するのに使用する1次転写バイアス
は、トナーと逆極性であり、本例では、トナーが負帯電
性であるので、1次転写バイアスはプラス極性である。
1次転写の間、転写ベルト8および中間転写ドラム7の
クリーニングローラ12は、中間転写ドラム7から離間
されている。
【0023】転写ベルト8は、中間転写ドラム7の長手
方向に対して平行に軸受けさせて、中間転写ドラム7の
下部面に離接自在に設置されている。この転写ベルト8
は、転写ローラ10aと駆動ローラ10bに掛け回して
懸架されており、駆動ローラ10bにより矢印d方向に
回転される。
【0024】2次転写時、転写ベルト8が中間転写ドラ
ム7に当接され、図示しない給紙カセットから転写材P
が、レジストローラ13a、13b、転写前ガイド14
を経て、中間転写ドラム7と転写ベルト8のニップに所
定のタイミングで給紙される。この際、2次転写電源1
1から2次転写バイアスが転写ローラ10aに印加され
(駆動ローラ10bは転写ローラ10aと等電位とされ
ている)、中間転写ドラム7から転写材P上に合成カラ
ートナー画像が転写される。この転写を2次転写と呼
ぶ。
【0025】合成カラートナー画像が転写された転写材
Pは定着装置6に搬送され、そこで加熱および加圧して
合成カラートナー画像を定着し、定着した合成カラート
ナー画像を有する転写材Pが出力される。
【0026】2次転写されずに中間転写ドラム7の表面
に残ったトナーは、電源15から直流電圧を重畳したバ
イアスを印加したクリーニングローラ12で、本来の極
性とは逆の極性(プラス極性)に転換することにより、
感光ドラム1の表面に静電吸着され、中間転写ドラム7
の表面は清浄になる。感光ドラム1に吸着したトナー
は、その後、感光ドラム1のクリーナ17により除去、
回収される。
【0027】中間転写ドラム7の構成について詳述す
る。中間転写ドラム7は、たとえば、剛性を有する円筒
状の導電性支持体上に、ゴム、エラストマーまたは樹脂
からなる弾性層を少なくとも有するローラか、さらにそ
の弾性層上に表層を1層以上有するローラである。
【0028】本実施例における中間転写ドラム7は、図
2に示すように、円筒状の導電性支持体7a上に弾性層
7bおよび表層7cを設けてなっており、弾性層7bの
厚さが5mm、表層7cの厚さが15μmで、186m
mの外径を有している。
【0029】導電性支持体7aには、厚さ3mmのアル
ミニウムの円筒体を用いた。
【0030】弾性層7bは、体積抵抗率のみを重視する
観点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)にエピクロルヒドリンゴムを混合して使用し、その
体積抵抗率は105 〜106 Ωcmに制御した。
【0031】弾性層7bの厚さは、転写ニップの形状、
回転による色ずれ、材料コストなどを考慮して、0.5
〜7.0mm程度とすることが好ましい。本実施例で
は、上記のように5mmとした。
【0032】中間転写ドラム7の抵抗値は、図3に示す
測定装置で測定した。この測定装置20は、中間転写ド
ラム7の表面に当接するアルミシリンダ21、高圧電源
22および標準抵抗器23を備えている。
【0033】中間転写ドラム7の表面に当接したアルミ
シリンダ21を図示しない回転駆動装置によって回転さ
せ、中間転写ドラム7を従動回転させる。このときの当
接圧は、実際の画像形成時の使用状態と同様に層厚1k
gfとした。この状態で、中間転写ドラム7の導電性支
持体7aに、高圧電源22から一定の直流電圧Vdc
(1.0kV)を印加すると、導電性支持体7aから弾
性層7bおよび表層7cを経てアルミシリンダ21に電
流が流入し、標準抵抗器23(1kΩ)を介して接地に
流れる。
【0034】標準抵抗器23の両端の電圧をVrボルト
とすると、中間転写ドラム7の抵抗値Rcは、 Rc(Ω)=106 /Vr の式によって与えられる。
【0035】表層7cには、ウレタン樹脂をバインダー
とし、これに離型性向上を目的としてPTFEパウダー
を分散した樹脂材料を使用した。この表層7cの表面抵
抗率は、測定したところ1010Ωであった。
【0036】表層7cは、その下層の弾性層7bの柔軟
性を感光ドラム表面に伝えるため、薄層とすることが好
ましく、その膜厚を5〜30μm程度とすることがよ
い。本実施例では、上記したように15μmとした。
【0037】表層7cの表面抵抗率は、弾性層7b上に
表層7cを設けた試験片を、100mm×100mmの
大きさで適宜の厚さのシート状に切り出し、この試験片
について、Advantest社製の測定器R8340
AおよびR12704を用いて、印加電圧1kV、放電
時間5秒、充電時間30秒、測定時間30秒の条件で測
定した。弾性層7bおよび表層7c全体の体積抵抗率
は、2×107 Ωcm(300V印加時)であった。
【0038】中間転写ドラム7の硬度は、JIS−A型
の試験機による測定で42゜であった。1000kgf
の加重で測定機の加圧面を接触させた後、30秒後の目
盛りを読んで測定した。
【0039】転写ベルト8は、図4に示すように、基層
8aとその上の薄層の表層8bの2層構成としており、
高温高湿環境での転写材の分離不良を抑制するために、
表層8bを高抵抗率とし、また2次転写電圧をできるだ
け下げるために、転写ベルト8全体の体積抵抗値を低く
するべく、基層8aを低抵抗率にしている。
【0040】基層8aは、転写ベルト8の屈曲性や引っ
張り強度などの機械的特性を満足させるために、エラス
トマーで形成しており、本実施例では、熱硬化性ウレタ
ンエラストマーを使用している。この熱硬化性ウレタン
エラストマーはエーテル系であり、一般にエステル系の
ウレタンゴムより加水分解しにくいが、遠心成形により
表面粗さが低くなるために、タック性がある。使用状態
では、タック性のある面を内側にし、ローラとの摺動面
に持ってきている。また、表層8b側にフッ素樹脂を持
ってきているので、使用上のタック性の問題はない。
【0041】その結果、転写ベルト8は、転写ローラ1
0a、駆動ローラ10bで8%伸張懸架された状態で、
蛇行や片寄りなどの問題を発生せず、長期の使用にも十
分に耐える。
【0042】本実施例で用いた転写ベルト8について説
明すると、内径65mmの遠心成形型を用い、表層8b
側にフッ素変性樹脂を厚さ20μmにキャスト成形し、
ついで熱硬化性ウレタンエラストマー(たとえば、商品
名ENDURE,InoacCo.)を内側に成形し、
転写ベルト8を得た。ウレタンエラストマー層の体積抵
抗率は、カーボン分散により107 Ωcmに制御し、ベ
ルト総厚を300μm、ベルト全体の体積抵抗を1010
Ωに調整した。
【0043】転写ベルト8の抵抗値は、転写ベルト8を
100mm×100mmの大きさのシート状に切り出
し、前記したAdvantest社製の測定器R834
0AおよびR12704を用いて、印加電圧10V、放
電時間5秒、充電時間30秒、測定時間30秒の条件で
測定した。
【0044】転写ベルト8の硬度は、図9に示すよう
に、転写ローラ10aに懸架した状態で、JIS−A型
の試験機(ゴム硬度計)Mによる測定で57゜であっ
た。測定は、1000kgfの加重で測定機Mの加圧面
を接触させた後、30秒後の目盛りを読んだ。
【0045】転写ローラ10aは、図5に示すように、
SUS製の外径14mmの芯金10a2と、その上の厚
さ3mmの弾性層10a1の2層構成で形成し、外径2
0mmである。弾性層10a1には、カーボンを分散し
て体積抵抗率106 Ωcmに調整したエチレンプロピレ
ンターポリマー(EPDM)を使用した。
【0046】転写ローラ10aの硬度は、転写ベルト8
を懸架した状態で、JIS−A型の試験機による測定で
57゜であった。測定は、1000kgfの加重で測定
機の加圧面を接触させた後、30秒後の目盛りを読ん
だ。
【0047】駆動ローラ10bは、図6に示すように、
SUS製の外径14mmの芯金10b2と、その上の厚
さ3mmの弾性層10b1の2層構成で形成し、外径2
0mmである。転写ローラ10aのときと同様、カーボ
ンの分散により体積抵抗率106 Ωcmに調整エチレン
プロピレンターポリマーを使用して、弾性層10b1を
形成した。
【0048】さて、本実施例での中間転写ドラム7おけ
る転写材Pの分離について述べる。
【0049】中間転写ドラム7における転写材Pの分離
性を高めるために、上述したように、転写ベルト8の表
面に設けた高抵抗の表層8bにより、転写材Pの転写ベ
ルト8に対する静電吸着力を中間転写ドラム7に対する
静電吸着力よりもできるだけ大きくし、静電吸着力の差
による分離作用を働かせるとともに、転写ニップ出口で
の転写ベルト8表面の曲率を中間転写体7表面の曲率よ
りもできるだけ小さくして、曲率の差による分離作用を
働かせている。
【0050】しかしながら、中間転写ドラム7は、外径
が大きく、表面の曲率が小さいので、この静電吸着力差
と曲率差による2つの分離作用だけでは、転写材Pを中
間転写ドラム7から良好に分離することができない。
【0051】そこで、本発明では、上記2つの分離作用
の他に、図7に示すように、転写ローラ10aによる転
写ベルト8の押圧で、転写ニップを中間転写ドラム7側
に凸として、転写材Pのこしの強さを利用した弾性力に
よる分離作用を加えるようにした。
【0052】画像形成装置で用いられる転写材Pは、一
般にこしがあり、弾性を有しているので、転写材Pが転
写ニップで中間転写ドラム7側に曲げられると、図7の
ように、転写材P自体に曲げに抗する弾性力Fpが曲げ
と反対方向に作用する。従って、静電吸着力差と曲率差
による分離作用があるにもかかわらず、転写ニップで転
写材Pが中間転写ドラム7側に吸着しても、転写材Pは
それ自体の弾性力Fpにより中間転写ドラム7から分離
されようとし、曲転写ベルト8に沿って移動しようとす
るので、中間転写ドラム7に吸着したままになることが
なく、中間転写ドラム7からの転写材Pの分離不良が防
止される。
【0053】これが、図8に示すように、転写ニップを
転写ベルト8側に凸にすると、中間転写ドラム7側に吸
着した転写材Pに働く弾性力Fp′は小さく、転写材の
分離不良が発生する。
【0054】本実施例では、上述したように、転写ベル
ト8の転写ローラ10aの部分での硬度、つまり転写ベ
ルト8の転写ローラ10aに支持された状態での硬度を
57゜とし、中間転写ドラム7の硬度42゜よりも高く
したので、中間転写ドラム7側に凸な転写ニップを実現
することができる。
【0055】本実施例において、上記の転写ベルト8
(転写ローラ部での硬度57゜)を用いて、転写材の分
離性を評価した。分離性は、常温常湿環境で、A4サイ
ズのキヤノンPB用紙(坪量64g/cm2 )を100
枚通紙し、100枚あたり分離不良を起こした用紙枚数
(分離不良率)で評価した。結果を表1に示す。
【0056】比較のために、上記と同じ転写ベルト8を
用いたが、ただし、これに転写ローラ10aとして弾性
層10a1が発泡EPDMのものを組み合わせることに
より、転写ベルト8の転写ローラ部での硬度を32゜と
した。上記と同様に分離性を評価した結果を同じ表1に
示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示されるように、本実施例では、転
写ベルト8の転写ローラ10a1部分での硬度を中間転
写ドラム7よりも高くして、転写ニップを中間転写ドラ
ム側に凸にしているので、転写材の分離不良が全く発生
しなかった。これに対し、比較例1では、転写ベルト8
の転写ローラ10a1部分での硬度が中間転写ドラム7
よりも低く、転写ニップが転写ベルト側に凸になってい
るので、3/100の分離不良率(すなわち3枚の分離
不良)で転写材の分離不良が発生した。
【0059】以上のように、本実施例によれば、中間転
写ドラムと転写ベルトとが当接して形成する転写ニップ
を、中間転写ドラム側に凸にしたので、転写材の分離不
良を防止することができる。
【0060】実施例2 図10は、本発明の画像形成装置の他の実施例における
転写装置を示す概略図である。
【0061】本実施例では、図10に示すように、転写
装置5の中間転写体として中間転写ベルト71を採用し
たことが大きな特徴である。本実施例の画像形成装置の
その他の構成は、図1に示した実施例1と基本的に同じ
であるので、図10には省略する。
【0062】上記の中間転写ベルト71は、4本のロー
ラ73、74、75、76と、そのうちの2つのローラ
75、76の間に位置した対向ローラ72とに掛け渡さ
れている。ローラ73〜76はアルミニウム製で、14
mmの外径を有している。
【0063】中間転写ベルト71は、図11に示すよう
に、ゴム、エラストマーまたは樹脂からなる無端状の弾
性層71aと、その上の少なくとも1層の表層71bと
を備えてなる。本実施例では、厚さ5mmの弾性層71
aと、その上の1層の厚さ15μmの表層71bとから
なっており、中間転写ベルト71全体の外径は186m
mとされている。
【0064】弾性層71aは、アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム(NBR)にエピクロルヒドリンゴムの混合
材料からなる。表層71bは、ウレタン樹脂をバインダ
ーとし、これに離型性向上を目的としてPTFEパウダ
ーを分散したものを用いた。
【0065】本実施例によれば、対向ローラ72はソリ
ッドローラとされ、外径8mmのアルミニウム製の芯金
上にソリッドEPDMの弾性層を2mmの厚さに設けて
なっている。その外径は12mmである。
【0066】対向ローラ72は、中間転写ベルト71と
転写ベルト8との当接部において、中間転写ベルト71
を内側から支持して、転写ローラ10aによる転写ベル
ト8の押圧と協同して、当接部に形成される転写ニップ
の形状を中間転写ベルト71側に凸としている。
【0067】本実施例において、上記の中間転写ベルト
71と転写ベルト8との当接部の転写ニップの形状を中
間転写ベルト71側に凸とした状態で、常温常湿環境
で、A4サイズのキヤノンPB用紙(坪量64g/cm
2 )を100枚通紙し、100枚あたり分離不良を起こ
した用紙枚数(分離不良率)によって、分離性を評価し
た。
【0068】比較のために、上記と同じ中間転写ベルト
71を用いたが、ただし、これに対向ローラ72として
弾性層がスポンジEPDMのものを組み合わせることに
より、図12に示すように、当接ニップの形状を転写ベ
ルト8側に凸にして使用した。上記と同様に分離性を評
価した。
【0069】本実施例および比較例の結果を表2に示
す。
【0070】
【表2】
【0071】表2に示されるように、本実施例によれ
ば、転写ニップを中間転写ベルト側に凸にしているの
で、転写材の分離不良が全く発生しなかった。これに対
し、比較例2では、転写ニップが転写ベルト側に凸にな
っているので分離不良が発生し、その分離不良率は転写
材100枚に対し7枚になり、実施例1に示した比較例
1の場合よりも悪かった。
【0072】以上のように、本実施例によれば、中間転
写ベルトと転写ベルトとが当接して形成する転写ニップ
を、中間転写ドラム側に凸にしたので、転写材の分離不
良を防止することができる。
【0073】以上の実施例では、いずれも、中間転写体
と転写ベルトとの間で本発明を適用したが、ベルト状像
担持体の感光ベルトと転写ベルトとの間で本発明を適用
することができ、同様な効果を得られること明らかであ
る。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
中間転写体等の像担持体と転写ベルトとが当接して形成
する転写ニップの形状を像担持体側に凸にしたので、転
写材のこしの強さによる弾性力での分離作用を有効に活
用することができ、像担持体からの転写材の良好な分離
性を確保して、転写材の分離不良を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構
成図である。
【図2】図1の画像形成装置に設置された中間転写ドラ
ムを示す断面図である。
【図3】図2の中間転写ドラムの抵抗値の測定装置を示
す模式図である。
【図4】図1の画像形成装置に設置された転写ベルトの
層構成を示す断面図である。
【図5】図1の画像形成装置に設置された1次転写ロー
ラを示す断面図である。
【図6】図1の画像形成装置に設置された2次転写ロー
ラを示す断面図である。
【図7】図1の画像形成装置における転写ニップの形状
を示す説明図である。
【図8】比較例における転写ニップの形状を示す説明図
である。
【図9】本発明における転写ベルトの2次転写ローラ部
分における硬度の測定法を示す説明図である。
【図10】本発明の画像形成装置の他の実施例における
要部を示す模式図である。
【図11】図10の画像形成装置の中間転写ベルトの層
構成を示す断面図である。
【図12】比較例における転写ニップの形状を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 7 中間転写ドラム 10a 2次転写ローラ 8 転写ベルト 11 2次転写電源 71 中間転写ベルト 72 対向ローラ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写ベルトを備えた転写手段により中間
    転写体からのトナー像の転写材への転写を行う画像形成
    装置において、前記転写ベルトは複数のローラに懸架さ
    れるとともに、前記中間転写体に対し離接自在に設置さ
    れ、前記中間転写体とこれに当接された転写ベルトとは
    当接部にニップを形成し、前記複数のローラのうちの1
    本のローラは、前記当接部の転写ベルトの内側に位置し
    て転写ベルトを内側から支持することにより、前記ニッ
    プを中間転写体側に凸の形状に形成することを特徴とす
    る画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記転写ベルトは、エラストマーからな
    る基層と、その上に形成した離型性を有する表層とから
    なる請求項1の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記中間転写ベルトの硬度が、前記1本
    のローラでの支持により前記当接部の部分で、中間転写
    体の硬度よりも高いことにより、前記ニップの形状が中
    間転写体側に凸になる請求項1または2の画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記中間転写体は、円筒状の導電性支持
    体と、その上に形成した弾性層とからなる中間転写ドラ
    ムである請求項1〜3のいずれかの項に記載の画像形成
    装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性層上に離型性を有する1層以上
    の表層を形成した請求項4の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記中間転写体は、無端状の弾性層と、
    その上に形成した離型性を有する1層以上の表層とから
    なる中間転写ベルトであり、前記中間転写ベルトは複数
    本のローラに懸架され、そのうちの1本のローラは、前
    記当接部の中間転写ベルトの内側に位置して、中間転写
    ベルトを内側から支持する請求項請求項1〜3のいずれ
    かの項に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 転写ベルトを備えた転写手段により感光
    ベルトからのトナー像の転写材への転写を行う画像形成
    装置において、前記転写ベルトは複数のローラに懸架さ
    れるとともに、前記感光ベルトに対し離接自在に設置さ
    れ、前記感光ベルトとこれに当接された転写ベルトとは
    当接部にニップを形成し、前記複数のローラのうちの1
    本のローラは、前記当接部の転写ベルトの内側に位置し
    て転写ベルトを内側から支持することにより、前記ニッ
    プを感光ベルト側に凸の形状に形成することを特徴とす
    る画像形成装置。
JP16590998A 1998-05-29 1998-05-29 画像形成装置 Pending JPH11344874A (ja)

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